異常検出機能を有する気泡発生浴槽
【発明の詳細な説明】
(イ)産業上の利用分野 本発明は、異常検出機能を有する気泡発生浴槽に関するものである。
(ロ)従来の技術 従来、浴槽本体と同浴槽本体の外部に設置した循環ポンプとの間に、浴湯吸込パイプと浴湯強送パイプとよりなる浴湯循環流路を介設し、浴湯強送パイプの中途に空気取入部を設け、浴槽内に気泡混じり浴湯を噴出させるようにした気泡発生浴槽がある。
(ハ)発明が解決しようとする課題 ところが、循環ポンプを駆動するモータは、浴槽近傍の高湿度雰囲気中に配設されているため、絶縁不良を起こしたり、循環ポンプと同モータ間のシールが潤滑不良を起こして焼き付いたり、ベアリングが錆び付いたりなどの故障が起こりやすく、また、高湿度等が原因で制御装置が故障して、上記モータを過回転させたりすることがあり、かかる状態を放置すると、重大な故障にまで発達するばかりでなく、モータが過熱して火災が発生することがあるという危険性があった。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は、浴槽本体と、循環ポンプと、浴湯吸込流路と浴湯強送流路とからなる浴湯循環流路と、浴槽本体に設けた噴出ノズルと、浴湯強送流路に設けた圧力検出センサとを具備し、循環ポンプ起動時に圧力検出センサの検出値と予め設定した一定値との偏差が一定範囲を越えた場合には、循環ポンプの運転を停止させるとともに報知することを特徴とする異常検出機能を有する気泡発生浴槽に係るものである。
(ホ)実施例 以下本発明に係る気泡発生浴槽を添付図面に基づいて詳説する。
まず、本発明に係る気泡発生浴槽の全体的構成について説明する。
第1図及び第2図に示す(A)は、本発明に係る気泡発生浴槽であり、同気泡発生浴槽(A)は、上面開口の箱型に形成した浴槽本体(1)の前後壁及び左右側壁に、それぞれ足側・背側・腹側噴出ノズル(2)(2)(3)(3)(4)(4)を合計六個設けている。
そして、同浴槽本体(1)は、周縁に一定幅の鍔状の縁部(1a)を形成し、同縁部(1a)に空気取入部(5)を設け、左右側壁の略中央部に、横断面略V字状の縦長凹部(1b)(1b)を形成し、同凹部(1b)(1b)の後壁(背側)に面する側の傾斜面(1′b)に、上記腹側噴出ノズル(4)(4)を後壁の中央部に向けて取付けている。
また、かかる気泡発生浴槽(A)の外部にはポンプ保護ケース(9)を配設しており、同ケース(9)内には、浴湯を循環させる循環ポンプ(P)と、同ポンプ(P)により循環される浴湯を濾過する濾過機(43)と、同ポンプ(P)を駆動させるポンプ駆動用モーター(M)と、同モーター(M)や後述するノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)、気泡量調節用弁体駆動用モーター(M2)及び電動三方弁(45)の駆動を制御する制御部(C)とを設けている。
また、上記循環ポンプ(P)と気泡発生浴槽(A)との間には、浴湯循環流路(D)を介在させている。
すなわち、浴湯循環流路(D)は、気泡発生浴槽(A)から循環ポンプ(P)へ浴湯を送るための浴湯吸込パイプ(10)と、同循環ポンプ(P)から、同浴槽(A)へ浴湯を送るための浴湯強送パイプ(11)とより構成している。
そして、同浴湯吸込パイプ(10)は、浴槽本体(1)の下部に一端を開口し、循環ポンプ(P)の吸水口に他端を連通して同循環ポンプ(P)に浴湯を吸込むようにする一方、浴湯強送パイプ(11)は、循環パイプ(P)の吐水口に一端を連通し、前記噴出ノズル(2)(3)(4)にそれぞれ他端を連通連結している。
また、第1図中、(7)は電源に接続したコンセント、(30b)は後述するリモートコントローラ(30)から発信される赤外線を受信する赤外線受信センサ、(30c)は同赤外線受信センサに設けた受信表示ランプである。
また、循環ポンプ(P)には、第3図に示すように、同循環ポンプ(P)の回転数を検出する回転数検出センサ(6)を取付け、同センサ(6)からの検出結果を、後述する制御部(C)に送り、同制御部(C)により、循環ポンプ(P)の回転数を制御するようにしている。
また、浴湯強送パイプ(11)の中途部に、第3図に示すように、同パイプ(11)内を圧送される浴湯の圧力を検出する圧力検出センサ(48)を取付け、同センサ(48)からの検出結果を、後述する制御部(C)に入力し、同制御部(C)により浴槽本体(1)内の水位を検出すると共に、循環ポンプ(P)から吐出される浴湯の異常圧力を検出するようにしている。
圧力検出センサ(48)は、第4図に示すように、センサケース(48a)中に半導体素材よりなるダイヤフラム(48b)を張設し、同ダイヤフラム(48b)の一面を浴湯強送パイプ(11)に連通させて同パイプ(11)中の圧力を受圧させてダイヤフラム(48b)に歪みを発生させるようにしている。
ダイヤフラム(48b)は不純物を拡散した半導体を素材とし、第5図で示すように、同ダイヤフラム(48b)には歪みによって異なった抵抗値を示す4個のストレンゲージ(48c)よりなるブリッジ(48d)が構成されている。
したがって、ブリッジ(48d)に一定の電流を流しておくと、圧力の変動でダイヤフラム(48b)が歪み、ストレンゲージ(48c)の抵抗値が変化すると、同ブリッジ(48d)の出力電圧が変化することになり、この出力電圧から逆算して圧力を検出することができる。
なお、4個のストレンゲージ(48c)をホイートストンブリッジ接続したことで、出力電圧を大きくしている。
図中(48e)はダイヤフラム(48b)上に作り付けた温度補償用の厚膜抵抗である。
(48f)は定電圧回路であり、(48g)は定電圧回路(48f)の一定電圧を利用してブリッジ(48d)に一定電流を流すようにした電圧−電流変換回路、(48h)はブリッジ(48d)の出力電圧を一定の増幅率で増幅する差動増幅器、(48i)は出力端子(48j)に接続する制御装置(C)とのレベルを合わせる為の増幅器である。
かかる圧力検出センサ(48)の出力をAD変換して、後述の制御部(C)に入力することにより、極めて多くの段階(実用上、連続量と見なすことができる程度)に上記圧力を検知することができ、浴槽本体(1)内の水位と、循環ポンプ(P)の吐出圧とを検出するようにしている。
すなわち、循環ポンプ(P)を停止させているときは、圧力検出センサ(48)が検出した圧力は、浴槽本体(1)中の浴湯の水位のヘッドを示すものであり、循環ポンプ(P)が作動しているときは、圧力検出センサ(48)が検出した圧力は、上記の水位のヘッドと循環ポンプ(P)の吐出ヘッドの和を示しているが、循環ポンプ(P)の吐出ヘッドと水位のヘッドとの差が極めて大きいので、実用上循環ポンプ(P)の吐出ヘッドと見做しても差し支えない。
