説明

留め具付き機器

【課題】機器本体部のベルト通しへの取付けが確実でみだりに外れたりしないばかりか極めて容易に取り外しが出来る留め具付き機器を提供するものである。
【解決手段】折り畳み式の携帯電話機1の上本体部3には、携帯電話機1をベルト通し部23に掛止させるために夫々の先端部13B及び14Bが係合された留め具部材13及び14が設けられており、留め具部材13は基部13Aで軸3Dに回動可能に軸支されると共に係止凸部13Cにロック棒16が当接してロック状態とされている。ケース内部に設けられた電磁石19が駆動することによりロック棒16が電磁石に引き寄せられて移動し、係止凸部13Cとロック棒16との係止状態が解除されるので留め具部材13は回動可能となり、先端部13Bが上方に回転して留め具部材13をベルト通し部23から抜き出すことが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、留め具付き機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話やカメラなどの電子機器においては、紛失や盗難の防止或いは落下防止などのために、電子機器本体にストラップの一端を装着し、そのストラップを手首や首に掛けたり或いはストラップの他端に取り付けた留め具で衣服の一部或いは腰のベルトやベルト通しに固定したりする様にしていた。
【0003】
そして、上記の留め具としては、例えば特許文献1に記載されている様な衣服やベルトの一部を挟み込むクリップ部材が知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−043375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の如く衣服の一部をクリップ部材で挟み込む方法では、ストラップが強い力で引かれた場合にクリップ部材が衣服から外れてしまう欠点があり、例えば、電子機器を不注意で落としてしまった場合には、クリップ部材が電子機器自体の重みに耐えきれず衣服から外れてしまい、電子機器が地面等に衝突して破損してしまうおそれがあった。
【0006】
これを防止するためには、クリップ部材による挟み込みの力を強くしておけばよいが、その場合には衣服が変形或いは破損するおそれがあり、また、衣服からの取り外しに強い力が必要となり迅速に取り外すことが出来ないという欠点があった。
【0007】
特に、電子機器が携帯電話であった場合、着信などがあった際には直ちに応答する必要があるが、クリップ部材が衣服から迅速に取り外せないと応答が遅れてしまうという欠点があり、この場合、ストラップを長くしておけばクリップを外すことなく応答が可能であるが、ストラップがあまりにも長いと持ち運び時や取り扱い時にストラップが邪魔になってしまうものである。
【0008】
本発明は、上記の課題の少なくとも一つを解決するためになされたもので、機器本体部の取付けが確実でみだりに外れたりしないばかりか極めて容易に取り外しが出来る留め具付き機器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の留め具付き機器は、本体部を被掛止物に掛止するための留め具機構を有する留め具付き機器であって、前記留め具機構は、一端部が前記本体部に取り付けられ他端部が前記本体部より離間した位置に配置される第1の爪部材と、一端部が前記本体部に取り付けられ他端部が前記第1の爪部材の前記他端部に係合して前記本体部及び前記第1の爪部材と共にループを形成する第2の爪部材と、この第2の爪部材の前記他端部と前記第1の爪部材の前記他端部との係合状態を保持するために前記第2の爪部材の動きを規制するロック機構と、このロック機構による前記第2の爪部材の動きの規制を解除するロック解除手段と、を備え、このロック解除手段によって前記ロック機構による規制が解除されることによって前記ループが前記第2の爪部材の前記他端部と前記第1の爪部材の前記他端部との係合部分において開放可能になることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2は、前記第1の爪部材の前記一端部は、第1の弾性部材によって付勢を受けた状態で前記本体部に軸支されて取り付けられており、前記第1の弾性部材の付勢方向に逆らって前記他端部を前記本体側に回動させると前記係合部分の係合が開放されることを特徴とする。
【0011】
更に、請求項3は、前記第2の爪部材には第2の弾性部材が取り付けられており前記ロック解除手段によって前記ロック機構による規制が解除された状態でも前記第2の弾性部材の付勢によって前記第2の爪部の他端部が前記前記第1の爪部材の前記他端部に係合保持されることを特徴とする。
【0012】
更にまた、請求項4は、前記ロック機構は電磁機構を含み、前記ロック解除手段は前記電磁機構を電子的に制御することにより前記ロック機構によるロック状態を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項5は、前記ロック機構は、前記電磁機構の非通電時にロック状態となり、前記電磁機構の通電時にロック状態が解除されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6は、更に、プログラムに従った処理を行うプログラム実行手段と、割り込み処理が発生したことを検出する割り込み検出手段とを備え、前記ロック解除手段は少なくとも前記割り込み検出手段によって前記割り込み処理の発生が検出されたことを条件にロック解除をおこなわせることを特徴とする。
