異物混入防止キャップ付きボトル
本発明は、液体をボトルから分注するために、キャップ内に出口を備えた異物混入防止キャップ(21)付きボトル(20)に関する。詳細には、ボトルは、逆の構成、すなわち通常使用において出口が最下部の状態で、液体石鹸などを分注するための装置に使用するように設計されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物混入防止キャップ付きボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
キャップが事前に除去されたかどうかをユーザに実証するように設計されている、多くの異物混入防止キャップが当業者には周知である。最も一般的な異物混入防止キャップは、ねじ式の蓋であり、その下唇部が襟部に脆弱要素を介して取り付けられている。襟部はキャップとともに回転するのを防止するため、キャップが回転すると、脆弱要素が壊れて襟部が蓋部から分離され、それによってキャップが事前に開かれたという可視表示を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、液体をボトルから分注するためにキャップ内に出口を備えた、異物混入防止キャップ付きボトルに関する。詳細には、ボトルは、逆の構成、すなわち通常使用において出口が最下部の状態で、液体石鹸などを分注するための装置に使用するように設計されている。ボトルは、補給容器が、石鹸などの液体をディスペンサから、手動ポンプにより、またはユーザの手の接近を検出し、ポンプを作動させて液体を自動的に分注する自動システムのいずれかによって、選択的に分注する機構を内蔵する基部の上に設置する補給容器であるように設計されている。補給容器が空になると、ユーザがキャップを除去しボトルを詰め替え得る場合、ボトルに分注装置に互換性のない製品を補填し得る、またはキャップを適切に交換できなかったことによって基部内に漏れてしまい、最良の場合は汚し得、最悪の場合は装置を損傷させる危険がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、異物混入防止キャップ付きでそれを経由する出口を備えるボトルを提供し、ボトルは、キャップに取り付けられたネック部と、ネック部の端部に隣接し、ネック部の開口端の反対側を向いている保持肩部とを有し、キャップは、ボトルの肩部を補完する保持肩部を有する少なくとも1つの保持部材を備え、保持部材は、キャップに脆弱部材によって取り付けられ、それによってボトルがキャップ内に挿入されると、ボトルの肩部が保持部材を通過するように保持部材を撓ませ、その後、保持部材は、その保持肩部がボトルの保持肩部と協働してボトルおよびキャップの両方を保持するように、その正位置に戻って弾性的に付勢し、それによってキャップがボトルから引き抜かれることにより、ボトルの肩部が保持部材の肩部を支え、脆弱部材を変形させるか、または壊し、それによって保持部材をキャップがボトル上に引き続き保持されるのを防止する位置に移動させる。
【0005】
したがって、ユーザは、ボトルを使用して通常のように液体を出口から分注させることができる。ボトルが空になると、ユーザがキャップを除去する場合、脆弱部材が変形するか、または壊れて、その結果保持部材はもはや効果的ではなくなる。このため、蓋をボトルに再固定されることを防止する。
【0006】
ボトルのネック部を完全に包囲する、またはネック部の周囲のかなりの割合に延在する、可能な単一の弓型保持部材が存在し得る。しかし、複数の弓型保持部材が、ネック部の周囲に位置することが好ましい。複数のこのような部材を有すると、ボトルがキャップ内に挿入されるときに部材を撓ませることが容易になる。
【0007】
複数の保持部材は、キャップの全周囲に延在し得る。しかし、保持部材は、キャップを中心に間欠的に位置することが好ましい。この場合、脆弱部材は、保持部材の各端部に取り付けられることが好ましい。あるいは、キャップとキャップに対向する保持部材の表面との間に接続された複数の脆弱部材があり得る。間欠的な保持部材間に、円を完結させる複数の支持部材があり得る。
【0008】
テーパ面が、ネック部および保持部材の端部の少なくとも1つに提供されて、ボトルがキャップ内に挿入されると、保持部材を撓ませる支援をすることが好ましい。
【0009】
次に、異物混入防止キャップ付きボトルを添付図面を参照にして説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ディスペンサを介した断面図である。
【図2】ディスペンサ内に導入されているが、まだ係合されていない補給容器の断面斜視図である。
【図3】中間位置にある補給容器を示す図2と同様の図である。
【図4】完全に係合した位置にある補給容器を示す図3および4と同様の図である。
【図5】組立て前のキャップ組立体の斜視図である。
