説明

界面活性剤混合物を含有する毛髪手入れ剤

本発明は、
a)A) 少なくとも1つのアニオン性界面活性剤;
B) 少なくとも1つの両性界面活性剤;および
C) アシルグルタメート、アミンオキシドおよびアルキルポリグルコシドから成る群から選択される少なくとも1つのさらなる界面活性剤
から成る界面活性剤混合物と、
b)− 脂肪アルコール;
− カチオン性界面活性剤;
− カチオン性ポリマー;
− カチオン性誘導体化タンパク質加水分解物;
− 水不溶性、揮発性シリコーンおよび/または水溶性、揮発性シリコーン;
− ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはそれらの生理学的に許容される誘導体
から成る群から選択される少なくとも2つのさらなるヘアケア物質
を含有する毛髪手入れのための化粧用製剤に関する。本発明の製剤は好ましくは、毛髪の清浄およびケアを同時に行い、毛髪のボリュームおよびふくらみに好ましい影響を与える2−イン−1シャンプーとして製剤化しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤混合物とヘアケア物質との組合せに基づく美容毛髪手入れ剤、ならびにそれを用いて毛髪の清浄およびケアを同時に行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ヒトの毛髪は、髪をつややかにし、櫛通りよくすることを意図した種々の美容調製物で処置されている。しかし、そのような種々の処置、例えば、脱色、染色、着色、セット、ならびにブロー乾燥による熱の作用または機械的ストレス(例えば頻繁なコーミングおよびブラッシング)は、それ自体、毛髪構造にダメージを与えうる。毛髪構造へのダメージは、例えば、毛髪の湿潤時および乾燥時櫛通りの悪さ、静電気の増加、もろさの増加、最大引裂力および破断点伸びの減少、枝毛、および全体的に悪化した外観によって認識される。このような不都合に対処するために、コンディショニング剤による後処理が絶対不可欠である。しかし、そうすると、充分な毛髪手入れに要する時間が長くなるので、使用者の満足が得られない。
【0003】
この問題は近年、洗浄剤とコンディショニング剤とを兼ねる故に2つの処置過程を一度に行うことを可能にするいわゆる2−in−1シャンプーの開発によって、いくらか緩和されている。
【0004】
しかし、そのような2−in−1シャンプーには、2−in−1製剤で常に処置する結果として毛髪がしばしば「過剰処置」されるようになるという欠点が伴う。とりわけ、毛髪のボリュームおよびふくらみが損われる。また、染毛またはパーマネントウェービングのような後続の処置に悪影響が及び得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、毛髪の清浄およびケアを同時に可能にし、ボリューム悪化により毛髪の美観を損うことのない新規毛髪手入れ剤を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、ある種の界面活性剤混合物と、ある種のヘアケア物質との組合せによって、従来技術の問題点が顕著に改善されることがわかった。
【0007】
本発明は、
a)A) 少なくとも1つのアニオン性界面活性剤;
B) 少なくとも1つの両性界面活性剤;および
C) アシルグルタメート、アミンオキシドおよびアルキルポリグルコシドから成る群から選択される少なくとも1つのさらなる界面活性剤
から成る界面活性剤混合物と、
b)− 脂肪アルコール;
− カチオン性界面活性剤;
− カチオン性ポリマー;
− カチオン性誘導体化タンパク質加水分解物;
− 水不溶性、揮発性シリコーンおよび/または水溶性、揮発性シリコーン;
− ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはそれらの生理学的に許容される誘導体
から成る群から選択される少なくとも2つのさらなるヘアケア物質
を含有する美容毛髪手入れ剤に関する。
【0008】
本発明によると、好ましいアニオン性界面活性剤は、エトキシル化アルキルスルフェート界面活性剤、アルキルスルフェート、またはエーテルカルボン酸塩から成る群から、およびそれら物質の混合物から選択される。このようなアニオン性界面活性剤は好ましくは、式:
R-O-(CH2−CH2O)x−CH2−COOH
[式中、
Rは8〜30個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、
xは0または1〜16である]
で示されるエーテルカルボン酸の塩であるか、または式:
R-(O−CH2−CH2)x−OSO3H
[式中、
Rは8〜30個の炭素原子を有する好ましくは直鎖のアルキル基であり、
xは0または1〜12である]
で示されるアルキルスルフェートもしくはアルキルポリグリコールエーテルスルフェートである。
【0009】
本発明に好ましい両性界面活性剤は、アルキルベタイン、アミドアルキルベタイン、両性アセテートまたは両性ジアセテートから成る群から、およびそれら物質の混合物から選択される。両性界面活性剤は好ましくは、C8〜C24アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個の-COOHまたは-SO3H基を分子中に有し、分子内塩を形成することができる化合物である。好適な両性界面活性剤の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(各アルキル基に約8〜24個の炭素原子を有する)である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12〜C18アシルサルコシンである。
【0010】
本発明の好ましい態様において、アミンオキシドを第3の界面活性剤成分として使用する。
本発明によると、「アミンオキシド」は、式:
R1R2R3N-O
[式中、
置換基R1、R2、R3は、互いに独立して、1〜22個の炭素原子を有するアルキル基、または8〜25個の炭素原子を有するアルキルアミドアルキル基を表し、ただし、それら置換基のうち少なくとも1つは少なくとも8個の炭素原子を有するものとする]
で示される物質であると理解される。本発明に好ましいアミンオキシドは、市販生成物Aminoxid WS35、N,N−ジメチル−N(C8〜18−ココアシルアミドプロピル)アミン−N−オキシド(INCI名コカミドプロピルアミンオキシド)である。
【0011】
本発明の他の好ましい態様においては、アシルグルタメートとアミンオキシドとの混合物、またはアシルグルタメートとアルキルポリグルコシドとの混合物を、第3の界面活性剤成分として使用する。
【0012】
アシルグルタメートは、式(I):
【化1】

[式中、
R1COは、6〜22個の炭素原子、および0および/または1、2もしくは3個の二重結合を有する直鎖または分岐鎖アシル基を表し;
Xは、水素、アルカリもしくはアルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム、またはグルカンモニウムを表す]
で示される既知のアニオン性界面活性剤である。
【0013】
これは例えば、グルタミン酸を、脂肪酸または脂肪酸エステルもしくはクロリドによるショッテン−バウマンのアシル化に付すことによって製造する。市販生成物は、例えば
Hoechst AG(ドイツ、フランクフルト)またはAjinomoto Co.Inc.(日本、東京)から入手できる。アシルグルタメートの製法および性質に関する概要は、M. Takehara ら、J. Am. Oil Chem. Soc. 49、143(1982)に記載されている。
【0014】
本発明の目的に好適なアシルグルタメートの例は、6〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸、例えばC12/14もしくはC12/18ヤシ油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸および/またはステアリン酸から誘導されるアニオン性界面活性剤である。ナトリウムN−ココイル−およびナトリウムN−ステアロイル−L−グルタメートが特に好ましい。
【0015】
アルキルポリグリコシドは、式:
RO−(Z)x
[式中、
Rはアルキルを表し、
Zは糖を表し、
xは糖単位の数を表す]
で示される。
【0016】
本発明に使用されるアルキルポリグリコシドは、ある特定のアルキル基Rだけを有しうる。しかし、通常、これらの化合物は天然油脂または鉱油から製造される。その場合、アルキル基Rは、出発化合物またはその処理に対応する混合物として存在する。
【0017】
Rが下記のものから成るアルキルポリグリコシドが特に好ましい:
− 基本的にC8およびC10アルキル基;
− 基本的にC12およびC14アルキル基;
− 基本的にC8〜C16アルキル基;
− 基本的にC12〜C16アルキル基;または
− 基本的にC16〜C18アルキル基。
【0018】
あらゆる単糖またはオリゴ糖を、糖成分Zとして使用できる。一般に、5または6個の炭素原子を有する糖、ならびに対応するオリゴ糖を使用する。そのような糖は、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、グロース、イドース、タロースおよびスクロースである。好ましい糖成分は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノースおよびスクロースであり、グルコースが特に好ましい。
【0019】
本発明に使用されるアルキルポリグリコシドは、平均1.1〜5個の糖単位を有する。xの値が1.1〜2.0のアルキルポリグリコシドが好ましい。xの値が1.1〜1.8のアルキルポリグリコシドが特に好ましい。
【0020】