【0015】
更に、請求項7は、更に、前記本体部には入力手段が備えられており、前記ロック解除手段は少なくとも前記割り込み検出手段によって前記割り込み処理の発生が検出され且つ前記入力手段による入力がなされた際にロック解除をおこなわせることを特徴とする。
【0016】
更にまた、請求項8は、前記割り込み検出手段は、外部からの着信を検出する着信検出手段であることを特徴とする。
【0017】
請求項9は、更に、前記本体部には入力手段が備えられており、前記ロック解除手段は前記入力手段による入力がなされた際にロック解除をおこなわせることを特徴とする。
【0018】
また、請求項10は、更に、通信手段を備え、この通信手段による通信が終了したとき前記ロック機構をロック状態に設定するロック設定手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
更に、請求項11は、更に、前記本体部には操作子が備えられており、前記ロック機構のロック状態が解除されている際に前記操作子の操作によって前記ロック機構をロック状態に設定するロック設定手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
更にまた、請求項12は、前記ロック解除手段によってロック状態が解除されてから所定時間後に前記ロック機構をロック状態に設定するロック設定手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項13は、前記第1の爪部材及び第2の爪部材は前記本体部を外部の衝撃から緩和する緩衝部材からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、機器本体部の取付けが確実でみだりに外れたりしないばかりか極めて容易に取り外しが可能な留め具付き機器が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の留め具付き機器の一例として折畳み開閉式の携帯電話機1の外観を示す図であり、図1(a)は、合成樹脂製の下本体部2と同じく合成樹脂製の上本体部3とを開いた状態、図1(b)は上本体部2と上本体部3とを閉じた状態を示している。
【0025】
下本体部2の表面には、各種の押釦式のキー釦4、モード選択や選択されたモードを実行させるため十字キー釦5、送話マイク6等が設けられており、下本体部2の裏面には、バッテリ(図示せず)を内部に収納するバッテリカバー8が設けられている。また、下本体部2の側面には押釦式のサイド釦として入力釦9A及び9Bが設けられているもので、この入力釦9A及び9Bの機能については後述する。
【0026】
上記下本体部2はヒンジ機構10を介して上本体部3に対し開閉可能となっているもので、上本体部3の表面には、上本体部2と上本体部3とを開いて使用する際に各種情報を表示するメイン表示部11及び受話スピーカ12が設けられている。また、図示していないが上本体部3の裏面部には、サブ表示部や撮像装置(カメラ)等が設けられている。
【0027】
更に、上本体部3の上面には止め具部材(留め具としての爪部材)13及び14が取り付けられていて、携帯電話機1をズボンのベルト通し部などのような被掛止物に掛止するための留め具機構部を構成している。
【0028】
図2は、上記止め具部材13及び14が取り付けられた留め具機構部の平面断面とこの留め具機構部を駆動する回路構成とを説明する図である。
【0029】
即ち、図2において、上本体部3の合成樹脂製のケース3Aの上部外表面には凹部3B及び3Cが設けられており、留め具部材13はその基部13Aが凹部3Bに設けられた軸3Dに軸支されると共にその先端部13Bが上下方向に回動可能に取り付けられており、留め具部材14はその基部14Aが凹部3Cに設けられた軸3Eに軸支されると共にその先端部14Bが上下方向に回動可能に取り付けられている。
【0030】
上記留め具部材13は、図示の如く全体が略L字状に形成され、外部の衝撃を緩和する緩衝部材、例えば合成樹脂から成り、上述した基部13Aから延出形成されている先端部13Bを有する他端部は、ケース3Aから離間した位置に配置されている。また、上記軸3Dに軸支されている基部13Aの下方端部には係止凸部13Cが形成され、軸3Dに対してこの係止凸部13Cの反対側にはバネ部材(弾性部材)15がケース3Aとの間で取り付けられていて、留め具部材13をその弾性力でケース3A側に引っ張る方向、即ち留め具部材13の先端部13Bを下方向に引っ張る方向にバネ力を与えている。
【0031】
更に、留め具部材13の上記係止凸部13Cには金属製のロック棒16の側面が係止されており、ロック棒16はケース3Aに取り付けられたバネ部材17によって留め具部材13側、即ち図示の上方側に押しつけられている。
【0032】
また、係止凸部13Cのロック棒16との係止面とは反対側の面は凹部3Bの内周面3Fに当接しており、留め具部材13の先端部13Bがケース3A方向に回転しない様に構成されている。
【0033】
留め具部材14は、図示の如く全体が略くの字状に形成された合成樹脂から成り、上述した基部14Aから延出形成されている先端部14Bを有する他端部は、ケース3Aから離間した位置に配置されている。また、上記軸3Eに軸支されている基部14Aの一端部には凸部14Cが形成され、この凸部14Cにはバネ部材18がケース3Aとの間で取り付けられている。このバネ部材18の弾性力は、留め具部材14が図2の状態を保つ程度のバネ力となっている。
【0034】
