説明

留め具及びキャップの接続構造

【課題】構成が簡易であると共に、キャップへの着脱が容易であり、且つ再使用が可能な留め具と、この留め具を用いたキャップと保護管との接続構造とを提供する。
【解決手段】留め具1は、保護管10の管軸心線方向の端部に被着されたキャップ12を該保護管10に固定するためのものである。留め具1は、保護管10に外嵌したキャップ12の筒状部12aを取り巻く略C字形状のものである。留め具1の内周側の直径は、全体として、筒状部12aの外周側の直径よりも小さいものとなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に配管や配線が引き通される保護管の管軸方向の端部に被着されたキャップを該保護管に固定するための留め具と、この留め具を用いたキャップの保護管への接続構造とに関する。
【背景技術】
【0002】
中空管状の保護管の内部に配管や配線(以下、これらを総称して配管等という。)を引き通して配管等を保護したり、配管等を束ねたりすることが広く行われている。
【0003】
特許文献1(特開2000−146205号)には、保護管の管軸方向の端部にキャップを装着し、このキャップで保護管の端部を塞ぐことが記載されている。保護管内に引き通された配管等は、このキャップに設けられた導出口から保護管の外部に引き出されている。
【0004】
特許文献2(特開2005−201560号)には、このキャップの外周面にバンドを巻き付け、このバンドによりキャップを保護管に固定することが記載されている。
【0005】
特許文献3(特開2005−180546号)には、キャップの内周面に爪を設け、この爪を保護管の外周面に食い込ませることにより、キャップが保護管から外れることを防止した構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−146205号
【特許文献2】特開2005−201560号
【特許文献3】特開2005−180546号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のようにキャップを保護管に被せただけでは、配管等の熱収縮や、配管等が接続された機器の振動等により、キャップが保護管から外れ、保護管の内部に塵埃、雨水、虫等の異物が侵入するおそれがある。
【0008】
特許文献2にあっては、キャップをバンドで保護管に固定するので、配管等の熱収縮や、配管等が接続された機器の振動等によりキャップが保護管から脱落することを防止することができる。しかしながら、バンドをキャップに巻き付けて結束する作業は面倒である。また、一度バンドでキャップを固定してしまうと、このバンドを切断しない限り、キャップの固定を解除することができない。そのため、配管等の取り回しの変更など、保護管から再度キャップを取り外して作業する必要がある場合には、この作業が煩雑なものとなる。さらに、切断されたバンドは、再使用することができない。
【0009】
特許文献3では、キャップの内周面に爪を設ける必要があるため、キャップを製造するための金型が複雑なものとなり、コスト高となる。
【0010】
本発明は、構成が簡易であると共に、キャップへの着脱が容易であり、且つ再使用が可能な留め具と、この留め具を用いたキャップの保護管への接続構造とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明(請求項1)の留め具は、内部に配管又は配線が引き通される中空管状の保護管の管軸心線方向の端部に被着されたキャップを該保護管に固定するための留め具であって、該保護管の外周面に外嵌する筒状部を有したキャップの該筒状部を該保護管の外周面に固定するように構成された留め具において、該留め具は、該筒状部をその周方向に取り巻く略C字形状のものであり、該留め具の内周側の直径は、該筒状部の外周側の直径よりも小さいことを特徴とするものである。
【0012】
請求項2の留め具は、請求項1において、前記留め具は、前記キャップの前記筒状部を両側から挟み込む1対の腕状部と、該腕状部の一端側同士を連結した基部とを有しており、該腕状部の他端側同士は非連結とされており、これにより、該留め具は、全体として、該筒状部を前記周方向に取り巻く略C字形状のものとなっており、該腕状部同士の間の最大間隔Dが該筒状部の外周側の直径よりも小さいことを特徴とするものである。
【0013】
請求項3の留め具は、請求項2において、前記保護管及び前記キャップの前記筒状部は、それぞれ、前記管軸心線方向と直交方向の断面形状が略楕円形状となっているものであり、前記留め具の前記腕状部同士の間の最大間隔Dは、該筒状部の内周側の長径Dよりも小であり、それらの差ΔD=D−Dは、0.3mm以上であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4の留め具は、請求項3において、前記腕状部の前記他端側同士の間隔Aは、0mmよりも大きく、且つ、前記筒状部の外周側の短径D以下であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5の留め具は、請求項1において、前記保護管及び前記キャップの前記筒状部は、それぞれ、前記管軸心線方向と直交方向の断面形状が略楕円形状となっているものであり、前記留め具は、略楕円形状に延在しており、該留め具の内周側の長径Dは、該筒状部の内周側の長径Dよりも小であり、それらの差ΔD=D−Dは、0.3mm以上であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項6の留め具は、請求項5において、前記留め具の延在方向の両端部同士の間隔Aは、前記キャップの前記筒状部の外周側の短径Dよりも大であることを特徴とするものである。
【0017】
請求項7の留め具は、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記留め具は拡径方向に弾性変形可能であることを特徴とするものである。
【0018】
請求項8の留め具は、請求項1ないし7のいずれか1項において、前記留め具は合成樹脂よりなることを特徴とするものである。
【0019】
請求項9の留め具は、請求項1ないし8のいずれか1項において、前記留め具から前記保護管及び前記キャップの少なくとも一方に係合する凸部が突設されていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項10の留付具は、請求項9において、前記凸部は、前記留め具の内周面から該留め具の縮径方向へ張り出していることを特徴とするものである。
【0021】
請求項11の留め具は、請求項9又は10において、前記凸部は、前記留め具の前記周方向に位置を異ならせて複数個設けられていることを特徴とするものである。
【0022】
本発明(請求項12)のキャップの接続構造は、内部に配管又は配線が引き通された中空管状の保護管の管軸心線方向の端部にキャップが被着され、該キャップが留め具によって該保護管に固定された接続構造であって、該キャップは、該保護管の外周面に外嵌した筒状部を有しており、該筒状部が該留め具によって該保護管の外周面に固定されたキャップの接続構造において、該留め具は、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の留め具であることを特徴とするものである。
