説明

異物除去装置およびそれを備える光学機器

【課題】 第1の曲げ振動に対する第2の曲げ振動の時間位相を正確に90°ずれていない振動を励起すると、光学部材を破損するおそれがある。
【解決手段】 第1の駆動電極に通電してから、第2の駆動電極に通電するまでの駆動位相ずれ量を設定する設定手段と、振動検出手段が第1の検出電極からの出力してから前記第2の検出電極からの出力するまでの検出位相ずれ量を測定する測定手段とを有し、設定手段が予め設定される第1の駆動位相ずれ量を設定したときに、測定手段によって測定される検出位相ずれ量に基づいて、設定手段は第2の駆動位相ずれ量を設定し、設定手段が第1の駆動位相ずれ量を設定するときに、駆動手段が第1の駆動電極および第2の駆動電極に通電する第1の電圧は、設定手段が第2の駆動位相ずれ量を設定するときに、駆動手段が第1の駆動電極および第2の駆動電極に通電する第2の電圧よりも低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵埃等の異物をふるい落とす異物除去装置およびそれを備える光学機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被写体像を電気信号に変換して撮像するデジタルカメラ等の光学装置では、撮影光束を撮像素子で受光し、その撮像素子から出力される光電変換信号を画像データに変換する。このような撮像装置では、撮像素子の被写体側に、光学ローパスフィルタや赤外吸収フィルタが配置される。これらフィルタの表面に塵埃等の異物が付着すると、その付着部分が黒い点となって撮影画像に写り込み、画像の見栄えが低下してしまう。特にレンズ交換可能なデジタル一眼レフカメラでは、シャッタやクイックリターンミラーといった機械的な作動部が撮像素子の近傍に配置されており、それらの作動部から発生した塵埃等の異物が撮像素子やフィルタなどの光学部材の表面に付着することがある。また、レンズ交換時に、レンズマウントの開口から塵埃等の異物がカメラ本体内に入り込み、これが付着することもある。
【0003】
このような現象を回避するために、撮像素子の被写体側に設けられた光学部材を圧電素子で振動させることにより、光学部材の表面に付着した塵埃等の異物を除去することが知られている。
【0004】
特許文献1には、光学部材に第1の曲げ振動と、第1の曲げ振動と次数が1つ異なり、第1の曲げ振動と時間位相が90°ずれた第2の曲げ振動とを励起することによって、光学部材に進行波を発生させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−207170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光学部材に安定した進行波を発生させるためには、第1の曲げ振動に対する第2の曲げ振動の時間位相を正確に90°ずらす必要がある。また、光学部材に進行波を発生させて、異物を除去する場合には、光学部材に定常波を光学部材に定常波を異物を除去する場合よりも、高い電圧を圧電素子に与える必要がある。
【0007】
しかしながら、第1の曲げ振動に対する第2の曲げ振動の時間位相を正確に90°ずれていない振動を励起すると、光学部材を破損するおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、このような課題に鑑みて、第1の曲げ振動に対する第2の曲げ振動の時間位相を正確に90°ずれていない振動を励起したとしても、光学部材を破損することがない異物除去装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の異物除去装置は、光学部材と、前記光学部材に貼着され、第1の駆動電極および第1の検出電極が形成される第1の圧電素子と、前記光学部材に貼着され、第2の駆動電極および第2の検出電極が形成される第2の圧電素子と、前記第1の駆動電極に通電することで前記第1の圧電素子を駆動し、前記第2の駆動電極に通電することで前記第2の圧電素子を駆動する駆動手段と、前記第1の検出電極および前記第2の検出電極からの出力に基づいて前記光学部材の振動を検出する振動検出手段と、前記第1の駆動電極に通電してから、前記第2の駆動電極に通電するまでの駆動位相ずれ量を設定する設定手段と、前記振動検出手段が前記第1の検出電極からの出力に基づいて前記光学部材の振動を検出してから前記第2の検出電極からの出力に基づいて前記光学部材の振動を検出するまでの検出位相ずれ量を測定する測定手段とを有し、前記設定手段が予め設定される第1の駆動位相ずれ量を設定するとともに、前記設定手段が前記第1の駆動位相ずれ量を設定したときに、前記測定手段によって測定される前記検出位相ずれ量に基づいて、前記設定手段は第2の駆動位相ずれ量を設定し、前記設定手段が前記第1の駆動位相ずれ量を設定するときに、前記駆動手段が前記第1の駆動電極および前記第2の駆動電極に通電する第1の電圧は、前記設定手段が前記第2の駆動位相ずれ量を設定するときに、前記駆動手段が前記第1の駆動電極および前記第2の駆動電極に通電する第2の電圧よりも低いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1の曲げ振動に対する第2の曲げ振動の時間位相が正確に90°ずれていない振動を励起したとしても、光学部材を破損することがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例1に係わる一眼レフデジタルカメラのブロック図である。
