説明

界面活性剤の存在下で水性塗料の増粘剤としてのα−オレフィン系またはグリシジルエーテルエポキシ系ポリエーテル類の使用

本発明の主題は、少なくとも1種類のポリオキシアルキレンと、少なくとも1種類のα−オレフィンエポキシド、および/または少なくとも1種類の脂肪族または芳香族のグリシジルエーテルとのポリエーテルと、化学式C2x+1−(OX)−OH(式中のOXはオキシアルキル化単位を表す。)を有する少なくとも1種類の界面活性剤とを含有する水溶液の、水性塗料の配合物用のシックナーとしての使用であって:ポリエーテルに関して、モル比(ポリオキシアルキレン:α−オレフィンエポキシドまたはグリシジルエーテル)が(1:4)から(1:10)の間であり、界面活性剤に関して、6<x≦12および5<y<12であり、前記溶液が、2.0から0.5の間の質量比(ポリエーテル/界面活性剤)、およびこの全重量の30%から75%の間の含水率を有することを特徴とする使用である。本発明の主題は、このような増粘系を含有する塗料でもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ポリエステルシックナーは、加水分解に対して非常に弱い抵抗性のみを示すため、水性配合物への使用に不適当であり、この代替品として、ポリエーテルシックナーが開発された。これらのポリエーテルシックナーの中で、α−オレフィンエポキシによって変性されたポリエーテルシックナーからなる種類のものが特に挙げられる。この種類は、分子量が一般に200,000g/モル未満であり、ポリエーテルを製造するステップと、続いて、α−オレフィンエポキシ化合物、またはグリシジルエーテルの脂肪族または芳香族化合物との反応を介して前記ポリエーテルを改質するステップとによって得られる化学構造を含んでいる。
【背景技術】
【0002】
ポリエーテルの製造における第1のステップは、ポリオキシアルキレン(特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはこれらの混合物)を、活性水素原子を有する化合物(開始剤)と、一般に酸または塩基であるオキシアルキル化触媒の存在下、50℃から120℃の間の温度で反応させることからなり、さらなる詳細は、文献の「Synthesis of polyether polyols for rigid polyurethane foams by alkoxylation of solid polyols in polyether media」(Polyurethanes 94,Proc.Polyurethanes Conf.(1994),506−14:Soc.Plast.Ind.Polyurethane Div.,New York,N.Y.より発行)に示されている。
【0003】
第2のステップは、文献の1967年に公開されたUS3,475,499に記載されるような、前ステップで得られたポリエーテルをエポキシ化合物と、20℃から200℃の間の温度で反応させることからなり、この文献にはα−オレフィンと無機ヒドロペルオキシドとの間のエポキシ化、および得られた1,2−エポキシと水またはグリコールエチレンとの間の反応が記載されている。
【0004】
しかし、この後者の文献には、合成されたポリマーの具体的な用途は明らかにされていない。1970年代以前にはこのような構造の具体的な実施の最先端技術は全く残っておらず:BASF(商標)社の名前で出願された種々の特許によって作動液である水性配合物中の増粘剤の用途が請求されている。例えば、文献のUS4,288,639、US4,310,436、US4,354,956、US4,390,440、US4,411,819、US4,649,224、US4,665,239、US4,709,099、US4,673,518には、12から18個の炭素原子を有し全ポリマー組成物の1%から20重量%となるα−オレフィンエポキシ類で変性された、分子量が1,000g/molおよび75,000g/molの間であるポリエーテルシックナーが記載されている。これらの特許によって扱われている問題は、高温高圧、または非常に高い剪断応力などの特定の実施条件下で有効となる作動液用のレオロジー添加剤の問題である。
【0005】
その後、同じ企業が、これらの構造を、薬学および化粧品の分野において、特に低添加量での増粘剤として使用して、透明ゲルの形成を可能にすること(文献のUS4,810,503、US4,904,466参照)および濃縮殺虫剤の配合物中への使用(文献のUS2007/0049499参照)の特許を取得している。
【0006】
