説明

画面表示制御装置、画面表示制御方法、及びプログラム

【課題】
ウィンドウを復元できない携帯端末等の端末を使用する場合でも効率的に作業を継続することを可能とする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】
ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置において、第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を記憶手段に格納しておき、予め定めた種別の第2のユーザ端末からアクセスを受けたときに、前記記憶手段に格納された複数のアプリケーションの使用時間のうちの最も長い使用時間に対応するアプリケーションの画面表示用情報を第2のユーザ端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末とサーバ装置とがネットワークを介して接続されたシステムにおいて、サーバ装置からユーザ端末に送られる画面表示用情報に基づき、ユーザ端末がアプリケーションの画面を表示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザ端末のWebブラウザ上で通常のOSのデスクトップのような画面を表示させ、その画面上でアプリケーションを実行することを可能とした技術が提供され始めている。当該技術におけるアプリケーションは、ユーザ端末内にインストールされた通常のアプリケーションではなく、サーバ装置とユーザ端末間の連携により実現されるものである。
【0003】
上記のような技術はいわゆるWebOSと呼ばれるものであり、例えば図1に示す構成及び手順により実現される。なお、図1に示すものは一例であり、WebOSの実現の方法には種々のものがあり得る。
【0004】
図1に示すユーザ端末1は一般的なPCでありWebブラウザが実行されている。また、サーバ装置2は、ユーザ端末1で実行されるクライアントプログラムを提供するクライアントプログラム提供部21と、ユーザ端末1で実行されるクライアントプログラムからの要求によりデータや処理結果をユーザ端末1に提供する連携機能部22と、ユーザ端末1のWebブラウザ上でデスクトップ画面やアプリケーションの画面を描画するために必要なデータ(画面の部品やウィンドウ属性等)を保持しておくためのデータベース部23とを有している。ユーザ端末1とサーバ装置2はインターネット等のネットワークを介して接続されている。
【0005】
ユーザ端末1がサーバ装置2にログインすることにより、クライアントプログラムがユーザ端末1に提供され(ステップ1)、そのクライアントプログラムがユーザ端末1で実行されることにより、ユーザ端末1はサーバ装置2の連携機能部22にデスクトップ画面の描画に必要な属性データ(ウィンドウやボタンの表示位置、形状、大きさ等)を要求し(ステップ2)、当該属性データを取得することにより(ステップ3)、ユーザ端末1ではWebブラウザの画面上にウィンドウやボタンといったデスクトップを構成する要素が描画されデスクトップ画面が表示される。
【0006】
そして、例えば、ユーザによりデスクトップ画面上の特定のアプリケーションが選択されることにより、ステップ1〜3と同様に、そのアプリケーションに対応したクライアントプログラムがユーザ端末1に送信され、当該クライアントプログラムが実行されることにより、ユーザ端末1は必要に応じてサーバ装置2の連携機能部22にデータ取得やデータ処理等の要求を行い、必要なデータや処理結果を取得しながらアプリケーションとしての処理が実現される。
【0007】
これにより、ユーザ端末1上でアプリケーションの機能が実現され、ユーザ端末1を使用するユーザから見れば、あたかもユーザ端末1内にインストールされた通常のアプリケーションを使用する場合と同様の感覚でアプリケーションを使用できる。なお、本明細書において「アプリケーション」とは、特に断らない限り、通常のアプリケーションの意味に加えて、クライアントプログラムが実行されるユーザ端末1とサーバ装置2との間の連携により実現されるアプリケーションの意味も含むものとする。
【0008】
上記のような構成のシステムにおいては、ユーザ端末1は、各アプリケーションに対応するクライアントプログラムを複数実行できる。その場合、ユーザ端末1の画面上には、通常のパソコンのOS上のデスクトップ画面と同様に、各アプリケーションに対応した複数のウィンドウが開かれ、ユーザは、所望のウィンドウを適宜選択してそのウィンドウに対応したアプリケーションによる作業を行うことができる。
【0009】
なお、本願に関連する従来技術として特許文献1〜3がある。
【特許文献1】特開平5−233203
【特許文献2】特開2004−259016
【特許文献3】特開2005−208759
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
さて、ユーザがサーバ装置2に対してログオフする等して複数のアプリケーションを用いた作業を中断した後に、再度Webブラウザを開いてサーバ装置2にログインすることにより、中断前の各アプリケーションによる作業を継続する場合において、作業を中断する前と同じ複数のウィンドウがユーザ端末1上に開かれたら作業の継続性の観点から便利である。なお、ユーザ端末1上でWebブラウザを閉じることもログオフに含まれるものとする。
【0011】
このような機能は、サーバ装置2が、当該ユーザ及び各アプリケーションに対応付けて、作業中断直前のウィンドウの状態をデータベース部23に保存しておくことにより実現可能である。つまり、サーバ装置2は、ユーザ端末1からのログオフを受け付けたときに、そのときのウィンドウの状態とアプリケーションの情報をデータベース部23に保存し、再度ユーザからログインがあったときには、データベース部23から当該ウィンドウの状態とアプリケーションの情報を読み出し、ユーザ端末1に送信する。これにより、ユーザ端末1では、作業中断の直前のウィンドウと同じウィンドウが表示され、ユーザは作業中断前の作業をスムーズに継続することができる。
【0012】
ところで、図1に示すシステムでは、ユーザは種々の端末を使用してアプリケーションを使用できる。例えば、ある場所にあるユーザ端末Aを使用してサーバ装置2にログインし、あるアプリケーションで作業を行った後に、別の場所のユーザ端末Bからサーバ装置2にログインしてユーザ端末Aでの作業終了直前と同じ状態から作業を行うことができる。また、ユーザ端末1としては一般的なパソコンに限らず、携帯電話機のような携帯端末も使用することができる。
【0013】
しかし、携帯端末は小型であり、パソコン等のマルチタスクを容易に行うことができる端末より処理能力が低いため、複数のウィンドウを開いて複数のアプリケーションを実行することは一般に困難である。従って、例えば、パソコン等のユーザ端末で複数のアプリケーションに対応するウィンドウを開いて作業を行い、その作業を終了した後に、携帯端末からサーバ装置2にログインしても、作業中断前と同様のウィンドウを復元することはできず、ユーザは前回の作業の記憶に頼って最初からアプリケーションを選択する操作から行わなければならない。つまり、このような場合は作業を効率的に継続できないという問題がある。
