説明

異方性導電材料及び接続構造体

【課題】FPCと電極との接着力に優れ、特にFPCと金属の電極との接着力に優れた異方性導電材料を提供する。
【解決手段】バインダー樹脂、導電性粒子、及び溶剤を含有する異方性導電材料であって、前記バインダー樹脂は、カルボキシル基を含有するウレタン骨格を有する異方性導電材料。好ましくは、前記バインダー樹脂は、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートが共重合されてなる。更に好ましくは、前記バインダー樹脂の重量平均分子量は、10,000〜300,000である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の導電性粒子を含む異方性導電材料に関し、様々な接続対象部材の電極間、特に、フレキシブルプリント基板(FPC)と金属膜との間の電気的な接続に用いることができる異方性導電材料、並びに該異方性導電材料を用いた接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント基板(FPC)、ガラス基板及び半導体チップなどの様々な接続対象部材の電極間の電気的な接続に、異方性導電材料が用いられている。例えば、タッチパネルでは、フレキシブルプリント基板の電極が他の電極と、異方性導電材料により電気的に接続されている。異方性導電材料では、インク又は樹脂中に複数の導電性粒子が分散されている。
【0003】
近年、タッチパネル構造体の多配線数化、狭額縁化(画面拡大化,構造体の小型化)の要請により、異方性導電材料を用いてFPCと他の電極とを接着する接着部分の面積が小さくなってきている。FPCに接着された他の電極を製造する場合、スクリーン印刷により、電極ラインを接続部分だけでなく、額縁部分にも印刷する必要がある。
【0004】
従来のタッチパネルにおいては、一般的に、FPCと接続される他の電極として、Agペーストが用いられている。しかし、Agペーストを電極として用いる場合、回路の線幅、及び線間の距離(ライン・アンド・スペース)を小さくすることができず、また、額縁面積を小さくすることができない。また、Agペーストは、樹脂を多分に含むため、接続抵抗が高くなってしまう。
【0005】
ライン・アンド・スペースを小さくし、接続抵抗を低下させるために、金属をスパッタリング及び蒸着した後、フォトリソグラフィー工程で電極ラインが形成される場合がある。 この場合、接続部分がFPCとAgペーストとの接着ではなく、FPCと金属膜との接着となり、従来の異方性導電材料では接着力が十分でない。また、電子ディスプレイ部品の小型化に伴って、異方性導電材料を用いた接着部分の面積が小さくなってきており、金属膜に対して強い接着力を発揮する異方性導電材料が求められている。
【0006】
異方性導電材料の一例として、特許文献1に、(A)成分:ポリアミドエラストマー、(B)成分:球状の導電性粉体、及び(C)成分:溶剤からなる異方導電性接着剤が開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された異方性導電材料は、金属膜に対する接着力が検討されていない。特許文献1に記載された異方性導電材料を用いて電子部品、例えば、タッチパネルを製造した場合、FPCと金属膜との間の接着力が十分でなく、FPCと電極との間の接続抵抗が増加してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−132304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、FPCと電極との接着力に優れ、特にFPCと金属膜の電極との接着力に優れた異方性導電材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、異方性導電材料に含まれるバインダー樹脂として、カルボキシル基を含有するウレタン骨格を有するバインダー樹脂を用いる場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、下記の異方性導電材料及び接続構造体に関する。
1.バインダー樹脂、導電性粒子、及び溶剤を含有する異方性導電材料であって、
前記バインダー樹脂は、カルボキシル基を含有するウレタン骨格を有する異方性導電材料。
2.前記バインダー樹脂は、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートが共重合されてなる、上記項1に記載の異方性導電材料。
3.前記バインダー樹脂の重量平均分子量は、10,000〜300,000である、上記項1又は2に記載の異方性導電材料。
4.フレキシブルプリント基板の電極の電気的な接続に用いられる、上記項1〜3のいずれかに記載の異方性導電材料。
5.平均粒径が0.01〜5μmである無機充填剤を含有する、上記項1〜4のいずれかに記載の異方性導電材料。