【図6】組立て後のキャップ組立体の斜視図である。
【図7】ボトルネック部とキャップ組立体との間の係合を示す断面図である。
【図8】脆弱部材が損傷していないキャップの斜視図である。
【図9】ボトルがキャップから除去された後の図7と同様の図である。
【図10】脆弱部材が折り取られた後の図8と同様の図である。
【図11】第2の補給ユニットのキャップの分解斜視図である。
【図12】組み立てられたキャップを示す図11と同様の図である。
【図13】第2の例の圧力開放バルブを通した断面図である。
【図14】圧力開放バルブが開構成にあることにより、空気の流れが可能になることを示す図13と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ディスペンサは、一般に家庭使用に適しているハンズフリー・ディスペンサである。ディスペンサは、主に液体石鹸の分注を意図されているが、ハンドクリーム、ボディーローション、保湿剤、フェイスクリーム、シャンプー、シャワージェル、発泡液体ハンドソープ、シェービングクリーム、液体食器洗い、練り歯磨き、もしくはアルコールジェルなどの殺菌剤などの他の液体製品または半液体製品(理想的には水より大きな粘度のもの)も使用し得る。
【0012】
ディスペンサは、2つの主な部分、すなわち補給容器1および基部ユニット2を含む。補給容器1は、液体を分注し、以下に説明するような基部ユニット2に嵌合する液体の容器を提供する。
【0013】
基部は、インターフェース3を有し、その中に液体が補給ユニットから分注される。インターフェース3は、吐出管4と流体連通している。ポンプ5は、定量の液体を吐出管4に沿ってポンプで汲上げ、吐出ヘッド6の外部に出すことが選択的に動作可能である。
【0014】
基部は、赤外線送信機7Aを有し、赤外線送信機7Aは、赤外線ビームをウィンドウ8を経由して受信機7Bに送信して、ディスペンサに近接したユーザの手の存在を検知する。制御回路は、近傍センサからの信号に反応してポンプを作動させる。図示したセンサは、遮断ビーム・センサであるが、反射センサでもよい。赤外線センサが示されているが、容量センサなどの知られている近接センサを使用してもよい。この装置は、主電源を動力としても、または電池を動力としてもよい。あるいは、装置は、ユーザがレバーを押して装置の中の製品を分注する、手動操作ポンプ装置でもよい。
【0015】
次に、補給容器1と基部ユニット2との間のインターフェースが、図2〜10を参照して詳細に記載されている。
【0016】
基部ユニット2は、補給容器のかなりの部分を包囲するカップ状の筐体を形成して、補給容器を保護し支持するカウリング10を含む。栓11は、カウリング10の基部を貫通して突出し、カウリング10に対してOリングシール12によって密閉されている。栓は、複数のキャステレーション13を栓の上面に有する。第2のOリングシール14は、キャステレーション13の下位の栓11を包囲する。
【0017】
補給容器1は、キャップ21が固定されるボトル20を含む。ボトル20は、キャップ21内の環状フランジ23に嵌合し、環状フランジ23で密閉するネック部22を有する。キャップ21は、(図において逆方向に示されている場合)キャップの外面を形成する上方に依存するスカート部24を有する。スカート部24から内側に機能すると、キャップの次の機構は、一般にスカート部24と同軸である外側環状壁25である。
【0018】
このことは、図5〜10に詳細が示されている。
【0019】
外側環状壁25は、図5、6、8、および10に示されるように交互に入れ替わり、それぞれが円の約四分の一延在する1対の保持部材26および1対の支持部材27から成る。支持部材27の側面は、図2に示される通りである。これらの部材は、キャップの下壁から直接上方に延在し、側面が平行であり、傾斜表面28を有する。保持部材26の側面は、図7および9に示されている。支持部材27とは異なり、これらの部材は、キャップの壁に固定されていない。固定されているのではなく、これらの部材は、図6および8に最も良く示されているように、支持部材27のいずれかの端部に脆弱部材29によって固定されている。保持部材26は、図7および9に示されるように、側面が平行であり、傾斜した上部表面35を有する。
【0020】
図7および9に示されるように、ボトルのネック部22は、環状壁25の傾斜表面28および35を補完する傾斜した外側表面36を有する。傾斜した外側表面36の裏側には、ボトル20の本体に面する肩部37がある。この傾斜した外側表面36および肩部37は、保持部材26の近位のみに存在し、支持部材27の近位には存在しない。支持部材27に隣接して、ネック部22は、図2に示されるように、側面が平行である構成を有する。
【0021】