【0014】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、サーバ装置からユーザ端末に送られる画面表示用情報に基づき、ユーザ端末がアプリケーションの画面を表示する技術において、複数のウィンドウを表示できるユーザ端末を使用した作業の後に、複数のウィンドウを表示することが困難なユーザ端末を使用する場合でも効率的に作業を継続することを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題は、ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置であって、前記画面表示制御装置に接続した第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、各アプリケーションの使用時間を各アプリケーションの識別情報とともにユーザ識別情報に対応付けて記憶手段に格納するアプリケーション使用時間取得手段と、前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了した後に第2のユーザ端末から前記ユーザ識別情報に基づく接続を受けた場合に、当該第2のユーザ端末の種別を判定する端末種別判定手段と、前記端末種別判定手段により前記第2のユーザ端末の種別が予め定めた種別であると判定された場合に、前記記憶手段に格納された前記ユーザ識別情報に対応する複数のアプリケーションの使用時間のうちの最も長い使用時間に対応するアプリケーションの画面表示用情報を前記第2のユーザ端末に送信する画面表示用情報送信手段とを有することを特徴とする画面表示制御装置により達成できる。
【0016】
また、本発明は、ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置であって、前記画面表示制御装置に接続した第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、各アプリケーションの使用時間を各アプリケーションの識別情報とともにユーザ識別情報に対応付けて記憶手段に格納するアプリケーション使用時間取得手段と、前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了した後に第2のユーザ端末から前記ユーザ識別情報に基づく接続を受けた場合に、当該第2のユーザ端末の種別を判定する端末種別判定手段と、前記端末種別判定手段により前記第2のユーザ端末の種別が予め定めた種別であると判定された場合に、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記記憶手段に識別情報が格納されているアプリケーションを示す情報をその使用時間と関連付けて前記第2のユーザ端末に送信する画面表示用情報送信手段とを有することを特徴とする画面表示制御装置として構成することもできる。
【0017】
前記画面表示制御装置に、前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了する直前に前記第1のユーザ端末に表示されていたウィンドウの属性情報を取得し、記憶手段に格納するウィンドウ属性情報取得手段を備え、前記画面表示用情報送信手段が、前記端末種別判定手段により前記第2のユーザ端末の種別が前記予め定めた種別と異なる種別であると判定された場合に、前記ウィンドウの属性情報と当該ウィンドウに対応するアプリケーションの画面表示用情報とを前記第2のユーザ端末に送信するようにしてもよい。
【0018】
また、前記画面表示用情報送信手段は、前記第2のユーザ端末に前記最も長い使用時間に対応するアプリケーションの画面表示用情報を送信した後に、前記第2のユーザ端末から当該アプリケーションをキャンセルすることを示す情報を受信した場合に、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記記憶手段に識別情報が格納されているアプリケーションのうち、前記最も長い使用時間に対応するアプリケーションを除くアプリケーションを示す情報を前記第2のユーザ端末に送信することとしてもよい。
【0019】
また、前記アプリケーション使用時間取得手段は、前記第2のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、前記記憶手段に既に格納されているアプリケーションの使用時間については、既に格納されている使用時間に前記第2のユーザ端末において使用された使用時間を加算し、前記記憶手段に格納されていないアプリケーションの使用時間については、前記第2のユーザ端末において使用された使用時間とそれに対応するアプリケーションの識別情報とを前記記憶手段に格納することとしてもよい。
【0020】
また、本発明は、コンピュータを、ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置として機能させるためのプログラムであって、コンピュータを、前記画面表示制御装置に接続した第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、各アプリケーションの使用時間を各アプリケーションの識別情報とともにユーザ識別情報に対応付けて記憶手段に格納するアプリケーション使用時間取得手段、前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了した後に第2のユーザ端末から前記ユーザ識別情報に基づく接続を受けた場合に、当該第2のユーザ端末の種別を判定する端末種別判定手段、前記端末種別判定ステップにおいて前記第2のユーザ端末の種別が予め定めた種別であると判定された場合に、前記記憶手段に格納された前記ユーザ識別情報に対応する複数のアプリケーションの使用時間のうちの最も長い使用時間に対応するアプリケーションの画面表示用情報を前記第2のユーザ端末に送信する画面表示用情報送信手段、として機能させるプログラムとして構成することもできる。
【0021】
更に、本発明は、コンピュータを、ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置として機能させるためのプログラムであって、コンピュータを、
前記画面表示制御装置に接続した第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、各アプリケーションの使用時間を各アプリケーションの識別情報とともにユーザ識別情報に対応付けて記憶手段に格納するアプリケーション使用時間取得手段、前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了した後に第2のユーザ端末から前記ユーザ識別情報に基づく接続を受けた場合に、当該第2のユーザ端末の種別を判定する端末種別判定手段、前記端末種別判定ステップにおいて前記第2のユーザ端末の種別が予め定めた種別であると判定された場合に、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記記憶手段に識別情報が格納されているアプリケーションを示す情報をその使用時間と関連付けて前記第2のユーザ端末に送信する画面表示用情報送信手段、として機能させるプログラムとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、サーバ装置からユーザ端末に送られる画面表示用情報に基づき、ユーザ端末がアプリケーションの画面を表示する技術において、複数のウィンドウを表示できるユーザ端末を使用した作業の後に、複数のウィンドウを表示することが困難なユーザ端末を使用する場合でも効率的に作業を継続することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
