説明

疑似移動床式クロマトグラフィーによる、ポリペプチドを精製する方法

疑似移動床式(SMB)システムを使用する、少なくとも1つの重要でない成分から免疫反応化合物を分離する方法、およびこの方法において使用するためのSMB装置が提供される。また、SMB法およびSMB装置を使用して調製された、精製免疫反応化合物、ならびに精製免疫反応化合物を使用して処置する方法が提供される。本発明は、SMBクロマトグラフィーによって分離された免疫反応タンパク質およびその分離された免疫反応タンパク質で患者を処置する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、疑似移動床式クロマトグラフィーを使用してポリペプチドを精製する方法ならびにポリペプチドの精製に適した疑似移動床式クロマトグラフィーシステムおよび疑似移動床式装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景および発明に対する導入)
タンパク質の精製に使用されるクロマトグラフィー分離は、伝統的にバッチモードで実行される。すなわち、1つの充填カラムが使用され、平衡、充填、洗浄、溶出および再生/洗浄が連続して実行される。このモードは、全体のスループットはかなり低く比較的長いプロセスとなる。加えて、バッチモードにおけるタンパク質吸着の反応速度の限界に起因して、クロマトグラフィーカラムは、カラムのいわゆる動的容量に対してのみ充填され、動的容量は、通常、カラムの平衡容量の30%〜50%である。カラムが平衡状態で操作される場合、次には、これは、必要とされる容量の2倍〜3倍の容量のカラムの使用を必要とする。タンパク質クロマトグラフィーの樹脂は非常に高価であるから、これは生産物の精製の費用を追加して、主な経済的結果となる。加えて、バッチカラムクロマトグラフィーにおいて、バッチモードの操作に起因して、洗浄プロセスおよび溶出プロセスは相当な流体体積を必要とし、これは、使用される精製水が特別に処理されることを必要とすることから、バッチモードの操作は経済的結果を有する。
【0003】
疑似移動床式(SMB)クロマトグラフィーは、石油化学産業および鉱物産業に使用されている。SMBクロマトグラフィーは、光学異性体の分離に関して製薬産業においてもまた、応用が見出されている。
【0004】
SMBクロマトグラフィーのその他の応用は、例えば、フルクトースとグルコースの溶液からのフルクトースの分離および砂糖大根シロップまたはサトウキビシロップからのスクロースの分離を含む。溶液の成分は、分離波形が疑似移動床内で発生するように、イオン交換樹脂によって差次的に吸収される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、疑似移動床式(SMB)クロマトグラフィーを使用した少なくとも1つの重要でない成分からの分離によって免疫反応タンパク質を精製する方法、SMBシステム並びにこれらの方法において有用な装置、SMBクロマトグラフィーによって分離された免疫反応タンパク質およびその分離された免疫反応タンパク質で患者を処置する方法に関する。
【0006】
1つの局面において、本発明は、流体混合物において、疑似移動床式クロマトグラフィーを使用して少なくとも1つの重要でない成分から免疫反応化合物を分離する方法に関する。この局面に従って、その方法は以下の工程:
(a)流体伝達連絡における多数のモジュールを含む疑似移動床式装置を提供する工程であって、上記モジュールは少なくとも1つの固相を含む工程;
(b)上記疑似移動床式装置に流体混合物を持続的に導入する工程であって、上記流体混合物は、向流モードにおいて固相と接触する工程;
(c)少なくとも1つの重要でない成分から免疫反応化合物の分離を行う工程;および、
(d)免疫反応化合物を収集し、その精製された組成物を提供する工程;
を含む。
この局面の一実施形態に従って、免疫反応化合物は、少なくとも1つの重要でない成分より大きい、または小さい割合で固相と結合する。好ましくは、免疫反応化合物は、少なくとも1つの重要でない成分よりも大きな割合で固相と結合する。代替の一実施形態に従って、この方法は、免疫反応化合物の解離を促進する溶出液と固相を接触させることにより、上記分離を行う工程をさらに含む。適した溶出液は、酸性緩衝液を包含する。適した固相は、プロテインAまたはプロテインGと結合する支持物質を包含する。分離は、吸着クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーまたはアフィニティークロマトグラフィーといったクロマトグラフィーの方法を使用して行われ得る。好ましくは、分離は、アフィニティークロマトグラフィーを使用して行われる。本発明は、これらの方法に従って調製された免疫反応化合物にも関する。
【0007】
もう一つの局面において、本発明は、少なくとも1つの重要でない成分および免疫反応化合物の両方が流体混合物中に存在するとき、少なくとも1つの重要でない成分から上記免疫反応化合物を分離するための疑似移動床式(SMB)システムに関する。この局面に従ったSMBシステムは、固相を含んだ多数の帯域を組み込み、固相は、上記流体混合物によって向流的に接触し、上記帯域は:
(i)その免疫反応化合物と少なくとも1つの重要でない成分が、固相と差次的に結合する結合帯域;
(ii)その少なくとも1つの重要でない成分が、固相から優先的に解離する洗浄帯域;および
(iii)その免疫反応化合物が、固相から優先的に解離する溶出帯域;
を含む。
一実施形態に従って、その洗浄帯域は、結合帯域と溶出帯域との中間にある。その固相は、免疫反応化合物と優先的に結合する。この一実施形態の1つの局面に従って、その固相は、アフィニティークロマトグラフィーのためのリガンドを含む。適した固相は、プロテインAまたはプロテインGを含み得る。代替の適した固相は、陽イオン交換樹脂を含む。この一実施形態の1つの局面に従って、疑似移動床式システムは、溶出帯域と結合帯域の中間に溶出洗浄帯域をさらに含む。また、この一実施形態は、再生帯域、並びに溶出洗浄帯域と結合帯域との中間の溶出洗浄帯域、および再生帯域と結合帯域との中間の平衡帯域もまたさらに含み得る。本発明は、疑似移動床式システムの使用を包含する、少なくとも1つの重要でない成分から免疫反応化合物を分離する方法に関し、そのような疑似移動床式システムを使用して調製された精製免疫反応化合物に関する。
【0008】
さらに1つの局面に従って、本発明は、疑似移動床式クロマトグラフィーを使用して、少なくとも1つの重要でない成分と抗体の両方が存在する流体混合物において、少なくとも1つの重要でない成分から上記抗体を分離する方法に関し、この方法は、以下の工程:
(a)流体伝達連絡において多数のモジュールを含む疑似移動床式装置を提供する工程であって、上記モジュールは、上記抗体と優先的に結合するアフィニティークロマトグラフィーリガンドを含む少なくとも1つの固相を含む工程;
(b)その疑似移動床式装置に上記流体混合物を持続的に導入する工程であって、上記流体混合物は、向流モードにおいて固相と接触する工程;
(c)少なくとも1つの重要でない成分から上記抗体の分離をおこなう工程;および、
(d)その抗体を収集し、その精製された組成物を提供する工程;
を包含する。
【0009】
さらなる局面において、本発明は、流体混合物において少なくとも1つの重要でない成分と抗体が存在する場合に、少なくとも1つの重要でない成分から抗体を分離するための疑似移動床式(「SMB」)システムに関する。この局面に従って、上記SMBシステムは、流体混合物と向流で接触するアフィニティー樹脂を含む固相を含む多数の帯域を組み込み、上記帯域は、以下:
