異種データネットワークのためのネットワーク管理インターフェースおよびそれを用いたシステム
【課題】異種ネットワークにおけるネットワークオブジェクトを管理するための装置、ネットワーク管理システム、およびネットワーク管理装置を提供すること。
【解決手段】この装置は、通信プロトコルを使用して通信される第1のプロトコルを使用して、異種ネットワークにおけるネットワークオブジェクトを管理するネットワーク管理要求を受信し、第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに従って、ネットワーク管理要求をネットワークオブジェクトに送信するプロセッサを含み、ネットワーク管理インターフェースが設けられる。
【解決手段】この装置は、通信プロトコルを使用して通信される第1のプロトコルを使用して、異種ネットワークにおけるネットワークオブジェクトを管理するネットワーク管理要求を受信し、第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに従って、ネットワーク管理要求をネットワークオブジェクトに送信するプロセッサを含み、ネットワーク管理インターフェースが設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態と一致する装置、デバイス、およびシステムは、コンピュータネットワークの管理に関し、より詳細には、ネットワーク管理装置、管理プロトコル、およびそれを用いたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
娯楽や産業環境におけるコンピュータネットワークには、複数のネットワークオブジェクトが含まれている。図1に、コンピュータネットワークの一般的な例を示す。ネットワーク100は、様々なネットワークオブジェクトを含んでいる。例えば、ネットワークオブジェクトは、ルータ/ファイアウォール140、スイッチ120、130、150、アクセスポイント132、134、136、およびワイヤレスLANコントローラ(WLC)125などのインフラストラクチャデバイスを含み得る。ネットワークオブジェクトはまた、サーバ110、ワークステーション(PC)170、180、プリンタ160、ならびにパーソナルデータアシスタント(PDA)およびモバイル端末などの携帯型コンピュータデバイス133、135など、様々なコンピュータデバイスを含み得る。図1に示すネットワークオブジェクトは包括的でなく、ネットワークによってインターフェースできる新規ネットワークオブジェクトは、様々な製造メーカによって絶えず開発されている。
【0003】
通常、ネットワーク100には、1つの製造メーカのみからのネットワークオブジェクト、または1つのシステムのみを実行するネットワークオブジェクトは含まれない。むしろ、多数の製造メーカからの、1つのネットワークにおいて異なるネットワーク管理プロトコルを一緒に有するネットワークオブジェクトを含むことが一般的である。これらの異種の要素を含むネットワークを異種ネットワークと呼ぶ。
【0004】
異種ネットワークの1つの例は、工業自動化のコンテキストの中にある。工業用ネットワークでは、プロセスをモニタリングするために使用される様々なセンサおよび制御装置を含むフィールドデバイスは、1つまたは複数の製造メーカによって供給され得る。これらのフィールドデバイスは、別の製造メーカから購買、さもなければ供給されるスイッチに接続することができ、このスイッチは、同様に、別の異なる製造メーカによって製造されたモニタリングデバイスに接続することができる。異種ネットワークの別の例として、異なる製造メーカによって製造された複数のプリンタ、別の製造メーカによって供給された1つまたは複数のサーバ、別の製造メーカによって製造された複数のネットワークスイッチを含むオフィスネットワーク環境に見られるネットワークがあり得、このネットワークスイッチは、同じサーバ製造メーカによって製造される可能性も、または異なる製造メーカによって製造される可能性もある様々なワークステーションへの接続を可能にする。
【0005】
さらに、具体的には、しばらくの間、定位置に置かれてきた工業自動化のセッティング、大抵はレガシーなネットワークオブジェクト、においては、機能性の向上を図るために、異なる製造メーカからの新規ネットワークオブジェクトをネットワークに付加することが有利である。
【0006】
ネットワークオブジェクトがネットワークにますます付加されるにつれて、ネットワークオブジェクト間のネットワーク関連の衝突が拡大する可能性があり、新規ネットワークオブジェクトがネットワークにおけるトラフィックに付加し、セキュリティ問題や通信品質問題などをもたらすにつれて、通信品質は低下する可能性がある。ネットワークが適切に構成され、ネットワークにおける許容可能な通信品質およびセキュリティを維持するように提供されることを確実にするために、ネットワーク管理操作がネットワークオブジェクトに対して実行される。
【0007】
ネットワーク管理を効率的に行うために、ネットワーク管理者が、ワークステーションを使用して中央の場所からネットワーク管理操作を行うことが可能ならば好都合である。そのような場合では、ネットワーク管理者は、単一のプログラムを使用してリモートでネットワークオブジェクトを管理する。このプログラムにより、ネットワーク管理者は、ネットワークオブジェクトの通信状況をモニタリングし、ネットワークオブジェクトにおけるネットワーク構成情報を更新して、例えばネットワークトポロジー、サービスパラメータの品質などの様々なネットワーク特性を変更することが可能になる。
【0008】
したがって、ネットワーク管理者がネットワークオブジェクトと容易に通信できることが可能であるならば有利である。ほとんどのネットワークオブジェクトは、ネットワーク管理者が管理サーバからのネットワークオブジェクトと通信して、ネットワークオブジェクトをモニタリングし構成することを可能にするネットワーク管理プロトコルを有し、それにより、ネットワーク管理者は、ネットワーク管理操作を行うことが可能になる。ネットワーク管理プロトコルを使用すると、ネットワーク管理者は、リモートで、通信状況をモニタリングし、ネットワークオブジェクトにおけるネットワーク構成情報を構成および更新することができる。しかし、上述したように、これらのネットワーク管理プロトコルは、通常、製造メーカによって異なり、ある製造メーカまたはベンダーが、異なるネットワーク管理プロトコルを使用する異なる製品を供給することすらある。さらに、新規ネットワークオブジェクトが機能性を高めるために付加されるにつれて、レガシーネットワークオブジェクトおよびレガシーネットワーク管理プロトコルは課題を呈する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、ネットワークオブジェクトが異なる製造メーカのものであり、異なるネットワーク管理プロトコルを使用する異種ネットワークを管理する場合において、ネットワーク管理は困難をきたす。
【課題を解決するための手段】
【0010】
例示的な実施形態の態様によれば、異種ネットワークにおける複数のネットワークオブジェクトを管理するための装置が提供され、この装置は、通信プロトコルを使用して通信される第1のプロトコルを用いて、異種ネットワークにおけるネットワークオブジェクトを管理するネットワーク管理要求を受信し、第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに従って、ネットワーク管理要求をネットワークオブジェクトに送信する中央処理ユニットを備える。
【0011】
例示的な実施形態の別の態様によれば、異種ネットワークにおける複数のネットワークオブジェクトを管理するためのネットワーク管理装置が提供され、このネットワーク管理装置は、複数のネットワークオブジェクトと関連付けられたネットワーク管理情報を含むネットワークオブジェクトリストを記憶するメモリであって、ネットワーク管理情報が、ネットワークオブジェクトのそれぞれについて、ネットワークオブジェクトと関連付けられたネットワーク管理プロトコルを含む、メモリと、通信プロトコルを介して通信される管理情報交換プロトコルを使用してネットワーク管理要求を受信し、ネットワークオブジェクトリスト内のネットワークオブジェクトと関連付けられたネットワーク管理プロトコルを使用して、ネットワーク管理要求において指定された複数のネットワークオブジェクトのうちのあるネットワークオブジェクトにネットワーク管理要求を送信する中央処理ユニットとを備え、ネットワーク管理プロトコルはそれぞれ、管理情報交換プロトコルとは異なっている。
【0012】
例示的な実施形態の別の態様によれば、異種ネットワークを管理するネットワーク管理システムが提供され、このネットワーク管理システムは、第1のネットワークマネージャと、このネットワークマネージャおよび第1のネットワークオブジェクトに接続され、通信プロトコルを介して送信される第1のネットワーク管理プロトコルを使用してネットワークマネージャと通信するように、および第1のネットワーク管理プロトコルとは異なる第2のネットワーク管理プロトコルに従って、第1のネットワークオブジェクトと通信するように構成されている第1のネットワーク管理インターフェースとを備える。
【0013】
上述のおよび/または他の態様は、添付の図面を参照して、例示の実施形態を詳細に説明することによってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ネットワークデバイスの一例を示す図である。
【図2】例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。
【図3】別の例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。
【図4】別の例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。
【図5】例示的な実施形態によるネットワーク管理インターフェース(NMI)の構造的構成を示す図である。
【図6】例示的な実施形態によるネットワークデバイスを含むNMIの構成を示す図である。
【図7】例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの機能ブロック図である。
【図8】図7に示すネットワーク管理インターフェース(NMI)のネットワークオブジェクトリストの一例である。
【図9】図7に示すネットワーク管理インターフェース(NMI)のネットワークオブジェクトリストの一例である。
【図10】例示的な実施形態によるNMIの動作を示す流れ図の一例である。
【図11】例示的な実施形態によるネットワーク管理システムにおけるメッセージング動作を示すアクティビティ図の一例である。
【図12】例示的な実施形態によるネットワーク管理システムにおけるネットワーク管理インターフェースを示す一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
例示的な実施形態は、ネットワーク構成への一元アクセスと、管理されたコンピュータネットワークにおける情報のモニタリングとを可能にするコンピュータネットワーク、ネットワーク管理ソフトウェア、およびネットワーク管理システムを対象とする。例示的な実施形態は、一元ネットワーク管理プログラムと、異種ネットワークにおける管理されたネットワークオブジェクトとの間でネットワーク管理情報を交換することを可能にする。
【0016】
ネットワーク管理に対する2つの手法が存在する。第1の手法は、2層アプローチ(two-tier approach)であり、ここでは、マネージャが、ネットワークオブジェクトを構成し管理するために、ネットワークにおけるネットワークオブジェクトによってサポートされる既存のリモート管理プロトコルに依存しているネットワークオブジェクトのそれぞれと直接通信する。
【0017】
しかし、この2層アプローチは、ファイアウォール管理オーバヘッドの増加、およびセキュリティ問題に対する脆弱性の増加などの弱点を有する。マネージャが、異なる管理プロトコルを使用して、ネットワークオブジェクトとネットワーク管理情報を直接交換する場合、いくつかのファイアウォールのルールは、対応するデータトラフィックが通過することを可能にするために、異なるファイアウォールにおいて維持される必要がある。このようなファイアウォールのルールの維持は、マネージャを使用するネットワーク管理者にとって厄介になる可能性がある。さらに、ネットワークオブジェクトによってサポートされる既存のネットワーク管理プロトコルが、通信の適正な機密性および完全性をもたらすことができない場合では、マネージャおよびネットワークオブジェクトは、ネットワークセキュリティの脅威にさらされることになる。
【0018】
2層アプローチはまた、この手法により、新規ネットワークオブジェクトを付加するとき、割込みが生じるという弱点を有し、特に異種ネットワーク環境における拡張性に困難をきたす。例えば、新規ネットワーク管理プロトコルを使用するネットワークオブジェクトがネットワークに付加されるとき、マネージャは、新規プロトコルをサポートするように変更される必要がある。結果として、マネージャは、試験し、更新を実行するために、オフラインを受け入れなくてはならない。さらに、ネットワークオブジェクトの数が増加するにつれて、メモリおよび記憶装置が大量のデータ交換および通信コンテキストを維持するために使用されなくてはならないので、ネットワークオブジェクトとの通信を担うマネージャにおいて性能問題が生じる。
【0019】
第2の手法は、3層アプローチであり、ここでは、マネージャと管理されているネットワークオブジェクトとの間に中間コンポーネントが設けられる。中間コンポーネントを使用することにより、2層アプローチの弱点の一部が対処される。しかし、中間コンポーネントは、同じベンダーによって提供されるネットワークオブジェクトと通信するために、ベンダー特有のネットワーク管理プロトコルを使用する。例えば、マネージャはCiscoのワイヤレスLANコントローラおよびCiscoのアクセスポイント(Access Points)と共に使用可能である。したがって、管理コンポーネントが、管理されているネットワークオブジェクトのそれぞれにおいてインストールされる。この管理コンポーネントは、それぞれのネットワークオブジェクトについて同じである。中間コンポーネントは、マネージャから要求を受信し、ネットワークオブジェクトの管理コンポーネントにその要求を送信する。
【0020】
しかし、ネットワークオブジェクトが異なる製造メーカによって製造され、異なるネットワーク管理プロトコルを使用する異種ネットワーク環境では、ネットワークオブジェクトの内部構造およびソフトウェアについて知られておらず、かつ/またはアクセスできないので、ネットワークオブジェクトのそれぞれにおいて共通の管理コンポーネントをインストールすることは不可能である。例えば、ネットワークオブジェクトが独自の構造およびソフトウェアスキームを有する場合がある。したがって、互換性が、異種ネットワーク環境においては3層アプローチの弱点になる。
【0021】
例示的な実施形態は、上述の弱点に対処する。しかし、例示的な実施形態は、弱点を対処することを求められているのではなく、具体的な例示的実施形態が、上述の弱点に対処し得るものでもない。
【0022】
本明細書では、例示的な実施形態を、添付の図面を参照してより詳細に説明することとする。
【0023】
