説明

画面設定ファイル生成装置、情報処理装置、画面設定ファイル生成方法、画面表示方法、および画面設定ファイルのデータ構造

【課題】ディスプレイの状態に適した画面構成を容易に実現する。
【解決手段】UI画面設定ファイル生成装置10において設定画面表示部18は、ユーザがUI画面の設定に係る入力を行うための設定画面を表示する。設定情報取得部14の設定情報管理部24は、コンテンツ作成者が設定画面における仮想的な画面領域において部品画像を配置したら、当該設定結果を内部のメモリに記憶する。モード切替処理部26は、コンテンツを実行する装置におけるディスプレイがとり得る状態変化のうち、ユーザが設定対象とする状態を表す画面モードに応じて設定画面を切り替える。設定ファイル生成部16は、複数の画面モードで共有する設定情報と、画面モードごとに個別の設定情報とを含むUI画面設定ファイルを所定の形式で生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ実行時に表示する画面の設定ファイルを生成する画面設定ファイル生成装置、および当該設定ファイルを用いて画面を表示する情報処理装置、およびこれらの装置で用いられる画面設定ファイル生成方法、画面表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯ゲーム機、携帯電話、PDA(Personal Data Asistance)、タブレットなど、携帯を想定した小型の情報機器が普及している。このような小型の機器はそのサイズ上の制約から入力手段も限定される。結果として、小型機器に特化した入力手段や機能が独自の発達を遂げてきた。例えばディスプレイ表面のタッチパネルに対する指やタッチペンでの入力を可能とすることにより、ディスプレイに表示されたオブジェクトなどを直接操作しているような感覚を与えることができる。
【0003】
一方、そのような小型機器を利用して、設置型のゲーム機やパーソナルコンピュータと同等の情報処理を行う環境も整いつつある。例えば小型機器をユーザが操作し、ネットワークを介して接続した設置型の機器が実際の情報処理を行うことにより、高度なゲームを、場所を問わず楽しめるようになってきた。また、設置型の機器のためのゲームをエミュレートすることにより小型の機器で実行することも可能となってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように近年では、ゲームなどの情報処理を、機器の大きさや使用環境に関わらず行えるようにする技術的方向性がみられる。しかしながら、小型の機器を利用してそのような高度化した情報処理を実施しようとすると、上述のとおり入力手段の制約に起因して操作性が劣ってしまう、という問題があった。また小型の機器にあっては特に、画面サイズを確保するために、GUI(Graphical User Interface)を入力手段として画面内に表示することが有効であるが、表示する内容ごと、ディスプレイの状態ごとに細かい設定を行うのは困難であった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ディスプレイの状態に適した画面構成を容易に実現できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は画面設定ファイル生成装置に関する。この画面設定ファイル生成装置は、コンテンツ実行時にディスプレイに表示する画面の構成を設定した画面設定ファイルを生成する画面設定ファイル生成装置であって、ディスプレイの画面領域を表す仮想的な画面領域を含む設定画面を表示する設定画面表示部と、当該仮想的な画面領域に部品画像を配置した設定情報の入力をユーザより受け付ける入力部と、ユーザが指定した、ディスプレイの複数の状態に応じて、設定画面表示部における設定画面を切り替えるモード切替処理部と、ディスプレイの複数の状態に対しなされた設定情報を統括し、当該複数の状態間で共有される設定情報を含む画面設定ファイルを生成して出力する設定ファイル生成部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の別の態様は情報処理装置に関する。この情報処理装置は、ディスプレイに表示する画面の構成を設定した設定情報を含むコンテンツを実行する情報処理装置であって、ディスプレイの所定の項目に係る状態を特定する画面モード特定部と、設定情報のうち、画面モード特定部が特定したディスプレイの状態に対し個別に設定された設定情報と、ディスプレイの複数の状態間で共有される設定情報とを参照して画面を生成しディスプレイに表示させる画面生成部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のさらに別の態様は画面設定ファイル生成方法に関する。この画面設定ファイル生成方法は、コンテンツ実行時にディスプレイに表示する画面の構成を設定した画面設定ファイルを生成する装置が行う画面設定ファイル生成方法であって、ディスプレイの画面領域を表す仮想的な画面領域を含む設定画面を表示するステップと、仮想的な画面領域に部品画像を配置した設定情報の入力を入力装置を介してユーザより受け付けるステップと、ユーザが指定した、ディスプレイの複数の状態に応じて、設定画面を切り替えるステップと、ディスプレイの複数の状態に対しなされた設定情報を統括し、当該複数の状態間で共有される設定情報を含む画面設定ファイルを生成して記憶装置に出力するステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明のさらに別の態様は画面表示方法に関する。この画面表示方法は、ディスプレイに表示する画面の構成を設定した設定情報を含むコンテンツを実行する装置が行う画面表示方法であって、ディスプレイの所定の項目に係る状態を特定するステップと、設定情報のうち、特定するステップにおいて特定したディスプレイの状態に対し個別に設定された設定情報と、ディスプレイの複数の状態間で共有される設定情報とを参照して画面を生成しディスプレイに表示させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明のさらに別の態様は画面設定ファイルのデータ構造に関する。この画面設定ファイルのデータ構造は、コンテンツ実行時にディスプレイに表示する画面の構成を設定した画面設定ファイルのデータ構造であって、ディスプレイの複数の状態のそれぞれに対し設定された個別設定情報と、複数の状態間で共有される共有設定情報とを対応づけ、画面設定ファイルを生成する装置において、ユーザが指定したディスプレイの状態によって、ディスプレイの画面領域を表す仮想的な画面領域を含む設定画面を切り替えて表示するために参照されることを特徴とする。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、ディスプレイの状態に適した画面構成を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態のUI画面設定ファイル生成装置の構成を示す図である。
