異種板材のスポット溶接方法
【課題】本発明は、異種板材のスポット溶接方法において、特殊な電極を用いることなく、アルミニウム合金板の被溶接部の溶融温度の急激な上昇を防いで、チリの発生を防ぐことができる異種板材のスポット溶接方法を提供することを目的とする。
【解決手段】凹部8の外周側のアルミニウム合金板6と鋼板7が当接した部分9で、局所的に発熱が生じ、この部分から徐々に溶融が生じる。そして、その後段階的に、凹部8の中央部分8aにおいて、アルミニウム合金板6と鋼板7が当接して、両者6,7の間で発熱が生じて溶融が生じる。
【解決手段】凹部8の外周側のアルミニウム合金板6と鋼板7が当接した部分9で、局所的に発熱が生じ、この部分から徐々に溶融が生じる。そして、その後段階的に、凹部8の中央部分8aにおいて、アルミニウム合金板6と鋼板7が当接して、両者6,7の間で発熱が生じて溶融が生じる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、異種板材のスポット溶接方法に関し、特に、アルミニウム合金と鋼材とを電気抵抗溶接により溶接するスポット溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アルミニウム合金と鋼材との溶接方法としては、アルミニウム合金材を摩擦攪拌して接合する摩擦攪拌接合が知られている。
しかし、自動車の車体等を溶接する場合には、一般に電気抵抗によるスポット溶接が主として用いられるため、アルミニウム合金と鋼材とを接合するためには、別途、サブラインを設けなければならず、生産性が悪化するという問題がある。
【0003】
そこで、アルミニウム合金と鋼材との溶接においても、電気抵抗によるスポット溶接を行なうことができるように、様々な研究がなされている。
【0004】
このアルミニウム合金と鋼材をスポット溶接する場合の問題として、両者の融点が異なり、特にアルミニウム合金の融点が低いため、あまりに高い電流値で溶接を行なうと、溶融したアルミニウムが飛び散る現象、すなわち「チリ」が発生するという問題がある。
【0005】
この問題に対しては、例えば、下記特許文献1に記載された溶接方法によって、対策がなされている。この特許文献1の溶接方法では、アルミニウム合金板側の電極の先端中央に窪んだ凹部を形成して、アルミニウム合金板と鋼板とをスポット溶接するようにしている。
【0006】
このような溶接方法によると、電極の先端に凹部があることで、アルミニウム合金板の温度上昇を抑制できると共に、スポット溶接時に板材間に形成される隙間の中にチリを封じ込めることができるため、チリの発生を防ぐことができる。
【特許文献1】特開平11−342477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、スポット溶接は、複数箇所を連続打点して溶接することで、溶接の生産性を高めることができる。このため、スポット溶接で用いる電極もできるだけ交換せずに溶接作業が行えることが求められる。
【0008】
しかし、前述の特許文献1のスポット溶接方法の場合には、電極の先端中央に凹部を形成した複雑な構造であるため、電極の先端形状がすぐに変化してしまい耐久性が問題となったり、また、アルミニウム合金が電極の先端凹部内に付着するおそれがあり、溶接の生産性を高めることができなかった。
【0009】
そこで、本発明は、異種板材のスポット溶接方法において、特殊な電極を用いることなく、アルミニウム合金板の被溶接部の溶融温度の急激な上昇を防いで、チリの発生を防ぐことができる異種板材のスポット溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の異種板材のスポット溶接方法は、アルミニウム合金板と鋼板とを重ね合わせて電気抵抗スポット溶接する方法において、前記アルミニウム合金板の被溶接部と前記鋼板の被溶接部との何れか一方の中央に凹部を形成して、該アルミニウム合金板の被溶接部と該鋼板の被溶接部を重ね合わせて、一対の電極をアルミニウム合金板の被溶接部と鋼板の被溶接部とに当接させて通電し、前記凹部の周囲のアルミニウム合金板を溶融させた後に、被溶接部の中央のアルミニウム合金を溶融させて溶接部を形成するスポット溶接方法である。
【0011】
上記構成によれば、アルミニウム合金板の被溶接部と鋼板の被溶接部の何れか一方の中央に凹部を形成して、スポット溶接を行なうことで、アルミニウム合金板は、凹部の周囲から溶融して、後から被溶接部の中央が溶融していくことになる。
このため、アルミニウム合金板の被溶接部中央の溶融温度が急激に上昇するのを防止でき、また、アルミニウム合金板が溶融してチリが発生した場合でもチリを凹部内に封じ込めることができる。さらに、被溶接部の温度上昇を抑えることができるため、アルミニウムと鉄との化合物等で構成される金属間化合物の生成量も抑えることができる。
なお、この金属間化合物は、適正な量(例えば、化合物厚さ1〜13μm)を生成することで、アルミニウム合金と鋼材との間の接合強度を高めることができる。