ケース3Aは、詳細は図示していないが、上述したメイン表示部11や受話スピーカ12の取り付け部やヒンジ機構10の取り付け部など各部において、外部からケース3A内部に水分などが侵入しない防水構造とされており、このケース3A内部の前記凹部3Bの底面に対向する位置には、電磁石19が配置されている。
【0035】
この電磁石19は、スイッチ部20を介して電池電源21の電圧が供給されて駆動する様に構成されており、電磁石19が駆動して磁力を発生することにより金属製のロック棒16がバネ部材17のバネ力に逆らって凹部3Bの底面側に引きつけられて移動し、係止凸部13Cとロック棒16の側面との係止状態が解除される様になっている。
【0036】
即ち、留め具部材13は、通常は係止凸部13Cがロック棒16の側面に係止されて先端部13Bが上方に回転しない様にロックされているが、電磁石19の駆動によってロック棒16が移動すると、ロック状態が解除されて留め具部材13は回動可能となり、その先端部13Bが上方に回転出来る状態となる。
【0037】
但し、留め具部材13には、バネ部材15のバネ力が働いているので、ロック状態が解除されただけでは上方に回転せず、留め具部材13にバネ部材15のバネ力に逆らった力が加わったときのみ上方への回転がなされる。
【0038】
上記スイッチ部20は、アンド回路22からの制御信号によってオン・オフ動作する例えばスイッチングトランジスタなどから構成され、アンド回路22は、後述する信号X及び信号Yが入力されたときに前記スイッチングトランジスタをオン動作させ電磁石19を駆動する制御信号を出力する。
【0039】
然して、図2の如く留め具部材13に対してロック棒16によるロック機構が働いている状態においては、留め具部材13の先端部13Bの下面が留め具部材14の先端部14Bの上面に係合しており、留め具部材13、留め具部材14及びケース3Aによって閉ループが形成されている。
【0040】
そして、留め具部材14は、バネ部材18のバネ力によって上記図2に示す状態の位置に安定して固定され、留め具部材13は、ロック棒16によるロック機構によって先端部13Bの上方への回転が規制され、また、バネ部材15によって先端部13Bの下方への力が加わっているが、先端部13B下面が留め具部材14の先端部14Bに係合していることによって下方への回転も規制された安定した状態となっている。
【0041】
上記図2の状態において、留め具機構を被掛止物であるズボン(図示せず)のベルト通し部などに係止させる場合には、指などで、図3に示す様に留め具部材14の先端部14Bをバネ部材18のバネによる付勢力に抗してケース3A側(図示左側)に押圧し、留め具部材14を回転させてその先端部14Bと留め具部材13の先端部13Bとの係合を解除させる。
【0042】
この動作により留め具部材14の先端部14Bと留め具部材13の先端部13Bとの間に隙間が出来るので、この隙間を利用して、留め具部材13の先端部13Bをベルト通し部23に挿通することが出来る。
【0043】
先端部13Bをベルト通し部23に挿通した後は、留め具部材14の先端部14Bに加えていた力を解除することにより、留め具部材14はバネ部材18の復帰力によりその先端部14Bが留め具部材13の先端部13Bと再度係合し、図4に示す様に、留め具部材13、留め具部材14及びケース3Aによって形成された閉ループの中にベルト通し部23を保持でき、これによって携帯電話機1を、ベルト通し部23を介してズボンに掛止させることが出来る。
【0044】
図5は、上記携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。中央制御部(CPU)30は、記憶部31内部のROM(図示せず)に記憶された各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置1の全体の動作を制御する。即ち、ROMのプログラム記憶領域には、後述する図7及び8に示すフローチャートを実行させるためのプログラムや各種機能のアプリケーションを実行させるためのプログラムなどが格納されており、中央制御部30は、これら各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体の動作を制御する。
【0045】
また、記憶部31には、ROM以外に各種機能のアプリケーションで使用される各種の情報を記憶する揮発性のメモリであるRAM或いは不揮発性メモリであるフラッシュメモリ(いずれも図示せず)等が備えられており、更に、詳細を後述する図6のフラグメモリ31A乃至31Dも備えられている。
【0046】
無線通信部32は、電話の通話機能としての動作時にはアンテナ33から取り込んだ音声の無線信号を受信ベースバンド信号に復調した後に、音声信号処理部34を介して受話スピーカ35(図1の受話スピーカ12に該当する)から音声出力させる。また、送話マイク36(図1の送話マイク6に該当する)から入力された音声信号を音声信号処理部34で処理させた後に無線通信部32に送り、無線通信部32では音声信号を送信ベースバンド信号に符号化したのちにアンテナ33から送信出力させる。
【0047】
また、電子メール機能、インターネット接続機能及びデジタル放送受信機能等の動作時には、アンテナ33及び無線通信部32を介して電子メールの送受信、Webサイトの閲覧及びデジタル放送の受信等が可能であり、電子メールの送受信情報、Webサイトの閲覧情報及び放送受信画像等は表示部37(図2のメイン表示部11に該当する)に与えられて表示出力される。
【0048】
