説明

異なる平均サイズの粒子を具備する焼結多孔質材料

多孔質膜は、第1の平均サイズの金属粒子の第1の粉および第2の平均サイズの金属粒子の第2の粉のブレンドを具備し、第1の粉および前記第2の粉は共に焼結する。第1の平均サイズは、第2の平均サイズよりも5〜50倍大きい。多孔質膜は、40重量%〜60重量%の第1の粉を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本発明は、2009年6月18日に出願された米国仮出願第61/218,310号の権利を主張する。上記の出願の全体技術は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ウエハー処理の速度は、しばしば処理ツールのロードロックでタイムスペントする「ベントアップ」および「ベントダウン」によってゲートされる。この速度は、1990年代に、乱流ガスのパターンを生成することなく、チャンバの高速排気を許可し、粒子を拡散し、ワークを汚染するロードロックディフューザ(多孔質膜)の導入で、大幅に上がった。これらのディフューザの例は、ニッケル膜に基づく製品ラインである、Entegris ChamberGard(登録商標)(Entegris社(チャスカ、ミネソタ州)から入手可能)がある。この膜の性質のために、ディフューザはまた、粒子フィルタとしても機能し、9対数減少値(LRV)(即ち、汚染の99.9999999%を除去)までを備えた、3ナノメートルの濾過を提供する。
【0003】
FV−50として知られている、ChamberGard(登録商標)平面シートディフューザ(膜)は、最大操作圧力45psidデザインする。この圧力は、100,000サイクルの保証寿命を有する。サイクルの数字が大きいほど、今日のシングルウエハーツールのために有益であろう。FV−50は、0.100インチの厚さ、および65%の多孔率であるシート中へ2ミクロンのニッケル粉末を焼結することにより製造される製品である。材料は、3ナノメータの粒子サイズへの9より下のLRV値を提供する。材料は、表面上に均一に気体拡散する、細孔構造を持つディフューザ(膜)として、理想的に適している。
【0004】
近年では、特に単一のウエハー処理で、さらにロードロックチャンバのベントスピードを向上させる必要がある。多くのエンドユーザーは、流量を増加させ、ベント時間を短縮するために、チャンバのディフューザへの不活性ガスの供給圧力を増加している。結果として、ライフサイクルの数も劇的に増加している。ロードロックディフューザ/フィルタは、それらを処理するように設計されたより高い圧力、およびより多くのサイクルにさらされている。
【0005】
最近の金属のディフューザ(膜)は、また高効率のフィルタとして機能する。これらのフィルタは、微細な金属粒子(平均値サイズ、10ミクロン以下)の焼結によって作られる、高い表面積および高気孔率の物体である。これらの材料は、強力かつ堅牢な高分子材料と比較した場合、限界を有する。平らなシートを扱う場合の、特別なケースである。単一のウエハーチャンバは、ボリュームを最小限に抑える設計により非常に浅いので、平らなシート状のディフューザ(膜)の使用は、管状の要素よりもはるかに優れていることが示されており、少ないチャンバの容積を占有しながら、よりスムーズなガスの流れを提供する。
【0006】
高効率微粒子ろ過を提供しながら、チャンバ内のガスの乱流を生成することなく、数百万サイクル以上の高いガス圧に耐えることができ、平らなシートの形で製造することができるフィルタ/ディフューザの必要性はそこに存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、本発明は、第1の平均サイズの金属粒子の第1の粉および第2の平均のサイズの金属粒子の第2の粉のブレンドを含む多孔質膜であり、第1の粉および第2の粉は、一緒に焼結する。第1の平均サイズは第2の平均サイズの5倍から50倍大きく、多孔質膜は、40重量%〜60重量%が第1の粉末によって構成されている。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、入口と出口とを有する筐体および、入口と出口とを流体連通し、筐体内に配置されている多孔質膜を含む、気体ディフューザ装置である。多孔質膜は、第1の平均サイズの金属粒子の第1の粉および、第2の平均サイズの金属粒子の第2の粉のブレンドを具備し、第1の粉および第2の粉は、一緒に焼結する。第1の平均サイズは第2の平均サイズの5倍から50倍大きく、多孔質膜は、40重量%〜60重量%が第1の粉末によって構成されている。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、入口と出口とを有する筐体および、入口と出口とを流体連通し、筐体内に配置されている多孔質膜を含む、気体ディフューザ装置である。多孔質膜は、0.2cm〜0.5cmの厚さを有する平らなシートであり、気体の0.1ミクロンの粒子に対して少なくとも6の対数減少値、3slpm/cmの速度、および平方インチ当たり少なくとも300ポンドの破裂圧力を有する。多孔質膜は、第1の平均サイズの金属粒子の第1の粉および、第2の平均サイズの金属粒子の第2の粉のブレンドを具備し、第1の粉および第2の粉は、一緒に焼結し、ここで、第1の平均サイズは第2の平均の大きさの5倍から50倍以上であり、多孔質膜は、40重量%〜60重量%が第1の粉末によって構成されている。
【0010】
別の実施形態において、本発明は気体流の精製方法である。その方法は、多孔質膜を介して気体流を導くことを含む。多孔質膜は、第1の平均サイズの金属粒子の第1の粉および、第2の平均サイズの金属粒子の第2の粉のブレンドを具備し、第1の粉および第2の粉は、一緒に焼結する。第1の平均サイズは第2の平均サイズの5倍から50倍大きく、多孔質膜は、40重量%〜60重量%が第1の粉末によって構成されている。
