説明

疲労性状及びトルク伝達を改善したフィルタ

【課題】特に高圧流体に使用可能な高強度フィルタを提供する。
【解決手段】流体のフィルタがベースプレートと、キャニスタと、吸入ポートから排出ポートへ流体をフィルタリングするためキャニスタ内に収容されたフィルタ媒体とを有する。ノッチがベースプレートの外周に形成されている。キャニスタの側壁の環状の内縁が、ベースプレート及びキャニスタ間にトルク係止機構を提供するためにノッチに部分的に形成されている。キャニスタの終端縁が、ベースプレートの外面周りに巻かれ、ベースプレートをキャニスタに直接固定するため環状のトラフに形成されている。環状のトラフが、終端縁とベースプレートの保持隅部との間に幅の狭い接触面を提供し、それによってそれらの間にフィルタ内の高い流体圧によって生じる力のモーメントを減少させるそった外壁を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年12月29日に出願され、ここで引用することによって本明細書の記載に替えることとする米国仮出願60/64076号の利益を主張する。
【0002】
本願は、フィルタ、特に高圧流体に使用可能な高強度フィルタに関する。
【背景技術】
【0003】
油圧の回転流体フィルタは当技術分野で公知であり、エンジン及び/又は車両の流体回路で油圧の作動流体をフィルタリングするために通常用いられている。このような流体回路は、金属材料を型打ち又は鋳造したエンドプレートを通常有する。円筒形の引き抜き加工をした金属キャニスタが、エンドプレートに直接的又は間接的に固定され(例えば、間接的な結合がシーミング蓋によって行われ、それは外側シールを保持するのにも役立つ)、適切なフィルタ要素がそこに収容されている。フィルタ要素は、円筒形のひだのあるフィルタ媒体をしばしば有するが、他の任意の形状の適切なフィルタ要素であってもよい。フィルタのエンドプレートは、フィルタ要素用の少なくとも1つの流体ポートを提供する手段として役に立つと共に流体回路の取り付けアダプタにフィルタを取り付けて螺合させる、中央のねじ穴を通常有する。このような流体フィルタの例は、例えば、特許文献1から特許文献5に示されている。本発明は、これら従来の設計を超えて改善することに関すると共にこれら設計を組み込んでもよいので、ここで引用することによって本明細書の記載に替えることとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,906,740号明細書
【特許文献2】米国特許第5,453,195号明細書
【特許文献3】米国特許第5,490,930号明細書
【特許文献4】米国特許第5,906,736号明細書
【特許文献5】米国特許第6,554,140号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は高圧の回転型のフィルタに関するので、フィルタの設計においていくつか異なる考慮事項がある。例えば、上述の特許文献1、特許文献2、及び特許文献3は、使用時に高圧に耐えるために高強度(破裂強度及び繰り返し疲労強度の両方)を備えることが重要であると記載している。また、エンドプレート又はベースプレートを金属キャニスタに直接接続すると、それによって、部品の数を減らす接続を容易にするように、別体のシーミング蓋を使用せずに済むということが公知である。しかし、そうすることに関して、エンドプレートを金属キャニスタの円筒形の側壁に直接取り付ける際の重要な考慮事項は、フィルタの着脱には、金属キャニスタを回転し、金属キャニスタからエンドプレートへトルクを伝達する必要があるので、エンドプレートを金属キャニスタにいかに最適に回転して係止するかということである。これは、エンドプレートに形成された内部のねじ切り部を流体回路の取り付けアダプタのねじの切られた突起に近づけたり離したりすることが必要である。このような技術の1つが、例えば、特許文献1の図8から10で提案されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
別々及び独立した特許の範囲を求める本発明の態様は、添付された特許請求の範囲に示されるように複数ある。
【0007】
