説明

異なる検査パラメータを使用する試験片の検査のための方法とシステム

【課題】異なるパラメータを使用して試験片の検査を行う方法とシステムを提供する。
【解決手段】コンピュータによって実施される方法は、選択された欠陥に基づいて検査のための最適パラメータを決定することを含む。また該方法は、検査に先行して、検査システムのパラメータを最適パラメータに設定する。別の該方法は、約350nmより下の波長を有する光と、約350nmより上の波長を有する光を用いて試験片を照明する。また該方法は、試験片から収集された光を表す信号を処理し、試験片上の欠陥または工程の変動を検出する。試験片を検査する1つのシステムは、広帯域光源504に結合された第1の光学サブシステムと、レーザ503に結合された第2の光学サブシステムを含む。またこのシステムは第1と第2の光学サブシステムから、光を試験片上に集束させる対物鏡507に光を結合するように構成された第3の光学サブシステムも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる検査パラメータを使用する試験片の検査のための方法とシステムに関する。特定の実施態様は、検出のために選択された欠陥に基づいて試験片の検査のための最適パラメータを決定するためのコンピュータによって実施される方法に関する。別の実施態様は、異なる検査モードを使用する試験片の検査のための方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
長年にわたり、種々の明視野、暗視野、eビームのスキャニング方法が面を検査するために使用されている。これらのスキャニング・テクノロジは、面のフューチャの特性決定や試験のために、その面によって散乱、回折、および/または反射された放射線を利用する。特に、その種のスキャニング・テクノロジは、面を試験して検査面内の欠陥の存在を決定し、その場所を特定するために使用されている。それらの、および関連するスキャニングと検査テクノロジの詳細は、当業者の間で周知である。
【0003】
通常、その種のデバイスは、光ビームを面上に投射し、その面から受け取られる、結果として得られた光のパターンを検出することによって面を試験する。また一般に、光ビームは、単一周波数を介して(たとえば、レーザ・デバイスによって代表される)あるいは周波数の帯域幅にわたって(適切なフィルタ付きアーク・ランプを使用して得ることができる)その面上に投射される。
【0004】
さらに小さいサイズの欠陥を識別する努力において、一般に従来のツールは、さらに短い波長を有する照明源に頼っている。当業者間において周知のとおり、より短い光の波長を用いた面の照明を使用して、より高い分解能を面のイメージ内に得ることができる。これまでは、より高い分解能が、より小さい欠陥の欠陥検出を向上させる鍵となると考えられてきた。発明者は、より高い分解能が欠陥識別の筋書きの部分に過ぎないことを発見した。
【0005】
従来の検査ツールの一般的実装を、明視野検査ツール100の簡略化した図式表現によって図1に示す。物体102(通常はウェハ)が可動ステージ101に固定されており、単一光源104によって生成される光ビーム103により照明される。通常、光源104は、定められた周波数の帯域幅を生成するために選択的にフィルタリングされる単一アーク・ランプを含む。いくつかの代替においては、光源104が、所定のピーク波長にセンタリングされた単一周波数のコヒーレントな光ビームを生成するように調整されたレーザを含む。一般に、光ビーム103は、面102上にビーム103を向ける対物レンズ・システム106を介して光ビーム103の一部を反射する部分透過面105上に向けられる。通常、基板をスキャンすることによって物体102の異なる部分が連続的に検査される。一般的には、スキャニング・コントロール・エレメント110によって指示されるとおりに、ステージ101を移動させることによってステージにマウントされた物体102がスキャンされる。面102がスキャンされるとき、面102から受け取られる反射、散乱、回折、あるいはそのほかの作用を受けた光が、対物レンズ106を通り、さらに部分透過面105を通って、検出器システム108を用いた検出のために光を最適化する光学システム107に入る。通常、この種の最適化には、拡大、集束をはじめ、そのほかの光学処理が含まれる。検出器108は、その光を受け取って関連電気信号を生成し、それがイメージ処理回路109によって受け取られる。処理回路は、欠陥分析を行って物体102内の欠陥を突きとめる。
【0006】
半導体基板のレイヤ内の欠陥と工程の変動を検出する従来アプローチは、検査ツールにおけるより高い分解能が欠陥の存在に対するより高い感度を表すという前提の下に機能してきた。光学検査ツールの分解能は、ツールの『点広がり関数』(PSF:point-spread-function)によって特徴付けすることができる。PSFは、限定の意図ではないが、集束エレメント内に使用されているレンズ(またはそのほかの光学エレメント)の光学品質、光の波長、対物レンズ・システムの開口数(NA)、瞳形状をはじめそのほかのファクタを含む多数のファクタによって影響を受ける。概して言えば、システムの分解能は、対物レンズ・システムの開口数(NA)によって除した露光源の波長(λ)に関係する。したがって、より短い波長を使用すればより高い分解能を求めることができる。
【0007】
このように従来技術においては、一般に、より良好な分解能を獲得し、かつおそらくは欠陥に対するより良好な感度を獲得するために、より短い波長の照明源を使用する検査ツールを作り出すことが強調されてきた。可視波長と近紫外波長(たとえば約400nmから約300nmの波長)において動作する光源が、長年にわたり照明源として使用されている。たとえば、水銀(Hg)または水銀キセノン(HgXe)アーク・ランプが近紫外(UV)と可視レンジ内における照明源として使用されている。しかしながら、より高い分解能を求める継続的な動きにおいては、より短い波長の照明が望ましくなる。HgおよびHgXe光源のパワーが、300ナノメートル(nm)より下においてむしろ劇的に低下することから、それらは深UV(たとえば300nmより下の波長)照明の優れた光源ではない。深UV(DUV)レーザは、DUVレンジにおいて広く使用されている照明源である。その種の光源(特にレーザ源)の、どちらかと言えば高いコストに起因して、面の検査のために2つ(もしくはそれを超える数)の光源を実装した検査ツールまたは方法は知られていない。実際、これまでのところそれを試行する理由が存在しない。従来アプローチは、概して、もっとも短い波長のシステムを案出し、その種のシステムを実装して最良可能分解能を獲得することにあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際特許出願公開第WO 01/40145 A2号
【特許文献2】米国特許第6,392,793 B1号
【特許文献3】米国特許第6,392,791 B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
既存の検査マシンと処理は、設計目的を妥当に良好に達成しているが、ある種の限界を有している。既存のマシンと処理によって現在提供されている感度より高い感度が求められている。これらの、その他の理由から、改良された面検査ツールおよび方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の原理によれば、面の検査のための装置と方法が開示される。特にこれらの方法と装置は、2つ(もしくはそれを超える数)の光学レジームにおいて面を検査し、それによってその種の方法と装置の欠陥検出特性を強化することができる。
【0011】
一実施態様において本発明は、基板表面を検査するための方法を述べている。この方法は、不透明度遷移波長によって特徴付けされる基板を用意することを伴う。第1の最適検査波長帯が決定される。この第1の最適検査波長帯は、基板の不透明度遷移波長より短い波長によって決められる不透明レジーム内の波長から選択される。また第2の最適検査波長帯も決定される。この第2の最適検査波長帯は、基板の不透明度遷移波長より長い波長によって決められる透明レジーム内の波長から選択される。第1の最適検査波長帯と第2の最適検査波長帯のうちの少なくとも一方、または第1の最適検査波長帯と第2の最適検査波長帯の両方を含む中から選択された波長の光を用いて基板が照明される。結果として得られる光学信号が検出され、関連電気信号の生成に使用され、それが処理されてその面の欠陥と工程の変動が検出される。
【0012】
別の実施態様においては、本発明が、2つの光学レジームにおける面の照明を伴う面検査方法を含む。この方法は、第1の波長レンジと第2の波長レンジのうちの少なくとも1つの光を用いた面の照明を伴う。第1の波長レンジは、面が第1の波長レンジの光に対して不透明となるように選択される。第2の波長レンジは、面が第2の波長レンジの光に対して少なくとも部分的に透明となるように選択される。結果として得られる光学信号が検出され、関連電気信号の生成に使用され、それが処理されてその面の欠陥と工程の変動が検出される。
【0013】
本発明の別の実施態様は、被検査面内の欠陥を検出するための装置を含む。この実施態様は、少なくとも2つの光モードの照明を提供することのできる照明エレメントを含む。照明エレメントの第1のモードは、第1の波長の光を提供し、この第1の波長の光は、それに対して面が不透明となる光学レジームにおける検査のために選択される。第1のモードの光は、面の回折と散乱特性によって支配される、結果の光信号を生成する。照明エレメントは、第2の光学レジームの波長の光を提供する第2の動作モードも含み、その際、面が当該第2の波長の光に対して少なくとも部分的に透明となり、それにより面の薄膜光学特性によって支配される、結果の光信号を生成する。装置は、第1のモードもしくは第2のモードの光、または同時に両方のモードの光を使用して面を検査するように構成される。またこの装置は、この装置による被検査面の所望の部分のスキャンを可能にするスキャニング・エレメントと、被検査面から結果の光学信号を受け取るため、および関連電気信号を生成するための光学システムを含む。さらにこの装置は、電気信号を処理するための電子回路も含む。この種の処理は、面内の欠陥と工程の変動を識別するために使用することが可能である。
【0014】
別の実施態様は、コンピュータによって実施される方法に関し、当該方法は、試験片上の検出のために選択された欠陥を基礎とする試験片の検査に関する最適パラメータの決定を含む。一実施態様においては、欠陥がユーザによって選択される。別の実施態様によれば、欠陥が比較的コントラストの低い欠陥を含む。試験片は、ウェハもしくはレティクルとすることができる。最適パラメータの決定は、異なるパラメータを用いて試験片の1ないしは複数のテスト検査を実行すること、およびそれらの異なるパラメータのうちのいずれが欠陥の捕捉についてもっとも大きなレートをもたらしたかを識別することを含む。別の実施態様においては、最適パラメータの決定が、異なるパラメータを用いて1ないしは複数の欠陥を有することがわかっている試験片の1ないしは複数のテスト検査を実行すること、およびそれらの異なるパラメータのうちのいずれが欠陥の捕捉についてもっとも大きなレートをもたらしたかを識別することを含むことができる。いくつかの実施態様においては、最適パラメータの決定が、検出される偽欠陥の数の増加を伴うことなく、異なるパラメータのうちのいずれが欠陥の捕捉についてもっとも大きなレートをもたらしたかを識別することを含む。一実施態様においては、異なるパラメータのうちのいずれがもっとも大きな捕捉レートをもたらしたかを識別することが、1ないしは複数のテスト検査の間に検出された欠陥の分類を含む。別の実施態様においては、異なるパラメータのうちのいずれがもっとも大きな捕捉レートをもたらしたかを識別することが、1ないしは複数のテスト検査の間に検出された欠陥の自動的な分類を含む。
【0015】
またこの方法は、検査システムのパラメータを、試験片の検査に先行して最適パラメータに設定することも含む。一実施態様においては、この最適パラメータが、検査の間に検出される欠陥がほかのパラメータを使用する検査の間に検出されるより多いという結果をもたらす。別の実施態様においては、この最適パラメータが、検査の間に検出される非選択欠陥がほかのパラメータを使用する検査の間に検出されるより少ないという結果となる。追加の実施態様においては、この最適パラメータが、検査の間に検出される偽欠陥がほかのパラメータを使用する検査の間に検出されるより少ないか等しいという結果となる。パラメータの設定は、コンピュータによって実行することができる。この方法は、ここに述べられているほかの任意のステップ(1ないしは複数)を含むことができる。
【0016】
追加の実施態様は、試験片の検査のための方法に関係する。一実施態様においては、試験片の面の少なくとも一部がポリシリコン、単結晶シリコン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含む。またこの方法は、第1のサブシステムを使用し、約350nmより下の少なくとも1つの波長を有する光を用いて、さらに第2のサブシステムを使用し、約350nmより上の少なくとも1つの波長を有する光を用いて試験片を照明することを含む。いくつかの実施態様においては、試験片の照明が、第1と第2のサブシステムを実質的に同時に使用する試験片の照明を含む。別の実施態様においては、試験片の照明が、第1と第2のサブシステムを時間的に異なって使用する試験片の照明を含む。第1と第2のサブシステムは、それぞれ約350nmより下および上の少なくとも1つの波長のそれぞれについて最適化することができる。
【0017】
一実施態様においては、第1のサブシステムがレーザを含む。別の実施態様においては、第2のサブシステムがレーザを含む。いくつかの実施態様においては、第1と第2のサブシステムが共通のレーザを含む。別の実施態様においては、第1のサブシステムが第1のレーザを含み、第2のサブシステムが第2のレーザを含む。別の実施態様においては、第2のサブシステムが、多色光源を含む。たとえば第2のサブシステムは、アーク・ランプを含む。いくつかの実施態様においては、第1と第2のサブシステムが共通の多色光源を含む。別の実施態様においては、第1のサブシステムが第1の多色光源を含み、第2のサブシステムが第2の多色光源を含む。
【0018】
またこの方法は、試験片からの光の収集を含む。一実施態様においては、収集される光が、試験片の少なくとも一部の明視野イメージを含む。それに加えてこの方法は、収集した光を検出して、収集した光を表す信号を生成することを含む。一実施態様においては、第2のサブシステムの少なくとも1つの波長が、試験片の材料についての信号内のコントラストを増加するように選択される。それに加えて、第1のサブシステムの少なくとも1つの波長を、欠陥に対する感度を増加するように選択する。さらにこの方法は、信号を処理して試験片上の欠陥もしくは工程の変動を検出することを含む。一実施態様においては、第1のサブシステムが暗視野照明源を含む。その種の1つの実施態様においては、信号の処理が、第1のサブシステムを使用する試験片の照明から結果として得られた収集された光に対応する信号のフーリエ・フィルタリングを含む。この方法もまた、ここに述べられているほかの任意のステップ(1ないしは複数)を含む。
【0019】
別の実施態様は、試験片の検査のための異なる方法に関する。この方法は、試験片の照明を含む。一実施態様においては、試験片の照明が、約350nmより下の少なくとも1つの波長を有する光を用いて試験片を照明すること、および約350nmより上の少なくとも1つの波長を有する光を用いて試験片を照明することを含む。またこの方法は、試験片からの光の収集を含む。それに加えてこの方法は、収集した光を検出し、収集した光の第1の部分を表す光学位相信号、および収集した光の第2の部分を表す明視野光学信号を生成することを含む。さらにこの方法は、光学位相信号および明視野光学信号を別々に処理し、試験片上の欠陥もしくは工程の変動を検出することを含む。この方法もまた、ここに述べられているほかの任意のステップ(1ないしは複数)を含む。