【0011】
多孔質膜は、高いスループットと濾過効率を維持しながら、有利に、今までの気体流の精製に用いてきた材料より高い破裂強度を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】先行技術の多孔質膜を表示する走査電子顕微鏡写真(SEM、2000倍の倍率)を示す図である。
【図2】平均サイズ50ミクロンのニッケル粒子の第1の粉および平均サイズ2ミクロンのニッケル粒子の第2の粉を具備する、本発明の多孔質膜のSEM写真(図2に対して1000倍の倍率、図3に対して200倍の倍率)を示す図である。
【図3】平均サイズ50ミクロンのニッケル粒子の第1の粉および平均サイズ2ミクロンのニッケル粒子の第2の粉を具備する、本発明の多孔質膜のSEM写真(図2に対して1000倍の倍率、図3に対して200倍の倍率)である。
【図4】本発明の装置の例示的な実施形態の概略図である。
【図5】本発明の異なる多孔質膜を介した圧力の関数として圧力降下(T調整)のプロットを示す図である。
【図6】本発明の3種類の多孔質膜について測定された気孔率の関数として、100slpm(T調整)での圧力降下のプロットを示す図である。
【図7】本発明の異なる多孔質膜に生成する、気孔率の関数としての対数減少値(LRV)のプロットを示す図である。
【図8】本発明の、加えられた力の関数として測定される様々な膜のたわみ(圧力による変動)のプロットを示す図である。
【図9】本発明の、膜(出口は大気圧に維持)の差圧の関数として測定される、様々な多孔質膜による流量のプロットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記は、参照文字が異なった視点を通して同じ部品を参照しており、添付の図面に示されているように、本発明の実施形態例の以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。図面は縮尺や強調を示しているとは限らず、また、本発明の実施形態を示すことに置かれている。
【0014】
用語集
様々な組成物および方法が記載されているが、これらは異なる場合があり、本発明が説明された特定の分子、組成、方法論やプロトコルに限定されないことを理解すべきである。また、説明で使用される用語は、特定のバージョンまたは実施形態を説明する目的のためであり、特許請求の範囲によってのみ制限される本発明の範囲を制限するものではないということを理解すべきである。
【0015】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されているように、文脈が明らかでない限り単数形「a」、「an」、および「the」は、複数の参照を含む。他に定義しない限り、本明細書において使用されているすべての技術用語および科学用語は、一般に当業者によって理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似のまたは同等の方法および材料は、本発明の実施形態の実施または試験において使用することができる。全ての刊行物は参照により本明細書に組み入れられる。本明細書では、発明が先行発明によってそのような開示に先行する権利がされていないことを認めるものと解釈されるべきである。「任意の」または「任意に」は、後述の事象または状況が発生しない場合があること、および記述は、事象が発生している例とそうでない例を含むことを意味する。すべての数値は、明示的に示されていないかどうかに係らず、本明細書中において「約」または「実質的に」という用語によって、変更され得る。「約」または「実質的に」という用語は、一般的に当業者が記載値と同等に考慮する数値の範囲(すなわち、同じ機能または結果を持つ)を指す。いくつかの実施形態において、「約」または「実質的に」という用語は、記載値の±10%を示し、別の実施形態では、「約」または「実質的に」という用語は、記載値の±2%を示す。組成物および方法が、様々な構成要素またはステップを「具備している」(「含む」という意味を含むがこれに限定されない)という用語で記述されているが、組成物および方法はまた、様々な構成要素またはステップを「本質的に含む」または「含む」が、そのような用語は、本質的に閉じた部材群を定義として解釈されるべきである。
【0016】
本明細書において使用されているように、「LRV」という用語は、「対数減少値」を示し、それは、指定された粒径および材料の厚さに対して、指定された流量(または気体速度)の下での、ろ過効率の尺度である。LRV値1は、汚染物質の90%がフィルタによって保持されることを意味し、LRV値2は、汚染物質の99%がフィルタによって保持されることを意味し、LRV値3は、汚染物質の99.9%がフィルタによって保持されること、などを意味する。流量(気体速度)の任意の値、粒子サイズ、および材料の厚さは、本発明の多孔質膜のLRVを測定するために選択することができる。当業者は、特定の値は便宜的な、実験装置および/または使用目的であることを理解するであろう。例えば、一つの実施形態において、LRVは、100nmの平均サイズと約0.4cm(例えば、0.44cm)の材料の厚さを有する粒子に対して、約3splm/cmの速度で測定することができる。代替的に、LRVは、10nmの平均サイズと約0.4cm(例えば0.44cm)の材料の厚さを有する粒子に対して、約3splm/cmの速度で測定することができる。代替的に、LRVは、3nmの平均サイズと約0.4cm(例えば0.44cm)の材料の厚さを有する粒子に対して、約3splm/cmの速度で測定することができる。
【0017】