前記アルキルポリグリコシドのアルコキシル化同族体も本発明に使用することができる。これらの同族体は、アルキルグリコシド単位1個につき、平均10個までのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位を有することができる。
【0021】
本発明によると、界面活性剤成分の比(A):(B):(C)は、好ましくは(3〜6):1:(1〜2)である。
【0022】
本発明によると、ヘアケア物質b)は、前記群の1つから選択しても、複数群から選択してもよい。しかし、少なくとも2つの群に属する少なくとも2つの物質が本発明の製剤中に存在することが好ましい。
【0023】
本発明によると、脂肪アルコールとして、C6〜C30、好ましくはC10〜C22、より好ましくはC12〜C22の、飽和、モノ不飽和またはポリ不飽和、分岐鎖または非分岐鎖脂肪アルコールを使用しうる。
【0024】
例えば下記脂肪アルコールを使用しうるが、これは例示であって、制限を意図するものではない:デカノール、オクタノール、オクテノール、ドデセノール、デセノール、オクタジエノール、ドデカジエノール、デカジエノール、オレイルアルコール、エルシルアルコール、リシノールアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール,アラキジルアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコールおよびベヘニルアルコール、ならびにそれらのゲルベアルコール。
【0025】
しかし、天然脂肪酸に由来する脂肪アルコールが好ましく、これは通例、還元により脂肪酸のエステルから得られる。また、天然トリグリセリド、例えば、牛脂、パーム油、ピーナツ油、ナタネ油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油およびアマニ油、またはアルコールによるそれらのエステル交換生成物に由来する脂肪酸エステルを還元することによって得られる脂肪アルコール画分を使用することもできる。
【0026】
そのような物質は、例えば下記商品名の市販品である:Stenol(登録商標)、例えばStenol(登録商標)1618、またはLanette(登録商標)、例えばLanette(登録商標) O、またはLorol(登録商標)、例えばLorol(登録商標)C8、Lorol(登録商標)C14、Lorol(登録商標)C18、Lorol(登録商標)C8-18、HD-Ocenol(登録商標)、Crodacol(登録商標)、例えばCrodacol(登録商標)CS、Novol(登録商標)、Eutanol(登録商標)G、Guerbitol(登録商標)16、Guerbitol(登録商標)18、Guerbitol(登録商標)20、Isofol(登録商標)12、Isofol(登録商標)16、 Isofol(登録商標)24、Isofol(登録商標)36、Isocarb(登録商標)12、Isocarb(登録商標)16、またはIsocarb(登録商標)24。本発明によると、羊毛ワックスアルコール、例えば商品名Corona(登録商標)、White Swan(登録商標)、Coronet(登録商標)、またはFluilan(登録商標)で市販されているものを使用することも当然可能である。
【0027】
本発明に特に好ましい脂肪アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、またはそれら成分の混合物である。
脂肪アルコールは、製剤全体に基づいて0.1〜20wt%、好ましくは0.1〜10wt%の量で使用される。
【0028】
本発明の目的のための「カチオン性界面活性剤」は、好ましくは、四級アンモニウム化合物、エステルクアット(esterquat)およびアミドアミンの種類のカチオン界面活性剤であると理解される。好ましい四級アンモニウム化合物は、アンモニウムハロゲン化物、特に塩化物および臭化物、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドおよびトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドおよびトリセチルメチルアンモニウムクロリド、ならびにINCI名クオタニウム−27およびクオタニウム−83として既知のイミダゾリウム化合物である。前記界面活性剤の長いアルキル鎖は、好ましくは10〜18個の炭素原子を有する。
【0029】
エステルクアットは、少なくとも1個のエステル官能基、および少なくとも1個の四級アンモニウム基の両方を構成成分として含んで成る既知の化合物である。好ましいエステルクアットは、脂肪酸とトリエタノールアミンとの四級化エステル塩、脂肪酸とジエタノールアルキルアミンとの四級化エステル塩、および脂肪酸と1,2−ジヒドロキシプロピルジアルキルアミンとの四級化エステル塩である。そのような生成物は、例えば、商品名Stepantex(登録商標)、Dehyquart(登録商標)およびArmocare(登録商標)で市販されている。Armocare(登録商標)VGH−70、N,N−ビス(2−パルミトイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド、ならびにDehyquart(登録商標)F−75、Dehyquart(登録商標)C−4046、Dehyquart(登録商標)L80およびDehyquart(登録商標)AU-35は、そのようなエステルクアットの例である。
【0030】
アルキルアミドアミンは、ジアルキルアミノアミンを使用する天然または合成脂肪酸および脂肪酸画分のアミド化によって一般に製造される。本発明に特に好適なこの物質群の化合物は、Tegoamid(登録商標)S 18の名称で商業的に入手可能なステアラミドプロピルジメチルアミンである。
【0031】
本発明に使用される製剤は、カチオン性界面活性剤を、製剤全体に基づいて0.05〜10wt%の量で含有するのが好ましい。0.1〜5wt%の量が特に好ましい。
【0032】
本発明の目的のための「カチオン性ポリマー」は、例えば、以下のものであると理解される:カチオン性セルロース誘導体、例えば、商品名Polymer JR(登録商標)400でAmercholから入手可能な四級化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Gruenau)、四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとのコポリマー(Cartaretine(登録商標)/Sandoz)、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー(Merquat(登録商標)100)、ポリアミノポリアミド(例えば、FR A 2252840に記載)ならびにそれらの架橋水溶性ポリマー、カチオンキチン誘導体、例えば、任意に微結晶分散した四級化キトサン、ジハロアルキレン(例えばジブロモブタン)とビス−ジアルキルアミン(例えばビス(ジメチルアミノ)−1,3−プロパン)との縮合生成物、カチオン性グアールガム、例えば、Celanese社のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16、四級化アンモニウム塩のポリマー、例えば、Miranol社のMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ-1。
【0033】
特に好ましいカチオン性ポリマーは、カチオン性グアール誘導体、カチオン性セルロース誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ならびにジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとのコポリマーである。
本発明により一層好ましいカチオン性ポリマーは、ポリクオタニウム-10である。
【0034】
カチオン性ポリマーは、本発明の製剤中に通例、製剤の総重量に基づいて0.001〜20wt%、好ましくは0.01〜5wt%、特に0.1〜2wt%の量で使用される。
【0035】
本発明の目的のためのタンパク質加水分解物は通常、動物性の、例えばコラーゲン、ミルクまたはケラチン由来のタンパク質加水分解物、植物性の、例えば小麦、トウモロコシ、米、ポテト、ダイズまたはアーモンド由来のタンパク質加水分解物、海洋生物性の、例えば魚コラーゲンまたは藻類由来のタンパク質加水分解物、または生物工学的に得られるタンパク質加水分解物である。
【0036】
本発明のカチオン性誘導体を導くタンパク質加水分解物は、化学的、特にアルカリまたは酸加水分解によって、酵素加水分解によって、および/または両加水分解の組合せによって、対応するタンパク質から得られる。タンパク質の加水分解は、分子量分布約100ダルトン〜数千ダルトンのタンパク質加水分解物を一般に生じる。分子量100〜25000ダルトン、好ましくは250〜5000ダルトンのタンパク質画分に基づくカチオン性タンパク質加水分解物が好ましい。さらに、四級化アミノ酸およびそれらの混合物も、カチオン性タンパク質加水分解物として理解される。タンパク質加水分解物またはアミノ酸の四級化は、四級アンモニウム塩、例えば、N,N−ジメチル−N−(n−アルキル)−N−(2−ヒドロキシ−3−クロロ−n−プロピル)アンモニウムハライドを使用して行なわれる場合が多い。さらに、カチオン性タンパク質加水分解物をさらに誘導体化することもできる。
【0037】
本発明のカチオン性タンパク質加水分解物および誘導体の一般的な例は、「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」(第7版、1997、The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association 1101 17th Street, N.W., Suite 300, Washinton, DC 20036−4702)にINCI名で記載されている化合物で、市販されている:
