説明

異常状態検出方法および電子機器

【課題】電子機器の加速度を監視する際の適切なサンプリング周期を設定し、電子機器の異常状態を検出する方法を提供することである。
【解決手段】本発明に係る異常状態検出方法は、第1のサンプリング周期で加速度センサ120の出力値を所定時間測定するステップと、加速度センサ120の出力値の極値を抽出するステップと、極値間の時間間隔の平均値を計算するステップと、電子機器100を監視する際の第2のサンプリング周期を決定するステップと、第1のサンプリング周期で測定した加速度センサ120の出力値および第2のサンプリング周期をメモリ150に書き込むステップと、第2のサンプリング周期を設定するステップと、電子機器100を第2のサンプリング周期で監視し、第1のサンプリング周期で測定した加速度センサ120の出力値に基づいて、電子機器100が異常状態にあるか否かを判定するステップとを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常状態検出方法および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、加速度センサを内部に備える電子機器がある。加速度センサは、加速度を測定することによって、重力や振動を検出することができるため、これらの電子機器は、内部に備える加速度センサによって、その電子機器の傾きやその電子機器に発生している振動を監視することができる。
【0003】
このように電子機器を監視することにより、電子機器が傾いてしまっている状態や、異常な振動を発生している状態などのような、電子機器に生じている異常状態を検出することが可能となり、異常状態を検出した場合に、早急に電子機器を正常な状態に復旧させることができる。
【0004】
例えば、無線通信の基地局装置は屋外に設置される場合があるが、このような場合は、自然災害等により基地局装置が傾いてしまうことが起こり得る。基地局装置は、高い信頼性が求められるものであるから、上述のように加速度センサを組み込むことで、その状態を監視し、異常状態が発生したときに、早急に復旧できるようにしておくことは重要である。
【0005】
電子機器内部に加速度センサを備える発明として、例えば、検出した振動のレベルからどの部品に異常があるかを特定する発明がある(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−317319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来は、電子機器自体の傾きの変化や電子機器内部に発生する振動などについて、生じ得るあらゆる変化を監視することができるように、設定可能な最小のサンプリング周期(以下、「第1のサンプリング周期」と称する)で加速度を測定していた。
【0008】
しかしながら、第1のサンプリング周期に設定することは、データ処理量の増大や処理速度の低下につながり、要求されるメモリ容量が増大するという欠点がある。また、必ずしも第1のサンプリング周期に設定する必要がない場合も多く見られる。
【0009】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、電子機器の加速度を監視する際の適切なサンプリング周期(以下、「第2のサンプリング周期」と称する)を設定し、電子機器の異常状態を検出する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した諸課題を解決すべく、請求項1に係る異常状態検出方法は、
加速度センサを備える電子機器の異常状態検出方法であって、
第1のサンプリング周期で前記加速度センサの出力値を所定時間測定するステップと、
前記測定するステップにより測定した前記加速度センサの出力値から、当該加速度センサの出力値の極値を抽出するステップと、
前記抽出するステップにより抽出した前記極値間の時間間隔の平均値を計算するステップと、
前記平均値に基づいて、前記加速度センサの出力値を監視する際の、前記第1のサンプリング周期より長い第2のサンプリング周期を決定するステップと、
前記第1のサンプリング周期で測定した前記加速度センサの出力値、および、前記第2のサンプリング周期をメモリに書き込むステップと、
前記メモリから前記第2のサンプリング周期を読み出し、当該弟2のサンプリング周期をサンプリング周期に設定するステップと、
前記加速度センサの出力値を前記第2のサンプリング周期で監視し、前記第1のサンプリング周期で測定した前記加速度センサの出力値に基づいて、前記電子機器が異常状態にあるか否かを判定するステップと、
を含むことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の異常状態検出方法であって、前記第2のサンプリング周期を決定するステップは前記電子機器の初回起動時に行い、前記第2のサンプリング周期をサンプリング周期に設定するステップは前記電子機器の2回目以降の起動後に行うことを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の異常状態検出方法であって、前記電子機器は、他の通信装置との通信を検出すると、当該電子機器の2回目以降の起動であると認識することを特徴とするものである。
