説明

疎水性アルカリ膨潤性エマルション

【課題】特に塗料及びラッカーに高くかつ安定な粘度を与える、新規な重合体増粘剤系を提供する。
【解決手段】ポリマーの組成全体について、化合物(a)から(e)の合計が 100 重量%になるような条件で計算された、(a)20〜55 重量%の(メタ)アクリル酸、(b)40〜80 重量%のアルキル(メタ)アクリレート、(c)1〜40 重量%の式:R2OOC-CH=CH-COO(CH2CH2O)nR1[式中、R1 は直鎖又は分枝のアルキル、アリール又はアルカリール基を表し、R2 は水素又は (CH2CH2O)nR1 基を表し、n は 2〜150 の数である。]に相当するマレイン酸エステル、(d)0〜15 重量%の脂肪族側鎖に二重結合を含む芳香脂肪族化合物、(e)0〜1 重量%のポリエチレン性不飽和架橋モノマーからなるポリマーを含む、疎水性アルカリ膨潤性エマルション。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくはアルカリ性条件下でその特性を示す、特定のアクリル酸エステル及びマレイン酸エステルに基づく重合体増粘剤を含むエマルション、その製造方法、及びその様々な用途、好ましくは塗料を増粘するための用途に関する。
【背景技術】
【0002】
重合体増粘剤は、以前から従来技術に属する。よく知られているものは、化粧品に広く使用されている(メタ)アクリル酸及び/又はそれらのエステルベースのポリマー、いわゆる Carbopol タイプである。しかしながら、増粘は、混合ミセルの形成及び安定性にしばしば関係する現象であり、それ故、当業者でさえ予測することはほぼ不可能である。実際のところ、1 つの系又は用途において効果的な増粘剤が、他では役に立たないことが起こり得る。それ故に、試行錯誤の系によって得られる膨大な数の重合体増粘剤系が供給されてきた。
【0003】
近年、ある種のポリウレタン系、特にアクリル酸及びマレイン酸誘導体のコポリマーが注目されている。例えば、米国特許第 3,657,175 号明細書及び同第 4,351,754 号明細書(Rohm & Hass)は、エトキシル化脂肪アルコールベースのこのような生成物を開示している。マレイン酸とエトキシル化脂肪アルコールとの部分エステル及びジイソブチレンのコポリマー、及び化粧品及び洗剤でのその使用は、欧州特許出願公開第 1191041 号明細書及び国際公開第 01/096515 号パンフレット(BASF)から知られている。無水マレイン酸とエトキシル化脂肪アルコールとのエステル及びオレフィンの同様のコポリマーは、欧州特許出願公開第 0679669 号明細書(Bayer)に記載されているが、これらは、顔料分散剤として提供されている。
【0004】
特許文献から既知の、又は市場で見られるこのような製品の主な欠点は、特に、塗料中で粘度を構築し、製品が高温又は低温で貯蔵される場合でさえ、その粘度を維持することに関して納得のいかない増粘挙動である。
【特許文献1】米国特許第 3,657,175 号明細書
【特許文献2】米国特許第 4,351,754 号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第 1191041 号明細書
【特許文献4】国際公開第 01/096515 号パンフレット
【特許文献5】欧州特許出願公開第 0679669 号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、従来技術の欠点を解決した、特に塗料及びラッカー用の助剤としての、新規な重合体増粘剤系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ポリマーの組成全体について、化合物(a)から(e)の合計が 100 重量%になるような条件で計算された、下記モノマー:
(a)20〜55 重量%のアクリル酸及び/又はメタクリル酸、
(b)40〜80 重量%の C1〜C4 アルキル(メタ)アクリレート、
(c)1〜40 重量%の一般式(I):
R2OOC-CH=CH-COO(CH2CH2O)nR1 (I)
[式中、R1 は、8〜22 個の炭素原子を含む直鎖又は分枝のアルキル、アリール又はアルカリール基を表し、R2 は、水素又は (CH2CH2O)nR1 基を表し、n は 2〜150 の数である。]