(システム構成)
図2に本発明の実施の形態におけるシステム構成図を示す。図2に示すように、本実施の形態のシステムは、サーバ装置3とユーザ端末1とを有し、サーバ装置3とユーザ端末1はネットワーク4により接続されている。サーバ装置3は、ユーザ情報格納部31、ウィンドウ状態格納部32、コンテンツ格納部33、クライアントプログラム格納部34、通信制御部35、ユーザ認証部36、端末識別部37、連携機能部38、及び画面表示制御部39を有する。
【0025】
ユーザ情報格納部31は、ユーザID、パスワード等を格納する。これらはユーザ登録により予め格納されるものである。また、ユーザ情報格納部31は、サーバ装置3が受信するデータ(パケット)がどのユーザIDに対応するかを識別可能とするために、ユーザ端末1のアドレス情報をユーザIDと対応付けて保持する。このアドレス情報はユーザ端末1からのログイン毎に更新されるものである。
【0026】
ウィンドウ状態格納部32は、ユーザ端末1で使用されたアプリケーション毎のウィンドウの状態、ファイル名、アプリケーションが使用された時間(期間)をユーザIDに対応付けて格納する。コンテンツ格納部33は、アプリケーションにおいて使用されるファイル(例えば、表計算アプリケーションであれば表のファイル、ワープロアプリケーションであれば文書ファイル)、及び画面上で表示される画像のデータ等を格納する。クライアントプログラム格納部34は、ユーザ端末1のWebブラウザ画面上にデスクトップ画面を表示するためのクライアントプログラムと、各アプリケーションに対応するクライアントプログラムを格納する。なお、各アプリケーションに対応するクライアントプログラムは、画面表示用情報の1つである。
【0027】
通信制御部35は、サーバ装置3がネットワークを介してユーザ端末1とデータ通信を行うための機能部である。ユーザ認証部36は、ユーザがユーザ端末1においてログイン操作を行うことによりユーザ端末1から送信されるユーザID、パスワードを受信し、ユーザ情報格納部31に格納されているデータと比較することによりユーザ認証を行う。ユーザ認証に成功すれば、以降のアクセスを許容し、ユーザ認証に失敗すれば以降のアクセスを拒否する。
【0028】
端末識別部37は、ユーザ端末1から受信するデータ(パケット)に含まれる情報に基づきユーザ端末1の種別を判別する。具体的には、ユーザ端末1から受信するデータに含まれるWebブラウザの種類によりユーザ端末の種別を判別することができる。例えば、ユーザ端末1から受信するデータに含まれるWebブラウザの情報がブラウザAを表すものであれば当該ユーザ端末1は一般的なパソコンであると判定し、それ以外を表すものであれば、携帯端末であると判定できる。また、端末識別部37は、ユーザ端末1から受信するデータに含まれるアドレス情報を用いてユーザ情報格納部31を参照することにより、ユーザ端末1から受信するデータに対応するユーザIDを取得し、それを連携機能部38に送ることができる。なお、ユーザIDはユーザ端末1から受信するデータに含まれることとしてもよい。
【0029】
連携機能部38は、ユーザ端末1からの要求に応じて、クライアントプログラムや種々のファイル・コンテンツをユーザ端末1に提供したり、ユーザ端末1からの要求に応じた処理(アプリケーションの機能を実現するために必要な処理)を行い、処理の結果をユーザ端末1に提供したりする機能部である。
【0030】
また、本実施の形態では、あるアプリケーションに対応するクライアントプログラムがユーザ端末1において実行され、それに対応するウィンドウが開かれるとき、もしくは、ウィンドウは開かれたままで、ウィンドウがアクティブにされたときに、ユーザ端末1から当該アプリケーションのIDと使用開始を示す情報がサーバ装置3に送られる。これはクライアントプログラムの機能により実現される。連携機能部38はその情報をユーザIDとともに画面表示制御部39に通知する。
【0031】
また、ユーザ端末1においてあるウィンドウを閉じたり、ユーザがあるウィンドウでの作業から別の作業に移行した場合には、ユーザ端末1から当該ウィンドウに対応するアプリケーションのIDと使用終了を示す情報がサーバ装置3に送られる。連携機能部37はその情報をユーザIDとともに画面表示制御部39に通知する。
【0032】
画面表示制御部39は、ウィンドウの状態情報をウィンドウ状態格納部32に格納したり、ウィンドウの状態情報をウィンドウ状態格納部32から読み出して連携機能部38に渡す処理等を行う。詳細については後述する。
【0033】
サーバ装置3はコンピュータに上記各機能部の機能を実現させるためのプログラムを当該コンピュータに実行させることにより実現可能である。そのようなコンピュータの構成の一例を図3に示す。図3に示すように、このコンピュータは、CPU51、メモリ52、DVD等の記録媒体を読み取る読み取り装置53、入出力装置54、ハードディスク等の記憶装置55、及び通信装置56を有する。上記プログラムは、DVD等から読み取り装置53を介してコンピュータにインストールしてもよいし、通信装置56を介してネットワークからダウンロードすることとしてもよい。ユーザ端末1は、一般的なパソコンや携帯端末である。
【0034】
なお、サーバ装置3を、ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置として構成し、前記画面表示制御装置に接続した第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、各アプリケーションの使用時間を各アプリケーションの識別情報とともにユーザ識別情報に対応付けて記憶手段に格納するアプリケーション使用時間取得手段と、前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了した後に第2のユーザ端末から前記ユーザ識別情報に基づく接続を受けた場合に、当該第2のユーザ端末の種別を判定する端末種別判定手段と、前記端末種別判定手段により前記第2のユーザ端末の種別が予め定めた種別であると判定された場合に、前記記憶手段に格納された前記ユーザ識別情報に対応する複数のアプリケーションの使用時間のうちの最も長い使用時間に対応するアプリケーションの画面表示用情報を前記第2のユーザ端末に送信する画面表示用情報送信手段とを備えることとしてもよい。
【0035】