(i)抗体および少なくとも1つの重要でない成分が、上記固相と差次的に結合する結合帯域;
(ii)少なくとも1つの重要でない成分が、上記固相から優先的に解離する第1の洗浄帯域;および、
(iii)上記抗体が、上記固相から優先的に解離する溶出帯域;
を包含する。
【0010】
もう1つの局面において、本発明は、疑似移動床式クロマトグラフィーを使用して、流体混合物において少なくとも1つの重要でない成分から、免疫反応化合物を分離する方法に関し、この方法は、以下の工程:
(a)疑似移動床式装置との流体伝達連絡において、少なくとも1つのモジュールを含む上記疑似移動床式装置を提供する工程であって、上記モジュールが少なくとも1つの固相を含み、上記装置は、そのモジュールが通過する多数の帯域を含む工程;
(b)結合帯域において、流体混合物を上記モジュールに持続的に導入する工程であって、流体混合物が向流モードにおいて固相と接触し、免疫反応化合物が固相と結合する工程;
(c)洗浄帯域において、結合した免疫反応化合物を含む上記モジュールに洗浄緩衝液を持続的に導入する工程であって、洗浄緩衝液が向流モードにおいて固相と接触し、上記モジュールから少なくとも1つの重要でない成分を実質的に取り除く工程;
(d)溶出帯域において、結合した免疫反応化合物を含む上記モジュールに溶出緩衝液を持続的に導入する工程であって、溶出緩衝液が向流モードにおいて固相と接触し、それにより免疫反応化合物が固相から実質的に解離する工程;および、
(e)上記モジュールから、免疫反応化合物を含む生産物の流れを持続的に取り出す工程;
を包含する。
1つの実施形態に従って、疑似移動床式装置は、多数のモジュールを含む。好ましくは、固相は、アフィニティーリガンドを含む。適したアフィニティーリガンドは、プロテインAまたはプロテインGを含む。1つの局面に従って、免疫反応化合物は、抗体または抗体フラグメントを含む。本発明は、これらの方法によって実質的に調製された精製抗体または抗体フラグメントにも関する。
【0011】
もう1つの局面に従って、本発明は、少なくとも1つの重要でない成分から免疫反応化合物を精製する改善された方法を提供し、その改善は、プロテインAまたはプロテインGを含む固相を伴った疑似移動床式アフィニティークロマトグラフィーの使用を含む。
【0012】
本発明のSMB法を使用して分離される、適した免疫反応化合物は、抗体および抗体フラグメントを含む。そのような免疫反応化合物は、CD20、CD40、CD40L、CD23、CD4、CD80およびCD86からなる群から選択される抗原と結合する免疫反応化合物を包含する。
【0013】
(定義)
本発明に従って、および本明細書中で使用されるように、下記の用語は、明示的に他の場合であることが規定されない限り、下記の意味を持つように定義される。
【0014】
用語「免疫反応化合物」とは、免疫グロブリンに由来する抗原結合領域および/または定常領域を含む化合物をいう。1つの局面において、包含されるものは、抗原と結合する化合物である。免疫反応化合物は、サイトカイン、サイトカインリガンドおよびその他の抗原といった非抗体化合物に由来するペプチド配列をさらに含み得る。そのような免疫反応化合物は、抗体、抗体フラグメント、ドメイン欠失抗体もしくは他の特異的な結合メンバーと結合された抗体またはその混合物を含む。ドメイン欠失抗体は、WO 02/060995に記述されるもののような化合物を含み、その開示は、本明細書中に参考として援用される。他の免疫反応化合物は、融合タンパク質を含み、その融合タンパク質は、リガンドの結合パートナーのアミノ酸配列または接着のアミノ酸配列改変体のようなアミノ酸配列に対して融合した免疫グロブリン鎖の領域を含む。そのような融合タンパク質は米国特許第5,428,130号および同第5,565,335号に記載された融合タンパク質を含み、それらの開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0015】
本明細書中の用語「抗体」は、最も広義において使用され、インタクトなモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つのインタクトな抗体から形成される多重特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)、ヒト化抗体、霊長類化抗体(primatized antibodies)、ドメイン欠失抗体、並びに望ましい生物化学的活性を示す限りにおいて、抗体フラグメントを含む。
【0016】
「抗体フラグメント」は、インタクトな抗体の一部(好ましくはその抗原の結合領域またはその可変領域を含む)を含む。抗体フラグメントの例として、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFvフラグメント;ダイアボディー(diabody);直鎖状抗体(linear antibody);単鎖抗体分子;ならびに抗体フラグメントから形成された多重特異的抗体が挙げられる。1つ以上の定常領域の少なくとも一部が変化、あるいは欠失され、改変された生理学的特性(例えば、減少した血清の半減期)を提供された免疫グロブリンを含むドメイン欠失抗体はまた、本開示の目的のために抗体フラグメントと見なされ得る。好ましい一実施形態において、ドメイン欠失抗体は、C2ドメインを欠損した定常領域を含む。
【0017】
「クロマトグラフィー」は、混合物および成分の化学的分離に使用され、固相において混合物の成分の間で選択的誘引に依存する任意の分析技術をいう。例としては、吸着クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーおよびアフィニティークロマトグラフィーが挙げられる。
【0018】
「吸着剤」は、移動相成分が選択的アフィニティーを示すクロマトグラフィーにおいて使用される固相をいうように、本明細書中で一般的に使用される。そのようなアフィニティーは、(サイズ排除または複合体生成を包含した)吸着以外の種々の形態を持ち得ることから、その用語は、混合物の成分を吸着する固相および移動相に由来する成分を技術的に吸着しない固相をいうが、それにもかかわらずクロマトグラフィーシステムにおいて、別の成分に対する、1つの成分の伝達速度を下げることにより、吸着剤として挙動する。
【0019】
「精製された」とは、成分または画分に対して言及する場合、その相対濃度(成分または画分の重量が混合物中における全ての成分または画分の重量によって除算される)が、少なくとも20%まで増加することを示す。一連の実施形態において、その相対濃度は少なくとも、40%、50%、60%、75%、100%、150%または200%まで増加する。精製される成分の相対濃度(精製された成分または画分の重量が混合物中において全ての成分または画分の重量によって除算される)が、少なくとも20%、40%、50%、60%、75%、85%、95%、98%または100%まで減少する場合、成分または画分もまた精製されたと言われ得る。もう1つの一連の実施形態において、その成分または画分は、少なくとも、50%、65%、75%、85%、90%、97%、98%または99%の相対濃度まで精製される。1つの実施形態における成分または画分が、他の成分または画分から「分離される」とき、他の実施形態において、その成分または画分が、本明細書において提供されるレベルに「精製される」ことが理解される。
