説明

疼痛治療用のP2X3受容体アンタゴニスト

本発明は、疼痛特にP2X受容体サブユニットモジュレーターを使用して治療することが可能な疼痛、特に末梢性疼痛、炎症性疼痛、又は組織損傷性疼痛に関連する疾病状態を治療するうえで重要な役割を果たす新規P2X受容体アンタゴニストに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、P2X受容体のモジュレーター、例えばアンタゴニストとして作用する化合物、組成物及びそれらの治療的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンは、細胞外プリン受容体を介して作用し、種々の生理的及び病理的役割を有すると意味づけられている(Burnstock (1993) Drug Dev. Res. 28:195−206を参照)。プリン受容体(P2)は、代謝型ヌクレオチド受容体又は細胞外ヌクレオチドに対するイオンチャネル型受容体のいずれかに類別されている。代謝型ヌクレオチド受容体(通常P2Y又はP2Y(n)と命名されるが、ここで「n」はサブタイプを示す整数の下付き文字である)は、異なる基本的膜貫通シグナル伝達手段に基づくという意味でイオンチャネル型受容体(通常P2X又はP2X(n)と命名される)と相違すると考えられ、P2Y受容体はGタンパク質共役系を介して作用するが、P2X受容体はリガンド開口型イオンチャネルである。
【0003】
少なくとも7種類のP2X受容体とこれらをコードするcDNA配列が今日までに同定されている。P2X cDNAはラット輸精管の平滑筋からクローニングされ(Valera et al. (1994) Nature 371:516−519)、P2X cDNAはPC12細胞からクローニングされた(Brake et al. (1994) Nature 371:519−523)。他の5種類のP2X受容体は、P2X及びP2Xとの配列類似性により、cDNAライブラリーで確認されている。即ちP2Xは、Lewis et al. (1995) Nature 377:432−435,Chen et al. (1995) Nature 377:428−431で;P2Xは、Buell et al. (1996) EMBO J.15:55−62,Seguela et al. (1996) J.Neurosci. 16:448−455,Bo et al. (1995) FEBS Lett. 375:129−133,Soto et al. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:3684−3688,Wang et al. (1996) Biochem. Biophys. Res. Commun. 220:196−202で;P2Xは、Collo et al. (1996) J. Neurosci. 16:2495−2507,Garcia−Guzman et al. (1996) FEBS Lett. 388:123−127で;P2Xは、Collo et al. (1996),前掲書,Soto et al. (1996) Biochem. Biophys. Res. Commun. 223:456−460で;P2Xは、Surprenant et al. (1996) Science 272:735−738で確認されている。ラットP2X受容体のアミノ酸配列の比較については、Buell et al. (1996) Eur. J. Neurosci. 8:2221−2228を参照。
【0004】
プリン受容体、特にP2X受容体はホモマルチメリックカチオン透過性イオンチャネルとして機能し、場合によっては2種類の異なるP2X受容体サブタイプから構成されるヘテロメリックチャネルとして機能することが知られている(Lewis et al., Nature 377:432−435 (1995);Le et al., J. Neurosci. 18:7152−7159(1998);Torres et al.,Mol.Pharmacol.54:989−993 (1998);Torres et al., Mol. Pharmacl. 54:989−993 (1998))。P2X及びP2Xサブユニットは、単独で発現するときには機能的チャネルを形成し、又、同時発現するときには、天然感覚チャネルに認められる電流に類似する性質をもつ機能的ヘテロマルチマーチャネルを形成することもできる。P2XとP2Xの少なくとも1対のP2X受容体サブタイプは、ラット下神経節ニューロンでヘテロメリックチャネルとして機能し、そこで顕著な薬理学的及び電気生理学的性質を示す(Lewis et al.,前掲書(1995))。
【0005】
天然P2X受容体は、ATPによる活性化に基づいて、急速活性型非選択的カチオンチャネルを形成することが知られている。P2X受容体により形成されるチャネルは一般に高いCa2透過率(P(Ca)/P(Na))を有する。個々の受容体に関しては、P2Xプリン受容体は小カチオンに選択的に透過性であるリガンド開口型カチオンチャネルである。周知のP2X受容体リガンドには、例えばATP、UTP、UDP等の天然ヌクレオチド、又は例えば2−メチルチオATP等の合成ヌクレオチドが含まれる。ATPは、細胞内エネルギー供与体としての機能に加え現在では中枢及び末梢神経系の両者で重要な神経伝達物質又は補助伝達物質として認められている(Ralevic,V.,et al., Pharmacol. Rev., 50:413−492 (1998))。ATPは刺激に基づいて、神経線維を含む種々の細胞型から放出され、プリン受容体(P2受容体)を含む特定の膜受容体の活性化により多くの組織に種々の効果を引き起こす(Burnstock,G., Pharmacol. Rev., 24:509−581 (1972);Burnstock,G., Cell Membrane Receptor for Drugs and Hormones:A Multidisciplinary Approach, R.W.Straub and L.Bolid.編 New York:Raven, 1978,p.107−118を参照)。P2Xプリン受容体に関してATPがP2Xホモメリック受容体とP2X/P2Xヘテロメリック受容体を活性化することができ、脊髄後角と感覚神経節からの一次求心性神経で興奮性神経伝達物質として機能することがデータから示唆されている。所定の感覚神経で認められる性質をもつATP依存性電流を発生するために、インビトロでは、P2X受容体サブユニットとP2X受容体サブユニットの同時発現が必要である。Lewis,et al. (1995) Nature 377:432−435を参照。
【0006】
ATPに加え、ATP程ではないがアデノシンも感覚神経終末を刺激することができ、その結果、強い疼痛と感覚神経放電の顕著な増加を生じる。入手可能なデータによると、損傷細胞から放出されたATPは、感覚神経の侵害受容神経終末で発現するP2Xホモメリック受容体又はP2X/P2Xヘテロメリック受容体を活性化することにより疼痛を誘発することができる。これはヒト水疱モデルにおける皮内投与したATPによる疼痛誘発に関する報告;歯髄での侵害受容神経におけるP2X含有受容体の同定;及びP2Xアンタゴニストが動物モデルで鎮痛性であるという報告に一致する。今日までの処、研究データは、脊髄の後根神経節神経終末と脳の神経細胞でATP誘導性のP2Xプリン受容体の活性化により痛覚を生じるメカニズムが、侵害受容シグナル伝達に関与する主要な神経伝達物質であるグルタミン酸の放出の刺激によることを示唆している。
【0007】
最近では、P2X3受容体遺伝子破壊が有害な化学的刺激に対する感受性の減少及び疼痛の軽減という結果を生じることも立証されている。外因性投与したATP及びP2X含有受容体アゴニストの侵害受容効果も実験動物で立証されている。Bland−Ward et al., Dr. J. Pharmacol. 122:366−371 (1997);Hamilton et al., Br. J. Phamacol. 126:326−332 (1999)を参照。髄腔内(i.t.)投与したP2受容体アゴニストの齧歯類における急性及び持続性有害刺激に対する感受性を増加する能力により示される通り、P2X活性化と脊髄P2X含有受容体の刺激の末梢侵害受容作用も侵害受容に寄与している。Driessen et al., Brain Res. 666:182−188 (1994);Tsuda et al., Br. J. Pharmacol. 127:449−4S6 (1999);Tsuda et al., Br. J. Pharmacol. 128:1497−1504 (1999)を参照。最近では損傷感覚求心性神経に局在する、P2受容体媒介性の異所性の神経的興奮性の選択的な増加が、慢性絞扼性神経損傷後のラットで報告されている。Chen et al., Neuro Report 10:2779−2782 (1999)を参照。疼痛伝達におけるこの役割は、ラットP2X3受容体発現が疼痛伝達に関与する感覚神経節の神経細胞のサブセットで主に認められるという知見と一致する。Chen et al., Nature 377:428−430 (1995);Vulchanova et al., Neuropharmacol. 36:1229−1242 (1997)を参照。US20080004442、US200700409609、WO2007041087、WO2006119504、WO200112627、WO2007001973、USSN61/132178(代理人整理番号22407)、USSN61/001376(代理人整理番号22408)、USSN61/197869(代理人整理番号00018)及びWO2007010553をも参照。
【0008】
まとめると、感覚神経におけるP2X含有受容体(P2X及び/又はP2X2/3)の機能的及び免疫組織化学的局在は、これらのP2X受容体がATPの侵害受容効果を媒介する上で主要な役割を有すると考えられる。従って、P2X受容体の活性化を遮断又は阻害する化合物は疼痛刺激を遮断するのに役立つ。更に、通常はP2X受容体及び/又はP2X/P2Xヘテロメリックチャネルを活性化する化合物(ATP等)に対する受容体アンタゴニストは、疼痛伝達を有効に遮断することができる。実際に、例えばP2X受容体等のP2X受容体のモジュレーターは鎮痛薬として使用することができる。
【0009】
更に、P2X受容体の活性化を遮断又は阻害する化合物は、泌尿生殖器、胃腸及び呼吸器の疾患、病態及び障害を治療するのにも役立ち、あるいは、ATP等の通常はP2X受容体及び/又はP2X/P2Xヘテロメリックチャネルを活性化する化合物に対する受容体アンタゴニストは、泌尿生殖器、胃腸及び呼吸器の疾患、病態及び障害を治療するのに役立つ。
【0010】
Burnstock (1999) J. Anatomy 194:335−342;及びFerguson et al. (1997) J. Physiol. 505:503−511は齧歯類及びヒト膀胱尿路上皮の求心性神経でP2X受容体サブユニットが確認されたと開示している。これらのデータは、ATPが膨張の結果として膀胱又は他の中空臓器の上皮/内皮細胞から放出されるらしいということを示唆している。このように放出されたATPは、例えば尿路上皮基底固有層等の上皮基底層部分に位置する感覚神経細胞に情報を伝達する役割を果たすらしい(Namasibayam,et al. (1999) BJU Intl. 84:854−860)。P2X受容体は感覚神経、交感神経、副交感神経、腸間膜神経及び中枢神経を含むいくつかの神経細胞で研究されている(Zhong,et al. (1998) Br. J. Pharmacol. 125:771−781)。これらの研究は、プリン受容体が膀胱からの求心性神経伝達に役割を果たし、P2X受容体のモジュレーターが尿失禁等の膀胱障害及び他の泌尿生殖器疾患又は病態の治療に潜在的に有用であることを示唆している。
【0011】
P2X受容体はヒト結腸で発現することが示されており、正常結腸中よりも炎症結腸中により高レベルで発現する(Y.Yiangou et al, Neurokastroenterol Mot (2001) 13:365−69)。P2X受容体は、腸管内の膨張又は腔内圧の検出及び反射収縮の開始にも関与すると考えられており(X.Bian et al. J. Physiol (2003) 551.1:309−22)、これを大腸炎と関連させている(G.Wynn et al., Am J.Physiol Gastrointest Liver Physiol (2004) 287:G647−57)。
【0012】
P2X受容体は、肺神経上皮小体(NEB)でも発現することが示されており、肺における疼痛伝達における受容体に関係があるとされている(Inge Brouns et al., Am J. Respir Cell Mol Biol (2000) 23:52061)。更に、P2X受容体とP2X受容体は、肺NEBにおけるpO検出に関係があるとされている(W.Rong et al., J Neurosci (2003) 23(36):11315−21)。
【0013】
しかし、P2受容体アゴニストが酵素分解し易いため、哺乳動物生理における個々のP2受容体サブタイプの役割を評価するために、入手可能なプリン受容体リガンドを利用することは困難であった。そのうえ、個々のP2X受容体の役割の研究は、受容体サブタイプに特異的なアゴニスト及びアンタゴニストの欠如により妨げられている。
【0014】
従って、例えばP2X等のP2X受容体の制御ができるならば疼痛の治療を必要とする患者で疼痛を最小限にできるので、先端技術は当該受容体を調節又は制御する能力を提供できる方法及び/又は化合物を探求している。更に、研究と治療の両方の目的で、各P2X受容体サブタイプの特異的アゴニスト及びアンタゴニスト、特にインビボで有効な薬剤、並びにプリン受容体に特異的なアゴニスト及びアンタゴニスト化合物の同定方法が当分野で必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公開第20080004442号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第200700409609号明細書
【特許文献3】国際公開第2007041087号
【特許文献4】国際公開第2006119504号
【特許文献5】国際公開第200112627号
【特許文献6】国際公開第2007001973号
【特許文献7】米国特許出願61/132178
【特許文献8】米国特許出願61/001376
【特許文献9】米国特許出願61/197869
【特許文献10】国際公開第2007010553号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Burnstock(1993)DrugDev.Res.28:195−206
【非特許文献2】Valera et al.(1994)Nature 371:516−519
【0017】
【非特許文献3】Brake et al.(1994)Nature 371:519−523
【非特許文献4】Lewis et al.(1995)Nature 377:432−435
【非特許文献5】Chen et al.(1995)Nature 377:428−431
【非特許文献6】Buell et al.(1996)EMBO J.15:55−62
【非特許文献7】Seguela et al.(1996)J.Neurosci.16:448−455
【非特許文献8】Bo et al.(1995)FEBS Lett.375:129−133
【非特許文献9】Soto et al.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:3684−3688
【非特許文献10】Wang et al.(1996)Biochem.Biophys.Res.Commun.220:196−202)
【非特許文献11】Collo et al.(1996)J.Neurosci.16:2495−2507
【非特許文献12】Garcia−Guzman et al.(1996)FEBS Lett.388:123−127
【非特許文献13】Soto et al.(1996)Biochem.Biophys.Res.Commun.223:456−460
【非特許文献14】Surprenant et al.(1996)Science 272:735−738
【非特許文献15】Buell et al.(1996)Eur.J.Neurosci.8:2221−2228
【非特許文献16】Lewis et al.,Nature377:432−435(1995)
【非特許文献17】Le et al.,J.Neurosci.18:7152−7159(1998)
【非特許文献18】Torres et al.,Mol.Pharmacol.54:989−993(1998)
【非特許文献19】Ralevic,V.,et al.,Pharmacol.Rev.,50:413−492(1998)
【非特許文献20】Burnstock,G.,Pharmacol.Rev.,24:509−581(1972)
【非特許文献21】Burnstock,G.,Cell Membrane Receptor for Drugs and Hormones:AMultidisciplinary Approach,edited by R.W.Straub and L.Bolid.NewYork:Raven,1978,p.107−118
【非特許文献22】Bland−Ward et al.,Dr.J.Pharmacol.122:366−371(1997)
【非特許文献23】Hamilton et al.,Br.J.Phamacol.126:326−332(1999)
【非特許文献24】Driessen et al.,BrainRes.666:182−188(1994)
【非特許文献25】Tsuda et al.,Br.J.Pharmacol.127:449−4S6(1999)
【非特許文献26】Tsuda et al.,Br.J.Pharmacol.128:1497−1504(1999)
【非特許文献27】Chen et al.,NeuroReport10:2779−2782(1999)
【非特許文献28】Chen et al.,Nature377:428−430(1995)
【非特許文献29】Vulchanova et al.,Neuropharmacol.36:1229−1242(1997)
【非特許文献30】Burnstock(1999)J.Anatomy 194:335−342
【非特許文献31】Ferguson et al.(1997)J.Physiol.505:503−511
【非特許文献32】Namasibayam,et al.(1999)BJU Intl.84:854−860
【非特許文献33】Zhong,et al.(1998)Br.J.Pharmacol.125:771−781
【非特許文献34】Y.Yiangou et al,Neurokastroenterol Mot(2001)13:365−69
【非特許文献35】X.Bian et al.J.Physiol(2003)551.1:309−22
【非特許文献36】G.Wynn et al.,Am J.PhysiolGastrointest Liver Physiol(2004)287:G647−57
【非特許文献37】Inge Brouns et al.,AmJ.Respir Cell Mol Biol(2000)23:52061
【非特許文献38】W.Rong et al.,J Neurosci(2003)23(36):11315−21
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は疼痛、特にP2X受容体サブユニットモジュレーターを使用して治療することが可能な末梢性疼痛、炎症性疼痛又は組織損傷性疼痛に関連する疾病状態の治療に重要な役割を果たす新規P2X受容体アンタゴニストを提供することにより上記欠陥のいくつかを克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は構造式I:
【化1】