本発明の1つの態様は、フィルタのエンドプレート及びキャニスタ間にトルク伝達を提供するための改善された機構に関する。本態様によると、エンドプレートは、フィルタを着脱可能に取り付けるねじ手段と、流体をフィルタの中に吸入し外へ排出するためのポート手段とを有する。また、フィルタは閉じた端部を備えた環状の側壁を有するキャニスタを具備する。キャニスタの環状の側壁は、閉じた端部からエンドプレートにまで軸線方向に延びると共にエンドプレートの外周周りにも延びている。側壁は、エンドプレートに亘って径方向内側に巻かれている環状の終端縁部を有している。流体をフィルタリングするのに適したフィルタ媒体を有するフィルタ手段が、キャニスタ及びエンドプレート内に収容されている。少なくとも1つのノッチが、エンドプレートの外周に形成されると共に、側壁部の係止部が少なくとも1つのノッチと係合するように径方向内側に形成されるので、それによって、エンドプレート及びキャニスタ間に改善されたトルク伝達手段を提供する。
【0008】
本発明の別の態様は、繰り返し疲労抵抗を改善したフィルタに関する。本態様に従って、フィルタは、流体をフィルタの中に吸入し外へ排出するためのポート手段を備えたエンドプレートと、閉じた端部を備えた環状の側壁を備えたキャニスタとを有する。キャニスタの環状の側壁は、閉じた端部からエンドプレートにまで軸線方向に延びると共にエンドプレートの外周周りにも延びている。側壁は、エンドプレートに亘って径方向内側に巻かれている環状の終端縁部を有している。流体をフィルタリングするのに適したフィルタ媒体を有するフィルタ手段が、キャニスタ内に収容されている。環状のトラフが、終端縁部の受容のためエンドプレートにその外面に沿って形成されている。環状のトラフは、底面と環状の内壁と環状の外壁とを有する。環状の外壁は、環状のキャニスタの側壁に対して実質的に傾いて底面から外方へそれている。環状の外壁のトラフは、強度を備えてエンドプレートの外周の破損を防ぐために、剛体であってその基部に十分な厚み又は径の幅を有する一方で、終端縁部と係合する非常に小さい接触表面を提供するように上部又は隅部で非常に幅が狭いか又は径方向に薄い外周の保持隅部を形成する。この構成の利点は、圧負荷がキャニスタ上に加わる間に、キャニスタの終端縁部に生じる力のモーメントが減少し、それによってフィルタの疲労抵抗及び全体的な強度が改善することである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】破線で示された取り付けアダプタの例と共に、本発明の実施形態によるフィルタを図2の線1−1における断面図で示す。
【図2】図1に示したフィルタの上面図である。
【図3】図1に示したフィルタの実施形態に用いられる鋳造された金属製のベースプレートの等角下面図である。
【図4】ベースプレートがノッチを有さない場合を破線で示す(従って、係止の干渉及びトルクを図式的に示す)、図1の上方の隅部の拡大断面図である。
【図5】ベースプレートがノッチを有さない場合を破線で示す(従って、係止の干渉及びトルクを図式的に示す)、図1の上方の隅部の拡大断面図である。
【図6】基準線を有する図1の上方の隅部の拡大図であり、図1のフィルタの実施形態がベースプレートの外周との係合面でキャニスタの終端縁部上に生じるモーメントの負荷をどれだけ減少させたかを示すための寸法を示す。
【図7】別の実施形態の断面図である。
【図8】図7の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の他の態様及び利点は、添付図面と併せて以下の詳細な説明からより明らかになるだろう。
【0011】
本発明は、或る好適な実施形態に関して記載されているが、本発明をそれらの実施形態に限定する意図はない。それとは逆に、添付した特許請求の範囲によって規定されるような本発明の精神及び範囲内に含まれるような全ての代替物、改良物、及び均等物の範囲に及ぶことを意図する。
【0012】
図1を参照すると、フィルタ10の実施形態が、流体回路の取り付けアダプタ12と共に使用するために、様々な図面で示されている。取り付けアダプタ12は、取り付けアダプタが本発明の一部でないこと明確にするために破線で示されているが、主題のフィルタ10が動作する環境及び、フィルタ10が取り付けアダプタ12及び流体回路にどのように回転されてねじで接続されるかを単に示している。
【0013】