【0020】
「モジュール」とは、疑似移動床式装置の一部をいう。モジュールは、1つまたは多数のカラムまたは容器を含み得る。
【0021】
「リング」とは、循環様式において、それぞれのモジュールの出力が連続するモジュールの入力を構成するので、SMBシステムにおいて、SMBシステムのモジュールが、どのように互いにとの関連において構成されるかを説明されるのに使用される。用語「リング」は、従って、モジュール内のモジュールおよびカラムの循環の構成に対して限定されると理解されるべきでない。
【0022】
「多成分の混合物」は、それぞれの成分または画分が、使用される吸着剤に対して異なるアフィニティーを示すことから、定められたクロマトグラフィープロセスを使用して分離され得る3つ以上の成分または画分を含む流体混合物をいう。
【0023】
「重要でない成分」とは、免疫反応化合物でなく、かつ免疫反応成分から分離された、免疫反応化合物を含む流体混合物中に存在する成分をいう。重要でない成分は、宿主細胞タンパク質(HCP)、抗生物質および流体混合物中に存在する他の成分を含み得る。
【0024】
「質量伝達効果」とは、一般に、与えられたシステムにおいて、混合物の成分に対し、混合物と異なる分散運動を示し、および理想のシステムから逸脱させるこれらの物理学的現象をいう。質量伝達効果は、このようにして軸分散係数、内部粒子拡散係数、および薄膜質量伝達係数を使用して構築された効果を包含する。質量伝達効果は、このようにして外部カラムのデッドボリュームに起因して、接触および分散を包含する。下記に詳しく検討された質量伝達補正の項が、式3−6(理想のシステムのための移動相の速度)によって定められた任意の帯域において移動相の速度の2%より大きい場合、分離は、無視できない質量伝達効果によって遅延し、定められた純度および精度に到達する。本発明の設計は、システムに拡げられ、そのシステムにおいて質量伝達補正速度が、1、3、5、7.5、10、15、20、30、50、75、100%、200%、400%、600%、1000%またはそれ以上、理想のシステムについての移動相速度を増加または減少する。
【0025】
本明細書中で使用されるように「他の成分から実質的に分離された」は、分離された成分が、それぞれ他の成分の、約20重量%しか含まない、好ましくは、それぞれ他の成分の約5重量%しか含まない、より好ましくは、それぞれ他の成分の約1重量%しか含まないことを意味する。
【0026】
本明細書中で使用されるように「実質的な量の成分を含んでいない流動」とは、成分の多くて約20重量%を含む流れ、好ましくは、成分の多くて約5重量%を含む流れを意味し、さらに好ましくは、成分の多くて約1重量%を含む流れを意味する。
【0027】
(発明の詳細な説明)
1つの局面において、本発明は、疑似移動床式(「SMB」)システムに関し、細胞培養液において産生される抗体のような、免疫反応化合物を単離および分離するプロセスにおける使用に適した疑似移動床式クロマトグラフィーの方法に関する。本発明のSMBシステムおよび方法は、工程Dもしくは工程Fのどちらかのために図1に図示され、または工程Bもしくは工程Dのどちらかのために図2に図示されるようなプロセスに使用され得る。
【0028】
これらのプロセスは、代表的には、1つ以上のクロマトグラフィーの工程を組み込む。タンパク質クロマトグラフィーの樹脂は非常に高価であるから、カラムのいわゆる動的容量(動的容量は通常カラム平衡容量の30%から50%である)に対してのみ充填され、バッチモードにおけるクロマトグラフィーカラムの使用は、カラムが平衡状態で操作される場合、必要とされる容量の2倍から3倍の容量のカラム使用を必要とする(すなわち、それらの平衡容量が充填される)。このようにして、クロマトグラフィーの工程におけるバッチモードの使用は、主要な経済的結果の状態となる。さらに、バッチカラムクロマトグラフィーにおける洗浄および溶出プロセスは、十分な流体量を必要とし、その量もまたバッチモードの操作に起因する。平衡容量に充填されるカラムの連続向流モードにおけるクロマトグラフィーの使用は、より小さいカラムの容量を必要とする。さらに、より効率的な洗浄および溶出プロセスは、緩衝液の実質的な消費の減少を導く。これを実行に移す1つの方法は、疑似移動床式クロマトグラフィーである。
【0029】
代表的な疑似移動床式システムは、少なくとも1つのモジュール、または固相が充填された多数のモジュールを有する。モジュールは、ひとつまたは多数のカラムまたは容器を含み得る。流体導管は、そのシステムの上流と下流の末端を流体混合物が持続的に循環したループを形成するように相互接続する。あるポイントで、液流は、導入され得、他のポイントでは、溶出流が除去され得る。ループを通る流体の連続流動は、「内部の再循環流動」と呼ばれる。管およびバルブのマニホルドシステムは、供給物質のための入口、その入口は(固相からの成分を解離するための)溶出緩衝液のための入口、解離した成分のための出口、および結合しない(またはあまり結合しない)成分のための出口を位置付けるために、選択的に提供される。それぞれの入口および出口は、別個のモジュール(または導管またはカラム)と連絡する。供給物質は、指定されたポイントでそのシステムに入り、連続した内部の再循環流動によって固相を通過して移動する。この移動接触は、成分のクロマトグラフィー的分離を生じる。相対的に速い速度で流れる、結合しない成分は、例えば、最初の洗浄溶出物流の除去によって、結合しない成分の出口から取り出される。その固相から結合した化合物を解離させる緩衝液(溶出緩衝液)は、結合した成分および結合しない成分のそれぞれの出口バルブの位置の間にその入口バルブ(valve)において、添加される。
【0030】
所定の時間間隔(スイッチタイム)において、指定された入口および出口のバルブの位置は、その次の固相の床式モジュールに対するマニホルドに関する下流に1つの位置を移される。その次の固相の床式モジュールは、容器の別個の部分(カラムのような)、個々の導管、例えばカラムのようであり得る。工程の時間は、バルブの指定が内部の再循環流動と適切に同期化されるように選択される。これらの条件下で、そのシステムは、最終的に、それぞれのバルブの位置で順に所定の間隔で現れる特定の生産物の特性が定常状態に到達する。固相が、それぞれのバルブで一定の質の生産物を生成する再循環ループの周囲で、一定の連続した速度で移動する一方、この型のシステムは、単一の位置に固定されたバルブを模倣する。代替の装置は、しばしば回転ラックに取り付けられ、実際に断続的にカラムを移動する一方、バルブの位置が固定される。
【0031】
モジュール(または導管またはカラム)およびバルブの位置の数が増加するにつれて、疑似バージョンは、実際の移動床式システムの特性により近づく。バッチシステムと疑似移動床式システムとの間の重要な違いは、内部の再循環の流動が、疑似移動床式プロセスにおいて連続していることである。内部の圧力を制御する非常に小さな調整を除いて、注入および排出の流動速度は、連続的かつ一定であり、それによって、可能な限り実際の移動床式システムに近くなる。
【0032】
平衡SMBシステムは、定常状態の成分の分離波形を再循環ループの経路に沿って示す。この波形は、望まれた定常状態を維持するように、バルブスイッチングが同期化した再循環ループの経路に沿って移動する。そのようなSMBシステムにおいて、その帯域は、上記モジュールが帯域を通して移動することに伴って静止しているように見え得る。
【0033】