【0038】
ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解毛髪ケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解米タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解絹、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル絹アミノ酸、
【0039】
ヒドロキシプロピルアルギニンラウリル/ミリスチルエーテルHCl、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ゼラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解カゼイン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コラーゲン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コンキオリンタンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解米糠タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解絹、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解大豆タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解植物性タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解小麦タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解小麦タンパク質/シロキシシリケート、
【0040】
ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質/シロキシシリケート、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解絹、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、
【0041】
ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解米タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解絹、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解植物性タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ステアルトリモニウムヒドロキシエチル加水分解コラーゲン、
【0042】
クオタニウム−76加水分解コラーゲン、クオタニウム−79加水分解コラーゲン、クオタニウム−79加水分解ケラチン、クオタニウム−79加水分解ミルクタンパク質、クオタニウム−79加水分解絹、クオタニウム−79加水分解大豆タンパク質、クオタニウム−79加水分解小麦タンパク質。
【0043】
ケラチン、コラーゲン、エラスチン、大豆、ミルク、小麦、絹およびアーモンドのカチオン性タンパク質加水分解物および誘導体が極めて好ましく、商品名Gluadin WQでCognisから市販されているヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質が特に好ましい。
【0044】
本発明の製剤は、タンパク質加水分解物およびそれらの誘導体を、製剤全体に基づいて0.01〜10wt%の量で含有する。0.1〜5wt%、特に0.1〜3wt%の量が特に好ましい。
【0045】
本発明に関して、「水不溶性シリコーン」は、20℃の水に対する溶解度が最高で0.5%であるシリコーンを意味するものと理解される。
本発明に関して、「揮発性シリコーン」は、完全に蒸発し、基材にどのような残留物も残さないシリコーンを意味するものと理解される。ペトリ皿上で60℃において、120分以内に10g試料の5〜90%が蒸発するシリコーンが好ましい。このような条件下に、10〜50%が蒸発するシリコーンが特に好ましい。
【0046】
本発明に好ましいシリコーン化合物は、式(II)によって示される:
【化2】

[式中、
xは、1〜10の数値を表し;
yは、1〜10の数値を表し;
Rは、2〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表す]。
【0047】
特に好ましいシリコーン化合物は、xおよびyが1の数値を表す式(II)の化合物である。
本発明に関して、特に好ましいシリコーン成分は、化合物ヘキシルメチコンおよびカプリリルメチコンであり、それらは、例えば、SilCare 41M10およびSilCare 41M15の商品名でClariantから入手可能である。
【0048】
シリコーン成分は、本発明の製剤中に通例、製剤の総重量に基づいて0.001〜20wt%、好ましくは0.1〜10wt%、特に0.5〜2wt%の量で使用される。
【0049】
本発明によると、ビタミン、プロビタミンおよびビタミン先駆物質は通例、A、B、C、E、FおよびH群から選択される。
【0050】
ビタミンAと称される物質群には、レチノール(ビタミンA1)ならびに3,4−ジデヒドロレチノール(ビタミンA2)が属する。β−カロテンは、レチノールのプロビタミンである。本発明による好適なビタミンA成分の例は、ビタミンA酸およびそのエステル、ビタミンAアルデヒド、およびビタミンAアルコールおよびそのエステル、例えばパルミチン酸エステルおよび酢酸エステルである。本発明に使用される製剤は、ビタミンA成分を、製剤全体に基づいて0.05〜1wt%の量で含有するのが好ましい。
【0051】
ビタミンB群またはビタミンB複合体は、下記のものを特に包含する:
ビタミンB1(チアミン);
ビタミンB2(リボフラビン);
ビタミンB3: 化合物ニコチン酸およびニコチンアミド(ナイアシンアミド)は、この分類に含まれることが多い。本発明によれば、ニコチンアミドが好ましく、本発明に使用される製剤中に、好ましくは製剤全体に基づいて0.05〜1wt%の量で含まれる;
ビタミンB5(パントテン酸、パンテノールおよびパントラクトン): この群に関して、パンテノールおよび/またはパントラクトンを使用するのが好ましい。本発明に使用可能なパンテノール誘導体は、特に、パンテノールのエステルおよびエーテル、ならびにカチオン性誘導体化パンテノールである。特定の例は、例えば、パンテノールトリアセテート、パンテノールモノエチルエーテルおよびそのモノアセテート、ならびにWO 92/13829に開示されているカチオン性パンテノール誘導体である。上記のビタミンB5型の化合物は、本発明に使用される製剤中に、好ましくは製剤全体に基づいて0.05〜10wt%の量で含まれる。0.1〜5wt%の量が特に好ましい。
ビタミンB6(ピリドキシンならびにピリドキサミンおよびピリドキサル)。
【0052】
ビタミンC(アスコルビン酸): ビタミンCは、本発明に使用される製剤に、製剤全体に基づいて0.1〜3wt%の量で添加するのが好ましい。パルミチン酸エステル、グルコシドまたはホスフェートの形態での使用が好ましい。トコフェロールと組み合わせての使用もまた好適でありうる。
【0053】
ビタミンE(トコフェロール、特にα−トコフェロール): トコフェロールおよびその誘導体、特にエステル、例えば、酢酸エステル、ニコチン酸エステル、燐酸エステル、琥珀酸エステルを、本発明の製剤中に、製剤全体に基づいて好ましくは0.05〜1wt%の量で使用する。
【0054】
ビタミンF: 「ビタミンF」という用語は、必須脂肪酸、特に、リノール酸、リノレン酸およびアラキドン酸を一般に意味する。
【0055】
ビタミンH: 「ビタミンH」と称されるのは、化合物(3aS,4S,6aR)−2−オキソヘキサヒドロチエノール[3,4−d]−イミダゾール−4−吉草酸で、慣用名ビオチンが認められている。本発明に使用される製剤は、ビオチンを、0.0001〜1.0wt%、特に0.001〜0.01wt%の量で含有するのが好ましい。
【0056】
本発明に使用される製剤は、A、B、EおよびH群からのビタミン、プロビタミンおよびビタミン先駆物質を含んで成るのが好ましい。当然、複数のビタミンおよびビタミン先駆物質を同時に含んで成ってもよい。
パントラクトン、ピリドキシンおよびその誘導体ならびにニコチンアミドおよびビオチン、特にパンテノールおよびその生理学的に許容される誘導体が、特に好ましい。
【0057】
本発明によると、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、両性またはノニオン性界面活性剤から成る群から選択されるさらなる界面活性剤を使用することが有利でありうる。
【0058】
本発明の製剤に好適なさらなるアニオン界面活性剤は、人体における使用に好適な全てのアニオン界面活性物質である。それらは、水可溶化アニオン基、例えば、カルボキシレート、スルフェート、スルホネートまたはホスフェート基、および約8〜30個の炭素原子を有する親油性アルキル基を特徴とする。それに加えて、分子は、グリコールまたはポリグリコールエーテル基、エステル、エーテルおよびアミド基ならびにヒドロキシル基も有しうる。例示的な好適アニオン界面活性剤は、それぞれ、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩ならびにアルカノール基に2〜4個の炭素原子を有するモノ、ジおよびトリアルカノールアンモニウム塩の形態である下記物質である:
【0059】
− 8〜30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪酸(石鹸);
