説明

異方性導電シートの製造方法

【課題】異方性導電シートを安価に製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】電気絶縁性の樹脂材7を金型1内に射出充填して、厚み方向に貫通する貫通孔9が配列形成されたシート状基材8を形成する基材成形工程と、上記貫通孔に導電性材料を充填する導通部形成工程とを含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、異方性導電シートの製造方法に関し、より具体的には、高価な製造装置を用いることなく、安価に異方性導電シートを製造できる異方性導電シートの製造方法、これに用いる異方性導電シート製造用金型及び異方性導電シートに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、半導体ウエハ等の電子部品が仕様通りに製作されているかどうかを判断する際に、異方性導電シートが用いられる。上記異方性導電シートは、厚さ方向にのみ導通する導通部が多数配列形成されている。上記異方性導電シートは、検査対象である電子部品等の電極と検査機器の電極間に介挿されて、これら電極を負荷荷重による損傷を与えることなく導通させて所要の検査を行うことができる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−247216号
【0004】
上記特許文献に記載されている異方性導電シートは、電気絶縁性の高分子膜の両面に、フッソ樹脂からなるマスク材を積層する工程と、積層により得られた積層膜に貫通孔を形成する工程と、この貫通孔に導電性物質を付着もしくは充填する工程と、上記マスク材を上記積層膜から除去する工程とを設けて製造される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記製造工程において、上記貫通孔を形成する工程は、シンクロトロン放射光またはレーザ光を用いたアブレーション法が採用されている。ところが、上記放射光発生装置では、多数の貫通孔を同時に形成することが困難である。このため、上記放射光発生装置又はシート状の基材を精度高く位置制御しながら順次孔あけ作業を行う必要がある。したがって、高価な装置を用いる必要があるばかりでなく、多大な作業時間を要する。
【0006】
また、一度に製造できる量も限られているため、生産性も低い。このため、製造コストを低減させるのが困難であった。
【0007】
本願発明は、上記問題を解決するために案出されたものであって、製造工程を削減できるとともに、異方性導電シートを安価に製造できる製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、電気絶縁性の樹脂材料を金型内に射出充填することにより、厚み方向に貫通する貫通孔が配列形成されたシート状基材を形成する基材成形工程と、上記貫通孔に導電性材料を充填する導通部形成工程とを含んで構成される。
【0009】
本願発明では、所定間隔で配列された多数の貫通孔を有する電気絶縁性のシート状基材が射出成形によって形成される。このため、貫通孔を形成するために、高価なシンクロトロン放射光やレーザ光等の放射光発生装置等を用いる必要がなくなる。また、多数の貫通孔を一度に成形することが可能となるため生産性が格段に向上し、製造コストを低減させることができる。
【0010】
上記シート状基材は、射出成形可能な電気絶縁性材料であって、成形後にある程度の弾性変形能があれば、種々の材料を採用することができる。たとえば、ニトリルゴム等のブタジエン系合成ゴム、ポリイソプレン等のオレフィン系合成ゴム、ポリウレタンゴム等の熱可塑性エラストマーを採用することができる。また、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂材料を採用することができる。
【0011】
上記金型は、異方性導電シートの厚さに対応した厚さ方向寸法を有するシート成形空間に、上記貫通孔を形成するための貫通孔成形型部が配置された構成を備える。上記貫通孔形成型部は、アスペクト比の大きな突起が密集して形成された形態を備え、レーザ加工、放電加工等の微細加工技術を用いることにより製作することができる。上記貫通孔は、異方性導電シートが適用される検査対象に応じて所要の間隔をあけて形成すればよく、上記突起の直径、配列間隔もこれに応じて設定される。
【0012】
