説明

疎水性シリカを含む油性懸濁液の安定化

本発明は、疎水性ケイ酸を含有する油をベースとする流体の懸濁液の安定化、および、そのタイプの懸濁液をベースとする医薬に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水性シリカを含む流体の油をベースとする懸濁液の安定化、および、そのような懸濁液をベースとする医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
油をベースとする医薬の製剤は、例えば、患者への耐容性または有効成分の安定性において、様々な利点を有し得る。しかしながら、医薬的に使用できる油は、例えば有効成分の沈降を低減または回避するために必要な粘性を常に有するわけではない。油の粘性を高めるために使用される殆どの既知の物質を化粧品に用いることができるが、医薬に用いることはできない。かくして、例えば、コロイド状シリカが、医薬用の油を増粘するために使用される(US2001−0006671、US4079131、WO03−063877)。
【0003】
WO2006/008640では、有効成分が油中でより良好に湿るように、非イオン性乳化剤をコロイド状二酸化ケイ素(親水性シリカ)に添加する。
【0004】
WO03/02254では、コロイド状シリカ、親水性および疎水性シリカを、例えばポリエチレングリコール200またはポリビニルアルコールなどの親水性ポリマーと、油中で混合する。シリカのポリマーとの相互作用は、シリカの使用を低減し、降伏点を高め、剪断時の粘性を低下させることを意図されている。
【0005】
FR2790200は、同様に疎水性シリカに言及しているが、明示的かつ特異的に、安定剤の添加を伴わない。
【0006】
WO2006/061155およびWO2006/061156は、親水性のみならず、油中の疎水性のシリカも記載している。これに関して一般的に使用できる物質は、また、例えば、非イオン性界面活性剤、または、例えば、ポリエチレングリコール200である。
【0007】
親水性シリカは、油性製剤において、水または水分に非常に敏感であり、周囲の空気からさえも水分を吸収するという欠点を有する。結果として、製剤の粘性は高まり、例えば、一次包装からの取り出しやすさは、もはや指示された程度に可能ではない。これは、特に医薬には許容できない。例えば、プラスチック製の単回用量の容器をこれらの製剤に使用する場合、プラスチック容器は水分に対して厳重ではなく、充填された容器中の製剤が水分を引き寄せ、粘性が高まり得るので、水分への敏感さの作用は特に明白である。加えて、単回用量の容器中での周囲の空気に対する製剤の表面積の比率は、多用量の容器と比較して、特に不都合である。
【0008】
この水分への敏感さは、沈降に対して懸濁液を安定化するために疎水性シリカを使用することにより克服できる。しかしながら、疎水性シリカの明瞭な欠点は、沈降の安定化に関する長期の安定性が、親水性シリカのものより低いことである。長期の安定性の低さは、油性製剤の元の粘性が数週間または数ヶ月間の過程で低下することを特徴とし、これは、例えば望まれない沈降を導き得るので、医薬には許容できない。
【0009】
驚くべきことに、両親媒性化合物の添加により、疎水性シリカを含む油性製剤の長期の安定性を明確に改善できることが見出された。この作用は、親水性シリカの使用では殆ど生じない。この作用は、疎水性シリカを特異的に含む油性懸濁液について、当分野で今まで記載されたことがない。
【発明の概要】
【0010】
従って、本発明は、疎水性シリカを含む流体の油をベースとする懸濁液を安定化するための、両親媒性物質の使用に関する。
そのような流体の懸濁液は、好ましくは、医薬用の製剤において使用される。
【0011】
従って、本発明は、さらに、油性基剤中に、
a)有効成分
b)疎水性シリカ
c)ポリオキシエチル化化合物
を含む医薬に関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
(該当する記載無し)
【発明を実施するための形態】
【0013】
「油をベースとする」は、対応する懸濁液または対応する医薬が油性基剤を含むことを意味する。油性基剤として、天然(動物性または動物性)、合成および半合成の油または脂肪を使用することが可能である。それらの例は、ダイズ油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ベニバナ油、パーム油、ナタネ油、ココナッツ油、コーン油またはヒマシ油である。好ましく使用されるのは、中鎖トリグリセリド類(飽和脂肪酸、好ましくはオクタン酸およびデカン酸とのトリグリセリド類)、カプリル酸/カプリン酸のプロピレングリコールジエステル類、低粘性パラフィンまたはゴマ油であり;これらの中で、中鎖トリグリセリド類およびカプリル酸/カプリン酸のプロピレングリコールジエステル類は、特に好ましく使用される。
【0014】
油性基剤は、典型的には、関連する懸濁液または完成した医薬を基準として、99−72重量%、好ましくは99−88重量%、特に好ましくは97−92重量%の割合で用いる。
【0015】
懸濁液は、原則として低粘性の懸濁液からペーストまでの範囲が考えられるように、様々な粘性を有し得る。好ましいのは、それらが依然として自重で流動する限り、低粘性および高粘性の系を含む流体系である。好ましい流体系は降伏点を有し、即ち、これらの系は、剪断(例えば振盪による)後に流動する。多くの場合で、有効成分は流体の基剤に十分に、または全く、溶解しないので、有効成分は懸濁されなくてはならない。この理由で、沈降に対して懸濁液を安定化するための増粘剤として、疎水性シリカを用いる。
【0016】