【0023】
請求項13のキャップの接続構造は、請求項12において、前記筒状部の外周面に、該筒状部に嵌着された前記留め具が係合する溝が設けられており、該溝の底部に、少なくとも部分的に、該筒状部の外周側と内周側とを連通した開口部が設けられており、該溝に係合した該留め具の少なくとも一部が該開口部を介して前記保護管の外周面に当接していることを特徴とするものである。
【0024】
請求項14のキャップの接続構造は、請求項13において、前記留め具は、請求項9ないし11のいずれか1項に記載のものであり、前記開口部を介して前記凸部が前記保護管の外周面に食い込んでいることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明(請求項1)の留め具は、キャップの筒状部をその周方向に取り巻く略C字形状のものであり、この留め具の内周側の直径は、該筒状部の外周側の直径よりも小さくなっている。なお、この留め具の直径(請求項2における留め具の腕状部同士の間の最大間隔D、及び、請求項5における略楕円形の留め具の長径Dを含む。)とは、留め具がキャップの筒状部に外嵌しておらず、且つ留め具に該留め具を変形させるように外力が加えられていない状態における直径をいう。請求項4における留め具の腕状部の他端側同士の間隔A及び請求項6における留め具の延在方向の両端部同士の間隔Aも、この状態における間隔をいう。また、キャップの筒状部の直径(請求項3〜6における長径D(内周側)及び短径D(外周側)を含む。)とは、該筒状部に留め具が嵌着されていない状態における直径をいう。
【0026】
この留め具は、構成が簡易であるため、比較的低コストにて製造することができる。また、この留め具にあっては、その延在方向の両端部(以下、単に両端部という。)同士の間の開放部を介してキャップに比較的容易に着脱することができる。これにより、キャップの保護管への接続作業を容易に行うことができると共に、キャップの保護管からの取り外し作業及び再接続作業も容易に行うことができる。その結果、保護管及びキャップ付き配管等を効率よく施工することができる。しかも、この留め具は、キャップから取り外した後も再使用が可能であるため、経済的である。
【0027】
請求項2の留め具は、キャップの筒状部を両側から挟み込む1対の腕状部と、該腕状部の一端側(以下、基端側ということがある。)同士を連結した基部とを有しており、該腕状部の他端側(以下、先端側ということがある。)同士は非連結とされている。該腕状部同士の間の最大間隔Dは、キャップの筒状部の外周側の直径よりも小さいものとなっている。この留め具をキャップの筒状部に嵌着させる場合には、腕状部の先端部同士の間の開放部から該留め具の内側(腕状部同士の間)にキャップの筒状部を入り込ませる。これにより、キャップの筒状部及び保護管が両側から腕状部によって挟み付けられ、キャップが保護管に固定される。留め具を取り外す場合には、留め具の開放部からキャップの筒状部を抜け出させればよい。この請求項2の留め具は、構成が簡易であり、またキャップへの着脱を比較的容易に行うことができると共に、再使用も可能である。
【0028】
この請求項2の留め具を、管軸心線方向と直交方向の断面形状(以下、単に断面形状という。)が略楕円形状となっている保護管とキャップとの接続構造に用いる場合、請求項3の通り、腕状部同士の間の最大間隔Dをキャップの筒状部の内周側の長径Dよりも小とし、それらの差ΔD=D−Dを0.3mm以上とすることが好ましい。この態様では、留め具は、腕状部同士が筒状部をその長径D方向の両側から挟み込むように嵌着される。その際、腕状部同士の間の最大間隔Dは該筒状部の内周側の長径Dよりも0.3mm以上小さいので、これらの腕状部によって十分に該筒状部を保護管の外周面に押さえ付けてキャップを保護管に固定することができる。
【0029】
また、この場合、請求項4の通り、腕状部の先端部同士の間隔Aは、0mmよりも大きく、且つ、キャップの筒状部の外周側の短径D以下であることが好ましい。このように構成した場合、腕状部がキャップを介して保護管に十分に食い込むので、キャップを保護管から十分に抜けにくくすることができる。
【0030】
なお、本発明において、保護管及びキャップの断面形状が略楕円形状であるとは、中空管状の保護管の内部に配管等を2本以上挿入した状態において形を成す該保護管及びキャップの断面形状が、一直径方向に引き延ばされた円形状となっていることをいう。この断面形状は、保護管及びキャップがその弾性範囲内において変形した状態となっているときのものも含む。
【0031】
請求項5の留め具も、請求項3の留め具と同様に、管軸心線方向と直交方向の断面形状が略楕円形状となっている保護管とキャップとの接続構造に用いられるものである。請求項5では、この留め具自体も、略楕円形状に延在したものとなっている。この態様にあっては、留め具の内周側の長径Dをキャップの筒状部の内周側の長径Dよりも小とし、それらの差ΔD=D−Dを0.3mm以上とすることが好ましい。このように構成することにより、留め具は、十分に該筒状部を保護管の外周面に押さえ付けてキャップを保護管に固定することができる。
【0032】
なお、請求項5において、留め具が略楕円形状に延在しているとは、この保護管及びキャップの断面形状とほぼ相似形状に延在していることをいう。
【0033】
この場合、請求項6の通り、留め具の両端部同士の間隔Aをキャップの筒状部の外周側の短径Dよりも大きくすることが好ましい。このように構成した場合、留め具をキャップの筒状部に着脱する際には、留め具の長径D方向を該筒状部の長径D方向と直交方向(即ち筒状部の短径D方向)とすれば、留め具の両端部同士の間から容易に該筒状部を出し入れすることができる。また、このようにして留め具の両端部同士の間から該留め具の内側に筒状部を入り込ませた後、留め具を該筒状部の周方向に約90°回転させれば、留め具の長径D方向と筒状部の長径D方向とが同一方向となるため、留め具が全体として筒状部の外周面に当接するようになり、該筒状部が留め具により保護管の外周面に押さえ付けられてキャップが保護管に固定される。キャップの固定を解除する場合には、このキャップ固定時とは逆向きに又はこれと同一方向にさらに90°回転させ、キャップ固定前と同様の状態に戻せばよい。これにより、簡単な操作でキャップを保護管に対し固定及び固定解除することができる。
【0034】
請求項7の通り、留め具を拡径方向に弾性変形可能なものとすることにより、キャップへの留め具の着脱を一層容易化することができる。
【0035】
請求項8の通り、留め具を構成する材料としては、合成樹脂が簡便であり、好ましい。
【0036】
請求項9の態様にあっては、留め具をキャップに嵌着させたときに、該留め具から突設された凸部が保護管及びキャップの少なくとも一方に係合し、しっかりと留め具が保護管及びキャップの少なくとも一方に保持されるようになる。これにより、より効果的にキャップの保護管からの脱落を防止することが可能となる。
【0037】
この場合、請求項10の通り、凸部を、留め具の内周面から該留め具の縮径方向へ張り出したものとすることにより、この凸部が保護管及びキャップの少なくとも一方の外周面に食い込み、留め具が強固に保護管及びキャップの少なくとも一方に食い付くようになる。これにより、キャップの保護管からの脱落防止効果を向上させることが可能となる。