【0020】
別の実施態様は、試験片を検査するように構成されたシステムに関係する。このシステムは、広帯域光源に結合される第1の光学システムを含む。広帯域光源は、可視光、紫外光、深紫外光、またはそれらの組み合わせを生成するように構成する。一実施態様においては、第1の光学サブシステムが、広帯域光源の実質的に収差のないイメージを生成するように構成された楕円体ミラーを含む。別の実施態様においては、第1の光学サブシステムが、第3の光学サブシステムに対する広帯域光源からの光の効率的な結合を提供するように構成された楕円体ミラーを含む。
【0021】
いくつかの実施態様においては、第1の光学サブシステムが、広帯域光源のエッジ・ラディアンスを、明視野照明のための第1の光学サブシステムの瞳の中心部分に向けるように構成されたビーム成形エレメントを含む。別の実施態様においては、第1の光学サブシステムが、ビーム・プロファイルが実質的に一様となるように広帯域光源のビーム・プロファイルを変更するように構成されたビーム成形エレメントを含む。追加の実施態様においては、第1の光学サブシステムが、広帯域光源の光学的不変量を変更するように構成されたダブル・ズーミング・エレメントを含む。いくつかの実施態様においては第1の光学サブシステムが、ダブル・ズーミング・エレメントの個別のズーミング・エレメント間に配置できる光パイプを含む。
【0022】
このシステムはまた、レーザに結合される第2のサブシステムを含む。一実施態様においては、レーザを、約350より下の波長を有する光を生成するように構成する。別の実施態様においては、レーザを、約266より下の波長を有する光を生成するように構成する。
【0023】
さらにシステムは、第1と第2の光学サブシステムを対物鏡に結合するように構成された第3の光学サブシステムを含む。いくつかの実施態様においては、第3の光学サブシステムを、対物鏡に対する第2の光学サブシステムからの光の実質的に効率的な結合を可能にするように構成することもできる。対物鏡は、試験片上に光を集束させるように構成される。一実施態様においては、対物鏡を、第1と第2の光学サブシステムからの光を実質的に同時に用いて試験片を照明するように構成することもできる。いくつかの実施態様においては、第3の光学サブシステムが、第2の光学サブシステムからの光をダイクロイック・ビームスプリッタに向けるように構成された偏光ビームスプリッタを含む。ダイクロイック・ビームスプリッタは、第2の光学サブシステムからの光を対物鏡に向けるように構成する。一実施態様においては、ダイクロイック・ビームスプリッタを、第1の光学サブシステムからの光の少なくとも一部を対物鏡に向けるように構成することもできる。
【0024】
これに加えてシステムは、試験片からの光を検出し、かつ検出した光を表す信号を生成するように構成された検出サブシステムを含む。いくつかの実施態様においては、試験片からの光が対物鏡を通ってダイクロイック・ビームスプリッタに到達し、それが試験片からの光を偏光ビームスプリッタに向ける。偏光ビームスプリッタは、試験片からの光を検出サブシステムに向けるように構成することもできる。またこのシステムは、信号を処理して試験片上の欠陥もしくは工程の変動を検出するように構成されたプロセッサを含む。このシステムは、さらにここに述べられているとおりに構成する。
【0025】
追加の実施態様は、試験片を検査するように構成された別のシステムに関係する。このシステムは、約350nmより下の波長を有する光を用いて試験片を照明するように構成された第1の照明サブシステムを含む。またシステムは、約350nmより上の波長を有する光を用いて試験片を照明するように構成された第2の照明サブシステムを含む。これらの第1と第2の照明サブシステムは、異なる照明アパーチャを有する。一実施態様においては、第1と第2の照明サブシステムを、狭帯域モードで試験片を照明するように構成する。別の実施態様においては、第1の照明サブシステムを狭帯域モードで試験片を照明するように構成し、第2の照明サブシステムを広帯域モードで試験片を照明するように構成する。いくつかの実施態様においては、第1と第2の照明サブシステムを、実質的に同時に試験片を照明するように構成する。
【0026】
このシステムは、さらに試験片からの光の第1の部分を検出するように構成された第1の検出サブシステムを含む。それに加えてこのシステムは、試験片からの光の第2の部分を検出するように構成された第2の検出サブシステムを含む。光の第1の部分と光の第2の部分は、少なくとも1つの異なる特性を含む。この異なる特性には、たとえば、異なる波長および/または異なる偏光を含める。いくつかの実施態様においては、第1と第2の検出サブシステムが、異なる倍率設定を有する。たとえば、第1の検出サブシステムによって検出される光の第1の部分を、第1の照明サブシステムを使用して試験片を照明することによって生成する。その種の実施態様においては、第1の検出サブシステムが、第2の検出サブシステムの倍率設定より高い倍率設定を有するとする。一実施態様においては、第1と第2の検出サブシステムを、光の第1と第2の部分を実質的に同時に検出するように構成する。
【0027】
さらにこのシステムは、第1と第2の検出サブシステムによって生成された信号を処理し、試験片上の欠陥もしくは工程の変動を検出するように構成されたプロセッサを含む。いくつかの実施態様においては、システムが、約350nmより上の約80nmの波長内の波長で動作するように構成された自動焦点サブシステムを含むこともできる。さらにこのシステムは、ここで述べているとおりに構成する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この分野で周知のタイプの従来の明視野面検査ツールを示した概略図である。
【図2】基板についての不透明度遷移波長の表示を含むその基板の透過スペクトルを簡略的に表現したグラフである。
【図3a】欠陥信号を簡略的に表現し、かつ不透明レジームおよび透明レジームを示したグラフである。
【図3b】薄膜干渉効果の側面を例示するために使用されている基板を簡略的に表現した概略図である。
【図4a】本発明の原理に従って構成される一般化された検査ツールの実施形態を簡略的に表現したブロック図である。
【図4b】欠陥信号のペアを簡略的に表現し、かつ不透明レジームと透明レジームおよびそれぞれのレジーム内の検査のための最適波長(または波長帯)を示したグラフである。
【図5】本発明の原理に従って構成される検査ツールの実施形態を簡略的に表現した概略図である。
【図6】本発明の原理に従って構成される検査ツールの別の実施形態を簡略的に表現した概略図である。
【図7】本発明の原理に従った基板の面の検査のためのプロセスの一実施形態を例示したフローチャートである。
【図8】試験片の検査用の最適パラメータを決定するためのコンピュータによって実施される方法の一実施形態を例示したフローチャートである。
【図9】試験片の検査のための方法の別の実施形態を例示したフローチャートである。
【図10】検査システム内の広帯域光源に結合することのできる第1の光学サブシステムの一実施形態を例示した概略図である。
【図11】異なる離心を有する楕円体ミラーによって作られる第2の焦点面におけるカソードのイメージを例示した概略図である。
【図12】2つの光学サブシステムからの光を対物鏡に結合するように構成することのできる第3の光学サブシステムの一実施形態を例示した概略図である。
【図13】試験片の一例の断面図を例示した概略図である。
【図14】種々の材料についての反射率を種々の波長において例示したプロットである。
【図15】検査システム内に組み込むことのできる複数の検出サブシステムの組み合わせの実施形態を例示した概略図である。
【図16】検査システム内に組み込むことのできる複数の検出サブシステムの組み合わせの実施形態を例示した概略図である。
【図17】試験片と対応するTDIイメージの視野範囲を例示した概略図である。
【図18】試験片のイメージをTDIの任意の部分に指向できるように構成された検出サブシステムのための1パス構成を例示した概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明のこのほかの利点については、以下の好ましい実施態様の詳細な説明および添付図面を参照することにより当業者には明らかなものとなろう。
【0030】
本発明は種々の変形と代替形式が可能であるが、例としてその特定実施形態を図面内に示し、ここで詳細に説明する。図面は縮尺に忠実でないこともある。しかしながら、ここで理解する必要があるが、図面とその詳細な説明には本発明を開示された特定の形式に限定する意図はなく、むしろその逆に、付随する特許請求の範囲によって決められるとおりの本発明の精神と範囲内に含まれるすべての修正、等価、および代替を保護することが意図されている。
【0031】
発明者は、検査ツール内の分解能を増加することが必ずしも欠陥に対する向上された感度と相関しないことを発見した。実際、照明された基板は、これまで認められなかった多くの、高い信号対ノイズ比と欠陥に対する向上された感度を達成するために本発明の実施形態によって有利に利用可能な光学特性を明確に示している。発明者は、1を超える数の周波数の光を用いて物体を照明することが、実際に、より高い分解能のシステムを単純に採用するより良好な欠陥検出結果をもたらすことを発見した。異なる材料の多くのレイヤから構成される半導体基板は光学特性の複合アレイを明らかに示し、それが基板の欠陥の検出を困難なプロセスとしていた。
【0032】
しかしながら発明者は、これらの異なる材料特性を利用し、欠陥検出の感度を増加する方法を発見した。ここで用いる場合、『面』という表現には、いくつかの最上位レイヤやその上に形成される関連構造を含む上側部分はじめ、その面自体を含むことが意図されている。その種の面は、材料(たとえば、Si、SiGe、SiO2、ポリシリコン、Ti、TiN、Ta、TaN、SiN、低K誘電材料、その他の無数の材料)の多くのレイヤからなる。半導体の面は、欠陥を検出する検査ツールの能力を強化することのできる多数の光学特性を明確に示す。半導体の面によって呈示されるこれらの光学特性には、特に、面の光を散乱する性質、面の光を回折する性質、面によって呈示される薄膜光学特性が含まれる。さらに、これらすべての効果は、それらに関連付けされる波長依存特性を有する。したがって、半導体基板(および位相シフト・マスク)の場合と同様に、厚さ寸法が変化する多くのレイヤ内に多くの材料が使用されるときには、それらの複合された効果が複雑かつ予測困難になる。しかしながら発明者は、それらの多様な光学特性を利用して基板表面内の欠陥検出を向上させる方法を見出した。これについて以下に詳細を述べる。
【0033】
半導体基板の構成には、多くの材料が使用される。特に一般的な材料には、ポリシリコンやSiO2がある。図2は、波長(λ)の関数としてプロットしたポリシリコンの薄いレイヤの透過スペクトル201を図式的に示している。ポリシリコンの固有特性は、約400nm(ナノメートル)における不透明度遷移波長202である。比較的長い波長の光(すなわち、遷移波長202より上の波長)を用いてポリシリコンが照明されるときには、それが比較的透明な材料として振る舞う。しかしながらより短い波長の光(すなわち、遷移波長202より下の波長)にさらされるときには、ポリシリコンが比較的透明な材料(すなわち領域204)から比較的不透明な材料(すなわち、比較的少ない光を透過するか、まったく光を透過しない領域203)に変化する。
【0034】
その種の材料特性が欠陥検出にどのような影響を与えるかについての一例を、図3(a)との関連から例示する。図3(a)は、一般的な半導体基板上のポリシリコン構造(たとえばレイヤ)に関連付けされる欠陥によって生成される『欠陥信号』のグラフィック表現である。ここに示した図においては欠陥信号強度が、照明波長の関数として示されている。面の部分が照明されるとき、検出器(たとえば光学検出器)を使用して測定できる結果の光学信号(たとえばイメージ)を生成する。『欠陥信号』は、欠陥を含む面の部分について、結果の光学信号を測定し、面の同一部分についてモデリング・プログラム(またはそのほかの適切な非欠陥ベースライン)によって生成された結果の光学信号を比較することによって獲得することが可能である。欠陥を含む信号を非欠陥信号から減算することによって『欠陥信号』を獲得する。
【0035】
図3(a)に図示した例は、欠陥信号301を示しており、信号強度(I)が照明波長(λ)の関数としてプロットされている。発明者は、欠陥信号の生成について2つの本質的メカニズムが存在することを発見した。一方のメカニズムは、不透明面からの回折と散乱である。他方のメカニズムは、透明膜と部分的な透明膜と面を形成する構造によってもたらされるいわゆる薄膜光学効果(たとえば、薄膜干渉効果)である。これらのメカニズムは、2つの異なる光学レジームにおいて作用するものとして特徴付けられる。これら2つの異なるレジームの信号特性は、劇的に異なり、検査ツールの感度の向上に好適に利用することが可能である。
【0036】
図3(a)において第1のレジーム302(ここでは、不透明レジームと呼ぶこともある)と第2のレジーム303(ここでは、透明レジームと呼ぶこともある)が図示されている。不透明レジーム302は、不透明度遷移波長202より短い波長のレンジと定義する。不透明レジーム302内の波長の光によって照明された面から受け取られる光は、不透明面が照明されるときに予測される通常の回折と、期待される散乱特性を明確に示す。たとえば、不透明レジーム302内においては、照明波長が減少するに従って、システムの分解能が増加傾向を示す。
【0037】
これに対して、照明波長(λ)が特定のポイントを超えて増加すると、基板の光透過の振る舞いが変化する。この特許の目的に関して、このレジームの光の波長は透明レジームに属するという。透明レジーム303は、不透明度遷移波長202より長い波長のレンジと定義する。透明レジーム303内の波長の光によって照明された面から受け取られる光は、支配的な信号生成メカニズムとして薄膜光学特性を呈する。特に、そのように長い波長においては、欠陥信号が、基板上の薄膜構造により誘導される光学干渉特性によって大きく支配される。前述したとおり、これらの干渉特性は、欠陥信号を生成する支配的メカニズムになる。不透明度遷移波長202においては、多くの材料(特に、その種の材料の薄膜)が光の透過の振る舞いにおいてこの変化を経験する。
【0038】
前述した『透明』レジームについてのより明快な理解を得るために、ここで図3(b)を参照する。図3(b)は、基板表面の簡略化した例を模式的に示している。面に、不透明材料のレイヤ330を含み、その上には別のレイヤ331が形成されている。特定波長においては、レイヤ331は不透明である。その種の不透明レイヤが光ビームによって照明されると、ほとんどの部分に関して光が面によって散乱され、回折される。したがって、その種の散乱と回折が、結果の光学信号を生成する支配的なメカニズムとなる。しかしながら多くの材料の場合、特定の波長において、レイヤ331が少なくとも部分的に透明となる。その種の状態の下においては、面上に向けられた光ビームが薄膜光学効果を経験する。その種の効果の1つが薄膜干渉である。薄膜干渉は、光ビーム341がレイヤ331の部分的に(もしくは完全に)透明な材料を通過し、レイヤ331の上面332から反射される光ビーム342と結合してビーム343となるときに生じる。結果としてもたらされる干渉は、多数のファクタの関数である。その種のファクタには、限定の意図ではないが、上面332の反射率、レイヤ330とレイヤ331の間における境界面333の反射率、部分的反射材料のレイヤ331内に生じる吸収、面の照明に使用される光の波長、部分的反射材料のレイヤ331の光学的な厚さが含まれる。当然のことながら、これらすべてのファクタは、照明光の波長によって影響を受ける。干渉は、種々のファクタに応じて建設的または破壊的のいずれとなることも可能である。ほかにも関係するレイヤが多く存在し得るが、コンセプトは同一である。別のファクタは、波長の広がりの存在である。たとえば、レーザは帯域幅を持たず、長い『コヒーレンス長』を有しており、したがって干渉が比較的厚いレイヤ内において生じる。広帯域光ビームにおいては、コヒーレンス長が極めて短くなることがあり、そのため干渉が薄いレイヤ内において生じる。コヒーレンス長は、λ2/Δλとして決められる。欠陥の存在は、面の厚さもしくは材料特性の変化、欠陥自体、またはその周囲によって正常な干渉を変化させる。
