説明

異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に生成する画像サーバ、システム、プログラム及び方法

【課題】クライアントを操作するユーザから見て、注目を要する画像のタイムスケールの変化をできる限り滑らかに表示するべく、異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に生成する画像サーバ、システム、プログラム及び方法を提供する。
【解決手段】画像サーバは、画像における最小タイムスケールから最大タイムスケールまでの累積値から、素因数分解によって、素数及び乗数からなる素数群(=x×y×z×・・・)を算出する素数群算出手段と、素数を累積方向の画像同士のタイムスケールの倍率とし、乗数を当該倍率の画像同士の段数として、異なるタイムスケールの累積的な複数段階の画像を生成し、これら画像を画像蓄積手段へ出力する画像生成手段とを有する。そして、クライアントから表示範囲要求を受信する毎に、整数倍率の画像を逐次送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時系列の画像データを表示するユーザインタフェース画面の技術に関する。例えば医療従事者によって観察される電子カルテ情報のグラフ画像に適用される。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクト管理用の時系列データを、ユーザが理解しやすいように様々な観点から表示する「ユーザインタフェースアプリケーション」がある。特に、医療用の電子カルテ情報については、医療従事者が、患者毎に、次の治療計画を検討するために、過去の治療行為を時間軸に沿って迅速に観察できることが望まれる。このようなユーザインタフェースアプリケーションとして、スケジュール表によって医療行為を観察することができる、例えば「クリニカルパス」と称される技術がある。
【0003】
電子カルテ情報を表示するユーザインタフェースとして、横軸に、例えば年単位・月単位・日単位のような多段階の時間軸を表示し、縦軸に医療行為(病名・投薬・診断・検査等)を表示する技術がある(例えば特許文献1〜3参照)。この技術によれば、実際に行われた医療行為が、時間軸に沿ったオブジェクトとして表示されている。観察者は、時間軸の一定のタイムスケール(時間尺度)を変更することによって、過去の医療行為の経緯を俯瞰することができる。この情報の俯瞰性の高さは、医療従事者の思考に対して、過去の行為項目同士の因果関係の推定を容易にするようサポートする。特に、最適なタイムスケールで見ることによって、一見ランダムに見える医療行為の因果関係を見比べることもできる。医療従事者は、患者への投薬情報や検査情報などの過去の医療データを、時系列に視覚的に閲覧する。そのために、観察表示における時間間隔(タイムスケール)を伸長させたり収縮させたりしながら、閲覧する。
【0004】
医療従事者が、患者の時系列の医療行為データを観察する際に、長期観察と、短期観察とを併用することが好ましい。例えば1983年生まれの患者の場合、1983〜1984年の間に乳幼児特有の病気や検査(イベント)が集中する。成人後にその乳幼児期の病気等が影響している場合、その乳幼児期の短い期間のタイムスケールを長く表示することが所望される。一方で、高齢の患者の場合、若年齢時期の病気等を含めて、比較的長いタイムスケールで表示することも所望される。即ち、医療従事者にとっては、患者に対する医療行為全体を視覚的に俯瞰すると共に、医療行為が多く行われた時期については詳細に観察したいとする要求もある。前述した特許文献1〜3に記載された技術によれば、電子カルテ情報は、タイムスケールを伸縮させることができる。
【0005】
電子カルテシステムとしては、従来、専用端末が用いられており、医療従事者は、システム特有の操作をする必要があった。これに対し、近年では、タッチパネルディスプレイを搭載し、ユーザの指で直感的に操作することができるタブレット型/スレート型パーソナルコンピュータ及びスマートフォンのような端末が普及してきている。また、電子カルテシステムについても、このようなタブレット型端末を用いることによって、医療従事者における操作負担を軽減させることができる。
【0006】
タッチパネルの中でも、複数の指に接触位置を同時に検出することができるマルチタッチパネルがある。このようなマルチタッチパネルに対して、「ピンチ」(pinch)という操作がある。これは、マルチタッチパネルに対して、2本の指で摘むように接触させ、画面上の対象物を拡大又は縮小させる操作をいい、直感的に入力することができる。
【0007】
「ピンチイン」(pinch-in)(又はピンチクローズ(pinch-close))とは、マルチタッチパネルに接触させた2本の指で、その間隔を縮める操作をいう。これによって、画面に表示された対象物を縮小して表示させることができる。
【0008】
また、「ピンチアウト」(pinch-out)(又はピンチオープン(pinch-open))とは、マルチタッチパネルに接触させた2本の指で、その間隔を拡げる操作をいう。これによって、画面に表示された対象物を拡大して表示させることができる。