ボトル20をキャップ21に挿入するために、ボトル20は、環状フランジ23と嵌合するボトルのネック部に押し下げられる。ボトルの傾斜した外側表面36は、傾斜表面28、35と協働して、図7に示されるように肩部37が保持部材26の裏側の位置にはめ込まれるまで、保持部材26を放射状に外側に移動させる。ボトル20がキャップ21から引き離されると、肩部37は、保持部材26を支え、それによって脆弱部材29が壊れ、その結果、図9および10に示されるように、保持部材26がキャップ21から引き離される。このことが起きると、もはやキャップをボトル上に保持することは不可能であり、それによって補給容器1の継続する使用が防止される。
【0022】
両方の保持部材26が蓋から完全に引き離される必要はないことに留意されたい。これらの保持部材の一方のみが引き離される、または一方もしくは両方が、保持部材がもはやボトルのネック部と係合できない位置に単に移動されることが可能である。
【0023】
ここで、図2〜4に戻って、液体出口および関連したバルブを説明する。
【0024】
容器からの液体出口は、中央開口部31を包囲する環状壁30によって提供される。環状壁30の上端には、流出口バルブ要素33用の弁座を提供する傾斜表面32が存在する(図4参照)。このことは、U型カップ状部材の形状に示されているが、固体部材または中空球状部材と同様であり得る。流出口バルブ要素33は、その閉位置内に複数の付勢要素34によって付勢される。これらの付勢要素は、それらの上端がバルブ要素33の上端に向かって取り付けられ、それらの下端が環状壁30の放射状に外側の位置および環状壁30の上端の下に取り付けられる。これらの付勢要素は、バルブ要素33と一体形成されることが好ましい。
【0025】
図2〜4に示されるように、補給容器1が基部ユニット2の下部にあるときは、栓11は、図3に示されるようにバルブ要素33の下面と係合する。補給容器1がさらに下方に移動すると、バルブ要素33がその弁座から持ち上げられ、Oリング14も環状壁30と密閉係合される。バルブ要素33は、図4に示されるように位置を持ち上げられる。この位置では、ボトル20内の液体は、付勢要素34の周囲を流れることが可能であり、栓にキャステレーション13を介して入り、したがって基部ユニット2内に流れる。液体は、栓11と環状壁30との間にOリングシール14によって漏れることが抑制される。この配置は、消費者が補給容器を満たす基準に関わらず補給容器を挿入する簡単で汚れない方法を提供する。
【0026】
補給容器を除去するために、消費者は、補給容器を基部から取り除き、その後付勢要素34によってバルブ要素33が座部32に戻される。この移動中、栓11と環状壁30との間の密閉は、Oリングシール14によって保持される。次いで、使用済み補給容器は、新しい補給容器によって上記の手順をたどって交換される。
【0027】
キャップには、1対の圧力開放バルブ40が設けられている。各圧力開放バルブ40は、環状ボス41によりキャップ21と一体形成されている。圧力開放バルブ要素42は、環状ボス41の上端に設置され、1対の付勢要素43により適所に付勢される(たとえば、図5に示されるように)。付勢には、標準状態の下で、圧力開放バルブ要素42がボス41上の気密密閉を形成するような力がある。しかし、ボトル20内の圧力が一定レベルより下がると、圧力開放バルブ要素42を横切る圧力差は、付勢要素43によって加えられる力を克服するのに十分であり、ボトル20内に空気を入れることができる。これにより、圧力差が減少し、それによって気密密閉を流体が漏れることなく回復させる。
【0028】
各圧力開放バルブ40は、環状壁30の上端のレベルを軸方向に超えるレベルに軸方向に延在する環状バリア44によって包囲される。したがって、バルブ要素33が開くと、圧力開放バルブ40に入るいかなる空気も、出ていく液体流に混入するようにはならない。実際には、このことは、圧力開放バルブが出口付近に位置されることが可能なので、それによってキャップがより小型になることを意味する。2つの圧力開放バルブが示されているが、単一バルブまたは3つ以上のバルブが、必要に応じて提供され得る。
【0029】
キャップが組み立てられるやり方は、図5および6に示されている。
【0030】
組立体は、キャップ21、バルブプレート45および固定プレート46から成る3部構造である。キャップは、環状フランジ23、環状壁25および環状ボス41を含む多くの鋳造機構を有する。さらに、キャップ21は、複数の固定ポスト47を有する。
【0031】
バルブプレート45は、エラストマー材料であり、バルブ要素33、付勢要素34、圧力開放バルブ要素42および付勢要素43と一体形成されている。バルブプレートは、固定ポスト47に応答する複数の定位孔48を有する。
【0032】
固定プレート46は、硬質プラスチック材料で出来ており、環状バリア44と一体形成されている。バルブプレート45と同様に、固定プレート46も固定ポスト47に応答する複数の定位孔49を有する。
【0033】
