説明

異方性導電材料及び接続構造体

【課題】電極間の接続に用いた場合に、電極間の接続が容易であり、導通信頼性を高めることができる異方性導電材料、並びに該異方性導電材料を用いた接続構造体を提供する。
【解決手段】本発明に係る異方性導電材料は、導電性粒子1と、バインダー樹脂とを含む。導電性粒子1は、樹脂粒子2と、該樹脂粒子2の表面2aを被覆している導電層3とを有する。導電層3の少なくとも外側の表面層が、はんだ層5である。本発明に係る異方性導電材料は、液状であり、25℃及び5rpmにおける粘度が1〜300Pa・sである。本発明に係る接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、該第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備える。上記接続部が、上記異方性導電材料により形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、はんだ層を有する導電性粒子を含む異方性導電材料に関し、より詳細には、例えば、電極間の電気的な接続に用いることができる異方性導電材料、並びに該異方性導電材料を用いた接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
ICチップとフレキシブルプリント回路基板との接続、液晶駆動用ICチップ間の接続、及びICチップとITO電極を有する回路基板との接続等に、導電性粒子が用いられている。例えば、ICチップの電極と回路基板の電極との間に導電性粒子を配置した後、加熱及び加圧により導電性粒子を電極に接触させて、上記電極同士を電気的に接続できる。
【0003】
また、上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散され、異方性導電材料としても用いられている。
【0004】
上記導電性粒子の一例として、下記の特許文献1には、ニッケル又はガラスにより形成された基材粒子と、該基材粒子の表面を被覆しているはんだ層とを有する導電性粒子が開示されている。この導電性粒子は、ポリマーマトリックスと混合され、異方性導電材料として用いられている。
【0005】
下記の特許文献2には、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面を被覆しているニッケルめっき層と、該ニッケルめっき層の表面を被覆しているはんだ層とを有する導電性粒子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2769491号公報
【特許文献2】特開平9−306231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の導電性粒子では、導電性粒子における基材粒子の材料がガラス又はニッケルであるため、異方性導電材料において、導電性粒子が沈降することがある。このため、導電接続の際に、異方性導電材料を均一に塗工できず、上下の電極間に導電性粒子が配置されないことがある。さらに、凝集した導電性粒子によって、横方向に隣り合う電極間の短絡が生じることがある。
【0008】
なお、特許文献1では、導電性粒子における基材粒子の材料がガラス又はニッケルである構成が記載されているにすぎず、具体的には、基材粒子をニッケルのような強磁性金属により形成することが記載されているにすぎない。
【0009】
特許文献2に記載の導電性粒子は、バインダー樹脂に分散されて用いられていない。この導電性粒子の粒子径は大きいので、該導電性粒子は、バインダー樹脂に分散された異方性導電材料として用いるには好ましくないためである。特許文献2の実施例では、粒子径が650μmの樹脂粒子の表面を導電層で被覆しており、粒子径が数百μmの導電性粒子を得ており、この導電性粒子は、バインダー樹脂と混合された異方性導電材料として用いられていない。
【0010】
特許文献2では、導電性粒子を用いて接続対象部材の電極間を接続する際には、1つの電極上に1つの導電性粒子を置き、次に導電性粒子上に電極を置いた後、加熱している。加熱により、はんだ層は、溶融して電極と接合する。しかしながら、このように、電極上に導電性粒子を置く作業は煩雑である。また、接続対象部材間には、樹脂層が存在しないため、接続信頼性が低い。
【0011】
本発明の目的は、電極間の接続に用いた場合に、電極間の接続が容易であり、導通信頼性を高めることができる異方性導電材料、並びに該異方性導電材料を用いた接続構造体を提供することである。
【0012】
本発明の限定的な目的は、導電性粒子が沈降し難く、該導電性粒子の分散性を高めることができる異方性導電材料、並びに該異方性導電材料を用いた接続構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の広い局面によれば、樹脂粒子と該樹脂粒子の表面を被覆している導電層とを有する導電性粒子と、バインダー樹脂とを含み、上記導電層の少なくとも外側の表面層が、はんだ層である、異方性導電材料が提供される。
【0014】
本発明に係る異方性導電材料のある特定の局面では、上記導電性粒子の比重と上記バインダー樹脂の比重との差が、6.0以下である。
【0015】
本発明に係る異方性導電材料の他の特定の局面では、上記導電性粒子の比重が1.0〜7.0であり、かつ上記バインダー樹脂の比重が0.8〜2.0である。
本発明に係る異方性導電材料のさらに他の特定の局面では、上記導電性粒子の平均粒子径は、1〜100μmである。
【0016】
本発明に係る異方性導電材料の別の特定の局面では、フラックスがさらに含まれている。
【0017】
本発明に係る異方性導電材料の他の特定の局面では、上記導電性粒子は、上記樹脂粒子と上記はんだ層との間に、上記導電層の一部として上記はんだ層とは別に第1の導電層を有する。
【0018】
本発明に係る異方性導電材料のさらに他の特定の局面では、上記第1の導電層は銅層である。
【0019】
本発明に係る異方性導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は1〜50重量%であることが好ましい。
【0020】
本発明に係る異方性導電材料の別の特定の局面では、該異方性導電材料は液状であり、25℃及び5rpmにおける粘度は1〜300Pa・sである。
【0021】
本発明に係る異方性導電材料のさらに別の特定の局面では、該異方性導電材料は液状であり、25℃及び0.5rpmでの粘度の25℃及び5rpmでの粘度に対する粘度比が1.1〜3.0である。
【0022】
本発明に係る接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、該第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備えており、該接続部が、本発明に従って構成された異方性導電材料により形成されている。
【0023】
本発明に係る接続構造体のある特定の局面では、上記第1の接続対象部材が複数の第1の電極を有し、上記第2の接続対象部材が複数の第2の電極を有し、上記第1の電極と上記第2の電極とが上記異方性導電材料に含まれている導電性粒子により電気的に接続されている。
【0024】