6.前記無機充填剤がタルクを含有する、上記項5に記載の異方性導電材料。
7.金属膜接着用である、上記項1〜6のいずれかに記載の異方性導電材料。
8.タッチパネル用である、上記項1〜7のいずれかに記載の異方性導電材料。
9.第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、当該第1,第2の接続対象部材を電気的に接続している接続部とを備え、
前記接続部が、上記項1〜8のいずれかに記載の異方性導電材料により形成されている、接続構造体。
【0012】
以下、本発明の異方性導電材料及び接続構造体について詳細に説明する。
【0013】
1.異方性導電材料
本発明の異方性導電材料は、バインダー樹脂、導電性粒子、及び溶剤を含有し、上記バインダー樹脂は、カルボキシル基を含有するウレタン骨格を有する。
【0014】
上記特徴を有する本発明の異方性導電材料は、バインダー樹脂としてカルボキシル基を含有するウレタン骨格を有する樹脂を採用することにより、金属膜との接着性に優れた特性を示すことができる。樹脂と、金属膜との接着性を高めるには、ウレタン結合、アミド結合、カルボキシル基、アミノ基、及びチオール基等の樹脂中に含まれる極性基が効果的である。中でも、ウレタン結合を有することにより、金属膜に対する接着性に特に優れた性質を示すことが可能となる。更に、バインダー樹脂として、カルボキシル基を含有するウレタン骨格を有する樹脂を採用することにより、凝集力に優れ、金属膜に対してより高い接着力を発揮する。これにより、金属膜に対して良好な接着性及び異方導電性を有する接続構造体を提供することができる。
【0015】
以下、異方性導電材料を構成する各成分について説明する。
【0016】
(バインダー樹脂)
本発明の異方性導電材料は、カルボキシル基を含有するウレタン骨格を有するバインダー樹脂を含有する。
【0017】
上記カルボキシル基を含有するウレタン骨格を有するバインダー樹脂は、構造中に少なくとも1つのウレタン骨格、及びカルボキシル基を有する樹脂であれば特に限定されず、ウレタン骨格の他に、ポリアミド骨格、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、又は、その他の骨格を有していてもよい。また、構造中に、エポキシ基、水酸基、又は、その他の官能基を有していてもよい。
【0018】
上記バインダー樹脂は、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートが共重合されてなるものであることが好ましい。また、上記バインダー樹脂は、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートと、不飽和結合を有する他の樹脂とが共重合されてなるものであることがより好ましい。このようなバインダー樹脂を用いることによって、電極に対して、より強い接着性を発揮することが可能となる。
【0019】
上記カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートは単官能であっても、多官能であってもよい。化学架橋(微架橋)を形成することにより、バインダー樹脂の凝集力が増加して、金属膜に対する接着性をより効果的に高めることが可能となる点で、多官能であることが好ましい。
【0020】
上記バインダー樹脂中のカルボキシル基の量は、バインダー樹脂の酸価で表すことができる。上記バインダー樹脂の酸価は、1〜30mgKOH/gが好ましい。上記酸価が低すぎる(カルボキシル基の量が少ない)と、異方性導電材料が接着性を十分に発揮できないおそれがあり、上記酸価が高すぎる(カルボキシル基の量が多い)と、異方性導電材料が吸湿し易くなり、高湿な条件下で使用すると、金属膜への接着性が低下するおそれがある。上記バインダー樹脂の酸価は、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートの酸価に、バインダー樹脂を製造する際に調製されるバインダー樹脂組成物100重量%中の、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートの含有量(重量%)を乗じて算出することにより得られた値である。
【0021】
上記バインダー樹脂を製造する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法で製造することができる。例えば、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートを、バインダー樹脂を構成する他の樹脂成分と混合してバインダー樹脂組成物を調製し、共重合させる方法が挙げられる。
【0022】