疑似移動床式プロセスは、固相および液相の向流の移動および固相の物理的な移動をせずに、バッチクロマトグラフィーを超えた連続した移動床式の付随した利点を実現する。SMBプロセスは、回路(circuit)を形成するように接続された少なくとも1つの固相を含む一連のモジュールを利用する。いくつかのシステムにおいて、それぞれのモジュールは、少なくとも1つ、または2つ、またはより多くの均一のサイズにされたカラムを含み、これらのカラムは、連続した回路を形成するように接続される。固相の移動は、生産物のポートが、そのシステムにおいて、常に生産物の部分的に分離した濃度の波の近くにあるように、移動(流体)相の流れの方向において、前方に1つのモジュールの入口ポートおよび出口ポート(上記モジュールが多数のカラム、1つのカラムを含む場合)を周期的に移動することにより、模倣される。連続した上記移動床式システムに類似して、ポートの切り替え時間、帯域の長さ、および帯域の流動速度は、生産物の流れの望ましいレベルの純度を得るために、全て調整される。このようにして、上記帯域は、上記モジュールが、1つの帯域から別の帯域へと通って移動することに伴って静止しているように見え得る。
【0034】
(1.一般的な免疫反応タンパク質の分離プロセス)
本発明のSMB法は、細胞培養液によって産生される抗体のような免疫反応化合物を、重要でない成分から分離するための方法の一部として有用である。
【0035】
図1は、少なくとも1つの重要でない成分から、細胞培養によって産生される抗体のような免疫反応化合物を分離および単離するための一般的なプロセスについての該略図を表現する。本発明の方法は、この一般的な方法の分離工程として、または組換え法および細胞培養法によって産生される抗体のような免疫反応化合物を単離および精製するための当該分野で使用される他の一般的なプロセスの分離工程として使用され得る。
【0036】
図1に表現されたプロセスに従って、工程Aにおける細胞培養懸濁液は、細胞を回収するように処理される。工程Bにおいて、その細胞培養懸濁液は、清澄にされる(細胞、細胞細片および沈殿物が取り除かれる)。工程Bのための1つの適した方法は、深片濾過(depth filtration)である;他の適した方法としては、遠心分離および接線流濾過を含む。工程Cにおいて、その濾液は、貯蔵タンクのような容器において適切に、Triton X−100とともにインキュベートされる。Triton X−100での処理は、存在し得るウイルスを非活性化すると考えられる。工程Dにおいて、宿主細胞タンパク質(「HCP」)のような少なくとも1つの重要でない成分および免疫反応化合物を含むその濾液は、宿主細胞タンパク質(HCP)および他の重要でない成分を取り出すために、本発明の方法に従って、疑似移動床式クロマトグラフィーを経験する。好ましくは、アフィニティークロマトグラフィーが利用される。好ましい局面に従って、プロテインAまたはプロテインGを含む固相が利用される。任意の従来から使用される固相の骨格(すなわち、アガロース、制御されたきれいなガラス、合成有機ポリマーなど)とともにネイティブまたは組換えの、プロテインAまたはプロテインGのいずれかを有する任意のプロテインAまたはプロテインGのアフィニティー吸着体が利用され得る。1つの局面に従って、上記固相は、組換えプロテインAを含む。適した固相は、これらのProsept rA(Millipore,Bedford,MA)およびMabSelect(Amersham,Biosciences,Uppsala,Sweden)を含む。HCPおよび他の重要でない成分から抗体のような免疫反応化合物を分離するための当業者に公知の他の固相が、使用され得る。工程Eにおいて、生産物の流れは、低pHのインキュベーション工程に供される。この工程のために、貯蔵タンクは、都合よく利用され得る。この工程に従う低pHでのインキュベーションは、その溶液中に存在し得るウイルスを不活性化すると考えられる。工程Fは、好ましくは、結合および溶出モードを使用して陽イオン交換固相を伴った陽イオン交換クロマトグラフィーを含む。適した陽イオン交換固相としては、Hyper D(Bioseora)、およびtentacle樹脂(MerckまたはTosohaas)のような複合物質を使用したSPセファロースXL樹脂を含む強陽イオン吸着体、およびカルボキシメチル(CM)リガンドを使用した弱陽イオン吸着体が挙げられる。本発明のSMB法は、この分離工程(および工程D)において含まれる。工程Fは、溶出したプロテインAを除去すると考えられ(工程Dは、プロテインAを含む固相を伴ったアフィニティークロマトグラフィーを使用する場合)、存在する場合ウイルスおよび他の混入物を除去するとも考えられる。工程Gは、好ましくは、フロースルーモードにおいて、強陰イオン交換固相を使用した、陰イオン交換クロマトグラフィーを含む。適した固相としては、Fractogel TMACが挙げられる。工程Gは、陰イオン交換機に対する吸着に起因して存在する場合、残鎖の混入物(DNAを含む)およびウイルスを除去すると考えられる。工程Hは、ナノ濾過工程を包含する。適切な方法としては、デッドエンド濾過(dead end filtration)が上げられる。工程Hは、サイズ排除によって存在し得るウイルスを除去すると考えられる。工程Iは、限外濾過またはダイアフィルトレーション工程を含む。工程Iは、保管のための適切な濃度まで、溶液中の抗体の濃度を調整するのに使用され、および示される場合、保管のための適切な緩衝液に対する、緩衝液交換を行うのに使用される。
【0037】
ラージスケールの抗体産生のための代替のプロセスは、図2に表示される。
このシステムにおける工程は、
(a)CHO細胞培養における供給バッチ発酵:15.000リットルの培養液の生産、0.5−2g/lの抗体を含む;
(b)バイオマスを除去するための遠心分離;
(c)プロテインAクロマトグラフィー(この工程の主要な目的は(大部分を占める)宿主細胞タンパク質(HCP)を除去することである);
(d)陽イオン交換クロマトグラフィー(この工程の主要な目的は、プロテインAリガンドおよび抗体の両方がゲルと結合し、および画分が選択的な溶出の間に起こっていることから、アフィニティーゲルから漏れ出しているあらゆるプロテインAリガンドを取り除くことである);および
(e)陰イオン交換クロマトグラフィー(主要な目的は、DNAを除去する(吸着させる)ことであり、MAbは、天然においてかなり塩基性であることから吸着されない。)
(2.SMBシステムの説明)
本発明は、単離についてのプロセスの一部としてSMBシステムを使用する方法、および細胞培養によって産生された抗体または抗体フラグメントのような免疫反応化合物の精製に関する。
【0038】
本発明の1つの局面において、SMBシステムは、プロテインAのアフィニティー樹脂を使用して宿主細胞タンパク質および他の重要でない成分から免疫反応化合物を分離するのに使用され得る。プロテインAのアフィニティープロセスにおいて信頼のある免疫反応化合物の単離に必要な全ての工程を適応させるために、固相と免疫反応化合物の結合、非結合性成分の除去、固相からの免疫反応化合物の解離/溶出および固相の再生/再平衡のための帯域を含む実験的構成を使用する。
【0039】
本発明のこの局面に従って、免疫反応化合物は、プロテインAモジュールとpH7.0で結合され、非結合成分は、1つ、または2つの洗浄工程において除去され、免疫反応化合物は、低pHで解離/溶出され、そのモジュールは、1つ、2つ、または3つの連続した工程によって再生および再平衡される。全てのこれらの工程を、多数の帯域を持つリングを通して移動する1つの装置を移動する少なくとも1つのモジュールを含むSMBシステムによって、連続的に実行する。
