説明

異常情報表示方法、異常情報出力装置、該装置を備えた設備機器、家庭用電気器具、情報処理装置、及び異常情報表示システム

【課題】小型サイズの表示手段により、多様な異常情報を一般の消費者に解りやすく、かつコストを大幅に引き上げることなく提供できるようにする。
【解決手段】異常情報出力装置100は、対象とする装置の異常を検出する異常検出手段101と、装置の異常情報を記憶する記憶手段105と、異常検手段101が検出した異常に対応する異常情報を記憶手段105から検索する検索手段106と、検索手段106により検索した異常情報からメッセージを作成するメッセージ作成手段102と、メッセージ作成手段102が作成したメッセージを変換して2次元コードを作成する2次元コード作成手段103とを有している。そして2次元コード作成手段103が作成した2次元コードを所定の表示手段104に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常情報表示方法、異常情報出力装置、該装置を備えた設備機器、家庭用電気器具、情報処理装置、及び異常情報表示システムに関し、より詳細には、装置の異常を検出してその異常情報を表示させることにより、ユーザに対して装置の異常を知らせるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の設備機器や家庭用電気機械器具、情報処理装置などにおいては、その装置が故障したえときに、装置の異常情報を報知するものが一般的である。例えば、装置が故障したときに、7セグメントLEDや液晶ディスプレイからなる表示手段に「EEE」などの異常を表す文字や番号を表示し、異常の発生を報知するものが知られている。
【0003】
このような装置の異常情報を報知する技術に関し、例えば特許文献1の電子レンジでは、赤外線温度センサを用いた調理モードが設定されているときに装置の異常が判定された場合には、調理の実行を中止するとともに故障報知処理を実行する。ここで、故障報知処理とは、表示部に「EEE」のようなエラー表示を行い、ブザーからエラー報知音を出力する処理である。
【0004】
また特許文献2の情報提供システム及び情報提供方法では、商品の故障が生じた場合、商品状態IDにエラー番号を含ませることにより、故障の原因を絞り込み、修理方法を適切に表示することが可能となる。
図6及び図7は、上記特許文献2に記載された図で、図6は、情報提供媒体に格納される商品状態情報の例を示す図で、図7は、端末装置における商品情報の表示例を示す図である。例えば、図6の商品状態IDは、ビデオ録画装置が再生中にエラー番号238の故障が発生した場合を示している。ここで商品IDと商品状態IDとを検索キーにして商品情報データベースを検索することにより、対応する商品情報(ここでは、修理の内容)を読み出し、図7の表示例に示されるように、端末装置の商品情報表示部に、商品のエラー番号238の修理方法を表示する。
【特許文献1】特開2005−351519号公報
【特許文献2】特開2004−310755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、装置の異常を表す文字や番号を表示して、当該装置の異常の発生を報知する技術が知られている。このときユーザが装置の異常の内容を確認するためには、装置の取扱説明書などから異常を表す文字や番号の意味を参照する必要があり、異常の内容を直接知ることができない。つまり、装置の異常時に異常を表す文字や番号を表示する方式を用いた装置の場合、一般の消費者にとっては異常の内容が判りにくいという課題がある。またこのときに、異常を表す文字や番号の種類には限りがあり、多様な異常情報を提供できないという課題がある。特許文献1の故障報知処理においても「EEE」などのエラー表示を行うため、同様の課題が生じる。
【0006】
この場合、単に文章を表示可能な程度にまで表示手段の性能を引き上げることで、上記問題を解決することは可能である。しかしながら、装置の異常内容を直接表示するためだけに、文章を表示可能な程度の性能を持つ表示手段を使用することは、コストの面から現実的ではない。
【0007】
また特許文献2では、商品IDと商品状態IDを検索キーにして、商品情報データベースから修理の内容を検索することにより、エラー番号に対応する修理方法を端末装置に表示することができる。しかし特許文献2では、商品情報データベースを必要とするため、ネットワークに接続できない環境では利用できないという制約がある。