上記方法によりバインダー樹脂を製造する場合、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、バインダー樹脂組成物100重量%に対して、1〜50重量%であることが好ましい。上記含有量が少ないと、異方性導電材料が金属膜に対する接着性を十分に発揮できないおそれがあり、多すぎると、異方性導電材料が吸湿し易くなり、高湿な条件下で使用すると、金属膜への接着性が低下するおそれがある。上記カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、1〜30重量%であることがより好ましく、1〜20重量%であることが更に好ましい。
【0023】
上記カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の市販品として、根上工業社製「UN−5507」が挙げられる。
【0024】
上述したように、本発明に用いられるバインダー樹脂は、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートと、不飽和結合を有する他の樹脂とを共重合したものであることが好ましい。上記他の樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及び多官能アクリレートオリゴマー等があげられる。中でも、フェノキシ樹脂、又はポリアミド樹脂を用いることが好ましい。
【0025】
上記不飽和結合を有するフェノキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(1):
【0026】
【化1】

【0027】
(式中、nは整数を表し、Rは、単結合、−CH−、又は−C(CH−を表す。)で表される骨格(I)と、
下記一般式(2):
−(R)− (2)
(式中、Rは、炭素数4〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、繰り返し数2〜23のオキシエチレン単位、又は、繰り返し数2〜15のオキシプロピレン単位を表す。)で表される骨格(II)とを有する不飽和結合を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。
【0028】
上記一般式中、nは整数を表す。また、Rは、単結合、−CH−、又は−C(CH−を表すことが好ましい。中でも、高温高湿下での接着性に、より優れる点で−C(CH−であることがより好ましい。
【0029】
上記不飽和結合を有するフェノキシ樹脂は、上記一般式(2)で表される骨格(II)を有することが好ましい。上記一般式(II)中、Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、オキシエチレン単位、又は、オキシプロピレン単位を表すことが好ましい。
【0030】
上記Rがオキシエチレン単位である場合、繰り返し数は、2〜23であることが好ましい。また、上記Rがオキシプロピレン単位である場合、繰り返し数は、2〜15であることが好ましい。上記繰り返し数があまりに小さいと、バインダー樹脂が硬くなり過ぎるおそれがあり、また、繰り返し数があまりに大きいと、バインダー樹脂のTgが低下して柔らかくなり過ぎ、異方性導電材料の高温下での接着性が低下するおそれがある。
【0031】
上記不飽和結合を有するフェノキシ樹脂の重量平均分子量は、5,000〜100,000であることが好ましい。上記重量平均分子量が5,000未満であると、異方性導電材料の接着性が低下するおそれがあり、また、クリープ性が低下するおそれがある。上記重量平均分子量が100,000を超えると、異方性導電材料の粘度が高くなり過ぎ、印刷性に劣るおそれがある。
【0032】
上記骨格(I)及び(II)を有する、不飽和結合を有するフェノキシ樹脂の製造方法としては、均一で高分子量の重合体が得られる方法であれば特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、2級水酸基を有するフェノキシ樹脂を溶剤に溶解させ、不飽和結合を有するイソシアネート化合物を添加し、触媒の存在下で加熱して反応させる方法が挙げられる。
【0033】
上記2級水酸基を有するフェノキシ樹脂の市販品として、巴工業社製の「PKHC」が挙げられる。また、不飽和結合を有するイソシアネート化合物の市販品として、昭和電工社製の「カレンズMOI」(登録商標)が挙げられる。
【0034】
上記不飽和結合を有するフェノキシ樹脂と共重合したバインダー樹脂を製造する方法としては特に限定されないが、例えば、バインダー樹脂を製造する際に調製する樹脂組成物に、上記不飽和結合を有するフェノキシ樹脂を混合し、共重合反応させる方法が挙げられる。
【0035】
上記方法によりバインダー樹脂を製造する場合、上記不飽和結合を有するフェノキシ樹脂の含有量は、バインダー樹脂組成物100重量%に対して、1〜50重量%であることが好ましい。上記含有量が少ないと、異方性導電材料が高温高湿下での接着性を十分に発揮できないおそれがあり、多すぎると樹脂が架橋してゲル化するおそれがある。上記不飽和結合を有するフェノキシ樹脂の含有量は、5〜30重量%であることがより好ましく、5〜20重量%であることが更に好ましい。
