説明

疼痛の局所造影および治療のためのシステム、組成物並びに方法

疼痛因子は、体内に投与されたターゲッティングされる薬剤またはマーカーでラベルされる。ラベルされた疼痛因子は、疼痛の源または伝達の領域の選択的な識別および局部化を可能にする方法で、適切な造影手段で造影される。ラベルされた疼痛因子は、疼痛を治療するために、治療上の決定および技術を後押しするために疼痛の位置を特定するのに十分な造影において空間的に区別することが可能である。この方法でラベルおよび造影された疼痛因子は、1以上の神経因子、血管因子、細胞因子および炎症因子を含むことができる。ラベルマーカーは、例えば、放射性物質(例えばトリチウム標識したまたはヨウ素化分子)または金属(例えば金)ナノ粒子といった他の物質を含み得る。中間結合物質は、例えば二重特異性抗体といったようなものが使用可能である。システムおよび方法の治療上の要素は、例えば、局部的なエネルギー投与もしくは除去治療、または局所的な薬剤もしくは他の薬品投与を含む。選択的にターゲッティングされる薬剤によって結合される疼痛因子を含む位置は、疼痛因子に結合するターゲッティングされる薬剤を含む領域へ向かう定方向エネルギーにより選択的に治療される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この特許出願は、2005年9月21日に出願された米国仮特許出願第60/719,670号および2005年12月15日に出願された米国仮特許出願第60/750,990号の優先権を主張するものであり、それらの開示は参照によりその全体が組み込まれるものである。
連邦政府によって出資された研究または開発に関する陳述
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【技術分野】
【0002】
発明の背景
1.発明の属する技術分野
本発明は、一般に、骨格関節に関係する組織の造影に関する。より詳細には、ラベルしたマーカーおよび関連する造影手段を使用した、筋骨格痛に関係する限局性因子の同定および/または特性解析に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
慢性背部痛(すなわち、一般的に12週間より長く持続する)は、米国において最も蔓延し、金のかかる非致命的な病態の1つであり、45歳未満の人々における障害の最大の原因であると考えられている。慢性背部痛で苦しむ人々の数は、全人口の25%を超えると見積もられている。毎年、米国の人口の約3−4%が一時的に障害を持つと見積もられ、労働年齢人口の約1%が、難治性の背部痛により、完全にかつ恒久的に障害者となると見積もられている。医学的に慢性背部痛を有する患者は、推計で1170万人存在する。この広く蔓延している病態のための国の障害費用は、1年につき300−700億ドルに及ぶ。この広く蔓延している病態を効果的に治療することは、依然として、医学における満たされていない最大の臨床上のニーズの1つである。疼痛の源を正確に診断し、場所を特定することもまた、成功すると予想されるターゲッティングされた手法でそのような治療を提供するためのクリティカル・パスにおいて、著しく不十分なままである。
【0004】
椎間板変性の位置、態様および程度の診断は、背部痛を処置するための治療を後押し促進する先行手段としてしばしば用いられる。しかしながら、そのような手段は、多くの場合、疼痛が生じている変性椎間板の中または周辺の、正確な位置を特定するのに十分に特異的ではない。また、必ずしも椎間板変性と背部痛との間に、直接的な対応関係がみられるわけではない。したがって、CTやMRIなどの、椎間板の構造を同定(および定量さえ)する、既存の在する画像診断技術は、多くの場合において、背部痛の源の場所を特定するのに必ずしも役立つわけではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、疼痛、特に背部痛、就中、下位腰背部痛の源を、客観的に、正確にかつ特異的に同定し、場所を特定するための、新規な画像診断技術の必要性は未だに高い。特に、改良された方法で疼痛を伴う椎間板を同定することに関するそのような必要性、並びに改良された、予測可能で、信頼できる手法で、当該椎間板の内部または周辺での、損傷または疼痛の源の詳細な部位を特定する、そのような必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の簡単な要約
したがって、本発明のある側面は、筋骨格関節の内部および周辺、特に有益な態様においては、背部痛に関連する脊椎椎間板の内部および周辺における、疼痛の源をより良く描写し、診断し、その場所を特定する、システム、組成物および方法を提供する。
【0007】
この側面に用いられる種々の態様の中で、特に有益な態様は、背部痛の領域、特に有益な例では、例えば椎間板、椎間関節および椎体などの、脊椎運動分節において、局所的に、疼痛の発生および伝達に関する嫌疑が知られている物質を、人為的にラベリングすることを含む。
【0008】
単独であるいは組み合わせて有用な、この態様の2つの特に有益な実施形態は、(a)神経、特に有益な実施形態においては侵害受容器をラベリングし、(b)神経を刺激する化学的因子をラベリングすること、(c)神経を刺激する化学的因子を産生する細胞をラベリングし、(d)通常は神経にごく近接した血管をラベリングすること、を含む。
【0009】
臨床診断のためのこれらのアプローチにより提供される顕著な利点に加えて、それらはまた、治療上のアプローチのための選択を後押しする新たな手段を提供することにおいて、非常に有益であると考えられる。
【0010】
本発明の1つの側面は、患者体内のある位置における、限局性で活発な疼痛の源に関連した医学的処置の実施方法である。この方法は、造影手段を用いて疼痛因子を造影する能力を実質的に増大させる様式で、当該位置で該疼痛因子を人工的にラベリングすることを含む。次いで、当該位置における第1の濃度のラベルされた疼痛因子と、当該位置に隣接した組織内の第2の濃度のラベルされた疼痛因子とを、選択的に区別するのに十分な様式で、ラベルされた疼痛因子をラベリングする。
【0011】
非常に有益な一態様によると、当該位置は骨格関節に関係している。
【0012】
この側面の別の態様は、当該位置で疼痛の源と関係する疼痛因子に示差的に結合し、これをラベルリングするように適合させた、実質的にターゲッティングされるラベルを、患者体内に送達することをさらに含む。当該位置における疼痛因子は、該疼痛因子をターゲッティングされるラベルと結合させることにより、人為的にラベリングされる。
【0013】
一実施形態によると、示差的結合は、疼痛因子への特異的結合を含む。
【0014】
別の実施形態によると、示差的結合は、疼痛因子への非特異的結合を含む。
【0015】
他の態様によると、疼痛因子は、神経因子、炎症性因子、細胞因子もしくは血管因子またはその組み合わせの少なくとも1つを含む。
【0016】
より格別な一態様においては、疼痛因子は神経因子を含む。
【0017】
この態様の一実施形態によれば、神経因子は、神経線維または神経線維と関係する細胞構造の少なくとも1つと関係する少なくとも1つの物質を含む。
【0018】
別の実施形態において、神経因子は神経線維と関係する物質を含む。特に有益な一実施形態によると、その物質は特に侵害受容器と関係する。
【0019】
別のより格別な態様においては、疼痛因子は血管因子を含む。
【0020】
この態様の一実施形態によると、血管因子は、血管または血管と関係する物質もしくは構造の少なくとも1つを含む。
【0021】
この態様の別の実施形態においては、血管因子は、微小血管と関係する物質または構造を含む。
【0022】
別のより格別な態様によると、疼痛因子は細胞因子を含む。
【0023】
この格別な態様の一実施形態によると、細胞因子は、少なくとも1つの炎症性因子を産生する細胞と関係する。
【0024】
別の実施形態において、細胞因子は、少なくとも1つの炎症性因子と関係する。
【0025】
別の実施形態において、細胞因子は、複数の炎症性因子を活発に産生する細胞と関係する。
【0026】
別の実施形態において、細胞因子は、その位置で第2の疼痛因子に誘引されるタイプの炎症細胞と関係する。この実施形態の特別な一変形によれば、炎症細胞は白血球またはマクロファージを含む。
【0027】
別のより格別な態様によれば、疼痛因子は炎症性因子を含む。
【0028】
別の態様によれば、疼痛因子はサイトカインを含む。
【0029】
本側面の別の態様によると、疼痛因子は、P物質またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0030】
別の態様によれば、疼痛因子は、CGRPまたはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0031】
別の態様によれば、疼痛因子は、受容体チロシンキナーゼA(TrkA)またはその類似体もしくは誘導体を含む。
【0032】
別の態様によれば、疼痛因子は、TrkA結合剤または抗体を含む。
【0033】
別の態様によれば、疼痛因子は、TrkA受容体またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0034】
別の態様によれば、疼痛因子は、神経成長因子(NGF)またはその類似体もしくは誘導体を含む。
【0035】
別の態様によれば、疼痛因子は、NGF結合剤または抗体を含む。
【0036】
別の態様によれば、疼痛因子は、NGFアンタゴニストまたはその類似体もしくは誘導体を含む。
【0037】
別の態様によれば、疼痛因子は、NGFアンタゴニスト結合剤または抗NGFアンタゴニスト抗体を含む。
【0038】
別の態様によれば、疼痛因子は、神経結合剤もしくは抗体またはその類似体もしくは誘導体を含む。
【0039】
別の態様によれば、疼痛因子は、タンパク質遺伝子産物9.5(PGP9.5)またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0040】
別の態様によれば、疼痛因子は、SYNまたはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0041】
別の態様によれば、疼痛因子は、ペリフェリンまたはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0042】
別の態様によれば、疼痛因子は、ニューロフィラメント200kD(NF200)またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0043】
別の態様によれば、疼痛因子は、組織壊死因子アルファ(TNF−α)またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0044】
別の態様によれば、疼痛因子は、TNF−αブロッカーまたはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0045】
別の態様によれば、疼痛因子は、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0046】
別の態様によれば、疼痛因子は、インフリキシマブ、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0047】
別の態様によれば、疼痛因子は、PECAMまたはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0048】
別の態様によれば、疼痛因子は、CD34またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0049】
別の態様によれば、疼痛因子は、血管細胞接着分子−1(VCAM−1)またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0050】
別の態様によれば、疼痛因子は、インターロイキンまたはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0051】
この態様の一実施形態によれば、インターロイキンは、IL−1またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0052】
別の実施形態によれば、インターロイキンは、IL−6またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0053】
別の実施形態によれば、インターロイキンは、IL−8またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0054】
本側面態様の別の態様によれば、疼痛因子は、プロスタグランジンE2(PGE)またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0055】
別の態様によれば、疼痛因子は、組織内のpHと関係する因子またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0056】
本態様の一実施形態によれば、ラベルされた疼痛因子は、その位置における所定の閾値を下回る比較的低いpHを表示する。
【0057】
別の態様によれば、疼痛因子は、組織内のpO2と関係する因子またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0058】
本態様の一実施形態において、ラベルされた疼痛因子は、その位置における比較的低いpO2を表示する。
【0059】
別の態様によれば、疼痛因子は、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0060】
別の態様によれば、疼痛因子は、シヌクレイン(SYN)またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む。
【0061】
本側面の別の実施形態によれば、ターゲッティングされるラベルは、神経因子、血管因子、細胞因子、炎症性因子、またはその抗体の少なくとも1つを含む。
【0062】
本態様の一実施形態によれば、ターゲッティングされるラベルは、神経因子またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0063】
本実施形態の一変形において、神経因子は、神経線維または神経線維と関係する細胞構造またはそれらの抗体の少なくとも1つと関係する、少なくとも1つの物質を含む。
【0064】
別の変形において、神経因子は、神経線維またはその結合剤もしくは抗体と関係する物質を含む。
【0065】
別の実施形態において、ターゲッティングされるラベルは、血管因子またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0066】
本実施形態の一変形において、血管因子は、血管の構造またはその結合剤もしくは抗体と関係する物質を含む。
【0067】
他の変形において、血管因子は、微小血管の構造またはその結合剤もしくは抗体と関係する物質を含む。
【0068】
別の実施形態によれば、ターゲッティングされるラベルは、細胞因子またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0069】
一変形において、細胞因子は、少なくとも1つの炎症性因子を産生する細胞またはその結合剤もしくは抗体と関係する。
【0070】
別の変形において、細胞因子は、少なくとも1つの炎症性因子またはその結合剤もしくは抗体と関係する。
【0071】
別の変形において、細胞因子は、炎症性因子を活発に産生する椎間板細胞またはその結合剤もしくは抗体と関係する。
【0072】