【0038】
また、請求項11の通り、凸部を、留め具の周方向に位置を異ならせて複数個設けることにより、より強固に留め具を保護管及びキャップの少なくとも一方に食い付かせることができるようになるため、キャップの保護管からの脱落防止効果をさらに向上させることが可能となる。
【0039】
本発明(請求項12)のキャップの接続構造にあっては、かかる本発明の留め具を用いてキャップを保護管に固定しているので、簡易で経済的な構成にてキャップが保護管に対し十分に固定されており、且つキャップの保護管に対する固定及び固定解除も容易な接続構造を提供することができる。
【0040】
請求項13の態様においては、キャップの筒状部の外周面に、該筒状部に嵌着された留め具が係合する溝が設けられており、この溝の底部に、少なくとも部分的に、該筒状部の外周側と内周側とを連通した開口部が設けられている。そのため、留め具をこの溝に係合させるようにして該筒状部に嵌着させた場合、この溝の底部の開口部を介して、留め具の少なくとも一部が保護管の外周面に当接するようになる。これにより、留め具は、キャップの筒状部を保護管に押さえ付けるだけでなく、保護管の外周面に直に当接して該筒状部からの保護管の抜け出しを抑止するようになるため、より効果的にキャップの保護管からの脱落を防止することが可能となる。
【0041】
この場合、請求項14の通り、留め具として、凸部が突設された請求項9〜11の留め具を用いることにより、該開口部を介してこの凸部を保護管の外周面に直接的に係合させることが可能であるため、キャップの保護管からの脱落防止効果をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1の実施の形態に係る留め具の平面図である。
【図2】図1の留め具を用いたキャップの保護管への接続構造を示す斜視図である。
【図3】図1の留め具のキャップへの取付方法を示す断面図である。
【図4】第2の実施の形態に係るキャップの保護管への接続構造を示す断面図である。
【図5】第3の実施の形態に係る留め具の平面図である。
【図6】図6の留め具のキャップへの取付方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は本発明の一例であり、本発明は以下の実施の形態以外の形態をもとりうる。
【0044】
[第1の実施の形態]
第1図は、第1の実施の形態に係る留め具の平面図である。第2図は、この留め具を用いたキャップの保護管への接続構造を示す斜視図である。第3図(a),(b)は、この留め具のキャップへの取付方法の説明図であり、第3図(a)は、この留め具のキャップへの取付途中時を示し、第3図(b)は、この留め具のキャップへの取付完了時を示している。なお、第3図(a),(b)は、いずれも、第2図のIII−III線に沿う部分の断面にて図示されている。
【0045】
留め具1は、内部に配管等11a,11b,11cが引き通された中空管状の保護管10の管軸心線方向の端部(以下、単に端部という。)に被着されたキャップ12を該保護管10に固定するためのものである。なお、この実施の形態では、保護管10に3本の配管等11a,11b,11cが引き通されているが、保護管10内に引き通される配管等の本数はこれに限定されない。
【0046】
第2図の通り、キャップ12は、保護管10の外周側に外嵌する筒状部12aと、該保護管10の端部を塞ぐ蓋部12bと、該蓋部12bを貫通した、配管等11a,11b,11cをそれぞれ保護管10の外部に引き出すための導出口12c,12d,12eと、該筒状部12aの外周面に周設された、留め具1が係合する溝12fとを有している。なお、この実施の形態では、キャップ12に3個の導出口12c,12d,12eが設けられているが、キャップ12に設けられる導出口の個数はこれに限定されるものではなく、保護管10に引き通される配管等の本数に応じて適宜選定される。なお、キャップ12は、共通の導出口に複数本の配管等が挿通されるように構成されていてもよい。この実施の形態では、溝12fは、第2,3図の通り、筒状部12aの外周面の全周にわたって形成されておらず、少なくとも留め具1を収容するのに必要な範囲にのみ形成されているが、溝12fの配置はこれに限定されない。
【0047】
なお、保護管10は、その内側に引き通される配管等の断熱を主目的とする場合には、一般的に、ポリエチレンフォーム等の断熱性の高い材質により構成され、衝撃や擦過からの保護を主目的とする場合には、一般的に、ポリオレフィン系樹脂等の耐衝撃性や耐擦過性の高い材質により構成されることが多い。図示は省略するが、断熱を主目的とした第1の保護管の外側に、衝撃や擦過からの保護を主目的とした第2の保護管が被着されることもある。保護管10は、蛇腹管状とされることもある。保護管10内には、例えば架橋ポリエチレンあるいはポリブテンといった樹脂製の給水給湯パイプや暖房用温水パイプ等が引き通される。キャップ12は、中密度ポリエチレン等により構成されている。
【0048】
第3図(a),(b)の通り、この実施の形態では、保護管10の管軸心線方向と直交方向の断面形状は略楕円形状となっており、これに外嵌するキャップ12の筒状部12aの筒軸心線方向と直交方向の断面形状も、これと略相似形の略楕円形状となっている。
【0049】
留め具1は、このキャップ12の筒状部12aを取り巻く略C字形状のものである。この留め具1の内周側の直径は、全体として、該筒状部12aの外周側の直径(この実施の形態では、溝12fの底部における該筒状部12aの直径)よりも小さいものとなっている。
【0050】
この実施の形態では、留め具1は、第1図の通り、筒状部12aの断面形状と略相似形の略楕円形状に延在している。この留め具1の延在方向の両端部(以下、単に両端部という。)同士の間の開放部2は、該留め具1の短径方向に開放している。この留め具1の内周側の長径D(第1図)は、筒状部12aの内周側の長径D(第3図(a))よりも小となっている。この筒状部12aの内周側の長径Dと留め具1の内周側の長径Dとの差ΔD=D−Dは、0.3mm以上特に0.5mm以上とりわけ0.8mm以上であることが好ましい。なお、このΔDが大きくなりすぎると、留め具1を筒状部12aに外嵌させたときに、該筒状部12aが大きく変形してしまうほど過度に留め具1が筒状部12aを締め付けるようになるおそれがあるので、このΔDは20mm以下特に12mm以下とりわけ9mm以下であることが好ましい。
【0051】
この実施の形態では、留め具1の両端部同士の間隔A(第1図)は、筒状部12aの外周側の短径D(第3図(a))よりも大となっている。この留め具1の両端部同士の間隔Aと筒状部12aの外周側の短径Dとの差ΔS=A−Dは、0〜10mm特に0.5〜5mmとりわけ1〜3mmであることが好ましい。留め具1を筒状部12aに取り付ける場合には、この留め具1の両端部同士の間から筒状部12aを該留め具1の内側に入り込ませるようにして、留め具1を筒状部12aの外周面(この実施の形態では溝12f)に外嵌させる。
【0052】