上記のように、本圧力検知センサ(48)は無接点であり、従来のスイッチ型圧力センサでは不可避であった接点腐蝕、接点開閉のヒステリシス、板バネのへたり等の不具合原因が無くなり、寿命が長く、正確かつ安定した圧力検出を行うことができる。
噴出ノズル(2)(3)(4)は、それぞれ浴湯の噴出量及び噴出圧を変更可能に構成した自動可変噴出ノズルを使用しており、各噴出ノズル(2)(3)(4)は同一構成であるから、足側噴出ノズル(2)を例にとり、第6図を参照して説明する。
足側噴出ノズル(2)は、浴槽本体(1)の足側噴出ノズル接続口(1g)に連通連結した筒状のノズル本体(20)と、同ノズル本体(20)内の前部に嵌入した弁座形成筒体(21)と、同弁座形成筒体(21)の後部に形成した弁座(21a)に後方より接離する噴出量調節用弁体(22)と、同噴出量調節用弁体(22)を着脱自在に支持しかつ進退作動させるノズル用弁体進退駆動モーター(M1)と、上記弁座形成筒体(21)の前方に首振り自在に支持させたスロート(24)とで構成されている。
ノズル本体(20)は、前端部外周面にガスケット(1h)を介して螺着した取付ネジ(1i)により浴槽本体(1)の壁面に着脱自在に固定されており、同ノズル本体(20)の中央周壁に、一端を前記空気取入部(5)に連通連結した吸気パイプ(12)の他端を連通連結し、ノズル本体(20)の後部周壁には、浴湯強送パイプ(11)を連通連結している。
また、ノズル本体(20)の前端縁には、前部を外側方に折返した筒状の化粧カバー(26)を嵌入装着している。
弁座形成筒体(21)は、ノズル本体(20)の内部において後端面を前記強送パイプ連結部(20c)の近傍に位置させている。
また、弁座形成筒体(21)の前部内周面に、略凹状球面のスロート支持面(21c)を形成して、基部の外周面を球面状に形成したスロート(24)を首振り自在に嵌着している。(25)はスロート固定部材である。
弁座形成筒体(21)の後端部中央には、弁座(21a)を形成し、同弁座(21a)に噴出量調節用弁体(22)を接離させて、同噴出量調節用弁体(22)より浴湯流通路(27)の開閉量(噴出量と噴出圧を調節する)を調節可能に構成している。
ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)は、ノズル本体(20)の後壁(20g)に取付けられており、モーターケーシング(23)内に設けたコイル(23a)と永久磁石を配設したアーマチュア(23b)とで、ステッピング動作を行うように構成されており、同モーター(M1)ま回転軸を中空軸に形成し、その内部にボールスクリュー(23c)を構成して、同モーター(M1)の回転運動を軸方向の直線運動に変換し、弁体支持ロッド(23d)を介して、噴出量調節用弁体(22)をを進退作動させるようにしている。
(23g)は上記弁体支持ロッド(23d)がボールスクリュー(23c)とつれまわりするのを防止する回転規制片、(22e)は噴出量調節用弁体(22)の後端周縁に、同弁体(22)と一体形成したポリテトラフルオロエチレン又はナイロン11等の合成樹脂素材よりなる蛇腹状の防水カバーである。
更に、ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)には、弁体支持ロッド(23d)の後端に取付けたマグネット(23j)とホール素子(23i)よりなる弁体基準位置検出センサ(23f)を配設しており、弁体支持ロッド(23d)の進退作動に応じて変化するホール素子(23i)を通過する磁束密度の変化を電気的変化に変換して制御部(C)に入力し、噴出量調節用弁体(22)の基準位置からの偏差を検出するようにしている。
次に、空気取入部(5)について説明する。
空気取入部(5)は、第7図、第8図に示すように、浴槽本体(1)の縁部(1a)に空気取入部取付口(1f)を開口して上面開口の矩形箱型の空気取入部本体(80)を嵌入し、同空気取入部本体(80)の上面開口部を蓋体(82)により被覆し、同蓋体(82)の外側にのみ形成された空気取入口(82a)を介して外気と空気取入部本体(80)内とを連通させている。
そして、空気取入部本体(80)の底面中央部には、吸気パイプ連結部(83)を設けて、同連結部(83)の前後壁にそれぞれ吸気パイプ(12)(12)の一端を連通連結し、空気取入部本体(80)内に取入れた空気を、各吸気パイプ(12)(12)を介して各噴出ノズル(2)(3)(4)へ供給するようにしている。
また、空気取入部本体(80)内には、プラスチック多孔質焼結体(例えば、ポリエチレン焼結体、ポリプロピレン焼結体)等の吸音機能と空気清浄機能とを具備する吸音材により円筒状に形成されたサイレンサ(92)を複数個配設している。
吸気パイプ連結部(83)内には、同連結部(83)と取入部本体(80)との連通路(86)を開閉するための気泡量調節弁(87)を設けており、同気泡量調節弁(87)は、上端縁を取入部本体(80)の底部に連通開口した円筒状の弁本体(88)と、同弁本体(88)に取付けた前記ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)と同一構成の気泡量調節弁体駆動用モーター(M2)と、同モーター(M2)に取付けた弁体支持ロッド(89)と、同ロッド(89)の先端に取付けられ、弁本体(88)の上端縁に形成した弁座(88b)に接離自在とした弁体(90)とで構成されている。
上記気泡量調節弁体駆動用モーター(M2)には、前記弁体位置検出センサ(23f)と同一構成の弁位置検出センサ(91)を配設している。
第7図中、(84)はリアクタンス形のサイレンサ、(85)は吸気パイプ(12)中に浴湯が逆流するのを防止するための逆止弁である。
次に、循環ポンプ(P)について説明する。
循環ポンプ(P)は、第9図に示すように、ポンプケーシング(32)内に、上段インペラー室(33)と下段インペラー室(34)とを、相互に連通流路(32d)を介し連通させて形成し、下段インペラー室(34)を、ポンプケーシング(32)の下部一側に設けた浴湯吸込路(32a)を介して浴湯吸込パイプ(10)と連通させると共に、ポンプケーシング(32)の下部他側に設けた浴湯強送路(32b)を介して浴湯強送パイプ(11)と連通させ、上段インペラー室(33)の一側に設けた濾過強送路の(32c)を介して、後述する濾過機(43)の引込みパイプ(41)の一端と連通させている。(32e)は吸水口、(32f)は下段吐水口、(32g)は上段吐水口、(z1)は循環流れ方向、(z2)は濾過流れ方向を示している。