また、この凹部は、切削加工、プレス加工、絞り加工等、どのような加工方法で成形してもよい。また、数も一つに限定されるものでなく、小さなものを複数隣接して形成してもよい。
【0012】
この発明の一実施態様においては、前記凹部は、アルミニウム合金板の被溶接部の中央に形成したスポット溶接方法である。
上記構成によれば、アルミニウム合金板側に凹部を形成することで、凹部の成形を容易に行うことができる。
よって、板材の成形性を悪化させることなく、チリの発生を防ぐことができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、前記凹部は、該直径を、前記電極の先端径と同等、又は同等以下に設定したスポット溶接方法である。
上記構成によれば、凹部の直径を電極の先端径と同等又は同等以下に設定することで、一対の電極で強く加圧した際でも、凹部内に空間を確保できるため、確実に凹部の周囲から溶融が生じることになり、チリの発生を防止することができる。
よって、より確実にチリの発生を防止することができ、溶接の生産性を高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、アルミニウム合金板の被溶接部中央の溶融温度が急激に上昇するのを防止でき、また、アルミニウム合金板が溶融してチリが発生した場合でもチリを凹部内に封じ込めることができる。
よって、異種板材のスポット溶接方法において、特殊な電極を用いることなく、アルミニウム合金板の被溶接部の溶融温度の急激な上昇を防いで、チリの発生を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明の異種板材のスポット溶接を行なう溶接機の全体模式図である。このスポット溶接を行なう電気抵抗スポット溶接装置Mは、溶接ガン1を装備したロボット2と、この溶接ガン1とロボット2とを駆動制御する制御装置3と、溶接ガン1でスポット接合する際に金属板材を重ね合わせた状態で位置決め保持する位置決め治具(図示略)とを備えている。
この電気抵抗スポット溶接装置Mは、いわゆる直流型の溶接機であり、溶接ガン1の先端に取り付けられる電極は、第一電極4と、第二電極5とで構成される。
各電極4,5は、図2にも示すように、一般的な形状を有する電極であり、先端部には、なだらかな円弧形状のショルダー部4a,5aを有している。
なお、その他の構成要素については、周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0016】
図2は、第一実施形態のスポット溶接時の被溶接部の模式断面図である。この図を使って、この実施形態の溶接方法について説明する。
【0017】
このスポット溶接を行なう場合には、まず、アルミニウム合金板6を上側に設置して、下側に鋼板7を設置した状態で、図示しない位置決め治具でクランプ固定する。
【0018】
このアルミニウム合金板6の被溶接部6aの下側面(溶接面)中央には、上方に窪んだ凹部8を形成している。この凹部8は、例えば、直径6mm、深さ0.6mmの円柱状に形成しており、この凹部8の直径dは、第一電極の先端部の直径Dと略同等の大きさに設定している。そして、この凹部8は、切削加工によって成形している。
【0019】
次に、このアルミニウム合金板6と鋼板7の二枚を重ね合わせた板材は、上方から第一電極4で、下方から第二電極5で、それぞれ加圧された状態で通電される。
【0020】
こうして通電を行なうことにより、凹部8の外周側のアルミニウム合金板6と鋼板7が当接した部分9で、局所的に発熱が生じ、この部分から徐々に溶融が生じる。なお、ドットハッチング範囲が局所的に発熱する部分である。
【0021】
そして、その後段階的に、凹部8の中央部分8aにおいて、アルミニウム合金板6と鋼板7が当接して、両者6,7の間で発熱が生じて溶融が生じる。
また、この凹部8内には、溶融により体積膨張したアルミニウム合金が吸収されて、外部への飛散(チリ)が防止されている。
以上の手順を経て、通電を終了することで、スポット溶接が完了する。
【0022】
図3が、スポット溶接を完了した状態の溶接部の断面模式図である。
この図に示すように、アルミニウム合金板6と鋼板7の間の溶接境界部10には、アルミニウム側ナゲットANが生成されて、その下側層には、図示しない金属間化合物が生成されている。
【0023】
そして、凹部8の容量分、アルミニウム合金板6の上面には、大きめのクレーター状の電極痕11が形成されて、鋼板7の下面にも、クレーター状の電極痕12が形成される。
【0024】
このようにして、アルミニウム合金板6と鋼板7とは、強固にスポット溶接されて、高い接合強度を得ることができる。
【0025】
次に、図4を利用して、凹部を形成してスポット溶接した場合の効果について説明する。図4は、凹部を形成してスポット溶接を行った場合と凹部を形成せずにスポット溶接を行った場合とを比較したグラフである。
このグラフでは、縦軸がせん断力を示し、横軸が電流値を示している。また、○が凹部を形成したワーク、□が凹部を形成しなかったワーク、×がチリが発生したワークを、それぞれ示している。
【0026】