【0009】
例えば医療従事者は、端末のマルチタッチパネルに対してピンチ操作をすることによって、観察表示における時間間隔を伸長させたり、収縮させたりしながら、閲覧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−192002号公報
【特許文献2】特開2009−134713号公報
【特許文献3】特開2009−282557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、電子カルテ情報としての1つのグラフ画像を、クライアントのディスプレイで俯瞰できるようにした場合、どの程度のタイムスケールの倍率で区分するかが問題となる。即ち、画像サーバが、10年単位のタイムスケールのグラフ画像と、1秒単位のタイムスケールのグラフ画像との間に、どの程度の異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に生成しておくべきかが問題となる。例えば糖尿病患者の電子カルテ情報によれば、毎日、複数の投薬や検査がなされる。その場合、画像サーバは、10年単位のグラフ画像から、年単位、日単位又は時間単位のグラフ画像を生成する必要がある。画像サーバは、クライアントの表示範囲要求に応じた画像を送信する。
【0012】
一方で、クライアントを操作するユーザから見ると、タイムスケールの倍率に応じて、画像の伸縮がギクシャクして見える場合がある。例えば分単位のタイムスケールから、時間単位のタイムスケールへ遷移する場合、その倍率は、60倍となり、視認的にはかなり大きい。そのため、分単位のタイムスケールと時間単位のタイムスケールとの間で、異なるタイムスケールの複数段の画像に区分することが好ましい。
【0013】
画像のタイムスケールを単に2倍(1/2倍)することによって、ユーザは、比較的視認しやすくなる。しかしながら、60倍率の画像を、単に1/2に区分した場合、30倍、15倍、7.5倍、3.25倍、1.125倍、0.5625倍・・・となり、画像の生成自体が難しい倍率となる。即ち、遷移倍率計算を浮動小数点で計算した場合、座標計算について丸め誤差が発生する。そのために、クライアントの端末が、ハードウェア的に、浮動小数点演算ユニットを備えていない場合、計算速度が急激に落ちてしまう。
【0014】
また、複数のタイムスケールの中で、タイムスケール同士の時間区間の比も、異なる。例えば、日単位のタイムスケールは、1ヶ月を30日に区切って表示するのに対し、月単位のタイムスケールは、1年を12ヶ月に区切って表示する。このような比の相違によって、画像の段数を決定することは、画像の生成を更に複雑にする。
【0015】
そこで、本発明は、クライアントを操作するユーザから見て、注目を要する画像のタイムスケールの変化をできる限り滑らかに表示するべく、異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に生成する画像サーバ、システム、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、1枚の画像に対して、異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に蓄積する画像蓄積手段と、
クライアントから表示範囲要求を受信する要求受信手段と、
表示範囲要求によって指示された当該表示時間範囲に応じたタイムスケールの画像を、クライアントへ送信する画像送信手段と
を有する画像サーバにおいて、
画像における最小タイムスケールから最大タイムスケールまでの累積値から、素因数分解によって、素数及び乗数からなる素数群(=x×y×z×・・・)を算出する素数群算出手段と、
素数を累積方向の画像同士のタイムスケールの倍率とし、乗数を当該倍率の画像同士の段数として、異なるタイムスケールの累積的な複数段階の画像を生成し、これら画像を画像蓄積手段へ出力する画像生成手段と
を有し、
画像送信手段は、クライアントから表示範囲要求を受信する毎に、整数倍率の画像を逐次送信することを特徴とする。
【0017】
本発明の画像サーバにおける他の実施形態によれば、累積値は、最小タイムスケールにおける単位時間の累積値であることも好ましい。
【0018】
本発明の画像サーバにおける他の実施形態によれば、累積値は、最小タイムスケールにおける単位時間の画面解像度(ユニットサイズ)の累積値であることも好ましい。
【0019】
本発明の画像サーバにおける他の実施形態によれば、最小タイムスケールにおけるユニットサイズのいずれかの整数倍数と、最大タイムスケールにおけるユニットサイズのいずれかの整数倍数とが、画面サイズと一致するように、両ユニットサイズを決定することも好ましい。
【0020】
本発明の画像サーバにおける他の実施形態によれば、最大タイムスケールのユニットサイズは、少なくとも、素数の中で最大の素数の整数倍数となることも好ましい。
【0021】
本発明の画像サーバにおける他の実施形態によれば、画像生成手段は、最小解像度の画像から順に、素数を昇順又は降順に割り当てることも好ましい。
【0022】
本発明の画像サーバにおける他の実施形態によれば、
