説明

番組有効表示システム、番組有効表示装置および番組有効表示方法

【課題】本発明の目的は、操作者に選択の余地を与えることができ、他の放送番組または同一放送局の他放送番組等を容易に選定することができる番組有効表示システム、番組有効表示装置および番組有効表示方法を提供することである。
【解決手段】本発明に係る番組有効表示システム100は、放送信号を受信し、複数のチャンネルから選定された放送番組を映し出すよう制御する。放送番組を映す表示部600と、複数のチャンネルから選定された放送番組を表示部600に映し出し、かつ複数のチャンネルから選定除外された放送番組を選定されたチャンネルの放送番組にオーバーラップさせて表示部600の一部に表示621、622、623として映し出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の番組を有効に表示させる番組有効表示システム、番組有効表示装置および番組有効表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、同一内容の番組が複数のチャンネルまたは複数の放送局において放送されている。特許文献1には、より容易に放送形態を認識することのできるEPG(Electronic Program Guide)テーブルが得られる放送受信装置について開示されている。
【0003】
特許文献1記載の放送受信装置においては、電子番組ガイドのデータを取得する第1の取得手段と、取得された電子番組ガイドのデータに基づいて、各チャンネルに対応する番組の内容を表示する電子番組表を作成する作成手段と、取得された電子番組ガイドのデータから同じ時刻に複数のチャンネルを用いて放送される同一番組があるか否かを判断する第1の判断手段と、第1の判断手段により同一番組があると判断された場合、同一番組の内容を、対応する複数のチャンネルに渡った同一領域に表示するように、作成手段を制御する制御手段と、スクロール要求を取得する第2の取得手段と、スクロール要求を取得した場合、スクロール対象となる電子番組表に複数のチャンネルに渡った同一領域に表示される同一番組があるか否かを判断する第2の判断手段と、同一番組のデータを加工する加工手段とを備え、第2の判断手段により同一番組があると判断された場合、取得されたスクロール要求に従ってスクロールさせた後の表示領域に、加工手段によって加工された内容を表示するものである。
【0004】
また、特許文献2には、限られた表示スペースで、多くの放送事業者の番組情報を表示して、電子番組表表示上での操作性を向上させることができるデジタル放送受信装置について開示されている、
【0005】
特許文献2記載のデジタル放送受信装置においては、同一放送事業体が複数チャンネルで同一番組を放送する場合には、同一番組を放送する複数のチャンネルを1チャンネル分として番組表を表示するデジタル放送受信装置において、新たな番組に関する情報を取得するたびに、該番組が前記複数チャンネルの放送する番組と重複していないかを判断し、重複していない場合には、該番組を放送するチャンネルを追加した番組表を表示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−225486号公報
【特許文献2】特開2007−295171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1および2では、電子番組表(EPG(Electronic Program Guide))の表示上の動作についての発明であり、ユーザインターフェイスの観点からすると、多くの番組情報が表示される電子番組表では、ユーザの選択手法が煩雑となり好ましくない。
【0008】
本発明の目的は、操作者に選択の余地を与えることができ、他の放送番組または同一放送局の他放送番組等を容易に選定することができる番組有効表示システム、番組有効表示装置および番組有効表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)
一局面に従う番組有効表示システムは、放送信号を受信し、複数のチャンネルから選定された放送番組を表示部に映し出すよう制御する番組有効表示システムであって、複数のチャンネルから選定された放送番組を表示部に映し出す第1処理と、複数のチャンネルから選定除外された放送番組を選定されたチャンネルの放送番組にオーバーラップさせて表示部の少なくとも一部に映し出す第2処理と、を実施する処理部を有するものである。