【図2】実施例1の一眼レフデジタルカメラの外観を示す図である。
【図3】異物除去装置の主要な部分を説明するブロック図である。
【図4】事前駆動と異物除去駆動を説明するタイミングチャートである。
【図5】事前駆動時の駆動信号Drive_L、駆動信号Drive_R、検出信号Sence_L_Outおよび検出信号Sence_R_Outを説明する図である。
【図6】実施例1における異物除去動作を説明するフローチャートである。
【図7】実施例2における異物除去駆動を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施例1)
以下、本発明の実施例1について、図面を参照して詳細に説明する。 異物除去装置を備える光学機器の一例として、デジタルカメラに、本発明を適用した例を説明する。
【0013】
図1は、実施例1に係るデジタルカメラ100の機能構成を示すブロック図である。
【0014】
マイクロコンピュータ(以下、MPU)101は、例えば中央処理装置であり、デジタルカメラ100が備える各ブロックに動作を制御する。MPU101には、ミラー駆動回路102、焦点駆動回路103、シャッタ駆動回路104、画像信号処理回路105、スイッチセンサ回路106、測光回路107、圧電素子駆動回路111、振動検出回路112、温度センサ113が接続される。これらの回路は、MPU101の制御により動作する。
【0015】
MPU101は、撮像レンズユニット200内のレンズ制御回路202とマウント接点21を介して通信を行う。MPU101は、撮像レンズユニット200が接続されると、マウント接点21を介して信号を受信することにより、撮像レンズユニット200のレンズ制御回路202と通信可能状態になったことを判断する。
【0016】
レンズ制御回路202は、MPU101からの制御信号を受信することにより、AF駆動回路203および絞り駆動回路204を介して撮像レンズユニット200内の撮像レンズ201および絞り205の駆動を行う。なお、図1では便宜上1枚の撮像レンズ201のみを図示しているが、実際はフォーカスレンズ等の多数のレンズ群によって構成される。
【0017】
AF駆動回路203は、例えばステッピングモータを備え、レンズ制御回路202の制御により撮像レンズ201内のフォーカスレンズ位置を変化させることにより、撮像素子33に撮影光束を合焦させる。絞り駆動回路204は、例えばオートアイリス等の絞り機構であり、レンズ制御回路202の制御により絞り205の絞り量を変化させる。
【0018】
メインミラー6は、図1に示す撮影光軸に対して45度の角度に保持された状態で、撮像レンズ201を通過する撮影光束をペンタプリズム22へ導くと共に、その一部を透過させてサブミラー30へ導く。サブミラー30は、メインミラー6を透過した撮影光束を焦点検出センサユニット31へ導く。
【0019】
ミラー駆動回路102は、例えばDCモータとギヤトレインにより構成され、メインミラー6をファインダにより被写体像を観察可能とする位置と撮影光束から待避する位置とに駆動する。メインミラー6が駆動すると、同時にサブミラー30も、焦点検出センサユニット31へ撮影光束を導く位置と、撮影光束から待避する位置とに移動する。
【0020】
焦点検出センサユニット31は、不図示の結像面近傍に配置されたフィールドレンズ、反射ミラー、2次結像レンズ、絞り、複数のCCDからなるラインセンサ等によって構成され、位相差方式の焦点検出を行う。焦点検出センサユニット31から出力される信号は、焦点駆動回路103に供給され、被写体像信号に換算された後、MPU101に送信される。
【0021】
MPU101は、被写体像信号に基づいて位相差検出法による焦点検出演算を行う。具体的にはMPU101は、被写体像信号を用いてデフォーカス量および方向を算出し、算出されたデフォーカス量および方向に従い、レンズ制御回路202およびAF駆動回路203を介して撮像レンズ201内のフォーカスレンズを合焦位置に駆動させる。
【0022】
ペンタプリズム22は、メインミラー6により反射された撮影光束を正立正像に変換反射する。これにより、撮影者はファインダ光学系を介してファインダ接眼窓18から被写体像を観察することができる。
【0023】
また、ペンタプリズム22は、撮影光束の一部を測光センサ37にも導く。測光回路107は、測光センサ37から出力された測光値を観察面上の各エリアの輝度信号に変換し、MPU101に出力する。MPU101は、輝度信号に基づいて露出値を算出する。
