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界面活性剤組成物、それを配合したコーティング溶液及び該溶液で処理されたゴム製品
説明

界面活性剤組成物、それを配合したコーティング溶液及び該溶液で処理されたゴム製品

【課題】表面が非粘着性のゴム製品を工業的に有利に製造することを可能にするコーティング溶液に含有される界面活性剤を提供すること。
【解決手段】構造式(I)


(R1は水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基であり、R2は炭素数1〜12の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基であり、R3は−CH2OR4であり、R4は炭素数2〜30の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基であり、n,m,p,qは正数であり、(n+m)の平均値が1〜100であり、そして(p+q)の平均値が0.5〜5である。)を有するグリシジルエーテルでキャップされたアセチレンジオールエトキシレート(A)と、シリコーン系界面活性剤(B)とを含有してなる界面活性剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤組成物に関し、更に詳しくは、ゴム製品に塗工する際に泡立たず、塗工ムラができない界面活性剤組成物であり、またその界面活性剤組成物を配合したコーティング溶液及び該溶液をコートしてなるゴム製品に関する。
【0002】
天然ゴム又は合成ゴムから作られるゴム物品には、手術用手袋、検査用手袋、作業者用手袋、避妊具、カテーテル、バルーン、チューブ、シート材料等が包含される。本発明はすべてのゴム物品用のコーティングに関するものであるが、用途及び製造の点で最も複雑なゴム物品である手袋に特に焦点を合わせて説明する。
【背景技術】
【0003】
天然ゴム又は合成ゴムから作られたゴム手袋は、その表面が粘着性であることから、手や指に密着したり、またゴム同士が接触する際に粘着するため、それらの取扱いがきわめて困難であった。従って、ゴム手袋には、着脱が容易にできるように、手袋の内表面にタルクや雲母等の粉体を散布したり、塩素化処理により手袋の内表面に凸凹を設けたりする等の様々な工夫が施されている。例えば、特開昭61−24418号公報(特許文献1)には、タルク、炭酸カルシウム、雲母、澱粉等の粉体入りの合成樹脂ラテックスからなる内側面を設けたゴム手袋が開示されている。しかし、この方法で得た手袋では、着脱時や装着している間に手袋から粉体が脱落するため、これを手術用手袋として用いた場合は、脱落した粉体により手術部位が汚染されて術後感染を招くおそれがある。また、塩素化処理による方法は、工程の制御が難しく、着脱性の改善も十分ではなく、かつ塩素を使用するので環境への負荷が大きいという問題がある。
【0004】
また、ゴム手袋に、高分子凝集剤を含有するゴムラテックスからなる液を塗布し、次いでこの塗布表面を乾燥後に水洗し、微細な凹凸を設けるゴム手袋も提案されているが、工程は複雑化してしまう(特開平6−340758号公報:特許文献2)。
【0005】
これらの方法に代えて、滑剤を含有する層を手袋の内表面に形成することによって、手袋の着脱し易さを高める工夫もなされている。例えば、特公昭60−6655号公報(特許文献3)には、カルボキシル化されたスチレン−ブタジエンラテックスに澱粉が分散された層が形成された医療用手袋、特開平11−61527号公報(特許文献4)には、手袋本体に含まれる凝固剤により凝固しない合成ゴムラテックス及び架橋ポリメタクリル酸メチル等の有機充填剤を含む水性分散液により滑性樹脂層が形成されたゴム製手袋が提案されている。しかし、これらの公報に記載された方法によって、手袋の着脱し易さはある程度改善されるもののまだ不十分である。
【0006】
加えて、ハイドロゲルのコーティング法も提案されており、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとメタクリル酸及び/又は2−エチルヘキシルアクリレートとの共重合体であるヒドロゲルポリマーと硬化剤を塗布し、熱硬化反応によってハイドロゲルをゴムフィルムに結合させる方法が知られている(特公平5−13170号公報:特許文献5)。この方法では、ゴムフィルムとハイドロゲル膜の接着性を上げるために、ゴムフィルム表面を酸やアルカリにより表面処理を行った後に、ハイドロゲルを塗布して、硬化剤によりハイドロゲルコーテイングを行うため、工程が複雑で、また酸やアルカリを使うため、その除去に手間がかかるという問題がある。
【0007】
また、外表面の粘着性を改良するためにも、外表面にタルクや雲母などの微粉末をまぶすことからなる粉体処理、又は塩素水に浸漬することにより外表面を塩素と反応させて一部硬化した表面となす塩素処理などの方法がとられている。しかしながら、粉体処理及び塩素処理はその作業がきわめて繁雑であることから、工業的にはコストアップを招いて不利である。
【0008】
ところで、グリシジルエーテルでキャップされたアセチレンジオールエトキシレートについては特開2003−238472号公報(特許文献6)に取り上げられているが、ゴム製品に使用した例はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭61−24418号公報
【特許文献2】特開平6−340758号公報
【特許文献3】特公昭60−6655号公報
【特許文献4】特開平11−61527号公報
【特許文献5】特公平5−13170号公報
【特許文献6】特開2003−238472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、表面が非粘着性のゴム製品を工業的に有利に製造することを可能にするコーティング溶液に含有される界面活性剤組成物並びにコーティング溶液及びゴム製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ゴム製品のコーティング溶液に用いることができる、グリシジルエーテルでキャップされたアセチレンジオールエトキシレート(A)とシリコーン系界面活性剤(B)からなる界面活性剤組成物を開発するに至った。
【0012】
従って、本発明は、下記の界面活性剤組成物、それを配合したコーティング溶液及び該溶液で処理されたゴム製品を提供する。
〔1〕
下記構造式(I)
【化1】