【0020】
[式中、
Aはチエノピラゾリル、インダゾリル、インドリル、又はその位置異性体を表し;
Bは結合、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−10シクロアルキル、C5−10ヘテロシクリル、又はC6−10アリールを表し;
はH、C1−6アルキル、ハロゲン、(CHCF、C3−10シクロアルキル、C(ROH、−O−、CN、(CHOR、NHC(O)R、(CH5−10ヘテロシクリル、(CH6−10アリール又はC1−6アルコキシを表し;前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル及びアリールはC1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、(CHCF又はCNの1〜3個の基で場合により置換されており;
はH、C1−6アルキル、CF、OHを表し;
は−CR、(CHR3−10シクロアルキル、(CHR6−10アリール、(CHR5−10ヘテロシクリルを表し、前記シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルは1〜3個のR基で場合により置換されており;
又はRとRはそれらが結合している窒素と一緒になり、1〜3個のR基で場合により置換されたC5−10ヘテロシクリルを形成してもよく;
及びRは独立してH、(CHOR、CHF、(CH5−10ヘテロシクリル、(CH6−10アリール、C3−10シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニル、CF、CF、C(O)1−2、又はC1−6アルキルを表し;前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル及びアリールは1〜3個のR基で場合により置換されており;
は水素、OR、(CHCF、ハロゲン、C(ROR、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−10シクロアルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロシクリルを表し、前記アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルは1〜3個のR基で場合により置換されており;
はC1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、OR(CHCF、−O−、C3−6シクロアルキル、NRC(O)R、C(O)N(R、C(ROR、C(O)R、O(CHC(O)N(R、O(CHC(O)OR,C(O)C5−10ヘテロシクリル、NO、CN、N(R、C(O)OR、SO、OR、(CH5−10ヘテロシクリル、又は(CH6−10アリールを表し、前記アルキル、ヘテロシクリル及びアリールはC1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、(CHCF又はCNの1〜3個の基で場合により置換されており;及びnは0〜4を表す。]
の新規P2X型受容体アンタゴニスト又はその薬学的に許容可能な塩と個々のエナンチオマー及びジアステレオマーに関する。
【0021】
本発明は本明細書に開示する化合物を使用するための組成物及び方法にも関する。本発明のこれら及び他の実施態様は、本明細書の開示に照らして当業者に容易に想到されよう。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は疼痛及び疼痛に関連する疾病の治療に有用な構造式Iの新規P2X型受容体アンタゴニストに関する。
【0023】
本発明の1実施態様は、Bがフェニル、又はナフチル、好ましくはフェニル、から成る群から選択されるC6−10アリールであり、前記フェニル又はナフチルが1〜3個のR基で場合により置換されるときに実現される。、
本発明の1実施態様は、Bがピリジル、モルホリニル、ピラジニル、ピペロニル、ピラゾリル、チオフェニル、ピリミジニル、インドリル、又はフラニル、好ましくはピリジル、又はチオフェニル、から成る群から選択されるC5−10ヘテロシクリルであり、その全てが1〜3のR基で場合により置換されているときに実現される。本発明の1下位実施態様は、Bが1〜3のR基で場合により置換されたピリジルであり、全ての他の可変要素が上記の通りであるときに実現される。
【0024】
本発明の他の実施態様は、Bが1〜3のR基で場合により置換されたフェニルであり、全ての他の可変要素が上記の通りであるときに実現される。
【0025】
本発明の他の実施態様は、Bが1〜3のR基で場合により置換されたC1−6アルキルであり、全ての他の可変要素が上記の通りであるときに実現される。
【0026】
本発明の他の実施態様は、Bが結合であり、全ての他の可変要素が最初に記載した通りであるときに実現される。
【0027】
本発明の更なる他の実施態様は、Bが1〜3のR基で場合により置換されたC3−10シクロアルキルであり、全ての他の可変要素が最初に記載した通りであるときに実現される。
【0028】
本発明の1実施態様は、Aがチエノピラゾリルであり、全ての他の可変要素が上記の通りであるときに実現される。本発明の1下位実施態様は、A上の炭素原子に−C(O)NRが結合しているときに実現される。本発明の他の下位実施態様は、Bがチエノピラゾリル環構造のピラゾリル部分に結合しているときに実現される。
【0029】
本発明の他の実施態様は、Aがインダゾリルであり、全ての他の可変要素が上記の通りであるときに実現される。本発明の1下位実施態様は、A上の炭素原子に−C(O)NRが結合しているときに実現される。本発明の他の下位実施態様は、Bがインダゾリル環構造のピラゾリルを含む部分の炭素原子に結合しているときに実現される。
【0030】
本発明の他の実施態様は、Aがインドリルであり、全ての他の可変要素が上記の通りであるときに実現される。本発明の1下位実施態様は、A上の炭素原子に−C(O)NRが結合しているときに実現される。本発明の他の下位実施態様は、Bがインドリル環構造のベンジル部分の炭素原子に結合しているときに実現される。本発明の更なる他の下位実施態様は、Bがインドリル環構造のピロール部分の炭素原子に結合しているときに実現される。
【0031】
本発明の更なる他の実施態様は、Rがハロゲン、C1−6アルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロシクリルを表し、前記アルキル、ヘテロシクリル及びアリールが1〜3個のR基で場合により置換されており、全ての他の可変要素が上記の通りであるときに実現される。本発明の1下位実施態様は、RがC1−6アルキル、又は(CHフェニルで場合により置換されているときに実現される。本発明の他の下位実施態様は、Rがヘテロシクリルである場合、Rが(CHRy) ピリジル、(CHRy)チオフェニル、(CHRy)ピリミニジル、(CHRy)フラニル、(CHRy)チアジアゾリル、(CHRy)チアゾリル、(CHRy)ピラゾリル、(CHRy)オキシジアゾリル、(CHRy)チアゾリルから成る群から選択され、ここでRyがH、C1−6アルキル、CF、OHを表し、前記アルキルが1〜3個のR基で場合により置換されているときに実現される。本発明の更なる1下位実施態様は、A上の置換成分であるRが窒素原子に結合しているときに実現される。
【0032】
本発明の他の実施態様は、Rが水素であり、Rが(CHRy)ピリジル、(CHRy)オキシドピリジル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)トリアゾリル、(CHRy)フェニル、(CHRy)ピラジニル、(CHRy)ピラゾリル、(CHRy)オキサジアゾリル、(CHRy)チアゾリル、(CHRy)チアジアゾリル、(CHRy)インダゾピリジル、C1−6アルキル、及び(CHRy)3−6シクルアルキルであり、その全てが1〜3個のR基で場合により置換されており、他の全ての可変要素が上記の通りであるときに実現される。本発明の他の下位実施態様は、Rが(CHRy)ピリジル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)トリアゾリル、(CHRy)ピラジニル、(CHRy)オキサジアゾリルであり、その全てが1〜3個のR基で場合により置換されているときに実現される。
【0033】
本発明の他の実施態様は、RがH、C1−6アルキル、CN、又はハロゲン、好ましくはハロゲンがフッ素及び塩素から成る群から選択されるときに実現される。
【0034】
本発明の他の実施態様は、式II、III、IV、V、VI、及びVIIにより実現される;
【化2】

【0035】
[式中、R、R、Ry、R及びRについては上記の通りであり、R6aはR、YはCH又はNである]。本発明の1下位実施態様は、YがCHである場合、式II、IV、V、及びVIの化合物のいずれかにより実現される。本発明の他の下位実施態様は、YがNである場合、式II、IV、V、及びVIの化合物のいずれかにより実現される。本発明の他の下位実施態様は、式II、III、IV、VI、及びVII:
[式中、RはH、ハロゲン、CN、又はC1−6アルキルであり;RはHであり、R及びR6aは水素、C1−6アルキル、(CH3−10シクロアルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロシクリルから成る群から独立して選択され、前記アルキル、アリール、ヘテロシクリルは1〜3個のR基で場合により置換されており;及びRが(CHRy)ピリジル、(CHRy)オキシドピリジル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)トリアゾリル、(CHRy)チアジアゾリル、(CHRy)フェニル、(CHRy)ピラジニル、(CHRy)ピラゾリル、(CHRy)オキサジアゾリル、(CHRy)チアゾリル、C1−6アルキル、及び(CHRy)3−6シクルアルキルであり、その全てが1〜3個のR基で場合により置換されている]
の化合物のいずれかにより実現される。
【0036】
、(CH3−10シクロアルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロシクリル、から成る群から独立して選択され、前記アルキル、アリール、ヘテロシクリルは1〜3個のR基で場合により置換されており;及びRは(CHRy)ピリジル、(CHRy)オキシドピリジル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)トリアゾリル、(CHRy)チアジアゾリル、(CHRy)フェニル、(CHRy)ピラジニル、(CHRy)ピラゾリル、(CHRy)オキサジアゾリル、(CHRy)チアゾリル、C1−6アルキル、及び(CHRy)3−6シクルアルキルから成る群から選択され、その全てが1〜3個のR基で場合により置換されている]
の化合物のいずれかにより実現される。式II、III、IV、V、VI及びVIIの化合物の更なる下位実施態様は、R6aが(CHRy)ピリジル、(CHRy)チオフェニル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)フェニル、(CHRy)3−6シクルアルキル、及びC1−6アルキルから成る群から選択され、その全てが1〜3個のR基で場合により置換されており、及びRが(CHRy)ピリジル、(CHRy)オキシドピリジル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)トリアゾリル、(CHRy)ピラジニル、(CHRy)ピラゾリル、及び(CHRy)オキサジアゾリル、から成る群から選択され、その全てが1〜3個のRa基で場合により置換されているときに実現される。
【0037】
本発明の更なる他の実施態様は、式II及び他の可変要素が上記の通りである化合物により実現される。
【0038】
本発明の他の実施態様は、式III及び他の可変要素が上記の通りである化合物により実現される。
【0039】
本発明の他の実施態様は、式IV及び他の可変要素が上記の通りである化合物により実現される。
【0040】
本発明の他の実施態様は、式V及び他の可変要素が上記の通りである化合物により実現される。
【0041】
本発明の他の実施態様は、式VI及び他の可変要素が上記の通りである化合物により実現される。
【0042】
本発明の他の実施態様は、式VII及び他の可変要素が上記の通りである化合物により実現される。
【0043】
本発明化合物の例は表1−6に示す化合物、又はそれらの薬学的に許容可能な塩及び個々のエナンチオマー及びジアステレオマーである。
【表1】