複数段数の各画像について、クライアントへ送信した閲覧数(送信数)を記録する閲覧数記録手段を更に有し、
画像生成手段は、閲覧数が多い解像度の画像同士ほど、小さい値の素数に基づく倍率の解像度で生成することも好ましい。
【0023】
本発明の画像サーバにおける他の実施形態によれば、
画像サーバは、医療従事者によって観察される電子カルテ情報を蓄積したものであり、
画像は、医療に関するグラフ画像であることも好ましい。
【0024】
本発明によれば、前述した画像サーバと、クライアントとを有するシステムであって、
画像サーバについて、
画像生成手段によって生成された複数段数の画像毎に、素数に対応して連番の伝送番号を割り当てた伝送番号テーブルを、クライアントへ送信する伝送番号送信手段を更に有し、
要求受信手段は、当該表示範囲要求から伝送番号を取得し、その伝送番号を画像送信手段へ出力し、
画像送信手段は、画像蓄積手段から、伝送番号に応じた画像を取得し、当該画像をクライアントへ送信するものであり、
クライアントについて、
画像サーバから伝送番号テーブルを受信する伝送番号受信手段と、
ディスプレイに表示すべき画像の解像度に応じて、伝送番号を選択する伝送番号選択手段と、
選択された伝送番号を、画像サーバへ送信する伝送番号送信手段と
を有することを特徴とする。
【0025】
本発明のシステムにおける他の実施形態によれば、
クライアントは、
ユーザの指によって操作可能なマルチタッチパネルを有する、タブレット型/スレート型パーソナルコンピュータ又はスマートフォンの端末であって、
ディスプレイへの表示範囲は、タイムスケールの伸縮方向における、当該ユーザの2本の指の移動に基づくピンチイン/ピンチアウト(2本の指の間の距離の拡大/縮小)操作を検出すると共に、移動前時点tの指間の第1の距離dtと、移動後時点t+1の指間の第2の距離dt+1との差分となるピンチ距離(dt−dt+1)に基づいて、次の表示範囲が決定されることも好ましい。
【0026】
本発明によれば、1枚の画像に対して、異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に蓄積する画像蓄積手段と、
クライアントから表示範囲要求を受信する要求受信手段と、
表示範囲要求によって指示された当該表示時間範囲に応じたタイムスケールの画像を、クライアントへ送信する画像送信手段と
してコンピュータを機能させる画像サーバ用のプログラムにおいて、
画像における最小タイムスケールから最大タイムスケールまでの累積値から、素因数分解によって、素数及び乗数からなる素数群(=x×y×z×・・・)を算出する素数群算出手段と、
素数を累積方向の画像同士のタイムスケールの倍率とし、乗数を当該倍率の画像同士の段数として、異なるタイムスケールの累積的な複数段階の画像を生成し、これら画像を画像蓄積手段へ出力する画像生成手段と
してコンピュータを機能させ、
画像送信手段は、クライアントから表示範囲要求を受信する毎に、整数倍率の画像を逐次送信するようにコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、1枚の画像に対して、異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に蓄積する画像蓄積部を有し、
クライアントから表示範囲要求を受信し、当該表示範囲要求によって指示された当該表示時間範囲に応じたタイムスケールの画像を、クライアントへ送信する画像サーバにおける画像送信方法において、
画像における最小タイムスケールから最大タイムスケールまでの累積値から、素因数分解によって、素数及び乗数からなる素数群(=x×y×z×・・・)を算出する第1のステップと、
素数を累積方向の画像同士のタイムスケールの倍率とし、乗数を当該倍率の画像同士の段数として、異なるタイムスケールの累積的な複数段階の画像を生成し、これら画像を画像蓄積手段へ出力する第2のステップと
クライアントから表示範囲要求を受信する毎に、整数倍率の画像を逐次送信する第3のステップと
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の画像サーバ、システム、プログラム及び方法によれば、クライアントを操作するユーザから見て、注目を要する画像のタイムスケールの変化をできる限り滑らかに表示するべく、異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】グラフ画像がディスプレイに表示されたタブレット型端末の外観図である。
【図2】本発明における画像サーバ及び端末の機能構成図である。
【図3】画像蓄積部に蓄積された累積的な複数の画像を表す説明図である。
【図4】最小タイムスケールにおける単位時間を累積した値を表す説明図である。
【図5】最小タイムスケールにおける単位時間の画面解像度(ユニットサイズ)を累積した値を表す説明図である。
【図6】画面サイズに対するユニットサイズを表す説明図である。
【図7】どのタイムスケールにどの倍率(素数)を割り当てるかを表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0031】
図1は、グラフ画像がディスプレイに表示されたタブレット型端末の外観図である。