(式中、R1は水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基であり、R2は炭素数1〜12の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基であり、R3は−CH2OR4であり、R4は炭素数2〜30の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基であり、n,m,p,qは正数であり、(n+m)の平均値が1〜100であり、そして(p+q)の平均値が0.5〜5である。)
を有するグリシジルエーテルでキャップされたアセチレンジオールエトキシレート(A)と、シリコーン系界面活性剤(B)とを含有してなることを特徴とする界面活性剤組成物。
〔2〕
ゴム製品コーティング用である〔1〕記載の界面活性剤組成物。
〔3〕
(A)成分5〜80質量%、(B)成分20〜95質量%を含有する〔1〕又は〔2〕記載の界面活性剤組成物。
〔4〕
(A)成分のグリシジルエーテルが、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル及びラウリルグリシジルエーテルから選ばれる少なくとも1種である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の界面活性剤組成物。
〔5〕
(B)成分のシリコーン系界面活性剤が、ノニオン型シリコーン系界面活性剤である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の界面活性剤組成物。
〔6〕
ノニオン型シリコーン系界面活性剤が、ポリオキシアルキレン変性シリコーンである〔5〕記載の界面活性剤組成物。
〔7〕
ポリオキシアルキレン変性シリコーンが、下記平均組成式(II)で表される〔6〕記載の界面活性剤組成物。
5x6ySiO(4-x-y)/2 (II)
〔式中、R5は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基、R6は一般式−Cf2fO(Cg2gh)R7(R7は水素原子、脂肪族不飽和基を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基、又はアセチル基であり、fは2〜12の整数、gは2〜4の整数、hは1〜200の整数である。)で表される有機基である。x及びyはそれぞれ0≦x<3.0、0<y<3.0であり、0<x+y≦3.0を満たす正数である。〕
〔8〕
ポリオキシアルキレン変性シリコーン中のポリオキシエチレン含有量が、30〜80質量%である〔6〕又は〔7〕記載の界面活性剤組成物。
〔9〕
更に、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し、(C)イオン交換水又は水溶性有機溶剤を90質量部以下含有する〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の界面活性剤組成物。
〔10〕
〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の界面活性剤組成物及び合成樹脂を含有することを特徴とするコーティング溶液。
〔11〕
合成樹脂が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が2,000〜500,000であり、ポリビニルアルコール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、シラノール変性ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル共重合ラテックス、無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂から選ばれる1種又は2種以上である〔10〕記載のコーティング溶液。
〔12〕
静的表面張力が20〜32mN/mである〔10〕又は〔11〕記載のコーティング溶液。
〔13〕
〔10〕、〔11〕又は〔12〕記載のコーティング溶液による塗膜を形成してなることを特徴とするゴム製品。
〔14〕
ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、カルボキシ変性アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムから選ばれるゴムに〔10〕、〔11〕又は〔12〕記載のコーティング溶液を塗工し、常温〜150℃の温度で0.5〜5分間乾燥させ、乾燥膜厚0.5〜300μmの塗膜を形成してなることを特徴とするゴム製品の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の界面活性剤組成物を配合したコーティング溶液は、ゴム製品に塗工する際に泡立たず、塗工ムラができない。そのため、表面が非粘着性のゴム製品を工業的に有利に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の界面活性剤組成物は、グリシジルエーテルでキャップされたアセチレンジオールエトキシレート(A)とシリコーン系界面活性剤(B)を含有する。
ここで、(A)成分のグリシジルエーテルでキャップされたアセチレンジオールエトキシレートは、アセチレンジオールエトキシレートのOH末端とグリシジルエーテルのエポキシ基部分が結合した状態を意味するものであり、(A)成分のアセチレンジオールエトキシレートは下記構造式(I)で示されるものである。
【化2】