に相当するマレイン酸エステル、
(d)0〜15 重量%の脂肪族側鎖に少なくとも 1 個の二重結合を含む芳香脂肪族化合物、
(e)0〜1 重量%のポリエチレン性不飽和架橋モノマー
からなるポリマーを含む、疎水性アルカリ膨潤性エマルション(HASE)を請求する。
【発明の効果】
【0007】
意外にも、新規なポリマーを含む本発明のエマルションは、塗料及びラッカーに高粘度を与え、その粘度は、製品が長期間にわたって高温及び低温で貯蔵される場合にも安定であることが見出された。例えば、新規なエマルションは、無機顔料又はポリマー樹脂に基づく一般的な艶有り塗料及び艶消し塗料に、同量の従来技術に従った重合体増粘剤を用いて実現できる粘度の約 2 倍の粘度を与える。加えて、その粘度は、40 ℃又は 5 ℃の各々の貯蔵温度で少なくとも 8 週間にわたって安定なままである。一方、同じ条件下で、市販品の粘度は約 50 %低下する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
モノマー
本発明のエマルションのベースを形成するポリマーは、少なくとも 3 種のモノマー:
(a)アクリル酸及び/又はメタクリル酸、
(b)C1〜C4 アルキル(メタ)アクリレート、及び
(c)一般式(I)に相当するマレイン酸エステル
からなる。
【0009】
しかしながら、成分(a)について、10:90〜90:10、好ましくは 40:60〜60:40 の重量比を有するアクリル酸とメタクリル酸との混合物が、ラッカー及び塗料を増粘する最適な特性を示すことが見出された。成分(b)には、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のメチルエステルが好ましい。成分(c)を形成する一般式(I)のマレイン酸エステルのうち、
・R1 が 12〜18 個の炭素原子を含む直鎖又は分枝のアルキル基を表し、R2 が水素又は (CH2CH2O)nR1 基を表す、及び/又は
・n が 30〜90 の数を表す
ものが好ましい。これらのエステルの長所は、増粘された製品の粘度に、非常に良好な温度安定性を与えることである。
【0010】
任意のコモノマー
本発明の好ましい態様では、ポリマーは、脂肪族側鎖に少なくとも 1 個の二重結合を含む芳香脂肪族化合物を表す更なるコモノマー(成分(d))を含み得る。典型例はスチレンである。ポリマー構造に成分(d)を組み込むことの利点は、生成物に高い初期粘度を与えることである。
【0011】
架橋剤
本発明の第二の好ましい態様では、ポリマーは、長時間にわたる温度ストレス下での粘度安定性を向上させるために、架橋剤を含み得る。適当な架橋剤の例は、トリメチロールプロパンジアリルエーテル(TMPDAE)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、又はアリルメタクリレートである。
【0012】
疎水性アルカリ膨潤性エマルション(HASE)
本発明の第三の好ましい態様では、ポリマーは、ポリマーの組成全体について、成分(a)から(e)の合計が 100 重量%になるような条件で計算された下記組成:
(a)25〜50 重量%、好ましくは 30〜40 重量%のアクリル酸及び/又はメタクリル酸、
(b)50〜70 重量%、好ましくは 60〜65 重量%の C1〜C4 アルキル(メタ)アクリレート、
(c)2〜30 重量%、好ましくは 5〜25 重量%の一般式(I)に相当するマレイン酸エステル、
(d)0〜10 重量%、好ましくは 1〜5 重量%の脂肪族側鎖に少なくとも 1 個の二重結合を含む芳香脂肪族化合物、
(e)0.1〜1 重量%のポリエチレン性不飽和架橋モノマー
を有する。エマルションは、前記の重合体増粘剤(ポリマー)を、1〜50 重量%、好ましくは 2〜40 重量%、より好ましくは 5〜30 重量%の量で含む(水を加えて 100 重量%にする)。
【0013】
製造方法
本発明のもう 1 つの目的は、疎水性ポリマーの製造方法を提供することである。本発明の製造方法は、ポリマーの組成全体について、化合物(a)から(e)の合計が 100 重量%になるような条件で計算された、下記モノマー:
(a)20〜55 重量%のアクリル酸及び/又はメタクリル酸、