【0010】
この場合、表示部に選定された放送番組が映し出された状態で、表示部の一部に当該放送番組とオーバーラップして他の放送番組が自動で表示される。その結果、ユーザインターフェイスの観点から、操作者に選択の余地を与えることができる。
【0011】
また、同一時間帯に異なる番組を放送している場合に、単に当該情報を知るだけでなく、操作者が行動(アクション)をすることなく、全ての番組を表示するため、放送番組を容易に、例えば、一目で認識することができる。さらに、自動的に表示部の一部にオーバーラップして表示されるので、別の異なる放送番組を放送していることに気づかないことを防止することができる。すなわち、自動表示により操作者は、同一時間帯の放送番組を容易に知ることができる。また、EPG(Electronic Program Guide)の番組一覧画面を表示させること無く、他の放送番組または同一放送局の他放送番組等を容易に選定することができる。
【0012】
(2)
第2の発明に係る番組有効表示システムは、第1の発明の番組有効表示システムにおいて、選定されたチャンネルの放送番組と、選定除外されたチャンネルの放送番組とが、同一内容の放送番組であってもよい。
【0013】
この場合、同一内容の放送番組であっても、受信感度が異なる場合、または操作者の過去の履歴による嗜好性等に応じて、同一内容の放送番組であっても、受信感度の強弱または放送局の嗜好性等に応じて選定する機会を与えることができる。
【0014】
(3)
第3の発明に係る番組有効表示システムは、第1の発明の番組有効表示システムにおいて、選定されたチャンネルの放送番組と、選定除外されたチャンネルの放送番組とが、異なる内容の放送番組であってもよい。
【0015】
この場合、マルチ編成等により同一の放送局内において、異なる放送番組を放送していても、表示部の一部にオーバーラップして表示されるので、操作者は、放送番組の見逃しを防止することができる。
【0016】
(4)
第4の発明に係る番組有効表示システムは、第1から第3の発明のいずれか1の番組有効表示システムにおいて、チャンネル選定装置をさらに備え、チャンネル選定装置は、表示部の一部に映し出された放送番組を表示部に映し出されたチャンネルの放送番組と切り替えることができることが好ましい。
【0017】
この場合、ユーザインターフェイスの観点から、チャンネル選定装置へ信号を与えるリモコン(リモートコントローラ)またはマウス等によりワンアクションで選局動作を行うことができるため、容易かつ速やかに見たいチャンネルまたは放送番組へ変更し、視聴することができる。
【0018】
(5)
他の局面に従う番組有効表示装置は、第1から第4の発明のいずれか1の番組有効表示システムと、番組有効表示システムにより処理された放送番組を映し出す表示部と、を有するものである。
【0019】
この場合、表示部に選定された放送番組が映し出された状態で、表示部の一部に当該放送番組とオーバーラップして他の放送番組が自動で表示される。その結果、ユーザインターフェイスの観点から、操作者に選択の余地を与えることができる。
【0020】
(6)
さらに他の局面に従う番組有効表示方法は、放送信号を受信し、複数のチャンネルから選定された放送番組を表示部に映し出すよう制御する番組有効表示方法であって、複数のチャンネルから選定された放送番組を表示部に映し出し、かつ複数のチャンネルから選定除外された放送番組を選定されたチャンネルの放送番組にオーバーラップさせて表示部の一部に映し出すものである。
【0021】
この場合、表示部に選定された放送番組が映し出された状態で、表示部の一部に当該放送番組とオーバーラップして他の放送番組が表示される。その結果、ユーザインターフェイスの観点から、操作者に選択の余地を与えることができる。また、EPG(Electronic Program Guide)の番組一覧画面を表示させること無く、他の放送番組または同一放送局の他放送番組等を容易に選定することができる。
【0022】
番組有効表示システムにおいて、一の放送番組の放送番組名の一部を抽出して、当該抽出した一部を比較判定文字列として設定し、比較判定文字列により複数の放送番組が同一か否かを判定する判定部を有する。
【0023】