本発明に係る接続構造体の他の特定の局面では、隣接する複数の上記第1の電極の電極間距離が200μm以下であり、隣接する複数の上記第2の電極の電極間距離が200μm以下であり、上記導電性粒子の平均粒子径が、隣接する複数の上記第1の電極の電極間距離の1/4以下であり、かつ隣接する複数の上記第2の電極の電極間距離の1/4以下である。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る異方性導電材料では、特定の上記導電性粒子とバインダー樹脂とを含むので、電極間の接続に用いた場合に、電極間を容易に接続できる。さらに、上記導電性粒子が樹脂粒子と該樹脂粒子の表面を被覆している導電層とを有し、かつ該導電層の少なくとも外側の表面層がはんだ層であるので、導通信頼性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る異方性導電材料に含まれている導電性粒子を示す断面図である。
【図2】図2は、導電性粒子の変形例を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係る異方性導電材料を用いた接続構造体を模式的に示す正面断面図である。
【図4】図4は、図3に示す接続構造体の導電性粒子と電極との接続部分を拡大して示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0028】
本発明に係る異方性導電材料は、導電性粒子とバインダー樹脂とを含む。該導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面を被覆している導電層とを有する。導電性粒子における導電層の少なくとも外側の表面層は、はんだ層である。
【0029】
本発明に係る異方性導電材料は、上記構成を備えているので、電極間の接続に用いた場合に、電極間の接続が容易である。例えば、接続対象部材上に設けられた電極上に導電性粒子を1個ずつ配置せずに、接続対象部材上に異方性導電材料を塗工するだけで、電極上に導電性粒子を配置できる。さらに、接続対象部材上に異方性導電材料層を形成した後、該異方性導電材料層に他の接続対象部材を電極が対向するように積層するだけで、電極間を電気的に接続できる。従って、接続対象部材の電極間が接続された接続構造体の製造効率を高めることができる。さらに、接続対象部材間には、導電性粒子だけでなくバインダー樹脂も存在するので、接続対象部材を強固に接着させることができ、接続信頼性を高めることができる。
【0030】
さらに、本発明に係る異方性導電材料を電極間の接続に用いた場合に、導通信頼性を高くすることができる。導電性粒子における導電層の外側の表面層がはんだ層であるので、例えば、加熱によりはんだ層を溶融させることにより、はんだ層と電極との接触面積を大きくすることができる。従って、本発明に係る異方性導電材料では、導電層の外側の表面層が金層又はニッケル層等のはんだ層以外の金属である導電性粒子を含む異方性導電材料と比較して、導通信頼性を高めることができる。
【0031】
加えて、導電性粒子における基材粒子が、ニッケルなどの金属又はガラスにより形成された粒子ではなく、樹脂により形成された樹脂粒子であるので、導電性粒子の柔軟性を高めることができる。このため、導電性粒子に接触した電極の損傷を抑制できる。さらに、樹脂粒子を有する導電性粒子を用いることにより、ニッケルなどの金属又はガラスにより形成された粒子を有する導電性粒子を用いた場合と比較して、該導電性粒子を介して接続された接続構造体の耐衝撃性を高めることができる。
【0032】
また、導電性粒子の比重とバインダー樹脂の比重との差が6.0以下である場合、及び導電性粒子の比重が1.0〜7.0であり、かつバインダー樹脂の比重が0.8〜2.0である場合には、異方性導電材料における導電性粒子の沈降を顕著に抑制できる。このため、接続対象部材上に異方性導電材料を均一に塗工でき、上下の電極間に導電性粒子をより一層確実に配置できる。さらに、凝集した導電性粒子によって、接続されてはならない横方向に隣り合う電極間が接続され難く、隣り合う電極間の短絡が生じるのを抑制できる。このため、電極間の導通信頼性を高めることができる。
【0033】
(導電性粒子)
図1に、本発明の一実施形態に係る異方性導電材料に含まれている導電性粒子を断面図で示す。
【0034】
図1に示すように、導電性粒子1は、樹脂粒子2と、該樹脂粒子2の表面2aを被覆している導電層3とを有する。導電性粒子1は、樹脂粒子2の表面2aが導電層3により被覆された被覆粒子である。従って、導電性粒子1は導電層3を表面1aに有する。
【0035】
導電層3は、樹脂粒子2の表面2aを被覆している第1の導電層4と、該第1の導電層4の表面4aを被覆しているはんだ層5(第2の導電層)とを有する。導電層3の外側の表面層が、はんだ層5である。従って、導電性粒子1は、導電層3の一部としてはんだ層5を有し、更に樹脂粒子2とはんだ層5との間に、導電層3の一部としてはんだ層5とは別に第1の導電層4を有する。このように、導電層3は、多層構造を有していてもよく、2層又は3層以上の多層構造を有していてもよい。
【0036】
上記のように、導電層3は2層構造を有する。図2に示す変形例のように、導電性粒子11は、単層の導電層として、はんだ層12を有していてもよい。導電性粒子における導電層の少なくとも外側の表面層が、はんだ層であればよい。ただし、導電性粒子の作製が容易であるので、導電性粒子1と導電性粒子11とのうち、導電性粒子1が好ましい。
【0037】
樹脂粒子2の表面2aに導電層3を形成する方法、並びに樹脂粒子2の表面2a又は導電層の表面にはんだ層を形成する方法は特に限定されない。導電層3及びはんだ層5,12を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを樹脂粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。なかでも、無電解めっき又は電気めっきが好適である。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。
【0038】
はんだ層5,12を容易に形成できるので、はんだ層5,12を形成する方法は、電気めっきによる方法が好ましい。はんだ層5,12は、電気めっきにより形成されていることが好ましい。
【0039】
はんだ層5,12を形成する方法として物理的な衝突による方法も、生産性を高める観点で有効である。物理的な衝突により形成する方法としては、例えばシータコンポーザ(徳寿工作所社製)を用いてコーティングする方法がある。
【0040】
はんだ層を構成する材料は、JIS Z3001:溶剤用語に基づき、液相線が450℃以下である溶可材であれば特に限定されない。はんだ層の組成としては、例えば亜鉛、金、鉛、銅、錫、ビスマス、インジウムなどを含む金属組成が挙げられる。なかでも低融点で鉛フリーである錫−インジウム系(117℃共晶)、又は錫−ビスマス系(139℃共晶)が好ましい。すなわち、はんだ層は、鉛を含まないことが好ましく、錫とインジウムとを含むはんだ層、又は錫とビスマスとを含むはんだ層であることが好ましい。
【0041】
