説明

疼痛の治療のための前立腺酸性ホスファターゼ

方法および組成物が疼痛および嚢胞性線維症の治療のために提供される。当該方法は、動物に、治療的有効量の前立腺酸性ホスファターゼ(「PAP」)ポリペプチド、またはその活性な変異体、断片もしくは誘導体、あるいは、治療的有効量の活性増強PAP修飾因子を含む、組成物または医薬製剤を投与する工程を含む。PAPは、動物およびヒトにおける、神経因性疼痛および炎症痛を含む慢性疼痛のための治療として与えられる。当該PAP、またはその活性な変異体、断片もしくは誘導体、あるいは当該PAP活性増強修飾因子は、注入、髄腔内注入、経口投与、外科的な埋め込み型のポンプ、幹細胞、ウイルス遺伝子療法、またはネイキッドDNA遺伝子治療のうち1つ以上を介して投与される。PAPの髄腔内注入は、鎮痛薬として機能し、マウスにおける熱感受性を減少させる。PAPは、マウスにおける慢性的な機械的炎症痛および熱炎症痛を減少させることができる。神経損傷によるアロディニアおよび痛覚過敏は、脊髄におけるPAP活性を増加させることによって、防ぐことができる。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療的有効量のPAP、またはその活性な変異体、断片もしくは誘導体、あるいは治療的有効量の活性増強PAP修飾因子を含む組成物または医薬製剤を投与することによって、動物における疼痛を治療するための方法。
【請求項2】
前記疼痛は、下記のうち1つ以上によって特徴付けられる請求項1記載の方法:慢性疼痛、慢性炎症痛、神経因性疼痛、慢性神経因性疼痛、アロディニア、痛覚過敏、神経損傷、外傷、組織損傷、炎症、癌、ウイルス感染、帯状疱疹、糖尿病性神経障害、変形性関節症、熱傷、関節痛、腰痛、内臓痛、片頭痛、群発性頭痛、頭痛、線維筋痛症または分娩に関連する疼痛。
【請求項3】
過剰量のリゾホスファチジン酸によって少なくとも一部が特徴付けられる障害について動物を治療する方法であって、前記動物に、治療的有効量のPAP、またはその活性な変異体、断片もしくは誘導体、あるいは治療的有効量の活性増強PAP修飾因子を含む、組成物または医薬製剤を投与する工程を含む方法。
【請求項4】
アデノシンまたはアデノシン受容体の機能における欠損によって少なくとも一部が特徴付けられる障害について動物を治療する方法であって、前記動物に、治療的有効量のPAP、またはその活性な変異体、断片もしくは誘導体、あるいは治療的有効量の活性増強PAP修飾因子を含む、組成物または医薬製剤を投与する工程を含む方法。
【請求項5】
前記動物はヒトである請求項1、3または4いずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記PAPは、ヒト PAP、ウシ PAP、ラット PAPおよびマウス PAP、ならびにそれらの活性な断片、変異体および誘導体からなる群から選択される請求項1、3または4いずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記PAPまたはその活性な変異体、断片もしくは誘導体は、下記のうち1つ以上からなる群から選択される1つ以上の修飾を含む請求項1、3または4いずれか1項に記載の方法:保存的アミノ酸置換;非天然アミノ酸置換、D−またはD,L−ラセミ混合物異性体型アミノ酸置換、アミノ酸化学置換、カルボキシ末端修飾またはアミノ末端修飾、生体適合性の分子(脂肪酸およびPEGを含むがこれらに限定されない)への結合、および生体適合性の支持構造(アガロース、セファロースおよびナノ粒子を含むがこれらに限定されない)への結合。
【請求項8】
前記PAPは、組み換え法によって得られる請求項1、3または4いずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記PAP、またはその活性な変異体、断片もしくは誘導体、あるいは前記PAPの活性増強修飾因子は、注入、経口投与、外科的な埋め込み型のポンプ、幹細胞、ウイルス遺伝子療法およびネイキッドDNA遺伝子治療のうち1つ以上を介して投与される請求項1、3または4いずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記投与は、静脈内注入、硬膜外注入、または髄腔内注入を介する請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記投与は、PAPを発現している胚性幹細胞の髄腔内注入を介する請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記投与は、3日に約1回の髄腔内注入による請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記投与は、アデノシン、アデノシン一リン酸(AMP)、AMP類似体、アデノシンキナーゼ阻害剤、5’−アミノ−5’−デオキシアデノシン、5−ヨードツベルシジン、アデノシンデアミナーゼ阻害剤、2’−デオキシコホルマイシン、ヌクレオシド輸送体阻害剤、ジピリダモールのうち1つ以上と組み合わされる請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記投与は、1つ以上の公知の鎮痛薬と組み合わされる請求項9記載の方法。
【請求項15】
前記公知の鎮痛薬はオピエートである請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記投与は、PAPまたはその活性な変異体もしくは断片をコードする核酸配列を含む、レトロウイルス、アデノウイルスまたはアデノ随伴ウイルスのベクター移入カセットを使用したウイルス遺伝子療法を介している請求項9記載の方法。