また、サーバ装置3を、ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置として構成し、その画面表示制御装置に、前記画面表示制御装置に接続した第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、各アプリケーションの使用時間を各アプリケーションの識別情報とともにユーザ識別情報に対応付けて記憶手段に格納するアプリケーション使用時間取得手段と、前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了した後に第2のユーザ端末から前記ユーザ識別情報に基づく接続を受けた場合に、当該第2のユーザ端末の種別を判定する端末種別判定手段と、前記端末種別判定手段により前記第2のユーザ端末の種別が予め定めた種別であると判定された場合に、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記記憶手段に識別情報が格納されているアプリケーションを示す情報をその使用時間と関連付けて前記第2のユーザ端末に送信する画面表示用情報送信手段とを備えることとしてもよい。
【0036】
(処理の概要)
次に、本実施の形態においてサーバ装置3が実行する処理の概念を説明する。なお、以下の説明では、複数のウィンドウを開いて作業を行うことが可能なパソコン等の端末を"PCユーザ端末"と表記し、複数のウィンドウを開いて作業を行うことができない携帯電話機等の端末を"携帯ユーザ端末"と表記することにする。また、単に"ユーザ端末"と表記した場合は、特に種別を限定しないものとする。
【0037】
本実施の形態では、ユーザ端末1からサーバ装置3にログインして複数のアプリケーションを用いて作業を行った後にログオフすることにより、サーバ装置3にウィンドウの状態情報及びアプリケーションの使用時間情報が保存される。そして、その後に携帯ユーザ端末からサーバ装置3にログインしてアプリケーションを使用する場合において、サーバ装置3は、前回のユーザ端末1での複数のアプリケーションのうち、最も長時間使用されたアプリケーションの作業環境(クライアントプログラム、使用ファイル等)を最初に携帯ユーザ端末に提供することとしている。
【0038】
つまり、サーバ装置3は、携帯ユーザ端末での作業の前のユーザ端末1での作業(ログオンからログオフまでの間)において、ユーザ端末1で使用されるアプリケーション毎の使用開始時刻/終了時刻を、アプリケーションの使用開始/使用終了を示す情報をユーザ端末1から受信することにより把握する。図4は、ログオンからログオフまでの間にアプリケーション1、2、3がユーザ端末1において使用された場合を示している。この場合、サーバ装置3は、アプリケーション1の使用時間がt1+t4、アプリケーション2の使用時間がt2、アプリケーション3の使用時間がt3であることをユーザIDに対応付けてウィンドウ状態格納部32に格納する。そして、サーバ装置3は、次に携帯ユーザ端末から当該ユーザIDでのログインを受けた場合に、前回のユーザ端末1での使用時間が最も長かったアプリケーション1に対応するクライアントプログラムとアプリケーション1で使用していたファイルとを携帯ユーザ端末に送信する。なお、以下の説明では、あるアプリケーションに対して1つのファイルを用いる例を示すものとするが、あるアプリケーションについて、ログインからログオフの間に複数のファイルを使用する場合には、例えば、アプリケーションのファイル毎に使用時間を格納し、最も使用時間の長かったファイルとそのアプリケーションのクライアントプログラムを携帯ユーザ端末に送信することとしてよい。また、あるアプリケーションについて、ログインからログオフの間に複数のファイルを使用する場合において、最後に使用したファイル名をウィンドウ状態格納部32に格納し、使用時間は使用ファイル数にかかわらず、アプリケーションの使用時間であることとしてもよい。
【0039】
携帯ユーザ端末には、前回最も長い時間使用したアプリケーション1とそのファイルの画面が表示される(図5(a))。最も長い時間使用したアプリケーション1は当該ユーザにとって最も優先すべき作業に関わるものであると考えられるため、このようなしくみを導入することにより、前回のウィンドウ状態を復元できない携帯ユーザ端末を使用する場合でも、ユーザは効率的に前回からの作業を継続することができる。
【0040】
また、もし、ユーザがアプリケーション1以外のアプリケーションを使用したいと考えた場合には、ユーザは最初に表示されたアプリケーション1をキャンセルし、アプリケーション1がキャンセルされたことを示す情報がサーバ装置3に送信される。当該情報を受信したサーバ装置3は、アプリケーション1以外のアプリケーションに関する情報を携帯ユーザ端末に送信し、携帯ユーザ端末には図5(b)に示すような画面が表示される。なお、この画面表示では、使用時間の長いものから順に上から表示することとしてよい。続いて、この画面からユーザにより所望のアプリケーションが選択され、選択されたアプリケーションに対応するクライアントプログラムとファイルが携帯ユーザ端末に送信されることにより、ユーザは所望のアプリケーションを使用できる。
【0041】
また、最も長時間使用されたアプリケーションの作業環境(クライアントプログラム、使用ファイル等)を最初に携帯ユーザ端末に提供し、そのアプリケーションがキャンセルされた後に図5(b)に示すような画面を表示することに代えて、使用時間が記録されたアプリケーションの情報(図5(b)に示すような情報)を最初に携帯ユーザ端末に送信し、携帯ユーザ端末から特定のアプリケーションが選択された場合にそのアプリケーションの画面を送信することとしてもよい。この場合に最初に携帯ユーザ端末に表示するアプリケーションの情報の順番は前回の使用時間が長い順でもよいし、短い順でもよい。
【0042】
(サーバ装置の処理の詳細)
図6に、サーバ装置3のウィンドウ状態格納部32に格納されるデータの一例を示す。図6に示すように、ウィンドウ状態格納部32には、アプリケーションID(AP−ID)、ウィンドウ属性、ファイル名、及び使用時間がユーザIDに対応付けて記録される。図6において、ウィンドウ属性は、該当ユーザIDのユーザ端末のログオフ時における該当アプリケーションが使用されるウィンドウの属性であり、一例として、X、Yはウィンドウの左端の位置を示し、幅はウィンドウの幅を示し、高さはウィンドウの高さを示す。このウィンドウ属性の情報は、ログオフ時にユーザ端末からサーバ装置3に通知されるものである。なお、ログオンからログオフまでの間に使用したが、ログオフの前にウィンドウを閉じたアプリケーションに関しては、ユーザ端末はログオフ時にウィンドウを閉じたことを示す情報をサーバ装置3に通知する。この場合、ウィンドウ属性としては例えばタスクバーにアプリケーションを示す旨の指示情報が記録される。また、ユーザ端末でウィンドウ操作が行われるたびにサーバ装置3に変更されたウィンドウ属性情報を通知するようにしてもよい。これらの機能はユーザ端末で実行されるクライアントプログラムにより実現される。
【0043】
ファイル名は、ユーザ端末のログオフ直前に該当アプリケーションにおいて使用されていたファイルの名前であり、これもログオフ時にユーザ端末から通知されるものである。使用時間は、ログオンからログオフまでの間にユーザ端末において該当アプリケーションが使用された時間の合計である。