【0008】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、小型サイズの表示手段により、多様な異常情報を一般の消費者に解りやすく、かつコストを大幅に引き上げることなく表示できるようにした異常情報出力方法、異常情報出力装置、該装置を備えた設備機器、家庭用電気器具、情報処理装置、及び異常情報表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、検出対象の装置の異常を検出する異常検出ステップと、検出した異常に対応する異常情報を記憶手段から検索する検索ステップと、検索した異常情報からメッセージを作成するメッセージ作成ステップと、作成したメッセージを変換して2次元コードを作成する2次元コード作成ステップと、作成した2次元コードを表示手段に出力して表示させるステップと、を含むことを特徴としたものである。
【0010】
請求項2の発明は、装置の異常を検出して異常情報を出力する異常情報出力装置であって、異常情報出力装置は、装置の異常を検出する異常検出手段と、装置の異常情報を記憶する記憶手段と、異常検出手段が検出した異常に対応する異常情報を記憶手段から検索する検索手段と、検索手段により検索した異常情報からメッセージを作成するメッセージ作成手段と、メッセージ作成手段が作成したメッセージを変換して2次元コードを作成する2次元コード作成手段とを有し、2次元コード作成手段が作成した2次元コードを出力し、所定の表示手段に表示させることを特徴としたものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明を備えた設備機器であって、設備機器は、異常情報出力装置によって設備機器の異常が検出されたときに、異常情報出力装置から出力された2次元コードを、設備機器が備える表示手段に表示することを特徴としたものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、設備機器は、ガスメータ、水道メータ、電力メータのいずれか1つであることを特徴としたものである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1の発明を備えた家庭用電気器具であって、家庭用電気器具は、異常情報出力装置によって家庭用電気器具の異常が検出されたときに、異常情報出力装置から出力された2次元コードを、家庭用電気器具が備える表示手段に表示することを特徴としたものである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1の発明を備えた情報処理装置であって、情報処理装置は、異常情報出力装置によって情報処理装置の異常が検出されたときに、異常情報出力装置から出力された2次元コードを、情報処理装置が備える表示手段に表示することを特徴としたものである。
【0015】
請求項7の発明は、請求項2〜6のいずれかの発明と、異常情報出力装置から出力された2次元コードを表示する表示手段と、表示手段に表示された2次元コードを読み取る2次元コード読取装置とを備えた異常情報表示システムであって、2次元コード読取装置は、メッセージを表示するメッセージ表示手段と、異常情報出力装置が表示する2次元コードを撮像する撮像手段と、2次元コードのコード情報に関連付けたメッセージ情報を記憶するメッセージ情報記憶手段と、撮像手段が撮像した画像から2次元コードを読み取って、2次元コードに関連付けたれたメッセージ情報をメッセージ情報記憶手段から抽出し、抽出したメッセージ情報をメッセージ表示手段に表示させる制御手段と、を有することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、小型サイズの表示手段により、多様な異常情報を一般の消費者に解りやすく、かつコストを大幅に引き上げることなく表示させることができる。
【0017】
特に本発明によれば、2次元コードを使用して異常情報を表示させることにより、異常メーセージを文字などにより表示する方式に比較して、多様な異常情報を小さな表示画面に表示させることができるようになり、表示手段のサイズを小型化することができる。またこれにより異常情報を表示させる装置を低コストで提供することができる。
【0018】
さらに本発明によれば、上記の異常情報出力装置を備えることにより、異常情報を小型表示画面で表示できるようにした設備機器、家庭用電気器具、及び情報処理装置を提供することができる。また設備機器としては、ガスメータ、水道メータ、電力メータなどを提供することができる。
【0019】
さらに本発明によれば、異常情報出力装置に表示させた2次元コードを撮像し、撮像した2次元コードに従って異常メッセージを表示させるメッセージ表示装置を備えたシステムとすることにより、ユーザは、異常情報出力装置に表示されている2次元コードから、異常情報の具体的内容を示すメッセージ情報を確認することができ、簡易な操作を行うだけで異常情報を確実に確認すことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明に係る異常情報出力装置の実施形態を説明するためのブロック図である。異常情報出力装置100は、異常情報を検出すべき装置に内蔵されて構成されるが、装置とは別体で構成されていてもよい。