− アシル基に8〜24個の炭素原子を有するアシルサルコシド;
− アシル基に8〜24個の炭素原子を有するアシルタウリド;
− アシル基に8〜24個の炭素原子を有するアシルイセチオネート;
− アルキル基に8〜24個の炭素原子を有するスルホ琥珀酸モノおよびジアルキルエステル、およびアルキル基に8〜24個の炭素原子を有し、1〜6個のオキシエチル基を有するスルホ琥珀酸モノアルキルポリオキシエチルエステル;
− 8〜24個の炭素原子を有する直鎖アルカンスルホネート;
− 8〜24個の炭素原子を有する直鎖α−オレフィンスルホネート;
− 8〜30個の炭素原子を有する脂肪酸のα−スルホ脂肪酸メチルエステル;
【0060】
− DE−A−3725030による界面活性ヒドロキシスルホネートの混合物;
− DE−A−3723354による硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレンおよび/またはヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル;
− DE−A−3926344による8〜24個の炭素原子および1〜6個の二重結合を有する不飽和脂肪酸のスルホネート;
− 酒石酸およびクエン酸とアルコール(8〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールへの約2〜15分子のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物である)とのエステル;
【0061】
− 式(III)で示されるアルキルおよび/またはアルケニルエーテルホスフェート:
【化3】

[式中、
R29は、好ましくは、8〜30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を表し;
R30は、水素、基(CH2CH2O)nR29またはXを表し;
nは、1〜10の数値を表し;
Xは、水素、アルカリもしくはアルカリ土類金属またはNR31R32R33R34を表し、ここで、R31〜R34は、互いに独立して、C1〜C4炭化水素基を表す];
【0062】
− DE−OS 19736906.5に記載されているような、式(IV)で示される硫酸化脂肪酸アルキレングリコールエステル:
R35CO(AlkO)nSO3M (IV)
[式中、
R35COは、6〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖、脂肪族、飽和および/または不飽和アシル基を表し;
Alkは、CH2CH2、CHCH3CH2および/またはCH2CHCH3を表し;
nは、0.5〜5を表し;
Mは、カチオンを表す];
【0063】
− 例えばEP−B1−0561825、EP−B1−0561999、DE−A1 4204700またはA.K. Biswasら、J. Am. Oil Chem. Soc. 37, 171(1960)およびF.U. Ahmed, J. Am. Oil Chem. Soc. 67, 8(1990)に記載されている、式(V)で示されるモノグリセリドスルフェートおよびモノグリセリドエーテルスルフェート:
【化4】

[式中、
R36COは、6〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アシル基を表し;
x、yおよびzは、合計0であるか、または1〜30、好ましくは2〜10の数値を表し;
Xは、アルカリまたはアルカリ土類金属を表す]。
【0064】
本発明に関して、好適なモノグリセリド(エーテル)スルフェートの典型的な例は、ラウリン酸モノグリセリド、ココ脂肪酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリドおよび獣脂脂肪酸モノグリセリドならびにそれらのエチレンオキシド付加物と、三酸化硫黄またはクロロスルホン酸との反応生成物で、ナトリウム塩の形態のものである。好ましくは、R36COが8〜18個の炭素原子を有する直鎖アシル基を表す式(V)のモノグリセリドスルフェートを使用する。
【0065】
好ましいさらなるアニオン界面活性剤は、アルキル基に8〜18個の炭素原子を有するスルホ琥珀酸モノおよびジアルキルエステル;および、アルキル基に8〜18個の炭素原子を有し、1〜6個のオキシエチル基を有するスルホ琥珀酸モノアルキルポリオキシエチルエステルである。
【0066】
「双性イオン性界面活性剤」は、分子中に少なくとも1個の四級アンモニウム基および少なくとも1個の−COO(−)または−SO3(−)基を有する界面活性化合物を意味する。特に好適な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン(それぞれ、アルキル基またはアシル基に8〜18個の炭素原子を有する)、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、INCI名ココアミドプロピルベタインとして既知の脂肪酸アミド誘導体である。
【0067】
さらなるノニオン界面活性剤は、例えば、ポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基、またはポリオールおよびポリグリコールエーテル基の組合せを、親水基として有する。例示的化合物は、以下のものである:
【0068】
− 8〜30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪アルコール、8〜30個の炭素原子を有する脂肪酸、およびアルキル基に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、エチレンオキシド2〜50モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加生成物;
− 8〜30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪アルコール、8〜30個の炭素原子を有する脂肪酸、およびアルキル基に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、エチレンオキシド2〜50モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加生成物で、メチルまたはC2〜C6アルキル基で末端ブロックしたもの、例えば商品名Dehydol(登録商標)LS、Dehydol(登録商標)LT(Cognis)で入手可能な種類のもの;
− グリセロールへのエチレンオキシド1〜30モルの付加生成物の、C12〜C30脂肪酸モノおよびジエステル;
− ヒマシ油および水素化ヒマシ油への、エチレンオキシド5〜60モルの付加生成物;
【0069】
− 脂肪酸のポリオールエステル、例えば、市販生成物Hydagen(登録商標)HSP(Cognis)またはSovermol種(Cognis);
− アルコキシル化トリグリセリド;
− 式(VI)で示される脂肪酸のアルコキシル化アルキルエステル:
R37CO-(OCH2CH2R38)WOR39 (VI)
[式中、
R37COは、6〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖、飽和および/または不飽和アシル基を表し;
R38は、水素またはメチルを表し;
R39は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を表し;
wは、1〜20の数値を表す];
【0070】
− 例えばDE−OS19738866に開示されているような、ヒドロキシ混合エーテル;
− 脂肪酸のソルビトールエステル、および脂肪酸のソルビトールエステルへのエチレンオキシドの付加生成物、例えば、ポリソルベート;
− 脂肪酸の糖エステル、および脂肪酸の糖エステルへのエチレンオキシドの付加生成物;
− 脂肪酸アルカノールアミドおよび脂肪アミンへの、エチレンオキシドの付加生成物;
− 脂肪酸N−アルキルグルカミド。
【0071】
脂肪アルコールまたは脂肪酸1モルにつきエチレンオキシド2〜30モルを有する、飽和直鎖脂肪アルコールおよび脂肪酸へのアルキレンオキシド付加生成物が、好ましいさらなるノニオン性界面活性剤であることがわかった。エトキシル化グリセロールの脂肪酸エステルをノニオン性界面活性剤として含有する場合も、優れた特性を有する製剤が得られる。
【0072】
これらの化合物は、下記のパラメーターによって特徴づけられる。アルキル基Rは6〜22個の炭素原子を有し、直鎖でも分岐鎖でもよい。第一級直鎖脂肪族基、および2位でメチル分岐している脂肪族基が好ましい。そのようなアルキル基は、例えば、1−オクチル、1−デシル、1−ラウリル、1−ミリスチル、1−セチルおよび1−ステアリルである。1−オクチル、1−デシル、1−ラウリル、1−ミリスチルが特に好ましい。いわゆる「オキソアルコール」を出発物質として使用する場合、アルキル鎖に奇数の炭素原子を有する化合物が主に生成する。
【0073】
界面活性剤として使用されるアルキル基を有する化合物に関して、それらはそれぞれ純粋物質であってよい。しかし、これらの物質の製造のために天然植物性または動物性原材料を出発物質とするのが一般に好ましく、その結果、各原材料に依存して種々のアルキル鎖長を有する物質の混合物が得られる。
【0074】
脂肪アルコールへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物、またはこれらの付加生成物の誘導体である界面活性剤に関して、「標準」同族体分布を有する生成物、および狭い同族体分布を有する生成物のいずれを使用してもよい。「標準」同族体分布という用語は、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコラートを触媒として使用した、脂肪アルコールとアルキレンオキシドとの反応から得られる同族体の混合物を意味するものと理解される。これに対して、例えば、ハイドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属酸化物、水酸化物またはアルコラートを触媒として使用した場合に、狭い同族体分布が得られる。狭い同族体分布を有する生成物を使用することが好ましい場合がある。
