説明

異常増殖性皮膚細胞を特徴とする状態の処置のためのヒト副甲状腺ホルモンの環状アナログ

本発明は、異常増殖性皮膚細胞を特徴とする状態の処置を必要とする個体に対して、ヒト副甲状腺ホルモンの環状アナログを投与することにより、皮膚細胞の異常増殖を特徴とする状態を処置ための方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願
本出願は、2003年7月15日に出願された米国特許仮出願第60/487,513号の恩典を主張する。上述の出願の全教示は参照により本明細書に援用される。
【0002】
発明の背景
皮膚細胞の異常増殖を特徴とする疾患は、世界中で多くの人々が冒されている一群の状態である。かかる疾患の一例である乾癬は、表皮の疾患であり、世界の人口の1〜3%で身体障害および外観損傷の主な原因となっている。米国では、およそ2,000,000〜8,000,000人の人々が乾癬に悩まされ、およそ100,000人が深刻に冒されている。
【0003】
乾癬は、皮のめくれ、頭皮上の紅斑性病変ならびに腕および脚の伸筋様相の存在により診断される。乾癬病変は、しばしば、肘および膝などの反復外傷部位に目立つ。さらにまた、この皮膚疾患は、一部の個体では皮膚領域のほとんどが冒され得、関節炎などの内部損傷も引き起こし得る。この疾患は、基底細胞異常増殖(表皮の基底細胞の数の数倍の増加)を特徴とする。基底細胞集団のこの増加は、表皮のターンオーバー期間を通常の27日間から3〜4日間に低減する。この短縮された時間間隔により正常細胞の成熟および角質化が妨げられ、この成熟不足が一群の異常な形態学的および生化学的変化に反映される。数多くの細胞学的、組織学的、組織化学的および生化学的改変は、該疾患プロセスの原因ではなく結果であることが知られている。
【0004】
皮膚細胞の異常増殖を特徴とする他の状態としては、乾癬性関節炎、変異性紅斑角皮症、バラ色ひこう疹、扁平苔癬および毛孔性紅色ひこう疹が挙げられる。
【0005】
乾癬および異常増殖性皮膚を特徴とする他の状態の予後は、該状態の発症の程度および重篤度を含む、いくつかの因子に依存する。一般的に、該状態は、発症年齢が低いときに最も重篤である。これらの皮膚状態の急性発症は、通常、制御可能であるが永続的寛解は稀であり、これらの状態の多くでは治療法がない。加えて、増殖性皮膚疾患の処置を必要とするあらゆる患者において、すべての治療が有効であるわけではない。したがって、皮膚細胞の異常増殖を特徴とする状態の処置のための新規な治療方法が必要である。
【0006】
発明の要旨
本発明は、異常増殖性皮膚細胞を特徴とする状態の処置を必要とする個体に対する新規な治療を提供する。
【0007】
したがって、一局面において、本発明は、アミノ酸配列:R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:1)(式中、Rは水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Yは、X、His-X、His-Asn-XまたはHis-Asn-Phe-X(式中、XはORまたはNHRである)である)を有するヒト副甲状腺ホルモン(hPTH)の環状アナログであって、該アナログ内に有する0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個のアミノ酸が配列番号:1の対応する位置のアミノ酸と異なる環状アナログ、またはその薬学的に許容され得る塩の治療有効量を個体に投与することを含む、皮膚細胞の異常増殖を特徴とする状態を、該状態のリスクがあるか、または該状態を有する個体において処置する方法を特徴とする。
【0008】
別の局面において、本発明は、ヒト副甲状腺ホルモン hPTHアナログであるシクロ(Glu22-Lys26)[Leu27]-hPTH-(l-31)-NH2またはその薬学的に許容され得る塩の治療有効量を個体に投与することを含む、皮膚細胞の異常増殖を特徴とする状態を、該状態のリスクがあるか、または該状態を有する個体において処置する方法を特徴とする。
【0009】
別の局面において、本発明は、アミノ酸配列R-NH-Xaa1-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Xaa8-His-Asn-Leu-Gly-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:18)(式中、Xaa1がセリン、アラニンおよびα-アミノイソ酪酸からなる群より選択され;Xaa8が、メチオニン、ノルイソロイシンおよび疎水性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa13が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システインおよびホモシステインからなる群より選択され;Xaa14がヒスチジンまたは水溶性アミノ酸であり;Xaa15がロイシンまたは水溶性アミノ酸であり;Xaa16がアスパラギンまたは水溶性アミノ酸であり;Xaa17が、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、オルニチン、システイン、ホモシステインおよび水溶性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa18が、メチオニン、ノルイソロイシンおよび疎水性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa22が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され;Xaa25がアルギニンまたはヒスチジンであり;Xaa26が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され;Xaa27が、リジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニンからなる群より選択され、Rが水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Yが、X、His-X、His-Asn-XまたはHis-Asn-Phe-X(式中、XはORまたはNHRである)である)からなるヒト副甲状腺ホルモン(hPTH)の環状アナログ、またはその薬学的に許容され得る塩の治療有効量を個体に投与することを含む、皮膚細胞の異常増殖を特徴とする状態を、該状態のリスクがあるか、または該状態を有する個体において処置する方法を特徴とする。
【0010】
別の局面において、本発明は、式Iのヒト副甲状腺ホルモン(hPTH)の環状アナログ:
RNH-W-Z-B (I)
(式中、Rは水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Wは、Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val (配列番号:1)であり、該アナログ内に有する0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個のアミノ酸が配列番号:1の対応する位置のアミノ酸と異なり、Zは、His、His-Asn、His-Asn-Phe、His-Asn-Phe-Val (配列番号:5)、His-Asn-Phe-Val-Ala (配列番号:6)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu (配列番号:7)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly (配列番号:8)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala (配列番号:9)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro (配列番号:10)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu (配列番号:11)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu-Ala (配列番号:12)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu-Ala-Pro (配列番号:13)およびHis-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu-Ala-Pro-Arg (配列番号:14)からなる群より選択され、BはORまたはNHRである)
またはその薬学的に許容され得る塩の治療有効量を個体に投与することを含む、皮膚細胞の異常増殖を特徴とする状態を、該状態のリスクがあるか、または該状態を有する個体において処置する方法を特徴とする。
【0011】
別の局面において、本発明は、本明細書に記載の副甲状腺ホルモンの環状アナログを皮膚細胞に投与することにより皮膚細胞異常増殖を抑制する方法を特徴とする。