【図2】本実施の形態において設定画面表示部に表示される設定画面の例を示す図である。
【図3】本実施の形態において画面モードを縦長画面に切り替えたときの設定画面の例を示す図である。
【図4】本実施の形態における共有設定情報のデータ例を示す図である。
【図5】本実施の形態における個別設定情報のデータ例を示す図である。
【図6】本実施の形態においてUI画面設定ファイルをプログラムのソースコードとして生成する場合の、当該プログラムの内容を示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態においてUI画面設定ファイルを生成する処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態においてUI画面設定ファイルを含むコンテンツを実行する情報処理装置の構成を示す図である。
【図9】本実施の形態の情報処理装置においてUI画面を表示する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施の形態は、情報処理装置においてコンテンツを実行する際にディスプレイに表示するUI(User Interface)画面の作成技術、および、コンテンツ実行時のUI画面の表示技術に係る。ここで「コンテンツ」は、コンピュータゲーム、動画、文章、写真、絵など電子的に処理しディスプレイ表示が可能な対象であればその種類は限定されない。また本実施の形態は、一般的な「コンテンツ」以外に、ウェブページの閲覧、スケジュール管理、住所録表示、文書作成、表計算など一般的な情報処理に対しても適用できる。以下の説明では、そのような画像表示を伴う情報処理を行うことを「コンテンツの実行」と総称する。
【0015】
UI画面は基本的に、背景上に配置された部品画像からなる。部品画像は例えば、ボタン、スクロールバー、チェックボックス、スライダーなどの各種GUI、文字を表示したラベル、写真、絵、シンボルマークなど、画面上の領域と対応づけることにより画面内に表示される画像であり、静止画像、動画像のいずれでもよい。
【0016】
上記のような様々なコンテンツに対しUI画面を好適に設計することは、操作性、デザイン性などの観点から非常に重要である。しかし情報処理装置の種類が多様化した昨今では、ディスプレイのサイズやアスペクト比も様々である。さらにユーザの使用環境や嗜好、コンテンツの内容などによって、ディスプレイ面の長方形を縦長で見るか横長で見るか、ディスプレイ平面の傾斜角度なども様々に変化する。本実施の形態では、このような多様化した表示環境にきめ細かく対応できるUI画面表示を容易に実現する。
【0017】
図1はUI画面設定ファイル生成装置の構成を示している。UI画面設定ファイル生成装置10は、コンテンツ作成者から、部品画像やその配置に係る設定入力を受け付け、UI画面設定ファイルを生成する。生成したUI画面設定ファイルは、コンテンツの実行に必要なプログラムや各種データとともにコンテンツファイルを構成する。当該プログラムやデータは別途、一般的な技術によって作成されているものとする。
【0018】
図1および後述する図8において、様々な処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、画像処理を行うプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0019】
UI画面設定ファイル生成装置10は、コンテンツ作成者が設定入力のために操作する入力部12、設定用の画面を表示する設定画面表示部18、設定された情報を取得する設定情報取得部14、UI画面設定ファイルを生成する設定ファイル生成部16、素材画像のデータを記憶する素材画像記憶部20、および、生成したUI画面設定ファイルを格納するUI画面設定ファイル記憶部22を含む。
【0020】
入力部12は、設定画面表示部18において表示される設定画面を見ながらコンテンツ作成者が設定入力を行うためのインターフェースである。入力部12は、マウス、キーボード、ポインティングデバイス、ジョイスティック、タッチパネルなど一般的な入力装置のいずれかで実現してよい。本実施の形態では後述のとおり、実際の部品画像を仮想的なUI画面上に配置させていく態様をとるため、そのような画像操作と親和性の高い入力装置を用いることが望ましい。
【0021】
設定画面表示部18は、ユーザがUI画面の設定に係る入力を行うための設定画面を表示する。設定画面表示部18は、当該設定画面を表示するディスプレイと、コンテンツ作成者の入力部12を介した設定入力に応じて配置、色、サイズなどを変化させた部品画像を生成しディスプレイに表示させる演算装置などにより構成される。コンテンツ作成者の入力に応じた画像の生成処理には、一般的な画像描画ツールなどで用いられる技術を適用できる。
【0022】
素材画像記憶部20には、部品画像として利用される頻度の高い図形の基本形状を表す画像のデータをあらかじめ記憶させておく。以後、このような基本形状の画像を「素材画像」と呼ぶ。素材画像を設定画面にリスト表示することで、コンテンツ作成者は、所望の素材画像を選択してそれを元に部品画像を生成し、設定画面に表示された仮想的なUI画面内に配置する。素材画像を部品画像としてそのまま用いてもよい。
【0023】