図2は、例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの構成を示す図である。図2に示すように、ネットワーク管理システム200は、マネージャ210、ネットワーク管理インターフェース(NMI)220、およびネットワークオブジェクト230、240を含む。2つのネットワークオブジェクト230、240を図2に示しているが、これは、説明の便宜上のためだけであり、当業者には、1つのネットワークオブジェクト、または3つ以上のネットワークオブジェクトがNMI220に接続可能であることが認識される。すなわち、任意の数のネットワークオブジェクトが設けられてもよい。
【0024】
マネージャ210は、ワイヤード接続またはワイヤレス接続のいずれかを使用して、NMI220に接続可能である。ワイヤード接続の例には、イーサネット(登録商標)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ファイアウォール、シリアル接続などが挙げられる。ワイヤレス接続の例には、WiFi、Bluetooth(登録商標)、IEEE標準ベースの接続などが挙げられる。マネージャ210は、TCP/IP、Novell Network、または同様の低レベル通信プロトコルなど通信プロトコル(図2に示していない)を使用してNMI220と通信する。同様にNMI220は、ワイヤード接続またはワイヤレス接続のいずれかを使用して、ネットワークオブジェクト230、240に接続可能である。マネージャ210とNMI220との間、およびNMI220とネットワークオブジェクト230、240との間の接続構成の任意の組合せが使用され得る。例えば、マネージャ210は、インターネットを介してイーサネット(登録商標)接続を使用してNMI220に接続可能であり、ネットワークオブジェクト230はまた、イーサネット(登録商標)接続を介してNMI220に接続可能であり、同時にネットワークオブジェクト240は、シリアル接続を使用してNMI220に接続可能である。しかし、当業者には、これがほんの一例であり、多数の異なる接続構成が可能であることが認識されるであろう。
【0025】
マネージャ210、NMI220、およびネットワークオブジェクト230、240は、同じローカルエリアネットワーク(LAN)の一部として設けることも、または広域ネットワーク(WAN)の一部として設けることも可能である。したがって、マネージャ210、NMI220、およびネットワークオブジェクト230、240は、1つの工業プラントにおいて、または1つのオフィスビル内など、局所的に配置され得る。あるいは、NMI220およびネットワークオブジェクト230、240が、同じ工業プラントまたはオフィスで局所的に配置され得、マネージャ210が、NMI220およびネットワークオブジェクト230、240のリモートネットワーク管理を行うように、オフサイトの場所にリモートに設置され得る。
【0026】
ネットワークオブジェクト230、240は、ネットワークにおいて管理できる任意のネットワークオブジェクトであってもよい。例えば、ネットワークオブジェクト230、240は、図1に示す任意のタイプのネットワークオブジェクトであってもよい。したがって、ネットワークオブジェクト230、240は、ルータ140、スイッチ120、130、150、アクセスポイント132、134、136、およびワイヤレスLANコントローラ125などのインフラストラクチャデバイスであってもよい。ネットワークオブジェクト230、240はまた、サーバ110、ワークステーション170、180、プリンタ160、ならびにパーソナルデータアシスタント(PDA)およびモバイル端末などの携帯型コンピュータデバイス133、135などの様々なコンピュータデバイスであってもよい。図1に関して上述したように、ネットワークを介して相互に作用することができる新規ネットワークオブジェクトは、常に、様々な製造メーカによって開発されている。したがって、ネットワークオブジェクト230、240は、具体的に限定されず、ネットワークにおいて提供および構成されていることができる任意のネットワークオブジェクトであってもよい。
【0027】
上述のように、ネットワークオブジェクトはすべてが同じでないことが一般的である。つまり、所与のネットワークは、通常、1つまたは複数の異なるベンダーおよび/または製造メーカによって製造されるネットワークオブジェクトを含み、1つまたは複数のネットワーク管理プロトコルに従って動作することになる。レガシーネットワーク管理プロトコルのいくつかの例は、SNMP(rfc1157)、NetConf(rfc4741)、IOS(Cisco)、TiMOS(Alcatel-Lucent)、JunOS(Juniper)、およびDiameter(rfc3588)である。さらに、しばしば、製造メーカは、自身の独自のネットワークオブジェクト構造、構成、およびネットワーク管理プロトコルを有し、それらはまた、レガシープロトコルであり得る。
【0028】
マネージャ210は、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、またはネットワークに接続可能なハンドヘルドのコンピュータデバイスであってもよい。マネージャ210は、ユーザインターフェースをもたらすコンピュータプログラムを実行し、それによって、ネットワーク管理者は、一元ネットワーク管理機能を行うことが可能になる。したがって、マネージャ210を動作させるネットワーク管理者(図示せず)は、ネットワークにおいてNMI220、またネットワークオブジェクト230、240も提供および構成する機能を実行することができる。
【0029】
NMI220は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、またはマネージャ210と、NMI220が接続されるネットワークオブジェクト230、240との間のインターフェースとして働くサーバである。NMI220は、マネージャ210とは分離して設置される。
【0030】
上述のように、マネージャ210は、ネットワーク管理コンピュータプログラムを実行する。ネットワーク管理コンピュータプログラムは、第1のプロトコル215を使用してNMI220と通信するように構成されている。第1のプロトコル215は、ネットワーク管理プロトコルであり、特定の例示的な実施形態においては、管理情報交換プロトコルであってもよく、これについてはより詳細に後述することとする。当業者には、第1のプロトコル215が、例えばTCP/IP、Novell Networkなどの通信プロトコルよりも高いレベルのプロトコルであることが認識されるであろう。ネットワーク管理情報は、第1のプロトコル215を使用してフォーマットされ、通信プロトコルを使用して、パケット化され、NMI220に送信される。
【0031】
NMI220はまた、第1のプロトコル215を使用して、マネージャ210と通信するように構成されているコンピュータプログラムを実行する。NMI220はまた、第2のプロトコル225を使用して、ネットワークオブジェクト230、240と通信するように構成されている。第2のプロトコル225はまた、ネットワーク管理プロトコルであり、第1のプロトコル215とは異なる。第2のプロトコル225は、ネットワークオブジェクト230、240のネットワーク管理プロトコルであり、したがって、NMI220とネットワークオブジェクト230、240との間のネットワーク管理情報の通信を可能にする。つまり、NMI220は、モジュールまたは複数のモジュールを用いてプログラミングされて、NMI220が接続されるネットワークオブジェクト230、240のネットワーク管理プロトコルを実施する。図2では、ネットワークオブジェクト230、240を共に、第2のプロトコル225を使用して通信するように示している。しかし、これは、ほんの一例に過ぎず、当業者には、第2のプロトコル225が、実際には、別個のプロトコル、ネットワークオブジェクト230に独自のプロトコル、およびネットワークオブジェクト240に独自のプロトコルであってもよいことが認識されるであろう。このような状況は、ネットワークオブジェクト230、240が、異なる製造メーカによって製造される場合、または同じ製造メーカによって製造されるが、異なるネットワーク管理プロトコルを使用する場合に生じる可能性がある。
【0032】
図3は、別の例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。図3に示すように、本実施形態によるネットワーク管理システム300は、マネージャ310、第1のNMI320、およびネットワークオブジェクト330、340を含む。マネージャ310、および第1のNMI320はそれぞれ、第1のプロトコル315を使用して、互いにネットワーク管理情報を通信するように構成されており、第1のNMI320は、第2のプロトコル325に従って、ネットワークオブジェクト330、340とネットワーク管理情報を通信するように構成されている。マネージャ310、第1のNMI320、第1のプロトコル315、第2のプロトコル325、およびネットワークオブジェクト330、340は、図2におけるものと同様であり、したがって、繰返しの説明は省略することとする。
【0033】
ネットワーク管理システム300は、第2のNMI350をさらに含む。第2のNMI350は、ネットワークオブジェクト360、370、および380に接続されている。第1のNMI320と同様に、第2のNMI350は、第1のプロトコル315を使用して、マネージャ310とネットワーク管理情報を通信するように構成されている。しかし、この例示的な実施形態においては、第2のNMI350はまた、第3のプロトコル355および第4のプロトコル357を使用して、通信するように構成されている。NMI350は第3のプロトコル355を使用して、ネットワークオブジェクト360および370と通信し、第4のプロトコル357を使用して、ネットワークオブジェクト380と通信する。この構成では、第3のプロトコル355は、例えば、同じ製造メーカによって供給され得るネットワークオブジェクト360、370独自のものである。第4のプロトコル357は、ネットワークオブジェクト330、340、360、370とは異なる製造メーカによって供給され得るネットワークオブジェクト380独自のものである。あるいは、追加のNMIが、異なる製造メーカによって供給され、かつ/または異なるネットワーク制御プロトコルを使用するネットワークオブジェクト380を処理するように、ネットワークオブジェクト380が追加のNMIに接続可能であることを当業者は認識するであろう。つまり、追加のNMIは、第4のプロトコルを使用して、ネットワーク管理情報を通信するように構成されていることになる。
【0034】
したがって、図3に示す例示的な実施形態によれば、第1のNMI320は、1つの製造メーカからのネットワークオブジェクト330、340を処理するように設けられ、第2のNMI350は、ネットワークオブジェクト330、340の製造メーカとは異なる製造メーカからのネットワークオブジェクト360、370、380を処理するように設けられる。それに応じて、構成上の柔軟性が向上する。さらに、新規の、異なる製造メーカからの、および/または新規の、異なるネットワーク管理プロトコルを使用するネットワークオブジェクトがネットワークに付加されるとき、ネットワーク管理者は、新規ネットワーク管理プロトコルを処理するために、ネットワークにおける既存のNMIの1つを修正すること、または追加のNMIを付加することのいずれかを行うことが可能である。したがって、追加のネットワークオブジェクトは、既存のNMIをオフラインすることなく、ネットワークに付加および構成可能であり、同様に、拡張性が向上され得る。
【0035】
図3に示す例示的な実施形態において、第2のNMI350は、第3のプロトコル355および第4のプロトコル357を含む。しかし、別法として、別の例示的な実施形態によれば、第2のNMI350は、第3および第4のプロトコルではなく、第1のNMI320の第2のプロトコル325を含み得る。例えば、このような場合は、ネットワークオブジェクト330、340、360、370、および380が、同じ製造メーカによって供給され、同じネットワーク管理プロトコルを使用するものの、ネットワークオブジェクト330および340が、物理的にネットワークオブジェクト360、370、380とは遠い距離に離れている場合に、有利であり得る。このような場合では、第1のNMI320および第2のNMI350はそれぞれ、そのそれぞれのネットワークオブジェクトにより近くに接近して配置され得る。つまり、ネットワーク管理インターフェースの数は、ネットワーク管理プロトコルの数に必ずしも左右されない。
【0036】
図4は、別の例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。図4に示すように、この例示的な実施形態によるネットワーク管理システム400は、第1のマネージャ410、第1のプロトコル415、第1のNMI420、第2のプロトコル425、第2のNMI440、第3のプロトコル445、ならびにネットワークオブジェクト430、435、450、および455を含んでいる。これらの要素は、図3に示すマネージャ310、第1のプロトコル315、第1のNMI320、第2のプロトコル325、第2のNMI350、第3のプロトコル355、およびネットワークオブジェクト330、340、360、370と実質的に同じである。したがって、これらの要素の繰返しの説明は省略することとする。
【0037】
図4のネットワーク管理システム400は、ネットワークオブジェクト480、485、および490に接続されている第3のNMI470をさらに含んでいる。この例示的な実施形態において、第3のNMI470は、図3の第4のプロトコル357と実質的に同じである第4のプロトコル475を含んでいる。しかし、第3のNMI470は、第2のマネージャ460に接続されている。第2のマネージャ460はまた、第1のプロトコル415を使用して、第3のNMI470とネットワーク管理情報を通信するように構成されている。したがって、この例示的な実施形態によれば、第1のマネージャ410と第2のマネージャ460の両方が設けられ、それにより、さらなる拡張性および柔軟性がもたらされる。
【0038】
図5は、例示的な実施形態によるネットワーク管理インターフェース(NMI)の構造的構成を示す図である。図5に示すように、NMI500は、中央処理ユニット(CPU)510、記憶装置520、メモリ530、および通信インターフェース540を含んでいる。通信インターフェース540には、イーサネット(登録商標)インターフェース550、シリアルインターフェース560、USBインターフェース570、ワイヤレスインターフェース580、および他の通信インターフェース590が含まれている。CPU510は、記憶装置520、メモリ530、および通信インターフェース540に接続され、それらの動作を制御する。第1のプロトコルを使用して、マネージャにネットワーク管理情報を通信し、1つまたは複数の追加のプロトコル(すなわち、上述の第2の、第3の、第4のプロトコルのうちの1つまたは複数)を使用して1つまたは複数のネットワークオブジェクトにネットワーク管理情報を通信するように構成されているコンピュータプログラムが、記憶装置520および/またはメモリ530内に記憶されている。コンピュータプログラムを実行すると、CPU510は、1つまたは複数のネットワーク管理プロトコルに従って、ネットワーク管理情報をフォーマットし、通信インターフェース540を通してフォーマットされた情報の通信を制御するように動作する。
【0039】