【0012】
発明の詳細な説明
本発明は、ヒト副甲状腺ホルモンの環状アナログが皮膚細胞増殖を抑制するという知見に基づく。したがって、hPTHの環状アナログは、皮膚細胞の異常増殖を特徴とする状態を処置するために使用され得る。
【0013】
本明細書で使用する場合、「ヒト副甲状腺ホルモンの環状アナログ」は、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:1)(式中、Rは水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり;YはX、His-X (hPTH-(l-32); 配列番号:2)、His-Asn-X (hPTH-(1-33); 配列番号:3)またはHis-Asn-Phe-X (hPTH-(1-34); 配列番号:4)(式中、XはORまたはNHRである)である)を有するペプチドであり、該ペプチドは、配列内のアミノ酸の1つ以上のペアの結合により環化されている。一態様において、環状アナログは、hPTH-(l-31) (図1; 配列番号:1)のアミノ酸配列を有する。好ましい態様では、RはHおよび/またはYはNH2である。
【0014】
皮膚は、2つの層、真皮および表皮から構成され、本発明の環状アナログは、表皮の深部に位置する基底細胞を含む皮膚を構成する細胞の1つ以上の種類の細胞増殖を抑制するために使用され得る。皮膚細胞の増殖の抑制に対する本発明の組成物または方法のいずれかの効果に言及する場合、用語「抑制」または「減少」の使用は、皮膚細胞増殖における少なくとも少量だが測定可能な低減を包含する。好ましい態様では、皮膚細胞増殖は、非処置対照に対して少なくとも10%、20%、25%、30%、40%、50%、75%、80%または90%抑制される。抑制は、本明細書に記載する方法、例えば3H-チミジン取り込み、異常増殖性皮膚疾患に罹患した領域の目視検査、組織学的、細胞学的、組織化学的もしくは生化学的解析、または罹患領域から採取した試料、あるいは当該技術分野で公知の他の方法を用いて評価することができる。皮膚増殖におけるかかる低減は、インビボ態様において、皮膚細胞の異常増殖を特徴とする状態の有害な効果を低減することができる。
【0015】
アナログ内に有する0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個のアミノ酸が配列番号:1の対応する位置のアミノ酸とは異なり得る。一態様において、アミノ酸置換は、位置13、17、22、26および/または27に限定される。別の態様では、アナログ内の5個以下のアミノ酸が配列番号:1のアミノ酸配列と異なる。別の態様では、アナログ内に有する0、1、2または3個のアミノ酸が配列番号:1のアミノ酸配列と異なる。
【0016】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Xaa1-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Xaa8-His-Asn-Leu-Gly-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:18)(式中、RおよびYは上記のとおりであり;Xaa1は、セリン、アラニンおよびα-アミノイソ酪酸からなる群より選択され;Xaa8は、メチオニン、ノルイソロイシンおよび疎水性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa13は、リジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システインおよびホモシステインからなる群より選択され;Xaa14はヒスチジンまたは水溶性アミノ酸であり;Xaa15はロイシンまたは水溶性アミノ酸であり;Xaa16はアスパラギンまたは水溶性アミノ酸であり;Xaa17は、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、オルニチン、システイン、ホモシステインおよび水溶性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa18は、メチオニン、ノルイソロイシンおよび疎水性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa22は、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され;Xaa25はアルギニンまたはヒスチジンであり;Xaa26は、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され;Xaa27は、リジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニンおよび極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、Xaa13がリジンであり;Xaa17がグルタミン酸であり;Xaa22がグルタミン酸であり;Xaa26がリジンおよび/またはXaa27がロイシンである。別の態様では、Xaa22がグルタミン酸(Glu22)であり、Xaa26がリジン(Lys26)であり、Xaa27がロイシン(Leu27)である。
【0017】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Xaa1-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:19)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa1が、セリン、アラニンおよびα-アミノイソ酪酸からなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、Xaa1がセリンである。
【0018】
別の態様において、アナログは、
アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Xaa8-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:20)(式中、RおよびYは上記のとおりでありXaa8が、メチオニン、ノルイソロイシンおよび疎水性アミノ酸からなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、Xaa8がメチオニンである。
【0019】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Xaa13-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:21)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa13が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システインおよびホモシステインからなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、Xaa13がリジンである。
【0020】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-Xaa14-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:22)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa14がヒスチジンまたは水溶性アミノ酸である)からなる。好ましい態様では、Xaa14がヒスチジンである。
【0021】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Xaa15-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:23)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa15がロイシンまたは水溶性アミノ酸である)からなる。好ましい態様では、Xaa15がロイシンである。
【0022】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Xaa16-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:24)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa16がアスパラギンまたは水溶性アミノ酸である)からなる。好ましい態様では、Xaa16がアスパラギンである。