【0024】
シャッタユニット32は、例えば機械フォーカルプレーンシャッタであり、撮影者がファインダ接眼窓18を介して被写体像を観察する際は、シャッタ先幕が遮光位置にあるとともに、シャッタ後幕が露光位置にある状態となる。また撮影時には、シャッタ先幕が遮光位置から露光位置へ移動する露光走行を行うことにより撮像光束を通過し、後述する撮像素子33は結像された被写体像を光電変換して撮像を行う。
【0025】
そして設定されたシャッタ秒時が経過した後、シャッタ後幕は露光位置から遮光位置へ移動する遮光走行を行い、これにより1つの画像データにかかる撮影が完了する。なお、シャッタユニット32は、MPU101から制御命令を受けたシャッタ駆動回路104により制御される。
【0026】
画像信号処理回路105は、撮像素子33より出力されたアナログ画像信号に対して、A/D変換処理を行い、さらに得られたデジタル画像データに対してノイズ除去処理やゲイン調整処理等の様々な画像処理を実行する。スイッチセンサ回路106は、メインSW43、クリーニングSW44等のデジタルカメラ100が備えるユーザインタフェースを撮影者が操作することにより入力される入力信号をMPU101に送信する。クリーニングSW44は、光学ローパスフィルタ410の表面に付着した塵埃等の異物の除去指示を行うためのユーザインタフェースであり、撮影者はクリーニングSW44を操作することにより手動でフィルタ上の異物の除去を実行させることができる。
【0027】
異物除去装置としての撮像ユニット400は、光学ローパスフィルタ410、圧電素子430、撮像素子33を含む部品がユニット化されたブロックである。光学ローパスフィルタ410は光学部材に相当する。
【0028】
撮像素子33は、例えばCMOSセンサやCCD等の撮像デバイスであり、上述したように、結像された被写体の光学像を光電変換することによりアナログ画像信号を出力する。
【0029】
圧電素子430は、例えばピエゾ素子等の単板の圧電素子であり、MPU101から制御信号を受信した圧電素子駆動回路111により加振され、振動を光学ローパスフィルタ410に伝えるように構成されている。
【0030】
MPU101と圧電素子駆動回路111は駆動制御手段として機能する。振動検出回路112は光学ローパスフィルタ410の振動を検出する振動検出手段として機能する。温度センサ113は光学部材周辺の温度を検出する温度検出手段として機能する。
【0031】
ここで、光学ローパスフィルタ410を振動させてフィルタ上の異物の除去を行う、異物除去ユニットとしての撮像ユニット400について、図2を参照してさらに詳細に説明する。図2は、撮像ユニット400の構成を概略的に示した分解斜視図である。
【0032】
撮像素子33の前方に配置された光学ローパスフィルタ410は、水晶からなる1枚の複屈折板であり、その形状は矩形状である。光学ローパスフィルタ410は、光路上に配置され、光束が通過する光学有効領域が設定される矩形状の光学部材である。光学ローパスフィルタ410は、光学有効領域の外側に一対の圧電素子430aおよび430bを配置する周縁部を有しており、撮影光軸中心に対して直交する方向(カメラ左右方向)は対称である。このようにした光学ローパスフィルタ410の表面には、赤外カットや反射防止などの光学的なコーティングが施されている。
【0033】
圧電素子430aおよび430bは、後述するようにそれぞれ1枚の圧電部材上に複数の電極が一体的に形成されており、短冊状の外形を有する。そして、光学ローパスフィルタ410の対向する2つの短辺に沿ってそれぞれ配置される。より詳しくは、圧電素子430aおよび430bは、光学ローパスフィルタ410の周縁部において、第1の圧電素子である圧電素子430aの長辺が光学ローパスフィルタ410の一方の短辺(一方端)と平行となるように貼着される。第2の圧電素子である圧電素子430bの長辺が光学ローパスフィルタ410の他方の短辺(他方端)と平行となるように貼着される。
【0034】
光学ローパスフィルタ410は、その辺に平行な複数の腹部および節部が生じるように波状に振動される。圧電素子430aおよび430bに周期的な電圧が印加され、圧電素子430は伸縮運動する。それに伴って光学ローパスフィルタ410も周期的な屈曲変形を生じる。具体的な振動の様子については後述する。
【0035】
光学ローパスフィルタ保持部材420は樹脂または金属で形成され、光学ローパスフィルタ410を保持する。光学ローパスフィルタ保持部材420は撮像素子保持部材510にビス固定される。
【0036】
付勢部材440は光学ローパスフィルタ410を撮像素子33の方向に付勢する。付勢部材440は光学ローパスフィルタ保持部材420に係止される。付勢部材440はデジタルカメラ100の接地電位となる部分(グランド)に電気的に接続されている。光学ローパスフィルタ410表面もデジタルカメラ100の接地電位となる部分(グランド)に電気的に接続されている。これにより、光学ローパスフィルタ410表面への塵埃等の静電気的な付着を抑制することができる。