【0039】
不透明度遷移波長は、それぞれの材料ごとに異なる。たとえば、ポリシリコンは、約400nmより下の波長の光に対して非常に不透明である。しかしながら約400nmより上の波長においては、ポリシリコンが比較的透明な材料となる。透明面(または部分的な透明面)の光学特性は、不透明面のそれ(散乱的な振る舞いと回折的な振る舞いが支配的となる)と異なる。
【0040】
簡単に前述したが、基板が透明レジーム303内の波長を有する光によって照明されるとき、信号生成メカニズムに対して薄膜光学特性が支配的となる。前述したとおり、その種の光学特性には、限定の意図ではないが、薄膜によってもたらされる位相効果や干渉効果が含まれる。透明レジーム303においては薄膜光学特性が、結果として、波長の変化に従って変化する光の強度における山と谷を有する振動波形になぞらえることのできる結果の光学信号をもたらす。したがって透明レジーム302においては、照明源の波長の減少が、欠陥信号の増加と直接的に関係しない。
【0041】
図3(a)に戻るが、発明者は、欠陥のための検査時に、ほとんどすべての半導体材料がこの『2‐レジーム』波長依存の振る舞いを示すことを発見した。実際問題として、1つの材料もしくは欠陥とほかとの相違と思われるものすべてが、遷移領域304の波長(特に不透明度遷移波長202)である。さらに発明者は、この『2‐レジーム』の振る舞いを利用して、既存のテクノロジで可能であるよりも良好な欠陥捕捉レートが達成できることを発見した。
【0042】
本発明のこれらの実施形態は、不透明度遷移波長より長い波長(または波長帯)の光を用いて、また不透明度遷移波長より短い波長(または波長帯)の光を用いて基板を照明する。そのようにすることによって、結合された信号を使用する方法を用いて、改良された欠陥検出を達成することが可能になる。さらに、本発明の原理は柔軟である。照明レジームは、結合される必要がない。インスペクタは、不透明度遷移波長より長い波長(または波長帯)の光だけを使用して検査する検査方法を選択する。代替方法においては、インスペクタが、不透明度遷移波長より短い波長(または波長帯)の光だけを使用して検査する検査方法を選択する。その後インスペクタは、最良の欠陥捕捉比を達成する検査方法を単純に選択する。通常、結果の光学信号内において最大の信号対ノイズ比(SNR)を得る方法が、所望の検査方法として選択される。その種の方法を使用すれば、欠陥検出においてより高い感度を達成することが可能である。さらにまた、本発明の原理によれば、この感度を、サブ分解能レンジの欠陥(すなわち、システムの分解能より小さいサイズの欠陥)の検出まで広げる。
【0043】
発明者は、不透明と透明レジームの性質と特性および不透明度遷移波長の波長が、検査される基板のレイヤの面の特徴(材料特性を含む)によって決定されることを発見した。すでに示したとおり、照明されるときの面から得られる結果の光学信号は、2つの一般的現象によって支配される。第1は、面レイヤが照明波長に対して比較的不透明であるとき、光学信号が、その面の光の散乱と回折特性によって支配される。その種の不透明度は、膜の厚さ、すなわち膜のk(複素屈折率)の関数である。前述したとおり、これらの特性には高い波長依存性がある。たとえばポリシリコンは、約400nmより下の波長において非常に不透明である。それに対して400nmより上の波長においては、ポリシリコンが比較的透明な材料となる。したがって、ポリシリコンの場合の不透明度遷移波長は約400nmとなる。このように不透明度遷移波長は、遷移領域204を定義する。それに加えて、高K誘電材料(シルク(SiLK(R))、ブラック・ダイアモンド(Black Diamond(R))、またはフレア(FLARE(R))等)は、概して350〜360nmのレンジ内に不透明度遷移領域を有する。これらの材料が半導体製造において特に一般的であることから、350nmは、本発明の原理に従った使用について特に魅力的な波長である。この魅力についてのより詳細な議論は、後述のパラグラフの中に含まれている。また、SiO2膜は、約190nmに不透明度遷移領域を有し、そのことがこの波長を魅力的にしている。
【0044】
簡単に前述したとおり、『透明』レジームは、波長の光学的帯域幅であり、基板の薄膜特性が、結果の光学信号の原因として支配的になる。通常、透明レジーム内の欠陥信号は、光の強度の山と谷の振動パターンを有する信号強度曲線を示し、それらが波長とともに変化する(たとえば、図3(a)の303を参照されたい)。概して言えば、このパターンは、薄膜の光学的振る舞いに関連付けされる建設的および破壊的干渉効果に関連する。それとは対照的に『不透明』レジームから選択された波長の光を用いて基板が照明されるとき、この欠陥信号が、基板の回折と散乱効果によって支配される。その種の欠陥信号は、概して非振動的である(たとえば、図3(a)の302を参照されたい)。
【0045】
概して言えば、本発明は、2つの異なる光学レジーム(たとえば、不透明と透明)で基板を照明することが可能であり、かつ結果の光学信号を検出することが可能である。代替的に、不透明レジームの波長のみを有する光ビームを用いて基板を照明することもできる。別の代替においては、透明レジームの波長のみを有する光ビームを用いて基板を照明する。結果の光学信号は、積分され、比較され、あるいは合わせて処理され、欠陥検出を達成する。通常、最良の検査結果をもたらすアプローチ(たとえば、もっとも強い信号、最良のSNR、またはそのほかの何らかの適当に有用なパラメータをもたらすアプローチ)が検査のために使用される。
【0046】
面を検査するための一般化された方法の実施形態は、少なくとも以下のオペレーションを含む。第1の波長レンジの光に対して面が不透明となるように選択された第1の波長レンジ内の光を用いて面が照明される。その種の不透明レジームにおいては、面の回折と散乱特性によって支配される第1の結果の光学信号が生成される。その種のレジームの一例が、302として図3(a)に示されている。また、第2の波長レンジ内の光に対して面が少なくとも部分的に透明となるように選択された第2の波長レンジ内の光を用いて面が照明される。その種の透明レジームにおいては、面の薄膜光学特性によって支配される別の結果の光学信号が生成される。その種のレジームの一例が、303として図3(a)に示されている。結果の光学信号が検出され、処理されて、面の欠陥と望ましくない工程の変動が識別される。前述したとおり、不透明レジーム内の波長だけを有する光によって基板を照明し、検査情報を獲得することも可能である。またこれも前述したが、透明レジーム内の波長だけを有する光によって基板を照明し、検査情報を獲得することも可能である。
【0047】
上記のステップは、基板のための適切な不透明度遷移波長を決定(および、それによって適切な不透明レジームと透明レジームを決定)するステップを用いて補う。不透明レジームと透明レジームは、いくつかのアプローチを使用して識別する。第1に、基板を多くの波長においてスキャンすることが可能であり、かつその基板について透明レジームを識別することが可能である。代替的に、基板材料のk値を使用し、波長の関数として透過の計算を行い、基板の波長依存特性(特に、不透明度遷移波長またはその領域の決定において)のピクチャを提供することも可能である。遷移領域が識別された後は、遷移領域より上の波長(または複数の波長)において、さらに遷移領域より下の波長(または複数の波長)において基板を照明し、それにより薄膜光学特性によって生成される信号、および回折/散乱特性によって生成される信号を捕捉する。代替的に、遷移領域より上の波長(または複数の波長)もしくは遷移領域より下の波長(または複数の波長)において基板を照明してもよく、その場合にも最良の欠陥検出結果を得る。
【0048】
図4(a)は、本発明の原理に従って構成された検査ツール400を例示した略図的なブロック図である。この種のツールは、限定の意図ではないが、明視野タイプの検査ツール、暗視野タイプの検査ツール、組み合わせの明視野/暗視野検査ツールを含む。発明者は、明視野の実装が好ましい実装であることに注目している。その種の装置は、基板401を照明するための照明エレメント402を含む。照明エレメント402は、2つ(もしくはそれを超える数)の光学波長レジームにおいて基板401を照明することができるように構成される。通常、これは、2つ(もしくはそれを超える数)の動作モードを有する照明エレメント402によって達成される。第1のモードは、第1の光学レジームにおける面の検査のために選択された第1のセットの波長の光402aにおいて基板401を照明することが可能であり、その際、面は、第1のセットの波長の光402aに対して不透明になる。この第1のモードは、面からの光の回折と散乱によって支配される第1の結果の光学信号402a’を生成する。それに加えて、照明エレメント402は、第2の光学レジームにおける面の検査のために選択された第2のセットの波長の光402bにおいて基板401を照明する第2のモードで動作することが可能であり、そのとき、面は、第2のセットの波長の光402bに対して少なくとも部分的に透明になる。この第2のモードは、基板401の薄膜光学特性によって支配的される第2の結果の光学信号402b’を生成する。通常、第1のモードは、被検査基板のための不透明度遷移波長より下となるように選択された波長における光を用いて基板を照明する。また第2のモードは、被検査基板のための不透明度遷移波長より上となるように選択された波長における光を用いて基板を照明する。したがって、1つの好ましい具体例においては、第1のモードが約350nmより下の波長を使用して基板を照明し、第2のモードが約350nmより上の波長を使用して基板を照明する。別の好ましい実施形態においては、第1のモードが約400nmより下の波長を使用して基板を照明し、第2のモードが約400nmより上の波長を使用して基板を照明する。さらに別の好ましい実施形態においては、第1のモードが約190nmより下の波長を使用して基板を照明し、第2のモードが約190nmより上の波長を使用して基板を照明する。
【0049】
第1の結果の光学信号402a’と第2の結果の光学信号402b’は、検出器システム403によって受け取られる。検出器システム403は、受け取った結果の光学信号(402a’、402b’)を処理し、被検査面の欠陥および/または工程の変動を識別する。一般にシステムは、スキャニング・エレメント404も含み、それによって装置が所望の部分の基板をスキャンする。その種のスキャニングは、当業者に周知の多くの手段によって達成可能である。たとえば、照明光を、基板のスキャンが行われるように面の所望の部分にわたって動かす。代替的に、面の所望の部分にわたって光がスキャンされ、それによって基板のスキャンが行われるように基板を動かすこともできる。
【0050】
一実施形態においては、図4(a)に示されているような検査ツール400を次のように動作させる。多くの既知の欠陥を有する基板401が、ツール内に位置決めされる。それぞれの欠陥が種々の波長において照明され、それぞれの欠陥について最良の欠陥捕捉レートをもたらすための最適波長(または波長の組み合わせ)が決定される。その後、その最適波長(または波長の組み合わせ)を用いて基板の検査が行われる。1つの具体例においては、これを以下のとおりに達成する。
【0051】
基板401上の多くの欠陥(タイプとサイズが既知)が、不透明レジーム内の第1のセットの波長の光402aから選択された種々の波長の第1のシリーズを使用して照明される。たとえば、その基板のための不透明度遷移波長が350nmになると決定される場合には、種々の波長の第1のシリーズ(つまり、不透明レジーム内の波長)が、350nmより短い波長から選択される。たとえば、340nm、330nm、320nm、310nm、等々の波長において欠陥を照明する。不透明レジーム内の波長(ここでは、350nmより短い波長)の任意のシリーズを選択することが可能である。続いて第1の結果の光学信号402a’が検出され、比較されて、不透明レジーム内の最適検査波長(1ないしは複数)が決定される。たとえば、最良のSNRをもたらす波長(1ないしは複数)を、最適波長(1ないしは複数)として使用する。
【0052】
同様に、欠陥が、透明レジーム内の第2のセットの波長の光402bから選択された種々の波長の第2のシリーズを使用して照明される。上記の例を続ければ、350nmの不透明度遷移波長を有する基板の場合には、種々の波長の第2のシリーズ(つまり、透明レジーム内の波長)が、350nmより長い波長から選択される。たとえば、360nm、370nm、380nm、390nm、等々の波長において欠陥を照明する。透明レジーム内の波長(ここでは、350nmより長い波長)の任意のシリーズを選択することが可能である。続いて第2の結果の光学信号402b’が検出され、比較されて、透明レジーム内の最適検査波長(1ないしは複数)が決定される。たとえば、最良のSNRをもたらす波長(1ないしは複数)を、最適波長(1ないしは複数)として使用する。
【0053】
これがどのように機能するかについての一例は、基板401上にある欠陥の信号のペアを図式的に示した図4(b)に関連して例示する。一方の欠陥信号411は第1の欠陥に関するものであり、他方の欠陥信号412は第2の欠陥に関するものである。基板の関連部分のための不透明度遷移波長420もまた図示されている。さらに、関連する不透明レジーム421と関連する透明レジーム422も示されている。
【0054】
不透明レジーム421内の波長のシリーズを用いて面を照明することによって、不透明レジーム内の欠陥信号を検出するための最適波長(1ないしは複数)を決定する。たとえば、第1の欠陥について、この波長は、散乱と回折によって生じる信号が最大のSNRを有する(かつ、もっとも高い欠陥捕捉比を有する可能性がもっとも高い)ポイント423(欠陥信号411上)に対応する。ここで指摘しておく必要があるが、最適波長は、波長の帯域に対応することが可能である。
【0055】
同様に、透明レジーム内の種々の波長の第2のシリーズを用いて欠陥が照明される。第2の結果の光学信号402b’が検出され、比較されて、透明レジーム内における最良欠陥捕捉比をもたらす最適波長(1ないしは複数)が決定される。再度図4(b)を参照すると、欠陥信号411は、いくつかの異なる波長において(たとえば、ポイント424、425において)信号の極大値を有する。したがって、各波長によって生成された欠陥信号の大きが比較されて、透明レジーム422内の最適波長が決定される。たとえば、欠陥信号411のポイント424に対応する波長が、最良のSNRを提供すると見られる。
【0056】