キャップを組み立てるために、3つの構成要素はそれぞれ、図6に示されるように上端に位置し、固定ポストが定位孔に入って構成要素が正しく位置合わせされることを確実にする。次に、固定ポスト47の上端に加熱または接着が施されて、固定ポストが固定プレート46に固定される。それによって、エラストマーバルブプレート45は、キャップ21と、バルブ要素33および42を定位置に保持する固定プレート46との間に挟まれる。
【0034】
次に、補給ユニット用キャップの第2の例を、図11〜14を参照に説明する。
【0035】
第2の例における流出口バルブ要素33の構造は、第1の例と基本的に同様であり、第2の例に関して再度説明はしない。
【0036】
図11からわかるように、キャップ21は、環状壁25および30ならびに以下に説明する圧力開放バルブの円錐部50などの多くの機構と一体鋳造されている。圧力開放バルブ用弾力性リップ53(以下により詳しく説明する)は、バルブプレート45と一体鋳造して提供されている。固定プレート46も、圧力開放バルブ用シールド57を伴って提供されている。これは、図2におけるバリア44と等価であるが、流出口バルブ要素33に面する圧力開放バルブの側面の周囲のみに延在する。バリア44およびシールド57は、上記2例において交換可能に使用し得る。
【0037】
キャップ組立体は、第1の例と同じやり方で組み立てられる。
【0038】
圧力開放バルブ60は、図13および14に示されている。
【0039】
バルブは、上述のようにキャップ21の一体部分である円錐部50を有する。円錐部50の上端には、円筒形ポスト61が存在する。弾力性リップ53は、円錐部50に沿って延在する弾性材料のバルブプレート52が中空円錐台を延在させるのに効果的である。弾力性リップ53は、円錐部50からわずかに分岐し、棒61に緊密に嵌合する。少なくとも1つの空気吸込口62(図11にも示されている)は、円錐部50の壁を通過して、図11に示すように弾力性リップ53によって通常は覆われている。ボトル20内の圧力が、液体が空になって低下すると、弾力性リップ53を横切る圧力差は、リップ53を十分な程度に変位させるように最終的に十分になって、図8に矢印で示すように、空気Aがボトル20に入ることができる。弾力性リップ53が円錐要素50から持ち上げられる程度は、図8において誇張されており、実際には、これはほとんど微小であることに留意されたい。
【0040】
棒に対して密閉するのではなく、弾力性リップ53は、円錐部50に対して密閉し得る。この場合、リップは、図示するように円錐部から分岐しない。そうではなく、リップは、実際には、円錐部に自然に付勢するように円錐部50の角度より小さい傾斜角度を有するはずである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物混入防止キャップ付きボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
キャップが事前に除去されたかどうかをユーザに実証するように設計されている、多くの異物混入防止キャップが当業者には周知である。最も一般的な異物混入防止キャップは、ねじ式の蓋であり、その下唇部が襟部に脆弱要素を介して取り付けられている。襟部はキャップとともに回転するのを防止するため、キャップが回転すると、脆弱要素が壊れて襟部が蓋部から分離され、それによってキャップが事前に開かれたという可視表示を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、液体をボトルから分注するためにキャップ内に出口を備えた、異物混入防止キャップ付きボトルに関する。詳細には、ボトルは、逆の構成、すなわち通常使用において出口が最下部の状態で、液体石鹸などを分注するための装置に使用するように設計されている。ボトルは、補給容器が、石鹸などの液体をディスペンサから、手動ポンプにより、またはユーザの手の接近を検出し、ポンプを作動させて液体を自動的に分注する自動システムのいずれかによって、選択的に分注する機構を内蔵する基部の上に設置する補給容器であるように設計されている。補給容器が空になると、ユーザがキャップを除去しボトルを詰め替え得る場合、ボトルに分注装置に互換性のない製品を補填し得る、またはキャップを適切に交換できなかったことによって基部内に漏れてしまい、最良の場合は汚し得、最悪の場合は装置を損傷させる危険がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、異物混入防止キャップ付きでそれを経由する出口を備えるボトルを提供し、ボトルは、キャップに取り付けられたネック部と、ネック部の端部に隣接し、ネック部の開口端の反対側を向いている保持肩部とを有し、キャップは、ボトルの肩部を補完する保持肩部を有する少なくとも1つの保持部材を備え、保持部材は、キャップに脆弱部材によって取り付けられ、それによってボトルがキャップ内に挿入されると、ボトルの肩部が保持部材を通過するように保持部材を撓ませ、その後、保持部材は、その保持肩部がボトルの保持肩部と協働してボトルおよびキャップの両方を保持するように、その正位置に戻って弾性的に付勢し、それによってキャップがボトルから引き抜かれることにより、ボトルの肩部が保持部材の肩部を支え、脆弱部材を変形させるか、または壊し、それによって保持部材をキャップがボトル上に引き続き保持されるのを防止する位置に移動させる。