従来、導電層の外側の表面層にはんだ層を有する導電性粒子の粒子径は、数百μm程度であった。これは、粒子径が数十μmであり、かつ導電層の外側の表面層にはんだ層を有する導電性粒子を得ようとしても、はんだ層を均一に形成できなかったためである。これに対して、無電解めっき時に分散条件を最適化することによりはんだ層を形成した場合には、導電性粒子の粒子径が数十μm、特に粒子径が1〜100μmの導電性粒子を得る場合であっても、樹脂粒子の表面又は導電層の表面にはんだ層を均一に形成できる。
【0042】
導電層3のうち、はんだ層とは別の第1の導電層4は、金属により形成されていることが好ましい。はんだ層とは別の第1の導電層を構成する金属は、特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、亜鉛、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム、並びにこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属として、錫ドープ酸化インジウム(ITO)も用いることができる。上記金属は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0043】
第1の導電層4は、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は金層であることが好ましく、ニッケル層又は金層であることがより好ましく、銅層であることが更に好ましい。導電性粒子は、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は金層を有することが好ましく、ニッケル層又は金層を有することがより好ましく、銅層を有することが更に好ましい。これらの好ましい導電層を有する導電性粒子を電極間の接続に用いることにより、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができる。また、これらの好ましい導電層の表面には、はんだ層をより一層容易に形成できる。なお、第1の導電層4は、はんだ層であってもよい。導電性粒子は、複数層のはんだ層を有していてもよい。
【0044】
はんだ層5,12の厚みは、5nm〜40,000nmの範囲内であることが好ましい。はんだ層5,12の厚みのより好ましい下限は10nm、更に好ましい下限は20nm、より好ましい上限は30,000nm、更に好ましい上限は20,000nm、特に好ましい上限は10,000nmである。はんだ層5,12の厚みが上記下限を満たすと、導電性を十分に高くすることができる。導電層の厚みが上記上限を満たすと、樹脂粒子2とはんだ層5,12との熱膨張率の差が小さくなり、はんだ層5,12の剥離が生じ難くなる。
【0045】
導電層が多層構造を有する場合には、導電層の合計厚み(導電層3の厚み;第1の導電層4とはんだ層5との合計の厚み)は、10nm〜40,000nmの範囲内であることが好ましい。導電層が多層構造を有する場合の上記導電層の合計厚みは、更に好ましい上限は30,000nm、更に一層好ましい上限は20,000nm、特に好ましい上限は10,000nmである。導電層が多層構造を有する場合には、導電層の合計厚み(導電層3の厚み;第1の導電層4とはんだ層5との合計の厚み)は、10nm〜10,000nmの範囲内であることがより好ましい。導電層が多層構造を有する場合の上記導電層の合計厚みの更に好ましい下限は20nm、特に好ましい下限は30nm、より好ましい上限は8,000nm、特に好ましい上限は7,000nm、特に好ましい上限は6,000nm、最も好ましい上限は5,000nmである。
【0046】
樹脂粒子2を形成するための樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン及びポリエーテルスルホン等が挙げられる。樹脂粒子2の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、樹脂粒子2を形成するための樹脂は、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
【0047】
導電性粒子1,11の平均粒子径は、1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。導電性粒子1,11の平均粒子径のより好ましい下限は1.5μm、より好ましい上限は80μm、更に好ましい上限は50μm、特に好ましい上限は40μmである。導電性粒子1,11の平均粒子径が上記下限及び上限を満たすと、導電性粒子1,11と電極との接触面積を充分に大きくすることができ、かつ導電層を形成する際に凝集した導電性粒子1,11が形成されにくくなる。また、導電性粒子1,11を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電層が樹脂粒子2の表面2aから剥離し難くなる。
【0048】
異方性導電材料における導電性粒子に適した大きさであり、かつ電極間の間隔をより一層小さくすることができるので、導電性粒子1,11の平均粒子径は、1μm〜100μmの範囲内であることが特に好ましい。
【0049】
上記樹脂粒子は、実装する基板の電極サイズ又はランド経によって使い分けることができる。
【0050】
上下の電極間をより一層確実に接続し、かつ横方向に隣接する電極間の短絡をより一層抑制する観点からは、導電性粒子の平均粒子径Cの樹脂粒子の平均粒子径Aに対する比(C/A)は、1.0を超え、好ましくは2.0以下である。また、上記樹脂粒子と上記はんだ層との間に上記第1の導電層がある場合に、はんだ層を除く導電性粒子部分の平均粒子径Bに対する樹脂粒子の平均粒子径Aに対する比(B/A)は、1.0を超え、好ましくは1.5以下である。さらに、上記樹脂粒子と上記はんだ層との間に上記第1の導電層がある場合に、はんだ層を含む導電性粒子の平均粒子径Cのはんだ層を除く導電性粒子部分の平均粒子径Bに対する比(C/B)は、1.0を超え、好ましくは2.0以下である。上記比(B/A)が上記範囲内であったり、上記比(C/B)が上記範囲内であったりすると、上下の電極間をより一層確実に接続し、かつ横方向に隣接する電極間の短絡をより一層抑制できる。
【0051】
FOB及びFOF用途向け異方性導電材料:
本発明に係る異方性導電材料は、フレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))との接続、又はフレキシブルプリント基板とフレキシブルプリント基板との接続(FOF(Film on Film))に好適に用いられる。
【0052】
FOB及びFOF用途では、電極がある部分(ライン)と電極がない部分(スペース)との寸法であるL&Sは、一般に100〜500μmである。FOB及びFOF用途で用いる樹脂粒子の平均粒子径は10〜100μmであることが好ましい。樹脂粒子の平均粒子径が10μm以上であると、電極間に配置される異方性導電材料及び接続部の厚みが十分に厚くなり、接着力がより一層高くなる。樹脂粒子の平均粒子径が100μm以下であると、隣接する電極間で短絡がより一層生じ難くなる。
【0053】
フリップチップ用途向け異方性導電材料:
本発明に係る異方性導電材料は、フリップチップ用途に好適に用いられる。
【0054】
