説明

疼痛治療用VR−1アンタゴニストとしてのアミノ複素環

本発明は式(I):
【化15】


[式中、VはNR、O、S、SO又はS(O)を表し;W及びXは各々独立してCH又はNを表し;YはN、CH又はC−Arを表し、但し、W、X及びYの1種以上2種以下はNであり;ZはCH又はC−Arを表し、但し、YがN又はCHである場合にはZはC−Arであり、更にYがC−Arである場合にはZはCHであり;Arは窒素、酸素及び硫黄から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む融合9又は10員複素環系を表し、前記環系における環の少なくとも1個は芳香族であり;Arはフェニル、ピリジル、ピリミジニル及びピリダジニルから選択され、場合により融合し、置換されている芳香族環を表し;Rはハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルコキシ、C3−5シクロアルキルC1−4アルキル、シアノ、ニトロ、SR、SOR、SO、COR、NRCOR、CONR、NRSO、SONR、−(CHカルボキシ、エステル化−(CHカルボキシ又は−(CHNRを表し;Rは水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、非置換フェニル、又は(ハロゲン、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシもしくはハロC1−6アルコキシから選択される1もしくは2個の基で置換された)フェニルを表し;R及びRは各々独立して水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル又はフルオロC1−6アルキルであるか;あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子と共に場合によりヒドロキシ又はC1−4アルコキシから選択される1又は2個の基で置換された環原子数4〜7の脂肪族複素環を形成し、前記環は場合により前記環原子の1個として酸素原子、硫黄原子、S(O)、S(O)、又はNRを含んでいてもよく;Rは水素、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル又はC1−4アルコキシC1−4アルキルを表し;Rは水素、C1−6アルキル、フルオロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、非置換フェニル、又はハロゲン、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシもしくはハロC1−6アルコキシから選択される1もしくは2個の基で置換されたフェニルを表し;mは0又は1〜4の整数であり;nは0又は1〜3の整数である]の化合物;又は医薬的に許容可能なその塩、N−オキシドもしくはプロドラッグ;前記化合物を含有する医薬組成物;治療方法におけるその使用;疼痛及び/又は炎症を主症状とするVR−1関連症状の治療用医薬の製造におけるその使用;並びに前記化合物を使用する治療方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に疼痛及びバニロイド−1受容体(VR1)の機能の調節により改善される他の症状の治療における治療用化合物として有用な置換アミノ複素環と医薬的に許容可能なその塩及びプロドラッグに関する。
【背景技術】
【0002】
チリペッパーの薬理活性成分がフェノールアミドカプサイシンであることはかなり以前から認められている。カプサイシンを粘膜に塗布又は皮内注射すると、ヒトでは激しい灼熱痛を生じる。カプサイシンを鎮痛薬として局所塗布すると有益な効果が得られることもよく知られている。しかし、カプサイシンに対するこれらの応答を媒介する基本的な分子薬理学が解明されたのはごく最近である。
【0003】
バニロイドVR1受容体と呼ばれるカプサイシンの受容体はUCSFのCaterinaらにより1997年にクローニングされた(Nature,398:816,1997)。VR1受容体は皮膚、内臓、末梢組織及び脊髄に神経分布する感覚神経に存在するカチオンチャネルである。VR1の活性化は感覚繊維の活動電位を誘導し、最終的に疼痛感覚を生じる。重要な点として、VR1受容体はカプサイシンだけでなく、酸性pHと有害熱刺激によっても活性化される。更に、多数の炎症メディエーターにより感作されるので、疼痛刺激のポリモードインテグレーターであると思われる。
【0004】
代表的VR1アンタゴニストはカプサゼピンであり(Walpoleら,J.Med.Clam.,37:1942,1994)、VR1 IC50 420nMである。新規系列のマイクロモル以下のアンタゴニストも最近報告されている(Leeら,Bioorg.Med.Chem.,9:1713,2001)が、これらの報告はインビボ効力を立証していない。著しく親和性の高いアンタゴニストも「超強力」アゴニストであるレジニフェラトキシンから誘導されている。ヨード−レジニフェラトキシン(Wahlら,Mol.Pharmacol.,59:9,2001)はVR1のナノモルアンタゴニストであるが、経口薬剤に適した性質をもたない。これはGarcia−Martinez(Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,99:2374,2002)により記載されているマイクロモルペプトイドアンタゴニストにも当てはまる。ごく最近では国際(PCT)特許公開第WO02/08221号が新規系列のVR1アンタゴニストを記載しており、多数の動物で効力を示すと述べている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では別の新規系列のVR1モジュレーターについて記載する。これらは主にVR1アンタゴニストからなるが、VR1部分アンタゴニストとVR1部分アゴニストを含む。このような化合物は疼痛の動物モデルで有効であることが分かった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は式(I):
【0007】
【化2】

[式中、VはNR、O、S、SO又はS(O)を表し;
W及びXは各々独立してCH又はNを表し;
YはN、CH又はC−Arを表し、但し、W、X及びYの1種以上2種以下はNであり;
ZはCH又はC−Arを表し、但し、YがN又はCHである場合にはZはC−Arであり、更にYがC−Arである場合にはZはCHであり;
Arは窒素、酸素及び硫黄から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む融合9又は10員複素環系を表し、前記環系における環の少なくとも1個は芳香族であり;
Arはフェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル及びピラジニルから選択される芳香族環を表し;前記芳香族環は場合によりフェニル環、O、N及びSから選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を含み、最大1個のヘテロ原子がOもしくはSである5員芳香族複素環、又は1、2もしくは3個のN原子を含む6員芳香族複素環に融合しており;前記芳香族環は置換されていないか、あるいはハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、フェニルC1−2アルコキシ、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルコキシ、C3−5シクロアルキルC1−4アルキル、シアノ、ニトロ、SR、SOR、SO、COR、NRCOR、CONR、NRSO、SONR、−(CHカルボキシ、エステル化−(CHカルボキシ、−(CHNR、フェニル、ナフチル、O、N及びSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含み、最大1個のヘテロ原子がO又はSである5員芳香族複素環、並びに1、2又は3個のN原子を含む6員芳香族複素環から選択される1、2又は3個の基で置換されており;2個のC1−6アルコキシ基が隣接原子上にある場合には、それらが結合している原子と共に5又は6員部分飽和環を形成してもよく;
はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルコキシ、C3−5シクロアルキルC1−4アルキル、シアノ、ニトロ、SR、SOR、SO、COR、NRCOR、CONR、NRSO、SONR、−(CHカルボキシ、エステル化−(CHカルボキシ又は−(CHNRを表し;
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、非置換フェニル、又は(ハロゲン、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシもしくはハロC1−6アルコキシから選択される1もしくは2個の基で置換された)フェニルを表し;
及びRは各々独立して水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル又はフルオロC1−6アルキルであるか;
あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子と共に場合によりヒドロキシ又はC1−4アルコキシから選択される1又は2個の基で置換された環原子数4〜7の脂肪族複素環を形成し、前記環は場合により前記環原子の1個として酸素原子、硫黄原子、S(O)、S(O)、又はNRを含んでいてもよく;
は水素、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル又はC1−4アルコキシC1−4アルキルを表し;
は水素、C1−6アルキル、フルオロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、非置換フェニル、又はハロゲン、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシもしくはハロC1−6アルコキシから選択される1もしくは2個の基で置換されたフェニルを表し;
mは0又は1〜4の整数であり;
nは0又は1〜3の整数である]の化合物又は医薬的に許容可能なその塩、N−オキシドもしくはプロドラッグを提供する。
【0008】
1態様において、Arはフェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル及びピラジニルから選択される芳香族環を表し;前記芳香族環は置換されていないか、あるいはハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルコキシ、C3−5シクロアルキルC1−4アルキル、シアノ、ニトロ、SR、SOR、SO、COR、NRCOR、CONR、NRSO、SONR、−(CHカルボキシ、エステル化−(CHカルボキシ及び(CHNRから選択される1、2又は3個の基で置換されている。
【0009】
1好適クラスの式(I)の化合物はRがハロゲン(特に弗素)、C1−4アルキル(特にメチル)又はフルオロC1−4アルキル(特にトリフルオロメチル)である化合物である。
【0010】
nは0、1又は2、特に1又は2であることが好ましい。
【0011】
別の好適クラスの式(I)の化合物はRが水素原子、ハロゲン原子、又はC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、及びC1−4アルキルもしくはフルオロC1−4アルキルで置換されたフェニルから選択される基である化合物である。
【0012】
特に、Rは水素原子、塩素原子、又はメチル、メトキシ及びp−トリフルオロメチルフェニルから選択される基を表すことが好ましい。Rは水素又はメチル基であることがより好ましい。
【0013】
基はW、X、Y及びZにより表されるものを含む利用可能な任意炭素原子に結合していると理解される。
【0014】
別の好適クラスの式(I)の化合物はRが水素原子又はC1−4アルキル基、特に水素原子又はメチル基、特に水素原子である化合物である。
【0015】
更に別の好適クラスの式(I)の化合物はRが水素原子又はC1−4アルキル基、特に水素原子又はメチル基、特に水素原子である化合物である。
【0016】
存在する場合に、Rは水素原子又はC1−4アルキル基であり、Rは水素原子又はC1−4アルキル基であるか、あるいはNR基はアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル又は場合によりヒドロキシもしくはC1−4アルコキシで置換されたC1−4アルキルで窒素原子上を置換されたピペラジニル基から選択される脂肪族複素環を表すことが好ましい。NR基は−NH、−NHCH、−N(CH、−NHCHCH、−N(CH)CHCH及び−N(CHCHから選択される基、特に−N(CHを表すことがより好ましい。
【0017】
存在する場合には、Rは水素又はC1−4アルキル(例えばメチル)、特に水素が好ましい。
【0018】
別の好適クラスの式(I)の化合物はVがNH又はO、特にNHである化合物である。
【0019】
別の好適クラスの式(I)の化合物は=W−X=Y−が=N−CH=CH−、=N−N=CH−、=N−CH=N−又は=N−N=C(Ar)−を表す化合物である。
【0020】
特に好ましいのはWがNである式(I)の化合物である。
【0021】
YがN又はCHである式(I)の化合物も特に好ましい。
【0022】
別の好適クラスの式(I)の化合物はZがC−Arである化合物である。
【0023】
別の好適クラスの式(I)の化合物はArがイソキノリン、インダゾール、トリアゾロピリジン(特にトリアゾロ[1,5−a]ピリジン)、シンノリン、ベンゾチアゾール、イミダゾピリジン(特にイミダゾ[1,5−a]ピリジン及びイミダゾ[1,2−a]ピリジン)、キノリノン、テトラヒドロイソキノリン、及びジヒドロキノリノンから選択される二環複素環系を表す化合物である。特に好ましい二環複素環系はイソキノリン、インダゾール、イミダゾ[1,5−a]ピリジン、キノリン−2(1H)−オン及び3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンから選択される。Ar基は架橋原子の1個に隣接する炭素原子を介して分子の残余に結合していることが最も好ましい。
【0024】
従って、Arは場合によりフェニル、イミダゾリル又はチエニル環に融合したフェニル又はピリジルとすることができ、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、フルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、フルオロC1−4アルコキシ、フェニルC1−2アルコキシ、場合により酸素で置換されたピペリジン、COR(式中、Rは水素又はC1−4アルキルである)、ピラゾール、C1−4アルキルカルボニル、カルボキシ、C1−6アルキルスルホニル、ニトロ、フェニル、C1−4アルキルチオ、ヒドロキシ及び−O−CH−O−から独立して選択される1〜3個の基で置換されている。
【0025】
更に別の好適クラスの式(I)の化合物はArが非置換フェニル又は(ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、フルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ及びフルオロC1−4アルコキシから選択される1もしくは2個の置換基で置換された)フェニルを表す化合物である。特に、Arは弗素、シアノ、メチル、tert−ブチル、トリフルオロメチル、メトキシ及びトリフルオロメトキシから選択される1個の置換基で置換されたフェニル環を表すことが好ましい。置換基はフェニル環の4位に結合していると適切である。
【0026】
Arの特定態様としては、4−トリフルオロメチルフェニル、ピリド−4−イル、3シアノフェニル、4−メトキシフェニル、4−tertブチルフェニル、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、3−メチルピリド−2−イル及び4−フルオロフェニルが挙げられる。Arの他の態様としては、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、1−H−インドール−5−イル、1−ベンゾチエン−7−イル、2−(4−オキソピペリジン−1−イルメチル)フェニル、3−ベンズアルデヒド、4−エチルフェニル、3−(イミダゾール−1−イル)フェニル、3−フルオロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、キノリン−5−イル、3,5−ジクロロフェニル、4−ベンゾキシフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、ナフト−1−イル、4−アセチルフェニル、4−シアノフェニル、3−カルボキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、3−メチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−フルオロ−3−(ピリド−3−イル)フェニル、4−メチルスルホニルフェニル、ナフト−2−イル、4−エトキシフェニル、3−ニトロフェニル、4−クロロフェニル、ビフェン−4−イル、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、3−イソプロピルフェニル、4−メチルチオフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、フェニル及び4−トリフルオロメトキシフェニルが挙げられる。
【0027】
本発明の1好適クラスの化合物は式(Ia):
【0028】
【化3】

[式中、−X’=Y’−は−CH=CH−、−N=CH−又は−CH=N−を表し、R、R、Ar、Ar及びnは式(I)に定義した通りである]の化合物と医薬的に許容可能なその塩、N−オキシド及びプロドラッグである。
【0029】
本発明の別の好適クラスの化合物は式(Ib):
【0030】
【化4】

[式中、−X’=Y’−は−CH=CH−、−N=CH−又は−CH=N−を表し、−A−B−は
(a)−CH=CH−N=CH−、
(b)−CH=CH−CH=N−、
(c)−CH=CH−N=N−、
(d)−CH=N−N=CH−、
(e)−CH=N−CH=N−、
(f)−N=CH−CH=N−、
(g)−CH=CH−NH−、
(h)−CH=CH−O−、
(i)−CH=CH−S−、
(j)−N=CH−NH−、
(k)−CH=N−NH−、
(l)−O−CH=N−、
(m)−CH=N−O−、
(n)−S−CH=N−、
(o)−CH=N−S−、
(p)−N=N−NH−、
(q)−CH−CH−CH=N−、
(r)−CH−CH−CH−NH−、
(s)−CH−CH−N=CH−、
(t)−CH−CH−NH−CH−、
(u)−CH−NH−C(O)−NH−、
(v)−CH−O−C(O)−NH−、
(w)−CH−NH−S(O)−NH−、
(x)−CH−NH−SO−NH−、
(y)−CH−CH−C(O)−NH−、及び
(z)−CH=CH−C(O)−NH−から構成される群から選択され;
(二環複素環系の環の一方でも両方でもよい)、R、Ar及びnは式(I)に定義した通りである]の化合物と医薬的に許容可能なその塩、N−オキシド及びプロドラッグである。
【0031】
本発明の別の好適クラスの化合物は式(Ic)及び(Id):
【0032】
【化5】