【0036】
上記不飽和結合を有するポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド部分、及び、ポリエステル部分を含む骨格(III)を有するポリアミド樹脂が挙げられる。上記骨格(III)を有することで、バインダー樹脂が更に接着力に優れるという特性を示すことができる。
【0037】
上記骨格(III)は、ポリアミド部分、及びポリエステル部分を含む骨格であれば
特に限定されないが、ハードセグメントとしてポリアミド部分を有し、かつソフトセグメントとしてポリエーテルエステル部分及びポリエステル部分の内の少なくとも1種の部分を有するポリアミドエラストマー骨格であることが好ましい。
【0038】
上記不飽和結合を有するポリアミド樹脂と共重合したバインダー樹脂を製造する方法としては特に限定されないが、例えば、バインダー樹脂を製造する際に調製する樹脂組成物に、上記骨格(III)を有するポリアミドエラストマーを混合し、共重合反応させる方法が挙げられる。
【0039】
上記方法によりバインダー樹脂を製造する場合、上記骨格(III)を有するポリアミドエラストマーの含有量は、バインダー樹脂組成物100重量%に対して、40〜95重量%であることが好ましい。上記含有量が少ないと、異方性導電材料が接着性を十分に発揮できないおそれがあり、多すぎるとバインダー樹脂が結晶化するおそれがある。上記ポリアミドエラストマーの含有量は、50〜90重量%であることがより好ましく、60〜85重量%であることが更に好ましい。
【0040】
上記ポリアミドエラストマーの市販品として、富士化成工業社製のTPAEシリーズが挙げられる。中でも、上記ポリアミドエラストマーの市販品として、富士化成工業社製「TPAE−31」、「TPAE−32」及び「TPAE−33」が好適に用いられる。
【0041】
また、上記ポリアミドエラストマーとして、鎖状延長されたポリアミドエラストマー及び架橋ポリアミドエラストマーの内の少なくとも1種を用いることがより好ましい。
【0042】
上記バインダー樹脂は、更に、下記一般式(3)
【0043】
【化2】

【0044】
(式中、nは整数を表す。)
で表される骨格(IV)を有することが好ましい。
上記骨格(IV)を有することで、バインダー樹脂が耐熱クリープ性に優れた特性を示すことができる。
【0045】
上記骨格(IV)を更に有するバインダー樹脂を製造する方法としては特に限定されないが、例えば、バインダー樹脂を製造する際に調製する樹脂組成物に、上記骨格(IV)を有するジアクリレートモノマーを混合し、反応させる方法が挙げられる。
【0046】
上記ジアクリレートモノマーとしては、ダイセルサイテック社製のIRR214−Kが挙げられる。
【0047】
上記バインダー樹脂の重量平均分子量は、10,000〜300,000であることが好ましい。30,000〜200,000であることがより好ましく、50,000〜150,000であることが更に好ましい。上記重量平均分子量が低すぎると、異方性導電材料の接着性が十分でないおそれがある。上記重量平均分子量が高すぎると、粘度が高くなりスクリーン印刷性に劣るおそれがある。
【0048】
上記バインダー樹脂の含有量は特に限定されない。異方性導電材料(固形分換算:溶剤を除く)100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は、30〜95重量%であることが好ましく、50〜90重量%であることがより好ましい。異方性導電材料中には、スクリーン印刷のために、各種のフィラー等が配合されることが多いので、上記バインダー樹脂の含有量が多すぎると、接着性以外の他の特性が悪くなるおそれがある。上記バインダー樹脂の含有量が上記範囲内であると、接着性により一層優れた異方性導電材料を得ることが可能となる。
【0049】
上記バインダー樹脂は、上記各骨格以外の他の骨格を有していてもよい。上記他の骨格としては、例えば、ガラス転移点を上昇させるような剛直な構造を有する(メタ)アクリレート骨格、接着性を向上させるトリアジン系チオール化合物に由来する骨格が挙げられる。
【0050】
(導電性粒子)
本発明に係る異方性導電材料に含まれている導電性粒子は、例えば、第1,第2の接続対象部材の電極間を電気的に接続する。本発明に係る異方性導電材料は、複数の導電性粒子を含むことが好ましい。上記導電性粒子は、導電性を有する粒子であれば特に限定されない。導電性粒子の導電層の表面が絶縁層により被覆されていてもよい。この場合には、接続対象部材の接続時に、導電層と電極との間の絶縁層が排除される。上記導電性粒子としては、例えば、有機粒子、無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子もしくは金属粒子等の表面を金属層で被覆した導電性粒子、又は実質的に金属のみで構成される金属粒子等が挙げられる。上記導電層は特に限定されない。上記導電層としては、金層、銀層、銅層、ニッケル層、パラジウム層、錫を含有する金属層、及び異種金属の合金層等が挙げられる。上記導電層は、多層構造を有していてもよい。