フリップチップ用途では、一般にランド径が15〜80μmである。フリップチップ用途で用いる樹脂粒子の平均粒子径は1〜15μmであることが好ましい。樹脂粒子の平均粒子径が1μm以上であると、該樹脂粒子の表面上に配置されるはんだ層の厚みを十分に厚くすることができ、電極間をより一層確実に電気的に接続することができる。樹脂粒子の平均粒子径が10μm以下であると、隣接する電極間で短絡がより一層生じ難くなる。
【0055】
COF向け異方性導電材料:
本発明に係る異方性導電材料は、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))に好適に用いられる。
【0056】
COF用途では、電極がある部分(ライン)と電極がない部分(スペース)との寸法であるL&Sは、一般に10〜50μmである。COF用途で用いる樹脂粒子の平均粒子径は1〜10μmであることが好ましい。樹脂粒子の平均粒子径が1μm以上であると、該樹脂粒子の表面上に配置されるはんだ層の厚みを十分に厚くすることができ、電極間をより一層確実に電気的に接続することができる。樹脂粒子の平均粒子径が10μm以下であると、隣接する電極間で短絡がより一層生じ難くなる。
【0057】
樹脂粒子2及び導電性粒子1,11の「平均粒子径」は、数平均粒子径を示す。樹脂粒子2及び導電性粒子1,11の平均粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
【0058】
(異方性導電材料)
本発明に係る異方性導電材料は、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。すなわち、本発明に係る異方性導電材料に含まれている導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面を被覆している導電層とを有し、かつ導電層の少なくとも外側の表面層が、はんだ層である。本発明に係る異方性導電材料は、液状であることが好ましく、異方性導電ペーストであることが好ましい。
【0059】
本発明に係る異方性導電材料が液状である場合、25℃及び5rpmにおける粘度η5が1〜300Pa・sであることが好ましい。また、25℃及び0.5rpmでの粘度η0.5(Pa・s)の25℃及び5rpmでの粘度η5(Pa・s)に対する粘度比(η0.5/η5)は、1.1〜3.0であることが好ましい。上記粘度η5及び上記粘度比(η0.5/η5)が上記範囲内であれば、異方性導電材料のディスペンサー等による塗布性がより一層良好になる。なお、上記粘度η5及び粘度η0.5は、E型粘度計を用いて測定された値である。
【0060】
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、例えば、絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0061】
上記ビニル樹脂の具体例としては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体の具体例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーの具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
【0062】
上記バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。この場合には、電極間を電気的に接続する際の加熱により、導電性粒子のはんだ層を溶融させるとともに、バインダー樹脂を硬化させることができる。このため、はんだ層による電極間の接続と、バインダー樹脂による接続対象部材の接続とを同時に行うことができる。
【0063】
上記バインダー樹脂は、エポキシ樹脂であることが好ましい。この場合には、接続構造体における接続信頼性がより一層良好になる。また、フレキシブル基板等の柔軟性を有する接続対象部材を接続する場合に、ピール強度を向上させるためには硬化後の樹脂は低弾性領域に設計した方がよい。この観点から、異方性導電材料に用いるバインダー樹脂の25℃での弾性率は3000MPa以下であることが好ましい。上記弾性率が上記上限以下であると、剥離応力が加わった際に端部における応力が分散して、接着力が高くなる。異方性導電材料に用いるバインダー樹脂の25℃での弾性率は、より好ましくは2500MPa以下、更に好ましくは2000MPa以下である。また、ピール強度を向上させるために、異方性導電材料に用いるバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)は好ましくは10℃以上、好ましくは70℃以下である。
【0064】
上記弾性率を適切な範囲にすることが可能なエポキシ樹脂としては特に限定されないが、柔軟性を有するエポキシ樹脂が挙げられる。柔軟性を有するエポキシ樹脂は、例えば脂肪族ポリエーテル骨格を有すエポキシ樹脂であることが好ましく、脂肪族ポリエーテル骨格とグリシジルエーテル基とを有するエポキシ樹脂であることがより好ましい。
【0065】
上記脂肪族ポリエーテル骨格は、アルキレングリコール骨格であることが好ましい。該アルキレングリコール骨格としては、ポリプロピレングリコール骨格及びポリテトラメチレングリコール骨格等が挙げられる。このような骨格を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル及びポリヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0066】
上記柔軟性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エポゴーセーPT(四日市合成製)、EX−841(ナガセケムテックス社製)、YL7175−500(三菱化学社製)、YL7175−1000(三菱化学社製)、EP−4000S(アデカ社製)、EP−4000L(アデカ社製)、EP−4003S(アデカ社製)、EP−4010S(アデカ社製)、EXA−4850−150(DIC社製)、及びEXA−4850−1000(DIC社製)等が挙げられる。
【0067】
本発明に係る異方性導電材料は、バインダー樹脂を硬化させるために、硬化剤を含むことが好ましい。
【0068】
上記硬化剤は特に限定されない。上記硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤及び酸無水物硬化剤等が挙げられる。硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0069】
また、異方導電性材料が液状である場合などに、接続時に液状の異方性導電材料がはみ出して、意図しない領域に配置されるのを抑制する観点から、必要に応じて異方性導電材料に光を照射又は熱を付与することでBステージ状態にした方が有効な場合がある。例えば(メタ)アクリロイル基を有する樹脂と、光又は熱によってラジカルを発生させる化合物とを異方性導電材料中に配合することで、異方性導電材料をBステージ状態にすることが可能となる。
【0070】
本発明に係る異方性導電材料は、フラックスをさらに含むことが好ましい。フラックスの使用により、はんだ層の表面に酸化被膜が形成され難くなり、さらに、はんだ層又は電極表面に形成された酸化被膜を効果的に除去できる。
【0071】
