説明

疲労損傷評価方法及びその装置

【課題】作業者が直接検査対象部位について検査する必要がなく、又構造物の現状を変えることなく、現状を維持したままで、疲労亀裂の検出が可能であると共に疲労亀裂の程度の推定が可能な疲労損傷評価方法及びその装置を提供する。
【解決手段】検査対象部位2に取付けられたAEセンサ3と、該AEセンサからAE信号が入力される疲労亀裂進展判断部12とを具備し、該疲労亀裂進展判断部は前記AE信号に基づき該AE信号の内亀裂進行に対応する特定周波数帯での特定周波数帯AEカウント数を演算し、該特定周波数帯AEカウント数に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の繰返し荷重が作用する部位の疲労状態を評価する疲労損傷評価方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
構造物、例えばLNGタンクでは、LNGをタンクに貯溜し、又LNGを消費することで、タンク内のLNGの液位が上下し、タンク、特にタンク側壁と底板との接合部(隅部)には大きな繰返し荷重が作用する。
【0003】
この為、隅部に疲労による亀裂が発生する可能性があり、隅部の疲労損傷状態を検査する必要がある。
【0004】
従来、亀裂損傷を検査する為には、タンクを開放し、タンク内部から検査する必要があった。タンクを開放する為には、タンク内に貯溜されたLNGを仮に移す予備タンクが必要であり、又内部に人が入り全周検査する為、多くの時間と労力を必要とし、検査コストが掛っていた。更に、従来の検査方法では、損傷の位置は推定できるが、損傷の程度は推定できないものであった。
【0005】
又、複雑な構造物で、検査対象部位迄立入ることができない、或は狭小な空間で検査装置を設置できない等、検査すること自体が困難な場合もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−26613号公報
【特許文献2】特開2008−180558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は斯かる実情に鑑み、作業者が直接検査対象部位について検査する必要がなく、又構造物の現状を変えることなく、現状を維持したままで、疲労亀裂の検出が可能であると共に疲労亀裂の程度の推定が可能な疲労損傷評価方法及びその装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、検査部位についてのAE検出曲線を経時的に取得し、該AE検出曲線の内亀裂進行により発せられるAEに対応する特定周波数帯でのAEカウント数に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する疲労損傷評価方法に係るものである。
【0009】
又本発明は、前記特定周波数帯でのAEカウント数の経時的増加に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する疲労損傷評価方法に係るものである。
【0010】
又本発明は、検査部位をモデル化した試験部材により、予め前記AE検出曲線を取得して参照データとし、検査部位の特定周波数帯での前記AEカウント数と参照データとの対比により疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する疲労損傷評価方法に係るものである。
【0011】
又本発明は、前記AE検出曲線の特定周波数帯部分の特定周波数帯面積を求め、該特定周波数帯面積に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する疲労損傷評価方法に係るものである。
【0012】
又本発明は、前記AE検出曲線の面積S0、及び前記特定周波数帯面積Sを求めると共に面積比S/S0を求め、該面積比S/S0に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する疲労損傷評価方法に係るものである。
【0013】
又本発明は、前記AE検出曲線面積と前記特定周波数帯面積との比(S/S0)と亀裂進展速度との関連から、前記面積比に基づき亀裂進展速度を求める疲労損傷評価方法に係るものである。
【0014】
又本発明は、検査対象部位に取付けられたAEセンサと、該AEセンサからAE信号が入力される疲労亀裂進展判断部とを具備し、該疲労亀裂進展判断部は前記AE信号に基づき該AE信号の内亀裂進行に対応する特定周波数帯での特定周波数帯AEカウント数を演算し、該特定周波数帯AEカウント数に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する疲労損傷評価装置に係るものである。