【0013】
上述したように本発明の解決手段を方法として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する装置、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0014】
例えば、本発明を装置として実現させた請求項4に係る電子機器は、
加速度センサを備える電子機器であって、
第1のサンプリング周期で前記加速度センサの出力値を所定時間測定する加速度センサと、
測定した前記加速度センサの出力値を記憶する記憶部と、
測定した前記加速度センサの出力値から、当該加速度センサの出力値の極値を抽出し、
抽出した前記極値間の時間間隔の平均値を計算し、
前記平均値に基づいて、前記加速度センサの出力値を監視する際の、前記第1のサンプリング周期より長い第2のサンプリング周期を決定し、
前記第1のサンプリング周期で測定した前記加速度センサの出力値、および、前記第2のサンプリング周期をメモリに書き込む制御部と、
を備え、前記制御部は、
前記メモリから前記第2のサンプリング周期を読み出し、当該弟2のサンプリング周期をサンプリング周期に設定し、前記加速度センサの出力値を前記第2のサンプリング周期で監視し、前記第1のサンプリング周期で測定した前記加速度センサの出力値に基づいて、前記電子機器が異常状態にあるか否かを判定する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子機器の加速度を監視する際の適切なサンプリング周期を設定し、電子機器の異常状態を検出する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子機器の機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る第2のサンプリング周期を決定する手順のフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る第2のサンプリング周期を決定する手順における、加速度センサによる加速度測定の様子を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る第2のサンプリング周期の決定処理および異常状態を検出する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る異常状態検出方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器の機能ブロック図である。電子機器100は、制御部110、加速度センサ120、記憶部130、通信部140およびメモリ150を備える。
【0019】
加速度センサ120は、電子機器100の内部に備えられ、電子機器100の加速度を測定する。加速度センサ120は、測定した電子機器100の加速度を制御部110に出力する。
【0020】
記憶部130は、制御部110から加速度センサ120の出力値を受け取って記憶する。記憶部130は、制御部110が第1のサンプリング周期をサンプリング周期に設定しているときは、第1のサンプリング周期で加速度センサ120の出力値を受け取って記憶し、制御部110が第2のサンプリング周期をサンプリング周期に設定しているときは、第2のサンプリング周期で加速度センサ120の出力値を受け取って記憶する。
【0021】
また、記憶部130は、制御部110が、加速度センサ120の出力値を電子機器100の傾きデータなどに変換した場合は、変換後の傾きデータなどを制御部110から受け取って記憶する。制御部110が加速度センサ120の出力を他のデータに変換する処理については、後述する。また、記憶部130は、制御部110に用いられる各種プログラム等も記憶する。
【0022】
通信部140は、外部ネットワーク(図示せず)と無線または有線を通じて接続し、他の通信装置と通信する。通信部140は、電子機器100が異常状態であることを加速度センサ120の出力値から制御部110が検出したときに、制御部110からその旨の通知を受け、外部ネットワークを通じて、遠隔にいるユーザに電子機器100に異常が生じたことを通知する。
【0023】
メモリ150は、制御部110が決定した、第2のサンプリング周期を制御部110から受け取って記憶する。メモリ150に記憶された第2のサンプリング周期は、電子機器100の状態を監視する際に、制御部110によって読み出される。
【0024】