【0037】
弾性部材450は断面が略円形の枠形状を有し、光学ローパスフィルタ410と光学ローパスフィルタ保持部材420とで挟まれる。付勢部材440が光学ローパスフィルタ410を付勢することで、弾性部材450は光学ローパスフィルタ410と光学ローパスフィルタ保持部材420との間で押しつぶされる。したがって、弾性部材450を押しつぶす力の大きさは、付勢部材440の撮像素子33方向への付勢力により設定される。なお、弾性部材450はゴムでもよいし、ポロン等のウレタンフォームを用いてもよい。
【0038】
光学部材460は、位相板(偏光解消板)と、赤外カットフィルタと、光学ローパスフィルタ410に対して屈折方向が90°異なる複屈折板と、を貼り合わせた光学部材である。光学部材460は光学ローパスフィルタ保持部材420に接着固定される。
撮像素子保持部材510は矩形の開口部が形成され、その開口部に撮像素子33を露出させた状態で撮像素子33を固定保持する。撮像素子保持部材510はデジタルカメラ100の本体にビス等で固定される。
【0039】
マスク520は撮像素子33に撮影光路外からの余分な光が入射することを防ぐために、光学ローパスフィルタ保持部材420と撮像素子33とで挟まれて保持される。
【0040】
撮像素子付勢部材530は左右一対の板バネ状の付勢部材である。撮像素子付勢部材530は撮像素子保持部材510にビス固定され、撮像素子33を撮像素子保持部材510に押し付ける。
【0041】
以上の構成をとることにより、光学ローパスフィルタ410は、付勢部材440と弾性部材450とで挟み込まれて振動自在に支持される。
【0042】
図3は、異物除去装置の主要な部分を説明するブロック図である。図5に図示するように、圧電素子430aは、圧電部材3と、圧電部材3の表裏に形成される駆動電極5および検出電極7を有する。圧電素子430bは、圧電部材4と、圧電部材4の表裏に形成される駆動電極6および検出電極8を有する。ここで、圧電素子430aが第1の圧電素子に相当し、圧電素子430bが第2の圧電素子に相当する。そして、駆動電極5が第1の駆動電極に相当し、駆動電極6が第2の駆動電極に相当する。さらに、検出電極7が第1の検出電極に相当し、検出電極8が第2の検出電極に相当する。
【0043】
圧電素子駆動回路111は、駆動ブロック9および10、発振ブロック14を有する。駆動ブロック9は、圧電素子430aに形成される駆動電極5に駆動信号Drive_Rを供給する。駆動ブロック10、圧電素子430bに形成される駆動電極6に駆動信号Drive_Lを供給する。発振ブロック14は、駆動ブロック9および10に高周波信号を出力し、MPU101により制御されることで、出力する発振周波数を変化させる。発振ブロック14は、駆動ブロック9および10に対して、それぞれ高周波信号を出力する。駆動ブロック9から出力される駆動信号Drive_Rと駆動ブロック10から出力される駆動信号Drive_Lはそれぞれ位相が異なる。MPU101は、駆動ブロック9および10が駆動電極5および6に与える電圧を制御する。
【0044】
振動検出回路112は、検出ブロック11および12を有する。検出ブロック11は検出用圧電素子7からの出力に基づいて、光学ローパスフィルタ410の振動を検出する。検出ブロック12は検出用圧電素子8からの出力に基づいて、光学ローパスフィルタ410の振動を検出する。検出ブロック11からは検出信号Sence_R_Outが出力される。検出ブロック12からは検出信号Sence_L_Outが出力される。検出信号Sence_R_Outおよび検出信号Sence_L_OutはMPU101に入力される。
【0045】
次に、異物除去装置の動作について説明する。
【0046】
MPU101は、発振ブロック14に、圧電素子430aおよび430bを駆動するのに必要な周波数を出力するとともに、駆動ブロック9への出力と駆動ブロック10への出力との位相ずれ量を示す制御信号とを出力する。発振ブロック14は、入力された周波数と位相ずれ量を示す制御信号に基づいて、駆動ブロック9および10に高周波信号を出力する。駆動ブロック9は、駆動信号Drive_Rを駆動電極5に出力する。MPU101は、駆動ブロック9が駆動電極5に与える電圧を制御する。MPU101は、駆動ブロック10が駆動電極6に与える電圧を制御する。
【0047】
MPU101は、駆動ブロック9および10に対して圧電素子430aおよび430bの駆動を許可または禁止する駆動許可/禁止信号を出力することで、圧電素子430aの駆動および圧電素子430bの駆動を独立して制御できる。
【0048】