上記に加えて、1を超える数のタイプの欠陥を捕捉するように最適波長を修正してもよい。たとえば、別のタイプの欠陥(欠陥信号412によって示されている)は、異なる形状の信号曲線を有する。透明レジーム422内の欠陥信号412は、ポイント427において信号の極大値を有する。最適検査波長を見つけ出すためのプロセスは、上記の説明のとおりに進められる。この種のプロセスの間に、欠陥信号412が、ポイント427に対応する波長において信号の極大値を有すると決定されることになる。両方のタイプの欠陥について最良の捕捉比を達成するためには、透明レジーム内の波長の帯域が、優れた欠陥識別を提供する。たとえば、両方のタイプの欠陥のための最適波長(ポイント424、427に対応する)を含む波長帯430を使用して、両方のタイプの欠陥について欠陥捕捉を最大化する。それに加えて、いくつかの実装においては、最良信号が、両方のレジーム内の波長を用いて欠陥を照明して複合欠陥信号を獲得したときに最良の信号が得られる。このように、いずれのアプローチが最良の欠陥捕捉レートをもたらすかに応じて、不透明レジームもしくは透明レジーム内の波長の光、または両方のレジーム内の波長の光を用いて欠陥を照明する。
【0057】
図5は、本発明の原理に従って構成された1タイプの明視野検査ツールの実施形態を簡略化して示している。基板401は、その検査が可能となるようにツール内に位置決めされる。図示の実施形態においては、基板401が、検査の準備を整えて可動ステージ501上にマウントされている。ステージ501のスキャニングは、スキャニング・コントロール・エレメント502を構成する電子回路によってコントロールする。可動ステージ501とそのコントロール・エレメント502は、すべてスキャニング・エレメント404’の部品として含めることが可能である。ここで注意する必要があるが、基板401を可動ステージ501上に、あるいはこの種の検査ツールに広く使用されているほかの任意の支持構造の上に配置することができる。代替実施形態においては、被検査基板401の所望の部分のスキャニングを実行するために、スキャニング・コントロール・エレメント502を使用して検査ツールの別のエレメントを移動する。
【0058】
引き続き図5を参照するが、照明源503、504のペアが使用されて、照明エレメント402’の2つの動作モードが生成される。第1の照明源503は、不透明度遷移領域より下の波長において基板401を照明し、第2の照明源504は、不透明度遷移領域より上の波長において基板401を照明する。前述したとおり、第1の照明源503は、第1のセットの波長の光(破線402aによって図示されている)において基板401を照明する。すでに説明したとおり、第1のセットの波長の光は、第1のセットの波長の光402aに対して面が不透明になる第1の光学レジーム内で動作する。その種の第1の照明源503の一例として、266nmの出力ビームを生成するように調整されたネオジムYAGレーザが挙げられる。しかしながら、約350nmより下の波長を有する光を生成することのできる任意のレーザを使用することが可能である。代替的に、約400nmより下の波長を有する光ビームを生成することのできる別のレーザを使用することも可能である。また、前述したとおり、適切な第1の照明源503は、基板が、その基板の回折と散乱特性によって支配される結果の光学信号を生成する波長において動作することのできる任意の光源とすることもできる。その種の光源としては、限定の意図ではないが、多色光源(たとえば、アーク・ランプ)やレーザが挙げられる。
【0059】
引き続き図5を参照すると、第2の照明源504は、第2のセットの波長の光(一点鎖線402bによって図示されている)において基板401を照明する。すでに説明したとおり、第2のセットの波長の光は、不透明度遷移領域より上の第2の光学レジーム内において動作する(たとえば、面が、光402bに対して少なくとも部分的に透明になる波長)。この第2のモードは、基板401の薄膜光学特性によって支配される第2の結果の光学信号402b’を生成する。その種の第2の照明源504の一例として、可視および近UVスペクトル内において広レンジの光を生成することのできる水銀キセノン(HgXe)アーク・ランプが挙げられる。しかしながら、約350nmより上の波長を有する光を生成することのできる任意の光源を使用することが可能である。代替的に、別の実施形態においては、約400nmより上の波長を有する光ビームを生成することのできる光源(たとえばレーザ)を使用する。また、前述したとおり、適切な第2の照明源504は、基板401が、その基板の薄膜光学特性によって支配される結果の光学信号を生成する波長において動作することのできる任意の光源とすることもできる。その種の光源としては、限定の意図ではないが、多色光源(たとえば、アーク・ランプ)やレーザが挙げられる。
【0060】
図示の実施形態においては、両方の照明源504、503がダイクロイック・ビームスプリッタ505に向けられている。ダイクロイック・ビームスプリッタ505は、(この例においては)特定の波長より下の波長を有する光に対して反射性となり、特定の波長より上の波長の光に対して透過性となるように構成されている。一例においては、ダイクロイック・ビームスプリッタ505が基板の不透明度遷移領域より上の波長を有する光に対して透過性となり、その基板の不透明度遷移領域より下の波長を有する光に対して反射性となる。図示の例においては、ダイクロイック・ビームスプリッタ505が、350nmより下の波長の光(たとえば、レーザ光源503によって生成される266nmの光)に対して反射性となり、350nmより上の波長(たとえば、HgXeアーク・ランプ光源504によって生成されるスペクトルの部分)に対して透過性となる。この種のダイクロイック・ビームスプリッタは、当業者に周知であり、多くの異なる製造者から入手可能である。
【0061】
ダイクロイック・ビームスプリッタ505を通過した光は、第2のビームスプリッタ506によって下方に基板401に向けて向けられ、その後、対物レンズ・システム507を通過する。対物レンズ・システム507は、光の収差を補正し、検査のために基板401上に集束させる。対物レンズ・システム507は、多くの異なる光学エレメントを含む。その種の対物レンズ・システム507の構成は当業者に周知であり、したがってここでの詳細な説明は省略する。広い帯域の波長にわたって動作することのできるレンズ・システムの設計と製造がある種の困難を伴うことから、それぞれの波長帯用に別々の光学コンポーネントを実装し、良好な光学イメージ品質を得る。たとえば、別々の狭帯域対物レンズと関連レンズを、266nmの波長において動作するレーザを用いた動作のために使用する。第2には、HgまたはHgXeランプが照明源として動作する360nmより上の使用のために、広帯域対物レンズと関連レンズを実装することが可能である。たとえば、その種の実装は、ポリシリコンが光学的に透明となる領域内においてgライン(404nm)および/またはiライン(436nm)だけを使用するために、Hgランプのフィルタリングを行う。
【0062】
基板401上に向けられた光は、結果の光学信号を生成し、それが対物レンズ・システム507と第2のビームスプリッタ506を通って戻り、検出器システム403’に入る。図4に関連して説明したとおり、結果の光学信号は第1と第2の結果の光学信号(図4に示されている402a’、402b’)を含み、それが検出器システム403’によって受け取られる。図示の検出器システム403’は、結果の光学信号を受け取り、受け取った結果の光学信号を検出器エレメント511上に集束させるための焦点エレメント510を含む。焦点エレメント510は、通常、ツールの検査特性を向上させるために、倍率、焦点、収差補正、分解能、その他のシステムの光学特性の調整に使用可能な多くの光学エレメントを含むことができる。この種の焦点エレメントの構成は当業者に周知である。
【0063】
結果の光学信号は、焦点エレメント510を通過した後に、検出器エレメント511によって受け取られる。検出器エレメント511は、広範な感光検出器デバイスを含む。その種のデバイスには、限定の意図ではないが、TDI(時間遅延積分)デバイス、CCD(電荷結合デバイス)、フォトダイオード、PMT(光倍増管)をはじめ、広範な関連デバイスが含まれる。また発明者は、特に、図示の検出器エレメント511がアレイ・タイプの感光検出器デバイスを含むことを企図している。1つの実装においては、好ましい検出器エレメント511が、裏面入射型TDIセンサ・アレイを含む。この種のアレイは、多くの異なる製造者(たとえば、浜松市の浜松ホクトニクス株式会社)から入手可能である。その種の検出器エレメント511は、結果の光学信号を受け取り、分析のために、電子的もしくは光学的な情報としてその信号をイメージ処理回路512に渡す。イメージ処理回路は、種々のイメージ処理テクニックとアルゴリズムを使用して結果の光学信号を分析し、欠陥を識別する。その種のイメージ処理回路512は、マイクロプロセッサ、PLD、ASIC、DSPをはじめ、そのほかの広範な当業者に周知のディジタルまたはアナログ電子デバイスを含む。
【0064】
別の実装を図6に示す。図示の実施形態は、ある程度まで図5に示されている実施形態に類似している。図5の実施形態と同様に、基板401が、その検査が可能となるようにツール内に位置決めされる。また図5の実施形態と同様に、コントロール回路502によるスキャンのコントロールが可能となるように、基板401が可動ステージ501上にマウントされる。可動ステージ501とそのコントロール電子回路502は、すべてスキャニング・エレメント404’の部品として含めることが可能である。
【0065】
図示された実施形態における1つの重要な相違点は、照明エレメント402”の構成である。図5に使用されているペアの照明源503、504に代えて、単一の照明デバイス601が使用されている。図示の実施形態においては、単一の照明デバイス601が使用されて照明エレメント402”の2つの動作モードが生成される。通常(ただし排他的ではなく)照明デバイス601は、多波長レーザ・デバイスになる。第1のモードにおいては、デバイス601が、不透明度遷移領域より下の波長において基板401を照明し、第2のモードにおいては、不透明度遷移領域より上の波長において基板401を照明する。すでにここで述べたとおり、第1のモードは、第1の光学レジームで動作する第1のセットの波長の光(破線によって図示されている)において基板401を照明し、面が第1のセットの波長の光に対して不透明となる。第2のモードの動作においては、照明デバイス601が、基板の薄膜光学特性が支配的となる第2の光学レジームで動作する第2のセットの波長の光(一点鎖線によって図示されている)において基板401を照明する。
【0066】
その種の照明デバイス601の一例として、ネオジムYAGレーザが挙げられる。第1のモードにおいては、266nmの出力ビーム(つまり、レーザの4次の高調波)を生成するようにこのレーザを調整する。さらに、照明デバイス601は、532nmの出力ビーム(つまり、レーザの2次の高調波)を生成するように調整することもできる。このように照明デバイス601は、第1のセットの波長の光(破線によって図示されている)と、第2のセットの波長の光(一点鎖線によって図示されている)において基板401を照明するように調整する。前述したとおり、第1のセットの波長の光は、第1の光学レジームで(たとえば、その光に対して面が比較的不透明となる波長において)動作し、第2のセットの波長の光は、第2の光学レジームで(たとえば、その光に対して面が、少なくとも部分的に透明となる波長において)動作する。また前述したとおり、第1のモードは、基板401の回折と散乱光学特性によって支配される第1の結果の光学信号を生成し、第2のモードは、基板401の薄膜光学特性によって支配される第2の結果の光学信号を生成する。ネオジムYAGレーザが照明デバイス601として実装される場合には、266nmと532nmの両方における出力ビームを同時に生成するようにそれを調整することが可能である。したがって、その種の照明デバイス601を使用して350nmより上下両方の波長の光を生成し、両方の動作モードを満たす。代替的に、ほかのいくつかの基板に対して、照明デバイス601を使用して400nmより上下両方の波長の光を生成し、両方の動作モードを満たすことができる。さらに別の照明デバイス601を使用して、別の不透明度遷移領域の波長に適合させることも可能である。それに加えて、いくつかのタイプの多色光源を(適切なフィルタとともに)使用してこの種の単一光源デュアル‐モード動作に適合させることも可能である。
【0067】
両方のモードで生成された光は、その光を下方に向けるビームスプリッタ602に向けられ、対物レンズ・システム603を介して基板401の所望の部分に向ける。ビームスプリッタ602と対物レンズ・システム603は、図5に関連して説明したシステムと基本的に同一であり、したがって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0068】
基板401上に向けられた光は、結果の光学信号をもたらし、それが対物レンズ・システム603とビームスプリッタ602を通って戻り、検出器システム403’に入る。前述したとおり、この結果の光学信号は検出器システム403’によって受け取られ、そのシステムが欠陥もしくはそのほかの面特性を検出するようにそれらを処理する。図示の検出器システム403’は、結果の光学信号を受け取り、受け取った結果の光学信号を検出器エレメント511上に集束させるための焦点エレメント510を含む。その種の焦点エレメント510と検出器エレメント511については(たとえば図5に関して)前述したとおりであり、したがって説明を省略する。検出器エレメント511は、これらの結果の光学信号を受け取り、分析のために、電子的もしくは光学的な情報として信号をイメージ処理回路512に渡す。図5に示されているイメージ処理回路と同様に、このイメージ処理回路512もまた、種々のイメージ処理テクニックとアルゴリズムを使用して結果の光学信号を分析し、欠陥を識別する。
【0069】
上記の実施形態は、面検査テクニックの感度とSNRを向上させるための方法を具体化する。図7は、本発明の原理に従って欠陥を検出する1つの方法を例示したフローチャートである。
【0070】
この方法は、第1の波長レンジから選択される第1の最適検査波長(または多くの波長の波長帯)を決定すること(ステップ701)を含み、第1の波長レンジ(すなわち不透明レジーム)は、その光に対して面が不透明となり、それによって、面の回折と散乱特性よって支配される結果の光学信号が生成されるように選択される。前述したとおり、通常これは、それぞれの波長がその基板の不透明度遷移波長より短くなるようにしていくつかの異なる光の波長において基板の欠陥(1ないしは複数)を照明することによって達成される。続いて結果の光学信号が比較されて、不透明レジームにおいて最良の欠陥捕捉レートを呈する第1の最適波長(または波長帯)が決定される。この決定は、限定する意図ではないがSNRや信号強度を含む多くのファクタを基礎とする。
【0071】
またこの方法は、第2の波長レンジから選択される第2の最適検査波長(または多くの波長の波長帯)を決定すること(ステップ703)を含み、第2の波長レンジ(すなわち透明レジーム)は、その光に対して面が少なくとも部分的に透明となり、それにより面の薄膜光学特性(たとえば、薄膜干渉効果等)よって支配される結果の光学信号が生成されるように選択される。前述したとおり、通常これは、それぞれの波長がその基板の不透明度遷移波長より長くなるようにしていくつかの異なる光の波長において基板の欠陥(1ないしは複数)を照明することによって達成される。続いて、結果の光学信号が比較されて、透明レジームにおいて最良の欠陥捕捉レートを呈する第2の最適波長(または波長帯)が決定される。この決定は、限定する意図ではないがSNRや信号強度を含む多くのファクタを基礎とする。
【0072】
