説明

疎水性薬物のための薬物送達系

【課題】疎水性薬物を含む微小凝集塊を含む組成物を提供すること。
【解決手段】本発明において、疎水性薬物を含む微小凝集塊を含む組成物、およびその生成のための方法が記載される。本発明のこのような微小凝集塊は、ミセル構造また はリ
ポソームとのミセル構造との組合せを含み得、そして本発明によって疎水性剤のための有効な送達ビヒクルを構築し得る。本発明における微小凝集塊生成の ための方法としては
、好ましい脂質化合物の使用、および改善された濾過滅菌のための小凝集塊の生成に好ましい処理条件が挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、薬学的、農業的または産業的に使用され得る、水に不溶性、難溶性または別の疎水性薬剤およびリン脂質もしくは脂質の水溶性微小凝集体に関す る。これらの微小
凝集体組成物は、疎水性薬物を薬学的処方物として、植物成長に関する疎水性化合物を農産物として、および疎水性試薬を産業材料として送達 するために使用され得る。さらに
、本発明の微小凝集体は、ミセル、リポソーム、およびそれらの混合物を生じる疎水性薬剤との凝集を可能にする天然リン脂質 および/または合成リン脂質の組み合わせを含む
。疎水性薬剤およびリン脂質または脂質の特定の組み合わせは、上記化合物の有効な送達ビヒクルである微小凝 集体を生成する。
【0002】
さらに、本発明は、送達システムとして上記微小凝集体を生成するためのプロセスに関する。これらのプロセスは、微小流動化(液体ジェットミリング)、高 剪断(shea
r)混合、および超音波処理を含む。疎水性薬剤およびリン脂質または脂質の特定の組み合わせの使用に関する特定のプロセスは、疎水性薬剤に ついて有効な送達ビヒクルの大
量調製を可能にする。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
活性な疎水性薬剤または別の水に不溶性の薬剤の広範な存在が、当該分野において公知である。同様に、このような活性薬剤を水ベースの環境または別の水性 環境に送達する
必要性の認識もある。そのようなものとして、複数のシステムが、このような薬剤についての送達ビヒクルとして開発されてきた。これらは、有 機溶媒、水性/界面活性剤混合
物、水性/有機溶媒混合物(例えば、共溶媒)、エマルジョン、リポソーム、およびミセルの使用を含む。しかし、これらのシス テムのそれぞれは、水への不溶性の程度および
送達が所望される環境のような考慮から生じる制限を有する。
【0004】
リポソーム中の疎水性薬剤の例は、Farmerら、米国特許第4,776,991号により教示され、これは、ヘモグロビンの大規模なカプセル化を開示し ている。Kap
pasら、米国特許第5,010,073号は、脂質として使用される卵ホスファチジルコリン(「EPC」)を用いる金属ポルフィリンを含有 するリポソームの調製を開示し
ている。Schneiderら、米国特許第5,270,053号は、固体粒子および大きな脂質凝集体がないといわれるリポソーム処方物を開示している。Parikhら、米国特許第5,922,355号は、不溶性物質を含む微粒子を開示している。Lasic(Nature,Vol.355,pp.379〜380,(1992))は、薬剤お
よび生物学的脂質を含む混合ミセルの使用を記載している。
【0005】
同様に、ミセルもまた、患者への医薬の送達のために使用されており(Brodinら、Acta Pharm.Suec.19 267〜284 (1982))、そしてミ
セルは、薬物キャリアとしておよび標的化薬物送達のために使用され(Supersaxoら、Pharm.Res.8: 1286〜1291(1991))、癌医薬(Fun
gら、Biomater.Artif.Cells.Artif.Organs 16:439et. seq.(1988);およびYokoyamaら、Cancer Re
s.51:3229〜3236(1991))を含む。
【0006】
大きな関心がもたれる疎水性薬剤としては、ポリピロール大環状分子に基づく光増感化合物、特にグリーンポルフィリン(例えば、BPD−MA(ベンゾポルフィリン誘導体一酸環A、その一般名バータポルフィン(verteporfin)としても知られる))が挙げられる。これらの化合物は、光と組合わせた場合、腫瘍、新脈管形成および新生
血管形成(neovasculature)、再狭窄およびアテローム斑、ならびに慢性関節リウマチを含む、種々の状態の処置および診断のた めに有用であることがしばらく
の間公知であった。ポルフィリンは、悪性組織または増殖性組織に「局在化」する生来の傾向を有し、ここで、ポルフィリンは、 照射された場合、特定の波長の光を吸収する。
吸収された光は、ポルフィリンが局在化している細胞および隣接する細胞に細胞傷害性効果をもたらし得る(例え ば、Diamondら、Lancet,2:1175〜77(
1972);Doughertyら、「The Science of Photo
Medicine」,625〜38(Reganら編、1982);およびDoughertyら、「Cancer:Principles and Practice of
Oncology」,1836〜44(DeVita Jr.ら編、1982)を参照のこと)。ポルフィリンの細胞傷害性効果は、 光に曝されたときの一重項酸素の形成に
起因すると推定されている(Weishauptら、Cancer Research,36:2326〜29 (1976))。
【0007】
従って、ポルフィリンを含む調製物は、重要な細胞および組織(例えば、腫瘍、増殖している脈管構造、動脈性閉塞および自己免疫に関連するもの)の診断お よび検出におい
て有用である(例えば、「Porphyrin Photosensitization」,Plenum Press(Kesselら編、 1983)を参照のこと)。同様
な光増感剤は、米国特許第4,512,762号および同第4,577,636号に開示されるように、アテローム斑の検出お よび処置に使用されてきた。種々の状態の診断お
よび処置についての全身使用に加えて、ポルフィリンは、種々の他の治療適用において使用され得る。ポルフィ リン化合物は、米国特許出願第4,753,958号に開示され
るように、種々の皮膚病を処置するために局所的に使用されてきた。
【0008】
多数のポルフィリン光増感剤調製物は、治療適用について開示されてきた。検出および処置の両方について光線力学療法の初期の間に広範に使用された光増感 剤調製物は、L
ipsonら、J.Natl.Cancer Inst.,26:1〜8(1961)に記載されるように調製されたヘマトポルフィリンの粗製 誘導体(ヘマトポルフィリン誘
導体(「HPD」)、またはLipson誘導体とも呼ばれる)であった。HPDの活性成分の精製された形態は、米国特許第 4,649,151号;同第4,866,168
号;同第4,889,129号;および同第4,932,934号に開示されるように、Doughertyお よび共同研究者による、凝集を引き起こすpHの調整に続く、凝
集体の回収によって調製された。この生成物の精製された形態は、登録商標Photofrin (登録商標)(Axcan Pharmaceuticals)に基づいて臨床
的に使用されており、これは、ポルフィマー(porfimer)ナトリウムで ある。
【0009】
特に興味深いのは、「グリーンポルフィリン」(Gp)として公知の約670〜780nmの間に1つ以上の光吸収極大を有する改変ポルフィリンの群であ る。これらのGp
化合物は、ヘマトポルフィリンまたはHPDについて必要とされる濃度よりもより低い濃度で、標的細胞に対して細胞傷害性を付与することが 示されている。Gp化合物は、適
切な条件下、種々のアセチレン誘導体とプロトポルフィリンのDiels−Alder反応を用いて得られ得る。Gpの好まし い形態は、特に、ヒドロ−モノベンゾポルフィリ
ン誘導体(「BPD」)ならびにBPD−MA、EA6およびB3である。Gp化合物およびBPD化合物の調 製および使用は、米国特許第4,920,143号、同第4,8
83,790号および同第5,095,030号(本出願の開示中に参考として援用される)に 開示されている。EA6およびB3の調製および使用は、それぞれ、米国特許第
6,153,639号および同第5,990,149号(これもまた参考として 援用さ
れる)に開示されている。
【0010】
多くの望ましいヒドロ−モノベンゾポルフィリン光増感剤(例えば、BPD−MA)は、生理学的pHで水に不溶性であるだけでなく、(1)薬学的に受容可 能な水性−有機
共溶媒、(2)水溶性ポリマー溶液、および(3)界面活性剤/ミセル溶液においてもまた不溶性である。最近、投与前にリポソーム中への特定 の薬物のカプセル化が、治療剤
の薬物動態、組織分布、代謝および効力に顕著な効果を有することが示された。ポルフィリン光増感剤の腫瘍選択性を増加させる ために、ポルフィリン化合物は、単層リポソー
ム中に組込まれ、培養された悪性細胞およびインビボでの実験的な腫瘍の両方によって、光増感剤のより大きな集 積およびより延長された保持を生じている。Joriら、Br
.J.Cancer,48:307〜309(1983);Cozzaniら、In
Porphyrins in Tumor Phototherapy,177〜183,Plenum Press(Andreoniら編、1984)。リ ポソーム結合ポ
ルフィリンによる、このより効果的な腫瘍組織の標的化は、血清リポタンパク質へのリン脂質ビヒクルの特異的な送達に部分的に起因し得、血清 リポタンパク質は、レセプター
媒介エンドサイトーシスを通じて、過剰増殖組織(例えば、腫瘍)と優先的に相互作用することが示されてきた。この様式におい て、腫瘍によるポルフィリン取り込みの選択性
は、水溶液中に溶解した光増感剤と比較した場合、増加された。Zhouら、Photochemistry and Photobiology,48:487〜92(19
88)を参照のこと。
【0011】
従って、ヘマトポルフィリンおよびヘマトポルフィリンジメチルエステルは、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)の単層ベシクルならびにジミ リストイル(D
MPC)およびジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)のリポソーム中に処方されている。Zhouら、前出;Ricchelli、 New Directions
in Photodynamic Therapy,847:101〜106(1987);Milanesi、Int.J. Radiat.Biol.,55:59〜69
(1989)。同様に、HP、ポルフィマーナトリウム、およびテトラベンゾポルフィリンは、卵ホスファチジル コリン(EPC)から構成されるリポソーム中に処方されてい
る。Johnsonら、Proc.Photodynamic Therapy: Me
chanisms II,Proc.SPIE−Int.Soc.Opt.Eng.,1203:266〜80(1990)。さらに、BPD−MAは、リ ン脂質の適切な混合
物を用いて水溶液中に約2.0mg/mlの濃度で「可溶化」されて、カプセル化リポソームを形成し得る。このような「可溶化」リポソー ム組成物は、非経口投与について適
切である。
【0012】
さらに、ポルフィリン光増感剤、二糖類または多糖類、および1つ以上のリン脂質(例えば、EPGおよびDMPC)を含む凍結乾燥した薬学的処方物が、作 製されている。
これらの処方物は、適切な水溶性ビヒクルとの再構成の際に有効量のポルフィリン光増感剤を含むリポソームを形成し、そしてこれは、 Desaiら、米国特許第6,074,
666号(これは、参考として援用される)において記載される。光増感剤を含むDMPC/EPGリポソームの大量生 産のための方法は、米国特許出願第5,707,608
号(これは、完全に記載されているかのように参考として援用される)において開示される。
【0013】
濾過滅菌および凍結乾燥され得、そしてまた投与前に水性媒体中に迅速に再構成され得るが、再水和後に小さな粒子サイズを保持する、疎水性ポリピロール大 環状分子ベース
の光増感剤についての適切な薬学的処方物を見つけることは、1つの挑戦であった。光増感性化合物(例えば、バータポルフィン(BPD− MA)およびQLT0074(EA
6))は、貯蔵のために凍結乾燥されなければならない。なぜなら、これらは、水性環境において不安定であるからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要旨)
本発明は、疎水性光増感剤を組み込まれ得るリン脂質組成物を提供し、この組成物は、滅菌濾過されるのに十分に小さく、貯蔵のために凍結乾燥され、そして 投与のために水
性媒体中に迅速に溶解するが、小さな粒子サイズを維持する、安定なリポソーム産物に加工(process)され得る。当初、リン脂質の選択 は、飽和脂質のみを含むことと
考えられていた。なぜなら、飽和脂質は、より安定であり、薬学的調製物における抗酸化剤の必要性を排除するからである。飽和 リン脂質を使用する組成物についての初期の試
みは、失敗した。驚くべきことに、組成物中の少なくともいくつかの不飽和脂質の存在が、凍結乾燥プロセスでイ ンタクトに残存する安定で強固な生成物のために必須であるこ
とが見出された。さらに、少なくともいくつかの負に荷電した極性ヘッド基 (head
group)を有するリン脂質の存在が、この組成物の安定性に寄与することが見出された。
【0015】
別の全く予期しなかった知見は、この材料が高エネルギープロセス(例えば、微小流動化)に供された場合、ある割合の不飽和荷電脂質を含む二層形成リン脂 質は、ミセル構
造(疎水性分子の組込みのあるかなしか)を想定し得ることであった。二層形成脂質からのミセルの生成は、完全に新規であると考えられ、そし て二層形成脂質に関する文献か
ら予測されていない。
【0016】
本発明は、脂質および疎水性薬剤の微小凝集体に関する。特に、この微小凝集体は、リン脂質および活性疎水性化合物の組合わせによって生成される。このよ うな組成物は、
任意の治療的、農業的または産業的な場面において使用され得、そしてこのような組成物は、活性疎水性薬剤についての送達ビヒクルである。好 ましくは、この微小凝集体は、
治療的に受容可能な量のヒドロ−モノベンゾポルフィリン光増感剤を含有する、ミセルおよび/または小さなリポソームを含む。 微小凝集体を生成するために使用される脂質は
、不飽和脂質を含み、そして抗酸化剤の存在によって安定化され得る。好ましくは、この微小凝集体は、飽和脂質 および不飽和脂質の混合物を含む。好ましくは、この微小凝集
体は、5〜7のpH範囲にわたって負に荷電されるヘッド基を有するリン脂質を含む。代替的に、 この微小凝集体は、リン脂質の同一の組合わせから生成されるか、またはこの
組合わせを含む、ミセルおよびリポソームの両方を含み得る。
【0017】
本発明はまた、脂質および疎水性薬剤を含む微小凝集体を生成する方法に関する。脂質、塩条件、温度、およびサイズ減少プロセスの適切な選択とともに、異 なる量のリポソ
ームおよびミセルを含む微小凝集体が、生成され得ることを発見した。脂質、低塩条件、および高エネルギープロセス(例えば、微小流動化)の 適切に選択された組み合わせは
、微小凝集体組成物を含む優先的なミセルの生成を生じ得る。
【0018】
本発明の微小凝集体は、ヒドロ−モノベンゾポルフィリン光増感剤のような疎水性薬剤のほぼ100%の組込みを提供し、この光増感剤は、高価であり得、そ して通常、生成
のために複雑な合成手順を必要とし得る。従って、再加工の必要性がより少なく、そして光増感剤の損失がほとんどない。さらに、これらの小さ な粒子サイズに起因して、本発
明の微小凝集体は、大量の光増感剤含有送達ビヒクルを生成するのに重要な改善された濾過性を示す。さらに、微小凝集体は、凍 結乾燥および薬学的送達のための水性媒体を用
いた再構成の後に、それらの小さなサイズを維持している。このような光増感性微小凝集体組成物は、所望されな い細胞もしくは組織または他の所望されない材料の破壊の媒介
、あるいは適切な照射の際に、蛍光を介してこれらの存在を検出するために有用である。本発明の 実施において使用される特に好ましいヒドロ−モノベンゾポルフィリン光増感剤としては、670〜780nmの範囲に1つ以上の光吸収極大を有するものが挙げら
れる。本発明は、以下を提供する。
(1) 微小凝集塊を含む組成物であって、該微小凝集塊が、飽和リン脂質および不飽和リン脂質ならびに1つ以上の光増感剤を含み、ここで該不飽和リン脂質が卵ホスファチジルグリセロールでない、組成物。
(2) 前記微小凝集塊がミセルを含む、項目1に記載の組成物。
(3) 前記1つ以上の光増感剤が、A−EA6、B−EA6またはその組合せである、項目1または2に記載の組成物。
(4) 前記飽和リン脂質および不飽和リン脂質の1つ以上が負に荷電した頭部を含む、項目1、2または3に記載の組成物。
(5) 前記リン脂質が、DOPGおよびDMPCを含む、項目4に記載の組成物。
(6) DOPG:DMPCの比が、40:60である、項目5に記載の組成物。
(7) 前記微小凝集塊が、少なくとも1つの酸化防止剤をさらに含む、項目6に記載の組成物。
(8) 前記少なくとも1つの酸化防止剤が、BHTおよび/またはAPである、項目7に記載の組成物。
(9) リン脂質:光増感剤の比が8:1である、項目1〜8のいずれかに記載の組成物。
(10) 項目1または2に記載の組成物であって、ここで前記1つ以上の光増感剤が1つ以上のヒドロ−モノベンゾ−ポルフィリン光増感剤であるが、ほぼ等しい分量のBPD−MACとBPD−MADとの組合せではない、組成物。