図6は、NMI500への接続の一例を示している。NMI500は、インターネット680およびイーサネット(登録商標)インターフェース550を介して、マネージャ670、およびネットワークオブジェクト650、660に接続可能である。NMI500は、ワイヤレスインターフェース580を使用してネットワークオブジェクト640に、他の通信インターフェース590を使用してネットワークオブジェクト630に、USBインターフェース570を使用してネットワークオブジェクト620に、およびシリアルインターフェース560を使用してネットワークオブジェクト610に接続され得る。ネットワークオブジェクト610、620、630、640、650、および660は、上述のネットワークオブジェクトのいずれにも対応することができ、マネージャ670は、上述のマネージャのいずれにも対応することができる。
【0040】
図7は、例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの機能ブロック図である。図7に示すように、ネットワーク管理システム700には、マネージャ701、1つまたは複数のNMI702、および1つまたは複数のネットワークオブジェクト703が含まれている。しかし、1つまたは複数のNMIは、NMI702によって集合的に示され、1つまたは複数のネットワークオブジェクトは、ネットワークオブジェクト703によって示される。
【0041】
マネージャ701は、マネージャ701において実行し、ネットワーク管理者がそれによってネットワークを管理することが可能なユーザインターフェースをもたらすネットワーク管理プログラムを含む。ネットワーク管理プログラムは、管理情報交換プロトコル720に従って、NMI702とネットワーク管理情報を交換するための管理情報コントローラモジュール710を含んでいる。NMI702は、ネットワーク管理インターフェースプログラムを含み、このネットワーク管理インターフェースプログラムは、管理情報交換プロトコル720を使用してマネージャ701と直接通信するように、およびネットワークオブジェクト703とネットワーク管理情報を通信するためにネットワークオブジェクト703と直接通信するためのデータ交換プロセス750を作成するように管理情報サービスモジュール730を提供する。
【0042】
マネージャ701のネットワーク管理プログラムは、管理情報コントローラモジュール710を使用して、ネットワーク管理情報をネットワークオブジェクト703から読み出し、ネットワークオブジェクト703に書き込む要求をNMI702に送信する。管理情報交換プロトコル720は、マネージャ701の管理情報コントローラモジュール710と、ネットワーク管理インターフェース702との間の要求および応答をフォーマットし、トランスポートするために使用される。
【0043】
管理情報コントローラモジュール710は、2つの機能を行う。第1の機能は、NMI702を介してネットワークオブジェクト703と情報を交換することである。管理情報コントローラモジュール710は、要求メッセージを作成し、管理情報交換プロトコル720を使用するネットワークを通じてその要求メッセージをNMI702に送信する。管理情報コントローラモジュール710はまた、NMI702からの応答メッセージを受信し、処理することを担っている。したがって、管理情報コントローラモジュール710は、NMI702から受信したネットワーク管理情報をマネージャ701のネットワーク管理プログラムに転送する。
【0044】
管理情報コントローラモジュール710の第2の機能は、NMI702を管理することである。したがって、管理情報コントローラモジュール710により、ネットワーク管理者が、マネージャ701を使用して、管理メッセージをNMI702に送信することによってNMI702をリモートに構成することを可能にする。このような管理メッセージは、管理情報交換プロトコル720に従って、フォーマットされ、ネットワークを通じてNMI702に送信される。
【0045】
単一の管理情報コントローラモジュール710は、1つまたは複数のNMI702と通信することができる、
【0046】
管理情報交換プロトコル720は、2つのメッセージカテゴリーを指定する。第1のメッセージカテゴリーは、ネットワークオブジェクト703からネットワーク管理情報を読み出すこと、およびネットワークオブジェクト703にネットワーク管理情報を書き込むことに関連している。第2のメッセージカテゴリーは、NMI702の保守および構成に関連している。
【0047】
NMI702のネットワーク管理インターフェースプログラムは、管理情報サービスモジュール730、ネットワークオブジェクトリスト740、および1つまたは複数のデータ交換プロセス750を含んでいる。
【0048】
ネットワークオブジェクトリスト740は、NMI702が通信することが可能なネットワークオブジェクト703に関連している情報およびパラメータを含んでいる。情報およびパラメータは、例えば、ネットワークオブジェクト703のネットワーク管理プロトコルの指定、およびそれぞれのネットワークオブジェクト703のネットワーク管理情報を読み出し書き込むためのパラメータ、何のネットワーク管理情報がそれぞれのネットワークオブジェクト703から読出し可能であるか、または書込み可能であるかの識別、ならびに情報を読み出し書き込むために使用される特有のコマンドを含むことが可能である。
【0049】
図8および図9は、ネットワークオブジェクトリスト740の一例を示している。図8に示すように、ネットワークオブジェクトリスト740は、オブジェクトレコード810、820、830などを含んでいる。それぞれのオブジェクトレコード、例えば、オブジェクトレコード820には、オブジェクト識別子(ID)830、1つまたは複数のオブジェクトプロパティ840、850、860など、および1つまたは複数のオブジェクトデータ845、855、865などが含まれている。
【0050】
図9は、オブジェクトレコードの非限定的な一例を示している。オブジェクトレコードは、「DEV-123456789022366」のオブジェクトID910を有し、「IPアドレス」のオブジェクトプロパティ920および「管理プロトコル」のオブジェクトプロパティ930のそれぞれと、「無線チャネル」のオブジェクトデータ940および「Uptime」のオブジェクトデータ950のそれぞれとを含んでいる。オブジェクトプロパティ920は、プロパティID921と、プロパティ名922と、IPバージョン923と、IPアドレス924とを含むフィールドを有し、対応する値フィールド925〜928にはそれぞれ、値、「POP-00001」と、「デバイスIPアドレス」と、「6」と、「3ffe:1900:4545:20:56cf:f8ff:76cf:00f3」とが含まれる。オブジェクトプロパティ930は、プロパティID931と、プロパティ名932と、プロトコル名933と、プロトコルバージョン934とを含むフィールドを有し、対応する値フィールド935〜938にはそれぞれ、値、「POP-00002」と、「管理プロトコル」と、「SNMP」と、「2」とが含まれる。オブジェクトデータ940は、データID941と、データ名942と、タイプ943と、SNMP OID944とを含むフィールドを有し、値フィールド945〜948にはそれぞれ、値、「DAT-00001」と、「無線チャネル」と、「整数値」と、「1.3.6.1.3.6.2.6.2」とが含まれる。オブジェクトデータ950は、データID951と、データ名952と、タイプ953と、SNMP OID954とを含むフィールドを有し、対応する値フィールド955〜958にはそれぞれ、値、「DAT-00002」と、「Uptime」と、「文字列」と、「1.3.6.1.2.1.25.1.1.0」とが含まれる。これらのフィールドは、単に、例に過ぎず、より多いフィールドも、またはより少ないフィールドも設けられ得ることに留意されたい。さらに、これらは、単に、例に過ぎず、任意のプロパティおよびデータがネットワークオブジェクトリスト740に指定され得ることにも留意されたい。
【0051】
ここで、図7に再度戻ると、管理情報サービスモジュール730は、1つまたは複数のマネージャ701の管理情報コントローラモジュール710からのメッセージを受信し、送信し、処理する。要求メッセージが管理情報サービスモジュール730によって受信されると、要求は、メッセージに含まれるネットワーク管理情報のタイプに従って、処理される。
【0052】
データ交換プロセス750は、所与のネットワークオブジェクト703へのおよびからのネットワーク管理情報を読み出すか、または書き込むように、管理情報サービスモジュール730によって作成される。それぞれのデータ交換プロセス750は、作成されると、プロセスに割り当てられるタスクに関連している情報が与えられる。データ交換プロセスは、ネットワークオブジェクトリスト740を参照して、いかに読出しを実行するか、または動作を書き込むかについての詳細な情報を得る。データ交換プロセス750はまた、ネットワークオブジェクト703と周期的に通信を行うために使用され得る。
【0053】
管理情報サービスモジュール730によって行われた処理は、例示的な実施形態によるプロセスの一例を示している図10に示す流れ図を参照してより詳細に後述することとする。
【0054】
プロセス1000は、管理情報サービスモジュール730が動作S1010においてメッセージを受信することにより開始する。次いで、動作S1020において、メッセージが、ネットワーク管理情報をネットワークオブジェクトと通信するための要求であるかどうかが判定される。
【0055】
メッセージがネットワーク管理情報をネットワークオブジェクトと通信するための要求である場合(S1020:はい)、メッセージは、動作S1030におけるデータ交換プロセスに転送され、メッセージが、ネットワーク管理情報を読み出すための要求であるかどうかがS1040において判定される。
【0056】
メッセージが、ネットワーク管理情報を読み出すための要求でない場合(S1040:いいえ)、メッセージは、ネットワーク管理情報を書き込むための要求である。次いで、動作S1045において、ネットワーク管理情報がネットワークオブジェクトに書き込まれ、検証され、動作S1090において、書込み動作の成功または失敗について要求元に通知するための確認が、要求元に送信される。
【0057】
メッセージが、ネットワーク管理情報を読み出すための要求である場合(S1040:はい)、動作S1050において、ネットワーク管理情報が、ネットワークオブジェクトから読み出され、動作S1080において、読出し情報を含んだメッセージが要求元に送信される。
【0058】
動作S1020に戻ると、メッセージが、ネットワーク管理情報をネットワークオブジェクトと通信するための要求でない場合(S1020:いいえ)には、動作S1060において、メッセージが、ネットワークオブジェクトからの情報を読み出すための要求であるかどうかが判定される。メッセージが情報を読み出すための要求である場合(S1060:はい)には、動作S1070において、要求された情報は、ネットワークオブジェクトリストから読み出され、動作S1080において、読出し情報を有するメッセージが要求元に送信される。
【0059】
要求がネットワークオブジェクトリストからの情報を読み出すためのものでない場合(S1060:いいえ)には、要求は、ネットワークオブジェクトリストに情報を書き込むためのものである。動作S1065において、情報は、ネットワークオブジェクトリストに書き込まれ、検証される。次いで、動作S1090において、書込み動作の成功または失敗について要求元に通知するための確認が、要求元に送信される。確認が送信された後、プロセスは終了する。確認動作は任意選択であり、いくつかの場合では省略され得ることに留意されたい。
【0060】
図11は、例示的な実施形態により、ネットワーク管理システムにおけるメッセージング動作を示すアクティビティ図の一例である。図7および図11を参照して、管理情報交換プロトコルの非限定的な一例を説明する。
【0061】
例えば、管理情報交換プロトコル720(図7を参照のこと)は、マネージャ701の一元ネットワーク管理プログラムと、NMI702のネットワーク管理インターフェースプログラムとの間で通信される少なくとも2つのメッセージカテゴリーを指定することが可能である。第1のメッセージカテゴリーは、NMI702を介して、ネットワークオブジェクト703への、およびネットワークオブジェクト703からの管理情報を読み出し、書き込むためのI/Oメッセージである。第2のメッセージカテゴリーは、NMI702を管理するための管理メッセージである。
【0062】
I/Oメッセージ1110(図11のアクティビティ図を参照のこと)は、NMI702を介してネットワークオブジェクト703への、およびネットワークオブジェクト703からのネットワーク管理情報をリモートに読み出し、書き込むために使用される。I/Oメッセージは、I/O要求(IOREQ)メッセージと、I/O応答(IORESP)メッセージとを含むことが可能である。
【0063】
以下は、I/O要求(IOREQ)メッセージ指定の一例である。
IOREQ = MSG-TYPE, sequence-of IO-JOB
IO-JOB = ACCESS-MODE, OBJECT ID, DATA-ID,
(DATA), (READ-INTERVAL)
【0064】
マネージャ710のネットワーク管理プログラムが、動作を読み出す、および/または書き込むなど、所与のネットワークオブジェクト703との通信を実行すると、マネージャ701のネットワーク管理プログラムの管理情報コントローラモジュール710は、1つまたは複数の読出しおよび書込みジョブ(Sequence of IO-JOB構造)を含むIOREQメッセージ(1115)を所与のネットワークオブジェクト703と関連付けられた適切なNMI702の管理情報サービスモジュール730に送信する。
【0065】
それぞれの読出しまたは書込みジョブは、動作のタイプ(ACCESS-MODEは、読出しまたは書込みかどうかを指定するために使用される)、対応するオブジェクトの独自の識別子(OBJECT-ID)、およびデータの識別子(DATA-ID)を指定する。OBJECT-IDおよびDATA-IDは、NMIのネットワークオブジェクトリストに記録されたObject-RecordおよびObject-Dataにそれぞれ対応する値を含んでいる。要求はまた、読出し頻度(READ-INTERVAL)を指定するパラメータを含むことが可能であり、その場合、例えば、一元ネットワーク管理プログラムが、周期的に、ネットワークオブジェクト703における状況情報をモニタリングする。書込み要求の場合には、書き込むべきデータは、ジョブ要求(DATA)に含められる。NMI702の管理情報サービス730は、データ交換プロセス750を作成し、I/Oジョブ指定(IO-JOB)(1120)をデータ交換プロセスに転送する。次いで、データ交換プロセス750は、ネットワークオブジェクト703によるジョブに従って、読出しまたは書込みの要求(1125)を実行し、この場合が可能であるとき、ネットワークオブジェクト703からのデータまたは確認(1130)のいずれかを受信する。次いで、データ交換プロセス750は、データまたは確認(1135)を管理情報サービスモジュール730に転送する。
【0066】
以下は、I/O応答(IORESP)メッセージ指定の一例である。
IORESP=MSG-TYPE, sequence-of 10-RESPONSE
IO-RESPONSE=ACCESS-MODE, OBJECT-ID, DATA-ID,
(DATA), (READ-INTERVAL), STATUS
【0067】