(b)40〜80 重量%の C1〜C4 アルキル(メタ)アクリレート、
(c)1〜40 重量%の一般式(I):
R2OOC-CH=CH-COO(CH2CH2O)nR1 (I)
[式中、R1 は、8〜22 個の炭素原子を含む直鎖又は分枝のアルキル、アリール又はアルカリール基を表し、R2 は、水素又は (CH2CH2O)nR1 基を表し、n は 2〜150 の数である。]
に相当するマレイン酸エステル、
(d)0〜15 重量%の脂肪族側鎖に少なくとも 1 個の二重結合を含む芳香脂肪族化合物、
(e)0〜1 重量%のポリエチレン性不飽和架橋モノマー
を既知の方法によって共重合させることを特徴とし、限定するわけではないが、下記手順によって説明される。
(i)第一反応器に、一般式(II):
HO(CH2CH2O)nR1 (II)
[式中、R1 及び n は、上記で定義したとおりである。]
に相当する脂肪アルコールポリグリコールエーテルと無水マレイン酸を、40:60〜60:40 のモル比で導入する。混合物を 70〜90 ℃で 2〜5 時間加熱し、縮合水を除去する。次いで、このようにして得られたヘミエステルを 20 ℃まで冷却する。
(ii)第二反応器で、水、少量のアニオン性乳化剤(例えば、アルキルスルフェート)、(メタ)アクリル酸(成分(a))、アルキル(メタ)アクリレート(成分(b))、及び工程(i)で得られたヘミエステル(成分(c))を混合して、モノマーエマルションを得る。化合物(a):(b):(c)のモル比は、約 1:0.5〜1.5:0.1〜0.5 である。
(iii)反応器に、水及び少量の前記アニオン性乳化剤を添加して加熱する。混合物が 30 ℃に達した時点で、反応器を窒素でパージし、10〜20 重量%の上記のように調製したモノマーエマルション、約 0.01〜0.5 重量%の硫酸鉄、及び約 0.01〜1 重量%の過酸化水素を添加する。最後に、混合物をスルホキシル化ナトリウムホルムアルデヒド水溶液で処理する。発熱反応が終了した時点で、モノマーエマルションの残量とスルホキシル化ナトリウムホルムアルデヒドの追加量を、約 1〜2 時間かけて添加し、その間温度を 40〜45 ℃で維持する。全化合物を添加した後、温度を 50 ℃まで上昇させて約 1.5 時間維持する。次いで、3 回目のスルホキシル化ナトリウムホルムアルデヒド溶液を添加する。混合物を 20 ℃まで冷却した後、ポリマーを定量的収率で得る。
【0014】
成分(d)及び(e)もポリマー構造に組み込む場合、これらの化合物は、工程(ii)で添加される。最後に、このようにして得られた疎水性ポリマーを、活性成分含有量が 1〜50 重量%、好ましくは 2〜40 重量%、より好ましくは 5〜30 重量%に達するように、水で希釈する。
【0015】
産業上の応用例
本発明の別の目的は、前記疎水性アルカリ膨潤性エマルション(HASE)の、好ましくは塗料及びラッカーにそれらを添加することによる、増粘剤としての使用を示すことである。最終組成物は、前記エマルションを活性成分に関して計算して 0.1〜2 重量%の量で含み得る。高い初期粘度を実現するために、HASE を多糖類、好ましくはセルロースと、約 10:90〜90:10、より好ましくは 50:50〜75:25 の重量比で混合するのが有効であることが見出された。
【0016】
HASE が、高くて安定な粘度を別の用途の製品に与えることも見出された。従って、本発明の別の目的は、HASE の、水性界面活性組成物(例えば、洗剤、化粧品、並びに布地、繊維及び革製品を処理するための助剤)のための増粘剤としての使用である。
【実施例1】
【0017】
(i)まず、1 リットル容の実験用第 1 反応器に、500 g(0.24 mol)の C12〜C18 脂肪アルコール+40EO(Cognis Deutschland GmbH & Co. KG 製 Dehydol(登録商標)PTA 40)及び 24.45 g(0.25 mol)の無水マレイン酸を導入した。混合物を 80 ℃で 3 時間加熱し、縮合水を除去した。次いで、このようにして得られたヘミエステルを 20 ℃まで冷却した。
(ii)5 リットル容の実験用第 2 反応器中で、2291 g の水、53 g(0.17 mol)のラウリル硫酸、1197 g(11.97 mol)のアクリル酸エチル、598 g(6.95 mol)のメタクリル酸、及び 199 g(0.095 mol)の工程(i)で得られたヘミエステルを混合して、モノマーエマルションを得た。