別の変形において、細胞因子は、その位置で疼痛因子に誘引されるタイプの炎症細胞またはその結合剤もしくは抗体と関係する。
【0073】
本変形の一特徴によると、炎症細胞は、白血球またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0074】
別の実施形態によると、ターゲッティングされるラベルは、炎症性因子またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0075】
本実施形態の一変形において、炎症性因子は、サイトカイン、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0076】
本側面の別の態様によれば、ターゲッティングされるラベルは、P物質に対する結合剤または抗体を含む。
【0077】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に対する結合剤または抗体を含む。
【0078】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、TrkA抗体または結合剤を含む。
【0079】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、神経成長因子(NGF)、またはその類似体もしくは誘導体を含む。
【0080】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、NGF結合剤または抗NGF抗体を含む。
【0081】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、NGFアンタゴニストまたはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0082】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、抗NGFアンタゴニスト抗体または結合剤を含む。
【0083】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、神経抗体または結合剤を含む。
【0084】
別の態様によると、ターゲッティングされるトラベルは、PGP9.5、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0085】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、ペリフェリンに対する結合剤または抗体を含む。
【0086】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、ニューロフィラメント200kD(NF200)、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0087】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、TNF−α、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0088】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、TNF−αブロッカーを含む。
【0089】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、インフリキシマブ、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む。
【0090】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、PECAM結合剤または抗体を含む。
【0091】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、CD34に対する結合剤または抗体を含む。
【0092】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、インターロイキン結合剤または抗体を含む。
【0093】
本態様の一実施形態において、インターロイキン結合剤または抗体は、IL−1結合剤または抗体を含む。
【0094】
本態様の別の実施形態において、インターロイキン結合剤または抗体は、IL−6結合剤または抗体を含む。
【0095】
本態様の別の実施形態において、インターロイキン結合剤または抗体は、IL−8結合剤または抗体を含む。
【0096】
本側面の別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、PGEに対する結合剤または抗体を含む。
【0097】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、MIFに対する結合剤または抗体を含む。
【0098】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、組織内のpHと関係する因子に対する抗体または結合剤を含む。
【0099】
本態様の一実施形態によると、ラベルされた疼痛因子は、その位置における所定の閾値を下回る比較的低いpHを表示する。
【0100】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、組織内のpO2と関係する因子に対する抗体または結合剤を含む。
【0101】
本態様の一実施形態によると、ラベルされた疼痛因子は、その位置における比較的低いpO2を表示する。
【0102】
別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは放射性物質を含む。
【0103】
本態様の一実施形態によると、ターゲッティングされるラベルは、放射性ラベルされたTNF−α抗体、またはその類似体もしくは誘導体を含む。
【0104】
別の実施形態によると、ターゲッティングされるラベルは放射性ラベルされたヨウ素を含む。本実施形態の一変形において、放射性ラベルされたヨウ素はI−125を含む。
【0105】
別の態様によれば、ターゲッティングされるラベルはナノ粒子を含む。
【0106】
別の態様によれば、ターゲッティングされるラベルは金を含む。
【0107】
別の態様によれば、ターゲッティングされるラベルは酸化鉄を含む。
【0108】
別の態様によれば、ターゲッティングされるラベルはガドリニウムを含む。
【0109】
本側面の別の態様によれば、当該方法は、蛍光体造影プレートを含む造影手段を用いて、ラベルされた疼痛因子を造影することをさらに含む。
【0110】
別の態様によれば、当該方法は、MRIを使用してラベルされた疼痛因子を造影することを含む。
【0111】
別の態様によれば、第1の疼痛因子に結合するように適合させた第1の結合剤が体内に送達される。ターゲッティングされるラベルは、第1の結合剤が第1の疼痛因子に結合した後、患者の体内に送達される。ターゲッティングされるラベルは、第1の結合剤と第1の疼痛因子との結合複合体上に位置する部位に結合するように調整される。
【0112】
一実施形態によれば、第1の結合剤は、第1の疼痛因子に結合するように適合させた第1の結合位置、およびターゲッティングされるラベルに結合するように適合させた第2の結合位置、に対する二重特異性抗体を含む。
【0113】
別の態様によれば、ターゲッティングされるラベルは、疼痛因子に結合するように適合させた、露出した結合部位を有する抗体に結合した細胞を含む。
【0114】
別の態様によれば、当該方法は、ターゲットとされ、ラベルされた疼痛因子が局所的に造影される位置に対して、実質的に局所的な手法で、治療的処置を行うことをさらに含む。
【0115】
本態様の一実施形態において、治療的処置は、当該位置における疼痛の発生または伝達を実質的に軽減するように適合される。
【0116】
別の実施形態によれば、治療的処置は、当該位置において少なくとも1つの神経を実質的に除去するように適合される。
【0117】
別の実施形態において、治療的処置は、少なくとも1つの治療用の化学物質を、実質的に局所的な手法で当該位置に送達させることを含む。
【0118】
別の実施形態によれば、治療的処置は、治療的線量のエネルギーを、実質的に局所的な手法で当該位置に送達させることを含む。
【0119】
本実施形態の一変形において、治療的処置は、治療的線量のエネルギーによって、当該位置において少なくとも1つの神経を除去することをさらに含む。
【0120】
別の変形において、治療的処置は、超音波エネルギーを当該位置に送達することをさらに含む。さらなる変形において、当該方法は、第2の位置から当該位置に局所的に、指向的な手法で超音波エネルギーを送達させることをさらに含む。また更なる変形においては、第2の位置は患者の外部であり、超音波エネルギーは、当該位置に超音波エネルギーの焦点を合わせるように適合させた高密度焦点式超音波(HIFU)を介して送達される。さらに別の変形において、第2の位置は患者体内の当該位置位に隣接し、超音波エネルギーは指向性の超音波プローブを介して送達される。この変形のさらなる特徴において、第2の位置は椎間板に隣接し、指向性の超音波療法を受ける位置は椎間板の内部である。
【0121】
本実施形態の別の変形によると、治療的線量のエネルギーは熱エネルギーを含む。
【0122】
別の変形によると、治療的線量のエネルギーは電子エネルギーを含む。更なる一変形において、当該方法は、高周波(RF)プローブを介して電気エネルギーを送達することを含む。
【0123】
別の変形によると、治療的線量のエネルギーはマイクロ波エネルギーを含む。
【0124】
別の変形によると、治療的線量のエネルギーは光エネルギーを含む。
【0125】
本側面の別の態様によると、当該位置は、椎間板の少なくとも一部を含む。
【0126】
別の態様によると、当該位置は、椎間板の全周以下である一部のみの内部に位置する組織の領域を含む。
【0127】
本態様の一実施形態において、当該部分は、椎間板の外周の2分の1以下の内部に位置する組織の領域を含む。
【0128】
本実施形態の一変形において、当該部分は、椎間板の外周の4分の1以下の内部に位置する組織の領域を含む。
【0129】
本発明の本側面の別の態様によれば、当該位置は、椎体と関係する終板を含む。
【0130】
別の態様によれば、当該位置は椎間関節を含む。
【0131】
別の態様による本側面の方法は、ターゲッティングされるラベルを、局所的な手法で当該位置に送達させることを含む。
【0132】
本態様の一実施形態は、局所注入アッセンブリを用いて、当該位置と関係する組織の領域にターゲッティングされるラベルを注入することをさらに含む。
【0133】
別の実施形態は、ターゲッティングされるラベルを、患者の全身に送達させることを含む。
【0134】
更なる一実施形態は、ターゲッティングされるラベルを、患者の全身の血液循環に注入することを含む。
【0135】
別の更なる実施形態は、ターゲッティングされるラベルを、患者の胃腸系に送達させることを含む。
【0136】
別の態様は、患者の体内に送達されたターゲッティングされるラベルを疼痛因子に結合させることによって、複数の位置で疼痛因子を人工的にラベリングすることを含む。次いで、ターゲッティングされるラベルまたはラベルされた疼痛因子の少なくとも1つを造影するように適合させた造影手段を用い、複数の当該位置における第1の濃度のラベルされた疼痛因子と、複数の当該位置に隣接した組織における第2の濃度のラベルされた疼痛因子とを、区別するのに十分な様式で、ラベルされた疼痛因子を造影する。
【0137】
本態様の一実施形態によると、当該方法は、ターゲットとされ、ラベルされた疼痛因子が局所的かつ選択的に造影される各々の位置に対し、実質的に局所的な手法で、少なくとも1つの治療的処置を行うことをさらに含む。
【0138】
本発明の別の側面は、患者の体内のある位置における疼痛を治療するためのシステムを含む。本側面は、当該位置で疼痛の源と関係する疼痛因子に結合し、これをラベリングするように適合させた、ターゲッティングされるラベルを含む。また、患者の体内にターゲッティングされるラベルを送達するように適合させた送達アッセンブリも含まれる。当該システムに同様に含まれる造影システムは、ターゲッティングされるラベルまたはラベルされた疼痛因子の少なくとも1つを、当該位置における第1の濃度のラベルされた疼痛因子と、当該位置に隣接した組織内の第2の濃度のラベルされた疼痛因子とを、選択的に区別するのに十分な様式で造影するように適合される。治療デバイスアッセンブリもまた含まれ、当該位置に実質的に隔離された実質的に局所的な手法で、治療を提供するように適合される。
【0139】
本側面の一態様によると、ターゲッティングされるラベルは、筋骨格の関節痛と関係する疼痛因子に結合し、これをラベリングするように適合され、当該位置は、少なくとも1つの筋骨格関節と関係する。
【0140】
一実施形態によると、治療デバイスアッセンブリは、筋骨格関節と関係する位置に実質的に隔離された、実質的に局所的な手法で、治療的線量のエネルギーを送達するように適合させたエネルギー送達アッセンブリを含む。
【0141】
更なる一実施形態によれば、エネルギー送達アッセンブリは、患者体内の、当該位置上またはそれに隣接した場所に送達されるように適合される。
【0142】
別の更なる実施形態によると、導入手段が当該システムに提供され、当該位置にエネルギー送達アッセンブリを送達するように適合される。
【0143】
本実施形態の一変形において、導入手段は注射針アッセンブリを含む。これは、注射針アッセンブリが骨を通って進み、骨内部の場所に治療デバイスアッセンブリを送達させるように適合される点で、更なる特徴を提供し得る。別の更なる特徴によると、治療デバイスアッセンブリは、当該位置で可視化された、ラベルされた疼痛因子に関連した疼痛と関係する、骨内部の骨内神経を除去するように適合させことができる。別の更なる有益な特徴において、注射針アッセンブリは、椎体の骨を通って進み、椎体神経と関係する椎体内の場所に治療デバイスアッセンブリを送達させるように適合され、治療デバイスアッセンブリは、その場所から椎体神経を除去するように適合される。
【0144】
本側面の別の態様によると、治療デバイスアッセンブリは、高周波(RF)電流除去アッセンブリを含む。
【0145】
一実施形態において、RF電流除去アッセンブリは、椎体神経の少なくとも一部を跨ぐように適合させた、第1および第2の場所に配置されるように適合させた第1の電極および第2の電極を含む。RF電流除去アッセンブリは、第1と第2の場所の間の神経組織を除去するのに十分なRF電流を、第1と第2の電極間に送達させるように適合される。
【0146】
本実施形態の一変形によると、RF電流除去アッセンブリは、二極リードのアッセンブリ配置で第1および第2の電極を担持する、細長い本体を有する送達プローブを含む。
【0147】
本実施形態の別の態様によると、ターゲッティングされるラベルは、神経因子、血管因子、細胞因子、炎症性因子またはそれらの抗体の少なくとも1つを含む疼痛因子に結合し、これをラベリングするように適合される。
【0148】
以下に提供される、更なるより詳細で特に有益な態様は、記載された本側面に関して意図されるものと理解すべきである。特に、本側面のさらなる態様は、上記した本発明の方法の態様の下での使用のために記載された疼痛因子およびターゲッティングされるラベルに関する、種々の有益な例を含む。
【0149】
別の態様によると、当該システムは、疼痛と関係する位置における第1の濃度と、当該位置に隣接し当該位置におけるよりも少ない痛みと関係する第2の位置における第2の濃度とを、区別するのに十分な手法で、ラベルされた疼痛因子を造影するように適合させた造影手段をさらに含む。