上記フラックスは特に限定されない。フラックスとして、はんだ接合等に一般的に用いられているフラックスを使用できる。フラックスとしては、例えば、塩化亜鉛、塩化亜鉛と無機ハロゲン化物との混合物、塩化亜鉛と無機酸との混合物、溶融塩、リン酸、リン酸の誘導体、有機ハロゲン化物、ヒドラジン、有機酸及び松脂等が挙げられる。フラックスは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0072】
上記溶融塩としては、塩化アンモニウム等が挙げられる。上記有機酸としては、乳酸、クエン酸、ステアリン酸、グルタミン酸及びヒドラジン等が挙げられる。上記松脂としては、活性化松脂及び非活性化松脂等が挙げられる。上記フラックスは、松脂であることが好ましい。松脂の使用により、電極間の接続抵抗を低くすることができる。
【0073】
上記松脂はアビエチン酸を主成分とするロジン類である。フラックスは、ロジン類であることが好ましく、アビエチン酸であることがより好ましい。この好ましいフラックスの使用により、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができる。
【0074】
上記フラックスは、バインダー樹脂中に分散されていてもよく、導電性粒子の表面上に付着していてもよい。
【0075】
本発明に係る異方性導電材料は、フラックスの活性度を調整するために、塩基性有機化合物を含んでいてもよい。上記塩基性有機化合物としては、塩酸アニリン及び塩酸ヒドラジン等が挙げられる。
【0076】
上記導電性粒子の比重と上記バインダー樹脂の比重との差は、6.0以下であることが好ましい。この場合には、異方性導電材料の保管時に、導電性粒子が沈降するのを抑制できる。従って、接続対象部材上に異方性導電材料を均一に塗工でき、上下の電極間に導電性粒子をより一層確実に配置させることができ、かつ凝集した導電性粒子による横方向に隣り合う電極間の短絡の発生を抑制できる。さらに、電極間の導通信頼性を高めることができる。
【0077】
上記導電性粒子の比重が1.0〜7.0であり、かつ上記バインダー樹脂の比重が0.8〜2.0であることが好ましい。この場合にも、異方性導電材料の保管時に、導電性粒子が沈降するのを抑制できる。このため、上下の電極間に導電性粒子をより一層確実に配置できる。さらに、凝集した導電性粒子によって、横方向に隣り合う電極間の短絡が生じるのを抑制できる。従って、電極間の導通信頼性を高めることができる。
【0078】
上記導電性粒子の比重と上記バインダー樹脂の比重との差が6.0以下であり、上記導電性粒子の比重が1.0〜7.0であり、かつ上記バインダー樹脂の比重が0.8〜2.0であることが特に好ましい。
【0079】
異方性導電材料の保管時に、導電性粒子が沈降するのをより一層抑制する観点からは、異方性導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は30〜99.99重量%の範囲内であることが好ましい。上記バインダー樹脂の含有量のより好ましい下限は50重量%、更に好ましい下限は80重量%、より好ましい上限は99重量%である。上記バインダー樹脂の含有量が上記下限及び上限を満たすと、導電性粒子の沈降がより一層生じ難くなり、かつ異方性導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性をより一層高めることができる。
【0080】
硬化剤を用いる場合には、上記バインダー樹脂(硬化性成分)100重量部に対して、上記硬化剤の含有量は0.01〜100重量部の範囲内であることが好ましい。上記硬化剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は50重量部、更に好ましい上限は20重量部である。上記硬化剤の含有量が上記下限及び上限を満たすと、上記バインダー樹脂を十分に硬化させることができ、更に硬化後に硬化剤に由来する残渣が生じ難くなる。
【0081】
また、上記硬化剤が当量反応する硬化剤である場合、上記バインダー樹脂(硬化性成分)の硬化性官能基100当量に対して、上記硬化剤の官能基当量は好ましくは30当量以上、好ましくは110当量以下である。
【0082】
異方性導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は1〜50重量%の範囲内であることが好ましい。上記導電性粒子の含有量のより好ましい下限は2重量%、より好ましい上限は45重量%である。上記導電性粒子の含有量が上記下限及び上限を満たすと、導電性粒子の沈降がより一層生じ難くなり、かつ電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。
【0083】
異方性導電材料100重量%中、フラックスの含有量は0〜30重量%の範囲内であることが好ましい。異方性導電材料は、フラックスを含んでいなくてもよい。フラックスの含有量のより好ましい下限は0.5重量%、より好ましい上限は25重量%である。フラックスの含有量が上記下限及び上限を満たすと、はんだ層の表面に酸化被膜がより一層形成され難くなり、さらに、はんだ層又は電極表面に形成された酸化被膜をより一層効果的に除去できる。また、上記フラックスの含有量が上記下限以上であると、フラックスの添加効果がより一層効果的に発現する。上記フラックスの含有量が上記上限以下であると、硬化物の吸湿性がより一層低くなり、接続構造体の信頼性がより一層高くなる。
【0084】
本発明に係る異方性導電材料は、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤又は難燃剤等の各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
【0085】
上記充填剤としては、無機粒子等が挙げられる。本発明に係る異方性導電材料は、無機粒子を含むことが好ましく、表面処理された無機粒子を含むことが好ましい。この場合には、上記粘度η0.5及び上記粘度比(η0.5/η5)を上述した好ましい値に容易に制御可能である。
【0086】
上記表面処理された無機粒子としては、DM−10、DM−30、MT−10、ZD−30ST、HM−20L、PM−20L、QS−40及びKS−20S(トクヤマ社製)、R−972、RX−200、R202及びR−976(Degussa社製)、フェニルシランカップリング剤表面処理シリカ及びフェニルシランカップリング剤処理微粒子シリカ(アドマテックス社製)、並びにUFP−80(電気化学社製)等が挙げられる。
【0087】
上記粘度η0.5及び上記粘度比(η0.5/η5)を上述した好ましい値に容易に制御する観点からは、上記バインダー樹脂100重量部に対して、上記無機粒子の含有量は好ましくは1重量部以上、好ましくは10重量部以下である。
【0088】
上記バインダー樹脂中に導電性粒子を分散させる方法は、従来公知の分散方法を用いることができ特に限定されない。上記バインダー樹脂中に導電性粒子を分散させる方法としては、例えば、バインダー樹脂中に導電性粒子を添加した後、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法、導電性粒子を水又は有機溶剤中にホモジナイザー等を用いて均一に分散させた後、バインダー樹脂中へ添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法、並びにバインダー樹脂を水又は有機溶剤等で希釈した後、導電性粒子を添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法等が挙げられる。