【0044】
次に、ユーザ端末1としてのPCユーザ端末によりアプリケーションが使用される場合において、サーバ装置3がウィンドウ属性及びアプリケーション使用時間をウィンドウ状態格納部32に格納する処理について図7のフローチャートを参照して説明する。図7のフローチャートのステップ11の前の段階で、PCユーザ端末には、各アプリケーションに対応するクライアントプログラムとファイルが既にサーバ装置3からダウンロードされており、各アプリケーションに対応する複数のウィンドウが開かれているものとする。PCユーザ端末のユーザは、これらのウィンドウの中から所望のウィンドウを選択(マウスでクリックする)することにより、そのウィンドウに対応するアプリケーションを使用できる。
【0045】
まず、PCユーザ端末においてあるアプリケーションのウィンドウが選択されたものとする。すると、PCユーザ端末はそのアプリケーションのID、及び使用開始を示す情報をサーバ装置3に送信する。サーバ装置3がこれらを受信する(ステップ11)と、これらの情報とユーザIDとが端末識別部37から連携機能部38に送られ、連携機能部38は、これらの情報を画面表示制御部39に通知する。
【0046】
画面表示制御部39は、ユーザID、アプリケーションのID、及び使用開始情報を受信すると、そのときの時刻を使用開始の時刻としてユーザID、アプリケーションのIDとともにメモリ等の記憶手段に保持しておく(ステップ12)。
【0047】
その後、PCユーザ端末において、他のアプリケーションでの作業やログオフ操作に作業が移行したり、当該アプリケーションのウィンドウが閉じられたり等により、当該アプリケーションの作業が終了した場合には、PCユーザ端末は当該アプリケーションのID、使用終了を示す情報をサーバ装置3に送信する。サーバ装置3がこれらを受信する(ステップ13)と、これらの情報とユーザIDとが連携機能部38に送られ、連携機能部38は、これらの情報とユーザIDを画面表示制御部39に通知する。
【0048】
画面表示制御部39は、ユーザID、当該アプリケーションのID、及び使用終了情報を受信すると、そのときの時刻を使用終了の時刻としてユーザID、当該アプリケーションのIDとともに保持しておく(ステップ14)。
【0049】
PCユーザ端末での各アプリケーションの使用/終了に伴ってステップ11〜14の処理が繰り返され、サーバ装置3の画面表示制御部39は、使用開始時刻と使用終了時刻とを各アプリケーション毎に保持することになる。
【0050】
その後、PCユーザ端末においてログオフが行われると、サーバ装置3はPCユーザ端末からログオフの情報、及び各アプリケーションのウィンドウ属性の情報とファイル名を受信する(ステップ15)。受信した情報がユーザIDとともに画面表示制御部39に通知される。画面表示制御部39は、上記の処理で保持しておいた使用開始時刻と使用終了時刻とから各アプリケーションの使用時間を算出し(ステップ16)、図6に示したように、アプリケーションID、ウィンドウ属性、ファイル名、及び使用時間をウィンドウ状態格納部32に格納する(ステップ17)。なお、各アプリケーションにおけるウィンドウ属性は、ログオフの時刻に最も近いアプリケーション終了時刻におけるウィンドウ属性である。
【0051】
また、ステップ17の時点で、該当ユーザIDに関して、ウィンドウ状態格納部32に前回の情報が記録されている場合は、その情報を削除した上で、今回の情報が書き込まれる。つまり、PCユーザ端末に関しては、ウィンドウ状態格納部32に格納される情報は、1回のログオンからログオフまでの期間に関する情報である。
【0052】
次に、あるユーザIDのユーザがPCユーザ端末での作業を終えてサーバ装置3からログオフした後に、別の又は同じユーザ端末(PCユーザ端末又は携帯ユーザ端末)からサーバ装置3にログオンする場合についてのサーバ装置3の動作を図8、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0053】
ユーザ端末がサーバ装置3にアクセスすることにより、ユーザ端末にはサーバ装置3が提供するWebページが表示されている。そこからユーザがユーザIDとパスワードを入力し、ログオン操作を行うことにより、ユーザIDとパスワードがサーバ装置3に送られ、サーバ装置3のユーザ認証部36がユーザ認証を行う(ステップ21)。
【0054】
ユーザ認証がOKであれば、端末識別部37は、ユーザ端末から受信したパケットに含まれる情報に基づき、ユーザ端末がPCユーザ端末であるかそれとも携帯ユーザ端末であるかを判定する(ステップ22)。
【0055】
端末識別部37が、ユーザ端末はPCユーザ端末であると判定した場合、端末識別部37は、ユーザ端末がPCユーザ端末であることを示す情報("判定結果(PC)"と表記する)とユーザIDとを連携機能部38を介して画面表示制御部39に通知する(ステップ23)。
【0056】
判定結果(PC)とユーザIDとを受信した画面表示制御部39は、判定結果(PC)から、ユーザ端末(PCユーザ端末)に前回のログオフ時の作業環境情報を送信するものと判断し、ウィンドウ状態格納部32から当該ユーザIDに対応するアプリケーションID、ウィンドウ属性、及びファイル名を読み出し、それを連携機能部38に渡す(ステップ24)。
【0057】
連携機能部38は、デスクトップ表示用のクライアントプログラムをクライアントプログラム格納部34から取得するとともに、画面表示制御部39から受信した各アプリケーションID及びファイル名に対応するクライアントプログラム及びファイルをライアントプログラム格納部34及びコンテンツ格納部33から取得する(ステップ25)。そして、連携機能部38は、これらの情報を通信制御部37を介してユーザ端末(PCユーザ端末)に送信する(ステップ26)。
【0058】
サーバ装置3から上記の情報を受信したユーザ端末(PCユーザ端末)は、各クライアントプログラムを実行することにより実現される機能により、デスクトップ画面及び各アプリケーションに対応するウィンドウの画面を表示する。これら表示された画面は、前回作業を終了するときの画面が復元されたものに相当する。これにより、ユーザは前回中断した作業をスムーズに継続できる。なお、前回使用したがウィンドウを閉じたアプリケーションについては、ユーザ端末(PCユーザ端末)のタスクバーに示され、ユーザはタスクバーに示された当該アプリケーションを選択することによりすぐに当該アプリケーションを使用できる。ここから後は図7で説明した処理が行われる。
【0059】
ステップ22において、端末識別部37が、ユーザ端末は携帯ユーザ端末であると判定した場合、端末識別部37は、ユーザ端末が携帯ユーザ端末であることを示す情報("判定結果(携帯)"と表記する)とユーザIDとを連携機能部38を介して画面表示制御部39に通知する(ステップ27)。
【0060】
判定結果(携帯)とユーザIDとを受信した画面表示制御部39は、判定結果(携帯)から、携帯ユーザ端末用の作業環境情報をユーザ端末(携帯ユーザ端末)に送信するものと判断し、ウィンドウ状態格納部32から当該ユーザIDに対応する各アプリケーションの使用時間のうち、最も長い使用時間に対応するアプリケーションのID及びファイル名を読み出し、それを連携機能部38に渡す(ステップ28)。