留め具1は、拡径方向に弾性変形可能であることが好ましい。このような留め具1を構成する材料としては、弾力性と強度を兼ね備えたものを用いるのが好ましく、特に曲げ弾性係数が1000MPa以上特に1050〜2200MPaとりわけ1200〜1700MPaとなるものが望ましい。また、保護管10に収容された配管等11a〜11cに高温の流体を流す場合もあるため、留め具1を構成する材料は、耐熱性も有していることが好ましい。このことから、留め具1を構成する材料としては、熱可塑性樹脂が好適であり、特にポリオレフィン系樹脂が好適であり、中でもポリプロピレン樹脂がより好適である。ただし、留め具1を構成する材料はこれに限定されるものではなく、これ以外の合成樹脂により留め具1を構成してもよく、合成樹脂以外の材料、例えば金属により留め具1を構成してもよい。
【0053】
この実施の形態では、留め具1の両端部に、それぞれ、外面が開放部2側に凸に湾曲した形状となっている引っ掛かり防止部3が形成されている。この実施の形態では、留め具1の両端部をそれぞれ略球形に成形することにより、該両端部同士の対向面がそれぞれ開放部2側に凸に湾曲した形状となっている。なお、引っ掛かり防止部3の形成方法はこれに限定されない。例えば、留め具1の両端部同士を互いの離反方向へ緩やかに折り返すことにより、これらの対向面をそれぞれ開放部2側に凸に湾曲した形状としてもよい。
【0054】
第1図の通り、この留め具1の両端側の引っ掛かり防止部3としての略球形の部分の直径Dは、留め具1のそれ以外の部分における太さ(線径)tよりも大きなものとなっている。この留め具1の太さtは1.0〜4.0mm特に2.0〜3.8mmとりわけ2.5〜3.5mmであることが好ましい。引っ掛かり防止部3の外面の曲率半径(即ちこの実施の形態ではD/2)は1.1〜2.4mm特に1.6〜2.3mmとりわけ1.9〜2.1mmであることが好ましい。この実施の形態では、留め具1の該引っ掛かり防止部3以外の部分では、その延在方向と直交方向の断面形状は、例えば円形などの、角のない丸みを帯びた形状となっている。また、留め具1の両端側の外面は、それぞれ、該引っ掛かり防止部3を構成する略球形の部分の外面に滑らかに連なっている。これにより、留め具1の外面は、全体として、外方へ角張った部分のない形状となっている。
【0055】
留め具1を筒状部12aに外嵌させるときに、これらの引っ掛かり防止部3が筒状部12aの外周面に接触することにより、該留め具1の両端部が筒状部12aの外周面に引っ掛かりにくいものとなる。
【0056】
次に、この留め具1を用いてキャップ12を保護管10に接続する方法について説明する。
【0057】
まず、保護管10内に配管等11a,11b,11cを引き通す。次いで、これらの配管等11a,11b,11cをそれぞれキャップ12の各導出口12c,12d,12eに挿通し、このキャップ12の筒状部12aを保護管10の外周面に外嵌させて該保護管10の端部にキャップ12を被着させる。
【0058】
次に、第3図(a)のように、留め具1の長径D方向をキャップ12の筒状部12aの長径D方向と直交方向(即ち、筒状部12aの短径D方向)として、該筒状部12aを留め具1の両端部同士の間の開放部2から該留め具1の内側に入り込ませる。その際、留め具1を筒状部12aの外周面の溝12fに係合させる。次いで、留め具1を拡径方向に弾性変形させるか、又は該筒状部12a(及び保護管10)を縮径方向に弾性変形させつつ(あるいはその両方を行いつつ)、第3図(b)のように留め具1の長径D方向と筒状部12aの長径D方向とが同一方向となるまで、留め具1を筒状部12aの周方向に約90°回転させる。第3図(a)の2点鎖線は、この回転操作の途中の留め具1を示している。
【0059】
この回転操作により、第3図(b)の通り、留め具1が全体として筒状部12aの外周面(この実施の形態では溝12fの底面)に当接するようになり、該筒状部12aが留め具1により保護管10の外周面に押さえ付けられてキャップ12が保護管10に固定される。
【0060】
これにより、キャップ12の保護管10への接続作業が完了する。
【0061】
仮に配管等11a,11b,11cの取り回しの変更など、保護管10から再度キャップ12を取り外して作業を行う必要が生じた場合には、第3図(b)の状態から、第3図(a)のように留め具1の長径D方向がキャップ12の筒状部12aの長径D方向と直交方向となるまで、留め具1を筒状部12aの周方向に約90°回転させる。この際、留め具1を上記のキャップ固定時とは逆向きに回転させてもよく、キャップ固定時と同一方向に回転させてもよい。これにより、留め具1が全体として筒状部12aの外周面(溝12fの底面)から離反し、留め具1によるキャップ12の保護管10への固定が解除され、キャップ12を保護管10から取り外すことが可能となる。この際、開放部2からキャップ12を留め具1の外部へ抜け出させ、留め具1をキャップ12から取り外しておいてもよく、留め具1をキャップ12に外嵌(遊嵌)させたままにしてもよい。
【0062】
配管等11a,11b,11cの取り回しの変更等の作業が終了した後、最初にキャップ12を保護管10に接続したのと同様の手順にてキャップ12を保護管10に被着させ、留め具1でキャップ12を保護管10に固定することにより、キャップ12の保護管10への再接続が完了する。
【0063】
このように、キャップ12を留め具1で保護管10に固定するには、留め具1をキャップ12に外嵌させて90°回転させればよく、また、固定を解除するには、これと逆向きに又はこれと同一方向にさらに90°留め具1を回転させればよいので、簡単な操作にてキャップ12を保護管10に対し固定及び固定解除することができる。
【0064】
この留め具1は、構成が簡易であるため、比較的低コストにて製造することができる。また、上記の通り、この留め具1は、キャップ12への着脱が容易であると共に、キャップ12を保護管10に固定する際、及びこの固定を解除する際の操作も簡単である。これにより、キャップ12の保護管10への接続作業を容易に行うことができると共に、キャップ12の保護管10からの取り外し作業及び再接続作業も容易に行うことができる。その結果、保護管10及びキャップ12付き配管等11a,11b,11cを効率よく施工することができる。しかも、この留め具1は、キャップ12から取り外した後も再使用が可能であるため、経済的であると共に、キャップ12の保護管10への再接続作業も効率よく行うことができる。
【0065】
この実施の形態では、留め具1の内周側の長径Dはキャップ12の筒状部12aの内周側の長径Dよりも小であり、それらの差ΔD=D−Dは0.3mm以上である。このように構成したことにより、留め具1は、十分に該筒状部12aを保護管10の外周面に押さえ付けてキャップ12を保護管10に固定することができる。なお、このΔDを20mm以下とすることにより、筒状部12aが大きく変形してしまうほど過度に留め具1が筒状部12aを締め付けることも防止ないし抑制される。
【0066】
この実施の形態では、留め具1の両端部同士の間隔Aは、キャップ12の筒状部12aの外周側の短径Dよりも大きなものとなっている。このように構成したことにより、留め具1をキャップ12の筒状部12aに外嵌させる際、及び、留め具1を該筒状部12aから取り外す際には、留め具1の長径D方向を該筒状部12aの長径D方向と直交方向とすれば、留め具1の両端部同士の間の開放部2から容易に筒状部12aを出し入れすることができる。これにより、留め具1のキャップ12への着脱作業を容易に行うことができる。