疎水性シリカは、水で湿らないシリカである;これは、それらが水の表面に浮くことを意味する。同様に適するのは、二酸化ケイ素および酸化アルミニウムの疎水化された混合オキシドであるが、疎水性の純粋なシリカが好ましい。それらは、親水性シリカをシラン類(ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン類、シロキサン類)と混合することにより製造する。これは、好ましくは18個までの炭素原子を有する、特に好ましくは8個までの炭素原子を有する、ことさら特に好ましくは4個までの炭素原子を有するアルキル基により、特にメチル基により、シラノール基をアルキル化することを伴う。ヘキサメチルジシラザンの製造に使用されるシラン類の例は、好ましくは、ジメチルジクロロシランである。適当な疎水性シリカは、沈殿、コロイド状、予成形(precompacted)または発熱性シリカ、好ましくは発熱性シリカから誘導され得る。例えば、親水性シリカのジメチルジクロロシランとの反応は、商標名 Aerosil(登録商標)R 972を有する疎水性 Aerosil をもたらす;これは、66%−75%のメチル化度(残っているシラノール基の滴定により測定する)を有する。
【0017】
疎水性シリカを、製剤中で、典型的には0.1−10重量%の割合で用い、好ましくは0.5−5重量%で、特に好ましくは1.5−4.0重量%で用いる。
【0018】
両親媒性化合物は、極性(親水性)および非極性(疎水性)部分からなる。典型的な両親媒性物質は、脂肪酸、界面活性剤およびリン脂質である。有効成分も、両親媒性であり得る。従って、例えば、キノロン類または他のフルオロキノロン類は、両親媒性である。これらの分子は、酸の基と塩基の基を有する。酸の基は、脱プロトン化形態であり、かくして陰性の電荷を有してもよい;塩基の基は、プロトン化形態であり、従って陽性の電荷を有してもよい。分子の各荷電部分は、極性が高く親水性であり、一方、分子の残りの部分は、極性が低く、従ってより疎水性である。
【0019】
本発明に関して、好ましい両親媒性化合物は、ポリオキシエチル化化合物である。ポリオキシエチル化化合物は、また、ポリエトキシル化化合物とも呼ばれ、例えば、エチレンオキシドとの反応により製造される。それらは、1つまたはそれ以上の式−[O−CH−CH]−の連鎖状のユニットを有する。特に言及し得るポリオキシエチル化化合物は、非イオン性両親媒性ポリオキシエチル化化合物、例えば、
・ポロキサマー類、好ましくは、モル質量100ないし5000g/molのもの、特に好ましくはモル質量1000ないし3500g/molのもの。ポロキサマーは、エチレンオキシドとメチルオキシランのブロックコポリマーの国際一般名である。
・ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド類(非イオン性乳化剤とも呼ばれる)、好ましくは、例えば、グリセロールポリエチレングリコールリシノレート、
・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、好ましくは、例えば、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート、
・ポリオキシエチレン脂肪酸、例えば、マクロゴール15ヒドロキシステアレート(=Solutol HS15、エチレンオキシド15molと12−ヒドロキシステアリン酸1molを反応させることにより得ることができる)、
・ポリオキシエチレン脂肪アルコール、例えば、ヒドロキシポリエトキシドデカン、
である。
【0020】
脂肪酸または脂肪アルコールは、特に、少なくとも6個の炭素原子、かつ、通常30個以下の炭素原子を有する、対応する化合物を表す。
【0021】
両親媒性化合物、特にポリオキシエチル化化合物は、典型的には、製剤中で、0.001−0.15重量%の割合で、好ましくは0.005−0.09重量%で、特に好ましくは0.005−0.08重量%で、ことさらに0.01−0.07重量%で用いる。
【0022】
本発明の油をベースとする懸濁液は、好ましくは、医薬において用いる。従って、それらは、1種またはそれ以上の活性医薬成分を含む。
【0023】
言及し得る例は、抗感染症薬である;これらは、特に、抗菌活性を有する化合物、例えば、ペニシリン類、セファロスポリン類、アミノグリコシド類、スルホンアミド類、および、特に、キノロン類である。
【0024】
キノロン類、好ましくはフルオロキノロン類は、とりわけ、以下の文献に開示される化合物である:US4670444(Bayer AG)、US4472405(Riker Labs)、US4730000(Abbott)、US4861779(Pfizer)、US4382892(Daiichi)、US4704459(Toyama);言及し得るキノロン類の具体例は、ピペミド酸およびナリジクス酸である;言及し得るフルオロキノリン類の例は、ベノフロキサシン(benofloxacin)、ビンフロキサシン(binfloxacin)、シノキサシン、シプロフロキサシン、ダノフロキサシン(danofloxacin)、ジフロキサシン(difloxacin)、エノキサシン、エンロフロキサシン(enrofloxacin)、フレロキサシン、イバフロキサシン(ibafloxacin)、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、マルボフロキサシン(marbofloxacin)、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オルビフロキサシン(orbifloxacin)、ペフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、サラフロキサシン(sarafloxacin)、スパルフロキサシンである。
【0025】
フルオロキノロン類の好ましい群は、式(I)または(II)
【化1】

[式中、
Xは、水素、ハロゲン、C1−4−アルキル、C1−4−アルコキシ、NHであり、
Yは、構造
【化2】

{式中、
は、ヒドロキシまたはメトキシで置換されていることもある直鎖または分枝鎖のC1−4−アルキル、シクロプロピル、1個ないし3個のC原子を有するアシルであり、