(11) 前記光増感剤がA−EA6またはB−EA6である、項目10に記載の組成物。
(12) 微小凝集塊を含む組成物であって、該微小凝集塊が、飽和リン脂質および不飽和リン脂質ならびに1つ以上の光増感剤を含み、該リン脂質のうち少なくとも1つが、負に荷電した頭部を含み、ここで該不飽和リン脂質が、卵ホスファチジルグリセロールでない、組成物。
(13) ミセルを含む微小凝集塊の組成物であって、該ミセルがリン脂質および1つ以上の光増感剤を含み、ここで
(a)該リン脂質が脂質二分子膜を形成し得るが、卵リン脂質も、卵ホスファチジルグリセロールも含まないか;あるいは
(b)該リン脂質が脂質二分子膜を形成し得、そして該1つ以上の光増感剤がほぼ等量のBPD−MACとBPD−MADとの組合せではない、
のいずれかである、組成物。
(14) ミセルを含む微小凝集塊の組成物を生成するための方法であって、該ミセルが1つ以上の疎水性剤およびリン脂質の混合物を含み、ここで、該方法が以下の工程:
「中間複合体」を形成するために有機溶媒、疎水性剤、および脂質二分子膜を形成し得るリン脂質の混合物を生成する工程:
「プレソーム」材料を生成するために該溶媒を除去する工程;
水性溶媒を用いて該「プレソーム」材料を水和する工程;
微小凝集塊を含むミセルを生成するために該水和材料を処理する工程;
を包含し、ここで、
a)該リン脂質が、脂質二分子膜を形成し得るが、卵リン脂質も卵ホスファチジルグリセロールも含まないか;あるいは
b)該リン脂質が脂質二分子膜を形成し得、そして該1つ以上の疎水性剤がほぼ等量のBPD−MACとBPD−MADとの組合せではない、
のいずれかである、方法。
(15) 項目14に記載の方法であって、前記1つ以上の疎水性剤が光増感剤であるが、ほぼ等しい分量のBPD−MACとBPD−MADとの組合せではない、方法。
(16) 項目15に記載の方法であって、前記1つ以上の光増感剤がA−EA6、B−EA6またはその組合せである、方法。
(17) 項目14、15、または16に記載の方法であって、前記「中間複合体」および前記水性溶媒が低塩である、方法。
(18) 項目17に記載の方法であって、前記水和する工程および処理する工程が、約30℃未満の温度で生じる、方法。
(19) 項目14、15、または16に記載の方法であって、以下の工程:
a)脂質二分子膜を形成し得るリン脂質の混合物の有機溶媒溶液を、外部から加熱されるチューブ式ヒーターに一定の速度で供給する工程
b)実質的な固体と過熱された有機溶媒の蒸気との混合物を調製するために、該ヒーター中で有機溶媒をエバポレートさせる工程
c)音速の0.1倍を超える高速度でこの混合物を300mmHg以下の真空チャンバ中に導入して該有機溶媒を瞬間的にエバポレートさせ、そして固体を乾燥させ、これによって脂質粉末が得られる工程;ならびに
d)約30℃未満の温度で、生じた脂質粉末を低塩水性溶媒中に分散させる工程、
を包含する、方法。
(20) 項目18または19に記載の方法であって、前記処理する工程が高エネルギー操作による、方法。
(21) 項目20に記載の方法であって、前記高エネルギー操作が、微小流動化、超音波処理、高速剪断、押出し、超音波処理および均質化からなる群から選択される、方法。
【0019】
他の対象、特徴、および利点は、以下の種々の実施形態の記述および添付の図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、Mn2+の存在下でのリポソームおよびミセルの31P−NMRの図解である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(発明の詳細な説明)
本発明は、疎水性薬剤およびリン脂質または脂質の水溶性微小凝集体(MA)に関する。水溶性微小凝集体は、水または他の水溶液に混和性であるものであ る。微小凝集体と
は、規則的または不規則、および球状または非球状の形状のサブミクロンサイズの凝集体をいう。ほぼ球状の形状の凝集体について、概算直径 は、1マイクロメートル未満であ
る。有意に非球状の凝集体について、回転させた場合、凝集体の概算直径は、1マイクロメートル未満である。凝集体とは、任 意に凝集した構成分子の複合体を含む組成物をい
う。疎水性薬剤とは、水または他の水溶液に難溶性(5mg/ml水未満)または不溶性であるものをいう。
【0022】
本発明のMAへの処方のための疎水性薬剤は、薬学的、農業的または産業的に使用され得る任意のものを含む。これらは、生物学的に活性、または他に有用 な、分子、医薬品
、造影剤、および製造試薬、ならびにこのような物質の前駆体およびプロドラッグを含む。好ましい疎水性薬剤は、ヒトおよび他の生物におい て、生物学的活性または他の有用
性を有するものである。これらとしては、医療における治療、化粧品における成分、ならびに農業における殺虫剤および除草剤 である薬剤が挙げられる。このような薬剤の例と
しては、アゴニストおよびアンタゴニスト、鎮痛剤および抗炎症剤、麻酔剤、抗アドレナリン作動剤および抗不 整脈剤、抗生物質、抗コリン作動剤およびコリン様作動剤、抗痙
攣剤、抗うつ剤、抗てんかん剤、抗真菌剤および抗ウイルス剤、抗高血圧症剤、抗ムスカリン作 動剤およびムスカリン様作動剤、抗腫瘍剤、抗精神病剤、抗不安剤、ホルモン、
催眠剤および鎮静剤、免疫抑制剤および免疫活性剤、神経弛緩剤、ニューロン遮 断剤、
ならびに栄養剤が挙げられる。特に好ましい薬剤としては、「グリーンポルフィリン」(例えば、BPD−MA、EA6およびB3)のようなポルフィリ ン光増感剤が挙げられ
る。一般的には、疎水性である任意のポリピロール大環状光増感性化合物が、本発明において使用され得る。
【0023】
本発明における使用のためのこれらおよび他の光増感剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アンゲリシン(angelicin)、いくつかの生物
学的高分子(例えば、リポフスチン;光化学系II反応中心;およびD1−D2−cyt
b−559光化学系II反応中心)、カルコゲナピリ リウム(chalcogena
pyrillium)色素、クロリン、クロロフィル、クマリン、シアニン、特定のDNAおよび関連化合物(例えば、アデノシ ン;シトシン;2'−デオキシグアノシン−5'
−一リン酸;デオキシリボ核酸;グアニン;4−チオウリジン;2'−チミジン5'−一リン酸;チミジリル (3'−5')−2'−デオキシアデノシン;チミジリル(3'−5')−2'−デオキシグアノシン;チミン;およびウラシル)、特定の薬物(例えば、アドリアマイシン;アフロクアロン;二塩酸アモジアキン;クロロキン二リン酸;塩酸クロルプロマジン;ダウノマイシン;ダウノマイシノン;5−イミノダウノマ イシン;ドキシサイ
クリン;フロセミド;ギルボカルシン(gilvocarcin)M;ギルボカルシンV;硫酸ヒドロキシクロロキン;ルミドキシサイクリ ン;塩酸メフロキン;メキタジン;
メルブロミン(マーキュロクロム)、プリマキン二リン酸;二塩酸キナクリン;硫酸キニーネ;および塩酸テトラサイクリ ン)、特定のフラビンおよび関連化合物(例えば、ア
ロキサジン;フラビンモノヌクレオチド;3−ヒドロキシフラボン;リミクロム;リミフラビン;6−メチ ルアロキサジン;7−メチルアロキサジン;8−メチルアロキサジン
;9−メチルアロキサジン;1−メチルリミクロム;メチル−2−メトキシベンゾエート; 5−ニトロサリチル(nitrosalicyclic)酸;プロフラビン;および
リボフラビン)、フラーレン、金属ポルフィリン、金属フタロシアニン、メ チレンブル
ー誘導体、ナフタルイミド、ナフタロシアニン、特定の天然化合物(例えば、ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエ ン−3,5−ジオン;4−
(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−3−ブテン−2−オン;N−ホルミルキヌレニン;キヌレン酸;キヌレニン;3−ヒドロキシキヌレニン;DL−3−ヒドロキ シ
キヌレニン;サンギナリン;ベルベリン;カルマン(carmane);および5,7,9(11),22−エルゴスタテトラエン (ergostatetraene)−3β
−オール)、ナイルブルー誘導体、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)、ペリレンキノン、フェノール、フェオ フォルバイド、フェオフィチン、光増感剤二量体および結合
体、フタロシアニン、ポルフィセン、ポルフィリン、ソラレン、プルプリン、キノン、レチノイド、 ローダミン、チオフェン、ベルジン、ビタミンおよびキサンテン色素(Re
dmondおよびGamlin、Photochem.Photobiol.,70 (
4):391〜475(1999))。
【0024】
例示的なアンゲリシンとしては、以下が挙げられる:3−アセト−アンゲリシン;3,4'−ジメチルアンゲリシン;4,4'−ジメチルアンゲリシン;4, 5'−ジメチルアンゲリシン;6,4'−ジメチルアンゲリシン;6,4−ジメチルアンゲリシン;4,4',5'−トリメチルアンゲリシン;4,4',5'−トリメチル−1'−チオアンゲリシン;
4,6,4'−トリメチル−1'−チオアンゲリシン;4,6,4'−トリメチルアンゲリ
シン;4,6,5'−トリ メチル−1'−チオアンゲリシン;6,4,4'−トリメチルアンゲリシン;6,4',5'−トリメチルアンゲリシン;4,6,4',5'−テトラメチル−1'−チオアンゲリシン;および4,6,4',5'−テトラメチルアンゲリシン。
【0025】
例示的なカルコゲナピリリウム色素としては、以下が挙げられる:過塩素酸ピリリウム,4,4'−(1,3−プロペニル)−ビス[2,6−ジ(1,1−ジ メチルエチル)]−;過塩素酸ピリリウム,2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−[1−[2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)セレノピラン−4−イリデン]−3−プロペ
ニル−;ヘキサフルオロリン酸ピリリウム,2,6−ビス−(1,1−ジメチル−エチル)−セレノピラン−4−イリデン]− 3−プロペニル−;ヘキサフルオロリン酸ピリリ
ウム,2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−セレノピラン−4−イリデン]−3−プロペニル−;過塩 素酸ピリリウム,2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−[1−[2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)テルロピラン−4−イリデン]−3−プロペニル−;ヘキサフルオロリン酸ピリリウム,2,6−ビス(1,1−ジメ
チル−エチル)−4−[1−[2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)テル ロピラ
ン−4−イリデン]−3−プロペニル−;過塩素酸ピリリウム,2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−[1−[2,6−ビス(1,1−ジメ チル−エチル)チアピ
ラン−4−イリデン]−3−プロペニル]−;ヘキサフルオロリン酸セレノピリリウム,2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4 −[1−[2,6−ビス(1,1−ジ
メチル−エチル)セレノピラン−4−イリデン]−3−プロペニル]−;セレノピリリウム,2,6−ビス(1,1−ジメ チルエチル)−4−[1−[2,6−ビス(1,1−
ジメチルエチル)セレノピラン−4−イリデン]−3−プロペニル]−;過塩素酸セレノピリリウム,2, 6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−[1−[2,6−ビス
(1,1−ジメチル−エチル)−4−[1−[2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル) テルロピラン−4−イリデン]−3−プロペニル]−;ヘキサフルオロリン酸セレノ
ピリリウム,2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−[1− [2,6−ビス
(1,1−ジメチル−エチル)テルロピラン−4−イリデン]−3−プロペニル]−;ヘキサフルオロリン酸セレノピリリウム,2,6−ビス (1,1−ジメチル−エチル)−
4−[2−[2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)セレノピラン−4−イリデン]−4−(2−ブテニル)]−;ヘキサ フルオロリン酸セレノピリリウム,2,6−ビス
(1,1−ジメチル−エチル)−4−[2−[2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)セレノピラン−4− イリデン]−4−(2−ペンテニル)]−;テトラフルオロホウ
酸テルロピリリウム,2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−[1−[2,6−ビス (1,1−ジメチル−エチル)−テルロピラン−4−イリデン]−3−プロペニル
]−;ヘキサフルオロリン酸テルロピリリウム,2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−[1 −[2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)テルロピラン−4−イ
リデン]−3−プロペニル]−;ヘキサフルオロリン酸テルロピリリウム,2,6−ビス
(1,1−ジメチル−エチル)−4−[1−[2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチ
ル)テルロピラン−4−イリデン]エチル−;ヘキサフルオロリン酸テル ロピリリウム
,2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−[1−[2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−テルロピラン−4−イリデン]メチル −;ヘキサフルオロリン酸チ
オピリリウム,2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−[1−[2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)チオピラン −4−イリデン]−3−プロペニル]−;ヘ
キサフルオロリン酸チオピリリウム,2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−[1−[2,6−ビス (1,1−ジメチル−エチル)セレノピラン−4−イリデン]−
3−プロペニル]−;およびヘキサフルオロリン酸チオピリリウム,2,6−ビス(1,1−ジ メチル−エチル)−4−[1−[2,6−ビス(1,1−ジメチル−エチル)テ
ルロピラン−4−イリデン]−3−プロピル]−。
【0026】
例示的なクロリン色素としては、以下が挙げられる:5−アザクロリンジメチルエステル誘導体;5,10,15,20−テトラキス−(m−ヒドロキシフェ ニル)バクテリ
オクロリン;ベンゾポルフィリン誘導体一酸環A;ベンゾポルフィリン誘導体一酸環−A;ポルフィン−2,18−ジプロパン酸,7−[2−ジ メチル−アミノ)−2−オキソ
エチル]−8−エチリデン−7,8−ジヒドロ−3,7,12,17−テトラメチル,ジメチルエステル;ポルフィン−2,18 −ジプロパン酸,7−[2−ジメチル−アミノ
)−2−オキソエチル]−8−エチリデン−8−エチル−7,8−ジヒドロ−3,7,12,17−テトラメチ ル,ジメチルエステルZ;ポルフィン−2,18−ジプロパン酸
,7−[2−ジメチル−アミノ)−2−オキソエチル]−8−エチリデン−8−エチル−7,8 −ジヒドロ−3,7,12,17−テトラメチル,ジメチルエステルZ ECH
L;ポルフィン−2,18−ジプロパン酸,7−[2−ジメチル−アミノ)−2 −オキ
ソエチル]−8−エチリデン−8−n−ヘプチル−7,8−ジヒドロ−3,7,12,17−テトラメチル,ジメチルエステルZ;錫(II)ポルフィン −2,18−ジプロパン酸,7−[2−(ジメチルアミノ−2−オキソエチル]−8−エチリデン−8−n−ヘプチル−7,8−ジヒドロ−3,7,12,17−テトラメチル,ジメチルエステルZ
;クロリンe6;クロリンe6ジメチルエステル;クロリンe63;クロリンe6モノメチ
ルエステル;クロリンe6Na3;クロリンp6;クロリンp6−トリメチルエステル;クロリン誘導体亜鉛(II)ポルフィン−2,18−ジプロパン酸,7−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−8−エチリデン−8−n−ヘプチル−7,8−ジヒドロ−3,7,12,17−テトラメチル,ジメチルエステルZ;131−デオキシ−20−ホ
ルミル−vic−ジヒドロキシ−バクテリオクロリン ジ−tert−ブチルアスパルテート;131−デオキシ−20−ホルミル−4−ケト−バクテリオクロリン ジ−ter
t−ブチルアスパルテート;ジ−L−アスパルチルクロリンe6;メソクロリン;5,1
0,15,20−テトラキス−(m−ヒドロキシフェニル)クロリン;メタ−(テトラヒドロキシフェニル)クロリン;メチル−131−デオキシ−20−ホルミル−4−ケト−
バクテリオクロリン;モノ−L−アスパルチルクロリンe6;フォトプロトポルフィリン