表示部37は、例えば、ドットマトリクスタイプの液晶表示装置あるいはEL表示装置から構成され、電話機として必要な情報(相手方の電話番号、電波受信状態、電池残量等の情報)を表示するとともに、上述した電子メールやWebサイトの情報及び放送受信画像や記憶部31に記憶された各種情報、或いは後述する計時部41で得られる現在時刻情報や設定されたスケジュールなどのアラーム時刻情報及びスケジュール情報等も表示する。
【0049】
操作部38は、図1で示したキー釦4や十字キー釦5、入力釦9A及び9B等から構成され各種情報を入力する。尚、キー釦4については、詳細は図示していないが例えば文字及び数値を入力するキー釦、電話機能の受話開始(オフフック)キー釦、終話(オンフック)キー釦、電源オン及びオフキー釦、各種のアプリケーションを動作させるキー釦、後述するフラグを設定するためのキー釦などが設けられている。
【0050】
アプリ処理関係部39は、各種機能のアプリケーションを処理するもので、例えば、上述した電子メール機能、インターネット接続機能及びデジタル放送受信機能等以外にも、例えば音声や音楽の録音及び再生機能、カメラ機能などの各種機能の処理を実行する。
【0051】
電源部40は、図2で示した電池電源21と、この電源電池21の電池電圧が低下した際に各回路部をバックアップするバックアップ電池(図示せず)とからなり、図2で示した電磁石19以外に、図5の各回路部に駆動電圧を供給するものである。
【0052】
計時部41は、詳細は図示していないが、基準信号を計数して現在の年、日付、曜日、時分等の現在時刻情報を得る時計回路部、操作部38から入力されたアラーム時刻情報及びスケジュール内容を記憶するアラーム時刻記憶回路部、上記現在時刻情報とアラーム時刻情報との一致を検出して一致信号を出力する一致検出回路等から構成されており、上記現在時刻情報、アラーム時刻情報、スケジュール内容及び一致信号は夫々中央制御部30に供給される。
【0053】
留め具機構部42は、図2で示したケース3A、軸3D及び3E、止め具部材13及び14、バネ部材15、17及び18、ロック棒16等から構成される機構であり、ロック制御部43は、上記ロック棒16を移動させる電磁石19、スイッチ部20、アンド回路22等から構成され、留め具機構42のロック棒16を移動させて止め具部材13及び14による掛止動作をロック状態(以下、ロックONと述べる場合もある)及びロック解除状態(以下、ロックOFFと述べる場合もある)に制御する回路部である。
【0054】
図6は、上記留め具機構部42のロック解除を制御する記憶部31のフラグメモリ31A乃至31D及びそのフラグの内容を説明する図である。図6(a)のフラグメモリ31Aは、着信があった際に上記ロック解除を自動的に行わせるか否かを制御するためのフラグを記憶するもので、フラグメモリ31Aにフラグが設定されている(「1」が記憶されている)ときはロック解除動作を行い、フラグが設定されていない(「0」が記憶されている)ときは着信があってもロック解除動作を行わないように制御される。
【0055】
また、フラグメモリ31Aにフラグが設定されている状態において、フラグメモリ31Bにフラグが設定されていないときにはモード1として着信状態になったという条件のみでロック解除がなされ、フラグメモリ31Bにフラグが設定されているときにはモード2として着信状態になり且つ図1で示したサイド釦である入力釦9Aが操作されたという両方の条件を満たしたときのみロック解除がなされるものである。
【0056】
図6(b)は、上述したフラグメモリ31A及び31Bの内容によって制御される状態を説明するもので、「自動ロック解除設定1」は着信時にロック解除させるか否かの設定を意味し、「OFF」はフラグメモリ31Aにフラグ設定がなされていないこと、「ON」はフラグ設定がなされていることを意味し、モード1はフラグメモリ31Bにフラグが設定されていないこと、モード2はフラグメモリ31Bにフラグが設定されていることを意味している。
【0057】
図6(c)のフラグメモリ31Cは、アラーム時刻に至った際に上記ロック解除を自動的に行わせるか否かを制御するためのフラグを記憶するもので、フラグメモリ31Cにフラグが設定されている(「1」が記憶されている)ときはロック解除動作を行い、フラグが設定されていない(「0」が記憶されている)ときはロック解除動作を行わないように制御される。
【0058】
また、フラグメモリ31Cにフラグが設定されている状態において、フラグメモリ31Dにフラグが設定されていないときにはモード1として現在時刻がアラーム時刻に一致してアラーム報知がなされているという条件のみでロック解除動作がなされ、フラグメモリ31Bにフラグが設定されているときにはモード2としてアラーム時刻になってアラーム報知がなされていて且つ図1で示したサイド釦である入力釦9が操作されたという条件でロック解除動作がなされるものである。
【0059】
図6(d)は、上述したフラグメモリ31C及び31Dの内容によって制御される状態を説明するもので、「自動ロック解除設定2」はアラーム時刻になった際にロック解除させるか否かの設定を意味し、「OFF」はフラグメモリ31Cにフラグ設定がなされていないこと、「ON」はフラグ設定がなされていることを意味し、モード1はフラグメモリ31Dにフラグが設定されていないこと、モード2はフラグメモリ31Dにフラグが設定されていることを意味している。
【0060】
尚、上記フラグメモリ31A乃至31Dのフラグは、この携帯電話機1の使用者が操作部38のキー釦の操作を行って任意に設定されるものである。
【0061】