MPU101が駆動ブロック9に対して圧電素子430aの駆動許可信号を出力すると、MPU101が指定した発振周波数と、MPU101が指定した電圧に基づいて、駆動ブロック9は駆動電極5に駆動信号Drive_Rを出力する。MPU101が駆動ブロック10に対して圧電素子430bの駆動許可信号を出力すると、MPU101が指定した発振周波数と、MPU101が指定した電圧に基づいて、駆動ブロック10は駆動電極6に駆動信号Drive_Lを出力する。このとき、MPU101は、発振ブロック14に出力する周波数および位相ずれ量を示す制御信号を変化させることで、発振回路14から出力される発振周波数および位相ずれ量を変化させる。これによって、駆動ブロック9が出力する駆動信号Drive_Rおよび駆動ブロック10が出力する駆動信号Drive_Lは変化する。
【0049】
このように、MPU101が発振ブロック14に出力する周波数、位相ずれ量を変化させることで、光学ローパスフィルタ410にもっとも振幅の大きい進行波を発生させることができる。
【0050】
光学ローパスフィルタ410に振動が発生すると、検出電極7および8から信号が出力される。検出電極7に発生した信号は、検出ブロック11によりMPU101が検出できる検出信号Sence_R_Outに変換され、MPU101に入力される。同様に検出電極8に発生した信号は、検出ブロック12によりMPU101が検出できる検出信号Sence_L_Outに変換され、MPU101に入力される。MPU101は、検出信号Sence_R_OutおよびSence_L_Outから、光学ローパスフィルタ410に発生した進行波の振幅を検出することができる。
【0051】
これにより、MPU101は、発振ブロック14に出力する周波数、位相ずれ量を変化させながら、光学ローパスフィルタ410に発生した進行波の振幅の変化を検出することができる。
【0052】
図4は、事前駆動と異物除去駆動を説明するタイミングチャートである。図5において、縦軸は駆動電圧を表し、横軸は駆動時間を表している。事前駆動を実行する際には、駆動電極5および6に40Vの電圧が20msの時間だけ与えられる。ここで、40Vの電圧が第1の電圧に相当し、20msの時間が第1の時間に相当する。そして、異物除去駆動を実行する際には、駆動電極5および6に120Vの電圧が500msの時間だけ与えられる。なお、異物除去駆動を実行する際には、この条件での駆動が4回繰り返される。ここで、120Vの電圧が第2の電圧に相当し、500msの時間が第2の時間に相当する。
【0053】
図5(a)は、事前駆動を実行したときに、駆動ブロック10から出力される駆動信号Drive_L、駆動ブロック9から出力される駆動信号Drive_Rを示している。図5(b)は、事前駆動を実行したときに、検出ブロック12から出力される検出信号Sence_L_Outおよび検出ブロック11から出力される検出信号Sence_R_Outを示している。
【0054】
図5(a)に示すように、駆動ブロック10から駆動信号Drive_Lが出力されて、駆動ブロック9から駆動信号Drive_Rが出力されるまでには、90°の位相ずれを発生させている。このとき、駆動位相ずれ量は90°となる。
【0055】
図5に示すように、駆動ブロック10から駆動信号Drive_Lが出力されて、検出ブロック12から検出信号Sence_L_Outが出力されるまでには、A°の位相遅れが発生する。同様に、駆動ブロック9から駆動信号Drive_Rが出力されて、検出ブロック11から検出信号Sence_R_Outが出力されるまでには、B°の位相遅れが発生する。MPU101は、B°―A°を測定する。B°―A°が検出位相ずれ量に相当する。そして、PU101が検出位相ずれ量を測定する測定手段に相当する。
【0056】
このとき、MPU101が測定するB°―A°は90°±αとなる。したがって、検出位相ずれ量は90°±αとなる。事前駆動時における駆動電極5および6へ供給される電圧は、異物除去駆動時における駆動電極5および6へ供給される電圧よりも低くい。事前駆動時における駆動電極5および6への通電時間は、異物除去駆動時における駆動電極5および6への通電時間よりも短い。したがって、検出位相ずれ量が90°±αとなっても、光学ローパスフィルタ410を破損することがない。
【0057】
検出位相ずれ量が90°にならない原因として、光学ローパスフィルタ410の個体差、光学ローパスフィルタ410に対する圧電素子430aおよび430bの貼着状態あるいは光学ローパスフィルタ410の周辺温度があげられる。
【0058】
MPU101は、この補正値αが小さくなるように、駆動位相ずれ量を変化させる。すなわち、MPU101は、補正値αが許容位相ずれ量の範囲内となるような、駆動位相ずれ量を求める。そして、異物除去駆動を実行する際には、MPU101は、事前駆動にて求めた、駆動位相ずれ量を発振ブロック14に出力する。
【0059】
これによって、異物除去駆動を実行する際には、駆動ブロック9および10は、検出位相ずれ量が90°に近くなるような駆動信号Drive_Rおよび駆動信号Drive_Lを出力することができる。したがって、駆動電極5および6に長時間高い電圧を与えたとしても、光学ローパスフィルタ410を破損することがない。
【0060】