【0067】
この実施の形態では、留め具1は拡径方向に弾性変形可能なものとなっているので、キャップ12への留め具1の着脱が一層容易化される。
【0068】
この実施の形態では、キャップ12の筒状部12aの外周面に溝12fを周設し、この溝12f内に留め具1を嵌合させている。また、留め具1の外面は、外方へ角張った部分のない形状となっている。これにより、仮に留め具1が、近接する他の配管と接触した場合でも、配管等11a,11b,11cが接続されている機器等からの振動により留め具1と他の配管との間で摩擦が生じ、他の配管が削れて行く等の問題を抑制することができる。
【0069】
[第2の実施の形態]
第4図(a),(b)は、第2の実施の形態に係るキャップの保護管への接続構造を示す断面図であり、第4図(a)は、留め具をキャップに嵌着させる前の状態を示し、第4図(b)は、留め具をキャップに嵌着させた後の状態を示している。なお、第4図(a),(b)は第3図(a),(b)と同様部分の断面を示している。
【0070】
この実施の形態のキャップ12Aにおいては、筒状部12aの外周面に周設された留め具係合用の溝12f’は、底部が該筒状部12aを貫通して該筒状部12aの外周側と内周側とを連通した開口部となっている。そのため、キャップ12Aの筒状部12aを保護管10に外嵌させた場合には、第4図(a)の通り、この開口部を介して該溝12f’内に保護管10が露呈する。なお、この実施の形態では、溝12f’の底部は、その延在方向の全長にわたって、且つ、その延在方向と直交方向の全幅にわたって、筒状部12aの外周側と内周側とを連通した開口部となっているが、溝12f’の底部の一部にのみ、このような開口部が設けられ、残りの部分は、第1の実施の形態における溝12fと同様に塞がったものとなっていてもよい。この開口部は、合計で、筒状部12aの外周面の周方向の全長の40〜80%特に50〜70%にわたって設けられていることが好ましい。
【0071】
この実施の形態では、筒状部12aの外周面のうち、該筒状部12aの長径D(第4図においては図示略)方向の一端側の略四半周分(略1/4周分)、及び、該長径D方向の他端側の略四半周分にわたって、それぞれ、溝12f’が周設されているが、溝12f’の配置や長さはこれに限定されない。
【0072】
この実施の形態のその他の構成は第1の実施の形態と同様であり、第4図(a),(b)において第1〜3図と同一符号は同一部分を示している。また、このキャップ12Aを留め具1を用いて保護管10に接続する方法も、第1の実施の形態と同様である。
【0073】
この実施の形態にあっては、キャップ12Aの筒状部12aの留め具係合用の溝12f’の底部は、該筒状部12aを貫通して該筒状部12aの外周側と内周側とを連通した開口部となっており、この開口部を介して溝12f’内に保護管10が露呈したものとなっているので、留め具1をこの溝12f’に係合させるようにして筒状部12aに嵌着させた場合、この溝12f’の底部の開口部を介して、留め具1の少なくとも一部が保護管10の外周面に当接するようになる。これにより、留め具1は、該筒状部12aを保護管10に押さえ付けるだけでなく、保護管10の外周面に直に当接して該筒状部12aからの保護管10の抜け出しを抑止するようになるため、より効果的にキャップ12Aの保護管10からの脱落を防止することが可能となる。
【0074】
[第3の実施の形態]
第5図(a),(b)は第3の実施の形態に係る留め具の平面図である。なお、留め具単体の平面図であり、第5図(b)は、この留め具の平面図にキャップの筒状部の断面図を重ね合わせたものである。第6図(a),(b)は、この留め具のキャップへの取付方法の説明図であり、第6図(a)は、この留め具のキャップへの取付途中時を示し、第6図(b)は、この留め具のキャップへの取付完了時を示している。なお、第6図(a),(b)は第3図(a),(b)と同様部分の断面を示している。第6図(b)において、キャップの筒状部は、留め具が嵌着されていない状態のものとして図示されている。
【0075】
この実施の形態では、留め具1Aは、第4図と同様のキャップ12Aを保護管10に固定するのに用いられている。この実施の形態では、保護管10内に2本の配管等11a,11cのみが引き通され、配管等11bは引き通されていないが、保護管10内に引き通される配管等の本数や種類は、適宜決定されればよい。この留め具1Aは、第1〜3図と同様のキャップ12を保護管10に固定するのに用いられてもよい。
【0076】
この留め具1Aは、キャップ12Aの筒状部12a又は保護管10を両側から挟み込む1対の腕状部4,5と、該腕状部4,5の一端側(以下、基端側という。)同士を連結した基部6とを有し、該腕状部4,5の他端側(以下、先端側という。)同士が非連結とされた略C字形状のものである。該腕状部4,5の先端部同士の間は、基部6と反対方向に開放した開放部7となっている。この留め具1Aにあっては、腕状部4,5同士の間の最大間隔Dは、筒状部12aの内周側の長径Dよりも小さなものとなっている。
【0077】
この実施の形態では、第5図(b)の通り、基部6は、筒状部12aの外周面のうち、該筒状部12aの短径方向の一端側の略四半周分に沿うように湾曲した形状となっており、一方の腕状部4は、該筒状部12aの長径方向の一端側の略四半周分に沿うように湾曲した形状となっており、他方の腕状部4は、該筒状部12aの長径方向の他端側の略四半周分に沿うように湾曲した形状となっている。
【0078】
この実施の形態では、第5図(a)の通り、腕状部4,5同士の間の間隔は、それらの基端側から先端側へ向かう方向(以下、各腕状部4,5の延在方向という。)の途中部同士の間で最大となっているが、腕状部4,5同士の間隔が最大となる位置はこれに限定されない。例えば、腕状部4,5の基端部同士の間で間隔が最大となっていてもよい。また、この実施の形態では、腕状部4,5同士の間の間隔は、それらの先端部同士の間で最小となっているが、腕状部4,5同士の間隔が最小となる位置もこれに限定されない。
【0079】
なお、この実施の形態では、腕状部4,5の先端部同士の間の間隔Aは、0よりも大きく、且つ、筒状部12aの外周側の短径D以下となっている。このように構成することにより、腕状部4,5同士の接近方向への復元力が強くなり、腕状部4,5がキャップ12Aを介して保護管10に十分に食い込むので、キャップ12Aを保護管10から十分に抜けにくくすることができる。なお、前述の第1及び第2の実施の形態における留め具1と同様に、留め具1Aは、この間隔Aが短径Dよりも大きくなるように構成されてもよい。
【0080】
第5図(b)において、点Pは、筒状部12aの短径D方向の中心線Lと、該筒状部12aの短径D方向の前記一端側の外周面との交点を示している。点Pは、筒状部12aの長径D方向の中心線Lと、該筒状部12aの長径D方向の前記一端側の外周面との交点を示している。点Pは、該中心線Lと、筒状部12aの長径D方向の前記他端側の外周面との交点を示している。
【0081】
基部6は、筒状部12aの外周面のうち、交点Pをその延在方向の略中間として、該筒状部12aの外周面の周長の10〜40%特に20〜35%の領域に沿う形状となっていることが好ましい。また、各腕状部4,5は、それぞれ、筒状部12aの外周面のうち、交点P,Pをそれらの延在方向の略中間として、該筒状部12aの外周面の周長の20〜60%特に30〜50%の領域に沿う形状となっていることが好ましい。