【表2】


【表3】





































【表4】

【表5】


【表6】





任意の可変要素(例えばアリール、複素環、R、R等)が任意成分中に2回以上出現する場合には、各出現に関するその定義はその他すべての出現から独立している。また、置換基又は可変要素の結合は、このような結合が結果として安定な化合物が得られる場合にのみ許容される。
【0044】
が−O−であり、それが炭素と結合しているときには、カルボニル基と称し、それが窒素原子(例えばピリジル基上の窒素原子)又は硫黄原子と結合しているときには、夫々N−オキシド基及びスルホキシド基と称する。
【0045】
本明細書で使用する場合「アルキル」とは、例えばアルコキシ、アルカノイル、アルケニル、及びアルキニル等の接頭語「アルク(alk)」を有する基を包含し、直鎖又は分岐鎖又はその組合せであり得る炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル及びヘプチルが含まれる。「アルケニル」とは、2〜10個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基には、エテニル、プロペニル、ブテニル及びシクロヘキセニルが含まれる。好ましくは、アルケニルはC−Cアルケニルである。好ましいアルキニルはC−Cアルキニルである。「アルケニル」、「アルキニル」及び他の同様の用語には、少なくとも1個の不飽和C−C結合を含有する炭素鎖が含まれる。
【0046】
本明細書で使用する場合「フルオロアルキル」とは、少なくとも1個のフッ素置換基を含有する本明細書に記載するアルキル置換基を意味する。
【0047】
本発明の化合物には、Rの定義において開示するようなN−オキシドが含まれる。
【0048】
用語「シクロアルキル」とは、特定の炭素原子数を有する1個の環を含有する飽和炭化水素を意味する。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが含まれる。
【0049】
用語「C1−6」には、6、5、4、3、2又は1個の炭素原子を含有するアルキルが含まれる。
【0050】
単独又は組合せて本明細書で使用する場合、用語「アルコキシ」には、オキシ連結原子と結合したアルキル基が含まれる。用語「アルコキシ」には、アルキルエーテル基も含まれ、ここで用語「アルキル」は上記に定義した通りであり、「エーテル」とは酸素原子を介して結合した2個のアルキル基を意味する。適切なアルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、メトキシメタン(別称「ジメチルエーテル」)、及びメトキシエタン(別称「エチルメチルエーテル」)が含まれる。
【0051】
本明細書で使用する場合「アリール」とは、各環が7員までであり、少なくとも1個の環が芳香環である任意の安定な単環式又は二環式炭素環を意味する。このようなアリール成分の例には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル又はビフェニルが含まれる。
【0052】
本明細書で使用する場合、複素環、ヘテロシクリル又は複素環式という用語は、飽和又は不飽和であり、炭素原子及びN、O及びSから成る群から選択される1〜4個のヘテロ原子から構成される安定な5〜7員環の単環式又は安定な8〜11員環の二環式の複素環を意味し、上記に定義した複素環のいずれかがベンゼン環と縮合した任意の二環基を含む。安定な構造が形成される限り、複素環は任意のヘテロ原子又は炭素原子に結合することができる。用語、複素環又は複素環式にはヘテロアリール部分が含まれる。このような複素環式成分の例には、限定されるものではないが、アゼピニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、1,3−ジオキソラニル、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニル、及びトリアゾリルが含まれる。
【0053】
所定実施態様において、複素環基はヘテロアリール基である。本明細書で使用する場合、用語「ヘテロアリール」とは、5〜14個、好ましくは5、6、9又は10個の環原子を有し、環配列中に6、10又は14個のπ電子を共有しており、炭素原子に加え、N、O及びSから成る群から選択される1〜約3個のヘテロ原子を有する基を称する。限定されるものではないがヘテロアリール基には、チエニル、ベンゾチエニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル及びイソオキサゾリルが含まれる。
【0054】
所定の他の実施態様において複素環基は、アリール又はヘテロアリール基に縮合している。このような縮合複素環の例には、限定されるものではないが、テトラヒドロキノリニル及びジヒドロベンゾフラニルが含まれる。
【0055】
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロアリール」とは、特に指定しない限り、芳香環を含む安定な5〜7員の単環式又は安定な9〜10員の縮合二環式複素環系を意味し、当該環系のいずれの環もピペリジニルのように飽和、部分飽和、又はピリジニルのように不飽和であってもよく、当該環は炭素原子と、N、O及びSから成る群から選択される1〜4個のヘテロ原子から構成され、ここで窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意に四級化されていてもよく、そして上記に定義した複素環のいずれかがベンゼン環と縮合した任意の二環基をも含んでいる。安定な構造が形成される限り、複素環は、任意のヘテロ原子又は炭素原子に結合することができる。限定されるものではないがこのようなヘテロアリール基の例には、ベンズイミダゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、カルボリン、シノリン、フラン、フラザン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾール及びそのN−オキシドが含まれる。
【0056】
ヘテロシクロアルキルの例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、ピロリジン−2−オン、ピペリジン−2−オン及びチオモルホリニルが含まれる。
【0057】
用語「ヘテロ原子」は独立した基準で選択されるO、S又はNを意味する。
【0058】
置換されている部分とは、1個以上の水素が独立して他の化学置換基で置換された部分である。非限定的な例として、置換フェニルには、2−フルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2,4−フルオロ−3−プロピルフェニルが含まれる。別の非限定的例として、置換n−オクチルには、2,4−ジメチル−5−エチルオクチル及び3−シクロペンチルオクチルが含まれる。この定義には、酸素で置換されカルボニル(−CO−)を形成するメチレン(−CH2−)も含まれる。
【0059】
本明細書で用いる場合、特に指定しない限り、ある部分(例えばシクロアルキル、ヒドロカルビル、アリール、アルキル、ヘテロアリール、複素環、尿素等)が「場合により置換されている」と記載する場合には、その基が1〜4個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1又は2個の水素以外の置換基を任意に有することを意味する。限定されるものではないが適切な置換基には、ハロ、ヒドロキシ、オキソ(例えばオキソで置換された環状−CH−は−C(O)−である)、ニトロ、ハロヒドロカルビル、ヒドロカルビル、アリール、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アミノアルキル、アシル、カルボキシ、ヒドロキシアルキル、アルカンスルホニル、アレンスルホニル、アルカンスルホンアミド、アレンスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アルキルカルボニル、アシルオキシ、シアノ及びウレイド基が含まれる。(特に指定しない限り)それ自体が更に置換されていない好ましい置換基を以下の通りである:
(a)ハロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、ホルミル、ニトロ、アミノ、アミジノ、グアニジノ、及び
(b)C−Cアルキル又はアルケニル又はアリールアルキルイミノ、カルバモイル、アジド、カルボキサミド、メルカプト、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、C−Cアルキル、SOCF、CF、SOMe、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、C−Cアシル、C−Cアシルアミノ、C−Cアルキルチオ、アリールアルキルチオ、アリールチオ、C−Cアルキルスルフィニル、アリールアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アリールスルホニル、C−CN−アルキルカルバモイル、C−C15N,N−ジアルキルカルバモイル、C−Cシクロアルキル、アロイル、アリールオキシ、アリールアルキルエーテル、アリール、シクロアルキル若しくは複素環若しくは他のアリール環に縮合したアリール、C−C複素環、又はシクロアルキル、ヘテロシクリル若しくはアリールに縮合もしくはスピロ縮合したこれらの環のいずれかであり、ここで前記の各々が上記(a)に列挙した1個以上の部分で場合により置換されたもの。
【0060】
「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
【0061】
用語「哺乳動物(mammal)」「哺乳類の(mammalian)」「哺乳類(mammals)」には、ヒト、並びにイヌ、ネコ、ウマ、ブタ及びウシ等の動物が含まれる。
【0062】
前掲書又は後掲書であるに関わらず、本明細書で引用する全ての特許、特許出願及び刊行物は、その開示内容全体を本明細書に援用され、技術の現状を表すものとみなされる。
【0063】
本明細書と添付の特許請求の範囲で使用する場合、文脈からそうでないことが明白である場合を除き、単数形の不定冠詞(「a」「an」)と定冠詞(the)は複数の言及を包含する。従って、例えば「プライマー(a primer)」との言及には、2個以上のこのようなプライマーが含まれ、「アミノ酸(an amino acid)」との言及には、2個以上のこのようなアミノ酸が含まれ、その他同様である。
【0064】
用語「有効量」又は「治療有効量」とは、P2X受容体複合体の効力を阻害又は強化するために十分なP2X受容体複合体モジュレーターの濃度を意味する。
【0065】
「疼痛」とは、分化した神経終末の刺激に起因する多少局在化した不快感、苦痛感又は苦悶感を意味する。疼痛には多くの種類があり、限定されるものではないが、電撃痛、幻肢痛、刺痛、急性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、複合性局所疼痛、神経痛、神経障害、組織傷害性疼痛その他が含まれる(Dorland’s Illustrated Medical Dictionary,28th Edition,W.B.Saunders Company,Philadelphia,Pa.)。疼痛治療の目標は、治療被験者により知覚される疼痛の程度又は重篤度を軽減することである。
【0066】
本明細書に記載する化合物は、1個以上の二重結合を含み、従って他の配座異性体と同様にシス/トランス異性体を生じ得る。特に指定しない限り本発明には、このような可能な全異性体と同様にこのような異性体の混合物が含まれる。
【0067】
本発明の化合物は、1個以上の不斉中心を含み、従ってラセミ化合物、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在する場合がある。
【0068】
一般式Iの化合物中、原子はその天然の同位体存在度を示してもよいし、又は1個以上の原子が、自然界に優勢に存するのとは異なる原子質量又は質量数を有するが、同一の原子番号を有する特定の同位体で人為的に強化されていてもよい。本発明は、一般式Iの化合物の全ての適した同位体変種(isotopic variations)を含むことを意図している。例えば、水素(H)の異なる同位体の種類には、プロチウム(H)及び重水素(H)が含まれる。プロチウムが自然界で優勢に存する水素の同位体である。重水素の強化は、インビボでの半減期延長又は必要用量の軽減等の一定の治療的有利性を与えることが可能であり、又生物学的試料の特性化の標準品として有用な化合物を提供することができる。一般式Iの範囲内で同位体的に強化された化合物は、過度の実験をせずに当業者に周知の従来技術により、又は本明細書のスキーム及び実施例に記載したのと類似するプロセスにより、適切な同位体的に強化した試薬及び/又は中間体を使用して調製することができる。
【0069】
当然理解されることであるが、本明細書で使用する場合、構造式Iの化合物との言及は、又薬学的に許容可能な塩を含み、更に遊離化合物の前駆体として使用する場合又は他の合成操作で使用する場合には薬学的に許容できない塩も含むものとする。
【0070】
本発明の化合物は薬学的に許容可能な塩の形態として投与することができる。用語「薬学的に許容可能な塩」とは、薬学的に許容可能な非毒性の塩基又は酸から調製される塩を意味する。本発明の化合物が酸性である場合には、その対応する塩は、無機塩基と有機塩基を含む薬学的に許容可能な非毒性の塩基から好適に調製することができる。このような無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(二価及び一価)、三価鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(三価及び二価)、カリウム、ナトリウム、亜鉛及びその他が含まれる。薬学的に許容可能な非毒性の有機塩基から誘導される塩には、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンの塩、また同様に環状アミン及び自然界に存するアミン及び合成置換アミンの塩が含まれる。塩を形成することが可能な他の薬学的に許容可能な非毒性の有機塩基には、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン及びトロメタミン等のイオン交換樹脂が含まれる。
【0071】
本発明の化合物が塩基性である場合には、その対応する塩は、無機酸と有機酸を含む薬学的に許容可能な非毒性の酸から好適に調製することができる。このような酸には、例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸及びその他が含まれる。
【0072】
本発明の医薬組成物は、活性成分としての本発明の化合物(又はその薬学的に許容可能な塩)、薬学的に許容可能なキャリヤー、及び任意に1種以上の他の治療薬又はアジュバントを含有する。このような他の治療薬には、例えばi)オピエートアゴニスト又はアンタゴニスト、ii)カルシウムチャネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャネルアンタゴニスト、v)NMDA受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)NK1アンタゴニスト、viii)非ステロイド性抗炎症薬(「NSAID」)、ix)選択的セロトニン再取込み阻害剤(「SSRI」)及び/又は選択的セロトニン・ノルエピネフリン再取込み阻害剤(「SSNRI」)、x)三環系抗鬱薬、xi)ノルエピネフリンモジュレーター、xii)リチウム、xiii)バルプロ酸塩、xiv)ニューロンチン(ガバペンチン)、xv)プレガバリン、並びにxvi)ナトリウムチャネル遮断薬が含まれる。本発明の組成物には経口、直腸、局所及び非経口(皮下、筋肉内及び静脈内を含む)投与に適した組成物が含まれるが、任意の一定の症例に最適な経路は、個々の宿主、及び活性成分を投与する病態の特質及び重篤度に依存する。医薬組成物は、単位用量形態で好適に提供することができ、薬学分野で周知の方法のいずれかにより調製することができる。
【0073】
本発明の化合物及び組成物は慢性、内臓、炎症性及び神経因性疼痛症候群の治療に有用である。これらは、外傷性神経損傷、神経圧迫又は神経絞扼、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、小径線維神経障害及び糖尿病性神経障害に起因する疼痛の治療に有用である。本発明の化合物及び組成物は、又慢性腰痛、幻肢痛、慢性骨盤痛、神経腫痛、複合性局所疼痛症候群、慢性関節痛及び関連神経痛、並びに癌、化学療法、HIV及びHIV治療により誘発される神経障害に伴う疼痛の治療にも有用である。本発明の化合物は、又局所麻酔薬としても利用され得る。本発明の化合物は、敏性腸症候群及び関連障害と同様にクローン病の治療にも有用である。
【0074】
本発明の化合物は、癲癇及び部分性及び全身性強直性発作の治療のための臨床用途を有する。これらは脳卒中又は神経外傷に起因する虚血状態下における神経保護、及び多発性硬化症の治療にとっても有用である。本発明の化合物は頻脈性不整脈の治療に有用である。更に、本発明の化合物は、気分障害(例えば抑鬱又はより具体的には鬱病性障害(例えば突発性又は再発性大鬱病性障害及び気分変調性障害)、又は双極性障害(例えば双極I型障害、双極II型障害及び気分循環性障害));不安障害(例えば広場恐怖を伴うか又は伴わないパニック障害、パニック障害歴を伴わない広場恐怖症、単一恐怖症(例えば特定動物恐怖症)、社会恐怖症、強迫性障害、ストレス障害(外傷後ストレス障害及び急性ストレス障害を含む)、及び全般性不安障害)を含む、神経精神障害の治療にも有用である。従って、本発明の他の側面は、疼痛及び疼痛に関連する他の疾病の治療用医薬の製造における式Iの化合物の使用である。
【0075】
ヒト等の霊長類に加え、他の各種哺乳動物も本発明の方法により治療することができる。例えば、限定されるものではないが、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、又は他のウシ科、ヒツジ科、ウマ科、イヌ科、ネコ科、マウス等の齧歯類に属する動物種を含む哺乳動物を治療することができる。しかし、本方法は例えばニワトリ等の鳥類種等の他の種でも実施することができる。
【0076】
当然なことであるが、鬱病又は不安症の治療のために本発明の化合物は、ノルエピネフリン再取込み阻害剤、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、可逆的モノアミンオキシダーゼ阻害剤(RIMA)、セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害剤(SNRI)、アルファ−アドレナリン受容体アンタゴニスト、非定型抗鬱剤、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニスト又はアンタゴニスト、特に5−HT1A部分アゴニスト、ニューロキニン1受容体アンタゴニスト、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、及びその薬学的に許容可能な塩等の他の抗鬱剤又は抗不安剤と併用することができる。
【0077】
更に、当然なことではあるが、本発明の化合物は、上記病態及び障害を予防するためと同様にカルシウムチャネル活性に関連する他の病態及び障害を予防するために予防的に有効用量レベルで投与することができる。
【0078】
本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、液剤又は懸濁液剤を概要約の用途に利用することができる。本発明の目的では、口腔洗浄薬やうがい薬も外用薬の用途の範囲に含まれる。
【0079】
炎症性及び神経因性疼痛の治療には、体重kg、1日当たり約0.01mg〜約140mg、又は患者一人、1日当たり約0.5mg〜約7gの用量レベルが有用である。例えば、炎症性疼痛は、体重kg、1日当たり化合物約0.01mg〜75mg又は患者一人、1日当たり約0.5mg〜約3.5gを投与することにより有効に治療することができる。神経因性疼痛は、体重kg、1日当たり化合物約0.01mg〜125mg、又は患者一人、1日当たり約0.5mg〜約5.5gを投与することにより有効に治療することができる。
【0080】
単一用量形態を製造するためにキャリヤー材料と配合することができる活性成分の量は、治療する宿主と個々の投与方式により異なる。例えば、ヒト経口投与用製剤は、組成物全体の約5〜約95%の範囲の適切で好適な量のキャリヤー材料と配合して、活性剤約0.5mg〜約5gを好適に含有することができる。単位用量形態は、一般に活性成分約1mg〜約1000mgの間、典型的には25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg又は1000mgを含有する。
【0081】
しかし、当然なことではあるが、任意の個々の患者の特定用量レベルは種々の因子に依存する。患者に関連するこのような因子には、患者の年齢、体重、一般健康状態、性別及び食生活が含まれる。他の因子には、投与時間、投与経路、排泄速度、薬剤併用及び治療する個々の疾患の重篤度が含まれる。
【0082】
実際には、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、従来の調剤配合技術により活性成分として調剤キャリヤーと密接な混合製剤として配合することができる。キャリヤーは、例えば経口又は非経口(静脈内を含む)の投与に所望される製剤形態に応じて多様な形態をとることができる。従って、本発明の医薬組成物は、所定量の活性成分を各々含有するカプセル剤、カシェ剤又は錠剤等の経口投与に適した不連続単位として提供することができる。更に、本発明の組成物は、散剤、顆粒剤、液剤、水性液体懸濁液剤、非水性液剤、水中油型エマルション又は油中水型液体エマルションとして提供することができる。上記一般剤形に加え、本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、制御放出手段及び/又は送達装置によっても投与することができる。本発明の組成物はいずれかの薬学方法により調製することができる。一般に、このような方法は、活性成分を1種以上の必須成分を構成するキャリヤーと配合する段階を含む。一般に組成物は、活性成分を液体キャリヤー又は微粉状固体キャリヤー又はその両者と均一かつ緊密に混和することにより調製される。その後、調製物は所望形態に好適に成形され得る。
【0083】
従って、本発明の医薬組成物は、薬学的に許容可能なキャリヤー、及び化合物又は薬学的に許容可能な塩を含有することができる。本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、1種以上の治療的に活性な化合物と併用して医薬組成物に含めることもできる。
【0084】
使用することのできる調剤キャリヤーは、例えば固体、液体又は気体である。固体キャリヤーの例には、乳糖、白土、蔗糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアガム、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸が含まれる。液体キャリヤーの例は、液糖、落花生油、オリーブ油及び水である。気体キャリヤーの例には、二酸化炭素と窒素が含まれる。上述したように、経口投与剤形用組成物の調製においては、いずれかの通常の調剤媒体を使用することができる。例えば、懸濁液剤、エリキシル剤及び液剤等の経口液体製剤の場合には、水、グリコール、油類、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤及びその他を含むことができ;また、散剤、カプセル剤及び錠剤等の経口固体製剤の場合には、澱粉、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、及びその他のキャリヤーを含むことができる。投与し易いという理由から錠剤とカプセル剤は、固体調剤キャリヤーを利用する最も有利な経口投与単位形態の代表である。必要に応じて錠剤は、標準的な水性又は非水性の技術によりコーティングしてもよい。上記の一般剤形に加え、制御放出手段及び/又は送達装置も本発明の化合物及び組成物を投与する上で使用することができる。
【0085】
経口剤形用組成物を調製するには、任意の適切な調剤媒体を使用することができる。例えば、水、グリコール、油類、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤及びその他は、懸濁液剤、エリキシル剤及び液剤等の経口液体製剤を形成するため使用することができ;一方、澱粉、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤等のキャリヤーは、散剤、カプセル剤及び錠剤等の経口固体製剤を形成するために使用することができる。投与し易いという理由から錠剤とカプセル剤は、固体調剤キャリヤーを利用する有利な経口投与単位である。錠剤は、標準的な水性又は非水性技術により任意にコーティングしてもよい。
【0086】
本発明の組成物を含有する錠剤は、任意に1種以上の補助成分又はアジュバントとともに圧縮又は成形により調製することができる。圧縮錠剤は、活性成分を散剤又は顆粒剤等の自由流動形態で、任意に結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤又は分散剤と混合し、適切な機械で圧縮することにより調製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することにより調製することができる。各錠剤は、活性成分約0.1mg〜約500mgを含有すると有利であり、各カシェ剤又は各カプセル剤は、活性成分約0.1mg〜約500mgを含有すると有利である。従って、錠剤、カシェ剤又はカプセル剤の1錠が活性成分を0.1mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg又は500mgを含有し、当該錠剤、カシェ剤又はカプセル剤の1錠又は2錠を1日1回、2回又は3回投与すると好適である。
【0087】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、活性化合物の水溶液又は水性懸濁液として調製することができる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロース等の適切な界面活性剤を含めることができる。分散液剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びその油中混合物で調製することもできる。更に、微生物の有害な増殖を防ぐために防腐剤を含めることができる。
【0088】
注射用に適した本発明の医薬組成物には、滅菌水溶液又は分散液が含まれる。更に組成物は、このような滅菌注射溶液又は分散液の即時調製用の滅菌粉末の形態でもよい。いずれの場合も、最終注射剤形態は無菌でなければならず、注射針を通過し易いように有効に流動性でなければならない。医薬組成物は、製造及び保存条件下で安定でなければならず、従って細菌や真菌等の微生物の汚染作用から保護しなければならない。キャリヤーは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、植物油及び適切なその混合物を含む溶媒又は分散媒とすることができる。
【0089】
本発明の医薬組成物は、例えばエアゾール、クリーム、軟膏、ローション及び粉剤等の外用薬用途に適した形態とすることができる。更に、組成物は経皮装置での使用に適した形態とすることができる。これらの製剤は、本発明の代表的化合物又はその薬学的に許容可能な塩を使用して従来の加工法により調製することができる。1例としてクリーム又は軟膏は、親水性材料と水を約5重量%〜約10重量%の化合物と混合して所望のコンシステンシーを有するクリーム又は軟膏を製造することにより調製される。
【0090】
本発明の医薬組成物は、キャリヤーが固体である直腸投与に適した形態とすることができ、例えば混合物は単位用量座剤を形成する。適切なキャリヤーには、カカオバター及び当分野で一般に使用されている他の材料が含まれる。座剤は先ず組成物を軟化又は溶融したキャリヤーと混合した後に型で冷却成形することにより好適に形成することができる。
【0091】
上記キャリヤー成分に加え、上記医薬製剤は、必要に応じて希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑沢剤及び防腐剤(酸化防止剤を含む)等の1種以上の他のキャリヤー成分を含んでいてもよい。更に、製剤を所期レシピエントの血液と等張にするために他のアジュバントを含んでいてもよい。本発明の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含有する組成物は、粉末又は濃縮液形態で調製することもできる。
【0092】
更に、上述したように本発明の化合物は、1種以上の治療的に活性な化合物と併用することができる。特に、本発明の化合物は、i)オピエートアゴニスト又はアンタゴニスト、ii)他のカルシウムチャネルアンタゴニスト、iii)5−HT1Aアゴニスト又はアンタゴニスト、及び5−HT1A部分アゴニストを含む5HT受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャネルアンタゴニスト、v)N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)ニューロキニン1受容体(NK1)アンタゴニスト、viii)非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ix)選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)及び/又は選択的セロトニン・ノルエピネフリン再取込み阻害剤(SSNRI)、x)三環系抗鬱薬、xi)ノルエピネフリンモジュレーター、xii)リチウム、xiii)バルプロ酸塩、xiv)ノルエピネフリン再取込み阻害剤、xv)モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、xvi)可逆的モノアミンオキシダーゼ阻害剤(RIMA)、xvii)アルファ−アドレナリン受容体アンタゴニスト、xviii)非定型抗鬱剤、xix)ベンゾジアゼピン、xx)コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、xxi)ニューロンチン(ガバペンチン)、並びにxxii)プレガバリンと有利に併用することができる。
【0093】
本明細書で使用する略語は以下の意味である(特に指定しない限り、下記しない略語はそれらが通常使用されている通りの意味を有する):Ac(アセチル)、Bn(ベンジル)、Boc(第3級ブトキシカルボニル)、Bop試薬(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、CAMP(環状アデノシン−3’,5’−一リン酸)、DAST((ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン)、DIBAL(水素化ジイソブチルアルミニウム)、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)、DMAP(4−(ジメチルアミノ)ピリジン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DPPF(1,1’−ビスジフェニルホスフィノフェロセン)、EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)、EtN(トリエチルアミン)、GST(グルタチオントランスフェラーゼ)、HOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、LAH(水素化リチウムアルミニウム)、Ms(メタンスルホニル;メシル;又はSOMe)、MsO(メタンスルホナート又はメシラート)、MCPBA(メタクロロ過安息香酸)、NaHMDS(ヘキサメチルジシラザンナトリウム)、NBS(N−ブロモスクシンイミド)、NCS(N−クロロスクシンイミド)、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)、PDE(ホスホジエステラーゼ)、Ph(フェニル)、r.t.又はRT(室温)、Rac(ラセミ)、SAM(アミノスルホニル;スルホンアミド又はSONH)、SPA(シンチレーション近接アッセイ)、Th(2−又は3−チエニル)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、Thi(チオフェンジイル)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、TMEDA(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)、TMSI(トリメチルシリルヨージド)、Tr又はtrityl(N−トリフェニルメチル)、C(アリル)、Me(メチル)、Et(エチル)、n−Pr(ノルマルプロピル)、i−Pr(イソプロピル)、n−Bu(ノルマルブチル)、i−Butyl(イソブチル)、s−Bu(第2級ブチル)、t−Bu(第3級ブチル)、c−Pr(シクロプロピル)、c−Bu(シクロブチル)、c−Pen(シクロペンチル)、c−Hex(シクロヘキシル)。
【0094】
本発明の化合物は実施例に記載する手順に従って調製することができる。以下の実施例は更に本発明の範囲についても記載するが、これに限定されるものではない。
【0095】
特に指定しない限り、実験手順は以下の条件下で実施した。全操作は室温又は雰囲気温度、即ち18〜25℃の範囲の温度で実施した。試薬又は中間体が空気及び水分に感受性の場合には、不活性ガスによる保護を使用した。溶媒の蒸発は、60℃までの浴温度で減圧下(600〜4000パスカル:4.5〜30mmHg)でロータリーエバポレーターを使用して実施した。反応経過は、薄層クロマトグラフィー(TLC)又は高圧液体クロマトグラフィー−質量分析法(HPLC−MS)により追跡し、反応時間は単なる例示として示した。全ての最終生成物の構造と純度は、次の技術、即ちTLC、質量分析法、核磁気共鳴(NMR)スペクトロメトリー又は微量分析データのうちの少なくとも1種により確認した。記載する場合、収率は例示のために過ぎない。記載する場合、NMRデータは、示した溶媒を使用して300MHz、400MHz又は500MHzで測定し、主要診断プロトンのデルタ(δ)値として、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する100万分率(ppm)で表す。シグナル形状に使用する慣用略語は、s.一重線;d.二重線;t.三重線;m.多重線;br.ブロード等である。更に、「Ar」は芳香族シグナルを意味する。化学記号はその通常通りの意味であり、以下の略語を使用する:v(容量)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq(当量)。
【0096】
化合物を合成するために本明細書に記載する手順は、官能基を保護する操作段階及び、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ラジアルクロマトグラフィー及び高圧クロマトグラフィー(HPLC)等の精製段階を1以上含むことができる。生成物は、プロトン及び炭素−13核磁気共鳴法(H及び13C NMR)、赤外及び紫外分光法(IR及びUV)、X線結晶構造解析、元素分析並びにHPLC−質量分析法(HPLC−MS)等の化学分野で周知の各種技術を使用して特徴づけることができる。官能基保護操作、精製、構造同定方及び定量方法は、化学合成分野の当業者に周知である。
【0097】
適切な溶媒は、反応成分の1又は全部を少なくとも部分的に溶解し、反応成分とも又は生成物とも不利な相互作用をしない溶媒である。適切な溶媒は、芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレン)、ハロゲン化溶媒(例えば塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン)、エーテル(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジグリム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール)、ニトリル(例えばアセトニトリル、プロピオニトリル)、ケトン(例えば、2−ブタノン、ジエチルケトン、tert−ブチルメチルケトン)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及び水である。2種以上の溶媒の混合物を使用することもできる。適切な塩基は一般に、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム及び水酸化カルシウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物;例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム及び水素化カルシウム等のアルカリ金属水素化物及びアルカリ土類金属水素化物;例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド及びカリウムアミド等のアルカリ金属アミド;例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素セシウム等のアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩;例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド及びマグネシウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド及びアルカリ土類金属アルコキシド;例えばメチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム等のアルカリ金属アルキル、アルキルマグネシウムハロゲン化物、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピリジン、コリジン、ルチジン及び4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基;並びに例えば、DBU及びDABCO二環式アミンである。
【0098】
当然なことではあるが、本発明に記載する所望化合物を提供するために、必要に応じて当業者に利用可能な標準的な官能基変換技術を使用して下記実施例に記載する化合物中に存在する官能基を更に操作することができる。
【0099】
同様に当然なことではあるが、本発明の化合物は1個以上の立体中心を含んでおり、当該化合物は、単一のエナンチオマーもしくはジアステレオマーとして、又は2個以上のエナンチオマーもしくはジアステレオマーを任意の比率で含む混合物として調製されるかもしれない。
【0100】
当業者に自明の他の変形又は変更も本発明の範囲と教示に含まれる。本発明は下記の特許請求の範囲の記載以外には限定されない。
【実施例】
【0101】
本発明の化合物の数種類の調製方法を下記のスキーム及び実施例に例示する。出発材料は当分野で公知の手順又は本明細書に例示する手順に従って作成される。
【0102】
反応スキーム
本発明の化合物は、容易に入手可能な出発材料、試薬及び慣用合成手順を使用し、下記のスキーム及び具体的な実施例又はその変法に従って容易に調製することができる。これらの反応では、詳細には記載しないが、当業者にそれ自体公知の変更を利用することも可能である。本発明で請求する化合物の一般的製造手順は、以下のスキームを参照した当業者によって容易に理解し認識しうるであろう。
【0103】
1.5型アミン中間体は、スキーム1に示す通り数種類の中間体の1つから調製することができる。この方法はジアステレオ選択的エルマンスルフィンイミン付加化学反応を利用して、1対のジアステレオマースルフィンアミドを生成する。HClで脱保護するに先立ってジアステレオマーは、シリカクロマトグラフィーにより分離され1.5が得られる。基質に応じてR又はSエルマン試薬を利用し、明示の好ましい立体配置を有する所期のアルファメチルアミノ化合物が得られるようにする。
【化3】