【0075】
界面活性剤は、製剤全体に基づいて0.1〜45wt%、好ましくは1〜30wt%、特に好ましくは1〜15wt%の量で使用される。
【0076】
本発明によれば、四級アンモニウム化合物、エステルクアット(esterquat)およびアミドアミンの種類のカチオン性界面活性剤も好ましい。好ましい四級アンモニウム化合物は、アンモニウムハロゲン化物、特に塩化物および臭化物、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドおよびトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドおよびトリセチルメチルアンモニウムクロリド、ならびにINCI名クオタニウム−27およびクオタニウム−83として既知のイミダゾリウム化合物である。前記界面活性剤の長いアルキル鎖は、好ましくは10〜18個の炭素原子を有する。
【0077】
エステルクアットは、少なくとも1個のエステル官能基、および少なくとも1個の四級アンモニウム基の両方を構成成分として含んで成る既知の化合物である。好ましいエステルクアットは、脂肪酸とトリエタノールアミンとの四級化エステル塩、脂肪酸とジエタノールアルキルアミンとの四級化エステル塩、および脂肪酸と1,2−ジヒドロキシプロピルジアルキルアミンとの四級化エステル塩である。そのような生成物は、例えば、商品名Stepantex(登録商標)、Dehyquart(登録商標)およびArmocare(登録商標)で市販されている。Armocare(登録商標)VGH−70、N,N−ビス(2−パルミトイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド、ならびにDehyquart(登録商標)F−75、Dehyquart(登録商標)C−4046、Dehyquart(登録商標)L80およびDehyquart(登録商標)AU-35は、そのようなエステルクアットの例である。
【0078】
アルキルアミドアミンは、ジアルキルアミノアミンを使用する天然または合成脂肪酸および脂肪酸画分のアミド化によって一般に製造される。本発明に特に好適なこの物質群の化合物は、Tegoamid(登録商標)S 18の名称で商業的に入手可能なステアラミドプロピルジメチルアミンである。
【0079】
本発明に使用される製剤は、カチオン性界面活性剤を、製剤全体に基づいて0.05〜10wt%の量で含有するのが好ましい。0.1〜5wt%の量が特に好ましい。
【0080】
本発明のさらに好ましい態様において、本発明の製剤の効果を乳化剤によって増強させることができる。例示的乳化剤は以下のものである:
− 8〜22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、およびアルキル基に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、エチレンオキシド4〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加生成物;
− 3〜6個の炭素原子を有するポリオール、特にグリセロールへの、エチレンオキシド1〜30モルの付加生成物の、C12〜C22脂肪酸モノおよびジエステル;
− メチルグルコシド脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミドおよび脂肪酸グルカミドへの、エチレンオキシドおよびポリグリセロール付加生成物;
− オリゴマー化度が1.1〜5、特に1.2〜2.0であり、糖成分がグルコースであることが好ましい、C8〜C22アルキルモノおよびオリゴグリコシドおよびそれらのエトキシル化類似体;
− アルキル(オリゴ)グルコシドと脂肪アルコールとの混合物、例えば、市販生成物Montanov(登録商標)68;
− ヒマシ油および水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド5〜60モルの付加生成物;
− 3〜6個の炭素原子を有するポリオールと、8〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪酸との部分エステル;
【0081】
− ステロール。「ステロール」は、ステロイド骨格の炭素原子3上にヒドロキシル基を有し、動物組織(動物ステロール)および植物脂肪(植物ステロール)の両方から分離される、ステロイドの群を意味するものと理解される。動物ステロールの例は、コレステロールおよびラノステロールである。好適な植物ステロールの例は、エルゴステロール、スチグマステロールおよびシトステロールである。真菌および酵母からもステロールが分離される(いわゆる菌類ステロール);
− 燐脂質。これは主として、例えばレシチンまたはホスファチジルコリンとして、例えば卵黄または植物種子(例えば大豆)から得られるグルコース燐脂質を意味するものと理解される;
− 糖および糖アルコール、例えばソルビトール、ポリグリセロールおよびポリグリセロール誘導体の、脂肪酸エステル、例えば、ポリグリセロールポリ12−ヒドロキシステアレート(市販生成物Dehymuls(登録商標)PGPH);
− 8〜30個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖脂肪酸、およびそれらのNa、K、アンモニウム、Ca、MgおよびZn塩。
【0082】
本発明に使用される製剤は、乳化剤を、製剤全体に基づいて0.1〜25wt%、特に0.5〜15wt%の量で含有するのが好ましい。
【0083】
本発明の製剤は、Roempp - Lexikon Chemie (J. Falbe, M. Regitz編)、第10版、Georg Thieme Verlag、シュトゥットガルト/ニューヨーク(1997)、第1764頁に定義されるHLB値が8〜18のノニオン性乳化剤を少なくとも1種含有することが好ましい。本発明によると、HLB値10〜15のノニオン性乳化剤が特に有利であり得る。
前記種類の乳化剤のうち、分子中にエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを含まない乳化剤が特に好適でありうる。
【0084】
他の好ましい態様において、本発明の製剤の効果を油物質によって向上することができる。そのような油物質および/または脂肪物質は、例えば脂肪酸、天然および合成ワックス(水性分散液中で固体形態でも液体形態でも存在しうる)、ならびに天然および合成の化粧品用油物質であると理解される。
【0085】
使用しうる脂肪酸は、6〜30個の炭素原子を有する直鎖および/または分岐鎖、飽和および/または不飽和脂肪酸である。10〜22個の炭素原子を有する脂肪酸が好ましい。それらの中から例を挙げると、イソステアリン酸、例えば市販生成物 Emersol(登録商標)871および Emersol(登録商標)875、イソパルミチン酸、例えば市販生成物 Edenor(登録商標)IP95、ならびに商品名 Edenor(登録商標)(Cognis)で市販されている他の脂肪酸がある。そのような脂肪酸のさらなる通常の例は、ヘキサン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸、およびそれらの工業用混合物(例えば、天然脂肪および油の加圧分解、Roelenのオキソ合成由来のアルデヒドの酸化、または不飽和脂肪酸の二量化において得られる)である。通例、ヤシ油またはパーム油から得られる脂肪酸画分が特に好ましく、ステアリン酸を使用することが特に好ましい。
【0086】
使用量は、製剤全体に基づいて0.1〜15wt%、好ましくは0.5〜10wt%、特に好ましくは1〜5wt%である。
【0087】
本発明によると、天然または合成ワックスとして、固形パラフィンもしくはイソパラフィン、カルナウバ蝋、蜜蝋、カンデリラ蝋、オゾケライト、セレシン、鯨蝋、ヒマワリ蝋、フルーツ蝋(例えばリンゴ蝋またはシトラス蝋)、またはPEもしくはPPから製造される微結晶ワックスを使用しうる。そのようなワックスは、例えばKahl & Co.(Trittau)から入手可能である。
【0088】
本発明による活性成分の効果を向上しうる天然および合成の化粧品用油物質は、例えば植物油を包含する。そのような油の例は、ヒマワリ油、オリーブ油、大豆油、ナタネ油、アーモンド油、ホホバ油、オレンジ油、小麦麦芽油、桃仁油、およびヤシ油の液体成分である。他の適当な油は、他のトリグリセリド油、例えば牛脂の液体成分および合成トリグリセリド油、液体パラフィン油、イソパラフィン油、合成炭化水素、およびジ-n-アルキルエーテル(総炭素数12〜36、とりわけ12〜24のもの)、例えばジ-n-オクチルエーテル、ジ-n-デシルエーテル、ジ-n-ノニルエーテル、ジ-n-ウンデシルエーテル、ジ-n-ドデシルエーテル、n-ヘキシル-n-オクチルエーテル、n-オクチル-n-デシルエーテル、n-デシル-n-ウンデシルエーテル、n-ウンデシル-n-ドデシルエーテルおよびn-ヘキシル-n-ウンデシルエーテル、並びにジ-t-ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ-3−エチルデシルエーテル、t-ブチル-n-オクチルエーテル、イソペンチル-n-オクチルエーテルおよび2-メチルペンチル-n-オクチルエーテルである。市販生成物の1,3-ジ-(2-エチルヘキシル)-シクロヘキサン(Cetiol(登録商標)S)およびジ-n-オクチルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)が有利であり得る。