【0005】
したがって、ユーザは、ボトルを使用して通常のように液体を出口から分注させることができる。ボトルが空になると、ユーザがキャップを除去する場合、脆弱部材が変形するか、または壊れて、その結果保持部材はもはや効果的ではなくなる。このため、蓋をボトルに再固定されることを防止する。
【0006】
ボトルのネック部を完全に包囲する、またはネック部の周囲のかなりの割合に延在する、可能な単一の弓型保持部材が存在し得る。しかし、複数の弓型保持部材が、ネック部の周囲に位置することが好ましい。複数のこのような部材を有すると、ボトルがキャップ内に挿入されるときに部材を撓ませることが容易になる。
【0007】
複数の保持部材は、キャップの全周囲に延在し得る。しかし、保持部材は、キャップを中心に間欠的に位置することが好ましい。この場合、脆弱部材は、保持部材の各端部に取り付けられることが好ましい。あるいは、キャップとキャップに対向する保持部材の表面との間に接続された複数の脆弱部材があり得る。間欠的な保持部材間に、円を完結させる複数の支持部材があり得る。
【0008】
テーパ面が、ネック部および保持部材の端部の少なくとも1つに提供されて、ボトルがキャップ内に挿入されると、保持部材を撓ませる支援をすることが好ましい。
【0009】
次に、異物混入防止キャップ付きボトルを添付図面を参照にして説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ディスペンサを介した断面図である。
【図2】ディスペンサ内に導入されているが、まだ係合されていない補給容器の断面斜視図である。
【図3】中間位置にある補給容器を示す図2と同様の図である。
【図4】完全に係合した位置にある補給容器を示す図3および4と同様の図である。
【図5】組立て前のキャップ組立体の斜視図である。
【図6】組立て後のキャップ組立体の斜視図である。
【図7】ボトルネック部とキャップ組立体との間の係合を示す断面図である。
【図8】脆弱部材が損傷していないキャップの斜視図である。
【図9】ボトルがキャップから除去された後の図7と同様の図である。
【図10】脆弱部材が折り取られた後の図8と同様の図である。
【図11】第2の補給ユニットのキャップの分解斜視図である。
【図12】組み立てられたキャップを示す図11と同様の図である。
【図13】第2の例の圧力開放バルブを通した断面図である。
【図14】圧力開放バルブが開構成にあることにより、空気の流れが可能になることを示す図13と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ディスペンサは、一般に家庭使用に適しているハンズフリー・ディスペンサである。ディスペンサは、主に液体石鹸の分注を意図されているが、ハンドクリーム、ボディーローション、保湿剤、フェイスクリーム、シャンプー、シャワージェル、発泡液体ハンドソープ、シェービングクリーム、液体食器洗い、練り歯磨き、もしくはアルコールジェルなどの殺菌剤などの他の液体製品または半液体製品(理想的には水より大きな粘度のもの)も使用し得る。
【0012】
ディスペンサは、2つの主な部分、すなわち補給容器1および基部ユニット2を含む。補給容器1は、液体を分注し、以下に説明するような基部ユニット2に嵌合する液体の容器を提供する。
【0013】
基部は、インターフェース3を有し、その中に液体が補給ユニットから分注される。インターフェース3は、吐出管4と流体連通している。ポンプ5は、定量の液体を吐出管4に沿ってポンプで汲上げ、吐出ヘッド6の外部に出すことが選択的に動作可能である。
【0014】
基部は、赤外線送信機7Aを有し、赤外線送信機7Aは、赤外線ビームをウィンドウ8を経由して受信機7Bに送信して、ディスペンサに近接したユーザの手の存在を検知する。制御回路は、近傍センサからの信号に反応してポンプを作動させる。図示したセンサは、遮断ビーム・センサであるが、反射センサでもよい。赤外線センサが示されているが、容量センサなどの知られている近接センサを使用してもよい。この装置は、主電源を動力としても、または電池を動力としてもよい。あるいは、装置は、ユーザがレバーを押して装置の中の製品を分注する、手動操作ポンプ装置でもよい。
【0015】
次に、補給容器1と基部ユニット2との間のインターフェースが、図2〜10を参照して詳細に記載されている。
