説明

画面生成システム、画面生成方法、および画面生成プログラム

【課題】ユーザの端末に応じた使用感良好な画面を効率的かつ低コストで提供する。
【解決手段】情報処理装置100がユーザ端末200からのアクセスに際し取得した、該当ユーザ端末200に関するユーザーエージェント情報または該アクセスに利用された通信キャリアの情報、の少なくともいずれかの情報によりアクセス元の端末種類を判別する処理と、前記判別した端末種類が携帯電話機である場合、携帯電話機向けの画面装飾データを記憶部101より読み出して前記画面定義にインクルードしインラインCSS方式の画面表示情報を生成し、前記判別した端末種類がスマートフォンまたはタブレットPCである場合、スマートフォンまたはタブレットPC向けの画面装飾データを記憶部101より読み出して前記画面定義にインクルードし外部ファイルCSS方式の画面表示情報を生成する処理と、前記生成した画面表示情報を前記ユーザ端末200に返信する処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面生成システム、画面生成方法、および画面生成プログラムに関するものであり、具体的には、ユーザの端末に応じた使用感良好な画面を効率的かつ低コストで提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットにアクセスする端末の種類は、当初のPCから、携帯電話機、スマートフォンと拡大する傾向にある。各種仕様や利用するプロトコルは端末の種類間で異なる場合もあり、ユーザにとって快適な画面表示を行うため、サーバ側で端末種類毎の画面データ等を予め用意しておくことが行われてきた。
【0003】
画面生成の技術としては、例えば、端末装置が情報処理装置にネットワークを介して接続される場合、端末装置夫々の性能に応じた画面の表示を可能とする情報処理装置、情報処理システム、コンピュータプログラム及び情報処理方法(特許文献1参照)などが提案されている。
【0004】
また、携帯電話やスマートフォン、またはタブレットPCなどのパソコンに比べて画面の小さなコンテンツ閲覧装置を用いて、コンテンツを快適に閲覧することを可能にするための、コンテンツを生成するステップ、生成したコンテンツの表示期間を制限するためのステップ、生成したコンテンツ中の一部分を拡大縮小表示するためのステップ、セッション情報を引継ぎするためのステップ、および、コンテンツをインターネット経由で送信するためのコンテンツ変換ステップから構成される、コンテンツ生成・配信システム(特許文献2参照)なども提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−163142号公報
【特許文献2】特開2010−288243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、昨今はスマートフォンの市場シェアが上昇しており、スマートフォンの使用感に適した専用画面に対する要望も増えている。一方、従来のように、端末の種類ごとのサイト構築を行うとすれば、PCや携帯電話機など他端末用の画面に加えて、スマートフォン用の画面生成が別途必要となり、更なる手間、コストが必要となってくる。他方、PC用の画面をそのまま流用してスマートフォン用の画面としても、ユーザの使用勝手は良好と言えない。
【0007】
つまり、インターネットにアクセスする端末の種類を跨って全て同じ画面を表示させると、端末間で使い易さに大きな相違が生じる問題があり、逆に、端末の特性に合わせた画面を端末種類毎に作成すると、コストや手間が多大なものとなってしまうという問題がある。
【0008】
そこで本発明の目的は、ユーザの端末に応じた使用感良好な画面を効率的かつ低コストで提供する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の画面生成システムは、ユーザ端末とネットワークを介して通信する通信部と、ユーザ端末種類を跨った画面定義のデータと、ユーザ端末種類別の画面装飾データとを少なくとも記憶する記憶部と、ユーザ端末からのアクセスに際し取得した、該当ユーザ端末に関するユーザーエージェント情報または該アクセスに利用された通信キャリアの情報、の少なくともいずれかの情報によりアクセス元の端末種類を判別する処理と、前記判別した端末種類が携帯電話機である場合、携帯電話機向けの画面装飾データを記憶部より読み出して前記画面定義にインクルードしインラインCSS方式の画面表示情報を生成し、前記判別した端末種類がスマートフォンまたはタブレットPCである場合、スマートフォンまたはタブレットPC向けの画面装飾データを記憶部より読み出して前記画面定義にインクルードし外部ファイルCSS方式の画面表示情報を生成する処理と、前記生成した画面表示情報を前記ユーザ端末に返信する処理を実行する演算部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の画面生成方法は、ユーザ端末とネットワークを介して通信する通信部と、ユーザ端末種類を跨った画面定義のデータと、ユーザ端末種類別の画面装飾データとを少なくとも記憶する記憶部とを備えた情報処理装置が、ユーザ端末からのアクセスに際し取得した、該当ユーザ端末に関するユーザーエージェント情報または該アクセスに利用された通信キャリアの情報、の少なくともいずれかの情報によりアクセス元の端末種類を判別する処理と、前記判別した端末種類が携帯電話機である場合、携帯電話機向けの画面装飾データを記憶部より読み出して前記画面定義にインクルードしインラインCSS方式の画面表示情報を生成し、前記判別した端末種類がスマートフォンまたはタブレットPCである場合、スマートフォンまたはタブレットPC向けの画面装飾データを記憶部より読み出して前記画面定義にインクルードし外部ファイルCSS方式の画面表示情報を生成する処理と、前記生成した画面表示情報を前記ユーザ端末に返信する処理を実行することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の画面生成プログラムは、ユーザ端末とネットワークを介して通信する通信部と、ユーザ端末種類を跨った画面定義のデータと、ユーザ端末種類別の画面装飾データとを少なくとも記憶する記憶部とを備えた情報処理装置に、ユーザ端末からのアクセスに際し取得した、該当ユーザ端末に関するユーザーエージェント情報または該アクセスに利用された通信キャリアの情報、の少なくともいずれかの情報によりアクセス元の端末種類を判別する処理と、前記判別した端末種類が携帯電話機である場合、携帯電話機向けの画面装飾データを記憶部より読み出して前記画面定義にインクルードしインラインCSS方式の画面表示情報を生成し、前記判別した端末種類がスマートフォンまたはタブレットPCである場合、スマートフォンまたはタブレットPC向けの画面装飾データを記憶部より読み出して前記画面定義にインクルードし外部ファイルCSS方式の画面表示情報を生成する処理と、前記生成した画面表示情報を前記ユーザ端末に返信する処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザの端末に応じた使用感良好な画面を効率的かつ低コストで提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の画面生成システムを含むネットワーク構成図である。
【図2】本実施形態におけるWebサーバ(画面生成システム)の構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における画面生成方法の処理手順例1を示すフロー図である。
【図4】画面生成システムの他の構成例を示す図である。
【図5】本実施形態における画面生成方法の処理手順例2を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の画面生成システム100を含むネットワーク構成図である。図1に示す画面生成システムたるWebサーバ100は、ユーザの端末に応じた使用感良好な画面を効率的かつ低コストで提供するコンピュータシステムである。ここでは一例として、ユーザがある金融機関のインターネットバンキングを利用する際に、スマートフォンを使用して取引を行う状況を想定する。こうしたユーザは、従来であれば、PC用サイトの画面をスマートフォンにて不便を感じつつ無理に閲覧することになるが、本実施形態の画面生成技術が適用されたインターネットバンキングシステムにおいてはそのようは問題は無く、スマートフォンの使用感にマッチした画面を快適に閲覧することができる。なお、本実施形態では上述のようにインターネットバンキングに関する説明を行うが、本発明の適用対象はこれに限定されず、種類の異なるユーザ端末に画面提供を行うコンピュータシステムのいずれにも適用可能である。
【0015】
上記のような状況を想定した場合、例えば、インターネットバンキングのサービスを提供するサーバ群10と、所定の負荷分散装置11、金融機関における勘定系システム12、およびユーザ端末200がネットワーク構成に含まれている。
【0016】