設定情報取得部14および設定ファイル生成部16は、例えば演算装置やメモリなどで構成される。設定情報取得部14は、設定情報管理部24およびモード切替処理部26を含む。設定情報管理部24は、コンテンツ作成者が設定画面において部品画像を配置した結果を確定する入力を行ったら、当該結果を内部のメモリに記憶する。モード切替処理部26は、コンテンツを実行する装置におけるディスプレイがとり得る状態変化のうち、ユーザが設定対象とする状態に応じて設定画面を切り替えるための制御を行う。ディスプレイがとり得る状態変化とは、画面サイズの変化、縦長画面とするか横長画面とするか、および、垂直上向きから垂直下向きまでのディスプレイ平面の傾斜角度の変化などである。
【0024】
以後、当該ディスプレイの状態を「画面モード」と呼ぶ。画面モードは上記全てのディスプレイの状態を規定しなくてよく、例えば横長画面および縦長画面によって2つの画面モードを定義してもよい。本実施の形態では、画面モードの数によらず、1つのコンテンツに対して設定した情報を1つのUI画面設定ファイルに記述する。これにより部品画像の色、形、文字のフォントなど、どの画面モードでも共通としたい設定情報は画面モード間で共有する一方、配置やサイズなど画面モードによって変化させたい設定情報は個々に自由な設定を行えるようにする。以後、前者の情報を「共有設定情報」、後者の情報を「個別設定情報」と呼ぶ。
【0025】
コンテンツ作成者が設定対象の画面モードの切り替えを要求したら、それが新規の画面モードであっても、設定済みの画面モードに対し行われた設定に基づいて部品画像を表示する。また、ある画面モードに対し共有設定情報の修正がなされたら、全ての画面モードに当該修正が反映されるようにする。コンテンツ作成者が全ての画面モードに対し設定を完了させたら、設定情報管理部24は記憶していた設定情報を設定ファイル生成部16に通知する。このとき通知する情報は、共有設定情報および、個別設定情報と画面モードの識別情報とを対応づけた情報である。
【0026】
設定ファイル生成部16は、設定情報取得部14から通知された情報に基づき、所定の形式でUI画面設定ファイルを生成し、UI画面設定ファイル記憶部22に格納する。UI画面設定ファイルの形式は、コンテンツファイルとしてともに格納されるコンテンツのプログラムにおける設定値の読み出し手法によって様々考えられる。例えばUI画面設定ファイル自身もプログラムのソースコードとしてコンテンツのプログラムの一部とすれば、コンテンツ実行中に画面モードが変化しても個別の設定ファイルを新たに読み出すなどの必要がなく、実行段階での処理の負荷が軽減される。一方、マークアップ言語やタブ区切り形式などによる一般的な設定ファイルとしてもよい。
【0027】
図2は設定画面表示部18に表示される設定画面の例を示している。設定画面例30aには、メインメニュー32、キャンバス36a、素材リスト38、および詳細情報42を表示する。メインメニュー32は、「ファイル」メニューと「画面モード」メニューを含む。「ファイル」メニューが選択されたら、新規設定ファイルの名称設定、既存設定ファイルの読み出し、設定結果の保存などのプルダウンメニューを表示する。「画面モード」メニューが選択されたら、設定対象の画面モードを切り替えるための画面モードのリストなどを表示する。
【0028】
ここで表示される画面モードは上記のとおり、横長画面/縦長画面の区別のほか、画面サイズやディスプレイ平面の傾斜角度などのパラメータを自由に組み合わせて1つの画面モードとしてよい。各パラメータの数値設定はコンテンツ作成者が行ってもよい。コンテンツ作成者が画面モードのリストから一つを選択すると、設定画面表示部18は当該画面モードに対応する仮想的なUI画面の領域を表すキャンバス36aを表示する。仮想的なUI画面の領域は、実際のUI画面の領域を、設定画面内に表示できる大きさに調整した領域である。設定情報管理部24は、仮想的なUI画面に対しなされた設定を、その倍率に基づき実際のUI画面上での値に換算して設定情報とする。
【0029】
同図の例は、横長画面の画面モードを設定対象としている場合であり、網掛けで示されたキャンバス36aも横長の矩形となっている。素材リスト38は、素材画像記憶部20に記憶された素材画像のリストを表示する。同図の例では、文字のラベルを表す「ラベル」素材、ボタンのGUIを表す「ボタン」素材、別途準備する画像データの表示領域を表す「画像」素材、チェックボックスのGUIを表す「チェックボックス」素材、スライダーのGUIを表す「スライダー」素材が一覧表示されている。なお図示したリストはあくまで例示であり、素材画像を限定する主旨ではない。
【0030】
コンテンツ作成者は素材リスト38の各素材の左端に表示されたシンボルマークを選択し、キャンバス36a上の位置と対応づけることにより、仮想的なUI画面上に素材画像を配置させる。この処理は例えば、選択するシンボルマークをポインタなどによって指示し、キャンバス36a上の目的の位置までドラッグすることにより実現できる。このようにしてシンボルマークがキャンバス36a上の位置と対応づけられたら、当該位置に、あらかじめ設定しておいた標準のサイズおよび色で、対応する素材画像を表示する。この段階で、各素材画像はUI画面における部品画像となる。
【0031】
そしてキャンバス36a上で、拡大、縮小、変形、移動、彩色など、各部品画像に対する操作を受け付ける。部品画像に対する操作内容や操作手法は、一般的な画像描画ツールなどに実装されているものと同様でよい。同図においては、部品画像44が現在の操作対象となっていることが太枠で示されている。詳細情報42は、このように操作対象となっている部品画像のその時点での詳細情報を表す。同図の例では、当該部品画像の名称42a、位置座標42b、サイズ42c、アンカー情報42dが表示されている。
【0032】
部品画像の名称42aはコンテンツ作成者が入力し、UI画面設定ファイルにおいて各部品画像を識別するために用いられる。位置座標42bは、キャンバス36aにおける部品画像の左上の座標(x,y)など、部品画像の位置を所定の規則で表す。サイズ42cは、部品画像の横方向(w)、縦方向(h)のサイズを所定の単位で表す。これらの変数は、キャンバス36aにおける部品画像に対する操作に連動して変化させる。一方、コンテンツ作成者が直接、数値を入力した場合は、キャンバス36a上の部品画像に反映させる。アンカー情報42dは、部品画像を重ねて表示する場合の下側の部品画像、あるいは重ねない場合は画面自体など、操作対象の部品画像の下層に位置する画像のサイズに変化が生じたときに、当該操作対象の部品画像の配置およびサイズをどのように対応させるかを示す規則を図形で表す。
