説明

疎水性に修飾された干渉顔料を含有するパーソナルケア組成物

本発明は、干渉顔料、分散された油相、及び連続水性相を含有するパーソナルケア組成物に関する。好ましくは、干渉顔料は、疎水性に修飾された干渉顔料である。本出願人は、顔料を疎水性に修飾されることは、洗い流せる組成物からの粒子の皮膚への付着を顕著に改善することを見出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外見及び角質表面の感触を改善するためのパーソナルケア組成物の分野に関する。より具体的には、本発明は、優れた皮膚の輝き、皮膚の保湿、及びコンディショニングを提供する、洗い流せるパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア組成物は周知であり広く用いられている。これらの組成物は、皮膚を洗浄し潤いを与え、活性物質を送達し、欠点を隠し、及び皮脂に関連した油っぽさ/てかりを減らすために長い間採用されてきた。パーソナルケア組成物はまた、皮膚の色及び外見を変えるために用いられてきた。
【0003】
これらの組成物は、皮膚のてかり又は赤味を減らすために、また皺のような皮膚の欠点を隠すために、一般に有機又は無機粒子状物質を組み込む。例えば、乳濁液は、白い外見を乳濁液に提供するために、TiO2を白濁剤として含有してもよい。幾つかの公報がまた、パーソナルケア組成物中のTiO2の使用を開示してきた。例えば、米国特許第5,223,559号、及びJP08188723を参照のこと。更に、R・エメルト(R.Emmert)は、即時の目に見える改善を消費者に与える製品を配合するために、光学的手段を用いることへの展望を述べている(ラルフ・エメルト博士(Dr.Ralf Emmert)、軟焦点効果の定量化(Quantification of the Soft-Focus Effect)、化粧品及び洗浄用品(Cosmetics & Toiletries)、111巻、1996年7月、57〜61ページ)。エメルト(Emmert)は、TiO2のような反射物質を皮膚線に機械的に充填できることを開示している。しかしながら、エメルト(Emmert)は、こうした反射物質は望ましくない仮面のような外見を結果としてもたらすことを開示している。
【0004】
真珠光沢の効果を達成するために、干渉顔料は美容用途のために用いられてきた。銀のような、真珠のような効果を有する顔料を生じるために、二酸化チタンを様々な厚さでコーティングされた雲母が用いられてきた。例えば、米国特許第3,087,829号、及び米国特許第3,123,490号を参照のこと。後の教示は、光輝く艶及び広範囲の干渉色及び多色効果を有する顔料を結果としてもたらす、薄膜の光学の使用について開示している。米国特許第6,132,873号、及び米国特許第4,323,544号を参照のこと。
【0005】
干渉顔料は、着色化粧品及びスキンケアが、艶及び着色効果を提供するために開発されてきた。JP11193215、PCT国際公開特許WO9924001、及びPCT国際公開特許WO200174979を参照のこと。しかしながら、干渉顔料の表面は親水性であるため、それらは存在するいずれかの水性相中に残留する。結果として、それらは組成物中に存在するいずれかの油相とは交わらない。これは多くの場合、真珠層のような外見を製品に与えるために、顔料の均一な分散が望まれる場合には望ましい特性である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先行技術の組成物及び開示は、パーソナルケア組成物の技術分野における有用な進歩を提供するものの、外見及び皮膚の感触に即時の改善を送達し、身体のすべての部分に有効に付着する改善した洗い流し組成物への要求がなお存在する。組成物はまた、脂っぽくなく適用しやすいことが必要である。そのため、すべての皮膚の質を通じて輝きを増すために、独特なレベルの光の反射率及び色のずれを提供するために、選択されたレベル及びブレンドの干渉顔料を含む、局所用の洗い流し組成物を提供することは望ましい。更に、皮膚の輝き及び艶を最大にするために、干渉顔料を含むパーソナルケア組成物を提供することは望ましい。皮膚の潤いを有効に提供するパーソナルケア組成物を提供することはまた望ましい。上記のスキンコンディショニング及び外見の効果を、シャワー又は入浴中のローションを介して送達することは更に望ましい。残念ながら、シャワー/入浴中に、保湿剤は皮膚から容易に洗い流されることが多い。界面活性剤が存在する場合、このことは特に当てはまる。そのため、洗い流しの環境において、外見及び皮膚の感触のための粒子を有効に付着できる組成物への要求がなお存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、修飾された干渉顔料及び分散された相を含有する洗い流せるパーソナルケア組成物が、シャワー及び/又は入浴中に干渉顔料及び/又は他の皮膚有益剤を有効に付着させることを驚くべきことに発見した。更に、本発明者は、修飾された干渉顔料が、すべての皮膚の質を通じて輝きを提供することを発見した。本発明はパーソナルケア組成物を提供し、これは更に皮膚有益剤を含んでもよい。パーソナルケア組成物は光る粒子及び皮膚に適合性のある油相を含有する。好ましくは、光る粒子は疎水性に修飾された干渉顔料である。これらの組成物は、適用中及び/又は適用後に改善された皮膚の外見、美観及び皮膚の感触を提供し、並びに皮膚の所望区域に改善された付着を提供するのに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
指示がない限り、本明細書で使用するすべての百分率及び割合は、全組成物の重量によるものであり、測定はすべて25℃で実施する。
【0009】
本発明の組成物は、本明細書に記載された必須の並びに任意の成分及び構成成分を含むことができ、それらから本質的に成ることができ、又はそれらから成ることができる。本明細書で使用するとき、「から本質的に成る」とは、組成物又は構成成分が追加の成分を包含してもよいが、追加の成分が特許請求した組成物又は方法の基本的及び新規な特性を実質的に変更しない場合に限ることを意味する。その他の一般的なパーソナルケア物質を、本発明の物質を変更せずに組み込めることは、当業者に明らかである必要がある。
本明細書で引用するすべての刊行物は、その全体を参考として本明細書に組み込む。
【0010】
本明細書で使用するとき、「干渉顔料」という用語は、粒子基体物質(一般に小板状体の形状である)の表面を薄膜でコーティングすることにより調製される真珠光沢を有する顔料を意味する。薄膜は高屈折率を有する透明又は半透明な物質である。より高い屈折率の物質は、小板状体基体/コーティング層の境界面からの入射光線の反射と、コーティング層の表面からの入射光線の反射との間の相互干渉作用の結果として生じる真珠光沢を示す。
【0011】
本明細書で使用するとき、「疎水性に修飾された干渉顔料」又は「HMIP」という用語は、干渉顔料の表面の部分が疎水性物質によりコーティングされていることを意味する。
【0012】
本明細書で使用するとき、「ゲル網状組織」という用語は、脂肪族アルコール及び親水性界面活性剤から構成される乳化系を意味する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「洗い流せる組成物」という用語は、水のような液体により洗い流されるように設計された組成物を意味する。組成物が洗い流された後、顔料は皮膚に付着され、皮膚の輝きが実現される。
【0014】
本明細書で使用するとき、「局所適用」という用語は、本発明の組成物を皮膚表面に適用すること又は塗り広げることを意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「皮膚科学的に許容可能」という用語は、そのように記載される組成物又はそれらの構成成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応などを示すことなくヒトの皮膚に接触させて用いるのに好適であることを意味する。
【0016】
本明細書で使用するとき、「安全且つ有効な量」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、明白な効果、好ましくは明白な皮膚の外見又は感触の効果(これらの効果には、本明細書に開示される効果が独立して包含される)を顕著に誘導するのに十分であるが、重篤な副作用を回避する程十分に低い、即ち、合理的な利益対危険性比を提供する化合物、構成成分、又は組成物の量を意味する。
【0017】
本明細書で有用な活性物質及び他の成分は、美容上及び/若しくは治療上の効果によって、又はそれらの前提とされる作用様式によって分類され又は本明細書に記載されてもよい。しかしながら、本明細書で有用な活性物質及び他の成分は、場合によっては美容上及び/若しくは治療上の1を超える効果を提供できること、又は1を超える作用様式を介して機能できることを理解すべきである。それゆえ、本明細書での分類は便宜上のことであって、成分を特定の適用又は列記された適用に限定しようとするものではない。
【0018】