【0040】
本発明の1つの局面に従って、リングは、洗浄の回数および使用される再生/平衡の工程に依存し、多数の帯域、適切には4つから8つまでの帯域からなる。本発明の方法に従って、精製免疫反応化合物の連続した流れが得られ、使用される固相および緩衝液の量がバッチモードとの比較において、実質的に減少される。本発明の1つの局面は、プロテインAのアフィニティー吸着体での抗体精製のための、本明細書で説明されるような多重帯域SMBシステムの使用に関する。
【0041】
プロテインAアフィニティーSMBクロマトグラフィーは、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーに関する実質的な費用を減少する有力な方法になり得る。モジュール(またはカラム)の容量における減少は、備品の消費の減少に直接的に解釈される。さらに、より小さなモジュールは、より簡単に充填でき、操作の間に通常ほとんど問題を起こさない。全自動化連続システムは、あまり使用者の操作を必要としない。このようにして、失敗の危険は減少する。
【0042】
本発明の代替の局面に従って、本明細書に説明されるSMBシステムは、抗体精製プロセスにおける陽イオン交換クロマトグラフィーに適用され得、その工程は、通常プロテインAのアフィニティークロマトグラフィー工程の後に起こる。この工程のためにSMBシステムを使用する経済的利益は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー工程と同様である。
【0043】
(A. 一般的な4つの帯域のSMBシステム)
(i) (図3)
図3は、本発明の4つの帯域のSMBシステムを図示する。
【0044】
一実施形態に従って、供給物を、2つ(2)のカラムに並行に供給し、第2の経路を2つ(2)の平行なカラムを通して作る。それゆえに、質量の移動は、4つのカラムを越えて拡散する。回転ラックまたは他の類似した装置は、静止したバルブおよび出力および入力の流れに対してカラムを移動するために使用され得る。吸着帯域からその左側へ移動するそのカラムは、吸着洗浄(または第1の洗浄)帯域に進入する。ここで導入される緩衝液は非結合物質を洗浄し、およびエンドトキシンを除去する。吸着洗浄(または第1の洗浄)帯域の溶出物は、生産物の喪失を最小化するためにその吸着帯域へもどされる。吸着洗浄(または第1の洗浄)帯域は、直列の2つ(2)のカラムからなり、よって約40%まで必要な緩衝液の量を減らす。再び得られる向流の効果を利用することで、生産物は、直列の2つのカラムからなる溶出帯域において、溶出される。その溶出帯域の次に、溶出洗浄帯域が続く。その帯域において適用される緩衝液は、希釈された平衡緩衝液であり得る。その緩衝能力は、溶出帯域の緩衝能力より非常に低い。溶出洗浄緩衝液は、溶出帯域へ再循環され、水の消費を減らす。
【0045】
図4は、抗体を分離するための4つの帯域のSMBシステムである図3のSMBシステムの代替の一実施形態のプロセスのフローダイアグラムを図示する。この一実施形態に従って、吸着帯域におけるカラム(位置7および8)は、圧力低下を減少させるために並行につなげられる。吸着帯域における吸着体(固相)の量は、質量の移動が制限されないような量にされる。この一実施形態の1つの局面に従って、そのカラムは、回転ラックにおいて整列される。回転ラックの循環時間は、供給物の流れを必要とする収容力に対応するように設定される。
【0046】
図4に図示されたシステムにおいて、吸着帯域から入る洗浄(または第1の洗浄)帯域の間隙の液体は、洗い流され、上記吸着帯域にもどされる。大部分のエンドトキシンおよび宿主細胞タンパク質は、ここで除去され、その吸着帯域からの廃棄流れの流出において終了する。上記洗浄(または第1の洗浄)帯域の後ろで、抗体は、溶出帯域において溶出される;位置3および4のカラムは、溶出帯域を含む。位置1および2のカラムは、溶出洗浄帯域を含み、溶出帯域へもどされる間隙の溶出物を洗い流すのに使用され、このように溶出流を減らす。上記溶出帯域において望ましいpHを得るために、この一実施形態において溶出帯域に適用される溶出緩衝液は、濃縮される必要がある。
【0047】
(ii)図5
図5は、4つ(4)の帯域のSMBシステムの代替の一実施形態を図示する。このシステムは、図3に図示されたものとは異なる。
【0048】
一実施形態に従って、吸着帯域は、並行に2×3のカラムを持ち、このようにしてゲルの利用を僅かに増加させる。上記吸着帯域、吸着洗浄(または第1の洗浄)帯域および溶出帯域は図3のシステムと基本的に同じである;しかし、洗浄溶出帯域はない。これは吸着帯域である最後尾のカラムに少量の溶出液が入るので生産物の再回収において減少を導き得る。生産物の容器から、わずかな流れが、塩/pH勾配帯域において、ポンプ輸送される。この帯域は、pHおよび塩の濃度において、勾配の移動を確立する。間隙の液体の(溶出帯域へもどる)移動速度未満の流速を維持することは、最小限の生産物の損失であることを確実にする。溶出液および生産物を伴ったカラムを予め飽和前状態にすることは、溶出帯域の効率もまた改善する。
【0049】
図5のSMBシステムの代替の一実施形態を、図6に図示する。原理は、溶出洗浄帯域の省略を伴った、上記に説明された図3および図4のシステムに類似している。しかし、1つのさらなる帯域が、この一実施形態に含まれ、それは、限定された排出帯域である。これは、より高い溶出液の濃度を可能とする。さらに、この帯域は、そのシステム(位置3および4のカラム)におけるpHのプロフィールを生じる。これは、タンパク質の等電点にわたる相対的に円滑な移動を与えうる。それによって、生産物の腐敗を最小限にする。
【0050】
図6に図示された一実施形態で使用される個々のカラムは、図3または、図4のシステムにおいて使用されるカラムより、より小さくなり得る。そのシステムの容量およびゲルの利用もまた重大なことにより大きくなる。このことに関する主な理由は、吸着帯域において活性をもつゲルの画分の容量が、図3または図4のシステムよりも高いことである(4個の中から2個の代わりに12個の中から6個)。吸着帯域におけるゲルの吸着量は、図3または図4のシステムと多かれ少なかれ同じである。
【0051】
(B.一般的な8つ(8)の帯域のSMBシステム)
図7は、本発明の8つ(8)帯域のSMBシステムを図示する。1つの実施形態に従って、全てのプロセスの工程は、2つの経路で発生する。吸着帯域および溶出帯域は、線形流速を減少するように、2×2の並行なカラムを有する。全ての他の帯域は、向流の効果を利用する直列の2つのカラムを有する。
【0052】
図8から図10は、8つ(8)の帯域の本発明のSMBシステムの代替の一実施形態を図示する。
【0053】
実施例1は、図8の一実施形態を利用したプロセス実行を説明する。
【0054】
実施例2は、図9の一実施形態を利用したプロセス実行を説明する。
【0055】