【0150】
本発明の別の側面は、患者の組織の領域、例えば、特に有益なさらなる態様においては患者の骨格関節、さらにまた有益なより詳細な態様においては患者の脊椎関節、と関係する位置での、限局性の活発な疼痛の源の造影および同定方法である。この方法は、疼痛因子に示差的に結合し、これをラベリングするように適合させた、実質的にターゲッティングされるラベルを患者の体内に送達させることを含む。患者の体内に送達されたターゲッティングされるラベルを該疼痛因子に結合させることによって、当該位置に存在する疼痛因子を人工的にラベリングする。該ラベルまたはラベルされた疼痛因子の少なくとも1つを、当該位置における第1の濃度のラベルされた疼痛因子と、当該位置に隣接した組織における第2の濃度のラベルされた疼痛因子とを、区別するのに十分な様式で、造影するように適合させた造影手段を用いて、ラベルされた疼痛因子を造影する。
【0151】
本側面の種々の態様によると、疼痛因子は、神経線維、神経線維と関係する物質、血管、血管と関係する物質、少なくとも1つの炎症性因子を活発に産生する細胞、炎症または他の疼痛因子に誘引される細胞もしくは化学−炎症性因子またはそれらの組み合わせの少なくとも1つと関連するものであり得る。
【0152】
本発明の別の側面は、骨格関節と関係する組織の特性を同定または解析するためのシステムである。そのような側面は、本明細書に示され、あるいは記載された、種々の側面、態様、実施形態、変形もしくは特徴またはそれらの組み合わせのいずれか1つ以上を、さらに含んでいてもよい。
【0153】
本側面の一態様によると、該システムは、椎間板の少なくとも一部のある程度の性質を示す情報を提供するように適合される。
【0154】
別の側面は、患者の骨格関節と関係する組織の特性を同定または解析するためのシステムである。これは、疼痛因子、神経因子、血管因子、細胞因子または炎症性因子の少なくとも1つをラベリングすることを含む。あるいは、該システムは前記のものの1以上の組み合わせを含み得る。
【0155】
本側面の一態様によれば、当該情報は、椎間板の少なくとも一部の性質の程度に関する。
【0156】
本発明の別の側面は、椎間板の少なくとも一部を、該椎間板の性質の程度、例えば、特に疼痛や変性に関連する性質の程度に関して、特性解析するためのシステムである。このシステムは、ラベルされたマーカーの送達システムと、ラベルされたマーカーの造影システムとを含む。ラベルされたマーカーの造影システムは、当該性質の程度の少なくとも一部を示すのに有用な情報を提供する。
【0157】
前上記側面および態様の更なる一実施形態によれば、各システムは、椎間板の環状部分もしくは核部分の一方または両方に基づいた情報を生成するように適合される。
【0158】
別の実施形態によると、該システムは、ラベルされた因子の空間的な集積に関する地理的描写を表示するように適合され、該地理的描写の一部が当該情報を提供する。
【0159】
別の実施形態によれば、当該情報は、椎間板の変性の程度を識別するように適合される。非常に有益なさらなる実施形態によれば、当該情報は、トンプソン等級を参照することによって変性の程度に関して識別するように適合される。
【0160】
別の実施形態によれば、当該性質は、疼痛または疼痛と相関する少なくとも1つの因子の少なくとも1つを含む。
【0161】
別の実施形態によれば、当該情報は、1以上の疼痛因子の濃度比に関する。
【0162】
別の実施形態によれば、当該情報は、一般に、間接的ではあるが、他のより直接的な疼痛因子の存在とよく相関する、二次的または他の間接的な物質の存在に関するものである。
【0163】
別の実施形態によれば、当該情報は、少なくとも1つの椎間板の化学的成分に関する。
【0164】
別の実施形態によれば、当該性質は、椎間板の脱水の程度、椎間板のプロテオグリカンマトリクスの破壊の程度およびコラーゲンマトリクスの破壊の程度の少なくとも1つを含む。
【0165】
別の実施形態によれば、該システムは、さらに当該情報を生成するように適合させた放射性ラベル造影システムを含む。
【0166】
本発明の別の側面は、骨格関節と関係する組織の特性を同定または解析するための方法である。ここに記載した前記方法の側面、態様、実施形態、変形もしくは特徴またはそれらの組み合わせの1以上が、この方法の向上のために用いられ得る。
【0167】
本側面の更なる一態様は、椎間板の少なくとも一部の性質の程度を示す情報を提供することをさらに含む。
【0168】
別の側面は、患者の骨格関節と関係する組織の特性を同定または解析するための方法であり、以下の工程の少なくとも1つを含む:該組織内の疼痛因子をラベリングする;該組織内のラベルされた疼痛因子を造影する;異なる濃度のラベルされた疼痛因子を有する異なる造影領域を比較する;該比較に基づいて疼痛因子の存在が増加している位置を同定する;該同定に基づいて、局所治療法で当該位置を治療する。あるいは、前記の1以上を組み合わせて使用し得る。
【0169】
本側面の一態様は、当該情報に基づいて、椎間板の少なくとも一部の性質の程度を決定することを含む。
【0170】
本発明の別の側面は、椎間板の少なくとも一部を、その性質の程度に関して特性解析するための方法であり、シグナルイメージングシステムを使用して、当該部分に関するシグナルを捕捉することを含む。シグナルイメージングシステムは、当該性質の程度の少なくとも一部を示す情報を提供する。
【0171】
今説明した種々の方法の側面および態様の一実施形態によれば、生成される情報は、椎間板の環状部分または核部分の一方または両方に基づく。
【0172】
別の実施形態において、ラベルされた疼痛因子の存在に関する曲線が表示され、当該曲線の一部が当該情報を提供する。
【0173】
別の実施形態は、当該情報に基づいて椎間板の変性の程度を識別することを含む。さらなる実施形態は、当該情報に基づいて、トンプソングレードとの関連で椎間板の変性の程度を識別することを含む。
【0174】
別の実施形態は、当該情報に基づいて、椎間板と、疼痛の程度または疼痛と相関する少なくとも1つの因子とを相関させること、を含む。
【0175】
別の実施形態によれば、当該情報は、組織の所定の面積または体積におけるラベルされた疼痛因子の量に対応する、造影されたシグナルの大きさの比率に関する。
【0176】
別の実施形態によれば、当該情報は、サイトカイン、その前駆物質、その類似体もしくは誘導体、またはその代謝産物もしくは分解産物に関する。
【0177】
別の実施形態によると、当該情報は、椎間板の少なくとも1つの化学的成分に関する。
【0178】
別の実施形態によると、当該性質は、椎間板の脱水の程度、椎間板のプロテオグリカンマトリクスの破壊の程度およびコラーゲンマトリクス破壊の程度の少なくとも1つに関する。
【0179】
別の実施形態は、少なくとも一部で放射線照射造影システムを使用して、当該情報を生成することを含む。
【0180】
別の側面は、患者に医学的処置を施すためのシステムの調製方法であり、疼痛を伴う患者を診断し;該診断に基づいて、患者に送達するための一定量のターゲッティングされる薬剤を調製することを含む。ターゲッティングされる薬剤の調製量は、(i)疼痛の場所を特定する診断および(ii)結合した疼痛因子に関係する領域における、当該領域へのエネルギーの送達に応じた選択的な組織治療の少なくとも1つを増強するように適合した様式で、疼痛と関係する疼痛因子に示差的に結合するように設定される。
【0181】
別の側面は、患者に医学的処置を施すためのシステムであり、疼痛を有すると診断された患者に送達するために調製され、(i)疼痛の場所を特定する診断および(ii)結合した疼痛因子を含む位置に対する、当該位置を含む領域へのエネルギーの送達に応じた選択的な組織治療の少なくとも1つを増強するように適合した様式で、疼痛と関係する疼痛因子に示差的に結合するように設定される、治療量のターゲッティングされる薬剤を含む。
【0182】
別の側面は、患者の、疼痛と関係する1以上の組織領域を選択的に治療するための方法であり、疼痛と関係する疼痛因子に示差的に結合するように設定された、ターゲッティングされる薬剤を患者体内に送達させること;送達されたターゲッティングされる薬剤が、疼痛因子と示差的に結合して、示差的に結合した疼痛因子を形成するのを可能にすること;および、示差的に結合した疼痛因子と関係する1以上の領域を示差的に治療する様式で、患者体内にエネルギーを送達させることを含む。
【0183】
別の側面は、患者の、疼痛と関係する1以上の組織領域を選択的に治療するためのシステムであり、一定量のターゲッティングされる薬剤;および患者にエネルギーを送達するように構成されたエネルギー送達システムを含む。ターゲッティングされる薬剤の量は、患者体内に送達させるために、かつ、第1の濃度の示差的に結合した疼痛因子を含む組織領域が、示差的に結合した疼痛因子の濃度がより低い他の領域と比べて、送達されたエネルギーに対して示差的かつ選択的な治療応答を示すような様式で、疼痛と関係する疼痛因子に示差的に結合するように設定される。
【0184】
ここで記載した各側面、態様、実施形態、変形または特徴は、その他と組み合わせる必要なく独立して有益であると考えられる。しかしながら、そのようなさらなる組み合わせや、それらのサブコンビネーションもまた、さらなる有益な独立した発明の側面であると考えられる。例えば、以下の一側面に関して、特定の態様、実施形態、変形または特徴がここに記載される場合、当業者は、そのような特定の組み合わせについては具体的に言及されていないかもしれないが、そのような記載は同様に記載された他の側面にも、さらに応用できると理解するはずである。さらなる例において、方法の側面に関して提供されたより詳細な記載は、類似のシステムに関する側面または記載のさらなる展開として、明確に結合されるべき情報を提供し得るものであり、その逆も同様である。
【0185】
本発明のさらなる側面は、明細書の以下の部分において明らかにされるだろう。この詳細な説明は、好ましい実施形態を十分に開示するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0186】
発明の詳細な説明
例示目的のために、図面についてより具体的に言及すると、本発明は、図1から図8を参照することにより、一般に示されるまたは説明されるシステムや方法において、具現化される。ここに記載した基本的な概念から離れなければ、装置は構造や部品の詳細に関して変化し得ること、そして方法は具体的な工程や順番に関して変化し得ることが理解されるだろう。
【0187】
疼痛に関係するラベル椎間板の特徴
椎間板起因の疼痛は、一般に多くの場合に多因子性の現象であると考えられている。特に、3つの実例となる因子を、椎間板起因の疼痛の発生と伝達に様々な様式で寄与する(またはその兆候である)と考えられる例として、ここに様々な詳細度で要約する。これら実例となる因子は、しばしば共存して組み合わせで作用し、度々同時に作用すると考えられている。これら因子のタイプは、以下のように要約される。
【0188】
1つのそのような因子のタイプは、侵害受容器の存在と関係する。通常、椎間板は、実質上は血管がなく、そしてわずかに椎間板輪の外側縁で神経を刺激するのみである。これら無髄の、P物質(SP)またはカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を含む線維は、通常無反応であり沈黙の侵害受容器と呼ばれる〔Cavanaugh,1996〕。SPおよびCGRPは、侵害受容情報の感覚の伝達者であると考えられている。変性が進むにつれて、神経は微小血管に従い、椎間板の中に深く成長することができる。それは、例えば末消でまたは運動終板を介して起こり得る。この成長途中の神経と血管は、変性に関連した椎間板の圧力とプロテオグリカンの含有量の減少によって促進される。
【0189】
第2のそのような因子のタイプは、一般に椎間板内の侵害受容器が敏感になる必要性によって具現化される。従って一般にそのような鋭敏化を提供する物質を含む。これは、例えばサイトカインを介して起こすことができる。それらは炎症を媒介し調整する、通常は小さい、分泌タンパク質である。あるサイトカインのレベルの上昇が、ヒトの椎間板において測定されており、変性および疼痛と関係する。そのような主要なサイトカインとしては、インターロイキン-1、-6、および-8、組織壊死因子−アルファ(TNF−α)、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)およびプロスタグランジンE(PGE)を含むことが観察されてきた。サイトカインの発生源は、例えば椎間板ヘルニアの場合におけるような循環する炎症細胞、または椎間板変性を含む場合におけるような椎間板細胞である。これら前炎症性刺激は、細胞が、マトリクスメタロプロテイナーゼ1,9および13の生成を含む組織の修復およびリモデリングを刺激することになる多くの異化作用のプログラムを開始する要因となる。この損傷治癒過程の間に、サイトカインは、また、しばしば血管新生および肉芽組織形成の刺激に関与する。
【0190】
本発明の1つの特に有益な実施形態において、サイトカインおよび/またはそれらの細胞表面受容体は、放射性ラベルといったようなラベルマーカーを用いながらインビボの炎症部位で造影される。特に有益な例において、サイトカインは、限定されないが以下の一以上によりタグが付けられる:ヨウ素−123、ヨウ素125、ヨウ素131、テクネチウム−99m、フッ素−18またはインジウム−111。さらに陽電子放出放射性同位体(例えばおよび限定なしでフッ素−18)は陽電子放出断層撮影法(PET)または陽電子放出断層撮影法−コンピュータ断層撮影法(PET−CT)を用いて造影されてもよい。他の放射性ラベル化合物は、例えば単光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)を用いて造影されてもよい。
【0191】
更なる実施形態によると、MRIを、様々にここに記載した様々なラベルマーカーの蓄積または結合を可視化または観察するのに用い得ることも理解すべきである(例えば、疼痛因子に結合させるべくあるラベルにタグをつけるか結合させたマーカーとしてガドリニウムを適用するのに)。さらに、金、酸化鉄といったようなナノ粒子が、結合のためのラベルまたはマーカーとして用いられ、その後それぞれ適切な可視化または治療様式を用いて可視化され、あるいは治療のために選択的にターゲッティングされ得る。
【0192】
椎間板起因の背部痛に関連する第3のそのような因子は、環および棘間靭帯における、前ストレスが減少する間に、機械的不安定に導く椎間板の減圧を含む。減圧と不安定は、ついで神経を刺激し得る異常な内部椎間板ストレスへ導き、椎間板起因の疼痛へ導く。異常な椎間板ストレスはまた、椎間板細胞を前炎症性にし、異常な機械的環境の不利な影響を増す可能性がある。
【0193】
神経因子のラベリングと造影
【0194】
いくつかの特別な実施形態によると、椎間板の内部または周囲の神経と関係する1以上の物質は、疼痛の場所の特定のために造影されるマーカーでラベルされる。これは、一部には、その領域で疼痛を発生させ、または伝達する可能性のある指標としての、いくつかのそのような因子の存在を前提としている。これらの実施形態は、神経それ自体と関係する構造または物質をラベリングすることを、制限なしで含む。さらに、これの詳細な態様は、特に、しかし制限されない、P物質または“CGRP”といったような神経内の物質をレベリングすることを含む。そのようなさらなる実施形態に関し、ラベルされ得る他の神経線維因子、物質、または成分は、制限されないが、一般に:TRK−α;抗TRK−α抗体;神経成長因子(NGF);抗NGF抗体;NGFアンタゴニスト;抗NGFアンタゴニスト抗体;PGP9.5;SYN;ペリフェリン;または他の形態の神経抗体、または神経関連物質を含む。ニューロフィラメント200kD(NF200)〔Johnson,2001;Ashton,1994〕といったような他の物質もまたそのようなラベリングおよびそれに続く造影のターゲットとなり得る。
