説明

畳床及び畳

【課題】 カビの発生が発生し難い畳床及び畳を提供する。
【解決手段】 表裏二層の編地とこれらを連結する連結糸からなる立体編物が少なくとも一部に用いられていることを特徴とする畳床及びこの畳床からなる畳。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畳床及び畳に関し、特にカビが発生し難い畳床及び畳に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅建築物の気密性が高くなってきており、畳の上に寝具を敷き使用すると、人体から発生する汗等の水分が一旦畳に吸収され、これが乾燥されにくい状況となってきている。特に、万年床と言われる、寝具を敷きっぱなしの状態にしていると、畳にカビが発生する等の問題がある。
【0003】
特許文献1では、畳床に、紙質または不織布からなるシート保護材と防湿シートを組み合わせ、防虫性や耐腐食性を高めるようにした畳が提案されている。しかしながら、このような畳床は防湿効果はあるものの、一旦水分を吸収すると乾燥するまでに長時間を有し、気密性の高い住宅建築物ではやはりカビが発生する場合があった。
【特許文献1】特開2004−11323
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、カビが発生し難い畳床及び畳を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記の課題を達成するため、鋭意検討の結果、通気性に優れた特定の立体編物を畳床に用いることにより、カビが発生し難い畳床及び畳が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本願で特許請求される発明は以下の通りである。
(1)表裏二層の編地とこれらを連結する連結糸からなる立体編物が少なくとも一部に用いられていることを特徴とする畳床。
(2)立体編物の連結糸が30〜1000デシテックスのモノフィラメントからなり、立体編物の厚みが2〜10mmであり、かつ直径200mmの円盤により立体編物を25%圧縮する際の圧縮硬さが60〜600Nであることを特徴とする前記(1)に記載の畳床。
(3)立体編物2.54cm平方(6.45cm)の面積中にある連結糸の本数をN(本/6.45cm)、連結糸の繊度(dtex)をD(g/1×10cm)、連結糸の比重をρ(g/cm)とした時、立体編物2.54cm平方(6.45cm)の面積中にある連結糸の総断面積(N・D/1×10・ρ)が0.02〜0.2cmであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の畳床。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の畳床を用いた畳。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、特定の立体編物を用いることにより、カビが発生し難い畳床及び畳を提供することができる。さらに、請求項2、3に記載されている特定の立体編物を用いることにより、上記効果に加えて優れた歩行感と、優れた圧縮耐久性を有する畳床及び畳を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、畳床の一部に特定の立体編物が用いられたことを特徴とする。すなわち、立体編物の持つ通気性と空隙によりカビが発生し難くすることができる。ここで云う畳床とは、畳の芯材を形成するものを意味し、この畳床に畳表や畳縁を縫い付けたものが畳となる。
【0009】
本発明の立体編物を畳床として組み合わせる場合は、畳床の一部に使われることが重要であるが、複数枚の立体編物を積層してもよい。本発明の立体編物以外の畳床材料としては、特に限定されるものではなく、通常畳床に用いられる藁の集合体、木質繊維板(インシュレーションボード)、発泡合成樹脂ボード、プラスチック版、保護材、吸湿材等の如何なるものであっても構わない。他の材料と組み合わせる場合は、通気性の優れた材料との組み合わせが好ましく、例えば部分的に貫通孔を設けて積極的に通気性を高めた材料との組み合わせが好ましい。また、積層の順番や一体化する方法も特に限定されるものではなく、縫い合わせ、接着剤で貼り合せ、熱融着による貼り合せやこれらを組み合わせても構わない。
【0010】
本発明に用いる立体編物とは、表裏二層の編地を連結糸で連結した立体的な編地のことをいい、ダブルラッセル編機やダブル丸編機等、2列の針列を有する編機で形成される編地を指す。
【0011】
立体編物の連結糸のモノフィラメントに用いる繊維素材としては、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル系エラストマー繊維等、任意の合成繊維を用いることができるが、リサイクルを容易にするにはポリエステル系の繊維を用いることが好ましく、また、長期使用時の圧縮耐久性を向上させ厚み減少を抑えるためには、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維を用いることが好ましく、ポリトリメチレンテレフタレート繊維がさらに好ましい。
【0012】
