説明

異種の金属部材の接続構造

【課題】異種の金属部材の接続構造に関し、金属部材同士の界面に脆い金属相が形成されず、金属部材間の電気抵抗や熱抵抗が高くならない異種の金属部材の接続構造を提供する。
【解決手段】異種の金属部材1,2が少なくともそれぞれの一部同士で当接しており、双方の金属部材1,2に跨る金属被膜3が双方の金属部材1,2に密着しており、該金属被膜3を介して間接的に金属部材1,2同士が接続されている接続構造10である。この金属被膜3は、コールドスプレー法やウォームスプレー法で形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ、もしくは3つ以上の異種の金属部材同士が接続された接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品では、部位によってそれを構成する金属部材に要求される性質が異なることが往々にしてあり、たとえば、発熱する素子周りの金属部材に関しては、熱容量が大きく、熱伝導率の高い素材(たとえば銅やその合金など)から形成されることが望ましい。一方、素子から離れた位置にある金属部材には、電気抵抗が低く、材料コストが安価で、しかも軽量な素材(たとえばアルミニウムやその合金など)から形成されることが望ましい。
【0003】
このように、一つの電子部品であっても、形成素材の異なる部材、すなわち、電子部品のそれぞれの位置における要求性能に合った金属素材で形成された異種の金属部材が相互に接続されて電子部品が構成されている。
【0004】
ここで、異種の金属部材同士の接続は、ろう付け(めっき)や溶接(アーク溶接、レーザー溶接など)等の金属部材に熱を加えて接続する方法が一般に用いられている。なお、特許文献1には、溶接の一種である隅肉溶接にて異種の金属部材同士の接続を図る方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、異種の金属素材として代表的な銅素材とアルミニウム素材の金属部材同士の接続、鉄素材とアルミニウム素材の金属部材同士の接続において、溶接等によって熱を加える接続方法では、部材同士の界面に脆い金属相が形成される恐れがある。
【0006】
また、めっき等によって部材界面に亜鉛やニッケル等からなる中間層を介在させた後に熱を加えて接続する方法では、金属相の形成は抑制できるものの、作業工程が増加するために製造コストの増加や管理工程の増加といった別の課題が生じてしまう。
【0007】
そこで、異種の金属部材同士に熱を加えることなく接続することにより、上記の課題を解消できることから、このような接続方法として、接着剤による接続方法や、ボルト、リベットなどによる機械的な接続方法の適用が考えられる。
【0008】
しかしながら、このような接続方法では、溶接等の熱を加える接続方法に比して部材界面にエアギャップが介在し易く、界面での電気抵抗や熱抵抗が高くなってしまうという別の課題が生じてしまう。
【0009】
さらに、電子部品が3以上の異種の金属部材からなる場合に、隣接する部材同士を界面で接続するという接続概念では、これら3以上の金属部材同士を一度に接続することは極めて難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011−36918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、異種の金属部材の接続構造に関し、金属部材同士の界面に脆い金属相が形成されず、金属部材間の電気抵抗や熱抵抗が高くならない接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成すべく、本発明による異種の金属部材の接続構造は、異種の金属部材が少なくともそれぞれの一部同士で当接しており、双方の金属部材に跨る金属被膜が双方の金属部材に密着しており、該金属被膜を介して間接的に金属部材同士が接続されているものである。
【0013】
本発明の接続構造は、金属部材同士の界面を接続するという技術思想でなく、接続される金属部材の少なくとも一部と一部が当接した状態で、双方の金属部材間に跨る金属被膜によって双方の金属部材を間接的に接続するという技術思想に立脚した接続構造である。