(式中、R1は水素原子、又は炭素数1〜6、好ましくは3〜5の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基であり、R2は炭素数1〜12、好ましくは1〜5の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基であり、R3は−CH2OR4であり、R4は炭素数2〜30、好ましくは2〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基であり、n,m,p,qは正数であり、(n+m)の平均値が1〜100、好ましくは3〜30、更に好ましくは8〜20であり、そして(p+q)の平均値が0.5〜5、好ましくは0.8〜2である。)
【0015】
この場合、グリシジルエーテルは下記構造式で示されるものが好ましい。
【化3】

【0016】
このようなグリシジルエーテルでキャップされたアセチレンジオールエトキシレート(A)は、特開2003−238472号公報に記載されているものなどが挙げられる。
【0017】
本発明の界面活性剤組成物を調製する際に用いられる(A)成分の配合割合は、後述する(B)成分との合計100質量%中5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは7〜60質量%である。5質量%未満であると塗工時に泡が発生し、ムラなどの塗工不良が発生するため、十分な塗工性が得られない場合がある。また、80質量%を超えると濡れ性が悪くなり、塗工不良が発生してしまう場合がある。
【0018】
(B)成分のシリコーン系界面活性剤は、ノニオン型シリコーン系界面活性剤であることが好ましく、特にポリオキシアルキレン変性シリコーンを用いることができ、具体的には下記平均組成式(II)で示されるものである。
5x6ySiO(4-x-y)/2 (II)
〔式中、R5は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の1価炭化水素基、R6は一般式−Cf2fO(Cg2gh)R7(R7は水素原子、脂肪族不飽和基を有しない非置換又は置換の炭素数1〜8、特に1〜4のアルキル基等の1価炭化水素基、又はアセチル基であり、fは2〜12、特に2〜6の整数、gは2〜4の整数、hは1〜200、好ましくは1〜100、更に好ましくは1〜50の整数である。)で表される有機基である。x及びyはそれぞれ0≦x<3.0、0<y<3.0であり、0<x+y≦3.0を満たす正数であり、好ましくはxは0.1〜2、yは0.2〜2、x+yは0.3〜3である。〕
更に、ポリオキシアルキレン変性シリコーン中のポリオキシエチレン含有量が、30〜80質量%であることが好ましい。
【0019】
上記シリコーン系界面活性剤として、例えば、下記構造式(1)〜(7)のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【化4】