この図4に示すように、一般に、電流値を高くしてスポット溶接した場合の方が、せん断力も高まり、接合強度も高まる。また、凹部を形成していないワークの方が、アルミニウム合金板の板厚が厚いため、残圧も高まり、全体的にせん断力が高まる。もっとも、凹部を形成したワークも、車体構造として求められる最低限のせん断力T(例えば2.0kN)を、越える程度のせん断力を確保している。
【0027】
しかし、凹部を形成しなかったワークでは、第一限界値P1を超える電流値において、チリが発生する。こうしたチリが発生すると、溶接部の見栄えが悪化する共に、溶接部の劣化を生じさせる原因になる。
【0028】
これに対して、凹部を形成したワークでは、第一限界値P1よりも高い第二限界値P2まで、チリの発生を防ぐことができる。すなわち、凹部があることで、高い電流値であっても急激な温度上昇を防ぐことができ、チリの発生を防ぐことができるのである。
【0029】
このため、凹部8を形成することで、比較的高い電流値であっても、チリの発生を防ぐことができ、スポット溶接の溶接条件の設定範囲を広げることができる。
【0030】
次に、このように構成した本実施形態の作用効果について説明する。
この発明の異種板材のスポット溶接方法は、アルミニウム合金板6の被溶接部6aの中央に凹部8を形成して、アルミニウム合金板6の被溶接部6aと鋼板7の被溶接部7a(図1参照)を重ね合わせて、一対の電極4,5をアルミニウム合金板6と鋼板7とに当接させて通電して、凹部8の周囲(9)のアルミニウム合金板6を溶融させた後に、被溶接部6aの中央のアルミニウム合金を溶融させて溶接部(AN)を形成している。
【0031】
これにより、アルミニウム合金板6は、凹部8の周囲(9)から溶融して、後から被溶接部6aの中央(8a)が溶融していくことになる。
このため、アルミニウム合金板6の被溶接部6aの中央(8a)の溶融温度が急激に上昇するのを防止でき、また、アルミニウム合金板6が溶融してチリが発生した場合でもチリを凹部8内に封じ込めることができる。
よって、異種板材のスポット溶接方法において、特殊な電極を用いることなく、アルミニウム合金板6の被溶接部6aの溶融温度の急激な上昇を防いで、チリの発生を防ぐことができる。
【0032】
すなわち、特殊な電極を用いないため、電極の劣化を防いで連続打点性を確保して溶接の生産性を高めつつも、チリの発生を防ぐことができるのである。
【0033】
また、被溶接部6aの急激な温度上昇も抑えることができるため、金属間化合物(図示せず)の生成量も抑えることができ、アルミニウム合金板6と鋼板7との間の接合強度を高めることができる。
特に、この実施形態では、凹部8を、アルミニウム合金板6の被溶接部6aの中央に形成している。
これにより、加工性の高いアルミニウム合金板6側に凹部8を形成することで、凹部8の成形を容易に行うことができる。
よって、板材(6、7)の成形性を悪化させることなく、チリの発生を防ぐことができる。
【0034】
また、この実施形態では、凹部8の直径dを、第一電極4の先端部の直径Dとほぼ同等に設定している。
【0035】
これにより、一対の電極4,5で強く加圧した際でも、凹部8内に空間を確実に確保することができるため、確実に凹部8の周囲(9)から溶融が生じることになり、チリの発生を防止することができる。
よって、より確実にチリの発生を防止することができ、溶接の生産性を高めることができる。
なお、凹部8の直径dは、電極の先端部の直径Dより小径であった場合でも、加圧した際に、同様に凹部8内に空間を確保できるため、電極の先端部の直径Dよりも小径であっても良い。
【0036】
次に、図5に示す第二実施形態について説明する。
この実施形態は、アルミニウム合金板16側に形成する凹部18をプレス成形で形成したものである。その他の構成要素については、前述の第一実施形態と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
この第二実施形態のアルミニウム合金板16には、上凸の突起部17をプレス成形によって形成しており、この突起部17の下側面(溶接面)に凹部18を形成している。
【0038】
このようにプレス成形で凹部18を形成した場合でも、通電を行なうと、凹部18の外周部19から徐々に加熱されて溶融が生じることになる(ドットハッチング範囲)。このため、この実施形態も、前述の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0039】
特に、この実施形態によると、車体パネルをプレス成形で形成する場合に、スポット溶接のための凹部18も、同時に形成することができるため、板材(16)の成形性を高めることができる。
【0040】
また、この実施形態によると、凹部18に対応して突起部17が外側面に形成されるため、スポット溶接のポイントを目視し易くなり、溶接作業性も向上することができる。
【0041】
次に、図6に示す第三実施形態について説明する。
この実施形態は、第一実施形態の凹部8に加えて、凹部8の外周側にボンド溜り溝21を形成したものである。その他の構成要素については、前述の実施形態と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