[式中、−X’=Y’−は−CH=CH−、−N=CH−又は−CH=N−を表し、−A−B−は
(a)=CH−CH=N、
(b)=CH−N=CH−、
(c)=N−CH=CH−、及び
(d)=CH−CH=CH−から構成される群から選択され;
(二環複素環系の環の一方でも両方でもよい)、R、Ar及びnは式(I)に定義した通りである]の化合物と医薬的に許容可能なその塩、N−オキシド及びプロドラッグである。
【0033】
本発明の別の好適クラスの化合物は式(Ie):
【0034】
【化6】

[式中、−X’=Y’−は−CH=CH−、−N=CH−又は−CH=N−を表し、−A−B−は
(a)−CH=CH−CH=N−、
(b)−CH=CH−N=CH−、
(c)−CH=N−CH=CH−、
(d)−N=CH−CH=CH−、
(e)−CH=CH−NH−、
(f)−CH=N−NH−、
(g)−N=CH−NH−、及び
(h)−CH=CH−O−から構成される群から選択され;
(二環複素環系の環の一方でも両方でもよい)、R、Ar及びnは式(I)に定義した通りである]の化合物と医薬的に許容可能なその塩、N−オキシド及びプロドラッグである。
【0035】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)の任意のもの又は任意置換基に任意変数が2回以上出現する場合には、1回毎のその定義は他の全定義から独立している。
【0036】
本明細書において基又は基の一部として使用する「アルキル」又は「アルコキシ」なる用語は基が直鎖又は分枝鎖であることを意味する。適切なアルキル基の例としてはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル及びt−ブチルが挙げられる。適切なアルコキシ基の例としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ及びt−ブトキシが挙げられる。
【0037】
本明細書で使用する「ヒドロキシC1−6アルキル」なる用語は1個以上(特に1〜3個、特に1個)の水素原子がヒドロキシ基で置換されたC1−6アルキル基を意味する。特に好ましいのはヒドロキシC1−3アルキル基、例えば、CHOH、CHCHOH、CH(CH)OH又はC(CHOH、特にCHOHである。
【0038】
本明細書で使用する「ハロC1−6アルキル」及び「ハロC1−6アルコキシ」なる用語は1個以上(特に1〜3個)の水素原子がハロゲン原子、特に弗素又は塩素原子で置換されたC1−6アルキル又はハロC1−6アルコキシ基を意味する。フルオロC1−6アルキル及びフルオロC1−6アルコキシ基が好ましく、特にフルオロC1−3アルキル及びフルオロC1−3アルコキシ基、例えば、CF、CHCHF、CHCHF、CHCF、OCF、OCHCHF、OCHCHF又はOCHCF、特にCF、OCF及びOCHCFである。
【0039】
本明細書においてシクロアルキル基とは、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表すことができる。適切なC3−7シクロアルキルC1−4アルキル基としては例えばシクロプロピルメチルとシクロヘキシルメチルが挙げられる。
【0040】
同様に、本明細書においてシクロアルコキシ基とは、例えばシクロプロポキシ又はシクロブトキシを表すことができる。
【0041】
本明細書において基又は基の一部として使用する「アルケニル」及び「アルキニル」なる用語は基が直鎖又は分枝鎖であることを意味する。適切なアルケニル基の例としてはビニルとアリルが挙げられる。適切なアルキニル基はアセチレン又はプロパルギルである。
【0042】
本明細書で使用する場合に、「ハロゲン」なる用語は弗素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。最も適切なハロゲンは弗素と塩素であり、特に指定しない限り、弗素が好ましい。
【0043】
本明細書において基又は基の一部として使用する場合に、「カルボキシ」なる用語はCOHを意味する。
【0044】
本明細書で使用する場合に、「エステル化カルボキシ」なる用語はその酸素原子を介してカルボニル(C=O)基に結合し、C1−6アルコキシカルボニル又はハロC1−6アルコキシカルボニル基を形成するC1−6アルコキシ又はハロC1−6アルコキシ基を意味する。このようなエステル化カルボキシ基の適切な例としては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル及びtert−ブトキシカルボニルが挙げられる。
【0045】
本明細書で使用する「融合9又は10員二環複素環系」なる用語は一方又は両方の環が環ヘテロ原子を含む5,6−、6,5−又は6,6−融合環系を意味する。環系は芳香族又は部分飽和が好ましく、従って、環系は不飽和、部分飽和又は飽和のいずれでもよい5又は6員環に融合した芳香族6員環を含むことが好ましい。環系が2個以上のヘテロ原子を含む場合には、このようなヘテロ原子の少なくとも1個は窒素である。当然のことながら、環ヘテロ原子の1個が窒素原子である場合には、このようなヘテロ原子は融合環系の架橋位置とすることができる。同様に当然のことながら、飽和環における環ヘテロ原子の1個が硫黄である場合には、このようなヘテロ原子はS(O)又はS(O)部分に酸化することができる。同様に、飽和環における任意炭素原子はC=O部分に酸化することができる。
【0046】
「融合9又は10員二環複素環系」の適切な例としては、イソキノリニル、キノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾール、ピリドピリダジニル、ピリドピリミジニル、ピリドピラジニル、ピロロピリジニル、フロピリジニル、チエノピリジニル、ピロロピリダジニル、フロピリダジニル、チエノピリダジニル、ピロロピリミジニル、フロピリミジニル、チエノピリミジニル、ピロロピラジニル、フロピラジニル、チエノピラジニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、イソキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソチアゾロピリジニル、イミダゾピリダジニル、ピラゾロピリダジニル、オキサゾロピリダジニル、イソキサゾロピリダジニル、チアゾロピリダジニル、イソチアゾロピリダジニル、イミダゾピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、イソキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、イソチアゾロピリミジニル、イミダゾピラジニル、ピラゾロピラジニル、オキサゾロピラジニル、イソキサゾロピラジニル、チアゾロピラジニル、イソチアゾロピラジニル、トリアゾロピリジニル、ベンゾトリアゾリル、キノリノニル、イソキノリノニル、ジヒドロキノリノニル、ジヒドロイソキノリノニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロキナゾリノニル、ジヒドロベンゾキサゾリノニル、ジヒドロベンゾチアジアジンオキシド及びジヒドロベンゾチアジアジンジオキシドが挙げられる。
【0047】
従って、本発明は
N−(4−フェニルピリジン−2−イル)イソキノリン−5−アミン;
N−{4−[4−トリフルオロメトキシフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{4−[3−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
5−({4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}オキシ)イソキノリン;
N−{6−メチル−4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{6−メトキシ−4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{6−クロロ−4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−[6−クロロ−4−(ピリジン−4−イル)ピリジン−2−イル]イソキノリン−5−アミン;
3−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
1−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
6,8−ジフルオロ−3−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
3−メチル−7−トリフルオロメチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
8−フルオロ−3−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
6−フルオロ−3−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}キノリン−5−アミン;
3−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}シンノリン−5−アミン;
1−メチル−5−({4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}アミノ)キノリン−2(1H)−オン;
1−メチル−5−({4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}アミノ)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン;
1−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}−1H−インタゾール−4−アミン;
N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}−1H−インダゾール−4−アミン;
6−フルオロ−1−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}−1H−インダゾール−4−アミン;
1−メチル−6−トリフルオロメチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}−1H−インダゾール−4−アミン;
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−(5−[3シアノフェニル]ピリダジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン;
N−[5−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−3−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−[5−(4−tert−ブチルフェニル)ピリダジン−3−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−{5−[2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{6−クロロ−5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−[5−(3−メチルピリジン−2−イル)ピリダジン−3−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−{4,5−ビス[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン;
3−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン;
1−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン−5−アミン;
6,8−ジフルオロ−3−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン;
3−メチル−7−トリフルオロメチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン;
8−フルオロ−3−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン;
6−フルオロ−3−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン;
3−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}シンノリン−5−アミン;
1−メチル−5−({5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}アミノ)キノリン−2−(1H)−オン;
1−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−1H−インダゾール−4−アミン;
2−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−2H−インダゾール−4−アミン;
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−1H−インダゾール−4−アミン;
6−フルオロ−1−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−1H−インダゾール−4−アミン;
1−メチル−6−トリフルオロメチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−1H−インダゾール−4−アミン;
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イミダゾ[1,5−a]ピリジン−8−アミン;
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−アミン;
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−4−アミン;
2−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−1,3−ベンゾチアゾール−6−アミン;
N−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
3−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
1−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}−5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン−5−アミン;
6,8−ジフルオロ−3−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
3−メチル−7−トリフルオロメチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
8−フルオロ−3−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
6−フルオロ−3−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
3−メチル−N−{2−メチル−6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
3−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}シンノリン−5−アミン;
1−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}−1H−インダゾール−4−アミン;
N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}−1H−インダゾール−4−アミン;
6−フルオロ−1−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}−1H−インダゾール−4−アミン;
1−メチル−6−トリフルオロメチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}−1H−インダゾール−4−アミン;
N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−4−アミン;
1,3−ジメチル−5−({6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}アミノ)キノリン−2(1H)−オン;
1,3−ジメチル−5−({5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}アミノ)キノリン−2(1H)−オン;
1,3−ジメチル−5−({4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}アミノ)キノリン−2(1H)−オン;
N−{5−メトキシ−6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{5−メチル−6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{6−[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(1H−インドール−5−イル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(1−ベンゾチエン−7−イル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
1−{2−[6−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]ベンジル}ピペリジン−4−オン;
3−[6−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]ベンズアルデヒド;
N−[6−(4−エチルフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−{6−[3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(3−フルオロフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−{6−[4−ジメチルアミノフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−(6−キノリン−8−イルピリミジン−4−イル)イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(3,5−ジクロロフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−{6−[4−ベンジルオキシフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{6−[4−トリフルオロメトキシフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−{6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(1−ナフチル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(4−tert−ブチルフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
1−{4−[6−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]フェニル}エタノン;
4−[6−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]ベンゾニトリル;
3−[6−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]安息香酸;
N−{6−[3−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(3−メチルフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−(6−メシチルピリミジン−4−イル)イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(2−フルオロ−3−ピリジン−3−イルフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−{6−[4−メチルスルホニルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(2−ナフチル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(4−エトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(3−ニトロフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(4−クロロフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−(6−ビフェニル−4−イルピリミジン−4−イル)イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(3−イソプロピルフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
N−{6−[4−メチルチオフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(2,5−ジフルオロフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;
4−[6−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]フェノール;
N−[6−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン;N−(6−フェニルピリミジン−4−イル)イソキノリン−5−アミン;
6−フルオロ−3−メチル−N−{2−メチル−6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン;
N−[6−(4−クロロフェニル)ピリミジン−4−イル]−6−フルオロ−3−メチルイソキノリン−5−アミン;もしくは
6−フルオロ−3−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメトキシフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミンである化合物;
又は医薬的に許容可能なその塩を提供する。
【0048】
本発明の別の側面では、式(I)の化合物は医薬的に許容可能な塩、特に酸付加塩として製造することができる。
【0049】
医薬用では、式(I)の化合物は医薬的に許容可能な非毒性塩である。しかし、本発明の化合物又は医薬的に許容可能なその非毒性塩の製造には他の塩も有用であると思われる。本発明の化合物の適切な医薬的に許容可能な塩としては、例えば塩酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、琥珀酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸又は硫酸等の医薬的に許容可能な酸の溶液と本発明の化合物の溶液を混合することにより形成することができる酸付加塩が挙げられる。アミン基の塩として、アミノ窒素原子がアルキル、アルケニル、アルキニル又はアラルキル部分等の適切な有機基をもつ第4級アンモニウム塩も挙げられる。更に、本発明の化合物が酸性部分をもつ場合には、適切な医薬的に許容可能なその塩としてアルカリ金属塩(例えばナトリウム又はカリウム塩);及びアルカリ土類金属塩(例えばカルシウム又はマグネシウム塩)が挙げられる。
【0050】
塩は、例えば塩が不溶性である溶媒もしくは媒体中、又は減圧もしくは凍結乾燥もしくは存在する塩のアニオンを適切なイオン交換樹脂上の別のアニオンと交換することにより除去される水等の溶媒中で、1当量以上の適当な酸と式(I)の化合物の遊離塩基形を反応させる等の慣用手段により形成することができる。
【0051】
本発明は更に上記式(I)の化合物のN−オキシドもその範囲に含む。一般に、このようなN−オキシドは利用可能な任意窒素原子上に形成することができる。N−オキシドは例えば式(I)の化合物を湿潤アルミナの存在下にオキソンと反応させる等の慣用手段により形成することができる。
【0052】
本発明は上記式(I)の化合物のプロドラッグもその範囲に含む。一般に、このようなプロドラッグは式(I)の化合物の機能的誘導体であり、必要な式(I)の化合物に容易にインビボ変換可能である。適切なプロドラッグ誘導体の選択と製造のための慣用方法は例えば“Design of Prodrugs”,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記載されている。
【0053】
プロドラッグは生物活性物質(「親薬剤」又は「親分子」)の薬理的に不活性な誘導体であり、活性薬剤を放出するために体内で変換が必要であり、親薬剤分子よりも改善された送達性をもつ。インビボ変換は例えばカルボン酸、リン酸もしくは硫酸エステルの化学的もしくは酵素加水分解、又は感受性官能基の還元もしくは酸化等の所定代謝プロセスの結果として実施することができる。
【0054】
本発明は式(I)の化合物及びその塩の溶媒和物、例えば水和物をその範囲に含む。
【0055】
本発明の化合物は1個以上の不斉中心を含むことができ、従って、エナンチオマー及びジアステレオマーの両者として存在することができる。当然のことながら、このような全異性体とその混合物が本発明の範囲に含まれる。更に、式(I)の化合物は互変異性形で存在することもでき、本発明は混合物及び個々の互変異性体の両者をその範囲に含む。
【0056】
当然のことながら、本明細書に記載する各種置換基の好ましい定義は単独又は組み合わせて解釈することができ、特に指定しない限り、本発明の化合物の一般式と(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)により表される好適クラスの化合物に適用される。
【0057】
本発明は更に医薬的に許容可能なキャリヤー又は賦形剤と共に式(I)の1種以上の化合物を含有する医薬組成物を提供する。
【0058】
本発明の組成物は経口、非経口、鞘内、鼻腔内、舌下、直腸もしくは局所投与用又は吸入もしくは吸気投与用として、タブレット、ピル、カプセル、散剤、顆粒剤、滅菌非経口溶液又は懸濁液、定量エアゾール又は液体スプレー、ドロップ、アンプル、自己注射器、座剤、クリーム又はゲル等の単位剤形が好ましい。タブレット、ピル、カプセル又はウェハース等の経口組成物が特に好ましい。タブレット等の固体組成物を製造するには、主活性成分を医薬キャリヤー(例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム又はガム等の慣用錠剤化成分)及び他の医薬的希釈剤(例えば水)と混合し、本発明の化合物又は医薬的に許容可能なその塩の均質混合物を含有する固体プレ製剤組成物を形成する。これらのプレ製剤組成物が均質であるという場合には、組成物をタブレット、ピル及びカプセル等の均等に有効な単位剤形に容易に細分できるように活性成分が組成物全体に均等に分散していることを意味する。この固体プレ製剤組成物をその後、上記型の単位剤形に細分し、本発明の活性成分0.1〜約500mgを含有するようにする。好適単位剤形は1〜500mg、例えば1、5、10、25、50、100、300又は500mgの活性成分を含有する。新規組成物のタブレット又はピルはコーティングしてもよいし、持続性作用の利点を付与する剤形を提供するように他の方法で製剤化してもよい。例えば、タブレット又はピルは内側処方成分と外側処方成分から構成し、後者を前者のエンベロープとすることができる。2成分は腸溶層により分離し、胃で崩壊せずに内側成分を無傷で十二指腸に導入するか又は放出を遅らせることができる。このような腸溶層又はコーティングには種々の材料を使用することができ、このような材料としては多数のポリマー酸及びポリマー酸とシェラック、セチルアルコール及び酢酸セルロース等の材料の混合物が挙げられる。
【0059】
本発明の新規組成物を経口又は注射投与用に配合することができる液体形態としては水溶液、適当なフレーバー入りシロップ、水性又は油性懸濁液、食用油(例えば綿実油、胡麻油、椰子油又は落花生油)のフレーバー入りエマルション、及びエリキシル剤等の医薬ビークルが挙げられる。水性懸濁液に適した分散剤又は懸濁剤としては合成及び天然ガム(例えばトラガカントガム、アラビアガム、アルギン酸塩、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はゼラチン)が挙げられる。
【0060】
以下に挙げるような疼痛症状の治療では、適切な用量レベルは約1.0mg〜15g/日、好ましくは約5.0mg〜5g/日、特に約20mg〜2g/日である。化合物は1日に1〜4回のレジメンで投与することができる。
【0061】
当然のことながら、任意治療に必要な式(I)の化合物の量は選択する特定化合物又は組成物のみならず、投与経路、治療する症状の種類、及び患者の年齢と症状によっても異なり、最終的に主治医の判断に委ねられる。
【0062】
本発明は更に人体又は動物体の治療に使用するための上記のような式(I)の化合物、又は医薬的に許容可能なその塩も提供する。前記治療はVR1受容体の調節(好ましくは拮抗作用)により治療することができる症状の治療が好ましい。
【0063】
本発明の化合物は慢性及び急性疼痛症状を含む疼痛及び/又は炎症を主症状とする疾患及び症状の予防又は治療に使用される。このような症状としてはリウマチ様関節炎;骨関節炎;手術後疼痛;特に外傷後の筋骨格痛;脊椎痛;筋筋膜痛症候群;偏頭痛、急性又は慢性緊張性頭痛、群発性頭痛、顎関節通、及び上顎洞痛を含む頭痛;耳痛;会陰切開痛;火傷、及び特にそれに伴う一次性痛覚過敏;心臓痛、筋肉痛、眼痛、口腔顔面痛(例えば歯痛)、腹痛、婦人科疼痛(例えば月経困難症、膀胱炎に伴う疼痛及び陣痛)等の深部及び内蔵痛;末梢神経疾患(例えば、神経絞扼及び腕神経叢剥離、切断、末梢神経障害、疼痛性チック、非定型顔面痛、神経根損傷、及びクモ膜炎)に伴う疼痛等の神経及び神経根に関連する疼痛;掻痒症、血液透析による掻痒、及び接触皮膚炎等の掻痒症状;(例えば摂取、吸入、又は眼接触による)粘膜のカプサイシン及び関連刺激剤(例えば催涙ガス、唐辛子又は唐辛子スプレー)接触による疼痛(及び気管支収縮及び炎症);糖尿病神経障害、化学療法による神経障害及びヘルペス後神経痛等の神経痛症状;「非疼痛性」神経障害;複合性局所疼痛症候群;癌に伴う疼痛(癌性疼痛と言うことが多い);脊椎又は脳幹損傷による疼痛、腰痛、座骨神経痛及び強直性脊椎炎等の中枢神経痛;通風;瘢痕痛;過敏性腸症候群;炎症性腸疾患;膀胱排尿筋過反射及び膀胱過敏症を含む尿失禁;慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、喘息及び鼻炎(季節性及び通年性鼻炎等のアレルギー性鼻炎と非アレルギー性鼻炎を含む)を含む呼吸器疾患;自己免疫疾患;並びに免疫不全疾患が挙げられる。
【0064】
従って、別の側面によると、本発明はVR1活性を調節することにより改善することが可能な生理的障害の治療又は予防用医薬の製造に使用するための式(I)の化合物を提供する。
【0065】
本発明は更に必要とする患者に有効量の式(I)の化合物又は式(I)の化合物を含有する組成物を投与することを含む、VR1活性を調節することにより改善することが可能な生理的障害の治療又は予防方法を提供する。
【0066】
別の又は代替側面によると、本発明は疼痛及び/又は炎症を主症状とする疾患又は症状の治療又は予防用医薬の製造に使用するための式(I)の化合物を提供する。
【0067】
本発明は更に必要とする患者に有効量の式(I)の化合物又は式(I)の化合物を含有する組成物を投与することを含む、疼痛及び/又は炎症を主症状とする疾患又は症状の治療又は予防方法を提供する。
【0068】
本発明の別の側面によると、本発明の化合物と特定症状の治療に適した1種以上の他の薬理活性剤の併用により上記症状の任意のものを治療することが望ましいと思われる。式(I)の化合物と他の薬理活性剤は患者に同時、順次又は組み合わせて投与することができる。従って、例えば疼痛及び/又は炎症の治療又は予防には、アセトアミノフェン(パラセタモール)、アスピリンと他のNSAID(選択的シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤を含む)、オピオイド鎮痛薬(特にモルヒネ)、NR2Bアンタゴニスト、ブラジキニンアンタゴニスト等の他の鎮痛薬、偏頭痛剤、抗痙攣薬(例えばオクスカルバゼピン及びカルバマゼピン)、抗鬱剤(例えばTCA、SSRI、SNRI、サブスタンスPアンタゴニスト等)、腰椎ブロック、ガバペンチン、プレガバリン及び喘息治療薬(例えばβ−アドレナリン受容体アゴニスト又はロイコトリエンDアンタゴニスト(例えばモンテルカスト))と本発明の化合物を併用することができる。
【0069】
特定抗炎症薬としてはジクロフェナック、イブプロフェン、インドメタシン、ナブメトン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム及びスリンダック、エトドラック、メロキシカム、ロフェコキシブ、セレコキシブ、エトリコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ及びチリコキシブが挙げられる。本発明の化合物と併用するのに適したオピオイド鎮痛薬としてはモルヒネ、コデイン、ジヒドロコデイン、ジアセチルモルヒネ、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レボルファノール、オキシモルホン、アルフェンタニル、ブプレノルフィン、ブトルファノール、フェンタニル、スフェンタニル、メペリジン、メタドン、ナルブフィン、プロポキシフェン及びペンタゾシン;又は医薬的に許容可能なその塩が挙げられる。本発明の化合物と併用するのに適した偏頭痛剤としてはCGRPアンタゴニスト、エルゴタミン又は5−HTアゴニスト、特にスマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルマトリプタン又はリザトリプタンが挙げられる。
【0070】
従って、本発明の別の側面では、少なくとも1種の医薬的に許容可能なキャリヤー又は賦形剤と共に本発明の化合物と鎮痛薬を含有する医薬組成物が提供される。
【0071】
本発明の別の又は代替側面では、疼痛及び/又は炎症を主症状とする疾患又は症状の治療又は予防に使用するための同時、別個又は順次併用剤として本発明の化合物と鎮痛薬を含有する製剤が提供される。
【0072】
一般方法(A)によると、VがNRである式(I)の化合物は式(II)のアミンを式(III)の化合物:
【0073】
【化7】