は、水素、メチル、フェニル、チエニルまたはピリジルであり、
は、水素またはC1−4−アルキルであり、
は、水素またはC1−4−アルキルであり、
は、水素またはC1−4−アルキルである}
の基であり、
そして、
は、1個ないし3個の炭素原子を有するアルキルラジカル、シクロプロピル、2−フルオロエチル、メトキシ、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニルまたはメチルアミノであり、
は、水素、または、メトキシまたは2−メトキシエトキシで置換されていることもある1個ないし6個の炭素原子を有するアルキル、および、シクロヘキシル、ベンジル、2−オキソプロピル、フェナシル、エトキシカルボニルメチル、ピバロイルオキシメチルであり、
は、水素、メチルまたはエチルであり、そして、
Aは、窒素、=CH−、=C(ハロゲン)−、=C(OCH)−、=C(CH)−または=C(CN)であり、
Bは、酸素であるか、メチルまたはフェニルで置換されていることもある=NHまたは=CHであり、
Zは、=CH−または=N−である]
のもの、並びに、それらの医薬的に使用できる塩および水和物である。
式(I)および(II)の化合物は、それらのラセミ体またはエナンチオマー形であり得る。
【0026】
好ましいのは、式中、
Aが=CH−または=C−CNであり、
が、ハロゲンで置換されていることもあるC−C−アルキルまたはシクロプロピルであり、
が、水素またはC1−4−アルキルであり、
Yが、構造
【化3】

{式中、
は、ヒドロキシ置換されていることもある直鎖または分枝鎖のC1−3−アルキル、1個ないし4個のC原子を有するオキソアルキル(oxalkyl)であり、
は、水素、メチルまたはフェニルであり、
は、水素またはメチルであり、
およびRは水素である}
のラジカルである、
式(I)の化合物、並びに、それらの医薬的に使用できる塩および水和物である。
【0027】
特に好ましいのは、式中、
Aが、=CH−または=C−CNであり、
がシクロプロピルであり、
が、水素、メチルまたはエチルであり、
Yが、構造
【化4】

{式中、
は、メチルであるか、または、ヒドロキシで置換されていることもあるエチルであり、
は、水素またはメチルであり、
は、水素またはメチルであり、
およびRは水素である}
のラジカルである、
式(I)の化合物、並びに、それらの医薬的に使用できる塩および水和物である。
【0028】
適する塩は、医薬的に使用できる酸付加塩および塩基の塩である。
医薬的に使用できる塩は、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、エンボン酸、グルタミン酸またはアスパラギン酸の塩を意味する。本発明の化合物は、酸性または塩基性のイオン交換剤に結合していてもよい。言及し得る医薬的に使用できる塩基の塩は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、マグネシウムまたはカルシウム塩;亜鉛塩、銀塩およびグアニジウム塩である。
水和物は、フルオロキノロン類自体の水和物およびそれらの塩の水和物の両方を意味する。
【0029】
特に好ましいものとして言及し得るフルオロキノロン類は、WO97/31001に記載の化合物、特に、式
【化5】

を有する8−シアノ−1−シクロプロピル−7−((1S,6S)−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン−8−イル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(プラドフロキサシン(pradofloxacin))である。
プラドフロキサシンは、好ましくは、その三水和物の形態で用いる。
【0030】
また、特に好ましく用いるのは、エンロフロキサシン:
1−シクロプロピル−7−(4−エチル−1−ピペラジニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸
【化6】

である。
【0031】
エンロフロキサシンおよびプラドフロキサシンの他に、言及し得るさらなる好ましいキノロン抗感染症薬は、マルボフロキサシン、オルビフロキサシン、ジフロキサシン、オフロキサシンおよびイバフロキサシンである。
【0032】
ペニシリン類の例は、ベンジルペニシリン、アンピシリン、アモキシシリン、オキサシリン、ピペラシリン、チカルシリンである。
セファロスポリン類の例は、セファレキシン、セファドロキシル、セファゾリン、セフォキシチン、セフチオフルである。
マクロライド系薬として、例えば、エリスロマイシン、スピラマイシン、タイロシン、チルミコシン(tilmicosin)に言及し得る。
言及し得るスルホンアミド類は、例えば、トリメトプリムおよびスルファジアジンである(好ましくは組み合わせて用いる)。
言及し得るアミノグリコシド類は、ゲンタマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシン、ネオマイシンおよびスペクチノマイシンである。
言及し得るさらなる抗生物質は、リンコサミドのクリンダマイシンである。
【0033】
本発明に関してあまり好ましくない抗感染症薬は、銀から誘導されるもの、例えば、コロイド状の銀、硝酸銀またはスルファジアジン銀である。しかしながら、これらを、上記の抗感染症薬の1つ、および/または、必要に応じてコルチコイドと組み合わせて用い得る。
【0034】
抗感染症薬は、典型的には、完成した医薬を基準として、0.001−6重量%、好ましくは0.01−1.0重量%、特に好ましくは0.1−0.8重量%の割合で用いる。
【0035】
言及し得るさらなる活性医薬成分は、抗真菌薬、例えば、イミダゾールまたはトリアゾール、ケトコナゾール、エニルコナゾール(enilconazol)、エコナゾール、特に、例えば、クロトリマゾール、ミコナゾールまたはビホナゾールである。
【0036】