ほぼ同じ時期に、別の企業(HERCULES(商標))も、掘削流体の分野でこれらの構造の変形の特許を取得しているが(文献のGB2 065 150およびUS4,304,902参照)、最も重要なことは、これらの水性塗料の分野での使用を最初に考えていることである。例えば、文献のEP0 138 614には、8から26個の炭素原子を有し、分子量が50,000g/molから320,000g/molの間であり、コロイドおよび増粘剤として使用されるエチレンオキシドとエポキシ−アルカンとを主成分とするポリマーを含有する塗料組成物が記載されている。。
【0007】
上記の最後の特許は、(1984年に公開されているので比較的古いが)水性塗料の分野でのα−オレフィンエポキシ類で変性されたポリエーテル類の使用に関しては唯一の文献であると思われる。より最近の文献のWO96/31550)により明確な説明が提供されており、この文献中で、水性塗料中で実施される場合のこれらのポリマーの欠点が批評されている。この特許は、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、脂環式基、ペルフルオロアルキル基、カルボシリル(carbosylil)基、およびポリシクリル(polycyclyl)基から選択される疎水性基を有するポリ(アセタール−またはセタル(cetal)−ポリエーテル)骨格を有するポリマーの種々の構造を扱っている。この背景において、この特許では、水性塗料を十分に増粘させるために、従来技術のα−オレフィンエポキシ類で変性されたポリエーテルシックナーが比較的効果がないことの改善を探求していることが示されている(5ページ、1から4行)。より正確には、この文献WO96/31550は、従来技術に記載されている構造に非常に明確に言及しており:既に前述している作動液の分野におけるこれらのポリマーの使用を扱う特許が引用されている。
【0008】
塗料中、α−オレフィンエポキシ類で変性されたポリエーテル類によるこの有効性の不足は、このようなポリマーが、界面活性剤を主成分とする水溶液の形態で実施されると、前記水溶液が加えられる塗料中への分散が困難または遅くなり、これらのポリエーテル類の反応性(またはこれらのポリエーテル類が加えられる媒体を迅速に増粘させる能力)が低下することと関連している。
【0009】
さらに、変性ポリエーテル類および界面活性剤を含有するこれらの水溶液は、複雑な配合物であり、この粘度が高すぎると、保管および取り扱いが困難となる製品が得られる。
【0010】
これらの欠点を考慮して、前述の文献WO96/31550では、疎水性基を有するポリ(アセタール−またはセタル−ポリエーテル)骨格を有する溶液ポリマーが提案されている。しかし、このような構造は、単官能化によって置換反応のみを行うことができ、従って結果として得られるポリマーの有効性は、置換される鎖の長さ、およびポリアセタールの分子量と関連すると思われる。しかし、この方法を使用する場合、付加環化重合反応とは異なり、最終ポリマーの有効性を調節するために鎖末端の置換基数を増加させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第3,475,499号明細書
【特許文献2】米国特許第4,288,639号明細書
【特許文献3】米国特許第4,310,436号明細書
【特許文献4】米国特許第4,354,956号明細書
【特許文献5】米国特許第4,390,440号明細書
【特許文献6】米国特許第4,411,819号明細書
【特許文献7】米国特許第4,649,224号明細書
【特許文献8】米国特許第4,665,239号明細書
【特許文献9】米国特許第4,709,099号明細書
【特許文献10】米国特許第4,673,518明細書
【特許文献11】米国特許第4,810,503号明細書
【特許文献12】米国特許第4,904,466号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2007/0049499号明細書
【特許文献14】英国特許出願公開第2 065 150号明細書
【特許文献15】米国特許第4,304,902号明細書
【特許文献16】欧州特許出願公開第0 138 614号明細書
【特許文献17】国際公開第96/31550号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】「Synthesis of polyether polyols for rigid polyurethane foams by alkoxylation of solid polyols in polyether media」(Polyurethanes 94,Proc.Polyurethanes Conf.(1994),506−14:Soc.Plast.Ind.Polyurethane Div.,New York,N.Y.より発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って:
α−オレフィンエポキシ類またはグリシジルエーテル類で変性されたポリエーテル類の水性塗料の増粘効果の改善、
同時に、前記変性ポリエーテル類を含有する界面活性剤の水溶液の粘度の低下
の方法の開発は、30年を超えて(特に文献EP0 138 614の公開から)従来技術の未解決の問題となり続けている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この方向での研究を追求することにより、本出願人は:
a)水、
b)少なくとも1種類のポリオキシアルキレンおよび少なくとも1種類のα−オレフィンエポキシ、および/または少なくとも1種類の脂肪族または芳香族のグリシジルエーテルとの少なくとも1種類のポリエーテル、
c)化学式:
2x+1−(OX)−OH(式中のOXはオキシアルキル化単位を表す。)
を有する少なくとも1種類の界面活性剤
を含有する水溶液の、水性塗料の配合物用の増粘剤としての使用であって:
ポリエーテルに関して、モル比(ポリオキシアルキレン:α−オレフィンエポキシまたは脂肪族または芳香族のグリシジルエーテル)が(1:4)から(1:10)の間であり、
界面活性剤に関して、6≦x≦12および5≦y≦12であり、
水溶液に関して、2.0から0.5の間の質量比(ポリエーテル/界面活性剤)、およびこの全重量の30%から75%の間の含水率を有する
ことを特徴とする使用を開発した。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記の界面活性剤およびポリエーテルの特性の個々の選択を変更することによって、驚くべきことに従来技術においては教示および開示されていなかった結果として:
安定性および取り扱いの要求が維持されるレオロジー挙動を有する溶液が開発される:このように、当業者は、100回転/分および25℃で測定して、1,000mPa・sから15,000mPa・sの間のブルックフィールド(Brookfield)(商標)粘度を探し求めている;
これによって、有効成分が低濃度(特に、増粘される配合物の全重量に対してポリエーテル2重量%)においても加えた場合に水相を増粘させることができる:これは、100回転/分および25℃で測定して、1,000mPa・sを超えるブルックフィールド粘度ブルックフィールド(商標)が達成されることを意味する(「2%ゲル」を形成する。);
これによって水性塗料をより効果的に増粘させることが可能となる。
【0016】
実施例は、界面活性剤およびポリエーテルに関して特定の条件を選択することによって、前述の性質を実現できることを明確に示している。最先端技術で、この複雑な技術的問題に関与したものは存在しない。さらに、特定の界面活性剤と、ポリオキシアルキレンとα−オレフィンエポキシおよび/またはグリシジルエーテルとの間の重合によって得られる非常に特殊なポリエーテル類との組み合わせの実施に関して、このような問題の解決を考慮した当業者が注目したものは全く存在しない。最後に、前述のような前記界面活性剤および前記ポリエーテルの特定の性質を開示したり示唆したりしたものは全く存在しない。
【0017】
従って、本発明の第1の目的は:
a)水、
b)少なくとも1種類のポリオキシアルキレンおよび少なくとも1種類のα−オレフィンエポキシ、および/または少なくとも1種類の脂肪族または芳香族のグリシジルエーテルとの少なくとも1種類のポリエーテル、
c)化学式:
2x+1−(OX)−OH(式中のOXはオキシアルキル化単位を表す。)
を有する少なくとも1種類の界面活性剤
を含有する水溶液の、水性塗料の配合物用の増粘剤としての使用であって:
ポリエーテルに関して、モル比(ポリオキシアルキレン:α−オレフィンエポキシまたは脂肪族または芳香族のグリシジルエーテル)が(1:4)から(1:10)の間であり、
界面活性剤に関して、6≦x≦12および5≦y≦12であり、
水溶液に関して、2.0から0.5の間の質量比(ポリエーテル/界面活性剤)、およびこの全重量の30%から75%の間の含水率を有する
ことを特徴とする使用からなる。
【0018】
この使用は、前記水溶液が、25℃および100回転/分で測定して、1,000mPa・sから15,000mPa・sの間のブルックフィールド(商標)粘度を示すことをさらなる特徴とする。
【0019】
この使用は、前記ポリエーテルが:
a)2から3個の炭素原子を有し、少なくとも2つのアルコール官能基を有する少なくとも1種類のポリオキシアルキレン、
b)および6から40個の炭素原子、好ましくは12から18個の炭素原子を有する少なくとも1種類のα−オレフィンエポキシ、および/または少なくとも1種類の脂肪族または芳香族のグリシジルエーテル
の重合によって得られることをさらなる特徴とする。
【0020】