[式中、LGはアルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基(例えばメシラート又はトシラート)又はハロゲン原子(例えば臭素、塩素又はヨウ素)等の適切な脱離基である]と反応させることにより製造することができる。脱離基は塩素、臭素、ヨウ素又はトリフラート、特に塩素が好ましい。
【0074】
反応はBuchwald−Hartwigクロスカップリング反応(例えば、J.F.Hartwig,Angew.Chem.Int.Ed.,1998,37,2046−2067参照)に適した条件下で実施すると適切である。反応はパラジウム触媒とキレートホスフィンリガンドの錯体の存在下に実施される。
【0075】
適切なパラジウム触媒としてはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)[Pd(dba)]、Pd(dba)、及び2’−(ジメチルアミノ)−2−ビフェニリルパラジウム(II)クロリドが挙げられる。
【0076】
適切なキレートホスフィンリガンドとしては、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスファニル)−1,1’−ビナフチル[BINAP]、2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスファニル)−1,1’−ビナフチル[Tol−BINAP]、プロパン−1,3−ジイルビス(ジフェニルホスファン)[DPPP]及びジノルボルニルホスフィンが挙げられる。4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンも使用できる。
【0077】
反応は炭酸カリウム又は、より一般にはナトリウムtert−ブトキシド等の塩基の存在下に実施しても適切である。炭酸セシウムも使用できる。
【0078】
反応は80℃〜140℃の温度で実施すると適切であり、約100℃が適切である。適切な溶媒としては例えばp−キシレン、トルエン又はジオキサンが挙げられる。
【0079】
当然のことながら、一般方法(A)における脱離基は式(III)の化合物上に示したが、場合によってはAr中間体に脱離基をもたせ、中心芳香族複素環をNHR部分で置換することが望ましいと思われる。
【0080】
式(III)の芳香族複素環化合物が十分に求電子性であり、式(II)のアミンが十分に求核性である場合には、求核性置換(SNAr)反応によりN−アリール結合を形成することができる。これは例えばアミンがベンジルアミンであり、芳香族複素環化合物に電子が不足する場合である。
【0081】
従って、別の一般方法(B)によると、Arが芳香族5又は6員環に融合した飽和又は部分飽和6員環を含み、VがNRである式(I)の化合物は式(III)の化合物を式(V):
【0082】
【化8】

[式中、−A−B−は芳香族5又は6員環を含む3又は4原子鎖を表し、前記鎖はN、O及びSから選択される1〜4個(好ましくは1又は2個)のヘテロ原子を含む。−A−B−は
(a)−CH=CH−CH=N−、
(b)−CH=CH−N=CH−、
(c)−CH=N−CH=CH−、
(d)−N=CH−CH=CH−、
(e)−CH=CH−NH−、
(f)−CH=N−NH−、
(g)−N=CH−NH−、及び
(h)−CH=CH−O−を表すと適切であり;
が存在する場合には二環複素環系の環の一方でも両方でもよい。]のアミンと反応させることにより製造することができる。
【0083】
反応は所望により塩基とジメチルアセトアミド等の適切な溶媒の存在下に実施することができ、一般に高温、例えば80℃〜140℃で実施され、約100℃が適切である。
【0084】
当然のことながら、Vが酸素又は硫黄原子である化合物の製造にも式(V)のアミンの代わりにアルコール又はチオールを使用して同様の求核性置換反応を使用することができる。このようなエーテル又はチオエーテルの製造には適切な塩基が必要になる。
【0085】
Vが硫黄原子である化合物は慣用方法(例えばオキソンと湿潤アルミナ)を使用してVがSO又はSOである対応する化合物に酸化することができる。
【0086】
適切な方法の更に詳細については後記実施例に記載する。
【0087】
式(II)及び(V)の化合物は公知化合物であるか、又は例えば後記実施例に記載する手順もしくは自明の代替手順を使用して当業者に周知の慣用方法により製造することができる。
【0088】
WがNであり、XがCHであり、YがNである式(III)の化合物(即ちピリミジン)は式(VI)の化合物を式(VII)の化合物:
【0089】
【化9】

[式中、LGは上記に定義した通りであり、R40はB(OH)又はSn(アルキル)、例えばSn(メチル)又はSn(n−ブチル)である]と反応させることにより製造することができる。R40がB(OH)である場合には、反応は例えばエーテル(例えばジメトキシエタン又はジオキサン)又は芳香族炭化水素(例えばトルエン)等の適切な溶媒中で高温にてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム又はジクロロ−(1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)パラジウム等のパラジウム触媒の存在下に鈴木カップリング反応(例えばA.Suzuki,Pure AppL Chem.,1991,63,419−422参照)に適した条件下で実施すると適切である。R40がSn(アルキル)である場合には、反応は例えばエーテル(例えばジオキサン)又は芳香族炭化水素(例えばトルエン)等の適切な溶媒中で高温にてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド等のパラジウム触媒の存在下にスティルカップリング反応(例えばJ.K.Stille,Angew.Chem.Int.Ed.,1986,25,508−524参照)に適した条件下で実施すると適切である。反応は約170℃で約10分間マイクロ波照射下に実施することができる。
【0090】
WがNであり、XがCHであり、YがCHである式(III)の化合物(即ちピリジン)は脱離基を導入するのに適した試薬と式(VIII):
【0091】
【化10】

の化合物を反応させることにより製造することができる。例えば、LGが塩素である場合には、オキシ塩化リンと高温で反応させる。
【0092】
同様に、WがNであり、XがNであり、YがCHである式(III)の化合物(即ちピリダジン)は脱離基を導入するのに適した試薬と式(IX):
【0093】
【化11】

の化合物を反応させることにより製造することができる。例えば、LGが塩素である場合には、オキシ塩化リンと高温で反応させる。
【0094】
式(VIII)及び(IX)の化合物は例えば上記鈴木カップリング又はスティルカップリング反応条件を使用して式(VII)の化合物を夫々式(X)又は(XI):
【0095】
【化12】