【0051】
電極の損傷を抑制し、かつ電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に設けられた導電層とを有することが好ましい。
【0052】
導電性粒子の粒子径は好ましくは0.5μm以上、好ましくは100μm以下である。
【0053】
導電性粒子の「粒子径」は、数平均粒子径を示す。導電性粒子の平均粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
【0054】
上記導電性粒子の含有量は特に限定されない。異方性導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、接続されるべき上下の電極間に導電性粒子を容易に配置できる。さらに、接続されてはならない隣接する電極間が複数の導電性粒子を介して電気的に接続され難くなる。すなわち、隣り合う電極間の短絡をより一層防止できる。
【0055】
(溶剤)
溶剤としては特に限定されない。溶剤の使用により異方性導電材料の粘度を容易に調整できる。溶剤としては、沸点が100℃以上のものが好ましく、例えば、ベンジルアルコール、イソホロン、ジメチルホルムアミド、メチルセロソルブ、トルエン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらの溶剤は1種又は2種以上を混合して使用できる。
【0056】
溶剤は、上記バインダー樹脂を分散又は溶解した液として添加してもよく、導電性粒子を分散させた液として添加してもよい。また、異方性導電材料の製造工程において、粘度調整の目的等により上記溶剤を添加してもよい。
【0057】
溶剤の含有量は、他の成分の分散又は溶解性、並びに異方性導電材料の粘度などを考慮して、適宜調整される。異方性導電材料100重量%中、溶剤の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、好ましくは85重量%以下、より好ましくは75重量%以下である。
【0058】
(他の成分)
本発明の異方性導電材料は、上記成分以外に、熱硬化性化合物、硬化剤、硬化促進剤、光硬化性化合物、光重合開始剤、無機充填剤、有機充填剤、貯蔵安定剤、イオン捕捉剤、シランカップリング剤、粘着付与剤、消泡剤、分散剤、チクソ性調整剤、レベリング剤等をさらに含んでいてもよい。
【0059】
上記他の成分としては、、無機充填剤が好適に用いられる。無機充填剤の使用により、異方導電材料としての粘度やチクソ性を任意に調整できる他、凝集力や応力緩和性を発現させることが可能になる。上記無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化マグネシウム及び酸化鉄等の酸化物類や、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び炭酸亜鉛等の炭酸塩類や、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ゼオライト及びセリサイト等の珪酸塩類や、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム等の水酸化物類や、硫酸カルシウム、硫酸バリウム及び亜硫酸カルシウム等の硫酸塩類又は亜硫酸塩類や、窒化ホウ素及び窒化珪素等の窒化物類や、チタン酸カリウム及びチタン酸バリウム等のチタン酸塩類等が挙げられる。更に、上記無機充填剤としては、ドーソナイト、カーボンブラック及び炭化珪素等が挙げられる。上記無機充填剤は、1種又は2種以上で使用できる。
【0060】
異方性導電材料の接着性をより一層高める観点からは、上記無機充填剤は、タルクを含有することが好ましい。
【0061】
上記無機充填剤の平均粒径は、好ましくは0.01〜5μmである。無機充填剤の平均粒径が上記範囲内であると、応力緩和性が効果的に発現され、異方性導電材料の接着性がより一層高くなる。異方性導電材料の接着性を更に一層高める観点からは、上記無機充填剤の平均粒径は、より好ましくは3μm以下である。
【0062】
上記「平均粒径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した粒度分布測定結果から求められる累積50%粒子径(Median径)である。
【0063】
また、上記無機充填剤は、表面処理されていることが好ましい。該表面処理の方法として、従来公知の方法を採用可能である。
【0064】