【0089】
本発明によるとエステル油も適当である。「エステル油」とは、C6〜C30脂肪酸とC2〜C30脂肪アルコールとのエステルであると理解される。脂肪酸と炭素数2〜24のアルコールとのモノエステルが好ましい。エステルの脂肪酸成分の例は、ヘキサン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、デカン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸、およびそれらの工業用混合物(例えば、天然脂肪および油の加圧分解、Roelenのオキソ合成由来のアルデヒドの酸化、または不飽和脂肪酸の二量化において得られるもの)である。エステル油の脂肪アルコール成分の例は、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、2-エチルヘキシルアルコール、デカノール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコールおよびそれらの工業用混合物(例えば、脂肪および油由来の工業用メチルエステル、またはRoelenのオキソ合成由来のアルデヒドを高圧水素化することにより得られ、また、不飽和脂肪アルコールの二量化においてモノマーフラクションとして得られるもの)である。
【0090】
本発明によると、イソプロピルミリステート(Rilanit(登録商標)IPM)、イソノナン酸C16-18アルキルエステル(Cetiol(登録商標)SN)、2-エチルヘキシルパルミテート(Cegesoft(登録商標)24)、ステアリン酸2-エチルヘキシルエステル(Cetiol(登録商標)868)、セチルオレエート、グリセロールトリカプリレート、ヤシ油脂肪アルコールカプリネート/カプリレート(Cetiol(登録商標)LC)、n-ブチルステアレート、オレイルエルケート(Cetiol(登録商標) J 600)、イソプロピルパルミテート(Rilanit(登録商標) IPP)、オレイルオレエート(Cetiol(登録商標))、ラウリン酸ヘキシルエステル(Cetiol(登録商標) A)、ジ-n-ブチルアジペート(Cetiol(登録商標) B)、ミリスチルミリステート(Cetiol(登録商標) MM)、セテアリルイソノナノエート(Cetiol(登録商標) SN)、オレイン酸デシルエステル(Cetiol(登録商標) V)が特に好ましい。
【0091】
本発明によるとジカルボン酸エステルも適当である。本発明の目的のためのジカルボン酸エステルは、ジ-n-ブチルアジペート、ジ-(2-エチルヘキシル)-アジペート、ジ-(2-エチルヘキシル)-スクシネート、およびジイソトリデシルアゼレート、並びにジオールエステル、例えばエチレングリコールジオレエート、エチレングリコールジイソトリデカノエート、プロピレングリコールジ-(2-エチルヘキサノエート)、プロピレングリコールジイソステアレート、プロピレングリコールジペラルゴネート、ブタンジオールジイソステアレート、およびネオペンチルグリコールジカプリレートである。
【0092】
− 二酸化炭素と脂肪アルコールとの対称、非対称もしくは環状エステル(例えばDE−OS19756454に記載されている)、グリセロールカーボネート、またはジカプリリルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC);
− 飽和および/または不飽和、直鎖および/または分岐鎖脂肪酸とグリセロールとの、脂肪酸モノ、ジおよびトリエステル、例えばMonomuls(登録商標)90-018、Monomuls(登録商標)90-L12またはCutina(登録商標)MD
も好適である。
【0093】
本発明に特に好適な油物質は、C6〜C30脂肪酸とC2〜C30脂肪アルコールとのエステル油、飽和および/または不飽和、直鎖および/または分岐鎖C6〜C30脂肪酸とグリセロールとのモノ、ジおよびトリエステル由来の脂肪酸グリセリド、ならびに飽和および/または不飽和、直鎖および/または分岐鎖C6〜C30脂肪酸とグリセロールとのモノ、ジおよびトリエステルから誘導されるエトキシル化脂肪酸グリセリドから成る群から選択される。エトキシル化度は好ましくは2〜20である。
【0094】
本発明の製剤中の油および脂肪成分の総量は通例、製剤全体に対して2〜25wt%である。本発明によると、4〜25wt%の量が好ましく、6〜20wt%の量が特に好ましい。
【0095】
また、本発明の製剤中に植物抽出物(L)を使用することができる。
植物抽出物は通例、植物全体の抽出によって調製する。しかし場合によっては植物の花および/または葉のみから抽出物を調製することが好ましい場合もある。
【0096】
本発明に使用しうる植物抽出物に関しては、Leitfaden zur Inhaltsstoffdeklaration kosmetischer Mittel[Industrieverband Koerperpflege- und Waschmittel e.V.(IKW)、フランクフルト]の第3版第44頁以下の表に挙げられた抽出物を特に参照されたい。
【0097】
本発明によると、特に好ましいものは、緑茶、オーク樹皮、イラクサ、ハマメリス、ホップ、ヘンナ、カモミール、ゴボウ根、トクサ、サンザシ、シナノキ花、アーモンド、アロエベラ、松葉、マロニエ、ビャクダン、ジュニパー、ココナツ、マンゴ、アプリコット、レモン、小麦、キウィフルーツ、メロン、オレンジ、グレープフルーツ、サルビア、ローズマリー、樺、アオイ、タネツケバナ、イブキジャコウソウ、ノコギリソウ、タイム、レモンバーム、ハリシュモク、フキタンポポ、ハイビスカス、メリステム、チョウセンニンジンおよびショウガ根の抽出物である。
【0098】
とりわけ、緑茶、オーク樹皮、イラクサ、ハマメリス、ホップ、カモミール、ゴボウ根、トクサ、シナノキ花、アーモンド、アロエベラ、ココナツ、マンゴ、アプリコット、レモン、小麦、キウィフルーツ、メロン、オレンジ、グレープフルーツ、サルビア、ローズマリー、樺、タネツケバナ、イブキジャコウソウ、ノコギリソウ、ハリシュモク、メリステム、チョウセンニンジンおよびショウガ根の抽出物が好ましい。
緑茶、アーモンド、アロエベラ、ココナツ、マンゴ、アプリコット、レモン、小麦、キウィフルーツおよびメロンの抽出物が、本発明に非常に好適である。
【0099】
上記植物抽出物の調製には、抽出剤として、水、アルコールおよびそれらの混合物を使用し得る。好ましいアルコールの例は、低級アルコール、例えばエタノールおよびイソプロパノール、また特に多価アルコール、例えばエチレングリコールおよびプロピレングリコールで、単独で使用しても水と混合して使用してもよい。水/プロピレングリコール(比1:10ないし10:1)による植物抽出物が特に適当であるとわかった。
【0100】
本発明によると、植物抽出物は、そのままで使用しても、希釈して使用してもよい。希釈した場合は通例、約2〜80wt%の活性物質と、(溶媒として)その調製に使用した抽出剤または抽出剤混合物を含有する。
【0101】
本発明の製剤中に、複数(とりわけ2種)の異なる植物抽出物の混合物を使用することが有利でありうる。
本発明の製剤中に植物抽出物は通例、製剤全体に基づいて0.01〜50wt%、好ましくは0.1〜30wt%、特に好ましくは0.1〜20wt%の量で使用される。
【0102】
さらに、短鎖カルボン酸(N)も本発明に有利に使用しうる。本発明によると「短鎖カルボン酸およびそれらの誘導体」とは、飽和もしくは不飽和、および/または直鎖もしくは分岐鎖または環状および/または芳香族および/または複素環式でありうるカルボン酸であって、分子量が750未満のものを意味すると理解される。炭素原子数1〜16の炭素鎖を有する飽和または不飽和、直鎖または分岐鎖カルボン酸が、本発明に有利でありうる;炭素原子数1〜12の炭素鎖を有するものが特に好ましい。
【0103】
本発明の目的のための短鎖カルボン酸は、カルボキシル基を1個、2個、3個またはそれ以上有しうる。複数のカルボキシル基を有するカルボン酸、特にジ−およびトリカルボン酸が好ましい。カルボキシル基は、その全部または一部が、エステル、酸無水物、ラクトン、アミド、イミド酸、ラクタム、ラクチム、ジカルボキシイミド、カルボヒドラジド、ヒドラゾン、ヒドロキサム、ヒドロキシム、アミジン、アミドオキシム、ニトリル、ホスホン酸またはリン酸エステルとして存在しうる。本発明においてカルボン酸は当然、炭素鎖または環構造において置換されていてもよい。本発明におけるカルボン酸の置換基の例は、C1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル、アリール、アラルキルおよびアラルケニル、ヒドロキシメチル、C2〜C8ヒドロキシアルキル、C2〜C8ヒドロキシアルケニル、アミノメチル、C2〜C8アミノアルキル、シアノ、ホルミル、オキソ、チオキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシ、またはイミノ基である。好ましい置換基は、C1〜C8アルキル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ、アミノおよびカルボキシル基である。α位の置換基が特に好ましい。特に好ましい置換基はヒドロキシ、アルコキシおよびアミノ基であり、ここでアミノ官能基はアルキル、アリール、アラルキルおよび/またはアルケニル基でさらに置換されていてもよい(適用可能な場合)。また、ホスホン酸エステルおよびリン酸エステルも、カルボン酸誘導体として好ましい。
【0104】