の化合物と反応させることにより製造することができる。
【0096】
当然のことながら、上記カップリング反応における脱離基は式(VI)、(X)及び(XI)の化合物上に示したが、場合によってはAr中間体に脱離基をもたせ、中心芳香族複素環をB(OH)又はSn(アルキル)部分で置換することが望ましいと思われる。
【0097】
式(VI)、(X)及び(XI)の化合物は公知化合物であるか、又は例えば後記実施例に記載する手順もしくは自明の代替手順を使用して当業者に周知の慣用方法により製造することができる。
【0098】
WがNであり、XがCHであり、YがCHであり、Rが水素以外のものである式(III)の三置換ピリジンはスキーム1:
【0099】
【化13】

に示すように、2,6−二置換ピリジンのイリジウム触媒ボリル化反応又は類似方法を使用して製造することができる。
【0100】
別の一般方法(C)によると、式(I)の化合物は、上記のような鈴木カップリングに適した条件下でR40が上記に定義した通りである式(VII)の化合物をArが不在である式(XII):
【0101】
【化14】

[式中、R、Ar、n、V、X、Y、Z及びRは式(I)に定義した通りであり、LGは塩素等の脱離基である]の化合物と反応させることにより製造することができる。
【0102】
式XIIの化合物はArの代わりに式(III)の化合物に付加脱離基をもたせた一般方法(A)により製造することができる。
【0103】
上記合成シーケンスの任意のものの間に該当分子の任意のものの感受性又は反応性基を保護することが必要及び/又は望ましい場合もある。これはProtective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;及びT.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記載されているような慣用保護基により実施することができる。保護基は当分野で公知の方法を使用して適切な後続段階で除去することができる。
【0104】
以下、非限定的な実施例により本発明の化合物の製造を例証する。以下の製造例と実施例の生成物の構造は殆どの場合がH NMRにより確認した。
【0105】
製造例1:3−メチル−5−ニトロイソキノリン
内部温度を10℃未満に維持しながら3−メチルイソキノリン(2.14g,14.9mmol)を氷冷濃HSO(10ml)に少量ずつ加えた。次に内部温度を15℃未満に維持しながらニトロ化用の濃HSO(2ml)と発煙硝酸(2ml)の混合物を滴下した。30分間撹拌後にTLCは反応が完了したことを示した。過剰の4N NaOH水溶液(180ml)に混合物を氷冷下に加えることにより酸を中和した。混合物をジクロロメタン(2×150ml)で抽出した後、乾燥(NaSO)し、蒸発させると、粗生成物(2.69g)が黄色固体として得られた。ジクロロメタン中5%メタノールを溶離液としてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物の純試料(660mg)と8−ニトロ異性体約10%を含有する試料(1.95g)が得られた。
【0106】
製造例2:3−メチルイソキノリン−5−アミン
製造例1(660mg,3.51mmol)をMeOH(30ml)に溶かし、PtO触媒(120mg)を加えた。混合物を水素バルーン下に1時間45分撹拌した後、触媒を濾別し、更にメタノールで洗浄した。濾液を蒸発させ、ジクロロメタン中5%メタノールを溶離液としてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(250mg)が得られた。m/z(ES)159(M+H)。
【0107】
製造例3:1−メチル−5−ニトロイソキノリン
製造例1の手順に従って1−メチルイソキノリンのニトロ化により製造した。
【0108】
製造例4:1−メチルイソキノリン−S−アミン
製造例2の手順に従って製造例3の還元により製造した。
【0109】
製造例5:5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン−5−アミン
7,8−ジヒドロイソキノリン−5−(6H)−オンオキシム[Synth.Commun.,26(12),2305−2308,(1996)](1g,6.2mmol)をエタノール(20ml)と酢酸エチル(1ml)に溶かした溶液に炭素担持10%パラジウム(250mg)を加えた。得られたスラリーを水素バルーン下に室温で20時間撹拌した。触媒を濾別し、溶媒を除去すると、標記化合物が茶色油状物(953mg,100%)として得られた。m/z(ES)149(M+H)。
【0110】
製造例6:2,4−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド
3,5−ジフルオロアニソール(25g,175mmol)の0℃冷却ジクロロメタン(150ml)溶液に四塩化チタン(30.7ml,280mmol)を加えた。この混合物にジクロロメチルメチルエーテル(15.8ml,175mmol)を10分間かけて滴下し、添加の完了後に混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を氷/水(500ml)に注ぎ、DCM(3×300ml)で抽出した。DCM層を合わせて水(500ml)、飽和NaCl(200ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。イソヘキサン中15%EtO→イソヘキサン中30%EtOの勾配溶離でシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(11.2g,37%)が白色固体として得られた。
【0111】
製造例7:2,4−ジフルオロ−6−ヒドロキシベンズアルデヒド
製造例6(11.2g,77.8mmol)の−78℃冷却無水ジクロロメタン(500ml)溶液に三臭化ホウ素(9.47ml;85.58mmol)を10分間かけて滴下した。添加の完了後に混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌した。反応混合物を氷/水(1l)に注ぎ、DCM(3×400ml)で抽出した。有機層を合わせて水(1l)、飽和NaCl(500ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。10%ジエチルエーテル/イソヘキサンを溶離液としてシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(9.2g,75%)がオレンジ色油状物として得られた。
【0112】
製造例8:2,4−ジフルオロ−6−プロプ−1−イニルベンズアルデヒド
製造例7(9.20g,58.2mmol)とトリエチルアミン(8.92ml,64.02mmol)を無水ジクロロメタン(100ml)に加えた氷浴冷却混合物に無水トリフルオロメタンスルホン酸(11.75ml,69.84mmol)を10分間かけて滴下し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を水洗(300ml)し、水相をDCM(100ml)で抽出した。有機層を合わせて飽和NaCl(100ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、1インチシリカプラグで濾過し、蒸発させた。残渣(14.4g,49.6mmol)とトリエチルアミン(10.37ml,74.4mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(80ml)に加えた混合物を大型(200ml容量)密閉試験管で−78℃まで冷却し、容量が約10ml増加するまでプロピンガスをバブリングした。この混合物にPd(PPhCl(1.74g,2.48mmol)とCuI(449mg,4.96mmol)を加え、閉栓して試験管を室温まで上げた。反応混合物を2時間撹拌した後にTLCは反応が完了したことを示した。混合物を水(500ml)に注ぎ、EtOAc(3×150ml)で抽出し、EtOAc層を合わせて水(3×400ml)、飽和NaCl(150ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、1インチシリカプラグで濾過し、蒸発させると、標記化合物(8.7g,97%)が得られた。
【0113】
製造例9:6,8−ジフルオロ−3−メチルイソキノリン
製造例8(8.7g,48.8mmol)と2.0Mアンモニアをメタノール(244ml,488mmol)に加えた混合物をParr装置で(約35psi到達)80℃に5時間加熱した。混合物を冷却して蒸発させ、100%ジクロロメタンを溶離液としてシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(5.2g,59%)が茶色固体として得られた。H NMR(400MHz,CDCl)δ2.69(3H,s),6.93−6.99(1H,m),7.13(1H,dd,J9.1及び1.4),7.44(1H,br s),9.40(1H,br s)。
【0114】
製造例10:6,8−ジフルオロ−3−メチルイソキノリン−5−アミン
製造例9(1.2g,5.35mmol)の濃硫酸(7.5ml)氷浴冷却混合物に発煙硝酸(1ml)と濃硫酸(1ml)の混合物を滴下し、得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。氷/水(100ml)に注ぎ、NaHCOを少量ずつ加えて塩基性化した後にEtOAc(3×100ml)で抽出した。EtOAc層を合わせて窒素フラッシュし、スパチュラ先端で炭素担持5%パラジウムを加え、反応混合物を水素バルーン下に3時間撹拌した。触媒を濾別し、濾液を蒸発させた。DCM+0.5%NHOH中1%MeOHを溶離液としてシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(930mg,89%)が得られた。
【0115】
製造例11:3−メチル−7−(トリフルオロメチル)イソキノリン−5−アミン
2,4−ジフルオロ−6−ヒドロキシベンズアルデヒドの代わりに2−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルベンズアルデヒド[WO−A−9962902参照]を使用して夫々製造例8、9及び10の手順に従って製造した。
【0116】
製造例12:2−フルオロ−6−プロプ−1−イニルベンズアルデヒド
2−ブロモ−6−フルオロベンズアルデヒド[Tetrahedron Letters(1992),33(49),7499−7502参照](4.0g,19.7mmol)とトリエチルアミン(4.12ml,29.5mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(75ml)に加えた混合物を大型(200ml容量)密閉試験管で−78℃まで冷却し、容量が約10ml増加するまでプロピンガスをバブリングした。この混合物にPd(PPhCl(0.69g,0.99mmol)とCuI(180mg,1.97mmol)を加え、閉栓して試験管を室温まで上げ、4時間撹拌した後にTLCは反応が完了したことを示した。混合物を水(500ml)に注ぎ、EtOAc(3×150ml)で抽出した。EtOAc層を合わせて水(3×400ml)、飽和NaCl(150ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、1インチシリカプラグで濾過し、蒸発させると、標記化合物(3.2g,100%)が得られた。
【0117】
製造例13:8−フルオロ−3−メチルイソキノリン−5−アミン
2,4−ジフルオロ−6−プロプ−1−イニルベンズアルデヒドの代わりに製造例12を使用して夫々製造例9及び10の手順に従って製造した。
【0118】
製造例14:(2−ブロモ−4−フルオロフェニル)メタノール
2−ブロモ−4−フルオロ安息香酸(20g,91mmol)の−10℃無水THF(300ml)溶液にボランテトラヒドロフラン錯体(THF中1.0M溶液)(136.5ml,136.5mmol)を滴下した。添加の完了後に反応混合物を室温で4時間撹拌した。水(20ml)を滴下することにより反応をクエンチした。混合物に飽和KCO(200ml)と水(300ml)を加えた。有機層を分離し、水層をEtO(2×300ml)で抽出した。有機層を合わせて水(2×500ml)、飽和NaCl(200ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させると、標記化合物(18g,96%)が白色固体として得られた。
【0119】
製造例15:2−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド
塩化オキサリル(8.43ml,96.58mmol)の無水ジクロロメタン(300ml)−78℃冷却溶液にジメチルスルホキシド(13.71ml,193.16mmol)を滴下した。混合物を−78℃で5分間撹拌した後に、製造例14(18g,87.8mmol)の無水ジクロロメタン(150ml)溶液をゆっくりと加えた。得られた混合物を−78℃で15分間撹拌した後、トリエチルアミン(36.71ml,263.4mmol)を加え、混合物を室温まで1時間かけて昇温させた。混合物を水(2×500ml)、飽和NaCl(200ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、2インチシリカゲルプラグで濾過し、蒸発させると、標記化合物(16g,89%)が白色固体として得られた。
【0120】
製造例16:6−フルオロ−3−メチルイソキノリン−5−アミン
2−ブロモ−6−フルオロベンズアルデヒドの代わりに製造例15を使用して夫々製造例12、9、及び10の手順に従って製造した。
【0121】
製造例17:ヨウ化1−メチル−5−ニトロキノリニウム
5−ニトロキノリン(4g,30mmol)を85℃で融解させた後、硫酸ジメチル(2.2ml,30mmol)を加え、得られた混合物をこの温度で1.5時間撹拌した。黄色ゲルを水(35ml)に溶かし、室温まで冷却した。ヨウ化カリウム(7.63g,45.9mmol)の飽和水溶液を加え、得られたオレンジ色沈殿を濾過し、残渣を冷水で洗浄した。60℃で2時間減圧乾燥後に得られた赤煉瓦色固体を精製せずに次段階で使用した。
【0122】
製造例18:1−メチル−5−ニトロキノリン−2(1H)−オン
製造例17(3.53g,11.2mmol)とヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(8.11g,24.7mmol)を水(約30ml)とTHF(約30ml)に懸濁し、混合物を4N NaOH(水溶液)でpH14まで塩基性化し、更に48時間撹拌した。濃縮乾涸後に残渣をDCM/水に分配し、Celite(登録商標)で濾過し、フィルターパッドをDCM(200ml)と水(100ml)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮すると暗茶色油状物が得られた。フラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、薄茶色固体が得られた。(1.15g,50%)。m/z(ES)205(M+H)。
【0123】
製造例19:5−アミノ−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン
製造例18(200mg,0.98mmol)を酢酸(25ml)に溶かし、PtO(11mg)を用いて60psiで水素化した。触媒を濾別し、濾液を濃縮すると、無色ゲルが得られ、CHCl(30ml)/飽和NaHCO水溶液(30ml)に分配した。水相をCHCl(3×30ml)で抽出し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮すると、白色固体(120mg,70%)が得られた。m/z(ES)177(M+H)。
【0124】
製造例20:5−アミノ−1−メチルキノリン−2(1H)−オン
製造例18(0.42g,2.06mmol)と塩化錫(II)・2水和物(2.09g,9.26mmol)をエタノール(20ml)に懸濁し、混合物を16時間加熱還流した。揮発分を減圧除去し、残渣を水(30ml)に懸濁し、4M NaOH(水溶液)でpHを8に調整した。混合物をクロロホルム(4×50ml)で抽出し、有機抽出層を合わせて乾燥(NaSO)し、濃縮すると、クリーム色固体が得られた(0.32g,89%)。m/z(ES)175(M+H)。
【0125】
製造例21:1−メチル−4−ニトロ−1H−インダゾール及び2−メチル−4−ニトロ−2H−インダゾール
4−ニトロインダゾール[WO−A−0135947](5.0g,31mmol)の0℃ジメチルホルムアミド溶液に水素化ナトリウム(油中60%分散液1.34g,34mmol)を加えた。混合物を室温で10分間撹拌した。ヨードメタン(2.28ml,37mmol)を加え、反応混合物を室温で90分間撹拌した。水(500ml)を加え、反応混合物を酢酸エチル(3×200ml)で抽出した。有機層を合わせて水洗(2×200ml)した後、乾燥(MgSO)し、蒸発させた。ジクロロメタン/ヘキサン中で一晩粉砕すると、純1−メチル−4−ニトロ−1H−インダゾール0.97gが得られた。残留溶液を凝縮させ、ジクロロメタン中40−20%ヘキサンを溶離液としてシリカカラムクロマトグラフィーにより精製すると、更に1−メチル−4−ニトロ−1H−インダゾール(1.30g,合計2.27g,42%)が低極性生成物として得られた。H NMR(360MHz,CDCl)4.18(3H,s),7.52(1H,t,J8.0),7.77(1H,d,J8.4),8.15(1H,d,J7.7),8.61(1H,s);低極性2−メチル−4−ニトロ−2H−インダゾール(1.50g,28%)。H NMR(400MHz,CDCl)4.32(3H,s),7.40(1H,t,J8.0),8.07(1H,d,J8.6),8.18(1H,d,J7.6),8.55(1H,s)。
【0126】
製造例22:1−メチル−1H−インダゾール−4−アミン
製造例21(0.97g,5.5mmol)のエタノール(50ml)溶液に炭素担持触媒10%パラジウムを加えた。得られたスラリーを水素バルーン下に2時間撹拌した。触媒を濾別し、溶媒を蒸発させ、生成物をトルエンで共沸すると、標記化合物が薄茶色固体として得られた(0.78g,96%)。m/z(ES)148(M+H)。
【0127】
製造例23:2−メチル−2H−インダゾール−4−アミン
製造例22の手順に従って製造例21から製造した。m/z(ES)148(M+H)。
【0128】
製造例24:4−ニトロ−1−{[2−トリメチルシリルエトキシ]メチル}−1H−インダゾール
4−ニトロインダゾール(2.55g,15.6mmol)の室温無水ジメチルホルムアミド(20ml)溶液に水素化ナトリウム(902mg,37.6mmol,2.4当量,油中60%分散液)を少量ずつ加えた。これを室温で10分間撹拌した。2−(クロロメトキシ)エチル−トリメチルシラン(3.3ml,18.8mmol,1.2当量)を加え、反応混合物を室温で更に90分間撹拌した。水(30ml)を加え、反応混合物をジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(2×50ml)で洗浄し、層分離し、有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。イソヘキサン中20%酢酸エチルを溶離液として得られた油状物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製すると、4−ニトロ−1−{[2−トリメチルシリルエトキシ]メチル}−1H−インダゾール(1.74g,38%)が低極性生成物として、4−ニトロ−2−{[2−トリメチルシリルエトキシ]メチル}−2H−インダゾール(1.93g,42%)が高極性生成物として得られた。H NMR−1置換異性体−(360MHz,CDCl)δ0.00(9H,s),0.94(2H,t,J8.4),3.63(2H,t,J8.2),5.89(2H,s),7.62(1H,t,J8.0),8.03(1H,d,J8.3),8.26(1H,d,J7.7),8.71(1H,s)。