読出しまたは書込み動作が完了すると、IORESP応答メッセージ(1140)は、NMI702の管理情報サービスモジュール730によって、マネージャ701の管理情報コントローラモジュール710に送信される。応答メッセージは、管理情報コントローラ710によって要求された読出しまたは書込みのジョブから1つまたは複数の結果(Sequence of IO-RESPONSE構造)を含んでいる。それぞれの結果は、要求されたジョブ動作(ACCESS-MODE、OBJECT-ID、DATA-IDおよびREAD-INTERVAL)についての情報と、読出しまたは書込みの動作の成功または失敗(STATUS)についての情報とを含んでいる。要求された読出し動作の場合では、ネットワークオブジェクト703から読み出されるように要求された情報は、応答(DATA)に含められる。
【0068】
上述したように、第2のメッセージカテゴリーは、NMI702を管理するための管理メッセージである。管理メッセージ1150(図11のアクティビティ図を参照のこと)は、NMI702のネットワークオブジェクトリスト740を維持するために使用される。管理メッセージは、オブジェクト管理要求(OMREQ)メッセージ、およびオブジェクト管理応答(OMRESP)メッセージを含むことが可能である。
【0069】
以下は、オブジェクト管理要求(OMREQ)メッセージ指定の一例である。
OMREQ=MSG-TYPE, sequence-of OM-JOB
OM-JOB=OPERATION, OBJECT-ID, (PROPERTY-ID),
(DATA)
【0070】
ネットワークオブジェクトリスト740において実行可能な動作は、例えば、オブジェクトレコードエントリーを作成および削除することと、オブジェクトプロパティおよびオブジェクトデータを読み出すことならびに修正することとを含んでいる。
【0071】
マネージャ701のネットワーク管理プログラムが、所与のNMI702のネットワークオブジェクトリスト740の作成、削除、読出し、または修正など、管理動作を実行すると、マネージャ701のネットワーク管理プログラムの管理情報コントローラモジュール710は、(OPERATIONフィールドを使用して)実行すべき動作のタイプを指定するNMI702の管理情報サービスモジュール730へのOMREQメッセージ(1155)と、動作(OBJECT-ID、PROPERTY-ID、DATA、READ-INTERVAL)を実行するための関連情報とを送信する。OBJECT-IDおよびPROPERTY-IDは、NMIのネットワークオブジェクトリスト内のObject-RecordおよびObject-Propertyレコードにそれぞれ対応する値を含んでいる。
【0072】
空のObject-Recordを削除する、または作成すると、オブジェクトの識別子(OBJECT-ID)のみが、識別され得る。しかし、オブジェクトプロパティを書き込む、または読み出すと、読み出すべきまたは修正すべきプロパティの識別子(PROPERTY-ID)が、オブジェクト(OBJECT-ID)に加えて指定される。動作を書き込む場合、書き込むべきデータもまた供給される(DATA)。次いで、管理情報サービスモジュール730は、要求に従って、オブジェクトレコードを作成する、削除する、読み出す、または書き込み(1160)、データまたは確認(1165)を管理情報サービスモジュール730に戻すことができる。
【0073】
以下は、オブジェクト管理応答(OMRESP)メッセージ指定の一例である。
OMRESP=MSG-TYPE, sequence-of OM-RESPONSE
IO-RESPONSE = OPERATION, OBJECT ID,
(PROPERTY ID), (DATA), STATUS
【0074】
管理動作(作成、削除、読出し、または書込み)が完了すると、OMRESP応答(1170)メッセージは、NMI702の管理情報サービスモジュール730によって、マネージャ701の管理情報コントローラモジュール710に送信される。応答メッセージは、管理情報コントローラモジュール710によって要求された管理ジョブから生じる1つまたは複数の結果(Sequence of OM-RESPONSE構造)を含んでいる。それぞれの結果は、要求ジョブ動作(OPERATION、OBJECT-ID、およびPROPERTY-ID)についての情報と、動作の成功または失敗(STATUS)についての情報を含んでいる。読出し動作の場合では、ネットワークオブジェクトリスト740から読み出された情報が(DATA)に含められる。
【0075】
図12は、例示的な実施形態によるネットワーク管理システムにおけるネットワーク管理インターフェースを示す非限定的な一例を示している。図12のネットワーク1200に示すように、2つの通信技術、すなわち、WiFi/IEEE802.11およびISA100.11aが設けられる。通信技術のそれぞれは、インフラストラクチャオブジェクト(例えば、WiFi Access Points (AP)1274、1272、スイッチ1270、ISA100.11aルーティングデバイス1262、1264、およびスイッチ1260)、エンドノードオブジェクト(例えば、WiFiデイバス1275、およびISA100.11aのI/Oデバイス1265)、ならびに管理オブジェクト(例えば、WiFiコントローラ1250、およびISA100.11aマネージャ1245)を含む様々なネットワークオブジェクトによって使用される。これらのインフラストラクチャオブジェクト、エンドノードオブジェクト、および管理オブジェクトは、ホストサーバ1220において実行する一元ネットワーク管理プログラムによって管理されるネットワークオブジェクトのセットを構成する。
【0076】
シリアルインターフェース接続は、NMI1240をISA100.11aマネージャ1245に接続するために使用され得、イーサネット(登録商標)ネットワークを通してTCP/IPがWiFiコントローラ1250と通信するために使用され得る。ネットワーク管理者1210は、ホストサーバ1220において実行する一元ネットワーク管理アプリケーションに端末1215で接続して、管理されているネットワークオブジェクトをモニタリングし、制御する。管理情報交換プロトコルを使用して、ホストサーバ1220において実行する一元ネットワーク管理アプリケーションとNMI1240との間で交換されるメッセージは、管理情報交換プロトコルに従って、フォーマットされ、通信プロトコルを使用してルータ/ファイアウォールに中継される。メッセージは、NMI1240によって受信されると、WiFi/IEEE802.11またはISA100.11aのためのネットワーク管理プロトコルに従って、読み出され、フォーマットされ、適切なTCP/IPまたはシリアル通信プロトコルを使用してネットワークオブジェクトに送信される。あるいはまたはネットワーク管理者1210に加えて、リモートネットワーク管理者1211が、端末1216を通じてインターネットを介してホストサーバ1220にアクセスすることができる。つまり、複数のネットワーク管理者が端末を通じてホストサーバ1220にアクセスし、ホストサーバ1220を使用して、NMI1240と相互作用するようにネットワーク管理プログラムを実行することができる。
【0077】
上述の例示的な実施形態および利点は、単に、例示に過ぎず、本発明的な概念を限定するものと解釈すべきでない。例示的な実施形態は、装置の他のタイプに容易に適用可能である。また、例示的な実施形態の説明は、例示的であることを意図しており、特許請求の範囲を限定しておらず、多数の変更形態、修正形態、および変形形態が当業者には明らかである。
【符号の説明】
【0078】
200 ネットワーク管理システム
210 マネージャ
215 第1のプロトコル
220 ネットワーク管理インターフェース(NMI)
225 第2のプロトコル
230、240 ネットワークオブジェクト
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態と一致する装置、デバイス、およびシステムは、コンピュータネットワークの管理に関し、より詳細には、ネットワーク管理装置、管理プロトコル、およびそれを用いたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
娯楽や産業環境におけるコンピュータネットワークには、複数のネットワークオブジェクトが含まれている。図1に、コンピュータネットワークの一般的な例を示す。ネットワーク100は、様々なネットワークオブジェクトを含んでいる。例えば、ネットワークオブジェクトは、ルータ/ファイアウォール140、スイッチ120、130、150、アクセスポイント132、134、136、およびワイヤレスLANコントローラ(WLC)125などのインフラストラクチャデバイスを含み得る。ネットワークオブジェクトはまた、サーバ110、ワークステーション(PC)170、180、プリンタ160、ならびにパーソナルデータアシスタント(PDA)およびモバイル端末などの携帯型コンピュータデバイス133、135など、様々なコンピュータデバイスを含み得る。図1に示すネットワークオブジェクトは包括的でなく、ネットワークによってインターフェースできる新規ネットワークオブジェクトは、様々な製造メーカによって絶えず開発されている。
【0003】
通常、ネットワーク100には、1つの製造メーカのみからのネットワークオブジェクト、または1つのシステムのみを実行するネットワークオブジェクトは含まれない。むしろ、多数の製造メーカからの、1つのネットワークにおいて異なるネットワーク管理プロトコルを一緒に有するネットワークオブジェクトを含むことが一般的である。これらの異種の要素を含むネットワークを異種ネットワークと呼ぶ。
【0004】
異種ネットワークの1つの例は、工業自動化のコンテキストの中にある。工業用ネットワークでは、プロセスをモニタリングするために使用される様々なセンサおよび制御装置を含むフィールドデバイスは、1つまたは複数の製造メーカによって供給され得る。これらのフィールドデバイスは、別の製造メーカから購買、さもなければ供給されるスイッチに接続することができ、このスイッチは、同様に、別の異なる製造メーカによって製造されたモニタリングデバイスに接続することができる。異種ネットワークの別の例として、異なる製造メーカによって製造された複数のプリンタ、別の製造メーカによって供給された1つまたは複数のサーバ、別の製造メーカによって製造された複数のネットワークスイッチを含むオフィスネットワーク環境に見られるネットワークがあり得、このネットワークスイッチは、同じサーバ製造メーカによって製造される可能性も、または異なる製造メーカによって製造される可能性もある様々なワークステーションへの接続を可能にする。
【0005】
さらに、具体的には、しばらくの間、定位置に置かれてきた工業自動化のセッティング、大抵はレガシーなネットワークオブジェクト、においては、機能性の向上を図るために、異なる製造メーカからの新規ネットワークオブジェクトをネットワークに付加することが有利である。
【0006】
ネットワークオブジェクトがネットワークにますます付加されるにつれて、ネットワークオブジェクト間のネットワーク関連の衝突が拡大する可能性があり、新規ネットワークオブジェクトがネットワークにおけるトラフィックに付加し、セキュリティ問題や通信品質問題などをもたらすにつれて、通信品質は低下する可能性がある。ネットワークが適切に構成され、ネットワークにおける許容可能な通信品質およびセキュリティを維持するように提供されることを確実にするために、ネットワーク管理操作がネットワークオブジェクトに対して実行される。
【0007】
ネットワーク管理を効率的に行うために、ネットワーク管理者が、ワークステーションを使用して中央の場所からネットワーク管理操作を行うことが可能ならば好都合である。そのような場合では、ネットワーク管理者は、単一のプログラムを使用してリモートでネットワークオブジェクトを管理する。このプログラムにより、ネットワーク管理者は、ネットワークオブジェクトの通信状況をモニタリングし、ネットワークオブジェクトにおけるネットワーク構成情報を更新して、例えばネットワークトポロジー、サービスパラメータの品質などの様々なネットワーク特性を変更することが可能になる。
【0008】
したがって、ネットワーク管理者がネットワークオブジェクトと容易に通信できることが可能であるならば有利である。ほとんどのネットワークオブジェクトは、ネットワーク管理者が管理サーバからのネットワークオブジェクトと通信して、ネットワークオブジェクトをモニタリングし構成することを可能にするネットワーク管理プロトコルを有し、それにより、ネットワーク管理者は、ネットワーク管理操作を行うことが可能になる。ネットワーク管理プロトコルを使用すると、ネットワーク管理者は、リモートで、通信状況をモニタリングし、ネットワークオブジェクトにおけるネットワーク構成情報を構成および更新することができる。しかし、上述したように、これらのネットワーク管理プロトコルは、通常、製造メーカによって異なり、ある製造メーカまたはベンダーが、異なるネットワーク管理プロトコルを使用する異なる製品を供給することすらある。さらに、新規ネットワークオブジェクトが機能性を高めるために付加されるにつれて、レガシーネットワークオブジェクトおよびレガシーネットワーク管理プロトコルは課題を呈する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、ネットワークオブジェクトが異なる製造メーカのものであり、異なるネットワーク管理プロトコルを使用する異種ネットワークを管理する場合において、ネットワーク管理は困難をきたす。
【課題を解決するための手段】
【0010】
例示的な実施形態の態様によれば、異種ネットワークにおける複数のネットワークオブジェクトを管理するための装置が提供され、この装置は、通信プロトコルを使用して通信される第1のプロトコルを用いて、異種ネットワークにおけるネットワークオブジェクトを管理するネットワーク管理要求を受信し、第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに従って、ネットワーク管理要求をネットワークオブジェクトに送信する中央処理ユニットを備える。
【0011】
例示的な実施形態の別の態様によれば、異種ネットワークにおける複数のネットワークオブジェクトを管理するためのネットワーク管理装置が提供され、このネットワーク管理装置は、複数のネットワークオブジェクトと関連付けられたネットワーク管理情報を含むネットワークオブジェクトリストを記憶するメモリであって、ネットワーク管理情報が、ネットワークオブジェクトのそれぞれについて、ネットワークオブジェクトと関連付けられたネットワーク管理プロトコルを含む、メモリと、通信プロトコルを介して通信される管理情報交換プロトコルを使用してネットワーク管理要求を受信し、ネットワークオブジェクトリスト内のネットワークオブジェクトと関連付けられたネットワーク管理プロトコルを使用して、ネットワーク管理要求において指定された複数のネットワークオブジェクトのうちのあるネットワークオブジェクトにネットワーク管理要求を送信する中央処理ユニットとを備え、ネットワーク管理プロトコルはそれぞれ、管理情報交換プロトコルとは異なっている。
【0012】
例示的な実施形態の別の態様によれば、異種ネットワークを管理するネットワーク管理システムが提供され、このネットワーク管理システムは、第1のネットワークマネージャと、このネットワークマネージャおよび第1のネットワークオブジェクトに接続され、通信プロトコルを介して送信される第1のネットワーク管理プロトコルを使用してネットワークマネージャと通信するように、および第1のネットワーク管理プロトコルとは異なる第2のネットワーク管理プロトコルに従って、第1のネットワークオブジェクトと通信するように構成されている第1のネットワーク管理インターフェースとを備える。