次に、上記の如く構成された携帯電話機1の動作につき、図7及び図8の動作フローチャートを参照して説明する。
【0062】
図7において、ステップA1は、電源オフ状態において操作部38の電源キー釦が操作されたか否かを判別(検出)する処理で、電源キー釦が操作されたことが判別されるとステップA2に進んで携帯電話装置1の各回路部を初期化すると共に必要な駆動電圧を供給する。この処理の場合、ロック制御部43においては、電源投入による不安定な電圧変化によってスイッチ部20のスイッチングトランジスタがオン状態に設定されてしまう可能性があるので、スイッチングトランジスタをオフ状態にする処理がなされ、ロック機構をロックON状態(ロック状態)に設定する。
【0063】
次のステップA3では、この携帯電話機1宛の着信を受信可能な状態にする待受処理が実行され、次のステップA4では着信の有無が判断(検出)される。着信がない場合には、図8のステップB1に進み、現在時刻情報がアラーム時刻情報に一致したか否かの検出がなされ、一致していない場合にはステップB2に進み、この携帯電話機1の使用者によって操作部38のキー釦操作がなされたか否かが判断され、キー釦操作がなされていない場合には図7のステップA3に戻り、以後、ステップA3、A4、B1及びB2の処理を繰り返す。
【0064】
このような状態で、ステップA4において着信が検出されると、ステップA5以降の処理が割り込み処理として実行される。即ち、ステップA5では、着信時にロック解除を行わせる自動ロック解除設定1が設定されているか否か、つまり、フラグメモリ31Aにフラグが設定されているか否かが判断される。
【0065】
フラグメモリ31Aにフラグが設定されていた場合は、自動ロック解除設定1がON状態に設定されている場合なので、ロック制御部43のアンド回路22の一方の入力端子の信号Xに「1」信号を供給する処理を行った後ステップA6に進み、フラグメモリ31Bにフラグが設定されているか否か、即ち、図6(b)のモード1、モード2のいずれに設定されているかが判断される。
【0066】
モード1が設定されていた場合(ステップA6でNo)には、ステップA9に進んでアンド回路22の他方の入力端子の信号Yに「1」信号を供給する処理が行われる。これによってアンド回路22の入力信号X及びYはいずれも「1」となり、アンド回路22からはスイッチ部20をオン状態にする信号が出力され、電磁石19が駆動し、ロック棒16がケース3A側に移動するので、留め具部材13のロックが解除(ロックOFF)される。
【0067】
即ち、モード1が設定されていた場合には、着信割り込みがあると留め具部材13のロックが解除される。従って、留め具部材13の先端部13Bを持ち上げるか或いは携帯電話機1をベルト通し部23から離れる方向に移動させると、バネ部材15のバネ力に抗して留め具部材13の先端部13Bが上方に回転し、図9に示す様に、先端部13Bと留め具部材14の先端部14Aとの間に隙間が出来るので留め具部材13をベルト通し部23から抜き出すことが可能になる。
【0068】
一方、ステップA6においてモード2が設定されていたことが検出されるとステップA7に進む。ステップA7では、ロック解除の為の操作、即ち入力釦9Aによる入力操作がなされたか否かが判断される。
【0069】
入力釦9Aによる入力操作がなされた場合にはステップA9に進み、上述した如くアンド回路22の他方の入力端子の信号Yに「1」信号を供給する処理が行われ、これによって留め具部材13のロックが解除され、携帯電話機1をベルト通し部23から抜き出すことが可能になる。
【0070】
ステップA9で入力釦9Aによる入力操作がなされなかった場合にはステップA8に進み、着信状態が終了したか否かが判断される。このステップA8の処理は、着信に対して応答しない為に、電話をかけてきた相手が呼び出しを終了させたか否か、或いは、携帯電話機1の使用者が着信を拒否する操作などを行ったか否かを検出する処理であり、着信状態の終了が検出されなかった場合には、上記ステップA6に戻り、ステップA7、A8を繰り返すが、終了が検出された場合にはステップA3の待受処理に戻る。
【0071】
ステップA5で自動ロック解除設定1が設定されていなかった場合、及びステップA9でロック解除がなされた場合にはステップA10に進み、オフフックキー釦の操作がなされたか否かが判断される。
【0072】
オフフックの操作がなされなかった場合にはステップA11に進み、ステップA8同様に着信状態の終了処理がなされたか否かが判断され、終了処理がなされない場合にはステップA10に戻る処理を繰り返す。
【0073】
ステップA10でオフフックの操作がなされたことが検出されると、ステップA12に進み、図5のアンテナ33、無線通信部32、音声信号処理部34、受話スピーカ35及び送話マイク36を動作させて電話をかけてきた相手との通話処理が実行されると共に、次のステップA13で、通話終了の為にオンフックのキー釦操作がなされたか否かが判断される。
【0074】
オンフック操作がなされない場合にはステップA12に戻り通話処理を継続するが、オフフック操作がなされた場合にはステップA14に進み、ロック機構が解除されている状態であるか否かが判断され、ロック機構が解除されている状態の場合にはステップA15に進んでスイッチ部20をオフ状態に設定し、ロック機構をロック状態に設定した後ステップA3の待受処理に戻る。
【0075】
また、ステップA11で着信状態の終了が検出された場合にも同様にステップA14に進んでロック機構が解除されている状態か否かが判断され、解除されている場合にはステップA15でロック機構をロック状態に設定する。