【0129】
製造例25:1−{[2−トリメチルシリルエトキシ]メチル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例24(1.74g,5.9mmol)のエタノール(25ml)溶液に炭素担持10%パラジウム(190mg)を加えた。得られたスラリーを50psiで1時間水素化した。反応混合物を濾過し、溶媒を蒸発させると、標記化合物が茶色油状物として得られた(1.55g,99%収率)。m/z(ES)264(M+H)。
【0130】
製造例26:5−フルオロ−2−メチル−3−ニトロ安息香酸メチル
5−フルオロ−2−メチル安息香酸(62.6g,406mmol)の−10℃冷却濃硫酸(500ml)溶液に発煙硝酸(20.6ml)と濃硫酸(94ml)の混合物を滴下した。添加の完了後に混合物を0℃で1時間撹拌した。氷/水(1.5l)に注ぎ、10分間撹拌した後、EtOAc(3×500ml)で抽出し、EtOAc層を合わせて水(800ml)、飽和NaCl(500ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をメタノール(1l)に溶かし、濃HCl(15ml)を加え、得られた混合物を一晩加熱還流した。反応混合物を冷却して蒸発させ、残渣をDCM(700ml)と飽和NaHCOに分配し、有機層を分離し、飽和NaCl(200ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させると、標記化合物(51.5g,59%)が油状物として得られた。
【0131】
製造例27:3−アミノ−5−フルオロ−2−メチル安息香酸メチル
製造例26(51.58g,242mmol)のメタノール(400ml)溶液に窒素フラッシュ下に炭素担持5%パラジウム(3g)を加え、得られた混合物を水素取込みが停止するまで(約45分間)50psiのParr装置で水素化した。触媒を濾別し、濾液を蒸発乾涸すると、標記化合物(39.5g,89%)が固体として得られた。
【0132】
製造例28:6−フルオロ−1H−インダゾール−4−カルボン酸メチル
氷浴で冷却した水(400ml)と濃塩酸(60ml)の混合物に製造例27(39.5g,216mmol)とテトラフルオロ硼酸アンモニウム(30.12g,287.3mmol)を加えた混合物に亜硝酸ナトリウム(14.9g,216mmol)の水(60ml)溶液を加えた。添加の完了後に混合物を40分間撹拌した。沈殿を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。次に酢酸カリウム(23.32g,237.6mmol)と18−クラウン−6(1.71g,6.48mmol)をクロロホルム(800ml)に加えた混合物にこの固体を少量ずつ加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。水(500ml)を加え、層分離し、水層を更にジクロロメタン(2×300ml)で抽出し、有機層を合わせて水、飽和NaClで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣にイソヘキサンを加えて粉砕し、濾過し、乾燥すると、標記化合物(11.5g,27%)がオレンジ色固体として得られた。
【0133】
製造例29:6−フルオロ−1−メチル−1H−インダゾール−4−カルボン酸メチル
製造例28(5.00g,25.8mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(75ml)溶液に水素化ナトリウム(油中60%分散液)(1.2g,30.96mmol)を加え、5分後にヨードメタン(1.93ml,30.96mmol)を加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。水(500ml)に注ぎ、EtOAc(3×100ml)で抽出し、EtOAc層を合わせて水(3×200ml)、飽和NaCl(100ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。イソヘキサン中25%EtOAc→イソヘキサン中50%EtOAcの勾配溶離でシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(2.62g,48%)が得られた。
【0134】
製造例30:6−フルオロ−1−メチル−1H−インダゾール−4−カルボン酸
製造例29(2.62g,12.6mmol)のメタノール(50ml)溶液に水酸化ナトリウム(2.52g,63mmol)の水(20ml)溶液を加え、得られた混合物を一晩加熱還流した。混合物を冷却し、メタノールを蒸発により除去した。水(100ml)を加えた後に濃HClを加えて混合物を酸性化し、EtOAc(3×75ml)で抽出し、EtOAc層を合わせて水(100ml)、飽和NaCl(50ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させると、標記化合物(1.8g,74%)が黄色固体として得られた。
【0135】
製造例31:6−フルオロ−1−メチル−1H−インダゾール−4−イルカルバミン酸tert−ブチル
製造例30(2.33g,12mmol)の無水トルエン(50ml)溶液にトリエチルアミン(1.84ml,13.2mmol)を加え、次いでジフェニルホスホリルアジド(2.85ml,13.2mmol)を加え、得られた混合物を1時間加熱還流した。この後、2−メチル−2−プロパノール(1.7ml,18.0mmol)を加え、加熱を一晩続けた。混合物を冷却し、蒸発させ、イソヘキサン中50%ジエチルエーテルを溶離液としてシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物(1.82g,57%)が得られた。
【0136】
製造例32:6−フルオロ−1−メチル−1H−インダゾール−4−アミン
製造例31(1.82g,6.86mmol)の無水メタノール(50ml)溶液を塩化水素ガスで飽和させ、HPLCが反応の完了を示すまで放置した。混合物を蒸発させ、残渣を飽和NaHCOとDCMに分配した。有機層を分離し、飽和NaClで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させると、標記化合物(940mg,83%)が得られた。
【0137】
製造例33:1−メチル−6−トリフルオロメチル−1H−インダゾール−4−アミン
夫々製造例26〜32に記載の手順と同様の手順を使用して5−フルオロ−2−メチル安息香酸の代わりに2−メチル−5−トリフルオロメチル安息香酸から製造した。
【0138】
製造例34:2−シアノニコチン酸エチル
2−クロロニコチン酸エチル(15.0g,81mmol)の無水N,N−ジメチルアセトアミド(75ml)溶液にシアン化亜鉛(5.71g,48.6mmol)、Pd(dba)(742mg,0.81mmol)、亜鉛(636mg,9.72mmol)、及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(898mg,1.62mmol)を加え、得られた混合物を120℃に1時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、水(300ml)とジエチルエーテル(150ml)に分配し、混合物をCelite(登録商標)で濾過し、相分離した。水相を更にジエチルエーテル(2×100ml)で抽出し、ジエチルエーテル層を合わせて飽和NaClで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させると、標記化合物が得られた(14.26g,100%)。
【0139】
製造例35:[3−エトキシカルボニルピリジン−2−イル]メタンアミニウムクロリド
製造例34(14.27g,81mmol)と濃HCl(15ml)の溶液に窒素フラッシュ下に炭素担持10%パラジウム(2g)を加え、得られた混合物をHPLCとMSが完全な変換を示すまで(約2日間)50psiで水素化した。触媒を濾別し、濾液を蒸発させると、標記化合物が得られた(17.55g,100%)。
【0140】
製造例36:イミダゾ[1,5−a]ピリジン−8−カルボン酸エチル
無水酢酸(38.21ml,405mmol)とギ酸(15.28ml,405mmol)を60℃で2時間混合した後、室温まで冷却した。この混合物に製造例35(17.55g,81mmol)を加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した後、35℃に3時間加熱した。混合物を5℃まで冷却し、0.88アンモニア溶液で中和した後、ジクロロメタン(3×)で抽出した。ジクロロメタン層を合わせて水、飽和NaClで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。DCM+0.5%NHOH中2%MeOHを溶離液として残渣をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物が得られた(8.67g,56%)。
【0141】
製造例37:イミダゾ[1,5−a]ピリジン−8−カルボン酸
製造例36(8.67g,45.6mmol)とKOH[メタノール中1.0M](91.2ml,91.2mmol)を混合し、30分間加熱還流すると、HPLCが反応の完了を示した。混合物を冷却し、蒸発乾涸した。次に水(50ml)を加え、混合物を2N HClで酸性化すると、黄色い沈殿が得られた。沈殿を濾過し、水、エタノール、及びジエチルエーテルで順次洗浄すると、標記化合物(3.1g,42%)が黄色固体として得られた。
【0142】
製造例38:イミダゾ[1,5−a]ピリジン−8−イルカルバミン酸tert−ブチル
製造例37(2.0g,12.31mmol)とトリエチルアミン(1.89ml,13.54mmol)の無水トルエン(75ml)溶液にジフェニルホスホリルアジド(2.92ml,13.54mmol)を加え、得られた混合物を1時間加熱還流した。この混合物に2−メチル−2−プロパノール(1.74ml,18.47mmol)を加え、一晩加熱を続けた。混合物を冷却し、蒸発させ、DCM+0.5%NHOH中4%MeOHを溶離液として残渣をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物(1.85g,64%)が白色固体として得られた。
【0143】
製造例39:イミダゾ[1,5−a]ピリジン−8−アミン
製造例38(1.00g,4.29mmol)の無水メタノール(50ml)溶液を塩化水素ガスで飽和させた。HPLCが反応完了を示すまで混合物を2時間放置した。混合物を蒸発させ、飽和NaHCOを加えて残渣を塩基性化した。混合物をDCM(3×75ml)で抽出し、DCM層を合わせて飽和NaCl(50ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させると、標記化合物(423mg,74%)が暗色固体として得られた。
【0144】
製造例40:2−(4−メチルフェニルスルホニルヒドラゾノメチル)ピリジン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル
2−ホルミルピリジン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(4.4g,20mmol)(Tetrahedron,54,(1998),6311−6318)のメタノール(90ml)溶液にp−トルエンスルホニルヒドラジド(3.7g,20mmol)を加えた。溶液を5分間加熱還流し、室温まで冷却した。白色固体の析出が認められたので濾取すると、標記化合物が得られた(6.6g,85%)。
【0145】
製造例41:[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−4−イルカルバミン酸tert−ブチル
製造例40から誘導したp−トルエンスルホニルヒドラゾン(6.6g,17mmol)のモルホリン(75ml)溶液を90分間加熱還流した。反応混合物を冷却して蒸発させ、残渣を酢酸エチル(50ml)と飽和重炭酸ナトリウム溶液(75ml)に分配した。水相を酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。有機抽出相を合わせてブライン(50ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。1:1酢酸エチル:ヘキサンを溶離液として残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物が得られた(1.1g,28%)。
【0146】
製造例42:[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−4−アミン
製造例41(1.1g,4mmol)の氷冷ジクロロメタン(10ml)溶液にトリフルオロ酢酸(10ml)を加えた。反応混合物を室温まで昇温させ、2時間撹拌した。次に反応混合物を蒸発させ、飽和重炭酸ナトリウム溶液と酢酸エチルに分配した。有機層を蒸発させると、標記化合物が得られた(480mg,75%)。
【0147】
製造例43:2−クロロ−4−[4−トリフルオロメチルフェニルlピリジン
4−クロロピリジン−N−オキシド(5.32g,41mmol)と4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(9.36g,49.3mmol)を無水1,2−ジメトキシエタン(100ml)に加えた混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.5g,1.3mmol)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(50ml)を加えた。混合物に窒素を5分間バブリングした後、反応混合物を窒素雰囲気下で100℃に15時間撹拌下に加熱した。混合物を室温まで冷却し、固形分を濾別し、1,2−ジメトキシエタン(2×30ml)で洗浄した。有機層を合わせて減圧蒸発させ、ジエチルエーテル(100ml)を加えて粉砕した。得られた固形分を濾別し、焼結体で乾燥すると、4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリジン−N−オキシド(8.36g)が得られた。この化合物をオキシ塩化リン(50ml,536mmol)に懸濁し、混合物を100℃に3時間加熱した。室温まで冷却後、均質暗色溶液を減圧蒸発させ、クロロホルムと水(各200ml)に再分配した。飽和炭酸ナトリウム水溶液を少量ずつ加えることによりpHを8に調整し、相分離した。更に2回抽出後、有機抽出相を合わせて水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、化合物をシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(10%酢酸エチル−イソヘキサン)により精製すると、標記化合物(5.5g,52%)が得られた。
【0148】
製造例44:2−クロロ−4−[4−トリフルオロメトキシフェニル]ピリジン
製造例43の手順に従って4−クロロピリジン−N−オキシドと4−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸から製造した(0.22g,44%)。
【0149】
製造例45:2−クロロ−4−[3−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン
製造例43の手順に従って4−クロロピリジン−N−オキシドと3−トリフルオロメチルフェニルボロン酸から製造した(1.2g,60%)。
【0150】
製造例46:2−クロロ−4−フェニルピリジン
製造例43の手順に従って4−クロロピリジン−N−オキシドとフェニルボロン酸から製造した(3.13g,45%)。
【0151】
製造例47:2,6−ジクロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン
2,6−ジクロロピリジン(3.28g,22.2mmol)とビス(ピナコラート)ジボロン(6.2g,24.4mmol)の混合物に1,10−フェナントロリン(0.24g,1.3mmol)とクロロ−1,5−シクロオクタジエンイリジウム(I)ダイマー(0.44g,0.66mmol)を窒素下に加えた後、無水1,2−ジクロロエタンを加えた。窒素を混合物に5分間バブリングした後、反応混合物を窒素雰囲気下で100℃に15時間撹拌下に加熱した。混合物を室温まで冷却し、ジエチルエーテル/4N水酸化ナトリウム(50ml/200ml)に注ぎ、相分離した。水相を6N塩酸で酸性化し、得られた固形分を濾過し、水洗し、焼結体で乾燥すると、2,6−ジクロロピリジン−4−イルボロン酸のピナコールエステル(3.5g,58%)が灰色固体として得られた。
【0152】
製造例48:2,6−ジクロロ−4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン
製造例47のピナコールエステル(1.0g,3.65mmol)と4−ヨードベンゾトリフルオリド(2.0g,7.35mmol)を無水ジオキサン(25ml)に加えた混合物に(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−ジクロロパラジウム(0.14g,1.91mmol)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(4ml)を加えた。窒素を混合物に5分間バブリングした後、反応混合物を窒素雰囲気下で90℃に15時間撹拌下に加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル/水(100ml/30ml)混合物に注いだ。相分離し、水相を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルに吸着させた。フラッシュクロマトグラフィー(10%酢酸エチル−イソヘキサン)により精製すると、標記化合物(0.59g,56%)が白色固体として得られた。
【0153】
製造例49:2,6−ジクロロ4−(ピリジン−4−イル)ピリジン
製造例48の手順に従って製造例47のピナコールエステルと塩酸4−ブロモピリジンから製造した(4.9g,87%)。
【0154】
製造例50:2−クロロ−6−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン
製造例47の手順に従って2−クロロ−6−メチルピリジンとビス(ピナコラート)ジボロンから製造した(4.8g,78%)。
【0155】
製造例51:2−クロロ−6−メチル−4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン
製造例48の手順に従って製造例50のピナコールエステルと4−ヨードベンゾトリフルオリドから製造した(2.64g,97%)。
【0156】
製造例52:2−クロロ−6−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−132−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン
製造例47の手順に従って2−クロロ−6−メトキシピリジンとビス(ピナコラート)ジボロンから製造した(5.2g,79%)。
【0157】
製造例53:2−クロロ−6−メトキシ−4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン
製造例48の手順に従って製造例52のピナコールエステルと4−ヨードベンゾトリフルオリドから製造した(2.2g,77%)。
【0158】
製造例54:3−クロロ−5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン
5−クロロピリダジン−3(2H)−オン[ES−A−454136(1977)](2.32g,17.8mmol)と4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(4.06g,21.4mmol)を無水ジオキサン(20ml)に加えた混合物に(1,l’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−ジクロロパラジウム(0.8g,1.09mmol)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(18ml)を加えた。窒素を混合物に5分間バブリングした後、窒素雰囲気下で100℃に24時間撹拌下に加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル/エタノール/水(300ml/30ml/30ml)混合物に注いだ。相分離し、水相を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルに吸着させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチル−イソヘキサン)により精製すると、5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3(2H)−オン(0.78g)が得られ、オキシ塩化リン(5ml,54mmol)に懸濁し、混合物を100℃に5時間加熱した。室温まで冷却後、均質暗色溶液を減圧蒸発させ、クロロホルムと水(各50ml)に再分配した。飽和炭酸ナトリウム水溶液を少量ずつ加えることによりpHを8に調整し、相分離した。更に2回抽出後、有機抽出相を合わせて水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、化合物をシリカゲルに吸着させ、フラッシュカラム(50%酢酸エチル−イソヘキサン)により精製すると、標記化合物(0.56g,12%)が得られた。
【0159】
製造例55:5−(4−tert−ブチルフェニル)ピリダジン−3(2H)−オン
5−クロロピリダジン−3(2H)−オン(2.94g,22.5mmol)、4−tert−ブチルフェニルボロン酸(8g,44.9mmol)、ジオキサン(100ml)、2M炭酸ナトリウム水溶液(25ml)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(0.5g)の混合物を脱気(N)した後、窒素下に100℃に18時間加熱した。室温まで冷却し、24時間放置後、酢酸エチル(250ml)を加えた。混合物を濾過し、固形分を集めて酢酸エチルで洗浄すると、標記化合物2.36gが得られた。濾液を層分離し、水相を酢酸エチル(100ml)で抽出し、有機相を合わせて蒸発させた。酢酸エチル(100ml)を残渣に加え、混合物を放置した。2回目の結晶(2.26g)を収集し、酢酸エチルで洗浄すると合計収量4.62g,90%が得られた。
【0160】
製造例56:5−(4−tert−ブチルフェニル)−3−クロロピリダジン
製造例55(2.35g,9.53mmol)をオキシ塩化リン(20ml)に加え、混合物を85℃に1時間加熱した。反応混合物を冷却し、注意深く氷水(200ml)に加え、10分間撹拌した。次に混合物を酢酸エチル(2×100ml)で抽出し、有機層を合わせて10%炭酸カリウム水溶液(50ml)で洗浄後、乾燥(NaSO)し、蒸発させた。15%酢酸エチル−ヘキサン→25%酢酸エチル−ヘキサンを溶離液として残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物が得られた(2.28g,90%)。
【0161】
製造例57:5−(3−シアノフェニル)ピリダジン−3(2H)−オン
5−クロロピリダジン−3(2H)−オン(2.0g,15.3mmol)と3−シアノフェニルボロン酸(2.71g,18.4mmol)を無水トルエン(20ml)に加えた混合物にジクロロ(1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ブタン)パラジウム(0.1g,0.16mmol)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(5.0ml)を加え、混合物を120℃のMilestoneマイクロ波反応器で15分間照射した。得られた懸濁液を濾過し、固形分をイソプロパノール(20ml)で洗浄し、焼結体で乾燥すると、5−(3シアノフェニル)ピリダジン−3−オン(1.8g,50%)が黄色固体として得られた。
【0162】
製造例58:3−クロロ−5−(3−シアノフェニル)ピリダジン
製造例57(1.8g,9.1mmol)をオキシ塩化リン(15ml,12mmol)に懸濁し、混合物を100℃に1時間加熱した。室温まで冷却後、均質暗色溶液をその元の容量の1/3まで減圧濃縮し、氷水(250ml)に注いだ。飽和炭酸ナトリウム水溶液を少量ずつ加えることによりpHを8に調整し、得られた固形分を濾過し、水洗し、焼結体で乾燥すると、標記化合物が得られた(1.5g,76%)。
【0163】
製造例59:3,6−ジクロロ−5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン
4−トリフルオロメチルフェニルアセトニトリル(38.9g,210mmol)を窒素下に無水メタノールに溶かした。グリオキシル酸・1水和物(29g,315mmol)を加え、次いで炭酸カリウム(74g,535mmol)を加え、得られた混合物を15時間室温で撹拌した。得られた固形分を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、焼結体で乾燥すると、オフホワイト固体が得られ、室温で濃硫酸(30ml)とギ酸(400ml)の溶液に加えた。得られた混合物を次に撹拌下に3時間110℃に加熱し、室温まで冷却し、元の容量の2/3まで減圧濃縮した。次に氷水(1000ml)に注ぎ、得られた固形分を濾別し、水洗し、焼結体で乾燥すると、無水3−(4−トリフルオロメチルフェニル)マレイン酸35gがオフホワイト固体として得られた。粗酸無水物(35g)を水(290ml)に懸濁し、氷酢酸(145ml)を加えた後にヒドラジン水和物(7ml,144mmol)の水(21ml)溶液を加えた。十分に混合後に外部から水冷しながら濃硫酸を少量ずつ加え、125℃に3時間撹拌下に加熱した。室温まで冷却後に固形分を濾別し、pHが中性になるまで水洗し、焼結体で乾燥すると、灰色固体が得られた。オキシ塩化リン(200ml,2.1mol)を固形分に加え、混合物を120℃に2時間加熱した。室温まで冷却後に均質暗色溶液をその元の容量の2分の1まで減圧濃縮し、激しく撹拌しながら水(800ml)に注いだ。得られた固形分を濾別し、水洗し、焼結体で乾燥すると、灰色固体が得られ、トルエン/イソヘキサン(1:1)から再結晶すると、標記化合物が黄色固体として得られた(8.2g,13%)。
【0164】
製造例60:3−クロロ−5−(3−メチルピリジン−2−イル)ピリダジン
5−クロロピリダジン−3(2H)−オン(0.135g,1mmol)と2−(トリ−n−ブチルスタニル)−3−メチルピリジン(0.42g,1.1mmol)を無水1,4−ジオキサン(2ml)に加えた混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(0.06g,0.051mmol)、ヨウ化銅(I)(20mg,0.1mmol)及び塩化リチウム(0.13g,3.1mmol)を加え、混合物を160℃のSmithマイクロ波反応器で15分間照射した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル/水(10ml/5ml)混合物に注いだ。相分離し、水相を酢酸エチルで更に2回抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルに吸着させた。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製すると、5−(3−メチルピリド−2−イル)ピリダジン−3(2H)−オン(0.13g,69%)が黄色固体として得られ、オキシ塩化リン(5ml,54mmol)に懸濁し、混合物を100℃に1時間加熱した。室温まで冷却後、均質暗色溶液を減圧蒸発させ、クロロホルムと水(各50ml)に分配した。飽和炭酸ナトリウム水溶液を少量ずつ加えることによりpHを8に調整し、相分離した。更に2回抽出後に有機抽出相を合わせて水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、化合物をシリカゲルに吸着させ、フラッシュカラム(50%酢酸エチル−イソヘキサン)により精製すると、標記化合物が得られた(0.38g,54%)。
【0165】
製造例61:5−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−3(2H)−オン
5−クロロピリダジン−3(21)−オン(100mg,0.77mmol)、4−メトキシフェニルボロン酸(230mg,1.53mmol)、ジオキサン(3ml)、2M炭酸ナトリウム水溶液(1ml)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(20mg)を反応管5本に各々加え、150℃のマイクロ波反応器で10分間照射した。室温まで冷却後、混合物を合わせて濾過した。固形分を集めて水(3ml)、酢酸エチル(5ml)及びエーテル(5ml)で洗浄した後、乾燥すると、標記化合物が得られた(724mg,93%)。
【0166】
製造例62:3−クロロ−5−(4−メトキシフェニル)ピリダジン
製造例61(720mg,3.56mmol)をオキシ塩化リン(10ml)に加え、混合物を100℃に16時間加熱した。反応混合物を冷却し、注意深く氷水(250ml)に加え、10分間撹拌した。次に混合物をジクロロメタン(3×100ml)で抽出し、有機層を合わせて10%炭酸カリウム水溶液(100ml)で洗浄した後、乾燥(NaSO)し、蒸発させた。ジクロロメタン中5%メタノールを溶離液として残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物が得られた(483mg)。
【0167】
製造例63:5−[2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3(2H)−オン
5−クロロピリダジン−3(2H)−オン(1.91g,14.6mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(3.89g,15.3mmol)、酢酸カリウム(2.14g,21.8mmol)、ジオキサン(100ml)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(0.4g)の混合物を脱気(N)した後、窒素下に16時間90℃に加熱した。更に触媒(0.45g)を加え、混合物を更に7時間加熱した。室温まで冷却後、4−ブロモ−3−フルオロベンゾトリフルオリド(4.5g,18.5mmol)と2M炭酸ナトリウム水溶液(35ml)と更に触媒(450mg)を加えた。混合物を115℃に24時間加熱した後、室温まで冷却し、酢酸エチル(250ml)で希釈し、濾過した。層分離し、水相を酢酸エチル(100ml)で抽出し、有機層を合わせて蒸発させた。ジクロロメタン中5%メタノールを溶離液としてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物が得られた(795mg,21%)。
【0168】
製造例64:3−クロロ−5−[2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン
製造例63(763mg,2.96mmol)をオキシ塩化リン(5ml)に加え、混合物を85℃に1時間加熱した。反応混合物を冷却し、注意深く氷水(75ml)に加え、10分間撹拌した。次に混合物をジクロロメタン(2×50ml)で抽出し、有機層を合わせて半量の飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄後、乾燥(NaSO)し、蒸発させた。ジクロロメタン中5%メタノールを溶離液としてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製すると、標記化合物が得られた(420mg,51%)。
【0169】
製造例65:5−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ピリダジン
5−クロロピリダジン−3(2H)−オン(7.33g,56mmol)をオキシ塩化リン(55ml,594mmol)に懸濁し、混合物を80℃に3時間加熱した。室温まで冷却後、均質暗色溶液を減圧蒸発させ、クロロホルムと水(各50ml)に再分配した。飽和炭酸ナトリウム水溶液を少量ずつ加えることによりpHを8に調整し、相分離した。更に2回抽出後、有機抽出相を合わせて水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、化合物をシリカゲルに吸着させ、フラッシュカラム(10%酢酸エチル−イソヘキサン)により精製すると、3,5−ジクロロピリダジン(5.6g,67%)が薄黄色固体として得られた。3,5−ジクロロピリダジン試料(0.43g,2.9mmol)を窒素下にテトラヒドロフラン(10ml)に溶かし、−65℃まで冷却した。1,2−(ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)−ジクロロニッケル(II)(0.08g,0.15mmol)を加えた後に臭化4−フルオロフェニル亜鉛(テトラヒドロフラン中0.5M溶液11.6ml)を加えた。混合物を−10℃まで4時間かけて昇温させ、酢酸エチル/水(30ml/10ml)混合物に注いだ。相分離し、水相を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルに吸着させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル−イソヘキサン)により精製すると、標記化合物(0.35g,58%)が赤色固体として得られた。
【0170】
製造例66:4−クロロ−6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン
4,6−ジクロロピリミジン(2g,13.4mmol)、4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(3.06g16.1mmol)及びリン酸三カリウム(5.70g26.8mmol)の1,4−ジオキサン(20ml)スラリーを窒素で10分間脱気し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.78g,0.67mmol)を加えた。次に反応混合物を100℃に18時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、Hyflo(登録商標)パッドで濾過した。濾液を減圧蒸発させると、油状物が得られた。油状物を酢酸エチルに取り、ブラインで洗浄した。次に酢酸エチル抽出相を合わせて乾燥(MgSO)し、濾過し、減圧蒸発させると、暗赤色油状物が得られた。ヘキサン(500ml)ヘキサン/酢酸エチル(10:1)を溶離液として油状物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適当なフラクションを合わせて減圧蒸発させると、固体(2.1g)が所望生成物と4,6−ビス−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジンの混合物(9:1)として得られた。
【0171】
製造例67:4,6−ジクロロ2−メチルピリミジン
4,6−シヒドロキシ−2−メチルピリミジン(15g,120mmol)とオキシ塩化リン(150ml)の混合物を一晩加熱還流した。冷却後、反応混合物を〜30mlまで濃縮した後に氷に注いだ。反応混合物を酢酸エチル(3×75ml)で抽出した。有機抽出相を合わせて塩基、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させると、標記化合物が得られた(13.4g,69%)。
【0172】
製造例68:4−クロロ−2−メチル−6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン
製造例66の手順に従って製造例67と4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸から製造した。
【0173】
アミンのパラジウム触媒アリール化反応
アミンと複素環ハロゲン化物のカップリングは特に指定しない限り、下記2種の一般手順の一方に従って実施した。これらの手順は0.5mmol〜10mmolまでの規模で日常的に実施されており、代表的手順を1mmol規模で記載する。
【0174】
製造例69:アミンと複素環塩化物のカップリングの第1の一般手順
アミン(1.2mmol)、複素環ハロゲン化物(1.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(23mg,0.025mmol)及び2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(18mg,0.05mmol)を窒素雰囲気下に乾燥フラスコに加えた。ナトリウムt−ブトキシド(144mg,1.5mmol)とパラ−キシレン(3ml)を導入し、反応混合物を5分間窒素バブリングにより脱気した。反応混合物を撹拌下に15時間100℃に加熱した後、室温まで冷却した。反応混合物を酢酸エチル(20ml)と水(5ml)に分配し、水相を更に酢酸エチル(×2)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、蒸発させた。粗混合物をシリカゲルに吸着させた後、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。必要に応じて、アルコール溶媒から再結晶させることにより更に精製した。
【0175】
製造例70:アミンと複素環塩化物のカップリングの第2の一般手順
アミン(1.2mmol)、複素環ハロゲン化物(1.0mmol)及びナトリウムt−ブトキシド(144mg,1.5mmol)を窒素雰囲気下に乾燥フラスコに加えた。パラ−キシレン又はトルエン(5ml)を導入し、反応混合物を脱気した。2’−(ジメチルアミノ)−2−ビフェニリルパラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン錯体[Angew.Chem.,2002,41,3668;CAS number 359803−53−5参照](2mol%)を加え、反応混合物をもう1回脱気した後、100℃(又は必要に応じて130℃)まで18時間加熱した。反応混合物をシリカゲルに直接ロードし、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。必要に応じて再結晶又は分取hplcにより更に精製した。場合により、代替処理手順として粗反応混合物を水と有機溶媒に分配した。その後、上記のように有機抽出相を乾燥し(NaSO)、蒸発させ、精製した。
【0176】
製造例71:5−アミノ−1,3−ジメチルキノリン−2(1H)−オン
製造例17、18及び20に要約した手順に従って3−メチル−5−ニトロキノリン(JOC,1958,23,271)から製造した。
【0177】
製造例72:N−(6−クロロピリミジン−4−イル)イソキノリン−5−アミン
4,6−ジクロロピリミジン(5g,34mmol)、イソキノリン−5−アミン(5.3g,37mmol)、2’−(ジメチルアミノ)−2−ビフェニリルパラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン錯体[Angew.Chem.,2002,41,3668;CAS number 359803−53−5参照](940mg,2mmol)及びナトリウムtert−ブトキシド(4.8g,50mmol)をp−キシレン(100ml)に加えた混合物を十分に脱気し、窒素下に16時間100℃に加熱した。反応混合物を冷却し、シリカカラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM中1%MeOH)により精製すると、標記化合物が得られた(1.5g,17%)。