上記導通部形成工程は、射出成形された上記シート状基材の各貫通孔に導電性材料を充填して、表裏に導通する導通部を形成する工程である。
【0013】
上記導通部形成工程は、種々の手法を用いて行うことができる。たとえば、請求項2に記載した発明のように、上記導通部形成工程を、上記シート状基材に導電性材料を塗着することにより、上記貫通孔に上記導電性材料を充填する導電性材料塗着工程と、上記貫通孔以外の部分に塗着された上記導電性材料を除去する塗着層除去工程とを含んで構成することができる。
【0014】
塗着できる上記導電性材料として、導電性ペーストを採用することができる。なお、塗着して貫通孔に充填することができれば、種々のタイプの導電性ペーストを採用できる。導電性ペーストは、樹脂基材に微粉状の金属粒子を配合したものであり、上記貫通孔に充填されて上記貫通孔を介して基材の表裏を導通させる。また、上記導電性材料塗着工程を行う手法も特に限定されることはなく、印刷等の手法を用いることができる。
【0015】
上記塗着層除去工程は、上記貫通孔内に上記導電性ペーストを残して、基材表面の導電線ペーストを除去する工程である。上記塗着層を除去する手法も、採用した導電性ペーストの特性に応じて選択することができる。
【0016】
請求項3に記載した発明のように、上記塗着層除去工程を、上記導電性材料をエッチングにより除去することにより行うことができる。たとえば、上記エッチングは、上記導電性ペーストを選択的に溶解するエッチング液を用いるのが好ましい。また、上記基材の表層部をエッチングして塗着層を除去する手法を採用することもできる。なお、シート状基材の表面に付着している導電性ペーストを機械的に除去してもよい。
【0017】
また、上記導通部形成工程は、たとえば、無電解メッキ等のウエットプロセス、蒸着等のドライプロセスによって導電性金属をシート状基材表面に成膜する手法を用いて上記貫通孔内に導電性金属を充填する工程と、シート状基材表面の薄膜をエッチングにより除去する工程を含んで構成することもできる。
【0018】
本願の請求項4に記載した発明は、シート成形空間を構成するシート成形型部と、上記シート成形空間に出没可能に設けられた貫通孔成形型部とを備えて構成される金型を用いて行われる異方性導電シートの製造方法であって、上記基材成形工程は、上記貫通孔成形型部を上記シート成形型部に突出させた状態で上記樹脂材料を射出充填して行われるとともに、成形された上記シート状基材を上記金型内に保持した状態で貫通孔成形型部を退避させて貫通孔を出現させる貫通孔成形型退避工程と、上記シート成形型部の一部に換えて、上記各貫通孔に導電性材料を充填する導電性材料充填型部を装着する導電性材料充填型部装着工程と、上記導電性材料充填型部から導電性材料を吐出して上記貫通孔に充填する導通部形成工程とを含んで構成される。
【0019】
請求項4に記載した発明は、成形したシート状基材を金型内に保持した状態で上記導通部形成工程を行うものである。
【0020】
上記導通部形成工程を金型内で行うために、上記シート成形型部に上記貫通孔成形型部を出没可能に設けた金型が用いられるとともに、いわゆる2色射出成形機を用いて、シート状基材成形用の樹脂材料と導通部形成用の導電性材料が、上記金型内に順次充填される。
【0021】
基材成形工程は、上記シート成形型部に上記貫通孔成形型部を突出させた状態で、2色射出成形機の一方の射出孔から電気絶縁性樹脂を金型内に射出充填することにより行われる。
【0022】
上記シート状基材が成形された後に、上記貫通孔成形型部を上記シート成形空間から退避させることにより、導電性材料が充填される貫通孔を金型内で出現させる。また、上記シート状基材を形成するシート成形型部の一部を金型から離脱させるとともに、導電性材料充填型部が装着される。上記導電性材料充填型部は、射出成形機の他方の射出孔に接続されて、上記導電性材料充填型部を介して導電性材料がシート状基材の貫通孔に充填される。
【0023】
上記手法を採用すると、シート状基材成形工程と、導通部形成工程とを一つの金型装置内で連続して行うことができる。このため、生産効率が向上する。
【0024】
また、金型内に成形されたシート状基材を保持した状態で上記導通部形成工程を行うことができるため、導電性材料充填型部をシート状基材に対して精度高く配置することができる。これにより、上記導電性材料充填型部に貫通孔に対応する充填孔を設けて、各貫通孔に直接導電性樹脂を充填することも可能となる。したがって、請求項2に記載した塗着層除去工程を省くことも可能となる。