前記サーバ群10には、ユーザ端末200からのアクセスを受け付けるWebサーバ100、ユーザ指示に応じて勘定系システム等と実際にインターネットバンキング処理を実行するアプリケーションサーバ110、企業内の閉じたネットワークに配置されている前記勘定系システム12と前記アプリケーションサーバ110らとのセキュアな通信を仲介するゲートウェイサーバ120が含まれている。勿論、ユーザ端末200のアクセス対象はWebサーバ100のみである。このように、ビジネスロジックを実行するアプリケーションサーバ110と、ユーザ端末200とやりとりして画面提供を行うWebサーバ100とが別途運用されることで、画面構成等の管理を行うシステム管理者等は、ビジネスロジックすなわちアプリケーションサーバ110に関してまで作業を行う必要が無く、Webサーバ100における画面定義やタグライブラリ、画面装飾データ等を取り扱えば良いこととなる。
【0017】
図2は本実施形態におけるWebサーバ(画面生成システム)の構成例を示すブロック図である。また、画面生成システムであるWebサーバ100のハードウェア構成は以下の如くとなる。前記Webサーバ100は、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶装置で構成される記憶部101、RAMなど揮発性記憶装置で構成されるメモリ103、前記記憶部101に保持されるプログラム102をメモリ103に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUなどの演算部104、所定担当者等からのキー入力や音声入出力を担う入出力部105、ネットワークと接続し他装置との通信処理を担う通信部106、を備える。なお、記憶部101内には、本実施形態の画面生成システムとして必要な機能を実装する為のプログラム102と、ユーザ端末種類を跨った画面定義125、図示するようにスマートフォンや携帯電話機など端末種別で例えばセキュア強度が異なるユーザ認証方式を記述した認証方式選択テーブル126、ユーザ端末種類別の画面装飾データ等を収めたカスタムタグライブラリ130が少なくとも記憶されている。
【0018】
続いて、本実施形態の画面生成システムたるWebサーバ100が備える機能について説明する。上述したように、以下に説明する機能は、例えばWebサーバ100が備えるプログラムを実行することで実装される機能と言える。
【0019】
前記Webサーバ100は、ユーザ端末200からのアクセスに際し取得した、該当ユーザ端末200に関するユーザーエージェント情報または該アクセスに利用された通信キャリアの情報、の少なくともいずれかの情報によりアクセス元の端末種類を判別する。この処理については、図1にて示すように負荷分散装置11がアクセス元判定として実行してもよい。ユーザーエージェント情報は、クライアントのリクエストによって送られてきたHTTPヘッダに値が含まれており、ユーザ端末200が所定のプロトコルに基づいてWebサーバ100と通信する際に用いるソフトウェアまたはハードウェアを示す情報となる。
【0020】
インターネットにおけるプロトコルの代表例であるHTTPを用いてWebにアクセスするためのWebブラウザが代表的なユーザーエージェントであり、そのウェブブラウザの情報がユーザーエージェント情報となる。PCと携帯電話機の違い、携帯電話機の通信キャリアの違い、端末の製造年代や搭載OSの違い、などでWebブラウザは異なることが多く、従ってエージェント情報も異なってくる。そうしたエージェント情報や通信キャリアの情報とユーザ端末200の種類との対応関係について予め情報を保持しているWebサーバ100は、ユーザ端末200がPC、携帯電話機、スマートフォンのいずれであるか判定できることとなる。また、通信キャリアの情報は、携帯電話機が通信に利用する専用線の情報であり、ユーザ端末200のアクセス経路の情報から判明する。
【0021】
例えば、ユーザーエージェント情報が、スマートフォン独自のWebブラウザを示していれば、Webサーバ100は、アクセスしてきたユーザ端末200がスマートフォンであると判別できる。また、ユーザーエージェント情報が、携帯電話機ないしスマートフォン用のWebブラウザを示しており、通信キャリアの情報が携帯電話機のみを扱っている通信キャリアを示している場合、Webサーバ100は、アクセスしてきたユーザ端末200が携帯電話機であると判別できる。
【0022】