【0013】
上述のおよび/または他の態様は、添付の図面を参照して、例示の実施形態を詳細に説明することによってより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ネットワークデバイスの一例を示す図である。
【図2】例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。
【図3】別の例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。
【図4】別の例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。
【図5】例示的な実施形態によるネットワーク管理インターフェース(NMI)の構造的構成を示す図である。
【図6】例示的な実施形態によるネットワークデバイスを含むNMIの構成を示す図である。
【図7】例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの機能ブロック図である。
【図8】図7に示すネットワーク管理インターフェース(NMI)のネットワークオブジェクトリストの一例である。
【図9】図7に示すネットワーク管理インターフェース(NMI)のネットワークオブジェクトリストの一例である。
【図10】例示的な実施形態によるNMIの動作を示す流れ図の一例である。
【図11】例示的な実施形態によるネットワーク管理システムにおけるメッセージング動作を示すアクティビティ図の一例である。
【図12】例示的な実施形態によるネットワーク管理システムにおけるネットワーク管理インターフェースを示す一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
例示的な実施形態は、ネットワーク構成への一元アクセスと、管理されたコンピュータネットワークにおける情報のモニタリングとを可能にするコンピュータネットワーク、ネットワーク管理ソフトウェア、およびネットワーク管理システムを対象とする。例示的な実施形態は、一元ネットワーク管理プログラムと、異種ネットワークにおける管理されたネットワークオブジェクトとの間でネットワーク管理情報を交換することを可能にする。
【0016】
ネットワーク管理に対する2つの手法が存在する。第1の手法は、2層アプローチ(two-tier approach)であり、ここでは、マネージャが、ネットワークオブジェクトを構成し管理するために、ネットワークにおけるネットワークオブジェクトによってサポートされる既存のリモート管理プロトコルに依存しているネットワークオブジェクトのそれぞれと直接通信する。
【0017】
しかし、この2層アプローチは、ファイアウォール管理オーバヘッドの増加、およびセキュリティ問題に対する脆弱性の増加などの弱点を有する。マネージャが、異なる管理プロトコルを使用して、ネットワークオブジェクトとネットワーク管理情報を直接交換する場合、いくつかのファイアウォールのルールは、対応するデータトラフィックが通過することを可能にするために、異なるファイアウォールにおいて維持される必要がある。このようなファイアウォールのルールの維持は、マネージャを使用するネットワーク管理者にとって厄介になる可能性がある。さらに、ネットワークオブジェクトによってサポートされる既存のネットワーク管理プロトコルが、通信の適正な機密性および完全性をもたらすことができない場合では、マネージャおよびネットワークオブジェクトは、ネットワークセキュリティの脅威にさらされることになる。
【0018】
2層アプローチはまた、この手法により、新規ネットワークオブジェクトを付加するとき、割込みが生じるという弱点を有し、特に異種ネットワーク環境における拡張性に困難をきたす。例えば、新規ネットワーク管理プロトコルを使用するネットワークオブジェクトがネットワークに付加されるとき、マネージャは、新規プロトコルをサポートするように変更される必要がある。結果として、マネージャは、試験し、更新を実行するために、オフラインを受け入れなくてはならない。さらに、ネットワークオブジェクトの数が増加するにつれて、メモリおよび記憶装置が大量のデータ交換および通信コンテキストを維持するために使用されなくてはならないので、ネットワークオブジェクトとの通信を担うマネージャにおいて性能問題が生じる。
【0019】
第2の手法は、3層アプローチであり、ここでは、マネージャと管理されているネットワークオブジェクトとの間に中間コンポーネントが設けられる。中間コンポーネントを使用することにより、2層アプローチの弱点の一部が対処される。しかし、中間コンポーネントは、同じベンダーによって提供されるネットワークオブジェクトと通信するために、ベンダー特有のネットワーク管理プロトコルを使用する。例えば、マネージャはCiscoのワイヤレスLANコントローラおよびCiscoのアクセスポイント(Access Points)と共に使用可能である。したがって、管理コンポーネントが、管理されているネットワークオブジェクトのそれぞれにおいてインストールされる。この管理コンポーネントは、それぞれのネットワークオブジェクトについて同じである。中間コンポーネントは、マネージャから要求を受信し、ネットワークオブジェクトの管理コンポーネントにその要求を送信する。
【0020】
しかし、ネットワークオブジェクトが異なる製造メーカによって製造され、異なるネットワーク管理プロトコルを使用する異種ネットワーク環境では、ネットワークオブジェクトの内部構造およびソフトウェアについて知られておらず、かつ/またはアクセスできないので、ネットワークオブジェクトのそれぞれにおいて共通の管理コンポーネントをインストールすることは不可能である。例えば、ネットワークオブジェクトが独自の構造およびソフトウェアスキームを有する場合がある。したがって、互換性が、異種ネットワーク環境においては3層アプローチの弱点になる。
【0021】
例示的な実施形態は、上述の弱点に対処する。しかし、例示的な実施形態は、弱点を対処することを求められているのではなく、具体的な例示的実施形態が、上述の弱点に対処し得るものでもない。
【0022】
本明細書では、例示的な実施形態を、添付の図面を参照してより詳細に説明することとする。
【0023】
図2は、例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの構成を示す図である。図2に示すように、ネットワーク管理システム200は、マネージャ210、ネットワーク管理インターフェース(NMI)220、およびネットワークオブジェクト230、240を含む。2つのネットワークオブジェクト230、240を図2に示しているが、これは、説明の便宜上のためだけであり、当業者には、1つのネットワークオブジェクト、または3つ以上のネットワークオブジェクトがNMI220に接続可能であることが認識される。すなわち、任意の数のネットワークオブジェクトが設けられてもよい。
【0024】
マネージャ210は、ワイヤード接続またはワイヤレス接続のいずれかを使用して、NMI220に接続可能である。ワイヤード接続の例には、イーサネット(登録商標)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ファイアウォール、シリアル接続などが挙げられる。ワイヤレス接続の例には、WiFi、Bluetooth(登録商標)、IEEE標準ベースの接続などが挙げられる。マネージャ210は、TCP/IP、Novell Network、または同様の低レベル通信プロトコルなど通信プロトコル(図2に示していない)を使用してNMI220と通信する。同様にNMI220は、ワイヤード接続またはワイヤレス接続のいずれかを使用して、ネットワークオブジェクト230、240に接続可能である。マネージャ210とNMI220との間、およびNMI220とネットワークオブジェクト230、240との間の接続構成の任意の組合せが使用され得る。例えば、マネージャ210は、インターネットを介してイーサネット(登録商標)接続を使用してNMI220に接続可能であり、ネットワークオブジェクト230はまた、イーサネット(登録商標)接続を介してNMI220に接続可能であり、同時にネットワークオブジェクト240は、シリアル接続を使用してNMI220に接続可能である。しかし、当業者には、これがほんの一例であり、多数の異なる接続構成が可能であることが認識されるであろう。
【0025】
マネージャ210、NMI220、およびネットワークオブジェクト230、240は、同じローカルエリアネットワーク(LAN)の一部として設けることも、または広域ネットワーク(WAN)の一部として設けることも可能である。したがって、マネージャ210、NMI220、およびネットワークオブジェクト230、240は、1つの工業プラントにおいて、または1つのオフィスビル内など、局所的に配置され得る。あるいは、NMI220およびネットワークオブジェクト230、240が、同じ工業プラントまたはオフィスで局所的に配置され得、マネージャ210が、NMI220およびネットワークオブジェクト230、240のリモートネットワーク管理を行うように、オフサイトの場所にリモートに設置され得る。
【0026】
ネットワークオブジェクト230、240は、ネットワークにおいて管理できる任意のネットワークオブジェクトであってもよい。例えば、ネットワークオブジェクト230、240は、図1に示す任意のタイプのネットワークオブジェクトであってもよい。したがって、ネットワークオブジェクト230、240は、ルータ140、スイッチ120、130、150、アクセスポイント132、134、136、およびワイヤレスLANコントローラ125などのインフラストラクチャデバイスであってもよい。ネットワークオブジェクト230、240はまた、サーバ110、ワークステーション170、180、プリンタ160、ならびにパーソナルデータアシスタント(PDA)およびモバイル端末などの携帯型コンピュータデバイス133、135などの様々なコンピュータデバイスであってもよい。図1に関して上述したように、ネットワークを介して相互に作用することができる新規ネットワークオブジェクトは、常に、様々な製造メーカによって開発されている。したがって、ネットワークオブジェクト230、240は、具体的に限定されず、ネットワークにおいて提供および構成されていることができる任意のネットワークオブジェクトであってもよい。
【0027】
上述のように、ネットワークオブジェクトはすべてが同じでないことが一般的である。つまり、所与のネットワークは、通常、1つまたは複数の異なるベンダーおよび/または製造メーカによって製造されるネットワークオブジェクトを含み、1つまたは複数のネットワーク管理プロトコルに従って動作することになる。レガシーネットワーク管理プロトコルのいくつかの例は、SNMP(rfc1157)、NetConf(rfc4741)、IOS(Cisco)、TiMOS(Alcatel-Lucent)、JunOS(Juniper)、およびDiameter(rfc3588)である。さらに、しばしば、製造メーカは、自身の独自のネットワークオブジェクト構造、構成、およびネットワーク管理プロトコルを有し、それらはまた、レガシープロトコルであり得る。
【0028】
マネージャ210は、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、またはネットワークに接続可能なハンドヘルドのコンピュータデバイスであってもよい。マネージャ210は、ユーザインターフェースをもたらすコンピュータプログラムを実行し、それによって、ネットワーク管理者は、一元ネットワーク管理機能を行うことが可能になる。したがって、マネージャ210を動作させるネットワーク管理者(図示せず)は、ネットワークにおいてNMI220、またネットワークオブジェクト230、240も提供および構成する機能を実行することができる。
【0029】
NMI220は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、またはマネージャ210と、NMI220が接続されるネットワークオブジェクト230、240との間のインターフェースとして働くサーバである。NMI220は、マネージャ210とは分離して設置される。
【0030】
上述のように、マネージャ210は、ネットワーク管理コンピュータプログラムを実行する。ネットワーク管理コンピュータプログラムは、第1のプロトコル215を使用してNMI220と通信するように構成されている。第1のプロトコル215は、ネットワーク管理プロトコルであり、特定の例示的な実施形態においては、管理情報交換プロトコルであってもよく、これについてはより詳細に後述することとする。当業者には、第1のプロトコル215が、例えばTCP/IP、Novell Networkなどの通信プロトコルよりも高いレベルのプロトコルであることが認識されるであろう。ネットワーク管理情報は、第1のプロトコル215を使用してフォーマットされ、通信プロトコルを使用して、パケット化され、NMI220に送信される。
【0031】
NMI220はまた、第1のプロトコル215を使用して、マネージャ210と通信するように構成されているコンピュータプログラムを実行する。NMI220はまた、第2のプロトコル225を使用して、ネットワークオブジェクト230、240と通信するように構成されている。第2のプロトコル225はまた、ネットワーク管理プロトコルであり、第1のプロトコル215とは異なる。第2のプロトコル225は、ネットワークオブジェクト230、240のネットワーク管理プロトコルであり、したがって、NMI220とネットワークオブジェクト230、240との間のネットワーク管理情報の通信を可能にする。つまり、NMI220は、モジュールまたは複数のモジュールを用いてプログラミングされて、NMI220が接続されるネットワークオブジェクト230、240のネットワーク管理プロトコルを実施する。図2では、ネットワークオブジェクト230、240を共に、第2のプロトコル225を使用して通信するように示している。しかし、これは、ほんの一例に過ぎず、当業者には、第2のプロトコル225が、実際には、別個のプロトコル、ネットワークオブジェクト230に独自のプロトコル、およびネットワークオブジェクト240に独自のプロトコルであってもよいことが認識されるであろう。このような状況は、ネットワークオブジェクト230、240が、異なる製造メーカによって製造される場合、または同じ製造メーカによって製造されるが、異なるネットワーク管理プロトコルを使用する場合に生じる可能性がある。
【0032】
図3は、別の例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。図3に示すように、本実施形態によるネットワーク管理システム300は、マネージャ310、第1のNMI320、およびネットワークオブジェクト330、340を含む。マネージャ310、および第1のNMI320はそれぞれ、第1のプロトコル315を使用して、互いにネットワーク管理情報を通信するように構成されており、第1のNMI320は、第2のプロトコル325に従って、ネットワークオブジェクト330、340とネットワーク管理情報を通信するように構成されている。マネージャ310、第1のNMI320、第1のプロトコル315、第2のプロトコル325、およびネットワークオブジェクト330、340は、図2におけるものと同様であり、したがって、繰返しの説明は省略することとする。
【0033】