本明細書で使用されているように、フィルタの材料(例えば多孔質膜)の「強度」は、
膜が、固定された平板の形で周囲に溶接されているディスクに設定されているときに材料が破裂するときのガス圧を示す。強度が測定される典型的な圧力は300psiである。
【0018】
本明細書で使用されているように、用語「スループット」は一定の圧力で固定された断面積のフィルタを通過する流量を示す。
【0019】
本明細書で使用されているように、材料の単位当たりの合計の内部表面はBrunauer−Emmett−Teller(BET)法により測定した値である。要約すると、BET法は、ガス分子の物理吸着による固体の表面の面積を計算するために使用することができる。当業者または表面物理学は、過度の実験無しに、本発明の多孔質膜の合計の内部表面を測定するために、BET法を採用することができるであろう。
【0020】
本明細書で使用されているように、用語「バブルポイント」はバブルポイント圧力試験で得られた圧力の値を示す。バブルポイント圧力のテストは、事前に液体で湿らせた多孔質膜の細孔を通して気体(例えば、空気)を強制するために必要な圧力を測定する。液体は、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール、エタノール、または他の任意の適当な液体にすることができる。
【0021】
本明細書で使用されているように、平方インチあたり1ポンドは6,894.8Paに等しく、100kPaは1barに等しい。
【0022】
本明細書で使用されているように、「slpm」は、流れの単位であり、0℃および圧力1.01barで窒素ガス流を用いて測定した1分当たりの標準リットルである。
【0023】
本発明の多孔質膜
材料は高強度と長いライフサイクル機能を持つ細孔構造を組み込んで、開発されてきている。これは、少なくとも一つの粗い金属粉の金属粒子と少なくとも一つの微粉末金属粒子のブレンドおよびその後、それらが一緒に焼結することによって達成する。この材料は、組み込んだ場合、例えば、既存のディフューザ(膜)のような設計であるが、FV−50に限定されない、インテグリス社製のものが、平方インチ圧力差(差分psiまたは「psid」)あたり75ポンドの圧力を扱うこと、および、気体中の0.003ミクロンの粒子を6logの粒子低減を提供しながらライフサイクル1,000,000以上が可能である。さらに、焼結膜は、単独で微細なニッケル粉末を使用して作られた焼結多孔質膜の流れのプロファイルを保持する。
【0024】
したがって、様々な実施形態において、本発明は、少なくとも一つの微細な金属粉および少なくとも粗金属粉末のブレンドの平らなシート膜で構成され、各構成金属粒子は、一緒に焼結した。微細粗粒子および粗金属粒子は、約5倍〜約50倍異なり得る、異なる平均サイズを有し、いくつかの実施形態において、微細粗粒子および粗金属粒子は、50倍以上異なり得る、異なる平均サイズを有する。
【0025】
一つの実施形態において、本発明は、第1の平均サイズの金属粒子の第1の粉および、第2の平均サイズの金属粒子の第2の粉を具備し、第1の粉および第2の粉を一緒に焼結する。特定の実施形態では、追加の粉末(第3、第4の粉など)を使用することができる。
【0026】
好ましくは、第1の平均サイズは5〜50倍、第2の平均サイズよりも大きい。いくつかの実施例において、多孔質膜は、40重量%〜60重量%の第1の粉を具備し、好ましくは、多孔質膜の気孔率は、37容積%から50容積%であり、より好ましくは、多孔質膜の気孔率は、42容積%から48容積%である。
【0027】
特定の実施形態において、第1の平均サイズは、約40ミクロンから約60ミクロンであり、第2の平均サイズは好ましくは約2ミクロンよりも大きくなく、第1の平均サイズは約50ミクロンであり、第2の平均サイズは約2ミクロンである。
【0028】
本発明の多孔質膜に使用される粉末の金属粒子は、更に以下に説明する、必要なアプリケーションに適した任意の焼結金属の粒子を含むことができる。例えば、金属は鉄、クロム、ニッケル、および、ニッケルと鋼を含む合金から選択することができる。代替的に、金属は、ニオブやモリブデン、金や銀などの貴金属、Inconel(登録商標)(Special Materials Corporation(ニューヨーク、アメリカ合衆国)から入手可能なニッケル−クロム合金の線)、またはHastalloy(登録商標)(Haynes International社(インディアナ州、アメリカ合衆国)から入手可能なニッケルベースの合金の線)などの超合金などの高融点金属とすることができる。好ましくは、第1の粉の金属粒子および第2の粉の金属粒子は、それぞれ独立して、ニッケルまたはステンレス鋼から選択される。いくつかの実施形態において、第1の粉の金属粒子および第2の粉の金属粒子は、それぞれ、ニッケルから選択される。
【0029】
例示的な実施形態において、本発明の多孔質膜は、気体速度3slpm/cm、膜の厚さ0.4cmで、0.1ミクロンの粒子について、4〜6の対数減少値(LRV)を示す。好ましくは、多孔質膜は、気体速度3slpm/cm、膜の厚さ0.4cmで、0.1ミクロンの粒子について、6以上の対数減少値(LRV)を示す。代替的には、本発明の多孔質膜は、気体速度3slpm/cm、膜の厚さ0.4cmで、0.003ミクロンの粒子について、4〜6の対数減少値(LRV)を示す。好ましくは、多孔質膜は、気体速度3slpm/cm、膜の厚さ0.4cmで、0.003ミクロンの粒子について、6以上の対数減少値(LRV)を示す。
【0030】
例示的な実施形態において、本発明の多孔質膜は、4〜8psiの水のバブルポイントを示す。
【0031】