上記無機充填剤の含有量は、上記バインダー樹脂100重量部に対して、好ましくは5重量部以上、好ましくは150重量部以下、より好ましくは100重量部以下である。上記無機充填剤の含有量が上記範囲内であると、異方性導電材料の接着性の向上効果が効果的に得られるとともに、無機充填剤の分散状態が良好になり、貯蔵安定性の低下等の不具合が生じ難くなる。
【0065】
(異方性導電材料の詳細及び用途)
本発明の異方性導電材料は、ペースト状又はフィルム状の異方性導電材料であることが好ましく、ペースト状であることが好ましい。ペースト状の異方性導電材料は、異方性導電ペーストである。フィルム状の異方性導電材料は、異方性導電フィルムである。
【0066】
本発明の異方性導電材料を用いて、フレキシブルプリント基板(FPC)の電極を他の電極と電気的に接続し、タッチパネル等の接続構造体を得たときに、FPCの熱圧着後の導電性粒子の周辺における気泡の発生が抑制されており、タッチパネル構造体の狭額縁化の要請によりFPCと他の電極を接着する接着部分の面積が小さい場合でも良好な接着力が得られる。
【0067】
本発明の異方性導電材料は、タッチパネル用の異方性導電材料であることが好ましい。つまり、本発明の異方性導電材料は、FPCの電極の電気的な接続に用いられるタッチパネル用の異方性導電材料であることが好ましい。タッチパネルでは異方性導電材料が高温の環境下に晒されたりする。本発明の異方性導電材料は、バインダー樹脂が、カルボキシル基を含有するウレタン骨格を有するため、FPCと金属膜との接着力に優れ、異方性導電材料が高温下に晒されても、異方性導電材料と接続対象部材との接着性を良好に保持することができる。
【0068】
2.接続構造体
本発明の異方性導電材料は、様々な接続対象部材を接着するために使用できる。上記異方性導電材料は、第1,第2の接続対象部材が電気的に接続されている接続構造体を得るために好適に用いられる。
【0069】
図1に、本発明の一実施形態に係る異方性導電材料を用いた接続構造体の一例を模式的に断面図で示す。
【0070】
図1に示す接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材4と、第1,第2の接続対象部材2,4を接続している接続部3とを備える。接続部3は、導電性粒子5を含む異方性導電材料により形成されている。
【0071】
第1の接続対象部材2の上面2aには、複数の電極2bが設けられている。第2の接続対象部材4の下面4aには、複数の電極4bが設けられている。電極2bと電極4bとが、1つ又は複数の導電性粒子5により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材2,4が導電性粒子5により電気的に接続されている。
【0072】
電極2b,4b間の接続は、通常、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材4とを異方性導電材料を介して電極2b,4b同士が対向するように重ね合わせた後に、異方性導電材料を硬化させる際に、加圧することにより行われる。
【0073】
上記接続構造体としては、具体的には、回路基板上に、半導体チップ、コンデンサチップ又はダイオードチップ等の電子部品チップが搭載されており、該電子部品チップの電極が、回路基板上の電極と電気的に接続されている接続構造体等が挙げられる。回路基板としては、FPC等の様々なプリント基板、ガラス基板、又は金属箔が積層された基板等の様々な回路基板が挙げられる。第1,第2の接続対象部材は、電子部品又は回路基板であることが好ましい。
【0074】
第1,第2の接続対象部材の内の少なくとも一方は、FPCであることが好ましい。上記接続構造体は、タッチパネルであることが好ましい。
【発明の効果】
【0075】
本発明の異方性導電材料は、特定の骨格を有するバインダー樹脂を採用することにより、タッチパネル構造体の狭額縁化の要請によりFPCと他の電極とを接着する接着部分の面積が小さい場合でも良好な接着力を発揮し、特に、FPCと金属膜の電極との接着力に優れる。これにより、良好な接着性及び異方導電性を有する接続構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係る異方性導電材料を用いた接続構造体を模式的に示 す正面断面図である。
【図2】実施例及び比較例において、接着力の測定に用いたフレキシブルプリント基 板(FPC)を示す模式図である。
【図3】実施例及び比較例において、接着力を測定する方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
【0078】
(合成例1)
バインダー樹脂A
<共重合体成分1の合成>
1Lのセパラブルフラスコに、ポリアミドエラストマー(富士化成工業社製「TPAE−32」:Mw=28,000、酸価=2.2)150g、ベンジルアルコール450g、酸化防止剤(チバ、スペシャルティケミカルズ社製「イルガノックス1098」)0.3g、及び酸化防止剤(チバ、スペシャルティケミカルズ社製「イルガノックス1010」)0.4gを投入した。セパラブルフラスコ中の温度を60℃にして、窒素置換中で溶解させた。