【0023】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Xaa17-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:25)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa17が、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、オルニチン、システイン、ホモシステインおよび水溶性アミノ酸からなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、Xaa17がグルタミン酸またはセリンである。
【0024】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Xaa18-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:26)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa18が、メチオニン、ノルイソロイシンおよび疎水性アミノ酸からなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、Xaa18がメチオニンである。
【0025】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:27)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa22が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、Xaa22がグルタミン酸である。
【0026】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Xaa25-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:28)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa25がアルギニンまたはヒスチジンである)からなる。好ましい態様では、Xaaがアルギニンである。
【0027】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Xaa26-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:29)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa26が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、Xaa26がリジンである。
【0028】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y(配列番号:30)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa27が、リジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニン、および極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、R27はロイシンまたはリジンである。
【0029】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Arg-Xaa26-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y(配列番号:31)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa22が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa26は、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸、およびホモシステインからなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、Xaa22はグルタミン酸であり、Xaa26はリジンである。
【0030】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Arg-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y(配列番号:32)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa22が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa26が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa27が、リジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニン、および極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、Xaa22はグルタミン酸であり、Xaa26はリジンであり、Xaa27はロイシンである。
【0031】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Xaa13-His-Leu-Asn-Xaa17-Met-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Arg-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y(配列番号:33)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa13がリジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa17はセリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、オルニチン、システイン、ホモシステイン、および水可溶性アミノ酸、からなる群より選択され、Xaa22はリジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸、およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa26はリジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸、およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa27はリジン、ロイシン、イソロシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニン、および極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択される)からなる、好ましい態様では、Xaa13はリジン、Xaa17はグルタミン酸、Xaa22はグルタミン酸、Xaa26はリジン、およびXaa27はロイシンである。
【0032】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Xaa8-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Xaa18-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y(配列番号:34)(式中、RおよびYは上記のとおりであり、Xaa8はメチオニン、ノルイソロイシン、および疎水性アミノ酸からなる群より選択され、Xaa18はメチオニン、ノルイソロイシン、および疎水性アミノ酸からなる群より選択され、Xaa22はリジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸、およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa25はアルギニンまたはヒスチジンであり、Xaa26は、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸、およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa27はリジン、ロイシン、イソロシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニン、および極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、Xaa8はメチオニンまたはノルイソロイシンであり、Xaa18はノルイソロイシンまたはメチオニンであり、Xaa27はリジン、ロイシン、アラニン、およびノルイソロイシンからなる群より選択される。
【0033】