【請求項17】
動物における嚢胞性線維症を治療する方法であって、前記方法は、前記動物に、治療的有効量のPAP、またはその活性な変異体、断片もしくは誘導体、あるいは治療的有効量の活性増強PAP修飾因子を含む、組成物または医薬製剤を投与する工程を含む方法。
【請求項18】
前記投与は、肺中のエアロゾル化による請求項17記載の方法。
【請求項19】
アデノシンまたはアデノシン受容体の機能における欠損によって少なくとも一部が特徴付けられる障害を有する動物の肺におけるアデノシンのレベルを増加させる方法であって、前記方法は、前記動物に、治療的有効量のPAP、またはその活性な変異体、断片もしくは誘導体、あるいは治療的有効量の活性増強PAP修飾因子を含む、組成物または医薬製剤を投与する工程を含む。
【請求項20】
単離されたPAPペプチドであって、前記ペプチドは、ヒト PAP、乳牛 PAP、ラット PAPおよびマウス PAP、ならびにそれらの活性な断片、変異体、および誘導体からなる群から選択されるペプチド。
【請求項21】
請求項20記載のPAPペプチドをコードする単離されたヌクレオチド配列。
【請求項22】
請求項21記載のヌクレオチド配列を含む発現ベクター。
【請求項23】
請求項22記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項24】
請求項20記載のペプチドを含む組成物であって、前記組成物は、動物への投与のため、またはヒトへの投与のための医薬製剤として調製される組成物。
【請求項25】
候補小分子の存在および不存在下でのPAP活性を測定し、前記PAP活性の増加または減少を引き起こす候補小分子をPAP修飾因子として同定することによる、PAP活性の小分子修飾因子についてのスクリーニングの方法。
【請求項26】
動物における疼痛の治療のためのキットであって、治療的有効量のPAP、またはその活性な変異体、断片もしくは誘導体を含む、組成物または医薬製剤、および局所組織へのPAPの送達のための外科的な埋め込み型のポンプ装置を含むキット。
【請求項27】
痛み止めに対する個体の反応を診断するための方法であって、前記個体のPAPゲノムの遺伝子座の中および周囲の、1つ以上の一塩基多型(SNP)、挿入または欠損を同定する工程、ならびに前記SNPを前記痛み止めに対する所定の反応と関連付ける工程を含む方法。
【請求項28】
疼痛に対する個体の閾値を診断するための方法であって、前記個体のPAPゲノムの遺伝子座の中および周囲の1つ以上の一塩基多型(SNP)、挿入または欠損を同定する工程、ならびに前記SNPを疼痛についての所定の閾値と関連付ける工程を含む方法。
【請求項29】
急性疼痛から慢性疼痛への移行に対する個体の傾向を診断するための方法であって、前記個体のPAPゲノムの遺伝子座の中および周囲の1つ以上の一塩基多型(SNP)、挿入または欠損を同定する工程、ならびに前記SNPを疼痛についての所定の閾値と関連付ける工程を含む方法。
【請求項30】
痛み止めに対する個体の反応を診断するための方法であって、前記個体および対照集団におけるPAP発現の相違を関連付ける工程、ならびに差次的な発現の程度を疼痛の薬物療法に対する所定の反応と関連付ける工程を含む方法。
【請求項31】
疼痛に対する個体の閾値を診断するための方法であって、前記個体および対照集団におけるPAP発現の相違を関連付ける工程、ならびに差次的な発現の程度を疼痛についての所定の閾値と関連付ける工程を含む方法。
【請求項32】
急性疼痛から慢性疼痛への移行についての個体の傾向を診断するための方法であって、前記個体および対照集団におけるPAP発現の相違を関連付ける工程、ならびに差次的な発現の程度を、急性疼痛から慢性疼痛への移行に対する傾向と関連付ける工程を含む方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25A】
image rotate

【図25B】
image rotate

【図26−1】
image rotate

【図26−2】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公表番号】特表2011−505337(P2011−505337A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534050(P2010−534050)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/012849
【国際公開番号】WO2009/064497
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(501345323)ザ ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒル (52)
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF NORTH CAROLINA AT CHAPEL HILL
【住所又は居所原語表記】308 Bynum Hall,Campus Box 4105,Chapel Hill,North Carolina 27599−4105, United States of America
【出願人】(310021320)
【Fターム(参考)】