(iii)5 リットル容の実験用第 3 反応器に、1820 g の水、25 g(0.08 mol)のラウリル硫酸を導入して加熱した。混合物が 30 ℃に達した時点で、反応器を窒素でパージし、10 重量%の上記のように調製したモノマーエマルション、0.27 g の硫酸鉄、19 g の水、及び 6.7 g の過酸化水素を添加した。最後に、混合物を、10 vol%の Rongalita(登録商標)CF(スルホキシル化ナトリウムホルムアルデヒド、SSF)2.1 g(0.018 mol)の水 385 ml 溶液で処理した。発熱反応が終了した時点で、モノマーエマルションの残量と SSF 溶液の残りを 1.75 時間かけて添加し、その間、温度を 40〜45 ℃で維持した。全化合物を添加した後、温度を 50 ℃まで上昇させて 1.5 時間維持した。その後、3 回目の SSF 1.4 g(0.012 mol)の水 245 g 溶液を添加した。混合物を 20 ℃まで冷却した後、ポリマーを定量的収率で得た。
【実施例2】
【0018】
(i)まず、1 リットル容の実験用第 1 反応器に、500 g(0.24 mol)の C12〜C18 脂肪アルコール+40EO(Cognis Deutschland GmbH & Co. KG 製 Dehydol(登録商標)PTA 40)及び 24.45 g(0.25 mol)の無水マレイン酸を導入した。混合物を 80 ℃で 3 時間加熱した。次いで、このようにして得られたヘミエステルを 20 ℃まで冷却した。
(ii)5 リットル容の実験用第 2 反応器に、1722.4 g の水、40.0 g(0.13 mol)のラウリル硫酸、900 g(9.00 mol)のアクリル酸エチル、525 g(6.10 mol)のメタクリル酸、150 g(0.071 mol)の工程(i)で得られたヘミエステル、及び 5.0 g(0.027 mol)のトリメチロールプロパンジアリルエーテルを混合して、モノマーエマルションを得た。
(iii)5 リットル容の実験用第 3 反応器に、1500 g の水、18.6 g(0.06 mol)のラウリル硫酸を導入して加熱した。混合物が 30 ℃に達した時点で、反応器を窒素でパージし、10 重量%の上記のように調製したモノマーエマルション、0.20 g の硫酸鉄、19.8 g の水、及び 5.0 g の過酸化水素を添加した。最後に、混合物を、10 vol%の Rongalita(登録商標)CF 1.56 g(0.013 mol)の水 287 ml 溶液で処理した。発熱反応が終了した時点で、モノマーエマルションの残量と SSF 溶液の残りを 1.75 時間かけて添加し、その間、温度を 40〜45 ℃で維持した。全化合物を添加した後、温度を 50 ℃まで上昇させて 1.5 時間維持した。その後、3 回目の SSF 1.042 g(0.009 mol)の水 182.4 g 溶液を添加した。混合物を 20 ℃まで冷却した後、ポリマーを定量的収率で得た。
【実施例3】
【0019】
下記の表 1 は、新規な増粘剤エマルションを含む塗料の組成を示す。とりわけ、組成中の用語「増粘剤」は、実施例 1 で得られたポリマーエマルション 0.2 重量% + 0.1 重量%のセルロースを意味する。塗料の固形分は 59.0 重量%であり、顔料と樹脂との比は 5.5:1 であり、顔料容積濃度(PVC)は 67.5 重量%であった。
【0020】
【表1】

【実施例4】
【0021】
以下において、アクリル-スチレン樹脂系の艶消し塗料(BASF 製 Acronet(登録商標)2380、Acronal(登録商標)290D)の粘度を、0.3 重量%の各種増粘剤を添加して測定した。試験は、ブルックフィールド法(スピンドル 4、10 rpm、20 ℃)に従って行い、その結果を表 2 に示す。
【0022】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーの組成全体について、化合物(a)から(e)の合計が 100 重量%になるような条件で計算された、下記モノマー:
(a)20〜55 重量%のアクリル酸及び/又はメタクリル酸、
(b)40〜80 重量%の C1〜C4 アルキル(メタ)アクリレート、