本発明の一つの実施形態は、約40重量%〜約60重量%の単一の平均サイズを有する金属粒子の第1のセットおよび、金属粒子の第1のセットよりも小さい第2の平均サイズを有するディフューザ(膜)の均衡を構成する金属粒子の第2のセットを具備する、多孔質ディフューザ(膜)である。金属粒子の第1のセットを共に焼結し、かつ、金属粒子の第2のセットを互いに焼結し、その第2の金属粒子のセットを、第1の金属粒子のセットと焼結する。ディフューザ(膜)は約37容積%〜約50容積%の気孔率を有し、ディフューザ(膜)の孔は、ディフューザ(膜)本体全体に均等に配置される。ディフューザ(膜)は、0.1ミクロンの粒子に対して4〜6のLRV値および3slpm/cmの気体速度を有する。膜は、0.2cm〜0.5cmの厚さを有する。例えば、膜は、約0.4cmの厚さのディフューザであり得る。例えば、膜(ディフューザ)は、任意の直径を有し得る。例えば、膜は、直径5.2cmを有し得る。ディフューザ(膜)は、1インチ平方当たり少なくとも300ポンドの破裂圧力(psi)を有し、好ましくは、350psiよりも大きい破裂圧力を有する。また、LRVは、平均0.003ミクロンの平均サイズを有する粒子を除き、同じ条件下で測定する。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態において、粗い金属粒子の第1のセットは、約40ミクロン〜約60ミクロンの平均サイズを有し、上記金属粒子の第2のセットは、約2ミクロンかそれよりも小さい平均サイズを有する。いくつかのバージョンにおいて、金属粒子の第2のセットは、約2ミクロンの平均サイズを有する。
【0033】
本発明のバージョンのディフューザ(膜)は、約42容積%〜約48容積%の気孔率および、気体中0.1ミクロンの粒子について6以上のLRV値を有し得る。また、本発明のバージョンのディフューザ(膜)は、約42容積%〜約48容積%の気孔率および、気体中0.003ミクロンの粒子について6以上のLRV値を有し得る。
【0034】
ディフューザ(膜)は、圧力サイクルが約2秒の持続時間を有する、75psid、100万気圧のサイクル後に完全なままである。
【0035】
本発明の一つのバージョンにおいて、金属粒子の第1のセットは約50ミクロンのサイズを有するニッケルであり、金属粒子の第2のセットは約2ミクロンのサイズを有するニッケルである。これらの粒子から作られた、直径5cmの平らなシート状の0.44cmの厚さのディフューザ(膜)は、気体中0.1ミクロンの粒子について少なくとも6のLRV値で特徴付けられ、該ディフューザ(膜)は、平方インチ当たり4〜8ポンドの水バブルポイント、5slpm/cmの単位面積当たり(平方インチの圧力導入口あたり18ポンドで)の窒素ガス流量、および350psiより大きい破裂圧力を有する。また、LRVは、0.003ミクロンの平均サイズを有する粒子を除いて、同じ条件下で測定する。
【0036】
二つの異なる大きさの焼結性粉末を、二つ以上のサイズのいくつかのバージョンにおいて、本発明のバージョンにおいて共にブレンドすることができる。本発明のいくつかのバージョンにおける焼結性粉末は、ニッケル、ニッケル含有合金、ステンレス鋼のような合金、および参照によって全文が本明細書に組み込まれる米国特許第5,487,771号において開示されるような合金に例示されるがそれに制限されない耐食性材料を含み得る。いくつかのバージョンにおいて、金属粒子はニッケルである。ブレンド中の小さい金属粒子粉のサイズは、標準粒子の還元条件(例えば、Entegris FV−50フィルタの試験条件)の下で、小さな粒子によってのみ作られた焼結フィルタについて、0.003ミクロンの試験粒子に対して約9LRV以上のガス粒子の削減のための表面積が得られるように選択される。大きな、または、粗い金属粒子のサイズは、平方インチ当たり800ポンド〜平方インチ当たり1500ポンドの圧力において、小さな金属粒子と混合する場合、それらをコヒーレントな緑色コンパクトへ(即ち、未焼結圧縮した粉末)圧縮できるように、選択され得る。粗い粒子は、小さい粒子と40重量%〜60重量%の量で混合する場合、40容積%〜60容積%の範囲の気孔率を有する多孔質焼結膜を提供し、小さな粒子のみで作られたフィルタの圧力降下が約±20%以内であるようなサイズを有することができる。本発明のいくつかのバージョンにおいて、粗い粒子は、小さい粒子と40重量%〜60重量%の量で混合する場合、40容積%〜60容積%の範囲の気孔率を有する多孔質焼結膜を提供し、小さな粒子のみで作られたフィルタの圧力降下が約±10%以内であるようなサイズを有することができる。
【0037】
焼結され得る小さなまたは微細な粒子は、10ミクロン以下のサイズを有する。焼結され得る粗いまたは大きな粒子は、10ミクロン以上のサイズを有し得る。
【0038】
本発明のバージョンにおける多孔質焼結膜の構成は、全体の気孔率および粉のブレンドのパーセントに、依存しない、または弱い依存のLRVを有する。更に、LRVを最大化させるために、材料の厚さを増加させる。
【0039】
図1、図2、および図3を参照することによって、本発明の多孔質膜の外観をさらに理解することができる。図1は、共に焼結した単分散(単一サイズ)の金属粒子の粉を具備する、従来の多孔質膜を示すSEM顕微鏡写真である。図2および図3は、それぞれ、50ミクロンの平均サイズを有するニッケル粒子の第1の粉および、2ミクロンの平均サイズを有するニッケル粒子の第2の粉を具備する、本発明の多孔質膜のSEM顕微鏡写真(異なる倍率で)である。
【0040】
多孔質膜を具備する気体ディフューザ装置
図4を参照すると、一つの実施例において、本発明は気体ディフューザ装置100であり、入口104および出口106を有する筐体102を具備する。本発明の多孔質膜108は、入口104と出口106とを流体連通する筐体102内に配置されている。本明細書に記載されているいかなる多孔質膜も、装置100において用いることができる。