本発明におけるカルボン酸の例を以下に挙げる:ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グリセリン酸、グリオキシル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、プロピオール酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エライジン酸、マレイン酸、フマル酸、ムコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ショウノウ酸、安息香酸、o、m、p-フタル酸、ナフトエ酸、トルイル酸、ヒドロアトロパ酸、アトロパ酸、桂皮酸、イソニコチン酸、ニコチン酸、ジカルバミン酸、4,4'-ジシアノ-6,6'-ジニコチン酸、8-カルバモイルオクタン酸、1,2,4-ペンタントリカルボン酸、2-ピロールカルボン酸、1,2,4,6,7-ナフタレン五酢酸、マロンアルデヒド酸、4-ヒドロキシフタラミド酸、1-ピラゾールカルボン酸、没食子酸またはプロパントリカルボン酸、
【0105】
式(N-I):
【化5】

[式中、Zは4〜12個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキルまたはアルケニル基を表し、nは4〜12の数値を表し、2つの置換基XおよびYの一方はCOOH基を表し、他方は水素またはメチルもしくはエチル基を表す。]
で示される化合物から成る群から選択されるジカルボン酸、シクロヘキセン環上に1〜3個のメチルまたはエチル置換基をさらに有する式(N-I)で示されるジカルボン酸、ならびに形式上、式(N-I)で示されるジカルボン酸のシクロヘキセン環中の二重結合に水分子を付加することによって得られるジカルボン酸。
【0106】
式(N-I)で示されるジカルボン酸は、文献により知られている。
製法は、例えば米国特許第3753968号に記載されている。
式(N-I)で示されるジカルボン酸は、例えばディールス−アルダー環化の形でポリ不飽和ジカルボン酸と不飽和モノカルボン酸との反応によって合成しうる。このジカルボン酸成分として、通例ポリ不飽和脂肪酸を使用する。天然脂肪および油に由来しうるリノール酸が好ましい。モノカルボン酸成分としては、特にアクリル酸、また例えばメタクリル酸およびクロトン酸が好ましい。ディールス−アルダー反応によって、1つの成分を過剰に含む異性体混合物が通例得られる。そのような異性体混合物も、純粋な化合物も、本発明に使用しうる。
【0107】
式(N-I)で示される好ましいジカルボン酸のほか、シクロヘキシル環上に1〜3個のメチルまたはエチル置換基を有する点で式(N-I)の化合物と異なるジカルボン酸、またはそのような化合物のシクロヘキセン環の二重結合に水分子を付加した形のジカルボン酸も、本発明に使用しうる。
【0108】
リノール酸とアクリル酸との反応によって得られるジカルボン酸(混合物)が、本発明に特に好適であることがわかった。これは5-および6-カルボキシ-4-ヘキシル-2-シクロヘキサン-1-オクタン酸の混合物である。そのような化合物は、Westvaco Diacid(登録商標)1550およびWestvato Diacid(登録商標)1595(製造者:Westvaco)の名称で市販されている。
【0109】
例を挙げて先に説明した短鎖カルボン酸そのものだけでなく、それらの生理学的に許容しうる塩も本発明に使用しうる。そのような塩の例は、アルカリ、アルカリ土類、亜鉛塩、およびアンモニウム塩で、これにはモノ−、ジ−、およびトリ−メチル−、−エチル−および−ヒドロキシエチルアンモニウム塩も本発明において含まれる。本発明において、アルカリ性反応を示すアミノ酸、例えばアルギニン、リジン、オルニチンおよびヒスチジンで中和した酸を使用することが特に好適でありうる。さらに、製剤化上の理由から、カルボン酸を水溶性のもの、特に水溶性塩から選択することが好適でありうる。
【0110】
本発明によるとヒドロキシカルボン酸を使用することも好ましく、これはとりわけ、ジヒドロキシ−、トリヒドロキシ−およびポリヒドロキシカルボン酸、ならびにジヒドロキシ−、トリヒドロキシ−およびポリヒドロキシ−ジ−、トリ−およびポリカルボン酸である。ヒドロキシカルボン酸だけでなく、ヒドロキシカルボン酸エステル、ヒドロキシカルボン酸およびそれらのエステルの混合物、ならびにヒドロキシカルボン酸およびそれらのエステルのポリマーも、非常に好適に使用しうることがわかった。好ましいヒドロキシカルボン酸エステルは、例えばグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸の完全エステルである。β−ヒドロキシプロピオン酸、タルトロン酸、D−グルコン酸、糖酸、粘液酸またはグルクロン酸のエステルも、ヒドロキシカルボン酸エステルとして原則的に好適である。そのようなエステルのアルコール成分としては、8〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖第一級脂肪族アルコール、例えば脂肪アルコールおよび合成脂肪アルコールが好適である。C12〜C15脂肪アルコールのエステルが特に好ましい。この種のエステルは、例えばEniChem, Augusta Industrialeから商品名Cosmacol(登録商標)で市販されている。特に好ましいポリヒドロキシポリカルボン酸は、ポリ乳酸およびポリ酒石酸ならびにそれらのエステルである。
【0111】
シリコーン油およびシリコーンゴム、とりわけジアルキルおよびアルキルアリールシロキサン、例えばジメチルポリシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサン、並びにそれらのアルコキシル化および第四級化類似体も、コンディショニング成分として好適である。そのようなシリコーンの例は、Dow CorningからDC190、DC200およびDC1401の名称で市販されているもの、ならびに市販生成物 Fancorsil(登録商標)LIM-1である。
【0112】
本発明においてコンディショング成分としてカチオン性シリコーン油も好ましく、その例は市販生成物のQ2-7224(製造者:Dow Corning; 安定化したトリメチルシリルアモジメチコン)、Dow Corning(登録商標)939 Emulsion(アモジメチコンとしても知られるヒドロキシルアミノ修飾シリコーンを含有)、SM-2059(製造者:General Electric)、SLM-55067(製造者:Wacker)、並びにAbil(登録商標)-Quat3270および3272(製造者:Th.Goldschmidt; ジ四級ポリジメチルシロキサン、クオタニウム-80)である。好適なアニオン性シリコーン油は、生成物Dow Corning(登録商標)1784である。
【0113】
本発明の毛髪手入れ剤は、その製剤タイプに関して何ら制限されず、エマルジョン、クリーム、溶液、ゲルまたはムースとして製剤化しうる。
しかし、本発明において特に好ましくは、毛髪手入れ剤をエマルジョンシャンプーとして製剤化する。
【0114】
さらなる成分、補助剤および添加剤の例は以下のものである:
− 増粘剤、例えば、寒天、グアールガム、アルギネート、キサンタンガム、アラビアゴム、カラヤゴム、イナゴマメ粉、アマニゴム、デキストラン、セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、デンプンフラクションおよび誘導体、例えばアミロース、アミロペクチンおよびデキストリン、クレー、例えばベントナイト、または純合成ヒドロコロイド、例えばポリビニルアルコール;
− ヘアコンディショニング化合物、例えば燐脂質、例えば、大豆レシチン、卵レシチンおよびセファリン;
【0115】
− シリコーン油、香油、ジメチルイソソルビトールおよびシクロデキストリン;
− 溶媒および可溶化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールおよびジエチレングリコール;
− 繊維構造改善成分、特に、単糖、二糖およびオリゴ糖、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、果糖およびラクトース;
− コンディショニング成分、例えば、パラフィン油、植物油、例えば、ヒマワリ油、オレンジ油、アーモンド油、小麦麦芽油、桃仁油、ならびに四級化アミン、例えばメチル−1−アルキルアミドエチル−2−アルキルイミダゾリニウムメトスルフェート;
− 脱泡剤、例えばシリコーン;
− 製剤を着色する色素;
− フケ防止活性成分、例えば、ピロクトンオラミン、ジンクオマジンおよびクリムバゾール;
− 有効成分、例えば、アラントインおよびビサボロール、コレステロール;
【0116】
− コンシステンシー付与剤、例えば、糖エステル、ポリオールエステルまたはポリアルキルエーテル;
− 脂肪および蝋、例えば、鯨蝋、蜜蝋、モンタン蝋およびパラフィン;
− 脂肪酸アルカノールアミド;
− 錯化剤、例えば、EDTA、NTA、β−アラニン二酢酸およびホスホン酸;
− 膨潤および浸透剤、例えば、第一級、第二級および第三級燐酸塩;
− 乳白剤、例えば、ラテックス、スチレン/PVPコポリマーおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー;
− 光沢剤、例えば、エチレングリコールモノおよびジステアレートならびにPEG−3−ジステアレート;
− 顔料;
− プロペラント、例えば、プロパン−ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2および空気;
− 酸化防止剤。
【0117】
他の任意成分およびそれらの使用量については、当業者に知られている関連書、例えば、K. H. Schraderによるモノグラフ、Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika、第2版、Huethig Buch Verlag, Heidelberg, 1989が特に参照される。
【0118】
本発明は、
a)A) 少なくとも1つのアニオン性界面活性剤;
B) 少なくとも1つの両性界面活性剤;および