【0015】
又本発明は、前記疲労亀裂進展判断部は、AE信号から得られる総AEカウント数と前記特定周波数帯AEカウント数との比を求めると共に(特定周波数帯AEカウント数/総AEカウント数)の比を求め、該比に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する疲労損傷評価装置に係るものである。
【0016】
更に又本発明は、前記検査対象部位に取付けられた複数のAEセンサを具備し、前記疲労亀裂進展判断部は、複数のAEセンサからの信号の受信時間差に基づき発生した亀裂の位置を特定する疲労損傷評価装置に係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、検査部位についてのAE検出曲線を経時的に取得し、該AE検出曲線の内亀裂進行により発せられるAEに対応する特定周波数帯でのAEカウント数に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断するので、構造物について現状を維持したままで、又人手による検査を必要としないので、検査期間、検査コストを大幅に低減できる。
【0018】
本発明によれば、検査対象部位に取付けられたAEセンサと、該AEセンサからAE信号が入力される疲労亀裂進展判断部とを具備し、該疲労亀裂進展判断部は前記AE信号に基づき該AE信号の内亀裂進行に対応する特定周波数帯での特定周波数帯AEカウント数を演算し、該特定周波数帯AEカウント数に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断するので、構造物について現状を維持したままで、又人手による検査を必要としないので、検査期間、検査コストを大幅に低減できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(A)はアルミ合金について常温での疲労試験を行った場合のAE検出グラフであり、(B)はアルミ合金について低温での疲労試験を行った場合のAE検出グラフである。
【図2】(A)は、9%Ni鋼について常温での疲労試験を行った場合のAE検出グラフであり、(B)は9%Ni鋼について低温での疲労試験を行った場合のAE検出グラフである。
【図3】本発明に係る疲労損傷評価装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】AEと閾値との関係、AEカウント数との関係を示すグラフである。
【図5】AE発生についての説明図である。
【図6】AE検出曲線面積比と疲労亀裂進展速度との関係を示す図である。
【図7】疲労亀裂進展速度とΔKに関連する安全設計曲線の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0021】
材料の変形や破壊の際に歪みエネルギの開放により発生する弾性波(Acoustic Emission アコウスティク・エミッション)(以下AEと称す)があり、AEは疲労亀裂の進展、酸化膜破壊、FRP繊維の破断等で発生する。
【0022】
本発明は、AE波を検出してタンク外部から疲労亀裂の検出及び疲労亀裂の程度の推定を可能とする。
【0023】
先ず、本発明の原理について説明する。
【0024】
本発明者が、部材の疲労試験を行いAEセンサによりAEを検出し、検出結果を検討した結果、疲労損傷の進行と共に特定周波数部分でのAEカウント数(AE検出信号中で所定の閾値より大きいもののカウント数)が増加することを見出した。これは、亀裂進展速度が大きくなると、開放されるエネルギが大きくなり、振幅値のより大きいAEが発生する様になり、又高い周波数成分を持ったAEが頻繁に発生すると考えられる。換言すると、特定周波数でのAEカウント数の増加が疲労亀裂の発生、疲労亀裂の進展に関連するものであると考えられる。
【0025】
従って、本発明者は、特定周波数部分でのAEカウント数の経時的増加に基づき、疲労亀裂の検出及び疲労亀裂の程度、疲労亀裂の進展状態の推定を行う方法及び装置を提案するものである。
【0026】
以下、材料の代表的な材質である鉄合金、アルミ合金について疲労試験を行った場合のAE検出結果を示す。
【0027】
図1(A)は、アルミ合金の常温での試験部材の疲労試験を行った場合の、周波数に対応するAEカウント数を表すAE検出曲線を時間経過と共に表した3次元のAE検出グラフであり、図中、X軸はAEの周波数、Y軸は繰返し荷重の繰返し回数(時間:手前から奥に向って繰返し回数が増加、即ち時間が経過する)、Z軸はAEカウント数である。尚、繰返し回数は0〜90000回とした。尚、図1(A)には、試験部材が破断する直前迄のAE検出曲線が示されている。