【0041】
例示的な実施形態では、装置100は、0.1インチ以上の厚さを有する平面シートとして製造された多孔質膜108を具備する。一つの実施形態において、装置100は約0.2cm〜約0.5cmの厚さ(h)を有する平面シートとして製造された多孔質膜108を具備する。例えば、膜108は約0.40cmまたは0.44cmの厚さを有することができる。膜108は、任意の直径を有することができる。例えば、膜108は、5.2センチメートルの直径(D)を有することができる。更なる実施形態において、多孔質膜の対数減少値は、気体中で0.1ミクロンの粒子について、少なくとも6である。また、LRVは、0.003ミクロンの平均サイズを有する粒子を除いて同じ条件下で測定する。例示的な実施形態では、ディフューザ装置100の多孔質膜は、平方インチ当たり少なくとも300ポンドの破裂圧力(psi)、好ましくは350より大きいpsiを示す。
【0042】
本発明の方法
一つの実施形態において、本発明は、気体の流れを精製する方法である。該方法は、本発明の多孔質膜を介して気体の流れを導くことを含む。本明細書に記載されているいかなる多孔質膜も用いることができる。一つの実施形態において、図4に示される装置100は、気体の流れの精製に用いることができる。
【0043】
例証
本発明の多孔質膜は、本明細書において説明される方法を使用して準備された。本発明の多孔質膜のLRV値は、全体の気孔率と出発粒子粉体の組成から独立している。LRV値、出発粉体組成、および膜気孔率との間には、いかなる測定可能な関係性も見つからなかった。本発明の多孔質膜のLRV値は、最終的な焼結多孔質膜の厚さの成長とともに増加する。気孔率および出発粉体の組成は、所望の圧力降下のための焼結多孔質膜に合わせて変更できる。
【0044】
後述の実験において、本発明の多孔質膜は、出発物質として、Vale Inco Type255ニッケル粉体(Novamet Specialty Products社(ニュージャージー州、米国)から入手可能な、2ミクロンフィラメント状ニッケル粉体)および、「粗い」50ミクロンAmetek(登録商標)200ニッケル粉体(Ametek(登録商標) Specialty Metal Product事業部(ペニンシュラ州、米国)から入手可能なニッケル粉体)のブレンドを使用して、準備した。Vale Inco Type255ニッケル粉体は、WaferGuard(登録商標)NF多孔質膜の製造ラインで使用されていることに留意されたい。NF膜は、Vale Inco Type255ニッケル粉体を焼結して製造されている。
【0045】
実施例1 サンプルの準備
微粉および粗粉を含む膜の数は、以下の表1に示すような割合で作られる。
【表1】

【0046】
2.9インチ型は、力(ポンド)および下記の表2に示された粗粉の割合を使用して、緑色のフォームディスクを作るために使用された。センチメートル単位で緑色のフォームの厚さが推定された。グラム粗ニッケル粉末の質量および微細な、2ミクロンVale Inco Type255粉の質量は、グラム単位で与えられる。
【表2】

すべてのディスクを1050℃で1時間水素ガス中で焼結した。
【0047】
1050℃で焼結することによって、結果として、Vale Inco Type225粉は、低い温度で焼結するよりも、よりしっかりと焼結接合する。1050℃以上での焼結は、表面積の損失に繋がり、続いて本発明の多孔質膜のLRV値が低下する。
【0048】
気孔率は、約37%〜51%の範囲である。以前の実験は、1050℃よりも低い温度で焼結すると、多孔質焼結膜強度の大幅な損失という結果になることを示してきた。
【0049】
最後のカットディスク(47mm)は、表3に示す特徴を有していた。(表3において、質量はグラム(g)単位であり、「Od」はディスクのセンチメートル(cm)単位での外側の直径であり、「t」はセンチメートル(cm)単位でのディスクの厚さであり、ρはグラム/立方センチメートル(g/cc)単位でのディスクの密度であり、Poはパーセント単位での気孔率であり、かつ、IDは、全体の気孔率と粗粉の割合を指す。例えば、「37/40」は、全体の気孔率37%および、50ミクロンの粉が40重量%であることを指す。)
【表3】

【0050】
厚さは変化し、焼結後の圧縮は結果を歪める可能性があるので、すべての測定値は、2.54ミリメートルの標準的な厚さに調整した。当業者は、この例では、膜の厚さは約0.2cm〜約0.31cmまで変化し得るが、適用業務と所望の結果を目的として、異なる厚さを利便性に基づいて選択することができる、ということを理解するだろう。例えば、膜の厚さは、約0.2cm〜約0.5cmの範囲から選択できる。一つの実施例において、厚さは、表3に挙げた任意の値から選択し得る。別の実施例において、厚さは、0.4cmとし得る。更に別の実施例において、厚さは、0.44cmとし得る。
【0051】
実施例2:圧力降下の測定
表3に記載の多孔質膜で生成された圧力降下(「ID」によって識別される)を測定し、結果を図5に示す。図5において、Y軸は流量(q)/面積(a)(単位は、リットル毎分/平方センチメートルである)であり、X軸は圧力(平方インチ当たりのポンドで)である。圧力降下は、2.54ミリメートルの標準的厚さに調整した。「NF膜」は、単一サイズのVale Inco Type225のニッケル粉を使用して、Entegris社によって製造された平面の多孔質膜を示す。
【0052】