IXジメチルエステル;フィコシアノビリンジメチルエステル;プロトクロロフィリドa;錫(IV)クロリンe6;錫クロリンe6;錫L−アスパルチルクロリンe6;錫オクタ
エチル−ベンゾクロリン;錫(IV)クロリン;亜鉛クロリンe6;および亜鉛L−アス
パルチルクロリンe6
【0027】
例示的なクロロフィル色素としては、以下が挙げられる:クロロフィルa;クロロフィルb;油溶性クロロフィル;バクテリオクロロフィルa;バクテリオクロロフィルb;バクテリオクロロフィルc;バクテリオクロロフィルd;プロトクロロフィル;プロトクロロフィルa;両親媒性クロロフィル誘導体1;および両親媒性クロロフィル誘導体2。
【0028】
例示的なクマリンとしては、以下が挙げられる:3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン;7−ジエチルアミノ−3−テノイルクロマチン;5,7−ジメトキ シ−3−(1−
ナフトイル)クマリン;6−メチルクマリン;2H−セレノロ[3,2−g][1]ベンゾピラン−2−オン;2H−セレノロ[3,2−g] [1]ベンゾチオピラン−2−オ
ン;7H−セレノロ[3,2−g][1]ベンゾセレノ−ピラン−7−オン;7H−セレノピラノ[3,2−f][1]ベンゾ フラン−7−オン;7H−セレノピラノ[3,2
−f][1]ベンゾ−チオフェン−7−オン;2H−チエノール[3,2−g][1]ベンゾピラン−2−オ ン;7H−チエノール[3,2−g][1]ベンゾチオピラン−7
−オン;7H−チオピラノ[3,2−f][1]ベンゾフラン−7−オン;コールタール混合 物;ケリン;RG708;RG277;およびビスナジン。
【0029】
例示的なシアニンとしては以下が挙げられる:ベンゾセレナゾール色素;ベンゾキサゾール色素;1,1'−ジエチルオキサカルボシアニン;1,1'−ジエ チルオキサジカル
ボシアニン;1,1'−ジエチルチアカルボシアニン;3,3'−ジアルキルチアカルボシアニン(n=2−18);3,3'−ジエチルチア カルボシアニンヨージド;3,3'−
ジヘキシルセレナカルボシアニン;クリプトシアニン;MC540ベンゾキサゾール誘導体;MC540キノリン誘導体; メロシアニン540;およびメソ−エチル−3,3'−ジヘキシルセレナカルボシアニン。
【0030】
例示的なフラーレンとしては以下が挙げられる:C60;C70;C76;ジヒドロ−フラーレン;1,9−(4−ヒドロキシ−シクロヘキサノ)−バクミンスター−フラーレン;[1−メチル−スクシネート−4−メチル−シクロヘキサジエン−2,3]−バクミンスター−フラーレン;およびテトラヒドロフラーレン。
【0031】
例示的なメタロポルフィリンとしては以下が挙げられる:カドミウム(II)クロロテキサフィリンニトレート;カドミウム(II)メソ−ジフェニルテトラ ベンゾポルフィ
リン;カドミウムメソ−テトラ−(4−N−メチルピリジル)−ポルフィン;カドミウム(II)テキサフィリン;カドミウム(II)テキサ フィリンニトレート;コバルトメ
ソ−テトラ−(4−N−メチルピリジル)−ポルフィン;コバルト(II)メソ(4−スルフォナトフェニル)−ポルフィン; 銅ヘマトポルフィリン;銅メソ−テトラ−(4−
N−メチルピリジル)−ポルフィン;銅(II)メソ(4−スルフォナトフェニル)−ポルフィン;ユーロピア ム(III)ジメチルテキサフィリンジヒドロキシド;ガリウム
テトラフェニルポルフィリン;鉄メソ−テトラ(4−N−メチルピリジル)−ポルフィン;ルテ チウム(III)テトラ(N−メチル−3−ピリジル)−ポルフィリンクロライ
ド;マグネシウム(II)メソ−ジフェニルテトラベンゾポルフィリン;マグネ シウム
テトラベンゾポルフィリン;マグネシウムテトラフェニルポルフィリン;マグネシウム(II)メソ(4−スルフォナトフェニル)−ポルフィン;マグネ シウム(II)テキサ
フィリンヒドロキシドメタロポルフィリン;マグネシウムメソ−テトラ−(4−N−メチルピリジル)−ポルフィン;マンガンメソ−テト ラ−(4−N−メチルピリジル)−ポ
ルフィン;ニッケルメソ−テトラ(4−N−メチルピリジル)−ポルフィン;ニッケル(II)メソ−テトラ(4−スル フォナトフェニル)−ポルフィン;パラジウム(II)
メソ−テトラ−(4−N−メチルピリジル)−ポルフィン;パラジウムメソ−テトラ−(4−N−メチル ピリジル)−ポルフィン;パラジウムテトラフェニルポルフィリン;パ
ラジウム(II)メソ(4−スルフォナトフェニル)−ポルフィン;白金(II)メソ
(4−スルフォナトフェニル)−ポルフィン;サマリウム(II)ジメチルテキサフィリンジヒドロキシド;銀(II)メソ(4−スルフォナトフェニル)−ポ ルフィン;すず
(IV)プロトポルフィリン;すずメソ−テトラ−(4−N−メチルピリジル)−ポルフィン;すずメソ−テトラ(4−スルフォナトフェニル) −ポルフィン;すず(IV)テ
トラキス(4−スルフォナトフェニル)ポルフィリンジクロライド;亜鉛(II)15−アザ−3,7,12,18−テトラメチル−ポルフィリナト−13,17−ジイル−ジプロピオン酸−ジメチルエステル;亜鉛(II)クロロテキサフィリンクロライド;亜鉛
コプロポルフィリンIII;亜鉛(II)2,11,20,30−テトラ−(1,1 −
ジメチル−エチル)テトラナフト(2,3−b:2',3'−g:2''3''−l:2'''3'''−q)ポルフィラジン;亜鉛(II)2−(3−ピリ ジルオキシ)ベンゾ[b]−1
0,19,28−トリ(1,1−ジメチルエチル)トリナフト[2',3'−g:2''3''l::2''',3'''−q] ポルフィラジン;亜鉛(II)2,18−ビス−(3−ピリ
ジルオキシ)ジベンゾ[b,l]−10,26−ジ(1,1−ジメチル−エチル)−ジナフト [2',3'−g:2''',3'''−q]ポルフィラジン;亜鉛(II)2,9−ビス
−(3−ピリジルオキシ)ジベンゾ[b,g]−17,26−ジ (1,1−ジメチル−
エチル)ジナフト[2'',3''−l:2''',3'''−q]ポルフィラジン;亜鉛(II)2,9,16−トリス−(3−ピリジ ルオキシ)トリベンゾ[b,g,l]−24=(
1,1−ジメチル−エチル)ジナフト[2''',3'''−q]ポルフィラジン;亜鉛(II)2,3−ビス −(3−ピリジルオキシ)ベンゾ[b]−10,19,28−トリ(1
,1−ジメチル−エチル)トリナフト[2',3'−g:2'',3''l;2''', 3'''−
q]ポルフィラジン;亜鉛(II)2,3,18,19−テトラキス−(3−ピリジルオキシ)ジベンゾ[d,l]−10,26−ジ(1,1−ジメ チル−エチル)トリナフト
[2',3'−g:2''',3'''−q]ポルフィラジン;亜鉛(II)2,3,9,10−テトラキス−(3−ピリジルオキ シ)ジベンゾ[b,g]−17,26−ジ(1,1−
ジメチル−エチル)ジナフト[2'',3''−l:2''',3'''−q]ポルフィラジン;亜鉛 (II)2,3,9,10,16,17−ヘキサキス−(3−ピリジルオキシ)トリ
ベンゾ[b,g,l]−24−(1,1−ジメチル−エチル)ナフト [2''',3'''−
q]ポルフィラジン;亜鉛(II)2−(3−N−メチル)ピリジルオキシ)ベンゾ[b]−10,19,28−トリ(1,1−ジメチ ル−エチル)トリナフト[2',3'−g
:2'',3''1:2''',3'''−q]ポルフィラジンモノヨージド;亜鉛(II)2,18−ビス−(3− (N−メチル)ピリジルオキシ)ジベンゾ[b,l]−10,26−
ジ(1,1−ジメチルエチル)ジナフト[2',3'−g:2''',3'''−q]ポル フィ
ラジンジヨージド;亜鉛(II)2,9−ビス−(3−(N−メチル)ピリジルオキシ)ジベンゾ[b,g]−17,26−ジ−(1,1−ジメチルエチ ル)ジナフト[2'',
3''−l:2''',3'''−q]ポルフィラジンジヨージド;亜鉛(II)2,9,16−トリス−(3−(N−メチル−ピリジ ルオキシ)トリベンゾ[b,g,l]−24−(
1,1−ジメチルエチル)ナフト[2''',3'''−q]ポルフィラジントリヨージド;亜鉛(II)2, 3−ビス−(3−(N−メチル)ピリジルオキシ)ベンゾ[b]−10
,19,28−トリ(1,1−ジメチルエチル)トリナフト[2',3'−g:2'', 3''−l:2''',3'''−q]ポルフィラジンジヨージド;亜鉛(II)2,3,18,1
9−テトラキス−(3−(N−メチル)ピラジルオキシ)ジ ベンゾ[b,l]−10,
26−ジ(1,1−ジメチル)ジナフト[2',3'−g:2''',3'''−q]ポルフィラジンテトラヨージド;亜鉛(II) 2,3,9,10−テトラキス−(3−(N−メチ
ル)ピリジルオキシ)ジベンゾ[g,g]−17,26−ジ(1,1−ジメチルエチル)ジナフト[2'', 3''−l:2''',3'''−q]ポルフィラジンテトラヨージド;亜鉛
(II)2,3,9,10,16,17−ヘキサキス−(3−(N−メチル)ピリ ジル
オキシ)トリベンゾ[b,g,l]−24−(1,1−ジメチルエチル)ナフト[2'''
,3'''−q]ポルフィラジンヘキサヨージド;亜鉛(II) メソ−ジフェニルテトラベンゾポルフィリン;亜鉛(II)メソ−トリフェニルテトラベンゾポルフィリン;亜鉛(II)メソ−テトラキス(2,6−ジクロロ−3−スルホナトフェニル)ポルフィリン
;亜鉛(II)メソ−テトラ(4−N−メチルピリジル)−ポルフィン;亜鉛(II)5,10,15,20−メソ− テトラ(4−オクチル−フェニルプロピニル)−ポルフィ
ン;亜鉛ポルフィリンc;亜鉛プロトポルフィリン;亜鉛プロトポルフィリンIX;亜鉛(II)メソ−トリフェニル−テトラベンゾポルフィリン;亜鉛テトラベンゾポルフィリン;亜鉛(II)テトラベンゾポルフィリン;亜鉛テトラナフタロポルフィリン;亜鉛
手トラフェニルポルフィリン;亜鉛(II)5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリン;亜鉛(II)メソ(4−スルホナトフェニル)− ポルフィン;および亜鉛(
II)テキサフィリンクロライド。
【0032】
例示的なメタロフタロシアニンとしては以下が挙げられる:アルミニウムモノ−(6−カルボキシ−ペンチル−アミノ−スルホニル)−トリスルホ−フタロシ アニン;アルミ
ニウムジ−(6−カルボキシ−ペンチル−アミノ−スルホニル)−トリスルホフタロシアニン;アルミニウム(III)オクタ−n−ブトキシフ タロシアニン;アルミニウムフ
タロシアニン;アルミニウム(III)フタロシアニンジスルホネート;アルミニウムフタロシアニンジスルホネート;アルミニ ウムフタロシアニンジスルホネート(cisア
イソマー);アルミニウムフタロシアニンジスルホネート(臨床的調製);アルミニウムフタロシアニンフタリミ ド−メチルスルホネート;アルミニウムフタロシアニンスルホ
ネート;アルミニウムフタロシアニントリスルホネート;アルミニウム(III)フタロシアニン トリスルホネート;アルミニウム(III)フタロシアニンテトラスルホネー
ト;アルミニウムフタロシアニンテトラスルホネート;クロロアルミニウムフタロ シア
ニン;クロロアルミニウムフタロシアニンスルホネート;クロロアルミニウムフタロシアニンジスルホネート;クロロアルミニウムフタロシアニンテトラス ルホネート;クロロ
アルミニウム−t−ブチル−フタロシアニン;コバルトフタロシアニンスルホネート;銅フタロシアニンスルホネート;銅(II)テトラ− カルボキシ−フタロシアニン;銅(
II)−フタロシアニン;銅t−ブチル−フタロシアニン;銅フタロシアニンスルホネート;銅(II)テトラキス−[メチ レン−チオ[(ジメチル−アミノ)メチリジン]]
フタロシアニンテトラクロライド;ジクロロシリコンフタロシアニン;ガリウム(III)オクタ−n−ブト キシフタロシアニン;ガリウム(II)フタロシアニンジスルホネ
ート;ガリウムフタロシアニンジスルホネート;ガリウムフタロシアニンテトラスルホネート −クロライド;ガリウム(II)フタロシアニンテトラスルホネート;ガリウムフ
タロシアニントリスルホネート−クロライド;ガリウム(II)フタロシアニ ントリス
ルホネート;GaPcS1tBu3;GaPcS2tBu2;GaPcS3tBu1;ゲルマ
ニウム(IV)オクタ−n−ブトキシフタロシアニン;ゲルマニウムフタロシアニン誘導体;シリコンフタロシアニン誘導体;ゲルマニウム(IV)フタ ロシアニンオクタキス
−アルコキシ−誘導体;鉄フタロシアニンスルホネート;鉛(II)2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス(3,6− ジオキサヘプチルオキシ)フタロシア
ニン;マグネシウムt−ブチル−フタロシアニン;ニッケル(II)2,3,9,10,16,17,23,24−オクタ キス(3,6−ジオキサヘプチルオキシ)フタロシア
ニン;パラジウム(II)オクタ−n−ブトキシフタロシアニン;パラジウム(II)テトラ(t−ブチ ル)−フタロシアニン;二カリウム[ビス(トリフェニル−ホスフィン
−モノスルホネート)フタロシアニン;シリコンフタロシアニンビス(トリ−n−ヘキシ
ル−シロキシ)−;シリコンフタロシアニンビス(トリフェニル−シロキシ)−;HO
SiPcOSi(CH32(CH23N(CH32;HOSiPcOSi(CH32(CH23N(CH2CH32;SiPc[OSi(CH32(CH23N(CH322;SiPc[OSi(CH32(CH23N(CH2CH3)(CH22N(CH322;すず(IV)オクタ−n−ブトキシフタロシアニン;バナジウムフタロシアニンスルホネート;亜鉛(II)オクタ−n−ブトキシフタロシアニン;亜鉛 (II)2,3,9,1
0,16,17,23,24−オクタキス(2−エトキシ−エトキシ)フタロシアニン;亜鉛(II)2,3,9,10,16,17, 23,24−オクタキス(3,6−ジオ
キサヘプチルオキシ)フタロシアニン;亜鉛(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタ−n−ブトキ シ−フタロシアニン;zn(II)−フタロシアニン−
オクタブトキシ;zn(II)−フタロシアニン;亜鉛フタロシアニン;亜鉛(II)フタロシアニン; 亜鉛フタロシアニンおよび重水素化亜鉛フタロシアニン;亜鉛(II)
フタロシアニンジスルホネート;亜鉛フタロシアニンジスルホネート;亜鉛フタロシアニンスルホネート;亜鉛フタロシアニンテトラブロモ−;亜鉛(II)フタロシア ニンテ
トラ−t−ブチル−;亜鉛(II)フタロシアニンテトラ−(t−ブチル)−;亜鉛フタロシアニンテトラカルボキシ−;亜鉛フタロシアニンテトラクロ ロ−;亜鉛フタロシア
ニンテトラヒドロキシル;亜鉛フタロシアニンテトラヨード−;亜鉛((I)テトラキス−(1,1−ジメチル−2−フタリミド)エチル フタロシアニン;亜鉛(II)テトラ
キス−(1,1−ジメチル−2−アミノ)−エチル−フタロシアニン;亜鉛(II)フタロシアニンテトラキス(1,1− ジメチル−2−トリメチルアンモニウム)エチルテト
ラヨージド;亜鉛フタロシアニンテトラサルホネート;亜鉛フタロシアニンテトラスルホネート;亜鉛 (II)フタロシアニンテトラスルホネート;亜鉛(II)フタロシアニ
ントリスルホネート;亜鉛フタロシアニントリスルホネート;亜鉛(II)(t−ブチ
ル)3− フタロシアニンジオール;亜鉛テトラジベンゾバルレレノ−オクタブトキシ−フタロシアニン;亜鉛(II)2,9,16,23,−テトラキス−(3−(N−メチル
)ピリジルオキシ)フタロシアニンテトラヨージド;および亜鉛(II)2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス−(3−(N−メチ ル)ピリジルオキシ)フ
タロシアニン錯体オクタヨージド;および亜鉛(II)2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス−(3−ピリジルオキ シ)フタロシアニン。
【0033】
例示的なメチレンブルー誘導体としては以下が挙げられる:1−メチルメチレンブルー;1,9−ジメチルメチレンブルー;メチレンブルー;メチレンブルー (16μM);
メチレンブルー(14μM);メチレンバイオレット;ブロモメチレンバイオレット;4−ヨードメチレンバイオレット;1,9−ジメチル−3 −ジメチル−アミノ−7−ジエ
チル−アミノ−フェノチアジン;および1,9−ジメチル−3−ジエチルアミノ−7−ジブチル−アミノ−フェノチアジン。
【0034】
例示的なナフタルイミドブルー誘導体としては以下が挙げられる:N,N'−ビス−(
ヒドロペルオキシ−2−メトキシエチル)−1,4,5,8−ナフタル ジイミド;N−
(ヒドロペルオキシ−2−メトキシエチル)−1,8−ナフタルイミド;1,8−ナフタルイミド;N,N'−ビス(2,2−ジメトキシエチ ル)−1,4,5,8−ナフタルジイミド;およびN,N'−ビス(2,2−ジメチルプロピル)−1,4,5,8−ナフタルジイミド。
【0035】
例示的なナフタロシアニンとしては以下が挙げられる:アルミニウムt−ブチル−クロロナフタロシアニン;シリコンビス(ジメチルオクタデシルシロキシ) 2,3−ナフタ
ロシアニン;シリコンビス(ジメチルオクタデシルシロキシ)ナフタロシアニン;シリコンビス(ジメチルテキシルシロキシ)2,3−ナフタロ シアニン;シリコンビス(ジメ
チルテキシルシロキシ)ナフタロシアニン;シリコンビス(t−ブチルジメチルシロキシ)2,3−ナフタロシアニン;シリコン ビス(tert−ブチルジメチルシロキシ)ナ
フタロシアニン;シリコンビス(トリ−n−ヘキシルシロキシ)2,3−ナフタロシアニン;シリコンビス(トリ −n−ヘキシルシロキシ)ナフタロシアニン;シリコンナフタ
ロシアニン;t−ブチルナフタロシアニン;亜鉛(II)ナフタロシアニン;亜鉛(II)テトラ アセチル−アミノナフタロシアニン;亜鉛(II)テトラアミノナフタロシア