【0082】
この場合、各腕状部4,5は、それぞれ、第5図(b)の通り留め具1Aの平面図と筒状部12aの管軸心線方向と直交方向の断面図とを重ね合わせたときに、各々の湾曲中心C,Cが筒状部12aの中心Cよりも基部6側に位置するように、各々の基端側を支点として、該筒状部12aの長径D方向の両端側の外周面よりも該筒状部12aの中心側へ傾いた姿勢で形成されている。筒状部12aの短径D方向における各腕状部4,5の湾曲中心C,Cと該筒状部12aの中心Cとの距離Dは、キャップ12Aのサイズによって適宜決定されることが好ましい。具体的には、例えばキャップ12Aが後述の「10N」又は「10NI」と称される品種である場合には、この距離Dは1〜8mm特に5〜7mmであることが好ましく、キャップ12Aが後述の「7N」又は「7NI」と称される品種である場合には、この距離Dは1〜7mm特に4〜6mmであることが好ましい。
【0083】
この留め具1Aにあっては、筒状部12aの内周側の長径Dと腕状部4,5同士の間の最大間隔Dとの差ΔD=D−Dは、0.3mm以上特に0.5mm以上とりわけ0.8mm以上であることが好ましい。なお、このΔDが大きくなりすぎると、留め具1Aを筒状部12aに外嵌させたときに、該筒状部12aが大きく変形してしまうほど過度に留め具1Aが筒状部12aを締め付けるようになるおそれがあるので、このΔDは20mm以下特に12mm以下とりわけ9mm以下であることが好ましい。
【0084】
この実施の形態では、各腕状部4,5の内周面からそれぞれ該腕状部4,5同士の接近方向(即ち留め具1Aの縮径方向)に張り出す凸部8が突設されている。この実施の形態では、各腕状部4,5に、それぞれ、それらの延在方向に位置を異ならせて複数個の凸部8が設けられている。なお、各腕状部4,5に設けられる凸部8の個数は、この凸部8の筒状部12aや保護管10への食い付き力に応じて適宜設定されるものであり、特に制限はない。例えば、この実施の形態では、凸部8が各腕状部4,5にそれぞれ複数個設けられているが、それぞれ1個だけ設けられてもよい。
【0085】
各腕状部4,5の内周面からの凸部8の張り出し高さGは、0.1〜2mm特に0.8〜1.2mmであることが好ましい。この実施の形態では、第5図(a)の通り、各凸部8は、各腕状部4,5の延在方向における各々の中間側ほど各腕状部4,5の内周面からの張り出し高さが大きくなる略三角形の平面視形状となっているが、凸部8の形状はこれに限定されない。
【0086】
この留め具1Aの曲げ弾性係数や太さ(腕状部4,5においては、凸部8を除いた太さ)等の好適範囲並びに好適な構成材料については、第1〜3図の実施の形態における留め具1と同様である。
【0087】
この留め具1Aのその他の構成は、第1〜3図の実施の形態における留め具1と同様であり、第5,6図において第1〜3図と同一符号は同一部分を示している。
【0088】
この留め具1Aを用いてキャップ12Aを保護管10に接続する方法は、実質的に、第1〜3図の実施の形態と同様である。
【0089】
即ち、キャップ12Aの筒状部12aを保護管10の端部に外嵌させた後、第6図(a)のように、留め具1Aの腕状部4,5同士の対向方向を該筒状部12aの短径D方向と同一方向として、留め具1Aの開放部7から該筒状部12aを留め具1Aの内側(腕状部4,5同士の間)に入り込ませる。この実施の形態では、その際、腕状部4,5同士を離反方向へ弾性変形させて開放部7の幅を大きくし、筒状部12aが該開放部7を通り抜けられるようにする。次いで、該腕状部4,5同士を離反方向へ弾性変形させるか、又は筒状部12a及び保護管10を縮径方向に弾性変形させつつ(あるいはその両方を行いつつ)、第6図(b)のように腕状部4,5同士の対向方向が筒状部12aの長径Dと同一方向となるまで、留め具1Aを筒状部12aの周方向に約90°回転させる。その際、各腕状部4,5を筒状部12aの外周面の溝12f’に係合させる。これにより、筒状部12a及び保護管10が腕状部4,5によって両側から挟み付けられてキャップ12Aが保護管10に固定される。
【0090】
この実施の形態でも、留め具1Aによる固定を解除するには、固定時と逆向きに又は固定時と同一方向にさらに90°留め具1Aを回転させればよい。
【0091】
この留め具1Aも、構成が簡易であるため、比較的低コストにて製造することができる。また、上記の通り、この留め具1Aは、キャップ12Aへの着脱が容易であると共に、キャップ12Aを保護管10に固定する際、及びこの固定を解除する際の操作も簡単である。これにより、キャップ12Aの保護管10への接続作業を容易に行うことができると共に、キャップ12Aの保護管10からの取り外し作業及び再接続作業も容易に行うことができる。その結果、保護管10及びキャップ12A付き配管等11a,11cを効率よく施工することができる。しかも、この留め具1Aは、キャップ12Aから取り外した後も再使用が可能であるため、経済的であると共に、キャップ12Aの保護管10への再接続作業も効率よく行うことができる。
【0092】
この実施の形態では、留め具1Aの腕状部4,5同士の間の最大間隔Dはキャップ12Aの筒状部12aの内周側の長径Dよりも小であり、それらの差ΔD=D−Dは0.3mm以上である。このように構成したことにより、留め具1Aは、十分に該筒状部12a及び保護管10を挟み付けてキャップ12Aを保護管10に固定することができる。なお、このΔDを20mm以下とすることにより、筒状部12aが大きく変形してしまうほど過度に留め具1Aが筒状部12aを締め付けることも防止ないし抑制される。
【0093】
なお、この実施の形態でも、留め具1Aの腕状部4,5の先端部同士の間隔Aがキャップ12Aの筒状部12aの外周側の短径Dよりも大きくなるように構成してもよい。このように構成することにより、留め具1Aをキャップ12Aの筒状部12aに外嵌させる際、及び、留め具1Aを該筒状部12aから取り外す際には、腕状部4,5同士の対向方向を該筒状部12aの短径D方向と同一方向とすれば、該腕状部4,5の先端部同士の間の開放部7から容易に筒状部12aを出し入れすることができる。これにより、留め具1Aのキャップ12Aへの着脱作業を容易に行うことが可能となる。
【0094】
この実施の形態でも、留め具1Aは拡径方向に弾性変形可能なものとなっている。そのため、キャップ12Aへの留め具1の着脱が一層容易化される。
【0095】
この実施の形態では、キャップ12Aの筒状部12aの外周面に溝12f’を周設し、この溝12f’内に留め具1Aを嵌合させている。これにより、仮に留め具1Aが、近接する他の配管と接触した場合でも、配管等11a,11cが接続されている機器等からの振動により留め具1Aと他の配管との間で摩擦が生じ、他の配管が削れて行く等の問題を抑制することができる。
【0096】