【0061】
連携機能部38は、画面表示制御部39から受信したアプリケーションID及びファイル名に対応するクライアントプログラム及びファイルをライアントプログラム格納部32及びコンテンツ格納部33から取得する(ステップ29)。そして、連携機能部38は、これらの情報を通信制御部35を介してユーザ端末(携帯ユーザ端末)に送信する(ステップ30)。
【0062】
サーバ装置3から上記の情報を受信したユーザ端末(携帯ユーザ端末)は、クライアントプログラムを実行することにより実現される機能により、図5(a)に示したような上記アプリケーションに対応する画面を表示する。
【0063】
図9に移り、ユーザ端末(携帯ユーザ端末)に上記のようにして表示されたアプリケーションの画面においてキャンセルが選択された場合、アプリケーションIDとキャンセル情報がサーバ装置3に送られ、受信される(ステップ31のYes)。
【0064】
アプリケーションIDとキャンセル情報を受信したサーバ装置3において、画面表示制御部39にユーザID、アプリケーションID、キャンセル情報が渡される。画面表示制御部39は、当該アプリケーションIDのアプリケーションがキャンセルされたことを認識し、当該ユーザIDに対応する当該アプリケーションID以外の各アプリケーションIDとそれに対応するファイル名と使用時間とをウィンドウ状態格納部32から取得し、各アプリケーションIDとそれに対応するファイル名の情報を、例えば使用時間の長い順に並び替え、並び替えた情報を連携機能部38に渡す(ステップ32)。
【0065】
連携機能部38は、それらの情報をユーザ端末(携帯ユーザ端末)が表示するためのクライアントプログラムとともにそれらの情報を通信制御部35を介してユーザ端末(携帯ユーザ端末)に送信する(ステップ33)。この場合、アプリケーションの情報は、ユーザ端末(携帯ユーザ端末)の画面において使用時間の長い順に表示される。なお、各アプリケーションIDとそれに対応するファイル名の情報は使用時間との関連付けがなされてユーザ端末(携帯ユーザ端末)に表示されればよく、上記のように使用時間の長い順に並び替える他、使用時間の少ない順に並び替えたりしてもよい。また、並べる順序は使用時間と関係ないものとし、アプリケーションの情報の近傍に使用時間を直接表示するようにしてもよい。これらはいずれもアプリケーションを示す情報をその使用時間と関連付けてユーザ端末に送信することに相当する。
【0066】
上記の情報とクライアントプログラムを受信したユーザ端末(携帯ユーザ端末)には、図5(b)に示したような画面が表示される。この画面上で特定のアプリケーションが選択されることにより、そのアプリケーションIDとファイル名がサーバ装置3に通知され、サーバ装置3はそれらを受信し(ステップ34)、そのアプリケーションIDとファイル名に対応するクライアントプログラムとファイルとをユーザ端末(携帯ユーザ端末)に送信する(ステップ35)。これにより、ユーザ端末(携帯ユーザ端末)においてユーザは所望のアプリケーションによる作業を行うことができる。
【0067】
このアプリケーション画面にもアプリケーションの終了を意味するキャンセルボタンが表示され、キャンセルボタンが押された場合には、ステップ32〜ステップ36と同様の処理が行われる。
【0068】
ステップ36及びステップ31において、アプリケーションがキャンセルされず、アプリケーションの使用が開始されると、ユーザ端末(携帯ユーザ端末)は、アプリケーションID及び使用開始を示す情報とをサーバ装置3に送信する。例えば、ユーザ端末(携帯ユーザ端末)は、表示部上のアプリケーションの作業エリアでの作業(文字入力等)が開始されたことを認識すると、アプリケーションID及び使用開始を示す情報をサーバ装置3に送信する。サーバ装置3はこれらの情報を受信する(ステップ37)。これらの情報は、ユーザIDとともに画面表示制御部39に送られる。
【0069】
画面表示制御部39は、ユーザID、アプリケーションのID、及び使用開始情報を受信すると、そのときの時刻を使用開始の時刻としてユーザID、アプリケーションのIDとともにメモリ等の記憶手段に保持しておく(ステップ38)。
【0070】
その後、ユーザ端末(携帯ユーザ端末)において、当該アプリケーションのキャンセルやログオフ操作に作業が移行したり、当該アプリケーションのウィンドウが閉じられたり等により、当該アプリケーションの作業が終了した場合には、ユーザ端末(携帯ユーザ端末)は当該アプリケーションのID、使用しているファイル名、使用終了を示す情報をサーバ装置3に送信する。サーバ装置3がこれらを受信する(ステップ39)と、これらの情報とユーザIDとが連携機能部38に送られ、連携機能部38は、これらの情報とユーザIDを画面表示制御部39に通知する。
【0071】
画面表示制御部39は、ユーザID、当該アプリケーションのID、ファイル名、及び使用終了情報を受信すると、そのときの時刻から使用開始時刻を減算することにより当該アプリケーションの使用時間を算出する(ステップ40)。そして、使用時間の情報をウィンドウ状態格納部32に格納する。
【0072】
ここでは、まず画面表示制御部39は、当該ユーザIDに関して、当該アプリケーションのIDがウィンドウ状態格納部32に既に格納されているか否かを判定する(ステップ41)。既に格納されている場合は、既に格納されている使用時間に、ステップで算出した使用時間を加算する(ステップ42)。既に格納されていない場合は、ユーザID、アプリケーションのID、ファイル名、及びステップ40で算出した使用時間をウィンドウ状態格納部32に追加して格納する(ステップ43)。なお、この場合のウィンドウ属性情報としては、例えば、タスクバーにアプリケーションを表示することを示す指示情報が格納される。
【0073】
その後、サーバ装置3がユーザ端末(携帯ユーザ端末)からログオフを受けなければ(ステップ44のNo)、ステップ32に処理が移る。また、ログオフを受ければそのユーザ端末(携帯ユーザ端末)に関する処理を終了する(ステップ44のYes)。なお、アプリケーションの使用終了毎にウィンドウ状態格納部32に情報を格納することに代えて、ログオフまでに使用された各アプリケーションの使用時間を保持しておき、ログオフを受けたときにステップ41〜43と同様の判断で各アプリケーションの使用時間等の情報をウィンドウ状態格納部32に格納してもよい。
【0074】
PCユーザ端末の場合にはサーバ装置3はウィンドウ状態格納部32の情報を新たな情報に入れ替えるのに対し、携帯ユーザ端末の場合には既に使用時間がある場合にはそれに加算するようにしている。これは、携帯ユーザ端末での作業は補助的なものであり、携帯ユーザ端末においては複数のウィンドウが開かれるわけでなく、個々のアプリケーションが短時間ずつ使用されると考えられるためである。携帯ユーザ端末の場合も、PCユーザ端末の場合と同様にしてウィンドウ状態格納部32の情報を新たな情報に入れ替えてしまうと、次のPCユーザ端末によりログオンした場合に作業の継続性の観点で適切な画面を表示できない可能性が高くなる。一方、上述したような本実施形態の方法を用いることにより、例えば、PCユーザ端末を使用した後に携帯ユーザ端末を使用し、その後に再度PCユーザ端末を使用する場合に、適切な復元画面を表示でき、ユーザはスムーズに作業を継続できる。