【0104】
2.5型の二環チエノピラゾール化合物は、スキーム2に概略した通り調製することができる。3,4,5−トリブロモ−1H−ピラゾール2.1をアルデヒドに変換し、引き続いてハロゲン化アルキルによりアルキル化し2.2を得る。アルデヒド2.2を閉環し2.3を得る(WO 2006092510)。EDCカップリングを伴うエステル加水分解により2.4を得、鈴木カップリングによって2.5型の最終化合物を得る。
【0105】
3.5及び3.6型の実施例は、スキーム3に概略した通り調製することができる。3,4,5−トリブロモ−1H−ピラゾール3.1をアルデヒドに変換し、引き続いてパラメトキシベンジルブロミドによりアルキル化し3.2を得る。アルデヒド3.2を閉環し3.3を得る(WO 2006092510)。チエノピラゾール3.3を2,4−ジフルオロフェニルボロン酸によりアリール化し3.4を得る。
【化4】

【0106】
TFAによりパラメトキシベンジル基を除去し、引き続きエステル加水分解、EDCカップリング、及びハロゲン化アルキルによるアルキル化又はハロゲン化アリールによるエポキシド又はアリール化によって3.5型の最終化合物及びその位置異性体3.6を得る。いくつかの化合物に関しては、最後の3段階の順序は、最初にアルキル化又はアリール化し、その後にエステル加水分解及びアミドカップリングするように再編成することができる。
【化5】

【0107】
4.4型の実施例はスキーム4に概略した通り調製することができる。インダゾール4.1をCuI存在下で置換型臭化アリルによりアルキル化し(方法A)又は置換型ヨウ化アルキルによりアルキル化して4.2型の中間体を形成する。鈴木カップリングを伴うNBSを使用した臭素化により4.3を得る。EDCカップリングを伴うエステル加水分解により4.4型の最終化合物を得る。
【化6】

【0108】
5.4型の実施例は、スキーム5に概略した通り調製することができる。インダゾール5.1をBr2で臭素化し、引き続き置換型アリール又はヘテロアリール臭化物によりアリール化し5.2型の中間体を得る。アリール又はアルケニルボロン酸エステルによる鈴木カップリングによって5.3型の化合物を得る。R6aを更に機能化するための酸化し、引き続きエステル加水分解及びEDCカップリングを実施し5.4型の化合物を得る。下位実施態様型VIIの化合物を、単に6−(1H)インダゾールカルボン酸メチルエステルの代わりに5−(1H)インダゾール炭酸メチルエステルから出発することだけで、これらの方法により類似して調製することができる。
【化7】

【0109】
6.3型の化合物は、スキーム6に概略した通り調製することができる。臭化物6.1を鈴木カップリングして6.2を得る。EDC化プリングを伴うエステル加水分解により6.3型の最終化合物を得る。
【化8】

【0110】
7.4型の実施例は、スキーム7に概略する通り調製することができる。インドール7.1をCuI存在下の置換型臭化アリールによりアルキル化して7.2型の中間体を形成する。臭化銅(II)を使用する臭素化に引き続く鈴木カップリングにより7.3を得る。EDCカップリングを伴うエステル加水分解により7.4型の最終化合物を得る。
【化9】

【0111】
中間体及び実施例:
本発明がより十分に理解できるように以下の実施例を記載する。これらの実施例は例示に過ぎず、本発明を何ら限定するものと解釈すべきではない。
【0112】
中間体1
【化10】

【0113】
(1S)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)エタンアミン
ステップA:ベンジル[(1S)−2−アミノ−1−メチル−2−チオキシエチル]カルバミン酸
[(1S)−2−アミノ−1−メチル−2−オキソエチル]カルバミン酸(15.0g、67.5mmol)を含有するジクロロメタン(337mL)溶液に2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(15.01g、37.1mmol)を添加し、混合液を55℃に加熱した。1.5時間後、反応液を雰囲気温度に冷却し濃縮した。ジクロロメタンから再結晶して標記の化合物(13.4g)を得た。MS 239.1(M+1)。
【0114】
ステップB:[(1S)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)エチル]カルバミン酸ベンジル
[(1S)−2−アミノ−1−メチル−2−チオキソエチル]カルバミン酸ベンジル(13.4g、56.2mmol)を含有するエタノール(1.125L)溶液にギ酸ヒドラジド(20.26g、337mmol)及び塩化水銀(II)
(19.85g、73.1mmol)を添加した。1時間後、反応液をろ過し濃縮した。炭酸ナトリウム飽和水溶液及び酢酸エチルを添加した。有機層を分離し水層を酢酸エチルで抽出した(2回)。有機抽出液を併せ、ブラインで洗浄し硫酸マグネシウムで脱水して、ろ過し濃縮した。生じた残渣のエタノール(1.125L)溶液を80℃に加熱した。16時間後、反応液を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→1%水酸化アンモニウム含有90%ジクロロメタン/メタノール)により精製し標記の化合物(8.7g)を得た。MS 247.1(M+1)。
【0115】
ステップC:(1S)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)エタンアミン
ベンジル[(1S)−1−(4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)エチル]カルバミン酸(8.6g、34.9mmol)を含有するエタノール(140mL)溶液に4M塩酸の1,4−ジオキサン溶液(43.7mL、175mmol)及び10%パラジウム炭素(1.858g、1.746mmol)を添加し、混合液を水素下47psiに加圧した。4時間後、反応液を減圧し、ろ過した。濃縮して、標記化合物を塩酸塩(6.6g)として得た。MS 113.0(M+1)。H NMR(500 MHz,CDOD):δ 8.82(s,1 H);4.67(q,J=6.9 Hz,1H);1.70(dd,J=6.9,1.0 Hz,3 H)。
【0116】
中間体2
【化11】

【0117】
(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)]エタンアミン
ステップA:2−メチル−N−{(1E)−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチレン}−2−プロパンスルフィンアミド
6−(トリフルオロメチル)ニコチンアルデヒド(45.0g、257mmol)を含有するジクロロエタン(640mL)溶液に(S)−(−)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(34.3g、283mmol)及び無水硫酸銅(II)(82g、514mmol)を添加した。混合液を50℃で撹拌した。48時間後、混合液を雰囲気温度に冷却した。反応混合液をセライトでろ過した。フィルターケーキをジクロロメタンで洗浄し、ろ液を濃縮して標記化合物(76.8g)を得た。MS 223.1(M−tert−ブチル+1)。
【0118】
ステップB:2−メチル−N−{(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]エチル}−2−プロパンスルフィンアミド
2−メチル−N−{(1E)−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]メチレン}−2−プロパンスルフィンアミド(76.8g、276mmol)を含有するジクロロエタン(920mL)溶液にメチルマグネシウムブロミド(3.0M THF溶液;184mL、552mmol)を−45℃で添加した。混合液を−45℃で4時間撹拌した。反応混合液を−20℃に加温した。更に、メチルマグネシウムブロミド(3.0M THF溶液;276mL、828mmol)を−20℃で添加した。反応混合液を0℃に加温し、塩化アンモニウム飽和水溶液(300mL)で反応を停止した。混合液を雰囲気温度に加温した。有機層を分離し水層をジクロロメタンで抽出した(3回)。有機抽出液を併せ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水しろ過し濃縮した。濃縮液はエチルアルコール(500mL)を使用して再結晶した。次に白色の固形物をろ過し減圧下で乾燥した(41.6g)。MS 295.0(M+1)。
【0119】
ステップC:(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]エタンアミン
2−メチル−N−{(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]エチル}−2−プロパンスルフィンアミド(41.6g、141mmol)を含有するメチルアルコール(470mL)溶液に塩化水素(4.0Mジオキサン溶液;106mL、424mmol)を0℃で添加した。30分後、混合液を濃縮し乾固した。残渣はエチルアルコール(15mL)及びエーテル(40mL)を使用して再結晶した。白色の固形物をろ過し減圧下で乾燥して標記化合物の塩酸塩(26.3g)を得た。MS 191.2(M+1)。H NMR(500 MHz、CD OD):δ 8.83(d、J=2.2Hz、1 H);8.17(d、J=8.2 Hz、1H);7.93(d、J=8.2 Hz 1H);4.69(q、J=6.9 Hz、1 H);1.70(d、J=6.9 Hz、3H)。
【0120】
中間体3
【化12】

【0121】
(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]エタンアミン
ステップA:{(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エタンアミン塩酸塩(0.554g、0.21mmol)を含有するジクロロメタン(7.0mL)溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.506g、2.32mmol)及びトリエチルアミン(0.969mL、6.95mmol)を添加した。反応混合物を雰囲気温度で4時間撹拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液を添加した。混合液をジクロロメタン(3回)で抽出した。有機抽出液を併せてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し濃縮して標記化合物(0.626g)を得、それをステップBでそのまま使用した。
【0122】
ステップB:{(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
{(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル(0.626g,2.157mmol)を含有するクロロホルム(10.0mL)溶液に、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(24mg,0.108mmol)及び3−クロロ過安息香酸(0.665g,2.70mmol)を添加した。反応混合液を50℃で48時間撹拌した。反応混合液を雰囲気温度に冷却した。チオ硫酸ナトリウム飽和水溶液及び炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を添加した。混合液をジクロロメタンで抽出した(3回)。有機抽出液を併せてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(75%ヘキサン/酢酸エチル→100%酢酸エチル)により精製し標記化合物(140mg)を得た。MS 307.0(M+1)。
【0123】
ステップC:(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]エタンアミン塩酸塩
{(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル(140mg、0.457mmol)を含有するジオキサン(2mL)溶液に塩化水素(4.0Mジオキサン溶液;0.343mL,1.371mmol)を添加した。反応混合液を4時間撹拌した。反応混合液を濃縮乾凅し、標記化合物の塩酸塩(118mg)を得た。MS 207.1(M+1)。
【0124】
中間体4
【化13】

【0125】
(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン
ステップA:[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
N−(tert−ブトキシカルボニル)−D−アラニン(20g、106mmol)、アセトアミドオキシム(17.3g、234mmol)を含有する1,4−ジオキサン120mLとN,N−ジメチルホルムアミド30mLからなる溶液にEDC(44.8g,234mmol)を添加した。混合液を60℃で4時間加熱後、100℃で16時間加熱した。雰囲気温度まで冷却後、酢酸エチル300mLを添加した。混合液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した(2回)。有機抽出液を併せ硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→90%ジクロロメタン/メタノール)により精製し、純粋な[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル(6.0g)を得た。MS 172.1((M−t−ブチル+H)+1)。
【0126】
ステップB:(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン
[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル(6.0g、26.4mmol)を含有するジオキサン(40mL)溶液に、4M塩酸ジオキサン(30mL)溶液を添加した。反応混合液を16時間撹拌した。溶液を濃縮し、減圧乾燥して(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミンの塩酸塩(5.1g)を得た。H NMR(500 MHz、CDOD):δ 4.90−4.83(m、1 H);2.41(s、3 H);1.72(d、J=7.0 Hz,3H)。MS 128.2(M+1)。
【0127】
中間体5
【化14】

【0128】
(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン
ステップA:5−フルオロピリジン−2−カルボン酸エチル
Parr社製のスチール製高圧容器中の脱ガスしたエチルアルコール(400mL)溶液に、酢酸ナトリウム(43.3g、528mmol)、2−ブロモ−5−フルオロピリジン(20g、114mmol)、1,1‘−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(2.27g、4.09mmol)及び酢酸パラジウム(II)(204mg、0.91mmol)を添加した。容器を窒素下に置きParr栓で密閉した。雰囲気を一酸化炭素ガスで置換し、圧力を300psiに調整した。混合液を90℃に加熱した。3時間後に、圧力を100psi未満に低下した。容器を雰囲気温度に冷却し、反応液を一酸化炭素により300psiに再加圧した。容器を90℃で更に4時間加熱した。容器を雰囲気温度に冷却し残存する一酸化炭素を排気した。混合液を容量の半分まで濃縮した。酢酸エチル(500mL)及び水(300mL)を添加した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した(2回)。有機抽出液を併せてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→70%ヘキサン/酢酸エチル)により精製し標記の化合物を得た。MS 170.0(M+1)。
【0129】
ステップB:5−フルオロピリジン−2−カルバルデヒド
5−フルオロピリジン−2−カルボン酸エチル(25g、148mmol)を含有するテトラヒドロフラン(250mL)溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム(1.0Mヘキサン溶液;296mL、296mmol)を−78℃で滴下して添加した。1時間後、エチルアルコール(10mL)で反応を停止した。酒石酸ナトリウムカリウム四水和物飽和水溶液(1.3L)を添加し、水層を酢酸エチルで抽出した(2回)。有機抽出液を併せブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水しろ過した。混合溶液(1.4L)を濃縮せずに次段階に供した。MS 125.9(M+1)。
【0130】
ステップC:N−[(1E)−(5−フルオロピリジン−2−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
5−フルオロピリジン−2−カルバルデヒド(18.49g、148mmol)を含有する酢酸エチル(850mL)、THF(250mL)及びヘキサン(300mL)からなる溶液に、(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(19.71g、163mmol)及び無水硫酸銅(II)(59.0g、370mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。18時間後、混合液をセライトでろ過した。フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄し、ろ液を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→98%ジクロロメタン/メタノール)により精製し標記化合物を得た。
【0131】
ステップD:N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
N−[(1E)−(5−フルオロピリジン−2−イル)メチレン]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(52.12g、228mmol)を含有するジクロロメタン(1000mL)溶液に、メチルマグネシウムブロミド(3.0M テトラヒドロフラン溶液;198mL、594mmol)を−78℃で添加した。混合液を雰囲気温度に加温した。30分後、混合液を−78℃に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液(100mL)で反応を停止した。混合液を雰囲気温度に加温した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(3回)で抽出した。有機抽出液を併せ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%酢酸エチル)により精製し標記化合物を得た。MS 245(M+1)。
【0132】
ステップE:(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン
N−[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(34.3g、140mmol)を含有するメチルアルコール(700mL)に、塩化水素(4.0Mジオキサン溶液;105mL、421mmol)を0℃で添加した。30分後、混合液を濃縮して乾固した。エチルアルコール(15mL)及びエーテル(40mL)を使用して残渣を再結晶した。白色の固形物をろ過し、減圧下で乾燥して標記化合物の塩酸塩を得た。MS 141.1(M+1)。
【0133】
中間体6
【化15】

【0134】
(1R)−1−(5−フルオロ−1−オキシドピリジン−2−イル)エタンアミン
ステップA:[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミンのスルホン酸塩(7.5g、24.0mmol)を含有するジクロロメタン(96mL)溶液に、トリエチルアミン(7.03mL、50.0mmol)及びジ−tert−ブチル(6.13mL、26.4mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度に加温した。16時間後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を添加した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2回)で抽出した。有機抽出液を併せ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水しろ過した。濃縮して標記化合物(7.72g)を得た。MS 241.1(M+1)。
【0135】
ステップB:[(1R)−1−(5−フルオロ−1−オキシドピリジン−2−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
[(1R)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル(5.77g、24.0mmol)を含有するジクロロメタン(96mL)溶液に3−クロロ過安息香酸(6.51g、26.4mmol)を添加した。4.5時間後、過剰の3−クロロ過安息香酸(0.59g、2.6mmol)を添加した。72時間後、亜硫酸ナトリウム飽和水溶液を添加した。1時間後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を添加した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2回)で抽出した。有機抽出液を併せ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→1%水酸化アンモニウム含有90%ジクロロメタン/メタノール)により精製し標記化合物(5.45g)を得た。MS 257.1(M+1)。
【0136】
ステップC:(1R)−1−(5−フルオロ−1−オキシドピリジン−2−イル)エタンアミン
[(1R)−1−(5−フルオロ−1−オキシドピリジン−2−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル(1.47g、5.74mmol)を含有するジクロロメタン(28.7mL)溶液に、4M塩酸1,4−ジオキサン溶液(43.0mL、172mmol)を添加した。2時間後、濃縮して標記化合物を塩酸塩(1.396g)として得た。MS 157.1(M+1)。H NMR(500 MHz、CDOD):δ 8.55(dd、J=4.3、2.4 Hz、1 H);7.70(dd、J=9.0、6.7 Hz、1 H);7.52(ddd、J=9.1、7.1、2.4 Hz、1 H);4.80(q、J=7.0 Hz、1 H);1.74(d、J=7.0 Hz、3 H)。
【0137】
中間体7
【化16】

【0138】
(1R)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタンアミン
ステップA:[(1R)−1−シアノエチル]カルバミン酸ベンジル
[(1R)−2−アミノ−1−メチル−2−オキソエチル]カルバミン酸ベンジル(10g、45mmol)を含有する50mLのN,N−ジメチルホルムアミド溶液に2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(4.15g、22.5mmol)を添加した。2時間後、水100mLを添加し、混合液をろ過した。固形物を炭酸水素ナトリウム水溶液100mL(2回)で洗浄し、減圧下で乾燥し純粋な[(1R)−1−シアノエチル]カルバミン酸ベンジル(7.2g)を得た。MS 205.2((M+1)。
【0139】
ステップB:[(1R,2Z)−2−アミノ−2−(ヒドロキシイミノ)−1−メチルエチル]カルバミン酸ベンジル
[(1R)−1−シアノエチル]カルバミン酸ベンジル(2.52g、12.3mmol)を含有するエタノール(30ml)溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.90g、13.0mmol)とトリエチルアミン(3.43ml、24.6mmol)を加え、混合液を75℃に加熱した。16時間後、溶液を濃縮し、残渣をジクロロメタン200mLに溶解した。混合液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液100mL(2回)とブライン(100mL)で洗浄した。有機抽出層を併せ、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮し[(1R,2Z)−2−アミノ−2−(ヒドロキシイミノ)−1−メチルエチル]カルバミン酸ベンジル(2.9g)を得た。MS 238.2(M+1)。
【0140】
ステップC:[(1R)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エチル]カルバミン酸ベンジル
[(1R,2Z)−2−アミノ−2−(ヒドロキシイミノ)−1−メチルエチル]カルバミン酸ベンジル(2.25g、9.48mmol)を含有するジオキサン(80ml)溶液に、1−アセチル−1H−イミダゾール(3.13g、28.5mmol)を加え、混合液を90℃に加熱した。16時間後、溶液を濃縮し、残渣をジクロロメタン200mLに溶解した。混合液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液100mL(2回)と塩化ナトリウム飽和水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタン→95%ジクロロメタン/メタノール)により精製し標記化合物(1.1g)を得た。MS 262.1(M+1)。
【0141】
ステップD:(1R)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタンアミン
[(1R)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エチル]カルバミン酸ベンジル(1.10g、4.21mmol)を含有するジクロロメタン(40mL)溶液に、1M三塩化ホウ素のジクロロメタン溶液(21.1mL、21.1mmol)を0℃で添加した。反応混合液を4時間かけて0℃から20℃まで加温した。溶液をメタノール5mlによって0℃で反応停止した。雰囲気温度まで加温後、混合液を濃縮し、残渣をジエチルエーテル100mL(2回)で洗浄し、(1R)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタンアミンの塩酸塩を固形物(0.84g)として得た。H NMR(500 MHz、CDOD):δ 4.70−4.61(m、1 H);2.63(s、3 H);1.67(d、J=6.9 Hz、3 H)。
【0142】
中間体8
【化17】