この実施形態のボンド溜り溝21は、アルミニウム合金板26側の凹部8を取り囲むようにドーナツ状に設けた円環状の溝部であり、内部にはボンドBが充填できる程度の空間を設けている。
【0043】
このボンド溜り溝21を形成したことで、接合性向上やシール性向上のため、ボンドBをアルミニウム合金板26と鋼板7との間に塗布した場合であっても、ボンドBがボンド溜り部21に留まるため、凹部8内にボンドBが侵入することがない。
【0044】
このため、スポット溶接をする際に、凹部8内にボンドBが侵入することなく、確実に凹部8空間が確保されるため、確実にスポット溶接を行なうことができる。
【0045】
よって、ボンドBを塗布した際でも、確実にチリの発生を防いで、電食効果を高めることができる。
【0046】
次に、図7に示す第四実施形態について説明する。
この実施形態は、鋼板37側に凹部38を形成したものである。前述の第一実施形態と同様であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
この実施形態の凹部38は、鋼材37の上側面(溶接面)を切削加工することで形成しており、第一実施形態と同等の直径と深さを有している。
【0048】
このように、鋼板37側に凹部38を形成したとしても、スポット溶接した場合には、まず、凹部38の周囲に位置するアルミニウム合金板36の部分36aが局所的に加熱されて溶融が生じる(ドットハッチング範囲参照)。その後、中央部36bが加熱されて溶融して、凹部38内に流れ込むことで、接合が完了する。
【0049】
よって、この場合も、アルミニウム合金板36側の溶融が徐々に生じて、急激な温度上昇を抑えられるため、チリの発生を防ぐことができる。
【0050】
したがって、この実施形態によっても、チリの発生を防ぐことが可能となる。特にこの実施形態では、鋼板37側に凹部38を設けたことで、アルミ二ウム合金板36側に凹部を形成するのが困難な場合であっても、チリの発生を防ぐことができる。
【0051】
次に、図8に示す、第五実施形態について説明する。
この実施形態は、アルミニウム合金板46側に凹部48を複数隣接して形成したものである。この実施形態の凹部48は、直径sを第一実施形態の凹部8よりも小径に設定している。
【0052】
このように、小径の凹部48を複数形成した場合であっても、被溶接部46aの中央での接触面積を少なくできるため、スポット溶接する際には、凹部48の外周部49から発熱が生じて溶融が生じることになり、その後に中央部50が発熱して溶融が生じることになる。
【0053】
したがって、この実施形態でも、他の実施形態と同様にチリの発生を防ぐことができる。特に、この実施形態によると、凹部48が複数あるため、第一電極4の当接位置が多少ズレた場合であっても、確実に凹部48の外周部49から発熱を生じさせることができる。
【0054】
以上、この発明の構成と前述の実施形態との対応において、
この発明の一対の電極は、第一電極4と第二電極5に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる異種板材のスポット溶接方法に適用する実施形態を含むものである。
【0055】
例えば、鋼材は、一枚に限定されるものではなく、二枚であってもよいし、また、材質も、高張力鋼板や軟鋼板であってもよい。さらに、溶接機も、直流型の溶接機だけでなく、交流型の溶接機であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】異種板材のスポット溶接を行なう溶接機の全体模式図。
【図2】第一実施形態のスポット溶接時の被溶接部の模式断面図。
【図3】スポット溶接を完了した状態の溶接部の断面模式図。
【図4】凹部を形成してスポット溶接を行った場合と凹部を形成せずにスポット溶接を行った場合とを比較したグラフ。
【図5】第二実施形態のスポット溶接時の被溶接部の模式断面図。
【図6】第三実施形態のスポット溶接時の被溶接部の模式断面図。
【図7】第四実施形態のスポット溶接時の被溶接部の模式断面図。
【図8】第五実施形態のスポット溶接時の被溶接部の模式断面図。
【符号の説明】
【0057】
1…溶接ガン
4…第一電極
5…第二電極
6,16,26,36,46…アルミニウム合金板
6a…被溶接部
7,37…鋼板
7a…被溶接部
8,18,38,48…凹部
【技術分野】
【0001】
この発明は、異種板材のスポット溶接方法に関し、特に、アルミニウム合金と鋼材とを電気抵抗溶接により溶接するスポット溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アルミニウム合金と鋼材との溶接方法としては、アルミニウム合金材を摩擦攪拌して接合する摩擦攪拌接合が知られている。
しかし、自動車の車体等を溶接する場合には、一般に電気抵抗によるスポット溶接が主として用いられるため、アルミニウム合金と鋼材とを接合するためには、別途、サブラインを設けなければならず、生産性が悪化するという問題がある。