【0032】
図1によれば、ユーザは、タブレット型/スレート型パーソナルコンピュータ又はスマートフォンの端末(以下「タブレット型端末」という)を操作する。タブレット型端末2には、マルチタッチパネルディスプレイ202が搭載されている。マルチタッチパネルディスプレイ202は、時系列のグラフ画像を表示すると共に、ユーザの指による操作(ピンチ操作)を受け付ける。勿論、タッチパネルディスプレイに限られず、表示機能のみのディスプレイと、ユーザ操作機能のみのマルチタッチパネルとから構成されるものであってもよい。
【0033】
図1によれば、タッチパネルディスプレイ202は、横型に向けられており、医療従事者によって観察される電子カルテ情報(時系列のグラフ画像)が表示されている。図1によれば、縦軸に複数の行為項目(医療行為)が表示され、横軸に時間軸が表示されている。行為項目は、例えば電子カルテ情報に関する医療行為であって、グラフ画像は、その行為項目に対する、例えば検査値や投薬量を表すものである。
【0034】
図1によれば、行為項目毎に、その行為が実行された旨のイベントに基づくグラフ画像が表示されている。時間軸の上部には、時間尺度(タイムスケール)を表すタイムラインも表示されている。タイムスケールは、例えば以下のように時間単位に基づく。
秒単位 (タイムスケールが小さい)
分単位
日単位
月単位
年単位
10年単位 (タイムスケールが大きい)
例えば、年単位のタイムスケールにおける1年分の時間範囲と、月単位のタイムスケールにおける12ヶ月分の時間範囲とは一致する。即ち、複数のタイムスケールは、同一の時間軸に基づいて関連する。
年単位の1年分 =月単位の12ヶ月分
月単位の1ヶ月分=日単位(例えば)30日分
【0035】
医療従事者は、その患者の過去の診療経緯に基づいて、タブレット型端末2に対するピンチ操作によって、タイムスケールを段階的に伸縮させることができる。これよって、グラフ画像を伸縮して表示させることができる。即ち、タイムスケールが大きいほど、グラフ画像は収縮し、タイムスケールが小さいほど、グラフ画像は伸長する。
【0036】
また、図1によれば、タブレット型端末2は、アクセスネットワーク及びインターネットを介して、画像サーバ1から画像を受信する。画像サーバ1は、1枚のグラフ画像に対して、異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に生成する。グラフ画像が例えば医療に関するものである場合、画像サーバは、医療従事者によって観察される電子カルテ情報を蓄積したものである。
【0037】
グラフ画像の各要素は、構造化されたデータ(COA)であって、時刻(又は時刻幅)及び数値(投薬量や検査結果等)を含む。例えば月単位のタイムスケールであれば、その月に含まれるCOAデータが、グラフによって表される。
【0038】
図2は、本発明における画像サーバ及び端末の機能構成図である。
【0039】
図2によれば、画像サーバ1は、通信インタフェース部101と、画像蓄積部111と、素数群算出部112と、画像生成部113と、要求受信部114と、画像送信部115と、閲覧数記録部116と、伝送番号送信部117とを有する。通信インタフェース部101を除くこれら機能構成部は、サーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。尚、各機能構成部の処理の流れは、画像送信方法としても理解できる。
【0040】
画像蓄積部111は、1枚の画像に対して、異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に蓄積する。画像蓄積部111は、例えば電子カルテ情報の各要素情報に基づいて、予め描画した画像を蓄積する。即ち、端末2に表示すべき画像自体が蓄積される。従って、画像サーバ1が、電子カルテ情報の要素情報のみを端末2へ送信し、端末2が、それら情報を加工した画像を表示するものとは異なる。これによって、端末2自体が、処理負担が大きい画像処理を実行する必要がない。
【0041】
図3は、画像蓄積部に蓄積された累積的な複数の画像を表す説明図である。
【0042】
図3によれば、1年のタイムスケールの1枚の画像について、縮小率1/2ずつ、複数の画像が表されている。例えば、年単位のタイムスケールの画像は、6ヶ月分の月単位のタイムスケールの2枚の画像に区分できる。また、6ヶ月分の月単位のタイムスケールの画像は、3ヶ月分の月単位のタイムスケールの2枚の画像に区分できる。このように、画像蓄積部111は、小さいタイムスケールから見て、整数倍に拡大させた画像を累積的に蓄積する。
【0043】
次に、素数群算出部112は、画像における最小タイムスケールから最大タイムスケールまでの累積値から、素因数分解によって、素数及び乗数からなる素数群(=x×y×z×・・・)を算出する。生成された素数群の情報は、画像生成部113へ出力される。
【0044】
画像生成部113は、素数を累積方向の画像同士のタイムスケールの倍率とし、乗数を当該倍率の画像同士の段数として、異なるタイムスケールの累積的な複数段階の画像を生成し、これら画像を画像蓄積部111へ出力する。
【0045】