【0143】
(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エタンアミン
ステップA:2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルボン酸エチル
4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルボン酸エチル(30.2g、119.0mmol)を含有するエタノール(594mL)溶液に、パラジウム(10%パラジウム炭素、50%水湿潤;2.5g、1.21mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(50.0mL、286.0mmol)を窒素下で添加した。混合液を水素下(1気圧)で撹拌した。6時間後、混合液をセライトでろ過した。ろ液を濃縮し酢酸エチルを添加した。混合液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2回)、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮して標記化合物(25.6g)を得た。MS 221.1(M+1)。
【0144】
ステップB:2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルバルデヒド
2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルボン酸エチル(25.5g、116.0mmol)を含有するジクロロメタン(580mL)溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム(1.0M;130.0mL、130.0mmol)を−78℃で徐々に添加した。混合液を−78℃で撹拌した。2時間後、塩酸(2.0M水溶液)を徐々に添加して混合液の反応を停止した。混合液を雰囲気温度に加温した。混合液をジエチルエーテル(3回)で抽出した。有機抽出液を併せ、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮して標記化合物(28.2g)を得た。
【0145】
ステップC:2−メチル−N−{(1Z)−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メチレン}プロパン−2−スルフィンアミド
2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルバルデヒド(27.2g、99mmol)を含有するジクロロエタン(250mL)溶液に、(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(13.3g、109.0mmol)及び硫酸銅(II)(31.5g、197mmol)を添加した。混合液を50℃に加熱した。18時間後、混合液を雰囲気温度に冷却し、シリカゲルパッドによりろ過した。フィルターケーキをジクロロメタンで洗浄し、ろ液を濃縮して標記化合物(27.3g)を得た。MS 224[(M+1)−56]。
【0146】
ステップD:2−メチル−N−{{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}プロパン−2−スルフィンアミド
2−メチル−N−{(1Z)−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]メチレン}プロパン−2−スルフィンアミド(14.3g、51.2mmol)を含有するトルエン(260mL)溶液に、メチルリチウム(1.6M;35.0mL、56.0mmol)を−70℃で添加した。混合液を−70℃で15分間撹拌した。混合液を塩化アンモニウム飽和水溶液で反応停止し、混合液を雰囲気温度に加温した。混合液をジクロロメタン(3回)で抽出した。有機抽出液を併せ、NaSOで脱水し、ろ過し濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→35%ヘキサン/酢酸エチル、次に100%酢酸エチル→94%酢酸エチル/メタノール)により精製し標記化合物(7.23g)を得た。MS 240[(M+1)−56]。
【0147】
ステップE:(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エタンアミン
2−メチル−N−{{(1R)−1−[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル]エチル}プロパン−2−スルフィンアミド(7.23g、24.5mmol)を含有するメタノール(100mL)溶液に、塩酸(4.0Mジオキサン溶液;18.5mL、74.0mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。1時間後、混合液を濃縮して標記化合物(4.6g)を得た。
【0148】
実施例1.2
【化18】

【0149】
1−メチル−3−フェニル−N−{(1R)−1−[6−トリフルオロメチル]ピリジン−3−イル]エチル}−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミド
1−メチル−3−フェニル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸(25.0mg、0.10mmol)、(1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エタンアミン(22.1mg、0.12mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(32.5mg、0.17mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(6.6mg、48.0μmol)を含有するN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液にトリエチルアミン(54.0μL、0.39mmol)を添加した。混合液を50℃で撹拌した。18時間後、混合液を雰囲気温度に冷却し、水(100μL)及びトリフルオロ酢酸(100μL)を添加した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有5%水/アセトニトリル)により精製し標記化合物のトリフルオロ酢酸塩(38mg)を得た:HRMS[M+1]実測値=431.1166。H NMR(500 MHz、DMSO−d):δ 9.07(1 H、d、J=7.27 Hz)、8.83(1 H、s)、8.37(1 H、s)、8.09(1 H、d、J=8.25 Hz)、7.95−7.89(3 H、m)、7.52(2 H、t、J=7.57 Hz)、7.41(1 H、t、J=7.37 Hz)、5.29−5.22(1 H、m)、4.01(3 H、s)、1.58(3 H、d、J=7.06 Hz)。
【0150】
実施例1.49
【化19】

【0151】
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミド
ステップA:3,5−ジブロモ−1−(4−メトキシベンジル)−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド
3,5−ジブロモ−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(987.9mg、3.89mmol)及び炭酸カリウム(1.613g、11.67mmol)をアルゴン下、25℃でN,N−ジメチルホルムアミド(39mL)に溶解した。4−メトキシベンジルブロミド(617μl、4.28mmol)を滴下して添加した。反応混合液を2時間10分間撹拌した。反応を中止し、塩化アンモニウム飽和水溶液(30mL)で反応停止し、混合液を酢酸エチル(30mL、3回)で抽出した。有機相を併せ塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し(20mL、1回)、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、フラッシュクロマトグラフィー(RediSep SiO、120gカラム)により酢酸エチル−ヘキサン(0〜55%)で溶出して精製した。標記化合物を無色の粘質油として回収した(1.3342g、3.57mmol、収率92%)。LC−MS[M+1]=373.1。
【0152】
ステップB:3−ブロモ−1−(4−メトキシベンジル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル
3,5−ジブロモ−1−(4−メトキシベンジル)−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(1.3301g、3.56mmol)、チオグリコール酸エチル(0.419ml、3.73mmol)、及び炭酸ナトリウム(0.761g、7.18mmol)をアルゴン下、密閉厚肉反応容器中25℃でエタノール(35ml)に溶解した。反応混合液を80℃に加温し4時間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液(40ml)を添加して反応停止し、混合液を酢酸エチルで抽出した(30mL、3回)。有機相を併せ塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し(20mL、1回)、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、酢酸エチル−ヘキサン(0〜25%)で溶出してフラッシュクロマグラフィー(RediSep SiO2、120gカラム)により精製した。標記化合物を白色の固形物として回収した(1.2063g、3.05mmol、収率86%)。LC−MS[M+1]=395.2。
【0153】
ステップC:3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(4−メトキシベンジル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル
3−ブロモ−1−(4−メトキシベンジル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(1.1422g、2.89mmol)、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(1.867g、11.82mmol)、炭酸ナトリウム(1.614g、15.23mmol)、及び[1,1‘−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(0.426g、0.582mmol)をアルゴン下、密閉肉厚反応容器中25℃でジオキサン(14.45ml)に溶解した。反応混合液を80℃に加熱し2時間撹拌した。炭酸セシウム(1.52g、4.67mmol)を添加した。反応液を2時間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液(20mL)を添加して反応停止し、混合液を酢酸エチル(20mL、3回)で抽出した。有機相を併せ塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し(15mL、1回)、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、フラッシュクロマトグラフィー(RediSep SiO、120gカラム)により酢酸エチル−ヘキサン(0〜15%)で溶出して精製した。標記化合物を白色の固形物として回収した(1.0147g、2.368l、収率82。LC−MS[M+1]=429.3。
【0154】
ステップD:3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(4−メトキシベンジル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(1.0103g、2.358mmol)を密閉肉厚反応容器中25℃で1,2−ジクロロエタン(11.79ml)及びトリフルオロ酢酸(11.79ml)の混合液に溶解した。反応混合液を100℃に加熱し2時間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(20mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(15mL、1回)及び塩化ナトリウム飽和水溶液(15mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、減圧下で濃縮した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、酢酸エチル−ヘキサン(0〜60%)で溶出してフラッシュクロマトフラフィ(RediSep SiO、120gカラム)ーにより精製した。標記化合物を白色の固形物として回収した(719.0mg、2.332mmol、率99%)。LC−MS[M+1]=309.3。
【0155】
ステップE:3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(714.9mg、2.319mmol)を25℃でテトラヒドロフラン(35mL)/メタノール(12mL)に溶解した。水酸化ナトリウム(9.28mL、9.28mmol)を添加した。反応混合液を50℃に加熱し18時間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、濃塩酸(0.767mL)で反応停止し、減圧下で濃縮した。標記化合物の4食塩相当量含有物を明黄色/白色の固形物(1.1613g、2.259mol、収率97%)として回収した。LC−MS[M+1]=281.2。
【0156】
ステップF:3−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミド
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸(964.9mg、1.877mmol、4食塩相当量含有物)、L−(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン二塩酸塩(462.3mg、2.311mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(725.4mg、3.78mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(129.6mg、0.952mmol)、及びN−メチルモルホリン(0.826mL、7.51mmol)を25℃でN,N−ジメチルホルムアミド(18mL)に溶解した。反応混合液を50℃に加熱し10分間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液(15mL)を添加して反応停止し、酢酸エチル(15mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化アンモニウム飽和水溶液(15mL、2回)及び塩化ナトリウム飽和水溶液(15mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、酢酸エチル−ヘキサン(0〜100%)で溶出してフラッシュクロマグラフィー(RediSep SiO、120gカラム)により精製した。標記化合物を明黄色/白色の固形物として回収した(556.0mg、1.428mmol、収率76%)。LC−MS[M+1]=390.2。
【0157】
ステップG:3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミド
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミド(203.5mg、0.523mmol)及び炭酸カリウム(331.5mg、2.40mmol)を25℃でN,N−ジメチルホルムアミド(5.20ml)に溶解した。2−ヨードエタノール(69μL、0.885mmol)を添加した。反応液を50℃に加熱し4時間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL)を添加して反応停止し、酢酸エチル(15mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL、2回)及び塩化ナトリウム飽和水溶液(10mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、フラッシュクロマトグラフィー(RediSep SiO、40gカラム)により酢酸エチル−ヘキサン(0〜100%)で溶出して精製した。標記化合物を明黄色/白色の固形物(129.6mg、0.299mmol、収率57.2%)として回収した。望ましくない位置異性体、3−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(2−ヒドロキシエチル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−2H−インダゾール−6−カルボキサミドを明黄色/白色の固形物(33.1mg、0.076mmol、収率14.61%)として回収した。標記化合物:HRMS[M+1]実測値=434.1091。H NMR(400 MHz、CDCl):δ 7.99−7.89(m、1 H);7.61(d、J=3.7 Hz、1 H);7.01−6.91(m、2 H);6.80(d、J=7.8 Hz、1 H);5.60−5.51(m、1 H);4.39−4.34(m、2 H);4.15(d、J=5.4 Hz、2 H);2.90(s、1 H);2.40(s、3 H);1.70(d、J=7.1 Hz、3 H)。位置異性体:HRMS[M+1]実測値=434.1095。
【0158】
実施例1.84&85
【化20】

【0159】
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキブタン−2−イル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミド
ステップA:3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキブタン−2−イル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(200mg、0.649mmol)及び炭酸カリウム(448mg、3.24mmol)を含有するN,N−ジメチルホルムアミド(6.5mL)溶液にトランス−ジメチルオキシラン(140mg、1.95mmol)を添加した。反応混合液を100℃で18時間撹拌した。混合液を雰囲気温度に冷却した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→0.05%水酸化アンモニウム含有5%水/アセトニトリル)により精製し標記化合物(134mg)を得た。LC−MS[M+1]=381.2。
【0160】
ステップB:3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキブタン−2−イル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキブタン−2−イル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(134mg、0.352mmol)を含有するメタノール(3.5mL)溶液に水酸化ナトリウム(1M、1.06mL、1.06mmol)を添加した。反応液を50℃で18時間撹拌した。塩酸(6M、0.176mL、1.06mmol)を添加した。混合液を濃縮して標記化合物の3食塩相当量含有物(181mg)を得た:LC−MS[M+1]=353.3。
【0161】
ステップC:3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキブタン−2−イル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミド
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキブタン−2−イル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸の3食塩相当量含有物(140mg、0.265mmol)、(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン塩酸塩(63.7mg、0.318mmol)、及びN−メチルモルホリン(33.7μL、0.307mmol)を含有するN,N−ジメチルホルムアミド((1.3mL)溶液に、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N‘−エチルカルボジイミド塩酸塩(89mg、0.464mmol)及び1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(18.1mg、0.133mmol)を添加した。反応混合液を50℃で1時間撹拌した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→0.05%水酸化アンモニウム含有5%水/アセトニトリル)により精製し標記化合物(105mg)を得た。LC−MS[M+1]実測値=462.4。ジアステレオマーをChiralPak ADカラム(改質剤ジエチルアミン含有40%ヘキサン/60%エタノール、5cm x 5cm)を使用して分離した。第一溶出ジアステレオマー(38.1mg):H NMR(400 MHz、DMSO−d)δ:9.34(1 H、d、J=7.37 Hz)、8.06(1 H、d、J=3.55 Hz)、7.96(1 H、td、J=8.74、6.61 Hz)、7.49(1 H、ddd、J=11.26、9.19、2.61 Hz)、7.24(1H、td、J=8.47、2.61 Hz)、5.39−5.28(1 H、m)、5.17(1 H、d、J=5.30 Hz)、4.44−4.37(1 H、m)、4.07−3.96(1 H、m)、2.34(3 H、s)、1.57(6 H、dd、J=15.26、7.01 Hz)、1.01(3 H、d、J=6.29 Hz)。第二溶出ジアステレマー(38.4mg):H NMR δ(400 MHz、DMSO−d):9.34(1 H、d、J=7.35 Hz)、8.07(1 H、d、J=3.55 Hz)、7.96(1 H、td、J=8.72、6.64 Hz)、7.49(1 H、ddd、J=11.25、9.21、2.61 Hz)、7.24(1H、td、J=8.50、2.57 Hz)、5.40−5.28(1 H、m)、5.17(1 H、d、J=4.87 Hz)、4.45−4.36(1 H、m)、4.07−3.96(1 H、m)、2.33(3 H、s)、1.58(6 H、dd、J=15.83、7.01 Hz)、1.01(3 H、d、J=6.29 Hz)。
【0162】
実施例1.98
【化21】

【0163】
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(ピラジン−2−イル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミド
ステップA:3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(ピラジン−2−イル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(82.0mg、0.266mmol)、2−フルオロピラジン(134.6mg、1.372mmol)及び炭酸セシウム(263.7mg、0.809mmol)をアルゴン下、25℃でN,N−ジメチルホルムアミド(2.60mL)に溶解した。反応混合液を80℃に加熱し2時間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL)を添加して反応停止し、混合液を酢酸エチル(15mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL、2回)及び塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し(10mL、1回)、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、フラッシュクロマトグラフィー(RediSep SiO、40gカラム)により酢酸エチル−ヘキサン(0〜50%)で溶出して精製した。標記化合物を明黄色/白色の固形物(55.3mg、0.143mmol、収率53.8%)として回収した。LC−MS[M+1]=387.3。
【0164】
ステップB:3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(ピラジン−2−イル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(ピラジン−2−イル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸エチル(54.0mg、0.140mmol)を25℃でテトラヒドロフラン(900μl)及びメタノール(600μl)に溶解した。1M水酸化ナトリウム(559μl、0.559mmol)を添加し、反応混合液を50℃に加熱し12時間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、濃塩酸(46.2μL)を添加して反応停止し、減圧下で濃縮した。標記化合物の4食塩相当量含有物(87.2mg、0.139mmol、収率99%)を明黄色/白色の固形物として回収した。LC−MS[M+1]=359.2。
【0165】
ステップC:3−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(ピラジン−2−イル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボキサミド
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(ピラジン−2−イル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸(43.6mg、0.069mmol、4当食塩相当量含有物)、L−(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン二塩酸塩(17.2mg、0.086mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(28.5mg、0.149mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(5.2mg、0.038mmol)、及びN−メチルモルホリン(31μl、0.282mmol)を25℃でN,N−ジメチルホルムアミド(700μl)に溶解した。反応混合液を50℃に加熱し10分間撹拌した。反応を中止し、水(約0.2mL)及びトリフルオロ酢酸(約0.2mL)を添加して反応停止した。反応混合液を、分取HPLC(逆相(C−18))により0.05%水酸化アンモニウム含有アセトニトリル/水で溶出して直接精製し、標記化合物を白色の固形物(21.5mg、0.046mmol、収率66.3%)として得た。HRMS[M+1]実測値=468.1063。H NMR(500 MHz、CDCl):δ 9.45(s、1 H);8.54−8.46(m、2 H);8.20−8.13(m、1 H);7.74(d、J=3.9 Hz、1 H);7.10−7.04(m、1 H);7.03−6.97(m、1 H);6.89(d、J=7.8 Hz、1 H);5.63(t、J=7.3 Hz、1 H);2.44(s、3 H);1.74(d、J=7.1 Hz、3 H)。
【0166】
実施例3.1
【化22】