別の態様において、アナログは、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Xaa8-His-Asn-Leu-Gly-Xaa13-His-Leu-Asn-Xaa17-Xaa18-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y(配列番号:35)(RおよびYは上記のとおりであり、Xaa8はメチオニンまたはノルイソロイシンであり、Xaa13はリジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa17はリジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa18はメチオニンまたはノルイソロイシンであり、Xaa22は、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸、およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa25はアルギニンおよびヒスチジンであり、Xaa26はリジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸、およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa27はリジン、ロイシン、ノルイソロイシン、または極性もしくは疎水性アミノ酸からなる群より選択される)からなる。
【0034】
別の態様では、アナログはアミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Glu-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y(配列番号:36)(RおよびYは上記のとおりであり、ここでXaa27はリジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニン、および極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択される)からなる。好ましい態様では、Xaa27はロイシンである。
【0035】
好ましくは、上記アナログのいずれかの中のRはHであり、XはOHまたはNH2である。RがHである時、アミノ末端は非置換である。XがOHである時、C末端はカルボン酸であり、XがNH2である時、C末端はカルボキサミド−CONH2である。他の態様では、上記アナログのいずれかを、13および17、22および26、26および30、27および30、または25および29位のアミノ酸間で環化する。疎水性アミノ酸の例は、アラニン、バリン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、イソロイシン、およびロイシンを含み、水溶性アミノ酸の例は、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニンセリン、トレオニン、チロシン、ヒスチジン、システイン、アスパラギン、グルタミン、およびトリプファンを含み、極性アミノ酸の例は、セリン、トレオニン、チロシン、ヒスチジン、システイン、アスパラギン、グルタミン、およびトリプトファンを含む。
【0036】
他の態様では、配列番号1のアミノ酸27位のリジンは、極性残基(例えば、セリン、トレオニン、チロシン、ヒスチジン、システイン、アスパラギン、グルタミン、トリプトファン、オルニチン、もしくはシトルリン)、疎水性残基(アラニン、バリン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、ロイシン、ノルイソロイシン、イソロイシンもしくはチロシンなど)、または側鎖中に2〜10炭素を有する直鎖もしくは分岐α−アミノ脂肪酸、または脂肪族鎖の末端で極性または荷電基を有するアナログなどと置換する。極性または荷電基の例は、アミノ、カルボキシル、アセタミド、グアニドおよびウレイドを含む。アミノ酸置換を含むhPTHの環状アナログの例は、例えば、米国特許第5,955,425号明細書、米国特許第6,110,892号明細書および米国特許第6,316,410号明細書(参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されている。
【0037】
このような置換を含む環状hPTHアナログを、本明細書に記載の生物活性(例えば、皮膚細胞増殖の抑制)について試験し得る。
【0038】
配列番号1または18〜36の他の置換を、保存的なアミノ酸置換によって作製し得る。このような置換は、ポリペプチド中のあるアミノ酸を、同様な特性の他のアミノ酸と置換するようなものである。保存的な置換は、表現型的に潜伏性でありやすい。典型的に保存的な置換とみられるものは、脂肪族アミノ酸Ala、Val、Leu、およびIle間での、一方から他方への置換、ヒドロキシル残基SerおよびThrの交換、酸性残基AspおよびGluの交換、アミノ残基AsnおよびGln間の置換、塩基性残基LysおよびArgの交換、並びに芳香族残基PheおよびTyr間の置換である。どのアミノ酸変化が表現型的に潜伏性でありやすいかに関わる指針は、BowieらのScience,247:1306-1310(1990)中に見られる。このような置換を含む環状hPTHアナログを、本明細書に記載の生物活性(例えば、皮膚細胞増殖の抑制)について試験し得る。
【0039】
ヒト副甲状腺ホルモン(hPTH)の環状アナログはまた、式Iの環状ペプチド:
RNH−W−Z−B (I)
(式中、Rは水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルまたはアリール基であり;Wは、配列番号:1の対応する位置のアミノ酸と異なる、該アナログ内に0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸を有する、Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val((hPTH-1-31);配列番号:1)であり、Zは、His((hPTH-1-32);配列番号:2)、His-Asn((hPTH-1-33);配列番号:3)、His-Asn-Phe((hPTH-1-34);配列番号:4)、His-Asn-Phe-Val((hPTH-1-35);配列番号:5)、His-Asn-Phe-Val-Ala((hPTH-1-36);配列番号:6) 、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu((hPTH-1-37);配列番号:7)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly((hPTH-1-38);配列番号:8)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala((hPTH-1-39);配列番号:9)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro((hPTH-1-40);配列番号:10)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu((hPTH-1-41);配列番号:11)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu-Ala((hPTH-1-42);配列番号:12)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu-Ala-Pro((hPTH-1-43);配列番号:13)およびHis-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu-Ala-Pro-Arg((hPTH-1-44);配列番号:14)からなる群より選択され、BはORまたはNHRである。)Wのアミノ酸置換は、hPTH-(1-31)(例えば、配列番号18〜36で記載された置換)について本明細書で記載されている。1つの態様では、Zは1以上、例えば、2、3、4、5、6、7、または8のアミノ酸置換、例えば、本明細書に記載の保存的アミノ酸置換を有する。
【0040】
hPTHアナログ(例えば、配列番号1または18〜36により表されるペプチド)を、アミノ酸の1つ以上の間で環化し得る。1つの態様では、アナログは1つのアミノ酸対の間で環化する。アミノ酸対は、例えば、配列番号1の22および26、26および30、22および25、22および27、27および30、または25および29位のアミノ酸であり得る。1つの態様では、環化は、ラクタムの形成によって起こる。別の態様においては、例えば、システインアミノ酸の対(例えば、環化がシステインと起こる位置での配列番号1のアミノ酸を置換することにより)であるアミノ酸対の間でのジスルフィド結合形成を通じて、環化は起こる。別の態様では、アナログを、2つのアミノ酸対の間で環化する。環化は、例えば、配列番号1の13および17、並びに22および26位のアミノ酸間で起こり得る。再び、環化は、ラクタムの形成によって、または、アミノ酸対間(例えばシステインアミノ酸対である)でのジスルフィド結合形成によって起こり得る。好ましい態様では、環状hPTHアナログは、