異常情報出力装置100は、検出対象となる装置の異常を検出する異常検出手段101と、装置の異常情報を記憶する記憶手段105と、異常検出手段101が検出した異常に対応する異常情報を記憶手段105から検索する検索手段106と、検索手段106により検索した異常情報からメッセージを作成するメッセージ作成手段102と、メッセージ作成手段102が作成したメッセージを変換して2次元コードを作成する2次元コード作成手段103とを備えている。そして2次元コード作成手段103が作成した2次元コードを出力し、所定の表示手段104に表示させる。
また異常情報出力装置100は、上記2次元コード作成手段が作成した2次元コードを表示する表示手段104を含む構成であってもよい。
【0021】
異常検出手段101は、予め定められた装置の異常項目に関して、異常が発生しているか否かを検出するものである。異常検出は、その方式を限定することなく、電気的もしくは機械的に異常を検出する手段を適宜適用できる。例えば各種センサ類と、そのセンサ類の出力信号を解析するCPUなどの制御手段を適用することができる。
【0022】
記憶手段106には、予め装置の異常に関する異常情報を記憶しておく。ここでは、上記の異常検出手段101による異常検出結果に応じて、特定の異常情報を抽出できるようになっている。また異常情報は、メッセージ作成手段102によって所定のメッセージを作成できる情報である。
つまり異常検出手段101が装置の異常を検出すると、検索手段106が、その装置の異常に関する情報に基づいて記憶手段105を検索し、検出した異常に対応する異常情報を検索する。そして検索された異常情報に基づいて、メッセージ作成手段102がメッセージを作成する。
【0023】
メッセージ作成手段102により作成されるメッセージの例としては、漢字、平仮名、片仮名、アルファベット、数字、記号からなる文字メッセージがあげられる。例えばガスメータを装置に適用した場合の一例として、「電池残量が少なくなったためガスを遮断しました。」といった文字メッセージを適用することができる。
【0024】
2次元コード作成手段103は、メッセージ作成手段102により作成されたメッセージを変換し、2次元コードを作成する。そして作成された2次元コードは、表示手段104に出力され、表示手段104にて表示される。
表示手段104は、2次元コード作成手段103から出力された2次元コードを表示できる構成を持つものであればよく、例えばLCD(液晶ディスプレイ)を適用できる。また電子ペーパーなどであってもよい。ここでは表示手段104として、異常検出対象の装置が備えている表示手段を用いることができる。例えばガスメータなどの設備機器や家庭家電機器が備える情報表示用のLCDパネル、あるいはPCなどの情報処理装置が備えるLCDなどのディスプレイ装置などを適用することができる。
【0025】
図2は、本発明の異常情報出力装置で表示される2次元コードの一例を模式的に示す図である。上記の2次元コード作成手段103により作成された2次元コードは、例えば図2のような形態で作成され、表示手段104に表示される。2次元コードは、メッセージ作成手段102により作成されたメッセージを変換して作成されるため、メッセージに応じて異なるコードとなる。例えば図2(A)は、メッセージ“A”を表す2次元コードであり、図2(B)は、メッセージ“B”を表す2次元コードである。この2次元コードは、QRコード(登録商標)として作成することができる。またマイクロQRコードなどを適用してもよい。
【0026】
図3は、本発明の異常情報検出システムの一実施形態を説明するための図で、図3(A)は、本発明に係る異常情報検出装置を備えた装置の一例であるガスメータを示す図、図3(B)は、異常情報検出システムが備える2次元コード読取装置の一例である携帯端末装置を示す図、図3(C)は図3(B)の携帯端末装置を裏側から見た図である。
【0027】
図3に示すように、本例の異常情報検出システムは、異常情報検出装置を内蔵するガスメータ1と、ガスメータ1の表示部13に表示された2次元コード16を撮像するための撮像手段31を備えた携帯端末装置3とにより構成されている。また携帯端末装置3には、撮像手段31により撮像した2次元コード16に基づいて異常情報に関するメッセージを表示する表示手段32が設けられている。撮像手段31はCCDやCMOSカメラなどを適用でき、また表示手段32には小型のLCDパネルなどを適用することができる。