本発明の組成物は局所適用について、及び角質表面上に組成物を洗い流した後の皮膚の外見について本質的に即時の(即ち、急性の)目に見える改善を提供することについて有用である。理論に束縛されるものではないが、この急性の皮膚の外見の改善は、少なくとも部分的には、疎水性に修飾された干渉顔料による皮膚の欠点の治療的被覆又はマスキングの結果としてもたらされると考えられている。本組成物は、皮膚の白化のような許容できない皮膚の外見を付与することなく、目に見える効果を提供する。
【0019】
より具体的には、本発明の組成物は、目に見える及び/又は触知できる皮膚の不連続性の調整を包含する、皮膚状態の調整に有用であり、前記不連続性は、目に見える及び/又は触知できる皮膚組織及び/又は肌色の不連続性、とりわけ皮膚の老化による不連続性を包含するがこれらに限定されない。こうした不連続性は、内因性及び/又は外因性因子により誘発される又は引き起こされる場合がある。外因性因子には、紫外線放射(例えば、日光暴露による)、環境汚染、風、熱、低湿度、強力な界面活性剤、研磨剤などが挙げられる。内因性因子には、経年的老化及びその他の皮膚内部からの生化学的変化が挙げられる。
【0020】
(分散された油相)
分散された油相は、皮膚に適合性のある油を含む。定義により、分散された相は、外相に無視できるほどの溶解度を有し、組成物中に離散粒子として存在する。分散された油相は、好ましくは、組成物の約80重量%以下、より好ましくは約70重量%以下、なおより好ましくは約60重量%以下、なおより好ましくは約50重量%以下の分散された油相を含む。分散された油相は、好ましくは組成物の少なくとも約1重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%、更により好ましくは少なくとも約7重量%、なおより好ましくは少なくとも10重量%を構成する。
【0021】
剪断指数は、本明細書に記載される脂質レオロジー法に記載されるように、物質がどれほどずり減粘であるかの尺度である。皮膚に適合性のある油が、その組成物又は加えられる場合がある構造剤のいずれかのおかげで、ずり減粘であることは好ましい。好ましくは、分散された油相の剪断指数は、好ましくは0.9未満、より好ましくは0.75未満、更により好ましくは0.6未満、更により好ましくは0.45未満、なおより好ましくは0.3未満である。
【0022】
(皮膚に適合性のある油)
皮膚に適合性のある油は、本明細書では、入浴が行われる温度で液体又は半固体であり、皮膚に不活性であるか又は実際に有益であるかのいずれかであって、化粧品に用いるのに安全であると見なされる油として定義される。本発明に用いるのに最も有用な皮膚に適合性のある油には、エステル油、炭化水素油、及びシリコーン油が挙げられる。
【0023】
エステル油は、名前が示唆するように、少なくとも1つのエステル基を分子中に有する。本発明に有用な一般的なエステル油の1つの種類は、脂肪酸モノ及びポリエステル、例えばセチルオクタノエート、オクチルイソナノアネート(octyl isonanoanate)、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルアジパート、ブチルステアレート、デシルオレエート、コレステロールイソステアレート、グリセロールモノステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールトリステアレート、アルキルラクテート、アルキルシトレート、及びアルキルタータラート;スクロースエステル及びポリエステル、ソルビトールエステルなどである。
【0024】
第2の種類の有用なエステル油は、主にトリグリセリド及び変性トリグリセリドから構成される。これらには、植物油、例えばホホバ油、大豆油、キャノーラ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、コメヌカ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、杏仁油、ヒマシ油、ココヤシ油、及びミンク油が挙げられる。合成のトリグリセリドもまた、それらが室温で液体であることを条件として採用することができる。変性トリグリセリドには、エトキシル化された及びマレアート化されたトリグリセリド誘導体のような物質が、それらが液体であることを条件として挙げられる。登録商標権を有するエステルブレンド、例えばファインテックス(Finetex)によりファインソルブ(Finsolv)として販売されるようなものもまた好適であり、エチルヘキサン酸グリセリドのようなものである。
【0025】
第3の種類のエステル油は、ジカルボン酸とジオールとの反応により形成される液体ポリエステルである。本発明に好適なポリエステルの例は、エクソン・モービル(ExxonMobil)により商品名ピュアシンエステル.RTM(PURESYN ESTER.RTM)として市販されるポリエステルである。
【0026】
本発明に好適な第2の部類の皮膚に適合性のある油は、液体及び半固体炭化水素である。これらには、直鎖及び分枝鎖油、例えば液体パラフィン、スクアレン、スクアラン、鉱油、低粘度合成炭化水素、例えばエクソン・モービル(ExxonMobi)により商品名ピュアシンPAO(PURESYN PAO)として販売されるポリαオレフィン、及び商品名パナレイン(PANALANE)又はインドポール(INDOPOL)としてのポリブテンが挙げられる。軽い(低粘度)高分枝鎖炭化水素油もまた好適である。
【0027】
ワセリンは、独特の炭化水素物質であって、本発明の有用な構成成分である。その半固体の性質は、製造において、及び配合者によってその他の油とブレンドすることにより制御され得る。
【0028】
第3の部類の有用な皮膚に適合性のある油は、シリコーン系である。それらには、直鎖及び環状ポリジメチルシロキサン、有機官能性シリコーン(アルキル及びアルキルアリール)、及びアミノシリコーンが挙げられる。
【0029】
(干渉顔料)
干渉顔料は、真珠光沢を有する顔料であり、粒子基体物質の表面を薄膜によりコーティングすることによって調製される。粒子基体物質は、一般に小板状体の形状である。薄膜は高屈折率を有する透明又は半透明な物質である。高屈折率の物質は、小板状体基体/コーティング層の境界面からの入射光線の反射と、コーティング層の表面からの入射光線の反射との間の相互干渉作用の結果として生じる真珠光沢を示す。パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは、組成物の約20重量%以下、より好ましくは約10重量%以下、更により好ましくは約7重量%以下、なおより好ましくはパーソナルケア組成物の約5重量%以下を構成する。パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは、パーソナルケア組成物の少なくとも約0.01重量%、より好ましくは少なくとも約0.05重量%、更により好ましくは少なくとも約0.1重量%、なおより好ましくは組成物の少なくとも約0.2重量%を構成する。
【0030】
顔料付着テープストリップ法(以下)に記載されるように顔料が適用され洗い流されるとき、皮膚に付着した顔料は、少なくとも0.5μg/cm2、より好ましくは少なくとも1μg/cm2、最も好ましくは少なくとも5μg/cm2である。
【0031】
本発明の実施形態では、干渉顔料表面は疎水性であるか、又は疎水性に修飾されたかのいずれかである。本発明の粒子接触角試験を用いて干渉顔料の接触角を決定する。接触角が大きければ大きいほど、干渉顔料の疎水性は大きくなる。本発明の干渉顔料は、少なくとも60度、より好ましくは80度を超える、更により好ましくは100度を超える、なおより好ましくは110度を超える、更になおより好ましくは120度を超える、更になおいっそうより好ましくは130度を超える、更になおいっそうより好ましくは140度を超える、更になおいっそうより好ましくは180度を超える接触角を所有する。疎水性に修飾された干渉顔料即ちHMIPは、HMIPの分散された相内への取り込み、HMIPのより大きい付着を可能にする。本発明の好ましい実施形態では、本発明はHMIP及び分散された油相の両方を含有する。好ましくは、HMIPと分散された油相との比は1:1〜約1:70、より好ましくは1:2〜約1:50、なおより好ましくは1:3〜約1:40、最も好ましくは1:7〜約1:35である。
【0032】
製品に配合されるとき、HMIPは、好ましくは分散された油相内に取り込まれる。これは、油相の粒径が一般にHMIPより大きいことを必要とする。本発明の好ましい実施形態では、油相粒子は1油粒子当たりほんの少数のHMIPを含有する。好ましくは、これは20未満、より好ましくは10未満、最も好ましくは5未満である。これらのパラメータ、油滴のHMIPに対する相対的な大きさ、及び分散された油粒子当たりのHMIP粒子の適切な数は、光学顕微鏡使用による目視検査を用いて決定することができる。
【0033】