【0025】
なお、貫通孔に導電性樹脂を確実に充填するため、導電性材料充填金型にシート状基材の表面に沿う湯道を設け、シート状基材に上記湯道が付属された形態で成形した後に、上記湯道を請求項3に記載したエッチング等の手法により除去することもできる。
【0026】
上記製造方法を実施するための金型として、請求項6に記載した発明のように、シート成形空間を構成するシート成形型部と、配列形成された貫通孔成形ピンを有するとともに、上記シート成形空間に出没可能に設けられた貫通孔成形型部と、上記シート成形型部の一部と置換されるとともに、上記貫通孔成形型部を退避させることにより出現する貫通孔に導電性材料を充填できる導電性材料充填型部とを備える金型装置を採用することができる。
【0027】
請求項5に記載した発明は、上記基材成形工程が、シート成形空間を有する金型内に上記貫通孔を形成する補助型部を装着する補助型部装着工程と、成形された上記シート状基材を上記補助型部とともに上記金型内から離型させる離型工程と、上記補助型部を、上記シート状基材から除去する補助型部除去工程とを含んで行われるものである。
【0028】
貫通孔を成形する貫通孔成形型部は、アスペクト比の大きい突起状の型部が密集して配置された形態を備える。上記型部は種々の手法によって形成することができる。ところが、異方性導電シートの導通部の間隔が小さくなると、シート状基材を、金型装置内で上記貫通孔成形型部から離型させるのが困難になる場合が考えられる。また、シート状基材をゴム系の材料で構成すると、さらに離型作業が困難になる場合も考えられる。本請求項に記載した発明は、上記不都合を回避するものである。
【0029】
上記補助型部は、上述しように、上記貫通孔に対応する突起が配列形成されたものであり、シート状基材を射出成形する温度において成形性を確保できる材料であれば種々の材料を採用することができる。
【0030】
たとえば、補助型部の全体を、シート状基材の成形温度に耐える樹脂材料で形成することができる。また、貫通孔に対応する直径を有する金属線を、シート状基材の成形温度に耐える耐熱性樹脂等に所定間隔で植え込んで形成することができる。また、繰り返し使用することを前提として、金属で一体成形することもできる。
【0031】
上記補助型部をシート状基材から除去する手法も特に限定されることはなく、たとえば、機械的に分離させることができる。また、エッチング等によって消失させることができる材料を用いて成形した犠牲型として構成することもできる。
【0032】
上記手法を採用することにより、アスペクト比の大きい貫通孔を有するシート状基材を容易に成形することが可能となる。また、離型の際に、シート状基材を傷める恐れもなくなる。
【0033】
上記製造方法を実施するための金型として、請求項7に記載した発明のように、シート成形空間を構成するシート成形型部と、上記シート成形空間に装着されるとともに、成形体と一体的に取り出される補助型部とを備え、上記補助型部には貫通孔成形型部が設けられている金型装置を採用することができる。
【発明の効果】
【0034】
本願発明によって、製造工程を削減できるとともに、放射光発生装置等を用いる必要がなくなり、異方性導電シートを安価に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本願発明の実施形態を図に基づいて具体的に説明する。
【0036】
図1から図5に、本願発明に係る第1の実施形態を示す。
【0037】
図1に示すように、異方性導電シートを製造するための金型装置1は、上型2と、下型3とを備えて構成される。
【0038】
上記下型3には、異方性導電シートの厚さに対応した深さのシート成形空間4が設けられている。上記シート成形空間4の底面には、導通部となる貫通孔を成形するための多数の突起5が、所定間隔で一体突出形成されている。上記下型4の側部には、電気絶縁性の樹脂材料を上記シート成形空間4に充填するための充填孔6が形成されている。上記金型装置1は、図示しない射出成形装置に装着されて、上記充填孔6を介して上記樹脂材料が射出充填される。採用される上記樹脂材料によって異なるが、上記シート成形空間の深さは、80μm〜200μmに設定するのが望ましい。また、貫通孔に対応する上記突起5の直径は50μm程度に設定されているとともに、その形成ピッチは、約150μmに設定されている。