【0195】
すぐ上で(そしてこの中の他の場所で)述べたこれらの非常に有益な実例となる実施形態から明らかなように、TrkAまたはNGFといったような内因性の物質は、ラベルのためのターゲットとされ得る。あるいはそのような常在物質に対する特別な結合親和性すなわち特異性を有する関連する抗体もしくは他の物質は、疼痛の領域においてそれらと結合され、その後、続いて送達されるターゲッティングされるラベルに対する結合部位を提供し得る。これに関して様々な形態の結合剤が以下この記載で広く意図される。それらは結合のためのターゲットの機能に影響する抗体で特になくてもよいが。例えば、制限されないが、抗体模倣薬は本実施形態に関して用いることができる。さらに、ターゲットとされた疼痛因子として、以下に記載された様々なそのような物質は、それ自身マーカーとしてラベルされ、他のターゲットに送達され得る。例えば、NGFは、造影のためのターゲットとされる疼痛因子としてTrkAをマークするための薬剤として、ラベルされ、人為的に送達され得る。これらのさまざまなタイプの典型的なケースの各々において、別々に送達された薬剤(例えば、ターゲットが内因性の常在物質か人為的に送達された物質かどうかに関わらず)を介してラベリングされる究極のターゲットが、本実施形態における疼痛因子として、“神経因子”であるとみなされる。
【0196】
以下の記載は、これらの本実施形態に関するこれらのタイプの化学物質および他の物質の役割のさらなる理解を提供する。様々な特別な実例となる例の利点に関する記載もまた、さらなる理解のために、本明細書の他の場所で提供される。
【0197】
椎間板は、一般に血管がなく、線維輪の外側の層および脊椎終板にわずかに神経支配があるのみである〔Fagan,2003〕。後輪部の外側の1/3は、脊椎神経の前枝の‘再発性枝’と同レベルであると考えられている洞脊椎神経からの求心性線維によってもっとも典型的に神経支配を有すると信じられている〔Nakamura,1996〕。環の腹部および側部は、最も典型的に後根神経節(DRG)によって神経支配を有すると信じられている〔Aoki,2004〕。また、上位DRGsからの知覚線維は、最も典型的に、傍脊椎の交感神経幹を介して椎間板の背部に神経を分布すると信じられている〔Ohtori,2001〕。
【0198】
終板もまた、椎体神経によって神経支配のあることが示唆されており、さらに洞脊椎神経の枝が後部神経血管の孔を通して椎体に入る可能性が示唆されている〔Antonacci,1998〕。
【0199】
神経は、通常血管を伴う。しかし、椎間板マトリクス内では、神経は隔離された神経であると認められる。背部痛の患者において見られるこれらの血管を伴わない線維は、SPと同様に成長関連タンパク質43(GAP43)を発現することが観察された〔Freemont,1997〕。小さな椎間板神経細胞は、CGRPを含み、また、高親和性神経成長因子(NGF)受容体、チロシンキナーゼA(trkA)を発現する〔Aoki,2004〕。椎間板炎症は、CGRP陽性神経細胞の増加を引き起こすことが観察された〔Aoki,2004〕。最近の研究で、NGFは、疼痛を伴う椎間板における微小血管において発現すること、主として終板を通って疼痛を伴う椎間板に入る血管に近接したtrkA(TRK−α)を発現する神経線維があることが示された〔Freemont,2002;Brown,1997〕。変性椎間板内へと成長する神経と共に、‘神経膠’またはシュワン細胞と呼ばれる特殊な神経支持細胞が、グリア細胞線維性酸性タンパク質(GFAP)を用いて局在化する。
【0200】
従って、さまざまなそのような物質は、疼痛を伴う領域(または高度に神経支配された領域)に対する必須の結合親和性すなわち特異性を提供し、疼痛因子ターゲットに送達するのためのラベルされたマーカー剤としての役割を果たし得る。あるいは、これらの物質は本発明の様々な実施形態における選択的に結合したマーカーでラベルされる疼痛因子として、特別なターゲットを提供することができる。1つの特別な有益な例において、TrkA抗体(または他の結合剤)は、疼痛と関係する位置での結合および可視化のためのマーカーとしてラベルされ、送達される。他の有益な例において、NGFそれ自身が、TrkAに対しそれ自身が結合するためのマーカーとしてラベルされ、送達される。さらなる実施形態において、これらの物質の存在量は、ターゲッティングされたラベリングのための疼痛因子自体として取り扱われる(例えば、疼痛を伴う領域におけるこれらの種類の常在化合物に対し、有益な結合親和性および/または特異性を有する抗体、または他の薬剤を使用して)。
【0201】
以下の公開されたPCT特許出願は、それについて参照することにより全体においてここに包含される:Shelton et al.を“発明者”、Rinat Neuroscience Corp.を“出願人”とする“Methods for Treating Post-Surgical Pain By Administering a Nerve Growth Factor Antagonist and Compositions Containing the Same”に関するWO2004/032870;Shelton et al.を“発明者”、Rinat Neuroscience Corp.を“出願人”とする“Anti-NGF Antibodies and Methods Using Same”に関するWO2004/058184;Shelton et al.を“発明者”、Rinat Neuroscience Corp.を“出願人”とする“Methods for Treating Pain by Administering A Nerve Growth Factor Antagonist and an NSAID And Compositions Containing The Same”に関するWO2004/073653;Shelton et al.を“発明者”、Rinat Neuroscience Corp.を“出願人”とする“Methods for Treating Pain By Administering A Nerve Growth Factor Antagonist And An Opioid Analgesic and Compositions Containing The Same”に関するWO2004/096122;およびShelton et al.を“発明者”、Rinat Neuroscience Corp.を“出願人”とする“Methods for Treating Post-Surgical Pain By Administering An Anti-Nerve Growth Factor Antagonist Antibody and Compositions Containing The Same”に関するWO2005/000194。
【0202】
これらの組み込まれた文献において記載された様々な構成および方法は、ここに記載された本発明の様々な側面および態様のさらなる実施形態によれば、ラベル/マーカーベヒクルおよび/または疼痛因子ターゲットとして、当業者は必要に応じて、援用することができる。例えば、制限なしで、NGFアンタゴニスト、抗NGF抗体、抗NGFアンタゴニスト抗体、およびこれらの様々な組み合わせまたはブレンド、またはそれらの類似体もしくは誘導体は、ここに記載した態様の更なる実施形態として、そのように包含することができる。さらに、付加的な化合物を、薬剤投与スキームにおいて、または例えばオピオイド、NSAID、または疼痛の治療に関する他の分子もしくは薬剤といった、ラベルされたマーカーのための付加的なターゲットとしても含めることもできる。
【0203】
血管因子のラベリングおよび造影
血管は一般に、神経の側に沿って神経と共に存在するため、血管に関する因子もまた、血管自体についてのしるしとして、または領域内の付随する神経支配の指標として、ラベルされ造影され得る。それは、ここで意図され、以下に幾分さらに詳細に記載される更なる実施形態の構成要素となる。1つにおいて、PECAMおよび/またはCD34〔Freemont,2002;Brown,1997〕は、血管に関する因子として好ましいターゲットとなり得、従って特定の位置または領域におけるそれらの存在を示す。他の適切なターゲットの例は、内皮細胞のためのGFAPを含む〔Johnson,2001〕。この記載および他の入手可能な情報の検討に基づき当業者に明らかなように、他の微小血管に関連する因子は、ここに特に記載していないけれども、含まれる。。
【0204】
炎症性因子のラベリングおよび造影
ここで意図される更なる実施形態によれば、炎症性因子それ自身は、ターゲットマーカーでラベルされ、位置または領域における疼痛の指示薬として造影され得る。そのような因子の1例にサイトカインが含まれ、例えば、これに限定されないが(特に有益と考えられるが):tnf-a、またはIL−1,6または8(または他のインターロイキン)といったようなある特定のインターロイキンが挙げられる。他の前炎症性の因子の例としては、MIFおよびPGEが含まれる。
【0205】
疼痛と結びつくと考えられる特定の活性または環境的動様を示すと考えられ、従ってターゲッティングされるマーカーを使用して、ラベリングし、造影するための適当なターゲットと考えられる他の因子は、pH(例えば、特別なマーキングにおいて、疼痛の表示として低pH;またはO2レベル、例えば特別なマーキングにおいて、疼痛の表示として低O2)を含む。
【0206】
本文脈において、サイトカインは一般に、炎症を媒介し調節する、低分子の分泌タンパク質として記載される。それらは一般に近距離、短時間および極めて低濃度で作用する。それらは一般に、しばしばその後セカンドメッセンジャー(後述する)を介して細胞にシグナルを送り,遺伝子発現を変化させる特異的な膜受容体に結合することにより機能する。サイトカインに対する反応は、膜タンパク質(サイトカイン受容体を含む)の発現、細胞増殖およびエフェクター分子の分泌の増加または減少を含む。サイトカインは、されらを発現する細胞(自己分泌作用)、近傍の細胞(パラクリン作用)、またはいくつかの場合では遠方の細胞(内分泌作用)に対して作用し得る。同一のサイトカインを分泌するさまざまな細胞型、またはいくつかの異なる細胞型において作用するための単一のサイトカイン(多面作用)は一般的である。サイトカインは、非常に強い活性を有し、1つのサイトカインが追加のサイトカインを生成するそのターゲット細胞を活性化させるように、カスケードにおいてしばしば生成される。サイトカインは、また相乗的にまたは拮抗的に作用することができる。
【0207】
特定のサイトカインの上昇値が、ヒトの椎間板において測定され、変性および疼痛と関係した。見出された主なサイトカインの中には、例えば、制限されないが:インターロイキン−1、−6および−8、組織壊死因子−アルファ(TNF−α)およびプロスタグランジンE2(PGE)が挙げられる〔Miyamoto,2000;Ahn,2002;Olmarker,1998;Weiler,2005〕。サイトカインの源は、椎間板ヘルニアの場合においては循環する炎症細胞〔Kawaguchi,2002;Woertgen,2000〕、または椎間板変性が含まれる場合においては椎間板細胞であり得る〔Burke,2002〕。
【0208】
椎間板細胞に関し、炎症性因子の生成は、例えば、分解した細胞外マトリクス断片またはマトリクス変形により、いくつかのシグナルカスケード(後述する)の一部として促進され得る(図1)。これらの例となる前炎症性の刺激は、細胞が、マトリクスメタロプロテイナーゼ1,9および13の生成を含む、組織の修復および再形成を活性化させる多くの異化作用のプログラムを開始するきっかけとすることができる〔Anderson,2002〕。この損傷治癒過程の間に、サイトカインは、また血管新生と肉芽組織形成を活性化させることに関わる〔Gillitzer,2001〕。
【0209】
IL−1およびTNF−α
IL−1bおよびTNF−αは重複した、炎症促進効果をもたらす、共通のシグナルカスケードを活性化する、および同じようなターゲット遺伝子を誘発することが観察された(Faurの引例参照)。IL−1とTNF−αに対する炎症反応を媒介するエフェクターカスケードは、マイトジェンによって活性化されたタンパク質キナーゼ(MAPK)、NF−κβおよびプロスタグランジンシグナル伝達経路を含む(shalom-barak)。一酸化窒素シグナル分子は、また炎症性カスケードの重要な成分を形成し得る。
【0210】
組織壊死因子−アルファ(TNF−α)へのラベリングを介して造影することは、椎間板および脊椎の神経根を化学的に過敏化することができ、それによって腰痛に貢献する炎症促進性サイトカインを造影するために、マーキングの一つの特別な有益な例を提供する。研究は、正常および変性したマウスの尾の椎間板の組織学の分野において、TNF−αの位置を特定するために免疫組織化学を利用することが行われてきた。これらの研究は、椎間板を圧迫で変性を引き起こした後に、TNF−αのレベルが増加することを示唆する(図2A−D)。
【0211】
本発明の位置特定モダリティに基づき、TNF−αを明らかにするために、TNF−α含有量における変動がインビボで造影されるように、TNF−α抗体をI−125でラベルする構成および方法は発達した。実験は、以下のようにこの方法の有効利用を観察および確認するために行われた。図3に示されるマウス30のようなマウスは、尻尾の椎間板変性(図3)を始める状態に置かされ、そして、それからTNF−α抗体をラベルするI−125が静脈内に注入される。これらの動物は、それから図4に示すプレート50のような蛍光体造影プレートで造影される。この構成および造影方法を使用すると、図5の画像60において見られるような、負傷した椎間板の部位において、取り込み量が増加したことが直ちに観察されることが実証される。ここで図5において、同じラベルマーカー注入を受けたけれども負傷しなかった、画像中の中央に位置する比較対照の両側に配置された2グループにおいて4匹の負傷した尻尾が示される。
【0212】
この特別な実験は、特別な放射性ラベルTNF−αブロッカー、より具体的にはインフリキシマブ(商標名“RemicadeTM”Johnson&Johnson社製)を使用しながら行われ、そして本発明に関する有益な使用のために適した1つの例となる実施形態が行われる。この特別なモダリティは、記載されている特定モードにおいて高く有益と考えられているので、また本発明の多くの広い態様の例となり、ここに意図される多くの代替的または組み合わせアプローチにより説明され得る。
【0213】
1つの点については、本実施形態は、実際にいくつか疼痛に関する治療(例えばTNF−α抗体またはブロッカーの他の形態)を提供し、また、治療中(ラベルマーカーとして、実施例における実施として、またはターゲット因子それ自体)の疼痛の部位を造影するために使用される、治療用組成物の使用例を提供する。このステップは、造影された部位を付加的に処理し、その後、追加の空間的に局部的または方向を持った治療を行うことができる。この中の他の場所で記載したような方向を持ったエネルギー療法、またはさらに類似もしくは他の治療用組成物の局部注入の例は含まれるがこれに限定されない。
【0214】
他のさらに特別な点について、TNF−αブロッカーまたは抗体は、本発明に関し使用に有益に適する治療用組成物の種類として意図され、その中で、インフリキシマブまたはRemicadeTM(またはそれについての類似体もしくは誘導体)は、このように特に有益な実施形態において使用される。これらは、疼痛が起こり得る神経末端で選択的に取り込まれる利点、および、それ故に疼痛を造影するラベリングのための特別に有益なターゲッティングされる薬剤を提供する。それらはまた、疼痛それ自身に対し、ある治療上の価値の利点を提供する。