そして、上下段インペラー室(33)(34)内の中央部を上下に貫通する状態にインペラー軸(35)を軸架し、同インペラー軸(35)に上段インペラー(32f)と下段インペラー(34a)とをそれぞれ上下段インペラー室(33)(34)内で同軸的に取付け、インペラー軸(35)をポンプケーシング(32)上に一体的かつ水密状態に載設したポンプ駆動用モーター(M)の駆動軸(39)に連動連設している。
ポンプ駆動用モーター(M)は、インバータ制御の全閉外扇型誘導モータであり、駆動軸(39)に制御部(C)と接続した回転数検出センサ(6)を配設している。
(36)はインペラー軸(35)に取付けたシール材である。
かかる構成により、上下段インペラー(33a)(34a)を回転させると、浴湯は浴湯吸込パイプ(10)→吸水口(32e)→浴湯吸込路(32a)→下段インペラー室(34)→浴湯強送路(32b)→下段吐水口(33a)→浴湯強送パイプ(11)を経て浴槽本体(1)内に強送される。
また、循環ポンプ(P)の上段インペラー室(33)には、第9図に示すように、引込みパイプ(41)と戻しパイプ(42)を介して濾過機(43)を連通連結しており、上段インペラー室(33)の上段吐水口(32g)に連通連結した引込みパイプ(41)中を通して、下段インペラー室(34)内に吸込んだ浴湯の一部を濾過機(43)に送り、同濾過機(43)により濾過した浴湯を戻しパイプ(42)中を通して浴湯強送パイプ(11)中へ送り、下段インペラー室(34)の下段吐水口(32f)より浴湯強送パイプ(11)中へ強送される浴湯に合流させるようにしている。
なお、(39a)はアーマチュア、(39b)はフィルドコイル、(39c)は冷却用ファンである。
次に、濾過機の構成について説明する。
濾過機(43)は、第10図に示すように、濾過機本体(43a)内下部にアクリルメッシュ(43b)を張設し、同メッシュ(43b)上に粒状の濾過材(43c)を載置して、浴湯を濾過機本体(43a)の上方より下方へ向けて濾過材(43c)中を通過させることにより、浴湯を濾過することができるようにしている。(43d)は浴湯濾過時に粒状の濾過材(43c)の上面が洗堀されるのを防止すると共に、後述する逆流洗浄時に粒状の濾過材(43c)が流出するのを防止するためのバッフルである。
かかる濾過機本体(43a)の上端に引込みパイプ(41)の一端を連通連結し、同濾過機本体(43a)の下端に戻しパイプ(42)の一端を連通連結し、引込みパイプ(41)の中途部に、電動三方弁(45)を設けて、同電動三方弁(45)の一端に排水パイプ(46)を接続し、電動三方弁(45)を介して引込みパイプ(41)と排水パイプ(46)とを連通可能にしている。
そして、電動三方弁(45)を、排水パイプ(46)が閉塞し、かつ、引込みパイプ(41)が流通する状態にセットしたとき浴湯の一部は、前記循環ポンプ(P)の下段インペラー室(34)→連通流路(32d)→上段インペラー室(33)→濾過強送路(32c)→上段吐水口(32g)→引込みパイプ(41)を経由して濾過機(43)に送られて濾過され、戻しパイプ(42)を通って、浴湯強送パイプ(11)を経て浴槽本体(1)内に強送される浴湯に合流する。
また、電動三方弁(45)を切換えて、上流側の引込みパイプ(41)を閉塞し、かつ、上流側の引込みパイプ(41)と排水パイプ(46)とを連通状態とした時には、浴湯強送パイプ(11)中の浴湯の一部が戻しパイプ(42)中をを通り、濾過機本体(43a)の下方から上方へ向って濾過材(43c)中を通過し、同濾過材(43c)の逆流洗浄を行なうことができるようにしている。
なお、上記電動三方弁(45)の切換操作は、後述するリモートコントローラ(30)により行なうことができるようにしている。
次に制御部(C)について説明する。
制御部(C)は、第3図に示すようにマイクロプロセッサ(MPU)と、入出力インターフェース(50)(51)と、ROMとRAMとからなるメモリ(52)と、タイマー(53)とで構成されている。
入力インターフェース(50)には、前記の回転数検出センサ(6)、弁体位置検出センサ(23f)、弁位置検出センサ(91)、浴湯強送パイプ(11)内の水圧を検出する圧力検出センサ(48)、赤外線受信センサ(30b)、浴槽本体(1)内の浴湯の温度を検出する浴湯温度検出センサ(T)及び流量センサ(F)を接続している。
出力インタフェース(51)には、インバータ(I)、ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)、気泡量調節用弁体駆動用モーター(M2)、電動三方弁(45)及び赤外線受信センサ(30b)に設けた警報ランプ(F1)を接続している。
また、メモリ(52)には、上記した各センサからの出力信号や、リモートコントローラ(30)からの信号に基づいて、各モーター(M)(M1)(M2)及び電動三方弁(45)等の駆動部を制御するための制御プログラムを記憶させている。
特に、循環ポンプ(P)回転数の制御は、交流電源(S)の周波数を、制御部(C)で制御されたインバータ(I)により周波数変換してポンプ駆動用モーター(M)に供給することによって行なうようにしている。
次に、制御部(C)と使用者とを仲介するためのリモートコントローラ(30)について説明する。
リモートコントローラ(30)は、第11図に示すように、ON・OFFスイッチ(60)と、お好み噴流モードスイッチであるマイルドブロースイッチ(61)、指圧ブロースイッチ(62)、パルスブロースイッチ(63)、マッサージブロースイッチ(64)ウェーブブロースイッチ(65)及びエアパルスブロースイッチ(79)と、気泡量増大・減少スイッチ(66)(67)と、浴湯噴出強弱側スイッチ(68)(69)と、周期増大減少スイッチ(70)(71)と、お好み噴出ノズル使用パターンの切替スイッチである噴出ノズル全部使用パターンスイッチ(72)、循環使用パターンスイッチ(73)、背側噴出ノズル使用パターンスイッチ(74)、足側噴出ノズル使用パターンスイッチ(75)、及び腹側噴出ノズル使用パターンスイッチ(76)と、濾過機洗浄スイッチ(77)とを配設している。
そして、ON・OFFスイッチ(60)をONすることにより、制御部(C)が起動し、まず、循環ポンプ(P)の回転数と各噴射ノズルの弁開度を、予め設定したプリセット値に制御された状態で気泡発生浴槽(A)の運転が開始する。
そして、このときの圧力検出センサ(48)の検出値と、予めマイクロプロセッサ(MPU)に記憶させておいた正常な値との偏差が一定範囲を超えた時には、循環ポンプ(P)若しくは噴射ノズル(2)(3)(4)のいずれかに異常があるものと判断して、直ちに循環ポンプ(P)を停止させると共に、警報ランプ(F1)を点灯してこの旨を使用者に報知するようにしている。