[Leu27]シクロ(Glu22-Lys26)-hPTH-(1-31)-NH2(配列番号15)、
[Leu27]シクロ(Glu22-Lys26)-hPTH-(1-32)-NH2(配列番号37)、
[Leu27]シクロ(Glu22-Lys26)-hPTH-(1-33)-NH2(配列番号38) 、
[Leu27]シクロ(Glu22-Lys26)-hPTH-(1-34)-NH2(配列番号39) 、
[Glu17,Leu27]シクロ(Lys13-Glu17,Glu22-Lys26)-hPTH-(1-31)-NH2(配列番号16) 、
[Glu17,Leu27]シクロ(Lys13-Glu17,Glu22-Lys26)-hPTH-(1-32)-NH2(配列番号40) 、
[Glu17,Leu27]シクロ(Lys13-Glu17,Glu22-Lys26)-hPTH-(1-33)-NH2(配列番号41) 、または
[Glu17,Leu27]シクロ(Lys13-Glu17,Glu22-Lys26)-hPTH-(1-34)-NH2(配列番号42)
である。
【0041】
本発明はまた、環状hPTHアナログの薬学的に許容され得る塩を投与することによる、皮膚細胞の異常増殖により特徴づけられる状態を治療するための方法を提供する。このような塩の例は、塩酸および臭化水素酸などの無機酸の塩、ギ酸、酢酸、酒石酸およびクエン酸などの有機酸の塩、ナトリウムまたは水酸化アンモニウムなどの無機塩基の塩、トリエチルアミン、エチルアミン、並びにメチルアミンなどの有機塩基の塩を含む。
【0042】
環状hPTHアナログは、ポリペプチド作製のための標準的な方法を使用して調製し得る。環状hPTHアナログは、例えば合成技術によって、または組換え方法によって調製し得る。このような方法は、例えば、米国特許第5,955,425号明細書、米国特許第6,110,892号明細書および米国特許第6,316,410号明細書(参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されている。
【0043】
本明細書に記載のhPTHの環状アナログは、皮膚細胞の異常増殖により特徴づけられる状態を治療するために使用し得る。該アナログの治療有効量を、皮膚細胞の増殖を減少させるために、該状態を有する個体に投与し得る。あるいはまた、該アナログの有効量を、該状態を有するおそれのある個体に、予防的に投与し得る。本明細書で使用される、「治療有効量」は皮膚細胞の増殖を抑制するもしくは減少させる、または皮膚細胞の異常増殖により特徴づけられる状態を改善させるのに充分な量である。hPTHの環状アナログが、皮膚細胞の異常増殖で特徴づけられる状態を治療するのに効果的(例えば、症状を減少させる、または取り除く)かどうかを決定するための方法は、当業者に知られ、また本明細書にも記載される。
【0044】
本明細書で使用される、「治療」、「治療的」および「処置」という用語は、例えば、皮膚細胞の異常増殖(例えば、影響されない個体に比べて、状態に冒された個体中において冒されてない個体に比べて2%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、またはより大きい、皮膚細胞の増殖の割合)により特徴づけられる状態である疾患または状態に関連する症状の改善をいい、疾患症状の始まりを防げるまたは遅らせる、および/または疾患または状態の症状の重症度または頻度を減らすことを含む。「被検体」または「個体」という用語は、霊長類、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラット、マウスまたは他のウシ属、ヒツジ属、ウマ属、イヌ属、ネコ属、げっ歯目またはネズミの種を含むが限定されない、哺乳動物などの動物を含むように、本明細書で定義される。1つの態様では、該動物はヒトである。
【0045】
1つの態様では、皮膚細胞の異常増殖により特徴づけられる状態は、乾癬である。該乾癬は、例えば紅皮性乾癬(剥脱性乾癬性皮膚炎ともいう)または膿疱性乾癬であり得る。他の態様では、該状態は乾癬性関節炎である。
【0046】
所望により、hPTHの環状アナログを、薬学的に許容され得る担体と混合し得る。このような担体は、治療的適用中の組成物の投与の予想される経路に基づいて選択する。1つの態様では、アナログは、局所投与のために調剤する。局所投与は、アナログの投与の、該状態の位置の皮膚に該アナログを投与することを含む。局所適用について、噴霧不可能な形態、局所適用と適合性のある担体を含み、好ましくは水よりも大きい動粘度を有する、粘性の半固体状または固体状が使用され得る。好ましい調剤は、溶液、懸濁液、エマルジョン、クリーム、軟膏剤、粉末、ローション、ゾル、塗布剤、軟膏、エアロゾル等(もし望まれれば、それらは、例えば、防腐剤、安定剤、湿潤剤、緩衝剤、もしくは浸透圧に影響を及ぼすための塩等で、殺菌され、または補助剤と混合される)を含むが限定されない。hPTHの環状アナログはまた、化粧調剤に取り込まれ得る。局所投与には、噴霧可能エアロゾル製剤もまた好ましく、ここで活性成分(好ましくは固体または液体不活性担体物質との組み合わせ)は、スクィーズボトル中または加圧された揮発性物質、ガス状の推進薬(例えば、加圧された大気)との混合中で包装される。
【0047】
他の態様では、hPTHの環状アナログの投与は、経口、舌、舌下、頬または頬内である。このような投与を、当該技術分野でよく知られた方法(例えば、不活性希釈剤、または食用担体によって)で、必要以上の実験なしで行い得る。環状アナログを、ゼラチンカプセル中に封入し、錠剤中に圧縮し得る。経口治療用投与の目的で、環状アナログは、賦形剤により取り込まれ、錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、オブラート、チューインガムなどの形態で使用し得る。錠剤、ピル、カプセル、トローチなどはまた、結合剤、レシピエント、崩壊剤、潤滑剤、甘味剤、および調味剤を含み得る。結合剤のいくつかの例は、アルギン酸、コーンスターチなどを含む。潤滑剤の例は、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カリウムを含む。潤沢剤の例は、コロイド状二酸化ケイ素である。香味剤のいくつかの例は、ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ香味料などを含む。これらの様々な組成物を調製するのに使用される物質は、使用量において、薬学的に純粋で無毒性であるべきである。
【0048】
本発明の治療組成物の組み合わせは、非経口的(例えば、静脈内、筋内、鞘内、または皮下注射など)に投与し得る。非経口的投与は環状アナログを溶液、または懸濁液中に取り込むことによって遂行し得る。このような溶液または懸濁液はまた、無菌の賦形剤(注射用水、生理食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒)を含む。緩衝剤(酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、またはリン酸塩)および張性を調節するための薬剤(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロースなど)をまた、加え得る。
【0049】
好ましい薬学的に許容され得る担体は、水、食塩水(例えば、NaCl)、生理食塩水、緩衝生理食塩水、アルコール、グリセロール、エタノール、アラビアガム、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物(ラクトース、アミロース、またはスターチなど)、デキストロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘着性パラフィン、香油、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなど、同様にそれらの組み合わせを含むが、限定されない。医薬調製物は、もし望まれれば、hPTHの環状アナログとは有害的に反応しない添加剤(例えば、潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝剤、着色、香味および/または芳香性物質など)と共に混合し得る。
【0050】
投与される併用療法組成物の投薬量は、必要以上の実験なしで、標準用量反応試験と共に、当業者によって決定され得る。これらの決定をする上で、考慮されるべき関連性のある環境は、状態または治療すべき状態、投与される組成物の選択、年齢、体重、および個別の患者の反応、並びに患者の症状の重症度を含む。典型的に、治療有効量は、大人につき1日あたり0.01mgから一日あたり約100mgの範囲であり得る。好ましくは、投薬量は、1日あたり約1mgから1日あたり約100mg、または1日あたり1mgから1日あたり約10mgの範囲である。