この使用は、前記ポリエーテルが5,000g/molから100,000g/molの間、好ましくは15,000g/molから50,000g/molの間の分子量を示すことをさらなる特徴とする。
【0021】
この使用は、前記ポリエーテルが、50℃から200℃の間の温度において、場合により少なくとも1種類の酸化防止剤の存在下での付加環化によって得られることをさらなる特徴とする。
【0022】
本発明の第2の目的は:
a)水、
b)少なくとも1種類のポリオキシアルキレンおよび少なくとも1種類のα−オレフィンエポキシ、および/または少なくとも1種類の脂肪族または芳香族のグリシジルエーテルとの少なくとも1種類のポリエーテル、
c)化学式:
2x+1−(OX)−OH(式中のOXはオキシアルキル化単位を表す。)
を有する少なくとも1種類の界面活性剤
を含有する水溶液を増粘剤として含有する水性塗料の配合物であって:
ポリエーテルに関して、モル比(ポリオキシアルキレン:α−オレフィンエポキシまたは脂肪族または芳香族のグリシジルエーテル)が(1:4)から(1:10)の間であり、
界面活性剤に関して、6≦x≦12および5≦y≦12であり、
水溶液に関して、2.0から0.5の間の質量比(ポリエーテル/界面活性剤)、およびこの全重量の30%から75%の間の含水率を有する
ことを特徴とする配合物からなる。
【0023】
この配合物は、前記ポリエーテルが:
a)2から3個の炭素原子を有し、少なくとも2つのアルコール官能基を有する少なくとも1種類のポリオキシアルキレン、
b)および6から40個の炭素原子、好ましくは12から18個の炭素原子を有する少なくとも1種類のα−オレフィンエポキシ、および/または少なくとも1種類の脂肪族または芳香族のグリシジルエーテル
の重合によって得られることをさらなる特徴とする。
【0024】
この配合物は、前記ポリエーテルが5,000g/molから100,000g/molの間、好ましくは15,000g/molから50,000g/molの間の分子量を示すことをさらなる特徴とする。
【0025】
この配合物は、前記ポリエーテルが、50℃から200℃の間の温度において、必要に応じて少なくとも1種類の酸化防止剤の存在下での付加環化によって得られることをさらなる特徴とする。
【0026】
この水性塗料の配合物は、ラッカーまたはワニスであることをさらなる特徴とする。
【実施例】
【0027】
実施例
以下の試験は、これらの性質に依存して本発明ではないもの、または本発明によるものである界面活性剤とポリエーテル類との組み合わせを示している。
【0028】
表1は、種々の組み合わせの組成をまとめている。
【0029】
それぞれが50重量%の水で構成される。
【0030】
各試験において、ポリエーテル(PE)は、分子量が10,000g/molであり、エポキシまたはグリシジルエーテルの炭素数が記載の通り(Epox)であるポリエチレングリコール(PEG)で実施される。
【0031】
ポリエチレングリコール(PEG)とグリシジルエポキシまたはエーテル(Epox)との間のモル比、即ちPEG/Epoxが示されている。
【0032】
各試験において、界面活性剤(SAA)は、式C2x+1−(OE)−OH(式中、OEはエチレンオキシドを意味し、値xおよびyは記載の通りである。)に相当するものである。
【0033】
ポリエーテル(PE)と界面活性剤(SAA)との間の重量比、即ちPE/SAAも示されている。
【0034】
OIおよびINはそれぞれ、本発明ではない試験および本発明による試験を示す。
【0035】
実施したグリシジルエポキシまたはエーテルの性質、および界面活性剤の性質を以下に示す:
試験1は、エポキシドデカン(ARKEMA(商標))およびマージタル(Mergital)(商標)D5(COGNIS(商標))で実施される;
試験2は、エポキシドデカン(ARKEMA(商標))およびNP 6(オキシエチル化ノニルフェノール、ALDRICH)で実施される;
試験3は、エポキシドデカンおよびルテンゾール(Lutensol)(商標)40(BASF(商標))で実施される;
試験4は、エポキシデカン(ARKEMA(商標))およびルテンゾール(商標)70(BASF(商標))で実施される;
試験5は、エポキシドデカン(ARKEMA(商標))およびソプロホル(Soprophor)(商標)BO 327(RHODIA(商標))で実施される;
試験6は、エポキシデカン(ARKEMA(商標))およびルテンゾール(商標)100(BASF(商標))で実施される;
試験7は、エポキシドデカン(ARKEMA(商標))およびルテンゾール(商標)100(BASF(商標))で実施される;
試験8は、エポキシドデカン(ARKEMA(商標))およびルテンゾール(商標)80(BASF(商標))で実施される;