【0075】
なお、上記の処理では、図8のステップ22においてユーザ端末が携帯ユーザ端末であると判定された場合に、前回最も長い時間使用したアプリケーションをユーザ端末において使用させることとしているが、これに代えて、図8のステップ22においてユーザ端末が携帯ユーザ端末であると判定された場合に、アプリケーション名とファイル名のリストを携帯ユーザ端末に表示し、携帯ユーザ端末におけるアプリケーションの選択によりそのアプリケーションを使用させることとしてもよい。
【0076】
この場合、図8のステップ22においてユーザ端末が携帯ユーザ端末であると判定された場合に、処理は図9のステップ32に移り、それ以降の処理は図9に示したとおりのものとなる。ただし、図8のステップ22から最初にステップ32に処理が移ったときの処理だけは、画面表示制御部39が、キャンセルされたアアプリケーションID以外の各アプリケーションIDとそれに対応するファイル名をウィンドウ状態格納部32から取得する代わりに、画面表示制御部39は、ウィンドウ状態格納部32に使用時間が記録されている全てのアプリケーションIDとそれに対応するファイル名を取得する。これにより、携帯ユーザ端末には前回使用された全てのアプリケーションの情報が最初に表示される。また、画面表示制御部39は、ウィンドウ状態格納部32に格納された使用時間を用いることにより、アプリケーションの情報を使用時間と関連付けて携帯ユーザ端末に表示できる。
【0077】
(本発明の適用について)
これまでは、ユーザ端末にダウンロードされるクライアントプログラムとサーバ装置の機能との連携によりアプリケーションが実現される構成に基づく例について説明したが、本発明はこのような構成に限らず適用可能である。例えば、アプリケーションの機能を主にサーバ装置で実行し、ユーザ端末には画面の情報(画面表示用情報)のみが送信される構成においても本発明を適用できる。また、ユーザ端末に予めアプリケーションのプログラムがインストールされ、サーバ装置からはウィンドウ(アプリケーションの画面)表示のための情報(画面表示用情報)のみが送信される構成にも本発明を適用できる。更に、ユーザ端末が必要の都度アプリケーションのプログラムをサーバ装置から取得し、サーバ装置との連携処理を行わずにユーザ端末のみでアプリケーションが実行され、サーバ装置からはウィンドウ表示のための情報(画面表示用情報)のみが送信される構成にも本発明を適用できる。
【0078】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】背景技術の構成及び手順を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるシステム構成図である。
【図3】コンピュータの構成の一例を示す図である。
【図4】ログオンからログオフまでの間にアプリケーション1、2、3がユーザ端末において使用された場合の例を示す図である。
【図5】携帯ユーザ端末に表示される画面の例を示す図である。
【図6】サーバ装置のウィンドウ状態格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図7】サーバ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】サーバ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】サーバ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
1 ユーザ端末
2、3 サーバ装置
4 ネットワーク
21 クライアントプログラム提供部
22 連携機能部
23 データベース部
31 ユーザ情報格納部
32 ウィンドウ状態格納部
33 コンテンツ格納部
34 クライアントプログラム格納部
35 通信制御部
36 ユーザ認証部
37 端末識別部
38 連携機能部
39 画面表示制御部
51 CPU
52 メモリ
53 読み取り装置
54 入出力装置
55 記憶装置
56 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置であって、
前記画面表示制御装置に接続した第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、各アプリケーションの使用時間を各アプリケーションの識別情報とともにユーザ識別情報に対応付けて記憶手段に格納するアプリケーション使用時間取得手段と、
前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了した後に第2のユーザ端末から前記ユーザ識別情報に基づく接続を受けた場合に、当該第2のユーザ端末の種別を判定する端末種別判定手段と、
前記端末種別判定手段により前記第2のユーザ端末の種別が予め定めた種別であると判定された場合に、前記記憶手段に格納された前記ユーザ識別情報に対応する複数のアプリケーションの使用時間のうちの最も長い使用時間に対応するアプリケーションの画面表示用情報を前記第2のユーザ端末に送信する画面表示用情報送信手段と
を有することを特徴とする画面表示制御装置。
【請求項2】
ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置であって、
前記画面表示制御装置に接続した第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、各アプリケーションの使用時間を各アプリケーションの識別情報とともにユーザ識別情報に対応付けて記憶手段に格納するアプリケーション使用時間取得手段と、
前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了した後に第2のユーザ端末から前記ユーザ識別情報に基づく接続を受けた場合に、当該第2のユーザ端末の種別を判定する端末種別判定手段と、
前記端末種別判定手段により前記第2のユーザ端末の種別が予め定めた種別であると判定された場合に、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記記憶手段に識別情報が格納されているアプリケーションを示す情報をその使用時間と関連付けて前記第2のユーザ端末に送信する画面表示用情報送信手段と
を有することを特徴とする画面表示制御装置。
【請求項3】
前記画面表示制御装置は、前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了する直前に前記第1のユーザ端末に表示されていたウィンドウの属性情報を取得し、記憶手段に格納するウィンドウ属性情報取得手段を有し、