この場合、比較判定文字列を抽出し、当該抽出された比較判定文字列により同一番組か否かを判定することができるので、完全同一でない放送番組に対しても容易に判定を行うことができる。また、放送番組名に限定されず、イベントインデックス(EVENTID)または情報記述子等を用いて判定してもよい。
【0024】
番組有効表示システムの処理部において、第2処理は、表示部の一部にオーバーラップして表示した放送番組を、一定時間経過後に自動消去させる。
【0025】
この場合、オーバーラップして表示された放送番組名が自動的に消去されるので、操作者に不快感を持たせることなく、チャンネル選択の自由を与えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施の形態に係る番組有効表示装置を含む放送受信装置の一例を示す模式的構造図である。
【図2】本実施の形態に係る番組有効表示装置による表示部の一例を示す模式図である。
【図3】同一番組が複数チャンネルで放送される状態を表で示したものである。
【図4】番組有効表示装置が同一番組を判定する同一番組処理を説明するためのフローチャートの一例を示す図である。
【図5】番組有効表示装置による表示部への表示優先度処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係る番組有効表示システムの一例を示す模式的構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本実施の形態に係る番組有効表示システム、番組有効表示装置および番組有効表示方法について図面を用いて説明を行う。
図1は、本実施の形態に係る番組有効表示システム100を含む放送受信装置700の一例を示す模式的構造図である。
【0028】
図1に示すように、放送受信装置700は、チューナー210、デコーダ220、出力制御部230、番組情報格納部300、制御部400、記憶部410、リモコンI/F(インターフェイス)部420、リモコン430および表示部600を備える。
【0029】
また、説明上、放送受信装置700において、表示部600を除外した装置を、放送受信システム110と呼ぶ。
【0030】
表示部600は、音声出力部240および映像出力部250を含む。また、制御部400は、番組有効表示システム100を含む。
【0031】
記憶部410は、RAM(Random
Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and programming ROM)、フラッシュメモリまたはハードディスク等から構成される。記憶部410は、過去に選定されたチャンネル回数、操作者のチャンネルまたは番組の嗜好性、その他、番組情報および番組表等の処理を行うソフトプログラム等が記憶される。
【0032】
<動作概略説明>
図1の放送受信装置700または放送受信システム110のチューナー210は、制御部400の指示に基づいて、アンテナ等(図示省略)から取り込まれた放送信号を選局する。
デコーダ220は、チューナー210から受信した放送信号を復元する。当該放送信号は、多重化された音声信号、映像信号およびEPG(Electronic Program Guide)信号等が含まれている。デコーダ220は、復元した音声信号および映像信号を出力制御部230に与える。
【0033】
ここで、制御部400の番組有効表示システム100は、リモコン430からの信号をリモコンI/F420を介して受け取り、番組情報格納部300の格納された番組情報に基づいて、後述する番組有効表示方法の処理を施し、出力制御部230に重合映像信号を与える。
【0034】
出力制御部230は、復元された音声信号を音声出力部240に与え、復元された映像信号および重合映像信号を映像出力部250に与える。
【0035】
音声出力部240は、音声を表示部600内蔵のスピーカー等から出力し、映像出力部250は、映像信号および重合映像信号を、表示部600に出力する。
【0036】
次に、図2は、本実施の形態に係る番組有効表示システム100による表示部600の一例を示す模式図である。
【0037】
図2に示すように、表示部600には、映像信号の表示630が表示される。また、番組有効表示システム100により、重合映像信号の表示621,表示622,表示623が表示される。すなわち、図2に示すように、表示部600の全面に表示630が表示され、その表示630の一部をオーバーラップして表示621,表示622,表示623が表示される。当該表示621,表示622,表示623の詳細については、後述する。