図10は、8つ(8)の帯域のSMBシステムの代替の一実施形態の概略図を図示する。この一実施形態において、吸着体の再生が組み込まれている。上記システムは、1回のバッチ実行ごとにわずか1回のみ、すなわち、15,000リットルあたり1回消毒される。吸着帯域は、4つのカラムを含み、これらのカラムは、2×2の並行なカラムとして接続される。第1の洗浄帯域において、間隙の流体はその吸着カラムにもどされる。第1の洗浄帯域において、3つのカラムは向流の接触の利点を最大限にするように直列に接続される。最初の洗浄緩衝液は、高塩濃度と濃縮されたMAb溶液との間での接触を最小限にするために上向きの流れにおいて導入される。カラムが、吸着帯域を過ぎた後、床の上部は、底部よりもより濃縮された供給物の溶液を含む。図10の一実施形態において、水の節約を、第2の洗浄帯域において使用される流出液または緩衝液を伴った最初の洗浄帯域緩衝液の希釈から得る。第2の洗浄帯域は、2つのカラムを持ち、11の位置に移動する直前に12の位置で低塩濃度を確立するように設計される。生産物の容器から、生産物の流れの、非常にわずかな流動は、カラムを予め飽和状態にするために、カラムが溶出帯域へ移動する前にカラム11にポンプ輸送される。それゆえに11の位置の唯一の関数は、生産物の濃度であり、このプロセスの工程における共通の名前は制限排出である。溶出帯域において、溶出緩衝液は、平行に2×2のカラムについて上方向の流れにおいて導入される。上記溶出緩衝液は、溶出洗浄帯域において5の位置および6の位置から溶出液を洗い出すのに使用される溶出洗浄緩衝液によって希釈される。結果として、溶出帯域に適用される溶出緩衝液は、希釈効果を補償するために濃縮される。カラム1からカラム4は、平衡および再生に使用され、平衡帯域および再生帯域を含む。上記再生が、特定濃度の水酸化ナトリウムを必要とする場合、そのシステムに適用される再生緩衝液は、希釈に適応させるために、より高い濃度を有する必要がある。図10に図示されたこのシステムは、回転ラックタイプのSMBシステムに特に適応しており、このシステムは、1つシステムで異なる流動の方向を使用する融通性をもつ。
【0056】
理解を深めるために、本発明は、下記の実施例によってさらに例示され得る。本発明に関与するこれらの実施例は、当然、本発明を具体的に限定するよう解釈されるべきでなく、現在公知および将来開発される、本発明のこのようなバリエーションは、当業者の認識の範囲内であり、本明細書および特許請求の範囲に説明されるように発明の範囲内に含まれるとみなされる。
【実施例】
【0057】
(実施例1:8つの帯域の疑似移動床式システムを使用したモノクローナル抗体の精製)
疑似移動床(SMB)技術を、プロテインAに適用して、モノクローナル抗体の最初の精製工程を行った。上記システムは、回転する回転ラックに取り付けられた回路において並べられた20のカラムからなった。8つの独立した帯域はSMBの連続したシステムを確立した。
【0058】
(A.備品の説明)
3つの区画(上部、中部および底部)からなる中央のバルブは、8つのプロセスの帯域をたどった。上部のバルブは、そのプロセスの間に静止したままであり、出口ポートの内部接続は、そのプロセス帯域を規定した。バルブの中部区画は、下部区画を自由に回転させるテフロン(登録商標)リングであった。バルブの下部区画を、それぞれのカラムの上部および下部に接続した。
【0059】
それぞれの過程の帯域は特定の緩衝液および流速を必要とした。8つのHPLCポンプを、バルブの上部の入り口区画に定常流速を送るのに使用した。
【0060】
カラムの回転を、特定の間隔で回転ラックを回転させる制御装置によって維持した。特定のドエル時間後に、回転ラックをその次の位置へ1スポット回転させ、緩衝液の消費を減少させ、および樹脂収容力を増加させる向流を作り出した。
【0061】
(B. 帯域の説明)
この実施例において、20のカラムを中央のバルブに取り付けた(図8参照)。そのときにすぐ見られるように、カラムは、下記の洗浄帯域に対応して、1から20までのカラムを標識した:
(i) 平衡帯域
カラム1から開始して、平衡緩衝液(10mM EDTA/50mM Tris(塩基)/0.5M NaCl、pH7.5)を、上方向にカラムに適用した。カラム1の流出液は、カラム2の底部に向かい、その溶出液を、さらなる分析のためにサンプル容器中に捕捉した。
【0062】
(ii) 再生帯域
再生緩衝液(4M 尿素/50mM Tris(塩基) pH7.0)を、下方向に、カラム3に適用した。カラム3の流出液は、カラム4の上部に向かった。その流出液を、さらなる分析のためのサンプル容器中に捕捉した。
【0063】
(iii) CIP帯域
清浄即使用可能(Cleanin in place)(CIP)帯域緩衝液(1%リン酸)を、カラム5の上部に下方向へ適用した。カラム5の流出液は、カラム6の上部へ向かい、その流出液を、さらなる分析のためにサンプル容器中に捕捉した。
【0064】
(iv) 溶出洗浄帯域
精製水(MilliQ)を、カラム7に対して上方向へ適用し、その流出液を、上方向においてカラム8に適用した。カラム8の流出液を、UV計測器でモニターし、さらなる分析のためにサンプル容器中に収集した。
【0065】
(v) 溶出帯域
溶出帯域緩衝液(100mM グリシン/200mM 酢酸 pH3.5)を、カラム9およびカラム10の両方に対して、並行様式で上方向に適用した。カラム9とカラム10の流出液を、1つの流れにまとめ、その後、上向き様式で洗浄カラム11およびカラム12に分割した。カラム11およびカラム12の流出物をまとめて生産物の流れを形成し、これをUV計測器で測定し、そしてさらなる分析のためにサンプル容器中において収集した。
【0066】
(vi) 第2の洗浄帯域
第2の洗浄帯域の緩衝液(50mM Tris(塩基)/100mM グリシン pH7.5)を、カラム13に下方向で適用した。カラム13の流出液を、カラム14の下方向において適用し、その流出液を、さらなる分析のためのサンプル容器中に捕捉した。
【0067】
(vii) 第1の洗浄帯域
第1の洗浄帯域緩衝液(10mM EDTA/50mM Tris(塩基)/0.5M NaCl)を、カラム15に対して下方向で適用した。カラム15の流出液を、UV計測器でモニターし、その後、カラム16に対して下方向に適用した。カラム16の流出液を供給物と合わせた。
【0068】
(viii) 吸着帯域
宿主細胞タンパク質およびモノクローナル抗体および他の成分の混合物を含む供給物の流れを、カラム16の流出液と作動中に混合した。その後、新しい流れを分割し、カラム17およびカラム18の両方に対して下方向で並行して適用した。カラム17およびカラム18の流出液を混合し、その後分割し、下方向でカラム19およびカラム20に対して並行して適用した。カラム19およびカラム20の流出液をまとめ、さらなる分析のためのサンプル容器中に捕捉した。
【0069】
(C.プロセスの説明)
本明細書上記のカラム番号による帯域の説明は、期間の断片の連続を表す。特定のドエル時間が過ぎた後、上記回転ラックを、時計回りに1工程回転させた。例として、これは、下方へ、平衡緩衝液に以前にさらされたカラム1が、現在、カラム20が以前存在した位置に存在することを意味する。従って、ここではカラム20は、カラム19がかつて存在した場所に位置し、カラムセット全体に関しても同様であった。プロセスの観点から、これは、カラム19およびカラム18の流出液をまとめ、その後分割し、カラム20およびカラム1の下方向に適用したことを意味する。上記カラムの回転を、プロセスに対してこれ以上供給物が残らなくなるまで続行した。
【0070】