【0003】
そこで、アルミニウム合金と鋼材との溶接においても、電気抵抗によるスポット溶接を行なうことができるように、様々な研究がなされている。
【0004】
このアルミニウム合金と鋼材をスポット溶接する場合の問題として、両者の融点が異なり、特にアルミニウム合金の融点が低いため、あまりに高い電流値で溶接を行なうと、溶融したアルミニウムが飛び散る現象、すなわち「チリ」が発生するという問題がある。
【0005】
この問題に対しては、例えば、下記特許文献1に記載された溶接方法によって、対策がなされている。この特許文献1の溶接方法では、アルミニウム合金板側の電極の先端中央に窪んだ凹部を形成して、アルミニウム合金板と鋼板とをスポット溶接するようにしている。
【0006】
このような溶接方法によると、電極の先端に凹部があることで、アルミニウム合金板の温度上昇を抑制できると共に、スポット溶接時に板材間に形成される隙間の中にチリを封じ込めることができるため、チリの発生を防ぐことができる。
【特許文献1】特開平11−342477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、スポット溶接は、複数箇所を連続打点して溶接することで、溶接の生産性を高めることができる。このため、スポット溶接で用いる電極もできるだけ交換せずに溶接作業が行えることが求められる。
【0008】
しかし、前述の特許文献1のスポット溶接方法の場合には、電極の先端中央に凹部を形成した複雑な構造であるため、電極の先端形状がすぐに変化してしまい耐久性が問題となったり、また、アルミニウム合金が電極の先端凹部内に付着するおそれがあり、溶接の生産性を高めることができなかった。
【0009】
そこで、本発明は、異種板材のスポット溶接方法において、特殊な電極を用いることなく、アルミニウム合金板の被溶接部の溶融温度の急激な上昇を防いで、チリの発生を防ぐことができる異種板材のスポット溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の異種板材のスポット溶接方法は、アルミニウム合金板と鋼板とを重ね合わせて電気抵抗スポット溶接する方法において、前記アルミニウム合金板の被溶接部と前記鋼板の被溶接部との何れか一方の中央に凹部を形成して、該アルミニウム合金板の被溶接部と該鋼板の被溶接部を重ね合わせて、一対の電極をアルミニウム合金板の被溶接部と鋼板の被溶接部とに当接させて通電し、前記凹部の周囲のアルミニウム合金板を溶融させた後に、被溶接部の中央のアルミニウム合金を溶融させて溶接部を形成するスポット溶接方法である。
【0011】
上記構成によれば、アルミニウム合金板の被溶接部と鋼板の被溶接部の何れか一方の中央に凹部を形成して、スポット溶接を行なうことで、アルミニウム合金板は、凹部の周囲から溶融して、後から被溶接部の中央が溶融していくことになる。
このため、アルミニウム合金板の被溶接部中央の溶融温度が急激に上昇するのを防止でき、また、アルミニウム合金板が溶融してチリが発生した場合でもチリを凹部内に封じ込めることができる。さらに、被溶接部の温度上昇を抑えることができるため、アルミニウムと鉄との化合物等で構成される金属間化合物の生成量も抑えることができる。
なお、この金属間化合物は、適正な量(例えば、化合物厚さ1〜13μm)を生成することで、アルミニウム合金と鋼材との間の接合強度を高めることができる。
また、この凹部は、切削加工、プレス加工、絞り加工等、どのような加工方法で成形してもよい。また、数も一つに限定されるものでなく、小さなものを複数隣接して形成してもよい。
【0012】
この発明の一実施態様においては、前記凹部は、アルミニウム合金板の被溶接部の中央に形成したスポット溶接方法である。
上記構成によれば、アルミニウム合金板側に凹部を形成することで、凹部の成形を容易に行うことができる。
よって、板材の成形性を悪化させることなく、チリの発生を防ぐことができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、前記凹部は、該直径を、前記電極の先端径と同等、又は同等以下に設定したスポット溶接方法である。
上記構成によれば、凹部の直径を電極の先端径と同等又は同等以下に設定することで、一対の電極で強く加圧した際でも、凹部内に空間を確保できるため、確実に凹部の周囲から溶融が生じることになり、チリの発生を防止することができる。
よって、より確実にチリの発生を防止することができ、溶接の生産性を高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、アルミニウム合金板の被溶接部中央の溶融温度が急激に上昇するのを防止でき、また、アルミニウム合金板が溶融してチリが発生した場合でもチリを凹部内に封じ込めることができる。