【0038】
続いて、一般に映像信号には、同一番組を放送しているチャンネルが複数存在する場合がある。図3は、同一番組が複数チャンネルで放送される状態を表で示したものである。
【0039】
図3に示すように、複数の放送局「アナハTV」および「TVツェル」があり、「アナハTV」は、チャンネル「13ch」であり、受信感度が「45」である。
一方、「TVツェル」は、チャンネル「14ch」であり、受信感度が「60」である。「アナハTV」および「TVツェル」のいずれも「フルセグ(12セグ)」,「ワンセグ」の両方を備える。
【0040】
また、図3に示すように、「A」,〜,「K」は、それぞれ番組名を省略したものであり、同じアルファベットは、番組名が完全同一の番組を放送していることを示す。
【0041】
この場合、時間帯「1」の場合には、「アナハTV」の「フルセグおよびワンセグ」の番組「A」、「アナハTV」の「ワンセグ」の番組「B」、「TVツェル」の「フルセグおよびワンセグ」の番組「C」を選局することができる。ここで、「ワンセグ」よりも「フルセグ」が優先表示されると仮定する。
【0042】
すなわち、図2で示した表示630に「アナハTV」の「フルセグ」の番組「A」が表示された場合には、表示621に「アナハTV」の「フルセグ及びワンセグ」の番組「A」が自動に表示され、表示622に、「アナハTV」の「ワンセグ」の番組「B」が自動に表示され、表示623に「TVツェル」の「フルセグ及びワンセグ」の番組「C」が自動に表示される。
【0043】
同様に、時間帯「2」の場合には、「アナハTV」の「フルセグ」の番組「D」、「アナハTV」の「フルセグ」の番組「E」、「アナハTV」の「フルセグ」の番組「F」、「アナハTV」の「ワンセグ」の番組「G」、「TVツェル」の「フルセグ」の番組「H」を選局することができる。
【0044】
時間帯「3」の場合には、アナハTVとツェルTVで同じ番組「I」を放送しているが、受信感度が高い「ツェルTV」の「フルセグ」の番組「I」、「アナハTV」の「ワンセグ」の番組「J」、「TVツェル」の「フルセグ」の番組「I」を選局することができる。
時間帯「4」の場合には、アナハTVとツェルTVで同じ番組「K」を放送しているが、受信感度が高い「ツェルTV」の「フルセグ」の番組「K」、「アナハTV」の「フルセグ」の番組「L」、「アナハTV」の「ワンセグ」の番組「M」、「TVツェル」の「フルセグ」の番組「K」を選局することができる。
【0045】
なお、ここで、「ワンセグ」よりも「フルセグ」が優先表示されると仮定しなければ、上記の番組は、「フルセグ」のみならず、「フルセグおよびワンセグ」が表示されてもよい。
【0046】
図3に示すように、同一時間帯において、異なる番組名が多数放送されている。ここで、異なる番組名が同一内容の放送を行う場合がある。例えば、図2に示すように、表示621は、「○○物理学」の番組を表示しており、表示622は、「[字]○○物理学」の番組を表示しており、表示623は、「[HDTV]○○物理学」の番組を表示している。
【0047】
すなわち、ここでの表示621,表示622,表示623は、同一番組と想定される。以下、本発明に係る番組有効表示システム100の制御動作について説明する。
図4は、番組有効表示システム100が同一番組か否かを判定する同一番組処理を説明するためのフローチャートの一例を示す図である。
【0048】
図4に示すように、まず、番組有効表示システム100は、比較する番組名の文字列の短い方を検索文字列とする(ステップS1)。
具体的に、図2の「○○物理学」と、「[字]○○物理学」と、「[HDTV]○○物理学」とのうち、最も文字列が短いのは、「○○物理学」であり、当該番組名を検索文字列とする。
【0049】
次に、片方の文字列内に検索文字列が含まれているかチェックを行う(ステップS2)。ここで、「[字]○○物理学」と、「[HDTV]○○物理学」には、「○○物理学」が含まれている。
【0050】
次いで、片方の長い方に検索文字列が含まれるか否かを判定する(ステップS3)。具体的に、「[字]○○物理学」と、「[HDTV]○○物理学」には、「○○物理学」が含まれている。
番組有効表示システム100は、片方の長い方に文字列が含まれると判定した場合、それらは、同一番組と判定する(ステップS4)。