この実施の形態にあっても、溝12f’の底部は、筒状部12aを貫通して該筒状部12aの外周側と内周側とを連通した開口部となっており、この開口部を介して溝12f’内に保護管10が露呈したものとなっているので、留め具1Aをこの溝12f’に係合させるようにして筒状部12aに嵌着させた場合、この溝12f’の底部の開口部を介して、留め具1Aの少なくとも一部が保護管10の外周面に当接するようになる。これにより、留め具1Aは、該筒状部12aを保護管10に押さえ付けるだけでなく、保護管10の外周面に直に当接して該筒状部12aからの保護管10の抜け出しを抑止するようになるため、より効果的にキャップ12Aの保護管10からの脱落を防止することが可能となる。
【0097】
この実施の形態では、留め具1Aの各腕状部4,5の内周面から該留め具1Aの縮径方向へ凸部8が突設されているので、留め具1Aを筒状部12aに嵌着させた場合には、この凸部8が溝12f’を介して保護管10の外周面に直に食い込むようになる。これにより、キャップ12Aの保護管10からの脱落防止効果をより向上させることができる。
【0098】
特にこの実施の形態では、凸部8は、各腕状部4,5の延在方向に位置を異ならせて複数個設けられているので、より強固に留め具1Aを保護管10に食い付かせることができるようになるため、キャップ12Aの保護管10からの脱落防止効果をさらに向上させることが可能である。
【0099】
この実施の形態では、凸部8は、留め具1Aの内周面から該留め具1Aの縮径方向へ張り出したものとなっているが、凸部8の留め具1Aからの張り出し方向はこれに限定されない。例えば、凸部8は、その保護管10及び/又はキャップ12Aとの係合方法にもよるが、留め具1Aの延在方向及び縮径方向と直交方向(キャップ12Aの筒状部12aや保護管10の軸心線と平行方向)に張り出していてもよく、該留め具1Aの延在方向に張り出していてもよく、これ以外の方向に張り出していてもよい。
【0100】
この実施の形態では、凸部8は、先端が尖った山形となっているが、凸部8の形状はこれに限定されない。
【0101】
この実施の形態では、凸部8は、保護管10に係合するものとなっているが、キャップ12Aに係合するものであってもよい。凸部8は、保護管10及びキャップ12Aの双方に係合するものであってもよい。凸部8として、保護管10に係合するものと、キャップ12Aに係合するものとがそれぞれ設けられていてもよい。
【0102】
この実施の形態では、凸部8は、保護管10の外周面に食い込むようにして該保護管10に係合しているが、凸部8と保護管10及び/又はキャップ12Aとの係合方法はこれに限定されない。例えば、保護管10及び/又はキャップ12Aに、凸部8と係合可能な凹穴や突起等が設けられていてもよい。保護管10が、蛇腹管などの、外周面に凹凸が形成されたものである場合には、凸部8をこの保護管10の外周面の凹凸に係合させるようにしてもよい。
【実施例】
【0103】
[実施例1]
第2図と同様に、外周側の長径が33.5mmで且つ外周側の短径が26mmである保護管10に、筒状部12aの内周側の長径Dが33mmで且つ内周側の短径が23mmであるキャップ12(後述の表1においては、このキャップ12の品種を「7N」と称している。)を被着させ、このキャップ12の筒状部12aの外周面に、内周側の長径Dが32.7mm(ΔD(=D−D)=0.3mm)である留め具1を嵌着させた。この留め具1の構成材料としては、日本ポリプロ株式会社製 ノバテックPPBC05Bを用いた。また、この留め具1の引っ掛かり防止部3以外の部分の太さtを3mmとした。なお、留め具1の構成材料及び太さtは、以下の実施例2〜7及び比較例1〜4でも同様とした。
【0104】
[実施例2]
内周側の長径Dが32mm(ΔD=1.0mm)となるように留め具1を構成したこと以外は、実施例1と同様とした。
【0105】
[実施例3]
内周側の長径Dが31.1mm(ΔD=1.9mm)となるように留め具1を構成したこと以外は、実施例1と同様とした。
【0106】
[実施例4]
内周側の長径Dが29.2mm(ΔD=3.8mm)となるように留め具1を構成したこと以外は、実施例1と同様とした。
【0107】
[実施例5]
外周側の長径が45.5mmで且つ外周側の短径が35mmである保護管10に、筒状部12aの内周側の長径Dが48.8mmで且つ内周側の短径が30.2mmであるキャップ12(後述の表1においては、このキャップ12の品種を「10N」と称している。)を被着させ、このキャップ12の筒状部12aの外周面に、内周側の長径Dが48.2mm(ΔD=0.6mm)である留め具1を嵌着させたこと以外は、実施例1と同様とした。
【0108】
[実施例6]
内周側の長径Dが47.8mm(ΔD=1.0mm)となるように留め具1を構成したこと以外は、実施例5と同様とした。
【0109】
[実施例7]
内周側の長径Dが45.0mm(ΔD=3.8mm)となるように留め具1を構成したこと以外は、実施例5と同様とした。
【0110】
[実施例8]
第5,6図と同様に、外周側の長径が33.5mmで且つ外周側の短径が26mmである保護管10に、筒状部12aの内周側の長径Dが33mmで且つ内周側の短径が23mmであるキャップ12A(後述の表1においては、このキャップ12Aの品種を「7NI」と称している。)を被着させ、このキャップ12Aの筒状部12aの外周面に、腕状部4,5同士の間の最大間隔Dが32.1mm(ΔD(=D−D)=0.9mm)である留め具1Aを嵌着させた。
【0111】
第5図(b)の如く留め具1Aの平面図とキャップ12Aの筒状部12aの管軸心線方向と直交方向の断面図とを重ね合わせたときの該筒状部12aの短径D方向における各腕状部4,5の湾曲中心C,Cと該筒状部12aの中心Cとの距離Dを4.8mmとした。
【0112】
各腕状部4,5の内周面から留め具1Aの縮径方向に張り出す凸部8を設けた。各腕状部4,5には、それぞれ、それらの延在方向に位置を異ならせて6個の凸部8を設けた。各凸部8の張り出し高さGは1mmとした。
【0113】
この留め具1Aの各部の太さや構成材料は、実施例1と同様とした。
【0114】
[実施例9]
第5,6図と同様に、外周側の長径が45.5mmで且つ外周側の短径が35mmである保護管10に、筒状部12aの内周側の長径Dが48.8mmで且つ内周側の短径が30.2mmであるキャップ12A(後述の表1においては、このキャップ12Aの品種を「10NI」と称している。)を被着させ、このキャップ12Aの筒状部12aの外周面に、腕状部4,5同士の間の最大間隔Dが40.3mm(ΔD(=D−D)=8.5mm)である留め具1Aを嵌着させた。さらに、この留め具1Aの前記距離Dを6.9mmとしたこと以外は、実施例8と同様とした。
【0115】
[比較例1]
内周側の長径Dが33mm(ΔD=0mm)となるように留め具1を構成したこと以外は、実施例1と同様とした。
【0116】
[比較例2]
内周側の長径Dが48.8mm(ΔD=0mm)となるように留め具1を構成したこと以外は、実施例5と同様とした。
【0117】
[参考例1]
内周側の長径Dが28.2mm(ΔD=4.8mm)となるように留め具1を構成したこと以外は、実施例1と同様とした。
【0118】
[参考例2]
内周側の長径Dが44.0mm(ΔD=4.8mm)となるように留め具1を構成したこと以外は、実施例5と同様とした。
【0119】