フィルタ10は、鋳造された金属製のベースプレート14の形状の実施形態のエンドプレートと、深く引き抜き加工したスチール製のキャニスタ16と、内部のフィルタ要素18と、コイルスプリング20と、様々な内部及び外部のリングシール24,26,28等のいくつかの構成部品を有する。フィルタ要素18は、(ひだのあるフィルタ紙、グラスファイバーフィルタリング媒体、又は他のこの様な適当な媒体である)適当なフィルタ媒体30と、中央に穴の空いた管状支持部32と、フィルタ媒体30の両端部にシールするように固定された容器状又は他の形状の上端キャップ34及び下端キャップ36とを有する。上端キャップ34は、流路を形成する中央の開口を有する。下端キャップ36は閉じられており、コイルスプリング20によって上方へ付勢されているので、フィルタ要素18がベースプレート14に向かって且つ抗して付勢されている。内側シール24が、ベースプレート14及びフィルタ要素18間にフィルタ要素の内周に沿った、フィルタを通ってない流体の短絡を防止するために、ベースプレート14及びフィルタ要素18間に備わっている。
【0014】
キャニスタ16は、ドーム型の閉じた端部38と、ベースプレートに向かってそこから軸方向に延びる円筒形の側壁40とを有する。側壁40は、ベースプレート14の円筒形の外周周りに上方へ延び、ベースプレート14をキャニスタ16に直接固定するためにベースプレート14の上端面を超えて径方向内側に変形していると共に巻かれている外側の環状の終端縁部42を有している。
【0015】
ベースプレート14は、アルミニウムのような金属材料から鋳造されるが、打ち抜き加工したスチール製の構成部品であってもよく、さもなければ適切に形成されてもよい。図3を参照すると、ベースプレート14は、中央のハブ44と外周の環状のリム46とを有し、それらは、それらの間に径方向に延びるリブ48によって互いに接続されている。中央のハブ44は、排出ポート52を形成するねじの切られた中央の開口50を有する。図2を参照すると、隣接するリブ48間の空間が、中央のハブ44周りに径方向に配置された様々な吸入ポート54を形成する。
【0016】
吸入ポート54及び排出ポート52は、それぞれ流体フィルタの中に流体を吸入し、流体フィルタの外へ流体を排出するための手段を提供するが、当然のことながら、例えば前述の特許文献のいくつかに示されるような吸入及び排出の手段を補助するようなねじの切られた単一の開口を有することも公知である。従って、他の実施形態において、流体を吸入及び排出するためのこのような代替ポートの手段を用いてもよい。
【0017】
図1を参照すると、ベースプレート14の外周のリム46は、フィルタ10及び取り付けアダプタ12間にシールを提供するために外側シール28を受容する外部の環状の溝56を有する。また、ベースプレート14は、ベースプレート14及びキャニスタ16間でそれらの間で流体が漏出するのを防止するためにシールをする目的で内側シール26を受容する外周の溝58も有する。
【0018】
図4を参照すると、ベースプレート14の外周のリム46は、ベースプレート14の上側又は外側に形成された環状のトラフ60を有する。この環状のトラフは、環状の内壁62と、環状の外壁64と、底面66とを有する。環状の外壁64は、外周の保持隅部68を形成するためにフィルタカートリッジの環状の側壁に対して実質的に傾いて底面66から外方へそれている。この隅部68は、基部でより広く、上部又は端部でより狭くなっているので、隅部68は構造的に強く、破損や破砕しにくくなると同時に、非常に狭い接触面がフィルタ10の終端縁部42と係合するために備わっている。この短い係合又は狭い接触面70のためレバーアームが短くなり、それによって、キャニスタ内の流体の圧力がベースプレートからキャニスタを離そうとする際のモーメント荷重を軽減する。
【0019】
図6を参照すると、接触面70が、ベースプレート14の円筒形の外周72からフィルタの中心に向かって測定される距離74(すなわち径方向の幅)だけ径方向内側に延びている。1番目の実施形態において、距離74は、約3.81cmから6.35cmの半径のベースプレートの場合に、約0.051cmである。2番目の実施形態において、距離74は約0.076cm以下である。3番目の実施形態において、距離74は約0.127cm以下である。4番目の実施形態において、距離74は約0.178cm以下である。隅部68に強度を与えるために、外壁64が実質的に傾いて延びている。これは、多数の方法で達成される。外壁64の略平らな傾いた面は、底面66から接触面70まで延びているように示されているが、当然のことながら、この形状は、湾曲やでこぼこでもよく、本発明の文脈の中で包含されている。
【0020】
環状の外壁64は、トラフの底面66から保持隅部68及び終端縁部42間(例えば、接触面がその内径で終端する)の最も内側の接点まで引かれた軸線76を備える形状又は構造を形成し、その軸線76は鋭角78を形成する。1番目の実施形態において、鋭角78は側壁に対して約55度と65度の間である。2番目の実施形態において、鋭角78は約50度以上である。3番目の実施形態において、鋭角78は約35度以上である。