図6を用いて、本実施例における異物除去動作を説明する。図6(a)は本実施例における異物除去動作のメインフローチャートである。
【0061】
ステップS100で異物除去動作のメインフローを開始する。
【0062】
ステップS110では、スイッチセンサ回路106がクリーニングSW44のオン操作を検出する。
【0063】
ステップS120では、MPU101が温度センサ113からの出力に基づいて、デジタルカメラ100内部の温度を検出する。
【0064】
ステップS130では、EEPROM108に記憶されている温度データを読み出す。EEPROM108は、過去の事前駆動によって算出した位相ずれ量と事前駆動を実行させたときの温度データとを関連付けて記憶している。
【0065】
ステップS140では、ステップS120で検出されたデジタルカメラ100内部の温度がEEPROM108に記憶される温度に基づいて設定される所定の温度範囲のいずれかに入っているかどうかを判断する。デジタルカメラ100内部の温度がいずれかの温度範囲内に入っている場合にはステップS170へ進み、デジタルカメラ100内部の温度がいずれの温度範囲内にも入っていない場合にはステップS150へ進む。
【0066】
ステップS150では、異物除去動作を実行させてからの経過時間があらかじめ設定される所定の時間範囲内であるかどうかを判断する。異物除去動作を実行させてからの経過時間が所定の時間範囲内である場合にはステップS170へ進み、異物除去動作を実行させてからの経過時間が所定の時間範囲内でない場合にはステップS160へ進む。
【0067】
ステップS160では、事前駆動を実行する。事前駆動の詳細については後述する。
【0068】
ステップS170では、異物除去駆動を実行する。異物除去駆動の詳細については後述する。
【0069】
ステップS180では、MPU101がタイムカウントを開始する。これによって、異物除去動作を実行させてからの経過時間を計時することができる。すなわち、MPU101は圧電素子を駆動してからの経過時間を計測する計測手段として機能する。そして、ステップS190で異物除去動作のメインフローを終了する。
【0070】
図6(b)は本実施例におけるステップS160に示す事前駆動の詳細を説明するサブフローチャートである。
【0071】
ステップS200で事前駆動のサブフローを開始する。
【0072】
ステップS210では、駆動ブロック9および10が駆動電極5および6に与える電圧と通電時間を設定する。本実施例では、駆動ブロック9および10が駆動電極5および6に与える電圧を40V、通電時間を20msとする。ここで、20msの通電時間が第1の通電時間に相当する。事前駆動の際には、検出ブロック11および12で振動を検出することができる程度の振幅で光学ローパスフィルタ410を振動させれば十分である。
【0073】
そして、駆動信号Drive_Lを出力してから駆動信号Drive_Rを出力するまでの駆動位相ずれ量Xを90°に設定し、許容検出位相ずれ量C=5°に設定する。ここで、90°に設定される駆動位相ずれ量Xが第1の駆動位相ずれ量に相当する。
【0074】
すなわち、本実施例では、検出信号Sence_L_Outが出力されてから、検出信号Sence_R_Outが出力されるまでの検出位相ずれ量が90°±5°の範囲となるような、駆動位相ずれ量Xを設定する。
【0075】
ステップS220では、ステップS210またはステップS250で設定した位相ずれ量Xに基づいて、駆動ブロック10から駆動信号Drive_Lを出力し、駆動ブロック9から駆動信号Drive_Rを出力する。
【0076】
ステップS230では、図5に示す、駆動ブロック10から駆動信号Drive_Lが出力されて、検出ブロック12から検出信号Sence_L_Outが出力されるまでの位相遅れA°を検出する。同様に、駆動ブロック9から駆動信号Drive_Rが出力されて、検出ブロック11から検出信号Sence_R_Outが出力されるまでの位相遅れB°を検出する。MPU101が検出位相ずれ量B°―A°を測定する。そして、MPU101は、測定した検出位相ずれ量B°―A°が駆動位相ずれ量Xに対してどのくらいずれているのかを示す補正量αを求める。
【0077】
ステップS240では、補正量αが±5°の範囲となっているかどうかをMPU101が判断する。補正量αが±5°の範囲となっている場合には、ステップS260に進む。補正量αが±5°の範囲となっていない場合には、ステップS250に進む。
【0078】
ステップS250では、補正量αが±5°の範囲となるように、駆動位相ずれ量Xを調整して、ステップS220に進む。
【0079】
ステップS260では、補正量αが±5°の範囲となる駆動位相ずれ量Xを設定する。ステップS260で設定される駆動位相ずれ量Xが第2の駆動位相ずれ量に相当する。
【0080】
ステップS270では、ステップS260で設定した駆動位相ずれ量XをステップS120にて検出した温度データを基準に設定した温度範囲と、ステップS260で設定した駆動位相ずれ量Xの設定日時とを関連付けてEEPROM108に記憶する。