【0028】
このAE検出グラフから分る様に、繰返し回数A(0〜10000)、繰返し回数B(50000〜60000)、繰返し回数C(70000〜80000)、繰返し回数D(80000〜90000)と移行する程に、AEカウント数を示す曲線に経時的な変化が見られる周波数帯がある。即ち、160kHz〜180kHzの周波数帯では、AEカウント数が経時的に増大している。特に、160kHz〜170kHzの周波数帯では、顕著なAEカウント数の増大が確認できる。又、繰返し回数D以上で試験部材が破断したことが分る。
【0029】
図1(B)は、アルミ合金の低温(約−160℃)での試験部材の疲労試験を行った場合のAEの検出結果を示した3次元グラフである。
【0030】
このAE検出グラフが示す様に、低温であっても特定の周波数帯、190kHz〜230kHzでAEカウント数の経時的な増大が見られる。又、繰返し回数A(0〜10000)、繰返し回数B(50000〜60000)、繰返し回数C(100000〜110000)、繰返し回数D(130000〜137000)である。
【0031】
図2(A)は、9%Ni鋼の常温での試験部材の疲労試験を行った場合のAEの検出結果を示した3次元グラフであり、繰返し回数は2000回〜60000回とした。
【0032】
このAE検出グラフから分る様に、繰返し回数A(2000〜12000)、繰返し回数B(32000〜42000)、繰返し回数C(42000〜52000)、繰返し回数D(57000〜60000)と移行する程に、160kHz〜220kHzの周波数帯では、AEカウント数が経時的に増大している。特に、180kHz〜200kHzの周波数帯では、顕著なAEカウント数の増大が確認できる。又、繰返し回数D以上で試験部材が破断したことが分る。
【0033】
図2(B)は、9%Ni鋼の低温(約−160℃)での試験部材の疲労試験を行った場合のAEの検出結果を示した3次元グラフである。
【0034】
このAE検出グラフが示す様に、9%Ni鋼は低温であっても特定の周波数帯、170kHz〜250kHzでAEカウント数の経時的な増大が見られる。又、繰返し回数A(0〜10000)、繰返し回数B(20000〜30000)、繰返し回数C(40000〜50000)、繰返し回数D(60000〜70000)である。
【0035】
上述した様に疲労試験を行った場合、材料の相違に拘らず、更に環境温度の相違に拘らず、試験部材には疲労亀裂の発生、疲労亀裂の進展に伴い、特定周波数帯でのAEカウント数の経時的増加が確認できる。
【0036】
従って、構造物の繰返し荷重が作用する部位をモデル化した試験部材により、予め疲労試験を実施し、繰返し回数を増大させた場合の、所定繰返し回数毎のAE検出曲線を取得し、AE検出グラフを作成し、該AE検出グラフを参照データとして取得しておく。
【0037】
実際の検査では、構造物の検査対象部位又は検査対象部位の近傍にAEセンサを設け、該AEセンサで検出されるAEカウント数内、特定周波数のAEカウント数を監視し、参照データと比較することで、疲労亀裂の検出及び疲労亀裂の程度及び疲労亀裂の進展状態の推定を行うことができる。
【0038】
図3に於いて、本発明に係る疲労損傷評価装置1について、概略を説明する。
【0039】
図3中、2は構造物の検査対象部位であり、3は前記検査対象部位2の表面に取付けられたAEセンサ、5は制御演算部、6は該制御演算部5に接続された記憶部、7は前記制御演算部5に接続された操作入力部、8は前記制御演算部5に接続された出力部である。
【0040】
該AEセンサ3からの信号は、信号処理部4に於いて増幅及びA/D変換等所要の信号処理がなされる。例えば、図4は前記AEセンサ3が検出したAE信号を示しており、該AE信号の内、閾値9であり、前記信号処理部4は前記閾値9を超えた信号(以下AEカウント信号11と称す)について前記制御演算部5に出力される。
【0041】
前記制御演算部5は前記閾値9を超えた信号について、該信号の持つ周波数と関連付けてカウントし、前記記憶部6に記録する。尚、前記信号処理部4は、AE信号の増幅のみを行い、前記閾値9を超えた信号の検出は、前記制御演算部5で行ってもよい。
【0042】