【0014】
この接続構造の形成に際して、金属部材同士の当接する界面には熱処理が一切おこなわれないため、当該界面に脆い金属相が形成されることはない。
【0015】
接続される金属部材の組み合わせは、半導体装置を構成する回路基板と絶縁基板、回路基板と外部へ通じるリード線など、その組み合わせ形態は多様である。
【0016】
ここで、「一部同士で当接」するとは、たとえば2つの板状の金属部材が、それぞれの少なくとも一部同士で接続されることなく、接触していることを意味している。たとえば平面積が相対的に大きな金属部材の一部に、相対的に平面積の小さな金属部材の全面が接触している形態、同程度の平面積の2つの金属部材がそれぞれ半分の面積で接触している形態など、多様な当接形態がある。
【0017】
一方、異種の金属部材に跨るように形成された金属被膜は双方の金属部材と密着しており、したがって、金属部材の当接界面ではエアギャップが存在して電気抵抗や熱抵抗が高くなっている。しかしながら、相互に密着する金属部材と金属被膜の界面においては、双方が密着していることで電気抵抗や熱抵抗は低くなっている。したがって、このような接続構造を具備する金属部材間における電気や熱の流れは、抵抗の大きな金属部材同士の当接界面を流れるのではなくて、抵抗の小さな金属部材と金属被膜の密着界面を介し、金属被膜を介し、さらに金属被膜と別途の金属部材の密着界面を介して該別途の金属部材へ流れる流れとなり、電気伝導性と放熱性の双方に優れた接続構造となる。
【0018】
ここで、「密着」とは、金属部材同士の当接箇所の周辺に金属被膜を形成する過程で、金属被膜を構成する多数の金属粉末が高速で金属部材に衝突して金属部材表面で塑性変形しながら金属部材内にめり込み、さらに提供された金属粉末がこのめり込んだ金属粉末上に堆積して金属被膜を形成する際に、この金属粉末が金属部材の表面内にめり込んだ際のアンカー効果で金属被膜と金属部材が強固に接続されることを意味している。なお、場合によっては、金属粉末が高速で金属部材に衝突した際の運動エネルギーが熱エネルギーに変換され、この熱によって金属部材や金属被膜の一部が融点を超えて結合する結合態様も含まれ得るが、本発明における「密着」が熱作用が介在せずに金属部材と金属被膜が接続される接合態様が主であることに変わりはない。
【0019】
このような金属被膜の成膜方法として、コールドスプレー法やウォームスプレー法を適用することができる。
【0020】
コールドスプレー法は、固相粒子を高速加速させて基材へ衝突させて被膜を堆積させる方法であり、燃焼炎を用いず、高温・高圧の不活性ガス(たとえば300℃〜900℃未満で3MPa程度)をノズルから噴出させて超音速ジェットを発生させ、その中に原料粉末(アルミニウム粉末、銅粉末、ステンレス粉末、ニッケル粉末、銀粉末、チタン粉末、タングステン粉末など)を供給することにより、高速の金属粉末が基材に衝突した際に基材と粉末の双方が塑性変形し、粉末が基材内にめり込んで、基材に対して粉末を物理的に「密着」することができるものである。
【0021】
一方、ウォームスプレー法は、コールドスプレー法に比して相対的に高温(1000〜2000℃)の高圧ガスを利用して高速の金属粉末を基材に衝突させ、これを堆積させて成膜するものである。
【0022】
いずれの方法であっても、加速されたガス流れによって金属粉末が金属部材に衝突して密着し、密着した金属粉末が堆積して金属被膜が形成される。
【0023】
そして、金属部材の表面にめり込むようにして金属被膜が形成されることから、双方の界面における密着性は極めて高く、当該界面においてエアギャップは形成されない、もしくは形成され難いことから、金属部材と金属被膜の界面における電気抵抗や熱抵抗は極めて低くなり、もって電気伝導性、放熱性に優れた界面が形成される。
【0024】
また、このように金属被膜を介して異種の金属部材同士が間接的に接続されていることから、この接続構造は、3つ以上の異種の金属部材を一度に共通の金属被膜で接続することができ、製造効率にも優れた接続構造である。
【0025】
たとえば、平面積の大きさが大中小の3つの金属部材を最も大きなものを最下層にして積み重ねて部材の積層体を形成し、その上方からコールドスプレー等にて金属粉末を高速で当該積層体に飛ばすことにより、3つの金属部材に跨る金属被膜を一度に形成することができ、したがって、最下層と中間層の金属部材同士、中間層と最上層の金属部材同士をそれぞれ金属被膜を介して一度に接続することができる。