また、メモリ150は、制御部110が、第2のサンプリング周期を計算するために使用した所定の時間分の第1のサンプリング周期で測定された加速度センサ120の出力値も、制御部110から受け取って記憶する。第1のサンプリング周期で測定された加速度データは、電子機器100の状態を監視する際に、電子機器100の状態が異常状態であるか否かを判定するための比較データとして用いられる。
【0025】
メモリ150に記憶する所定時間分の加速度データは、第1のサンプリング周期で測定された全ての加速度データを記憶してもよいが、メモリ150に要求する容量を小さくするために、記憶する加速度データの量を減らすこともできる。例えば、第2のサンプリング周期毎の加速度データだけ記憶してもよいし、または、第2のサンプリング周期毎に取得した加速度データの平均値だけを記憶してもよい。
【0026】
メモリ150は、例えば、フラッシュメモリやバックアップ電源を搭載するSRAMなどであり、電子機器100の電源を切っても半永久的に記憶を保持することができる。
【0027】
制御部110は、加速度センサ120が出力する電子機器100の加速度の出力値を受け取り、受け取った加速度の出力値を、そのまま、または、電子機器100の傾きなどのデータに変換して、記憶部130に出力する。加速度データからは、適切な信号処理を行うことにより、傾き、振動、動き、または衝撃といった様々なデータを得ることができる。
【0028】
また、制御部110は、第2のサンプリング周期を決定する際に、所定の時間分の第1のサンプリング周期で測定した加速度の出力値を記憶部130から読み出す。制御部110が第2のサンプリング周期を決定する手順については、後述のフローチャートの説明において詳述する。
【0029】
また、制御部110は、第2のサンプリング周期を決定した後、記憶部130から読み出した所定の時間分の第1のサンプリング周期で測定した加速度データ、および、決定した第2のサンプリング周期をメモリ150に書き込む。制御部110は、電子機器100の設置完了後、電子機器100の状態の監視を開始する際に、決定した第2のサンプリング周期をサンプリング周期に設定する。
【0030】
また、制御部110は、電子機器100が異常状態であるか否かを判定するために、電子機器100を監視中に第2のサンプリング周期で測定した加速度の出力値を、メモリ150が記憶する所定の時間分の加速度の出力値と比較する。制御部110は、例えば、電子機器100を監視中に第2のサンプリング周期で測定した電子機器100の加速度データを、メモリ150が記憶する所定の時間分の電子機器100の加速度データの平均値と比較することができる。制御部110は、比較した結果の差分が所定の閾値よりも大きい場合は、電子機器100が異常状態にあると判定する。
【0031】
また、制御部110は、電子機器100を監視中に、電子機器100が異常状態であることを検出したときは、その旨を通信部140に通知する。
【0032】
図2に示すフローチャートを参照しながら、第2のサンプリング周期を決定する手順を説明する。
【0033】
制御部110は、第1のサンプリング周期を、加速度センサ120が電子機器100の加速度を測定する際のサンプリング周期に設定する(ステップS101)。なお、第1のサンプリング周期は設定可能な最小のサンプリング周期であるとして説明してきたが、これは一例であり、電子機器100の状態を監視するために適したサンプリング周期に対して十分に短いサンプリング周期であれば、必ずしも設定可能な最小値である必要はない。以下の説明においても同様である。
【0034】
加速度センサ120は、第2のサンプリング周期を決定するために必要な加速度データを取得するために十分な所定時間の間、ステップS101において設定した第1のサンプリング周期で電子機器100の加速度を測定し、測定結果を制御部110に出力する。制御部110は、加速度センサ120から受け取った加速度の出力値を記憶部130に出力する。記憶部130は、制御部110から受け取った加速度データを記憶する(ステップS102)。図3(a)に、第1のサンプリング周期で電子機器100の加速度を測定する様子を示す。白丸で示されるポイントが第1のサンプリング周期で測定した電子機器100の加速度である。隣接する白丸間の間隔TSminは、第1のサンプリング周期を示す。加速度センサ120が、このように短い第1のサンプリング周期で電子機器100の加速度を測定することにより、電子機器100内部のファンによるノイズや振動の影響により、電子機器100の加速度が早い周期で変化している場合であっても、制御部110は、その変化の様子を再現できるように加速度データを記憶部130に記憶させることができる。
【0035】
続いて、制御部110は、記憶部130に記憶されている加速度データから、極大値および当該極大値となったときの時刻を抽出する(ステップS103)。図3(b)に、図3(a)の加速度データから極大値を抽出する様子を示す。黒丸で示されるポイントが極大値をとるポイントである。極大値とは、局所的な区間における最大値である。極大値を決定するには、例えば、所定の閾値を定めておき、当該閾値を連続して超えている値の中から最大の値を選択し、その値を極大値とすることなどができる。また、加速度データが細かいノイズ成分を含んでいて、極大値を決定することが困難な場合は、制御部110は、加速度データに対してスムージング処理などを行い、ノイズ成分の影響を減少させてから極大値を抽出してもよい。また、本実施例においては極大値を例として説明するが、極大値の代わりに極小値を用いることも可能である。本願においては、極大値および極小値を総称して極値と称する。