不透明レジームと透明レジームのための最適波長(または波長帯)が決定されると、選択された波長(または波長帯)を使用して面が照明される(ステップ705)。ここで特に注意する必要があるが、この照明は、いくつかのスキームに従って実施する。照明を、不透明レジーム内の波長について決定された第1の最適波長(または波長帯)において実施することが可能である。代替的に、照明を、透明レジーム内の波長について決定された第2の最適波長(または波長帯)において実施することが可能である。さらに別のアプローチにおいては、第1の最適波長(または波長帯)と第2の最適波長(または波長帯)の両方において照明を実施し、両方のレジーム内における同時照明によって生成される結合された欠陥信号を獲得することもできる。同時照明が好ましいが、逐次的な照明スキームを使用することも可能である。概して言えば、選択された照明波長(1ないしは複数)は、それらが最良の欠陥捕捉比をもたらすことから選択されている。一般に、両方のレジームにおける検査、または一方もしくは他方のレジームにおける検査のいずれが最良の欠陥捕捉比をもたらすかを前もって知ることはできない。オプションのステップにおいては、ここに示した3つのアプローチを比較するプロセスを実施し、完全な検査に適用することのできる最良のアプローチを見つけ出す。通常、もっとも高いSNRを有する結果の信号について捕捉比がもっとも高くなる。
【0073】
照明の後、基板の照明から結果として得られた結果の光学信号が検出され、関連電子信号の生成に使用される(ステップ707)。続いて、この電子信号が処理されて基板内の欠陥と工程の変動が検出される(ステップ709)。この方法とともに、当業者に周知の多数の信号処理方法を実装し、本発明の原理に従った欠陥検出を得ることが可能である。本発明の原理に従った検査は、半導体製造プロセス内の各プロセス・ステップの後に実行する。
【0074】
図8は、試験片の検査のための最適パラメータを決定するために使用することのできるコンピュータによって実施される方法の一実施形態を例示している。この方法を使用して、低コントラスト欠陥等の選択された欠陥の検査を自動的に向上させることができる。検査のためのパラメータを決定する既存の方法は、概して煩雑なマニュアル・セットアップとツールの最適化を含む。したがってその種の方法は、概して時間を要し、不正確である。しかしながらここで述べている方法を使用して、検査のためのパラメータを自動的に決定し、最適化することができる。ここで述べている方法は、それ自体高速かつ使用容易である。それに加えて、自動選択スキームを、多くの検査パラメータに使用して、比較的低コントラストの欠陥といった、特定タイプの欠陥の検出を最適化することができる。さらに、欠陥タイプごとに最適化された検査は、より有用な結果をユーザに提供することができる。
【0075】
ここで用いる場合に『試験片』という表現は、ウェハまたはレティクルのいずれかを言う。ウェハは、バージン・ウェハや完成ウェハを含む半導体製造プロセスの任意段階のウェハである。類似の態様においてレティクルは、レティクル半導体製造プロセスの任意段階のレティクル、または半導体製造施設内における使用のためにリリースされているか、あるいはリリースされていない完成レティクルである。またこの『試験片』という表現は、前述した定義どおりの面または基板も含む。ここで使用する場合に『最適パラメータ』という表現は、試験片の検査のために使用されたとき、少なくとも1つのタイプの欠陥について、ほかのパラメータより高い検出レートを有することになると見られるパラメータを言う。
【0076】
このコンピュータによって実施される方法は、ステップ801に示されるとおり、試験片上における検出のために選択された欠陥に基づいて、その試験片の検査のための最適パラメータを決定することを含む。最適パラメータには、限定の意図ではないが、最適照明波長、最適照明偏光、最適入射角、最適照明光レベル、最適開口数、最適集光角、最適イメージ処理アルゴリズム、欠陥検出のための最適スレッショルド等が含まれる。概して言えば、最適パラメータは、変更可能な検査システムの任意のパラメータを含む。それに加えて、最適パラメータは、1つのパラメータまたはパラメータの組み合わせを含む。一実施形態においては、最適照明波長を、前述したとおりに、種々の波長における試験片の光学的特性を基礎として決定する。
【0077】
いくつかの実施形態においては、ユーザが欠陥を選択する。別の実施形態によれば、欠陥が比較的低コントラストの欠陥を含む。たとえば、関心欠陥は『ストリンガ』である。ストリンガは、一般に検出困難なタイプとして定義され、エッチング・プロセス、特に異方性エッチング・プロセスにおける不充分なオーバーエッチ時間のアーティファクトである。ストリンガは、エッチング・プロセス後に、通常は試験片トポロジ内のエッジ・ステップに沿って残存するエッチング済みの膜の部分を含むことがある。
【0078】
最適パラメータの決定は、ステップ803に示されるとおり、種々のパラメータを用いた試験片の1ないしは複数のテスト検査の実行を含む。テスト検査に使用される試験片は、最終的にその最適パラメータを使用して検査されることになる試験片とする。代替的に、テスト検査に使用される試験片を、1ないしは複数の選択した欠陥を有することがわかっているテスト試験片とすることもできる。一実施形態においては、テスト検査を、不透明および/または透明レジーム内の最適検査波長(1ないしは複数)の決定に関連して前述したとおりに実行する。別のテスト検査は、類似の態様で別のパラメータを用いて実行する。
【0079】
また最適パラメータの決定は、ステップ805に示されるとおり、選択された欠陥について、テスト検査に使用される種々のパラメータのいずれが最大の捕捉レートをもたらすかの識別も含む。いくつかの実施形態においては、最適パラメータの決定が、検出される偽欠陥の数を増加させることなく、選択された欠陥について種々のパラメータのいずれが最大の捕捉レートをもたらすかの決定を含む。一実施形態においては、ステップ807に示されるとおり、種々のパラメータのうちの最大の捕捉レートをもたらすパラメータの識別が、1ないしは複数のテスト検査の間に検出された欠陥の分類を含む。別の実施形態においては、種々のパラメータのうちの最大の捕捉レートをもたらすパラメータの識別が、1ないしは複数のテスト検査の間に検出された欠陥の自動的な分類を含む。
【0080】
1つの特定実施形態においては、特定の特徴を有する欠陥をユーザが選択できる。欠陥の特徴は、ベーカー(Baker)ほかによる特許文献1の中で述べられているような分類スキームの一部とすることができ、当該特許文献については、完全にここに示されているかのごとく参照によってこれに援用される。分類は、カリフォルニア州サンノゼのKLAテンコー(KLA‐Tencor)から商業的入手が可能なiADC製品の1つに含まれるような自動欠陥分類(ADC)スキームを使用して実行してもよい。選択された欠陥タイプの捕捉レートが増加するように、好ましくは最大化されるように試験片の検査を実行し、かつ分類の間にパラメータを最適化する。またこのレートは、ユーザによって選択された特徴を備えた欠陥を有することが既知のウェハを検査することによって最大化する。代替的に、関心欠陥が、偽欠陥のカウントの増加を伴わずに増加したレートにおいて見つかるように検査のパラメータを変化させつつ製品ウェハを検査してもよい。異なる捕捉レートの決定は、たとえば、この分野で周知のコホーネン・マッピング・テクニックを使用して分類済み欠陥をグループ化することによって実行する。コホーネン・マップ上の関心ポイントにおける欠陥が、マップ上の関心の低いポイントに対して増加するレートを決定する。検査のパラメータが、マップ上の関心ポイントだけが増加するように設定されている場合には、その特定の欠陥タイプに対する検査の感度が増加した可能性が比較的高い。
【0081】
またこの方法は、ステップ809に示されているとおり、試験片の検査に先行して検査システムのパラメータを最適パラメータに設定することを含む。続いて、特定の関心欠陥の捕捉を最適化する態様で検査システムを設定する。一実施形態においては、最適パラメータが、検査の間に、ほかのパラメータを使用して検出されるより、選択された欠陥の検出が多いという結果をもたらす。別の実施形態においては、最適パラメータが、検査の間に、ほかのパラメータを使用して検出されるより、選択されていない欠陥の検出が少ないという結果をもたらす。追加の実施形態においては、最適パラメータが検査の間に検出する偽欠陥の数が、ほかのパラメータを使用して検出されるより少ないか、それに等しいという結果をもたらす。
【0082】
パラメータの設定は、ここで述べているとおりに構成することのできるコンピュータ・システムまたはプロセッサによって実行する。コンピュータ・システムまたはプロセッサは、適切な電子コンポーネントを介して検査システムの種々のコンポーネントと結合される。たとえば、適切な電子コンポーネントを介して、コンピュータ・システムは、検査システムの光源、可調アパーチャ、検出サブシステムに結合される。この態様においては、コンピュータ・システムまたはプロセッサが、最適パラメータに応じて検査システムの種々のコンポーネントの1ないしは複数のパラメータを変更する。またこの方法は、ここに述べられているほかの任意の方法のほかの任意のステップを含む。
【0083】
上記のような方法を実装するプログラム命令は、搬送メディアを介して伝達し、あるいはそれにストアする。搬送メディアは、有線、ケーブル、またはワイヤレス送信リンク等の伝送メディア、あるいはその種の有線、ケーブル、またはリンクに沿って運ばれる信号とする。また搬送メディアを、読み出し専用メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、磁気または光ディスク、あるいは磁気テープといったストレージ・メディアとすることもできる。
【0084】
現在のところ、DUV光を用いた半導体ウェハ上の欠陥検出は、アーク・ランプ等の広帯域照明源またはレーザ等の単色光源のいずれを用いても行うことができる。広帯域照明源を利用するウェハ検査システムの1つの欠点は、広帯域照明源がDUV領域のための充分なエネルギを提供しないことである。それに加えて、広帯域照明源を用いてDUV領域内のウェハ検査を実行するための光学サブシステムは、光学コンポーネントに利用できる材料の制限から設計と製造が比較的困難である。
【0085】
単色照明源を含むウェハ検査システム用の光学サブシステムは、DUV広帯域照明源と比較して設計と製造が容易である。しかしながら、照明源の単色の性質から、バック・エンド・オブ・ライン(BEOL)ウェハ等の特定のウェハについて色ノイズが過大になることがある。さらに、その種のシステムが1つの波長だけを使用することから、その種のシステムは、広範にわたるウェハ材料とゲート対ゲート・ブリッジング構造等の構造について充分な欠陥コントラストを提供することができないであろう。充分な欠陥コントラストについて無力であることは、材料特性が、通常、より短い波長領域内において有意に変化することから、検査照明がDUVに向かってシフトされるとき、より重大なものとなる。
【0086】
図9は、上記のDUV検査の多くの問題を克服する試験片を検査するための方法の追加の実施形態を示している。この方法は、検査システム内に組み込まれる複数の照明源の使用を伴う。これらの複数の照明源は、少なくとも1つのDUVスペクトルを提供する。それに加えてこの検査システムは、特定の照明/収集モードもしくは検査モードの組み合わせにおいて動作し、実質的に完全な検査を任意の試験片レイヤ、構造、および/または欠陥について提供することを可能にする『スーパーセット』能力を有する。ここで用いる場合に『モード』という表現は、概してパラメータ選択(たとえば、スペクトル選択、偏光選択等)のことを言う。これによれば、検査システムが任意の与えられた試験片構造について最良欠陥コントラストを達成するための能力を有する。それに加えて、ここで述べている方法は、DUVスペクトルを利用する任意の検査システムのためのより良好な欠陥検出能力を提供することになろう。
【0087】
一実施形態においては、試験片の面の少なくとも一部が、ポリシリコン、単結晶シリコン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含む。それに加えて試験片の少なくとも一部は、ここに述べられている任意のほかの材料を含む。ここに述べられている方法が複数のモードの検査を提供することから、この検査方法は、充分なエネルギと欠陥コントラストを伴う広範多様な材料の検査に好適に使用する。
【0088】
この方法は、ステップ901に示されているとおり、第1のサブシステムを使用し、約350nmより下の少なくとも1つの波長を有する光を用いて、また第2のサブシステムを使用し、約350nmより上の少なくとも1つの波長を有する光を用いて試験片を照明することを含む。いくつかの実施形態においては、試験片の照明が、第1と第2のサブシステムを実質的に同時に使用する試験片の照明を含む。別の実施形態においては、第1と第2のサブシステムを異なる時間に使用する試験片の照明を含む。また、たとえば第1と第2のサブシステムが互いに独立して動作することもできる。第1と第2のサブシステムは、それぞれ約350nmより下および上の少なくとも1つの波長のそれぞれについて最適化する。
【0089】
一実施形態においては、第1のサブシステムがレーザを含む。別の実施形態においては、第2のサブシステムがレーザを含む。いくつかの実施形態においては、第1と第2のサブシステムが共通のレーザを含む。たとえば、この共通レーザが、ネオジムYAGレーザのような多波長レーザ・デバイスを含む。別の実施形態においては、第1のサブシステムが第1のレーザを含み、第2のサブシステムが第2のレーザを含む。第1のレーザを約350nmより下の波長を有する光を生成するように構成し、第2のレーザを約350nmより上の波長を有する光を生成するように構成してもよい。別の実施形態においては、第2のサブシステムが多色光源を含む。たとえば第2のサブシステムは、アーク・ランプを含む。いくつかの実施形態においては、第1と第2のサブシステムが共通の多色光源を含む。別の実施形態においては、第1のサブシステムが第1の多色光源を含み、第2のサブシステムが第2の多色光源を含む。第1の多色光源を約350nmより下の波長を有する光を生成するように構成し、第2の多色光源を約350nmより上の波長を有する光を生成するように構成してもよい。第1と第2のサブシステムは、さらに図4a、5、6、10に示し、それに関して説明されているとおりに構成する。レーザまたは多色光源は、ここで述べているレーザまたは多色光源のうちの任意のものを含む。
【0090】
試験片の照明は、『スーパーセット』検査システム、すなわちDUV領域内の光を提供する少なくとも1つの照明源を含む1を超える数の照明源を含む検査システムを使用し、前述したとおりに行う。各照明サブシステムは、照明源のタイプに適切な種々のモード(たとえば、種々のアパーチャ照明モード、種々の偏光モード等)で構成する。ここで述べている方法の実行に使用することのできる照明システムは、ここで述べているサブシステムと光源を含むことができ、さらに以下の可能構成の1つを有する。たとえば検査システムは、DUV照明を提供する少なくとも1つの単色光源、および約350nmより上の照明を提供する少なくとも1つのアーク・ランプ光源を含む。代替的に、検査システムは、約350nmより上および下の照明を提供することが可能な2つもしくはそれを超える数の単色光源を含む。また別の代替においては、検査システムが、約350nmより上および下の照明を提供することが可能な2つもしくはそれを超える数の多色光源を含む。さらに検査システムは、ここで述べているとおりに構成する。
【0091】
試験片の検査は、光源の任意の組み合わせを使用して、実質的に同時に、あるいは別々に実行する。それに加えて、前述した光源のいずれかのための光学サブシステムは、可変コヒーレント照明および、リング照明等の可変瞳照明プロファイルを提供する能力を有する。光源が単色の場合には、光学サブシステムが暗視野照明能力を提供することもできる。このタイプの光源の場合、調整可能な偏光モードを提供するように照明サブシステムを構成することもできる。たとえば、照明サブシステムは、1ないしは複数の偏光フィルタおよび/または波長板を含む。