【0033】
同図の例では、下層の画像を外側の矩形46、操作対象の画像を内側の矩形48で表し、下層の画像のサイズの変化に対し、距離を固定とする箇所をアンカーとして矢印50で表している。同図の場合、下層の画像の上端から操作対象の画像の上端までの距離、および、下層の画像の左端から操作対象の画像の左端までの距離を固定とする規則が設定されている。アンカー情報42dとして表示するマークは、コンテンツ作成者が入力部12に対し所定の操作を行うことにより切り替え可能とする。
【0034】
設定できる規則としてはこの他、各画像の下端同士の距離、右端同士の距離、操作対象の画像の縦方向の長さ、横方向の長さ、のいずれか、または2つ以上の組み合わせを固定とすることが考えられる。ただし本実施の形態では上述したように、複数の画面モードを切り替えてUI画面を設定できるため、当該画面モードのいずれかに対応する装置であれば、コンテンツ実行段階で実際の画面に対応させるためにアンカー情報を用いて調整する必要はなくなる。
【0035】
なお詳細情報42に表示すべき項目は、部品画像の種類、すなわち素材画像によって異なるため、あらかじめ素材画像ごとに表示すべき項目を決めておく。そして操作対象の部品画像の種類によって表示する項目を切り替える。例えば「ラベル」素材の場合、さらに文字のフォント、サイズ、文字や背景の色などの項目を表示し、コンテンツ作成者からの設定を受け付ける。「ボタン」素材、「チェックボックス」素材、「スライダー」素材などもさらに色の項目を設ける。「画像」素材の場合は、当該領域で表示させる画像データの項目を設け、コンテンツ作成者による設定を受け付ける。このとき、画像データの参照先を検索する画面などを別途表示させてもよい。
【0036】
図3は図2のメインメニュー32における「画面モード」メニューによって、画面モードを縦長画面に切り替えたときの設定画面の例を示している。設定画面例30bのキャンバス36bは、縦長の画面に対応する領域を表している。図2に示したように横長画面の画面モードに対し設定を行ったあと、新規に縦長画面の画面モードに対する設定画面を表示させた場合、キャンバス36bには、横長画面に対し設定した部品画像を配置する。
【0037】
すなわち横長画面において生成した部品画像は、縦長画面にも引き継がれる。ただし部品画像のサイズや配置は、縦長画面に収まるように、モード切替処理部26が所定の規則によって調整を行う。例えば横長画面における部品画像を画面左上からラスタ方向に抽出していき、縦長画面のキャンバス36bの左上からラスタ方向に、抽出された順に配置していく。縦長画面の横幅に収まらない幅を有する部品画像は縮小する。
【0038】
この例は、横長画面に対する設定を縦長画面に利用する場合であったが、逆に縦長画面に対する設定を横長画面に利用したり、アスペクト比の異なる画面に利用したりする場合も同様に調整できる。あるいは各部品画像に設定されたアンカー情報に基づきサイズと配置を調整してもよい。
【0039】
いずれにしろ、新規の画面モードであっても、このようにして他の画面モードに対する設定を利用し、およそのUI画面を装置側で作成することにより、コンテンツ作成者が初めから設定し直す必要がなくなり、作業負担が軽減される。コンテンツ作成者は、キャンバス36bに表示済みの部品画像に対し、サイズや配置を自由に調整する。設定画面例30bにはさらに、キャンバス36bの詳細情報52も表示する。
【0040】
詳細情報52は、新たに表示させたキャンバス36bに係る詳細情報、具体的にはサイズおよび背景色を表す。これらの詳細情報もコンテンツ作成者が直接、数値を入力することによって、キャンバス36bに反映させるようにする。コンテンツ作成者が、キャンバス36bに表示された部品画像のいずれかを操作対象として選択したら、当該部品画像の詳細情報を、図2の詳細情報42のように表示する。これによりコンテンツ作成者は、キャンバス36bに表示された部品画像を直接操作したり、詳細情報に数値を入力したりして、各部品画像を調整する。
【0041】
このように複数の画面モードに対しなされた設定は、設定情報管理部24が、画面モードに対応づけて記憶しておく。コンテンツ作成者がメインメニュー32における「ファイル」メニューによってファイルの保存を指示したら、設定ファイル生成部16は設定情報を全て取得し、UI画面設定ファイルを生成する。上述のとおり設定情報には共有情報と個別情報とが含まれる。
【0042】
図4は共有設定情報のデータ例を示している。なお同図および図5に示すデータは情報の内容を例示するものであり、UI画面設定ファイルの形式を限定するものではない。共有設定情報60は、名称欄62に記載された各部品画像の名称に対応づけて、設定値欄64に記載される、画面モードで共有される設定情報を保持する。
【0043】
名称欄62に記載した部品画像の名称は、図2の詳細情報42の名称42aとしてユーザが入力した名称である。あるいは元となった素材画像の名称と、装置側で自動的に付与した識別番号とを組み合わせてもよい。部品画像の名称に素材画像の名称を含ませることにより、コンテンツ実行段階で、実行する装置が素材画像のデータを特定して部品画像の生成、表示を行える。部品画像の識別情報と素材画像の識別情報とを別途対応づけておいてもよい。
【0044】
なお同図の設定情報は図2、3に表示されている部品画像に対応している。「画像」素材を用いた「画像1」の部品画像は、当該領域に表示すべき画像のデータが「snow.jpg」と設定されている。「チェックボックス」素材を用いた「チェックボックス1」および「チェックボックス2」の部品画像はいずれも、色が「FFFFFF」と設定されている。
【0045】
「ラベル」素材を用いた「ラベル1」および「ラベル2」の部品画像は文字情報として「オプション1」および「オプション2」なる文字をそれぞれ表示し、フォントはいずれも「ゴシック」と設定されている。「ボタン」素材を用いた「ボタン1」および「ボタン2」の部品画像は文字情報として「OK」、「Cancel」なる文字をそれぞれ表示し、ボタンの色はいずれも「FF66FF」、フォントはいずれも「Calibri」と設定されている。