よって、異種板材のスポット溶接方法において、特殊な電極を用いることなく、アルミニウム合金板の被溶接部の溶融温度の急激な上昇を防いで、チリの発生を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明の異種板材のスポット溶接を行なう溶接機の全体模式図である。このスポット溶接を行なう電気抵抗スポット溶接装置Mは、溶接ガン1を装備したロボット2と、この溶接ガン1とロボット2とを駆動制御する制御装置3と、溶接ガン1でスポット接合する際に金属板材を重ね合わせた状態で位置決め保持する位置決め治具(図示略)とを備えている。
この電気抵抗スポット溶接装置Mは、いわゆる直流型の溶接機であり、溶接ガン1の先端に取り付けられる電極は、第一電極4と、第二電極5とで構成される。
各電極4,5は、図2にも示すように、一般的な形状を有する電極であり、先端部には、なだらかな円弧形状のショルダー部4a,5aを有している。
なお、その他の構成要素については、周知であるため、詳細な説明は省略する。
【0016】
図2は、第一実施形態のスポット溶接時の被溶接部の模式断面図である。この図を使って、この実施形態の溶接方法について説明する。
【0017】
このスポット溶接を行なう場合には、まず、アルミニウム合金板6を上側に設置して、下側に鋼板7を設置した状態で、図示しない位置決め治具でクランプ固定する。
【0018】
このアルミニウム合金板6の被溶接部6aの下側面(溶接面)中央には、上方に窪んだ凹部8を形成している。この凹部8は、例えば、直径6mm、深さ0.6mmの円柱状に形成しており、この凹部8の直径dは、第一電極の先端部の直径Dと略同等の大きさに設定している。そして、この凹部8は、切削加工によって成形している。
【0019】
次に、このアルミニウム合金板6と鋼板7の二枚を重ね合わせた板材は、上方から第一電極4で、下方から第二電極5で、それぞれ加圧された状態で通電される。
【0020】
こうして通電を行なうことにより、凹部8の外周側のアルミニウム合金板6と鋼板7が当接した部分9で、局所的に発熱が生じ、この部分から徐々に溶融が生じる。なお、ドットハッチング範囲が局所的に発熱する部分である。
【0021】
そして、その後段階的に、凹部8の中央部分8aにおいて、アルミニウム合金板6と鋼板7が当接して、両者6,7の間で発熱が生じて溶融が生じる。
また、この凹部8内には、溶融により体積膨張したアルミニウム合金が吸収されて、外部への飛散(チリ)が防止されている。
以上の手順を経て、通電を終了することで、スポット溶接が完了する。
【0022】
図3が、スポット溶接を完了した状態の溶接部の断面模式図である。
この図に示すように、アルミニウム合金板6と鋼板7の間の溶接境界部10には、アルミニウム側ナゲットANが生成されて、その下側層には、図示しない金属間化合物が生成されている。
【0023】
そして、凹部8の容量分、アルミニウム合金板6の上面には、大きめのクレーター状の電極痕11が形成されて、鋼板7の下面にも、クレーター状の電極痕12が形成される。
【0024】
このようにして、アルミニウム合金板6と鋼板7とは、強固にスポット溶接されて、高い接合強度を得ることができる。
【0025】
次に、図4を利用して、凹部を形成してスポット溶接した場合の効果について説明する。図4は、凹部を形成してスポット溶接を行った場合と凹部を形成せずにスポット溶接を行った場合とを比較したグラフである。
このグラフでは、縦軸がせん断力を示し、横軸が電流値を示している。また、○が凹部を形成したワーク、□が凹部を形成しなかったワーク、×がチリが発生したワークを、それぞれ示している。
【0026】
この図4に示すように、一般に、電流値を高くしてスポット溶接した場合の方が、せん断力も高まり、接合強度も高まる。また、凹部を形成していないワークの方が、アルミニウム合金板の板厚が厚いため、残圧も高まり、全体的にせん断力が高まる。もっとも、凹部を形成したワークも、車体構造として求められる最低限のせん断力T(例えば2.0kN)を、越える程度のせん断力を確保している。
【0027】
しかし、凹部を形成しなかったワークでは、第一限界値P1を超える電流値において、チリが発生する。こうしたチリが発生すると、溶接部の見栄えが悪化する共に、溶接部の劣化を生じさせる原因になる。
【0028】
これに対して、凹部を形成したワークでは、第一限界値P1よりも高い第二限界値P2まで、チリの発生を防ぐことができる。すなわち、凹部があることで、高い電流値であっても急激な温度上昇を防ぐことができ、チリの発生を防ぐことができるのである。
【0029】
このため、凹部8を形成することで、比較的高い電流値であっても、チリの発生を防ぐことができ、スポット溶接の溶接条件の設定範囲を広げることができる。
【0030】
次に、このように構成した本実施形態の作用効果について説明する。
この発明の異種板材のスポット溶接方法は、アルミニウム合金板6の被溶接部6aの中央に凹部8を形成して、アルミニウム合金板6の被溶接部6aと鋼板7の被溶接部7a(図1参照)を重ね合わせて、一対の電極4,5をアルミニウム合金板6と鋼板7とに当接させて通電して、凹部8の周囲(9)のアルミニウム合金板6を溶融させた後に、被溶接部6aの中央のアルミニウム合金を溶融させて溶接部(AN)を形成している。
【0031】