【0051】
もし望まれれば、アナログを、皮膚細胞異常増殖により特徴づけられる状態を治療するのに使用される1つ以上の更なる薬剤と併用または共に投与し得る。該薬剤は、例えば、プロピオン酸アルクロメタゾン、ヒドロコルチゾン、カルシポトリエン(calcipotriene)、シクロスポリン、メトトレキサート、メトキサレン、アントラリン、アシトレチン、タザロテン、またはプロピオン酸クロベタゾールであり得る。アナログは、更なる薬剤またはアナログと同じ調製法で製剤化し得、更なる薬剤は、別々に製剤化し得、個体に同時または連続的に、両方の順序で投与し得る。
【実施例】
【0052】
本発明は、以下の実施例で記載されるが、なんら限定することを意図されない。
【0053】
実施例1:ヒト副甲状腺ホルモンhPTHアナログシクロ(Lys26-Asp30)[Leu27]-hPTH-(1-31)-NH2の局所投与は、皮膚細胞異常増殖を減少させる
SKH-1無毛マウスに、Novasome(例えば、IGI,Inc.,Buena,New Jerseyから入手可能なリポソームの製剤)と共にヒト副甲状腺ホルモンhPTHアナログ[Leu27]シクロ(Glu22-lys26)-hPTH-(1-31)-NH2またはhPTH-(1-34)を1日につき1度、1μg、10μg、もしくは50μgの投薬量で投与し、あるいは治療せずに放置した(対照)。7日目に、マウスにH-チミジンを二度注射し、8日目に、マウスにH-チミジンおよびブロモデオキシウリジン(1.5mg/マウス)を注射し、3時間以内に犠牲にした。次いで、H-チミジン取り込みを、標準的な方法を使用して評価した。この調査の結果は、図6に示され、これは、治療なし(対照)の、またはSKH-1マウス中にH-チミジン取り込み(分当たりの総数/μgタンパク質)により測定された、皮膚細胞の増殖へのhPTH-(1-34)(1-34)または[Leu27]シクロ(Glu22-lys26)-hPTH-(1-31)-NH2(c1-c31)の1μg、10μg、もしくは50μgの局所投与の効果を示すヒストグラムである。図6に示されるように、[Leu27]シクロ(Glu22-lys26)-hPTH-(1-31)-NH2は、H-チミジン取り込み阻害において、hPTH-(1-34)よりも著しく、より効果的であった。これらの結果は、hPTHの環状アナログは、皮膚細胞増殖を減少させるのに使用出来ることを実証する。このように、これらの環状アナログは、皮膚細胞の異常増殖により特徴づけられる状態を治療するために使用し得る。
【0054】
本発明は、好ましい態様を参照して詳細に示し、記載してきたが、添付される特許請求の範囲により包含される本発明の範囲から逸脱することなく形態および細部における種々の変化がなされうることを当業者は理解する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、天然hPTHの残基1-34 (hPTH-(1-34))の構造(配列番号:4)を示す。
【図2】図2は、天然hPTH-NH2の残基1-31の構造(配列番号:1)を示す。
【図3】図3は、[Leu27]シクロ(Glu22-Lys26)-hPTH-(1-31)-NH2の構造(配列番号:15)を示す。
【図4】図4は、[Glu17, Leu27]シクロ(Lys13-Glu17、Glu22-Lys26)-hPTH-(1-31)-NH2の構造(配列番号:16)を示す。
【図5】図5は、ヒト副甲状腺ホルモン(hPTH)のアミノ酸配列(配列番号:17)を示す。
【図6】図6は、投与の7日後、SKH-1マウスにおける3H-チミジン取り込み(1分あたりの計測数/μgタンパク質)により測定した、SKH-1マウスに対する処置なし(対照)または1μg、10μgもしくは50μgのhPTH-(1-34)(1-34)もしくは[Leu27]シクロ(Glu22-Lys26)-hPTH-(l-31)-NH2(c1-c31)の局所投与の皮膚細胞の増殖に対する効果を示すヒストグラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸配列:R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:1)(式中、Rは水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Yは、X、His-X、His-Asn-XまたはHis-Asn-Phe-X(式中、XはORまたはNHRである)である)からなるヒト副甲状腺ホルモン(hPTH)の環状アナログであって、該アナログ内に有する0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個のアミノ酸が配列番号:1の対応する位置のアミノ酸と異なる環状アナログ、またはその薬学的に許容され得る塩の治療有効量を個体に投与することを含む、皮膚細胞の異常増殖を特徴とする状態を、該状態のリスクがあるか、または該状態を有する個体において処置する方法。
【請求項2】
アナログまたはその薬学的に許容され得る塩が配列番号:1の配列からなる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
アナログが、アミノ酸配列R-NH-Xaa1-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Xaa8-His-Asn-Leu-Gly-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:18)(式中、Xaa1が、セリン、アラニンおよびα-アミノイソ酪酸からなる群より選択され;Xaa8が、メチオニン、ノルイソロイシンおよび疎水性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa13が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システインおよびホモシステインからなる群より選択され;Xaa14がヒスチジンまたは水溶性アミノ酸であり;Xaa15がロイシンまたは水溶性アミノ酸であり;Xaa16がアスパラギンまたは水溶性アミノ酸であり;Xaa17が、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、オルニチン、システイン、ホモシステインおよび水溶性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa18が、メチオニン、ノルイソロイシンおよび疎水性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa22が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され;Xaa25がアルギニンまたはヒスチジンであり;Xaa26が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され;Xaa27が、リジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニンおよび極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択され、Rが水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Yが、X、His-X、His-Asn-XまたはHis-Asn-Phe-X(式中、XはORまたはNHRである)である)からなる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
アナログまたはその薬学的に許容され得る塩が、1つのアミノ酸ペア間で環化されている、請求項3記載の方法。
【請求項5】
アミノ酸ペアが、配列番号:18のXaa22とXaa26、Xaa26とXaa30、Xaa27とXaa30、およびXaa25とXaa29のアミノ酸からなる群より選択される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
アミノ酸ペアが、配列番号:18のXaa22とXaa26のアミノ酸からなる、請求項5記載の方法。
【請求項7】