また、Webサーバ100は、前記判別した端末種類が携帯電話機である場合、携帯電話機向けの画面装飾データを記憶部101より読み出して前記画面定義125にインクルードしインラインCSS方式の画面表示情報を生成する。また、Webサーバ100は、前記判別した端末種類がスマートフォンである場合、スマートフォン向けの画面装飾データを記憶部101より読み出して前記画面定義125にインクルードし外部ファイルCSS方式の画面表示情報を生成する。画面装飾データは、CSS(Cascading Style Sheets)のデータ群を想定できる。CSSはHTMLに代表されるマークアップ言語の表示を規定する仕様である。
【0023】
前記画面定義125は、例えばインターネットバンキングの所定処理毎にユーザに提示する各画面に関し、必ず表示すべき固定的な情報やアプリケーションサーバ110からの処理値等の配置構成などについて記述された定義である。この画面定義125は、Webサーバ100が備える画面制御機能に組み込まれているとも言える。また、前記画面装飾データは、ユーザ端末200の種類別に用意され、端末種別の画面サイズや操作インターフェイス等に応じて予め考慮された各種アイコンや画面等のサイズ、色、デザイン等を記述した画面装飾定義の集まりである。本実施形態では、図1にて示すように、こうした端末種類別の画面装飾データを記憶部101のカスタムタグライブラリ130に格納しているものとする。
【0024】
また、Webサーバ100にて前記画面表示情報の生成を実行するプログラムには、JSP(JavaServer Pages)の技術を採用できる。このJSPは、Java言語を利用してWebサーバ100で動的にWebページを生成し、クライアントに送信する技術となる。HTMLファイルの中にJavaプログラムを埋め込んでおき、クライアントの要求に応じてプログラムを実行、処理結果のみをクライアントに送信することとなる。結果は通常のHTML形式になるため、Webブラウザに特殊な機能を組みこむことなくWebアプリケーションを構築できる。JSPの技術においては、JSPプログラムやHTML文が記されたファイルを別のファイルに読み込む、すなわちインクルードすることで、一度作成したプログラムを再利用することができる。従って、前記カスタムタグライブラリ130から読み出された画面装飾データを前記画面定義125にインクルードすることができる。インクルードを行う方法としては、静的なインクルードを行う「インクルードディレクティブ」、動的なインクルードを行う「インクルードアクション」の2通りある。こうしたインクルードの手法等については既存技術を採用すればよい。
【0025】
また、前記Webサーバ100は、前記JSPが生成した画面表示情報を前記ユーザ端末に返信する。ユーザ端末200はこの画面表示情報を受信し、ディスプレイに表示させることになる。
【0026】
なお、前記Webサーバ100は、前記判別した端末種類が携帯電話機ないしスマートフォンである場合、携帯電話機向けないしスマートフォン向けの画面装飾データを記憶部101より読み出し、外部ファイルCSS方式で画面表示情報を生成し、前記生成した画面表示情報を前記ユーザ端末200に返信するとしてもよい。Webサーバ100へのアクセスが想定される携帯電話機が外部ファイル方式に対応している状況であれば、こうした態様を採用できる。
【0027】
−−−処理手順例1−−−
以下、本実施形態における画面生成方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する画面生成方法に対応する各種動作は、前記Webサーバ100がメモリ等に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0028】
図3は、本実施形態における画面生成方法の処理手順例1を示すフロー図である。ここで前記Webサーバ100は、ユーザ端末200からのアクセスを受けたとする(s100)。これに際し、Webサーバ100は、ユーザ端末200のリクエストによって送られてきたHTTPヘッダから読み取れるユーザーエージェント情報か、該アクセスに利用された通信キャリアの情報の少なくともいずれかの情報と、所定の情報(エージェント情報や通信キャリアの情報とユーザ端末種類との対応関係について記述したテーブル等)
とを対照し、アクセス元となったユーザ端末200の端末種類を判別する(s101)。
【0029】
例えば、ユーザーエージェント情報が、スマートフォン独自のWebブラウザを示していれば、Webサーバ100は、アクセスしてきたユーザ端末200がスマートフォンであると判別できる。また、ユーザーエージェント情報が、携帯電話機ないしスマートフォン用のWebブラウザを示しており、通信キャリアの情報が携帯電話機のみを扱っている通信キャリアを示している場合、Webサーバ100は、アクセスしてきたユーザ端末200が携帯電話機であると判別できる。Webサーバ100は、こうして判別した端末種類の情報を、該当ユーザ端末200とのセッションが終了するまで記憶部101ないしメモリ103に記憶しておく。