次に、上述のセパラブルフラスコに、4−ヒドロキシブチル アクリレートグリシジルエーテル15g、メトキシフェノール0.6g、及びナフテン酸クロムを1.1g投入し、セパラブルフラスコ中の温度を85℃にして、窒素雰囲気中で11時間反応させ、末端に不飽和結合を有するポリアミドエラストマーを含む溶液を得た。
【0079】
[バインダー樹脂Aの合成]
上記共重合体成分1の溶液100g、変成ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製「DPCA−120」(6官能))3.5g、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートとして、UN−5507(根上工業社製:酸価:75mgKOH、二重結合当量:1,100g/eg、Mw=17,000)2.0g、開始剤として2,2´-アゾビス−4−メトキシ2,4-ジメチルバレロニトリル(和光純薬社製「V−70」)0.2gを混合し、60℃の温度で8時間反応させて、共重合体微架橋樹脂を合成した。上記樹脂をクロロホルムに溶解して分子量を測定したところ、当該分子量は120,000であった。また、上記樹脂の酸価は4.5mgKOH/gであり、ウレタン樹脂の比率は上記樹脂組成物100重量%に対して、6重量%であった。
【0080】
(合成例2)
バインダー樹脂B
<共重合体成分1の合成>
合成例1と同様にして共重合体成分1を合成した。
<共重合体成分2の合成>
300ccのセパラブルフラスコへ、ビスフェノールF骨格を有するフェノキシ樹脂86g、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル100gを投入し、セパラブルフラスコ中の温度を120℃にして、窒素雰囲気中で溶解させた。次に、触媒としてブチルトリフェニルホスホニウムブロミド1gを添加し、200℃で3時間反応させて、ビスフェノールF骨格と、柔軟な1,6−ヘキサンジオール骨格とを有するフェノキシ樹脂を合成した。
上記フェノキシ樹脂40gをシクロへキサノン60gに溶解させ、不飽和結合を有するイソシアネート化合物(昭和電工社製「カレンズMOI」(登録商標))1g、重合禁止剤としてパラメトキシフェノール0.1g、及び触媒として、ジブチルスズジラウレート0.05gを添加し、窒素雰囲気下で60℃、4時間反応させて、不飽和結合を有するフェノキシ樹脂を合成し、シクロヘキサノンに溶解させ50%溶液とした。
【0081】
[バインダー樹脂Bの合成]
上記共重合体成分1の溶液を100g、上記工重合体成分2の溶液10.0g、UN−5507を3.0g配合した以外は合成例1と同様にして、共重合体微架橋樹脂を合成した。上記樹脂をクロロホルムに溶解して分子量を測定した所、当該分子量は130,000であった。また、上記樹脂の酸価は6.5mgKOH/gであり、ウレタン樹脂の比率は上記樹脂100重量%に対して、8.7重量%であった。
【0082】
(合成例3)
バインダー樹脂C
[バインダー樹脂Cの合成]
UN−5507に代えて、酸変性ポリエステルアクリレート(ダイセルサイテック社製「EBECRYL770」(登録商標):官能基数1、酸価120mgKOH/g)を用いた以外は合成例1と同様にしてバインダー樹脂Cを合成した。上記樹脂をクロロホルムに溶解して分子量を測定した所、当該分子量は105,000であり、酸価は7.2mgKOH/gであった。
【0083】
(合成例4)
バインダー樹脂D
[バインダー樹脂Dの合成]
UN−5507に代えて、カルボキシル基を有さないウレタン(メタ)アクリレート(根上工業社製「UN−5500」:Mw20,000、二重結合当量4,000eq/g)を用いた以外は合成例1と同様にしてバインダー樹脂Dを合成した。上記樹脂をクロロホルムに溶解して分子量を測定した所、当該分子量は110,000であった。
【0084】
(実施例1及び2、比較例1及び2)
上記合成例1〜4で得られたバインダー樹脂A〜Dを用いて、下記表1に示す各実施例1及び2、比較例1及び2の各成分を自転、公転真空ミキサー「泡とり練太郎」にて2000回転で3分間混練し、異方性導電ペーストを作製した。なお、上記バインダー樹脂A〜Dは、溶剤中に上記バインダー樹脂A〜Dの固形分を、それぞれ23重量部含む溶液として添加された。
【0085】
(比較例3)
上記合成したバインダー樹脂A〜Dの代わりに、バインダー樹脂としてポリアミドエラストマー(富士化成工業社製「TPAE−32」(固形分23重量部))を用いて、下記表1に示す比較例3の成分を調製した以外は実施例1及び2、比較例1及び2と同様にして、異方性導電ペーストを作製した。
【0086】
(評価)
得られた異方性導電ペーストを用いて、接着力(90度剥離強度)を測定した。測定サンプルの作成方法及び評価方法は以下の通りである。
【0087】
接着力の測定サンプルの作製方法