図4は、最小タイムスケールにおける単位時間を累積した値を表す説明図である。
【0046】
図4(a)によれば、最小タイムスケールにおける単位時間を、「秒」とする。この場合、秒単位の累積値は、以下のようになる。
1秒の60倍 -> 1分 :60秒
1分の60倍 -> 1時間:3600秒
1時間の24倍 -> 1日 :86400秒
1日の30倍 -> 1月 :2592000秒
1月の12倍 -> 1年 :31104000秒
1年の10倍 -> 10年:311040000秒
(60秒×60分×24時間×30日×12月×10年=311040000秒)
【0047】
ここで、全拡大率の積311040000は、以下のように素因数分解される。
311040000=211×3×5
【0048】
図4(b)によれば、10年単位のタイムスケールの画像から、素数を昇順に割り当てている。
10年単位のタイムスケールの画像から、11個目となる時間単位のタイムスケールの画像まで、倍率2(素数2)ずつ、生成されている。
次の画像から5個目となる分単位のタイムスケールの画像まで、倍率3(素数3)ずつ、生成されている。
更に次の画像から4個目となる秒単位のタイムスケールの画像まで、倍率5(素数5)ずつ、生成されている。
尚、10年単位のタイムスケールの画像に最小素数を割り当てた理由としては、そのグラフ画像の行為項目について、ユーザが長いタイムスケールで俯瞰する場合が多いことに基づく。逆に言うと、ユーザが分単位や秒単位のタイムスケールで俯瞰する場合が少ないことを意味する。即ち、本発明によれば、ユーザが俯瞰する場合が多いタイムスケールほど、できる限り最小倍率2を割り当てるべきである。
【0049】
図5は、最小タイムスケールにおける単位時間の画面解像度(ユニットサイズ)を累積した値を表す説明図である。
図6は、画面サイズに対するユニットサイズを表す説明図である。
【0050】
図5(a)によれば、最小タイムスケールにおける単位時間のユニットサイズを、「24ドット」とする。尚、画面サイズは、600ドットとする。この場合、ドット単位の累積値は、以下のようになる。
1秒の60倍 -> 1分 :24ドット×60秒=1440ドット
秒単位の1440ドットを、分単位の24ドットへ縮小する
には、1/60とする
1分の60倍 -> 1時間:24ドット×60分=1440ドット
分単位の1440ドットを、時間単位の24ドットへ縮小す
るには、1/60とする
1時間の24倍 -> 1日 :24ドット×24時間=576ドット
時間単位の576ドットを、日単位の24ドットへ縮小する
には、1/24とする
1日の30倍 -> 1月 :24ドット×30日=720ドット
日単位の720ドットを、月単位の60ドットへ縮小するに
は、1/12とする
1月の12倍 -> 1年 :60ドット×12月=720ドット
月単位の720ドットを、年単位の150ドットへ縮小する
には、1/4.8とする
1年の10倍 -> 10年:150ドット×10年=1500ドット
年単位の1500ドットを、10年単位の250ドットへ縮
小するには、1/7.5とする
(7.5×4.8×12×24×60×60=37324800ドット)
即ち、秒単位のタイムスケールから10年単位のタイムスケールまでは、37324800ドットの累積値となる。
【0051】
ここで、全拡大率の積37324800は、以下のように素因数分解される。
37324800=211×3×5
【0052】
図5(b)によれば、10年単位のタイムスケールの画像から、素数を昇順に割り当てている。
10年単位のタイムスケールの画像から、11個目となる時間単位のタイムスケールの画像まで、倍率2(素数2)ずつ、生成されている。
次の画像から6個目となる分単位のタイムスケールの画像まで、倍率3(素数3)ずつ、生成されている。
更に次の画像から2個目となる秒単位のタイムスケールの画像まで、倍率5(素数5)ずつ、生成されている。
【0053】
尚、図5における素数5の乗数2は、図4における素数5の乗数5と比較して、少ないことに注目してほしい。素数5は倍率5を意味しており、5倍の表示の変化は、ユーザの視認的に違和感を生じやすい。従って、大きい素数(例えば5)の乗数は、できる限り少なくすることが好ましい。
【0054】
素数5の乗数をできる限り少なくするために、図5によれば、あえて、画面サイズ600ドットに対して、秒単位のユニットサイズを24ドットとし、10年単位のユニットサイズを200ドットとしている。
【0055】
例えば、タイムスケール同士のユニットサイズの関係を、以下のように考える。
秒単位のユニットサイズ :aドット
分単位のユニットサイズ :aドット
60秒×aドット =1分×aドット
1分=60秒×aドット/aドット
時間単位のユニットサイズ :aドット
60分×aドット =1時間×aドット
1時間=60分×aドット/aドット
日単位のユニットサイズ :aドット
24時間×aドット=1日×aドット
1日=24時間×aドット/aドット
月単位のユニットサイズ :aドット
30日×aドット =1月×aドット
1月=30日×aドット/aドット
年単位のユニットサイズ :aドット
12月×aドット =1年×aドット
1年=12月×aドット/aドット