試験9は、エポキシドデカン(ARKEMA(商標))およびルテンゾール(商標)90(BASF(商標))で実施される;
試験10は、エポキシドデカン(ARKEMA(商標))およびルテンゾール(商標)100(BASF(商標))で実施される;
試験11は、エポキシドデカン(ARKEMA(商標))およびTD 180(COGNIS(商標))で実施される;
試験12は、エポキシドデカン(ARKEMA(商標))およびTD 10(COGNIS(商標))で実施される;
試験13は、エポキシドデカン(ARKEMA(商標))およびローダサーフ(Rhodasurf)(商標)ID 110(RHODIA(商標))で実施される;
試験14は、エポキシドデカン(ARKEMA(商標))およびマージタル(商標)D8(COGNIS(商標))で実施される;
試験15は、カードライト(Cardolite)(商標)NC 513(フェニルグリシジルエーテル−CARDOLITE(商標))およびマージタル(商標)D8(COGNIS(商標))で実施される;
試験16は、HAGE(商標)16 L(脂肪族グリシジルエーテル−SACHEM(商標))およびマージタル(商標)D8(COGNIS(商標))で実施される;
試験17は、HAGE(商標)16 L(脂肪族グリシジルエーテル−SACHEM(商標))およびマージタル(商標)D8(COGNIS(商標))で実施される;
試験18は、HAGE(商標)16 L(脂肪族グリシジルエーテル−SACHEM(商標))およびマージタル(商標)D8(COGNIS(商標))で実施される;
試験19は、エリシス(Erysis)(商標)GE 12(CVC Specialties(商標))およびマージタル(商標)D8(COGNIS(商標))で実施される;
試験20は、エリシス(商標)GE 12(CVC Specialties(商標))およびマージタル(商標)D8(COGNIS(商標))で実施される;
試験21は、エリシス(商標)GE 12(CVC Specialties(商標))およびマージタル(商標)D8(COGNIS(商標))で実施される;
【0036】
【表1】

【0037】
これらの組み合わせのそれぞれについて以下のことを行う:
この透明度に関する目視観察、
安定な様式での保管、および容易な取り扱いに対して適合することを明らかにする、100回転/分および25℃におけるブルックフィールド(商標)粘度測定(即ちそのままの粘度)(mPa・sの単位で表される。)、
低濃度でさえも水相の増粘に対して適合することを明らかにする、ポリマーを乾燥重量で2%の割合で水に加えた後の10回転/分および25℃におけるブルックフィールド(商標)粘度測定(2%ゲルの粘度)(mPa・sの単位で表される。)。
【0038】
これらの値を表2に示す。
【0039】
本発明に対応する試験(試験#8から21)のみが、固化せず、透明配合物が得られ、増粘効果が得られたことが分かる。
【0040】
さらに、この方法で製造した配合物(試験#8から21)は十分高いブルックフィールド(商標)粘度値を有するため、当業者は実施したポリエーテル/界面活性剤系の増粘性を立証することができる。
【0041】
【表2】

【0042】
最後に、表3に示される組成の本発明による他の組み合わせの幾つかを作製した(試験#22から28)。
【0043】
【表3】

【0044】
これらの組み合わせは、組成物が以下の通りである無着色の塗料の配合物用に作製した:
前記組み合わせ7.5g、
モウィリス(Mowilith)(商標)LDM 1871(CELANESE(商標))200g、
水92.5g、
ノプコ(Nopco)(商標)NDW(NOPCO(商標))7.5g、
8.5から9の間の値にpHを調整するための水酸化アンモニウム。
【0045】
当業者に周知の方法により、次にブルックフィールド(商標)を25℃において10および100回転/分(mPa・s)で測定し、ストーマー(Stormer)(商標)(KU)およびICI(商標)(ポアズ)を、t=0およびt=24時間の時点で測定した。これらの値を表4に挙げた。
【0046】
得られた結果は、使用および塗布が容易な塗料にレオロジー的に典型的なものであり、これは、容器内で沈殿したり過度な相分離を起こしたりすることなく良好な安定性を示し、塗布工具(ローラー、ブラシ)に適切に保持され、良好な塗布品質(ブラシ、ローラー、吹き付け)を有することを意味する。t=0からt=24の間の粘度増加は、ほとんどの水性塗料で観察される特性である。
【0047】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)水、
b)少なくとも1種類のポリオキシアルキレンおよび少なくとも1種類のα−オレフィンエポキシ、および/または少なくとも1種類の脂肪族または芳香族のグリシジルエーテルの少なくとも1種類のポリエーテル、