【0046】
図5は個別設定情報のデータ例を示している。個別設定情報70は、複数の画面モードa、b、c、・・・に対し、同じ構造を有する複数の設定情報70a、70b、70c、・・・を対応づけた構成を有する。なお画面モードが1つであれば当然、設定情報も1つである。同図の例では画面モードを画面の横方向、縦方向のサイズで定義している。すなわち各画面モードの設定情報の上端に示されるように、画面モードaは画面サイズが(800,480)、画面モードbは画面サイズが(480,800)、画面モードcは画面サイズが(1200,720)の画面である。
【0047】
画面モードを各方向のサイズで定義することにより、画面の大きさのほか、横長画面と縦長画面の区別やアスペクト比の設定も同時にできる。上述のとおり、サイズが同じであってもディスプレイ平面の傾斜角度によって設定を変化させる場合などは、その他の属性によってさらに画面モードを細分化してもよい。
【0048】
各画面モードに対する設定情報70a、70b、70c、・・・は、設定値欄74における設定対象の項目が異なるほかは、図4で示した共有設定情報60と同じ構造を有する。したがって名称欄72の部品画像の名称は共有設定情報60の名称欄62の記載と同一である。そして各部品画像に対し、画面モードによって個別に設定すべき情報、同図の例では位置座標、サイズ、アンカー情報などを保持する。
【0049】
例えば画面モードaの設定情報70aにおいて、「画像1」の部品画像は位置座標が「(40,60)」、サイズが「(430,290)」、アンカーは(上,左)、すなわち上端と左端において下層の画像との距離を固定とする、という設定がなされている。その他の部品画像についても同様に、設定画面に対しコンテンツ作成者が設定した位置座標、サイズ、およびアンカー情報が、部品画像の名称と対応づけられている。
【0050】
設定ファイル生成部16は、図4で示したような共有設定情報は画面モードによらず、図5で示したような個別設定情報は画面モードに応じて、それぞれを参照できるような形式でUI画面設定ファイルを生成する。例えば上述のとおり、UI画面設定ファイルをプログラムのソースコードとして生成する場合、後者に対し、画面モードを確認しその結果に応じて処理を分岐するプログラムを生成する。前者に対しては当該分岐を設けない。そしてそれらを1つのソースコードとして出力する。
【0051】
図6はUI画面設定ファイルをプログラムのソースコードとして生成する場合の、当該プログラムのフローチャートを示している。この例は、図5で示した3つの画面モードa、b、cに対し設定がなされた場合を示している。また素材画像のデータを用いてUI画面を生成するプログラムは他に準備されており、同図のプログラムは当該生成するプログラムにおいて用いる変数へ設定値を代入する処理を記述している。
【0052】
まず図4で示した共有設定情報に設定された各項目の設定値を代入する(S10)。次に画面モードを確認する処理によって実際の画面が画面モードaであることが判明したら(S12のY)、画面モードaの設定情報70aに設定された各項目の設定値を代入する(S14)。実際の画面が画面モードbであることが判明したら(S12のN、S16のY)、画面モードbの設定情報70bに設定された各項目の設定値を代入する(S18)。それ以外の場合、すなわち実際の画面が画面モードcであることが判明したら(S12のN、S16のN)、画面モードcの設定情報70cに設定された各項目の設定値を代入する(S20)。
【0053】
これによりコンテンツを実行する装置において、UI画面を生成するための設定値が、装置の画面モードに対し常に最適なものへ切り替わる。設定項目のうち、どの項目を共有設定情報、あるいは個別設定情報とするかはあらかじめ決定しておく。コンテンツ作成者が指定できるようにしてもよい。ただし画面モードによって変更せざるを得ない項目は、自然に個別設定情報となる。例えば図2に示した横長画面の設定から図3に示した縦長画面の設定へ設定画面を切り替えた際、自動で調整した項目、すなわちサイズや配置は個別設定情報となる。このようにすると、共有設定情報に含まれる項目については、一つの画面モードで設定を変更すれば、全ての画面モードにその変更を反映させることができる。
【0054】
あるいは別の態様として、設定に応じて個別設定情報とする項目を変化させてもよい。例えば最初の画面モードでなされた設定は全て共有設定情報としておき、その後、別の画面モードで設定が変更された項目については、随時、個別設定情報に移行させるようにしてもよい。この場合、それ以前になされた画面モードに対しても個別設定情報が生成されることになる。この処理は例えば、図6に示したプログラムにおいて当該項目に係る記述を、S10の共有設定情報の設定値代入処理から削除し、S14、S18、S20の、画面モードごとの設定値代入処理にそれぞれ追加ことと同等である。
【0055】
次にこれまで述べた構成によって実現できるUI画面設定ファイル生成装置10の動作を説明する。図7はUI画面設定ファイル生成装置10がコンテンツ作成者の設定入力を受け付け、UI画面設定ファイルを生成する処理手順を示すフローチャートである。まずコンテンツ作成者が入力部12を介し、設定ファイル名を指定するなどして設定作業を開始する旨の指示を入力すると、設定情報取得部14の設定情報管理部24は当該ファイル名を有する新規ファイルを準備する(S30)。なお既存のファイルが指定された場合はそれを読み出す。
【0056】
次に設定画面表示部18は、図2で示したような設定画面を表示する(S32)。このときコンテンツ作成者が画面サイズを入力することにより、設定画面表示部18は、それに対応する仮想的なUI画面の領域をキャンバスとして表示する。この画面サイズによって1つの画面モードが定義される。なおS30において既存の設定ファイルを読み出した場合は、それに設定されている画面モードのいずれかを選択し、設定済みのUI画面を表示する。
【0057】
次にコンテンツ作成者は、入力部12を介して、設定画面に対し部品画像の配置やサイズの調整、色やフォントの設定などの設定入力を行う(S34)。コンテンツ作成者が設定を確定する入力を行うと、設定情報管理部24は、S30で指定されたファイル名と、画面サイズなど画面モードの識別情報とともに、設定された情報を記憶する(S36)。このとき共有設定情報と個別設定情報とを区別しておく。なお画面モードの識別情報として、コンテンツ作成者が画面モードの名称等を指定するようにしてもよい。UI画面設定ファイルを新規で作成する場合、S36で記憶した設定情報が基準となり、後の画面モード設定画面に引き継がれる。