ニン;亜鉛(II)テトラベンズアミドナフタロシアニン;亜鉛(II)テトラヘ キシ
ルアミドナフタロシアニン;亜鉛(II)テトラメトキシ−ベンザミドナフタロシアニン;亜鉛(II)テトラメトキシナフタロシアニン;亜鉛ナフタロシ アニンテトラスルホ
ネート;および亜鉛(II)テトラドデシルアミノナフタロシアニン。
【0036】
例示的なナイルブルー誘導体としては以下が挙げられる:ベンゾ[a]フェノチアジニウム,5−アミノ−9−ジエチルアミノ−;ベンゾ[a]フェノチアジニウム,5−アミノ−9−ジエチルアミノ−6−ヨード−;ベンゾ[a]フェノチアジニウム,5−ベンジルアミノ−9−ジエチルアミノ−;ベンゾ[a]フェノキサジニウム,5−アミノ−6,8−ジブロモ−9−エチルアミノ−;ベンゾ[a]フェノキサジニウム,5−アミノ−
6,8−ジヨード−9−エチルアミノ−;ベンゾ[a]フェノキサジニウム,5−アミノ−6−ブロモ−9−ジエチルアミノ−;ベンゾ[a] フェノキサジニウム,5−アミノ
−9−ジエチルアミノ−(ナイルブルーA);ベンゾ[a]フェノキサジニウム,5−アミノ−9−ジエチルアミノ−2,6− ジヨード−;ベンゾ[a]フェノキサジニウム,
5−アミノ−9−ジエチルアミノ−2−ヨード;ベンゾ[a]フェノキサジニウム,5−アミノ−9−ジエチル アミノ−6−ヨード−;ベンゾ[a]フェノキサジニウム,5−
ベンジルアミノ−9−ジエチルアミノ−(ナイルブルー2B);5−エチルアミノ−9−ジエチ ルアミノ−ベンゾ[a]フェノセレナジニウムクロライド;5−エチルアミノ−
9−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フェノチアジニウムクロライド;および5− エチル
アミノ−9−ジエチル−アミノベンゾ[a]フェノキサジニウムクロライド。
【0037】
例示的なNSAID(非ステロイド性抗炎症性薬物)としては以下が挙げられる:ベノキサプロフェン;カルプロフェン;カルプロフェン脱塩素化(2−(2 −カルバゾール
イル)プロピオン酸);カルプロフェン(3−クロロカルバゾール);クロロベノキサプロフェン;2,4−ジクロロベノキサプロフェン;シノ キサシン;シプロフロキサシン
;デカルボキシ−ケトプロフェン;デカルボキシ−スプロフェン;デカルボキシ−ベノキサプロフェン;デカルボキシ−チアプロ フェン酸;エノキサシン;フレロキサシン;フ
レロキサシン−N−オキシド;フルメキン;インドプロフェン;ケトプロフェン;ロメルフロキサシン;2−メチ ル−4−オキソ−2H−1,2−ベンゾチアジン−1,1−ジ
オキシド;N−デメチルフレオキサシン;ナブメトン;ナリジクス酸;ナプロキセン;ノルフロキ サシン;オフロキサシン;ペフロキサシン;ピペミド酸;ピロキシカム;スプ
ロフェン;およびチアプロフェン酸。
【0038】
例示的なペリレンキノンとしては以下が挙げられる:ヒペリシン(例えば、ヒペリシン;ヒペリシン一塩基ナトリウム塩;ジ−アルミニウムヒペリシン;ジ− 銅ヒペリシン;
ガドリニウムヒペリシン;テルビウムヒペリシン)、ヒポクレリリン(hypocrellin)(例えば、アセトキシヒポクレリリンA;アセ トキシヒポクレリリンB;アセ
トキシイソ−ヒポクレリリンA;アセトキシイソ−ヒポクレリリンB;3,10−ビス[2−(2−アミノエチルアミノ)エタ ノール]ヒポクレリリンB;3,10−ビス[2
−(2−アミノエトキシ)エタノール]ヒポクレリリンB;3,10−ビス[4−(2−アミノエチル)モル フォリン]ヒポクレリリンB;n−ブチルアミノ化ヒポクレリリン
B;3,10−ビス(ブチルアミン)ヒポクレリリンB;4,9−ビス(ブチルアミン)ヒポ クレリリンB;カルボン酸ヒポクレリリンB;シスタミン−ヒポクレリリンB;5
−クロロヒポクレリリンAまたは8−クロロヒポクレリリンA;5−クロロヒ ポクレリ
リンBまたは8−クロロヒポクレリリンB;8−クロロヒポクレリリンB;8−クロロヒポクレリリンAまたは5−クロロヒポクレリリンA;8−クロ ロヒポクレリリンBまた
は5−クロロヒポクレリリンB;脱アセチル化アルデヒドヒポクレリリンB;脱アセチル化ヒポクレリリンB;脱アセチル化ヒポクレリ リンA;脱アシル化,アルデヒドヒポク
レリリンB;脱メチル化ヒポクレリリンB;5,8−ジブロモヒポクレリリンA;5,8−ジブロモヒポクレリリンB; 5,8−ジブロモイソ−ヒポクレリリンB;5,8−ジ
ブロモ[1,12−CBr=CMeCBr(COMe)]ヒポクレリリンB;5,8−ジブロモ1,12 −CHBrC(=CH2)CBr(COMe))ヒポクレリリンB;5,8−ジブロモ[1−CH2COMe,12−COCOCH2Br−]ヒポクレリリンB;
5,8−ジクロロヒポクレリリンA;5,8−ジクロロヒポクレリリンB;5,8−ジクロロ脱アシチル化ヒポクレリリンB;5,8− ジヨードヒポクレリリンA;5,8−ジ
ヨードヒポクレリリンB;5,8−ジヨード[1,12−CH=CMeCH(COCH2
2)−]ヒポクレリリンB;5,8−ジヨード[1,12−CH2C(CH2I)=C(
COMe)−]ヒポクレリリンB;2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアミン化ヒポクレリリンB;3,10−ビス[2−(N,N−ジエチルアミノ)−エチルアミン]ヒポクレリリンB;4,9−ビス[2−(N,N−ジエチルアミノ)−エチルアミン]イソ−ヒポクレリリンB;ジヒドロ−1,4−チアジンカルボン酸ヒポクレリリンB;ジヒド
ロ−1,4−チアジンヒポクレリリンB;2−(N,N−ジメチルアミノ) プロピルア
ミンヒポクレリリンB;ジメチル−1,3,5,8,10,12−ヘキサメトキシ−4,9−ペリレンキノン−6,7−ジアセテート;ジメチル− 5,8−ジヒドロキシ−1,
3,10,13−テトラメトキシ−4,9−ペリレンキノン−6,7−ジアセテート;2,11−ジオンヒポクレリリンA;エタ ノールアミンヒポクレリリンB;エタノールア
ミンイソ−ヒポクレリリンB;エチレンジアミンヒポクレリリンB;11−ヒドロキシヒポクレリリンBまたは2 −ヒドロキシヒポクレリリンB;ヒポクレリリンA;ヒポクレ
リリンB;5−ヨード[1,12−CH2C(CH2I)=C(COMe)−]ヒポクレリリンB;8−ヨード[1,12−CH2C(CH2I)=C(COMe)−]ヒポクレリ
リンB;9−メチルアミノイソ−ヒポクレリリンB;3,10−ビス[2−(N,N−メチルアミノ)プロピルアミン]ヒポク レリリンB;4,9−ビス(メチルアミンイソ−
ヒポクレリリンB;14−メチルアミンイソ−ヒポクレリリンB;4−メチルアミンイソ−ヒポクレリリンB; メトキシヒポクレリリンA;メトキシヒポクレリリンB;メトキ
シイソ−ヒポクレリリンA;メトキシイソ−ヒポクレリリンB;メチルアミンヒポクレリリン B;2−モルフォリノエチルアミノ化ヒポクレリリンB;ペンタアセトキシヒポク
レリリンA;PQP誘導体;テトラアセトキシヒポクレリリンB;5,8, 15−トリ
ブロモヒポクレリリンB;カルホスチンC)、セルコスポリン(Cercosporins)(例えば、アセトキシセルコスポリン;アセトキシイソ −セルコスポリン;アミノ
セルコスポリン;セルコスポリン;セルコスポリン+イソ−セルコスポリン(1/1M);ジアミノセルコスポリン;ジメチルセルコ スポリン;5,8−ジチオフェノールセル
コスポリン;イソ−セルコスポリン;メトキシセルコスポリン;メトキシイソ−セルコスポリン;メチルセルコスポリ ン;ノルアンヒドロセルコスポリン;エルシノクロム(e
lsinochrome)A;エルシノクロムB;フレイクロム;およびルベリンA。
【0039】
例示的なフェノールとしては以下が挙げられる:2−ベンジルフェノール;2,2'−
ジヒドロキシビフェニル;2,5−ジヒドロキシビフェニル;2−ヒドロキシビフェニル;2−メトキシビフェニル;および4−ヒドロキシビフェニル。
【0040】
例示的なフェノホルバイド(pheophorbide)としては以下が挙げられる:フェノホルバイドa;メチル131− デオキシ−20−ホルミル−7,8−vic−ジヒドロ−バクテリオ−メソ−フェノホルバイドa;メチル−2−(1−ドデシルオキシエチル)−2−デビニル−ピロフェノホルバイドa;メチル−2−(1−へプチル−オキシ
エチル)−2−デビニル−ピロフェノホルバイドa;メチル−2−(1−ヘキシル−オキシエ チル)−2−デビニル−ピロフェノホルバイドa;メチル−2−(1−メトキシ−
エチル)−2−デビニル−ピロフェノホルバイドa;メチル−2−(1−ペン チル−オ
キシエチル)−2−デビニル−ピロフェノホルバイドa;マグネシウムメチルバクテリオフェノホルバイドd;メチル−バクテリオフェノホルバイド d;およびフェノホルバイ
ド。
【0041】
例示的なフェオフィチン(pheophytin)としては以下が挙げられる:バクテリオフェオフィチンa;バクテリオフェオフィチンb;バクテリオフェ オフィチンc;
バクテリオフェオフィチンd;10−ヒドロキシフェオフィチンa;フェオフィチン;フェオフィチンa;およびプロトフェオフィチン。
【0042】
例示的な光増感剤ダイマーおよび結合体としては以下が挙げられる:アルミニウムモノ−(6−カルボキシ−ペンチル−アミノ−スルホニル)−トリスルホフ タロシアニンウ
シ血清アルブミン結合体;ジヘマトポルフィリンエーテル(エステル);ジヘマトポルフィリンエーテル;ジヘマトポルフィリンエーテル(エス テル)−クロリン;ヘマトポル
フィリン−クロリンエステル;ヘマトポルフィリン−低密度リポタンパク質結合体;ヘマトポルフィリン−高密度リポタンパク質結合体;ポルフィン−2,7,18 −トリプロ
パン酸,13,13'−(1,3−プロパンジイル)ビス[3,8,12,17−テトラ
メチル]−;ポルフィン−2,7,18−トリプロパン酸, 13,13'−(1,11−ウンデカンジイル)ビス[3,8,12,17−テトラメチル]−;ポルフィン−2,7,18−トリプロパン酸,13,13'−(1,6−ヘキサンジイル)ビス[3,8,12,17−テトラメチル]−;SnCe6−MAb結合体1.7:1;SnCe6−MAb結合体1.7:1; SnCe6−MAb結合体6.8:1;SnCe6−MAb結合
体11.2:1;SnCe6−MAb結合体18.9:1;SnCe6−デキストラン結合体 0.9:1;SnCe6−デキストラン結合体3.5:1;SnCe6−デキスト
ラン結合体5.5:1;SnCe6−デキストラン結合体9.9:1;α− terチエ
チル−ウシ血清アルブミン結合体(12:1);α−terチエチル−ウシ血清アルブミン結合体(4:1);および7−クロロキノリンに連結され たテトラフェニルポルフィ
ン。
【0043】
例示的なフタロシアニンとしては以下が挙げられる:(ジオール)(t−ブチル)3
フタロシアニン;(t−ブチル)4− フタロシアニン;cis−オクタブトキシ−ジベンゾ−ジナフト−ポルフィラジン;trans−オクタブトキシ−ジベンゾ−ジナフト−ポルフィラジン;2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス2−エトキシ
エトキシ)フタロシアニン;2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス(3, 6−ジオキサヘプチルオキシ)フタロシアニン;オクタ−n−ブトキシフタロシア
ニン;フタロシアニン;フタロシアニンスルホネート;フタロシアニンテトラ サルホネ
ート;フタロシアニンテトラスルホネート;t−ブチル−フタロシアニン;テトラ−t−ブチルフタロシアニン;およびテトラジベンゾバルレレノ (barreleno)−オ
クタブトキシ−フタロシアニン。
【0044】
例示的なポルフィセン(porphycene)としては以下が挙げられる:2,3−(23−カルボキシ−24− メトキシカルボニルベンゾ)−7,12,17−トリス(2
−メトキシエチル)ポルフィセン;2−(2−ヒドロキシエチル)−7,12,17−トリ(2−メ トキシエチル)ポルフィセン;2−(2−ヒドロキシエチル)−7,12,
17−トリ−n−プロピル−ポルフィセン;2−(2−メトキシエチル)−7, 12,
17−トリ−n−プロピル−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラキス(2−メトキシエチル)ポルフィセン;2,7,12,17−テトラキス (2−メトキシエチル)
−9−ヒドロキシ−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラキス(2−メトキシエチル)−9−メトキシ−ポルフィセン;2,7, 12,17−テトラキス(2−メトキシ
エチル)−9−n−ヘキシルオキシ−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラキス(2−メトキシエチル)−9−ア セトキシ−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラ
キス(2−メトキシエチル)−9−カプロイルオキシ−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラキス (2−メトキシエチル)−9−ペラルゴニルオキシ−ポルフィセン;2
,7,12,17−テトラキス(2−メトキシエチル)−9−ステアロイルオキシ−ポル
フィセン;2,7,12,17−テトラキス(2−メトキシエチル)−9−(N−t−
ブトキシカルボニルグリシノキシ)ポルフィセン;2,7,12,17− テトラキス(
2−メトキシエチル)−9−[4−((β−アポ−7−カロテニル)ベンゾイルオキシル−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラキス(2− メトキシエチル)−9−アミ
ノ−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラキス(2−メトキシエチル)−9−アセトアミド−ポルフィセン;2,7,12, 17−テトラキス(2−メトキシエチル)−
9−グルタルアミド−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラキス(2−メトキシエチル)−9−(メチル−グ ルタルアミド)−ポルフィセン;2,7,12,17−テト
ラキス(2−メトキシエチル)−9−(グルタルイミド)−ポルフィセン;2,7,12,17−テ トラキス(2−メトキシエチル)−3−(N,N−ジメチルアミノメチル)
−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラキス(2−メトキシエチル)−3− (N
,N−ジメチルアミノメチル)−ポルフィセンヒドロクロリド;2,7,12,17−テトラキス(2−エトキシエチル)−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラ−n−プロピル−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラ−n−プロピル−9−ヒドロキシ
−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラ−n−プロピル−9−メトキシ−ポル フ
ィセン;2,7,12,17−テトラ−n−プロピル−9−アセトキシポルフィセン;2,7,12,17−テトラ−n−プロピル−9−(t−ブチルグルタ ルオキシ)−ポル
フィセン;2,7,12,17−テトラ−n−プロピル−9−(N−t−ブトキシカルボニルグリシノキシ)−ポルフィセン;2,7,12, 17−テトラ−n−プロピル−9
−(4−N−t−ブトキシ−カルボニル−ブチルオキシ)−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラ−n−プロピル−9− アミノ−ポルフィセン;2,7,12,17−テ
トラ−n−プロピル−9−アセトアミド−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラ−n−プロピル−9−グ ルタルアミド−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラ−n
−プロピル−9−(メチルグルタルアミド)−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラ−n −プロピル−3−(N,N−ジメチルアミノメチル)ポルフィセン;2,7,1
2,17−テトラ−n−プロピル−9,10−ベンゾポルフィセン;2,7, 12,1
7−テトラ−n−プロピル−9−p−ベンゾイルカルボキシ−ポルフィセン;2,7,12,17−テトラ−n−プロピル−ポルフィセン;2,7, 12,17−テトラ−t−
ブチル−3,6;13,16−ジベンゾ−ポルフィセン;2,7−ビス(2−ヒドロキシエチル)−12,17−ジ−n−プロピル− ポルフィセン;2,7−ビス(2−メトキ
シエチル)−12,17−ジ−n−プロピル−ポルフィセン;およびポルフィセン。
【0045】
例示的なポルフィリンとしては以下が挙げられる:5−アザプロトポルフィリンジメチルエステル;ビス−ポルフィリン;コプロポルフィリンIII;コプロ ポルフィリンI
IIテトラメチルエステル;ジュウテロポルフィリン;ジュウテロポルフィリンIXジメチルエステル;ジホルミルジュウテロポルフィリンIX ジメチルエステル;ドデカフェ
ニルポルフィリン;ヘマトポルフィリン;ヘマトポルフィリン(8μM);ヘマトポルフィリン(400μM);ヘマトポルフィ リン(3μM);ヘマトポルフィリン(18μ
M);ヘマトポルフィリン(30μM);ヘマトポルフィリン(67μM);ヘマトポルフィリン (150μM);ヘマトポルフィリンIX;ヘマトポルフィリンモノマー;ヘ