【0081】
ステップS280では、事前駆動のサブフローを終了し、メインフローにリターンする。
【0082】
図6(c)は本実施例におけるステップS170に示す異物除去駆動の詳細を説明するサブフローチャートである。
【0083】
ステップS300で異物除去駆動のサブフローを開始する。
【0084】
ステップS310では、EEPROM108からステップS260で設定した駆動位相ずれ量Xを読み出す。具体的には、ステップS120にて検出した温度がEEPROM108に記憶される温度範囲のいずれかに入っている場合には、ステップS120にて検出した温度が入っている温度範囲と関連付けられている設定した駆動位相ずれ量Xを読み出す。ステップS120にて検出した温度がEEPROM108に記憶される温度範囲のいずれにも入っていない場合には、駆動位相ずれ量Xの設定日時が最も新しい駆動位相ずれ量Xを読み出す。
【0085】
ステップS320では、ステップS310で読み出した駆動位相ずれ量Xを設定するとともに、駆動ブロック9および10が駆動電極5および6に与える電圧と通電時間を設定する。本実施例では、駆動ブロック9および10が駆動電極5および6に与える電圧を120V、通電時間を500msとする。ここで、500msの通電時間が第2の通電時間に相当する。
【0086】
異物除去駆動では、駆動電極5および6に与える電圧を高くし、通電時間を長くすることで、光学ローパスフィルタ410に付着した異物を除去できる確率が高くなるので、可能な限り大きな電圧を駆動電極5および6に与える。
【0087】
ステップS330では異物除去駆動の繰り返し回数nをカウントアップする。
【0088】
ステップS340では、ステップS320にて設定した条件で、駆動ブロック10が駆動信号Drive_Lを出力し、駆動ブロック9が駆動信号Drive_Rを出力する。
【0089】
ステップS350では、異物除去駆動の繰り返し回数nが予め設定した回数になったかどうかを判断する。異物除去駆動の繰り返し回数nが予め設定した回数になった場合には、ステップS360に進み、異物除去駆動の繰り返し回数nが予め設定した回数になっていない場合には、ステップS330に進む。本実施例では、繰り返し回数nが4になっていなければ、ステップS330に進み、繰り返し回数nが4になっていれば、ステップS360に進む。
【0090】
ステップS360で異物除去駆動のサブフローを終了し、メインフローにリターンする。
【0091】
(実施例2)
本発明の実施例2は、異物除去装置を備えるデジタルカメラであって、その構成は図1〜3にて説明した実施例1と同様であるので、省略する。実施例1と実施例2とは、ステップS170に示す異物除去駆動が異なる。
【0092】
図7は、本発明の実施例2におけるステップS170に示す異物除去駆動の詳細を説明するサブフローチャートである。
【0093】
ステップS400で異物除去駆動のサブフローを開始する。
【0094】
ステップS410では、EEPROM108からステップS260で設定した駆動位相ずれ量Xを読み出す。具体的には、ステップS120にて検出した温度がEEPROM108に記憶される温度範囲のいずれかに入っている場合には、ステップS120にて検出した温度が入っている温度範囲と関連付けられている設定した駆動位相ずれ量Xを読み出す。ステップS120にて検出した温度がEEPROM108に記憶される温度範囲のいずれにも入っていない場合には、駆動位相ずれ量Xの設定日時が最も新しい駆動位相ずれ量Xを読み出す。
【0095】
ステップS420では、ステップS410で読み出した駆動位相ずれ量Xを設定するとともに、駆動ブロック9および10が駆動電極5および6に与える電圧と通電時間を設定する。本実施例では、駆動ブロック9および10が駆動電極5および6に与える電圧を120V、通電時間を500msとする。
【0096】
ステップS430では、ステップS420またはステップS460で設定した位相ずれ量Xに基づいて、駆動ブロック10から駆動信号Drive_Lを出力し、駆動ブロック9から駆動信号Drive_Rを出力する。
【0097】
ステップS440では、駆動ブロック10から駆動信号Drive_Lが出力されて、検出ブロック12から検出信号Sence_L_Outが出力されるまでの位相遅れA°を検出する。同様に、駆動ブロック9から駆動信号Drive_Rが出力されて、検出ブロック11から検出信号Sence_R_Outが出力されるまでの位相遅れB°を検出する。そして、検出位相ずれ量B°―A°が駆動位相ずれ量Xに対してどのくらいずれているのかを示す補正量αを求める。
【0098】
ステップS450では、補正量αが±2.5°の範囲となっているかどうかを判断する。補正量αが±2.5°の範囲となっている場合には、ステップS470に進む。補正量αが±2.5°の範囲となっていない場合には、ステップS460に進む。
【0099】
ステップS460では、補正量αが±2.5°の範囲となるように、駆動位相ずれ量Xを調整して、ステップS430に進む。