【0030】
続いてWebサーバ100は、記憶部101に予め保持している認証方式選択テーブル126を参照し、前記ステップs101にて判別している端末種類の情報に対応した認証方式を特定し、該当認証方式によるユーザ認証処理を実行する(s102)。認証方式選択テーブル126は、ユーザ端末200の種類毎に定めた認証方式の情報を格納したテーブルとなる。
【0031】
例えば、アクセスしてきたユーザ端末200が携帯電話機である場合(s102:携帯)、通信キャリアの専用線を使った通信となるため、外部からのなりすましや情報漏洩は生じにくいセキュアな環境であるとして、従って、認証方式としても例えばユーザIDとパスワードによる一般的な認証方式が採用される(s103)。他方、アクセスしてきたユーザ端末200がスマートフォンである場合(s102:スマートフォン)、公衆回線網であるインターネットを使った通信となるため、適宜な措置を講じないと外部からのなりすましや情報漏洩が生じる懸念がある環境であるとして、従って、認証方式としても例えばユーザIDとパスワードの照合処理に加えて生体認証も必須とする認証方式が採用される(s104)。こうして切り替えた認証方式の処理については図3中における、右上欄にて一例を示している。この例では、ログインから、追加認証画面(ユーザ所持の乱数表に基づく認証を行う画面)の表示を経て、トップ画面、振込画面、振り込み元口座選択、入力内容確認画面(追加で行うべきトークン認証を行う画面)、完了画面に至る処理遷移を示している。
【0032】
上記ステップでのユーザ認証に成功した後(s103:OK、ないしs104:OK)、前記Webサーバ100は、前記ステップs101にて判別している端末種類の情報を元に、セッション管理に際して用いるセッション情報の受渡し方式を、ユーザ端末200が携帯電話機である場合にはGET方式(s105)、ユーザ端末200がスマートフォンである場合にはPOST方式とする(s106)。ユーザ端末200が携帯電話機である場合、上述のように通信キャリアの専用線を介した通信となるから、URLにセッション情報が含まれているGET方式で問題なく、一方、ユーザ端末200がスマートフォンである場合、インターネットを介した通信となるからGET方式よりセキュアなPOST方式とするのである。
【0033】
続いてWebサーバ100は、前記ユーザ端末200が携帯電話機である場合、携帯電話機向けの画面装飾データを記憶部101より読み出して前記画面定義125にインクルードしインラインCSS方式の画面表示情報を生成する(s107)。また、Webサーバ100は、前記判別した端末種類がスマートフォンである場合、スマートフォン向けの画面装飾データを記憶部101より読み出して前記画面定義125にインクルードし外部ファイルCSS方式の画面表示情報を生成する(s108)。画面装飾データは、CSS(Cascading Style Sheets)のデータ群を想定できる。CSSはHTMLに代表されるマークアップ言語の表示を規定する仕様である。
【0034】
前記画面定義125は、例えばインターネットバンキングの所定処理毎にユーザに提示する各画面に関し、必ず表示すべき固定的な情報やアプリケーションサーバ110からの処理値等の配置構成などについて記述された定義である。この画面定義125は、Webサーバ100が備える画面制御機能に組み込まれているとも言える。また、前記画面装飾データは、ユーザ端末200の種類別に用意され、端末種別の画面サイズや操作インターフェイス等に応じて予め考慮された各種アイコンや画面等のサイズ、色、デザイン等を記述した画面装飾定義の集まりである。
【0035】
また、Webサーバ100にて前記画面表示情報の生成を実行するプログラムには、JSP(JavaServer Pages)の技術を採用できる。このJSPは、Java言語を利用してWebサーバ100で動的にWebページを生成し、クライアントに送信する技術となる。HTMLファイルの中にJavaプログラムを埋め込んでおき、クライアントの要求に応じてプログラムを実行、処理結果のみをクライアントに送信することとなる。結果は通常のHTML形式になるため、Webブラウザに特殊な機能を組みこむことなくWebアプリケーションを構築できる。JSPの技術においては、JSPプログラムやHTML文が記されたファイルを別のファイルに読み込む、すなわちインクルードすることで、一度作成したプログラムを再利用することができる。従って、前記カスタムタグライブラリ130から読み出された画面装飾データを前記画面定義125にインクルードすることができる。