HMIP及び油は、プレミックスを介して、又は別個に、組成物に混合することができる。別個に加える場合、疎水性顔料は、処方の処理中に油相内に分配する。本発明のHMIPは、好ましくは、全粒子重量の約20重量%以下、より好ましくは約15重量%以下、更により好ましくは約10重量%以下を含む疎水性コーティングを有する。本発明のHMIPは、好ましくは、全粒子重量の少なくとも約0.1重量%、より好ましくは少なくとも約0.5重量%、更により好ましくは少なくとも約1重量%を含む疎水性コーティングを有する。本明細書で有用な疎水性表面処理の非限定例には、シリコーン、アクリレートシリコーンコポリマー、アクリレートポリマー、アルキルシラン、イソプロピルチタニウムトリイソステアレート、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸マグネシウム、ペルフルオロアルコールホスフェート、ペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテル、レシチン、カルナウバワックス、ポリエチレン、キトサン、ラウロイルリシン、植物脂質抽出物、及びこれらの混合物が挙げられ、好ましくはシリコーン、シラン、及びステアレートが挙げられる。表面処理企業には、USコスメティックス(US Cosmetics)、コボ・プロダクツ社(KOBO Products Inc.)、及びカードレ社(Cardre Inc.)が挙げられる。
【0034】
本発明の干渉顔料は、小板状体粒子状物質である。パーソナルケア組成物の小板状体粒子状物質は、好ましくは約5μm以下、より好ましくは約2μm以下、なおより好ましくは約1μm以下の厚さを有する。パーソナルケア組成物の小板状体粒子状物質は、好ましくは少なくとも約0.02μm、より好ましくは少なくとも約0.05μm、更により好ましくは少なくとも約0.1μm、なおより好ましくは少なくとも約0.2μmの厚さを有する。
【0035】
粒径は不透明度及び艶を決定する。粒径は、粒子状物質の直径厚さを測定することにより決定する。本明細書で使用するとき、「直径」という用語は、粒子状物質の長軸にわたる最大距離を意味する。直径は、当該技術分野において既知のいずれかの好適な方法、例えばマルバーン・インスツルメンツ(Malvern Instruments)により製造された粒径分析器マスターサイザー(Mastersizer)2000によって決定することができる。パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは約200μm以下の、より好ましくは100μm以下の、更により好ましくは約80μm以下の、なおより好ましくは約60μm以下の平均直径を有する。パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは少なくとも約0.1μm、より好ましくは少なくとも約1.0μm、更により好ましくは少なくとも約2.0μm、なおより好ましくは少なくとも約5.0μmの直径を有する。
【0036】
パーソナルケア組成物の干渉顔料は、多層構造を含む。粒子状物質の中央は、通常は1.8未満の屈折率(RI)を有する平らな基体である。多種多様の粒子基体が本明細書で有用である。非限定例は、天然雲母、合成雲母、グラファイト、タルク、カオリン、アルミナフレーク、オキシ塩化ビスマス、シリカフレーク、ガラスフレーク、セラミック、二酸化チタン、CaSO4、CaCO3、BaSO4、ボロシリケート、及びこれらの混合物であり、好ましくは雲母、シリカ、及びアルミナフレークである。
薄膜の一層又は薄膜の多層が、上記の基体表面上にコーティングされる。薄膜は高屈折物質から製造される。これらの物質の屈折率は、通常は1.8を超える。
【0037】
多種多様の薄膜が本明細書で有用である。非限定例は、TiO2、Fe23、SnO2、Cr23、ZnO、ZnS、ZnO、SnO、ZrO2、CaF2、Al23、BiOCl、及びこれらの混合物であり、又は別個の層の形態では、好ましくはTiO2、Fe23、Cr23、SnO2である。多層構造については、薄膜はすべて高屈折率物質から成ることができるか、又は最上層として高RI被膜を有する、高及び低RI物質を有する薄膜の交互の配列であることができる。
【0038】
干渉色は、薄膜の厚さの関数であり、具体的な色についての厚さは異なる物質について異なってもよい。TiO2について、40nm〜60nmの層又はその整数倍は銀色を与え、60nm〜80nmは黄色、80nm〜100nmは赤色、100nm〜130nmは青色、130nm〜160nmは緑色を与える。干渉色に加えて、その他の透明な吸収顔料は、TiO2層の最上部に、又はそれと共に沈殿することができる。一般的な物質は、弁柄又は黒酸化鉄、フェロシアン化第二鉄、酸化クロム又はカルミンである。その光度に加えて干渉顔料の色は、皮膚の色調のヒトの知覚に顕著な影響を及ぼすことが見出された。一般に、好ましい色は、銀、金、赤、緑、及びこれらの混合物である。
【0039】
本明細書で有用な干渉顔料の非限定例には、パースパース社(Persperse,Inc.)より商品名プレスティージ(PRESTIGE)(登録商標)、フロナク(FLONAC)(登録商標)として供給されるもの;EMDケミカルズ社(EMD Chemicals,Inc.)より商品名ティミロン(TIMIRON)(登録商標)、カラロナ(COLORONA)(登録商標)、ディクロナ(DICHRONA)(登録商標)、及びキシロナ(XIRONA)(登録商標)として供給されるもの;及びエンゲルハード社(Engelhard Co.)より商品名フラメンコ(FLAMENCO)(登録商標)、ティミカ(TIMICA)(登録商標)、デュオクローム(DUOCHROME)(登録商標)として供給されるものが挙げられる。
【0040】
(水性相)
本発明の連続水性相は、好ましくは、流体の90重量%以下、より好ましくは80%以下、更により好ましくは70%以下、なおより好ましくは60%以下を構成する。本発明の連続水性相は、好ましくは、流体の少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20%、更により好ましくは少なくとも30%、なお更には流体の少なくとも40%を構成する。本明細書で使用するとき、「流体」という用語は、水、一価及び多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、エタノール、イソプロパノールなど)、又は水混和性のいずれかの物質を意味する。「連続」相はまた、当業者により「外」相として記載される。
【0041】
(任意成分)
本発明の組成物は1つ以上の追加のスキンケア構成成分を含有してもよい。組成物がヒトのケラチン組織に接触される好ましい実施形態では、追加構成成分はケラチン組織への適用に好適であるべきであり、即ち、組成物中に組み込まれたときに、それらは、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを示すことなく、ヒトのケラチン組織に接触させて用いるのに好適である。
【0042】
「CTFA化粧品原料便覧(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook)」、第2版(1992年)には、パーソナルケアに関連する業界で通常使用される様々な非限定的な化粧品及び医薬品の成分が記載されており、それらは本発明の組成物への使用に好適である。
【0043】
本発明のいずれの実施形態においても、しかしながら、本明細書で有用な追加の構成成分を、それらが提供する効果によって、又はそれらの前提とされる作用様式によって分類することができる。しかしながら、本明細書で有用な追加の構成成分は、場合によっては1を超える効果を提供できること、又は1を超える作用様式を介して機能できることを理解するべきである。それゆえ、本明細書での分類は、便宜上のことであって、活性物質を特定の適用又は列記された適用に限定しようとするものではない。
【0044】
(構造剤(Structurants))
本発明は、任意に油構造剤を含んでもよい。構造剤は分散された相に的確なレオロジー特性を提供することができる。これは、皮膚への有効な付着及び保持を提供するのを助けることができ、構造化された油又は油相は、以下に記載される脂質レオロジー法を用いて決定されるとき、1s−1で測定して1〜約20,000Pa・s(100〜約200,000ポアズ)、好ましくは2〜約10,000Pa・s(200〜約100,000ポアズ)、最も好ましくは2〜約5,000Pa・s(200〜約50,000ポアズ)の範囲の粘度を有するべきである。この粘度を生成するために必要な構造剤の量は、油及び構造剤によって変化するが、一般に構造剤は、好ましくは分散された油相の75重量%未満、より好ましくは50重量%未満、なおより好ましくは分散された油相の35重量%未満である。
【0045】