ネットワーク管理システム300は、第2のNMI350をさらに含む。第2のNMI350は、ネットワークオブジェクト360、370、および380に接続されている。第1のNMI320と同様に、第2のNMI350は、第1のプロトコル315を使用して、マネージャ310とネットワーク管理情報を通信するように構成されている。しかし、この例示的な実施形態においては、第2のNMI350はまた、第3のプロトコル355および第4のプロトコル357を使用して、通信するように構成されている。NMI350は第3のプロトコル355を使用して、ネットワークオブジェクト360および370と通信し、第4のプロトコル357を使用して、ネットワークオブジェクト380と通信する。この構成では、第3のプロトコル355は、例えば、同じ製造メーカによって供給され得るネットワークオブジェクト360、370独自のものである。第4のプロトコル357は、ネットワークオブジェクト330、340、360、370とは異なる製造メーカによって供給され得るネットワークオブジェクト380独自のものである。あるいは、追加のNMIが、異なる製造メーカによって供給され、かつ/または異なるネットワーク制御プロトコルを使用するネットワークオブジェクト380を処理するように、ネットワークオブジェクト380が追加のNMIに接続可能であることを当業者は認識するであろう。つまり、追加のNMIは、第4のプロトコルを使用して、ネットワーク管理情報を通信するように構成されていることになる。
【0034】
したがって、図3に示す例示的な実施形態によれば、第1のNMI320は、1つの製造メーカからのネットワークオブジェクト330、340を処理するように設けられ、第2のNMI350は、ネットワークオブジェクト330、340の製造メーカとは異なる製造メーカからのネットワークオブジェクト360、370、380を処理するように設けられる。それに応じて、構成上の柔軟性が向上する。さらに、新規の、異なる製造メーカからの、および/または新規の、異なるネットワーク管理プロトコルを使用するネットワークオブジェクトがネットワークに付加されるとき、ネットワーク管理者は、新規ネットワーク管理プロトコルを処理するために、ネットワークにおける既存のNMIの1つを修正すること、または追加のNMIを付加することのいずれかを行うことが可能である。したがって、追加のネットワークオブジェクトは、既存のNMIをオフラインすることなく、ネットワークに付加および構成可能であり、同様に、拡張性が向上され得る。
【0035】
図3に示す例示的な実施形態において、第2のNMI350は、第3のプロトコル355および第4のプロトコル357を含む。しかし、別法として、別の例示的な実施形態によれば、第2のNMI350は、第3および第4のプロトコルではなく、第1のNMI320の第2のプロトコル325を含み得る。例えば、このような場合は、ネットワークオブジェクト330、340、360、370、および380が、同じ製造メーカによって供給され、同じネットワーク管理プロトコルを使用するものの、ネットワークオブジェクト330および340が、物理的にネットワークオブジェクト360、370、380とは遠い距離に離れている場合に、有利であり得る。このような場合では、第1のNMI320および第2のNMI350はそれぞれ、そのそれぞれのネットワークオブジェクトにより近くに接近して配置され得る。つまり、ネットワーク管理インターフェースの数は、ネットワーク管理プロトコルの数に必ずしも左右されない。
【0036】
図4は、別の例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの概略構成を示す図である。図4に示すように、この例示的な実施形態によるネットワーク管理システム400は、第1のマネージャ410、第1のプロトコル415、第1のNMI420、第2のプロトコル425、第2のNMI440、第3のプロトコル445、ならびにネットワークオブジェクト430、435、450、および455を含んでいる。これらの要素は、図3に示すマネージャ310、第1のプロトコル315、第1のNMI320、第2のプロトコル325、第2のNMI350、第3のプロトコル355、およびネットワークオブジェクト330、340、360、370と実質的に同じである。したがって、これらの要素の繰返しの説明は省略することとする。
【0037】
図4のネットワーク管理システム400は、ネットワークオブジェクト480、485、および490に接続されている第3のNMI470をさらに含んでいる。この例示的な実施形態において、第3のNMI470は、図3の第4のプロトコル357と実質的に同じである第4のプロトコル475を含んでいる。しかし、第3のNMI470は、第2のマネージャ460に接続されている。第2のマネージャ460はまた、第1のプロトコル415を使用して、第3のNMI470とネットワーク管理情報を通信するように構成されている。したがって、この例示的な実施形態によれば、第1のマネージャ410と第2のマネージャ460の両方が設けられ、それにより、さらなる拡張性および柔軟性がもたらされる。
【0038】
図5は、例示的な実施形態によるネットワーク管理インターフェース(NMI)の構造的構成を示す図である。図5に示すように、NMI500は、中央処理ユニット(CPU)510、記憶装置520、メモリ530、および通信インターフェース540を含んでいる。通信インターフェース540には、イーサネット(登録商標)インターフェース550、シリアルインターフェース560、USBインターフェース570、ワイヤレスインターフェース580、および他の通信インターフェース590が含まれている。CPU510は、記憶装置520、メモリ530、および通信インターフェース540に接続され、それらの動作を制御する。第1のプロトコルを使用して、マネージャにネットワーク管理情報を通信し、1つまたは複数の追加のプロトコル(すなわち、上述の第2の、第3の、第4のプロトコルのうちの1つまたは複数)を使用して1つまたは複数のネットワークオブジェクトにネットワーク管理情報を通信するように構成されているコンピュータプログラムが、記憶装置520および/またはメモリ530内に記憶されている。コンピュータプログラムを実行すると、CPU510は、1つまたは複数のネットワーク管理プロトコルに従って、ネットワーク管理情報をフォーマットし、通信インターフェース540を通してフォーマットされた情報の通信を制御するように動作する。
【0039】
図6は、NMI500への接続の一例を示している。NMI500は、インターネット680およびイーサネット(登録商標)インターフェース550を介して、マネージャ670、およびネットワークオブジェクト650、660に接続可能である。NMI500は、ワイヤレスインターフェース580を使用してネットワークオブジェクト640に、他の通信インターフェース590を使用してネットワークオブジェクト630に、USBインターフェース570を使用してネットワークオブジェクト620に、およびシリアルインターフェース560を使用してネットワークオブジェクト610に接続され得る。ネットワークオブジェクト610、620、630、640、650、および660は、上述のネットワークオブジェクトのいずれにも対応することができ、マネージャ670は、上述のマネージャのいずれにも対応することができる。
【0040】
図7は、例示的な実施形態によるネットワーク管理システムの機能ブロック図である。図7に示すように、ネットワーク管理システム700には、マネージャ701、1つまたは複数のNMI702、および1つまたは複数のネットワークオブジェクト703が含まれている。しかし、1つまたは複数のNMIは、NMI702によって集合的に示され、1つまたは複数のネットワークオブジェクトは、ネットワークオブジェクト703によって示される。
【0041】
マネージャ701は、マネージャ701において実行し、ネットワーク管理者がそれによってネットワークを管理することが可能なユーザインターフェースをもたらすネットワーク管理プログラムを含む。ネットワーク管理プログラムは、管理情報交換プロトコル720に従って、NMI702とネットワーク管理情報を交換するための管理情報コントローラモジュール710を含んでいる。NMI702は、ネットワーク管理インターフェースプログラムを含み、このネットワーク管理インターフェースプログラムは、管理情報交換プロトコル720を使用してマネージャ701と直接通信するように、およびネットワークオブジェクト703とネットワーク管理情報を通信するためにネットワークオブジェクト703と直接通信するためのデータ交換プロセス750を作成するように管理情報サービスモジュール730を提供する。
【0042】
マネージャ701のネットワーク管理プログラムは、管理情報コントローラモジュール710を使用して、ネットワーク管理情報をネットワークオブジェクト703から読み出し、ネットワークオブジェクト703に書き込む要求をNMI702に送信する。管理情報交換プロトコル720は、マネージャ701の管理情報コントローラモジュール710と、ネットワーク管理インターフェース702との間の要求および応答をフォーマットし、トランスポートするために使用される。
【0043】
管理情報コントローラモジュール710は、2つの機能を行う。第1の機能は、NMI702を介してネットワークオブジェクト703と情報を交換することである。管理情報コントローラモジュール710は、要求メッセージを作成し、管理情報交換プロトコル720を使用するネットワークを通じてその要求メッセージをNMI702に送信する。管理情報コントローラモジュール710はまた、NMI702からの応答メッセージを受信し、処理することを担っている。したがって、管理情報コントローラモジュール710は、NMI702から受信したネットワーク管理情報をマネージャ701のネットワーク管理プログラムに転送する。
【0044】
管理情報コントローラモジュール710の第2の機能は、NMI702を管理することである。したがって、管理情報コントローラモジュール710により、ネットワーク管理者が、マネージャ701を使用して、管理メッセージをNMI702に送信することによってNMI702をリモートに構成することを可能にする。このような管理メッセージは、管理情報交換プロトコル720に従って、フォーマットされ、ネットワークを通じてNMI702に送信される。
【0045】
単一の管理情報コントローラモジュール710は、1つまたは複数のNMI702と通信することができる、
【0046】
管理情報交換プロトコル720は、2つのメッセージカテゴリーを指定する。第1のメッセージカテゴリーは、ネットワークオブジェクト703からネットワーク管理情報を読み出すこと、およびネットワークオブジェクト703にネットワーク管理情報を書き込むことに関連している。第2のメッセージカテゴリーは、NMI702の保守および構成に関連している。
【0047】
NMI702のネットワーク管理インターフェースプログラムは、管理情報サービスモジュール730、ネットワークオブジェクトリスト740、および1つまたは複数のデータ交換プロセス750を含んでいる。
【0048】
ネットワークオブジェクトリスト740は、NMI702が通信することが可能なネットワークオブジェクト703に関連している情報およびパラメータを含んでいる。情報およびパラメータは、例えば、ネットワークオブジェクト703のネットワーク管理プロトコルの指定、およびそれぞれのネットワークオブジェクト703のネットワーク管理情報を読み出し書き込むためのパラメータ、何のネットワーク管理情報がそれぞれのネットワークオブジェクト703から読出し可能であるか、または書込み可能であるかの識別、ならびに情報を読み出し書き込むために使用される特有のコマンドを含むことが可能である。
【0049】
図8および図9は、ネットワークオブジェクトリスト740の一例を示している。図8に示すように、ネットワークオブジェクトリスト740は、オブジェクトレコード810、820、830などを含んでいる。それぞれのオブジェクトレコード、例えば、オブジェクトレコード820には、オブジェクト識別子(ID)830、1つまたは複数のオブジェクトプロパティ840、850、860など、および1つまたは複数のオブジェクトデータ845、855、865などが含まれている。
【0050】
図9は、オブジェクトレコードの非限定的な一例を示している。オブジェクトレコードは、「DEV-123456789022366」のオブジェクトID910を有し、「IPアドレス」のオブジェクトプロパティ920および「管理プロトコル」のオブジェクトプロパティ930のそれぞれと、「無線チャネル」のオブジェクトデータ940および「Uptime」のオブジェクトデータ950のそれぞれとを含んでいる。オブジェクトプロパティ920は、プロパティID921と、プロパティ名922と、IPバージョン923と、IPアドレス924とを含むフィールドを有し、対応する値フィールド925〜928にはそれぞれ、値、「POP-00001」と、「デバイスIPアドレス」と、「6」と、「3ffe:1900:4545:20:56cf:f8ff:76cf:00f3」とが含まれる。オブジェクトプロパティ930は、プロパティID931と、プロパティ名932と、プロトコル名933と、プロトコルバージョン934とを含むフィールドを有し、対応する値フィールド935〜938にはそれぞれ、値、「POP-00002」と、「管理プロトコル」と、「SNMP」と、「2」とが含まれる。オブジェクトデータ940は、データID941と、データ名942と、タイプ943と、SNMP OID944とを含むフィールドを有し、値フィールド945〜948にはそれぞれ、値、「DAT-00001」と、「無線チャネル」と、「整数値」と、「1.3.6.1.3.6.2.6.2」とが含まれる。オブジェクトデータ950は、データID951と、データ名952と、タイプ953と、SNMP OID954とを含むフィールドを有し、対応する値フィールド955〜958にはそれぞれ、値、「DAT-00002」と、「Uptime」と、「文字列」と、「1.3.6.1.2.1.25.1.1.0」とが含まれる。これらのフィールドは、単に、例に過ぎず、より多いフィールドも、またはより少ないフィールドも設けられ得ることに留意されたい。さらに、これらは、単に、例に過ぎず、任意のプロパティおよびデータがネットワークオブジェクトリスト740に指定され得ることにも留意されたい。
【0051】
ここで、図7に再度戻ると、管理情報サービスモジュール730は、1つまたは複数のマネージャ701の管理情報コントローラモジュール710からのメッセージを受信し、送信し、処理する。要求メッセージが管理情報サービスモジュール730によって受信されると、要求は、メッセージに含まれるネットワーク管理情報のタイプに従って、処理される。
【0052】
データ交換プロセス750は、所与のネットワークオブジェクト703へのおよびからのネットワーク管理情報を読み出すか、または書き込むように、管理情報サービスモジュール730によって作成される。それぞれのデータ交換プロセス750は、作成されると、プロセスに割り当てられるタスクに関連している情報が与えられる。データ交換プロセスは、ネットワークオブジェクトリスト740を参照して、いかに読出しを実行するか、または動作を書き込むかについての詳細な情報を得る。データ交換プロセス750はまた、ネットワークオブジェクト703と周期的に通信を行うために使用され得る。
【0053】
管理情報サービスモジュール730によって行われた処理は、例示的な実施形態によるプロセスの一例を示している図10に示す流れ図を参照してより詳細に後述することとする。
【0054】
プロセス1000は、管理情報サービスモジュール730が動作S1010においてメッセージを受信することにより開始する。次いで、動作S1020において、メッセージが、ネットワーク管理情報をネットワークオブジェクトと通信するための要求であるかどうかが判定される。