【0039】
図2は、図1に係る金型装置の断面図であり、電気絶縁性樹脂7を上記シート成形空間4に充填した状態を示している。これにより、図3に示すように、貫通孔9が配列形成されたシート状基材8が形成される。
【0040】
上記シート状基材8は、射出成形可能な電気絶縁性材料であって、成形後にある程度の弾性変形能ががあれば、種々の材料を採用することができる。たとえば、ニトリルゴム等のブタジエン系合成ゴム、ポリイソプレン等のオレフィン系合成ゴム、ポリウレタンゴム等の熱可塑性エラストマーを採用することができる。また、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料を採用することができる。採用される電気絶縁性材料は、耐熱温度が200℃以上で、成形後の圧縮率が10%以上の材料を採用するのが望ましい。
【0041】
本実施形態では、上記シート状基材8を上記金型装置1から取り出した後に、上記貫通孔9に導電性材料を充填する導通部形成工程が行われる。
【0042】
本実施形態に係る導通部形成工程は、上記シート状基材8の表面に導電性ペーストを塗着する導電性材料塗着工程と、上記貫通孔以外の部分に塗着された上記導電性ペーストを除去する塗着層除去工程とを含んで構成される。
【0043】
上記導電性材料塗着工程は、上記シート状基材8の両側表面に導電性ペーストを塗着することにより行われる。たとえば、上記導電性材料塗着工程は、ローラ等を用いて導電性ペーストを上記シート状基材8の表面に塗着することにより行うことができる。上記導電性ペーストとして、たとえば、エポキシ樹脂等に銀粉末を配合したものを採用することができる。図4に示すように、上記導電性材料塗着工程によって、導電性ペースト10がシート状基材8の表裏に塗着されるとともに貫通孔9に充填される。
【0044】
次に、上記貫通孔9以外の部分、すなわち、シート状基材8の表裏面に塗着された導電性ペーストを除去する塗着層除去工程が行われる。上記塗着層除去工程は、たとえば、上記導電性ペーストの樹脂成分を選択的に溶解しうるエッチング液を使用して塗着層を除去することにより行うことができる。この場合、上記シート状基材の表裏面の塗着層が除去された時点でエッチングを中止することにより、上記貫通孔9内の導電性ペーストを残留させることができる。上記塗着層除去工程によって、図5に示す形態の異方性導電シート12が形成される。
【0045】
上記異方性導電シート12は、電気絶縁性のシート状基材8に形成した貫通孔9に導電性ペースト10が保持された形成を備えている。なお、上記貫通孔9の開口端において、導電性ペーストを盛り上げるようにして形成した膨出部11を設けることにより、異方性導電シート12の検査電極等に対する通電性能を高めることができる。
【0046】
図6から図10に、本願発明の第2の実施形態を示す。
【0047】
本実施形態に用いられる異方性導電シート成形用金型装置21は、シート形成空間24を構成する上型部22と、下型部23と、この下型部23に出没可能に設けられた貫通孔形成型部25とを備えて構成される。
【0048】
上記貫通孔成形型部25は、基板25bと、この基板25bにシート状基材に形成される貫通孔に対応した棒状型部25aが所定間隔で配列形成された形態を備えている。
【0049】
上記下型部23の側部には、シート状基材28を構成する樹脂成形材料27を充填する充填孔26が設けられているとともに、底部に上記棒状型部25aを出没可能に保持する保持孔23aが配列形成されている。
【0050】
図6に示すように、上記棒状型部25aを上記シート成形空間24に突出させた状態で、上記充填孔26から上記樹脂材料27が充填されてシート状基材28が形成される。
【0051】
上記シート状基材28を成形した後、図示しない駆動機構によって、上記棒状型部25aが上記基材成形空間24から退避させられ、図7に示すように、シート状基材28の貫通孔29が露出させられる。
【0052】
次に、図8に示すように、上記上型部22を取り外すとともに、導電性材料充填型部31を装着する導電性材料充填型部装着工程が行われる。上記導電性材料充填型部31は、上記各貫通孔に対応した充填孔33と、これら充填孔33に導電性材料を導く湯道32とを備えて構成されている。
【0053】
図9に示すように、上記導電性材料充填型部31を上記上型部22と交換して下型部23に装着し、上記湯道32及び上記充填孔33を介して導電性材料が各貫通孔29に充填されることにより導通部形成工程が行われる。これにより、図10に示す異方性導電シートが形成される。