【0100】
ステップS470では、補正量αが±2.5°の範囲となる駆動位相ずれ量Xを設定する。
【0101】
ステップS480では異物除去駆動の繰り返し回数nをカウントアップする。
【0102】
ステップS490では、ステップS470にて設定した駆動位相ずれ量Xで、駆動ブロック10が駆動信号Drive_Lを出力し、駆動ブロック9が駆動信号Drive_Rを出力する。
【0103】
ステップS500では、異物除去駆動の繰り返し回数nが予め設定した回数になったかどうかを判断する。異物除去駆動の繰り返し回数nが予め設定した回数になった場合には、ステップS510に進み、異物除去駆動の繰り返し回数nが予め設定した回数になっていない場合には、ステップS480に進む。本実施例では、繰り返し回数nが4になっていなければ、ステップS480に進み、繰り返し回数nが4になっていれば、ステップS510に進む。
【0104】
ステップS510で異物除去駆動のサブフローを終了し、メインフローにリターンする。
【0105】
実施例2によれば、異物除去駆動の1回目の通電時に、事前駆動よりも厳しい条件で駆動位相ずれ量Xを再設定する。これによって、さらに安定した進行波を光学ローパスフィルタ410に発生させることができる。
【符号の説明】
【0106】
5 駆動電極
6 駆動電極
7 検出電極
8 検出電極
9 駆動ブロック
10 駆動ブロック
11 検出ブロック
12 検出ブロック
14 発振ブロック
101 マイクロコンピュータ
111 圧電素子駆動回路
112 振動検出回路
400 撮像ユニット
410 光学ローパスフィルタ
430a、430b 圧電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学部材と、
前記光学部材に貼着され、第1の駆動電極および第1の検出電極が形成される第1の圧電素子と、
前記光学部材に貼着され、第2の駆動電極および第2の検出電極が形成される第2の圧電素子と、
前記第1の駆動電極に通電することで前記第1の圧電素子を駆動し、前記第2の駆動電極に通電することで前記第2の圧電素子を駆動する駆動手段と、
前記第1の検出電極および前記第2の検出電極からの出力に基づいて前記光学部材の振動を検出する振動検出手段と、
前記第1の駆動電極に通電してから、前記第2の駆動電極に通電するまでの駆動位相ずれ量を設定する設定手段と、
前記振動検出手段が前記第1の検出電極からの出力に基づいて前記光学部材の振動を検出してから前記第2の検出電極からの出力に基づいて前記光学部材の振動を検出するまでの検出位相ずれ量を測定する測定手段とを有し、
前記設定手段が予め設定される第1の駆動位相ずれ量を設定するとともに、前記設定手段が前記第1の駆動位相ずれ量を設定したときに、前記測定手段によって測定される前記検出位相ずれ量に基づいて、前記設定手段は第2の駆動位相ずれ量を設定し、
前記設定手段が前記第1の駆動位相ずれ量を設定するときに、前記駆動手段が前記第1の駆動電極および前記第2の駆動電極に通電する第1の電圧は、前記設定手段が前記第2の駆動位相ずれ量を設定するときに、前記駆動手段が前記第1の駆動電極および前記第2の駆動電極に通電する第2の電圧よりも低いことを特徴とする異物除去装置。
【請求項2】
前記設定手段が前記第1の駆動位相ずれ量を設定するときに、前記駆動手段が前記第1の駆動電極および前記第2の駆動電極に通電する第1の通電時間は、前記設定手段が前記第2の駆動位相ずれ量を設定するときに、前記駆動手段が前記第1の駆動電極および前記第2の駆動電極に通電する第2の通電時間よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の異物除去装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記第1の駆動位相ずれ量と前記測定手段によって測定された前記検出位相ずれ量との差に基づいて、前記第2の駆動位相ずれ量を決めることを特徴とする請求項1または2に記載の異物除去装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記第1の駆動位相ずれ量と前記測定手段によって測定された前記検出位相ずれ量との差が小さくなるように、前記第2の駆動位相ずれ量を決めることを特徴とする請求項3に記載の異物除去装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載した異物除去装置を備えた光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−194434(P2012−194434A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59218(P2011−59218)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】