アナログが、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Xaa13-His-Leu-Asn-Xaa17-Met-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Arg-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:33)(式中、Xaa13が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システインおよびホモシステインからなる群より選択され;Xaa17が、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、オルニチン、システイン、ホモシステインおよび水溶性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa22が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa26が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa27が、リジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニンおよび極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択され、Rが水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Yが、X、His-X、His-Asn-XまたはHis-Asn-Phe-X(式中、XはORまたはNHRである)である)からなる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
配列番号:33のXaa22および配列番号:33のXaa26がシステインであり、アナログが該システインのチオール基間で環化されてジスルフィド結合を形成している、請求項7記載の方法。
【請求項9】
アナログが、Xaa22とXaa26のアミノ酸間で環化されてラクタムを形成している、請求項6記載の方法。
【請求項10】
アナログが、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Xaa8-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Xaa18-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:34)(式中、Xaa8が、メチオニン、ノルイソロイシンおよび疎水性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa18が、メチオニン、ノルイソロイシンおよび疎水性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa22が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され;Xaa25がアルギニンまたはヒスチジンであり;Xaa26が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa27が、リジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニンおよび極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択され、Rが水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Yが、X、His-X、His-Asn-XまたはHis-Asn-Phe-X(式中、XはORまたはNHRである)である)からなる、請求項9記載の方法。
【請求項11】
アナログが、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Xaa13-His-Leu-Asn-Xaa17-Met-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Arg-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:33)(式中、Xaa13が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システインおよびホモシステインからなる群より選択され;Xaa17が、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、オルニチン、システイン、ホモシステインおよび水溶性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa22が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa26が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa27が、リジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニンおよび極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択され、Rが水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Yが、X、His-X、His-Asn-XまたはHis-Asn-Phe-X(式中、XはORまたはNHRである)である)からなる、請求項9記載の方法。
【請求項12】
Xaa13がリジンであり、Xaa17がグルタミン酸であり、Xaa22がグルタミン酸であり、Xaa26がリジンであり、Xaa27がロイシンである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
アナログが、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Arg-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:32)(式中、Xaa22が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa26が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa27が、リジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニンおよび極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択され、Rが水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Yが、X、His-X、His-Asn-XまたはHis-Asn-Phe-X(式中、XはORまたはNHRである)である)からなる、請求項9記載の方法。
【請求項14】
アナログが、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Arg-Xaa26-Lys-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:31)(式中、Xaa22が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa26が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Rが水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基; Yが、X、His-X、His-Asn-XまたはHis-Asn-Phe-X(式中、XはORまたはNHRである)である)からなる、請求項9記載の方法。
【請求項15】
RがHである、請求項9記載の方法。
【請求項16】
YがXである、請求項9記載の方法。
【請求項17】
XがNH2である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
RがHである、請求項17記載の方法。
【請求項19】
アナログまたはその薬学的に許容され得る塩が、2つのアミノ酸ペア間で環化されている、請求項3記載の方法。
【請求項20】
アミノ酸ペアが、配列番号:18のXaa13とXaa17、およびXaa22とXaa26のアミノ酸である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
アナログが、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Xaa13-His-Leu-Asn-Xaa17-Met-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Arg-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:33)(式中、Xaa13が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システインおよびホモシステインからなる群より選択され;Xaa17が、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、オルニチン、システイン、ホモシステインおよび水溶性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa22が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa26が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa27が、リジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニンおよび極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択され、Rが水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Yが、X、His-X、His-Asn-XまたはHis-Asn-Phe-X(式中、XはORまたはNHRである)である)からなる、請求項20記載の方法。