C) アシルグルタメート、アミンオキシドおよびアルキルポリグルコシドから成る群から選択される少なくとも1つのさらなる界面活性剤
から成る界面活性剤混合物と、
b)− 脂肪アルコール;
− カチオン性界面活性剤;
− カチオン性ポリマー;
− カチオン性誘導体化タンパク質加水分解物;
− 水不溶性、揮発性シリコーンおよび/または水溶性、揮発性シリコーン
から成る群から選択される少なくとも3つのさらなるヘアケア物質
を含有する美容毛髪手入れ剤にも関する。
【0119】
本発明は、
a)A) 少なくとも1つのアニオン性界面活性剤;
B) 少なくとも1つの両性界面活性剤;および
C) アシルグルタメート、アミンオキシドおよびアルキルポリグルコシドから成る群から選択される少なくとも1つのさらなる界面活性剤
から成る界面活性剤混合物と、
b)− 脂肪アルコール;
− カチオン性界面活性剤;
− カチオン性ポリマー;
− カチオン性誘導体化タンパク質加水分解物;
− 水不溶性または水不溶性、揮発性シリコーン;
− ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはそれらの生理学的に許容される誘導体
の各群にそれぞれ属する4つのさらなるヘアケア物質
を含有する美容毛髪手入れ剤にも関する。
【0120】
好ましいさらなるヘアケア物質は、とりわけ、セチルアルコール、ベヘントリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-10およびカプリリルメチコンの組み合わせである。
【0121】
本発明はまた、毛髪を清浄およびケアする方法であって、本発明の製剤を毛髪に適用し、ある接触時間後に濯ぎ落とすことを含んで成る方法にも関する。
【0122】
本発明はまた、毛髪の清浄とコンディショニングを同時に行うための、本発明の製剤の使用にも関する。
【0123】
下記の実施例は、本発明をより詳しく説明するものであり、本発明を限定するものではない(特に記載しなければ、全ての重量はwt%である)。
実施例
【表1】

【0124】
美容室実験(即ち、予洗に製剤2gおよび主洗に製剤3gを使用し、次に、美容師が評価を行なう、いわゆるハーフサイド試験)において、本発明の製剤は、従来の競合市販製剤と比較して、湿潤時櫛通り、感触、ボリュームおよび重みのパラメーターにおいて有意に優れていた。
【0125】
さらに、一般的な市販2イン1シャンプーと比較して、本発明のシャンプーの優れた湿潤時櫛通りを、生物物理学的測定値によって示した(測定原理:毛髪ストランドに櫛を通すのに必要とされる力の測定。Alkinco 6634 ミディアムブロンドストランド;1試料につき20ストランドの測定および平均値の算出)。
【表2】

【0126】
枝毛防止作用を、下記の手順によって測定した。
毛髪ストランドの前処置:
毛髪ストランドを、超音波浴において、10%アルカリ性ナトリウムラウレススルフェート溶液で15分間にわたって予め洗浄した。
【0127】
製剤適用:
1つの製剤および対照測定系につき9毛髪ストランドを処置した。毛髪ストランドを、水道水でぬらし、毛髪ストランド1gにつき製剤1gを擦り付けた。5分間の接触時間後、毛髪を冷たい水道水流で90秒間濯いだ。毛髪の前調整を、25℃、相対湿度40%で少なくとも12時間行なった。
【0128】
試験手順:
毛髪ストランドに、空調室(25℃、相対湿度40%)において、20000回櫛を通した。次に、微細篩(網目の大きさ200μm)によって、損傷毛髪と非損傷毛髪とを分け、それぞれ秤量した。
【0129】
従来の市販2イン1シャンプーと比較した結果:
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)A) 少なくとも1つのアニオン性界面活性剤;
B) 少なくとも1つの両性界面活性剤;および
C) アシルグルタメート、アミンオキシドおよびアルキルポリグルコシドから成る群から選択される少なくとも1つのさらなる界面活性剤
から成る界面活性剤混合物と、
b)− 脂肪アルコール;
− カチオン性界面活性剤;
− カチオン性ポリマー;
− カチオン性誘導体化タンパク質加水分解物;
− 水不溶性、揮発性シリコーンおよび/または水溶性、揮発性シリコーン;
− ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはそれらの生理学的に許容される誘導体
から成る群から選択される少なくとも2つのさらなるヘアケア物質
を含有する毛髪手入れのための化粧用製剤。
【請求項2】
アニオン性界面活性剤が、エトキシル化アルキルスルフェート、アルキルスルフェート、またはエーテルカルボン酸塩から成る群から、およびそれら物質の混合物から選択される請求項1に記載の化粧用製剤。
【請求項3】
両性界面活性剤が、アルキルベタイン、アミドアルキルベタイン、両性アセテートまたは両性ジアセテートから成る群から、およびそれら物質の混合物から選択される請求項1または2に記載の化粧用製剤。
【請求項4】
第3の界面活性剤成分がアミンオキシドである請求項1〜3のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項5】
第3の界面活性剤成分が、アシルグルタメートとアミンオキシドとの混合物、またはアシルグルタメートとアルキルポリグルコシドとの混合物である請求項1〜3のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項6】
界面活性剤成分の比(A):(B):(C)が(3〜6):1:(1〜2)である請求項1〜5のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項7】
a)A) 少なくとも1つのアニオン性界面活性剤;
B) 少なくとも1つの両性界面活性剤;および
C) アシルグルタメート、アミンオキシドおよびアルキルポリグルコシドから成る群から選択される少なくとも1つのさらなる界面活性剤
から成る界面活性剤混合物と、
b)− 脂肪アルコール;
− カチオン性界面活性剤;
− カチオン性ポリマー;
− カチオン性誘導体化タンパク質加水分解物;
− 水不溶性、揮発性シリコーンおよび/または水溶性、揮発性シリコーン;
− ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはそれらの生理学的に許容される誘導体
から成る群から選択される少なくとも3つのさらなるヘアケア物質
を含有する毛髪手入れのための化粧用製剤。
【請求項8】
アニオン性界面活性剤が、エトキシル化アルキルスルフェート、アルキルスルフェート、またはエーテルカルボン酸塩から成る群から、およびそれら物質の混合物から選択される請求項7に記載の化粧用製剤。
【請求項9】
両性界面活性剤が、アルキルベタイン、アミドアルキルベタイン、両性アセテートまたは両性ジアセテートから成る群から、およびそれら物質の混合物から選択される請求項7または8に記載の化粧用製剤。
【請求項10】
第3の界面活性剤成分がアミンオキシドである請求項7〜9のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項11】
第3の界面活性剤成分が、アシルグルタメートとアミンオキシドとの混合物、またはアシルグルタメートとアルキルポリグルコシドとの混合物である請求項7〜9のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項12】
界面活性剤成分の比(A):(B):(C)が(3〜6):1:(1〜2)である請求項7〜11のいずれかに記載の化粧用製剤。
【請求項13】
a)A) 少なくとも1つのアニオン性界面活性剤;
B) 少なくとも1つの両性界面活性剤;および
C) アシルグルタメート、アミンオキシドおよびアルキルポリグルコシドから成る群から選択される少なくとも1つのさらなる界面活性剤
から成る界面活性剤混合物と、
b)− 脂肪アルコール;
− カチオン性界面活性剤;
− カチオン性ポリマー;
− カチオン性誘導体化タンパク質加水分解物;
− 水不溶性または水溶性、揮発性シリコーン;
− ビタミンおよび/またはプロビタミンおよび/またはそれらの生理学的に許容される誘導体
の各群にそれぞれ属する4つのさらなるヘアケア物質
を含有する毛髪手入れのための化粧用製剤。
【請求項14】
ヘアケア物質b)として、セチルアルコール、ベヘントリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-10、およびカプリリルメチコンを使用する請求項13に記載の化粧用製剤。
【請求項15】
毛髪を清浄およびケアする方法であって、請求項1〜14のいずれかに記載の製剤を毛髪に適用し、ある接触時間の後にすすぎ落とすことを含んで成る方法。
【請求項16】
毛髪の清浄およびコンディショニングを同時に行う2-in-1シャンプーとしての、請求項1〜14のいずれかに記載の製剤の使用。

【公表番号】特表2006−517937(P2006−517937A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501808(P2006−501808)
【出願日】平成16年2月11日(2004.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2004/001264
【国際公開番号】WO2004/073665
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(398038410)ハンス・シュヴァルツコプフ・ウント・ヘンケル・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディットゲゼルシャフト (2)
【氏名又は名称原語表記】Hans Schwarzkopf & Henkel GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】