マトポルフィリンダイマー;ヘマトポルフィリン誘導体;ヘマトポルフィリン誘導 体(
6μM);ヘマトポルフィリン誘導体(200μM);ヘマトポルフィリン誘導体A(20μM);ヘマトポルフィリンIXジヒドロクロライド;ヘマトポ ルフィリンジヒドロ
クロライド;ヘマトポルフィリンIXジメチルエステル;ヘマトポルフィリンIXジメチルエステル;メソポルフィリンジメチルエステル; メソポルフィリンIXジメチルエス
テル;モノホルミル−モノビニル−ジュウテロポルフィリンIXジメチルエステル;モノヒドロキシエチルビニルジュウテロ ポルフィリン;5,10,15,20−テトラ(o
−ヒドロキシフェニル)ポルフィリン;5,10,15,20−テトラ(m−ヒドロキシフェニル)ポルフィ リン;5,10,15,20−テトラキス−(m−ヒドロキシフェ
ニル)ポルフィリン;5,10,15,20−テトラ(p−ヒドロキシフェニル)ポルフィリ ン;5,10,15,20−テトラキス(3−メトキシフェニル)ポルフィリン;
5,10,15,20−テトラキス(3,4−ジメトキシフェニル)ポルフィ リン;5
,10,15,20−テトラキス(3,5−ジメトキシフェニル)ポルフィリン;5,10,15,20−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェ ニル)ポルフィリン;2
,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリン;Photofrin (登録商標);Photofrin(登録
商標)II;ポルフィリンc;プロトポルフィリン;プロトポルフィリンIX;プロトポルフィリンジメチルエステ ル;プロトポルフィリンIXジメチルエステル;プロトポル
フィリンプロピルアミノエチルホルムアミドヨージド;プロトポルフィリンN,N−ジメチルアミノ プロピルホルムアミド;プロトポルフィリンプロピルアミノプロピルホルム
アミドヨージド;プロトポルフィリンブチルホルムアミド;プロトポルフィリンN, N
−ジメチルアミノ−ホルムアミド;プロトポルフィリンホルムアミド;サプフィリン1 3,12,13,22−テトラエチル−2,7,18,23テトラメチルサプフィリン−8,17−ジプロパノール;サプフィリン2 3,12,13,22−テトラエチル−
2,7,18,23テトラメチルサプフィリン−8−モノグリコシド;サプフィリン3;メ ソ−テトラ−(4−N−カルボキシフェニル)−ポルフィン;テトラ−(3−メトキ
シフェニル)−ポルフィン;テトラ−(3−メトキシ−2,4−ジフルオロ フェニル)
−ポルフィン;5,10,15,20−テトラキス(4−N−メチルピリジル)ポルフィン;メソ−テトラ−(4−N−メチルピリジル)−ポルフィ ンテトラクロライド;メソ
−テトラ(4−N−メチルピリジル)−ポルフィン;メソ−テトラ−(3−N−メチルピリジル)−ポルフィン;メソ−テトラ−(2 −N−メチルピリジル)−ポルフィン;テ
トラ(4−N,N,N−トリメチルアニリニウム)ポルフィン;メソ−テトラ−(4−N,N,N''−トリメチルア ミノ−フェニル)ポルフィンテトラクロライド;テトラナフ
タロポルフィリン;5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリン;テトラフェニルポルフィ リン;メソ−テトラ−(4−N−スルフォナトフェニル)−ポルフィン;テ
トラフェニルポルフィンテトラスルホネート;メソ−テトラ(4−スルフォナトフェ ニ
ル)ポルフィン;テトラ(4−スルフォナトフェニル)ポルフィン;テトラフェニルポルフィリンスルホネート;メソ−テトラ(4−スルフォナトフェニル) ポルフィン;テト
ラキス(4−スルフォナトフェニル)ポルフィリン;メソ−テトラ(4−スルフォナトフェニル)ポルフィン;メソ(4−スルフォナトフェニ ル)ポルフィン;メソ−テトラ(
4−スルフォナトフェニル)ポルフィン;テトラキス(4−スルフォナトフェニル)ポルフィリン;メソ−テトラ(4−N−ト リメチルアニリニウム)−ポルフィン;ウロポル
フィリン;ウロポルフィリンI(17μM);ウロポルフィリンIX;およびウロポルフィリンI (18μM)。
【0046】
例示的なソラレンとしては、以下が挙げられる:ソラレン;5−メトキシソラレン;8−メトキシソラレン;5,8−ジメトキシソラレン;3−カルベトキシ ソラレン;3−
カルベトキシ−シュードソラレン;8−ヒドロキシソラレン;シュードソラレン;4,5',8−トリメチルソラレン;アロソラレン;3−アセ ト−アロソラレン;4,7−ジメチル−アロソラレン;4,7,4'−トリメチル−アロソラレン;4,7,5'−トリメチル−アロソラレン、イソシュードソラレン;3−アセトイソシュードソラレン;4,5'−ジメチル−イソシュードソラレン;5',7−ジメチルイソシュードソラレン;シュー
ドイソソラレン; 3−アセトシュードイソソラレン;3/4',5'−トリメチル−アザ
−ソラレン;4,4',8−トリメチル−5'−アミノ−メチルソラレン;4,4',8 −トリメチル−フタルアミル−ソラレン;4,5',8−トリメチル−4'−アミノメチルソラレン;4,5',8−トリメチル−ブロモソラレン;5−ニトロ−8−メトキシ−ソラレン;5'−アセチル−4,8−ジメチル−ソラレン;5'−アセト−8−メチル−ソラレン;および5'−アセト−4,8−ジメチル− ソラレン。
【0047】
例示的なプルプリンとしては、以下が挙げられる:オクタエチルプルプリン;オクタエチルプルプリン亜鉛;酸化オクタエチルプルプリン;還元オクタエチル プルプリン;還
元オクタエチルプルプリン錫;プルプリン18;プルプリン−18;プルプリン−18−メチルエステル;プルプリン;錫エチルエチオプルプリ ンI;Zn(II)エチオ(a
etio)−プルプリンエチルエステル;および亜鉛エチオプルプリン。
【0048】
例示的なキノンとしては、以下が挙げられる:1−アミノ−4,5−ジメトキシアントラキノン;1,5−ジアミノ−4,8−ジメトキシアントラキノン; 1,8−ジアミノ
−4,5−ジメトキシアントラキノン;2,5−ジアミノ−1,8−ジヒドロキシアントラキノン;2,7−ジアミノ−1,8−ジヒドロキシ アントラキノン;4,5−ジアミ
ノ−1,8−ジヒドロキシアントラキノン;モノ−メチル化4,5−ジアミノ−1,8−ジヒドロキシアントラキノンまたはモ ノ−メチル化2,7−ジアミノ−1,8−ジヒド
ロキシアントラキノン;アントラリン(ケト型);アントラリン;アントラリンアニオン;1,8−ジヒドロキシアントラキノン;1,8−ジヒドロキシアントラキノン(クリサジン);1,2−ジヒドロキシアントラキノン;1,2−ジヒドロキシアントラキノン
(アリザリン);1,4−ジヒドロキシアントラキノン(キニザリン(Quinizarin));2,6−ジヒドロキシアントラキノン;2,6−ジ ヒドロキシアントラキノ
ン(アントラフラビン);1−ヒドロキシアントラキノン(エリスロキシ−アントラキノン);2−ヒドロキシ−アントラキノン;1, 2,5,8−テトラ−ヒドロキシアント
ラキノン(キナリザリン);3−メチル−1,6,8−トリヒドロキシアントラキノン(エモジン);アントラキノン; アントラキノン−2−スルホン酸;ベンゾキノン;テト
ラメチルベンゾキノン;ヒドロキノン;クロロヒドロキノン;レゾルシノール;および4−クロロレゾル シノール。
【0049】
例示的なレチノイドとしては、以下が挙げられる:オールトランスレチナール;C17アルデヒド;C22アルデヒド;11−シスレチナール;13−シスレチナール;レチナールおよびパルミチン酸レチナール。
【0050】
例示的なローダミンとしては、以下が挙げられる:4,5−ジブロモ−ローダミンメチルエステル;4,5−ジブロモ−ローダミンn−ブチルエステル;ロー ダミン101メ
チルエステル;ローダミン123;ローダミン6G;ローダミン6Gヘキシルエステル;テトラブロモ−ローダミン123;およびテトラメチル −ローダミンエチルエステル。
【0051】
例示的なチオフェンとしては、以下が挙げられる:テルチオフェン(例えば、2,2'
:5',2''−テルチオフェン;2,2':5',2''−テルチオ フェン−5−カルボキサミド;2,2':5',2''−テルチオフェン−5−カルボン酸;2,2':5',2''−テルチオフェン−5−L−セリンエチルエステル;2,2':5',2''−テルチオフェン
−5−N−イソプロピニル−ホルムアミド;5−アセトキシメチル−2,2':5',2''−テルチオ フェン;5−ベンジル−2,2':5',2''−テルチオフェン−スルフィド
;5−ベンジル−2,2':5',2''−テルチオフェンスルホキシド;5− ベンジル−2,2':5',2''−テルチオフェン−スルホン;5−ブロモ−2,2':5',2''−テルチオフェン;5−(ブチニル−3'''−ヒドロキシ)−2,2':5',2''−テルチオフェン;5−カルボキシル−5''−トリメチルシリル−2,2':5',2''−テルチオフェン;5−シアノ− 2,2':5',2''−テルチオフェン;5,5''−ジブロモ−2,
2':5',2''−テルチオフェン;5−(1''',1'''−ジブロモエテニ ル)−2,2':5',2''−テルチオフェン;5,5''−ジシアノ−2,2':5',2''−テルチオフ
ェン;5,5''−ジホルミル−2,2': 5',2''−テルチオフェン;5−ジフルオロ
メチル−2,2':5',2''−テルチオフェン;5,5''−ジヨード−2,2':5',2''−テルチ オフェン;3,3''−ジメチル−2,2':5',2''−テルチオフェン;5
,5''−ジメチル−2,2':5',2''−テルチオフェン;5− (3''',3'''−ジメ
チルアクリロイルオキシメチル)−2,2':5',2''−テルチオフェン;5,5''−ジ−(t−ブチル)−2,2': 5',2''−テルチオフェン;5,5''−ジチオメチル−
2,2':5',2''−テルチオフェン;3'−エトキシ−2,2':5',2''−テルチオ フェン;エチル2,2':5',2''−テルチオフェン−5−カルボン酸;5−ホルミル−2,2':5',2''−テルチオフェン;5−ヒドロキシエチル−2,2':5',2''−
テルチオフェン;5−ヒドロキシメチル−2,2':5',2''−テルチオフェン;5−ヨード−2,2':5',2''−テル チオフェン;5−メトキシ−2,2':5',2''−テ
ルチオフェン;3'−メトキシ−2,2':5',2''−テルチオフェン;5−メチル−2
,2': 5',2''−テルチオフェン;5−(3'''−メチル−2'''−ブテニル)−2,
2':5',2''−テルチオフェン;メチル2,2':5',2'' −テルチオフェン−5−
[3'''−アクリレート];メチル2,2':5',2''−テルチオフェン−5−(3'''−プロピオネート);N−アリル−2,2':5',2''−テルチオフェンー5−スルホンアミド;N−ベンジル−2,2':5',2''−テルチオフェン−5−スルホンアミド;N
−ブチル−2,2':5',2''−テルチオフェン−5−スルホンアミド;N,N−ジエチル−2,2':5',2''−テルチオ フェン−5−スルホンアミド;3,3',4',3''
−テトラメチル−2,2':5',2''−テルチオフェン;5−t−ブチル−5''−トリメチルシリ ル−2,2':5',2''−テルチオフェン;3'−チオメチル−2,2':5',2''−テルチオフェン;5−チオメチル−2,2':5',2''−テルチオフェン;5−
トリメチルシリル−2,2':5',2''−テルチオフェン)、ビチオフェン(例えば、2,2'−ビチオフェン;5−シアノ−2,2' −ビチオフェン;5−ホルミル−2,2'−ビチオフェン;5−フェニル−2,2'−ビチオフェン;5−(プロピニル)−2,2'−ビチオフェン;5−(ヘキシニル)−2,2'−ビチオフェン;5−(オクチニル)−2,2'−ビチオフェン;5−(ブチニル−4''−ヒドロキシ)−2,2'−ビチオフェン;5 −(ペンチニル−5''−ヒドロキシ)−2,2'−ビチオフェン;5−(3'',4''−ジヒドロキシブチニル)−2,2'−ビチオフェン誘導体;5−(エトキシブチニル)−2,2'−ビチオフェン誘導体)、ならびに雑多な(misclaneous)チオフェ
ン(例えば、2,5−ジフェニルチオフェン; 2,5−ジ(2−チエニル)フラン;ピ
リジン,2,6−ビス(2−チエニル)−;ピリジン,2,6−ビス(チエニル)−;チオフェン,2−(1−ナフタレ ニル)−;チオフェン,2−(2−ナフタレニル)−;
チオフェン,2,2'−(1,2−フェニレン)ビス−;チオフェン,2,2'−(1,3−フェニレ ン)ビス−;チオフェン,2,2'−(1,4−フェニレン)ビス−;2,2':5',2'':5'',2'''−クォーターチオフェン;α−クォーターチエニル;α−テトラチオフェン;α−ペンタチオフェン;α−ヘキサチオフェン;およびα−ヘプタチオフェン)。
【0052】
例示的なベルジンとしては、以下が挙げられる:コプロ(copro)(II)ベルジントリメチルエステル;デュートロベルジン(deuteroverdin)メチルエステル;メソベルジンメチルエステル;および亜鉛メチルピロベルジン。
【0053】
例示的なビタミンとしては、以下が挙げられる:エルゴステロール(プロビタミンD2);ヘキサメチル−CoaCob−ジシアノ−7−デ(カルボキシメチ ル)−7,8−
ジデヒドロ−コビリネート(ピロコベステル(Pyrocobester));ピロコベステル;およびビタミンD3。
【0054】
例示的なキサンテン染料としては以下が挙げられる:エオシンB(4',5'−ジブロモ,2',7'−ジニトロ−フルオレセイン,ジアニオン);エオシン Y;エオシンY(2',4',5',7'−テトラブロモ−フルオレセイン,ジアニオン);エオシン(2',4'
,5',7'−テトラブロモ−フルオレセイ ン,ジアニオン);エオシン(2',4',5',7'−テトラブロモ−フルオレセイン,ジアニオン)メチルエステル;エオシン(2',4',5',7'−テトラブロモ−フルオレセイン,モノアニオン)p−イソプロピルベンジルエステル;エオシン誘導体(2',7'−ジブロモ−フルオレセイン,ジアニオ ン)
;エオシン誘導体(4',5'−ジブロモ−フルオレセイン,ジアニオン);エオシン誘導体(2',7'−ジクロロ−フルオレセイン,ジアニオン);エ オシン誘導体(4',5'
−ジクロロ−フルオレセイン,ジアニオン);エオシン誘導体(2',7'−ジヨード−フルオレセイン,ジアニオン);エオシン誘 導体(4',5'−ジヨード−フルオレセイン
,ジアニオン);エオシン誘導体(トリブロモ−フルオレセイン,ジアニオン);エオシン誘導体(2',4', 5',7'−テトラクロロ−フルオレセイン,ジアニオン);エオ
シン;エオシンジセチルピリジニウム塩化物イオン対;エリスロシンB(2',4',5'
, 7'−テトラヨード−フルオレセイン,ジアニオン);エチスロシン;エチスロシンジアニオン;エリスロシンB;フルオレセイン;フルオレセインジアニオ ン;フロキシン
B(2',4',5',7'−テトラブロモ−3,4,5,6−テトラクロロ−フルオレセイン,ジアニオン);フロキシンB(テトラクロロ−テトラブロモ−フルオレセイン);フロキシンB;ローズベンガル(3,4,5,6−テトラクロロ−2',4',5',7'−
テトラヨードフルオレセイン,ジアニオン);ローズベンガル;ローズベンガルジアニオン;ローズベンガル O−メチル−メチルエステル;ローズベンガル6'−O−アセチルエチルエステル;ローズベンガルベンジルエステルジフェニル−ジヨードニウム塩;ローズベンガルベンジルエステルトリエチルアンモニウム塩;ローズベンガルベンジルエステ
ル,2,4,6−トリフェニルピリリウム塩;ローズベンガルベンジルエス テル,ベン
ジルトリフェニルホスホニウム塩;ローズベンガルベンジルエステル,ベンジルトリフェニルホスホニウム塩;ローズベンガルベンジルエステル,ジ フェニル−ヨードニウム塩
;ローズベンガルベンジルエステル,ジフェニル−メチルスルホニウム塩;ローズベンガルベンジルエステル,ジフェニル−メチル− スルホニウム塩;ローズベンガルベンジル
エステル,トリエチル−アンモニウム塩;ローズベンガルベンジルエステル,トリフェニルピリリウム;ローズベンガ ルビス(トリエチル−アンモニウム)塩)(3,4,5,
6−テトラクロロ−2',4',5',7'−テトラヨードフルオレセイン,ビス(トリエチルアンモ ニウム塩);ローズベンガルビス(トリエチル−アンモニウム)塩;ローズベ
ンガルビス(ベンジル−トリフェニル−ホスホニウム)塩(3,4,5,6−テト ラク
ロロ−2',4',5',7'−テトラヨードフルオレセイン,ビス(ベンジル−トリフェニル−ホスホニウム)塩);ローズベンガルビス(ジフェニル− ヨードニウム)塩(3,
4,5,6−テトラクロロ−2',4',5',7'−テトラヨードフルオレセイン,ビス(ジフェニル−ヨードニウム)塩);ローズ ベンガルジ−セチル−ピリジニウム塩化物イ
オン対;ローズベンガルエチルエステルトリエチルアンモニウム塩;ローズベンガルエチルエステルトリエチルアン モニウム塩;ローズベンガルエチルエステル;ローズベンガ
ルメチルエステル;ローズベンガルオクチルエステルトリ−n−ブチル−アンモニウム塩RB;ロー ズベンガル,6'−O−アセチル−、およびエチルエステル。
【0055】
特に好ましい光増感剤は、グリーンポルフィリン(例えば、BPD−DA、BPD−DB、BPD−MA、およびBPD−MB、特にBPD−MA、EA6、 およびB3)で
ある。これらの化合物は、モノヒドロベンゾポルフィリンを得るためのDiels−Alder型反応にて、ポルフィリン核を、アルキンと反応 させることによって得られるポルフィリン誘導体であり、そしてこれらは、本明細書中でその全体を参考として援用される、発行された米国特許第5,171,749号に詳細に記載される。当然、光増感剤