10年単位のユニットサイズ:aドット
1年×aドット =10年×aドット
10年=1年×aドット/aドット
【0056】
ここで、ユニットサイズの累積値は、以下のように表される。
累積値=60秒 ×aドット/aドット ×
60分 ×aドット/aドット ×
24時間×aドット/aドット ×
30日 ×aドット/aドット ×
12月 ×aドット/aドット ×
10年 ×aドット/aドット
=60秒×60分×24時間×30日×12月×10年×a/a
即ち、ユニットサイズの累積値は、a/a(秒単位のユニットサイズ/10年単位のユニットサイズ)に依存する。
【0057】
前述した図4は、単位時間のみの累積値に注目したものであるのに対し、前述した図5は、更にa/aに基づく累積値に注目したものである。
【0058】
図5によれば、a/a=24ドット/200ドットとなる。この数値の決定にも、以下の2つの理由がある。
(1)画面サイズは、600ドットである。即ち、「600」は、「24」及び「200」の公倍数である。スマートフォンのような小型のディスプレイの場合、最小公倍数の「600」であるのが好ましい。勿論、ディスプレイサイズによっては、1200や1800であってもよい。
(2)「24」を素因数分解すると、「24=2×3」で表される。
「200」を素因数分解すると、「200=2×5」で表される。
即ち、「24/200」=「3/5」で表される。
【0059】
両ユニットサイズ「24」「200」は、最小タイムスケールにおけるユニットサイズのいずれかの整数倍数と、最大タイムスケールにおけるユニットサイズのいずれかの整数倍数とが、画面サイズと一致するように決定される。
【0060】
これは、以下のように考えることができる。
単位時間の累積値=211×3×5
単位時間の累積値×3/5=211×3×5
単位時間のサイズの累積値=211×3×5
即ち、画面サイズ600ドットに対して、最小ユニットサイズ24ドット及び最大ユニットサイズ200ドットに設定することによって(「3/5」を乗算することによって)、素数5の乗数を減らすことができる。即ち、最大タイムスケールのユニットサイズ「200」は、少なくとも、素数の中で最大の素数「5」の整数倍数となる。これによって、5倍のような大きな表示の変化を減らすことができ、ユーザの視認的に違和感を生じにくくすることができる。
【0061】
ここで、再度、図2へ戻って説明する。
【0062】
要求受信部114は、タブレット型端末2から表示範囲要求を受信する。表示範囲要求には、端末の画面に表示すべきタイムスケールの関連情報が含まれる。例えば、以下のように、時刻及び時間範囲であってもよい。
「時刻hh:mm:ssから、2時間」
【0063】
また、要求受信部114は、表示範囲要求として伝送番号を受信するものであってもよい。前述した図4及び図5によれば、素数の段階に応じて伝送番号が昇順に割り当てられている。要求受信部114は、端末2から受信した時刻及び伝送番号を、画像送信部115及び閲覧数記録部116へ出力する。
【0064】
画像送信部115は、表示範囲要求によって指示された当該表示時間範囲に応じたタイムスケールの画像を、タブレット型端末2へ送信する。画像送信部115は、端末2から表示範囲要求を受信する毎に、整数倍率の画像を逐次送信する。
【0065】
また、画像送信部115は、要求受信部112から時刻及び伝送番号を入力し、その伝送番号に応じた画像を画像蓄積部111から取得する。取得した画像は、クライアントへ送信される。
【0066】
閲覧数記録部116は、複数段数の各画像について、端末2へ送信した閲覧数(送信数)を記録する。即ち、要求受信部114は、行為項目及び伝送番号毎に、端末2から要求された回数を記録する。ある行為項項目について、ある伝送番号の閲覧数が多いということは、そのタイムスケールを含む倍率は、できる限り小さい素数(例えば2)を割り当てるべきと判断できる。
【0067】
伝送番号送信部117は、画像生成部113によって生成された複数段数の画像毎に、素数に対応して連番の伝送番号を割り当てた伝送番号テーブル(図4及び図5参照)を、端末2へ送信する。これによって、端末2は、ディスプレイ202に表示すべき画像に適切なタイムスケールに基づく伝送番号を知ることができる。
【0068】
図7は、どのタイムスケールにどの倍率(素数)を割り当てるかを表す説明図である。
【0069】
画像サーバ1における画像生成部113は、どのタイムスケールにどの倍率(素数)を割り当てるかを選択する。画像生成部113は、以下の3つの方法で倍率を割り当てる。
(1)図7(a)によれば、最小解像度(最小タイムスケール)の画像から昇順に、素数を割り当てる。
(2)図7(b)によれば、最大解像度(最大タイムスケール)の画像から昇順に、素数を割り当てる。
(3)図7(c)によれば、閲覧数が多い解像度(タイムスケール)の画像同士ほど、小さい値の素数を割り当てる。
【0070】
即ち、本発明によれば、最小タイムスケール(例えば秒単位)から最大タイムスケール(例えば10年単位)へ変化する倍率を素因数分解する。そして、最も閲覧される可能性が高いタイムスケール間について小さい素因数の倍率を用いる。一方で、閲覧される可能性が低いタイムスケール間について大きい素因数の倍率を用いる。