【0036】
続いて、制御部110は、隣り合う2点の極大値間の時間を計算する。例えば、最初の2点の極大値間の時間をT1とすると、第1のサンプリング周期TSminおよび2点の極大値間のポイント数N1(極大値をとるポイントも含む)を用いて、以下の数式で計算できる。
【0037】
【数1】

【0038】
このようにして、制御部110は、2点の極大値間の時間を連続的に、T1,T2,・・・と計算することができる。この様子を図3(c)に示す。
【0039】
ステップS104において計算した極大値間の時間は、常に一定の値であるとは限らない。そこで、制御部110は、所定の時間の間に測定された極大値間の時間、T1,T2、・・の値について、その平均値を計算する(ステップS105)。
【0040】
制御部110は、ステップS105において計算した極大値間の時間の平均値Tを基に第2のサンプリング周期を計算する(ステップS106)。サンプリング定理によれば、原信号の2倍よりも大きいサンプリング周波数で測定すれば、原信号を再現することができる。サンプリング周期はサンプリング周波数の逆数であるから、例えば、サンプリング周期TSを極大値間の時間の平均値Tの1/2の時間間隔とすると、制御部110は、Tの周期で振動する振動の波形を再現することができる。図3(d)に、サンプリング周期TS=T/2として、加速度センサ120が電子機器100の加速度を測定する様子を示す。
【0041】
制御部110は、第2のサンプリング周期を計算するために使用した所定の時間分の第1のサンプリング周期で測定された加速度センサ120の出力値、および、ステップS106において計算した第2のサンプリング周期をメモリ150に書き込む(ステップS107)。
【0042】
このように、制御部110は、ステップS101〜S107に示す手順に従うことにより、第2のサンプリング周期を決定し、第2のサンプリング周期を計算するために使用した所定の時間分の第1のサンプリング周期で測定された加速度センサ120の出力値、および、決定した第2のサンプリング周期をメモリ150に記憶させることができる。
【0043】
ここで、第2のサンプリング周期を決定する適切なタイミングについて検討する。
【0044】
電子機器100は、設置される環境によって、外部環境から受ける影響が異なる。特に、電子機器100が屋外に設置される場合は、設置される場所によって大きく環境が異なるため、電子機器100は、設置された後に第2のサンプリング周期決定処理を実行すると、外部環境に応じて異なる第2のサンプリング周期に決定する。
【0045】
また、例えば、電子機器100が電柱の上に設置される場合などは、風の強い日と弱い日とで電子機器100の揺れ方が異なる場合があり、電子機器100が高速道路の近くに設置された場合は、車が通った瞬間に電子機器100が大きく揺らされることが考えられる。このように、外部環境が定常的でない設置場所に電子機器100が設置された場合、第2のサンプリング周期決定処理を実行するタイミングに応じて、電子機器100は、異なる第2のサンプリング周期を決定する場合がある。
【0046】
電子機器100の加速度の監視は、第2のサンプリング周期決定処理によって決定された第2のサンプリング周期を用いて、定常的に実行されるものである。したがって、その測定の基準となる第2のサンプリング周期が、第2のサンプリング周期決定処理を実行するタイミングに応じて、異なる値になってしまうことは好ましくない。
【0047】
外部環境に左右されずに、電子機器100固有の特性に基づいて第2のサンプリング周期を決定するためには、工場出荷前など電子機器100の初回起動時に一定の環境の下で第2のサンプリング周期を決定し、決定した第2のサンプリング周期をメモリ150に書き込んでから、電子機器100を工場から出荷することが好ましい。
【0048】
図4のフローチャートを参照しながら、上記のタイミングで第2のサンプリング周期設定処理を実行する手順について説明する。
【0049】
電子機器100は、電源ONなどを契機に、自身の設置が完了したことを認識する(ステップS201)。例えば、電子機器100は、通信部140が外部ネットワークを介して他の通信装置と通信を開始したことを契機に、自身の設置が完了しており、2回目以降の起動であることを認識する。
【0050】
制御部110は、工場出荷前に実行された第2のサンプリング周期決定処理によって決定された第2のサンプリング周期をメモリ150から読み込む(ステップS202)。
【0051】