一方、番組有効表示システム100は、片方の長い方に文字列が含まれないと判定した場合、それらは、別番組と判定する(ステップS5)。
具体的に、図3において「[HDTV]○○物理学」の番組および「[字]○○物理学」の番組は、「○○物理学」の番組と同一番組と判定される。
【0051】
なお、本実施の形態においては、検索文字列が「○○物理学」であることとしたが、これに限定されず、「○○」のみ、「物理学」のみ、「○○」および「物理学」の一致等、特徴語句を検索文字列としてもよい。また、カタカナ、漢字のみを検索文字列として抽出するようにしてもよい。
【0052】
続いて、図5は、番組有効表示システム100による表示部600への表示優先度処理を説明するためのフローチャートである。
【0053】
図5に示すように、まず、番組有効表示システム100は、同一番組処理を実施する(ステップS10)。当該ステップS10の処理は、図4に示したフローチャートを全て実施するものである。
次いで、番組有効表示システム100は、受信感度を優先するか否かを判定する(ステップS11)。ここで、受信感度を優先するか否かは、操作者がリモコン430を用い、リモコンI/F420を介して予め制御部400の番組有効表示システム100に設定を行っている。なお、受信感度を優先するか否かの情報は、制御部400を介して、記憶部410に記憶させてもよい。
【0054】
したがって、番組有効表示システム100は、予め受信感度を優先と設定されていると判定した場合(ステップS11のYes)、同一番組を放送しているチャンネルの受信感度を取得し、比較する(ステップS21)。
具体的には、図3の時間帯「4」の「フルセグ」の「K」の番組名において、「アナハTV」の受信感度が、「45」であり、「ツェルTV」の受信感度が、「60」であることが比較される。
【0055】
次いで、番組有効表示システム100は、受信感度の最も高いチャンネルを取得する(ステップS22)。具体的には、図3の「アナハTV」および「ツェルTV」のうち、「ツェルTV」の「フルセグ」の「K」の番組を取得する。
【0056】
最後に、番組有効表示システム100は、取得したチャンネルを最適のチャンネルとして出力する(ステップS40)。
ここで、番組有効表示システム100は、図1に示す出力制御部230に「ツェルTV」の「フルセグ」の「K」の映像信号および音声信号を出力させる。
【0057】
一方、ステップS11の処理において、番組有効表示システム100は、予め受信感度を優先しないと設定されていると判定した場合(ステップS11のNo)、同一番組を放送している複数のチャンネルの過去において選択した回数を取得し、比較する(ステップS31)。ここで、過去において選択したチャンネルの回数は、記憶部410に記憶されている。
次いで、番組有効表示システム100は、記憶部410から過去に最も多く選択したチャンネルを取得する(ステップS32)。最後に、番組有効表示システム100は、取得したチャンネルを最適のチャンネルとして出力する(ステップS40)。
【0058】
なお、本実施の形態においては、検索文字列により同一内容の番組か否かを判定することとしているが、番組情報(Event Information Table)のイベントインデックス(Event id)を使用して、判定してもよい。例えば、同じevent idであれば、その番組は同一と判定してもよい。また、あらかじめ、系列局情報を作成し、時間帯によって、同一番組かどうかを判定してもよい。さらに、系列局情報を用いて判定してもよい。ここでの系列局情報は、放送波にとらわれず、例えば地上波放送と衛星放送といった組み合わせも考えられる。さらに、系列局情報は、あらかじめリストを作成する方法や、NIT(Network Information Table)のTS情報記述子のremote control key idを参照して、決定する方法を用いてもよい。
【0059】
また、本実施の形態において、表示621,表示622,表示623の表示順序は、物理チャンネル順に表示することとしたが、これに限定されず、優先するジャンル順、選局回数、受信感度、ソース(例えば、放送よりネットワークからの配信を優先させるとか、ダウンロードコンテンツを優先させるなど)、予約率の高い順のいずれか1つまたは複数を用いて表示順序を決定してもよい。
【0060】