【0071】
また、図2によれば、タブレット型端末1は、通信インタフェース部201と、マルチタッチパネルディスプレイ202と、画像受信部211と、伝送番号受信部212と、ピンチ操作検出部213と、伝送番号選択部214と、要求送信部215とを有する。通信インタフェース部201及びマルチタッチパネルディスプレイ202を除くこれら機能構成部は、タレット型端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0072】
画像受信部211は、画像サーバ1から受信した画像を、マルチタッチパネルディスプレイ202へ出力する。
【0073】
伝送番号受信部212は、画像サーバ1から伝送番号テーブルを受信する。受信した伝送番号テーブルは、伝送番号選択部214へ出力する。
【0074】
ピンチ操作検出部213は、ユーザの指によるピンチ操作を検出する。検出されるピンチ操作は、タイムスケールの方向における、ユーザの2本の指の移動に基づくピンチイン/ピンチアウト(2本の指の間の距離の拡大/縮小)操作をいう。ピンチ操作検出部213は、以下のようにピンチ距離を検出する。
t−dt+1:ピンチ距離
t :移動前時点tの指間の第1の距離
t+1:移動後時点t+1の指間の第2の距離
【0075】
伝送番号選択部214は、ディスプレイに表示すべき画像の解像度に応じて、伝送番号を選択する。選択された伝送番号は、要求送信部215へ出力される。伝送番号選択部214は、以下のように伸縮したタイムスケールを表示できる伝送番号を選択する。
t+1=xt+(dt−dt+1)・α
t :移動前時点tの第1のタイムスケールの単位長
t+1 :移動後時点t+1の第1のタイムスケールの単位長
α :表示画面を考慮した係数
尚、伝送番号選択部214は、ピンチ操作検出部213によって検出されたピンチ距離に基づいて、現タイムスケールから次タイムスケールを選択する。
【0076】
要求送信部215は、次にディスプレイに表示すべき表示範囲要求を、画像サーバ1へ送信する。ここで、伝送番号選択部214によって選択された伝送番号を、画像サーバへ送信する。端末2は、ユーザのピンチ操作によって、タイムスケールが変化するタイミングで、表示範囲要求を画像サーバ1へ送信する。
【0077】
以上、詳細に説明したように、本発明の画像サーバ、システム、プログラム及び方法によれば、クライアントを操作するユーザから見て、注目を要する画像のタイムスケールの変化をできる限り滑らかに表示するべく、異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に生成する。
【0078】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0079】
1 画像サーバ
101 通信インタフェース部
111 画像蓄積部
112 素数群算出部
113 画像生成部
114 要求受信部
115 画像送信部
116 閲覧数記録部
117 伝送番号送信部
2 タブレット型端末
201 通信インタフェース部
202 マルチタッチパネルディスプレイ
211 画像受信部
212 伝送番号受信部
213 ピンチ操作検出部
214 伝送番号選択部
215 要求送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の画像に対して、異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に蓄積する画像蓄積手段と、
クライアントから表示範囲要求を受信する要求受信手段と、
前記表示範囲要求によって指示された当該表示時間範囲に応じたタイムスケールの画像を、クライアントへ送信する画像送信手段と
を有する画像サーバにおいて、
前記画像における最小タイムスケールから最大タイムスケールまでの累積値から、素因数分解によって、素数及び乗数からなる素数群(=x×y×z×・・・)を算出する素数群算出手段と、
前記素数を累積方向の画像同士のタイムスケールの倍率とし、前記乗数を当該倍率の前記画像同士の段数として、異なるタイムスケールの累積的な複数段階の画像を生成し、これら画像を前記画像蓄積手段へ出力する画像生成手段と
を有し、
前記画像送信手段は、クライアントから前記表示範囲要求を受信する毎に、整数倍率の画像を逐次送信することを特徴とする画像サーバ。
【請求項2】
前記累積値は、前記最小タイムスケールにおける単位時間の累積値であることを特徴とする請求項1に記載の画像サーバ。
【請求項3】
前記累積値は、前記最小タイムスケールにおける単位時間の画面解像度(ユニットサイズ)の累積値であることを特徴とする請求項1に記載の画像サーバ。
【請求項4】
前記最小タイムスケールにおけるユニットサイズのいずれかの整数倍数と、前記最大タイムスケールにおけるユニットサイズのいずれかの整数倍数とが、画面サイズと一致するように、両ユニットサイズを決定することを特徴とする請求項3に記載の画像サーバ。
【請求項5】
前記最大タイムスケールのユニットサイズは、少なくとも、前記素数の中で最大の素数の整数倍数となることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像サーバ。