【0028】
この例では、携帯端末装置3として携帯電話を適用することができる。つまり一般的に普及している携帯電話に対して本発明に係る2次元コード読取装置の機能を付加することにより、ユーザは日常携行している携帯電話を用いて、簡単に装置の異常メッセージを確認することができるようになる。このとき、カメラ機能とQRコード読取機能とを備えた携帯電話であれば、好適に適用することができる。
勿論、2次元コード読取装置の実施形態は、上記のような携帯端末装置のみならず、専用の装置として構成してもよい。また撮像した2次元コードを通信回線を用いて所定の通信端末に送信し、その通信端末にて2次元コードを解析して、異常メッセージを表示させるような構成であってもよい。
【0029】
上記のような構成において、ガスメータ1は、異常検出装置の異常検出手段101により異常の検出を行う。ガスメータ1の異常としては、電池電圧の低下などがあげられる。そして異常検出手段101が異常を検出すると、検索手段106は、その異常に対応する異常情報を記憶手段105から検索する。そしてメッセージ作成手段102は、検索した異常情報からメッセージを作成する。作成されたメッセージは2次元コード作成手段103により2次元コードに変換され、ガスメータが備える表示部13に表示される。表示部13は、図1の表示手段104に該当するものである。
【0030】
ガスメータ1の表示部13に2次元コード16が表示されていることを視認したユーザは、携帯端末装置3の撮像手段31を用いて、表示部13に表示されている2次元コード16を撮像する。携帯端末装置3は、2次元コードに関連付けたメッセージ情報を記憶するメモリ(メッセージ情報記憶手段)と、撮像手段31が撮像した2次元コードを解析し、その2次元コードに関連付けられたメッセージ情報を上記のメモリから抽出し、表示手段32に表示させる制御手段とを有している。これにより、撮像した2次元コードに基づくメッセージ情報が表示手段32に表示される。
【0031】
携帯端末装置3の表示手段32に表示されるメッセージ情報は、2次元コードのコード情報に応じて予め定められた装置の異常内容を示すメッセージ情報である。特にここでは、異常情報出力装置のメッセージ作成手段102にて作成されたメッセージを復元するように予めメッセージ情報を設定しておくことができる。そしてユーザは、このメッセージ情報を確認することにより、ガスメータ1で発生した異常の内容を理解することができる。
【0032】
図4は、本発明による異常情報出力方法の処理例を示すフローチャートである。まず異常検出の対象とする装置の異常を検出する処理を行う(ステップS1)。そして装置の異常がなければ処理を終了し(ステップS2−No)、装置の異常があれば(ステップS2−Yes)、検出した異常に対応する異常情報を記憶手段から検索し、メッセージを作成する(ステップS3)。そして作成したメッセージを2次元コードに変換し(ステップS4)、得られた2次元コードを表示手段に表示させる(ステップS5)。
【0033】
図5は、本発明の異常情報検出装置を備えた設備機器の一例として、ガスメータの構成例を示すブロック図である。図5において、1はガスメータ、2は外部装置、10は制御部、11は計量部、12はセンサ部、13は表示部、14は遮断部、15は端子台、21は宅内操作器、22はNCU、23はガス洩れ警報器、24は外部1機器(外部端子1の機器)、25は外部2機器(外部端子2の機器)であり、10aはマイクロコンピュータ(マイコン)、10bはインタフェース、10cは電池、10dはテスト遮断スイッチ、10eは容器リセットスイッチ、11aは計量機能、12aは電圧検出センサ、12bは流量センサ、12cは圧力センサ、12dは感震器、13aは積算表示機能、13bはセキュリティ表示機能、13cはサブカウンタ表示機能、14aは双方向遮断弁、14bは遮断弁開スイッチである。
【0034】
ガスメータ1は、ガスメータ1における各種制御を行う制御部10、ガス流量を計量すする計量部11、センサ部12、表示部13、及び遮断部14を備え、さらに、外部装置2との接続を行う端子台15を備える。計量部11は、ガス流量に応じた回転体の回転数又は流体振動を出力する計量機能11aからなる。また、センサ部12は、ガス流量やセキュリティに関係する物理量を検出するセンサ類からなり、電池10cの電圧を検出する電圧検出センサ12a、計量機能11aの出力を検出する流量センサ12b、ガス圧力低下などガス圧力を検知する圧力センサ12c、地震波等の振動を検知する感震器12d等から構成されている。
【0035】
また、制御部10は、主として、取り込まれたセンサの信号を演算処理して処理データを収納し、表示部13に出力したり端子台15を介して外部に出力するもので、マイコン10a、インタフェース10b、電源となる電池10c、双方向遮断弁14aが正常に機能するかをテストするためのテスト遮断スイッチ10d、容器リセットスイッチ10e等から構成されている。