【0058】
次にコンテンツ作成者が画面モードを切り替える指示入力を行ったら(S38のY)、設定画面表示部18は、コンテンツ作成者が新たに入力した画面サイズに対応するようにキャンバスのサイズを切り替える(S40)。そして設定情報取得部14のモード切替処理部26は、既存の設定情報に基づき切り替え後の各部品画像の配置を決定し、設定画面表示部18に表示させる(S42)。
【0059】
具体的には、過去に同じ設定ファイル内で同じ画面モードに対し設定がなされていればその情報に基づき部品画像を配置する。一方、当該画面モードに対する初めての設定であれば、S36で設定情報管理部24が記憶した基準設定情報に基づき部品画像を配置する。基準設定情報に基づき部品画像を配置する場合は、上述のとおり、必要に応じて部品画像の再配置やサイズ変更を行う。
【0060】
コンテンツ作成者は、このようにして表示された設定画面において、適宜、部品画像の調整を行う(S44)。コンテンツ作成者が設定を確定する入力を行うと、設定情報管理部24は、設定された個別設定情報を、切り替え後の画面モードの識別情報とともに記憶する(S46)。共有設定情報のいずれかの項目の設定値が変更された場合は(S48)、S36で記憶した設定情報のうち共有設定情報を更新する(S50)。
【0061】
コンテンツ作成者がさらに別の画面モードへ切り替える指示入力を行ったら(S38のY)、S40からS50の処理を繰り返す。そしてコンテンツ作成者が全ての画面モードに対する設定を終了し、UI画面設定ファイルを生成する指示入力を行うと(S38のN)、設定ファイル生成部16は、S30で指定されたファイル名で最終的なUI画面設定ファイルを生成する(S52)。
【0062】
次に、これまで述べた手法で生成したUI画面設定ファイルを組み入れたコンテンツを実行するための構成について説明する。図8は本実施の形態で生成するUI画面設定ファイルを含むコンテンツを実行する情報処理装置の構成を示している。
【0063】
情報処理装置100は、UI画面設定ファイルを含むコンテンツファイルを格納したコンテンツファイル記憶部112、ユーザからのコンテンツ実行に係る入力を受け付ける入力部102、情報処理装置100の画面モードを特定する画面モード特定部104、素材画像のデータを格納した素材画像記憶部114、画面モードとUI画面設定ファイルとに基づきUI画面を生成するUI画面生成部106、コンテンツに係るその他の処理を実行するコンテンツ処理部108、および、表示すべき画像を描画し表示する画像表示部110を含む。
【0064】
入力部102は、コンテンツの実行開始、終了の指示入力、表示されたUI画面上のGUIの操作など、コンテンツの実行に必要な各種入力をユーザが行うためのインターフェースである。入力部12は、タッチパネル、ポインティングデバイス、キーボード、ジョイスティックなど一般的な入力装置のいずれかで実現してよい。
【0065】
画面モード特定部104、UI画面生成部106、コンテンツ処理部108は演算装置やメモリなどで構成される。画面モード特定部104は、情報処理装置100の画面モードを特定する。例えば情報処理装置100が内部で記憶する、自らの画面のサイズに係る情報を読み出す。さらに情報処理装置100の内部に搭載した加速度センサやジャイロセンサの出力値から、横長画面/縦長画面の区別や、ディスプレイ平面の傾斜角度などを取得してもよい。
【0066】
そしてこれらの情報に基づき、UI画面設定ファイルで定義されている画面モードのうち1つを選択する。なお画面モードの特定処理は、コンテンツの実行開始時にUI画面を生成するため、UI画面生成部106からの要求に応じて実行するほか、所定の時間間隔で行ってもよい。これにより、ユーザの持ち方や体勢の変化に対応して常に好適なUI画面を表示できる。
【0067】
UI画面生成部106は、コンテンツファイル記憶部112に格納されたUI画面設定ファイルに基づき、素材画像記憶部114から読み出した素材画像のデータを用いて部品画像を生成、配置することによりUI画面を生成する。なおコンテンツファイル記憶部112におけるUI画面設定ファイルは、UI画面設定ファイル生成装置10が生成したプログラムのソースコードを、その他のプログラムとともにコンパイルした状態であってもよい。このときUI画面生成部106は、図6で示した手順により、UI画面を生成するための変数に設定値を代入する処理を行ったうえ、UI画面生成処理を行う。UI画面生成処理自体には一般的な技術を適用できる。
【0068】
ディスプレイの状態が、UI画面設定ファイルで定義されている画面モードから外れている場合は、画面モード特定部104がその旨を通知することにより、UI画面生成部106は、定義されている画面モードの設定情報のいずれかを利用してUI画面を生成する。例えば最も近い状態の画面モードを選択するか、あらかじめ基準とする画面モードを定めておき、その設定情報におけるアンカー情報などに基づき部品画像を配置していく。図3において説明したように、設定画面において新規の画面モードへ切り替えたときと同様の調整を行ってもよい。
【0069】
コンテンツ処理部108は、コンテンツファイル記憶部112に格納されたコンテンツのプログラムや各種データを読み出し、ユーザの操作などに従い適宜演算処理を行う。画像表示部110は画像を描画する演算装置とディスプレイなどで構成され、UI画面生成部106およびコンテンツ処理部108からの要求に従い、表示画像を描画、表示する。
【0070】
次に上記構成によって実現される動作を説明する。図9は情報処理装置100においてUI画面を表示する処理手順を示すフローチャートである。まずユーザが入力部102を介しコンテンツを選択するなどしてコンテンツ実行開始の指示を入力すると、UI画面生成部106は、画面モード特定部104にその段階の画面モードを特定させ、その結果と、UI画面設定ファイルの情報とに従い、UI画面を生成する。そして画像表示部110が、それを初期UI画面として表示する(S60)。