【0016】
基部ユニット2は、補給容器のかなりの部分を包囲するカップ状の筐体を形成して、補給容器を保護し支持するカウリング10を含む。栓11は、カウリング10の基部を貫通して突出し、カウリング10に対してOリングシール12によって密閉されている。栓は、複数のキャステレーション13を栓の上面に有する。第2のOリングシール14は、キャステレーション13の下位の栓11を包囲する。
【0017】
補給容器1は、キャップ21が固定されるボトル20を含む。ボトル20は、キャップ21内の環状フランジ23に嵌合し、環状フランジ23で密閉するネック部22を有する。キャップ21は、(図において逆方向に示されている場合)キャップの外面を形成する上方に依存するスカート部24を有する。スカート部24から内側に機能すると、キャップの次の機構は、一般にスカート部24と同軸である外側環状壁25である。
【0018】
このことは、図5〜10に詳細が示されている。
【0019】
外側環状壁25は、図5、6、8、および10に示されるように交互に入れ替わり、それぞれが円の約四分の一延在する1対の保持部材26および1対の支持部材27から成る。支持部材27の側面は、図2に示される通りである。これらの部材は、キャップの下壁から直接上方に延在し、側面が平行であり、傾斜表面28を有する。保持部材26の側面は、図7および9に示されている。支持部材27とは異なり、これらの部材は、キャップの壁に固定されていない。固定されているのではなく、これらの部材は、図6および8に最も良く示されているように、支持部材27のいずれかの端部に脆弱部材29によって固定されている。保持部材26は、図7および9に示されるように、側面が平行であり、傾斜した上部表面35を有する。
【0020】
図7および9に示されるように、ボトルのネック部22は、環状壁25の傾斜表面28および35を補完する傾斜した外側表面36を有する。傾斜した外側表面36の裏側には、ボトル20の本体に面する肩部37がある。この傾斜した外側表面36および肩部37は、保持部材26の近位のみに存在し、支持部材27の近位には存在しない。支持部材27に隣接して、ネック部22は、図2に示されるように、側面が平行である構成を有する。
【0021】
ボトル20をキャップ21に挿入するために、ボトル20は、環状フランジ23と嵌合するボトルのネック部に押し下げられる。ボトルの傾斜した外側表面36は、傾斜表面28、35と協働して、図7に示されるように肩部37が保持部材26の裏側の位置にはめ込まれるまで、保持部材26を放射状に外側に移動させる。ボトル20がキャップ21から引き離されると、肩部37は、保持部材26を支え、それによって脆弱部材29が壊れ、その結果、図9および10に示されるように、保持部材26がキャップ21から引き離される。このことが起きると、もはやキャップをボトル上に保持することは不可能であり、それによって補給容器1の継続する使用が防止される。
【0022】
両方の保持部材26が蓋から完全に引き離される必要はないことに留意されたい。これらの保持部材の一方のみが引き離される、または一方もしくは両方が、保持部材がもはやボトルのネック部と係合できない位置に単に移動されることが可能である。
【0023】
ここで、図2〜4に戻って、液体出口および関連したバルブを説明する。
【0024】
容器からの液体出口は、中央開口部31を包囲する環状壁30によって提供される。環状壁30の上端には、流出口バルブ要素33用の弁座を提供する傾斜表面32が存在する(図4参照)。このことは、U型カップ状部材の形状に示されているが、固体部材または中空球状部材と同様であり得る。流出口バルブ要素33は、その閉位置内に複数の付勢要素34によって付勢される。これらの付勢要素は、それらの上端がバルブ要素33の上端に向かって取り付けられ、それらの下端が環状壁30の放射状に外側の位置および環状壁30の上端の下に取り付けられる。これらの付勢要素は、バルブ要素33と一体形成されることが好ましい。
【0025】
図2〜4に示されるように、補給容器1が基部ユニット2の下部にあるときは、栓11は、図3に示されるようにバルブ要素33の下面と係合する。補給容器1がさらに下方に移動すると、バルブ要素33がその弁座から持ち上げられ、Oリング14も環状壁30と密閉係合される。バルブ要素33は、図4に示されるように位置を持ち上げられる。この位置では、ボトル20内の液体は、付勢要素34の周囲を流れることが可能であり、栓にキャステレーション13を介して入り、したがって基部ユニット2内に流れる。液体は、栓11と環状壁30との間にOリングシール14によって漏れることが抑制される。この配置は、消費者が補給容器を満たす基準に関わらず補給容器を挿入する簡単で汚れない方法を提供する。
【0026】