また、表裏の編地を形成する繊維素材としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル等の再生繊維等の任意の繊維を用いることができる。表裏の編地を形成する繊維の繊度は50〜1500デシテックスのものを好ましく用いることができる。
【0013】
また、本発明の立体編物は、表裏の繊維の少なくとも一方の繊維を用いずに、連結糸の編目のみで表又は裏側の編地(編目列)を形成させると、表裏の繊維が不要になり、軽量で低コストな立体編物が得られるため好ましい。
【0014】
本発明の畳床の一部に用いる立体編物は、厚みが2〜10mmであり、また連結糸に30〜1000デシテックスのモノフィラメントを用い、かつ、直径200mmの円盤により立体編物を25%圧縮する際の圧縮硬さを60〜600Nであるものが好ましい。
【0015】
立体編物の厚みが2mm未満では十分な通気性が得られない場合があり、10mmを超えると、畳としては柔らかすぎるクッション感になる場合があり、圧縮耐久性も劣る傾向となる。立体編物の厚みのより好ましい範囲は3〜7mmである。
【0016】
連結糸の繊度が30デシテックス未満か、又は圧縮硬さが60N未満であると、空隙が十分に得られないため、カビが発生しやすくなる場合がある。また連結糸の繊度が1000デシテックスを超えるか、又は圧縮硬さが600Nを超えると、空隙は確保できるものの、畳が本来持つべきクッション感が得られな場合がある。
【0017】
連結糸の繊度のより好ましい範囲は50〜700デシテックスであり、さらに好ましくは100〜400デシテックである。又、圧縮硬さのより好ましい範囲は70〜500Nであり、さらに好ましくは80〜450Nである。
【0018】
尚、立体編物の空隙保持性を向上させると同時に、良好な歩行感を維持し、かつ長期使用時の圧縮耐久性を向上させる上で、立体編物2.54cm平方(6.45cm)の面積中にある連結糸の本数をN(本/6.45cm)、連結糸の繊度(dtex)をD(g/1×10cm)、連結糸の比重をρ(g/cm)とした時、立体編物2.54cm平方(6.45cm)の面積中にある連結糸の総断面積(N・D/1×10・ρ)が0.02〜0.2cmであることが好ましい。
【0019】
連結糸の総断面積が0.02未満になると、十分なクッション感が低下するため十分な空隙が得られにくくなり、又、総断面積が0.2を超えると、空隙は確保されるものの畳としては非常に硬いクッション感となる傾向にある。連結糸の総断面積のより好ましい範囲は0.05〜0.17である。
【0020】
本発明に用いる立体編物は、連結糸の形態により硬さや圧縮耐久性が変化するが、立体編物が圧縮される際に表裏の編地がせん断によりずれて圧縮されるのを防止し、長期間圧縮される際の耐久性を向上させ厚み減少を防止する上で、立体編物の連結糸は編み始め方向の断面から見て、少なくとも2本の連結糸が表裏の編地を互いに逆方向に斜めに傾斜してクロス状(X状)又はトラス状に連結されていることが好ましい。この際、クロス状、トラス状共に連結糸が2本の連結糸で構成されていてもよく、1本の同一の連結糸が表又は裏面で折り返し、見かけ上2本となっている場合であっても良い。又、クロス状、トラス状の形状は、同一コース上で形成されていても良く、異なるコース上で形成されていても良い。
【0021】
立体編物は立体形状を安定化させ、長期使用時の圧縮耐久性を向上させるため、生機を編成後、温度が150〜200℃、セット時間が30秒〜3分の範囲で熱セットすることが好ましい。立体編物の表裏の編地がメッシュ形状の場合は、熱セット時にメッシュサイズを固定するための幅出しを行いながら熱セットされる。熱セットの際に、立体編物の表裏面や連結糸に抗菌、坑カビ、消臭、防ダニ等の薬剤をバインダー等で固着させ、立体編物に前記機能を付与したり、機能性樹脂で樹脂加工すると畳としての機能性が向上しより好ましい。
【0022】
本発明の畳は、本発明の畳床を用いたものであればよく、常法に従って本発明の畳床を畳表や畳縁を縫い付ければよく、畳表、畳縁の材質は特に限定されるものではない。
本発明の畳は一般の畳として用いてもよいが、立体編物の持つ空隙を利用して、温調された気体を通したり、温調された媒体を通すパイプ等を挿入して、温調畳とし使用してもよい。
【実施例】
【0023】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、例中の各特性の評価および測定は下記の方法で行った。
(1)立体編物の厚み(mm)
立体編物を10cm角切り取り、(株)尾崎製作所製、JA型特殊ダイヤルシックネスゲージ(ピーコック)用い、直径30mmの測定板で挟んだ状態で厚みを測定する。測定は5回行い平均値を求める。
(2)圧縮硬さ(N)
島津オートグラフAG−B型((株)島津製作所製)を用い、直径200mmの圧縮板により、剛体平面上に置いた25cm角の立体編物を100mm/minの速度で立体編物の初期の厚みの25%を圧縮した後、直ぐに100mm/minの速度で開放する。この際の25%圧縮時の荷重(N)を測定する。
【0024】
(3)防カビ性
本発明の畳床及び畳を一般の住居として使用している和室に敷き、28℃×80%RHとなるように空調し、1週間放置した。その後、畳床及び畳の表裏面を観察し、カビが発生しているか目視判定した。
○:全くカビが発生していない。
△:カビが若干見られる(発生面積は小さい)。
×:カビが全面に発生している。
(4)圧縮耐久性