【0071】
この初期UI画面に対しユーザが行った操作などに基づき、コンテンツ処理部108は適宜操作を行ってよいが、同図では省略している。またUI画面生成部106は、表示中のGUIに対しユーザが行った操作などによってその色を変化させたり、ボタンが押されているように見せたり、各種アニメーション表示を行ったりしてよいが、それらも一般的な技術を適用できるため図示を省略している。
【0072】
画面モード特定部104によって画面モードが途中で変化したことが検知されない間はその状態を維持する(S62のN)。画面モードが変化したことが検知されたら(S62のY)、UI画面生成部106は、例えば図6で示した処理手順においてS12からの分岐判定処理のみを再度実行することにより、UI画面生成に用いる設定値を更新する(S64)。そして更新した値でUI画面を生成し、画像表示部110に表示させることにより、UI画面の表示を更新する(S66)。
【0073】
以上述べた本実施の形態によれば、部品画像で構成されるUI画面の設定時に、画面サイズ、横長画面か縦長画面か、ディスプレイ平面の傾斜角度など、ディスプレイの状態を変化させた複数の画面モードを切り替えながら設定可能とする。このとき、色、形、フォントなど所定の項目の設定情報については全ての画面モードで共有する。これにより、画面モードによって変化をつけたい項目については自由度の高い設定ができる一方、共有する項目については、1つの画面モードに対し行った変更が、他の画面モードにも反映される。
【0074】
例えば色や形の微調整を繰り替えして様子を見ながらデザインを決定したい場合など、微調整した結果を全ての画面モードで容易に確認でき、作業効率を格段に向上させることができる。同時に、画面端からの距離を固定としたり、部品画像の大きさを画面サイズの大きさに比例させたり、といった、画面サイズの変化に対する固定的な規則を設ける場合と比較し、画面モードごとにきめ細かい設定が可能となる。
【0075】
設定を受け付けるための画面には、画面モードに応じて仮想的なUI画面の領域を表示し、その上で画像を描画するように部品画像を作成、配置できるようにする。このとき、新規の画面モードの設定画面であっても、他の画面モードの設定情報を利用することにより、およそのUI画面を装置側で準備する。これにより、コンテンツ作成者が画面モードごとに部品画像を作成し直す必要がなくなり、多数の画面モードを定義したい場合などは特に、設定作業の負担が軽減される。
【0076】
複数の画面モードに対する設定情報を同じファイルとして出力することにより、画面モードの数が増加してもファイル数が増加せず、様々な装置や画面モードに対応できる設定ファイルを実現できる。さらにコンテンツ実行時に途中で画面モードが変化しても、新たに別の設定ファイルを読み出すことなく、更新すべき設定値のみ更新することができるため、UI画面表示時の処理効率も向上する。
【0077】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0078】
10 UI画面設定ファイル生成装置、 12 入力部、 14 設定情報取得部、 16 設定ファイル生成部、 18 設定画面表示部、 20 素材画像記憶部、 22 UI画面設定ファイル記憶部、 24 設定情報管理部、 26 モード切替処理部、 100 情報処理装置、 102 入力部、 104 画面モード特定部、 106 UI画面生成部、 108 コンテンツ処理部、 110 画像表示部、 112 コンテンツファイル記憶部、 114 素材画像記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ実行時にディスプレイに表示する画面の構成を設定した画面設定ファイルを生成する画面設定ファイル生成装置であって、
前記ディスプレイの画面領域を表す仮想的な画面領域を含む設定画面を表示する設定画面表示部と、
前記仮想的な画面領域に部品画像を配置した設定情報の入力をユーザより受け付ける入力部と、
ユーザが指定した、前記ディスプレイの複数の状態に応じて、前記設定画面表示部における設定画面を切り替えるモード切替処理部と、
前記ディスプレイの複数の状態に対しなされた設定情報を統括し、当該複数の状態間で共有される設定情報を含む前記画面設定ファイルを生成して出力する設定ファイル生成部と、
を備えたことを特徴とする画面設定ファイル生成装置。
【請求項2】
前記モード切替処理部は、前記ディスプレイの新規の状態に対する設定画面において、設定済みの状態に対する設定情報に基づき部品画像を配置した前記仮想的な画面領域を表示させることを特徴とする請求項1に記載の画面設定ファイル生成装置。
【請求項3】
前記ディスプレイの1つの状態に対する設定画面に対し、前記複数の状態間で共有される設定情報を更新する入力がなされたら、その他の状態に対する設定画面においても当該更新が反映されるように設定情報を更新する設定情報管理部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画面設定ファイル生成装置。
【請求項4】
前記モード切替処理部は、ディスプレイの画面サイズ、横長画面とするか縦長画面とするか、ディスプレイ平面の傾斜角度、の状態変化のうち、いずれか1つまたは2つ以上を組み合わせた状態変化からユーザが指定した複数の状態に応じて、前記設定画面を切り替えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画面設定ファイル生成装置。
【請求項5】
前記設定ファイル生成部は、前記設定情報における設定値を読み込むプログラムのソースコードとして前記画面設定ファイルを生成し、当該プログラムは、前記複数の状態間で共有される設定情報に含まれない項目の設定値の読み込みを、ディスプレイの状態によって分岐させる処理を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画面設定ファイル生成装置。
【請求項6】
ディスプレイの1つの状態に対する設定画面に対し、他のディスプレイの状態に対しなされた設定と異なる設定がなされた設定項目は、前記複数の状態間で共有される設定情報から除外して状態ごとの設定情報とする設定情報管理部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画面設定ファイル生成装置。