の組合せ(すなわち、1つよりも多くの光増感剤)もまた、使用され得る。光増感剤の吸光スペクトルは、可視範 囲にあることが好ましく、代表的には、350nmと1200
nmとの間、より好ましくは400〜900nmの間、そしてなおより好ましくは 60
0〜900nmの間である。
【0056】
BPD−MAは、例えば、米国特許第5,171,749号に記載され;EA6およびB3は、米国出願番号09/088,524および08/918,840にそれぞれ記載され、これらは全て、本明細書中で参考として援用される。好ましいグリーンポルフィリンは、基本構造:
【0057】
【化1】

を有し、ここでR4は、ビニルまたは1−ヒドロキシエチルであり、そしてR1、R2およ
びR3は、Hまたはアルキルもしくは置換アルキルである。
【0058】
BPD−MAは、式1に示される構造を有し、ここでR1およびR2はメチルであり、R4はビニルであり、そしてR3の1つはHであり、そして他はメチルである。EA6は式2の構造であり、ここでR1およびR2はメチルであり、そしてR3の両方は2−ヒドロキシ
エチル(すなわち、エチレングリコールエステル)である。B3は式2の構造であり、ここでR1はメチル、R2はHであり、そしてR3の両方はメチルである。EA6およびB3
の両方において、R4はまたビニルである。本発明の好ましい実施形態において、A−E
A6、B−EA6またはその組合せから選択される1つ以上の光増感剤の組合せが、本発明の実施において使用される。
【0059】
VisudyneTM(注入のためのVerteporfinとしても公知である)は、ほぼ等量のBPD−MAの2つの位置異性体(BPD−MACおよびBPD−MADと指定される)を含む。この位置異性体は、これらを合成するために使用されるプロセスから生じ、ここでC環およびD環の改変は、有意な化学的特異性なしで生じる。2つの位置異性体の化学名は、9−メチル(BPD−MAC)および13−メチル(BPD−MAD)トランス−(±)−18−エテニル−4,4a−ジヒドロ−3,4−ビス(メトキシカルボニル)−4a,8,14,19−テトラメチル−23H,25H−ベンゾ[b]ポルフィン−9,13−ジプロポノエートである。この分子式は、約718.8の分子量を有するC414248である。1組の好ましい実施形態において、本発明の実施において使用される光増感剤は、ほぼ等量の2つの位置異性体の組合せではない。
【0060】
2つの位置異性体の表示ならびにEA6およびB3のA環形態およびB環形態の図示は、以下のとおりである:
【0061】
【化2】

式3および式4の関連の化合物もまた有用であり;一般に、R4はビニルまたは1−ヒ
ドロキシエチルであり、そしてR1、R2およびR3はHまたはアルキルもしくは置換アル
キルである。
【0062】
(微小凝集物(Microaggregate))
本発明の微小凝集物(MA)は、ミセル、リポソーム及びその混合物を含む、リン脂質の生成を生じる。本発明の使用に適したリン脂質は、飽和したものであ れ、または不飽
和のものであれ、天然に存在する任意のリン脂質または任意の合成リン脂質であり得る。それらのリン脂質としては以下の物質が挙げられるが、 以下の物質に限定されない:ホ
スファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジル グリセロール、ホスファチジン酸、リゾリン脂
質、卵リン脂質、大豆リン脂質またはそれらの混合物。本明細書中で使われる場合、卵リン脂質または大豆リン脂 質は、卵供給源および大豆供給源(例:鶏卵および栽培された
大豆)から分離されたリン脂質を指す。
【0063】
リン脂質は、塩化形態または脱塩化形態、水素化形態または部分的に水素化された形態、天然形態、半合成(修飾)形態または合成形態を含む、様々な形態を とり得る。本発
明の好ましい実施形態において、使用されるリン脂質はリポソームを形成し得るが、高エネルギー処理段階が多重膜リポソームの大きさを減少さ せるのに使われる場合は、ミセ
ルもまた生成し得る。本発明の一組の好ましい実施形態において、卵由来のリン脂質(卵ホスファチジルグリセロール(EPG) として含まれる)は使用されない。
【0064】
なお、さらに好ましいのは、荷電したヘッド基(head group)を有する、不飽和ホスファチジルグリセロールまたは不飽和ホスファチジルコリンで ある。このよう
な好ましい実施形態は、パルミトイルオレオイルホスファチジルグリセロール(POPG)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール (DOPG)、ジパルミトイルホスファ
チジルコリン(DPPC)またはそれらの混合物のような、負に荷電したモノ不飽和またはポリ不飽和の、ホスファチジ ルグリセロールおよびホスファチジルコリンの使用を包
含する。不飽和脂肪酸の鎖は、好ましくは、荷電したヘッド基(head group)と同一のリン脂 質分子上に存在するが、あるいは、不飽和と荷電との望ましい組み合わ
せは、不飽和リン脂質分子と共にDMPGのような荷電した飽和分子が使われることに
よって達成され得る。飽和リン脂質がより安定であるので、一般的に不飽和リン脂質の量を限定すること(換言すれば、不飽和リン脂質から組成物全体を作らな いこと)が好ま
しい。好ましくは、荷電した不飽和リン脂質の飽和リン脂質に対する比率は少なくとも約1:99であり、より好ましくは、その比率は少なくと も約3:97であり、さらによ
り好ましくは、約10:90またはそれ以上の範囲にある。最も好ましくは、その比率は、約40:60〜約50:50の範囲内 であるが、50:50を超え得る。
【0065】
脂肪酸の鎖の不飽和(二重結合)の数は、約1〜6の範囲にあり得るが、さらに好ましくは約1〜3、最も好ましくは約1または約2である。
【0066】
理論に拘束されないが、本発明のMA中の不飽和脂質の好ましい使用に関して、飽和アシル鎖は、そのMAの凍結乾燥(水分除去)の間、十分に柔軟でないか もしれないと考
えられる。従ってリポソームの場合では、その水分はコアに取り込まれた量から除去されており(ブドウから干しブドウを作るという類似があて はまる)、不飽和アシル鎖が脂
質膜の中でさらに曲がりやすく、乾燥の間に縮小させるために必要な柔軟性を導入し得る。このように、本発明のMAを含むミセ ルは、内部の水分コアがおそらく欠如している
(または非常に小さい水分コアを有する)ので、これらの効果に対する感受性は低い。このことは、凍結乾燥の間 のMAを含むミセルの強固さを説明し得る。不飽和脂質の柔軟
性は、微小流動化(microfluidization)の間の小さく安定なミセル構造形成の 原因であり得る。不飽和脂質の存在はまた、その形成の相転移温度(液体から
ゲルへの転移)を室温より下へと低下させ、あまり明白でない転移を誘導する。不 飽和
脂質の量は、相転移温度が低下する程度を決定する。反発する電荷がより大きなリポソーム構造の中への融合を阻害するので、リン脂質上(例えば、ホス ファチジルグリセロー
ル上)の荷電したヘッド基(head group)の存在が小さなリポソームおよびミセルを安定化させることもまた、考えられる。
【0067】
本発明の全てのMAは、疎水性の物質と組み合わせた任意の1つまたはそれ以上のリン脂質を含み得るか、それらからなり得るか、または本質的にそれらから なり得る。好ま
しくは、本発明のMAに使用されるリン脂質は、不飽和であり、合成物であり、そして/または非動物供給源由来である。さらに好ましくは、本 発明のMAで使用されるリン脂
質としては、DOPG(1,2ジオレオイルホスファチジルグリセロール)が挙げられ、これは植物由来の二価の不飽和脂質であ る。
【0068】
ホスファチジルグリセロール(PG)もまた、本発明のMAの中に存在し得る。このようなPGの例としては、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、DLPGなどが挙げられる。このようなPGを取り込むことが、ミセルの安定化に寄与する
のに使用され得る。含まれ得る適した他の脂質型は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルセ リンおよびホスファチジルイノ
シトールである。
【0069】
一定の範囲の全脂質対疎水性物質比が、本発明の実施の中で使用され得る。その比率は、使用される疎水性物質に依存するが、安定なMAを形成するのに十分 な数の脂質分子
の存在を確実にする。適切な全脂質:疎水性物質の比は、約7:1から、それ以上であり得る(より低い比率もまた有害な作用を示さないが)。 好ましい範囲は、約7:1〜1
0:1である。もちろん約8:1〜約9:1のような、この範囲内の全ての中間の比率は、本発明の範囲内にある。さらに、約 7.1:1〜7.9:1、約8.1:1〜8.9
:1および約9.1:1〜9.9:1のようなさらに細分化した中間(sub−intermediate)の 比率は、本発明の範囲内にある。脂質分子の数が安定な複合体を
形成するのには十分でない場合、MAの脂肪親和性相が、疎水性物質分子で飽和され得る。その 後、そのプロセス条件のどんな微小な変化も、以前にカプセル化された疎水性物
質をMAの表面上にか、または水相の中にまで漏れ出させ得る。
【0070】
疎水性物質の濃度が十分に高くない場合、その疎水性物質は、実際に、水相から沈殿物として出現し、MAの凝集を促進する。カプセル化されていない疎水性 物質がさらに多
く存在すれば、凝集の程度はさらに高くなる。さらに多く凝集すれば、平均的な凝集物の大きさは、さらに大きくなり、MAは、もはや、濾過滅 菌のような段階で効率的に使用
するのに十分な小ささではない。従って、脂質含量の微小な増加は、小さな凝集物の形成能力および維持能力を増大させることに より、リポソーム組成物の濾過性を非常に増大
させ得る。このことは、500ml、1l、5l、40l、またはそれ以上といったかなりの体積で作用させる場 合に、約100〜500ml、またはそれ以下といったもっと
少ない量とは反対に、特に有利である。
【0071】
大量のMAが生成される場合、リン脂質のモル比が高ければ、より小さな凝集物を供給することによって、確かな無菌濾過性についてのさらなる確実性をもた らす。さらに、
大量では一般的であるその実質的な能力の損失は、少なくとも部分的には濾過性の問題によるが、このようにして避けられ得る。ミセルは、リポ ソームより一般的に小さいので
、濾過性を増大させる別の手段は、MAを含むミセルの調製によるものである。このようなMAを含むミセルは、0.22ミクロ ンのフィルターおよび本発明の好ましい実施形
態で、より簡単に濾過滅菌される。より小さなミセルを含むMAにおけるさらなる利点は、濾過中または他の処理 中に失われる大きな凝集物を介する活性のある疎水性物質の損
失の減少、および再構成後のより小さな凝集物の安定性である。このように、本発明の好ましい実 施形態は、疎水性物質が、ミセル形成を支持する量または比率で存在する場合
である。
【0072】
リン脂質の組み合わせが本発明のMAで使用される場合、一定の範囲の脂質の相対比は、前述した全脂質:疎水性物質の比率と組み合わせて使用され得る。2 つのリン脂質の
組み合わせについての適切な脂質の比率は、約50:50〜約97:1の範囲内にある。もちろん、約70:30、約80:20、および約 90:10のような、その範囲内に
ある全ての中間の比率は、本発明の範囲内にある。99:1の比率を使用することにより示されるように、約71: 29〜79:21、約81:19〜89:11、および約9
1:9〜97:3のような、その範囲内にあるさらに細分化した中間(sub− int
ermediate)の比率は、本発明の範囲内にある。このような比率が使用され得る2つのリン脂質の組み合わせの例としては、DMPC: DMPG、DMPC:EPG、
DMPC:POPGおよびDMPC:DOPGが挙げられる。さらなる例は、DMPC:EPGであり、好ましくは、各々約5: 3の比率である。この組み合わせに関して、各
々1:10、1:15、または1:20のような、疎水性物質:脂質のさらにより高い比率が、使用され得る。
【0073】
本発明のMAの特に好ましい実施形態は、抗酸化物質BHTおよびAPを含む含疎水性物質であり、この疎水性物質は、全リン脂質:疎水性物質の比率が8: 1であり、脂質
比が60:40のDMPC:DOPCの組み合わせを含む。特に、EA6および/またはBPD−MAのような、疎水性物質が、このようなMA で使用され得る。また、好まし
いのは、本明細書中に記載したような脂質と他の成分とを含む小さなリポソーム中にEA6を含む、MA組成物である。
【0074】
(酸化防止剤)
不飽和リン脂質の使用を含む好ましい実施形態において、本発明は、そのリン脂質の酸化を阻害するために、抗酸化物質を使用することを含む。不飽和アシル 鎖の自動酸化は
、リポソーム処方物の長期貯蔵についての問題であることが知られている。不飽和リン脂質の酸化的分解の阻害が欠如していることが、いくつか のMA組成物中において、望ま
しくないかもしれないリゾ脂質および脂肪酸のような小成分(subcomponent)を生じさせる。このように、長期貯蔵 を改善するために、リン脂質含有微小凝集物中
に包含させるのに適切な抗酸化物質が、当該分野で公知である。このような抗酸化物質の例としては、ブチル化ヒ ドロキシトルエン(BHT)、α−トコフェロール、およびア
スコルビルパルミチン酸(AP)ならびに、リン酸およびグリシンのようなpH緩衝剤が挙げられ る。好ましくは、BHTが、約0.01〜0.02重量%、およびAPが、約
0.1〜0.2重量%、存在する。
【0075】
BHTは、疎水性であり、本発明のMAの親油性の環境中で残存することが期待される。BHTは、脂質の酸化的分解中に生成されるラジカルを受容すること による自動酸化
の間に、鎖の増大を阻害する能力を有する。アスコルビン酸は、抗酸化物質として作用する能力、およびα−トコフェロールのような他の抗酸化 物質と共に作用する能力を有す
る。BHT/アスコルビン酸系は、フリーラジカルが酸化脂質から捕捉された後(その結果、アスコルビルラジカルの出現が生じ る)の、BHTからフェノキシラジカルへの変
換に続く、BHT再生を可能にすることが示されている。アスコルビルラジカルの出現要因が、前述したAP対 BHTの相対的重量配分を正当なものにする。APは、その疎水
性の性質が、親油性の環境内での抗酸化物質濃度を高めると予期されるので、アスコルビン酸の 代わりに使用された。
【0076】
他に抗酸化において考慮すべきことは、窒素ガスを容器の頭隙(headspace)に充填すること、およびこのような容器を密封することである。さらに、金属イオンは
、酸化過程を触媒し得るので、高品質の薬剤、高品質の賦形剤、および高品質の容器の使用、製造装置を思慮深く清浄にしておくこと、および 金属イオンキレート剤の適切な使
用が、好ましい。
【0077】
(凍結保護剤および等張剤)
本発明の好ましい実施形態において、MAは、凍結乾燥によって安定化される。本発明のMA含有ミセルの利点は、ミセルが水の核(water core) の非存在によっ
て、リポソームと比較してより容易に凍結乾燥され得るという事実である。リポソームの凍結乾燥は、少なくとも1つの脂質二重層を横切る水の 流れを必要とし、処理時間およ
び費用の増加を生じる。水の核の非存在はまた、ミセルが、単位体積当たりのリン脂質のより大きい濃度を有することを可能にす る。従って、より大量の疎水性薬剤が、単位体
積のミセルあたりのリン脂質によって可溶化され得る。このことは、最終的なミセルMA送達ビヒクルが、リポ ソーム単独のような他の送達ビヒクルよりも、単位体積あたり、
より高い薬物密度を有することを可能にする。
【0078】
本発明のMAは、凍結乾燥の間、MAを安定させるための凍結保護剤を含有し得る。あるいは、MAの物理的構造は、凍結乾燥後の十分な水の存在によって保 存され得る。こ
れは、凍結乾燥の程度の適切な制御によって達成され得る。ミセル中に包括される体積が存在しないため、本発明のMA含有ミセルは、このよう な除去を必要とする送達ビヒク
ルの調製において除去される溶媒または塩のような水溶性成分により優れた制御を容易にする。
【0079】
凍結乾燥処方物の調製の分野で有用であることが知られている任意の凍結保護剤(例えば、ジサッカライドもしくはポリサッカライドまたはリジンのような他 の充填剤)が請
求の範囲に記載されている発明に使用され得る。さらに、体液との等モル濃度を維持するために典型的に添加される等張剤が、使用され得る。好 ましい実施形態において、ジサ
ッカライドまたはポリサッカライドが使用され、そして凍結保護剤および等張剤の両方として機能する。特に好ましい実施形態に おいて、ジサッカライドまたはポリサッカライ
ドは、ラクトース、トレハロース、マルトース、マルトトリオース、パラチノーゼ、ラクツロースまたはスクロー スからなる群から選択され、ラクトース、またはトレハロース
が好ましい。トレハロースおよびラクトースのような効果的な糖は、水の代わりに、リン脂質先端 基(phospholipidhead group)に水素結合し得る。そ
れはまた、効果的な糖がまた、リポソームのような隣接MAの外側の反対のリン脂 質を
減少させるために、スペーシングマトリクス(spacing matrix)として作用するということを仮定している。
【0080】
脂質フィルムの水和の工程が延長される場合、より大きいリポソームが形成される傾向にあり、そして疎水性薬剤が、均一に沈殿し得る。ジサッカライドまた はポリサッカラ
イドの添加によって、MAの薄いフィルムを沈殿させ、実質的に瞬時の引き続く水和のためのより大きい表面積が提供される。この薄いフィルム が、より早い水和を提供するた