これにより、アルミニウム合金板6は、凹部8の周囲(9)から溶融して、後から被溶接部6aの中央(8a)が溶融していくことになる。
このため、アルミニウム合金板6の被溶接部6aの中央(8a)の溶融温度が急激に上昇するのを防止でき、また、アルミニウム合金板6が溶融してチリが発生した場合でもチリを凹部8内に封じ込めることができる。
よって、異種板材のスポット溶接方法において、特殊な電極を用いることなく、アルミニウム合金板6の被溶接部6aの溶融温度の急激な上昇を防いで、チリの発生を防ぐことができる。
【0032】
すなわち、特殊な電極を用いないため、電極の劣化を防いで連続打点性を確保して溶接の生産性を高めつつも、チリの発生を防ぐことができるのである。
【0033】
また、被溶接部6aの急激な温度上昇も抑えることができるため、金属間化合物(図示せず)の生成量も抑えることができ、アルミニウム合金板6と鋼板7との間の接合強度を高めることができる。
特に、この実施形態では、凹部8を、アルミニウム合金板6の被溶接部6aの中央に形成している。
これにより、加工性の高いアルミニウム合金板6側に凹部8を形成することで、凹部8の成形を容易に行うことができる。
よって、板材(6、7)の成形性を悪化させることなく、チリの発生を防ぐことができる。
【0034】
また、この実施形態では、凹部8の直径dを、第一電極4の先端部の直径Dとほぼ同等に設定している。
【0035】
これにより、一対の電極4,5で強く加圧した際でも、凹部8内に空間を確実に確保することができるため、確実に凹部8の周囲(9)から溶融が生じることになり、チリの発生を防止することができる。
よって、より確実にチリの発生を防止することができ、溶接の生産性を高めることができる。
なお、凹部8の直径dは、電極の先端部の直径Dより小径であった場合でも、加圧した際に、同様に凹部8内に空間を確保できるため、電極の先端部の直径Dよりも小径であっても良い。
【0036】
次に、図5に示す第二実施形態について説明する。
この実施形態は、アルミニウム合金板16側に形成する凹部18をプレス成形で形成したものである。その他の構成要素については、前述の第一実施形態と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
この第二実施形態のアルミニウム合金板16には、上凸の突起部17をプレス成形によって形成しており、この突起部17の下側面(溶接面)に凹部18を形成している。
【0038】
このようにプレス成形で凹部18を形成した場合でも、通電を行なうと、凹部18の外周部19から徐々に加熱されて溶融が生じることになる(ドットハッチング範囲)。このため、この実施形態も、前述の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0039】
特に、この実施形態によると、車体パネルをプレス成形で形成する場合に、スポット溶接のための凹部18も、同時に形成することができるため、板材(16)の成形性を高めることができる。
【0040】
また、この実施形態によると、凹部18に対応して突起部17が外側面に形成されるため、スポット溶接のポイントを目視し易くなり、溶接作業性も向上することができる。
【0041】
次に、図6に示す第三実施形態について説明する。
この実施形態は、第一実施形態の凹部8に加えて、凹部8の外周側にボンド溜り溝21を形成したものである。その他の構成要素については、前述の実施形態と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
この実施形態のボンド溜り溝21は、アルミニウム合金板26側の凹部8を取り囲むようにドーナツ状に設けた円環状の溝部であり、内部にはボンドBが充填できる程度の空間を設けている。
【0043】
このボンド溜り溝21を形成したことで、接合性向上やシール性向上のため、ボンドBをアルミニウム合金板26と鋼板7との間に塗布した場合であっても、ボンドBがボンド溜り部21に留まるため、凹部8内にボンドBが侵入することがない。
【0044】
このため、スポット溶接をする際に、凹部8内にボンドBが侵入することなく、確実に凹部8空間が確保されるため、確実にスポット溶接を行なうことができる。
【0045】
よって、ボンドBを塗布した際でも、確実にチリの発生を防いで、電食効果を高めることができる。
【0046】
次に、図7に示す第四実施形態について説明する。
この実施形態は、鋼板37側に凹部38を形成したものである。前述の第一実施形態と同様であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
この実施形態の凹部38は、鋼材37の上側面(溶接面)を切削加工することで形成しており、第一実施形態と同等の直径と深さを有している。
【0048】
このように、鋼板37側に凹部38を形成したとしても、スポット溶接した場合には、まず、凹部38の周囲に位置するアルミニウム合金板36の部分36aが局所的に加熱されて溶融が生じる(ドットハッチング範囲参照)。その後、中央部36bが加熱されて溶融して、凹部38内に流れ込むことで、接合が完了する。