【0092】
この方法はまた、ステップ903に示されるとおり、試験片からの光の収集を含む。試験片からの光は、ここで述べた、あるいはこの分野で周知の対物鏡または別の適切な光学コンポーネントもしくはサブシステムを使用して収集する。一実施形態においては、収集される光が、試験片の少なくとも一部の明視野イメージを含む。いくつかの実施形態においては、収集される光が、光学位相信号を含む。それに加えてこの方法は、ステップ905に示されているとおり、収集した光を検出して、収集した光を表す信号を生成することを含む。収集した光の検出は、ここで述べている検出サブシステムのいずれを使用して実行してもよい。前述した光源のための検出サブシステムが、共通の共有コンポーネントを有するようにしてもよく、また完全に別々の光学コンポーネントを有するようにしてもよい。第1と第2のサブシステムの光源が可変偏光モードを提供する場合には、検出サブシステムもまた、可変偏光状態を伴う検出および/またはイメージングのために構成する。たとえば、検出サブシステムによって検出および/またはイメージングが行われる光の偏光を変更できるように、検出サブシステムに1ないしは複数の偏光フィルタを結合する。一実施形態においては、試験片の材料についての信号内のコントラストを増加するために第2のサブシステムの少なくとも1つの波長を選択する。それに加えて、欠陥に対する感度を増加させるために第1のサブシステムの少なくとも1つの波長を選択する。第1と第2のサブシステムのための波長(1ないしは複数)の選択は、前述したとおりに行う。
【0093】
この方法はさらに、ステップ907に示されているとおり、信号を処理して試験片上の欠陥もしくは工程の変動を検出することを含む。信号の処理は、前述したとおりに実行する。一実施形態においては、第1のサブシステムが暗視野照明源を含む。たとえば、第1のサブシステムの光源を単色もしくは近単色光源とする。その種の1つの実施形態においては、信号の処理が、第1のサブシステムを使用する試験片の照明から結果として得られた収集した光に対応する信号のフーリエ・フィルタリングを含む。フーリエ・フィルタリングは、この分野で周知の任意の方法を使用して実行する。またこの方法は、ここで述べているこのほかの任意のステップを含む。
【0094】
別の実施形態は、試験片の検査のための異なる方法に関する。この方法は、試験片の照明を含む。一実施形態においては、試験片の照明が、約350nmより下の少なくとも1つの波長を有する光を用いて試験片を照明すること、および約350nmより上の少なくとも1つの波長を有する光を用いて試験片を照明することを含む。試験片の照明は、前述のとおりに行う。それに加えて、ここで述べている検査システムまたはサブシステムの実施形態のいずれかを使用し、この方法において試験片の照明を行う。またこの方法は、試験片からの光の収集を含む。試験片からの光の収集は、前述したとおりに行う。
【0095】
それに加えてこの方法は、収集した光を検出し、収集した光の第1の部分を表す光学位相信号、および収集した光の第2の部分を表す明視野光学信号を生成することを含む。たとえば、収集した光は、ビームスプリッタ等の光学コンポーネントを使用して異なる部分に分離する。続いてこれらの異なる部分の光を、異なる検出サブシステムに向ける。検出サブシステムとビームスプリッタは、ここで述べられているとおりに構成する。光学位相信号は、特に試験片の少なくとも一部が1ないしは複数の照明波長に対して比較的透明となるとき、その詳細については前述したとおり、試験片の薄膜光学特性に対応すると見てよい。たとえば、収集された光の第1の部分を、約350nmより下の少なくとも1つの波長を有する光を用いて試験片の照明を行った結果としてもたらされるようにする。試験片もしくは試験片の部分が、その種の波長において少なくとも部分的に透明となる場合には、収集された光の第1の部分に対応する信号は光学位相信号である。これに対して、明視野光学信号は、特に試験片の少なくとも一部が1ないしは複数の照明波長に対して比較的不透明となるとき、その詳細については前述したとおり、試験片からの回折と散乱によって生じていると見てよい。たとえば、収集された光の第2の部分は、約350nmより上の少なくとも1つの波長を有する光を用いて試験片を照明したことによる結果である。試験片もしくは試験片の部分が、それらの波長において比較的不透明となる場合には、収集された光の第2の部分に対応する信号は明視野光学信号である。
【0096】
さらにこの方法は、光学位相信号と明視野光学信号を別々に処理して試験片上の欠陥または工程の変動を検出することを含む。たとえば、光学位相信号と明視野光学信号を異なる検出サブシステムによって生成できるので、光学位相信号と明視野光学信号は、プロセッサまたはコンピュータ・システムの別々の回路またはユニットによって容易に処理することができる。プロセッサまたはコンピュータ・システムは、ここで述べているとおりに構成する。さらに詳しくは前述したとおり、異なる照明モードから結果として得られる異なる信号は、向上された欠陥検出をもたらす。またこの方法は、ここで述べているほかの任意の方法のほかの任意のステップを含む。さらにこの方法は、ここで述べている検査システムまたはサブシステムの実施形態(たとえば、図4a、5、6、10、12、15(a)、15(b)、16(a)、16(b))のいずれを使用して実行することもできる。
【0097】
追加の実施形態は、改善された照明効率を有し、かつ1を超える数の照明源を用いた効率的な照明を可能にするように構成された検査システムに関係する。現在のところ、通常、検査システムは、水銀ランプを基礎とする広帯域照明またはレーザを基礎とする狭帯域照明を使用する。一般的なウェハ検査システムは、高い倍率のイメージング・システムを用いて、ウェハに比較的小さいピクセル・サイズを有する。その種の構成は、比較的小さいウェハ視野を結果としてもたらす。それに加えて、いくつかのウェハ検査システムは、1を超える数の倍率設定を有する。その種の構成は、可変ウェハ視野サイズをもたらす。さらに、いくつかの現在利用可能なウェハ検査システムは、非コヒーレント・イメージングについて高開口数(NA)照明のための能力、またはエッジ照明または瞳フィルタリングのための能力を有する。上記の特徴を提供するために、その種の検査システムの照明システムは、比較的小さい光学的不変量、可変光学不変量、可変照明瞳分布を有する充分なラディアンスをウェハに引き渡すように構成される。
【0098】
現在のところ、UV/DUV検査システムのためのランプ‐ベースの照明システムは、屈折エレメント‐ベースのコンデンサ・システムもしくは楕円体ミラーを含む反射器ベースのシステムである。屈折エレメント‐ベースのコンデンサ・システムに伴う1つの問題は、材料の選択肢が溶融シリカとフッ化カルシウムに限られることから、その種のエレメントの色補正が概してDUV応用に充分でないことである。楕円体反射器設計についての1つの問題は、それらが、高いラディアンスを必要とする比較的小さい光学的不変量を伴う照明システム内に容易に結合させることができない、収差を伴ったアーク・ランプのイメージを生成することである。また、ランプ‐ベースの照明サブシステムとともにレーザ光源を使用することは、それら2つの光源の間における光学的不変量の相違から理想的ではない。たとえば、ランプ光源は、比較的大きい光学的不変量を有するが、レーザ光源は、比較的小さい光学的不変量を有する。
【0099】
しかしながら、ここで述べているいくつかの方法とシステムの実施形態は、1を超える数のタイプの照明源を使用する。これらのシステムは、UV/DUV検査システムのための高効率の照明システムを提供するように構成する。たとえば、検査システムは、以下に述べる1ないしは複数の光学サブシステムを含む。
【0100】
一実施形態においては、試験片を検査するように構成されたシステムが、広帯域光源に結合された第1の光学サブシステムを含む。図10に、広帯域光源1001と結合された第1の光学サブシステムの1つの例を示す。広帯域光源は、可視光、UV光、DUV光、あるいはそれらの組み合わせを生成するように構成できる。広帯域光源は、アーク・ランプ等の、ここに述べられている任意の広帯域光源を含む。
【0101】
一実施形態において、第1の光学サブシステムは、楕円体ミラー1003を含む。広がった光源のために楕円体ミラーを使用することは、任意の与えられた光線トレースに関する光源の倍率が、ミラーの交点から2次焦点までの距離とミラーの交点から1次焦点までの距離の比に依存することから問題を含むことがある。比較的大きな離心を伴う楕円体ミラーの場合、この比が、1次焦点ではない任意の光源ポイントについて光線角度に強く依存する。たとえば、図11(a)、11(b)は、約1×1mmに広がる光源について異なる離心を有する2つの楕円体ミラーによって生成されるイメージ・スポットを例示している。図11(a)は、比較的大きな離心を有する楕円体ミラーを伴う2次焦点面におけるカソードのイメージを示している。図11(b)は、比較的小さな離心を有する楕円体ミラーを伴う2次焦点面におけるカソードのイメージを示している。
【0102】
したがって、楕円体ミラー1003が一般に使用されている楕円体ミラーより小さい離心を有していれば、生成される広帯域光源のカソードの収差を伴うイメージは小さくなる。そのことから、実質的に収差のない広帯域光源のイメージを生成するように楕円体ミラー1003を構成する。それに加えて、第3の光学サブシステムに対する広帯域光源からの光の実質的に効率的な結合を提供するように楕円体ミラーを構成する。このようにすれば、楕円体ミラーが、より高い、検査システムへの広帯域光源のエネルギの結合を提供する。
【0103】
いくつかの実施形態においては、第1の光学サブシステムが、図10に示されているとおり、ビーム成形エレメント1005も含む。ビーム成形エレメントは、逆向きのアキシコンとする。一実施形態においては、ビーム成形エレメントが、広帯域光源のエッジ・ラディアンスを、第1の光学サブシステムの瞳の中心部分に向けるように構成する。その種のビーム成形エレメントは、明視野照明にとって有利となる。たとえば、ビーム成形エレメントを、完全NA明視野照明のために反射器によって作られた中心障害物を『修復』するように構成する。別の実施形態においては、ビーム・プロファイルが実質的に一様となるように広帯域光源のビーム・プロファイルを変更するようにビーム成形エレメントを構成する。いくつかの実施形態においては、傾いた照明のためのビーム成形を提供するようにビーム成形エレメントを構成する。ビーム成形エレメントは、楕円体ミラーによるエッジ照明を提供するように、図10に示されている第1の光学サブシステム内の位置から移動する。エッジ照明は、エッジ・コントラスト・モード検査またはけられモード検査のために使用する。
【0104】
検査応用のために使用される照明システムの課題の1つは、光学的不変量が、1つの倍率設定と別の倍率設定の間において有意に変化することである。従来的なズーミングは、光学的不変量を変更しない。したがって、従来のズーミングは、倍率設定の広いレンジにおける光学的不変量について良好な整合を提供しない。一実施形態においては、第1の光学サブシステムが、広帯域光源の光学的不変量を変更するように構成されたダブル・ズーミング・エレメント1007を含む。たとえばこのダブル・ズーミング・エレメントは、検査のための適切な光学的不変量に対する照明の適正な整合を提供する。いくつかの実施形態においては、第1の光学サブシステムが、ダブル・ズーミング・エレメントの個別のズーミング・エレメントの間に配置することのできる光パイプ1009を含む。この光パイプは、広帯域光源の空間的強度分布を均質化するように構成する。光パイプ(積分器)の正面に追加のズーミング能力を伴うことによって、試験片にわたされる光学的不変量を修正して検査設定に整合させることが可能となる。光パイプの正面のズーミング・エレメントは、入口ポートに投影されるイメージ・スポットを変更し、結合効率に影響を与える。しかしながら、光パイプに対する100%の広帯域光源のラディアンスの結合を達成することが可能でないことから、光パイプの後における損失を排除すること、および光パイプ正面における照明形状をシフトすることが好ましい。
【0105】
またこのシステムは、レーザ(図示せず)に結合される第2の光学サブシステム(図示せず)を含む。第2の光学サブシステムは、ホモジェナイザ、ビーム・エキスパンダ、ビーム成形エレメント、偏光フィルタ、フォールディング・ミラー、レンズ、偏向器といった多数の光学コンポーネントを含む。また第2の光学サブシステムは、この分野で周知のほかの任意の適切な光学コンポーネントを含むこともできる。一実施形態においては、約350nmより下の波長を有する光を生成するようにレーザを構成する。別の実施形態においては、レーザを、約266nmより下の波長を有する光を生成するように構成する。このようにレーザは、UVまたはDUV光を生成するように構成する。
【0106】
上記に加えて、このシステムは、レーザと広帯域光源の同時的な動作と検査のために、対物鏡に対するレーザ照明の高効率の結合を可能にする効率的な照明挿入モジュールを含む。これによれば、照明挿入モジュールにより両方の光源を適合させることが可能である。たとえば、照明挿入モジュールは、第1と第2の光学サブシステムからの光を対物鏡に結合するように構成された第3の光学サブシステムを含む。好ましくは、この第3の光学サブシステムを、対物鏡に対する第2の光学サブシステムからの光の実質的に効率的な結合を可能にするように構成させることもできる。対物鏡は、光を試験片上に集束するように構成される。一実施形態においては、同時に第1と第2の光学サブシステムからの光を用いて試験片を照明するように対物鏡を構成することもできる。対物鏡は、単一レンズを含むこともあれば、複合レンズを含むこともある。それに加えて対物鏡は、単一の屈折材料または異なる屈折材料から形成する。さらに対物鏡は、前述のとおりに構成する。
【0107】
第3の光学サブシステムの一実施形態を図12に示す。第3の光学サブシステムは、第1の光学サブシステムからの光1201と第2の光学サブシステムからの光1203を対物鏡1205に結合するように構成する。前述したとおり、第1の光学サブシステムは、広帯域光源に結合されており、第2の光学サブシステムは、レーザに結合されている。いくつかの実施形態においては、第3の光学サブシステムが偏光ビームスプリッタ1207を含み、それが第2の光学サブシステムからの光をダイクロイック・ビームスプリッタ1209に向けるように構成されている。偏光ビームスプリッタ1207はまた、いくつかの実施形態において、ダイクロイック・ビームスプリッタとして機能することもできる。ダイクロイック・ビームスプリッタ1209は、第2の光学サブシステムからの光を対物鏡に向けるように構成する。一実施形態においては、ダイクロイック・ビームスプリッタ1209を、第1の光学サブシステムからの光の少なくとも一部を対物鏡に向けるように構成することもできる。たとえばダイクロイック・ビームスプリッタ1209は、広帯域光源スペクトルの約50%を透過する50/50ダイクロイック・ビームスプリッタとする。それに加えて、この50/50ダイクロイック・ビームスプリッタを、イメージング・スペクトルの一端にあるレーザ・スペクトルも対物鏡に向けるように、それを反射するように構成する。
【0108】
上記に加えてこのシステムは、試験片からの光を検出し、検出した光を表す信号を生成するように構成された検出サブシステム1211を含む。いくつかの実施形態においては、試験片からの光が最初に対物鏡を通過してダイクロイック・ビームスプリッタに至り、それが試験片からの光を偏光ビームスプリッタに向ける。偏光ビームスプリッタは、試験片からの光を検出サブシステムに向けるように構成することもできる。いくつかの実施形態においては、システムが、図12に示されているとおり、検出サブシステムに結合されるズーミング・エレメント1213を含む。ズーミング・エレメントは、検出サブシステムの倍率設定を変更するように構成する。さらにシステムは、信号を処理して試験片上の欠陥または工程の変動を検出するように構成されたプロセッサ(図示せず)を含む。さらにまたこのシステムは、ここで述べているとおりに構成する。