【0055】
メッセージがネットワーク管理情報をネットワークオブジェクトと通信するための要求である場合(S1020:はい)、メッセージは、動作S1030におけるデータ交換プロセスに転送され、メッセージが、ネットワーク管理情報を読み出すための要求であるかどうかがS1040において判定される。
【0056】
メッセージが、ネットワーク管理情報を読み出すための要求でない場合(S1040:いいえ)、メッセージは、ネットワーク管理情報を書き込むための要求である。次いで、動作S1045において、ネットワーク管理情報がネットワークオブジェクトに書き込まれ、検証され、動作S1090において、書込み動作の成功または失敗について要求元に通知するための確認が、要求元に送信される。
【0057】
メッセージが、ネットワーク管理情報を読み出すための要求である場合(S1040:はい)、動作S1050において、ネットワーク管理情報が、ネットワークオブジェクトから読み出され、動作S1080において、読出し情報を含んだメッセージが要求元に送信される。
【0058】
動作S1020に戻ると、メッセージが、ネットワーク管理情報をネットワークオブジェクトと通信するための要求でない場合(S1020:いいえ)には、動作S1060において、メッセージが、ネットワークオブジェクトからの情報を読み出すための要求であるかどうかが判定される。メッセージが情報を読み出すための要求である場合(S1060:はい)には、動作S1070において、要求された情報は、ネットワークオブジェクトリストから読み出され、動作S1080において、読出し情報を有するメッセージが要求元に送信される。
【0059】
要求がネットワークオブジェクトリストからの情報を読み出すためのものでない場合(S1060:いいえ)には、要求は、ネットワークオブジェクトリストに情報を書き込むためのものである。動作S1065において、情報は、ネットワークオブジェクトリストに書き込まれ、検証される。次いで、動作S1090において、書込み動作の成功または失敗について要求元に通知するための確認が、要求元に送信される。確認が送信された後、プロセスは終了する。確認動作は任意選択であり、いくつかの場合では省略され得ることに留意されたい。
【0060】
図11は、例示的な実施形態により、ネットワーク管理システムにおけるメッセージング動作を示すアクティビティ図の一例である。図7および図11を参照して、管理情報交換プロトコルの非限定的な一例を説明する。
【0061】
例えば、管理情報交換プロトコル720(図7を参照のこと)は、マネージャ701の一元ネットワーク管理プログラムと、NMI702のネットワーク管理インターフェースプログラムとの間で通信される少なくとも2つのメッセージカテゴリーを指定することが可能である。第1のメッセージカテゴリーは、NMI702を介して、ネットワークオブジェクト703への、およびネットワークオブジェクト703からの管理情報を読み出し、書き込むためのI/Oメッセージである。第2のメッセージカテゴリーは、NMI702を管理するための管理メッセージである。
【0062】
I/Oメッセージ1110(図11のアクティビティ図を参照のこと)は、NMI702を介してネットワークオブジェクト703への、およびネットワークオブジェクト703からのネットワーク管理情報をリモートに読み出し、書き込むために使用される。I/Oメッセージは、I/O要求(IOREQ)メッセージと、I/O応答(IORESP)メッセージとを含むことが可能である。
【0063】
以下は、I/O要求(IOREQ)メッセージ指定の一例である。
IOREQ = MSG-TYPE, sequence-of IO-JOB
IO-JOB = ACCESS-MODE, OBJECT ID, DATA-ID,
(DATA), (READ-INTERVAL)
【0064】
マネージャ710のネットワーク管理プログラムが、動作を読み出す、および/または書き込むなど、所与のネットワークオブジェクト703との通信を実行すると、マネージャ701のネットワーク管理プログラムの管理情報コントローラモジュール710は、1つまたは複数の読出しおよび書込みジョブ(Sequence of IO-JOB構造)を含むIOREQメッセージ(1115)を所与のネットワークオブジェクト703と関連付けられた適切なNMI702の管理情報サービスモジュール730に送信する。
【0065】
それぞれの読出しまたは書込みジョブは、動作のタイプ(ACCESS-MODEは、読出しまたは書込みかどうかを指定するために使用される)、対応するオブジェクトの独自の識別子(OBJECT-ID)、およびデータの識別子(DATA-ID)を指定する。OBJECT-IDおよびDATA-IDは、NMIのネットワークオブジェクトリストに記録されたObject-RecordおよびObject-Dataにそれぞれ対応する値を含んでいる。要求はまた、読出し頻度(READ-INTERVAL)を指定するパラメータを含むことが可能であり、その場合、例えば、一元ネットワーク管理プログラムが、周期的に、ネットワークオブジェクト703における状況情報をモニタリングする。書込み要求の場合には、書き込むべきデータは、ジョブ要求(DATA)に含められる。NMI702の管理情報サービス730は、データ交換プロセス750を作成し、I/Oジョブ指定(IO-JOB)(1120)をデータ交換プロセスに転送する。次いで、データ交換プロセス750は、ネットワークオブジェクト703によるジョブに従って、読出しまたは書込みの要求(1125)を実行し、この場合が可能であるとき、ネットワークオブジェクト703からのデータまたは確認(1130)のいずれかを受信する。次いで、データ交換プロセス750は、データまたは確認(1135)を管理情報サービスモジュール730に転送する。
【0066】
以下は、I/O応答(IORESP)メッセージ指定の一例である。
IORESP=MSG-TYPE, sequence-of 10-RESPONSE
IO-RESPONSE=ACCESS-MODE, OBJECT-ID, DATA-ID,
(DATA), (READ-INTERVAL), STATUS
【0067】
読出しまたは書込み動作が完了すると、IORESP応答メッセージ(1140)は、NMI702の管理情報サービスモジュール730によって、マネージャ701の管理情報コントローラモジュール710に送信される。応答メッセージは、管理情報コントローラ710によって要求された読出しまたは書込みのジョブから1つまたは複数の結果(Sequence of IO-RESPONSE構造)を含んでいる。それぞれの結果は、要求されたジョブ動作(ACCESS-MODE、OBJECT-ID、DATA-IDおよびREAD-INTERVAL)についての情報と、読出しまたは書込みの動作の成功または失敗(STATUS)についての情報とを含んでいる。要求された読出し動作の場合では、ネットワークオブジェクト703から読み出されるように要求された情報は、応答(DATA)に含められる。
【0068】
上述したように、第2のメッセージカテゴリーは、NMI702を管理するための管理メッセージである。管理メッセージ1150(図11のアクティビティ図を参照のこと)は、NMI702のネットワークオブジェクトリスト740を維持するために使用される。管理メッセージは、オブジェクト管理要求(OMREQ)メッセージ、およびオブジェクト管理応答(OMRESP)メッセージを含むことが可能である。
【0069】
以下は、オブジェクト管理要求(OMREQ)メッセージ指定の一例である。
OMREQ=MSG-TYPE, sequence-of OM-JOB
OM-JOB=OPERATION, OBJECT-ID, (PROPERTY-ID),
(DATA)
【0070】
ネットワークオブジェクトリスト740において実行可能な動作は、例えば、オブジェクトレコードエントリーを作成および削除することと、オブジェクトプロパティおよびオブジェクトデータを読み出すことならびに修正することとを含んでいる。
【0071】
マネージャ701のネットワーク管理プログラムが、所与のNMI702のネットワークオブジェクトリスト740の作成、削除、読出し、または修正など、管理動作を実行すると、マネージャ701のネットワーク管理プログラムの管理情報コントローラモジュール710は、(OPERATIONフィールドを使用して)実行すべき動作のタイプを指定するNMI702の管理情報サービスモジュール730へのOMREQメッセージ(1155)と、動作(OBJECT-ID、PROPERTY-ID、DATA、READ-INTERVAL)を実行するための関連情報とを送信する。OBJECT-IDおよびPROPERTY-IDは、NMIのネットワークオブジェクトリスト内のObject-RecordおよびObject-Propertyレコードにそれぞれ対応する値を含んでいる。
【0072】
空のObject-Recordを削除する、または作成すると、オブジェクトの識別子(OBJECT-ID)のみが、識別され得る。しかし、オブジェクトプロパティを書き込む、または読み出すと、読み出すべきまたは修正すべきプロパティの識別子(PROPERTY-ID)が、オブジェクト(OBJECT-ID)に加えて指定される。動作を書き込む場合、書き込むべきデータもまた供給される(DATA)。次いで、管理情報サービスモジュール730は、要求に従って、オブジェクトレコードを作成する、削除する、読み出す、または書き込み(1160)、データまたは確認(1165)を管理情報サービスモジュール730に戻すことができる。
【0073】
以下は、オブジェクト管理応答(OMRESP)メッセージ指定の一例である。
OMRESP=MSG-TYPE, sequence-of OM-RESPONSE
IO-RESPONSE = OPERATION, OBJECT ID,
(PROPERTY ID), (DATA), STATUS
【0074】
管理動作(作成、削除、読出し、または書込み)が完了すると、OMRESP応答(1170)メッセージは、NMI702の管理情報サービスモジュール730によって、マネージャ701の管理情報コントローラモジュール710に送信される。応答メッセージは、管理情報コントローラモジュール710によって要求された管理ジョブから生じる1つまたは複数の結果(Sequence of OM-RESPONSE構造)を含んでいる。それぞれの結果は、要求ジョブ動作(OPERATION、OBJECT-ID、およびPROPERTY-ID)についての情報と、動作の成功または失敗(STATUS)についての情報を含んでいる。読出し動作の場合では、ネットワークオブジェクトリスト740から読み出された情報が(DATA)に含められる。
【0075】
図12は、例示的な実施形態によるネットワーク管理システムにおけるネットワーク管理インターフェースを示す非限定的な一例を示している。図12のネットワーク1200に示すように、2つの通信技術、すなわち、WiFi/IEEE802.11およびISA100.11aが設けられる。通信技術のそれぞれは、インフラストラクチャオブジェクト(例えば、WiFi Access Points (AP)1274、1272、スイッチ1270、ISA100.11aルーティングデバイス1262、1264、およびスイッチ1260)、エンドノードオブジェクト(例えば、WiFiデイバス1275、およびISA100.11aのI/Oデバイス1265)、ならびに管理オブジェクト(例えば、WiFiコントローラ1250、およびISA100.11aマネージャ1245)を含む様々なネットワークオブジェクトによって使用される。これらのインフラストラクチャオブジェクト、エンドノードオブジェクト、および管理オブジェクトは、ホストサーバ1220において実行する一元ネットワーク管理プログラムによって管理されるネットワークオブジェクトのセットを構成する。
【0076】
シリアルインターフェース接続は、NMI1240をISA100.11aマネージャ1245に接続するために使用され得、イーサネット(登録商標)ネットワークを通してTCP/IPがWiFiコントローラ1250と通信するために使用され得る。ネットワーク管理者1210は、ホストサーバ1220において実行する一元ネットワーク管理アプリケーションに端末1215で接続して、管理されているネットワークオブジェクトをモニタリングし、制御する。管理情報交換プロトコルを使用して、ホストサーバ1220において実行する一元ネットワーク管理アプリケーションとNMI1240との間で交換されるメッセージは、管理情報交換プロトコルに従って、フォーマットされ、通信プロトコルを使用してルータ/ファイアウォールに中継される。メッセージは、NMI1240によって受信されると、WiFi/IEEE802.11またはISA100.11aのためのネットワーク管理プロトコルに従って、読み出され、フォーマットされ、適切なTCP/IPまたはシリアル通信プロトコルを使用してネットワークオブジェクトに送信される。あるいはまたはネットワーク管理者1210に加えて、リモートネットワーク管理者1211が、端末1216を通じてインターネットを介してホストサーバ1220にアクセスすることができる。つまり、複数のネットワーク管理者が端末を通じてホストサーバ1220にアクセスし、ホストサーバ1220を使用して、NMI1240と相互作用するようにネットワーク管理プログラムを実行することができる。
【0077】
上述の例示的な実施形態および利点は、単に、例示に過ぎず、本発明的な概念を限定するものと解釈すべきでない。例示的な実施形態は、装置の他のタイプに容易に適用可能である。また、例示的な実施形態の説明は、例示的であることを意図しており、特許請求の範囲を限定しておらず、多数の変更形態、修正形態、および変形形態が当業者には明らかである。
【符号の説明】
【0078】
200 ネットワーク管理システム
210 マネージャ
215 第1のプロトコル
220 ネットワーク管理インターフェース(NMI)
225 第2のプロトコル
230、240 ネットワークオブジェクト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異種ネットワークにおける複数のネットワークオブジェクトを管理するための装置であって、
通信プロトコルを使用して通信される第1のプロトコルを使用して、前記異種ネットワークにおけるネットワークオブジェクトを管理するためにネットワーク管理要求を受信し、且つ前記第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに従って、前記ネットワーク管理要求を前記ネットワークオブジェクトに送信する中央処理ユニットを備える装置。
【請求項2】
前記ネットワークオブジェクトのそれぞれについて、前記ネットワークオブジェクトと関連付けられたネットワーク管理情報を含むネットワークオブジェクトリストを記憶するメモリをさらに備え、
前記中央処理ユニットが、前記オブジェクトリストに記憶された前記ネットワーク管理情報に基づいて、前記ネットワーク管理要求を前記ネットワークオブジェクトに送信する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ネットワーク管理情報が、前記ネットワークオブジェクトのそれぞれについて、前記ネットワークオブジェクトのネットワーク管理プロトコルを含み、