上記の実施例1〜9、比較例1,2及び参考例1,2において、それぞれ、キャップ12を保護管10から引き抜くのに要する引抜力を、測定計器(アイコーエンジニアリング株式会社製 デジタルプッシュプルゲージRX−20)を使用して測定した。その結果を以下の表1に示す。なお、表1において、引抜力が15N以上であったものについては、「性能」の項に「○」を記載し、引抜力が15N未満であったものについては、「性能」の項に「×」を記載した。また、留め具1をキャップ12の筒状部12aに取り付けたときに、該筒状部12aの外観が大きく変化せず良好であったものについては、「外観」の項に「○」を記載し、筒状部12aが留め具1に締め付けられて外観が大きく変化したものについては、「外観」の項に「×」を記載した。さらに、これらの「性能」及び「外観」の双方の項が「○」であるものについては、「総合評価」の項に「○」を記載し、いずれか一方でも「×」があるものについては、「総合評価」の項に「×」を記載した。
【0120】
【表1】

【0121】
表1から、実施例1〜7において、キャップ12の筒状部12aの内周側の長径Dと留め具1の内周側の長径Dとの差ΔD=D−Dを0.3mm以上とすること、並びに、実施例8,9において、キャップ12Aの筒状部12aの内周側の長径Dと留め具1Aの腕状部4,5同士の間の最大間隔Dとの差ΔD=D−Dを0.3mm以上とすることにより、留め具1は、十分に該筒状部12aを保護管10の外周面に押さえ付けてキャップ12を保護管10に固定することができることがわかる。
【0122】
なお、参考例1,2の通り、ΔD=D−Dが4mmを超えると、留め具1からの締め付け力により、筒状部12aが他よりも若干大きく変形した。
【0123】
上記の実施の形態は、いずれも本発明の一例を示すものであり、本発明は図示の構成に限定されない。
【0124】
例えば、上記の実施の形態では、保護管10及びキャップ12の筒状部12aは、それぞれ、管軸心線方向と直交方向の断面形状が略楕円形状となっており、留め具1も、これに倣って略楕円形状に延在したものとなっているが、保護管10及びキャップ12の筒状部12aの断面形状及び留め具1の延在形状はこれに限定されない。これらの形状は、例えば円形や多角形等、種々の形状とすることができる。
【0125】
第1〜3図及び第4図の留め具1においても、第5,6図の留め具1Aと同様に、該留め具1の内周面から該留め具1の縮径方向に張り出す凸部8が設けられてもよい。
【符号の説明】
【0126】
1 留め具
2 開放部
3 引っ掛かり防止部
4,5 腕状部
6 基部
7 開放部
8 凸部
10 保護管
11a,11b,11c 配管等
12,12A キャップ
12a 筒状部
12b 蓋部
12c,12d,12e 導出口
12f,12f’ 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に配管又は配線が引き通される中空管状の保護管の管軸心線方向の端部に被着されたキャップを該保護管に固定するための留め具であって、
該保護管の外周面に外嵌する筒状部を有したキャップの該筒状部を該保護管の外周面に固定するように構成された留め具において、
該留め具は、該筒状部をその周方向に取り巻く略C字形状のものであり、
該留め具の内周側の直径は、該筒状部の外周側の直径よりも小さいことを特徴とする留め具。
【請求項2】
請求項1において、前記留め具は、
前記キャップの前記筒状部を両側から挟み込む1対の腕状部と、
該腕状部の一端側同士を連結した基部と
を有しており、
該腕状部の他端側同士は非連結とされており、
これにより、該留め具は、全体として、該筒状部を前記周方向に取り巻く略C字形状のものとなっており、
該腕状部同士の間の最大間隔Dが該筒状部の外周側の直径よりも小さいことを特徴とする留め具。
【請求項3】
請求項2において、前記保護管及び前記キャップの前記筒状部は、それぞれ、前記管軸心線方向と直交方向の断面形状が略楕円形状となっているものであり、
前記留め具の前記腕状部同士の間の最大間隔Dは、該筒状部の内周側の長径Dよりも小であり、それらの差ΔD=D−Dは、0.3mm以上であることを特徴とする留め具。
【請求項4】
請求項3において、前記腕状部の前記他端側同士の間隔Aは、0mmよりも大きく、且つ、前記筒状部の外周側の短径D以下であることを特徴とする留め具。
【請求項5】
請求項1において、前記保護管及び前記キャップの前記筒状部は、それぞれ、前記管軸心線方向と直交方向の断面形状が略楕円形状となっているものであり、
前記留め具は、略楕円形状に延在しており、
該留め具の内周側の長径Dは、該筒状部の内周側の長径Dよりも小であり、それらの差ΔD=D−Dは、0.3mm以上であることを特徴とする留め具。
【請求項6】
請求項5において、前記留め具の延在方向の両端部同士の間隔Aは、前記キャップの前記筒状部の外周側の短径Dよりも大であることを特徴とする留め具。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記留め具は拡径方向に弾性変形可能であることを特徴とする留め具。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項において、前記留め具は合成樹脂よりなることを特徴とする留め具。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項において、前記留め具から前記保護管及び前記キャップの少なくとも一方に係合する凸部が突設されていることを特徴とする留め具。
【請求項10】
請求項9において、前記凸部は、前記留め具の内周面から該留め具の縮径方向へ張り出していることを特徴とする留め具。
【請求項11】
請求項9又は10において、前記凸部は、前記留め具の前記周方向に位置を異ならせて複数個設けられていることを特徴とする留め具。
【請求項12】
内部に配管又は配線が引き通された中空管状の保護管の管軸心線方向の端部にキャップが被着され、該キャップが留め具によって該保護管に固定された接続構造であって、
該キャップは、該保護管の外周面に外嵌した筒状部を有しており、
該筒状部が該留め具によって該保護管の外周面に固定されたキャップの接続構造において、
該留め具は、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の留め具であることを特徴とするキャップの接続構造。
【請求項13】
請求項12において、前記筒状部の外周面に、該筒状部に嵌着された前記留め具が係合する溝が設けられており、該溝の底部に、少なくとも部分的に、該筒状部の外周側と内周側とを連通した開口部が設けられており、
該溝に係合した該留め具の少なくとも一部が該開口部を介して前記保護管の外周面に当接していることを特徴とするキャップの接続構造。
【請求項14】
請求項13において、前記留め具は、請求項9ないし11のいずれか1項に記載のものであり、前記開口部を介して前記凸部が前記保護管の外周面に食い込んでいることを特徴とするキャップの接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−40678(P2013−40678A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−84892(P2012−84892)
【出願日】平成24年4月3日(2012.4.3)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】