本発明の畳を10cm角切り取り、上から下面が直径200mmの円盤で重量が20kg(196N)の錘を乗せ24時間放置する。24時間後に錘を取り除き、30分放置後の床用シート材の厚みT(mm)を測定し、初期の厚みT(mm)に対して以下の計算式にて、残留ひずみS(%)を算出する。
S(%)=(T−T)×100/T
(5)歩行感
コンクリート床(平面)の上に本発明の畳(60cm幅×90cm長)を置き、体重65Kgの男性が歩行し、以下の基準で歩行感を評価した。
◎:適度な硬さで歩き易い、
○:やや柔らかいが歩き易い、
△:硬過ぎて歩き難い、
×:柔らか過ぎて歩き難い
【0025】
[実施例1]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間6.5mmのダブルラッセル編機を用い、表側の編地を形成する筬(L1、L2)から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート原糸を、連結糸用の筬(L3、L4)から200dtexのナイロン6モノフィラメントを、又、裏側の編地を形成する筬(L5、L6)から、167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート原糸を、L1、L4、L5の筬に1イン1アウトの配列で、L2、L3、L6の筬に1アウト1インの配列で供給した。(編組織1)に示す編組織で、機上コース20コース/2.54cmの密度で生機を編成し、得られた生機を70℃で精練後、180℃×2分で幅出し乾熱ヒートセットを行い、28コース/2.54cm、8.9ウエール/2.54cm、厚さ4.0mmの立体編物を得た。
【0026】
(編組織1)
L1:(2022/2422)×5/2022/2444/
(4644/4244)×5/4644/4222/
L2:(4644/4244)×5/4644/4222/
(2022/2422)×5/2022/2444/
L3:4242/810810/(4242/4646)×3/4242/
810810/4242/4646/
6868/2020/(6868/6464)×3/6868/
2020/6868/6464/
L4:6868/2020/(6868/6464)×3/6868/
2020/6868/6464/
4242/810810/(4242/4646)×3/4242/
810810/4242/4646/
L5:(2220/2224)×5/2220/2224/
(4446/4442)×5/4446/4442/
L6:(4446/4442)×5/4446/4442/
(2220/2224)×5/2220/2224/
得られた立体編物と、見掛け密度0.04g/cmの発泡ポリエチレン(旭化成ライフ&リビング社製、商品名サンテックフォームQ25)の8mm厚のものを縫製によって縫い合わせて畳床を得た。得られた畳床を常法に従って伊草からなる畳表と一般的な畳縁を縫い付けて畳を得た。得られ立体編物、畳床及び畳の各種特性を表1に示す。
得られた畳床及び畳はカビの発生がない優れたものであり、歩行感、圧縮耐久性共に優れたものであった。
【0027】
[実施例2〜6]
実施例1において、立体編物の連結糸に用いる繊維を、ナイロン6モノフィラメント22dtex、56dtex、110dtex、280dtex、又、ポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント200dtexとし、さらに編密度及び仕上げ密度を変更して、連結糸の繊度、コース、ウエール数の異なる立体編物を得た。これらの立体編物を実施例1と同様にして畳床及び畳を作成した。得られ立体編物、畳床及び畳の各種特性を表1に示す。
立体編物の繊度が22dtexの実施例2は防カビ性が若干低下するが、実施例3〜6は優れた防カビ性を示した。圧縮耐久性及び歩行感は実施例2のみ劣るものであったが、実施例3〜4は何れも歩行感に優れたものであった。又、連結糸がポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントのものは、圧縮耐久性が極めて良好であった。
【0028】
[実施例7〜9]
実施例1において、ダブルラッセル編機の釜間を2mm、8mm、12mmとした以外は実施例1と同様にして立体編物を得た。これらの立体編物を実施例1と同様にして畳床及び畳を作成した。得られ立体編物、畳床及び畳の各種特性を表1に示す。
釜間2mm(仕上げ厚さ1.6mm)の立体編物を用いた実施例7は防カビ性が若干低下するが、実施例8、9は優れた防カビ性を示した。
また、実施例9は圧縮耐久性及び歩行感に劣るものであった。
【0029】
[実施例10]
6枚筬を装備した9ゲージ、釜間6.5mmのダブルラッセル編機を用い、表側の編地を形成する筬(L1、L2)から500dtex/144フィラメントのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸を、連結糸用の筬(L3、L4)から440dtexのナイロン6モノフィラメントを、又、裏側の編地を形成する筬(L5、L6)から、500dtex/144フィラメントのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸を、L1、L3の筬に1イン1アウトの配列で、L2、L4の筬に1アウト1インの配列で、L5、L6の筬にオールインの配列で供給した。(編組織2)に示す編組織で、機上コース12コース/2.54cmの密度で生機を編成し、得られた生機を180℃×2分で乾熱ヒートセットを行い、14コース/2.54cm、9ウエール/2.54cm、厚さ4.2mmの立体編物を得た。