構造剤は、有機又は無機のいずれかの構造剤であり得る。本発明に好適な有機増粘剤の例は、固体脂肪酸エステル、天然又は変性脂肪、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アルコール、天然及び合成ワックス、及びワセリン、及びシェル(Shell)より名称クラトン(KRATON)として販売されるブロックコポリマーである。無機構造剤には、疎水性に修飾されたシリカ又は疎水性に修飾された粘土が挙げられる。無機構造剤の非限定例は、レオックス(Rheox)からのベントン(BENTONE)27V、ベントン(BENTONE)38V、又はベントン・ゲルMIO V(BENTONE GEL MIO V);及びキャボット・コーポレーション(Cabot Corporation)からのキャボシール(CAB-O-SIL)TS720、又はキャボシール(CAB-O-SIL)M5である。
【0046】
選択された皮膚に適合性のある油に関して上記の必要条件を満たす構造剤は、選択された油の粘度を構築するために三次元網状組織を形成することができる。こうした構造化された油相、即ち、三次元網状組織を有する構造は、入浴中に用いられる濡れた皮膚用のトリートメント組成物として用いるのに極めて望ましいことが見出されている。これらの構造化された油は、濡れた皮膚に非常に有効に付着し保持されることができ、洗い流し及び乾燥後も保持されて、洗浄後に長続きする皮膚の効果を、過度に油っぽい/脂っぽい濡れた感触及び乾いた感触を生じることなく提供することができる。こうした構造化された油の使用中及び使用後の非常に望ましい特性は、それらのずり減粘レオロジー特性及び網状組織の弱い構造によるものであると考えられている。その高い低剪断粘度により、三次元網状組織構造化油は、スキンコンディショナーの適用中に皮膚によくくっ付き及び保持されることができる。結晶の網状組織の弱い構造化及びその更に低い高剪断粘度により、皮膚に付着された後に擦る間に網状組織は容易に生じる。
【0047】
(界面活性剤)
分散された相の乳化のため、並びに許容できる拡散及び非発泡性系の使用中の特性を提供するための両方のために、多種多様な界面活性剤が本明細書で有用であり得る。クレンジング用途については、界面活性剤相はまた皮膚を洗浄し、許容できる量の泡をユーザーに提供する役目をする。本組成物は、好ましくは、約50重量%以下の界面活性剤、より好ましくは約30重量%以下、なおより好ましくは約15重量%以下、更により好ましくは約5重量%以下の界面活性剤を含有する。本組成物は、好ましくは少なくとも約5重量%の界面活性剤、より好ましくは少なくとも約3重量%、なおより好ましくは少なくとも約1重量%、更により好ましくは少なくとも約0.1重量%の界面活性剤を含有する。クレンジング用途については、パーソナルケア組成物は、発泡体積試験に記載されるように、好ましくは少なくとも300ml、より好ましくは600mlを超える全発泡体積を生成する。パーソナルケア組成物は好ましくは、発泡体積試験に記載されるように、少なくとも100ml、好ましくは200mlを超える、より好ましくは300mlを超える瞬間発泡体積を生成する。
【0048】
好ましい界面活性剤には、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非発泡性界面活性剤、乳化剤、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。本発明の組成物に有用な界面活性剤の非限定例は、米国特許第6,280,757号(マクエイティ(McAtee)ら、2001年8月28日発行)に開示されている。
【0049】
A)陰イオン性界面活性剤
本発明の組成物に有用な陰イオン性界面活性剤の非限定例は、マカッチャン(McCutcheon)の「洗剤及び乳化剤(Detergent sand Emulsifiers)」、北アメリカ版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版;マカッチャンの「機能材料(Functional Materials)」、北アメリカ版(1992年);及び米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)に開示されている。
【0050】
多種多様な陰イオン性界面活性剤が、本明細書で有用である。陰イオン性界面活性剤の非限定例には、サルコシネート、サルフェート、イセチオネート、タウレート、ホスフェート、ラクチレート、グルタメート、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。イセチオネートの中では、アルコイルイセチオネートが好ましく、サルフェートの中では、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートが好ましい。
【0051】
本明細書で有用なその他の陰イオン性物質は、脂肪酸の石鹸(即ち、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)であり、典型的には約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約20個の炭素原子を有する脂肪酸を有する。石鹸を製造する際に用いられるこれらの脂肪酸は、例えば、植物由来又は動物由来のグリセリド(例えば、パーム油、ココヤシ油、大豆油、ヒマシ油、タロー、ラードなど)のような天然源から得ることができる。脂肪酸はまた、合成的に調製することもできる。石鹸及びそれらの調製については、米国特許第4,557,853号に、より詳細に記載されている。
【0052】
その他の陰イオン性物質には、モノアルキルホスフェート、ジアルキルホスフェート、及びトリアルキルホスフェート塩のような、ホスフェートが挙げられる。本明細書で有用な好ましい陰イオン性発泡性界面活性剤の非限定例には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、セチル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム(sodium lauroyl lactylate)、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン(triethanolamine lauroyl lactylate)、カプロイル乳酸ナトリウム(sodium caproyl lactylate)、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、及びココイルグルタミン酸ナトリウム、並びにこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0053】
本明細書に用いるのに特に好ましいのは、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム(sodium lauroyl lactylate)、及びラウロイル乳酸トリエタノールアミン(triethanolamine lauroyl lactylate)である。
【0054】
B)非イオン性界面活性剤
本発明の組成物に用いる非イオン性界面活性剤の非限定例は、マカッチャン(McCutcheon)の「洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)」、北アメリカ版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版;及びマカッチャンの「機能材料(Functional Materials)」、北アメリカ版(1992年)に開示されている。
【0055】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤には、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、スクロースエステル、アミンオキシド、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0056】
本明細書に用いるのに好ましい非イオン性界面活性剤の非限定例は、C8〜C14グルコースアミド、C8〜C14アルキルポリグルコシド、スクロースココエート、スクロースラウレート、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシド、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。
【0057】
C)両性界面活性剤
本明細書で使用するとき、「両性界面活性剤」という用語はまた、双極性界面活性剤を包含することも意図されており、これは当該技術分野の熟練の配合者には両性界面活性剤のサブセットとして周知である。
【0058】
本発明の組成物では、多種多様な両性発泡性界面活性剤を使用することができる。特に有用であるのは、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記述されているものであり、好ましくは窒素が陽イオン状態で、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができ、ラジカルの1つがイオン性の水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有するものである。
【0059】