【0076】
即ち、ステップA9を介してステップA14に進んできた場合には、ロック機構が解除されているので、そのまま、携帯電話機1の留め具機構部42をベルト通し部23に掛止させると、ロックが解除されているので外部から強い力が加わったときには留め具機構部42がベルト通し部23から外れ、携帯電話機1が落下し破損してしまう虞があり、これを防止するため、通話終了時、或いは着信状態の終了時に自動的にロック状態に設定するものである。
【0077】
尚、通話終了時に直ちにロック状態に設定しても、図3で説明した如く、ロック状態でもベルト通し部23に掛止できるので何の不都合も生じないものである。
【0078】
然して、上述した如く図7のステップA3において待受処理がなされ、次のステップA4で着信が検出されなかったときには図8のステップB1に進み、現在時刻がアラーム時刻に至ったか否かの検出がなされる。
【0079】
アラーム時刻に至ったことが検出された場合には、ステップB3のアラーム処理が割り込み処理として実行される。このステップB3では、アラームの報音処理がなされると共に、図7のステップA5乃至A15と同様(但し、通話に関連する処理は除く)のロック解除及びロック設定の処理がなされる。
【0080】
即ち、図7のステップA5では、自動ロック解除設定1がON状態か否かが判別されたが、ステップB3では、図6(c)及び(d)で説明した自動ロック解除設定2がON状態か否かが判断され、フラグメモリ31Cにフラグが設定されていた場合は、フラグメモリ31Dにフラグが設定されているか否か、即ちモード1かモード2かを判断し、モード1の場合にはアラーム音の報知中ロックを解除し、モード2の場合にはアラーム音の報知中で且つ入力釦9Aが操作されたことを条件にロックを解除するものである。
【0081】
これによって、携帯電話機1をベルト通し部23から直ちに外すことが出来、例えばアラーム時刻になりアラーム報音がなされている間に表示部37に表示されているアラーム時刻やスケジュール内容を読み取ることやアラームの報音を停止操作させることが出来る。
【0082】
そして、アラームの報音が停止されると、図7のステップA14及びA15と同様にロックON状態に設定されるものである。
【0083】
上記ステップB1で、アラーム時刻に至っていないことが検出された際にはステップB2でキー釦操作の検出処理が行われ、釦操作が検出されたときにはステップB4に進む。
【0084】
ステップB4においては、操作されたキー釦がロック解除(ロックOFF)のための入力釦9Aであるか否かが判断される。
【0085】
入力釦9Aの操作であった場合には、ステップB5に進み、ロック制御部43のアンド回路22の入力信号X及びYに夫々「1」の信号を送り、ロック機構のロックを解除する。
【0086】
即ち、着信時やアラーム報音時には、無条件にロック解除(モード1の場合)或いは着信中や報音中の入力釦9Aの操作によってロック解除(モード2の場合)がなされるが、待受状態においては、入力釦9Aの操作だけで無条件にロック解除がなされる。
【0087】
これは、例えば待ち受け時には、電子メールの作成やインターネットの接続或いはデジタル放送の受信、音楽再生など各種機能を動作させるものであり、そのために携帯電話機1をベルト通し部23から外すのに入力釦9Aの操作だけでロックを解除するものである。
【0088】
次のステップB6では、ロック機構をロックON状態に設定するための入力釦9Bの操作がなされたか否かが判断され、入力釦9Bの操作がなされた場合には次のステップB7においてロック機構が直ちにロックONに設定される。また、入力釦9Bの操作がなされなかった場合であっても、ロック解除がなされてから予め定められた所定時間、例えば1分間が経過したことがステップB8で検出されるとステップB7に進んでロック機構がロック状態に設定される。
【0089】
即ち、上述した機能の動作が短時間の場合であって、機能動作終了後ベルト通し部23に掛止させた場合には、掛け紙した後にロック設定の為の入力釦9Bを操作すればよいが、もし、操作を忘れた場合であってもステップB8及びB7によって自動的にロックを掛けることが出来る。
【0090】
尚、機能動作の使用が上記所定時間を超える長時間にわたる場合にあっては、使用中にロックが掛かってしまうが図3で説明した如く、ロック状態でもベルト通し部23に掛止できるので何の不都合も生じないものである。
【0091】
然して、ステップB4で入力釦9Aによるロック解除の操作でなかった場合にはステップB9に進み、操作されたキー釦が電源オフキー釦の操作であるか否かの判断がなされ、電源オフキー釦の操作であった場合には、ステップB10に進んで携帯電話機1の電源をオフして処理を終了する。
【0092】
また、電源オフキーの操作でない場合にはステップB11に進み、操作されたキー釦に対応する処理、例えば電子メール機能、インターネット接続機能及びデジタル放送受信機能、アラーム時刻の設定、音楽再生など各種アプリケーションの実行処理を行ない、その後ステップA3の待受処理に戻る。
【0093】
以上の如く、上述した携帯電話機1の留め具機構42にあっては、上本体部3のケース3Aに回動可能に取り付けられた留め具部材13と14とを用いて携帯電話機1をズボンのベルト通し部23に掛止することが出来、留め具部材13には回動を規制するロック機構が設けられているのでロックを解除しない限りは留め具機構42がベルト通しから外れることが無く、携帯電話機1の落下及び落下による破損などを防止し得る。また、電磁石19の駆動によりロックは容易にロック解除出来るので、着信などによって携帯電話機1を使用する際には極めて迅速にベルト通し部23から外すことが可能である。