【0030】
(編組織2)
L1:2022/4644/
L2:4644/2022/
L3:2042/4624/
L4:4624/2042/
L5:2220/2224/
L6:4446/2220/
得られた立体編物の上部に2mm厚のアクリル版(タテヨコ方向に均等に5cm間隔で直径5mmの穴が空いたもの)、下部に15mm厚のインシュレーションボード(大建工業(株)社製)を積層し、縫製によって縫い合わせて畳床を得た。また、得られた畳床を実施例1と同様にして畳を得た。得られ立体編物、畳床及び畳の各種特性を表1に示す。
得られた畳床及び畳は優れた防カビ性を有しており、圧縮耐久性、歩行感ともに良好なものであった。
【0031】
[実施例11]
実施例10において、連結糸に用いる繊維に1090dtexのナイロン6モノフィラメントを用いた以外は実施例と同様にして、12コース/2.54cm、9ウエール/2.54cm、厚さ4.4mmの立体編物を得た。
得られた立体編物を実施例1と同様にして畳床及び畳を作成した。得られ立体編物、畳床及び畳の各種特性を表1に示す。
得られた畳床及び畳は優れた防カビ性を有していた。立体編物の25%圧縮硬さ及び連結糸の総断面積が高すぎるため歩行感が若干劣るものであった。
【0032】
[実施例12]
5枚筬を装備した22ゲージ、釜間6.5mmのダブルラッセル編機を用い、表側の編地を形成する筬(L1、L2)から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート原糸をいずれもオールインの配列で、連結糸用の筬(L3)から56dtexのナイロン6モノフィラメントをオールインの配列で、又、裏側の編地を形成する筬(L5、L6)から167dtex/48フィラメントのポリエチレンテレフタレート原糸をL5から2アウト3イン1アウトの配列で、L6から3イン1アウトの配列で供給した。(編組織3)に示す編組織で、機上コース28コース/2.54cmの密度で生機を編成し、得られた生機を180℃×2分で幅出しヒートを行い、33コース/2.54cm、22ウエール/2.54cm、厚さ4.1mmの立体編物を得た。
【0033】
(編組織3)
L1:2022/2422/
L2:4644/2000/
L3:2020/0202/
L5:4420/2224/2220/2224/4468/6664/
6668/6664/
L6:4468/6664/6668/6664/4420/2224/
2220/2224/
得られた立体編物を実施例1と同様にして畳床及び畳を作成した。得られ立体編物、畳床及び畳の各種特性を表1に示す。
得られた畳床及び畳は若干防カビ性に劣り、立体編物の連結糸がコース列方向に倒れ易いことが原因で立体編物の25%圧縮硬さが低すぎるため、歩行感が悪く、又、圧縮耐久性に劣るものであった。
【0034】
[比較例1]
一般に市販されている藁床を用い畳及び分解して得た畳床にて各種特性を評価し、その結果を表1に示すが、畳床及び畳共にカビの発生が酷いものであった。
【0035】
[比較例2]
実施例1で用いた発泡ポリエチレンと実施例10で用いたインシュレーションボードを縫い合わせて畳床を得た。得られた畳床を実施例1と同様にして畳を得た。
得られた畳床及び畳の各種特性を表1に示すが、畳床及び畳共にカビの発生が酷いものであった。
【0036】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、カビが発生し難い畳床及び畳として、一般建築資材、例えば和室用の畳や、フローリングの上に部分的に敷く畳クッション、畳ベッド、畳椅子等に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏二層の編地とこれらを連結する連結糸からなる立体編物が少なくとも一部に用いられていることを特徴とする畳床。
【請求項2】
立体編物の連結糸が30〜1000デシテックスのモノフィラメントからなり、立体編物の厚みが2〜10mmであり、かつ直径200mmの円盤により立体編物を25%圧縮する際の圧縮硬さが60〜600Nであることを特徴とする請求項1に記載の畳床。
【請求項3】
立体編物2.54cm平方(6.45cm)の面積中にある連結糸の本数をN(本/6.45cm)、連結糸の繊度(dtex)をD(g/1×10cm)、連結糸の比重をρ(g/cm)とした時、立体編物2.54cm平方(6.45cm)の面積中にある連結糸の総断面積(N・D/1×10・ρ)が0.02〜0.2cmであることを特徴とする請求項1または2に記載の畳床。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の畳床を用いた畳。

【公開番号】特開2008−121283(P2008−121283A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−306408(P2006−306408)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(303046303)旭化成せんい株式会社 (548)
【Fターム(参考)】