【0036】
また、表示部13は、制御部10により処理されたデータを所定のプログラムまたは外部からの指令に従って表示するLCD(液晶表示器)等の表示装置であり、ガス流量の積算表示機能13a,セキュリティ表示機能13b,サブカウンタ表示機能13c等をもっている。また、遮断部14は、センサ部12の信号による異常等が生じたとき、制御部10のマイコン10aからの命令により制御弁を遮断するもので、制御弁としての双方向遮断弁14a,遮断弁開スイッチ14b等とから構成されている。
【0037】
一方、外部装置2は、端子台15を介してガスメータ1の外部に接続される機器類であり、例えば、宅内でガスメータ1の操作を行う宅内操作器21、ガスメータ1との間で発呼,選択信号の送出,切断など電話交換網を制御するNCU22、ガスメータ1におけるガス洩れを警報するガス洩れ警報器23、及びハンディターミナルやPC(パーソナルコンピュータ)等、その他の外部機器(ここでは外部1機器24及び外部2機器25)が設けられている。
【0038】
上記のような構成のガスメータ1に、本発明の異常情報出力装置の機能を内蔵させることにより、異常情報出力装置を備えた設備機器の一実施形態を実現することができる。
ここで異常情報出力装置の異常検出手段は、各種センサ12a,12b,12c,12dと、それらの検出制御などを行うマイコン10aにより実現できる。
【0039】
例えば異常を検出すべき項目としては、電圧検出センサ12aによる電池10cの電圧低下検知、圧力センサ12cによる圧力低下検知、感震器12dによる地震検知、ガス漏れ警報器23による警報検知、及び外部2機器25等に接続された第二警報器による警報検知などがあげられる。また流量センサ12bにより検知されるガスの流量異常として、復帰安全確認中の漏洩検知、合計流量が閾値を越えたことの検知、増加流量が閾値を越えたことの検知、継続使用時間が閾値を越えたことの検知、それらの検知によって行われるべき遮断が行われなかったことの異常検知などがあげられる。
【0040】
異常検出手段により、これらの異常項目のいずれかにおいて異常が検知された場合、制御部10では、その異常に対応する異常情報をメモリから検索する。メモリには、予めガスメータの異常に対応するメッセージ情報が記憶されている。そして制御部10は、検索した異常情報からメッセージを作成し、作成したメッセージを2次元コードに変換して、ガスメータが備える表示部13に表示する。
つまりガスメータ1の制御部10により、異常情報出力装置の検索手段、記憶手段、メッセージ作成手段、及び2次元コード作成手段の機能が実現される。これら検索手段、メッセージ作成手段、2次元コード作成手段の処理は、マイコン10aのメモリに記憶した所定のプログラムによって実行される。また記憶手段は、マイコン10aが備えるメモリや制御部10からアクセス可能な図示しないメモリ等により実現される。
【0041】
本発明の異常情報出力装置を備えた設備機器としては、上記のようなガスメータのみならず、水道メータ、電力メータなどの計量機器を適用することができる。またこれらに限定することなく、機器の異常を検出して異常情報を出力する異常情報出力装置を備えることができる機器であれば、各種の設備機器に本発明を適用することができる。
【0042】
さらに本発明は、各種の家庭用電気器具、及び各種の情報処理装置に適用することができる。これら家庭用電気器具や情報処理装置において、その異常を検出し、検出した異常に基づいて記憶手段から異常情報を検索し、検索した異常情報からメッセージを作成し、そのメッセージを2次元コードに変換して表示手段に表示させることにより、上述した実施形態と同様の機能を実現させることができる。この場合にも2次元コードを表示させる表示手段には、家庭用電気器具や情報処理装置が本来備えている表示手段を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る異常情報出力装置の実施形態を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の異常情報出力装置で表示される2次元コードの一例を模式的に示す図である。
【図3】本発明の異常情報検出システムの一実施形態を説明するための図である。
【図4】本発明による異常情報出力方法の処理例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の異常情報検出装置を備えた設備機器の一例として、ガスメータの構成例を示すブロック図である。
【図6】特許文献2に記載された情報提供媒体に格納される商品状態情報の例を示す図である。