【請求項22】
配列番号:33のXaa22および配列番号:33のXaa26がシステインであり、アナログが該システインのチオール基間で環化されてジスルフィド結合を形成している、請求項21記載の方法。
【請求項23】
配列番号:33のXaa13および配列番号:33のXaa17がシステインであり、アナログが該システインのチオール基間で環化されてジスルフィド結合を形成している、請求項21記載の方法。
【請求項24】
配列番号:33のXaa13、配列番号:33のXaa17、配列番号:33のXaa22および配列番号:33のXaa26がシステインであり、アナログが、Xaa13とXaa17のシステインのチオール基間、およびXaa22とXaa26のシステインのチオール基間で環化されてジスルフィド結合を形成している、請求項21記載の方法。
【請求項25】
アナログが、Xaa13とXaa17の位置、およびXaa22とXaa26の位置のアミノ酸間で環化されてラクタムを形成している、請求項20記載の方法。
【請求項26】
Xaa17がグルタミン酸である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
アナログが、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Glu-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:36)(式中、Xaa27が、リジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニンおよび極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択され、Rが水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Yが、X、His-X、His-Asn-XまたはHis-Asn-Phe-X(式中、XはORまたはNHRである)である)からなる、請求項25記載の方法。
【請求項28】
アナログが、アミノ酸配列R-NH-Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Xaa13-His-Leu-Asn-Xaa17-Met-Glu-Arg-Val-Xaa22-Trp-Leu-Arg-Xaa26-Xaa27-Leu-Gln-Asp-Val-Y (配列番号:33)(式中、Xaa13が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システインおよびホモシステインからなる群より選択され;Xaa17が、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、オルニチン、システイン、ホモシステインおよび水溶性アミノ酸からなる群より選択され;Xaa22が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa26が、リジン、オルニチン、グルタミン酸、システイン、アスパラギン酸およびホモシステインからなる群より選択され、Xaa27が、リジン、ロイシン、イソロイシン、ノルイソロイシン、アラニン、メチオニンおよび極性または疎水性アミノ酸からなる群より選択され、Rが水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Yが、X、His-X、His-Asn-XまたはHis-Asn-Phe-X(式中、XはORまたはNHRである)である)からなる、請求項25記載の方法。
【請求項29】
Xaa13がリジンであり、Xaa17がグルタミン酸であり、Xaa22がグルタミン酸であり、Xaa26がリジンであり、Xaa27がロイシンである、請求項28記載の方法。
【請求項30】
RがHである、請求項25記載の方法。
【請求項31】
YがXである、請求項25記載の方法。
【請求項32】
XがNH2である、請求項31記載の方法。
【請求項33】
RがHである、請求項32記載の方法。
【請求項34】
皮膚の異常増殖を特徴とする状態が、乾癬、乾癬性関節炎および変異性紅斑角皮症からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項35】
皮膚の異常増殖を特徴とする状態が乾癬である、請求項34記載の方法。
【請求項36】
アナログまたはその薬学的に許容され得る塩が、薬学的に許容され得る担体中に存在する、請求項1記載の方法。
【請求項37】
ヒト副甲状腺ホルモンhPTHアナログであるシクロ(Glu22-Lys26)[Leu27]-hPTH-(l-31)-NH2またはその薬学的に許容され得る塩の治療有効量を個体に投与することを含む、皮膚細胞の異常増殖を特徴とする状態を、該状態のリスクがあるか、または該状態を有する個体において処置する方法。
【請求項38】
皮膚の異常増殖を特徴とする状態が乾癬である、請求項37記載の方法。
【請求項39】
アナログまたはその薬学的に許容され得る塩が、薬学的に許容され得る担体中に存在する、請求項37記載の方法。
【請求項40】
式Iのヒト副甲状腺ホルモン(hPTH)の環状アナログ:
RNH-W-Z-B (I)
(式中、Rは水素または直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、アシルもしくはアリール基であり; Wは、Ser-Val-Ser-Glu-Ile-Gln-Leu-Met-His-Asn-Leu-Gly-Lys-His-Leu-Asn-Ser-Met-Glu-Arg-Val-Glu-Trp-Leu-Arg-Lys-Lys-Leu-Gln-Asp-Val (配列番号:1)であり、該アナログ内に有する0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個のアミノ酸が配列番号:1の対応する位置のアミノ酸と異なり、Zは、His、His-Asn、His-Asn-Phe、His-Asn-Phe-Val (配列番号:5)、His-Asn-Phe-Val-Ala (配列番号:6)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu (配列番号:7)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly (配列番号:8)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala (配列番号:9)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro (配列番号:10)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu (配列番号:11)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu-Ala (配列番号:12)、His-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu-Ala-Pro (配列番号:13)およびHis-Asn-Phe-Val-Ala-Leu-Gly-Ala-Pro-Leu-Ala-Pro-Arg (配列番号:14)からなる群より選択され、BはORまたはNHRである)
またはその薬学的に許容され得る塩の治療有効量を個体に投与することを含む、皮膚細胞の異常増殖を特徴とする状態を、該状態のリスクがあるか、または該状態を有する個体において処置する方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−533596(P2007−533596A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519733(P2006−519733)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【国際出願番号】PCT/CA2004/001003
【国際公開番号】WO2005/007184
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(302046528)ナショナル・リサーチ・カウンシル・オブ・カナダ (15)
【Fターム(参考)】