【0026】
また、本発明者等によれば、たとえば重ね合わされる上方の金属部材の端部をテーパー状に加工しておいて2つの金属部材間に極端な段差がない状態とした上でコールドスプレーやウォームスプレーを適用して金属被膜にて2つの金属部材を接続した際に、少なくとも50μm以上の厚みの金属被膜を形成することでこれが2つの金属部材から剥がれることなく、強固に密着できることが特定されている(これは、形成された2つの金属部材のユニット体を手で折り曲げる繰返しの折り曲げ試験をおこなった際に、金属被膜が剥離しないことが確認された結果によるものである)。
【0027】
また、上記するように上方の金属部材の端部がテーパーを具備しない2つの金属部材同士の端部の接続においては、上方の金属部材の厚み(金属部材間の段差)が3mm程度の場合に、厚みが100μmの金属被膜を双方の端部に跨るようにして形成することで、繰返しの折り曲げ試験の際に金属被膜が剥離しないことが確認されている。
【0028】
上記するように、本発明による異種の金属部材の接続構造は、金属部材同士の界面を接続するという技術思想でなく、金属部材同士の界面は接触させるに留めておき、金属部材同士に跨ってそれぞれの金属部材と密着する金属被膜にて金属部材同士を間接的に接続する技術思想に立脚するものである。この接続構造により、金属部材同士の界面を溶接等の熱を加える接続方法にて接続した際に部材同士の界面に脆い金属相が形成され、これが構造弱部になるといった課題は生じ得ない。金属部材の表面に物理的に金属被膜がめり込み、そのアンカー効果によって強固に金属部材と金属被膜が密着していること、双方の界面には脆い金属相が形成されない、もしくはされ難いことから、2以上の金属部材のそれぞれに金属被膜が跨ってそれぞれの金属部材と接続されてなる接続構造は、構造信頼性の高いものとなる。
【0029】
さらに、金属部材同士は接触しているのみであることから双方の界面の電気抵抗や熱抵抗は高くなる傾向にあるものの、それぞれの金属部材と金属被膜は隙間無く密着していることから金属被膜と金属部材間の界面の電気抵抗、熱抵抗は極めて低く、したがって電気伝導性と放熱性の双方に優れた接続構造となる。
【発明の効果】
【0030】
以上の説明から理解できるように、本発明の異種の金属部材の接続構造によれば、複数の異種の金属部材のそれぞれに密着する金属被膜によって間接的に複数の金属部材同士が接続されていることにより、ろう付け(めっき)や溶接の際に金属部材同士の界面に脆い金属相が形成され易いといった課題が解消され、また、接着剤による接続やボルト、リベットなどによる機械的な接続の際に界面にエアギャップが形成され易く、このことによって界面の電気抵抗と熱抵抗が高くなり易いといった課題も解消され、もって、接続構造における構造信頼性が高く、電気伝導性と放熱性の双方に優れた異種の金属部材の接続構造となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(a)は異種の金属部材の接続構造の一実施の形態の縦断面図であり、(b)は図1aのb−b矢視図である。
【図2】図1のII部を拡大した図である。
【図3】金属被膜の形成方法の概要を説明した模式図である。
【図4】図1で示す接続構造における金属部材間の電気流れと熱流れを模擬した図である。
【図5】異種の金属部材の接続構造の他の実施の形態の一部を示す縦断面図である。
【図6】(a)、(b)、(c)ともに、異種の金属部材の接続構造のさらに他の実施の形態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の異種の金属部材の接続構造の実施の形態を説明する。
【0033】
(異種の金属部材の接続構造の実施の形態1および金属被膜の形成方法)
図1は異種の金属部材の接続構造の実施の形態1を示す図であり、図1aはその縦断面図、図1bはその平面図である。
【0034】
図示する金属部材1,2は異種素材の金属から形成された部材であり、銅やアルミニウム、鉄、銀、チタン、ニッケル、鋼(炭素鋼)やそれらの合金からなり、相互に異種素材の金属から形成されている。