したがって、各部の故障が軽微な内に発見され、循環ポンプ(P)の運転が停止するので、重大な故障に発達することが防止され、また、これに伴う危険性も防止される。特に、循環ポンプ(P)の吐出側となる浴湯強送パイプ(11)に圧力検出センサ(48)を設けているので、浴湯強送パイプ(11)の詰まり等も確実に検出することができる。
また、(78)は電源ランプ、(60a)は運転表示ランプ(61a)(62a)(63a)(64a)(65a)(79a)は各モードスイッチ表示ランプ、(66a)(67a)は気泡量設定ランプ、(68a)(69a)は浴湯噴出強弱設定ランプ、(70a)(71a)は浴湯噴出周期設定ランプ、(72a)(73a)(74a)(75a)(76a)は噴出ノズル使用パターン設定ランプ、及び(77a)は濾過機洗浄スイッチ表示ランプである。
また、かかるリモートコントローラ(30)は、第11図に示すように、前端部に赤外線信号発信部(30a)を具備し、各スイッチ操作により、あらかじめ設定したマルチフリケンシートーンモジュレーションシステム(MFTM)にもとづき、各スイッチの操作に応じて変調された赤外線信号が赤外線信号発信部(30a)から発信され、同赤外線が浴室内に設置した赤外線受信センサ(30b)(第1図参照)により受信され、制御部(C)の入力インターフェース(50)に送られて、メモリ(52)から読み出された制御プログラムに基づいて所望の駆動装置を駆動するようにしている。
しかも、上記リモートコントローラ(30)は、浴湯面に浮上可能に構成し、入浴者が入浴状態で操作できるようにしている。
また、赤外線受信センサ(30b)と空気取入部(5)とを一体的に構成することもできる。
上記構成により、気泡発生浴槽(A)は、浴湯面上で操作可能のリモートコントローラ(30)によって、制御部(C)を介し循環ポンプ(P)の回転数、各噴出ノズル(2)(3)(4)に設けた噴出量調節用弁体(22)の開閉量と開閉速度、及び空気取入部(5)に設けた気泡量調節弁(5d)の開閉量と開閉速度の調節、電動三方弁(45)の切替作動を行なうことができ、上記循環ポンプ(P)の回転数の調節、噴出量調節用弁体(22)の開閉量と開閉速度の調節、及び気泡量調節弁(5d)の開閉速度の調節、及びこれらの組合せにより、各噴出ノズルから噴出する浴湯の噴出量、噴出圧、混入する気泡量に差異を設けた6種類の噴流モード(マイルドブロー、指圧ブロー、パルスブロー、マッサージブロー、ウェーブブロー及びエアパルスブロー)を設定することができ、各噴流モードをリモートコントローラ(30)に設けたお好み噴流モードスイッチ(61)〜(65)のON・OFF操作により選択することができるようにしている。
しかも、各モードについて、気泡量増大・減少スイッチ(66)(67)と、浴湯噴出強・弱側スイッチ(68)(69)と、周期増大・減少スイッチ(70)(71)とをそれぞれON・OFF操作することにより、気泡量の増減調節と、噴出浴湯の強弱調節と、噴出浴湯の周期の増減調節を行なうことができるようにしている。
さらに、お好み噴出ノズル使用パターンへの各切替えスイッチ(72)〜(76)をON・OFF操作することにより、上記噴流モードを適用する6個の噴出ノズルの使用パターンを選択することができるようにしている。
また、濾過機洗浄スイッチ(77)をON操作することにより、電動三方弁(45)を切換作動させて、濾過機(43)の逆流洗浄をすることができるようにしている。
上記のように、循環ポンプ(P)の運転を開始した直後の圧力検出センサ(48)の検出値と、予めマイクロプロセッサ(MPU)に記憶させておいた正常な値との偏差が一定範囲を超えた時には、循環ポンプ(P)若しくは噴射ノズル(2)(3)(4)のいずれかに異常があるものと判断して、直ちに循環ポンプ(P)を停止させると共に、警報ランプ(F1)を点灯してこの旨を使用者に報知するようにしている。
したがって、各部の故障が軽微な内に発見され、循環ポンプ(P)の運転が停止するので、重大な故障に発達することが防止され、また、これに伴う危険性も防止される。
(ヘ)効果 本発明では、浴槽本体と、循環ポンプと、浴湯吸込流路と浴湯強送流路とからなる浴湯循環流路と、浴槽本体に設けた噴出ノズルと、浴湯強送流路に設けた圧力検出センサとを具備し、循環ポンプ起動時に圧力検出センサの検出値と予め設定した一定値との偏差が一定範囲を越えた場合には、循環ポンプの運転を停止させるとともに報知するようにしたので、各駆動部の故障が軽微な内に発見されて重大な故障に発展するのを防止でき、また、これに伴う危険性も防止できるという効果がある。
また、循環ポンプの吐出側となる浴湯強送流路に圧力検出センサを設けているので、浴湯強送流路の詰まり等を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による気泡発生浴槽の斜視図。
第2図は、同気泡発生浴槽の平面図。
第3図は、同気泡発生浴槽の概念的構成説明図。
第4図は、圧力検出センサの断面説明図。
第5図は、同センサの構成を示すブロック図。
第6図は、噴出ノズルの拡大断面図。
第7図は、空気取入部の拡大断面図。
第8図は、吸気パイプの配管図。
第9図は、ポンプ駆動用モーターと循環ポンプの一部切欠正面図。
第10図は、濾過機の断面図。
第11図は、リモートコントローラの平面図。
(A):気泡発生浴槽
(P):循環ポンプ
(C):制御部
(D):浴湯循環流路
(F1):警報ランプ
(1):浴槽本体
(2):足側噴出ノズル
(3):背側噴出ノズル
(4):腹側噴出ノズル
(10):浴湯吸込パイプ
(11):浴湯強送パイプ
(43):濾過機
(48):圧力検出センサ
(イ)産業上の利用分野 本発明は、異常検出機能を有する気泡発生浴槽に関するものである。
(ロ)従来の技術 従来、浴槽本体と同浴槽本体の外部に設置した循環ポンプとの間に、浴湯吸込パイプと浴湯強送パイプとよりなる浴湯循環流路を介設し、浴湯強送パイプの中途に空気取入部を設け、浴槽内に気泡混じり浴湯を噴出させるようにした気泡発生浴槽がある。
(ハ)発明が解決しようとする課題 ところが、循環ポンプを駆動するモータは、浴槽近傍の高湿度雰囲気中に配設されているため、絶縁不良を起こしたり、循環ポンプと同モータ間のシールが潤滑不良を起こして焼き付いたり、ベアリングが錆び付いたりなどの故障が起こりやすく、また、高湿度等が原因で制御装置が故障して、上記モータを過回転させたりすることがあり、かかる状態を放置すると、重大な故障にまで発達するばかりでなく、モータが過熱して火災が発生することがあるという危険性があった。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は、浴槽本体と、循環ポンプと、浴湯吸込流路と浴湯強送流路とからなる浴湯循環流路と、浴槽本体に設けた噴出ノズルと、浴湯強送流路に設けた圧力検出センサとを具備し、循環ポンプ起動時に圧力検出センサの検出値と予め設定した一定値との偏差が一定範囲を越えた場合には、循環ポンプの運転を停止させるとともに報知することを特徴とする異常検出機能を有する気泡発生浴槽に係るものである。