本発明の組成物に有用な両性界面活性剤の非限定例は、マカッチャン(McCutcheon)の「洗剤及び乳化剤(Detergents and Emulsifiers)」、北アメリカ版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版;及びマカッチャンの「機能材料(Functional Materials)」、北アメリカ版(1992年)に開示されている。
【0060】
双極性界面活性剤の非限定例は、ベタイン、スルタイン、ヒドロキシスルタイン、アルキルイミノアセテート、イミノジアルカノエート、アミノアルカノエート、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。
【0061】
本明細書に用いるのに好ましい界面活性剤は、次の通りであり、陰イオン性界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸アンモニウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム(sodium lauroyl lactylate)、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン(triethanolamine lauroyl lactylate)、及びこれらの混合物から成る群から選択され、非イオン性界面活性剤は、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシド、デシルポリグルコース、ラウリルポリグルコース、スクロースココエート、C12〜14グルコサミド(glucosamides)、スクロースラウレート、及びこれらの混合物から成る群から選択され;並びに両性界面活性剤は、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、セチルジメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0062】
D)非発泡性界面活性剤
多種多様な非発泡性界面活性剤が本明細書で有用である。本発明の組成物は、分散された相を乳化して適切な粒径及び濡れた皮膚への良好な適用特性を生じるために、十分な量の1つ以上の非発泡性界面活性剤を含むことができる。
【0063】
これらの非発泡性組成物の非限定例は、ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリエチレングリコール5大豆ステロール、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ポリソルベート80、セチルホスフェート、カリウムセチルホスフェート、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ポリソルベート60、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレエート(ポリソルベート85)、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン4ラウリルエーテルナトリウムステアレート、ポリグリセリル−4−イソステアレート、ヘキシルラウレート、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ジエタノールアミンセチルホスフェート、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート、及びこれらの混合物である。
【0064】
E)乳化剤系
更に、幾つかの実施形態で有用な、幾つかの市販の乳化剤混合物がある。例としては、ISPからのプロリピッド(PROLIPID)141(グリセリルステアレート、ベヘニルアルコール、パルミチン酸、ステアリン酸、レシチン、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、及びセチルアルコール)、及び151(グリセリルステアレート、セテアリルアルコール、ステアリン酸、1−プロパナミウム(1-propanamium)、3−アミノ−N−(2−(ヒドロキシエチル)−N−N−ジメチル,N−C(16〜18)アシル誘導体、クロライド);クローダ(Croda)からのポラワックスNF(POLAWAX NF)(乳化ワックスNF(Emulsifying wax NF))、インクロクアットベヘニルTMS(INCROQUAT BEHENYL TMS)(ベヘントリモニウムサルフェート及びセテアリルアルコール);並びにガットフォセ(Gattefosse)からのエマルリウム・デルタ(EMULLIUM DELTA)(セチルアルコール、グリセリルステアレート、ポリエチレングリコール−75ステアレート、セテス−20及びステアレス−20)が挙げられる。
【0065】
増粘/水性相安定剤
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、1つ以上の増粘/水性相安定剤を更に包含してもよい。異なる安定剤が、異なる効率により増粘するため、正確な組成範囲を提供することは困難であるが、存在する場合、この組成はパーソナルケア組成物の、好ましくは約10重量%以下、より好ましくは約8重量%以下、なおより好ましくは約7重量%以下を構成する。存在する場合、増粘/水性相安定剤は、好ましくはパーソナルケア組成物の少なくとも約0.01重量%、より好ましくは少なくとも約0.05重量%、なおより好ましくは少なくとも約0.1重量%を構成する。安定剤を表現するのにより良い方法は、それは製品中に粘度を構築しなくてはならないということである。これは、安定剤粘度試験を用いて測定することができる。好ましくは、安定剤はこの試験において、少なくとも1Pa・s(1000cps)、より好ましくは少なくとも1.5Pa・s(1500cps)、なおより好ましくは少なくとも2Pa・s(2000cps)の粘度を生成する。
【0066】
本明細書で有用な増粘剤の非限定例として、カルボマー(例えば、商品名カルボポール(CARBOPOL)(登録商標)900シリーズとしてB.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)から市販されているもの;例えば、カルボポール(CARBOPOL)(登録商標)954)などのカルボン酸ポリマーが挙げられる。その他の好適なカルボン酸ポリマー剤には、C10〜30アルキルアクリレートと1つ以上のアクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー、又はこれらの短鎖(即ちC1〜4アルコール)エステルの1つのモノマーとのコポリマーが挙げられ、架橋剤は、スクロース又はペンタエリトリトール(pentaerytritol)のアリルエーテルである。これらのコポリマーは、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマーとして知られ、カルボポール(CARBOPOL)(登録商標)1342、カルボポール(CARBOPOL)(登録商標)1382、ペムレン(Pemulen)TR−1、及びペムレンTR−2としてB.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)より市販されている。
【0067】
増粘剤のその他の非限定例には、陽イオン性及び非イオン性ポリマーの両方を包含する架橋ポリアクリレートポリマーが挙げられる。
増粘剤のなおその他の非限定例には、ポリアクリルアミドポリマー、特に置換分枝又は非分枝ポリマーを包含する非イオン性ポリアクリルアミドポリマーが挙げられる。これらのポリアクリルアミドポリマーの中でも、CTFA表記ポリアクリルアミド及びイソパラフィン及びラウレス−7を与えられた非イオン性ポリマーがより好ましく、商品名セピゲル(SEPIGEL)305としてセピック・コーポレーション(Seppic Corporation)(米国ニュージャージー州フェアフィールド)より市販されている。本明細書で有用なその他のポリアクリルアミドポリマーには、アクリルアミド及び置換アクリルアミドと、アクリル酸及び置換アクリル酸との、多元ブロックコポリマーが挙げられる。このような多元ブロックコポリマーの市販例としては、リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals,Inc.)(ニュージャージー州パターソン)のハイパン(Hypan)SR150H、SS500V、SS500W、SSSA100Hが挙げられる。
【0068】
本明細書で有用な増粘剤の別の非限定の部類は、多糖類である。多糖類ゲル化剤の非限定例として、セルロース及びセルロース誘導体から選択されるものが挙げられる。アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテルの中で好ましいのは、CTFA表記セチルヒドロキシエチルセルロースを与えられた物質であり、それはセチルアルコールとヒドロキシエチルセルロースのエーテルであり、商品名ナトロセル(NATROSEL)(登録商標)CSプラス(CS Plus)としてアクアロン・コーポレーション(Aqualon Corporation)(デラウェア州ウィルミントン)から販売されている。その他の有用な多糖類には、3単位毎に(1〜6)結合グルコースを有する(1〜3)結合グルコース単位の直鎖である、スクレログルカンが挙げられ、その市販例が、マイケル・メルシエ・プロダクツ社(Michel Mercier Products Inc.)(ニュージャージー州マウンテンサイド)のクレアロゲル(CLEAROGEL)(商標)CS11である。