【0109】
したがって上記のシステムにおいては、照明サブシステムが、システムに対する調整をほとんど伴うことなく検査のための最大の光学的不変量を引き渡し、試験片に引き渡された光学的不変量を変更し、異なる動作モードのための照明瞳プロファイルを変更するように構成される。それに加えて、このシステムは、DUV照明を用いて動作される検査システムのための照明効率を実質的に向上させることになるいくつかの特徴を有している。さらにまた、このシステムは、イメージング対物鏡に対するレーザ照明およびランプ‐ベースの照明の結合を実質的に向上させることになる。
【0110】
追加の実施形態は、強化された欠陥検出能力を有するように構成されたUV/DUV検査システムに関係する。現在のところUV/DUV検査システムは、一般に約400nmより下の照明スペクトルを使用する。照明源はランプ‐ベース、またはレーザ‐ベースとすることが可能である。広帯域照明システムを伴う検査システムは、広帯域領域またはサブ帯域領域のいずれにおいて動作することも可能である。通常、広帯域検査が最良スループットのために使用され、狭帯域照明またはサブ帯域領域が最適感度と検出パフォーマンスのために使用される。たとえば、広帯域モードは、最良スループットを提供するが、広帯域モードの検出感度は、狭帯域検出と比較するとしばしば低下する。現行の検査システムの欠点は、それらが広帯域モードもしくは狭帯域モードのいずれかにおいて動作するが、同時に両方のモードで検査を実行できないことである。それに加えて、検査システムが狭帯域モードで動作される場合には、1を超える数にわたって単一のウェハを異なる波長設定において処理する必要が生じることがある。
【0111】
前述したとおり、一般にウェハ製造に使用される材料の光学特性は、UVとDUVレンジに向かってスペクトルがシフトされるに従って有意に変化する。それに加えて、試験片は、いくつかの異なるタイプの材料を含む。たとえば、図13に示されるように、この場合はウェハとする試験片が、単結晶シリコン基板1301を含み、そこにSiO2のトレンチ分離(STI)のトレンチ1303が形成されている。それに加えて、試験片上にポリシリコン構造1305を形成する。図13に示されているとおり、ポリシリコン構造は、STIトレンチと単結晶シリコン基板の上に形成されることがある。しかしながら、ポリシリコン構造は、試験片上の異なる部分の上に(たとえば、完全に単結晶シリコン基板上に)配置されることもある。また試験片は、ここで述べているほかの材料を含むこともできる。したがって、試験片の異なる部分がスキャンされるとき、試験片の光学特性が、照明の波長とそれらの異なる部分に配置された材料(1ないしは複数)に応じて変化する。たとえば、図14は、ポリシリコンと、スタックト・ポリシリコン/SiO2/単結晶シリコンの、種々の波長における反射率を例示したプロットである。図14に示されているとおり、ポリシリコンと、スタックト・ポリシリコン/SiO2/単結晶シリコンの間のコントラストにおける差が、約400nmより下の照明について有意に減少する。したがって、ポリシリコンを伴う検査は、約400nmより下において困難となり得る。しかしながら、可視スペクトル内の照明を使用して検査を最適化する。そのほかの材料、構造、欠陥タイプは、より短い波長において最良の検査が得られることがある。
【0112】
ここで述べているシステムと方法の1つの利点は、UV/DUV検査システムと方法の検出能力と柔軟性の向上である。たとえば、照明およびイメージング・スペクトルを、UV/DUV検査システム内において実質的に同時にまたは時間的に独立して動作することが可能な1ないしは複数の照明および/または検出サブシステムを用いて可視レンジまで拡張させることができる。UV/DUV検査システムの検査スペクトルの拡張の利点は、UV/DUVレンジにおいて実質的に低いコントラストを有するが、可視領域においてより大きな信号を呈するウェハ構造の1つのタイプを例示した図13、14に例証されている。一実施形態においては、広帯域検査DUV検査システムの検査スペクトルを、システムが可視レンジ内において動作可能となるようにシステムを修正するか、あるいは追加の照明および/または検出サブシステムを追加することによって拡張(たとえば、約248nmから約450nmまで)する。UV/DUVおよび可視レンジの両方における検査のために使用可能な広帯域DUV検査システムの1つの例が、チュアング(Chuang)ほかに対する特許文献2の中に例示されており、当該特許文献については、ここで完全に示されているかのごとく参照によりこれに援用される。UV/DUVおよび可視レンジ内における検査のために構成された検査システムは、ここで述べている実施形態のいずれかに従っても構成する。
【0113】
一実施形態においては、システムが、約350nmより下の波長を有する光を用いて試験片を照明するように構成された第1の照明サブシステムを含む。またこのシステムは、約350nmより上の波長を有する光を用いて試験片を照明するように構成された第2の照明サブシステムを含む。第1と第2の照明サブシステムは、異なるか、かつ/または独立に変更できる照明アパーチャを有する。一実施形態においては、狭帯域モードにおいて試験片を照明するように第1と第2の照明サブシステムを構成する。別の実施形態においては、狭帯域モードにおいて試験片を照明するように第1の照明サブシステムを構成し、広帯域モードにおいて試験片を照明するように第2の照明サブシステムを構成する。いくつかの実施形態においては、実質的に同時に試験片を照明するように第1と第2の照明サブシステムを構成する。さらに第1と第2の照明サブシステムは、ここで述べているとおりに構成する。
【0114】
一実施形態においては、システムが、試験片からの光の第1の部分を検出するように構成された第1の検出サブシステムを含む。それに加えてシステムは、試験片からの光の第2の部分を検出するように構成された第2の検出サブシステムを含む。光の第1の部分と光の第2の部分は、少なくとも1つの異なる特徴を有する。この異なる特徴は、たとえば、異なる波長または異なる偏光を含む。いくつかの実施形態においては、第1と第2の検出サブシステムが、異なる倍率設定を有する。たとえば、第1の検出サブシステムによって検出される光の第1の部分が、第1の照明サブシステムを使用する試験片の照明によって生成されるとする。その種の実施形態においては、第1の検出サブシステムが、第2の検出サブシステムの倍率設定より高い倍率設定を有する。一実施形態においては、第1と第2の検出サブシステムが実質的に同時に光の第1と第2の部分を検出するように構成する。
【0115】
このようにして検査システムは、1つの検査スキャンにおいて1を超える数の照明モードで検出を行うように、1を超える数のセンサを含む。照明モードは、異なるスペクトル帯、異なる偏光モード、または異なる照明アパーチャ・モードとすることが可能である。それに加えて、検出サブシステムが、1を超える数の倍率設定において動作する。1つの有利な構成は、それぞれの波長のレンジのための最適ピクセル・サンプリングにおいて検査の実行が可能となるように、より長い波長を低い倍率設定に、より短い波長を高い倍率設定にそれぞれ向けることである。
【0116】
図15(a)、15(b)は、検査システムに含めて複数モードの検出を行うことのできる第1と第2の検出サブシステムの異なる実施形態を例示している。両方の実施形態において、検出サブシステムは、イメージング平面において距離Dによって離隔される2つまたはそれを超える数の検出センサ1501、1503を含む。これらの検出センサは、ここで述べている、あるいはこの分野で周知の任意の検出センサを含む。また検出サブシステムは、1つのモードを1つのパスに沿って検出センサの1つに向け、別のモードを別のパスに沿って別の検出センサに向けるように構成された1ないしは複数のモード分離エレメントを含む。たとえば図15(a)、15(b)に示されているとおり、モード分離エレメントは、ビームスプリッタ1505を含む。このビームスプリッタは、試験片からの光を、異なる波長を有する2つの部分に分離するように構成されたダイクロイック・ビームスプリッタとすることができる。それに代えてビームスプリッタを、試験片からの光を異なる偏光を有する2つの部分に分離するように構成された偏光ビームスプリッタとすることもできる。異なる偏光は、互いに直交するものとする。好ましくは、あらゆる整列メカニズムの後にビームスプリッタを配置し、重複するハードウエアを最小化する。さらに検出サブシステムは、分離されたビームを適切な検出センサに向けるとともにイメージ形成のための光路を維持するパス等化や再指向エレメントを含むことができる。たとえば図15(b)に示されているように、検出サブシステムは、ビームスプリッタ1505によって分離された光の部分の1つを検出センサ1503に向けるように構成されたパス再指向エレメント1507を含む。いくつかの実施形態においては、パス等化および再指向エレメントは、フォールディング・ミラー、ビームスプリッタ、またはこの分野で周知のほかの適切な光学コンポーネントを含む。追加のパス等化および再指向エレメント(図示せず)を、図15(a)内に示されている位置B1、B2、C2に、図15(b)内に示されている位置B2に配置することもできる。図15(a)においては、AからB1を通りC1に至る距離を、AからB2を通りC2に至る距離と概略で等しくする。図15(b)においては、AからB1に至る距離を、AからB2を通りC2に至る距離と概略で等しくする。
【0117】
広帯域可視/UV/DUV検査システムについての課題の1つに、実質的に異なる試験片のための最適ピクセル・サンプリングの維持がある。この問題を緩和するため、検査システムの一実施形態は、異なる、または独立に変更可能な倍率を有する複数のズーミング・エレメントを含む検出サブシステムを含む。これらの複数のズーミング・エレメントのそれぞれは、広い倍率レンジを伴う設定において動作する。異なるズーミング・エレメントを有するように構成することのできる検査システムの1つの例が、チュアング(Chuang)ほかに対する特許文献3の中に例示されており、当該特許文献については、ここで完全に示されているかのごとく参照によりこれに援用される。
【0118】
図16(a)、16(b)は、複数のズーミング・エレメントを含む検出サブシステムの別の実施形態を例示している。図16(a)、16(b)に示されているとおり、試験片からの光は、対物鏡1601によって収集する。対物鏡1601は、瞳リレー・レンズ1603に向けて光を向けるように構成する。さらに図16(a)、16(b)に示されているとおり、瞳リレー・レンズを、ビームスプリッタ1605に向けて光を向けるように構成する。ビームスプリッタは、その光を、異なる特性(たとえば波長、偏光等)を有する2つの異なるビームに分離するように構成する。一方のビームが低倍率ズーミング・エレメント1607に向けられ、他方のビームが高倍率ズーミング・エレメント1609に向けられるようにする。両方のズーミング・エレメントはともに検出センサ(図示せず)と光学的に結合する。図16(a)に示されているとおり、検出サブシステムがビームスプリッタとズーミング・エレメントの間に光学コンポーネントを含まないようにできる。それに代えて図16(b)に示されているとおり、検出サブシステムが、ビームスプリッタとズーミング・エレメントの間に配置される1ないしは複数の光学コンポーネント1611を含むこともある。図16(b)に示されている光学コンポーネント1611は、フォールディング・ミラーまたはこの分野で周知のそのほかの適切な光学コンポーネントとする。
【0119】
収集された光のうち、より長い波長をレンズ倍率ズーミング・エレメントに向け、より短い波長を高倍率ズーミング・エレメントに向ける。たとえば、図17は、試験片1701と対応するTDIイメージ1703の視野範囲を例示している。図17に示されているとおり、266nmの波長における照明に対応する信号を、436nmの波長における照明に対応する信号をTDIに向ける倍率(100×)より高い倍率(200×)においてTDIに向ける。同一TDIの異なる部分に異なる波長の光を向ける。図18は、試験片のイメージをTDIの任意の部分に向けるように構成される検出サブシステムのための1パス構成を例示している。たとえば、光学コンポーネント1801の1つを、検出器上の異なる場所において試験片のイメージを形成するように軸方向に調整する。別の実施形態においては、光学コンポーネントが、フォールディング・ミラーまたはそのほかの適切な光学コンポーネントを含む。
【0120】
広帯域可視/UV/DUV検査システムについての課題の1つは、そのように広いスペクトル・レンジをカバーするために使用される反射防止コーティングに関係する。したがって、その種の検査システムのためのスルー‐ザ‐レンズ自動焦点を実装すると有益となることがある。自動焦点は、より高い効率の反射防止コーティング設計を可能にするように、よりイメージング・スペクトルに近い1ないしは複数の波長において動作する。たとえばいくつかの実施形態においては、システムが、イメージング・スペクトルの波長から約80nm内(たとえば、約350nmから上に約80nmの波長まで)の波長において動作するように構成された自動焦点サブシステム(図示せず)を含む。
【0121】
さらにシステムは、第1と第2の検出サブシステムによって生成された信号を処理し、試験片上の欠陥または工程の変動を検出するように構成されたプロセッサ(図示せず)を含む。このプロセッサは、前述したとおりに信号を処理するように構成する。プロセッサは、検出センサまたは、プロセッサと検出センサの両方に結合された適切な電子回路と結合する。プロセッサは、この分野で周知の任意の適切なプロセッサまたはコンピュータ・システムを含む。またシステムは、さらに、ここで述べているとおりに構成する。
【0122】
一実施形態においては、プロセッサまたはコンピュータ・システムがプログラム命令を実行し、上記の実施形態に従った機能および/またはコンピュータによって実施される方法を実行するように構成する。コンピュータ・システムは、パーソナル・コンピュータ・システム、メイン・フレーム・コンピュータ・システム、ワークステーション、ネットワーク・アプライアンス、インターネット・アプライアンス、携帯情報端末(『PDA』)、テレビジョン・システム、またはそのほかのデバイスを含む種々の形式を取ることができる。概して言えば、『コンピュータ・システム』という表現は、広く、メモリ・メディアからの命令を実行するプロセッサを有する任意のデバイスを含むと定義する。
【0123】
プログラム命令は、種々の方法のいずれにおいて実装してもよく、それには特に、手続きベースのテクニック、コンポーネント‐ベースのテクニック、および/またはオブジェクト指向テクニックが含まれる。たとえば、アクティブX(ActiveX)コントロール、C++オブジェクト、ジャバビーンズ(Java(登録商標)Beans)、マイクロソフト・ファウンデーション・クラス(『MFC』)、あるいはそのほかのテクノロジまたは方法を使用し、希望に応じてプログラム命令を実装する。
【0124】