帯域の説明において記載されたそれぞれの帯域は、供給物の処理において特定の目的を有した。CIP帯域から始まって、再生工程を、プロセス洗浄工程として実行した。再生帯域は、任意の非特異的結合化合物を、上記樹脂から解離させることを保証するために次に続く。平衡帯域を、再生帯域緩衝液と置き換え、初期の充填期間の間に抗体結合を可能とするカラム中の状態を作り出すように提供した。吸着帯域において供給物の流動は、カラムに対し望ましい生産物を導入する。第1の洗浄帯域では、充填する供給物を置き換え、非特異的タンパク質および他の不純物を洗い出した。第2の洗浄帯域を、伝導性(conductivity)を容認できる基準にするために提供した。溶出帯域を、プロテインAリガンドから抗体を解離し、そして抗体を収集するように作った。溶出洗浄帯域は、全ての抗体が溶出帯域の間に効率的に洗い出されるか否かを確認するテスト区画であった。
【0071】
プロセス経済が、プロセス間において消費される緩衝液の容量に左右されることから、試験を、それぞれの帯域に対して割り当てられる上記に記載の作業を実行するのに必要な緩衝液の最少量を決定するために実行した。表1はそれぞれの区画において試験されたカラムの容量の範囲を説明する。
【0072】
【表1】

(B. 結果)
プロセスの流動で見出される生産物、宿主細胞タンパク質(HCP)、およびゲンタマイシンの相対量の概要は、下記の表2に示される。
【0073】
【表2】

NA−入手不能。洗浄1の場合、この流れを供給物の流れと合わせ、よって別個には測定しない。
【0074】
83.8%のタンパク質回収を、この実施例において説明されたSMBプロセスを使用して達成した。不確定な量の生産物は、再生画分において見出されるようである。生産物のプールにおける抗体の濃度は、供給物の流れの8.6倍をこえた。モノマーの含有量および抗体完全性の点における質を、SECおよびCE−SDSによって調査すると、バッチプロテイン−Aクロマトグラフィーに匹敵する容量を持つことを示した。
【0075】
溶出プールにおいて、HCPでは3.05の対数減少が見られ(99.9%以上除去)、およゲンタマイシンの3.46の対数減少が見られた(99.96%以上除去)。HCPの濃度は、従来のプロテインAクロマトグラフィースケールアップ実行からの結果に類似した。上記ゲントマイシンレベルは、4倍低くなった。
【0076】
(実施例2:代替の8つの帯域の疑似移動床式システムを使用したモノクローナル抗体の精製)
実施例1で説明した疑似移動床式システムに類似したSMBシステムを、抗体を精製するのに使用した。このシステムはまた、回転する回転ラックに取り付けられるような円周状に配置された20のカラムからなった。8つの独立した帯域を、SMBの連続したシステムのために確立した。このシステムのダイアグラムを、図9に図示する。
【0077】
このシステムの構成は、図8に説明されたものと異なり、(a)すべてのカラムを下向きの流れで操作し、(b)溶出洗浄帯域には、直列で4つのカラムを使用し、溶出帯域は、直列で2つのカラムを使用した。
【0078】
(実施例3:抗体精製の再現性の実証)
実施例2に説明された(および図9に図示された)疑似移動床式システムを、本抗体精製プロセスの再現性を試験するために使用した。上記SMBシステムにおいて、再現性は、個々のカラム間(この場合20のカラム)およびSMBサイクル(循環)の両方で必要とされる。カラム間における再現性を、洗浄1からの紫外線の追跡を比較することで図11に示す。検出器を、カラム15および16の間のUVとして図9に図示する。この検出器からの信号は、20のカラムスイッチに関して示し、2つの独立したSMBサイクルの回転に関するこの特定の位置において20の個々のカラムからの洗浄1を表す。図11に見られ得るように、記録された上記信号は、全ての20のスイッチから一貫しており、2つの独立した回転についてさえも重複する。よって、精製のカラム間の再現性が実証される。
【0079】
循環(20のカラムシステム)の間の再現性を、図12に示す。図12は、抗体濃度(IgG力価)、抗体の流出および宿主細胞タンパク質の濃度(HCPはSMBシステムの9回の完全な回転に対して示されている)のプロットを図示する。抗体の流出(mg/ml)を、ひし形の上部のプロットによって図示した。IgG力価(mg/ml)を、下部のひし形プロットによって図示した。HCP(ppm)を、正方形のプロットによって図示した。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は、細胞培養において産生された抗体のような、免疫反応化合物の単離および精製のための一般的な手順のフローチャートを図示する。
【図2】図2は、細胞培養からの抗体のような、免疫反応化合物の単離および精製のために代替の一般的な手順のフローダイアグラムを図示する。
【図3】図3は、本発明の4つの帯域の疑似移動床式クロマトグラフィー(SMB)システムのダイアグラムを図示する。
【図4】図4は、図3に従った、SMBシステムの一実施形態のダイアグラムを図示する。
【図5】図5は、本発明の代替の4つの帯域のSMBシステムのダイアグラムを図示する。
【図6】図6は、図5に従ったSMBシステムの一実施形態のダイアグラムを図示する。
【図7】図7は、本発明の8つの帯域の、SMBシステムのダイアグラムを図示する。
【図8】図8は、20のカラムを持つ本発明の8つの帯域の疑似移動床式システムのためのダイアグラムを図示する。図8は、円形装置の2次元表記を表し、カラムは円形において配置される。
【図9】図9は、代替の一実施形態である20のカラムを持つ本発明の8段階の疑似移動床式システムのためのダイアグラムを図示する。
【図10】図10は、代替の一実施形態である8段階の20のカラムを持つ疑似移動床式システムの発明(simulated invention)のためのダイアグラムを図示する。
【図11】図11は、実施例3に記述された、図9に図示されたSMB装置の一循環の一連の20のカラムスイッチに関する洗浄1からの紫外線による追跡を図示する。
【図12】図12は、図9に図示されたSMBシステムの9つの全循環の間の抗体濃度(IgG力価)、IgG流量および宿主細胞タンパク質(HCP)の濃度、のプロットを図示する。この図において、上側のひし形のプロットは、IgG流量を図示し、下側のひし形のプロットはIgG力価を図示し、および正方形のプロットはHCPを図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疑似移動床式クロマトグラフィーを用いて、流体混合物中の少なくとも1つの重要でない成分から免疫反応化合物を分離する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)流体伝達連絡において多くのモジュールを含む疑似移動床式装置を提供する工程であって、該モジュールは、少なくとも1つの固相を含む工程;
(b)該疑似移動床式装置へ該流動体混合物を持続的に導入する工程であって、向流モードにおいて該流体混合物は該固相と接触する、工程。
(c)少なくとも1つの重要でない成分からの該免疫反応化合物の分離を行う工程;および
(d)該免疫反応化合物を収集して、その精製組成物を提供する工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
前記免疫反応化合物が少なくとも1つの重要でない成分よりも大きいまたは小さい割合で、前記固相と結合する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記免疫反応化合物が少なくとも1つの重要でない成分よりも大きい割合で、前記固相と結合する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記免疫反応化合物の解離を促進する溶離液と前記固相とを接触させることにより、前記分離を行う工程をさらに包含する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記固相がプロテインAまたはプロテインGと結合した支持物質を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記溶離剤が酸性緩衝液を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