【0069】
本明細書で有用な増粘剤の別の非限定の部類は、ゴム類である。本明細書で有用なゴム類の非限定例として、ヘクトライト、水和シリカ、キサンタンガム、及びこれらの混合物が挙げられる。
本明細書で有用な増粘剤の更に別の非限定の部類は、改質デンプンである。グレイン・プロセッシング・コーポレーション(Grain Processing Corporation)からのウォーターロック(WATERLOCK)(登録商標)のようなアクリレート改質デンプンを使用してもよい。ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート、ナショナル・スターチ(National Starch)からの商品名ストラクチャー(STRUCTURE)XLは、有用な改質デンプンの別の例であり、その他の有用な例には、クラリアント(Clariant)からのアリストフレックス(ARISTOFLEX)HMB(アンモニウムアクリロジメチルタルエート(Ammonium Acrylodimethyltaruate)/ベヘネス−25メタクリレートクロスポリマー)及び陽イオン性スタビレン(stabylens)が挙げられる。
【0070】
(陽イオン性ポリマー)
本発明はまた、有機陽イオン沈着ポリマーを含有してもよく、陽イオン沈着ポリマーの濃度は、好ましくは、パーソナルケア組成物の約0.025重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の範囲である。
【0071】
本発明に用いるのに好適な陽イオン沈着ポリマーは、第四級アンモニウム、又は陽イオン性のプロトン化アミノ部分のような陽イオン性の窒素含有部分を含有する。陽イオン性プロトン化アミンは、パーソナルクレンジング組成物の特定の種類及び選択されたpHによって決まり、第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン(好ましくは第二級又は第三級)であることができる。陽イオン性沈着ポリマーの平均分子量は、約5,000〜約10,000,000、好ましくは少なくとも約100,000、より好ましくは少なくとも約200,000であるが、好ましくは約2,000,000以下、より好ましくは、約1,500,000以下である。ポリマーはまた、陽イオン電荷密度がパーソナルクレンジング組成物の意図された使用のpHにおいて約0.2meq/g〜約5meq/gの範囲、好ましくは少なくとも約0.4meq/g、より好ましくは少なくとも約0.6meq/gであり、このpHは一般にpH約4〜pH約9、好ましくはpH約5〜pH約8の範囲となる。
【0072】
パーソナルケア組成物に用いる陽イオン沈着ポリマーの非限定例には、陽イオン性セルロース誘導体のような多糖類ポリマーが挙げられる。好ましい陽イオン性セルロースポリマーはトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、業界(CTFA)ではポリクオタニウム(Polyquaternium)10と呼ばれ、これはアマコール社(Amerchol Corp.)(米国ニュージャージー州エディソン(Edison))より、ポリマー(Polymer)KG、JR及びLRシリーズのポリマーとして入手可能であり、最も好ましいものはKG30Mである。
【0073】
他の好適な陽イオン沈着ポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドのような陽イオン性グアーガム誘導体が挙げられ、その具体的な例としては、ローディア社(Rhodia Inc.)より市販されているジャガー(Jaguar)シリーズ(好ましくはジャガーC−17)、及びアクアロン(Aqualon)より市販されているN−ハンス(N-Hance)ポリマーシリーズが挙げられる。
【0074】
その他の好適な陽イオン沈着ポリマーには、合成の陽イオン性ポリマーが挙げられる。本明細書のクレンジング組成物に用いるのに好適な陽イオン性ポリマーは、水溶性又は水分散性の、非架橋の陽イオン性ポリマーであり、これは約4meq/g〜約7meq/g、好ましくは約4meq/g〜約6meq/g、より好ましくは約4.2meq/g〜約5.5meq/gの陽イオン電荷密度を有する。選択されたポリマーはまた、約1,000〜約1,000,000、好ましくは約10,000〜約500,000、より好ましくは約75,000〜約250,000の平均分子量を有しなくてはならない。
【0075】
パーソナルケア組成物中の陽イオン性ポリマーの濃度は、組成物の約0.025重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1重量%の範囲である。
【0076】
クレンジング組成物に用いる市販の合成陽イオン性ポリマーの非限定例は、ローディア(Rhodia)(米国ニュージャージー州クランベリー)から商品名ポリケア(POLYCARE)133として入手可能であるポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロライド(polymethyacrylamidopropyl trimonium chloride)である。
【0077】
(その他の任意成分)
任意成分のその他の非限定例には、ビタミン及びその誘導体(例えば、アスコルビン酸、ビタミンE、トコフェリルアセテートなど);日焼け止め剤;増粘剤(例えば、多価アルコールアルコキシエステル、クローダ(Croda)からクロシックス(CROTHIX)として入手可能);クレンジング組成物の抗菌の完全性を保持するための防腐剤;抗ニキビ薬剤(レゾルシノール、サリチル酸など);酸化防止剤;皮膚沈静及び回復剤、例えばアロエベラ抽出物、アラントインなど;キレート化剤及び金属イオン封鎖剤;及び美観上の目的に好適な剤、例えば芳香剤、精油、皮膚感覚剤、顔料、パールエッセンス剤(例えば、雲母及び二酸化チタン)、レーキ、着色剤など(例えば、丁子油、メントール、カンファー、ユーカリ油、及びオイゲノール)、抗菌剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される有益剤が挙げられる。これらの物質は、当業者に明らかであるように、必要な効果を提供するために十分な範囲で用い得る。
【0078】
(分析方法)
(脂質レオロジー試験)
脂質レオロジーは、ペルティエ(Peltier)の温度制御試料台又は等価なものを有するTAインスツルメンツ(TA Instruments)AR2000応力制御レオメーター上で測定する。40mmのプレート及び1mmの隙間を有する平行プレートの幾何図形的配列が用いられる。下部プレートを85℃に加熱し、融解した脂質及び構造剤(存在する場合)を下部プレート上に加え、平衡化させる。上部プレートを次に1mmの隙間まで低下させる一方で、脂質が隙間を完全に満たすことを確実にし、上部プレートを回転させ、更に脂質を加えてウィッキングを促進し、試料を25℃に素早く冷却して25℃で5分間平衡化させる。次に粘度を、10当たり20の測定点に関して、10当たり60秒の速度で(2分傾斜試験)、20〜2000Paの対数の応力の傾斜を用いて、これらの型の機械に一般的である応力−傾斜の手順を用いて測定する。開始応力及び終了応力は流れを生じるために十分であり、少なくとも10s−1の剪断速度に達する。粘度を記録し、方程式1を用いて指数法則のモデルにデータを代入した。0.001s−1〜40s−1の間の点のみを指数法則への代入に用いる。1.0s−1での粘度は、方程式1から計算される。プレートの下から物質が排出されたときには本方法を停止するように、試験中、試料を注意深く見守るべきである。
【0079】
粘度を記録し、データを次の方程式1に関して指数法則に代入する:
η=κ・γ(dot)(n-1)
この場合η=粘度であり、κは濃度であり、γ(dot)は剪断速度であり、nは剪断指数である。
次に1s−1での粘度を、代入したデータからのκ及びnの計算された値を用いて計算する。
【0080】
(安定剤粘度試験)
特有の対象の配合において見出される、安定剤と水との比を用いて、ポリマー安定剤の相を形成する。例えば、処方が3部の安定化ポリマー及び72部の水を含有する場合、比は1:24である。ポリマーを水性相中で適切な比で水和する。水和の方法は、ポリマーの種類に左右されて変化し、高い剪断力、加熱、及び/又は中和を必要とする場合がある。いずれにしても、ポリマーは製造者の指示に従って適切に水和されるべきである。ポリマーが完全に水和されたら、系を室温に少なくとも24時間静置する。静置期間の後、安定剤相の粘度を、ブルックフィールド(Brookfield)又はコーンとプレート(ブルックフィールド(Brookfield)モデルDVII+についてはスピンドル41)の幾何図形的配列を用いる同様の粘度計を用いて、1s−1及び25℃で測定する。2mlの製品を粘度計のカップ内に設置し、装置に取り付ける。回転を開始し、2分後に粘度を記録する。