抗真菌薬は、典型的には、完成した医薬を基準として、0.01−10重量%、好ましくは0.1−5重量%、特に好ましくは0.5−2重量%の割合で用いる。
【0037】
さらに適する活性医薬成分は、例えば、コルチコイド類である。言及し得る例は、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、モメタゾン、クロベタゾン、フルメタゾン;好ましくは、ベタメタゾン、トリアムシノロンおよび特にデキサメタゾンである。
【0038】
コルチコイドは、典型的には、完成した医薬を基準として、0.001−2.0重量%、好ましくは0.005−0.5重量%、特に好ましくは0.05−0.2重量%の割合で用いる。
【0039】
さらに適する活性医薬成分は、トリアジン類、特に、式(I)または(II):
【化7】

[式中、
は、R−SO−またはR−S−であり、
は、アルキル、アルコキシ、ハロゲンまたはSON(CHであり、そして、
はハロアルキルであり、
およびRは、相互に独立して、水素またはClであり、そして、
は、フッ素または塩素である]
の化合物、および、それらの生理的に耐容される塩である。
【0040】
トリアジン類自体は、コクシジウム感染のための有効成分として周知であり、トリアジントリオン類、例えば、トルトラズリル(toltrazuril)およびポナズリル(ponazuril)、並びに、トリアジンジオン類、例えば、クラズリル(clazuril)、ジクラズリル(diclazuril)およびレトラズリル(letrazuril)に言及し得る。
【0041】
トリアジンジオン類は、式(II)より表される:
クラズリル(式(II)中、R=Cl、R=H、R=Cl)
レトラズリル(式(II)中、R=Cl、R=Cl、R=F)および
ジクラズリル(式(II)中、R=Cl、R=Cl、R=Cl)。
これらの1,2,4−トリアジンジオン類のうち、最も好ましいのはジクラズリルである。
【0042】
本発明による有効成分として特に好ましいのは、
が、好ましくは、各場合で4個までの炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシであり、特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルであり、
が、好ましくは、1個ないし3個の炭素原子を有するペルフルオロアルキルであり、特に好ましくは、トリフルオロメチルまたはペンタフルオロエチルである、
式(I)のトリアジントリオン類である。
【0043】
特に好ましい式(I)のトリアジントリオン類の例は、
トルトラズリル(R=R−S−、R=CH、R=CF
ポナズリル(R=R−SO−、R=CH、R=CF
である。
これらのうちで、トルトラズリルが最も好ましい。
【0044】
全ての医薬的有効成分に関して、キノロン類について上記で詳述した通り、対応する医薬的に許容し得る塩、水和物、溶媒和物、および、必要に応じて、様々な変態を使用することが可能である。
【0045】
場合により、活性物質は、それらの立体異性体の形態で、または、立体異性体の混合物として、例えば、純粋な、もしくは濃縮されたエナンチオマーとして、または、ラセミ体として、使用できる。
【0046】
本発明の懸濁液または医薬において、有効成分は、各場合で単独で存在しても、さらなる有効成分と共に用いられてもよい。
【0047】
好ましい実施態様では、本発明の製剤は、揺変性を有するように調節でき、これは、振盪すると粘性が低くなり、静止時に再度粘性が高まることを意味する。このことは、満足のいく一次包装からの取り出しやすさと、迅速な再構成をもたらす;このことは、例えば、適用された製剤が耳内に留まり、かつ、例えば頭を振ることにより排出され得ないように、耳道における適用で有利である。揺変性製剤は、流体基剤自体が揺変性でないならば、適当な添加物を製剤基剤(流体、油性基剤)に添加することにより製造する。そのような添加物は、通常、懸濁液安定化剤または増粘剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素である。揺変性の程度は、濃度を変更することにより、特異的に調節できる。
【0048】
製剤は、さらに、常套の医薬的に適する添加物および補助剤を含み得る。言及し得る例は、以下のものである。
・さらなる増粘剤は、通常は不要であるが、必要に応じて用い得る。言及し得るさらなる増粘剤の例は、セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース;ベントナイト類、カオリン、ペクチン、デンプン類、加工デンプン、蝋、寒天、パラフィン類、ゼラチン、アルギン酸塩、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、セチルアルコール、ステアリン酸塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸グリセリル、飽和または不飽和長鎖脂肪酸(C−C24)、高分子量ポリエチレングリコール類(例えば、ポリエチレングリコール2000)およびシリカ類。
【0049】
・防腐剤、例えば、カルボン酸(ソルビン酸、プロピオン酸、安息香酸、乳酸)、フェノール類(クレゾール類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)、脂肪族アルコール類(ベンジルアルコール、エタノール、ブタノールなど)、四級アンモニウム化合物(塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム)。
【0050】