【0089】
本発明に係る異方性導電材料は、異方性導電ペースト又は異方性導電フィルム等として使用できる。上記異方性導電ペーストは、異方性導電インク又は異方性導電粘接着剤であってもよい。また、上記異方性導電フィルムには、異方性導電シートが含まれる。本発明の導電性粒子を含む異方性導電材料が、異方性導電フィルム等のフィルム状の接着剤として使用される場合には、該導電性粒子を含むフィルム状の接着剤に、導電性粒子を含まないフィルム状の接着剤が積層されていてもよい。ただし、上述のように、本発明に係る異方性導電材料は、液状であることが好ましく、異方性導電ペーストであることが好ましい。
【0090】
(接続構造体)
本発明に係る異方性導電材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
【0091】
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を電気的に接続している接続部とを備え、該接続部が本発明に係る異方性導電材料により形成されていることが好ましい。
【0092】
上記第1の接続対象部材が複数の第1の電極を有し、上記第2の接続対象部材が複数の第2の電極を有し、上記第1の電極と上記第2の電極とが上記異方性導電材料に含まれている導電性粒子により電気的に接続されていることが好ましい。
【0093】
隣接する複数の上記第1の電極の電極間距離が200μm以下であり、隣接する複数の上記第2の電極の電極間距離が200μm以下であり、上記導電性粒子の平均粒子径が、隣接する複数の上記第1の電極の電極間距離の1/4以下であり、かつ隣接する複数の上記第2の電極の電極間距離の1/4以下であることが好ましい。この場合には、横方向に隣接する電極間の短絡をより一層抑制できる。なお、上記電極間距離とは、電極がない部分(スペース)の寸法である。
【0094】
図3に、本発明の一実施形態に係る異方性導電材料を用いた接続構造体を模式的に正面断面図で示す。
【0095】
図3に示す接続構造体21は、第1の接続対象部材22と、第2の接続対象部材23と、第1,第2の接続対象部材22,23を接続している接続部24とを備える。接続部24は、導電性粒子1を含む異方性導電材料を硬化させることにより形成されている。なお、図3では、導電性粒子1は、図示の便宜上、略図的に示されている。
【0096】
第1の接続対象部材22は上面22aに、複数の第1の電極22bを有する。第2の接続対象部材23は下面23aに、複数の第2の電極23bを有する。第1の電極22bと第2の電極23bとが、1つ又は複数の導電性粒子1により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材22,23が導電性粒子1により電気的に接続されている。
【0097】
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例としては、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記異方性導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。加熱及び加圧により、導電性粒子1のはんだ層5が溶融して、該導電性粒子1により電極間が電気的に接続される。さらに、バインダー樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、バインダー樹脂が硬化して、硬化したバインダー樹脂により第1,第2の接続対象部材22,23が接続される。
【0098】
上記加圧の圧力は9.8×10〜4.9×10Pa程度である。上記加熱の温度は、120〜220℃程度である。
【0099】
図4に、図3に示す接続構造体21における導電性粒子1と第1,第2の電極22b,23bとの接続部分を拡大して正面断面図で示す。図4に示すように、接続構造体21では、上記積層体を加熱及び加圧することにより、導電性粒子1のはんだ層5が溶融した後、溶融したはんだ層部分5aが第1,第2の電極22b,23bと十分に接触する。すなわち、表面層がはんだ層5である導電性粒子を用いることにより、導電層の表面層がニッケル、金又は銅等の金属である導電性粒子を用いた場合と比較して、導電性粒子1と電極22b,23bとの接触面積を大きくすることができる。このため、接続構造体21の導通信頼性を高めることができる。なお、加熱により、一般にフラックスは次第に失活する。
【0100】
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板及びガラス基板等の回路基板である電子部品が挙げられる。上記異方性導電材料は、電子部品を接続するための異方性導電材料であることが好ましい。上記異方性導電材料は、液状であって、かつ液状の状態で接続対象部材の上面に塗工される異方性導電材料であることが好ましい。
【0101】
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
【0102】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0103】
(実施例1)
(1)導電性粒子の作製
平均粒子径20μmのジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSP−220)を無電解ニッケルめっきし、樹脂粒子の表面上に厚さ0.1μmの下地ニッケルめっき層を形成した。次いで、下地ニッケルめっき層が形成された樹脂粒子を電解銅めっきし、厚さ1μmの銅層を形成した。更に、錫及びビスマスを含有する電解めっき液を用いて、電解めっきし、厚さ1μmのはんだ層を形成した。このようにして、樹脂粒子の表面上に厚み1μmの銅層が形成されており、該銅層の表面に厚み1μmのはんだ層(錫:ビスマス=43重量%:57重量%)が形成されている導電性粒子Aを作製した。
【0104】
(2)異方性導電材料の作製
バインダー樹脂としてTEPIC−PAS B22(日産化学工業社製、比重1.2)100重量部、硬化剤としてTEP−2E4MZ(日本曹達社製)15重量部と、ロジン5重量部とを配合し、さらに得られた導電性粒子A10重量部を添加した後、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、異方性導電ペーストである異方性導電材料を得た。
【0105】
(実施例2)
錫及びビスマスを含有する電解めっき液を用いて、電解めっきし、はんだ層の厚みを3μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0106】
(実施例3)
錫及びビスマスを含有する電解めっき液を用いて、電解めっきし、はんだ層の厚みを5μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0107】
(実施例4)
樹脂粒子を、平均粒子径30μmのジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製、ミクロパール−SP230)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0108】