【0215】
さらに、造影のためのラベルを提供し得る、またはターゲット因子の形態をとり得る(それ自身により、あるいは第一の常在因子との抱合または結合の効能により)、一例としてここに記載した抗体のようなターゲッティングされる薬剤は好ましい。後のケースにおいて、第一の因子の投与は、それからラベルマーカー(再度、それ自身の造影、あるいは造影された部位に対する第1の投与された薬剤との結合、随伴または抱合として)としての第2の因子の投与により、次のラベリングを受けやすい。
【0216】
MAPK経路
MAPKs形態は、細胞内のシグナル経路を、自己伝搬のリン酸化システム上に形成する(図6)。MAPKsの活性化は、サイトカイン受容体により誘発される極めて重要な細胞内の経路の1つである(Shalomberak)。3つのMAPKサブグループは特定された:細胞外のシグナル調節キナーゼ(ERK);JunNH(アミノ)末端キナーゼ(JNK);およびp38(geng、その他)。軟骨細胞において、JNKおよびp38はIL−1およびTNF−αに対応してのみ見られるが、ERK活性は多様な刺激に対応して生じる(Firestein,Iiancini):このシグナル経路は、軟骨退化に関与すると考えられている(geng)。JNKおよびp38は、まとめてストレス活性化タンパク質キナーゼ(SAPKs)と呼ばれる。シグナルは、p38のリン酸化および活性化の代わりに、Rho系の膜近位小GTPアーゼ、MLK活性、並びにMKK3/6のリン酸化反応および活性によって開始される(Faur)。
【0217】
1つの重要なMAPK活性の終点は、リン酸化活性の活性化タンパク質1(AP−1)転写因子(c−Junおよびc−Fosのヘテロダイマー)の生成であり、同様に軟骨細胞コラゲナーゼ活性に影響を与えることができる(mengshol, Ferreria refs)。AP−1は、コラゲナーゼおよびストロメライシンを含む多くのMMP遺伝子の転写規制における中心的役割を果たす(mengshol ref,Firestein)。同様に、MIFは、細胞増殖およびPGE生成に導くMAPK経路およびAP−1を活性化させ、最終的に単球/マクロファージ活性化を促進する。ある公表されたデータは、MIFが、慢性的な情緒的ストレスの条件下で特に上方に調節し、例えばここで記載した例のような他の炎症性因子のレベルの上昇を促進することができる、ことを示唆する。従って、MIFをラベルすることは、さまざまな本態様の更なる実施形態を提供する。
【0218】
ERK経路は必須ではないが、JNKおよびp38は、mmp−13のIL−1誘導のために必須要素である。p38は複数の炎症遺伝子にとって必須であり、II−1、TNF−α、II−6、ストロメライシン−1(mmp−3)、およびmmp−1(mengeshol)を含む。
【0219】
疼痛に関する経路または分子カスケードに関するさまざまなそのような物質は、ラベルマーカーのためのターゲットおよびそれに続くここに記載した造影を提供することができ、そして、有益な例として示されたそのような物質は、有益な価値を有するが、この記載に従って意図される広い態様を何ら制限するものではない。さらに、そのような他の常在の物質は、また、疼痛に関する組織において、選択的に取り込みを行うことができる。そのような場合において、これらの他の常在の物質(またはそれらに類似する合成の、もしくは他の生物学的作成物、例えばそれについての類似体または誘導体)は、また、ラベルマーカーとして投与のために用いられ、ラベルされ得る。さらに、それらの選択的取り込みのため、疼痛の部位における特定の分子の際立った蓄積濃度は、また、それらに結合し、ラベルマーカーでラベルするための疼痛因子それ自身として、それらを生存ターゲットにする。
【0220】
NF−κβ経路
さらに、MAPK誘導に関し、IL−1およびTNF−αは、NF−κβを活性化する。NF−κβは転写因子であり、未刺激の細胞の細胞質において潜在型で存在し、タンパク質抑制剤(Iκβ)に結合する転写活性のあるダイマー(p65およびp50)から構成される(Bowie,Magnani)。NF−κβは、多数の異なるシグナルにより活性化され、SAPKsを活性化する類似の細胞ストレスシグナルを含む。IL−1およびTNF−αは、Iκβのリン酸化反応および分解を誘発し、細胞核に入るためにNF−κβの放出を引き起こす(refs in Shalom;Baeuerle)。NF−κβ活性は、キナーゼ含有NF−κβ(NIK)から開始したカスケードを介して生じ、それからNF−κβ(Iκβ)キナーゼの阻害剤を活性化する。Iκβのリン酸化反応は、NF−κβに、コラゲナーゼ(MMP−1;Barchowsky)(Mengshol,magnani)及びCOX−2(Mifflin)を含有し、転写因子としての役割を果たすと共にそのターゲット遺伝子を制御する、細胞核へ転座することを可能としながら、Iκβ阻害サブユニットのユビキチン化および分解を引き起こす。図7は、このカスケードのいくつかの更なる詳細および成分間の関係を示す。
【0221】
プロスタグランジン経路
エイコサノイドは、自己分泌方法において役割を果たすシグナル分子である。炎症促進性刺激は、3つの酵素反応のカスケードを含むリン脂質由来のエイコサノイド合成の増加に導くことができる(図8)。第一にアラキドン酸(AA)は、ホスホリパーゼA2(PLA2)により、リン脂質貯蔵場所から遊離されている。次の律速段階は、シクロオキシゲナーゼ(COX)によるプロスタグランジン(H2)へのAAの転換である。
【0222】
プロスタグランジン経路は、IL−bによって活性化される。このサイトカインは、NF−κβ経路を介してCOX−2プロモータ活性において最終的に増加に導く、特定の細胞表面受容体(IL−1RI)に結合することにより、PLA2の活性の増加およびCOX−2遺伝子発現を誘導する(Faur ref,geng)。軟骨細胞において、COX活性はTNF−αにより増加されない。より正確には、TNF−aは、IL−1活性化細胞においてCOX活性を増幅することができる(Berenbaum)。
【0223】
プロスタグランジンE(PGE)は、増殖抑制およびプロアポトーシス促進効果の両方を有し、軟骨細胞の異化作用を活性化させる(berenbaum ref,also goldring ref in liancici)。PGEの増加は、それゆえに異化作用に対するバランスを傾ける可能性がある。
【0224】
一酸化窒素
一酸化窒素(NO)は、小さいシグナル分子であり、IL−1およびTNF−αによる誘導により軟骨細胞における、異化作用のプログラムの一部である(Lotz;Goldring)。それは、NOシンターゼ(iNOS)の誘導性イソ型により細胞内で生成され、そして、それから近接している細胞に影響を与えるため、細胞膜を介して直ちに通過する。短い半減期(5から10秒)を有するため、局部的にのみ作用し、さらに関節炎疾患の病態生理学において重要な役割を果たす(Ferreira Mendes)。アポートシス(ミトコンドリアからシトクロムcの放出を活性化させることにより)および炎症(COXおよびPLA2を活性化させることにより(Vassalle,clancey))の誘導;コラーゲンおよびプロテオグリカンの合成を抑制する;およびMMP合成を上方制御する、ことが証明されている(Scheurwegh)。
【0225】
IL−1およびTNF−αは、iNOSの遺伝子発現および合成を、転写因子NF−κβおよびAP−1を介して増加する。NF−κβの活性は、iNOS誘導のために必須のステップである(Mendes refs参照)。また、p38は、軟骨細胞におけるiNOS発現を誘導するIL−1を要することが報告されているので、MAPKp38は、NF−κβの活性およびそれに続くiNOS発現に関与し得る幾つかの証拠がある(Mendes)。
【0226】
炎症に関する細胞因子のラベリング/造影
炎症性因子を生成または炎症性因子に関する細胞は、またターゲットマーカーでラベルされ、そしてその後、範囲内で疼痛の存在する表示として造影されることができる。例えば、炎症性因子を活発に合成する椎間板細胞は、そのようにラベルされ得る(またはラベルされ得るそれについての成分)。炎症細胞は、疼痛を有する椎間板に誘引され、例えば、白血球は、この目的のためにラベルされ造影され得る。
【0227】
以下の論文は、それについて参照することにより全体においてここに包含される。
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【0228】
上述の開示に基づき、疼痛因子は、地理的特異性の有用な程度で、骨格関節内または周辺の活性な疼痛の部位を、特定するためにラベルおよび造影されることが好ましい。例えば、局部除去またはエネルギー投与システム、および/または局所薬物投与にて、疼痛の源の診断のために、および鎮痛のためにどこでどのように治療するかの理解のために、特に高く有益であると考えられる。
【0229】
ここで特定の技術的な性質の様々な用語は使用された。そして、別段の、この記載に従って特定の意味が与えられなければ、この記載が関連する特定の技術の状況において、および他の付随する開示と共にこの記載の中でのそれらの使用の状況において、それらの標準の技術的意味が与えられるべきである。上記に関わらず、ある特定の物質または物質の種類は特定され、一方他の類似物質または物質の種類もまた、本発明が意図する広範において、関与することが意図される、と理解される。例えば、“疼痛因子”は、ここでは様々な本実施形態において、役割を果たすものと特定される。そのような用語は、構造的、化学的または他を問わず、ありとあらゆる物質を意味することが意図され、それは、それらに結合するような疼痛に直接的または間接的に関連性を有し、疼痛に関する診断または治療を高めるための手段を提供する。1つの特別な例において、神経に沿ってまたは神経間の疼痛のシグナルを伝えることに関する因子は含まれる。または、“炎症性”物質のような疼痛を活性化させる因子は示される。疼痛に関する化学的または生物学的カスケードにおいて、第2または第3次生成物またはそのような疼痛の発生または伝達過程の成分に関する因子のような、他の点に関する物質は、また関係する。
いつどこに疼痛が存在するのか多少認識できる方法で、そしていつどこに疼痛が存在しないのかよりも異なるレベルまたは方法で、もし、因子がはっきりと存在(または欠損)する場合、そのときここに記載したような“疼痛因子”が考慮される。この用語“因子”の使用は、例えば“炎症性因子”、“細胞因子”“神経因子”その他といったような、ここに提供される他の状況において同様に適用される。
【0230】
他の点において、ここに提供された試薬または物質のある特定の例はまた意図され、他の関係する成分は、そのような特定の成分に対し追加または代替で介入し得る。例えば、特定の物質に関する薬剤は代替に適することができ、参照された特定の“因子”または“ラベル”または“他の化合物”または“物質”を生成するために、代謝または他の方法で変更され得る物質、例えば前駆体物質を含み得る。特定の物質の類似体または誘導体は、また同様の使用または準備またはシステムに適し得る。これは、例えば、ラベルされた疼痛因子またはターゲッティングされるラベルとしてここに記載されたように作用するために特定物質の関係する結合または他の活性を保有する、特定物質の変形した分子形態を含む。
【0231】
さらに、タグに対する“マーカー”または“ラベル”の使用または“因子”にラベルをすることは、この記載に従って意図される広い態様の一般の総合的な理解を提供する目的のために、かなり単純な用語で、一般的にここに記載される。しかしながら、そのような“ラベルされた疼痛因子”を得るために使用される実際のステップおよび/または物質は、ここに記載されたよりも広範囲に及び得る。たとえ、他の有用な関連情報とこの記載の全体との組み合わせの検討に基づいて、当業者によって実行され得るとしても、このように、この記載に従ってさらに意図される。例えば、中間のタグ化、ラベリングまたは結合は、有用な方法をもたらすラベルされた異なる画像を提供するために必要なラベルされたマーキングを得るために有益に使用され得る。
【0232】
1つの更に例となる実施形態において、二重特異性抗体は以下のような方法で使用され得る。二重特異性抗体の1つの結合部位は、ターゲットとされた疼痛因子に対し、特別な結合親和性を提供し、従ってその因子に対し特異的結合をする。しかしながら、これは第2の結合部位を離れて露出させ、第2の結合部位は、ラベル剤として第2の物質に特異的に結合する。この第2の物質はその後、疼痛マーカーに対する第1の部位で固定して二重特異性抗体の第2の結合部位に対し結合する。この結果は、この中間の二重特異性抗体の使用を介して疼痛因子に対してタグされる、第2の物質を介して疼痛因子にラベルされたマーカーを提供する。
【0233】
また理解されることは、ここに記載したラベルされた疼痛因子のマーキングは、その後結果を造影することに関し、特に有益である。“ラベルされた疼痛因子”を造影することは、一般的に記載され得るが、特別な画像診断技術によって造影されるものは、制限なく含まれ得ると理解される。:ラベルプラス因子の全体的な結合または組み合わせ;ラベル自体;因子自体(例えば、ある程度、ラベルされたマーキングによって認識可能な方法で変性された);または上記の組み合わせ、例えば、ここに記載した二重特異性抗体のような中間結合物質を使用する更なる様式に含まれる。
【0234】
1つの特別なラベルマーカー及び疼痛因子の組み合わせの例は、更なる理解を提供するためにさらに詳細において提供される、ここに記載した実施形態の幾つかに関して有用であると信じられる。これは、放射性ラベルTNF−α抗体に関し、ここに記載した画像手段に関する。しかしながら、このアプローチは、特に高く有益であるが、本発明の広い態様の例示であること、および他のラベリングおよび/またはマーカーモダリティ、または制限なく抗体のようなターゲット手段、および/または造影手段は意図され、そして本発明の様々な態様に関する意図した広い範囲から逸脱することなしに使用され得ることは十分に理解される。
【0235】
更なる態様に関する本発明は、筋骨格の関節に関する疼痛や特定の脊椎における疼痛に限定せずに含まれる、疼痛へ直接治療するための独自の能力を提供する。従って、更なる実施形態に関する本発明のシステムおよび方法は、またそのような治療を実現させるための治療デバイスアッセンブリを含む。そのように局所薬物または他の化学的投与モダリティを含み得る。または、例えば高周波(RF)エネルギー投与プローブ、超音波プローブ、高密度焦点式超音波(HIFU)、光エネルギー(例、例えばレーザー)、マイクロ波のようなエネルギーの治療上の投与は投与し得る、または冷凍血管の治療用手段は使用し得る。疼痛因子を選択的に可視化することにより、どこで治療が求められているのか特定することによって、これらの手段はより効果的な方法で使用し得る。従って、ラベルマーカー、可視化または造影手段の構成および治療上の手段は全体的なシンフォニー(symphony)において使用され、同時に、疼痛の治療において、有益な医療結果を提供する。
【0236】
これは背部痛に関して特別なケースである。例えば、椎間板は疼痛の源として特定し得るが、更なる明瞭性の欠如は、選択的な方法で疼痛を治療することを難しくする可能性がある。度々、椎間板全体の除去は望まれない。いくつかの更なる実施形態によると、ラベルされた疼痛因子のマーキングおよび関係する造影は、疼痛が起きる場所をより明確に特定するために使用される。1つの様式において、少なくとも椎間板の1/2は、治療のためのターゲットとして特定される。別の態様において、ラベルされたマーカーの可視化は、椎間板の1/4象限以上に対する治療のためのターゲットを局所化する。更なる実施形態において、直接的な局所エネルギー投与、例.レーザー、超音波、またはマイクロ波は、可視化されたラベルされた疼痛因子の隔離された部位に対する隔離治療のために特に有益となり得る。さらに、鎮痛剤の局所注入は、そのようなターゲッティングされるラベルおよび関連した疼痛局在の造影を介して行われ得る。