(ホ)実施例 以下本発明に係る気泡発生浴槽を添付図面に基づいて詳説する。
まず、本発明に係る気泡発生浴槽の全体的構成について説明する。
第1図及び第2図に示す(A)は、本発明に係る気泡発生浴槽であり、同気泡発生浴槽(A)は、上面開口の箱型に形成した浴槽本体(1)の前後壁及び左右側壁に、それぞれ足側・背側・腹側噴出ノズル(2)(2)(3)(3)(4)(4)を合計六個設けている。
そして、同浴槽本体(1)は、周縁に一定幅の鍔状の縁部(1a)を形成し、同縁部(1a)に空気取入部(5)を設け、左右側壁の略中央部に、横断面略V字状の縦長凹部(1b)(1b)を形成し、同凹部(1b)(1b)の後壁(背側)に面する側の傾斜面(1′b)に、上記腹側噴出ノズル(4)(4)を後壁の中央部に向けて取付けている。
また、かかる気泡発生浴槽(A)の外部にはポンプ保護ケース(9)を配設しており、同ケース(9)内には、浴湯を循環させる循環ポンプ(P)と、同ポンプ(P)により循環される浴湯を濾過する濾過機(43)と、同ポンプ(P)を駆動させるポンプ駆動用モーター(M)と、同モーター(M)や後述するノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)、気泡量調節用弁体駆動用モーター(M2)及び電動三方弁(45)の駆動を制御する制御部(C)とを設けている。
また、上記循環ポンプ(P)と気泡発生浴槽(A)との間には、浴湯循環流路(D)を介在させている。
すなわち、浴湯循環流路(D)は、気泡発生浴槽(A)から循環ポンプ(P)へ浴湯を送るための浴湯吸込パイプ(10)と、同循環ポンプ(P)から、同浴槽(A)へ浴湯を送るための浴湯強送パイプ(11)とより構成している。
そして、同浴湯吸込パイプ(10)は、浴槽本体(1)の下部に一端を開口し、循環ポンプ(P)の吸水口に他端を連通して同循環ポンプ(P)に浴湯を吸込むようにする一方、浴湯強送パイプ(11)は、循環パイプ(P)の吐水口に一端を連通し、前記噴出ノズル(2)(3)(4)にそれぞれ他端を連通連結している。
また、第1図中、(7)は電源に接続したコンセント、(30b)は後述するリモートコントローラ(30)から発信される赤外線を受信する赤外線受信センサ、(30c)は同赤外線受信センサに設けた受信表示ランプである。
また、循環ポンプ(P)には、第3図に示すように、同循環ポンプ(P)の回転数を検出する回転数検出センサ(6)を取付け、同センサ(6)からの検出結果を、後述する制御部(C)に送り、同制御部(C)により、循環ポンプ(P)の回転数を制御するようにしている。
また、浴湯強送パイプ(11)の中途部に、第3図に示すように、同パイプ(11)内を圧送される浴湯の圧力を検出する圧力検出センサ(48)を取付け、同センサ(48)からの検出結果を、後述する制御部(C)に入力し、同制御部(C)により浴槽本体(1)内の水位を検出すると共に、循環ポンプ(P)から吐出される浴湯の異常圧力を検出するようにしている。
圧力検出センサ(48)は、第4図に示すように、センサケース(48a)中に半導体素材よりなるダイヤフラム(48b)を張設し、同ダイヤフラム(48b)の一面を浴湯強送パイプ(11)に連通させて同パイプ(11)中の圧力を受圧させてダイヤフラム(48b)に歪みを発生させるようにしている。
ダイヤフラム(48b)は不純物を拡散した半導体を素材とし、第5図で示すように、同ダイヤフラム(48b)には歪みによって異なった抵抗値を示す4個のストレンゲージ(48c)よりなるブリッジ(48d)が構成されている。
したがって、ブリッジ(48d)に一定の電流を流しておくと、圧力の変動でダイヤフラム(48b)が歪み、ストレンゲージ(48c)の抵抗値が変化すると、同ブリッジ(48d)の出力電圧が変化することになり、この出力電圧から逆算して圧力を検出することができる。
なお、4個のストレンゲージ(48c)をホイートストンブリッジ接続したことで、出力電圧を大きくしている。
図中(48e)はダイヤフラム(48b)上に作り付けた温度補償用の厚膜抵抗である。
(48f)は定電圧回路であり、(48g)は定電圧回路(48f)の一定電圧を利用してブリッジ(48d)に一定電流を流すようにした電圧−電流変換回路、(48h)はブリッジ(48d)の出力電圧を一定の増幅率で増幅する差動増幅器、(48i)は出力端子(48j)に接続する制御装置(C)とのレベルを合わせる為の増幅器である。
かかる圧力検出センサ(48)の出力をAD変換して、後述の制御部(C)に入力することにより、極めて多くの段階(実用上、連続量と見なすことができる程度)に上記圧力を検知することができ、浴槽本体(1)内の水位と、循環ポンプ(P)の吐出圧とを検出するようにしている。
すなわち、循環ポンプ(P)を停止させているときは、圧力検出センサ(48)が検出した圧力は、浴槽本体(1)中の浴湯の水位のヘッドを示すものであり、循環ポンプ(P)が作動しているときは、圧力検出センサ(48)が検出した圧力は、上記の水位のヘッドと循環ポンプ(P)の吐出ヘッドの和を示しているが、循環ポンプ(P)の吐出ヘッドと水位のヘッドとの差が極めて大きいので、実用上循環ポンプ(P)の吐出ヘッドと見做しても差し支えない。
上記のように、本圧力検知センサ(48)は無接点であり、従来のスイッチ型圧力センサでは不可避であった接点腐蝕、接点開閉のヒステリシス、板バネのへたり等の不具合原因が無くなり、寿命が長く、正確かつ安定した圧力検出を行うことができる。
噴出ノズル(2)(3)(4)は、それぞれ浴湯の噴出量及び噴出圧を変更可能に構成した自動可変噴出ノズルを使用しており、各噴出ノズル(2)(3)(4)は同一構成であるから、足側噴出ノズル(2)を例にとり、第6図を参照して説明する。
足側噴出ノズル(2)は、浴槽本体(1)の足側噴出ノズル接続口(1g)に連通連結した筒状のノズル本体(20)と、同ノズル本体(20)内の前部に嵌入した弁座形成筒体(21)と、同弁座形成筒体(21)の後部に形成した弁座(21a)に後方より接離する噴出量調節用弁体(22)と、同噴出量調節用弁体(22)を着脱自在に支持しかつ進退作動させるノズル用弁体進退駆動モーター(M1)と、上記弁座形成筒体(21)の前方に首振り自在に支持させたスロート(24)とで構成されている。