【0081】
(顔料付着テープストリップ法)
顔料付着テープストリップ法は、光る粒子の角質表面上への付着を半定量的に決定するため用い得る。この方法は、粒子を皮膚から除去するために、及び付着した粒子の定量化のためにこれらの粒子を画像化するために、テープストリップの使用を採用する。
【0082】
第1工程は、試験される製品中のものと同じ顔料の1gをバイアル瓶に秤量することである。次に、9gの融解したワセリンを加え、及びスパチュラを用いてよく混合する。
【0083】
994.17gの純水(ミリポア(Millipore)又は等価なもの)を秤量する。凝集を防止するために、ライトニング研究室用攪拌器(Lightning Laboratory Stirrer)又はハイドルフ(Heidolph)2051混合器及び適切なブレードを用いて、約600〜700rpmで混合しながら、3.50gのペミュレン(Pemulen)TR−1(BFグッドリッチ(BF Goodrich))を水にゆっくりと加える。ペミュレン(Pemulen)の完全な水和を確実にするために、これに続いて30分攪拌する。なおゆっくりと攪拌しながら、2.33gのTEA(トリエタノールアミン99%−ダウ・ケミカル(Dow Chemical))を混合物に加える。均質性を確実にするために、これに続いて更に30分攪拌する。
【0084】
1時間静置した後、分離について製品を評価する。分離は許容できない。室温でガラス製広口瓶に貯蔵する。今度は、1mlの顔料/ワセリン混合物と19mlの0.35%のペミュレン・ゲル(Pemulen Gel)混合物を、シト・アングアター(Cito Unguator)を用いてスピード8(約2050rpm)で4分間混合する。1mlの顔料/ワセリン混合物と19mlの0.35%のペミュレン・ゲル(Pemulen Gel)混合物のこの組み合わせは、皮膚上への顔料の付着を評価するために用いられる。
【0085】
被験者の内腕を、オーレイ敏感肌用バー(Olay Sensitive Skin bar)及び温水で洗浄し、すべての石鹸が除去されるまで洗い流す。清潔なペーパータオルで乾かす。被験者の内腕に、腕1本当たり3個の4×6cmの部位に印を付ける。部位#1(上部左、肘に最も近い)に5μlの前述の混合物を適用し、部位全体に均一に広げ、約20秒間全部位を覆うように手袋をした指で擦る。この適用は、1cm2当たり1μgの顔料に等しい。部位#2(中間左)に24μlの前述の混合物を適用し、部位全体に均一に広げ、約20秒間全部位を覆うように手袋をした指で擦る。この適用は、1cm2当たり5μgの顔料に等しい。部位#3(下部左、手首に最も近い)に48μlの前述の混合物を適用する。これは、1cm2当たり10μgに等しい。部位#4(上部右、肘に最も近い)に96μlの前述の混合物を適用する。これは、1cm2当たり20μgに等しい。部位を最低10分間空気乾燥させる。部位#5(中間右)に96μlの試験される製品を適用する。部位#6(下部右、手首に最も近い)に96μlの試験される製品を適用する。各部位#5及び#6を温かい水道水でそれぞれ10秒間洗い流すが、洗い流す間に1つの部位を次のもので汚さないようにする。次に各部位を清潔なペーパータオルで静かに軽くたたいて乾燥させるが、同様に1つの部位を次のもので汚さないようにする。
【0086】
およそ1インチ(2.5センチ)のスコッチテープを取り、部位#1に適用する。適用したテープの最上部を上から擦って下の製品を捕捉する。テープを除去し、同じテープを先ほど剥がした全く同じ区域に再適用して、区域から同じテープ上に製品を2回引っ張って取る。次にこの剥がしたテープを清潔な顕微鏡スライドに製品の側を上にして固定し、スライドに「1μg/cm2」と印を付ける。前述のスコッチテープ法の適用を、部位#2〜部位#6について繰返し(その順序で)、各スライドに適切に印を付ける。
各テープストリップの顕微鏡画像を10Xの対物レンズ及び上部照明(top lighting)を用いて得る。
【0087】
部位#5及び#6の画像の顔料粒子の数を、基準の部位#1〜#4の画像のものと目で見て比較し、堆積レベル、例えば8μg/cm2を得る。少なくとも3人からの部位#5及び#6の観測結果の平均を取る。
【0088】
(粒子接触角試験)
粒子接触角試験を用いて光る粒子の疎水性を決定する。接触角が大きければ大きいほど、粒子の疎水性は大きくなる。
【0089】
スペクトラ−テク・クイック・ハンディ−プレス(Spectra-Tech Qwik Handi-Press)(サーモ・ニコレット(Thermo Nicole)、ウィスコンシン州マディソン)を用いて、粉末を7mm直径の円板に圧縮する。しっかりと手で圧力を加えた後、圧力を取り去る前に1分間圧縮したまま保持し、円板を除去する。平滑度について円板を検査し、表面が平滑でない場合は採用しない。ファースト・テン・オングストローム(First Ten Angstrom)FTÅ200(ファースト・テン・オングストローム(First Ten Angstrom)、バージニア州ポーツマス)の接触角分析器を採用して、前進及び後退接触角を決定する。7μlの水(ミリポア(Millipore)、ミリQ(Milli Q)脱イオン化、蒸留)を針からぶら下げ、円板中央にゆっくりと設置する。針は滴の中に挿入したままであるが、円板には接触しないようにする。0.1μl/秒の水を滴の中に注入する。接触角の画像を、最大接触角が得られるまで0.1秒毎に取った。このプロセスを反対にして、針を滴の中に残し、最小接触角が得られるまで流体を0.1μl/秒で除去することにより、後退接触角を決定する。画像を0.1画像/秒で得て、次に接触角を計算する。接触角を計算するために、曲線を滴の輪郭に滴の両側で適合させる。基線を滴を横切って引く。曲線と基線の交点を滴の両側で決定する。交点での曲線の接線(傾き)を滴の両側で決定する。接触角は、基線と滴の内側への接線との間の角である。平均の接触角を、滴の両側の接触角から決定する。
【0090】
(発泡体積)
パーソナルケア組成物の発泡体積は、メスシリンダー及びタンブラー装置を用いて測定できる。10ml間隔に印が付けられ、基部の内側から1,000mlの印までの高さが14.5インチ(36.8cm)の1,000mlメスシリンダー(例えば、パイレックスNo.2982)を選択する。蒸留水(23℃で100g)をメスシリンダーに加える。このシリンダーは、回転装置内にクランプ固定されるが、これにより、メスシリンダーの中心を横断する回転軸に関してシリンダーがクランプ固定される。1gの全パーソナルケア組成物をメスシリンダー中に加え、シリンダーに蓋をする。約20秒に10回転の速度でシリンダーを回転させ、垂直な位置で停止させて第1の回転シーケンスを完了する。これによって発生した泡の排出のための30秒を見込んでタイマーを設定する。そうした30秒の排出の後に、底部からの泡の高さをmlで記録し、第1の発泡体積を四捨五入して10ml単位で測定する(上部に泡が浮いている底部に排出されたいずれかの水を包含する)。
【0091】
泡の上面が平らでない場合、メスシリンダー断面の半分ほどに及ぶのが見られる最も低い高さが、第1の発泡体積(ml)になる。泡が粗すぎて、単一又はほんのわずかなフォームセル(foam cells)(「バブル(bubbles)」)しかシリンダー断面全体に広がらない場合、空間を満たすのに少なくとも10個のフォームセルが必要になる高さがまた、底部からのmlによる第1の発泡体積になる。いずれの寸法においても1インチ(2.5cm)より大きいフォームセルは、どこで発生しようとも、泡ではなく、中身のない空気として指定される。メスシリンダーの上部に集まるが排出されないフォームは、その上部のフォームがそれ自体連続的な層である場合、定規を使用して層の厚さを測定し、そこに集まったフォームのmlを底部から測定されたフォームのmlに加えることによっても、測定に組み込む。最大フォーム高さは1,000mlである(全フォーム高さがメスシリンダーの1,000mlの印を超えた場合でも)。第1の回転が完了してから1分後に、第1の回転シーケンスと速度及び持続時間が同一である第2の回転シーケンスが開始する。第2の発泡体積は、第1と同一の方式で、同様に30秒の排出時間の後に記録する。第3のシーケンスが完了し、各排出と測定値取得との間に同一の休止時間をおいて、第3の発泡体積を同様の方式で測定する。
【0092】
各シーケンスの後の泡の結果を合算し、全発泡体積を、3つの測定値の合計としてmlで決定する。瞬間発泡体積は、第1の回転シーケンスの後の結果のみ、即ち、第1の泡体積のmlである。
【実施例】
【0093】
次の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明し、実証する。実施例は、単に例示の目的のために与えられており、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、その多くの変更が可能であるため、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。指示がない限り、例示されるすべての量は、全クレンジング、トリートメント組成物の重量による濃度である。