前記記憶部6は、データ格納部及びプログラム格納部を有し、前記データ格納部には前記AEカウント信号11及び予め取得した参照データが格納され、前記プログラム格納部には前記AEカウント信号11に基づきAE検出曲線を作成するAE検出曲線作成プログラム、更にAE検出曲線よりAE検出グラフを作成するAE検出グラフ作成プログラム、前記AEカウント信号11或は前記AE検出グラフより特定周波数或は特定周波数帯を検出する特定周波数帯検出プログラム、前記AE検出曲線より、該AE検出曲線が占める面積を演算するAE面積演算プログラム、AE検出曲線が占める面積及び参照データから亀裂進展状態を判断する亀裂判断プログラム等が格納される。
【0043】
前記制御演算部5は、前記AE検出曲線作成プログラム、前記AE検出グラフ作成プログラム、前記特定周波数帯検出プログラム、前記AE面積演算プログラム、前記亀裂判断プログラムを作動させ、得られたデータは前記記憶部6に記録する。
【0044】
尚、前記制御演算部5及び前記AE検出曲線作成プログラム、前記AE検出グラフ作成プログラム、前記特定周波数帯検出プログラム、前記AE面積演算プログラム、前記亀裂判断プログラム等は疲労亀裂進展判断部12を構成する。
【0045】
前記操作入力部7からは、予め取得した参照データを設定入力し、又前記AEセンサ3からのデータ取得条件を設定する。該データ取得条件としては、例えば、繰返し回数が、A(2000〜12000)、繰返し回数B(32000〜42000)、繰返し回数C(42000〜52000)、繰返し回数D(57000〜60000)である時にAE信号を取得する、或は、所定時間間隔、所定日時間隔でAE信号を取得する、或は閾値を設定する等である。
【0046】
尚、AE信号取得時期について、例えば橋梁の様に常時振動している場合には、常時連続して、或は短い時間間隔でAE信号を取得し、又LNGタンク等ではLNGの増減の周期に合わせる等してAE信号を取得する。
【0047】
前記出力部8は、ディスプレイ、プリンタ、或は外部記録媒体(FD、MO、メモリカード等)に記録する記録部等であり、前記出力部8には作成されたAE検出曲線、前記AE検出グラフ、疲労亀裂進展判断等が表示、或は出力される。
【0048】
以下、作用について説明する。
【0049】
繰返し荷重が作用する部材から発生されるAEとしては、図5に示される様に、亀裂の進展により発生する弾性波、塑性変形時に発生する弾性波、破面が接触した際に発生する弾性波、酸化皮膜が剥離、破壊した際に発生する弾性波が含まれる。上記した様に、AEの内、亀裂進展により発生する弾性波は、他の弾性波に比べて高い周波数を有し、亀裂の進展と共にAEカウント数が増大する。
【0050】
前記疲労亀裂進展判断部12は、各繰返し回数でのAE検出曲線から高周波部分で、経時的に増大している特定周波数帯を検出し、参照データと比較し、増大の傾向により、疲労亀裂及び亀裂進展の状態を判断する(例えば、図1(A))。
【0051】
疲労亀裂及び亀裂進展の状態を判断する方法の1つとして、特定周波数帯の占める面積、即ち特定周波数帯面積(S)を演算し、周波数帯面積の増大傾向により判断する。
【0052】
又疲労亀裂及び亀裂進展の状態を判断する他の方法として、各繰返し回数でのAE検出曲線が占める面積、即ちAE検出曲線面積(S0)と特定周波数帯面積との比(S/S0)を求め、面積比の増大傾向により判断する。
【0053】
更に、図6に示す様に、面積比(S/S0)と疲労亀裂進展速度とは相関関係があり、予め、各材料について各温度についての面積比(S/S0)と疲労亀裂進展速度の参照データを取得し、得られた面積比(S/S0)と対応する条件の参照データとの比較で疲労亀裂進展がどの様な状態であるかを判断する。即ち、面積比(S/S0)を求めることで、疲労亀裂進展速度を取得、或は推察することができる。
【0054】
尚、図6は、アルミ合金の低温、9%Ni鋼の低温での面積比(S/S0)と疲労亀裂進展速度の関係を示している。
【0055】
又、疲労亀裂進展速度と安全設計上の視標となるΔKは図7に示される周知の関係があり、疲労亀裂進展速度が分ることで、構造物を設計する際のデータとして使用することもできる。
【0056】
又、AEは物質によってAEの伝播速度(音速)が決定されるので、伝播速度を利用して亀裂発生位置を特定することができる。即ち、一次元の位置を特定するには、所定距離離れた2つのAEセンサでAEを検出し、検出時間差を求め、検出時間差と音速で1次元の位置が特定できる。同様にして、2次元の位置を特定するには3つのAEセンサを設け、又3次元の位置を特定するには4つのAEセンサを設ければよい。
【0057】
尚、本発明は、繰返し荷重が作用する構造物に限らず、材料の腐食を検出する場合でも実施可能であり、更に本発明は、原油タンク腐食調査、圧力容器耐圧試験、橋脚モニタリング、回転機械の異常監視、航空機の飛行中の部材の調査、材料試験等種々の構造物、分野に適用可能である。