制御部110は、ステップS202においてメモリ150から読み込んだ第2のサンプリング周期をサンプリング周期に設定する(ステップS203)。
【0052】
制御部110は、加速度センサ120が測定する電子機器100の加速度を、設定した第2のサンプリング周期で監視する(ステップS204)。
【0053】
制御部110は、監視している電子機器100の加速度に異常があるか否かを判定する(ステップS205)。
【0054】
その結果、電子機器100の加速度が異常状態であることを検出した場合は、制御部110は、通信部140を通して、異常が発生したことをユーザに通知する(ステップS206)。異常状態が検出されない場合は、制御部110は、引き続き電子機器100の加速度の監視を続ける。
【0055】
このように、電子機器100は、外部環境に左右されずに、電子機器100の加速度を監視するための最適な第2のサンプリング周期を設定することができる。これによって、制御部110は、必要以上に短い第1のサンプリング周期でデータ処理をする必要がなくなり、処理速度を速くすることができる。
【0056】
また、電子機器100は、工場出荷前などの初回起動時に第2のサンプリング周期決定処理を行うことにより、外部環境の影響を受けずに電子機器100の加速度を監視するための最適な第2のサンプリング周期を決定することができる。
【0057】
また、電子機器100は、通信部140を介して外部ネットワークと接続し、他の通信装置と通信を開始すると、電子機器100の設置が完了しており、2回目以降の起動であることを認識することができる。
【0058】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0059】
100 電子機器
110 制御部
120 加速度センサ
130 記憶部
140 通信部
150 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度センサを備える電子機器の異常状態検出方法であって、
第1のサンプリング周期で前記加速度センサの出力値を所定時間測定するステップと、
前記測定するステップにより測定した前記加速度センサの出力値から、当該加速度センサの出力値の極値を抽出するステップと、
前記抽出するステップにより抽出した前記極値間の時間間隔の平均値を計算するステップと、
前記平均値に基づいて、前記加速度センサの出力値を監視する際の、前記第1のサンプリング周期より長い第2のサンプリング周期を決定するステップと、
前記第1のサンプリング周期で測定した前記加速度センサの出力値、および、前記第2のサンプリング周期をメモリに書き込むステップと、
前記メモリから前記第2のサンプリング周期を読み出し、当該弟2のサンプリング周期をサンプリング周期に設定するステップと、
前記加速度センサの出力値を前記第2のサンプリング周期で監視し、前記第1のサンプリング周期で測定した前記加速度センサの出力値に基づいて、前記電子機器が異常状態にあるか否かを判定するステップと、
を含むことを特徴とする異常状態検出方法。
【請求項2】
請求項1に記載の異常状態検出方法であって、前記第2のサンプリング周期を決定するステップは前記電子機器の初回起動時に行い、前記第2のサンプリング周期をサンプリング周期に設定するステップは前記電子機器の2回目以降の起動後に行うことを特徴とする異常状態検出方法。
【請求項3】
請求項2に記載の異常状態検出方法であって、前記電子機器は、他の通信装置との通信を検出すると、当該電子機器の2回目以降の起動であると認識することを特徴とする異常状態検出方法。
【請求項4】
加速度センサを備える電子機器であって、
第1のサンプリング周期で前記加速度センサの出力値を所定時間測定する加速度センサと、
測定した前記加速度センサの出力値を記憶する記憶部と、
測定した前記加速度センサの出力値から、当該加速度センサの出力値の極値を抽出し、
抽出した前記極値間の時間間隔の平均値を計算し、
前記平均値に基づいて、前記加速度センサの出力値を監視する際の、前記第1のサンプリング周期より長い第2のサンプリング周期を決定し、
前記第1のサンプリング周期で測定した前記加速度センサの出力値、および、前記第2のサンプリング周期をメモリに書き込む制御部と、
を備え、前記制御部は、
前記メモリから前記第2のサンプリング周期を読み出し、当該弟2のサンプリング周期をサンプリング周期に設定し、前記加速度センサの出力値を前記第2のサンプリング周期で監視し、前記第1のサンプリング周期で測定した前記加速度センサの出力値に基づいて、前記電子機器が異常状態にあるか否かを判定する、
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−173200(P2012−173200A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37058(P2011−37058)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】