(実施例5)
樹脂粒子を、平均粒子径30μmのジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSP−230)に変更したこと以外は実施例2と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0109】
(実施例6)
樹脂粒子を、平均粒子径30μmのジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSP−230)に変更したこと以外は実施例3と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0110】
(実施例7)
錫及びビスマスを含有する電解めっき液を用いて、電解めっきし、はんだ層の厚みを7μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0111】
(実施例8)
(1)導電性粒子の作製
錫及びビスマスを含有する電解めっき液を用いて、平均粒子径20μmのジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSP−220)を電解めっきし、樹脂粒子の表面上に厚さ1μmのはんだ層を形成した。このようにして、樹脂粒子の表面上に厚み1μmのはんだ層(錫:ビスマス=43重量%:57重量%)が形成されている導電性粒子Bを作製した。
【0112】
(2)異方性導電材料の作製
導電性粒子Aを導電性粒子Bに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0113】
(実施例9)
導電性粒子Aの配合量を10重量部から1重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0114】
(実施例10)
導電性粒子Aの配合量を10重量部から30重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0115】
(実施例11)
導電性粒子Aの配合量を10重量部から80重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0116】
(実施例12)
導電性粒子Aの配合量を10重量部から150重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0117】
(実施例13)
ロジンを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0118】
(実施例14)
樹脂粒子を、平均粒子径40μmのジビニルベンゼン樹脂粒子に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0119】
(実施例15)
樹脂粒子を、平均粒子径10μmのジビニルベンゼン樹脂粒子に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0120】
(実施例16)
バインダー樹脂をTEPIC−PAS B22(日産化学工業社製、比重1.2)からEXA−4850−150(DIC社製、比重1.2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0121】
(実施例17)
ヒュームドシリカとしてPM−20L(トクヤマ社製)0.5重量部を加えたこと以外は実施例16と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0122】
(実施例18)
ヒュームドシリカとしてPM−20L(トクヤマ社製)2重量部を加えたこと以外は実施例16と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0123】
(実施例19)
ヒュームドシリカとしてPM−20L(トクヤマ社製)4重量部を加えたこと以外は実施例16と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0124】
(実施例20)
(1)導電性粒子の作製
平均粒子径20μmのジビニルベンゼン樹脂粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSP−220)を無電解ニッケルめっきし、樹脂粒子の表面上に厚さ0.1μmの下地ニッケルめっき層を形成した。更に、錫及びビスマスを含有する電解めっき液を用いて、電解めっきし、厚さ1μmのはんだ層を形成した。このようにして、樹脂粒子の表面上に厚み1μmのはんだ層(錫:ビスマス=43重量%:57重量%)が形成されている導電性粒子Cを作製した。
【0125】
(2)異方性導電材料の作製
導電性粒子Aを導電性粒子Cに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子及び異方性導電材料を得た。
【0126】
(比較例1)
はんだ粒子(錫:ビスマス=43重量%:57重量%、平均粒子径15μm)を用意して、上記はんだ粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電材料を得た。
【0127】
(評価)
(1)異方性導電材料の粘度
異方性導電材料を作製した後、25℃で72時間保管した。保管後に異方性導電材料を撹拌して、導電性粒子が沈降していない状態で、異方性導電材料の粘度を測定した。
【0128】
E型粘度測定装置(TOKI SANGYO CO.LTD社製、商品名:VISCOMETER TV−22、使用ローター:φ15mm、温度:25℃)を用いて、25℃及び5rpmにおける粘度η5を測定した。また、同様に、25℃及び0.5rpmにおける粘度η0.5を測定し、粘度比(η0.5/η5)を求めた。
【0129】
(2)貯蔵安定性
異方性導電材料を作製した後、25℃で72時間保管した。保管後に、異方性導電材料において、導電性粒子が沈降しているか否かを目視で観察した。導電性粒子が沈降していない場合を「○」、沈降している場合を「×」として結果を下記の表1,2に示した。
【0130】
(3)接続構造体の作製
L/Sが200μm/200μmの金電極パターンが上面に形成されたFR4基板を用意した。また、L/Sが200μm/200μmの金電極パターンが下面に形成されたポリイミド基板(フレキシブル基板)を用意した。また、異方性導電材料を作製した後、25℃で72時間保管した。
【0131】
上記FR4基板の上面に、25℃で72時間保管した後の異方性導電材料を撹拌せずに、厚さ50μmとなるように塗工し、異方性導電材料層を形成した。
【0132】
次に、異方性導電材料層の上面にポリイミド基板(フレキシブル基板)を、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電材料層の温度が200℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、2.0MPaの圧力をかけて、はんだを溶融させ、かつ異方性導電材料層を185℃で硬化させ、接続構造体(撹拌前の異方性導電材料を用いた接続構造体)を得た。
【0133】