ノズル本体(20)は、前端部外周面にガスケット(1h)を介して螺着した取付ネジ(1i)により浴槽本体(1)の壁面に着脱自在に固定されており、同ノズル本体(20)の中央周壁に、一端を前記空気取入部(5)に連通連結した吸気パイプ(12)の他端を連通連結し、ノズル本体(20)の後部周壁には、浴湯強送パイプ(11)を連通連結している。
また、ノズル本体(20)の前端縁には、前部を外側方に折返した筒状の化粧カバー(26)を嵌入装着している。
弁座形成筒体(21)は、ノズル本体(20)の内部において後端面を前記強送パイプ連結部(20c)の近傍に位置させている。
また、弁座形成筒体(21)の前部内周面に、略凹状球面のスロート支持面(21c)を形成して、基部の外周面を球面状に形成したスロート(24)を首振り自在に嵌着している。(25)はスロート固定部材である。
弁座形成筒体(21)の後端部中央には、弁座(21a)を形成し、同弁座(21a)に噴出量調節用弁体(22)を接離させて、同噴出量調節用弁体(22)より浴湯流通路(27)の開閉量(噴出量と噴出圧を調節する)を調節可能に構成している。
ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)は、ノズル本体(20)の後壁(20g)に取付けられており、モーターケーシング(23)内に設けたコイル(23a)と永久磁石を配設したアーマチュア(23b)とで、ステッピング動作を行うように構成されており、同モーター(M1)ま回転軸を中空軸に形成し、その内部にボールスクリュー(23c)を構成して、同モーター(M1)の回転運動を軸方向の直線運動に変換し、弁体支持ロッド(23d)を介して、噴出量調節用弁体(22)をを進退作動させるようにしている。
(23g)は上記弁体支持ロッド(23d)がボールスクリュー(23c)とつれまわりするのを防止する回転規制片、(22e)は噴出量調節用弁体(22)の後端周縁に、同弁体(22)と一体形成したポリテトラフルオロエチレン又はナイロン11等の合成樹脂素材よりなる蛇腹状の防水カバーである。
更に、ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)には、弁体支持ロッド(23d)の後端に取付けたマグネット(23j)とホール素子(23i)よりなる弁体基準位置検出センサ(23f)を配設しており、弁体支持ロッド(23d)の進退作動に応じて変化するホール素子(23i)を通過する磁束密度の変化を電気的変化に変換して制御部(C)に入力し、噴出量調節用弁体(22)の基準位置からの偏差を検出するようにしている。
次に、空気取入部(5)について説明する。
空気取入部(5)は、第7図、第8図に示すように、浴槽本体(1)の縁部(1a)に空気取入部取付口(1f)を開口して上面開口の矩形箱型の空気取入部本体(80)を嵌入し、同空気取入部本体(80)の上面開口部を蓋体(82)により被覆し、同蓋体(82)の外側にのみ形成された空気取入口(82a)を介して外気と空気取入部本体(80)内とを連通させている。
そして、空気取入部本体(80)の底面中央部には、吸気パイプ連結部(83)を設けて、同連結部(83)の前後壁にそれぞれ吸気パイプ(12)(12)の一端を連通連結し、空気取入部本体(80)内に取入れた空気を、各吸気パイプ(12)(12)を介して各噴出ノズル(2)(3)(4)へ供給するようにしている。
また、空気取入部本体(80)内には、プラスチック多孔質焼結体(例えば、ポリエチレン焼結体、ポリプロピレン焼結体)等の吸音機能と空気清浄機能とを具備する吸音材により円筒状に形成されたサイレンサ(92)を複数個配設している。
吸気パイプ連結部(83)内には、同連結部(83)と取入部本体(80)との連通路(86)を開閉するための気泡量調節弁(87)を設けており、同気泡量調節弁(87)は、上端縁を取入部本体(80)の底部に連通開口した円筒状の弁本体(88)と、同弁本体(88)に取付けた前記ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)と同一構成の気泡量調節弁体駆動用モーター(M2)と、同モーター(M2)に取付けた弁体支持ロッド(89)と、同ロッド(89)の先端に取付けられ、弁本体(88)の上端縁に形成した弁座(88b)に接離自在とした弁体(90)とで構成されている。
上記気泡量調節弁体駆動用モーター(M2)には、前記弁体位置検出センサ(23f)と同一構成の弁位置検出センサ(91)を配設している。
第7図中、(84)はリアクタンス形のサイレンサ、(85)は吸気パイプ(12)中に浴湯が逆流するのを防止するための逆止弁である。
次に、循環ポンプ(P)について説明する。
循環ポンプ(P)は、第9図に示すように、ポンプケーシング(32)内に、上段インペラー室(33)と下段インペラー室(34)とを、相互に連通流路(32d)を介し連通させて形成し、下段インペラー室(34)を、ポンプケーシング(32)の下部一側に設けた浴湯吸込路(32a)を介して浴湯吸込パイプ(10)と連通させると共に、ポンプケーシング(32)の下部他側に設けた浴湯強送路(32b)を介して浴湯強送パイプ(11)と連通させ、上段インペラー室(33)の一側に設けた濾過強送路の(32c)を介して、後述する濾過機(43)の引込みパイプ(41)の一端と連通させている。(32e)は吸水口、(32f)は下段吐水口、(32g)は上段吐水口、(z1)は循環流れ方向、(z2)は濾過流れ方向を示している。
そして、上下段インペラー室(33)(34)内の中央部を上下に貫通する状態にインペラー軸(35)を軸架し、同インペラー軸(35)に上段インペラー(32f)と下段インペラー(34a)とをそれぞれ上下段インペラー室(33)(34)内で同軸的に取付け、インペラー軸(35)をポンプケーシング(32)上に一体的かつ水密状態に載設したポンプ駆動用モーター(M)の駆動軸(39)に連動連設している。
ポンプ駆動用モーター(M)は、インバータ制御の全閉外扇型誘導モータであり、駆動軸(39)に制御部(C)と接続した回転数検出センサ(6)を配設している。
(36)はインペラー軸(35)に取付けたシール材である。
かかる構成により、上下段インペラー(33a)(34a)を回転させると、浴湯は浴湯吸込パイプ(10)→吸水口(32e)→浴湯吸込路(32a)→下段インペラー室(34)→浴湯強送路(32b)→下段吐水口(33a)→浴湯強送パイプ(11)を経て浴槽本体(1)内に強送される。