図5に示されたデータは、NF膜に最も近い圧力降下を有する多孔質膜は、50ミクロンの粉60%、Vale Inco Type225の粉40%、および、全体の気孔率が42%の材料であった。これらの結果は、出発ブレンド粉末の組成に基づく既存の膜を介する圧力降下を低減することができることを示す。この結論は、さらに出発粉末ブレンドの3種類の組成への気孔率の関数としての圧力降下の測定によって確認された。その結果は、図6に示す。
【0053】
実施例3:粒子減少および対数減少値の測定
本発明の膜の粒子減少およびLRV値は、Semi F38−0699「気体フィルタ使用のポイントの品質認定評価のための試験方法」に基づいて測定し、その全体を本明細書に参照によって組み込んだ。以下の表4は、「ID(複数)」によって記載された選択された膜についてのLRVの値を示す。
【表4】

40slp/cmでの、2.54mmの厚さの直径4.74cmのディスク上での0.1ミクロンの粒子の測定
【0054】
最も低い気孔率で、最も低い粗粉率のサンプルが、最も高いLRVを有するということが、以前は当業者によって受け入れられてきた。予想外に、本発明の膜のLRVの測定は、気孔率および開始粉ブレンド中の粗粉率によっては影響を受けないことが分かった。その結果は、図7においてプロットで示されている。
【0055】
図7に示される結果は、流れの性能のために最適化された(例えば、気孔率の調整および/または出発ブレンド粉の構成による)膜の厚さの増加は、高いLRVという結果になるであろう。例えば、気孔率50%(表3においてID 50/60)、60%の50ミクロンの粒子の出発ブレンドから製造された本発明の多孔質膜にとって、47mmのディスク直径、5slpm/cmの気体速度、18psiの圧力降下を持ちながら、6LRVという値が0.4cmの厚さで得られる可能性がある。この流れは、Entegris社の既存のNF膜を介したものと同等である。
【0056】
本発明の多孔質膜が6に近いLRV値を示すことに留意されたい。そのような値は、高い効率(効率99.9999%)の濾過を提供するのに十分であると考えられる。高いLRVを有する材料について、材料の厚さは増加し得て、このことはまた強度を増加させる。例えば、単一サイズの2ミクロンのニッケル粉Vele Inco Type255から調製された0.180インチの厚さの膜は、単位面積当たりの質量は0.8g/cmであることを示した。
【0057】
実施例4:強度の測定
【0058】
本発明の多孔質膜の強度は、膜が固定された平板の形で周囲に溶接されているディスクに設定されているときに材料が破裂する際の気体の圧力として測定した。Entegris社によって製造されたFV−50製品(50ミクロンの単一サイズのニッケル粒子から製造された多孔質膜)は、直径2.05インチおよび厚さ0.100インチのディスクについて、75〜100psiの間で通常破裂する。同じ大きさの60%の50ミクロン粉の42%気孔率のディスクは、350psiまで破裂させられなかった。
【0059】
実施例5、6および7
【0060】
実施例5〜7において記述された全ての測定(図8および図9においてプロットで示されている)は、図4に示される装置を使用して行われた。この装置の多孔質膜は、ID42/60(表3に記載したように)の材料から製造され、ディスクの形状において、0.44cmの厚さおよび5.2cmの直径を有する。
【0061】
実施例5:たわみの測定
【0062】
本発明の多孔質膜の2つのサンプル(FV−50DXL#1およびFV−50DXL#2として示される)は、2つの対照サンプル(FV−50D#1およびFV−50#2として示される)と比較した。「FV−50D」は、Entegris社によって製造された製品(50ミクロンのニッケル粒子から製造された多孔質膜)であり、一方、FV−50DXLは上述したような材料ID 42/60から製造された装置である。
【0063】
膜材料のたわみ量(圧力による運動)は、適用される力の関数として測定した。その結果は図8に示す。
【0064】
試験の結果は、同じ直径のディスクについて、平方インチあたり50ポンドの入口の圧力と、通常の大気圧の出口の圧力とにおいて、本発明の多孔質膜は、0.002インチ未満のたわみ、さらに0.001インチ未満のたわみを有する。
【0065】
実施例6:バブルポイントの測定
【0066】
バブルポイント試験は、本発明の多孔質膜が単一サイズのVale Inco Type255粉の焼結によって準備された多孔質膜よりも大きな穴のサイズを有することを示している。単一サイズのVale Inco Type255粉の焼結によって製造された多孔質膜は、水中で約10psiのバブルポイントを有し、一方、本発明の試験を行った多孔質膜は、約6psiのバブルポイントを有する。
【0067】
実施例7:差圧の関数としての流速の測定
【0068】
本発明の多孔質膜のサンプル(FV−50DXLとして示される)を、対照サンプル(FV−50Dとして示される)と比較した。「FV−50」は、Entegris社によって製造された製品(50ミクロンのニッケル粒子から製造された多孔質膜)であり、一方、FV−50DXLは、上述したような材料ID42/60から製造した装置である。
【0069】
本発明の多孔質膜を通過する流速は膜間差圧の関数として測定した。その結果を、様々な平均粒子サイズを有する単一サイズの金属粉から製造した多孔質膜と比較した。実験は以下のように行った。気体(空気)を既知の圧力で装置の入口へ導入した。出口の圧力は、常に大気圧に維持した。この気体の体積質量流速は質量流量計で測定した。これを、幾つかの異なる入口圧力で行った。体積質量流量対入り口圧力のプロットを作成した。
【0070】
図9にその結果を示す。見られるように、本発明の多孔質膜の流れの特性は、単一サイズ粉末から製造した膜と緊密な相関関係を示す。
【0071】
実施例8:選択された多孔質膜の特性の概要
【0072】