【0094】
また、図2等から明らかな様に、留め具部材13は、軸3Dに軸支されている部分からその先端部13B迄の長さが、留め具部材14の軸3Eに軸支されている部分からその先端部14B迄の長さに対して長く形成されているので、留め具部材14を回動させるよりもわずかの力で回動出来、また、留め具部材13のわずかな回動で先端部13Bと先端部14Bとの間に隙間を生じさせることができるので、携帯電話機1の取り外しが極めて容易となるものである。
【0095】
また、留め具部材14は、バネ部材18の弾性力によって付勢を受けた状態で前記本体部に軸支されて取り付けられており、バネ部材18の付勢方向に逆らって前記先端部14Bをケース3A側に回転させることにより留め具部材13の先端部13Bとの間に隙間が生じるので、留め具部材13がロック状態であっても容易にベルト通し部23に掛止させることが出来る。
【0096】
更に、留め具部材13にはバネ部材15が取り付けられており前記ロック機構によるロック規制が解除された状態でも前記バネ部材15の付勢によって留め具部材14との係合が保持されるので、携帯電話機1の掛止が外れることを防止し得る。
【0097】
更にまた、前記ロック機構はケース3A内部に配置された電磁石19の駆動によってロックが解除されるので、電子的にロック状態を制御することが出来、また、携帯電話機1内部の防水状態を維持しながらロック制御が可能である。
【0098】
また、前記ロック機構は、前記電磁機構の非通電時にロック状態となり、前記電磁機構の通電時にロック状態が解除されるので、無駄な電力消費をなくすことが出来る。
【0099】
更に、前記ロック解除は少なくとも着信や、アラーム報音時等の割り込み処理が発生した際に実行されるので、携帯電話機1の使用時に直ちに対応できる。
【0100】
更にまた、携帯電話機1には、入力釦9Aが備えられており、前記ロックの解除は、少なくとも前記割り込み処理の発生と入力釦9Aの入力操作によって実行されるようにもできるので、割り込みが発生してロックが解除され掛止が外れて携帯電話機1が落下してしまうと行ったことを防止し得る。
【0101】
尚、入力釦9Aの替わりに、或いは入力釦9A以外に例えば音声認識手段を設け、外部から入力された音声が所定の音声であった場合にロックを解除させることも出来る。
【0102】
また、ロックの解除は、外部からの着信を検出した際になされるので、着信に対して迅速に対応できる。
【0103】
更に、ロックの解除は前記入力釦9Aの操作だけでも行わせることが出来るので、携帯電話機1の使用時には直ちに掛止を外して使用することが出来る。
【0104】
また、着信等の通信に対して通話応答した後自動的に前記ロック機構がロック状態に設定されるのでロックのし忘れといったことを防止し得る。この場合、着信以外に外部からのデータの受信や放送の受信といった通信手段に対しても通信終了後にロック状態にさせることが出来る
【0105】
更に、入力釦9Bによってロック状態が解除されているロック機構を直ちにロック状態に設定出来るので、極めて容易にロック設定が成し得る。
【0106】
また、ロック状態が解除されてから所定時間後に自動的にロック機構をロック状態に設定するのでロックのし忘れを防止し得る。
【0107】
更に、留め具部材13及び14は、上本体部3の上部に緩衝部材として機能する合成樹脂製の部材から構成されているので携帯電話機1を外部の衝撃から緩和する役目も果たす。
【0108】
尚、上記の実施例では、ステップA13で着信に応答する通話が終了した後、ステップA15で直ちにロック機構をロック状態に設定する様に構成されているが、例えば、通話終了後、ステップB6に示した様な所定時間経過したか否かを検出する処理を追加し、所定時間経過したことが検知された際にロック機構をロック状態に設定する様にしても良い。
【0109】
また、上記実施例では、着信或いはアラーム時刻の割り込みに対して終了後に自動的にロックを掛ける様にしたが、他の機能、例えば、インターネット閲覧、放送受信、音楽再生などの各アプリケーションの動作が終了した際に自動的にロックを掛ける様にしても良い。この場合、上記着信時と同様に、直ちにロックを掛けたり、所定時間経過後にロックを掛けたりさせることが出来る。
【0110】
更に、本体部に対して留め具機構42が設けられる位置及びその構造は上記実施例には限定されず、例えば、留め具部材13は、その先端部13Bが上方に回転した後バネ部材15によって元の位置に復帰する様に構成されているが、他の手段で復帰させる様にしても良く、また、他の構造、例えば電気的制御によって自動的に復帰させるなどしても良い。
【0111】
更に、上記実施例では、携帯電話機1のケース3Aに留め具機構42を設けたが、例えばケース3Aを覆う耐衝撃性の緩衝部材を設け、この緩衝部材に留め具機構42を設けても良く、また、携帯電話機1が挿入保持される外部ケースを設け、この外部ケースに留め具機構42を設けても良い。この場合、上記携帯電話機1を含む緩衝部材や外部ケースが本発明の本体部に該当することになる。
【0112】
更に、上記実施例では、本発明を携帯電話機1に適用した例について述べたが、本発明はデジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、音楽プレーヤ、PDAなど、留め具機構を備えた機器であれば、どのような機器であっても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の携帯電話機1の外観図。