【0049】
よって、この場合も、アルミニウム合金板36側の溶融が徐々に生じて、急激な温度上昇を抑えられるため、チリの発生を防ぐことができる。
【0050】
したがって、この実施形態によっても、チリの発生を防ぐことが可能となる。特にこの実施形態では、鋼板37側に凹部38を設けたことで、アルミ二ウム合金板36側に凹部を形成するのが困難な場合であっても、チリの発生を防ぐことができる。
【0051】
次に、図8に示す、第五実施形態について説明する。
この実施形態は、アルミニウム合金板46側に凹部48を複数隣接して形成したものである。この実施形態の凹部48は、直径sを第一実施形態の凹部8よりも小径に設定している。
【0052】
このように、小径の凹部48を複数形成した場合であっても、被溶接部46aの中央での接触面積を少なくできるため、スポット溶接する際には、凹部48の外周部49から発熱が生じて溶融が生じることになり、その後に中央部50が発熱して溶融が生じることになる。
【0053】
したがって、この実施形態でも、他の実施形態と同様にチリの発生を防ぐことができる。特に、この実施形態によると、凹部48が複数あるため、第一電極4の当接位置が多少ズレた場合であっても、確実に凹部48の外周部49から発熱を生じさせることができる。
【0054】
以上、この発明の構成と前述の実施形態との対応において、
この発明の一対の電極は、第一電極4と第二電極5に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる異種板材のスポット溶接方法に適用する実施形態を含むものである。
【0055】
例えば、鋼材は、一枚に限定されるものではなく、二枚であってもよいし、また、材質も、高張力鋼板や軟鋼板であってもよい。さらに、溶接機も、直流型の溶接機だけでなく、交流型の溶接機であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】異種板材のスポット溶接を行なう溶接機の全体模式図。
【図2】第一実施形態のスポット溶接時の被溶接部の模式断面図。
【図3】スポット溶接を完了した状態の溶接部の断面模式図。
【図4】凹部を形成してスポット溶接を行った場合と凹部を形成せずにスポット溶接を行った場合とを比較したグラフ。
【図5】第二実施形態のスポット溶接時の被溶接部の模式断面図。
【図6】第三実施形態のスポット溶接時の被溶接部の模式断面図。
【図7】第四実施形態のスポット溶接時の被溶接部の模式断面図。
【図8】第五実施形態のスポット溶接時の被溶接部の模式断面図。
【符号の説明】
【0057】
1…溶接ガン
4…第一電極
5…第二電極
6,16,26,36,46…アルミニウム合金板
6a…被溶接部
7,37…鋼板
7a…被溶接部
8,18,38,48…凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム合金板と鋼板とを重ね合わせて電気抵抗スポット溶接する方法において、
前記アルミニウム合金板の被溶接部と前記鋼板の被溶接部との何れか一方の中央に凹部を形成して、
該アルミニウム合金板の被溶接部と該鋼板の被溶接部を重ね合わせて、
一対の電極をアルミニウム合金板の被溶接部と鋼板の被溶接部とに当接させて通電し、
前記凹部の周囲のアルミニウム合金板を溶融させた後に、被溶接部の中央のアルミニウム合金を溶融させて溶接部を形成する
異種板材のスポット溶接方法。
【請求項2】
前記凹部は、アルミニウム合金板の被溶接部の中央に形成した
請求項1記載の異種板材のスポット溶接方法。
【請求項3】
前記凹部は、該直径を、前記電極の先端径と同等、又は同等以下に設定した
請求項1又は2記載の異種板材のスポット溶接方法。
【請求項1】
アルミニウム合金板と鋼板とを重ね合わせて電気抵抗スポット溶接する方法において、
前記アルミニウム合金板の被溶接部と前記鋼板の被溶接部との何れか一方の中央に凹部を形成して、
該アルミニウム合金板の被溶接部と該鋼板の被溶接部を重ね合わせて、
一対の電極をアルミニウム合金板の被溶接部と鋼板の被溶接部とに当接させて通電し、
前記凹部の周囲のアルミニウム合金板を溶融させた後に、被溶接部の中央のアルミニウム合金を溶融させて溶接部を形成する
異種板材のスポット溶接方法。
【請求項2】
前記凹部は、アルミニウム合金板の被溶接部の中央に形成した
請求項1記載の異種板材のスポット溶接方法。
【請求項3】
前記凹部は、該直径を、前記電極の先端径と同等、又は同等以下に設定した
請求項1又は2記載の異種板材のスポット溶接方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2009−226446(P2009−226446A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−75554(P2008−75554)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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