【0021】
図3及び4を参照すると、少なくとも1つのノッチ80が、係止トルク機構を提供するベースプレートの外周に形成されている。1つの実施形態において、複数のノッチ80が、例えば図3に示すように、ベースプレート14周囲のリム46の外周周りに径方向に環状に配置されている。ノッチ80は、鋳造又はベースプレート14の打ち抜き加工でもよく、機械加工又は切り出しでもよい。
【0022】
図5を参照すると、側壁は、各ノッチ80に部分的且つ径方向に受容されると共にノッチ80の各終端縁部に形成された肩部86と整合する係止部84を有する内側に変形した環状の内縁82を有する。これを図4及び5に概略的に示すが、点線は、ノッチの構成とは別にベースプレート14の円筒形の外周が延びており、従って88で示される僅かな径方向の干渉を示す。これによってベースプレート14及びキャニスタ16間のトルク係止機構が提供される。ノッチ80は、略平坦な底面90と、肩部86を形成する端部が対向するアーチ状の側壁92とを有している。1つの実施形態において、この構成は、内側シール26が配置された下方であって、ベースプレートの底面の外周の隅部に配置されているが、他の外周の場所に配置されてもよい。しかし、当然のことながらノッチは他の形状及び構成も使用可能である。
【0023】
フィルタの別の実施形態が図7及び8に示されている。フィルタ110は、ベースプレート14が異なる形状のトラフ160を有する点を以外はフィルタ10と同様である。トラフ160は、内壁162と、外壁164と、底面166とを有する。外壁164は、保持隅部168を形成するためにフィルタカートリッジの環状の側壁に対して実質的に傾いて底面166から外方へそれている。
【0024】
この隅部168は、基部でより広く、上部又は端部でより狭くなっているので、隅部168は構造的に強く、破損や破砕しにくくなると同時に、非常に狭い接触面がフィルタ110の終端縁部142と係合するために備わっている。この短い係合又は短い接触面170のためレバーアームが短くなり、それによって、キャニスタ内の流体の圧力がベースプレートからキャニスタを離そうとする際のモーメント荷重を軽減する。
【0025】
図8を参照すると、接触面170が、ベースプレート114の円筒形の外周172から測定される距離174(すなわち径方向の幅)だけフィルタの中心に向かって径方向内側に延びている。1番目の実施形態において、距離174は、約3.81cmから6.35cmの半径のベースプレートの場合に、約0.051cmである。2番目の実施形態において、距離174は約0.076cm以下である。3番目の実施形態において、距離174は約0.127cm以下である。4番目の実施形態において、距離174は約0.178cm以下である。隅部168に強度を与えるために、外壁164が実質的に傾いて延びている。これは、多数の方法で達成される。外壁164の傾いた平面は、底面166から接触面170まで延びているように示されているが、当然のことながら、この形状は、湾曲やでこぼこでもよく、本発明の文脈の中で包含されている。
【0026】
環状の外壁164は、トラフの底面166から保持隅部168及び終端縁部142間(例えば、接触面がその内径で終端する)の最も内側の設定まで引かれた角度178を有する。1番目の実施形態において、角度178は側壁に対して約55度と65度の間である。2番目の実施形態において、鋭角178は約50度以上である。3番目の実施形態において、鋭角178は約35度以上である。
【0027】
この実施形態において、内壁162は湾曲部163及び垂直部165を有する。湾曲部163は、フィルタの端部に向かって上方に湾曲している。垂直部165は、鉛直であって且つ側壁140に対して略平行である。湾曲部163は、底壁166と垂直部165の間に配置される。この実施形態において、底壁166は比較的平滑である。
【0028】
ここで引用された公報、特許出願、及び特許等の全ての参考文献は、各参考文献が、引用することによって個別具体的に本明細書の記載に替えることとされると共にその全体が本明細書の中に記載されているのと同一程度に、ここで引用することによって本明細書の記載に替えることとする。
【0029】