・抗酸化剤、例えば、亜硫酸塩(亜硫酸Na、メタ重亜硫酸Na)、有機硫化物(シスチン、システイン、システアミン、メチオニン、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオ乳酸)、フェノール類(トコフェロール類、並びに、ビタミンEおよびビタミンE DPGS(d−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート))、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸(没食子酸プロピル、オクチルおよびドデシル)、有機酸(アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸)およびこれらの塩およびエステル。
【0051】
・湿潤剤または乳化剤、例えば、脂肪酸の塩、脂肪アルキル硫酸塩、脂肪アルキルスルホン酸塩、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪アルキルポリエチレングリコールエーテル硫酸塩、脂肪アルキルポリエチレングリコールエーテル類、アルキルフェノールポリエチレングリコールエーテル類、アルキルポリグリコシド類、脂肪酸N−メチルグルカミド類、ポリソルベート類、ソルビタン脂肪酸エステル類、レシチン類およびポロキサマー類。
【0052】
・医薬的に許容し得る着色料、例えば、酸化鉄、カロテノイド類など。
・製剤は、粘性を低下させる共溶媒も含み得る。これらは、通常、0.1ないし40重量%、好ましくは1ないし10重量%の割合で用いる。言及し得る共溶媒の例は、医薬的に許容し得るアルコール類、例えば、エタノールまたはベンジルアルコール、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、酢酸エチル、トリアセチン、N−メチルピロリドン、グリセロールホルマール、炭酸プロピレン、安息香酸ベンジル、グリコフロール(glycofurol)、ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、イソプロピリデングリセロール、グリセロールおよびポリエチレングリコール類である。上述の溶媒の混合物も、共溶媒として用いることができる。
【0053】
・水
・用いることができる拡展剤(spreading agent)は、とりわけ、ヘキシルドデカノール、オレイン酸デシル、アジピン酸ジブチル、ジメチコン、リシノレイン酸グリセリル、オクチルドデカノール、ステアリン酸オクチル、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、および、好ましくはミリスチン酸イソプロピルまたはパルミチン酸イソプロピルである。
【0054】
・浸透促進剤(または透過促進剤)は、医薬の経皮投与を改善し、原則として当分野で知られている(例えば、Dermatopharmazie, Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft mbH Stuttgart, 2001 の第6章参照)。言及し得る例は、拡展油(spreading oil)、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ペラルゴン酸ジプロピレングリコール、シリコン油およびそれらのポリエーテルとのコポリマー、脂肪酸エステル類(例えばオレイン酸オレイル)、トリグリセリド類、脂肪アルコール類およびリノレン(linolene)である。DMSO、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、オクチルドデカノール、オレイルマクロゴールグリセリド(oleyl macrogol glyceride)類またはラウリン酸プロピレングリコールを同様に使用できる。
【0055】
製剤は、溶解または懸濁しようとする有効成分または補助剤を、基剤に分散させることにより製造する。ホモジナイザーまたは高圧ホモジナイザーを、必要に応じて分散のために用いる。個々の成分の添加順序は、製剤によって変動し得る。全ての製剤の成分を分散させた後、完成した製剤を暫定的貯蔵庫に入れるか、または、一次包装に直接入れる。
【0056】
原則として、全ての可能な一次包装が、本発明の懸濁液または医薬に適する。好ましい実施態様では、単回用量の容器を一次包装として使用する。これらに、取り出すことができる製剤の内容量として、0.1−0.5ml、好ましくは0.2−0.4ml、特に好ましくは0.3−2.0mlの量を詰める。
【0057】
本発明の医薬は、一般的に、ヒトおよび動物における使用に適する。それらは、好ましくは、動物の管理および動物の飼育において、生産用および育種用家畜、動物園、研究室、実験用および愛玩用の動物に、特に哺乳動物に用いる。
【0058】
生産用および育種用家畜には、哺乳動物、例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラクダ、スイギュウ、ロバ、ウサギ、ダマジカ、トナカイ、毛皮を有する動物、例えば、ミンク、チンチラ、アライグマ、並びに、鳥類、例えば、ニワトリ、ガチョウ、シチメンチョウ、アヒル、ハトおよびダチョウが含まれる。好ましい生産用家畜の例は、ウシ、ヒツジ、ブタおよびニワトリである。
【0059】
研究室および実験用の動物には、イヌ、ネコ、ウサギおよび齧歯類、例えば、マウス、ラット、モルモットおよびゴールデンハムスターが含まれる。
【0060】
愛玩用動物には、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、齧歯類、例えばゴールデンハムスター、モルモット、マウス、また、家庭および動物園で飼育するための爬虫類、両生類および鳥類が含まれる。
本発明の医薬は、好ましくは、愛玩動物、特にイヌおよびネコに用いる。
【0061】
予防的および治療的な使用が両方とも可能である。
本明細書に記載の医薬は、原則として、全ての可能な投与様式、例えば、皮膚、経口、直腸、膣または鼻腔投与に適する。それらは、例えば、耳道への局所投与に特に適する。
【0062】