【0094】
(実施例1〜12)
【0095】
【表1−1】

【0096】
【表1−2】

【0097】
【表2−1】

【0098】
【表2−2】

実施例1〜12のパーソナルケア組成物は、従来の処方及び混合技術によって調製できる。
【0099】
水性相組成物を、最初にヒドロキシプロピルデンプンホスフェートを水中に分散することによって調製する。乳化ワックスを加え、160゜F(71゜C)に加熱する。次に、混合容器を水浴中に設置して、100゜F(38゜C)未満に冷却する。芳香剤を加える。
【0100】
脂質相を、必要ならHMIP(類)を最初にプレミックスすることによって調製する。次に、HMIP(類)を脂質に加えて、160゜F(71゜C)でプレミックスにする。次に、脂質/HMIP相を水性相(<80゜F(<27゜C))に更に攪拌しながら加える。防腐剤を加え、製品が滑らかになるまで攪拌する。
【0101】
(実施例13〜17)
【0102】
【表3】

上記の組成物は、従来の処方及び混合技術によって調製することができる。クレンジング相組成物は、最初にクエン酸を水に、1:3の比で加えてクエン酸プレミックスを形成することにより調製する。次に、次の成分を主混合容器内に次の順序で加える:水、ミラケアSLB−354(Miracare SLB-354)、塩化ナトリウム、及び防腐剤。主混合容器の攪拌を開始する。別個の混合容器において、ポリマー(N−ハンス3196(N-Hance3196))を水中に1:10の比で分散させ、ポリマープレミックスを形成する。攪拌を継続しながら、完全に分散されたポリマープレミックスを主混合容器内に加える。PEG90M(ポリオックスWSR301(Polyox WSR 301))を水中に分散し、次いで主混合容器に加える。次に、このバッチに、水の残り、香料、及びエクスパンセル(Expancel)を加える。均質な溶液が形成されるまで攪拌を続ける。
【0103】
混合容器内にワセリンを加えることによって脂質相を調製する。容器を190°F(88℃)に加熱する。次に、攪拌しながら鉱油を加える。干渉顔料(二酸化チタン/雲母/シリカ/ジメチコン)を加え、ゆっくりと攪拌しながら容器を冷却する。
【0104】
クレンジング相及び脂質相は、密度が0.05g/cm3以内に一致している。従来の練り歯磨きチューブ充填機器を使用して、両方の相を単一容器内に包装する。充填プロセスの間、試料台がボトルを回転させて、縞模様の外観を作り出す。縞の大きさは、幅が約6mm、長さが100mmである。
【0105】
(実施例18)
【0106】
【表4】

上記の組成物は、従来の処方及び混合技術によって調製することができる。相1は、最初にクエン酸をラウレス−3硫酸アンモニウムに加えることにより調製する。クエン酸が完全に溶解したら、ラウロアンホ酢酸ナトリウムを加える。混合物を190〜195゜F(88〜91゜C)に加熱する。トリヒドロキシステアリンを完全に組み込み、次いで防腐剤を加える。混合を続けながらワセリンを加える。別個の混合容器内に相2を調製する。ラウレス−3硫酸アンモニウム、次にラウリル硫酸アンモニウムを水浴中の混合容器に加える。この容器に、連続して混合しながら相1を加える。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド及び水をプレミックスする(プレミックス1)。プレミックス1を混合容器に加える。ワセリンを別の混合容器に加えることによりプレミックス2を調製する。容器を190°F(88℃)に加熱する。サット−ティミロン・スプレンディッド・レッド(SAT-Timiron Splendid Red)を加え、よく混合させる。次にプレミックス2を相2に加える。次に香料を加える。均質な溶液が形成されるまで攪拌を続ける。
【0107】
(実施例19〜25)
【0108】
【表5−1】

【0109】
【表5−2】

実施例19〜25のパーソナルケア組成物は、従来の処方及び混合技術によって調製できる。
【0110】
水性相組成物を、最初にヒドロキシプロピルデンプンホスフェートを水中に分散することによって調製する。乳化ワックスを加え、160゜F(71゜C)に加熱する。次に、混合容器を水浴中に設置して、100゜F(38゜C)未満に冷却する。芳香剤を加える。
【0111】
脂質相を、必要ならHMIP(類)を最初にプレミックスすることによって調製する。次に、HMIP(類)を脂質に加えて、160゜F(71゜C)でプレミックスにする。次に、脂質/HMIP相を水性相(<80゜F(<27゜C))に更に攪拌しながら加える。防腐剤を加え、製品が滑らかになるまで攪拌する。
【0112】
次の実施例は、顔料付着テープストリップ法の範囲内の実施形態について更に記載し実証するものである。この方法は、光る粒子の角質表面上への付着を半定量的に決定するために用い得る。この方法は、粒子を皮膚から除去するために、及び付着した粒子の定量化のためにこれらの粒子を画像化するために、テープストリップの使用を採用する。
【0113】
【表6】

実施例1〜4のパーソナルケア組成物は、従来の処方及び混合技術によって調製できる。
【0114】
水性相組成物を、最初にヒドロキシプロピルデンプンホスフェートを水中に分散することによって調製する。乳化ワックスを加え、160゜F(71゜C)に加熱する。次に、混合容器を水浴中に設置して、100゜F(38゜C)未満に冷却する。芳香剤を加える。
【0115】
脂質相を、必要ならHMIP(類)を最初にプレミックスすることによって調製する。次に、HMIP(類)を脂質に加えて、160゜F(71゜C)でプレミックスにする。次に、脂質/HMIP相を水性相(<80゜F(<27゜C))に更に攪拌しながら加える。防腐剤を加え、製品が滑らかになるまで攪拌する。
【0116】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア組成物であって、
a)該組成物の好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.5〜20重量%の疎水性に修飾された干渉顔料;
b)該組成物の好ましくは1〜80重量%の分散された油相;及び
c)連続水性相、好ましくは水を含み;
その際、前記疎水性に修飾された干渉顔料が、総粒子重量の少なくとも6重量%の疎水性コーティングを含む、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記疎水性に修飾された干渉顔料と前記分散された油相との比が、1:1〜1:70である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記分散された油相が、ワセリン、鉱油、シリコーン、トリグリセリド、エステル、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記疎水性に修飾された干渉顔料が、前記分散された油相内に取り込まれる、請求項1〜3に記載の組成物。
【請求項5】
更に、界面活性剤を、好ましくは前記組成物の5重量%以下のレベルで含む、請求項1〜4に記載の組成物。
【請求項6】
ポリマーを更に含む、請求項1〜5に記載の組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤が、ゲル網状組織内に存在する、請求項1〜6に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含む、請求項1〜7に記載の組成物。
【請求項9】
ビタミン、日焼け止め剤、増粘剤、防腐剤、抗ニキビ薬剤、酸化防止剤、皮膚沈静及び回復剤、キレート化剤及び金属イオン封鎖剤、芳香剤、精油、皮膚感覚剤、顔料、パールエッセンス剤、レーキ、着色剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される1つ以上の有益剤を含む、請求項1〜8に記載の組成物。
【請求項10】
構造剤を更に含む、請求項1〜9に記載の組成物。
【請求項11】
パーソナルケア組成物であって、
a)疎水性干渉顔料;
b)分散性油相;及び
c)連続水性相を含み、
その際、前記疎水性干渉顔料が、粒子接触角試験により決定されるとき、少なくとも60度の接触角を有する、パーソナルケア組成物。


【公表番号】特表2007−522080(P2007−522080A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501309(P2006−501309)
【出願日】平成16年5月10日(2004.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/014435
【国際公開番号】WO2004/100920
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パイレックス
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】