これまで述べてきたシステムは、現行のUV/DUV検査システムの検出能力を超えることになろう。たとえば、ここで述べた検査システムは、UV/DUV検査システムに可視スペクトル能力を追加する。それに加えて、現行の検査システムは、単一イメージング・システムのみを使用し、したがって任意の時点において単一のモードに対してのみ最適化できる。そのため、単一試験片のために1を超える数の狭帯域検査のモードが使用されるとき、現行の検査システムは、それぞれのモードごとに新しい検査プロセスを実行しなければならない。しかしながら、ここで述べているシステムは、複数の検出サブシステムを組み込んでおり、それぞれの検出サブシステムを異なるモードに対して最適化できる。したがって、ここで述べた検査システムは、複数の検査モードの同時実行を可能にし、それによってそれぞれのモードごとに検査プロセスを実行する必要性が排除される。さらにまた、ここで述べたシステムは、1を超える数の倍率設定におけるど同時の動作も可能にする。
【0125】
以上、特に、特定の好ましい実施形態とその特定の特徴に関連して本発明を示し、説明してきた。しかしながらここで理解する必要があるが、上記の実施形態は、本発明の原理の説明を意図したものであって、その範囲の限定ではない。したがって、当業者が容易に認識できるように、付随する特許請求の範囲に示されるとおりの本発明の精神と範囲から逸脱することなく、形式および詳細において種々の変更と修正を行うことが許される。特に、発明者は、広範なレーザ、多色光源(たとえばアーク・ランプ)、その他の照明デバイスを使用する実施形態がこの特許の範囲内となることを企図している。また発明者は、本発明の原理が、広範な不透明度遷移波長を有する基板とともに実行可能であることを企図している。さらに、特許請求の範囲における単数の要素への言及は、特に示さない限りは『唯一無二』を意味することを意図してなく、むしろ『1ないしは複数』を意味している。さらにまた、ここで例示的に開示されている実施形態は、特にここに開示されていない任意の要素を伴わずに実行可能である。
【符号の説明】
【0126】
501 可動ステージ、502 スキャニング・コントロール・エレメント、コントロール電子回路、503 照明源、第1の照明源、504 照明源、第2の照明源、505
ダイクロイック・ビームスプリッタ、506 第2のビームスプリッタ、507 対物レンズ・システム、510 焦点エレメント、511 検出器エレメント、512 イメージ処理回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験片の検出のために選択された欠陥に基づいて、 試験片の検査に最適なパラメータを決定すること、および前記試験片の検査の前に、検査システムのパラメータを前記最適なパラメータに設定することをコンピュータにより実行する方法であって、
前記最適なパラメータは、350nmより下の少なくとも1つの波長および350nmより上の少なくとも1つの波長を含むものであり、
350nmより下の少なくとも1つの波長を有する光は、試験片の不透明度遷移波長より短い波長によって決められる不透明レジームにおける波長から選択された第1の最適検査波長帯の光を含み、
350nmより上の少なくとも1つの波長を有する光は、試験片の不透明度遷移波長より長い波長によって決められる透明レジームにおける波長から選択された第2の最適検査波長帯の光を含み、
前記第2の最適検査波長の光は、1を超える数のタイプの欠陥を捕捉することができる所定の波長帯を有する光を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記最適パラメータは、検査の間に、ほかのパラメータを使用する検査の間に検出されるより多くの欠陥が検出される結果をもたらす請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記最適パラメータは、検査の間に、ほかのパラメータを使用する検査の間に検出されるより少ない非選択の欠陥が検出される結果をもたらす請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記最適パラメータは、検査の間に、ほかのパラメータを使用する検査の間に検出されるより少ないか、それに等しい数の偽欠陥が検出される結果をもたらす請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記欠陥がユーザによって選択される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記設定がコンピュータによって実行される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記欠陥が比較的低コントラストの欠陥を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記決定は、異なるパラメータを用いて前記試験片の1ないしは複数のテスト検査を実行すること、および前記異なるパラメータのうちのいずれが最大の欠陥捕捉レートをもたらすかを識別することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記識別は、前記1ないしは複数のテスト検査の間に検出された欠陥を分類することを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記識別は、前記1ないしは複数のテスト検査の間に検出された欠陥を自動的に分類することを含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記決定は、さらに、前記異なるパラメータのうちのいずれが、検出される偽欠陥の数を増加させることなく最大の欠陥捕捉レートをもたらすかを識別することを含む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記決定は、異なるパラメータを用いて、1ないしは複数の欠陥を有することが既知のテスト試験片の1ないしは複数のテスト検査を実行すること、および前記異なるパラメータのうちのいずれが最大の欠陥捕捉レートをもたらすかを識別することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記試験片がウェハまたはラティスである請求項1に記載の方法。
【請求項14】
350nmより下の少なくとも1つの波長を有する光を用いて、および350nmより上の少なくとも1つの波長を有する光を用いて試験片を照明すること、
前記試験片から光を収集すること、
前記収集した光を検出し、前記収集した光の第1の部分を表す光学位相信号と、前記収集した光の第2の部分を表す明視野光学信号を生成すること、
前記光学位相信号と前記明視野光学信号を別々に処理して、前記試験片上の欠陥または工程の変動を検出すること、
を含む試験片を検査するための方法であって、
350nmより下の少なくとも1つの波長を有する光は、試験片の不透明度遷移波長より短い波長によって決められる不透明レジームにおける波長から選択された第1の最適検査波長帯の光を含み、
350nmより上の少なくとも1つの波長を有する光は、試験片の不透明度遷移波長より長い波長によって決められる透明レジームにおける波長から選択された第2の最適検査波長帯の光を含み、
前記第2の最適検査波長の光は、1を超える数のタイプの欠陥を捕捉することができる所定の波長帯を有する光を含む
ことを特徴とする試験片を検査するための方法。
【請求項15】
広帯域光源に結合される第1の光学サブシステムと、
レーザに結合される第2の光学サブシステムと、
前記第1と第2の光学サブシステムからの光を対物鏡に結合するように構成された第3の光学サブシステムであって、前記対物鏡が前記光を前記試験片上に集束するように構成され、
前記試験片上に集束される前記光が350nmより下の少なくとも1つの波長を有する光と、350nmより上の少なくとも1つの波長を有する光を含む、前記第3の光学サブシステムと、
前記試験片からの光を検出するように構成され、かつ前記検出した光を表す信号を生成するように構成された検出サブシステムと、
前記信号を処理して前記試験片上の欠陥または工程の変動を検出するように構成されたプロセッサと、
より構成される試験片の検査システムであって、
350nmより下の少なくとも1つの波長を有する光は、試験片の不透明度遷移波長より短い波長によって決められる不透明レジームにおける波長から選択された第1の最適検査波長帯の光を含み、
350nmより上の少なくとも1つの波長を有する光は、試験片の不透明度遷移波長より長い波長によって決められる透明レジームにおける波長から選択された第2の最適検査波長帯の光を含み、
前記第2の最適検査波長の光は、1を超える数のタイプの欠陥を捕捉することができる所定の波長帯を有する光を含む
ことを特徴とする試験片の検査システム。
【請求項16】
前記第1の光学サブシステムが実質的に収差のない前記広帯域光源のイメージを生成するように構成された楕円体ミラーを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の光学サブシステムが前記広帯域光源から前記第3の光学サブシステムへの光の実質的に効率的な結合を提供するように構成された楕円体ミラーを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の光学サブシステムが、前記広帯域光源のエッジ・ラディアンスを明視野照明のための前記第1の光学サブシステムの瞳の中央部分に向けるように構成されたビーム成形エレメントを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の光学サブシステムが、前記広帯域光源のビーム・プロファイルを、前記ビーム・プロファイルが実質的に一様となるように変形するように構成されたビーム成形エレメントを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の光学サブシステムが前記広帯域光源の光学的不変量を変更するように構成されたダブル・ズーミング・エレメントを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の光学サブシステムがさらに、前記ダブル・ズーミング・エレメントの個別のズーミング・エレメント間に配置される光パイプを含む請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記第3の光学サブシステムがさらに、前記第2の光学サブシステムから前記対物鏡への光の実質的に効率的な結合を提供するように構成される請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
前記対物鏡は、さらに、前記第1と第2の光学サブシステムからの光を用いて前記試験片を実質的に同時に照明するように構成される請求項15に記載のシステム。
【請求項24】
前記レーザは、350nmより下の波長を有する光を生成するように構成される請求項15に記載のシステム。
【請求項25】
前記レーザは、266nmの波長を有する光を生成するように構成される請求項15に記載のシステム。
【請求項26】
前記広帯域光源は、可視光、紫外光、深紫外光、またはそれらの組み合わせを生成するように構成される請求項15に記載のシステム。
【請求項27】
前記第3の光学サブシステムが前記第2の光学サブシステムからダイクロイック・ビームスプリッタに光を向けるように構成された偏光ビームスプリッタを包含し、前記ダイクロイック・ビームスプリッタは、前記第2の光学サブシステムから前記対物鏡に光を向けるように構成される請求項15に記載のシステム。
【請求項28】
前記ダイクロイック・ビームスプリッタは、さらに、前記第1の光学サブシステムからの光の少なくとも一部を前記対物鏡に向けるように構成される請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記試験片からの光は、前記対物鏡を通って前記ダイクロイック・ビームスプリッタに至り、それが前記試験片からの光を前記偏光ビームスプリッタに向け、前記偏光ビームスプリッタが、さらに前記試験片からの光を前記検出サブシステムに向ける請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
350nmより下の波長を有する光を用いて試験片を照明するように構成された第1の照明サブシステムと、
350nmより上の波長を有する光を用いて試験片を照明するように構成された第2の照明サブシステムと、
前記試験片からの光の第1の部分を検出するように構成された第1の検出サブシステムと、
前記試験片からの光の第2の部分を検出するように構成された第2の検出サブシステムであって、前記光の第1の部分と前記光の第2の部分は、少なくとも1つの異なる特徴を有する、前記第2の検出サブシステムと、
前記第1と第2の検出サブシステムによって生成された信号を処理し、前記試験片上の欠陥または工程の変動を検出するように構成されたプロセッサであって、前記350nmより上の波長が前記試験片の材料についての信号内のコントラストを増加するように選択され、前記350nmより上の波長が前記欠陥に対する感度を増加するように選択される、前記プロセッサと、
より構成される試験片の検査システムであって、
350nmより下の少なくとも1つの波長を有する光は、試験片の不透明度遷移波長より短い波長によって決められる不透明レジームにおける波長から選択された第1の最適検査波長帯の光を含み、
350nmより上の少なくとも1つの波長を有する光は、試験片の不透明度遷移波長より長い波長によって決められる透明レジームにおける波長から選択された第2の最適検査波長帯の光を含み、
前記第2の最適検査波長の光は、1を超える数のタイプの欠陥を捕捉することができる所定の波長帯を有する光を含む
ことを特徴とする試験片の検査システム。
【請求項31】
前記少なくとも1つの異なる特徴は異なる波長を含む請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記少なくとも1つの異なる特徴は異なる偏光を含む請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
前記第1と第2の照明サブシステムが異なる照明アパーチャを有する請求項30に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1と第2の検出サブシステムが異なる倍率設定を有する請求項30に記載のシステム。
【請求項35】
前記光の第1の部分は、前記第1の照明サブシステムを使用する前記試験片の照明から生成され、前記第1の検出サブシステムが前記第2の検出サブシステムの倍率設定より高い倍率設定を有する請求項30に記載のシステム。
【請求項36】
さらに、350nmより上の80nmの波長内の波長において動作するように構成された自動焦点サブシステムを含む請求項30に記載のシステム。
【請求項37】
前記第1と第2の照明サブシステムがさらに狭帯域モードで前記試験片を照明するように構成される請求項30に記載のシステム。
【請求項38】
前記第1の照明サブシステムがさらに狭帯域モードで前記試験片を照明するように構成され、前記第2の照明サブシステムがさらに広帯域モードで前記試験片を照明するように構成される請求項30に記載のシステム。
【請求項39】
前記第1と第2の照明サブシステムがさらに前記試験片を実質的に同時に照明するように構成される請求項30に記載のシステム。
【請求項40】
前記第1と第2の検出サブシステムがさらに、前記光の第1と第2の部分を実質的に同時に検出するように構成される請求項30に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−257405(P2011−257405A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132931(P2011−132931)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【分割の表示】特願2006−525531(P2006−525531)の分割
【原出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】