従って、記載した製剤は、耳道の障害、例えばイヌおよびネコの外耳炎の、衛生的処置に特に適する。この目的で、それらは、好ましくは、一次包装としての単回用量の容器に入れられる。製剤を非常に再現性よく取り出せることが、特に強調されるべきである。懸濁液製剤に増粘剤を用いるならば、懸濁した成分の沈降を防止することが通常は可能である。揺変性製剤は、単回用量の容器を振盪した後、たとえ有効成分の濃度が低くても、製剤を特に再現性よく取り出せ、製剤は、揺変性および単回用量の容器のために、簡単かつ衛生的に動物の耳に投与でき、それにも拘わらず、例えば、通常の頭部の振盪によっては排出され得ないので、特に有利である。同様に、製剤が投与後に耳道に満足に分配されるので、製剤が良好な拡展性を有することが望ましい。
【0063】
耳道への投与用の医薬は、好ましくは、上記の抗生物質、コルチコイド類または抗真菌薬を含み得る。抗生物質およびコルチコイド類の組合せが好ましく、抗生物質、コルチコイド類および抗真菌薬の三種の組合せが特に好ましい。各有効成分の群の好ましい実施態様について行った記述は、この領域の使用にも適用される。
【0064】
言及し得る特に好ましい有効成分の組合せの例は、プラドフロキサシン、クロトリマゾールおよびデキサメタゾン(好ましくは、その酢酸塩形態で)、並びに、エンロフロキサシン、ビホナゾールおよびデキサメタゾン(好ましくはその酢酸塩形態で)である。
【0065】
沈降動態の測定
図1は、疎水性シリカを含む製剤の沈降動態を示す。測定は、いわゆる Lumifuge を用いて、光の回折を測定することにより実施した。沈降動態は、製剤の沈降をy軸(「相間の高さ(Interphase Height)」)に、遠心力場における重力への曝露期間をx軸(時間で表記)に示す。100%の相間の高さの製剤は、適用された重力下では沈降せず、例えば80%の相間の高さの製剤は、例えば90%のものよりも沈降する。
【0066】
測定された製剤、とりわけ実施例13のものは、疎水性シリカ(Aerosil R972、Degussa のメチル化シリカ)およびトルトラズリルを低粘性パラフィン中に含む。最も下にある曲線は、ポリエトキシル化化合物の添加物を含有せず、他の曲線は、ポリエトキシル化化合物、具体的には BASF のポロキサマー(Pluronic PE8100、Pluronic PE 3100 および Pluronic RPE3110)を添加物として含有する。
【0067】
ポリエトキシル化化合物(ポロキサマー)を添加せず、疎水性シリカを含む製剤は、最も下にある曲線のプロフィールを示すことが明らかである。疎水性シリカに加えて、ポリエトキシル化化合物(上記で挙げた様々なポロキサマー)の添加物を含む全ての他の製剤は、明確に高い位置にある。従って、ポリエトキシル化化合物を添加した製剤の沈降特性(即ち、沈降の防止)は、ポリエトキシル化化合物を添加しない製剤と比較して、明確に改善されている。
【実施例】
【0068】
実施例
本明細書に記載の製剤についての百分率のデータは、重量/体積で示す。使用する中鎖トリグリセリド類は、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、例えば、Sasol/Witten の Miglyol(登録商標) 812(例えば、実施例3および6で使用する)である。Degussa のメチル化シリカ Aerosil(登録商標) R972 を、コロイド状疎水性シリカとして使用する。(Aerosil R972 は、ジメチルジクロロシランで疎水化された発熱性シリカであり、比表面積約130m/gおよびメチル化度66%−75%の親水性発熱性シリカをベースとする。)
【0069】
実施例1
0.14%プラドフロキサシン三水和物
1.0%クロトリマゾール
0.05%酢酸デキサメタゾン
4%ベンジルアルコール
0.1%ソルビン酸
0.05%ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート
3.2%コロイド状疎水性シリカ
100%までの中鎖トリグリセリド類
ソルビン酸0.1gを、MCT91g中で60℃に加熱し、溶解させる。約22°で、クロトリマゾール1.0gおよび酢酸デキサメタゾン0.05gを懸濁させる。プラドフロキサシン三水和物0.14gをベンジルアルコール4gに溶解し、懸濁液に混合する。ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート0.05gおよびコロイド状疎水性シリカ3.2gを分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【0070】
実施例2
0.14%プラドフロキサシン三水和物
1.0%クロトリマゾール
0.05%酢酸デキサメタゾン
0.1%ソルビン酸
0.05%ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート
3.2%コロイド状疎水性シリカ
100%までの中鎖トリグリセリド類
ソルビン酸0.1gを、MCT95g中で60℃に加熱し、溶解させる。約22°で、プラドフロキサシン三水和物0.14g、クロトリマゾール1.0g、酢酸デキサメタゾン0.05g、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート0.05gおよびコロイド状疎水性シリカ3.2gを分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【0071】
実施例3
0.14%プラドフロキサシン三水和物
1.0%クロトリマゾール
0.05%酢酸デキサメタゾン
4%ベンジルアルコール
0.1%ソルビン酸
0.05%グリセロールポリエチレングリコールリシノレート(ヒマシ油1molおよびエチレンオキシド35mlから製造する。生成物は、83%の疎水性ポリオキシエチレングリセロールリシノレート化合物および約17%の親水性ポリオキシエチレングリセロールおよびポリエチレングリコールを含有する)
3.2%コロイド状疎水性シリカ