【0167】
3−(2−クロロフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
ステップA:1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル
1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(2.0g、11.4mmol)を含有するトルエン(11.4mL)溶液に、4−ブロモトルエン(2.33g、13.6mmol)、リン酸三カリウム(4.8g、22.7mmol)、ヨウ化第一銅(0.12g、0.60mmol)及びトランス−(1R,2R)−N,N‘−ビスメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(0.18mL、1.14mmol)を添加した。反応混合液を密閉容器中120℃で撹拌した。10分後、4−ヨードトルエン(3.01g)を添加し、混合液を120℃で更に2時間撹拌した。混合液を雰囲気温度に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム(20mL)で反応停止した。混合液を酢酸エチルで抽出した(20mL、3回)。有機相を併せ塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し(15mL、1回)、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮して標記化合物(1.76g)を得た:LC−MS[M+1]=267.1。
【0168】
ステップB:3−ブロモ−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル
1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(2.7075g、10.17mmol)をアルゴン下、25℃でアセトニトリル(102ml)に溶解した。臭素(1.886ml、36.60mmol)を添加した。反応混合液を60時間撹拌した。反応を中止し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(40mL)を添加して反応停止し、混合液を酢酸エチル(35mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液(25mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、酢酸エチル−ヘキサン(0〜5%)で溶出してフラッシュクロマグラフィー(RediSep SiO、330gカラム)により精製した。標記化合物(2.8006g、7.55mmol、収率74.2)を白色の固形物として回収した。LC−MS[M+1]=346.1。
【0169】
ステップC:3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル
3−ブロモ−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(0.30g、0.87mmol)、2−クロロフェニルボロン酸(0.21g、1.34mmol)、炭酸セシウム(0.86g、2.64mmol)、塩化銅(I)(91.6mg、0.93mmol)、1,1‘−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(51.6mg、0.09mmol)及び酢酸パラジウム(II)(9.8mg、0.04mmol)の混合物にアルゴン下、N,N−ジメチルスルホンアミド(4.3mL)を添加した。混合液を密閉容器中90℃で30分間撹拌した。混合液を雰囲気温度に冷却し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(15mL)で反応停止した。混合液を酢酸エチル(15mL、3回)で抽出した。有機層を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し(10mL、1回)、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→95%ヘキサン/酢酸エチル)により精製し標記化合物(0.25g)を得た:LC−MS[M+1]=377.2。
【0170】
ステップD:3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸
3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(0.25g、0.66mmol)を含有するメタノール(1.5mL)及びテトラヒドロフラン(2.9mL)からなる溶液に水酸化ナトリウム(1.0M、3.98mL、3.98mmol)を添加した。混合液を50℃に加熱し1.5時間撹拌した。混合液を雰囲気温度に冷却し、pH<3となるまで1.0M塩酸(約4.0mL)を添加した。混合液を酢酸エチル(10mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し(7mL、1回)、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮して標記化合物(0.24g)を得た:LC−MS[M+1]=363.2。
【0171】
ステップE:3−(2−クロロフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸(20.3mg、56.0μmol)を含有するN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)溶液に、(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミンの塩酸塩(14.5mg、72.0μmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(23.4mg、0.12mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(4.1mg、0.03mmol)及びN−メチルモルホリン(23.0mg、0.12mmol)を添加した。混合液を50℃に加熱し30分間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、水(約0.2mL)及びトリフルオロ酢酸(約0.2mL)を添加して反応停止した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有5%水/アセトニトリル)にて精製し標記化合物のトリフルオロ酢酸塩(27.4mg)を得た:HRMS[M+1]実測値=472.1551。H NMR(500 MHz、CDCl):δ 8.26(s、1 H);7.80(d、J=8.4 Hz、1 H);7.69−7.62(m、3 H);7.60−7.55(m、2H);7.46−7.39(m、2 H);7.36(d、J=7.9 Hz、2 H);7.09(d、J=7.2 Hz、1 H);5.66−5.59(m、1 H);2.44(s、3 H);2.40(s、3 H);1.72(d、J=6.7 Hz、3 H)。
【0172】
実施例3.6
【化23】

【0173】
3−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
ステップA:1−イソプロピル−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル
1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(1.92g、10.9mmol)及び炭酸セシウム(7.12g、21.8mmol)を含有するN,N−ジメチルホルムアミド(21.8mL)溶液をアルゴン下60℃で10分間加熱した。2−ヨードプロパン(1.09mL、10.9mmol)を滴下して添加した。混合液を60℃で1.5時間撹拌した。混合液を雰囲気温度に冷却し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(30mL)で反応停止した。混合液を酢酸エチル(30mL、3回)で抽出した。有機層を併せ、塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄し(20mL、3回)、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→70%ヘキサン/酢酸エチル)により精製し標記化合物(1.33g)を得た:LC−MS[M+1]=219.2。
【0174】
ステップB:3−ブロモ−1−イソプロピル−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル
1−イソプロピル−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(1.3g、5.94mmol)を含有するアセトニトリル(50mL)溶液にアルゴン下、臭素(0.60mL、11.64mmol)及び酢酸(0.10mL)を添加した。混合液を雰囲気温度で18時間撹拌した。反応を中止し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(30mL)で反応停止した。混合液を酢酸エチル(30mL、3回)で抽出した。有機層を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し(15mL、1回)、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し減圧下で濃縮して標記化合物(1.74g)を得た:LC−MS[M+1]=297.2。
【0175】
ステップC:3−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル
3−ブロモ−1−イソプロピル−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(0.32g、1.08mmol)、2−クロロフェニルボロン酸(0.51g、3.29mmol)、炭酸セシウム(1.15g、3.52mmol)、塩化銅(I)(0.11g、1.09mmol)、1,1‘−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(61.1mg、0.11mmol)及び酢酸パラジウム(II)(12.6mg、0.06mmol)の混合物にアルゴン下、N,N−ジメチルホルムアミド(4.3mL)を添加した。混合液を密閉容器中90℃で18時間撹拌した。18時間後、混合液を雰囲気温度に冷却し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(15mL)で反応停止した。混合液を酢酸エチル(15mL、3回)で抽出した。有機層を併せ、塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL、4回)、塩化ナトリウム飽和水溶液(10mL、1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→85%ヘキサン/酢酸エチル)により精製し標記化合物(0.11g)を得た:LC−MS[M+1]=329.2。
【0176】
ステップD:3−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−6−カルボン酸
3−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル57.7mg、0.18mmol)を含有するメタノール(1.1mL)及びテトラヒドロフラン(0.7mL)からなる溶液に水酸化ナトリウム(1.0M、1.10mL、1.10mmol)を添加した。混合液を50℃に加熱し18時間撹拌した。混合液を雰囲気温度に冷却し、pH<3となるまで1.0M塩酸(約1.1mL)を添加した。混合液を酢酸エチル(10mL、3回)で抽出した。有機層を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液(7mL、1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し濃縮して標記の化合物(55.0mg)を得た:LC−MS[M+1]=315.0。
【0177】
ステップE:3−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
3−(2−クロロフェニル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−6−カルボン酸(13.3mg、42.0μmol)を含有するN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)溶液に、(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミンの塩酸塩(10.4mg、63.0μmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(16.2mg、85.0μmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(2.9mg、21.0μmol)及びN−メチルモルホリン(18.6μL、0.17mmol)を添加した。混合液を50℃に加熱し30分間撹拌した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有5%水/アセトニトリル)により精製し標記化合物のビストリフルオロ酢酸塩(12mg)を得た:HRMS[M+1]実測値=424.1530;H NMR(500 MHz、CDCl):δ 8.12(s、1 H);7.75(d、J=8.4 Hz、1 H);7.63−7.59(m、1 H);7.57−7.53(m、1 H);7.49(d、J=8.4 Hz、1 H);7.39(dd、J=5.9、3.5 Hz、2H);6.84(d、J=7.7 Hz、1 H);5.68−5.61(m、1 H);5.03−4.95(m、1 H);2.42(s、3 H);1.74(d、J=7.0 Hz、3 H);1.67(d、J=6.6 Hz、6 H)。
【0178】
実施例3.142
【化24】

【0179】
3−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
ステップA:3−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル
10〜20mL容のマイクロウェーブ用バイアルに収容した、3−ブロモ−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(173.7mg、0.503mmol)、2,6−ジフルオロフェニルボロン酸ピナコールエステル(183.4mg、0.764mmol)、CsCO(505.1mg、1.550mmol)、塩化銅(I)(52.7mg、0.532mmol)、1,1‘−ビスジフェニルホスフィノフェロセン(29.3mg、0.053mmol)、及び酢酸パラジウム(II)(6.5mg、0.029mmol)にアルゴン下、N,N−ジメチルホルムアミド(2.50mL)を添加し容器を密閉した。反応混合液を90℃に加熱し30分間撹拌した。反応を中止し、塩化アンモニウム飽和水溶液(15mL)で反応停止し、酢酸エチル(15mL、3回)で抽出した。有機層を併せ、塩化アンモニウム飽和水溶液(15mL、1回)、塩化ナトリウム飽和水溶液(10mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、減圧下で濃縮した。粗製生成物をCombiFlash精製システムを使用し、フラッシュクロマトグラフィー(RediSep SiO、24gカラム)により酢酸エチル−ヘキサン(0〜10%)で溶出して精製した。標記化合物を白色の固形物として得た(102.1mg、0.270mmol、収率53.6%)。LC−MS[M+1]=379.2。
【0180】
ステップB:3−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸
3−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(101.2mg、0.267mmol)をメタノール(1.30mL)及びテトラヒドロフラン(1.90mL)に溶解した。1M水酸化ナトリウム(1.60mL、0.267mmol)を添加した。反応混合液を50℃に加熱し1.5時間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、pH<3になるまで1M塩酸(約1.60mL)を添加して反応停止し、溶媒を減圧下で蒸発した。標記化合物を白色の固形物(199.5mg、0.265mmol、収率99%、6食塩相当量含有物)として回収した。LC−MS[M+1]=365.2。
【0181】
ステップC: 3−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
3−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸(30.0mg、0.040mmol、6食塩相当量含有物)、(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン二塩酸塩(12.5mg、0.062mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(16.2mg、0.085mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(3.4mg、0.025mmol)、及びN−メチルモルホリン(20μl、0.182mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(500μl)に25℃で溶解した。反応混合液を50℃に加熱し30分間撹拌した。反応を中止し、水(約0.1mL)及びトリフルオロ酢酸(約0.1mL)を添加して反応停止した。粗製の反応混合液を分取HPLC(逆相(C−18))により0.1%トリフルオロ酢酸含有のアセトニトリル/水(5〜95%)で溶出して直接精製し、標記化合物(16.3mg、0.023mmol、収率58.2%)を白色の固形物として得た。HRMS[M+1]=474.1739。H NMR(400 MHz、CDCl):δ 8.29(s、1 H);7.77(d、J=8.6 Hz、1 H);7.66(d、J=8.2 Hz、2 H);7.61(dd、J=8.5、1.4 Hz、1 H);7.48−7.40(m、1 H);7.38(d、J=8.1 Hz、2 H);7.10(m、2 H);6.79(d、J=7.7 Hz、1 H);5.62(m、1 H);2.46(s、3 H);2.41(s、3 H);1.73(d、J=7.1 Hz、3 H)。
【0182】
実施例3.208
【化25】

【0183】
3−(1,2−ジヒドロキシプロパン−2−イル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
ステップA:3−ブロモ−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸
3−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(156.3mg、0.421mmol)をメタノール(1600μl)及びテトラヒドロフラン(2500μl)に溶解した。1M水酸化ナトリウム(1684μl、1.684mmol)を添加した。反応混合液を50℃に加熱し0.25時間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、pH<3となるまで1M塩酸(約1.7mL)を添加して反応停止し、溶媒を減圧下で蒸発した。標記化合物(236.8mg、0.394mmol、収率94%、4食塩相当量含有物)を白色の固形物として得た。LC−MS:[M+1]=331.1。
【0184】
ステップB:3−ブロモ−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
3−ブロモ−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸(233.7mg、0.389mmol、4食塩相当量含有物)、(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン二塩酸塩(94.2mg、0.471mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(156.1mg、0.814mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(28.9mg、0.212mmol)、及びN−メチルモルホリン(0.171ml、1.554mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(3.800mL)に25℃で溶解した。反応混合液を50℃に加熱し10分間撹拌した。反応を中止し、水(約0.5mL)及びトリフルオロ酢酸(約0.5mL)を添加して反応停止した。粗製の反応混合液を分取HPLC(逆相(C−18))により0.1%トリフルオロ酢酸含有のアセトニトリル/水で溶出し直接精製した。生成物画分を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(15mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム(20mL、2回)、塩化ナトリウム飽和水溶液(15mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発して標記化合物(153.9mg、0.350mmol、収率90%)を黄褐色の固形物として得た。HRMS:[M+1]=440.0730。
【0185】
ステップC:N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(4−メチルフェニル)−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
3−ブロモ−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド(155.2mg、0.352mmol)、2−イソプロペニル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(99μl、0.529mmol)、ジイソプロピルアミン(99μl、0.705mmol)、トリフェニルホスフィン−3,3‘,3’‘−トリスルホン酸三ナトリウム塩水和物(24.3mg、0.038mmol)、及び酢酸パラジウム(II)(4.2mg、0.019mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(1300μl)/水(400μl)に溶解し、密閉容器に収容して100℃で1.5時間加熱した。反応を中止し、室温に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL)を添加して反応停止し、酢酸エチル(10mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL、2回)及び塩化ナトリウム飽和水溶液(10mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。CombiFlash精製システムを使用し、フラッシュクロマトグラフィー(RediSep SiO、24gカラム)により酢酸エチル−ヘキサン(0〜60%)で溶出して精製した。標記化合物を明黄色/白色のの固形物(102.8mg、0.256mmol、収率72.6%)として回収した。LC−MS:[M+1]=402.3。
【0186】
ステップD:3−(1,2−ジヒドロキシプロパン−2−イル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(4−メチルフェニル)−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド(40.6mg、0.101mmol)をアセトン(919μl)/水(92μl)に溶解した。N−メチルモルホリンオキシド(15.2mg、0.130mmol)を添加した。四酸化オスミウム(2.5%n−ブタノール溶液、32μl、2.55μmol)を添加した。反応混合液を室温で2.5時間撹拌した。反応を中止し、亜硫酸ナトリウム飽和水溶液(5mL)を添加して反応停止し、酢酸エチル(10mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液(5mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。残渣を分取HPLC(逆相(C−18))により0.1%トリフルオロ酢酸含有のアセトニトリル/水で溶出し精製した。生成物画分を酢酸エチル(15mL)で希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(15mL、2回)及び塩化ナトリウム飽和水溶液(10mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下で蒸発して標記化合物を白色の固形物(1:1ジアステレオマー混合物)(32.9mg、0.076mmol、収率74.7%)として得た。HRMS:[M+1]=436.2001。H NMR(500 MHz、CDCl):δ 8.15(s、1 H);8.00(dd、J=8.5、4.7 Hz、1 H);7.35−7.46(m、3 H);7.30(d、J=7.9 Hz、2 H);7.13(d、J=8.0 Hz、1 H);5.58(t、J=7.3 Hz、1 H);4.22(dd、J=11.3、3.3 Hz、1 H);3.78(d、J=11.4 Hz、1 H);2.42(s、3 H);2.45−2.28(m、3 H);1.71−1.65(m、6 H)。
【0187】
実施例3.251
【化26】

【0188】
3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
ステップA:3−ブロモ−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル
6−(1H)−インダゾールカルボン酸メチルエステル(1.5688g、8.90mmol)及び炭酸セシウム(4.38g、13.44mmol)をアセトニトリル(89ml)に25℃で溶解した。臭素(0.554ml、10.75mmol)を添加し、反応混合液を20分間撹拌した。反応を中止し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(30mL)及び10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(30mL)を添加して反応停止し、混合液を酢酸エチル(50mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液(50mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。標記化合物を明橙色/白色のの固形物(2.241mg、8.79mmol、収率99%)として回収した。LC−MS:[M+1]=255.2。
【0189】
ステップB:3−ブロモ−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル
3−ブロモ−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(1.801g、7.06mmol)、3−ブロモチオフェン(2.00mL、21.35mmol)、トランス−1,2−ビス(メチルアミノ)シクロヘキサン(233μL、1.478mmol)、ヨウ化銅(I)(142.8mg、0.750mmol)、及びリン酸三カリウム(3.10g、14.60mmol)を密閉容器中でトルエン(35ml)に溶解し120℃に加熱した。反応液を3時間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液(25mL)を添加して反応停止し、混合液を酢酸エチル(30mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し(20mL、1回)、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、フラッシュクロマトグラフィー(RediSep SiO、120gカラム)により酢酸エチル−ヘキサン(0〜35%)で溶出して精製した。標記化合物を白色の固形物(1.4177g、4.20mmol、収率59.5%)として回収した。LC−MS:[M+1]=337.0。
【0190】
ステップC:3−(プロパ−1−エン−2−イル)−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル
3−ブロモ−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(1.414g、4.19mmol)、2−イソプロペニル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.58ml、8.41mmol)、ジイソプロピルアミン(1.18ml、8.40mmol)、トリフェニルホスフィン−3,3‘,3’‘−トリスルホン酸三ナトリウム塩水和物(275.8mg、0.431mmol)、及び酢酸パラジウム(II)(48.3mg、0.215mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(15ml)/水(5ml)に溶解し、密閉容器に収容して100℃で4時間加熱した。反応を中止し、室温に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液(20mL)を添加して反応停止し、混合液を酢酸エチル(20mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液(15mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、フラッシュクロマトグラフィー(RediSep SiO、330gカラム)により酢酸エチル−ヘキサン(0〜15%)で溶出して精製した。標記化合物を白色の固形物(1.0847mg、3.64mmol、収率87%)として回収した。LC−MS:[M+1]=299.2。
【0191】
ステップD:3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル
3−(プロパ−1−エン−2−イル)−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(1.0763g、3.61mmol)をジメトキシエタン(90ml)/MeOH(90ml)に25℃で溶解した。コバルト(II)メゾ-テトラフェニルポルフィン(25.6mg、0.038mmol)及びテトラメチルアンモニウムボロヒドリド(1.316g、9.07mmol)を順次添加した。反応混合液を1.25時間撹拌した。反応を中止し、塩化アンモニウム飽和水溶液(100mL)を添加し反応停止し、混合液を酢酸エチル(80mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し(80mL、1回)、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、フラッシュクロマトグラフィー(RediSep SiO、330gカラム)により酢酸エチル−ヘキサン(0〜45%)で溶出して精製した。標記化合物を橙色の固形物(912.2mg、2.88mmol、収率80%)として回収した。LC−MS:[M+1]=317.1。
【0192】
ステップE:3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸
3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(909.8mg、2.88mmol)をテトラヒドロフラン(17.25mL)及びメタノール(11.50mL)に25℃で溶解した。1M水酸化ナトリウム(11.50mL、11.50mmol)を添加し反応混合液を50℃に加熱した。反応混合液を15分間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、濃塩酸(0.950mL)を添加して反応停止し、減圧下で濃縮した。標記の化合物を明橙色/白色の固形物(84.8mg、2.66mmol、収率93%)として回収した。LC−MS:[M+1]=303.2。
【0193】
ステップF:3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
3−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸(457.8mg、1.514mmol)、(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン二塩酸塩(374.3mg、1.871mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(600.2mg、3.13mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(105.3mg、0.774mmol)、及びN−メチルモルホリン(670μl、6.09mmol)を25℃でN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)に溶解した。反応混合液を50℃に加熱し10分間撹拌した。反応を中止し、水(約1mL)及びトリフルオロ酢酸(約1mL)を添加して反応停止した。反応混合物を分取HPLC(逆相(C−18))により0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル/水で溶出して直接精製し、標記の化合物を白色の固形物(559.5mg、1.360mmol、収率90%)として得た。HRMS:[M+1]=412.1452。H NMR(400MHz、CDCl):δ 8.22(s、1 H);8.06(d、J=8.5 Hz、1 H);7.54(dd、J=8.5、1.4 Hz、1 H);7.52−7.46(m、2 H);6.89(d、J=7.7 Hz、1 H);5.65−5.56(m、1 H);2.83(s、1 H);2.40(s、3 H);1.81(s、6 H);1.73(d、J=7.1 Hz、3 H)。
【0194】
実施例3.272
【化27】