め、MAが水相(水和された)を加えることによって最初に形成される場合、MAは、より小さくかつより均一の粒子径である。 このことは、製造の容易さの面で有意な利点を
与える。
【0081】
しかし、本発明の組成物中にサッカライドが存在する場合、乾燥脂質フィルム形成後、水和に使用される水溶液の一部としてサッカライドが加えられることが また、可能であ
る。特定の好ましい実施形態において、サッカライドは、水和の間に本発明の乾燥脂質フィルムに加えられる。
【0082】
ジサッカライドまたはポリサッカライドは、この目的のために、モノサッカライドより好ましい。本発明のMA組成物の浸透圧を、血液の浸透圧と同じくらい に維持するため
に、4〜5%以下のモノサッカライドが加えられる必要がある。対照的に、約9〜10%のジッサカライドが、許容できない浸透圧を生じること なく使用され得る。より多量の
サッカライドは、より大きい表面積を提供し、脂質フィルムの水和の間により小さい粒子径の形成を生じる。
【0083】
また、本発明において、ジサッカライドまたはポリサッカライドは、それぞれ、0.5〜6.0の総リン脂質に対して約10〜20サッカライドの好ましい比 率で形成され、
なおより好ましくは、約10対1.5〜4.0の比率で形成される。1つの実施形態において、ラクトースまたはトレハロースと総リン脂質の比 が、それぞれ約10対0.94
〜1.88、約10対約0.65〜1.30であることが好ましいが、この処方に限定されない。
【0084】
この組成物中のジサッカライドまたはポリサッカライドの存在は、非常に小さくかつ細かい凝集サイズ範囲を有するMAを得るのに役立つのみではなく、MA組成物をまた、提供する。ヒドロ−モノベンゾポルフィリン光増感剤のような、この組成物中の疎水性薬
剤は、効果的な様式で(すなわち、約80〜100%の有効性の封入によって)安定に組み込まれ得る。さらに、MAは、改善された物理的安定 性および化学的安定性を典型的
に示すサッカライドから作製され、それによってこれらは、組み込まれたヒドロ−モノベンゾポルフィリン光増感剤のような疎水 性薬剤を、再構成された水性懸濁液としてか、
または凍結乾燥粉末としてのいずれかで、延長された貯蔵において漏れなしに保持し得る。
【0085】
(凍結乾燥)
一旦処方されると、本発明のMAは、所望の場合、長期間の貯蔵のために凍結乾燥され得る。例えば、BPD−MAは、好ましいヒドロ−モノベンゾポルフィ リン光増感剤で
あり、室温で少なくとも9ヶ月の期間、凍結乾燥されたMA組成物中でその効力を維持し、少なくとも2年の有効期間を与える。この組成物が凍 結乾燥される場合、この組成物
は、使用の直前に、滅菌水またはサッカライドおよび/もしくは他の適切な賦形剤を含む滅菌水のような適切な水溶液と共に、引 き続く再構成のために、バイアル中に充填され
得る。例えば、再構成は、投与の直前に、注射のために水を加えることによってのみなされ得る。
【0086】
種々の凍結乾燥技術が当該分野において公知である。例えば、本発明のMA含有バイアルは、初めに−45℃まで凍結され得、次いで、約90分までの間、維 持される。この
後に、高真空1次乾燥サイクルに続き、ここで温度は、通常は約50時間でゆっくりと約10℃まで上げられる。この後に、約24時間までの 20℃の2次乾燥サイクルが続き
得る。一旦、凍結乾燥器の圧力が約55〜65mTorr(73〜87μbar)で安定すると、このサイクルは終了する。そ の後、このバイアルは、窒素ガスでオーバーレイ
された後、封をされ得る。凍結乾燥のための一般的な規定として、固体、脆性、非崩壊性、および均質的なケー キが、再水和の成功に好ましい。
【0087】
さらに、凍結乾燥の使用は、このような反応に感受性の疎水性薬剤の加水分解を防ぎ得る。例えば、光増感剤BPD−MAは、BPD−DAに加水分解され得る。
【0088】
(サイズ)
本発明の1つの局面において、MAは、0.22ミクロンの親水性フィルターを介する組成物の無菌濾過が、フィルターの顕著な目詰まりなしに 500ml〜1lまたはそれより多くの体積で効率的に達成され得る、好首尾に小さくかつ細かいサイズである。MAを含有するこのようなミセルおよび小さいリポソームは、本発明の好ましい実施形態で
ある。さらに、それらにより小さいサイズが与えられると、本発明のMAは、主に、または優性に、ミセルを生じる 疎水性薬剤を含む。本発明のMAは、約50%より多いミセ
ル、約60%より多いミセル、約75%より多いミセル、約80%より多いミセル、約90%より多 いミセル、および約95%より多いミセルを含む。さらにより好ましくは、
本発明のMAは、約97%より多いミセル、約98%より多いミセル、約99%より 多
いミセルを含み得る。所望の環境において、最も好ましくは、本発明のMAは、ミセルのみからなる。あるいは、本発明のMAは、いくつかの環境において (ミクロ流動化のよ
うな高エネルギープロセスよりも、押し出しプロセスが、多層膜(multilammelar)リポソームのサイズを減少させるのに使用 される場合)100%までのリポソ
ームからなる。
【0089】
ミセルは、ミセルの内側にほぼ向かうリン脂質の疎水性(親油性)の「テイル(tail)」部分を有する微小凝集体を指す。好ましくは、ミセルは、このミ セルのほぼ中心
に向かう「テイル」部分を有する。ミセルは、二重層構造を有さないため、ベシクルまたはリポソームであるとは考えられていない。本発明のミ セルは、約30nm未満の平均
直径を有する。好ましくは、これらは、約20nm(ナノメートル)未満の平均直径を有する。
【0090】
リポソームは、少なくとも1つのリン脂質二重層を含む微小凝集体であり、疎水性「テイル」領域および親水性「ヘッド(head)」領域を有する2つの脂 質単層から成る
。膜二重層の構造は、脂質単層の疎水性(非極性)「テイル」が、二重層の中心に向かってそのテイルを配向させている一方、親水性「ヘッド」 は、水相に向かってそのヘッド
を配向させているというものである。それらは、通常、完全に閉じられた、捕捉された水体積を含む脂質二重層膜を含む。二重層 構造が得られると、リン脂質の有意な部分(約
半分まで)が、一般的にリポソームの中心から外に向かって配向される疎水性(親油性)部分を有する。リポソー ムは、単一の膜二重層を有する非層状ベシクルまたは複数の膜
二重層を有する複数層状ベシクルを含み、各二重層は、水層によって次の層から分離される。リポ ソームの平均直径は、ミセルの直径よりも大きい。
【0091】
リポソームにおいて、疎水性薬剤は、リポソームの水層に捕捉され得るかまたは脂質二重層中のリン脂質の「テイル」部分と関連し得る。ミセルにおいて、疎 水性薬剤は、ミ
セルの核中のリン脂質の「テイル」部分のみに結合されている。さらに、ミセルとリポソームの両方は、非経口投与のために、活性部位への「標 的」疎水性薬剤を助けるために
、または疎水性薬剤を可溶化するために使用され得る。
【0092】
本発明の1つの局面は、疎水性薬剤およびリン脂質の同比率の、ミセルおよびリポソームを形成するこの能力を使用する。これにより、ミセルとリポソームの 両方が存在する
ことを示すそれらの直径における二峰性分布を有するMAを生じる。本発明の別の局面において、ミセルおよびリポソームは、同じ混合物におけ る他のものよりも1つの型の微
小凝集体に好ましい条件下で形成される。ミセルの形成に好ましい条件としては、混合物中の低濃度の塩の存在、ならびに乾燥し た混合物を水和させるための低濃度の塩水溶液
の使用が挙げられる。「低濃度の塩(Low salt)」は、約0.1N未満の遊離陽イオンまたは陰イオンを 含む条件のことを指す。好ましくは、約0.01N未満のイオ
ンのことを言う。より好ましくは、0.001N未満の遊離イオンのことを言う。
【0093】
本発明の好ましいMAは、約300nm未満の、より好ましくは、約200nm未満の直径の平均凝集サイズを有する。最も好ましくは、本発明のMAは、 100nm未満の
直径の平均凝集サイズを有し、そして時々、選択された条件に依存して、10〜50nmの範囲である。QLT0074、DOPGおよび DMPCを含む作成された微小凝集体
(以下の実施例1を参照)のサイズは、3つの異なる方法(NICOMP 370 Submicron Particle Sizer、凍結割断分析およびサイズ排除HP
LCによって)測定された。凍結割断分析は、ミセルの混合物(直径7〜15nm)、およ び相対的にわずかなリポソーム(直径6〜270nm)を示した。サイズ排除HPL
Cは、4つの異なる培地(PBS、0.9%塩化ナトリウム、9.2%ラク トースおよ
び5%デキストロース)中で試験された場合、25〜35nmの範囲であり、28nmの平均粒子径を示した。
【0094】
本明細書中で議論されるように、本発明は、予想外の程度までの凝集サイズの減少の容易さに影響を及ぼし得る4つの主なパラメータを制御する。結果とし て、濾過性(特に
標準的な無菌濾過による)は、本発明のMAにおいて有意に改善された。これらのパラメータは、以下である:(1)低濃度の塩条件の使用に よるミセルおよび小さいリポソー
ムの生成;(2)総リン脂質に対するヒドロ−モノベンゾポルフィリン光増感剤の適切なモル比;(3)水和工程の間の温度; および(4)均質化またはサイズ減少工程の間の
温度。後者の2つのパラメータは、以下で述べる。
【0095】
濾過性は、MicrofluidizerTMにMA組成物を3度通し、シリンジでサンプルを採取することによって試験され得る。このシリンジは、0.22ミクロンの親水性フィルタに接続され、次いで、シリンジポンプに配置される。ピストンの動きを10m
l/分で一定にセットし、そして大きい凝集物によってフィルターが塞がれるまで濾液を収集する。次いで、濾液の体積を測定し、そして ml/cm2またはg/cm2の単位で
記録した(平方cmは、有効濾過領域である)。本発明の目的のための濾過性は、0.22ミクロンのフィルターを介して濾過し得るMA組成物の最大体積または最大重量として定義される。
【0096】
本発明のMAは、薬剤と接触することが所望される任意の細胞または組織を標的にするための疎水性薬剤成分の送達ビヒクルとして使用され得る。本発明の好 ましい実施形態
において、薬剤は、光線力学療法(PDT)の一部として、光照射の前に送達される光増感剤である。光線力学療法(PDT)または診断におけ る使用のための本発明の特に好
ましいMAは、ヒドロ−モノベンゾポルフィリン光増感剤(BPD−MAおよびEA6を含む)を含む。
【0097】
本発明のMAはまた、好ましくは、タンパク質、塩、荷電成分、および/またはポリマーの存在下で容易に、そして有意に不安定化されるミセルを含む。この ようなMAは、
タンパク質、塩、荷電成分およびポリマーを含む、血液のような流体に疎水性薬物を送達するための薬学的処方物として非常に適切である。標的 の条件に送達後、不安定化させ
る能力が得られると、本発明のMAは、血流のような標的に疎水性薬剤を迅速に送達し得える。ここで、さらなる移送および/ま たは組成物の特性に基づく標的化のために血液
成分を取り出し得るかまたは血液成分に移され得る。このように、MAは、インビトロでは安定であるが、インビ ボに投与される場合、疎水性薬剤(例えば、光増感剤)は、血
清リポタンパク質のような血液成分と関連する血流中に迅速に放出される場合、「最初に崩壊す る」と考えられ得る。この移送の別の有益な効果は、様々な器官(特に肝臓)に
おける疎水性薬剤の沈殿を減少させることである。このように、このようなミセ ルによ
る疎水性薬剤の送達の製薬動力学(pharmokinetics)は、他の送達ビヒクルまたは送達システム(例えば、迅速に薬剤を放出しないものま たは血液成分に薬剤を
移送しないもの)の使用と比較して変更される。
【0098】
(調製)
本発明のMAの製造のための方法は、疎水性化剤とリン脂質との組み合わせから本質的になるMAの工程、および上で議論されるように、ミセル、小リポソー ムまたはそれら
の組み合わせを形成し得る条件にそれらを供する工程、を含み、および/または、それらの工程からなる。好ましくは、この方法は、脂質二分子 層を形成し得るリン脂質の使用
を包含し、安定したミセルおよび/または小リポソームの製造を生じる。得られたMA、特に本発明のミセルを含むかまたは本発 明のミセルからなるMAは、通常ミセルの製造
に使用される界面活性剤を含まない。この界面活性剤の欠如は、溶血および腎臓損傷を生じることが公知の毒性を 顕著に低減し得る。ミセル形成を促すために、本発明のMAは
、低い塩条件下で処方される。なぜなら、上記のように、本発明のミセルは塩によって不安定化さ れるためである。
【0099】
一般に、本発明のMAは、所望されるMA構成成分分子(例えば、所望されるリン脂質、疎水性化剤、および必要に応じて、抗酸化剤および凍結防止剤)を、 溶媒に溶解して
、「中間複合体」を形成することによって製造される。好ましい溶媒は、有機溶媒であるか、そうでなければ非水性溶媒である。適切な有機溶媒 として、任意の揮発性有機溶媒
(例えば、ジエチルエーテル、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、ピペリジン、ピペリジン−水混合物、メタノール、 tert−ブタノール、ジメチルスルホキシド、N
−メチル−2−ピロリジン、およびそれらの混合物)が挙げられる。好ましくは、この有機溶媒は、水に非混 和性であり、例えば塩化メチレンが挙げられるが、水との非混和性
は必要とされない。いかなる場合においても、選択された溶媒は、脂質フィルムの成分の全てを溶解し得るのみならず、任意の有意な程度にまでこれらの成分と反応しないか、そうでなければ悪影響を及ぼすはずである。
【0100】
次いで、この有機溶媒は、得られる溶液から除去され、乾燥脂質フィルムおよび疎水性化剤に有意に有害ではない任意の公知の実験室技術によって、乾燥脂質 フィルムを形成
する。このような技術として、溶媒の気相を介して溶媒を除去する技術(エバポレーションまたは真空を含む)が挙げられる。1実施形態におい て、この溶媒は、有機溶媒がエ
バポレーションされるまで、真空下に溶液を設置することによって除去される。この固体残渣は、本発明の乾燥脂質フィルムであ り、これはMA成分の凝集体を含み、「プレソ
ーム」と考えられる。脂質フィルムの厚みは、重要ではないが、通常、固体残渣の量およびそれを含む容器の表面 積に依存して、約30から約45mg/cm2まで変化する。
本発明の別の実施形態において、溶媒は、Nanbaら(米国特許第5,096,629号であり、これはあたかも十分に記載されるように、本明 細書中で参考として援用され
る)の「プレソーム」プロセスの一部として除去され、このプロセスは、「中間複合体」を加熱し、CRUX 8B(登録商標) (Orient Chemical Ind.
,Ltd.,Japan)のような瞬間真空乾燥システムを介して、乾燥に供し、MA成分の凝集体を含む脂質粉 末を製造する。
【0101】
一旦形成されると、フィルムまたは粉末は、水和前の拡張された時間(好ましくは、4〜21日を超えない)貯蔵され得る。貯蔵は、アルゴンのような適切な 気体下で行われ
得る。脂質フィルムまたは粉末の貯蔵期間の間の温度はまた、重要な因子ではないが、好ましくは、室温未満であり、最も好ましくは、約− 20〜約4℃の範囲内である。Na
nbaらの「プレソーム」プロセスに対する1つの利点は、薄膜について見られるバッチ間変動性の減少であり、これは、エ バポレーション容器における複数のバッチの使用に
より生じる。
【0102】
乾燥脂質のフィルムまたは粉末は、水溶液(好ましくは、以前に存在しない場合、二糖または多糖を含む)で水和され得る。これは、所望される粒子サイズを 形成するために
ミクロ流動化のような押出しまたは高エネルギープロセスによってさらに処理され得る、大きな複合ラメラリポソーム (multilammelar liposome)の形
成を生じる。水和工程の間に使用される有用な水溶液の例として、滅菌水またはラクトースの希釈水が 挙げられる。本発明の1実施形態において、この溶液は、9.2%ラクト
ースのように、生理学的に等張性であり、これはボーラス注入を可能にする。好ましく
は、この水溶液は無菌である。最も好ましくは、ミセルの製造および小リポソームの安定化の場合、この溶液は低塩である。塩の存在は、これらの小粒子のより 大きなリポソー
ムへの凝集または融合を防止する負の反発電荷を中和することが考えられる。
【0103】
水和の間に使用される水溶液の容量は、非常に変化し得るが、約98%程度に大きくあるべきではなく、約30〜40%程度に小さくあるべきではない。有用 な容量の代表的
な範囲は、約50%または約60%〜約95%であり、好ましくは、約75%〜約95%、より好ましくは約80%〜約90%であり、そして最 も好ましくは、約85%〜90
%である。当然のことながら、約30%〜約98%の全てのサブレンジは、本発明の一部として含まれる。
【0104】
水和の間の物質の物理的操作は、回転エバポレーター上での混合および回転、容器の手動回旋、および標準的な実験室の攪拌器手段または振盪器手段(スター ラープレートを
有するスターラーバー、高せん断ミキサー、パドルおよびそれらの組み合わせを含む)の使用を含む、種々の手段によって行われ得る。本発明の 実施において、高攪拌方法(例
えば、高せん断混合または卵型スターラーバーの使用)が、好ましい。
【0105】
水和の際、治療有効量の疎水性化剤を組み込んだ粗凝集体が、形成される。この「治療有効量」は、処置される組織、および疎水性化剤が抗体または免疫学的 に活性なフラグ
メントのような標的特異的リガンドに結合されるかどうかに依存して、広範囲に変化し得る。代表的には、この治療有効量は、約0.1〜約 20mg/kg、好ましくは約0.