図5に示されているのは、Vale Inco Type255ニッケル粉(2ミクロン)および50ミクロンの平均粒子サイズを有する「粗い」ニッケル粉の焼結によって製造された本発明の多孔質膜の一つの実施形態の気孔率の概要である。また、単一サイズのVale Inco Type255ニッケル粉を焼結することによって製造された多孔質膜の特性を比較のために示した。
【表5】

本発明は特に、その実施形態の例を参照して示しまた説明してきたが、当業者は、形態および詳細における様々な変更は、本発明の範囲から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲によって包含されることによってなされることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質膜であって、
第1の平均サイズの金属粒子の第1の粉および第2の平均サイズの金属粒子の第2の粉のブレンドを具備し、前記第1の粉および前記第2の粉は共に焼結させ、
前記第1の平均サイズは、前記第2の平均サイズよりも5〜50倍大きく、かつ、
前記多孔質膜は、40重量%〜60重量%の前記第1の粉を具備する、
多孔質膜。
【請求項2】
前記多孔質膜の気孔率が、37容積%〜50容積%である、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項3】
前記多孔質膜の気孔率が、42容積%〜48容積%である、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項4】
前記第1の平均サイズが約40ミクロンから約60ミクロンであり、かつ、前記第2の平均サイズが、約2ミクロンよりも大きくない、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項5】
前記第1の平均サイズが約50ミクロンであり、かつ、前記第2の平均サイズが約2ミクロンである、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項6】
前記第1の粉の前記金属粒子および、前記第2の粉の前記金属粒子が、それぞれ独立して、ニッケッルまたはステンレス鋼から選択される、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項7】
前記第1の粉の前記金属粒子および、前記第2の粉の前記金属粒子がそれぞれ、ニッケルから選択される、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項8】
前記多孔質膜が、0.4センチメートルの厚さの膜上で測定された、気体中の0.1ミクロンの粒子についての速度が3slpm/cmである場合、4〜6の対数減少値(LRV)を有する、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項9】
前記多孔質膜が、0.4センチメートルの厚さの膜上で測定された、気体中の0.1ミクロンの粒子についての速度が3slpm/cmである場合、6以上の対数減少値(LRV)を有する、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項10】
前記多孔質膜の水バブルポイントが、4〜8psiである、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項11】
入口および出口を有する筐体と、
前記入口および前記出口と流体連通し、前記筐体内に配置された多孔質膜と、
を具備し、
前記多孔質膜は、第1の平均サイズの金属粒子の第1の粉および第2の平均サイズの金属粒子の第2の粉のブレンドを具備し、前記第1の粉および前記第2の粉は共に焼結させ、
前記第1の平均サイズは、前記第2の平均サイズよりも5〜50倍大きく、かつ、
前記多孔質膜は、40重量%〜60重量%の前記第1の粉を具備する、
気体ディフューザ装置。
【請求項12】
前記多孔質膜の気孔率が、37容積%〜50容積%である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記多孔質膜の気孔率が、42容積%〜48容積%である、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の平均サイズが約40ミクロン〜約60ミクロンであり、前記第2の平均サイズが、約2ミクロンよりも大きくない、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の平均サイズが約50ミクロンであり、前記第2の平均サイズが約2ミクロンである、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の粉の前記金属粒子および、前記第2の粉の前記金属粒子が、それぞれ独立して、ニッケルまたはステンレス鋼から選択される、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の粉の前記金属粒子および、前記第2の粉の前記金属粒子が、それぞれニッケルから選択される、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記多孔質膜が、0.4センチメートルの厚さの膜上で測定された、気体中の0.1ミクロンの粒子についての速度が3slpm/cmである場合、4〜6の対数減少値(LRV)を有する、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記多孔質膜が、0.4センチメートルの厚さの膜上で測定された、気体中の0.1ミクロンの粒子についての速度が3slpm/cmである場合、6以上の対数減少値(LRV)を有する、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記多孔質膜が、0.1インチ以上の厚さを有する平面シートである、請求項11に記載の装置。