【0020】
【化5】

【0021】
これらシリコーン系界面活性剤は、その1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0022】
本発明の界面活性剤組成物を調製する際に用いられる(B)成分の配合割合は、(A)、(B)成分の合計100質量%中20〜95質量%が好ましく、更に好ましくは40〜93質量%である。20質量%未満であると濡れ性が悪くなり、塗工不良が発生してしまう。また、95質量%を超えると塗工時に泡が発生し、ムラなどの塗工不良が発生するため、十分な塗工性が得られない。
【0023】
本発明の界面活性剤組成物は、上記(A)、(B)成分の合計が100質量%になるように用いるのが好ましいが、更に第三成分である(C)成分としてイオン交換水、エチレングルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリンなどの水溶性有機溶剤を併用してもよく、本界面活性剤の特性を損なわない限り、(A)、(B)成分の合計100質量部に対し、0〜90質量部、好ましくは0〜50質量部、より好ましくは0〜30質量部の量で用いることができる。なお、配合する場合は、5質量部以上、特に20質量部以上が好ましい。
【0024】
本発明の界面活性剤組成物は、上記各成分をプロペラ式撹拌機などの公知の混合調整方法によって混合することによって得られる。
【0025】
本発明のコーティング溶液は、主剤となる樹脂に本発明の界面活性剤組成物を配合してなる。界面活性剤組成物の配合割合は主剤樹脂固形分100質量部に対し、(A)、(B)成分の合計量が0.1〜30質量部である。0.1質量部未満であると濡れ性不足に起因する塗工ムラの発生といった不具合を起こす場合があり、30質量部を超えると溶解度不足に起因する塗工ムラの発生といった不具合を起こす場合がある。
【0026】
主剤となる樹脂としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が2,000〜500,000である天然又は合成樹脂を使用でき、例えばポリビニルアルコール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、シラノール変性ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル共重合等のアクリル系共重合体ラテックス、無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、水溶液、水分散体などの状態であることが好ましい。
【0027】
本発明のコーティング溶液には、更にイオン交換水、水溶性有機溶剤、充填剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、硬化剤等を含有することができる。例えば、充填剤としてはシリカ、クレー、酸化チタン等が挙げられる。
【0028】
本発明のコーティング溶液は、水溶液、水溶性有機溶剤溶液、又は水と水溶性有機溶剤との混合溶剤溶液の形態であることが好ましく、固形分量は0.5〜10質量%、特に1〜5質量%であることが好ましい。上記各成分をプロペラ式撹拌機等の公知の混合調整方法によって混合することによって得られる。この場合の撹拌は500rpm以上が好ましく、500〜1,500rpmがより好ましい。
【0029】
本発明のコーティング溶液の静的表面張力は20〜32mN/mが好ましく、20〜30mN/mに調整することがより好ましい。また、接触角は5〜55°が好ましく、5〜50°がより好ましい。気泡性は15mLが以下好ましい。
【0030】
コーティング溶液を塗布し、乾燥させた際の塗膜の厚さは使用する物品に対し、適宜調整して塗布するが、好ましくは0.5〜300μm、より好ましくは1〜100μm程度、更に好ましくは5〜50μmの厚さになるように塗布する。
【0031】
コーティング方法も公知の塗布方法を選択すればよく、浸漬、スプレイコート、ロールコート、カレンダーコート、スピンコート等が挙げられる。浸漬させる場合、浸漬時間は5秒〜30秒が好ましい。
【0032】
なお、塗布後は必要により常温〜150℃程度、特に80〜130℃、更に好ましくは100〜120℃の加温をして、0.5分〜5分乾燥させ、ゴム上に溶液を塗布して積層物を得るものである。
【0033】
本発明のコーティング溶液をコーティングするゴムとしては、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、カルボキシ変性アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等が挙げられ、フィルム状、シート状、板状、球状等形状は問わない。
【0034】
特に、ゴム製品として用いられる慣用的なゴム手袋の製造方法は、次のようなものである。即ち、硝酸カルシウム及び炭酸カルシウムを含有する凝固剤スラリー中に形成されるべき物品の形状の金型を浸漬する。乾燥後に、この金型をゴムエマルション中に、このゴムが凝固して所望の厚さのコーティングを形成するのに充分な時間、浸漬する。形成された凝固したゴム物品をオーブン中で硬化させ、冷却し、次いで本発明のコーティング溶液に浸漬する。該溶液でコーティングされた表面を乾燥させる。冷却後に、ゴム物品を金型から剥ぎ取る。これを裏返して手袋にするものである。
また、所望するゴムシートに予め本発明のコーティング溶液を塗布した後、ゴム製品に加工成形しても構わない。
【0035】
本発明のコーティング溶液は、家庭用、医療用等の手袋の製造に特に有効であるが、家庭用品、玩具用具、運動用具、農具のゴム製品の製造にも有効で、ゴム製品の所用箇所にコーティング積層できるものである。
【実施例】
【0036】
以下、調製例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、部及び%はそれぞれ質量部、質量%を示す。
【0037】
[調製例]
70℃に加温した2−エチルヘキシルグリシジルエーテルでキャップされたアセチレンジオールエトキシレート7.5部をプロペラ式撹拌機付容器に投入後、撹拌しながら式(7)で表されるシリコーン系界面活性剤92.5部を徐々に投入混合し、2時間連続撹拌後、室温まで冷却した。冷却後、200メッシュ濾布にて濾過し、界面活性剤組成物(以下、これをM−1という)を得た。
同様に、表1で示した配合組成で界面活性剤組成物M−2〜M−14を得た。
【0038】
【表1】

【0039】
A−1:2−エチルヘキシルグリシジルエーテルでキャップされた2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルコキシレンオキサイド付加物(式(I):n+mの平均値約10、p+qの平均値約2)
A−2:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数:3.5)
A−3:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数:10)
A−4:ラウリルグリシジルエーテルでキャップされた2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルコキシレンオキサイド付加物(式(I):n+mの平均値約10、p+qの平均値約2)
B−1:式(7)で示されるシリコーン系界面活性剤
【化6】