c)化学式:
2x+1−(OX)−OH(式中のOXはオキシアルキル化単位を表す。)
を有する少なくとも1種類の界面活性剤
を含有する水溶液の、水性塗料の配合物用の増粘剤としての使用であって:
ポリエーテルに関して、モル比(ポリオキシアルキレン:α−オレフィンエポキシまたは脂肪族または芳香族のグリシジルエーテル)が(1:4)から(1:10)の間であり、
界面活性剤に関して、6≦x≦12および5≦y≦12であり、
水溶液に関して、2.0から0.5の間の質量比(ポリエーテル/界面活性剤)、およびこの全重量の30%から75%の間の含水率を有する
ことを特徴とする、使用。
【請求項2】
前記水溶液が、25℃および100回転/分において測定して、1,000mPa・sから15,000mPa・sの間のブルックフィールド(商標)粘度を示すことを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記ポリエーテルが:
a)2から3個の炭素原子を有し、ならびに少なくとも2つのアルコール官能基を有する少なくとも1種類のポリオキシアルキレン、
b)および6から40個の炭素原子、好ましくは12から18個の炭素原子を有する少なくとも1種類のα−オレフィンエポキシ、および/または少なくとも1種類の脂肪族または芳香族のグリシジルエーテル
の重合によって得られることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
結合性シックナーが5,000g/molから100,000g/molの間、好ましくは15,000g/molおよび50,000g/molの間の分子量を示すことを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の使用。
【請求項5】
前記ポリエーテルが、50℃から200℃の間の温度において、必要に応じて少なくとも1種類の酸化防止剤の存在下での付加環化によって得られることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の使用。
【請求項6】
a)水、
b)少なくとも1種類のポリオキシアルキレンおよび、少なくとも1種類のα−オレフィンエポキシ、および/または少なくとも1種類の脂肪族または芳香族のグリシジルエーテルの少なくとも1種類のポリエーテル、
c)化学式:
2x+1−(OX)−OH(式中のOXはオキシアルキル化単位を表す。)
を有する少なくとも1種類の界面活性剤
を含有する水溶液を増粘剤として含有する水性塗料の配合物であって:
ポリエーテルに関して、モル比(ポリオキシアルキレン:α−オレフィンエポキシまたは脂肪族または芳香族のグリシジルエーテル)が(1:4)から(1:10)の間であり、
界面活性剤に関して、6≦x≦12および5≦y≦12であり、
水溶液に関して、2.0から0.5の間の質量比(ポリエーテル/界面活性剤)、およびこの全重量の30%から75%の間の含水率を有する
ことを特徴とする、配合物。
【請求項7】
前記ポリエーテルが:
a)2から3個の炭素原子を有し、ならびに少なくとも2つのアルコール官能基を有する少なくとも1種類のポリオキシアルキレン、
b)および6から40個の炭素原子、好ましくは12から18個の炭素原子を有する少なくとも1種類のα−オレフィンエポキシ、および/または少なくとも1種類の脂肪族または芳香族のグリシジルエーテル
の重合によって得られることを特徴とする、請求項6に記載の配合物。
【請求項8】
結合性シックナーが5,000g/molから100,000g/molの間、好ましくは15,000g/molおよび50,000g/molの間の分子量を示すことを特徴とする、請求項6から7の一項に記載の配合物。
【請求項9】
前記ポリエーテルが、50℃から200℃の間の温度において、必要に応じて少なくとも1種類の酸化防止剤の存在下での付加環化によって得られることを特徴とする、請求項6から8の一項に記載の配合物。
【請求項10】
ラッカーまたはワニスであることを特徴とする、請求項6から9の一項に記載の配合物。

【公表番号】特表2011−525939(P2011−525939A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515644(P2011−515644)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際出願番号】PCT/IB2009/005869
【国際公開番号】WO2009/156808
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(398051154)コアテツクス・エス・アー・エス (35)
【Fターム(参考)】