【請求項21】
前記多孔質膜の水バブルポイントが、4〜8psiである、請求項11に記載の装置。
【請求項22】
前記多孔質膜が、0.2cm〜0.5cmの厚さを有する平面シートであり、さらに、そこで測定された気体中の0.1ミクロンの粒子についての速度が3slpm/cmである場合、対数減少値(LRV)が少なくとも6である、請求項11に記載の装置。
【請求項23】
前記多孔質膜が、平方インチ当たり少なくとも300ポンドの破裂圧力を有する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記多孔質膜が、平方インチ当たり350ポンドよりも大きい破裂圧力を有する、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
第1の平均サイズの金属粒子の第1の粉および第2の平均サイズの金属粒子の第2の粉のブレンドを具備し、前記第1の粉および前記第2の粉は共に焼結させ、前記第1の平均サイズが、前記第2の平均サイズよりも5〜50倍大きく、かつ、前記多孔質膜は、40重量%〜60重量%の前記第1の粉を具備した多孔質膜を介して気体流を導き、
それによって、前記気体流を精製する、
気体流の精製方法。
【請求項26】
前記多孔質膜の気孔率が、37容積%〜50容積%である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記多孔質膜の気孔率が、42容積%〜48容積%である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の平均サイズが約40ミクロンから約60ミクロンであり、前記第2の平均サイズが、約2ミクロンよりも大きくない、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の平均サイズが約50ミクロンであり、前記第2の平均サイズが、約2ミクロンである、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の粉の前記金属粒子および前記第2の粉の前記金属粒子がそれぞれ独立して、ニッケルまたはステンレス鋼から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の粉の前記金属粒子および前記第2の粉の前記金属粒子がそれぞれニッケルから選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記多孔質膜が、0.4センチメートルの厚さの膜上で測定された、気体中の0.1ミクロンの粒子についての速度が3slpm/cmである場合、4〜6の対数減少値(LRV)を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記多孔質膜が、0.4センチメートルの厚さの膜上で測定された気体中の0.1ミクロンの粒子についての速度が3slpm/cmである場合、6以上の対数減少値(LRV)を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記多孔質の水バブルポイントが4〜8psiである、請求項25に記載の方法。
【請求項35】
前記多孔質膜は、0.1インチ以上の厚さを有する平面シートである、請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記多孔質膜は、0.2cm〜0.5cmの厚さを有する平面シートであり、さらに、気体中の0.1ミクロンの粒子についての速度が3slpm/cmである場合、対数減少値(LRV)が少なくとも6である、請求項25に記載の方法。
【請求項37】
前記多孔質膜は、平方インチ当たり少なくとも300ポンドの破裂圧力を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記多孔質膜は、平方インチ当たり350ポンドより大きい破裂圧力を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
入口および出口を有する筐体と、
前記入口および前記出口と流体連通し、前記筐体内に配置された多孔質膜と、
を具備し、
前記多孔質膜は、0.2cm〜0.5cmの厚さを有する平面シートであり、気体中の0.1ミクロンの粒子についての速度が3slpm/cmである場合、対数減少値(LRV)が少なくとも6であり、平方インチ当たり少なくとも300ポンドの破裂圧力を有し、
前記多孔質膜は、第1の平均サイズの金属粒子の第1の粉および第2の平均サイズの金属粒子の第2の粉のブレンドを具備し、前記第1の粉および前記第2の粉は共に焼結させ、
前記第1の平均サイズは、前記第2の平均サイズよりも5〜50倍大きく、かつ、
前記多孔質膜は、40重量%〜60重量%の前記第1の粉を具備する、
気体ディフューザ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2012−530592(P2012−530592A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516224(P2012−516224)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/038763
【国際公開番号】WO2010/148051
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(505307471)インテグリス・インコーポレーテッド (124)
【Fターム(参考)】