また、循環ポンプ(P)の上段インペラー室(33)には、第9図に示すように、引込みパイプ(41)と戻しパイプ(42)を介して濾過機(43)を連通連結しており、上段インペラー室(33)の上段吐水口(32g)に連通連結した引込みパイプ(41)中を通して、下段インペラー室(34)内に吸込んだ浴湯の一部を濾過機(43)に送り、同濾過機(43)により濾過した浴湯を戻しパイプ(42)中を通して浴湯強送パイプ(11)中へ送り、下段インペラー室(34)の下段吐水口(32f)より浴湯強送パイプ(11)中へ強送される浴湯に合流させるようにしている。
なお、(39a)はアーマチュア、(39b)はフィルドコイル、(39c)は冷却用ファンである。
次に、濾過機の構成について説明する。
濾過機(43)は、第10図に示すように、濾過機本体(43a)内下部にアクリルメッシュ(43b)を張設し、同メッシュ(43b)上に粒状の濾過材(43c)を載置して、浴湯を濾過機本体(43a)の上方より下方へ向けて濾過材(43c)中を通過させることにより、浴湯を濾過することができるようにしている。(43d)は浴湯濾過時に粒状の濾過材(43c)の上面が洗堀されるのを防止すると共に、後述する逆流洗浄時に粒状の濾過材(43c)が流出するのを防止するためのバッフルである。
かかる濾過機本体(43a)の上端に引込みパイプ(41)の一端を連通連結し、同濾過機本体(43a)の下端に戻しパイプ(42)の一端を連通連結し、引込みパイプ(41)の中途部に、電動三方弁(45)を設けて、同電動三方弁(45)の一端に排水パイプ(46)を接続し、電動三方弁(45)を介して引込みパイプ(41)と排水パイプ(46)とを連通可能にしている。
そして、電動三方弁(45)を、排水パイプ(46)が閉塞し、かつ、引込みパイプ(41)が流通する状態にセットしたとき浴湯の一部は、前記循環ポンプ(P)の下段インペラー室(34)→連通流路(32d)→上段インペラー室(33)→濾過強送路(32c)→上段吐水口(32g)→引込みパイプ(41)を経由して濾過機(43)に送られて濾過され、戻しパイプ(42)を通って、浴湯強送パイプ(11)を経て浴槽本体(1)内に強送される浴湯に合流する。
また、電動三方弁(45)を切換えて、上流側の引込みパイプ(41)を閉塞し、かつ、上流側の引込みパイプ(41)と排水パイプ(46)とを連通状態とした時には、浴湯強送パイプ(11)中の浴湯の一部が戻しパイプ(42)中をを通り、濾過機本体(43a)の下方から上方へ向って濾過材(43c)中を通過し、同濾過材(43c)の逆流洗浄を行なうことができるようにしている。
なお、上記電動三方弁(45)の切換操作は、後述するリモートコントローラ(30)により行なうことができるようにしている。
次に制御部(C)について説明する。
制御部(C)は、第3図に示すようにマイクロプロセッサ(MPU)と、入出力インターフェース(50)(51)と、ROMとRAMとからなるメモリ(52)と、タイマー(53)とで構成されている。
入力インターフェース(50)には、前記の回転数検出センサ(6)、弁体位置検出センサ(23f)、弁位置検出センサ(91)、浴湯強送パイプ(11)内の水圧を検出する圧力検出センサ(48)、赤外線受信センサ(30b)、浴槽本体(1)内の浴湯の温度を検出する浴湯温度検出センサ(T)及び流量センサ(F)を接続している。
出力インタフェース(51)には、インバータ(I)、ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)、気泡量調節用弁体駆動用モーター(M2)、電動三方弁(45)及び赤外線受信センサ(30b)に設けた警報ランプ(F1)を接続している。
また、メモリ(52)には、上記した各センサからの出力信号や、リモートコントローラ(30)からの信号に基づいて、各モーター(M)(M1)(M2)及び電動三方弁(45)等の駆動部を制御するための制御プログラムを記憶させている。
特に、循環ポンプ(P)回転数の制御は、交流電源(S)の周波数を、制御部(C)で制御されたインバータ(I)により周波数変換してポンプ駆動用モーター(M)に供給することによって行なうようにしている。
次に、制御部(C)と使用者とを仲介するためのリモートコントローラ(30)について説明する。
リモートコントローラ(30)は、第11図に示すように、ON・OFFスイッチ(60)と、お好み噴流モードスイッチであるマイルドブロースイッチ(61)、指圧ブロースイッチ(62)、パルスブロースイッチ(63)、マッサージブロースイッチ(64)ウェーブブロースイッチ(65)及びエアパルスブロースイッチ(79)と、気泡量増大・減少スイッチ(66)(67)と、浴湯噴出強弱側スイッチ(68)(69)と、周期増大減少スイッチ(70)(71)と、お好み噴出ノズル使用パターンの切替スイッチである噴出ノズル全部使用パターンスイッチ(72)、循環使用パターンスイッチ(73)、背側噴出ノズル使用パターンスイッチ(74)、足側噴出ノズル使用パターンスイッチ(75)、及び腹側噴出ノズル使用パターンスイッチ(76)と、濾過機洗浄スイッチ(77)とを配設している。
そして、ON・OFFスイッチ(60)をONすることにより、制御部(C)が起動し、まず、循環ポンプ(P)の回転数と各噴射ノズルの弁開度を、予め設定したプリセット値に制御された状態で気泡発生浴槽(A)の運転が開始する。
そして、このときの圧力検出センサ(48)の検出値と、予めマイクロプロセッサ(MPU)に記憶させておいた正常な値との偏差が一定範囲を超えた時には、循環ポンプ(P)若しくは噴射ノズル(2)(3)(4)のいずれかに異常があるものと判断して、直ちに循環ポンプ(P)を停止させると共に、警報ランプ(F1)を点灯してこの旨を使用者に報知するようにしている。
したがって、各部の故障が軽微な内に発見され、循環ポンプ(P)の運転が停止するので、重大な故障に発達することが防止され、また、これに伴う危険性も防止される。特に、循環ポンプ(P)の吐出側となる浴湯強送パイプ(11)に圧力検出センサ(48)を設けているので、浴湯強送パイプ(11)の詰まり等も確実に検出することができる。
また、(78)は電源ランプ、(60a)は運転表示ランプ(61a)(62a)(63a)(64a)(65a)(79a)は各モードスイッチ表示ランプ、(66a)(67a)は気泡量設定ランプ、(68a)(69a)は浴湯噴出強弱設定ランプ、(70a)(71a)は浴湯噴出周期設定ランプ、(72a)(73a)(74a)(75a)(76a)は噴出ノズル使用パターン設定ランプ、及び(77a)は濾過機洗浄スイッチ表示ランプである。