補給容器を除去するために、消費者は、補給容器を基部から取り除き、その後付勢要素34によってバルブ要素33が座部32に戻される。この移動中、栓11と環状壁30との間の密閉は、Oリングシール14によって保持される。次いで、使用済み補給容器は、新しい補給容器によって上記の手順をたどって交換される。
【0027】
キャップには、1対の圧力開放バルブ40が設けられている。各圧力開放バルブ40は、環状ボス41によりキャップ21と一体形成されている。圧力開放バルブ要素42は、環状ボス41の上端に設置され、1対の付勢要素43により適所に付勢される(たとえば、図5に示されるように)。付勢には、標準状態の下で、圧力開放バルブ要素42がボス41上の気密密閉を形成するような力がある。しかし、ボトル20内の圧力が一定レベルより下がると、圧力開放バルブ要素42を横切る圧力差は、付勢要素43によって加えられる力を克服するのに十分であり、ボトル20内に空気を入れることができる。これにより、圧力差が減少し、それによって気密密閉を流体が漏れることなく回復させる。
【0028】
各圧力開放バルブ40は、環状壁30の上端のレベルを軸方向に超えるレベルに軸方向に延在する環状バリア44によって包囲される。したがって、バルブ要素33が開くと、圧力開放バルブ40に入るいかなる空気も、出ていく液体流に混入するようにはならない。実際には、このことは、圧力開放バルブが出口付近に位置されることが可能なので、それによってキャップがより小型になることを意味する。2つの圧力開放バルブが示されているが、単一バルブまたは3つ以上のバルブが、必要に応じて提供され得る。
【0029】
キャップが組み立てられるやり方は、図5および6に示されている。
【0030】
組立体は、キャップ21、バルブプレート45および固定プレート46から成る3部構造である。キャップは、環状フランジ23、環状壁25および環状ボス41を含む多くの鋳造機構を有する。さらに、キャップ21は、複数の固定ポスト47を有する。
【0031】
バルブプレート45は、エラストマー材料であり、バルブ要素33、付勢要素34、圧力開放バルブ要素42および付勢要素43と一体形成されている。バルブプレートは、固定ポスト47に応答する複数の定位孔48を有する。
【0032】
固定プレート46は、硬質プラスチック材料で出来ており、環状バリア44と一体形成されている。バルブプレート45と同様に、固定プレート46も固定ポスト47に応答する複数の定位孔49を有する。
【0033】
キャップを組み立てるために、3つの構成要素はそれぞれ、図6に示されるように上端に位置し、固定ポストが定位孔に入って構成要素が正しく位置合わせされることを確実にする。次に、固定ポスト47の上端に加熱または接着が施されて、固定ポストが固定プレート46に固定される。それによって、エラストマーバルブプレート45は、キャップ21と、バルブ要素33および42を定位置に保持する固定プレート46との間に挟まれる。
【0034】
次に、補給ユニット用キャップの第2の例を、図11〜14を参照に説明する。
【0035】
第2の例における流出口バルブ要素33の構造は、第1の例と基本的に同様であり、第2の例に関して再度説明はしない。
【0036】
図11からわかるように、キャップ21は、環状壁25および30ならびに以下に説明する圧力開放バルブの円錐部50などの多くの機構と一体鋳造されている。圧力開放バルブ用弾力性リップ53(以下により詳しく説明する)は、バルブプレート45と一体鋳造して提供されている。固定プレート46も、圧力開放バルブ用シールド57を伴って提供されている。これは、図2におけるバリア44と等価であるが、流出口バルブ要素33に面する圧力開放バルブの側面の周囲のみに延在する。バリア44およびシールド57は、上記2例において交換可能に使用し得る。
【0037】
キャップ組立体は、第1の例と同じやり方で組み立てられる。
【0038】
圧力開放バルブ60は、図13および14に示されている。
【0039】
バルブは、上述のようにキャップ21の一体部分である円錐部50を有する。円錐部50の上端には、円筒形ポスト61が存在する。弾力性リップ53は、円錐部50に沿って延在する弾性材料のバルブプレート52が中空円錐台を延在させるのに効果的である。弾力性リップ53は、円錐部50からわずかに分岐し、棒61に緊密に嵌合する。少なくとも1つの空気吸込口62(図11にも示されている)は、円錐部50の壁を通過して、図11に示すように弾力性リップ53によって通常は覆われている。ボトル20内の圧力が、液体が空になって低下すると、弾力性リップ53を横切る圧力差は、リップ53を十分な程度に変位させるように最終的に十分になって、図8に矢印で示すように、空気Aがボトル20に入ることができる。弾力性リップ53が円錐要素50から持ち上げられる程度は、図8において誇張されており、実際には、これはほとんど微小であることに留意されたい。
【0040】