さらに、本実施の形態において、受信感度の測定方法は、オートスキャン時の受信感度を保存してもよく、チューナー210を使用していないときに、プリセットチャンネルを巡回し、受信感度を測定し、その時の値を保存してもよく、チューナー210を使用していないときに、プリセットチャンネルを巡回し、受信感度を測定し、いままでの測定結果の平均を保存してもよい。
【0061】
以上のように、本発明に係る番組有効表示システム100においては、表示部600に選定された放送番組が映し出された状態で、表示部600の一部に当該放送番組とオーバーラップして他の放送番組の番組名が自動で表示される。その結果、ユーザインターフェイスの観点から、操作者に選択の余地を与えることができる。また、EPG(Electronic Program Guide)の番組一覧画面を表示させること無く、他の放送番組の番組名または同一放送局の他放送番組の番組名等を容易に選定することができる。
【0062】
また、同一内容の放送番組であっても、受信感度が異なる場合、または操作者の過去の履歴による嗜好性等に応じて、同一内容の放送番組であっても、受信感度の強弱または放送局の嗜好性等に応じて選定する機会を与えることができる。
【0063】
さらに、マルチ編成等により同一の放送局内において、異なる放送番組を放送していても、表示部600の一部にオーバーラップして表示されるので、放送番組の見逃しを防止することができる。
【0064】
本発明においては、番組有効表示システム100または放送受信システム110が番組有効表示システムに相当し、放送受信装置700が番組有効表示装置に相当し、番組有効表示システム100または出力制御部230が処理部に相当し、表示部600が表示部に相当し、表示621の「○○物理学」が複数のチャンネルから選定された放送番組に相当し、表示622の「[字]○○物理学」および表示623の「[HDTV]○○物理学」が複数のチャンネルから選定除外された放送番組に相当し、リモコンI/F420がチャンネル選定装置に相当し、番組有効表示システム100の動作が番組有効表示方法に相当する。
【0065】
(第2の実施の形態)
続いて、第2の実施の形態に係る番組有効表示システム100aの一例を示す模式的構造図である。第1の実施の形態においては、表示部600を有する放送受信装置700の場合について説明したが、第2の実施の形態に係る番組有効表示システム100aは、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略記する)の内部または外部に設けられるシステムである。
【0066】
図6に示すように、番組有効表示システム100aは、デマルチプレクサ220a、音声デコーダ221a、音声出力部240a、映像デコーダ222a、映像出力部250a、番組情報格納部300a、番組情報判定部310a、番組情報出力部260a、メインメモリ410aおよびハードディスク411aを含む。
メインメモリ410aおよびハードディスク411aは、操作者の過去の履歴による嗜好性等を記録する。ここで、第2の実施の形態においては、各部は、ソフト処理により各動作を行う。
【0067】
なお、図6に示すように、第2の実施の形態においては、番組有効表示システム100aは、チューナー210、表示部600aを含まない。
【0068】
<動作概略説明>
図6の番組有効表示システム100aにおいては、放送信号がチューナー210を介して、デマルチプレクサ220aにより複数のストリームに戻される。音声データは、音声デコーダ221aに送られ、映像データは、映像デコーダ222aに送られ、番組情報は、番組情報格納部300aに送られる。
【0069】
音声デコーダ221aは、音声データから音声を復号化し、映像デコーダ222aは、映像データを復号化する。音声デコーダ221aは、復号化した音声を音声出力部240aに与え、音声出力部240aは、音声を外部の表示部600aに与える。
【0070】
同様に、映像デコーダ222aは、復号化した映像を映像出力部250aに与え、映像出力部250aは、映像を外部の表示部600aに与える。
番組情報判定部310aは、第1の実施の形態における図4、図5のフローチャートと同様の処理を行い、番組情報出力部260aに番組情報を出力する。
【0071】
表示部600aは、音声出力部240a、映像出力部250aおよび番組情報出力部260aからの出力を表示する。この場合、映像出力部250の出力が表示された一部に、番組情報出力部260aからの情報がオーバーラップして表示される(図2参照)。
【0072】