【図7】特許文献2に記載された端末装置における商品情報の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1…ガスメータ、2…外部装置、3…携帯端末装置、10…制御部、10a…マイコン、10b…インタフェース、10c…電池、10d…テスト遮断スイッチ、10e…容器リセットスイッチ、11…計量部、11a…計量機能、12…センサ部、12a…電圧検出センサ、12b…流量センサ、12c…圧力センサ、12d…感震器、13…表示部、13a…積算表示機能、13b…セキュリティ表示機能、13c…サブカウンタ表示機能、14…遮断部、14a…双方向遮断弁、14b…遮断弁開スイッチ、15…端子台、16…2次元コード、21…宅内操作器、22…NCU、23…警報器、24…外部1機器、25…外部2機器、31…撮像手段、32…表示手段、100…異常情報出力装置、101…異常検出手段、102…メッセージ作成手段、103…次元コード作成手段、104…表示手段、105…記憶手段、106…検索手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象の装置の異常を検出する異常検出ステップと、
検出した異常に対応する異常情報を記憶手段から検索する検索ステップと、
検索した前記異常情報からメッセージを作成するメッセージ作成ステップと、
作成した前記メッセージを変換して2次元コードを作成する2次元コード作成ステップと、
作成した前記2次元コードを表示手段に出力して表示させるステップと、を含むことを特徴とする異常情報の出力方法。
【請求項2】
装置の異常を検出して異常情報を出力する異常情報出力装置であって、
該異常情報出力装置は、前記装置の異常を検出する異常検出手段と、
前記装置の異常情報を記憶する記憶手段と、
前記異常検出手段が検出した異常に対応する異常情報を前記記憶手段から検索する検索手段と、
該検索手段により検索した異常情報からメッセージを作成するメッセージ作成手段と、
該メッセージ作成手段が作成したメッセージを変換して2次元コードを作成する2次元コード作成手段とを有し、
該2次元コード作成手段が作成した2次元コードを出力し、所定の表示手段に表示させることを特徴とする異常情報出力装置。
【請求項3】
請求項1に記載の異常情報出力装置を備えた設備機器であって、該設備機器は、前記異常情報出力装置によって前記設備機器の異常が検出されたときに、前記異常情報出力装置から出力された前記2次元コードを、前記設備機器が備える表示手段に表示することを特徴とする設備機器。
【請求項4】
請求項3に記載の設備機器において、該設備機器は、ガスメータ、水道メータ、電力メータのいずれか1つであることを特徴とする設備機器。
【請求項5】
請求項1に記載の異常情報出力装置を備えた家庭用電気器具であって、該家庭用電気器具は、前記異常情報出力装置によって該家庭用電気器具の異常が検出されたときに、前記異常情報出力装置から出力された前記2次元コードを、前記家庭用電気器具が備える表示手段に表示することを特徴とする家庭用電気器具。
【請求項6】
請求項1に記載の異常情報出力装置を備えた情報処理装置であって、該情報処理装置は、前記異常情報出力装置によって該情報処理装置の異常が検出されたときに、前記異常情報出力装置から出力された前記2次元コードを、前記情報処理装置が備える表示手段に表示することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか1に記載の異常情報出力装置と、該異常情報出力装置から出力された2次元コードを表示する表示手段と、該表示手段に表示された2次元コードを読み取る2次元コード読取装置とを備えた異常情報表示システムであって、
前記2次元コード読取装置は、メッセージを表示するメッセージ表示手段と、
前記異常情報出力装置が表示する2次元コードを撮像する撮像手段と、
2次元コードのコード情報に関連付けたメッセージ情報を記憶するメッセージ情報記憶手段と、
該撮像手段が撮像した画像から2次元コードを読み取って、該2次元コードに関連付けたれたメッセージ情報を前記メッセージ情報記憶手段から抽出し、抽出したメッセージ情報を前記メッセージ表示手段に表示させる制御手段と、を有することを特徴とする異常情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−19951(P2009−19951A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181854(P2007−181854)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】