棒に対して密閉するのではなく、弾力性リップ53は、円錐部50に対して密閉し得る。この場合、リップは、図示するように円錐部から分岐しない。そうではなく、リップは、実際には、円錐部に自然に付勢するように円錐部50の角度より小さい傾斜角度を有するはずである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異物混入防止キャップ付きでそれを経由する出口を備えるボトルであって、
前記ボトルは、前記キャップに取り付けられたネック部と、
前記ネック部の端部に隣接し、前記ネック部の開口端の反対側を向いている保持肩部とを有し、
前記キャップは、前記ボトルの前記肩部を補完する保持肩を有する少なくとも1つの保持部材を備え、
前記保持部材は、前記キャップに脆弱部材によって取り付けられ、
それによって前記ボトルが前記キャップ内に挿入されると、前記ボトルの前記肩部が前記保持部材を通過するように前記保持部材を撓ませ、
その後、前記保持部材は、その保持肩部が前記ボトルの前記保持肩部と協働して前記ボトルおよび前記キャップの両方を保持するように、その正位置に戻って弾性的に付勢し、
それによって前記キャップが前記ボトルから引き抜かれることにより、前記ボトルの前記肩部が前記保持部材の前記肩部を支え、前記脆弱部材を変形させるか、または壊し、それによって前記保持部材を前記キャップが前記ボトル上に引き続き保持されるのを防止する位置に移動させる、ボトル。
【請求項2】
前記ネック部の周囲に位置する複数の弓型保持部材を有する、請求項1に記載のボトル。
【請求項3】
前記保持部材は、前記キャップを中心に間欠的に位置する、請求項2に記載のボトル。
【請求項4】
各保持部材の各端部に脆弱部材が存在する、請求項3に記載のボトル。
【請求項5】
テーパ面が、前記ネック部および前記保持部材の端部の少なくとも1つに提供されて、前記ボトルが前記キャップ内に挿入されると、前記保持部材を撓ませる支援をする、請求項1から4のいずれか1項に記載のボトル。
【請求項1】
異物混入防止キャップ付きでそれを経由する出口を備えるボトルであって、
前記ボトルは、前記キャップに取り付けられたネック部と、
前記ネック部の端部に隣接し、前記ネック部の開口端の反対側を向いている保持肩部とを有し、
前記キャップは、前記ボトルの前記肩部を補完する保持肩を有する少なくとも1つの保持部材を備え、
前記保持部材は、前記キャップに脆弱部材によって取り付けられ、
それによって前記ボトルが前記キャップ内に挿入されると、前記ボトルの前記肩部が前記保持部材を通過するように前記保持部材を撓ませ、
その後、前記保持部材は、その保持肩部が前記ボトルの前記保持肩部と協働して前記ボトルおよび前記キャップの両方を保持するように、その正位置に戻って弾性的に付勢し、
それによって前記キャップが前記ボトルから引き抜かれることにより、前記ボトルの前記肩部が前記保持部材の前記肩部を支え、前記脆弱部材を変形させるか、または壊し、それによって前記保持部材を前記キャップが前記ボトル上に引き続き保持されるのを防止する位置に移動させる、ボトル。
【請求項2】
前記ネック部の周囲に位置する複数の弓型保持部材を有する、請求項1に記載のボトル。
【請求項3】
前記保持部材は、前記キャップを中心に間欠的に位置する、請求項2に記載のボトル。
【請求項4】
各保持部材の各端部に脆弱部材が存在する、請求項3に記載のボトル。
【請求項5】
テーパ面が、前記ネック部および前記保持部材の端部の少なくとも1つに提供されて、前記ボトルが前記キャップ内に挿入されると、前記保持部材を撓ませる支援をする、請求項1から4のいずれか1項に記載のボトル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2012−508632(P2012−508632A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543807(P2011−543807)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002678
【国際公開番号】WO2010/055313
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(506343612)レキット アンド コールマン (オーバーシーズ) リミテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002678
【国際公開番号】WO2010/055313
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(506343612)レキット アンド コールマン (オーバーシーズ) リミテッド (4)
【Fターム(参考)】
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