【請求項6】
前記画像生成手段は、前記最小解像度の画像から順に、素数を昇順又は降順に割り当てることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像サーバ。
【請求項7】
複数段数の各画像について、クライアントへ送信した閲覧数(送信数)を記録する閲覧数記録手段を更に有し、
前記画像生成手段は、前記閲覧数が多い解像度の画像同士ほど、小さい値の素数に基づく倍率の解像度で生成する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像サーバ。
【請求項8】
前記画像サーバは、医療従事者によって観察される電子カルテ情報を蓄積したものであり、
前記画像は、医療に関するグラフ画像である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像サーバ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の画像サーバと、クライアントとを有するシステムであって、
前記画像サーバについて、
前記画像生成手段によって生成された複数段数の画像毎に、前記素数に対応して連番の伝送番号を割り当てた伝送番号テーブルを、クライアントへ送信する伝送番号送信手段を更に有し、
前記要求受信手段は、当該表示範囲要求から伝送番号を取得し、その伝送番号を画像送信手段へ出力し、
前記画像送信手段は、前記画像蓄積手段から、前記伝送番号に応じた画像を取得し、当該画像をクライアントへ送信するものであり、
前記クライアントについて、
前記画像サーバから前記伝送番号テーブルを受信する伝送番号受信手段と、
ディスプレイに表示すべき画像の解像度に応じて、前記伝送番号を選択する伝送番号選択手段と、
選択された前記伝送番号を、前記画像サーバへ送信する伝送番号送信手段と
を有することを特徴とするシステム。
【請求項10】
前記クライアントは、
ユーザの指によって操作可能なマルチタッチパネルを有する、タブレット型/スレート型パーソナルコンピュータ又はスマートフォンの端末であって、
ディスプレイへの表示範囲は、タイムスケールの伸縮方向における、当該ユーザの2本の指の移動に基づくピンチイン/ピンチアウト(2本の指の間の距離の拡大/縮小)操作を検出すると共に、移動前時点tの指間の第1の距離dtと、移動後時点t+1の指間の第2の距離dt+1との差分となるピンチ距離(dt−dt+1)に基づいて、次の表示範囲が決定されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
1枚の画像に対して、異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に蓄積する画像蓄積手段と、
クライアントから表示範囲要求を受信する要求受信手段と、
前記表示範囲要求によって指示された当該表示時間範囲に応じたタイムスケールの画像を、クライアントへ送信する画像送信手段と
してコンピュータを機能させる画像サーバ用のプログラムにおいて、
前記画像における最小タイムスケールから最大タイムスケールまでの累積値から、素因数分解によって、素数及び乗数からなる素数群(=x×y×z×・・・)を算出する素数群算出手段と、
前記素数を累積方向の画像同士のタイムスケールの倍率とし、前記乗数を当該倍率の前記画像同士の段数として、異なるタイムスケールの累積的な複数段階の画像を生成し、これら画像を前記画像蓄積手段へ出力する画像生成手段と
してコンピュータを機能させ、
前記画像送信手段は、クライアントから前記表示範囲要求を受信する毎に、整数倍率の画像を逐次送信するようにコンピュータを機能させることを特徴とする画像サーバ用のプログラム。
【請求項12】
1枚の画像に対して、異なるタイムスケールの複数の画像を累積的に蓄積する画像蓄積部を有し、
クライアントから表示範囲要求を受信し、当該表示範囲要求によって指示された当該表示時間範囲に応じたタイムスケールの画像を、クライアントへ送信する画像サーバにおける画像送信方法において、
前記画像における最小タイムスケールから最大タイムスケールまでの累積値から、素因数分解によって、素数及び乗数からなる素数群(=x×y×z×・・・)を算出する第1のステップと、
前記素数を累積方向の画像同士のタイムスケールの倍率とし、前記乗数を当該倍率の前記画像同士の段数として、異なるタイムスケールの累積的な複数段階の画像を生成し、これら画像を前記画像蓄積手段へ出力する第2のステップと
クライアントから前記表示範囲要求を受信する毎に、整数倍率の画像を逐次送信する第3のステップと
を有することを特徴とする画像送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−238279(P2012−238279A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108472(P2011−108472)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】