【請求項7】
ディスプレイに表示する画面の構成を設定した設定情報を含むコンテンツを実行する情報処理装置であって、
ディスプレイの所定の項目に係る状態を特定する画面モード特定部と、
前記設定情報のうち、前記画面モード特定部が特定したディスプレイの状態に対し個別に設定された設定情報と、ディスプレイの複数の状態間で共有される設定情報とを参照して画面を生成しディスプレイに表示させる画面生成部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記画面モード特定部は、前記ディスプレイの所定の項目に係る状態を所定時間間隔で確認し、
前記画面生成部は、当該状態が変化したら、変化後の状態に対し個別に設定された設定情報のみを参照し直すことにより表示中の画面を更新することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンテンツ実行時にディスプレイに表示する画面の構成を設定した画面設定ファイルを生成する装置が行う画面設定ファイル生成方法であって、
前記ディスプレイの画面領域を表す仮想的な画面領域を含む設定画面を表示するステップと、
前記仮想的な画面領域に部品画像を配置した設定情報の入力を入力装置を介してユーザより受け付けるステップと、
ユーザが指定した、前記ディスプレイの複数の状態に応じて、前記設定画面を切り替えるステップと、
前記ディスプレイの複数の状態に対しなされた設定情報を統括し、当該複数の状態間で共有される設定情報を含む前記画面設定ファイルを生成して記憶装置に出力するステップと、
を含むことを特徴とする画面設定ファイル生成方法。
【請求項10】
ディスプレイに表示する画面の構成を設定した設定情報を含むコンテンツを実行する装置が行う画面表示方法であって、
ディスプレイの所定の項目に係る状態を特定するステップと、
前記設定情報のうち、前記特定するステップにおいて特定したディスプレイの状態に対し個別に設定された設定情報と、ディスプレイの複数の状態間で共有される設定情報とを参照して画面を生成しディスプレイに表示させるステップと、
を含むことを特徴とする画面表示方法。
【請求項11】
コンテンツ実行時にディスプレイに表示する画面の構成を設定した画面設定ファイルを生成する機能をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムであって、
前記ディスプレイの画面領域を表す仮想的な画面領域を含む設定画面を表示する機能と、
前記仮想的な画面領域に部品画像を配置した設定情報の入力を入力装置を介してユーザより受け付ける機能と、
ユーザが指定した、前記ディスプレイの複数の状態に応じて、前記設定画面を切り替える機能と、
前記ディスプレイの複数の状態に対しなされた設定情報を統括し、当該複数の状態間で共有される設定情報を含む前記画面設定ファイルを生成して記憶装置に出力する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
ディスプレイに表示する画面の構成を設定した設定情報を含むコンテンツを実行する機能をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムであって、
ディスプレイの所定の項目に係る状態を特定する機能と、
前記設定情報のうち、前記特定する機能が特定したディスプレイの状態に対し個別に設定された設定情報と、ディスプレイの複数の状態間で共有される設定情報とを参照して画面を生成しディスプレイに表示させる機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項13】
コンテンツ実行時にディスプレイに表示する画面の構成を設定した画面設定ファイルを生成する機能をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムを記録した記録媒体であって、
前記ディスプレイの画面領域を表す仮想的な画面領域を含む設定画面を表示する機能と、
前記仮想的な画面領域に部品画像を配置した設定情報の入力を入力装置を介してユーザより受け付ける機能と、
ユーザが指定した、前記ディスプレイの複数の状態に応じて、前記設定画面を切り替える機能と、
前記ディスプレイの複数の状態に対しなされた設定情報を統括し、当該複数の状態間で共有される設定情報を含む前記画面設定ファイルを生成して記憶装置に出力する機能と、
をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【請求項14】
ディスプレイに表示する画面の構成を設定した設定情報を含むコンテンツを実行する機能をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムを記録した記録媒体であって、
ディスプレイの所定の項目に係る状態を特定する機能と、
前記設定情報のうち、前記特定する機能が特定したディスプレイの状態に対し個別に設定された設定情報と、ディスプレイの複数の状態間で共有される設定情報とを参照して画面を生成しディスプレイに表示させる機能と、
をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【請求項15】
コンテンツ実行時にディスプレイに表示する画面の構成を設定した画面設定ファイルのデータ構造であって、
前記ディスプレイの複数の状態のそれぞれに対し設定された個別設定情報と、前記複数の状態間で共有される共有設定情報とを対応づけ、
前記画面設定ファイルを生成する装置において、ユーザが指定した前記ディスプレイの状態によって、前記ディスプレイの画面領域を表す仮想的な画面領域を含む設定画面を切り替えて表示するために参照されることを特徴とする画面設定ファイルのデータ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−114424(P2013−114424A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259560(P2011−259560)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】