B−2:式(4)で示されるシリコーン系界面活性剤
【化7】

C−1:エチレングリコール
【0040】
[実施例1〜10及び比較例1〜7]
各種界面活性剤組成物とポリウレタン水溶液(固形分18質量%、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量10,000)とイオン交換水を表2,3に示した割合でプロペラ式撹拌機付容器に投入し、1,000rpmで1時間撹拌混合したものを使用して、下記の測定方法にて測定した結果を表2,3に示す。
【0041】
なお、各物性の測定は下記のようにして行った。
《コーティング溶液の評価》
(1)塗工状態
上記コーティング溶液のニトリルゴム(NBR)への塗工状態の確認を下記の基準により目視にて行った。
○:塗工ムラがみられない。
△:塗工ムラがわずかにみられる。
×:塗工ムラが多くみられる。
(2)静的表面張力
協和界面科学社製表面張力計ESB−V型を用いて、コーティング溶液の静的表面張力を測定した。
(3)接触角
協和界面科学社製接触角計CA−D型を用いて、コーティング溶液の滴下30秒後の接触角を測定した。
(4)気泡性
コーティング溶液を100mLメスシリンダーに20mL入れ、シェーカー(180回往復/分)にて振盪し、振盪停止直後及び5分後の泡の量(mL数)を測定した。
(5)すべり性
ニトリル製ゴム手袋にコーティング溶液をディッピングし、120℃で1分間乾燥させて、テスト用ゴム手袋を得た。そして、下記の基準により評価した。
○:粉落ち性がなくすべり性良好のため、手袋の脱着が容易である。
△:すべり性が若干悪く、手袋の脱着が容易ではない。
×:すべり性が悪く、手袋の脱着が困難である。
【0042】
【表2】

【0043】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造式(I)
【化1】


(式中、R1は水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基であり、R2は炭素数1〜12の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基であり、R3は−CH2OR4であり、R4は炭素数2〜30の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基であり、n,m,p,qは正数であり、(n+m)の平均値が1〜100であり、そして(p+q)の平均値が0.5〜5である。)
を有するグリシジルエーテルでキャップされたアセチレンジオールエトキシレート(A)と、シリコーン系界面活性剤(B)とを含有してなることを特徴とする界面活性剤組成物。
【請求項2】
ゴム製品コーティング用である請求項1記載の界面活性剤組成物。
【請求項3】
(A)成分5〜80質量%、(B)成分20〜95質量%を含有する請求項1又は2記載の界面活性剤組成物。
【請求項4】
(A)成分のグリシジルエーテルが、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル及びラウリルグリシジルエーテルから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項記載の界面活性剤組成物。
【請求項5】
(B)成分のシリコーン系界面活性剤が、ノニオン型シリコーン系界面活性剤である請求項1〜4のいずれか1項記載の界面活性剤組成物。
【請求項6】
ノニオン型シリコーン系界面活性剤が、ポリオキシアルキレン変性シリコーンである請求項5記載の界面活性剤組成物。
【請求項7】
ポリオキシアルキレン変性シリコーンが、下記平均組成式(II)で表される請求項6記載の界面活性剤組成物。
5x6ySiO(4-x-y)/2 (II)
〔式中、R5は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基、R6は一般式−Cf2fO(Cg2gh)R7(R7は水素原子、脂肪族不飽和基を有しない非置換又は置換の1価炭化水素基、又はアセチル基であり、fは2〜12の整数、gは2〜4の整数、hは1〜200の整数である。)で表される有機基である。x及びyはそれぞれ0≦x<3.0、0<y<3.0であり、0<x+y≦3.0を満たす正数である。〕
【請求項8】
ポリオキシアルキレン変性シリコーン中のポリオキシエチレン含有量が、30〜80質量%である請求項6又は7記載の界面活性剤組成物。
【請求項9】
更に、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し、(C)イオン交換水又は水溶性有機溶剤を90質量部以下含有する請求項1〜8のいずれか1項記載の界面活性剤組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項記載の界面活性剤組成物及び合成樹脂を含有することを特徴とするコーティング溶液。
【請求項11】
合成樹脂が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が2,000〜500,000であり、ポリビニルアルコール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、シラノール変性ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル共重合ラテックス、無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂から選ばれる1種又は2種以上である請求項10記載のコーティング溶液。
【請求項12】
静的表面張力が20〜32mN/mである請求項10又は11記載のコーティング溶液。
【請求項13】
請求項10、11又は12記載のコーティング溶液による塗膜を形成してなることを特徴とするゴム製品。
【請求項14】
ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、カルボキシ変性アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムから選ばれるゴムに請求項10、11又は12記載のコーティング溶液を塗工し、常温〜150℃の温度で0.5〜5分間乾燥させ、乾燥膜厚0.5〜300μmの塗膜を形成してなることを特徴とするゴム製品の製造方法。

【公開番号】特開2013−100474(P2013−100474A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−211854(P2012−211854)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【出願人】(000226666)日信化学工業株式会社 (40)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】