【図2】携帯電話機1の留め具機構の構成を説明する図。
【図3】留め具機構をベルト通し部23に掛止する状態を示す図。
【図4】留め具機構をベルト通し部23に掛止した後の状態を示す図。
【図5】携帯電話機1の構成を示すフロック図。
【図6】図5の記憶部31のフラグメモリとその内容を説明する図。
【図7】携帯電話機1の動作を示すフローチャート図。
【図8】同じく携帯電話機1の動作を示すフローチャート図。
【図9】留め具機構をベルト通し部23から外す状態を示す図。
【符号の説明】
【0114】
1 携帯電話機
2 下本体部
3 上本体部
3A ケース
13 留め具部材
14 留め具部材
16 ロック棒
19 電磁石
20 スイッチ部
31 記憶部
32 無線通信部
33 アンテナ
34 音声信号処理部
37 表示部
38 操作部
41 計時部
42 留め具機構部
43 ロック制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部を被掛止物に掛止するための留め具機構を有する留め具付き機器であって、
前記留め具機構は、
一端部が前記本体部に取り付けられ他端部が前記本体部より離間した位置に配置される第1の爪部材と、
一端部が前記本体部に取り付けられ他端部が前記第1の爪部材の前記他端部に係合して前記本体部及び前記第1の爪部材と共にループを形成する第2の爪部材と、
この第2の爪部材の前記他端部と前記第1の爪部材の前記他端部との係合状態を保持するために前記第2の爪部材の動きを規制するロック機構と、
このロック機構による前記第2の爪部材の動きの規制を解除するロック解除手段と、
を備え、
このロック解除手段によって前記ロック機構による規制が解除されることによって前記ループが前記第2の爪部材の前記他端部と前記第1の爪部材の前記他端部との係合部分において開放可能になることを特徴とする留め具付き機器。
【請求項2】
前記第1の爪部材の前記一端部は、第1の弾性部材によって付勢を受けた状態で前記本体部に軸支されて取り付けられており、前記第1の弾性部材の付勢方向に逆らって前記他端部を前記本体側に回動させると前記係合部分の係合が開放されることを特徴とする請求項1に記載の留め具付き機器。
【請求項3】
前記第2の爪部材には第2の弾性部材が取り付けられており前記ロック解除手段によって前記ロック機構による規制が解除された状態でも前記第2の弾性部材の付勢によって前記第2の爪部の他端部が前記前記第1の爪部材の前記他端部に係合保持されることを特徴とする請求項1に記載の留め具付き機器。
【請求項4】
前記ロック機構は電磁機構を含み、前記ロック解除手段は前記電磁機構を電子的に制御することにより前記ロック機構によるロック状態を制御することを特徴とする請求項1に記載の留め具付き機器。
【請求項5】
前記ロック機構は、前記電磁機構の非通電時にロック状態となり、前記電磁機構の通電時にロック状態が解除されることを特徴とする請求項4に記載の留め具付き機器。
【請求項6】
更に、プログラムに従った処理を行うプログラム実行手段と、割り込み処理が発生したことを検出する割り込み検出手段とを備え、前記ロック解除手段は少なくとも前記割り込み検出手段によって前記割り込み処理の発生が検出されたことを条件にロック解除をおこなわせることを特徴とする請求項1に記載の留め具付き機器。
【請求項7】
更に、前記本体部には入力手段が備えられており、前記ロック解除手段は少なくとも前記割り込み検出手段によって前記割り込み処理の発生が検出され且つ前記入力手段による入力がなされた際にロック解除をおこなわせることを特徴とする請求項6に記載の留め具付き機器。
【請求項8】
前記割り込み検出手段は、外部からの着信を検出する着信検出手段であることを特徴とする請求項6又は7に記載の留め具付き機器。
【請求項9】
更に、前記本体部には入力手段が備えられており、前記ロック解除手段は前記入力手段による入力がなされた際にロック解除をおこなわせることを特徴とする請求項1に記載の留め具付き機器。
【請求項10】
更に、通信手段を備え、この通信手段による通信が終了したとき前記ロック機構をロック状態に設定するロック設定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の留め具付き機器。
【請求項11】
更に、前記本体部には操作子が備えられており、前記ロック機構のロック状態が解除されている際に前記操作子の操作によって前記ロック機構をロック状態に設定するロック設定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の留め具付き機器。
【請求項12】
前記ロック解除手段によってロック状態が解除されてから所定時間後に前記ロック機構をロック状態に設定するロック設定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の留め具付き機器。
【請求項13】
前記第1の爪部材及び第2の爪部材は前記本体部を外部の衝撃から緩和する緩衝部材からなることを特徴とする請求項1に記載の留め具付き機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−11126(P2010−11126A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168538(P2008−168538)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】