【0058】
又本発明をタンクの疲労損傷評価に実施すれば、タンクを開放することなく、タンク外部から疲労亀裂の検出、疲労亀裂の程度の推定、疲労亀裂の位置が特定できるので、検査期間、検査コストを大幅に低減できる。
【符号の説明】
【0059】
1 疲労損傷評価装置
2 検査対象部位
3 AEセンサ
4 信号処理部
5 制御演算部
6 記憶部
7 操作入力部
8 出力部
9 閾値
11 AEカウント信号
12 疲労亀裂進展判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査部位についてのAE検出曲線を経時的に取得し、該AE検出曲線の内亀裂進行により発せられるAEに対応する特定周波数帯でのAEカウント数に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断することを特徴とする疲労損傷評価方法。
【請求項2】
前記特定周波数帯でのAEカウント数の経時的増加に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する請求項1の疲労損傷評価方法。
【請求項3】
検査部位をモデル化した試験部材により、予め前記AE検出曲線を取得して参照データとし、検査部位の特定周波数帯での前記AEカウント数と参照データとの対比により疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する請求項1の疲労損傷評価方法。
【請求項4】
前記AE検出曲線の特定周波数帯部分の特定周波数帯面積を求め、該特定周波数帯面積に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する請求項1の疲労損傷評価方法。
【請求項5】
前記AE検出曲線の面積S0、及び前記特定周波数帯面積Sを求めると共に面積比S/S0を求め、該面積比S/S0に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する請求項4の疲労損傷評価方法。
【請求項6】
前記AE検出曲線面積と前記特定周波数帯面積との比(S/S0)と亀裂進展速度との関連から、前記面積比に基づき亀裂進展速度を求める請求項5の疲労損傷評価方法。
【請求項7】
検査対象部位に取付けられたAEセンサと、該AEセンサからAE信号が入力される疲労亀裂進展判断部とを具備し、該疲労亀裂進展判断部は前記AE信号に基づき該AE信号の内亀裂進行に対応する特定周波数帯での特定周波数帯AEカウント数を演算し、該特定周波数帯AEカウント数に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断することを特徴とする疲労損傷評価装置。
【請求項8】
前記疲労亀裂進展判断部は、AE信号から得られる総AEカウント数と前記特定周波数帯AEカウント数との比を求めると共に(特定周波数帯AEカウント数/総AEカウント数)の比を求め、該比に基づき疲労亀裂の発生、亀裂進展状態を判断する請求項7の疲労損傷評価装置。
【請求項9】
前記検査対象部位に取付けられた複数のAEセンサを具備し、前記疲労亀裂進展判断部は、複数のAEセンサからの信号の受信時間差に基づき発生した亀裂の位置を特定する請求項8の疲労損傷評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−102700(P2011−102700A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256635(P2009−256635)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 7th International Conference on NDE in Relation to Structural Integrity for Nuclear and Pressurized Componentsに於いて、JAPEIC(財団法人 発電設備技術検査協会 Japan Power Engineering and Inspection Corporation)、JSM(NPO法人 日本保全学会 Japan Society of Maintenology)等によって2009年5月14日に開催
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(592009281)IHIプラント建設株式会社 (39)
【Fターム(参考)】