【0036】
また、前記Webサーバ100は、前記JSPが生成した画面表示情報を前記ユーザ端末200に返信する(s109、s110)。ユーザ端末200はこの画面表示情報を受信し、ディスプレイに表示させることになる。
【0037】
なお、携帯電話機用のインラインCSSの設定は、携帯電話機の通信キャリア別にも、携帯電話機の機種毎にも変えることができる。またスマートフォン用の外部ファイルCSSは、スマートフォンのキャリア別にも機種別にも変えることができる。また、「meta]タグなどの表示情報は、携帯電話機のキャリア別にも機種別にも、スマートフォンのキャリア別にも機種別にも変更できる。
【0038】
また、上述したJSPはユーザ端末種類を跨って共通のソースを使うとしても、同じソースをベースに、別プログラムとして動作させるとしても構わない。同様に、PCブラウザ用の画面と同じソースをベースに、ユーザ端末間で画面制御部を共用するとしてもよい。またスマートフォンの代わりにタブレットPCの場合も同様に採用できることは言うまでもない。
【0039】
−−−処理手順例2−−−
次に、ユーザ端末200としての携帯電話機が外部ファイルCSS方式に対応した仕様のものである場合の処理について図に基づき説明する。図4は当該処理手順例に対応したシステム構成図であり、図5は、本実施形態における画面生成方法の処理手順例2を示すフロー図である。このフローと、上記処理手順例1のうち、ステップs100〜s106までの処理とは同様であるので該当ステップの説明は省略する。従って、ステップs107から説明を行う。
【0040】
この場合、Webサーバ100は、前記ユーザ端末200が携帯電話機である場合、携帯電話機向けの画面装飾データを記憶部101より読み出して外部ファイルCSS方式で画面表示情報を生成する(s127)。また、Webサーバ100は、前記判別した端末種類がスマートフォンである場合、スマートフォン向けの画面装飾データを記憶部101より読み出して外部ファイルCSS方式で画面表示情報を生成する(s128)。Webサーバ100にて前記画面表示情報の生成を実行するプログラムには、JSP(JavaServer Pages)の技術を採用できる。
【0041】
また、前記Webサーバ100は、前記JSPが生成した画面表示情報を前記ユーザ端末200に返信する(s129、s130)。ユーザ端末200はこの画面表示情報を受信し、ディスプレイに表示させることになる。
【0042】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0043】
こうした本実施形態によれば、ユーザの端末に応じた使用感良好な画面を効率的かつ低コストで提供することが可能となる。
【0044】
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、前記画面生成システムにおける前記演算部が、前記判別した端末種類が携帯電話機ないしスマートフォンである場合、携帯電話機向けないしスマートフォン向けの画面装飾データを記憶部より読み出し、外部ファイルCSS方式で画面表示情報を生成し、前記生成した画面表示情報を前記ユーザ端末に返信するとしてもよい。またスマートフォンの代わりにタブレットPCの場合も同様に採用できることは言うまでもない。
【0045】
また、前記画面生成システムにおいて、前記記憶部は、ユーザ端末種別のユーザ認証方式を記述した認証方式選択テーブルを記憶しており、前記演算部が、前記記憶部の認証方式選択テーブルを参照し、前記判別した端末種類の情報に対応した認証方式を特定し、該当認証方式によるユーザ認証処理を実行する処理を実行するものであるとしてもよい。
【0046】
また、前記画面生成システムにおいて、前記演算部が、セッション管理に際して用いるセッション情報の受渡し方式を、前記判別している端末種類に応じて決定するものであるとしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
100 画面生成システム(Webサーバ)
101 記憶部
102 プログラム
103 メモリ
104 演算部
105 入出力部
106 通信部
120 ネットワーク
125 画面定義
126 認証方式選択テーブル
130 カスタムタグライブラリ
200 ユーザ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末とネットワークを介して通信する通信部と、