【0237】
他の高い有益な態様において、この記載に従って記載されたターゲットマーカーと共に可視化される疼痛因子は、少なくとも骨内部の一部に位置する神経に関することができる。これは、侵害受容性神経線維に神経支配された骨の終板に関する例のためのケースで有り得る。一つの特別有益な実施形態において、ここに記載したような疼痛因子の造影は、疼痛の源として椎体の1以上の特定の終板を局所的に特定するために使用される。従って、多くのそのような例において、椎体除去手段セットおよび方法は、終体を神経支配する椎体神経を除去するために使用され得る。これは、例えば、椎体に1以上の針またはドリルプローブを介して投与される、骨内部の根幹部に近い神経を高周波除去するために使用される、単極または双極性電極アッセンブリを使用しながら、なされ得る。独自に局部的方法で疼痛を治療するために、この特別有益な手段および方法の組み合わせに関わらず、しかしながら、他の局在する疼痛の源は、様々な有用なターゲットマーカーを使用しながら選択的に造影され得ること、そして様々な手段または方法は、本発明の現に意図した範囲から逸脱しないで、それに応じて直接の治療に使用され得ること、は十分に理解されることである。
【0238】
以下のUS特許は、それについて参照することにより全体においてここに包含される:Burdette et al.による5,391,197; Hynynen et al.による6,074,352; Sharkey et al.による6,126,682; Kaufman et al.による6,231 ,528; Ogden et al.による6,368,292; Kraus, Jr. et al.による6,470,220; Shah et al.による6,562,033; Rittman III et al.による6,575,969; Heggenessによる 6,699,242; Pellegrino et al.による 6,736,835; Ryan et al.による6,827,716; Pellegrino et al.による6,907,884。以下の公開されたPCT出願は、それについて参照することにより全体においてここに包含される: Diederich et al.によるWO 2003/059437; およびDiederich et al.によるWO 03/061756。以下の公開されたUS特許出願は、またそれについて参照することにより全体においてここに包含される: Pellegrino et al.によるUS 2004/0064137;およびPapineau et al.によるUS 2004/0064136。
【0239】
様々な “画像”の異なる様式および関連する手段は、この記載に従って一般的な目的を達成するために採用されるターゲットマーカーモダリティに適合することは当業者にとって明らかであるとして、ここに含まれる。1つの点に関し、様々な診断手段は、ターゲットとされた疼痛因子に関する、および周囲組織に対して特定の部位に関する、情報を得るために使用され得る。この情報は処理され、疼痛に関係した特定の部位を解明するために十分なおよび有用な方法で、医療提供者に表示または別の方法で伝達され得る、説明に変換され得る。従って、様々なタイプのセンサー、データ収集システム、処理装置および表示装置は、そのような医療提供者に、ラベルされたマーキングを、有用な情報へ変更するための様々な組み合わせにおいて使用され得る。これらの多くは、医療患者管理に有用な情報を十分に提供するために全体的なシステムにおいて、ここに記載したターゲットマーカー剤および投与システム(さらに医療上の態様を含み得る)に、容易に組み込むために商業的に十分な形で入手できる。
【0240】
上記の記載は多くの詳細を含むが、これらは発明の範囲を制限すると解釈すべきではなく、この発明の現に好ましい実施形態のいくつかの例示を単に提供したにすぎない。それゆえに、本発明の範囲は、当業者にとって明らかになり得る別の実施形態を十分に包含すること、および本発明の範囲は従って、請求の範囲を追加するだけにより、(そこでは単数の要素に関し、はっきりとそのように明記された場合を除いて、“唯一の”を意味することを意図しているものではなく、むしろ“1以上”である)制限されること、は十分に理解され得る。当業者に知られる上記記載の好ましい実施形態の要素に対する全ての構造的、化学的および機能的均等物は、引例によってここに明確に組み込まれ、現クレームによって包含されると意図される。さらに、現クレームによって包含されるために、本発明によって解決されようとする、ありとあらゆる問題を扱うための装置や方法は不要である。さらに、現記載において、要素、成分および方法ステップがなくても、要素、成分または方法ステップがクレームにおいて明確に列挙されたかに関わらず、公開のために使われることが意図される。ここでクレーム要素がないものについては、“方法”という表現を用いながら明確に列挙された要素である場合を除いて、米国特許法112条6項のもとで解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0241】
発明は、説明に役立つ目的のみのための以下の図の参考によってより十分に理解される。
【図1】図1は炎症と疼痛に関係するある種のカスケード図を示す。
【図2】図2A−Dは、以下のように疼痛と関係するある因子の存在を示す組織学スライドの着色した横断面を示し、ここでNは髄核、Aは線維輪、そしてGは成長プレートを示す。 図2Aは、TNF−アルファが髄核の周囲に局在することを証明している(茶色染色)正常なマウスの尾の椎間板の中部矢状断面を示す。図2Bは、正常なマウスの椎間板に局在するTNF−アルファは、一般に予期されるように成長プレートの肥大ゾーンにおいて存在することを示す。図2Cは、圧迫された椎間板においてTNF−アルファが増加することが核および内部の環において明白であることを示す。 図2Dは、圧迫された椎間板において観察された核および内部の環においてTNF−アルファが増加したことおよび成長プレートにおける不規則性を示す。
【図3】図3は、実験用のモデルに関するマウス30の概略図を示す。図のマウスの尻尾36は疼痛因子の評価のために固定具40によって負傷している。
【図4】図4は、図3で示したマウスの負傷モデルに関する実験的な設備を示す。図の一連のマウス30は、それらの各尻尾を、蛍光体造影プレート50を介して見るために配置される。
【図5】図5は、4匹の治療マウスと1匹の対照マウスの尻尾(図において中央に配置された)のために、図4において示した設備に関する蛍光体造影プレートから撮像された画像60を示す。
【図6】図6は、特定の疼痛因子と関係を有するMAPKシグナル経路の概略図を示す。
【図7】図7は、特定の疼痛因子と関係するNF−κβ経路の概略図を示す。
【図8】図8は、特定の疼痛因子と関係するプロスタグランジン経路の概略図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の組織の領域と関係する位置での、限局性の活発な疼痛の源に関する医学的処置の実施方法であって、
造影手段を用いて、疼痛因子を造影する能力を実質的に増大させるように、当該位置で該疼痛因子を人工的にラベリングすること;および
当該位置における第1の濃度のラベルされた疼痛因子と、当該位置に隣接する組織における第2の濃度のラベルされた疼痛因子とを、選択的に区別するのに十分な様式で、ラベルされた疼痛因子を造影することを含む方法。
【請求項2】
ターゲッティングされるラベルを含み、当該位置で疼痛の源と関係する疼痛因子に示差的に結合して、これをラベリングするように適合させた、実質的にターゲッティングされる薬剤を患者体内に送達させること;および
該疼痛因子に該ターゲッティングされるラベルを結合させることにより、当該位置で該疼痛因子を人工的にラベリングすることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
疼痛因子が、神経因子、血管因子、細胞因子もしくは炎症性因子またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
疼痛因子が神経因子を含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
神経因子が、神経線維または神経線維と関係する細胞構造の少なくとも1つと関係する少なくとも1つの物質を含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
神経因子が神経線維と関係する物質を含む、請求項4記載の方法。
【請求項7】
疼痛因子が血管因子を含む、請求項3記載の方法。
【請求項8】
血管因子が、血管または血管と関係する物質もしくは構造の少なくとも1つを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
血管因子が、微小血管と関係する物質または構造を含む、請求項7記載の方法。
【請求項10】
疼痛因子が細胞因子を含む、請求項3記載の方法。
【請求項11】
細胞因子が、少なくとも1つの炎症性因子を産生する細胞と関係する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
細胞因子が、少なくとも1つの炎症性因子と関係する、請求項10記載の方法。
【請求項13】
細胞因子が、炎症性因子を活発に産生する細胞と関係する、請求項10記載の方法。
【請求項14】
細胞因子が、当該位置で第2の疼痛因子に誘引されるタイプの炎症細胞と関係する、請求項10記載の方法。
【請求項15】
炎症細胞が白血球を含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
疼痛因子が炎症性因子を含む、請求項3記載の方法。
【請求項17】
炎症性因子がサイトカインを含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
疼痛因子が、P物質またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項19】
疼痛因子が、CGRPまたはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項20】
疼痛因子が、trkAまたはその類似体もしくは誘導体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項21】
疼痛因子が、trkA結合剤または抗trkA抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項22】
疼痛因子が、神経成長因子(NGF)またはその類似体もしくは誘導体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項23】
疼痛因子が、NGF結合剤または抗NGF抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項24】
疼痛因子が、NGFアンタゴニストまたはその類似体もしくは誘導体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項25】
疼痛因子が、NGFアンタゴニスト結合剤または抗NGFアンタゴニスト抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項26】
疼痛因子が、神経の結合剤または抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項27】
疼痛因子が、PGP9.5またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項28】
疼痛因子が、SYNまたはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項29】
疼痛因子が、ペリフェリンまたはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項30】
疼痛因子が、ニューロフィラメント200kD(NF200)またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項31】
疼痛因子が、TNF−αまたはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項32】
疼痛因子がTNF−αブロッカーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項33】
疼痛因子が、インフリキシマブ、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項34】
疼痛因子が、PECAMまたはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項35】
疼痛因子が、CD34またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項36】
疼痛因子が、GFAPまたはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項37】
疼痛因子が、インターロイキンまたはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項38】
インターロイキンが、IL−1またはその類似体もしくは誘導体を含む、請求項37記載の方法。
【請求項39】
インターロイキンが、IL−6またはその類似体もしくは誘導体を含む、請求項37記載の方法。
【請求項40】
インターロイキンは、IL−8またはその類似体もしくは誘導体を含む、請求項37記載の方法。
【請求項41】
疼痛因子が、PGE−2またはその類似体もしくは誘導体もしくは結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項42】
疼痛因子が、組織内のpHと関係する因子またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項43】
ラベルされた疼痛因子が、当該位置での所定の閾値を下回る比較的低いpHを表示する、請求項42記載の方法。
【請求項44】
疼痛因子が、組織内のpO2と関係する因子またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項45】
ラベルされた疼痛因子が、当該位置における比較的低いpO2を表示する、請求項44記載の方法。
【請求項46】
ターゲッティングされるトラベルが、神経因子、血管因子、細胞因子、炎症性因子、またはそれらの結合剤もしくは抗体の少なくとも1つを含む、請求項2記載の方法。
【請求項47】
ターゲッティングされるラベルが、神経因子またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項46記載の方法。
【請求項48】
神経因子が、神経線維または神経線維と関係する細胞構造またはそれらの結合剤もしくは抗体の少なくとも1つと関係する、少なくとも1つの物質を含む、請求項47記載の方法。
【請求項49】
神経因子が、神経線維またはその結合剤もしくは抗体と関係する物質を含む、請求項47記載の方法。
【請求項50】
ターゲッティングされるラベルが、血管因子またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項46記載の方法。