15〜2.0mg/kg、そしてなおより好ましくは約0.25〜約0.75mg/kgの範囲内の、1用量の疎水性化剤を 製造するための量である。好ましくは、この混合物
が、通常の手段によって取り扱うかまたは被験体に投与することが不可能である濃厚ゲルになる場合、「中間 複合体」における疎水性化剤のw/v濃度は、約0.1〜約8.0
〜10.0g/Lの範囲である。最も好ましくは、この濃度は、約2.0〜2.5g/Lであ る。
【0106】
因子が光感作剤である場合、選択的な光力学的療法に使用される種々のパラメーターが相関していることを注意すべきである。それ故に、治療有効量はまた、 他のパラメータ
ー(例えば、光力学的療法に使用される光の線量、照射量、持続時間、および光感作剤の投与と治療用照射との間の時間間隔)に関して、調節さ れるべきである。一般に、これ
らのパラメーターの全ては、周囲組織に対する有意な損傷を与えることなく、新生血管組織または腫瘍組織のような所望されない 組織に対する有意な損傷を生成するか、または
周囲組織に対する有意な損傷を与えることなく、このような所望されない組織の観察を可能にするために調節され る。
【0107】
この水和工程は、形成されるリン脂質と疎水性化剤との凝集体のガラス転移温度を超えない温度で行われるべきである。本発明の光感作剤の場合、この温度は 約30℃である
。好ましくは、この温度は、室温または室温未満であり、例えば、10〜25℃であるか、またはなおより好ましくは、15〜20℃または 17〜22℃である。特に好ましい
温度は、約21℃である。リン脂質と疎水性化剤との凝集体のガラス転移温度は、示差走査マイクロ熱量計を使用して測定さ れ得る。Maddenら(「Spontaneou
s vesiculation of large multilamellar vesicles composed of saturated phophatidy
lcholine and phosphatidylglycerol mixtu
res」Biochemistry,第27巻、第8724〜8730頁、(1988))は、ベシクル形成に及ぼす温度およびイオン強度の影響を 記載する。
【0108】
本発明によって包含されるような不飽和の荷電した脂質の使用は、室温未満まで処方物の相転移温度Tc(脂質からゲルへの転移)を効果的に低下し得、あまり顕著ではない転移を誘発し得る。不飽和脂質の量は、Tc低下の程度を決定する。
【0109】
次いで、水和の間に最初に形成された粗凝集体の粒子サイズは、使用されるサイズ低減の方法に基づいて、より均一なサイズにまで均質化され、および/また は、およそ約5
0nm〜約300nm未満の小さなサイズ範囲まで低減される。好ましくは、この均質化および/または減少はまた、水和工程において形成され た疎水性化剤−リン脂質複合体
のガラス転移温度未満の温度で行われる。本発明の光感作剤の場合、このような温度は、約30℃を超えず、好ましくは約25℃ の室温未満である。光感作を用いる均質化温度
は、好ましくは、室温または室温未満(例えば、15〜20℃)であることが見出されてきている。より高い均質 化温度(例えば、約32〜42℃)において、MA組成物の相
対濾過性は、予想されるように、増加した流動性に起因して初期に改善され得るが、次いで、予想 外にも、増加する粒子サイズに起因して連続攪拌によって減少する傾向にある

【0110】
種々の高速攪拌または高エネルギーシステム操作プロセスは、均質化工程の間に使用され得る。このようなプロセスの例として、マイクロ流動化(液体ジェットミリング)、ハイシェアミキシング(high shear mixing)および超音波処理が挙げられる。超音波処理は、効果的ではあるが、MAの大規模生成における使用のためには理想的ではない。前述の高エネルギーシステムを介する処理は、微粒子、通常小リポソーム
およびミセルの混合物の生成を生じる。押出しは、サイズ減少の別の方法である。押出しは、小リポソーム(50〜100nmほど)の生成を生 じるが、この手順による生成物
中においてミセルは、本発明者らによっては観察されなかった。押出しは、リポソーム処方流体を作製することが公知の圧力およ び温度の下で、規定された孔径のメンブランフ
ィルターを通して水和した材料を押す工程を包含する。研究室スケールの、材料のバッチのためには十分である が、押出しは、大規模処理のためには理想的ではあり得ない。こ
れは、1)1000psiよりも大きい高圧力では、孔が塞がるようになる、2)フィルタ膜の 表面領域および押出し容積が制限される、そして3)押出し成形機を通る複数の
不連続な流路は、バッチ間の相違の可能性を増加させる、からである。
【0111】
上記のプロセスのためのデバイスとしては、以下が挙げられる:MicrofluidizerTM(例えば、MicrofluidicsTM Model 110F);超音
波処理機;ハイシェアミキサー;ホモジナイザー;標準研究室用振盪機または撹拌機、あるいは任意の他の攪拌デバイス。当然、 このようなプロセスにおける目的の特定の疎水
性薬剤に適する改変および望ましいMAの形成は、本発明の範囲内である。本発明の1つの好ましい実施形態にお いて、これらのプロセスは、主にミセルを含有するMAの生成
のために使用される。
【0112】
このようなプロセスは、種々の比のミセル、リポソームおよびそれらの組み合わせを含むMAを生成するために使用され得る。ミセルおよびリポソームの両方 が生成される実
施形態において、これらは、2つの組み合わせにおいて見られる2峰性のサイズ分布に分けられる。このことは、リポソームと比較して有意によ り小さいサイズのミセルに起因
する。MAサイズの分析は、電子顕微鏡(リポソームのような巨大な凝集物を除外するために)および粒子分析機 (particle sizer)の使用(粒子分析器は、単
峰性および2峰性の分布のついてのフィッティングルーチンを組み合わせて使用され得る)を含む 方法によって実施され得る。別の方法は、塩化マンガン(Mn2+)媒介性核磁
気共鳴(31P−NMR)の使用であり、ここでリポソーム脂質2重膜の内層中の31リン標識された脂質の頭部は、Mn2+によってクエンチされない。なぜならば、Mn2+は、捕捉容積(entrapped volume)に入り込むために、容易には2重層を横切ることができないからである。従って、リポソームは、Mn2+を加えた後に、大きいリポソームおよび小さいリポソームについて約30〜40%の残留NMRシグナルを生成する。しかし、ミセルの31P標識された脂質頭部の全ては、その表面上にあり、従って、十分にMn2+のクエンチングに曝される。従って、ミセルは、Mn2+を加えた後のクエンチングに起因して、残りのNMRシグナルを生成しない(図1を参照のこと)。
【0113】
好ましい実施形態において、攪拌のためにMicrofluidizerTMの ような
高圧デバイスが使用される。マイクロ流動化システムのモデルのいくつかは、連続的であり、そしてバッチサイズの拡張可能な処理装置である。マイクロ 流動化は、正確に規定
されたマイクロチャネルにおいて超高速度にて衝突する、水和された物質の高圧の流れを使用する。相互作用チャンバーにおいては、高速 の流体の2つの流れは、互いに90°
の角度で衝突する。せん断、衝突および空洞形成の組み合わされた力は、リポソームおよびミセルの生成を導く。マイクロ 流動化においては、流体が高圧相互作用チャンバーを
通過する短い期間に、多量の熱を発生する。マイクロ流動化の温度が増加するにつれて、膜の流動性もまた 増加し、これによって、予想されるように、より容易に粒子径を初め
に減少させる。例えば、MicrofluidizerTMデバイスを通過するはじめのいくらかの量においては、濾過性は4倍まで増大し得る。この2重膜の流動性の増加は、最終組成物の濾過を容易にする、粒子径の減少を促進する。初期のいくらかの通過において、この増加した流動機構は、このプロセスを有利に有力なものとする。
【0114】
しかし、通過数および温度の両方が増加するにつれて、リポソームを含む場合、疎水性薬剤分子のより多くは、明らかに絞り出され、リポソームがより大きな 粒子に凝集する
傾向を増加させる。小胞の凝集がこのプロセスを支配し始めた時点で、この粒子径はこれ以上減少され得ない。
【0115】
この理由のため、本発明の方法において、均質化温度は、組成物が最大攪拌領域(例えば、MicrofluidizerTMデバイスの相互作用チャンバー)を通過した後、室温よりも低い温度に冷却されそして維持される。適切な冷却システムは、均質化が行われる任意の標準的な攪拌デバイス(例えば、MicrofluidizerTM)では、循環冷却水を混合チャンバーかまたは他の最大乱流領域の周りの適切な冷却ジャケット内に循環させることによって、容易に提供され得る。このような高圧デバイスにおいて使用される圧力は、厳密ではないが、約10,000〜約16,000psiの圧力が普通である。
【0116】
水和温度の維持および30℃より低い均質化/縮小工程は、小さな粒子径を生成することは予想されない。実際、本発明は、小さな粒子径が温度を減少させる のではなく、温
度を増加させることにより達成されるという、従来の知識とは反対である。例えば、M.Leeら、「Size Distribution of Liposomes by
Flow Field−Flow Fractionation」J.Pharm.&Biomed.Analysis, 11:10,911−20(1993)を参照のこ
と。ここで、式(6)は、温度「T」に関して反比例する粒子径「d」を示し、そして図6bは、その中で、 調製物II(約23℃で調製される)より小さい粒子径を有するリ
ポソームの調製物I(約70℃で調製される)を示す。
【0117】
最後の工程で、本発明のMA組成物は、好ましくは、非常に小さな孔径を有するフィルター(すなわち、0.22ミクロン)を通して無菌的に濾過される。加 熱およびX線照
射のような他の滅菌法が、当該分野で公知であるが、このような方法の使用は、脂質および疎水性薬剤(例えば、多くの光増感剤)の不可逆的な 構造的変化を起こし得る。各種
の濾過システムが、当該分野で公知であり、これらとして、Durapore TPカートリッジ、Millipak 100、 Millidisk 40Sおよびmilli
disk MCGLが挙げられる。滅菌濾過の間に使用されるフィルター圧力は、組成物の容積、密度、温度、 フィルタの型、フィルタの孔径およびMAのサイズに依存して、
広範に変わり得る。しかし、参考として、代表的な濾過条件の設定は、以下のようである: 15〜25psiの濾過圧力;0.8〜1.5ml/cm2の濾過負荷;および約25℃の濾過温度。好ましくは、親水性Millidisk 40Sが、約1ml/cm2
負荷にて使用される。
【0118】
本発明のMAを含有するヒドロ−モノベンゾポリフィリン光増感剤を生成するための代表的で一般的な手順は、例示的なさらなる詳細と共に以下に記載される:
(1)疎水性の0.22ミクロンフィルターを通す、有機溶媒としての塩化メチレンの滅菌濾過。
【0119】
(2)4.7:3.25:1の比でのDMPC:EPG:BPD−MAおよび賦形剤の濾過された有機溶媒への添加、「中間複合体」を形成するための賦形剤および光増感剤の両方の溶解。
【0120】
(3)得られた溶液の0.22ミクロン疎水性フィルタを介する濾過。
【0121】
(4)濾液のロータリーエバポレーター装置(例えば、Rotoevaporatorの名称で市販されている)への移動。
【0122】
(5)乾燥脂質フィルムを形成するための有機溶媒の除去。
【0123】
(6)有機溶媒濃度のレベルを決定するための脂質フィルムの分析;必要に応じて、有機溶媒のレベルが0.01%未満になるまで除去を継続する。
【0124】
(7)10%ラクトース溶液の調製。MA処方物が、注入される場合、この溶液は注入可能でなければならない。
【0125】
(8)0.22ミクロン親水性フィルターを通すラクトース溶液の濾過。
【0126】
(9)粗い凝集物を形成するための濾過された10%ラクトース溶液を用いる脂質フィルムの水和。
【0127】
(10)必要に応じて、ミセルを形成するために、約5つの別個の通路に対して9000psi(ポンド/平方インチ)でMicrofluidizerTMに通すことによる粗い凝集物の粒子径の縮小。
【0128】
(11)MAの縮小された凝集サイズ分布の決定。
【0129】
(12)0.22ミクロン親水性フィルターを通す、MA組成物の無菌的濾過(必要に応じて、溶液ははじめに、5.0ミクロンのプレフィルターかまたはより小さいプレフィルターで予め濾過され得る)。
【0130】
(13)光増感剤効力の分析。
【0131】
(14)MA組成物でのバイアルの充填。
【0132】
(15)凍結乾燥。
【0133】
上記の工程は、全ての適切な工程を、水和後に続くミセル生成に好ましい低塩条件下で実施することによってミセルの選択的な生成に適合され得る。このよう に、塩ベースの
充填剤は、使用されるべきではない。このような適用において、得られるミセルは、直径約15nmのオーダーであり、実現可能なリポソームサ イズの下限である。このミセル
構造は、31P−NMRの使用によって確認された。
【0134】
Nanbaらの「プレソーム(presome)」プロセスを用いる本発明のMAを含有するハイドロ−モノベンゾポルフィリン光増感剤を生成するための代替的な一般的手順(米国特許第5,096,629号を参照のこと)は、例示的なさらなる詳細と共に以下に記載される:
(1)疎水性の0.22ミクロンフィルターを通す、有機溶媒としての塩化メチレンの滅菌濾過。
【0135】
(2)総脂質:EA6を8:1の比で含む60:40の比のDMPC:DOPG、ならびに酸化防止剤BHTおよびAPの、濾過された有機溶媒への添加、「中間複合体」を形成するための賦形剤および光増感剤の両方の溶解。
【0136】
(3)得られた溶液の0.22ミクロン疎水性フィルタを介する濾過。
【0137】
(4)濾液の液体タンクへの移動に続く、外部から加熱された管状ヒーターへの供給。
【0138】
(5)脂質粉末を形成するための混合物を瞬時に乾燥するための、加熱された混合物の300mmHg以下の減圧チャンバーへの、音速の0.1倍を超える速度での供給による有機溶媒の除去
(6)有機溶媒濃度のレベルを決定するための脂質粉末の分析;必要に応じて、有機溶媒のレベルが0.01%未満になるまで除去を継続する。
【0139】
(7)10%ラクトース溶液の調製。MA処方物が、注入される場合、この溶液は注入可能でなければならない。
【0140】
(8)0.22ミクロン親水性フィルターを通すラクトース溶液の濾過。
【0141】
(9)粗い凝集物を形成するための濾過された10%ラクトース溶液を用いる脂質粉末の水和。
【0142】
(10)光増感剤および凝集物含有リン脂質のガラス転移温度未満の温度にて高いrpmで攪拌することによる、粗い凝集物の分散。
【0143】
(11)MAの縮小された凝集サイズ分布の決定。
【0144】
(12)0.22ミクロン親水性フィルターを通す、MA組成物の無菌濾過(必要に応じて、溶液ははじめに、5.0ミクロンのプレフィルターかまたはより小さいプレフィルターで予め濾過され得る)。
【0145】
(13)光増感剤効力の分析。
【0146】
(14)MA組成物でのバイアルの充填。
【0147】
(15)凍結乾燥。
【0148】
上記の瞬時の乾燥を実施する手段の1つは、CRUX 8BTM(Orient Ch
emical Ind.,Ltd.,Japanの製品)のような減圧乾燥システムの使用である。さらに、上記の分散工程は、約10,000rpmの 速度か、または8,0
00〜15,000rpmの範囲の速度であり得る。このような「プレソーム」プロセスはまた、全ての適切な工程を、水和後に続くミセ ル生成に好ましい低塩条件下で実施す
ることによって、ミセルの選択的な生成に適合され得る。このように、塩ベースの充填剤は、使用されるべきではない。
【0149】
上記のように、MA生成のための本発明の方法の実行は、種々のリン脂質およびプロセスを用いて実施され得る。本発明は荷電した、不飽和のリン脂質(例え ば、EPGおよ
びDOPG)の使用、ならびに高エネルギー処理(例えば、マイクロ流動化および超音波処理)が、リン脂質および親水性試薬の組み合わせを形 成する別のリポソームにおいて
、ミセルの形成に好ましいようである低塩条件の使用を超える、観察を包含する。不飽和リン脂質の使用は、多数の所望の特性を 提供する。飽和した脂質と組み合わせて使用さ
れる場合、このような特性として、室温でMA生成工程を実施する能力およびより小さなMAを生成する能力が挙 げられる。
【0150】
(投与および使用)
本発明のMAの中に組み込まれる疎水性薬剤の使用は、任意の適切な薬学的適用、農学的適用または工業的適用に適し得る。組み込まれた光増感剤と共に、このMAは、光増感剤が光または他の電磁気放射への曝露と適切に組み合わされる任意の条件に対しまたは
任意の方法において使用され得る。このような条件および方法として、癌の診断または処置、活性化された白血球の減少、眼の障害の処置、新生 血管形成(neovascul
ature)および新脈管形成の処置および予防、ウイルスおよびウイルスに感染した細胞の駆除、アテローム硬化性斑の処置、 再狭窄の処置などが挙げられるが、これらに限
定されない。さらに、多くの光増感剤は、眼に見える蛍光を発するための適切な励起波長によって光活性化され得 る。次いで、この蛍光は、腫瘍または他の標的組織を局在する
ために使用され得る。本発明のMAの中への疎水性薬剤の取り込みによって、より効果的なパッ ケージング、送達およびこれによる薬剤の投与が、得られ得る。
【0151】
一般的に、本発明のMAは、ミセルおよびリポソームの投与と同一のまたは類似する任意の様式において適用され得る。本発明のMAにおける疎水性薬剤の濃 度は、薬剤の性
質ならびに所望される投与の性質に依存する。この依存性はまた、MAを介するヒドロ−モノベンゾポルフィリン光増感剤の適用においても存在 する。
【0152】
本発明のMA組成物およびMA処方物は、非経口的にまたは注射によって投与され得る。注射は、静脈内、皮下、筋肉内、髄腔内または腹腔内でもあり得る。 しかし、MAは
また、エアロゾルによって鼻腔内にまたは肺内に、あるいは局所的に投与され得る。定期放出のために設計された処方物もまた、本発明の範囲内 である。
【0153】
投与されるMA処方物中の疎水性薬剤の量は、活性薬剤の選択、処置される条件、投与の様式、個々の被験体、ならびに医師の技術、経験および判断に依存す る。しかし、一
般的に、投与量は、0.05〜10mg/kgの範囲が適切であり得る。前述の範囲は、個別の処置レジメンに関する変数の数が多い場合、当 然、単なる示唆である。従って、
これらの推奨される値からのかなりの変位が、予期される。
【0154】
例えば、局在化した腫瘍組織におけるかまたは局在化したアテローム硬化性斑における診断として光増感剤を用いて、本発明のMA組成物は、光線力学療法に 関して公知の様
式と同一の一般的な様式で、全身的に投与される。薬物が、それらが蓄積しない組織から取り除かれることを可能とする待機期間は、ほぼ同一で あり、例えば、約30分〜約1
0時間である。本発明の組成物が、局在化された後、標的組織の位置は、光増感剤の存在を検出することにより決定される。
【0155】
診断において、MAに取り込まれる光増感剤は、放射性同位元素もしくは他の検出手段とともに使用され得るか、または放射性同位元素もしくは他の検出手段 によって標識さ
れ得る。この場合、検出手段は、標識の性質に依存する。テクネチウムまたはインジウムのようなシンチグラフィ標識は、エキソビボスキャナー を使用して検出され得る。特定
の蛍光標識もまた、使用され得るが、光増感剤それ自体の蛍光に基づく検出のように、これらの標識は、照射に先立って必要とさ れ得る。
【0156】
本発明のMAによって適用される光増感剤の活性化のために、任意の適切な吸収波長が、使用され得る。これは、細胞毒性を媒介するための当業者に公知の種 々の方法または
蛍光放射(例えば、可視光)を使用して供給され得、白熱光供給源もしくは蛍光供給源、またはフォトダイオード(例えば、発光ダイオード)が 挙げられる。レーザー光はまた
、局在化された光増感剤に光をインサイチュ送達するために使用され得る。代表的なプロトコルにおいて、例えば、照射の数時間 前に、MAを含有する約0.5〜1.5mg/
kgの緑色ポルフィリン光増感剤が、静脈内に注射され、次いで、適切な波長で励起される。
【0157】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態、有用性および特性を記載するために提示されるが、本発明を限定することは意図されない。本発明は、実施例において使用される特定の光増感剤に限定されない。
【実施例】
【0158】
(実施例1)
(注射のためのQLT0074の生成)
500mLの塩化メチレンを、圧力ユニットの下で0.001gブチル化ヒドロキシトルエン、0.01gアスコルビン酸パルミテート、3.2gジオレオイ ルホスファチジ
ルグリセロールおよび4.8gジミリストイルホスファチジルコリンに加え、オーバーヘッド攪拌機を使用して透明な溶液が得られるまで攪拌し た。一旦溶液が透明になったら
、1gのQLT0074の結晶を、遮光の下ゆっくりと加え、そしてオーバーヘッド攪拌機を使用して、結晶が完全に溶解するま で混合した。次いで、この溶液を、0.22μ
mのフィルターを通して濾過し、そして丸底フラスコに移した。このフラスコを、ロータリーエバポレーターに置 き、そして蒸留が終わった後も乾燥を続けながら、塩化メチレ
ンを減圧下で除去した。この減圧を終え、そしてフラスコを、さらなる乾燥の間減圧多岐管に取り 付けた。滅菌濾過された9.2%w/vラクトース一水和物を含む500mL
の注射用の水を、QLT0074/脂質薄膜に加え、そして溶解するために室温に て少
なくとも1時間攪拌し、そして多重膜の小胞を生成する。Model M−1105マイクロ流動機を、水で、次いでいくらかのラクトース溶液で洗浄し、 次いで、QLT00
74/脂質溶液が、放出物中で緑の溶液が見られるまで洗浄した。以下のパラメーターを使用した:空気圧、120psi;作業圧力、 10,030psi;吸気圧力ゲージの
読み値、62psi。冷却コイルレザバを、破砕した氷、および生成物温度を16〜20℃に維持するための水で満たし た。このQLT/0074脂質物質を、マイクロ流動機
を5回通して処理した。次いで、得られた物質を、0.22μmフィルターに通し、そして標識された凍 結乾燥バイアルに、アリコート当たり1mlに等分した。この物質を、
BCCA凍結乾燥機(Labconco、通し番号215369)を使用して凍結乾燥し
た。凍結乾燥したサンプルを、暗所にて2〜8℃で保存した。
【0159】
特許、特許出願および出版物を含む、本明細書中に引用された全ての参考文献は、以前に詳細に援用したか否かに関わらず、その全体が参考として本明細書中 で援用される。
本明細書中で使用される場合、用語「a」、「an」および「any」は、それぞれ単数形および複数形の両方を含むことが、意図される。
【0160】
ここで、本発明は十分に記載され、同一の事柄が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくそして過度の実験なしに、広範な等価のパラメーター、濃度および条件の範囲内において実施され得ることが、当業者によって理解される。
【0161】
本発明は、その特定の実施形態との関連で記載されたが、さらなる改変が可能であることが理解される。この適用は、本発明の任意の改変、使用または適用を 包含することが
意図され、これらは、概して、本発明の理念に従い、そして本発明に関する、当該分野で既知のまたは慣行の範囲内に属するような本開示からの 逸脱、および、添付の特許請求
の範囲に従うように示された上記の必須の特徴に適用され得るような本開示からの逸脱を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−224634(P2012−224634A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160772(P2012−160772)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【分割の表示】特願2008−121718(P2008−121718)の分割
【原出願日】平成14年4月10日(2002.4.10)
【出願人】(501143039)キューエルティー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】