【0035】
平面形状が矩形で相対的に平面積の大きな金属部材1の中央に、相対的に平面積の小さな金属部材2が載置され、これら金属部材1,2に跨るようにして双方の金属部材1,2に密着する金属被膜3が形成されて接続構造10が構成される。
【0036】
図1aで示すように、金属部材1,2の界面K1は相互に接続されることなく、単に接触しているのみである。
【0037】
一方、金属部材1,2と金属被膜3の界面K3,K2はいずれも、相互に密着した構造を呈している。また、図示するように、上方の金属部材2の端部がテーパーを具備しない2つの金属部材1,2同士の端部の接続においては、上方の金属部材の厚みt1(金属部材間の段差)が3mm程度の場合に、厚みt2が100μmの金属被膜3を双方の端部に跨るようにして形成することで、複数回繰返して折り曲げた場合でも金属被膜3が金属部材1,2の双方から剥離しないことが特定されている。
【0038】
金属部材1,2と金属被膜3の密着構造を、図1のII部を拡大してなる図2を参照して概説する。
【0039】
図2で示すように、金属被膜3は多数の金属粉末31の塑性変形したものが堆積して形成されており、金属部材2の表面には多数のめり込み溝2aが形成され、ここに塑性変形した金属粉末31が入り込んでめり込み溝2aに密着している。
【0040】
この金属粉末31は、導電性のある金属素材の粉末であれば特に限定されるものでないが、たとえば、アルミニウム粉末や銅粉末、ステンレス粉末、ニッケル粉末、銀粉末、チタン粉末、タングステン粉末などのうちのいずれか一種を適用することができる。
【0041】
このように多数の金属粉末31の塑性変形したものが金属部材2の表面に多数のめり込み溝2aを形成しながら密着している理由は、金属被膜3の形成方法に依拠するものである。
【0042】
ここで、図3を参照して金属被膜3の形成方法を説明する。
【0043】
図示する形成方法はコールドスプレー法によるものである。金属部材1,2を位置決めして相互に接触させた状態で把持板H,Hでこれらを把持し、ボルトBを締め込んで相対的な位置ずれ防止を図る。
【0044】
この状態で、コールドスプレーガンCGから上記する適宜の金属粉末31(固相粒子)を高速噴射させて金属部材1,2の双方に衝突させる。この高速噴射は、高温・高圧の不活性ガス(たとえば300℃〜900℃未満で3MPa程度)に金属粉末31を提供したものをコールドスプレーガンCGのノズルから超音速ジェット噴出するものである。
【0045】
このように高速かつ高圧の金属粉末31を金属部材1,2の表面にジェット噴射することにより、高速の金属粉末31が金属部材1,2の表面に衝突した際に金属部材1,2の表面と金属粉末31の双方が塑性変形し、金属部材1,2の表面には図2で示すように多数のめり込み溝2aが形成され、ここに塑性変形した金属粉末31が入り込んで密着する。
【0046】
このように、金属部材1,2と金属被膜3の接続方法は、コールドスプレー法によって金属部材1,2の表面に金属被膜3をめり込ませながら密着させるものであり、そのアンカー効果によって強固に金属部材1,2と金属被膜3が密着してなる接続構造となる。
【0047】
そのため、従来一般の金属部材同士の界面を溶接等の熱を加える接続方法にて接続した際に、当該界面に脆い金属相が形成されてこれが構造弱部となるといった課題は生じ得ない。
【0048】
次に、図4を参照して図示する接続構造10の電気伝導性と放熱性について説明する。
【0049】
金属部材1,2の表面のめり込み溝2aに対して金属被膜3がめり込みながら形成されることから、金属部材1,2と金属被膜3の間の界面における密着性は極めて高く、当該界面においてエアギャップは形成され難いことから、金属部材1,2と金属被膜3の界面における電気抵抗や熱抵抗は極めて低い。
【0050】
一方、接触しているに過ぎない金属部材1,2の界面は、ここに介在するエアギャップによって電気抵抗と熱抵抗がともに高くなっている。
【0051】
したがって、たとえば金属部材2からの電気や熱の流れは、抵抗の大きな界面K1に流れず、抵抗の小さな金属被膜3との界面K2に流れ(X1方向の流れ)、金属被膜3内を電気や熱が流れた後(X2方向の流れ)に界面K3を介して金属部材1に流れ込むようになる(X3方向の流れ)。