【0054】
上記導電性材料は、上記第2の実施形態と同様の導電性ペーストや、成形用の導電性樹脂を採用することができる。
【0055】
本実施形態によって、同一の金型装置内で、上記シート状基材成形工程と、上記導通部形成工程とを連続して行うことができる。このため、生産性を高めることができる。また、金型装置内に成形したシート状基材を保持した状態で、次の導通部形成工程を行えるため、上記導電性材料充填型部を精度高く位置決めして、各貫通孔に直接導電性材料を充填することができる。このため、導通部形成工程を後加工で行う必要がなくなる。
【0056】
なお、上記導電性材料充填型部31に各貫通孔29に対応する充填孔33を設けることなく、上記シート状基材28の上面との間に隙間をあけて配置して導電性材料を上記隙間に射出充填するとともに、上記貫通孔29に充填するように構成することもできる。この場合、成形後に、第1の実施形態の塗着層除去工程と同様に、貫通孔以外の部分に付着した導電性材料を除去する工程が行われる。
【0057】
図11から図15に、本願発明の第3の実施形態を示す。
【0058】
この実施形態に用いられる金型装置41は、上型部42と、下型部43と、補助型部45とを備えて構成されている。上記上型部42には、上記補助型部45が装着される嵌合凹部42aが設けられている。
【0059】
上記補助型部45は、上記嵌合凹部42aに嵌合される基部45bと、この基部の表面に配列形成された棒状型部45aとを備える。上記棒状型部45aは、上記第1及び第2の実施形態と同様に、シート状基材に形成される貫通孔に対応した形態の上記棒状型部が多数配列形成された形態を備えている。
【0060】
図12に示すように、上記補助型部45は、上記上型部42に装着されるとともに、この補助型部45と上記下型部43とによって、シート成形空間44が構成される。図13に示すように、上記シート成形空間44に電気絶縁性の樹脂材料47が充填されて、シート状基材48が形成される。
【0061】
本実施形態では、上記上型部42と上記下型部43から構成される金型装置41から、図14に示すように、上記補助型部45と上記シート状基材48とが一体的に取り出された後、図15に示すように、上記シート状基材48と上記補助型部45とが分離される。
【0062】
その後、第1の実施形態と同様に、導電性材料塗着工程と、塗着層除去工程とが順次行われる。なお、導電性材料塗着工程と、塗着層除去工程は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0063】
本実施形態では、貫通孔49を成形するための補助型部45をシート状基材48と一体的に金型装置41から取り出し、その後、シート状基材48と上記補助型部45とを分離させることができる。したがって、金型装置41からシート状基材を取り出す際に支障が生じる恐れはなく、また、シート状基材の貫通孔49を上記棒状型部45aから容易に離型させることができる。このため、アスペクト比の大きな貫通孔を有するシート状基材を製作する場合において、離型の際にシート状基材を傷める恐れはなくなる。
【0064】
また、シート状基材48と上記補助型部45とを一体的に取り扱うことができるとともに、上記補助型部45がシート状基材48の保護部材となるため、ハンドリングする際にシート状基材が傷むのを防止することもできる。
【0065】
なお、上述した第3の実施形態においては補助型部45をシート状基材48から機械的に分離除去するように構成したが、補助型部45を特定のエッチング材等によって選択的に溶解させることができる樹脂を用いて形成し、上記補助型部を消失させることにより、補助型部を除去することもできる。
【0066】
本願発明は、上述の実施形態に限定されることはない。今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本願発明の範囲は、上記説明した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本願発明によって、高価な装置を用いることなく、また、製造工程を削減することができるため、安価な異方性導電シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本願発明に係るシート状基材を製作する金型の全体斜視図である。