(c)1〜40 重量%の一般式(I):
R2OOC-CH=CH-COO(CH2CH2O)nR1 (I)
[式中、R1 は、8〜22 個の炭素原子を含む直鎖又は分枝のアルキル、アリール又はアルカリール基を表し、R2 は、水素又は (CH2CH2O)nR1 基を表し、n は 2〜150 の数である。]
に相当するマレイン酸エステル、
(d)0〜15 重量%の脂肪族側鎖に少なくとも 1 個の二重結合を含む芳香脂肪族化合物、
(e)0〜1 重量%のポリエチレン性不飽和架橋モノマー
からなるポリマーを含む疎水性アルカリ膨潤性エマルション。
【請求項2】
成分(c)が、R1 は 12〜18 個の炭素原子を含む直鎖又は分枝のアルキル基を表し、R2 は水素又は (CH2CH2O)nR1 基を表す式(I)に相当するマレイン酸エステルを表すことを特徴とする、請求項1に記載のエマルション。
【請求項3】
成分(c)が、n は 30〜90 の数である式(I)に相当するマレイン酸エステルを表すことを特徴とする、請求項1に記載のエマルション。
【請求項4】
成分(d)がスチレンを表すことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のエマルション。
【請求項5】
成分(e)が、トリメチロールプロパンジアリルエーテル(TMPDAE)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)又はアリルメタクリレートを表すことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のエマルション。
【請求項6】
該ポリマーを 1〜50 重量%の量で含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のエマルション。
【請求項7】
ポリマーの組成全体について、化合物(a)から(e)の合計が 100 重量%になるような条件で計算された、下記モノマー:
(a)20〜55 重量%のアクリル酸及び/又はメタクリル酸、
(b)40〜80 重量%の C1〜C4 アルキル(メタ)アクリレート、
(c)1〜40 重量%の一般式(I):
R2OOC-CH=CH-COO(CH2CH2O)nR1 (I)
[式中、R1 は、8〜22 個の炭素原子を含む直鎖又は分枝のアルキル、アリール又はアルカリール基を表し、R2 は、水素又は (CH2CH2O)nR1 基を表し、n は 2〜150 の数である。]
に相当するマレイン酸エステル、
(d)0〜15 重量%の脂肪族側鎖に少なくとも 1 個の二重結合を含む芳香脂肪族化合物、
(e)0〜1 重量%のポリエチレン性不飽和架橋モノマー
を既知の方法によって共重合させることを特徴とする、疎水性ポリマーの製造方法。
【請求項8】
請求項7の方法に従って得られた疎水性ポリマーを、活性成分含有量が 1〜50 重量%に達するように水で希釈することを特徴とする、疎水性アルカリ膨潤性エマルションの製造方法。
【請求項9】
増粘剤としての請求項1に記載の疎水性アルカリ膨潤性エマルションの使用。
【請求項10】
塗料及びラッカーに添加されることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
最終組成物に、活性成分に関して計算された 0.1〜2 重量%の量で添加されることを特徴とする、請求項9又は10に記載の使用。
【請求項12】
多糖類と組み合わせて使用されることを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の使用。
【請求項13】
水性界面活性組成物用増粘剤としての請求項1に記載の疎水性アルカリ膨潤性エマルションの使用。
【請求項14】
界面活性組成物が、洗剤、化粧品、並びに布地、繊維及び革製品を処理するための助剤として使用されることを特徴とする、請求項13に記載の使用。

【公開番号】特開2006−316271(P2006−316271A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131255(P2006−131255)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】