100%までの中鎖トリグリセリド類
ソルビン酸0.1gを、MCT91g中で60℃に加熱し、溶解させる。約22°で、クロトリマゾール1.0gおよび酢酸デキサメタゾン0.05gを懸濁させる。プラドフロキサシン三水和物0.14gをベンジルアルコール4gに溶解し、懸濁液に混合する。ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート0.05gおよびコロイド状疎水性シリカ3.2gを分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【0072】
実施例4
0.14%プラドフロキサシン三水和物
1.0%クロトリマゾール
0.05%酢酸デキサメタゾン
0.1%ソルビン酸
0.05%グリセロールポリエチレングリコールリシノレート
3.2%コロイド状疎水性シリカ
100%までの中鎖トリグリセリド類
ソルビン酸0.1gを、MCT95g中で60℃に加熱し、溶解させる。約22°で、プラドフロキサシン三水和物0.14g、クロトリマゾール1.0g、酢酸デキサメタゾン0.05g、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート0.05gおよびコロイド状疎水性シリカ3.2gを分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【0073】
実施例5
0.14%プラドフロキサシン三水和物
1.0%ビホナゾール
0.05%酢酸デキサメタゾン
4%ベンジルアルコール
0.1%ソルビン酸
0.05%ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート
3.2%コロイド状疎水性シリカ
100%までの中鎖トリグリセリド類
ソルビン酸0.1gをMCT91g中で60℃に加熱し、溶解させる。約22°で、ビホナゾール1.0gおよび酢酸デキサメタゾン0.05gを懸濁させる。プラドフロキサシン三水和物0.14gをベンジルアルコール4gに溶解し、懸濁液に混合する。ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート0.05gおよびコロイド状疎水性シリカ3.2gを分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【0074】
実施例6
0.14%プラドフロキサシン三水和物
1.0%ビホナゾール
0.05%酢酸デキサメタゾン
0.1%ソルビン酸
0.05%ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート
3.2%コロイド状疎水性シリカ
100%までの中鎖トリグリセリド類
ソルビン酸0.1gをMCT95g中で60℃に加熱し、溶解させる。約22°で、プラドフロキサシン三水和物0.14g、ビホナゾール1.0g、酢酸デキサメタゾン0.05g、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート0.05gおよびコロイド状疎水性シリカ3.2gを分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【0075】
実施例7
0.1%エンロフロキサシン
1.0%クロトリマゾール
0.05%酢酸デキサメタゾン
4%ベンジルアルコール
0.1%ソルビン酸
0.05%ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート
3.2%コロイド状疎水性シリカ
100%までの中鎖トリグリセリド類
ソルビン酸0.1gをMCT91g中で60℃に加熱し、溶解させる。約22°で、クロトリマゾール1.0gおよび酢酸デキサメタゾン0.05gを懸濁させる。エンロフロキサシン0.1gをベンジルアルコール4gに溶解し、懸濁液に混合する。ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート0.05gおよびコロイド状疎水性シリカ3.2gを分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【0076】
実施例8
0.1%エンロフロキサシン
1.0%クロトリマゾール
0.05%酢酸デキサメタゾン
0.1%ソルビン酸
0.05%ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート
3.2%コロイド状疎水性シリカ
100%までの中鎖トリグリセリド類
ソルビン酸0.1gを、MCT95g中で60℃に加熱し、溶解させる。約22°で、エンロフロキサシン0.1g、クロトリマゾール1.0g、酢酸デキサメタゾン0.05g、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート0.05gおよびコロイド状疎水性シリカ3.2gを分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【0077】
実施例9
0.1%エンロフロキサシン
1.0%ビホナゾール
0.05%酢酸デキサメタゾン
4%ベンジルアルコール
0.1%ソルビン酸
0.05%ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート
3.2%コロイド状疎水性シリカ
100%までの中鎖トリグリセリド類
ソルビン酸0.1gをMCT91g中で60℃に加熱し、溶解させる。約22°で、ビホナゾール1.0gおよび酢酸デキサメタゾン0.05gを懸濁させる。エンロフロキサシン0.1gをベンジルアルコール4gに溶解し、懸濁液に混合する。ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート0.05gおよびコロイド状疎水性シリカ3.2gを分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【0078】