また、25℃で72時間保管した後の異方性導電材料を撹拌して、導電性粒子を再度分散させた異方性導電材料を用いて、上記のようにして接続構造体(撹拌後の異方性導電材料を用いた接続構造体)を得た。
【0134】
(4)横方向に隣接する電極間の絶縁性試験
得られた接続構造体において、隣接する電極間のリークの有無を、テスターで抵抗を測定することにより評価した。抵抗が500MΩ以下である場合を「×」とし、抵抗が500MΩを超えて1000MΩ未満である場合を「△」とし、抵抗が1000MΩを超える場合を「○」として下記の表1,2に示した。
【0135】
(5)上下の電極間の導通試験
得られた接続構造体の上下の電極間の接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。2つの接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。接続抵抗の平均値が1.2Ω以下である場合を「○」、1.2を超えて2Ω未満である場合を「△」、接続抵抗の平均値が2Ωを超える場合を「×」として結果を下記の表1,2に示した。
【0136】
(6)耐衝撃試験
L/Sが100μm/100μmの金電極パターンが上面に形成されたFR4基板を用意した。また、L/Sが100μm/100μmの金電極パターンが下面に形成された半導体チップを用意した。また、異方性導電材料を作製した後、25℃で72時間保管した。
【0137】
上記FR4基板の上面に、25℃で72時間保管した後の異方性導電材料を撹拌せずに、厚さ50μmとなるように塗工し、異方性導電材料層を形成した。
【0138】
次に、異方性導電材料層の上面に半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電材料層の温度が200℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、2.0MPaの圧力をかけて、はんだを溶融させ、かつ異方性導電材料層を185℃で硬化させ、接続構造体(撹拌前の異方性導電材料を用いた接続構造体)を得た。
【0139】
また、25℃で72時間保管した後の異方性導電材料を撹拌して、導電性粒子を再度分散させた異方性導電材料を用いて、上記のようにして接続構造体(撹拌後の異方性導電材料を用いた接続構造体)を得た。
【0140】
さらに、この基板を高さ70cmの位置から落下させて各半田接合部の導通を確認することにより耐衝撃性の評価を行った。初期抵抗値からの抵抗値の上昇率が30%以下である場合を「○」、初期抵抗値からの抵抗値の上昇率が30%を超えて50%以下である場合を「△」、初期抵抗値からの抵抗値の上昇率が50%を超える場合を「×」として結果を下記の表1,2に示した。
【0141】
【表1】

【0142】
【表2】

【0143】
表1,2に示すように、実施例1〜20の導電性粒子を再度分散させた異方性導電材料を用いた接続構造体では、横方向に隣接する電極間のリークが無く、上下の電極間が十分に接続されていることがわかる。さらに、実施例1〜20の異方性導電材料では、長期間保管されても導電性粒子が沈降し難く、貯蔵安定性に優れていることがわかる。なお、実施例1〜20の樹脂粒子を有する導電性粒子を含む異方性導電材料を用いた接続構造体では、比較例1のはんだ粒子を含む異方性導電材料を用いた接続構造体と比較して、導電性粒子がコアに柔軟性が高い樹脂粒子を有するため、導電性粒子に接触した電極が損傷し難く、かつ耐衝撃性に優れている。
【符号の説明】
【0144】
1…導電性粒子
1a…表面
2…樹脂粒子
2a…表面
3…導電層
4…第1の導電層
4a…表面
5…はんだ層
5a…溶融したはんだ層部分
11…導電性粒子
12…はんだ層
21…接続構造体
22…第1の接続対象部材
22a…上面
22b…第1の電極
23…第2の接続対象部材
23a…下面
23b…第2の電極
24…接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面を被覆している導電層とを有する導電性粒子と、
バインダー樹脂とを含み、
前記導電層の少なくとも外側の表面層が、はんだ層であり、
液状であり、25℃及び5rpmにおける粘度が1〜300Pa・sである、異方性導電材料。
【請求項2】
前記導電性粒子の比重が1.0〜7.0であり、かつ前記バインダー樹脂の比重が0.8〜2.0である、請求項1に記載の異方性導電材料。
【請求項3】
前記導電性粒子の平均粒子径が、1〜100μmである、請求項1又は2に記載の異方性導電材料。
【請求項4】
フラックスをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方性導電材料。
【請求項5】
前記導電性粒子が、前記樹脂粒子と前記はんだ層との間に、前記導電層の一部として前記はんだ層とは別の第1の導電層を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の異方性導電材料。
【請求項6】
前記第1の導電層が銅層である、請求項5に記載の異方性導電材料。
【請求項7】
異方性導電材料100重量%中、前記導電性粒子の含有量は1〜50重量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方性導電材料。
【請求項8】
液状であり、25℃及び0.5rpmでの粘度の25℃及び5rpmでの粘度に対する粘度比が1.1〜3.0である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の異方性導電材料。
【請求項9】
第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、該第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、
前記接続部が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の異方性導電材料により形成されている、接続構造体。
【請求項10】
前記第1の接続対象部材が複数の第1の電極を有し、前記第2の接続対象部材が複数の第2の電極を有し、
前記第1の電極と前記第2の電極とが前記異方性導電材料に含まれている導電性粒子により電気的に接続されている、請求項9に記載の接続構造体。
【請求項11】
隣接する複数の前記第1の電極の電極間距離が200μm以下であり、隣接する複数の前記第2の電極の電極間距離が200μm以下であり、
前記導電性粒子の平均粒子径が、隣接する複数の前記第1の電極の電極間距離の1/4以下であり、かつ隣接する複数の前記第2の電極の電極間距離の1/4以下である、請求項10に記載の接続構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−195294(P2012−195294A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−96754(P2012−96754)
【出願日】平成24年4月20日(2012.4.20)
【分割の表示】特願2011−524087(P2011−524087)の分割
【原出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】