【0195】
N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−3−(モルホリン−4−イル)−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
ステップA:3−(モルホリン−4−イル)−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸
3−ブロモ−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸メチル(50mg、0.148mmol)、モルホリン(25.8μL、0.297mmol)、トリス(ジベンジルイデネアセトン)パラジウム(0)(6.8mg、7.41μmol)、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2‘,4’,6‘−トリイソプロピルビフェニル(17.7mg、37.0μmol)を含有するtert−ブタノール(1.0mL)溶液にナトリウムtert−ブトキシド(50.0mg、0.519mmol)を添加した。混合液をマイクロウェーブ用バイアルに密閉し130℃で5分間マイクロウェーブ処理した。混合液を雰囲気温度に冷却し、シリンジフィルターを通してろ過した。ろ液を濃縮した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有5%水/アセトニトリル)により精製し標記化合物をトリフルオロ酢酸塩(20mg)として得た。LC−MS[M+1]実測値=330.2。
【0196】
ステップB:N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−3−(モルホリン−4−イル)−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキサミド
3−(モルホリン−4−イル)−1−(チオフェン−3−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸(20.0mg、45.0μmol)、(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン塩酸塩(18.1mg、90μmol)、及びN−メチルモルホリン(24.8μL、226μmol)を含有するN,N−ジメチルホルムアミド(226μL)溶液にN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N‘−エチルカルボジイミド塩酸塩(15.1mg、79.0μmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(3.1mg、23μmol)を添加した。混合液を50℃で1時間撹拌した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→0.05%水酸化アンモニウム含有5%水/アセトニトリル)により精製し標記化合物(19mg)を得た。HRMS:[M+1]実測値=439.1545。H NMR(400MHz、DMSO−d):δ 9.37(1 H、d、J=7.33 Hz);8.20(1 H、s)、8.05(1 H、d、J=8.57 Hz)、7.77−7.74(2 H、m)、7.64(1 H、dd、J=8.56、1.33 Hz)、7.56(1 H、dd、J=4.58、2.12 Hz)、5.43−5.37(1 H、m)、3.83(4 H、t、J=4.39 Hz)、3.43(4 H、t、J=4.39 Hz)、2.33(3 H、s)、1.64(3 H、d、J=7.15 Hz)。
【0197】
実施例4.1
【化28】

【0198】
3−(2−クロロフェニル)−N−[(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−5−カルボキサミド
ステップA:1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸メチル
5−(1H)インダゾールカルボン酸メチルエステル(302.1mg、1.715nmol)、4−ヨードトルエン(457.2mg、2.097mmol)、ヨウ化銅(17.4mg、0.091mmol)、トランス−1,2−ビス(メチルアミノ)シクロヘキサン(275μl、0.348mmol)、及びリン酸三カリウム(771.4mg、3.63mmol)をアルゴン下、トルエン(1700μl)に25℃で溶解した。反応混合液を120℃に加温し14時間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL)を添加して反応停止し、酢酸エチル(10mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液(10mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、フラッシュクロマトグラフィー(RediSep SiO、40gカラム)により酢酸エチル−ヘキサン(0〜65%)で溶出して精製した。標記の化合物をを明黄色/白色の固形物(330.5mg、1.241mmol、収率72.4%)として回収した。LC−MS:[M+1]=267.3。
【0199】
ステップB:3−ブロモ−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸メチル
1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸メチル(327.1mg、1.228mmol)をアセトニトリル(12.300mL)に25℃で溶解した。臭素(158μL、3.0575mmol)を滴下して添加し、反応混合液を30分間撹拌した。反応を中止し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(20mL)を添加して反応停止し、酢酸エチル(20mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液(20mL、1回))で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、フラッシュクロマトグラフィー(RediSep SiO、40gカラム)により酢酸エチル−ヘキサン(0〜45%)で溶出して精製した。標記化合物を明黄色/白色の固形物(407.3mg、1.180mmol、収率96%)として回収した。LC−MS:[M+1]=346.1。
【0200】
ステップC:3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸メチル
3−ブロモ−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸メチル(150.3mg、0.435mmol)、2−クロロフェニルボロン酸ピナコールエステル(210.4mg、0.882mmol)、酢酸パラジウム(II)(5.2mg、0.023mmol)、塩化銅(I)(88.5mg、0.894mmol)、炭酸セシウム(431.8mg、1.325mmol)、及び1,1‘−ビスジフェニルホスフィノフェロセン(26.4mg、0.048mmol)をアルゴン下、N,N−ジメチルホルムアミド(2200μl)に25℃で溶解した。反応混合液を100℃に加温し3時間撹拌した。反応を中止し、室温に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL)を添加して反応停止し、酢酸エチル(10mL、3回)で抽出した。有機相を併せ、塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL、2回)及び塩化ナトリウム飽和水溶液(10mL、1回)で洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発した。粗製生成物をCombiFlash Rf精製システムを使用し、フラッシュクロマトグラフィー(RediSep SiO、24gカラム)により酢酸エチル−ヘキサン(0〜30%)で溶出して精製した。標記化合物を明黄色/白色の固形物(117.4mg、0.312mmol、収率71.6%)として回収した。LC−MS:[M+1]=377.1。
【0201】
ステップD:3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸
3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸メチル(115.4mg、0.306mmol)をテトラヒドロフラン(1837μl)及びメタノール(1225μl)に25℃で溶解した。1M水酸化ナトリウム(1225μl、1.225mmol)を添加し、反応混合液を50℃で25分間加熱した。反応を中止し、室温に冷却し、1M塩酸(1.225mL)を添加して反応停止し、減圧下で濃縮した。標記化合物を白色の固形物(171.78mg、0.257mmol、収率84%、4食塩相当量含有物)として回収した。LC−MS:[M+1]=363.2。
【0202】
ステップE:3−(2−クロロフェニル)−N−[(1R)−1−(3メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル]−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−5−カルボキサミド
3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インダゾール−5−カルボン酸(30.6mg、0.046mmol、4食塩相当量含有物)、(1R)−1−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エタンアミン二塩酸塩(13.72mg、0.069mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(17.52mg、0.091mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(3.11mg、0.023mmol)、及びN−メチルモルホリン(20.10μl、0.183mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(457μl)に25℃で溶解した。反応混合液を50℃に加熱し10分間撹拌した。反応を中止し、水(約0.2mL)及びトリフルオロ酢酸(約0.2mL)を添加して反応停止した。反応混合液を分取HPLC(逆相(C−18))により0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル/水で溶出して直接精製し、標記化合物を白色の固形物(16.2mg、0.023mmol、収率50.6%)として得た。HRMS[M+1]=472.1532。H NMR(400MHz、CDCl):δ 8.17(s、1 H);7.88(dd、J=8.9、1.7 Hz、1 H);7.74(d、J=8.9 Hz、1 H);7.65−7.60(m、3 H);7.56−7.53(m、1 H);7.42−7.38(m、2 H);7.34(d、J=8.1 Hz、2 H);6.79(d、J=7.7 Hz、1 H);5.58(t、J=7.3、1 H);2.42(s、3 H);2.36(s、3 H);1.68(d、J=7.1 Hz、3 H)。
【0203】
実施例5.4
【化29】

【0204】
4−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−N−{(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチル}−1H−インドール−6−カルボキサミド
ステップA:4−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−インドール−6−カルボン酸メチル
4−ブロモ−1−メチル−1H−インドール−6−カルボン酸メチル(0.45g、1.69mmol)、ボロン酸4−フルオロフェニル(0.36g、2.53mmol)、3,3‘,3’‘−ホスフィニジネトリス(ベンゼンスルホン酸)三ナトリウム水和物(81.0mg、0.13mmol)、酢酸パラジウム(II)(9.5mg、0.04mmol)及びジイソプロアミン(0.60mL、4.22mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(6.3mL)及び水(2.1mL)に添加した。混合液を80℃で1時間加熱した。混合液を雰囲気温度に冷却し、酢酸エチルを添加した。有機層を併せ、水(10mL、3回)、塩化ナトリウム飽和水溶液(10mL、1回)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→50%ヘキサン/酢酸エチル)により精製し標記化合物(0.41g)を得た:LC−MS[M+1]=284.1。
【0205】
ステップB:4−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−インドール−6−カルボン酸
4−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−インドール−6−カルボン酸メチル(0.41mg、1.45mmol)を含有するメタノール(4.8mL)溶液に水酸化ナトリウム(1.0M;4.36mL、4,36mmol))を添加した。混合液を45℃で撹拌した。18時間後、混合液を雰囲気温度に冷却し塩酸(6.0M;0.73mL、4.36mmol)を添加した。混合液を濃縮し乾固して標記化合物のナトリウム塩(0.61g)を得た:LC−MS[M+1]=270.1。
【0206】
ステップC:4−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−N−{(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチル}−1H−インドール−6−カルボキサミド
4−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−インドール−6−カルボン酸のナトリウム塩(25.0mg、56.0μmol)、(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エタンアミンの塩酸塩(16.4mg、67.0μmol)及びN−メチルモルホリン(30.9μL、0.28mmol)を含有するN,N−ジメチルホルムアミド(0.56mL)溶液に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(18.9mg、98.0μmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(3.8mg、28.1μmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で撹拌した。18時間後、混合液を濃縮した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1%NHOH含有5%水/アセトニトリル)により精製し標記化合物(22.1mg)を得た:HRMS[M+1]実測値=458.1491;H NMR(400MHz、DMSO):δ 8.90(d、J=7.3 Hz、1 H);8.53(s、1 H);8.06(s、1 H);7.94(d、J=8.4 Hz、1 H);7.74(dd、J=8.4、5.5 Hz、2 H);7.69(s、1 H);7.59(d、J=3.1 Hz、1 H);7.55(d、J=8.4 Hz、1 H);7.40−7.31(m、2 H);6.56(d、J=3.1 Hz、1 H);5.27−5.18(m、1 H);3.90(s、3 H);1.56(d、J=7.1 Hz、3 H)。
【0207】
実施例6.13
【化30】

【0208】
3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−N−{(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチル}−1H−インドール−6−カルボキサミド
ステップA:1−(4−メチルフェニル)−1H−インドール−6−カルボン酸メチル
インドール−6−カルボン酸メチル(2.03g、11.6mmol)、4−ブロモトルエン(3.56g、20.8mmol)、トランス−(1R,2R)−N,N‘−ビスメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(0.18mL、1.14mmol)、ヨウ化銅(0.12g、0.60mmol)及びリン酸三カリウム(5.50g、25.9mmol)の混合物にトルエン(11.5mL)を添加した。混合液を密閉容器中180℃で10分間加熱した。混合液を雰囲気温度に冷却し、セライトでろ過し減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→75%ヘキサン/酢酸エチル)により精製し標記化合物(1.48g)を得た:LC−MS[M+1]=266.1。
【0209】
ステップB:1−[3−ブロモ−1−(4−メチルフェニル)−1H−インドール−6−イル]エタノン
1−(4−メチルフェニル)−1H−インドール−6−カルボン酸メチル(2.9g、10.9mmol)を含有するジクロロエタン(105mL)溶液にアルゴン下、臭化銅(II)(4.89g、21.9mmol)及び水酸化ナトリウム(1.34g、33.5mmol)及びシリカゲル(2.1g)を添加した。混合液を75℃に加熱した。2時間後、混合液を雰囲気温度に冷却し、セライトでろ過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→75%ヘキサン/酢酸エチル)により精製し標記化合物(3.28g)を得た:LC−MS[M+1]=344.0。
【0210】
ステップC:3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インドール−6−カルボン酸メチル
1−[3−ブロモ−1−(4−メチルフェニル)−1H−インドール−6−イル]エタノン(0.11g、0.31mmol)、2−クロロフェニルボロン酸(73.9mg、0.47mmol)、炭酸セシウム(0.31g、0.94mmol)、塩化銅(I)(32.8mg、0.33mmol)、1,1‘−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(18.6mg、34.0μmol)及び酢酸パラジウム(II)(3.5mg、16.0μmol)の混合物にアルゴン下、N,N−ジメチルホルムアミド(4.3mL)を添加した。混合液を密閉チューブ中90℃で30分間撹拌した。混合液を雰囲気温度に冷却し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(15mL、1回)で反応停止した。混合液を酢酸エチル(15mL、3回)で抽出した。有機層を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液(10mL、1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(100%ヘキサン→95%ヘキサン/酢酸エチル)により精製し標記化合物(0.11g)を得た:LC−MS[M+1]=376.0。
【0211】
ステップD:3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インドール−6−カルボン酸
3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インドール−6−カルボン酸メチル(0.11g、0.28mmol)を含有するテトラヒドロフラン(2.8mL)溶液に水酸化ナトリウム(2.0M;1.40mL、2.80mmol)を添加した。水(1.5mL)を添加し、混合液を50℃で撹拌した。18時間後、混合液を雰囲気温度に冷却し、1.0M塩酸をpH<3となるまで添加した。混合液を酢酸エチル(10mL、3回)で抽出した。有機層を併せ、塩化ナトリウム飽和水溶液(10mL、1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し減圧下で濃縮して標記化合物(98mg)を得た:LC−MS[M+1]=362.1。
【0212】
ステップE:3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−N−{(1R)―1―[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エチル}−1H−インドール−6−カルボキサミド
3−(2−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1H−インドール−6−カルボン酸(9.5mg、26.0μmol)を含有するN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)溶液に(1R)−1−[1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]エタンアミンの塩酸塩(7.3mg、30.0μmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(12.5mg、65.0μmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(2.2mg、16.0μmol)及びN−メチルモルホリン(12.0μL、0.11mmol)を添加した。混合液を雰囲気温度で30分間撹拌した。逆相HPLC(C−18、95%水/アセトニトリル→0.1%トリフルオロ酢酸含有5%水/アセトニトリル)により精製し標記化合物のビスフルオロ酢酸塩(9.7mg)を得た:HRMS[M+1]実測値=550.1505;H NMR(500 MHz、CDCl):δ 8.50(s、1 H);8.08(s、1 H);7.67(t、J=7.7 Hz、3 H);7.61−7.47(m、4 H);7.44−7.21(m、6 H);6.66(d、J=6.6 Hz、1 H);5.31−5.23(m、1 H);2.44(s、3 H);1.64(dd、J=20.9、7.1 Hz、3 H)。
【0213】
アッセイ
インビボ内臓痛モデルラット
実験開始時の体重150〜180g(実験当たりの最大較差=40g)のSprague−Dawley系雄ラットを使用する。実験の少なくとも5日前までに動物を実験室に搬送し、その間、実験室の条件に馴化させる。ラットは木材を敷いたマクロロンケージ(41×25×14cm又は44×28×19cm)に4、5又は6匹の群で収容し、試験時まで(又は他の指定通りに)飼料と水を自由摂取させる。動物舎を21±3℃に制御した雰囲気温度と40〜70%に維持した相対湿度下、7.00から19.00の間人工照明下(12時間)に維持する。臨床徴候及び死亡率に関する情報も実験データと共に記録する。
【0214】
一晩絶食後、Sprague−Dawley系雄ラットを軽く麻酔(イソフルラン)し、長さ5cmのカニューレを使用して1%酢酸(1.5ml)を結腸に注入する。75分間の回復時間後、ラットを再び軽く麻酔し(イソフルラン)、カテーテルに固着した長さ1.5cmのラテックスバルーンを肛門から下行結腸と直腸に挿入する。直後に麻酔を中止する。15分後に試験物質を経口投与する。投与60分後にバルーンを水1.2mlで充填し、10分間、腹部収縮回数を計数する。
【0215】
1群当たりラット10匹を試験する。試験は盲検法で実施する。試験物質を3用量で評価し、ビヒクル群と比較する。ラットを実験終了時に、O/CO(20%/80%)混合物、引き続いてCO2に暴露することによって安楽死させる。データをマン・ホイットニーのU検定を使用して処理群をビヒクル対照と比較することにより分析することができる。
【0216】
インビボL5脊髄神経結紮モデル:
a.手術及び術後ケア
脊髄神経結紮(SNL)処置のために、Sprague Dawley系雄ラット(100〜200g;Harlan社製)をイソフルラン(1〜5%;吸入)を使用して麻酔する。無菌法を使用し、ほぼ脊髄神経L3からS2までを背側正中切開する。鋭的及び鈍的剥離操作を併用し、L6/S1後部関節間突起を露出する。L6横突起を露出させて除去し、L4及びL5脊髄神経を椎間孔から出ている部分の末端側に露出する。次に、L5神経を6−0絹縫合糸で堅く結紮する。筋肉を4−0吸収性縫合糸で閉じ、皮膚を創傷用クリップで閉じる。術後モニターを実施し、動物が最少量の疼痛に曝されるように保証する。動物を2匹ずつ床敷きして収容し、Laboratory Animal Resourceスタッフが術後3日間毎日(2回)モニターし、次に研究者が起こり得る苦痛の徴候を毎日モニターする。
【0217】
b.行動試験
手術の前に、一連の較正済みvon Freyフィラメント(0.25〜15g)を左後足に押し当て、ディクソン「アップダウン」法(Chaplan et al., J Neurosci Meth 53:55, 1994)を使用して引っ込め閾値中央値を求めることによって、ラットの手術前の機械的後足引っ込め閾値を試験する。ラットを高所のメッシュ状亜鉛めっき鋼プラットフォーム上の個別のプラスチックチャンバーに収容し60分間馴化させる。手術前の機械的後足引っ込め閾値を求め、閾値<15gのラットを試験から除外する。手術前の引っ込め閾値の測定後、ラットを上記SNL法にかける。外科処置後28〜35日の間に、上記方法を使用してラットの手術後閾値を試験し、後足引っ込め閾値<4.0gを示す動物を異痛症(即ち機械的痛覚過敏)とみなす。SNL誘発性機械的痛覚過敏に及ぼす試験化合物の効果は、ビヒクル対照群及び陽性対照プレガバリン(20mg/kg,経口)投与群と共に試験化合物を投与することにより測定する。式:
【数1】

を使用して機械的痛覚過敏の回復率%を求めることによりSNLモデルにおける効力を、評価する。
【0218】
試験の終わりに、CO2を使用し全てのラットを安楽死させ、薬剤暴露の生体分析用に血漿と脳組織を採取する。
【0219】
インビボ完全フロイントアジュバント(CFA)モデル:
Sprague Dawley系雄ラット(300〜400g;Charles River社製)の左後足底面にCFA(200μl,0.5mg/ml)の皮内注射をし、引き続いてケージに戻し、柔らかい床敷上で飼育する。CFA注射72時間後、ラットをタオルでくるみ、後足(左又は右)を改良型ランダルセリット式足挟み装置(Stoelting社製,Wood Dale,IL)に挿入することにより、ラットのCFA後機械的後足引っ込め閾値を試験する。レバーに装着したプラスチック棒を後足の背に当て、ラットが声を上げるか又はその後足を棒から引っ込めるまで強めながら後足に力を加える。この時点でラットの後足引っ込め閾値を記録する。機械刺激を各後足に2回加え、左右後足双方のCFA後機械的後足引っ込め閾値の平均値を求める。CFA後引っ込め閾値の測定後、ラットに試験化合物、ビヒクル又は陽性対照ナプロキセン(30mg/kg、経口)を投与し、炎症を起こした(CFA)後足の引っ込め閾値に及ぼす化合物の効果を求める。式:
【数2】