図2に示す仕様のフレキシブルプリント基板の一部(大洋工業社製、構成:厚み25μmのポリイミドフィルム/厚み18μmの銅箔、電極めっき:Ni5μm/Au0.05μm)を用意した。図2に示すように、フレキシブルプリント基板では、電気めっきされた銅箔51(銅配線)上に、カバーレイ52が設けられている。
【0088】
このフレキシブルプリント基板上に、100メッシュ(材質ステンレス)の版を使用して、乾燥後の厚みが20〜25μmになるように、得られた異方性導電材料をスクリーン印刷した。次に、熱風乾燥オーブン内で110℃で10分乾燥を行った。その後、コンスタントヒーター方式圧着機(大橋製作所:BD−03SDSS)を用いて、フレキシブルプリント基板とアルミニウムが蒸着されたガラスとを異方性導電材料を介して、圧着温度140℃及び圧力30kgf/cmの条件で、15秒間貼り合わせ、接着力の測定用サンプルを得た。
【0089】
<特性評価>
接着力の測定方法
図3に示すように、静的材料試験機(島津製作所社製「EZ−Graph」)を用いて、得られた接着力の測定用サンプルについて、引っ張り速度50mm/分で90度剥離試験を行った。得られた90度ピール強度の最大値を接着力の測定値とした。図3に示すように、アルミニウムが蒸着されたガラス61からフレキシブルプリント基板62を矢印X1で示す方向に剥離して、接着力を測定した(異方性導電材料の図示は省略)。
【0090】
結果を表1に示す。
【0091】
【表1】

【0092】
≪考察≫
表1から分かる通り、実施例1及び2の接続構造体では、カルボキシル基を含有するウレタン骨格を有するバインダー樹脂を用いているので、金属膜に対する接着性に優れていた。実施例2では、バインダー樹脂が、実施例1の構成に加えて、更に、不飽和結合を有するフェノキシ樹脂も共重合されたバインダー樹脂を用いているので、金属膜に対する接着性が特に優れていた。
【0093】
一方、比較例1及び2の接続構造体では、バインダー樹脂が、上述したカルボキシル基を含有するウレタン骨格を有するバインダー樹脂を含まず、カルボキシル基を有さないウレタン(メタ)アクリレートを用いているので、金属膜に対する接着性が著しく低下した。また、比較例3の接続構造体では、バインダー樹脂が、上述したカルボキシル基を含有するウレタン骨格を有するバインダー樹脂を含まず、ポリアミド樹脂を用いているので、金属膜に対する接着性が著しく低下した。
【0094】
従って、異方性導電材料の金属膜に対する接着性を向上するためには、バインダー樹脂として、カルボキシル基を含有するウレタン骨格を有するバインダー樹脂を用いることが必要であることが分かった。
【符号の説明】
【0095】
1…接続構造体
2…第1の接続対象部材
2a…上面
2b…電極
3…接続部
4…第2の接続対象部材
4a…下面
4b…電極
5…導電性粒子
51…Agペースト付電極
52…PET基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダー樹脂、導電性粒子、及び溶剤を含有する異方性導電材料であって、
前記バインダー樹脂は、カルボキシル基を含有するウレタン骨格を有する異方性導電材料。
【請求項2】
前記バインダー樹脂は、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートが共重合されてなる、請求項1に記載の異方性導電材料。
【請求項3】
前記バインダー樹脂の重量平均分子量は、10,000〜300,000である、請求項1又は2に記載の異方性導電材料。
【請求項4】
フレキシブルプリント基板の電極の電気的な接続に用いられる、請求項1〜3のいずれかに記載の異方性導電材料。
【請求項5】
平均粒径が0.01〜5μmである無機充填剤を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の異方性導電材料。
【請求項6】
前記無機充填剤がタルクを含有する、請求項5に記載の異方性導電材料。
【請求項7】
金属膜接着用である、請求項1〜6のいずれかに記載の異方性導電材料。
【請求項8】
タッチパネル用である、請求項1〜7のいずれかに記載の異方性導電材料。
【請求項9】
第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、当該第1,第2の接続対象部材を電気的に接続している接続部とを備え、
前記接続部が、請求項1〜8のいずれかに記載の異方性導電材料により形成されている、接続構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−93244(P2013−93244A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235423(P2011−235423)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】