本発明を説明する文脈の中(特に特許請求の範囲の文脈の中)で、「1つの」「その」なる用語を使用することは、特に示されているか明確に文章で矛盾するのでない限りは、単数及び複数の両方を含むように解釈されるべきである。「備える」、「有する」、「含む」、「具備する」なる用語は、特に記載がない限りは、制約のない用語(すなわち、「限定的でない」意味である)であると解釈されるべきである。ここに列挙した値の範囲は、特に示されていない限りは、範囲に含まれる各別々の値に個々に言及する省略方法としてであることを単に意図されており、各別々の値は、それがここで個別に引用されているかのように明細書内に記載されている。ここで記載されたすべての方法は、特に示されて明確に文章で矛盾するのでない限りは、任意の適切な順に実施される。ここで提示された任意及び全ての実施例又は例示的な単語(例えば「〜のような」)は、特に主張されていない限り、本発明をより明確にするのであって、本発明の範囲を限定するものではない。明細書の用語は、本発明の実践に不可欠であるとして、主張されていない要素を示すように解釈されるべきではない。
【0030】
本発明の好適な実施形態は、本発明を実施するために発明者が知る限り最良の形態で記載されている。それら好適な実施形態の変形は、前述の記載を読む当業者にとっては明らかである。発明者は、当業者が必要に応じてこのような変形を採用することを期待し、発明者はここで特に記載したよりも別の方法で本発明を実践することを意図する。従って、本発明は、適用法令によって許容されるように、添付した特許請求の範囲に引用された対象のすべての改良及び均等物を含む。さらに、すべての可能なバリエーションにおける前述の構成要素の任意の組合せは、特に示されて、或いは明確に文章で矛盾するのでない限りは本発明に包含される。
【符号の説明】
【0031】
10 フィルタ
12 取り付けアダプタ
14 ベースプレート
16 キャニスタ
18 フィルタ要素
44 ハブ
46 リム
48 リブ
80 ノッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側リムと内側ハブと該内側ハブ及び前記外側リムを接続する複数のリブとを備えた鋳込み材料から形成されるベースプレートであって、前記内側ハブが第1の流体ポートを提供するねじの切られた開口を形成すると共に第2の流体ポートが前記内側ハブと前記外側リムと前記リブとの間に形成されるベースプレートと、略円筒形の側壁とドーム型の閉じた端部とを備えたキャニスタであって、前記側壁が前記ベースプレートの外周周りのドーム型の閉じた端部から延びて前記ベースプレートに固定されるキャニスタと、
該キャニスタ内に収容されると共に前記第1及び第2の流体ポート間に延びる流路に沿って配置されたフィルタ媒体と、前記プレートの外周に形成された少なくとも1つのノッチと、該少なくとも1つのノッチと係止するように径方向内側に形成された前記側壁の係止部とを具備したフィルタ。
【請求項2】
前記少なくとも1つのノッチが前記ベースプレートの外周周りに径方向に配置された複数のノッチを含むと共に、前記係止部が前記側壁に形成された連続的な内縁を介して形成されている請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記ベースプレートの外周に形成された環状の溝と、該溝内に前記側壁及び前記ベースプレート間を密封する環状のシールとをさらに具備し、該シールが前記ノッチと前記側壁の環状の終端部との間に配置されている請求項2に記載のフィルタ。
【請求項4】
前記ベースプレートが外面及び内面を具備し、前記ベースプレートの鋳込み材料が前記外面及び内面間で軸方向に形成され、ノッチが前記内面に形成されている請求項3に記載のフィルタ。
【請求項5】
前記各ノッチが略平滑な底面及びアーチ状の側面を有する請求項4に記載のフィルタ。
【請求項6】
前記側壁が、環状の終端部を形成する環状の終端縁を有し、該環状の終端縁が前記ベースプレートに前記キャニスタを固定するために前記ベースプレートに亘って径方向内側に巻かれている請求項1に記載のフィルタ。
【請求項7】
流体回路の取り付けアダプタに着脱可能に接続されるフィルタであって、前記取り付けアダプタに着脱可能に取り付けるためのねじ手段及び流体を当該フィルタの中に吸入し外へ排出するためのポート手段を有するベースプレートと、環状の側壁及び閉じた端部を備えたキャニスタであって、前記環状の側壁が前記閉じた端部から前記ベースプレートに延びると共に前記側壁が前記ベースプレートの外周周りに巻かれた環状の終端縁を備えたキャニスタと、流体をフィルタリングするために前記キャニスタ内に収容されたフィルタ媒体を備えたフィルタ手段と、前記ベースプレートの外周に形成された少なくとも1つのノッチと、該少なくとも1つのノッチと係止するように径方向内側に形成された前記側壁の係止部とを具備したフィルタ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのノッチが前記ベースプレートの外周周りに径方向内側に配置された複数のノッチを含む請求項7に記載のフィルタ。