前記第2のプロトコルが、前記ネットワークオブジェクトリスト内の前記ネットワーク管理情報に基づいて、前記ネットワーク管理プロトコルのうちの1つとして決定される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ネットワーク管理プロトコルのうちの少なくとも1つが、レガシープロトコルである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ネットワーク管理要求が、前記ネットワークオブジェクトリストを管理するための要求である場合、前記中央処理ユニットは、前記ネットワーク管理要求に従って、前記ネットワークオブジェクトリストを管理する、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記要求が、前記ネットワークオブジェクトリストを更新するための要求であり、且つ前記中央処理ユニットが、前記第1のプロトコルを使用して、前ネットワークオブジェクトリストが更新されたことを示す応答を送信する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記中央処理ユニットが、前記第2のプロトコルを使用して、前記ネットワーク管理要求を受信した前記ネットワークオブジェクトからの前記ネットワーク管理要求に対する応答を受信し、且つ前記第1のプロトコルを使用して、前記受信した応答を送信する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
複数の通信インターフェースであって、前記複数のネットワークオブジェクトのそれぞれが、前記通信インターフェースのうちの少なくとも1つに接続されている通信インターフェースをさらに備え、
前記ネットワーク管理情報が、前記複数のネットワークオブジェクトのそれぞれについて、前記ネットワークオブジェクトが接続されている1つまたは複数の通信インターフェースを備え、
前記中央処理ユニットが、前記ネットワークオブジェクトリスト内の前記ネットワーク管理情報に基づいて、前記ネットワークオブジェクトのための通信インターフェースを使用して、前記ネットワーク管理要求を前記ネットワークオブジェクトに送信する、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記ネットワークオブジェクトの製造メーカが、前記装置の製造メーカとは異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
異種ネットワークを管理するためのネットワーク管理システムであって、
第1のネットワークマネージャと、
前記ネットワークマネージャおよび第1のネットワークオブジェクトに接続されており、且つ通信プロトコルを介して送信される第1のネットワーク管理プロトコルを使用して、前記ネットワークマネージャと通信するように、および前記第1のネットワーク管理プロトコルとは異なる第2のネットワーク管理プロトコルに従って、前記第1のネットワークオブジェクトと通信するように構成されている、第1のネットワーク管理インターフェースとを備えるネットワーク管理システム。
【請求項11】
前記第1のネットワークオブジェクトの製造メーカが、前記第1のネットワーク管理インターフェースの製造メーカとは異なる、請求項10に記載のネットワーク管理システム。
【請求項12】
前記第1のネットワークマネージャ、および第2のネットワークオブジェクトに接続されており、前記通信プロトコルを介して送信された前記第1のネットワーク管理プロトコルを使用して、前記第1のネットワークマネージャと通信するように、および前記第1のネットワーク管理プロトコルとは異なる第3のネットワーク管理プロトコルに従って、前記第2のネットワークオブジェクトと通信するように構成されている、第2のネットワーク管理インターフェースをさらに備える、請求項10に記載のネットワーク管理システム。
【請求項13】
前記第3のネットワーク管理プロトコルが、前記第2のネットワーク管理プロトコルとは異なる、請求項12に記載のネットワーク管理システム。
【請求項14】
第2のネットワークマネージャと、
前記第2のネットワークマネージャ、および第2のネットワークオブジェクトに接続されており、前記通信プロトコルを介して送信された前記第1のネットワーク管理プロトコルを使用して、前記第2のネットワークマネージャと通信するように、および前記第1のネットワーク管理プロトコルとは異なる第3のネットワーク管理プロトコルに従って、前記第2のネットワークオブジェクトと通信するように構成されている、第2のネットワーク管理インターフェースとをさらに備える、請求項10に記載のネットワーク管理システム。
【請求項15】
前記第3のネットワーク管理プロトコルが、前記第2のネットワーク管理プロトコルとは異なる、請求項14に記載のネットワーク管理システム。
【請求項16】
異種ネットワークにおける複数のネットワークオブジェクトを管理するためのネットワーク管理装置であって、
前記複数のネットワークオブジェクトと関連付けられたネットワーク管理情報を含むネットワークオブジェクトリストを記憶するメモリであって、前記ネットワーク管理情報が、前記ネットワークオブジェクトのそれぞれについて、前記ネットワークオブジェクトと関連付けられたネットワーク管理プロトコルを含む、メモリと、
通信プロトコルを介して通信される管理情報交換プロトコルを使用して、ネットワーク管理要求を受信し、且つ前記ネットワークオブジェクトリスト内の前記ネットワークオブジェクトと関連付けられた前記ネットワーク管理プロトコルを使用して、前記ネットワーク管理要求において指定された前記複数のネットワークオブジェクトのネットワークオブジェクトに、前記ネットワーク管理要求を送信する、中央処理ユニットとを備え、
前記ネットワーク管理プロトコルがそれぞれ、前記管理情報交換プロトコルとは異なる、ネットワーク管理装置。
【請求項17】
前記ネットワーク管理プロトコルのうちの少なくとも1つが、レガシープロトコルである、請求項16に記載のネットワーク管理装置。
【請求項18】
前記ネットワーク管理要求が、前記ネットワークオブジェクトリストを管理するための要求である場合、前記中央処理ユニットは、前記ネットワーク管理要求に従って、前記ネットワークオブジェクトリストを管理する、請求項16に記載のネットワーク管理装置。
【請求項19】
前記要求が、前記ネットワークオブジェクトリストを更新するためであり、前記中央処理ユニットが、前記管理情報交換プロトコルを使用して、前記ネットワークオブジェクトリストが更新されたことを示す応答を送信する、請求項18に記載のネットワーク管理装置。
【請求項20】
前記中央処理ユニットが、前記ネットワーク管理プロトコルを使用して、前記ネットワーク管理要求を受信した前記ネットワークオブジェクトからの前記ネットワーク管理要求に対する応答を受信し、且つ前記管理情報交換プロトコルを使用して、前記受信した応答を送信する、請求項16に記載のネットワーク管理装置。
【請求項1】
異種ネットワークにおける複数のネットワークオブジェクトを管理するための装置であって、
通信プロトコルを使用して通信される第1のプロトコルを使用して、前記異種ネットワークにおけるネットワークオブジェクトを管理するためにネットワーク管理要求を受信し、且つ前記第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルに従って、前記ネットワーク管理要求を前記ネットワークオブジェクトに送信する中央処理ユニットを備える装置。
【請求項2】
前記ネットワークオブジェクトのそれぞれについて、前記ネットワークオブジェクトと関連付けられたネットワーク管理情報を含むネットワークオブジェクトリストを記憶するメモリをさらに備え、
前記中央処理ユニットが、前記オブジェクトリストに記憶された前記ネットワーク管理情報に基づいて、前記ネットワーク管理要求を前記ネットワークオブジェクトに送信する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ネットワーク管理情報が、前記ネットワークオブジェクトのそれぞれについて、前記ネットワークオブジェクトのネットワーク管理プロトコルを含み、
前記第2のプロトコルが、前記ネットワークオブジェクトリスト内の前記ネットワーク管理情報に基づいて、前記ネットワーク管理プロトコルのうちの1つとして決定される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ネットワーク管理プロトコルのうちの少なくとも1つが、レガシープロトコルである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ネットワーク管理要求が、前記ネットワークオブジェクトリストを管理するための要求である場合、前記中央処理ユニットは、前記ネットワーク管理要求に従って、前記ネットワークオブジェクトリストを管理する、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記要求が、前記ネットワークオブジェクトリストを更新するための要求であり、且つ前記中央処理ユニットが、前記第1のプロトコルを使用して、前ネットワークオブジェクトリストが更新されたことを示す応答を送信する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記中央処理ユニットが、前記第2のプロトコルを使用して、前記ネットワーク管理要求を受信した前記ネットワークオブジェクトからの前記ネットワーク管理要求に対する応答を受信し、且つ前記第1のプロトコルを使用して、前記受信した応答を送信する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
複数の通信インターフェースであって、前記複数のネットワークオブジェクトのそれぞれが、前記通信インターフェースのうちの少なくとも1つに接続されている通信インターフェースをさらに備え、
前記ネットワーク管理情報が、前記複数のネットワークオブジェクトのそれぞれについて、前記ネットワークオブジェクトが接続されている1つまたは複数の通信インターフェースを備え、
前記中央処理ユニットが、前記ネットワークオブジェクトリスト内の前記ネットワーク管理情報に基づいて、前記ネットワークオブジェクトのための通信インターフェースを使用して、前記ネットワーク管理要求を前記ネットワークオブジェクトに送信する、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記ネットワークオブジェクトの製造メーカが、前記装置の製造メーカとは異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
異種ネットワークを管理するためのネットワーク管理システムであって、
第1のネットワークマネージャと、
前記ネットワークマネージャおよび第1のネットワークオブジェクトに接続されており、且つ通信プロトコルを介して送信される第1のネットワーク管理プロトコルを使用して、前記ネットワークマネージャと通信するように、および前記第1のネットワーク管理プロトコルとは異なる第2のネットワーク管理プロトコルに従って、前記第1のネットワークオブジェクトと通信するように構成されている、第1のネットワーク管理インターフェースとを備えるネットワーク管理システム。
【請求項11】
前記第1のネットワークオブジェクトの製造メーカが、前記第1のネットワーク管理インターフェースの製造メーカとは異なる、請求項10に記載のネットワーク管理システム。
【請求項12】
前記第1のネットワークマネージャ、および第2のネットワークオブジェクトに接続されており、前記通信プロトコルを介して送信された前記第1のネットワーク管理プロトコルを使用して、前記第1のネットワークマネージャと通信するように、および前記第1のネットワーク管理プロトコルとは異なる第3のネットワーク管理プロトコルに従って、前記第2のネットワークオブジェクトと通信するように構成されている、第2のネットワーク管理インターフェースをさらに備える、請求項10に記載のネットワーク管理システム。
【請求項13】
前記第3のネットワーク管理プロトコルが、前記第2のネットワーク管理プロトコルとは異なる、請求項12に記載のネットワーク管理システム。
【請求項14】
第2のネットワークマネージャと、
前記第2のネットワークマネージャ、および第2のネットワークオブジェクトに接続されており、前記通信プロトコルを介して送信された前記第1のネットワーク管理プロトコルを使用して、前記第2のネットワークマネージャと通信するように、および前記第1のネットワーク管理プロトコルとは異なる第3のネットワーク管理プロトコルに従って、前記第2のネットワークオブジェクトと通信するように構成されている、第2のネットワーク管理インターフェースとをさらに備える、請求項10に記載のネットワーク管理システム。
【請求項15】
前記第3のネットワーク管理プロトコルが、前記第2のネットワーク管理プロトコルとは異なる、請求項14に記載のネットワーク管理システム。
【請求項16】
異種ネットワークにおける複数のネットワークオブジェクトを管理するためのネットワーク管理装置であって、
前記複数のネットワークオブジェクトと関連付けられたネットワーク管理情報を含むネットワークオブジェクトリストを記憶するメモリであって、前記ネットワーク管理情報が、前記ネットワークオブジェクトのそれぞれについて、前記ネットワークオブジェクトと関連付けられたネットワーク管理プロトコルを含む、メモリと、
通信プロトコルを介して通信される管理情報交換プロトコルを使用して、ネットワーク管理要求を受信し、且つ前記ネットワークオブジェクトリスト内の前記ネットワークオブジェクトと関連付けられた前記ネットワーク管理プロトコルを使用して、前記ネットワーク管理要求において指定された前記複数のネットワークオブジェクトのネットワークオブジェクトに、前記ネットワーク管理要求を送信する、中央処理ユニットとを備え、
前記ネットワーク管理プロトコルがそれぞれ、前記管理情報交換プロトコルとは異なる、ネットワーク管理装置。
【請求項17】
前記ネットワーク管理プロトコルのうちの少なくとも1つが、レガシープロトコルである、請求項16に記載のネットワーク管理装置。
【請求項18】
前記ネットワーク管理要求が、前記ネットワークオブジェクトリストを管理するための要求である場合、前記中央処理ユニットは、前記ネットワーク管理要求に従って、前記ネットワークオブジェクトリストを管理する、請求項16に記載のネットワーク管理装置。
【請求項19】
前記要求が、前記ネットワークオブジェクトリストを更新するためであり、前記中央処理ユニットが、前記管理情報交換プロトコルを使用して、前記ネットワークオブジェクトリストが更新されたことを示す応答を送信する、請求項18に記載のネットワーク管理装置。
【請求項20】
前記中央処理ユニットが、前記ネットワーク管理プロトコルを使用して、前記ネットワーク管理要求を受信した前記ネットワークオブジェクトからの前記ネットワーク管理要求に対する応答を受信し、且つ前記管理情報交換プロトコルを使用して、前記受信した応答を送信する、請求項16に記載のネットワーク管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−97802(P2013−97802A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−237574(P2012−237574)
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−237574(P2012−237574)
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】
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