前記画面表示用情報送信手段は、前記端末種別判定手段により前記第2のユーザ端末の種別が前記予め定めた種別と異なる種別であると判定された場合に、前記ウィンドウの属性情報と当該ウィンドウに対応するアプリケーションの画面表示用情報とを前記第2のユーザ端末に送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の画面表示制御装置。
【請求項4】
前記画面表示用情報送信手段は、前記第2のユーザ端末に前記最も長い使用時間に対応するアプリケーションの画面表示用情報を送信した後に、前記第2のユーザ端末から当該アプリケーションをキャンセルすることを示す情報を受信した場合に、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記記憶手段に識別情報が格納されているアプリケーションのうち、前記最も長い使用時間に対応するアプリケーションを除くアプリケーションを示す情報を前記第2のユーザ端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の画面表示制御装置。
【請求項5】
前記アプリケーション使用時間取得手段は、前記第2のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、前記記憶手段に既に格納されているアプリケーションの使用時間については、既に格納されている使用時間に前記第2のユーザ端末において使用された使用時間を加算し、前記記憶手段に格納されていないアプリケーションの使用時間については、前記第2のユーザ端末において使用された使用時間とそれに対応するアプリケーションの識別情報とを前記記憶手段に格納することを特徴とする請求項1又は2に記載の画面表示制御装置。
【請求項6】
ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置において実行される画面表示制御方法であって、
前記画面表示制御装置に接続した第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、各アプリケーションの使用時間を各アプリケーションの識別情報とともにユーザ識別情報に対応付けて記憶手段に格納するアプリケーション使用時間取得ステップと、
前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了した後に第2のユーザ端末から前記ユーザ識別情報に基づく接続を受けた場合に、当該第2のユーザ端末の種別を判定する端末種別判定ステップと、
前記端末種別判定ステップにおいて前記第2のユーザ端末の種別が予め定めた種別であると判定された場合に、前記記憶手段に格納された前記ユーザ識別情報に対応する複数のアプリケーションの使用時間のうちの最も長い使用時間に対応するアプリケーションの画面表示用情報を前記第2のユーザ端末に送信する画面表示用情報送信ステップと
を有することを特徴とする画面表示制御方法。
【請求項7】
ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置において実行される画面表示制御方法であって、
前記画面表示制御装置に接続した第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、各アプリケーションの使用時間を各アプリケーションの識別情報とともにユーザ識別情報に対応付けて記憶手段に格納するアプリケーション使用時間取得ステップと、
前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了した後に第2のユーザ端末から前記ユーザ識別情報に基づく接続を受けた場合に、当該第2のユーザ端末の種別を判定する端末種別判定ステップと、
前記端末種別判定ステップにおいて前記第2のユーザ端末の種別が予め定めた種別であると判定された場合に、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記記憶手段に識別情報が格納されているアプリケーションを示す情報をその使用時間と関連付けて前記第2のユーザ端末に送信する画面表示用情報送信ステップと
を有することを特徴とする画面表示制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置として機能させるためのプログラムであって、コンピュータを、
前記画面表示制御装置に接続した第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、各アプリケーションの使用時間を各アプリケーションの識別情報とともにユーザ識別情報に対応付けて記憶手段に格納するアプリケーション使用時間取得手段、
前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了した後に第2のユーザ端末から前記ユーザ識別情報に基づく接続を受けた場合に、当該第2のユーザ端末の種別を判定する端末種別判定手段、
前記端末種別判定ステップにおいて前記第2のユーザ端末の種別が予め定めた種別であると判定された場合に、前記記憶手段に格納された前記ユーザ識別情報に対応する複数のアプリケーションの使用時間のうちの最も長い使用時間に対応するアプリケーションの画面表示用情報を前記第2のユーザ端末に送信する画面表示用情報送信手段、
として機能させるプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、ネットワークを介して接続されたユーザ端末にアプリケーションの画面を表示させるための画面表示用情報を当該ユーザ端末に送信する機能を有する画面表示制御装置として機能させるためのプログラムであって、コンピュータを、
前記画面表示制御装置に接続した第1のユーザ端末において使用された複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間を取得し、各アプリケーションの使用時間を各アプリケーションの識別情報とともにユーザ識別情報に対応付けて記憶手段に格納するアプリケーション使用時間取得手段、
前記第1のユーザ端末による前記画面表示制御装置に対する接続が終了した後に第2のユーザ端末から前記ユーザ識別情報に基づく接続を受けた場合に、当該第2のユーザ端末の種別を判定する端末種別判定手段、
前記端末種別判定ステップにおいて前記第2のユーザ端末の種別が予め定めた種別であると判定された場合に、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記記憶手段に識別情報が格納されているアプリケーションを示す情報をその使用時間と関連付けて前記第2のユーザ端末に送信する画面表示用情報送信手段、
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−151556(P2009−151556A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329033(P2007−329033)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(399035766)エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 (321)
【Fターム(参考)】