【請求項9】
前記係止部が前記側壁に形成された環状の連続的な内縁を介して形成される請求項8に記載のフィルタ。
【請求項10】
前記ベースプレートの外周に形成された環状の溝と、該溝内に前記側壁及び前記ベースプレート間を密封するシールとをさらに具備し、該シールが前記ノッチと前記側壁の環状の終端部との間に配置されている請求項9に記載のフィルタ。
【請求項11】
前記ベースプレートが外面及び内面を具備し、前記ベースプレートの本体が前記外面及び内面間で軸方向に形成され、ノッチが前記内面に形成されている請求項10に記載のフィルタ。
【請求項12】
前記各ノッチが略平滑な底面及び略アーチ状の側面を有する請求項11に記載のフィルタ。
【請求項13】
前記側壁が環状の終端部を形成する環状の縁を有し、該環状の縁が前記ベースプレートに前記キャニスタを固定するために前記ベースプレートに亘って径方向内側に巻かれている請求項7に記載のフィルタ。
【請求項14】
フィルタであって、流体を当該フィルタの中に吸入し外へ排出するためのポート手段を備えたベースプレートと、環状の側壁及び閉じた端部を備えたキャニスタであって、前記環状の側壁が前記閉じた端部から前記ベースプレートに軸線方向に延び、前記側壁が前記ベースプレートの外周周りに延びると共に前記ベースプレートに亘って径方向内側に巻かれた環状の終端縁を有するキャニスタと、流体をフィルタリングするために前記キャニスタ内に収容されたフィルタ媒体を備えたフィルタ手段と、前記ベースプレートにその外面に沿って形成された環状のトラフであって、底面及び環状の内壁及び環状の外壁を備えると共に、前記環状の外壁が前記エンドプレートの外周で外周の保持隅部を形成するために当該フィルタの環状の側壁に対して略傾いて前記底面から外方へそれている環状のトラフと、前記ベースプレートに前記キャニスタを直接固定するために前記保持隅部に係合すると共に径方向内側に突出する環状の自由な終端部を有する終端縁とを具備したフィルタ。
【請求項15】
前記環状のトラフが前記保持隅部及び終端縁間に、前記底面から内側の接点まで引かれた軸線を有する形状を形成し、前記軸線が前記側壁の軸方向の軸線に対して約35度以上の鋭角を形成する請求項14に記載のフィルタ。
【請求項16】
前記鋭角が約50度以上である請求項15に記載のフィルタ。
【請求項17】
前記エンドプレートが円形であり、前記環状の終端縁が、0.178cm以下の径の幅である接触面に沿って前記外周の保持隅部に接触する請求項14に記載のフィルタ。
【請求項18】
前記接触面が0.127cm以下の径の幅である請求項17に記載のフィルタ。
【請求項19】
前記接触面が0.076cm以下の径の幅である請求項18に記載のフィルタ。
【請求項20】
前記ベースプレートが鋳込み材料から形成されると共に外側リムと内側ハブと該内側ハブ及び前記外側リムを接続する複数のリブとを備え、前記内側ハブが第1の流体ポートを提供するねじの切られた開口を形成すると共に第2の流体ポートが前記内側ハブと前記外側リムと前記リブとの間に形成される請求項14に記載のフィルタ。
【請求項21】
前記ベースプレート及び前記側壁間に押し込まれる内側の環状のシールと、前記ベースプレートに取り付けられる外側の環状のシールとをさらに有する請求項20に記載のフィルタ。
【請求項22】
前記自由な終端部が前記トラフに延びるが前記環状の内壁の手前で止まる請求項14に記載のフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−136337(P2011−136337A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−25090(P2011−25090)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【分割の表示】特願2007−549580(P2007−549580)の分割
【原出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(507028468)ボールドウィン フィルターズ,インコーポレイティド (6)
【Fターム(参考)】