吸着クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーまたはアフィニティークロマトグラフィーを用いて分離が行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
アフィニティークロマトグラフィーを用いて分離が行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1の記載の方法に従って調整された免疫反応化合物。
【請求項10】
免疫反応化合物と重要でない成分がどちらも流体混合物に存在するとき、少なくとも1つの重要でない成分から該免疫反応化合物を分離するための疑似移動床式(SMB)システムであって、該SMBシステムは、該流体混合物によって向流に接触した固相を含む多くの帯域を組み込み、該帯域は以下:
前記免疫反応化合物および少なくとも1つの重要でない成分が、該固相と差次的に結合する結合帯域;
少なくとも1つの重要でない成分が該固相から優先的に解離する最初の洗浄帯域;および、
該固相から、該免疫反応化合物が優先的に解離する溶出帯域;
を含む、システム。
【請求項11】
前記第1の洗浄帯域が前記結合帯域と前記溶出帯域の中間にある、請求項10に記載の疑似移動床式システム。
【請求項12】
前記固相が前記免疫反応化合物と優先的に結合する、請求項10に記載の疑似移動床式システム。
【請求項13】
前記固相がアフィニティークロマトグラフィーのためのリガンドを含む、請求項12に記載の疑似移動床式システム。
【請求項14】
前記固相がプロテインAまたはプロテインGを含む、請求項13に記載の疑似移動床式システム。
【請求項15】
前記固相が陽イオン交換樹脂を含む、請求項12に記載の疑似移動床式システム。
【請求項16】
前記溶出帯域と前記結合帯域との中間に、溶出洗浄帯域をさらに含む、請求項10に記載の疑似移動床式システム。
【請求項17】
前記溶出洗浄帯域と前記結合帯域との中間に、再生帯域をさらに含む、請求項16に記載の疑似移動床式システム。
【請求項18】
前記再生帯域と前記結合帯域との中間に、平衡帯域をさらに含む、請求項17に記載の疑似移動床式システム。
【請求項19】
少なくとも1つの重要でない成分から、免疫反応化合物を分離する方法であって、請求項10に記載の疑似移動床式システムを使用する工程を包含する、方法。
【請求項20】
請求項10に記載の疑似移動床式システムを用いることで調製される精製免疫反応化合物。
【請求項21】
請求項20の免疫反応構成物を用いる、処置の必要な患者を処置する方法。
【請求項22】
抗体と重要でない成分の両方が存在する流体混合物において、該疑似移動床式クロマトグラフィーを使用して少なくとも1つの重要でない成分から該抗体を分離する方法であって、以下の工程:
(a)流体伝達連絡において多くのモジュールを含む前記疑似移動床式装置を提供する工程であって、該モジュールは前記抗体と優先的に結合するアフィニティークロマトグラフィーのリガンドを含む、少なくとも1つの固相を含む工程;
(b)該疑似移動床式装置へ該流体混合物を持続的に導入する工程であって、該流体混合物を向流モードにおいて固相と接触させる工程;
(c)少なくとも1つ以上の重要でない成分から、該抗体を分離する工程;および
(d)該抗体を収集して、その精製組成物を提供する工程;
を包含する、方法。
【請求項23】
抗体と重要でない成分がどちらも流体混合物に存在するとき、少なくとも1つの重要でない成分から該抗体を分離するための疑似移動床式(SMB)システムであって、該SMBシステムは、該流体混合物によって向流に接触したアフィニティー樹脂を含む固相を含む多くの帯域を組み込み、該帯域は以下:
該抗体および少なくとも1つの重要でない成分が、該固相と差次的に結合する結合帯域;
少なくとも1つの重要でない成分が該固相から優先的に解離する第1の洗浄領域;および、
該固相から、該抗体が優先的に解離する溶出領域;
を含む、システム。
【請求項24】
流体混合物において、疑似移動床式システムを使用して、少なくとも1つの重要でない成分から免疫反応化合物を分離する方法であって、以下の工程:
(a)前記装置との流体伝達連絡において少なくとも1つのモジュールを含む疑似移動床式装置を提供する工程であって、該モジュールは少なくとも1つの固相を含み、該装置は該モジュールを通過する多くの帯域を含む、工程;
(b)結合帯域において該モジュールへの該流体混合物を持続的に導入する工程であって、該流体混合物は向流モードで該固相と接触し、該免疫反応化合物は該固相と結合する工程;
(c)洗浄帯域において結合した該免疫反応化合物を含む該モジュールへ洗浄緩衝液を持続的に導入する工程であって、該洗浄緩衝液が向流モードで該固相と結合し、該モジュールから少なくとも1つの重要でない成分を実質的に取り除く工程;および
(d)溶出帯域において結合した該免疫反応化合物を含む該モジュールへ溶出緩衝液を持続的に導入する工程であって、向流モードにおいて該溶出緩衝液が該固相と接触し、それにより、該免疫反応化合物が、該固相から実質的に解離する工程;および
(e)該モジュールから該免疫化合物を含む生産物流を、持続的に取り出す工程;
を包含する、方法。
【請求項25】
前記疑似移動床式装置が多くのモジュールを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記固相が親和性リガンドを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記アフィニティーリガンドがプロテインAまたはプロテインGを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記免疫反応化合物が抗体を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法により実質的に調製される、精製抗体。
【請求項30】
少なくとも1つの重要でない成分から免疫反応化合物を精製する方法において、プロテインAまたはプロテインGを含む固相を持つ疑似移動床式アフィニティークロマトグラフィーを使用する工程を包含する改善。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2006−507249(P2006−507249A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−536270(P2004−536270)
【出願日】平成15年9月12日(2003.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/028809
【国際公開番号】WO2004/024284
【国際公開日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【出願人】(505091123)バイオジェン アイデック インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】