【請求項51】
血管因子が、血管の構造またはその結合剤もしくは抗体と関係する物質を含む、請求項50記載の方法。
【請求項52】
血管因子が、微小血管の構造またはその結合剤もしくは抗体と関係する物質を含む、請求項50記載の方法。
【請求項53】
ターゲッティングされるラベルが、細胞因子またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項46記載の方法。
【請求項54】
細胞因子が、少なくとも1つの炎症性因子を産生する細胞またはその結合剤もしくは抗体と関係する、請求項53記載の方法。
【請求項55】
細胞因子が、少なくとも1つの炎症性因子またはその結合剤もしくは抗体と関係する、請求項53記載の方法。
【請求項56】
細胞因子が、炎症性因子を活発に産生する細胞、またはそれについての結合剤もしくは抗体と関係する、請求項53記載の方法。
【請求項57】
細胞因子が、当該位置で疼痛因子に誘引されるタイプの炎症細胞、またはその結合剤もしくは抗体と関係する、請求項53記載の方法。
【請求項58】
炎症細胞が、白血球またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項57記載の方法。
【請求項59】
ターゲッティングされるラベルが、炎症性因子またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項46記載の方法。
【請求項60】
炎症性因子がサイトカインの結合剤または抗体を含む、請求項59記載の方法。
【請求項61】
ターゲッティングされるラベルが、P物質の結合剤または抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項62】
ターゲッティングされるラベルが、CGRPの結合剤または抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項63】
ターゲッティングされるラベルが、trkAの結合剤または抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項64】
ターゲッティングされるラベルが、抗trkA抗体またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項65】
ターゲッティングされるラベルが、神経成長因子(NGF)、またはその類似体もしくは誘導体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項66】
ターゲッティングされるラベルが、NGF結合剤または抗NGF抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項67】
ターゲッティングされるラベルが、NGFアンタゴニスト、またはその類似体もしくは誘導体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項68】
ターゲッティングされるラベルが、NGFアンタゴニスト結合剤または抗NGFアンタゴニスト抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項69】
請求項2の方法において、前記ターゲッティングされるラベルは、神経結合剤もしくは抗体、またはそれについての類似体もしくは誘導体を含む。
【請求項70】
ターゲッティングされるラベルが、PGP9.5、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項71】
ターゲッティングされるラベルが、SYN、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項72】
ターゲッティングされるラベルが、ペリフェリン、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項73】
ターゲッティングされるラベルが、ニューロフィラメント200kD(NF200)、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項74】
ターゲッティングされるラベルが、TNF−α、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項75】
ターゲッティングされるラベルがTNF−αブロッカーを含む、請求項2記載の方法。
【請求項76】
ターゲッティングされるラベルが、インフリキシマブ、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項77】
ターゲッティングされるラベルが、PECAMの結合剤または抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項78】
ターゲッティングされるラベルが、CD34の結合剤または抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項79】
ターゲッティングされるラベルが、GFAPの結合剤または抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項80】
ターゲッティングされるラベルが、インターロイキンの結合剤または抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項81】
インターロイキンの結合剤または抗体が、IL−1の結合剤または抗体を含む、請求項80記載の方法。
【請求項82】
インターロイキンの結合剤または抗体が、IL−6の結合剤または抗体を含む、請求項80記載の方法。
【請求項83】
インターロイキンの結合剤または抗体が、IL−8の結合剤または抗体を含む、請求項80記載の方法。
【請求項84】
ターゲッティングされるラベルが、PGE−2の結合剤または抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項85】
ターゲッティングされるラベルが、組織内のpHと関係する因子またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項86】
ラベルされた疼痛因子が、当該位置での所定の閾値を下回る比較的低いpHを表示する、請求項85記載の方法。
【請求項87】
ターゲッティングされるラベルが、組織内のpO2と関係する因子またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項2記載の方法。
【請求項88】
ラベルされた疼痛因子が、当該位置における比較的低いpO2を表示する、請求項87記載の方法。
【請求項89】
ターゲッティングされるラベルが放射性物質を含む、請求項2記載の方法。
【請求項90】
ターゲッティングされるラベルが、放射性ラベルされたTNF−α抗体、またはその類似体もしくは誘導体を含む、請求項89記載の方法。
【請求項91】
ターゲッティングされるラベルが、放射性ラベルされたヨウ素を含む、請求項89記載の方法。
【請求項92】
放射性ラベルされたヨウ素がI−125を含む、請求項91記載の方法。
【請求項93】
蛍光体造影プレートを含む造影手段を用いて、ラベルされた疼痛因子を造影することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項94】
第1の疼痛因子に結合するように適合させた第1の結合剤を体内に送達させること;
第1の結合剤が第1の疼痛因子に結合した後、患者の体内にターゲッティングされるラベルを送達させること;をさらに含み、
該ターゲッティングされるラベルが、第1の結合剤および第1の疼痛因子の結合複合体上に位置する部位で結合するように適合される、請求項2記載の方法。
【請求項95】
第1の結合剤が、第1の疼痛因子に結合するように適合させた第1の結合部位と、ターゲッティングされるラベルに結合するように適合させた第2の結合部位とを有する二重特異性抗体を含む、請求項94記載の方法。
【請求項96】
ターゲッティングされるラベルが、疼痛因子に結合するように適合させた、露出した結合部位を有する抗体または結合剤に結合した細胞を含む、請求項2記載の方法。
【請求項97】
ターゲットとされ、ラベルされた疼痛因子が局所的に造影される当該位置に対して、実質的に局所的な手法で、治療的処置を行うことをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項98】
治療的処置が、当該位置での疼痛の発生または伝達を実質的に軽減するように適合される、請求項97記載の方法。
【請求項99】
治療的処置が、当該位置で少なくとも1つの神経を実質的に除去するように適合される、請求項97記載の方法。
【請求項100】
治療的処置が、当該位置に対して実質的に局所的な手法で、少なくとも1つの治療化学物質を送達させることを含む、請求項97記載の方法。
【請求項101】
治療的処置が、当該位置に対して実質的に局所的な手法で、治療的線量のエネルギーを送達させることを含む、請求項97記載の方法。
【請求項102】
治療的処置が、治療的線量のエネルギーにより、当該位置で少なくとも1つの神経を除去することをさらに含む、請求項101記載の方法。
【請求項103】
治療的処置が、当該位置に超音波エネルギーを送達させることをさらに含む、請求項101記載の方法。
【請求項104】
第2の位置から当該位置に、指向的な手法で、局所的に超音波エネルギーを送達させることをさらに含む、請求項103記載の方法。
【請求項105】
第2の位置が患者の外部であり;
超音波エネルギーが、当該位置に超音波エネルギーの焦点を合わせるように適合させた高密度焦点式超音波(HIFU)を介して送達される、請求項104記載の方法。
【請求項106】
第2の位置が患者体内の当該位置に隣接し;
超音波エネルギーが、指向性の超音波プローブを介して送達される、請求項104記載の方法。
【請求項107】
第2の位置が椎間板に隣接し、指向性の超音波療法を受ける当該位置が該椎間板内部である、請求項106記載の方法。
【請求項108】
治療的線量のエネルギーが熱エネルギーを含む、請求項101記載の方法。
【請求項109】
治療的線量のエネルギーが電気エネルギーを含む、請求項101記載の方法。
【請求項110】
高周波(RF)プローブを介して電気エネルギーを送達させることをさらに含む、請求項109記載の方法。
【請求項111】
治療的線量のエネルギーがマイクロ波エネルギーを含む、請求項101記載の方法。
【請求項112】
治療的線量のエネルギーが光エネルギーを含む、請求項101記載の方法。
【請求項113】
当該位置が椎間板の少なくとも一部を含む、請求項1記載の方法。
【請求項114】
当該位置が、椎間板の全周以下である一部のみの内部に位置する組織の領域を含む、請求項1記載の方法。
【請求項115】
当該位置が、椎間板の外周の2分の1以下の内部に位置する組織の領域を含む、請求項114記載の方法。
【請求項116】
当該位置が、椎間板の外周の4分の1以下の内部に位置する組織の領域を含む、請求項115記載の方法。
【請求項117】
当該位置が椎体と関係する終板を含む、請求項1記載の方法。
【請求項118】
当該位置に対して局所的な手法で、ターゲッティングされるラベルを送達させることをさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項119】
ターゲッティングされるラベルを、局部注入アッセンブリを用いて、当該位置と関係する組織の領域に注入することを含む、請求項119記載の方法。
【請求項120】
ターゲッティングされるラベルを、患者の全身に送達させることをさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項121】
ターゲッティングされるラベルを、患者の全身の血液循環に注入することをさらに含む、請求項120記載の方法。
【請求項122】
ターゲッティングされるラベルを、患者の胃腸系に送達させることをさらに含む、請求項120記載の方法。
【請求項123】
患者に送達されたターゲッティングされるラベルを疼痛因子に結合させることによって、複数の当該位置で該疼痛因子を人工的にラベリングすること;および
ターゲッティングされるラベルまたはラベルされた疼痛因子の少なくとも1つを造影するように適合させた造影手段を用い、複数の当該位置における第1の濃度のラベルされた疼痛因子と、複数の当該位置に隣接した組織における第2の濃度のラベルされた疼痛因子とを、区別するのに十分な様式で、ラベルされた疼痛因子を造影することをさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項124】
ターゲットとされ、ラベルされた疼痛因子が局所的かつ選択的に造影される各々の位置に対し、実質的に局所的な手法で、少なくとも1つの治療的処置を行うことをさらに含む、請求項123記載の方法。
【請求項125】
患者の体内の位置における疼痛を治療するためのシステムであって、
当該位置で、疼痛の源と関係する疼痛因子に結合し、これをラベリングするように適合させたターゲッティングされるラベルを含む、ターゲッティングされる薬剤;
該患者に、ターゲッティングされるラベルを送達するように適合させた送達アッセンブリ;
当該位置における第1の濃度のラベルされた疼痛因子と、当該位置に隣接した組織における第2の濃度のラベルされた疼痛因子とを、選択的に区別するのに十分な様式で、ターゲッティングされるラベルまたはラベルされた疼痛因子の少なくとも1つを造影するように適合させた造影システム;および
当該位置に実質的に隔離された、実質的に局所的な手法で、治療を提供するように適合させた治療デバイスアッセンブリを含む、システム。
【請求項126】
ターゲッティングされるラベルが、筋骨格の関節痛と関係する疼痛因子に結合し、これをラベリングするように適合され;
当該位置が、少なくとも1つの筋骨格関節と関係する、請求項125記載のシステム。
【請求項127】
治療デバイスアッセンブリが、筋骨格関節と関係する位置に実質的に隔離された、実質的に局所的な手法で、治療的線量のエネルギーを送達するように適合させたエネルギー送達アッセンブリを含む、請求項125記載のシステム。
【請求項128】
エネルギー投与アッセンブリが、患者体内の、当該位置上またはそれに隣接した場所に送達されるように適合される、請求項127記載のシステム。
【請求項129】
当該位置にエネルギー送達アッセンブリを送達するように適合させた導入手段をさらに含む、請求項127記載のシステム。
【請求項130】
導入手段が注射針アッセンブリを含む、請求項129記載のシステム。
【請求項131】
注射針アッセンブリが、骨を通って進み、骨内部の場所に治療デバイスアッセンブリを送達させるように適合される、請求項130記載のシステム。
【請求項132】
治療デバイスアッセンブリが、当該位置で可視化された、ラベルされた疼痛因子に関連した疼痛と関係する、骨内部の骨内神経を除去するように適合される、請求項131記載のシステム。
【請求項133】
注射針アッセンブリが、椎体の骨を通って進み、椎体神経と関係する椎体内の場所に治療デバイスアッセンブリを送達させるように適合され;
該治療デバイスアッセンブリが、その場所から椎体神経を除去するように適合される、請求項131記載のシステム。
【請求項134】
治療デバイスアッセンブリが、高周波(RF)電流除去アッセンブリを含む、請求項125記載のシステム。
【請求項135】
RF電流除去アッセンブリが、椎体神経の少なくとも一部を跨ぐように適合させた、第1および第2の場所に配置されるように適合させた第1の電極および第2の電極を含み;
RF電流除去アッセンブリが、第1と第2の場所の間の神経組織を除去するのに十分なRF電流を、第1と第2の電極間に送達させるように適合される、請求項134記載のシステム。