ユーザ端末種類を跨った画面定義のデータと、ユーザ端末種類別の画面装飾データとを少なくとも記憶する記憶部と、
ユーザ端末からのアクセスに際し取得した、該当ユーザ端末に関するユーザーエージェント情報または該アクセスに利用された通信キャリアの情報、の少なくともいずれかの情報によりアクセス元の端末種類を判別する処理と、
前記判別した端末種類が携帯電話機である場合、携帯電話機向けの画面装飾データを記憶部より読み出して前記画面定義にインクルードしインラインCSS方式の画面表示情報を生成し、前記判別した端末種類がスマートフォンまたはタブレットPCである場合、スマートフォンまたはタブレットPC向けの画面装飾データを記憶部より読み出して前記画面定義にインクルードし外部ファイルCSS方式の画面表示情報を生成する処理と、
前記生成した画面表示情報を前記ユーザ端末に返信する処理を実行する演算部と、
を備えることを特徴とする画面生成システム。
【請求項2】
前記演算部が、
前記判別した端末種類が携帯電話機ないしスマートフォンまたはタブレットPCである場合、携帯電話機向けないしスマートフォン向けの画面装飾データを記憶部より読み出し、外部ファイルCSS方式で画面表示情報を生成し、前記生成した画面表示情報を前記ユーザ端末に返信するものであることを特徴とする請求項1に記載の画面生成システム。
【請求項3】
前記記憶部は、ユーザ端末種別のユーザ認証方式を記述した認証方式選択テーブルを記憶しており、
前記演算部が、前記記憶部の認証方式選択テーブルを参照し、前記判別した端末種類の情報に対応した認証方式を特定し、該当認証方式によるユーザ認証処理を実行する処理を実行するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の画面生成システム。
【請求項4】
前記演算部が、セッション管理に際して用いるセッション情報の受渡し方式を、前記判別している端末種類に応じて決定するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画面生成システム。
【請求項5】
ユーザ端末とネットワークを介して通信する通信部と、ユーザ端末種類を跨った画面定義のデータと、ユーザ端末種類別の画面装飾データとを少なくとも記憶する記憶部とを備えた情報処理装置が、
ユーザ端末からのアクセスに際し取得した、該当ユーザ端末に関するユーザーエージェント情報または該アクセスに利用された通信キャリアの情報、の少なくともいずれかの情報によりアクセス元の端末種類を判別する処理と、
前記判別した端末種類が携帯電話機である場合、携帯電話機向けの画面装飾データを記憶部より読み出して前記画面定義にインクルードしインラインCSS方式の画面表示情報を生成し、前記判別した端末種類がスマートフォンまたはタブレットPCである場合、スマートフォンまたはタブレットPC向けの画面装飾データを記憶部より読み出して前記画面定義にインクルードし外部ファイルCSS方式の画面表示情報を生成する処理と、
前記生成した画面表示情報を前記ユーザ端末に返信する処理を実行することを特徴とする画面生成方法。
【請求項6】
ユーザ端末とネットワークを介して通信する通信部と、ユーザ端末種類を跨った画面定義のデータと、ユーザ端末種類別の画面装飾データとを少なくとも記憶する記憶部とを備えた情報処理装置に、
ユーザ端末からのアクセスに際し取得した、該当ユーザ端末に関するユーザーエージェント情報または該アクセスに利用された通信キャリアの情報、の少なくともいずれかの情報によりアクセス元の端末種類を判別する処理と、
前記判別した端末種類が携帯電話機である場合、携帯電話機向けの画面装飾データを記憶部より読み出して前記画面定義にインクルードしインラインCSS方式の画面表示情報を生成し、前記判別した端末種類がスマートフォンまたはタブレットPCである場合、スマートフォンまたはタブレットPC向けの画面装飾データを記憶部より読み出して前記画面定義にインクルードし外部ファイルCSS方式の画面表示情報を生成する処理と、
前記生成した画面表示情報を前記ユーザ端末に返信する処理を実行させることを特徴とする画面生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−247927(P2012−247927A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118147(P2011−118147)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】