【0052】
すなわち、従来一般の金属部材同士の界面を接着剤によって接続する場合やボルト、リベットなどによって機械的に接続する場合のように、金属部材同士の界面にエアギャップが形成され易く、このことによって界面の電気抵抗および熱抵抗が高くなり易いといった課題は生じ得ない。
【0053】
以上のことより、接続強度に関する構造信頼性が高く、しかも、電気伝導性と放熱性の双方に優れた異種の金属部材の接続構造10となる。
【0054】
なお、図示する金属部材1,2と金属被膜3の密着構造を形成する方法としては、コールドスプレー以外にもウォームスプレーの適用があり、コールドスプレーの場合と同様に高性能な接続構造を形成することができる。
【0055】
(異種の金属部材の接続構造の実施の形態2)
図5は、異種の金属部材の接続構造の実施の形態2の一部を示す縦断面図である。
【0056】
図示する接続構造10Aは、重ね合わされる上方の金属部材2’の端部2’aをテーパー状に加工しておいて2つの金属部材1,2’間に極端な段差がない状態とした上でコールドスプレーを適用して金属被膜3にて2つの金属部材1,2’が接続されたものである。
【0057】
上方の金属部材2’の端部2’aがテーパー状を呈していることから(図1で示すように金属部材2の厚みによる極端な段差がない)、金属被膜3の厚みt3は少なくとも50μm以上の厚みであれば、複数回繰返して折り曲げた場合でもこれが2つの金属部材1,2’から剥がれることなく、強固に密着できることが特定されている。
【0058】
(異種の金属部材の接続構造の実施の形態3〜5)
図6a,b,cはそれぞれ、異種の金属部材の接続構造の実施の形態3,4,5を示す縦断面図である。
【0059】
図6aで示す接続構造10Bは、平面積の異なる3つの金属部材1A,2A,4が相互に接触した姿勢で積層され、各金属部材1A,2A,4と密着するように金属被膜3が形成されてなる接続構造である。この接続構造10Bは、コールドスプレー法を適用することにより、金属部材1A,2Aの接続と金属部材2A,4の接続が一度に実行でき、製造効率が高い。
【0060】
一方、図6bで示す接続構造10Cは、同程度の平面積を有する2つの金属部材1B,2Bがそれぞれ一部同士で接触し、双方の接触箇所に跨るように金属被膜3が形成されてなる接続構造である。
【0061】
さらに図6cで示す接続構造10Dは、金属部材1Cに対して金属製のリード線5の端部が接触し、この接触箇所に金属被膜3が形成されてなる接続構造である。
【0062】
このように、2つの金属部材同士、3以上の金属部材同士、金属部材とリード線同士など、多様な態様の金属部材同士を、効率的な製造方法の下で、構造信頼性が高く、かつ電気伝導性と放熱性に優れた態様で接続することができる。
【0063】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0064】
1,1A,1B,1C…金属部材、2,2',2A,2B,2C…金属部材、2a…めり込み溝、3…金属被膜、31…金属粉末、4…金属部材、5…リード線、10,10A,10B,10C…接続構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異種の金属部材が少なくともそれぞれの一部同士で当接しており、
双方の金属部材に跨る金属被膜が双方の金属部材に密着しており、該金属被膜を介して間接的に金属部材同士が接続されている異種の金属部材の接続構造。
【請求項2】
前記金属被膜は、コールドスプレー法とウォームスプレー法のいずれかにより、高圧噴射された金属粉末が前記金属部材に衝突して該金属部材の表面にめり込んで密着し、金属粉末が堆積してできたものである請求項1に記載の異種の金属部材の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−72093(P2013−72093A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209742(P2011−209742)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】