【請求項136】
RF電流除去アッセンブリが、二極リードのアッセンブリ配置で第1および第2の電極を担持する、細長い本体を有する送達プローブを含む、請求項135記載のシステム。
【請求項137】
ターゲッティングされるラベルが、神経因子、血管因子、細胞因子、炎症性因子またはそれらの抗体の少なくとも1つを含む疼痛因子に結合し、これをラベリングするように適合される、請求項125記載のシステム。
【請求項138】
ターゲッティングされるラベルが、P物質、CGRP、trkA、NGF、NGFアンタゴニスト、PGP9.5、SYN、ペリフェリン、ニューロフィラメント200kD(NF200)、PECAM、CD34、GFAP、インターロイキン、白血球、サイトカイン、TNF−α、MIF、それらの類似体もしくは誘導体、またはそれらの結合剤もしくは抗体を含む疼痛因子に、選択的に結合し、これをラベリングするように適合される、請求項125記載のシステム。
【請求項139】
ターゲッティングされるラベルが、P物質、CGRP、trkA、NGF、NGFアンタゴニスト、PGP9.5、SYN、ペリフェリン、ニューロフィラメント200kD(NF200)、PECAM、CD34、内皮細胞のためのGFAP、インターロイキン、白血球、サイトカイン、TNF−αもしくはMIFの少なくとも1つの結合剤または抗体を含むか、あるいはNGF、NF200、PGP9.5またはそれらの類似体もしくは誘導体を含む、請求項125記載のシステム。
【請求項140】
ターゲッティングされるラベルが、TNF−αまたはその結合剤もしくは抗体に結合し、これをラベルするように適合される、請求項125記載のシステム。
【請求項141】
ターゲッティングされるラベルが、ラベルされたTNF−αの抗体または結合剤を含む、請求項125記載のシステム。
【請求項142】
ターゲッティングされるラベルが、インフリキシマブ、またはその類似体もしくは誘導体、またはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項125記載のシステム。
【請求項143】
ターゲッティングされるラベルが放射性物質を含む、請求項125記載のシステム。
【請求項144】
ターゲッティングされるラベルが、放射性ラベルされたTNF−α抗体、またはその類似体もしくは誘導体を含む、請求項143記載のシステム。
【請求項145】
ターゲッティングされるラベルが、放射性ラベルされたヨウ素を含む、請求項143記載のシステム。
【請求項146】
放射性ラベルされたヨウ素がI−125を含む、請求項145記載のシステム。
【請求項147】
疼痛と関係する位置における第1の濃度と、当該位置に隣接し当該位置におけるよりも少ない痛みと関係する第2の位置における第2の濃度とを、区別するのに十分な手法で、ラベルされた疼痛因子を造影するように適合させた造影手段をさらに含む、請求項125記載のシステム。
【請求項148】
患者に医学的処置を施す方法であって、
患者の体内の領域に物質を送達させることを含み;
ここで該物質は、該領域内に位置する疼痛因子に対して、該領域内の他の構造よりも該疼痛因子に優先的に結合するのに十分な選択的結合親和性を有し、そうして該物質は、該領域内の他の部分よりも大量の該疼痛因子を有する該領域の第1の部分内により高濃度で蓄積し;
該領域に該物質を投与した後、該他の部分に対して第1の部分を選択的に治療し、該領域における疼痛を軽減するように、該領域にエネルギーを送達させることを含む方法。
【請求項149】
前記物質が金属を含む、請求項148記載の方法。
【請求項150】
前記物質が金を含む、請求項149記載の方法。
【請求項151】
前記物質がナノ粒子を含む、請求項149記載の方法。
【請求項152】
前記物質が金ナノ粒子を含む、請求項149記載の方法。
【請求項153】
前記物質が抗体を含む、請求項148記載の方法。
【請求項154】
前記物質が、抗体および該抗体に付随する金属を含む、請求項148記載の方法。
【請求項155】
前記物質が、抗体および前記抗体に付随する金属ナノ粒子を含む、請求項154記載の方法。
【請求項156】
前記物質が、抗体および前記抗体に付随する金ナノ粒子を含む、請求項155記載の方法。
【請求項157】
前記領域が骨格関節を含む、請求項148記載の方法。
【請求項158】
前記領域が、脊椎の少なくとも一部を含む、請求項148記載の方法。
【請求項159】
前記第1の部分が、脊椎に沿って少なくとも1つの脊椎関節レベルを含み、前記他の部分が、脊椎に沿って少なくとも1つの他の脊椎関節レベルを含む、請求項158記載の方法。
【請求項160】
前記第1の部分が、単一の脊椎関節を含む、請求項158記載の方法。
【請求項161】
前記領域が、脊椎関節の少なくとも一領域を含む、請求項158記載の方法。
【請求項162】
前記第1の部分が、椎間板の少なくとも一部を含む、請求項161記載の方法。
【請求項163】
前記第1の部分が、椎体の少なくとも一部を含む、請求項161記載の方法。
【請求項164】
前記第1の部分が、椎体終板の少なくとも一部を含む、請求項161記載の方法。
【請求項165】
前記第1の部分が椎間関節を含む、請求項161記載の方法。
【請求項166】
前記第1の部分が横突起を含む、請求項161記載の方法。
【請求項167】
疼痛因子が、神経因子、血管因子、微小血管因子、細胞因子、炎症性因子、少なくとも1つの炎症性因子を産生する細胞、活発に炎症性因子を産生する椎間板細胞と関係する細胞因子、当該位置で第2の疼痛因子に誘引されるタイプの炎症細胞と関係する細胞因子、白血球、サイトカイン、P物質、CGRP、trkA、神経成長因子(NGF)、NGF受容体、NGFアンタゴニスト、PGP9.5、SYN、ペリフェリン、ニューロフィラメント200kD(NF200)、TNF−α、TNF−αブロッカー、TNF−α受容体、インフリキシマブ、PECAM、CD34、GFAP、インターロイキン、IL−1、IL−6、IL−8、PGE−2、組織内pHと関係する因子、組織内pO2と関係する因子、それらの結合剤または抗体、それらの受容体、それらの類似体、およびそれらの誘導体の少なくとも1つを含む、請求項148記載の方法。
【請求項168】
前記物質の異なる濃度間の空間的関係を十分に差別化し、そうして前記領域内の他の部分に対する第1の部分の位置を実質的に同定するような様式で、該領域を造影することをさらに含む、請求項148記載の方法。
【請求項169】
前記他の部分に対して第1の部分を示差的にエネルギーで処置するのに十分な、実質的に局所的な様式で、主として第1の部分に該エネルギーを送達させることをさらに含む、請求項168記載の方法。
【請求項170】
前記領域を患者の体の痛みのある領域として同定するように、該患者を診断することをさらに含む、請求項148記載の方法。
【請求項171】
前記部分が、医学的処置を施す前に癌細胞を含むと診断されていない、請求項148記載の方法。
【請求項172】
患者を治療するためのシステムであって、
金属を含むある量の物質を含み;
ここで該物質は、疼痛因子を含む患者体内の領域に送達されると、該領域内の他の構造よりも高い親和性で該疼痛因子に示差的に結合するように、そして、該領域内の他の部分よりも大量の該疼痛因子を有する該領域の第1の部分内により高濃度で、該物質が蓄積するように、該疼痛因子に対して結合親和性を示し;かつ
他の部分に対して第1の部分を実質的に局所的に処置する様式で、該領域にエネルギーを送達させるように適合させたエネルギー源を含む方法。
【請求項173】
金属が金を含む、請求項172記載のシステム。
【請求項174】
金属が金属ナノ粒子を含む、請求項172記載のシステム。
【請求項175】
金属が金ナノ粒子を含む、請求項172記載のシステム。
【請求項176】
前記物質の異なる濃度間の空間的関係を十分に差別化し、そうして前記領域内の他の部分に対する第1の部分の位置を同定するように適合させた様式で、該物質を造影するように適合させた造影システムをさらに含む、請求項172記載のシステム。
【請求項177】
前記物質が、神経因子、血管因子、微小血管因子、細胞因子、炎症性因子、少なくとも1つの炎症性因子を産生する細胞、炎症性因子を活発に産生する椎間板細胞に関係する細胞因子、当該位置で第2の疼痛因子に誘引されるタイプの炎症細胞と関係する細胞因子、白血球、サイトカイン、P物質、CGRP、trkA、神経成長因子(NGF)、NGF受容体、NGFアンタゴニスト、PGP9.5、SYN、ペリフェリン、ニューロフィラメント200kD(NF200)、TNF−α、TNF−αブロッカー、TNF−α受容体、インフリキシマブ、PECAM、CD34、内皮細胞のためのGFAP、インターロイキン、IL−1、IL−6、IL−8、PGE−2、組織内のpHと関係する因子、組織内のpO2と関係する因子、それらの結合剤または抗体、それらの受容体、それらの類似体、およびそれらの誘導体をさらに含む、疼痛因子に優先的に結合するように適合される、請求項172記載のシステム。
【請求項178】
前記物質が、請求項177に列挙される疼痛因子の少なくとも1つの抗体を含む、請求項172記載のシステム。
【請求項179】
患者に医学的処置を施すためのシステムの調製方法であって、
疼痛を伴う患者を診断すること;
該診断に基づいて、患者に送達するための一定量のターゲッティングされる薬剤を調製することを含み;
ここでターゲッティングされる薬剤の調製量は、(i)疼痛の場所を特定する診断および(ii)結合した疼痛因子に関係する領域における、当該領域へのエネルギーの送達に応じた選択的な組織治療の少なくとも1つを増強するように適合した様式で、疼痛と関係する疼痛因子に示差的に結合するように設定される、方法。
【請求項180】
患者に対する医療行為のためのシステムであって、
疼痛を有すると診断された患者に送達するために調製された、ある量のターゲッティングされる薬剤を含み;
ここで該ターゲッティングされる薬剤は、(i)疼痛の場所を特定する診断および(ii)結合した疼痛因子を含む位置に対する、当該位置を含む領域へのエネルギーの送達に応じた選択的な組織治療の少なくとも1つを増強するように適合した様式で、疼痛と関係する疼痛因子に示差的に結合するように設定される、システム。
【請求項181】
患者の、疼痛と関係する1以上の組織領域を選択的に治療するための方法であって、
疼痛と関係する疼痛因子に示差的に結合するように設定された、ターゲッティングされる薬剤を該患者体内に送達させること;
送達されたターゲッティングされる薬剤が、疼痛因子と示差的に結合して、示差的に結合した疼痛因子を形成するのを可能にすること;
示差的に結合した疼痛因子と関係する1以上の領域を示差的に治療する様式で、患者体内にエネルギーを送達させることを含む方法。
【請求項182】
患者の、疼痛と関係する1以上の組織領域を選択的に治療するためのシステムであって、
一定量のターゲッティングされる薬剤;
エネルギー送達システムを含み;
ここで該エネルギー送達システムは、患者にエネルギーを送達するように構成され;
ターゲッティングされる薬剤の量は、患者体内に送達させるために、かつ、第1の濃度の示差的に結合した疼痛因子を含む組織領域が、示差的に結合した疼痛因子の濃度がより低い他の領域と比べて、送達されたエネルギーに対して示差的かつ選択的な治療応答を示すような様式で、疼痛と関係する疼痛因子に示差的に結合するように設定される、システム。
【請求項183】
疼痛因子が、MIFまたはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項1、148、179または181記載の方法。
【請求項184】
ターゲッティングされる薬剤が、MIFの結合剤または抗体を含む、請求項1、148、179または181記載の方法。
【請求項185】
ターゲッティングされる薬剤がナノ粒子を含む、請求項1、148、179または181記載の方法。
【請求項186】
ターゲッティングされる薬剤が、金または酸化鉄の少なくとも1つを含む、請求項1、148、179または181記載の方法。
【請求項187】
ターゲッティングされる薬剤がMRI造影剤を含む、請求項1、148、179または181記載の方法。
【請求項188】
MRI造影剤がガドリニウムを含む、請求項187記載の方法。
【請求項189】
疼痛因子に結合したMRI造影剤の濃度が増加した領域をMRI造影することをさらに含む、請求項187記載の方法。
【請求項190】
ターゲッティングされる薬剤が超音波造影剤を含む、請求項1、148、179または181記載の方法。
【請求項191】
疼痛因子に結合した超音波造影剤の濃度が増加した領域を超音波造影することをさらに含む、請求項190記載の方法。
【請求項192】
ターゲッティングされる薬剤がX線造影剤を含む、請求項1、148、179または181記載の方法。
【請求項193】
疼痛因子に結合したX線造影剤の濃度が増加した領域を、X線を用いて造影することをさらに含む、請求項192記載の方法。
【請求項194】
疼痛因子に結合したターゲッティングされる薬剤の位置を、当該位置に対する局所的治療能を高めることを可能にする様式で、造影することをさらに含む、請求項1、148、179または181記載の方法。
【請求項195】
患者の呼吸器系を介して、ターゲッティングされる薬剤を該患者に送達させることをさらに含む、請求項1、148、179または181記載の方法。
【請求項196】
疼痛因子が、MIFまたはその結合剤もしくは抗体を含む、請求項125、172、180または182記載のシステム。
【請求項197】
ターゲッティングされる薬剤が、MIFの結合剤または抗体を含む、請求項125、172、180または182記載のシステム。
【請求項198】
ターゲッティングされる薬剤がナノ粒子を含む、請求項125、172、180または182記載のシステム。
【請求項199】
ターゲッティングされる薬剤が、金または酸化鉄の少なくとも1つを含む、請求項125、172、180または182記載のシステム。
【請求項200】
ターゲッティングされる薬剤がMRI造影剤を含む、請求項125、172、180または182記載のシステム。
【請求項201】
MRI造影剤がガドリニウムを含む、請求項200記載のシステム。
【請求項202】
疼痛因子に結合したMRI造影剤の濃度が増加した領域をMRI造影するために構成されたMRIシステムをさらに含む、請求項200記載のシステム。
【請求項203】
ターゲッティングされる薬剤が超音波造影剤を含む、請求項125、172、180または182記載のシステム。
【請求項204】
疼痛因子に結合した超音波造影剤の濃度が増加した領域を超音波造影するために構成された超音波造影システムをさらに含む、請求項203記載のシステム。
【請求項205】
ターゲッティングされる薬剤がX線造影剤を含む、請求項125、172、180または182記載のシステム。
【請求項206】
疼痛因子に結合したX線造影剤の濃度が増加した領域をX線造影するために構成されたX線造影システムをさらに含む、請求項205記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−508970(P2009−508970A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532410(P2008−532410)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/036943
【国際公開番号】WO2007/035906
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(592110646)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (11)
【Fターム(参考)】