を使用して機械的痛覚過敏の回復率%を求めることにより、CFAモデルにおける効力を評価する。
【0220】
試験の終わりに、CO2を使用して全てのラットを安楽死させ、薬剤暴露の生体分析用に血漿と脳組織を採取する。
【0221】
健常ラットにおける膀胱内圧測定:
体重250〜350gのSprague−Dawley系ラ雌ラットを温度及び光を制御した室(12時間明暗サイクル)に収容し、飼料と水を自由摂取させた。動物をウレタン(1.0g/kg,腹腔内)で麻酔した。必要に応じてウレタンを追加して投与した。下腹部正中切開して膀胱を露出させ、膀胱内圧を記録するために膀胱穹窿部にポリエチレンカテーテル(PE−50)を挿入し、0.05ml/minの速度で生理的食塩水を膀胱内注入した。膀胱内圧は圧力変換器を使用して測定し、多チャネルデータ収集システム(Power lab,AD Instruments社製,Biopac systems,Colorado Springs,CO)を使用しサンプリングレート10Hzでシグナルを記録した。生理的食塩水の膀胱内注入により排尿間隔及び排尿圧の間が安定していることを確認した後、薬剤を静脈内投与した(0.25ml/kg)。Chartプログラム(v5.5.4,AD Instruments社製)を使用して投与前(基線)と投与後5〜30分間の排尿から排尿間隔(機能的膀胱容量)及び排尿圧(最大膀胱内圧)を得て、基線に対する比を計算した。
【0222】
酢酸誘発性反射亢進モデルラットにおける膀胱内圧測定:
体重250〜350gのSprague−Dawley系雌ラットを温度及び光を制御した室(12時間明暗サイクル)に収容し、飼料と水を自由摂取させた。動物をウレタン(1.0g/kg、腹腔内)で麻酔した。必要に応じてウレタンを追加して投与した。下腹部正中切開して膀胱を露出させ、膀胱内圧を記録するために膀胱穹窿部にポリエチレンカテーテル(PE−50)を挿入し、0.05ml/minの速度で膀胱内注入した。膀胱内圧は圧力変換器を使用して測定し、多チャネルデータ収集システム(Power lab,AD Instruments社製,Biopac systems,Colorado Springs,CO)を使用しサンプリングレート10Hzでシグナルを記録した。生理的食塩水の膀胱内注入により排尿間隔と排尿圧の間が安定していることを確認した後、0.25%酢酸含有生理的食塩水を同じ注入速度で注入した。30〜60分後、注入ポンプを使用し速度10μl/minで薬剤を静脈内に注入した。Chartプログラム(v5.5.4,AD Instruments社製)を使用して投与前(基線)と薬剤注入後30〜45分間の排尿から排尿間隔(機能的膀胱容量)及び排尿圧(最大膀胱内圧)を得て、基線に対する比を計算した。
【0223】
ヒトP2X及びP2X2/3安定細胞株の作製−ヒトP2X受容体cDNA(受入番号NM_002559)を5’XhoI−3’HindIIIフラグメントとして発現ベクターpcDNA5/FRT(Invitrogen社製)にサブクローニングした。ヒトP2X受容体cDNA(受入番号NM_174873)を5’EcoRI−3’NotIフラグメントとして発現ベクターpIRESneo2(BD Biosciences Clontech社製)にサブクローニングした。ヒトP2X3発現構築物を、製造業者の指示に従いLipofectamine 2000(Invitrogen社製)を使用して、Flp−in−293細胞(Invitrogen社製)にトランスフェクトした。アカゲザルP2X3のflp組換えに陽性の細胞をハイグロマイシン150μg/mlを使用して選択した。安定なヒトP2X細胞株に、上記のようにLipofectamine2000を使用してヒトP2X発現構築物を同時トランスフェクトし、同時トランスフェクトした細胞をハイグロマイシン100mg/ml及び1mg/mlのG418を使用して選択した。安定なP2X3細胞株を、10%FBS、ハイグロマイシン100μg/ml、及びペニシリン100単位/ml及びストレプトマイシン100μg/mlを添加したDMEMで増殖し、37℃、湿度95%で維持した。安定なP2X2/3細胞株を500μg/mlのG418を添加した以外は上記の通りに増殖した。
【0224】
アンタゴニスト親和性を評価するための細胞内カルシウム測定−蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR;Molecular Devices社製)を利用し、カルシウムキレート色素Fluo−4(Molecular Probes)を使用して細胞内カルシウムレベルをモニターした。蛍光をモニターするために励起波長及び発光波長は夫々488nm及び530nmを使用した。測定開始の約20時間前に、ヒトP2X又はヒトP2X2/3を発現する細胞を20,000細胞/ウェル(20μl/ウェル)の密度で384ウェル黒色プレートに撒いた。測定当日にローディングバッファー(ハンクス平衡塩溶液,2.5mM CaCl2、20mM HEPES、BSA0.1%、2.5mMプロベネシド、TR−40、Fluo−4、及びNaClに代えて138mM NMDG)20μlを加え、暗所下室温で60分間細胞に色素を負荷させる。アゴニスト添加10分前、アンタゴニストを容量10μlで加え、室温で培養した。この期間に、3秒間隔、次いで10秒間隔で蛍光データを採取する。アゴニストα,β−meATPを6倍濃度で加える([α,β−meATP]最終=EC50)。アゴニスト添加後、5秒間隔で蛍光を測定し、基線蛍光と比較したピーク相対蛍光単位(RFU)の増加に基づいて分析した。式:
【数3】

により、ピーク蛍光を使用して、各アンタゴニスト濃度における阻害効果を求めた。
【0225】
インビトロ電気生理学的アッセイ−ヒトP2X受容体を発現する細胞を測定の20〜32時間前に65〜85%コンフルエントまで増殖した。細胞をトリプシンで解離し、遠心分離し、1×10細胞/mlの細胞密度で浴溶液に再懸濁し、PatchXpressに負荷した。浴溶液は、pH7.2で、150mM NaCl、4mM KCl、2mM CaCl、1.2mM MgCl、10mM HEPES及び11.1mMグルコースを含有した。細胞内液は、140mM アスパラギン酸K、20mM NaCl、5mM HEPES、10mM EGTAを含有しpH7.2、又は30mM CsCl、5mM HEPES、10mM EGTA、120mM CsF、5mM NaF、2mM MgClを含有しCsOHでpH7.3に調整した。アゴニストストック溶液は、HOで調製し使用前に浴溶液で希釈した。全てのアンタゴニストは、DMSOの10mMストック溶液として調製し、使用前に浴溶液で希釈した。全ての実験は、全細胞のパッチクランプ配置下の細胞で室温にて実施した。PatchXpress装置では個別の16細胞までを同時にパッチチクランプすることができた。CTP非在下での2分間アンタゴニストインキュベーションを伴うCTP(100μM;2秒間)を繰返すことによって基線応答を設定した。アンタゴニストプレインキュベーション後に100μM CTP及びアンタゴニストを同時投与し、アンタゴニストの阻害効果を測定した。次に一定濃度範囲のアンタゴニストを使用して同一細胞でこれらの段階を繰返した。いかなる個別の細胞に関しても、最大5種類の濃度のアンタゴニストを試験した。対照P2X電流振幅(IP2X3−(対照))は、アンタゴニストインキュベーション前の最後の2回のアゴニスト添加からのピーク電流振幅の平均とした。アンタゴニスト存在下のピークP2X3電流振幅(IP2X3−(薬剤))を使用して、式:
【数4】

に従い、各アンタゴニスト濃度における阻害効果を計算した。
【0226】
少なくとも2個の独立した細胞で各濃度のアンタゴニストを試験した。P2X電流を50%阻害するために要求される薬剤の濃度(IC50)を、各濃度での平均阻害率%データにヒルの式を適合することによって求めた。式:
【数5】

P2X2/3のインビトロ電気生理学的アッセイ−二のプロトコル変更、即ち、1)アゴニストとして30μM α,β−meATPを使用し;2)電流振幅を2秒間アゴニスト適用の最後に測定した、以外は上記のようにP2X2/3を測定した。
【0227】
本明細書に記載するアッセイを使用した結果、本発明の化合物はP2X受容体に対して活性であることが判明した。式Iの化合物は、P2X受容体に対し100μM以下のIC50活性を有する。式Iの化合物の多くは、200nM未満のIC50を有する。例えば、下記化合物は「アンタゴニスト親和性を評価するための細胞内カルシウム測定」においてIC50<250nMである。特に、例えば、実施例1.1はIC50=46nM、実施例1.16はIC50=100nM、実施例1.35はIC50=320nM、実施例2.1はIC50=63nM及び実施例2.3はIC50=120nMである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

[式中、
Aはチエノピラゾリル、インダゾリル、インドリル、又はその位置異性体を表し;
Bは結合、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−10シクロアルキル、C5−10ヘテロシクリル、又はC6−10アリールを表し;
はH、C1−6アルキル、ハロゲン、(CHCF、C3−10シクロアルキル、C(ROH、−O−、CN、(CHOR、NHC(O)R、(CH5−10ヘテロシクリル、(CH6−10アリール、又はC1−6アルコキシを表し;前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル及びアリールはC1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、(CHCF3、又はCNの1〜3個の基で場合により置換されており;
はH、C1−6アルキル、CF、OHを表し;
はCR、(CHR3−10シクロアルキル、(CHR6−10アリール、(CHR5−10ヘテロシクリルを表し、前記シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルは1〜3個のR基で場合により置換されており;
又はRとRはそれらが結合している窒素と一緒になり、1〜3個のRの基で場合により置換されたC5−10ヘテロシクリルを形成してもよく;
及びRは独立してH、(CHOR、CHF、(CH5−10ヘテロシクリル、(CH6−10アリール、C3−10シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニル、CF、CF、C(O)1−2、又はC1−6アルキルを表し;前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル及びアリールは1〜3個のR基で場合により置換されており;
は水素、OR、(CHCF、ハロゲン、C(ROR、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−10シクロアルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロシクリルを表し、前記アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルは1〜3個のR基で場合により置換されており;
はC1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、OR(CHCF、−O−、C3−6シクロアルキル、NRC(O)R、C(O)N(R、C(ROR、C(O)R、O(CHC(O)N(R、O(CHC(O)OR、C(O)C5−10ヘテロシクリル、NO、CN、N(R、C(O)OR、SO、OR、(CH5−10ヘテロシクリル、又は(CH6−10アリールを表し、前記アルキル、ヘテロシクリル及びアリールはC1−6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、(CHCF又はCNの1〜3個の基で場合により置換されており;及びnは0〜4を表す]
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩及び個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項2】
Bが1〜3個のR基で場合により置換されたC6−10アリールである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Bが1〜3個のR基で場合により置換されたC5−10ヘテロシクリルである請求項1記載の化合物。
【請求項4】
Aがチエノピラゾリルであり、−C(O)NRがA上の炭素に結合しており、及びBがフェニル又はピリジルであり、チエノピラゾリル環のピラゾリル部分上の炭素原子に結合している請求項1記載の化合物。
【請求項5】
Aがインダゾリルであり、−C(O)NRがA上の炭素に結合しており、及びBがフェニル又はピリジルであり、インダゾリル環のピラゾリル部分上の炭素原子に結合している請求項1記載の化合物。
【請求項6】
Aがインドリルであり、−C(O)NRがA上の炭素に結合しており、及びBがフェニル又はピリジルであり、インドリル環のピロリル部分上の炭素原子に結合している請求項1記載の化合物。
【請求項7】
Aがインドリルであり、−C(O)NRがA上の炭素に結合しており、及びBがフェニル又はピリジルであり、インドリル環のベンジル部分上の炭素原子に結合している請求項1記載の化合物。
【請求項8】
Bが結合、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−10シクロアルキルから成る群から選択され、前記アルキル、アルケニル及びシクロアルキルが1〜3個のR基で場合により置換されている請求項1記載の化合物。
【請求項9】
がC1−6アルキル、(CHフェニル、チオフェニル、チアゾリル、フラニル、又はピリミジニルを表し、その全てが1〜3個のR基で場合により置換されており、Rは水素であり及びRが(CHRy)ピリジル、(CHRy)オキシドピリジル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)トリアゾリル、(CHRy)フェニル、(CHRy)ピラジニル、(CHRy)ピラゾリル、(CHRy)オキサジアゾリル、(CHRy)チアゾリル、(CHRy)チアジアゾリル、(CHRy)インダゾピリジル、C1−6アルキル、及び(CHRy)3−6シクルアルキルから成る群から選択され、ここでその全てが1〜3個のR基で場合により置換されており、及び、RyがH、場合により置換されているC1−6アルキル、CF、OHを表している請求項1記載の化合物。
【請求項10】
式II:
【化2】

[式中、
はH、ハロゲン、CF又はC1−6アルキルであり;YはCH又はNであり;RはHであり;Rは水素、C1−6アルキル、(CH5−10ヘテロシクリル、(CH6−10アリールから成る群から選択され、前記アルキル、ヘテロシクリル、アリールは1〜3個のR基で場合により置換されており;及びRは(CHRy)ピリジル、(CHRy)オキシドピリジル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)トリアゾリル、(CHRy)フェニル、(CHRy)ピラジニル、(CHRy)ピラゾリル、(CHRy)オキサジアゾリル、(CHRy)チアゾリル、C1−6アルキル、及び(CHRy)3−6シクルアルキルから成る群から選択され、その全てが1〜3個のR基で場合により置換されており、及びRyはC1−6アルキル、CF、OHで場合により置換されたHを表す]
の請求項1記載の化合物。
【請求項11】
式III:
【化3】

[式中、
はHであり;R及びR6aは水素、C1−6アルキル、ハロゲン、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロシクリルから成る群から選択され、前記アルキル、アリール及びヘテロシクリルは1〜3個のR基で場合により置換されており;及びRは(CHRy)ピリジル、(CHRy)オキシドピリジル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)トリアゾリル、(CHRy)フェニル、(CHRy)ピラジニル、(CHRy)ピラゾリル、(CHRy)オキサジアゾリル、(CHRy)チアゾリル、C1−6アルキル、及び(CHRy)3−6シクルアルキルから成る群から選択され、その全てが1〜3個のR基で場合により置換されており、及びRyはH、場合により置換されているC1−6アルキル、CF、OHを表す]
の請求項1記載の化合物。
【請求項12】
式IV:
【化4】

[式中、
はH、ハロゲン、CF又はC1−6アルキルであり;YはCH又はN、RはHであり;Rは水素、C1−6アルキル、(CH5−10ヘテロシクリル、(CH6−10アリールから成る群から選択され、前記アルキル、ヘテロシクリル、アリールは1〜3個のR基で場合により置換されており;及びRは(CHRy)ピリジル、(CHRy)オキシドピリジル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)トリアゾリル、(CHRy)フェニル、(CHRy)ピラジニル、(CHRy)ピラゾリル、(CHRy)オキサジアゾリル、(CHRy)チアゾリル、C1−6アルキル、及び(CHRy)3−6シクルアルキルから成る群から選択され、その全てが1〜3個のR基で場合により置換されており、及びRyはH、場合により置換されているC1−6アルキル、CF、OHを表す]
の請求項1記載の化合物。
【請求項13】
式V:
【化5】

[式中、
はH、ハロゲン、CF、又はC1−6アルキルであり;YはCH又はN、RはHであり;Rは水素、C1−6アルキル、(CH5−10ヘテロシクリル、(CH6−10アリールから成る群から選択され、前記アルキル、ヘテロシクリル、アリールは1〜3個のR基で場合により置換されており;及びRは(CHRy)ピリジル、(CHRy)オキシドピリジル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)トリアゾリル、(CHRy)フェニル、(CHRy)ピラジニル、(CHRy)ピラゾリル、(CHRy)オキサジアゾリル、(CHRy)チアゾリル、C1−6アルキル、及び(CHRy)3−6シクルアルキルから成る群から選択され、その全てが1〜3個のR基で場合により置換されており、及びRyはH、場合により置換されているC1−6アルキル、CF、OHを表す]
の請求項1記載の化合物。
【請求項14】
式VI:
【化6】

[式中、RはH、ハロゲン、CF、又はC1−6アルキルであり;YはCH又はN、RはHであり;Rは水素、C1−6アルキル、(CH5−10ヘテロシクリル、(CH6−10アリールから成る群から選択され、前記アルキル、ヘテロシクリル、アリールは1〜3個のR基で場合により置換されており;及びRは(CHRy)ピリジル、(CHRy)オキシドピリジル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)トリアゾリル、(CHRy)フェニル、(CHRy)ピラジニル、(CHRy)ピラゾリル、(CHRy)オキサジアゾリル、(CHRy)チアゾリル、C1−6アルキル、及び(CHRy)3−6シクルアルキルから成る群から選択され、その全てが1〜3個のR基で場合により置換されており、及びRyはH、場合により置換されているC1−6アルキル、CF、OHを表す]
の請求項1記載の化合物。
【請求項15】
式VII:
【化7】

[式中、RはHであり;R及びR6aは水素、C1−6アルキル、ハロゲン、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロシクリル、から成る群から選択され、前記アルキル、アリール及びヘテロシクリルは1〜3個のR基で場合により置換されており;及びRは(CHRy)ピリジル、(CHRy)オキシドピリジル、(CHRy)ピリミジニル、(CHRy)トリアゾリル、(CHRy)フェニル、(CHRy)ピラジニル、(CHRy)ピラゾリル、(CHRy)オキサジアゾリル、(CHRy)チアゾリル、C1−6アルキル、及び(CHRy)3−6シクルアルキルから成る群から選択され、その全てが1〜3個のR基で場合により置換されており、及びRyはH、C1−6アルキル、CF、OHを表し、前記アルキルは1〜3個のR基で場合により置換されている]
の請求項1記載の化合物。
【請求項16】
表1から表6により表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩及び個々のエナンチオマー及びジアステレマー。
【請求項17】
以下の表1、表3:
【表1】


【表3】


に表される請求項16記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩及び個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項18】
不活性担体及び有効量の請求項1記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項19】
当該処置を必要とする哺乳動物患者における慢性又は急性疼痛を治療又は予防し、癲癇を治療又は制御し、又は睡眠の質を高めるための方法であって、前記患者に対し治療上有効な量の請求項1に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む当該方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法であって、オピエートアゴニスト又はアンタゴニスト、カルシウムチャネルアンタゴニスト、5HT、5HT1A受容体の完全又は部分アゴニスト又はアンタゴニスト、ナトリウムチャネルアンタゴニスト、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、COX−2選択的阻害剤、ニューロキニン受容体1(NK1)アンタゴニスト、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)及び/又は選択的セロトニン・ノルエピネフリン再取込み阻害剤(SSNRI)、三環系抗鬱薬、ノルエピネフリンモジュレーター、リチウム、バルプロ酸塩、ノルエピネフリン再取込み阻害剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、可逆的モノアミンオキシダーゼ阻害剤(RIMA)、アルファ−アドレナリン受容体アンタゴニスト、非定型抗鬱剤、ベンゾジアゼピン、、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、ニューロンチン(ガバペンチン)及びプレガバリンから成る群から選択される1種以上の治療上活性な化合物を更に含む当該方法。

【公表番号】特表2012−521429(P2012−521429A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502098(P2012−502098)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/027303
【国際公開番号】WO2010/111060
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】