また、かかるリモートコントローラ(30)は、第11図に示すように、前端部に赤外線信号発信部(30a)を具備し、各スイッチ操作により、あらかじめ設定したマルチフリケンシートーンモジュレーションシステム(MFTM)にもとづき、各スイッチの操作に応じて変調された赤外線信号が赤外線信号発信部(30a)から発信され、同赤外線が浴室内に設置した赤外線受信センサ(30b)(第1図参照)により受信され、制御部(C)の入力インターフェース(50)に送られて、メモリ(52)から読み出された制御プログラムに基づいて所望の駆動装置を駆動するようにしている。
しかも、上記リモートコントローラ(30)は、浴湯面に浮上可能に構成し、入浴者が入浴状態で操作できるようにしている。
また、赤外線受信センサ(30b)と空気取入部(5)とを一体的に構成することもできる。
上記構成により、気泡発生浴槽(A)は、浴湯面上で操作可能のリモートコントローラ(30)によって、制御部(C)を介し循環ポンプ(P)の回転数、各噴出ノズル(2)(3)(4)に設けた噴出量調節用弁体(22)の開閉量と開閉速度、及び空気取入部(5)に設けた気泡量調節弁(5d)の開閉量と開閉速度の調節、電動三方弁(45)の切替作動を行なうことができ、上記循環ポンプ(P)の回転数の調節、噴出量調節用弁体(22)の開閉量と開閉速度の調節、及び気泡量調節弁(5d)の開閉速度の調節、及びこれらの組合せにより、各噴出ノズルから噴出する浴湯の噴出量、噴出圧、混入する気泡量に差異を設けた6種類の噴流モード(マイルドブロー、指圧ブロー、パルスブロー、マッサージブロー、ウェーブブロー及びエアパルスブロー)を設定することができ、各噴流モードをリモートコントローラ(30)に設けたお好み噴流モードスイッチ(61)〜(65)のON・OFF操作により選択することができるようにしている。
しかも、各モードについて、気泡量増大・減少スイッチ(66)(67)と、浴湯噴出強・弱側スイッチ(68)(69)と、周期増大・減少スイッチ(70)(71)とをそれぞれON・OFF操作することにより、気泡量の増減調節と、噴出浴湯の強弱調節と、噴出浴湯の周期の増減調節を行なうことができるようにしている。
さらに、お好み噴出ノズル使用パターンへの各切替えスイッチ(72)〜(76)をON・OFF操作することにより、上記噴流モードを適用する6個の噴出ノズルの使用パターンを選択することができるようにしている。
また、濾過機洗浄スイッチ(77)をON操作することにより、電動三方弁(45)を切換作動させて、濾過機(43)の逆流洗浄をすることができるようにしている。
上記のように、循環ポンプ(P)の運転を開始した直後の圧力検出センサ(48)の検出値と、予めマイクロプロセッサ(MPU)に記憶させておいた正常な値との偏差が一定範囲を超えた時には、循環ポンプ(P)若しくは噴射ノズル(2)(3)(4)のいずれかに異常があるものと判断して、直ちに循環ポンプ(P)を停止させると共に、警報ランプ(F1)を点灯してこの旨を使用者に報知するようにしている。
したがって、各部の故障が軽微な内に発見され、循環ポンプ(P)の運転が停止するので、重大な故障に発達することが防止され、また、これに伴う危険性も防止される。
(ヘ)効果 本発明では、浴槽本体と、循環ポンプと、浴湯吸込流路と浴湯強送流路とからなる浴湯循環流路と、浴槽本体に設けた噴出ノズルと、浴湯強送流路に設けた圧力検出センサとを具備し、循環ポンプ起動時に圧力検出センサの検出値と予め設定した一定値との偏差が一定範囲を越えた場合には、循環ポンプの運転を停止させるとともに報知するようにしたので、各駆動部の故障が軽微な内に発見されて重大な故障に発展するのを防止でき、また、これに伴う危険性も防止できるという効果がある。
また、循環ポンプの吐出側となる浴湯強送流路に圧力検出センサを設けているので、浴湯強送流路の詰まり等を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による気泡発生浴槽の斜視図。
第2図は、同気泡発生浴槽の平面図。
第3図は、同気泡発生浴槽の概念的構成説明図。
第4図は、圧力検出センサの断面説明図。
第5図は、同センサの構成を示すブロック図。
第6図は、噴出ノズルの拡大断面図。
第7図は、空気取入部の拡大断面図。
第8図は、吸気パイプの配管図。
第9図は、ポンプ駆動用モーターと循環ポンプの一部切欠正面図。
第10図は、濾過機の断面図。
第11図は、リモートコントローラの平面図。
(A):気泡発生浴槽
(P):循環ポンプ
(C):制御部
(D):浴湯循環流路
(F1):警報ランプ
(1):浴槽本体
(2):足側噴出ノズル
(3):背側噴出ノズル
(4):腹側噴出ノズル
(10):浴湯吸込パイプ
(11):浴湯強送パイプ
(43):濾過機
(48):圧力検出センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】浴槽本体と、循環ポンプと、浴湯吸込流路と浴湯強送流路とからなる浴湯循環流路と、浴槽本体に設けた噴出ノズルと、浴湯強送流路に設けた圧力検出センサとを具備し、循環ポンプ起動時に圧力検出センサの検出値と予め設定した一定値との偏差が一定範囲を越えた場合には、循環ポンプの運転を停止させるとともに報知することを特徴とする異常検出機能を有する気泡発生浴槽。
【請求項1】浴槽本体と、循環ポンプと、浴湯吸込流路と浴湯強送流路とからなる浴湯循環流路と、浴槽本体に設けた噴出ノズルと、浴湯強送流路に設けた圧力検出センサとを具備し、循環ポンプ起動時に圧力検出センサの検出値と予め設定した一定値との偏差が一定範囲を越えた場合には、循環ポンプの運転を停止させるとともに報知することを特徴とする異常検出機能を有する気泡発生浴槽。
【第4図】
【第6図】
【第1図】
【第2図】
【第3図】
【第5図】
【第7図】
【第8図】
【第10図】
【第9図】
【第11図】
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【特許番号】第2710824号
【登録日】平成9年(1997)10月24日
【発行日】平成10年(1998)2月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平1−71229
【出願日】平成1年(1989)3月23日
【公開番号】特開平2−249547
【公開日】平成2年(1990)10月5日
【出願人】(999999999)東陶機器株式会社
【登録日】平成9年(1997)10月24日
【発行日】平成10年(1998)2月10日
【国際特許分類】
【出願日】平成1年(1989)3月23日
【公開番号】特開平2−249547
【公開日】平成2年(1990)10月5日
【出願人】(999999999)東陶機器株式会社
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