実施例10
0.1%エンロフロキサシン
1.0%ビホナゾール
0.05%酢酸デキサメタゾン
0.1%ソルビン酸
0.05%ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート
3.2%コロイド状疎水性シリカ
100%までの中鎖トリグリセリド類
ソルビン酸0.1gを、MCT95g中で60℃に加熱し、溶解させる。約22°で、エンロフロキサシン0.1g、ビホナゾール1.0g、酢酸デキサメタゾン0.05g、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート0.05gおよびコロイド状疎水性シリカ3.2gを分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【0079】
実施例11
0.1%エンロフロキサシン
1.0%ビホナゾール
0.05%酢酸トリアムシノロン
4%ベンジルアルコール
0.1%ソルビン酸
0.05%ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート
3.2%コロイド状疎水性シリカ
100%までの中鎖トリグリセリド類
ソルビン酸0.1gを、MCT91g中で60℃に加熱し、溶解させる。約22°で、ビホナゾール1.0gおよび酢酸トリアムシノロン0.05gを懸濁させる。エンロフロキサシン0.1gをベンジルアルコール4gに溶解し、懸濁液に混合する。ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート0.05gおよびコロイド状疎水性シリカ3.2gを分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【0080】
実施例12
0.1%エンロフロキサシン
1.0%ビホナゾール
0.05%酢酸トリアムシノロン
0.1%ソルビン酸
0.05%ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート
3.2%コロイド状疎水性シリカ
100%までの中鎖トリグリセリド類
ソルビン酸0.1gをMCT95.5g中で60℃に加熱し、溶解させる。約22°で、エンロフロキサシン0.1g、ビホナゾール1.0g、酢酸トリアムシノロン0.05g、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート0.05gおよびコロイド状疎水性シリカ3.2gを分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【0081】
実施例13
5%トルトラズリル
0.07%ポロキサマー(Pluronic PE 3100)
3%コロイド状疎水性シリカ
100%までのパラフィン、低粘性
トルトラズリル5g、ポロキサマー0.07gおよびコロイド状疎水性シリカ3gを、パラフィン92gに分散させる。次いで、懸濁液を約10分間ホモジナイザーでホモジナイズする。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性シリカを含む流体の油をベースとする懸濁液を安定化するための、両親媒性物質の使用。
【請求項2】
両親媒性物質としてのポリオキシエチル化化合物を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
両親媒性物質としてのフルオロキノロン抗生物質を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
油性基剤中に、
d)有効成分
e)疎水性シリカ
f)ポリオキシエチル化化合物
を含む医薬。
【請求項5】
ポロキサマー;グリセロールポリエチレングリコールリシノレートなどのポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド;ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;マクロゴール15ヒドロキシステアレートなどのポリオキシエチレン脂肪酸、または、ヒドロキシポリエトキシドデカンなどのポリオキシエチレン脂肪アルコールを、ポリオキシエチル化化合物として含む、請求項3に記載の医薬。
【請求項6】
フルオロキノロンを含む、請求項4に記載の医薬。
【請求項7】
エンロフロキサシンを含む、請求項6に記載の医薬。
【請求項8】
プラドフロキサシンを含む、請求項6に記載の医薬。
【請求項9】
マルボフロキサシンを含む、請求項6に記載の医薬。
【請求項10】
さらに抗真菌薬を含む、請求項4ないし請求項9のいずれかに記載の医薬。
【請求項11】
クロトリマゾール、ミコナゾールまたはビホナゾールを含む、請求項10に記載の医薬。
【請求項12】
さらにコルチコイドを含む、請求項4ないし請求項11のいずれかに記載の医薬。
【請求項13】
デキサメタゾン、ベタメタゾンまたはトリアムシノロンを含む、請求項12に記載の医薬。
【請求項14】
トリアジンを含む、請求項4に記載の医薬。

【公表番号】特表2011−503217(P2011−503217A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534397(P2010−534397)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【国際出願番号】PCT/EP2008/009526
【国際公開番号】WO2009/065514
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(508270727)バイエル・アニマル・ヘルス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (32)
【氏名又は名称原語表記】BAYER ANIMAL HEALTH GMBH
【Fターム(参考)】