【図2】図1に示す金型に成形樹脂を充填した状態を示す断面図である。
【図3】図2示す金型から形成されたシート状基材の断面図である。
【図4】図3に示すシート状成形体に導電性ペーストを塗着した状態を示す断面図である。
【図5】図1から図4に示す工程によって製造される異方性導電シートの断面図である。
【図6】本願発明に係る第2の実施形態を示す図であり、図2に相当する断面図である。
【図7】図6に示す状態から、貫通孔形成型部を退避させた状態を示す断面図である。
【図8】導電性材料充填型部を装着する状態を示す断面図である。
【図9】導電性材料を充填した状態を示す断面図である。
【図10】図6から図9に示す工程によって製造される異方性導電シートの断面図である。
【図11】本願発明の第3の実施形態に係る金型を示す断面図である。
【図12】図11に示す金型を組み付けた状態を示す断面図である。
【図13】図12に示す金型に樹脂材料を充填した状態を示す断面図である。
【図14】図13に示す金型から、補助金型とシート状基材とを取り出した状態を示す断面図である。
【図15】補助金型と成形体とを分離させた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 金型
7 樹脂材料
9 貫通孔
8 シート状基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁性の樹脂材料を金型内に射出充填することにより、厚み方向に貫通する貫通孔が配列形成されたシート状基材を形成する基材成形工程と、
上記貫通孔に導電性材料を充填する導通部形成工程とを含む、異方性導電シートの製造方法。
【請求項2】
上記導通部形成工程は、
上記シート状基材に導電性材料を塗着することにより、上記貫通孔に上記導電性材料を充填する導電性材料塗着工程と、
上記貫通孔以外の部分に塗着された上記導電性材料を除去する塗着層除去工程とを含む、請求項1に記載の異方性導電シートの製造方法。
【請求項3】
上記塗着層除去工程は、上記導電性材料をエッチングにより除去することにより行われる、請求項2に記載の異方性導電シートの製造方法。
【請求項4】
シート成形空間を構成するシート成形型部と、上記シート成形空間に出没可能に設けられた貫通孔成形型部とを備えて構成される金型を用いて行われる異方性導電シートの製造方法であって、
上記基材成形工程は、上記貫通孔成形型部を上記シート成形型部に突出させた状態で上記樹脂材料を射出充填して行われるとともに、
成形された上記シート状基材を上記金型内に保持した状態で貫通孔成形型部を退避させて貫通孔を出現させる貫通孔成形型退避工程と、
上記シート成形型部の一部に換えて、上記各貫通孔に導電性材料を充填する導電性材料充填型部を装着する導電性材料充填型部装着工程と、
上記導電性材料充填型部から導電性材料を吐出して上記貫通孔に充填する導通部形成工程とを含む、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の異方性導電シートの製造方法。
【請求項5】
上記基材成形工程は、
シート成形空間を有する金型内に上記貫通孔を形成する補助型部を装着する補助型部装着工程と、
成形された上記シート状基材を上記補助型部とともに上記金型内から離型させる離型工程と、
上記補助型部を、上記シート状基材から除去する補助型部除去工程とを含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載の異方性導電シートの製造方法。
【請求項6】
シート成形空間を構成するシート成形型部と、
配列形成された貫通孔成形ピンを有するとともに、上記シート成形空間に出没可能に設けられた貫通孔成形型部と、
上記シート成形型部の一部と置換されるとともに、上記貫通孔成形型部を退避させることにより出現する貫通孔に導電性材料を充填できる導電性材料充填型部とを備える、異方性導電シート製造用金型装置。
【請求項7】
シート成形空間を構成するシート成形型部と、
上記シート成形空間に装着されるとともに、成形体と一体的に取り出される補助型部とを備え、
上記補助型部には貫通孔成形型部が設けられている、異方性導電シート製造用金型。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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