以上のように、第2の発明に係る番組有効表示システム100aにおいては、表示部600aに選定された放送番組が映し出された状態で、表示部600aの一部に当該放送番組とオーバーラップして他の放送番組の番組名が自動で表示される。その結果、ユーザインターフェイスの観点から、操作者に選択の余地を与えることができる。また、EPG(Electronic Program Guide)の番組一覧画面を表示させること無く、他の放送番組の番組名または同一放送局の他放送番組の番組名等を容易に選定することができる。
【0073】
また、同一内容の放送番組であっても、受信感度が異なる場合、または操作者の過去の履歴による嗜好性等に応じて、同一内容の放送番組であっても、受信感度の強弱または放送局の嗜好性等に応じて選定する機会を与えることができる。
【0074】
さらに、マルチ編成等により同一の放送局内において、異なる放送番組を放送していても、表示部600aの一部にオーバーラップして表示されるので、放送番組の見逃しを防止することができる。
【0075】
第2の発明においては、番組有効表示システム100aが番組有効表示システムに相当し、音声出力部240a、番組情報出力部260aおよび映像出力部250aが処理部に相当し、表示部600aが表示部に相当し、番組有効表示システム100aの動作が番組有効表示方法に相当する。
【0076】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0077】
100,100a 番組有効表示システム
210 チューナー
220 デコーダ
230 出力制御部
240 音声出力部
250 映像出力部
300 番組情報格納部
400 制御部
410 記憶部
420 リモコンI/F部
430 リモコン
600,600a 表示部
621,622,623,624 表示
700 放送受信装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を受信し、複数のチャンネルから選定された放送番組を表示部に映し出すよう制御する番組有効表示システムであって、
前記複数のチャンネルから選定された放送番組を前記表示部に映し出す第1処理と、前記複数のチャンネルから選定除外された放送番組を前記選定されたチャンネルの放送番組にオーバーラップさせて前記表示部の少なくとも一部に映し出す第2処理と、を実施する処理部を有することを特徴とする番組有効表示システム。
【請求項2】
前記選定されたチャンネルの放送番組と、
前記選定除外されたチャンネルの放送番組とが、同一内容の放送番組であることを特徴とする請求項1記載の番組有効表示システム。
【請求項3】
前記選定されたチャンネルの放送番組と、
前記選定除外されたチャンネルの放送番組とが、異なる内容の放送番組であることを特徴とする請求項1記載の番組有効表示システム。
【請求項4】
前記処理部は、チャンネル選定処理をさらに備え、
前記チャンネル選定処理は、
前記オーバーラップさせて前記表示部の一部に映し出された放送番組を前記表示部に映し出されたチャンネルの放送番組と切り替えることができる請求項1から3のいずれか1項に記載の番組有効表示システム。
【請求項5】
前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の番組有効表示システムと、
前記番組有効表示システムにより処理された放送番組を映し出す表示部と、を有することを特徴とする番組有効表示装置。
【請求項6】
放送信号を受信し、複数のチャンネルから選定された放送番組を表示部に映し出すよう制御する番組有効表示方法であって、
前記複数のチャンネルから選定された放送番組を前記表示部に映し出し、かつ前記複数のチャンネルから選定除外された放送番組を前記選定されたチャンネルの放送番組にオーバーラップさせて前記表示部の一部に映し出すことを特徴とする番組有効表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−65950(P2013−65950A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202112(P2011−202112)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(591275481)株式会社アイ・オー・データ機器 (98)
【Fターム(参考)】