【0178】
製造例73:4−クロロ−5−メトキシ−6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン
製造例66に要約した手順に従って4,6−ジクロロ5−メトキシピリミジン(Organic Process Research and Development,1(4),1997,300−310)から製造した。
【0179】
製造例74:4−クロロ−5−メチル−6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン
製造例66に要約した手順に従って4,6−ジクロロ5−メチルピリミジンから製造した。
【0180】
製造例75:1−ベンゾチエン−7−イルボロン酸
7−ブロモ−1−ベンゾチオフェン(19.9g,0.094mol)の無水エーテル(200ml)溶液をn−ブチルリチウムの−78℃1.6Mヘキサン溶液(0.14mol,88ml)で処理した。溶液を−78℃で10分間撹拌した後、硼酸トリメチル(15ml,0.14mol)で処理した。混合物を−10℃まで昇温させた後、過剰の希塩酸でクエンチした。有機層を分離し、乾燥し、蒸発させ、残渣をエタノール水溶液から再結晶させると、標記化合物が得られた(10g,60%)。
【0181】
製造例76:1−ベンジル−4,4−ジエトキシピペリジン
1−ベンジルピペリジン−4−オン(240ml,1.3mol)のエタノール(500ml)溶液を氷浴で冷却下に塩化水素ガスで飽和させた。混合物をテトラエトキシシラン(300ml)で処理し、室温に一晩維持した後、撹拌下にジエチルエーテル(500ml)、炭酸カリウム(500g)及び水(1000ml)の混合物に注いだ。有機層を分離し、ジエチルエーテルを蒸発させ、残渣を減圧蒸留すると、標記化合物が得られた(369g,77%)。
【0182】
製造例77:{2−[(4,4−ジエトキシピペリジン−1−イル)メチル]フェニル}ボロン酸
製造例76(189g,0.72mol)の無水ジエチルエーテル(920ml)溶液にテトラメチルエチレンジアミン(120ml,0.8mol)とn−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン(500ml)溶液を加えた。混合物を一晩室温で撹拌し、−100℃まで冷却した後、硼酸トリメチル(90ml,0.8mol)で処理した。混合物を室温まで昇温させ、ジエチルエーテルを蒸発させ、リン酸(18ml,0.267mol)の水(100ml)溶液を残渣に加えた。混合物を蒸発させ、ヘキサン(1000ml)で希釈し、沈殿を濾過した。濾液を蒸発させ、得られた油状物をヘキサン(1000ml)で希釈し、上記手順を2〜3回繰返した。沈殿を合わせて沸騰DCM(5×500ml)で抽出した。溶媒を蒸発させ、得られた油状物にヘキサンを加えて還流した。沈殿した固形分を濾過し、乾燥すると、薄茶色粉末72.4g(32%)が得られた。トルエンから再結晶すると、標記化合物が得られた(50g,22%)。
【0183】
製造例78:{2−[(4−オキソピペリジン−1−イル)メチル]フェニル}ボロン酸
製造例77(10g,32.5mmol)の水(20ml)懸濁液に濃塩酸(7.5ml)を加えた後、混合物を37〜40℃まで加熱した。沈殿のほぼ完全な溶解が認められた。混合物を2時間室温で放置し、濾過し、アンモニア水(7.5ml)で中和した後、DCM(30ml)で抽出した。溶媒を蒸発させ、トルエンの添加後に蒸発により油状物を共沸乾燥した。次に残渣にジエチルエーテルを加えて還流下に粉砕し、濾取すると、標記化合物が得られた(5.5g,73%)。
【0184】
製造例79:[3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]ボロン酸
製造例75の手順に従って1−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾールから製造すると、標記化合物が得られた(117g,85%)。
【0185】
製造例80:N−(6−クロロピリミジン−4−イル)−6−フルオロ−3−メチルイソキノリン−5−アミン
製造例72に従って製造例16と4,6−ジクロロピリミジンから製造した。
【0186】
製造例81:アミンと複素環塩化物のカップリングの第3の一般手順
アミン(1.0mmol)、複素環ハロゲン化物(1.0mmol)、炭酸セシウム(163mg,0.5mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(18mg,0.02mmol)及び4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(34mg,0.06mmol)をジオキサン(5ml)に懸濁した。混合物を5分間窒素バブリングにより脱気した後、12時間加熱還流した。室温まで冷却後、混合物を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル/水に分配した、水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて洗浄(ブライン)、乾燥(硫酸ナトリウム)及び濃縮した。化合物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソヘキサン)により精製した。必要に応じて更にHPLC精製を実施した。
【0187】
製造例82:ボロン酸と複素環塩化物のカップリングの一般手順
ボロン酸(0.2mmol)、Pd(dppf)Cl(2mg,0.003mmol)、2M NaCO(100μl)、N−(6−クロロピリミジン−4−イル)イソキノリン−5−アミン(製造例72,25mg,0.1mmol)及び1,4−ジオキサン(1ml)をマイクロ波で170℃に10分間加熱した。水(2ml)とDCM(2ml)を反応混合物に加えた後、Vortexに20秒間載せ、相分離カートリッジに注入してDCM層を集めた。この層を蒸発させ、残渣を質量HPLCにより精製した。
【0188】
実施例1〜4は製造例69の手順を使用してイソキノリン−5−アミンと指定化合物から製造した。
【実施例1】
【0189】
N−(4−フェニルピリジン−2−イル)イソキノリン−5−アミン
製造例46から製造し、無色固体を得た(0.07g,17%)。m/z(ES)298(M+H)。
【実施例2】
【0190】
N−{4−[4−トリフルオロメトキシフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例44から製造し、無色固体を得た(0.085g,22%)。m/z(ES)382(M+H)。
【実施例3】
【0191】
N−{4−[3−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例45から製造し、無色固体を得た(0.105g,37%)。m/z(ES)366(M+H)。
【実施例4】
【0192】
N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例43から製造し、レモンイエロー固体を得た(1.42g,54%)。m/z(ES)366(M+H
【実施例5】
【0193】
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
5−アミノイソキノリン(2.53g,17.5mmol)と2,5−ジブロモピリジン(3.62g,15.3mmol)の混合物に酢酸パラジウム(0.17g,0.76mmol)とrac−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(0.47g,0.76mmol)を加えた。フラスコを窒素フラッシュし、p−キシレンと次いでナトリウムtert−ブトキシド(2.2g,22.9mmol)を加えた。混合物に窒素を5分間バブリングした後、反応混合物を窒素雰囲気下で130℃に12時間撹拌下に加熱した。混合物を室温まで冷却し、クロロホルム/水(200ml/20ml)混合物に注いだ。相分離し、水相をクロロホルムで2回抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルに吸着させた。フラッシュクロマトグラフィー(50%酢酸エチル−イソヘキサン)により精製した後、エタノールから再結晶すると、N−(5−ブロモピリジン−2−イル)イソキノリン−5−アミン(3.4g,74%)が得られた。一部(0.71g,2.37mmol)を無水ジオキサン(10ml)中4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(0.68g,3.59mmol)に加え、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)−パラジウム(0)(0.14g,0.12mmol)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(4ml)を加えた。窒素を混合物に5分間バブリングした後、反応混合物を窒素雰囲気下で100℃に12時間撹拌下に加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル/水(100ml/30ml)混合物に注いだ。相分離し、水相を酢酸エチルで更に2回抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルに吸着させた。フラッシュクロマトグラフィー(50%酢酸エチル−イソヘキサン)により精製した後、メタノール/水(1:1)から再結晶すると、標記化合物(0.22g,25%)が得られた。m/z(ES)366(M+H)。
【実施例6】
【0194】
5−({4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}オキシ)イソキノリン
製造例43(0.22g,0.86mmol)と5−ヒドロキシイソキノリン(0.15g,1.0mmol)を無水N,N−ジメチルアセトアミド水溶液(2.5ml)に加えた混合物に水素化ナトリウム(0.1g,2.5mmol)を窒素下に一度に加えた。混合物を窒素雰囲気下で150℃に15時間撹拌下に加熱し、室温まで冷却し、クロロホルム/水(30ml/10ml)混合物に注いだ。相分離し、水相をクロロホルムで更に2回抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルに吸着させた。フラッシュクロマトグラフィー(50%酢酸エチル−イソヘキサン)により精製した後、エタノール/水(1:1)から再結晶すると、標記化合物(15mg,5%)がオフホワイト固体として得られた。m/z(ES)367(M+H)。
【0195】
実施例7〜10は製造例69の方法を使用してイソキノリン−5−アミンと指定化合物から製造した。
【実施例7】
【0196】
N−{6−メチル−4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例51から製造し、無色固体を得た(0.12g,23%)。m/z(ES)380(M+H)。
【実施例8】
【0197】
N−{6−メトキシ−4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例53から製造し、無色固体を得た(0.15g,28%)。m/z(ES)396(M+H)。
【実施例9】
【0198】
N−{6−クロロ−4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例48から製造し、黄色固体を得た(0.14g,29%)。m/z(ES)400(M+H)。
【実施例10】
【0199】
N−[6−クロロ−4−(ピリジン−4−イル)ピリジン−2−イル]イソキノリン−5−アミン
製造例49から製造し、無色固体を得た(0.08g,17%)。m/z(ES)333(M+H)。
【0200】
実施例11〜16は製造例70の方法を使用して指定化合物から製造した。
【実施例11】
【0201】
3−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例43と製造例2から薄茶色固体として製造した(75mg,26%)。m/z(ES)380(M+H)。
【実施例12】
【0202】
1−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例43と製造例4から黄色固体として製造した(63mg,21%)。m/z(ES)380(M+H)。
【実施例13】
【0203】
6,8−ジフルオロ−3−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例43と製造例10から白色固体として製造した(69mg,19%)。m/z(ES)416(M+H)。
【実施例14】
【0204】
3−メチル−7−トリフルオロメチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例43と製造例11から白色固体として製造した(190mg,50%)。m/z(ES)448(M+H)。
【実施例15】
【0205】
8−フルオロ−3−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例43と製造例13からオフホワイト固体として製造した(120mg,35%)。m/z(ES)398(M+H)。
【実施例16】
【0206】
6−フルオロ−3−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例43と製造例16から白色固体として製造した(130mg,38%)。m/z(ES)398(M+H)。
【実施例17】
【0207】
N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}キノリン−5−アミン
製造例43とキノリン−5−アミンから無色固体として製造した(0.095g,26%)。m/z(ES)366(M+H)。
【実施例18】
【0208】
3−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}シンノリン−5−アミン
製造例43と3−メチルシンノリン−5−アミンから緑色固体として製造した(0.195g,37%)。m/z(ES)380(M+H)。
【実施例19】
【0209】
1−メチル−5−({4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}アミノ)キノリン−2−(1H)−オン
製造例70の手順に従って1:1化学量論比の製造例43と製造例20から薄茶色固体として製造した(20mg,18%)。m/z(ES)396(M+H)。
【実施例20】
【0210】
1−メチル−5−({4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}アミノ)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン
製造例70の手順に従って1:1化学量論比の製造例43と製造例19から薄茶色固体として製造した(22mg,19%)。m/z(ES)398(M+H)。
【実施例21】
【0211】
1−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例69の手順に従って製造例43と製造例22から無色固体として製造した(0.067g,28%)。m/z(ES)369(M+H)。
【実施例22】
【0212】
N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例69の手順に従って製造例43と製造例25を反応させ、SEM保護付加物(0.67g,52%)を得た。この化合物(0.60g,1.24mmol)をエタノール(20ml)に溶かし、6N HCl(5ml)を加えた。反応混合物を18時間加熱還流した。溶媒を減圧蒸発させ、残渣を酢酸エチルと飽和炭酸ナトリウム溶液に分配した。酢酸エチル抽出相を合わせてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧蒸発させると、油状物が得られた。ヘキサン/酢酸エチル(3:1)(500ml)、次いでヘキサン/酢酸エチル(1:1)を溶離液として油状物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製するとオフホワイト固体が得られ、ヘキサンを加えて粉砕し、濾取した(120mg,27%)。m/z(ES)355(M+H)。
【実施例23】
【0213】
6−フルオロ−1−メチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例70の手順に従って製造例43と製造例32から白色固体として製造した(95mg,29%)。m/z(ES)387(M+H)。
【実施例24】
【0214】
1−メチル−6−トリフルオロメチル−N−{4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例70の手順に従って製造例43と製造例33から白色固体として製造した(104mg,28%)。m/z(ES)437(M+H)。
【実施例25】
【0215】
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例69の手順に従って製造例54とイソキノリン−5−アミンからオレンジ色固体として製造した(0.44g,42%)。m/z(ES)367(M+H)。
【実施例26】
【0216】
N−(5−[3−シアノフェニル]ピリダジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン
製造例58と製造例69から薄茶色固体として製造した(0.11g,30%)。m/z(ES)324(M+H)。
【0217】
実施例27〜29は製造例70の方法を使用してイソキノリン−5−アミンと指定化合物から製造した。
【実施例27】
【0218】
N−{5−(4−メトキシフェニル)ピリダジン−3−イル]イソキノリン−5−アミン
製造例62からオフホワイト固体として製造した(37mg,11%)。m/z(ES)329(M+H)。
【実施例28】
【0219】
N−[5−(4−tert−ブチルフェニル)ピリダジン−3−イル]イソキノリン−5−アミン
製造例56からオフホワイト固体として製造した(233mg,34%)。m/z(ES)355(M+H)。
【実施例29】
【0220】
N−{5−[2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例64からオフホワイト固体として製造した(120mg,21%)。m/z(ES)385(M+H)。
【実施例30】
【0221】
N−{6−クロロ−5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例69の手順に従って製造例59とイソキノリン−5−アミンから茶色固体として製造した(0.66g,23%)。m/z(ES)401(M+H)。
【実施例31】
【0222】
N−[5−(3−メチルピリジン−2−イル)ピリダジン−3−イル]イソキノリン−5−アミン
製造例70の手順に従って製造例60とイソキノリン−5−アミンから薄緑色固体として製造した(88mg,32%)。m/z(ES)314(M+H)。
【実施例32】
【0223】
N−{4,5−ビス[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン
実施例30(0.08g,0.2mmol)と4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(0.057g,0.3mmol)を無水ジオキサン(2ml)に加えた混合物に(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(0.007g,0.009mmol)と飽和炭酸ナトリウム水溶液(0.3ml)を加えた。混合物を170℃のマイクロ波反応器で10分間照射し、室温まで冷却し、クロロホルム/水(30ml/10ml)混合物に注いだ。相分離し、水相をクロロホルムで2回抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルに吸着させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製すると、標記化合物(35mg,34%)が黄色固体として得られた。m/z(ES)511(M+H)。
【実施例33】
【0224】
3−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例70の手順に従って製造例54と製造例2から黄色固体として製造した(6mg,2%)。m/z(ES)381(M+H)。
【実施例34】
【0225】
1−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例70の手順に従って製造例54と製造例4から薄茶色固体として製造した(20mg,2%)。m/z(ES)381(M+H)。
【実施例35】
【0226】
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン−5−アミン
製造例59(786mg,2.68mmol)の無水ジメチルアセトアミド(2ml)溶液に製造例5(397mg,2.68mmol)を加えた。反応混合物を100℃に24時間加熱した後、冷却し、酢酸エチル(15ml)と水(15ml)に分配した。水層を更に酢酸エチル(15ml)で抽出し、有機層を合わせて水(2×20ml)で洗浄した後、乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させると、茶色油状物が得られた。ジクロロメタン中6%メタノールを溶離液としてシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、茶色油状物(450mg,42%)が得られた。この油状物(450mg,1.1mmol)をメタノール(10ml)に溶かし、炭素担持10%パラジウム(100mg)とギ酸アンモニウム(700mg,11mmol,10当量)を加え、反応混合物を50℃に90分間加熱した。反応混合物を冷却した後、濾過し、溶媒を蒸発させた。得られた固形分を酢酸エチル(2×30ml)で抽出し、水洗(2×30ml)した後、有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。得られた茶色油状物をジクロロメタン+0.5%アンモニア中3%メタノールを溶離液としてシリカカラムクロマトグラフィーにより精製すると、標記化合物が白色固体として得られた(31mg,8%)。m/z(ES)371(M+H)。
【0227】
実施例36〜41は製造例70の方法を使用して指定化合物から製造した。
【実施例36】
【0228】
6,8−ジフルオロ−3−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例54と製造例10からオフホワイト固体として製造した(34mg,9%)。m/z(ES)417(M+H)。
【実施例37】
【0229】
3−メチル−7−トリフルオロメチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例54と製造例11からオフホワイト固体として製造した(63mg,16%)。m/z(ES)。449(M+H)。
【実施例38】
【0230】
8−フルオロ−3−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例54と製造例13からオフホワイト固体として製造した(26mg,7%)。m/z(ES)399(M+H
【実施例39】
【0231】
6−フルオロ−3−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例54と製造例16からオフホワイト固体として製造した(56mg,16%)。m/z(ES)399(M+H)。
【実施例40】
【0232】
3−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}シンノリン−5−アミン
製造例54と3−メチルシンノリン−5−アミンから黄色固体として製造した(75mg,23%)。m/z(ES)382(M+H)。
【実施例41】
【0233】
1−メチル−5−({5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}アミノ)キノリン−2(1H)−オン
1:1化学量論比の製造例54と製造例20から薄茶色固体として製造した(35mg,36%)。m/z(ES)397(M+H)。
【実施例42】
【0234】
1−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例69の手順に従って製造例54と製造例22から黄色固体として製造した(16mg,3%)。m/z(ES)370(M+H)。
【実施例43】
【0235】
2−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−2H−インダゾール−4−アミン
製造例70の手順に従って製造例54と製造例23からオフホワイト固体として製造した(10mg,11%)。m/z(ES)370(M+H)。
【実施例44】
【0236】
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例70の手順に従って製造例59と製造例25を反応させると、カップリング生成物(595mg,1.1mmol)が得られ、メタノール(5ml)に溶かした。炭素担持10%パラジウム(100mg)とギ酸アンモニウム(693mg,11mmol,10当量)を加え、反応混合物を50℃に3時間加熱した。反応混合物を冷却した後、濾過し、溶媒を蒸発させた。得られた固形分を酢酸エチル(30ml)と水(30ml)に分配し、水相を酢酸エチル(30ml)で抽出した。有機相を合わせて水洗(2×30ml)した後、MgSOで乾燥し、蒸発させると、脱塩素化合物(568mg,定量的)が得られた。この化合物(475mg,0.98mmol)をエタノール(20ml)に溶かし、塩酸(5N,6ml)を加え、溶液を80℃に30分間加熱した。反応混合物を冷却し、溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチル(50ml)と水(30ml)に分配した。水相を酢酸エチル(30ml)で抽出し、有機相を合わせて飽和炭酸ナトリウム水溶液(50ml)、ブライン(50ml)及び水(50ml)で洗浄した後、MgSOで乾燥し、蒸発させた。ジクロロメタン中75%酢酸エチルを溶離液として黄色油状物をシリカフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、得られた固体にジエチルエーテルとヘキサンを加えて粉砕すると、標記化合物が黄色油状物として得られた(148mg,43%)。m/z(ES)356(M+H)。
【0237】
実施例45〜50は製造例70の方法を使用して指定化合物から製造した。
【実施例45】
【0238】
6−フルオロ−1−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例54と製造例32から白色固体として製造した(80mg,24%)。m/z(ES)388(M+H)。
【実施例46】
【0239】
1−メチル−6−トリフルオロメチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例54と製造例33から白色固体として製造した(24mg,6%)。m/z(ES)438(M+H)。
【実施例47】
【0240】
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イミダゾ[1,5−a]ピリジン−8−アミン
製造例54と製造例39からオフホワイト固体として製造した(80mg,10%)。m/z(ES)356(M+H)。
【実施例48】
【0241】
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−アミン
製造例54とイミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−アミン(Medicinal Chemistry Research,1997,7(8),436−464)からオフホワイト固体として製造した(120mg,15%)。m/z(ES)356(M+H)。
【実施例49】
【0242】
N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−4−アミン
製造例54と製造例42からオレンジ色固体として製造した(22mg,4%)。m/z(ES)329(M+H)。
【実施例50】
【0243】
2−メチル−N−{5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}−1,3−ベンゾチアゾール−6−アミン
製造例54と6−アミノ−2−メチルベンゾチアゾールから黄色固体として製造した(120mg,25%)。m/z(ES)387(M+H
【実施例51】
【0244】
N−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
製造例65とイソキノリン−5−アミンから製造例69の手順に従って無色固体として製造した(35mg,31%)。m/z(ES)317(M+H)。
【実施例52】
【0245】
N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例66とイソキノリン−5−アミンから製造例69の手順に従ってオフホワイト固体として製造した(50mg,7%)。m/z(ES)367(M+H)。
【0246】
実施例53〜61は製造例70の方法を使用して指定化合物から製造した。
【実施例53】
【0247】
3−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例66と製造例2からピンク色固体として製造した(16mg,5.4%)。m/z(ES)381(M+H)。
【実施例54】
【0248】
1−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例66と製造例4からオフホワイト固体として製造した(13mg,4.4%)。m/z(ES)381(M+H)。
【実施例55】
【0249】
N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}−5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン−5−アミン
製造例66と製造例5からオフホワイト固体として製造した(6mg,1%)。m/z(ES)371(M+H)。
【実施例56】
【0250】
6,8−ジフルオロ−3−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例66と製造例10からオフホワイト固体として製造した(130mg,37%)。m/z(ES)417(M+H)。
【実施例57】
【0251】
3−メチル−7−トリフルオロメチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例66と製造例11からオフホワイト固体として製造した(154mg,40%)。m/z(ES)449(M+H)。
【実施例58】
【0252】
8−フルオロ−3−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例66と製造例13からオフホワイト固体として製造した(83mg,24%)。m/z(ES)399(M+H
【実施例59】
【0253】
6−フルオロ−3−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例66と製造例16からオフホワイト固体として製造した(65mg,19%)。m/z(ES)399(M+H)。
【実施例60】
【0254】
3−メチル−N−{2−メチル−6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例68と製造例2からオフホワイト固体として製造した(35mg,4%)。m/z(ES)395(M+H)。
【実施例61】
【0255】
3−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}シンノリン−5−アミン
製造例66と3−メチルシンノリン−5−アミンから黄色固体として製造した(36mg,11%)。m/z(ES)382(M+H)。
【実施例62】
【0256】
1−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例66と製造例22から製造例69の手順に従って黄色固体として製造した(17mg,3%)。m/z(ES)。370(M+H)。
【実施例63】
【0257】
N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例66と製造例25から実施例44の手順に従って黄色固体として製造した(20mg,10%)。m/z(ES)356(M+H)。
【0258】
実施例64〜66は製造例70の方法を使用して指定化合物から製造した。
【実施例64】
【0259】
6−フルオロ−1−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例66と製造例32からオフホワイト固体として製造した(17mg,5%)。m/z(ES)388(M+H)。
【実施例65】
【0260】
1−メチル−6−トリフルオロメチル−N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}−1H−インダゾール−4−アミン
製造例66と製造例33から白色固体として製造した(53mg,14%)。m/z(ES)438(M+H)。
【実施例66】
【0261】
N−{6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−4−イル}[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−4−アミン
製造例66と製造例42から黄色固体として製造した(15mg,3%)。m/z(ES)329(M+H)。
【0262】
実施例67〜69は製造例81の方法を使用して指定化合物から製造した。
【実施例67】
【0263】
1,3−ジメチル−5−({6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}アミノ)キノリン−2(1H)−オン
製造例66と製造例71から製造した。m/z(ES)411(M+H)。
【実施例68】
【0264】
1,3−ジメチル−5−({5−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリダジン−3−イル}アミノ)キノリン−2−(1H)−オン
製造例54と製造例71から製造した。m/z(ES)411(M+H)。
【実施例69】
【0265】
1,3−ジメチル−5−({4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリジン−2−イル}アミノ)キノリン−2(1H)−オン
製造例43と製造例71から製造した。m/z(ES)410(M+H)。
【実施例70】
【0266】
N−{5−メトキシ−6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例70の手順に従って製造例73から製造した。m/z(ES)412(M+H)。
【実施例71】
【0267】
N−{5−メチル−6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例70の手順に従って製造例74から製造した。m/z(ES)396(M+H)。
【0268】
実施例72〜107は製造例82の方法を使用して製造例72と指定化合物から製造した。
【実施例72】
【0269】
N−{6−[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
[2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸から製造した。m/z(ES)434(M+H)。
【実施例73】
【0270】
N−[6−(1H−インドール−5−イル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
1−H−インドール−5−イルボロン酸から製造した。m/z(ES)337(M+H)。
【実施例74】
【0271】
N−[6−(1−ベンゾチエン−7−イル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
製造例75から製造した。m/z(ES)354(M+H)。
【実施例75】
【0272】
1−{2−[6−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]ベンジル}ピペリジン−4−オン
製造例78から製造した。m/z(ES)409(M+H)。
【実施例76】
【0273】
3−[6−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]ベンズアルデヒド
(3−ホルミルフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)326(M+H)。
【実施例77】
【0274】
N−[6−(4−エチルフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
(4−エチルフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)326(M+H)。
【実施例78】
【0275】
N−{6−[3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例79から製造した。m/z(ES)364(M+H)。
【実施例79】
【0276】
N−[6−(3−フルオロフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
(3−フルオロフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)316(M+H)。
【実施例80】
【0277】
N−{6−[4−ジメチルアミノフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
[4−ジメチルアミノフェニル]ボロン酸から製造した。m/z(ES)341(M+H)。
【実施例81】
【0278】
N−(6−キノリン−8−イルピリミジン−4−イル)イソキノリン−5−アミン
キノリン−8−イルボロン酸から製造した。m/z(ES)349(M+H)。
【実施例82】
【0279】
N−[6−(3,5−ジクロロフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
(3,5−ジクロロフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)366(M+H)。
【実施例83】
【0280】
N−{6−[4−ベンジルオキシフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
[4−ベンジルオキシフェニル]ボロン酸から製造した。m/z(ES)404(M+H)。
【実施例84】
【0281】
N−{6−[4−トリフルオロメトキシフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
[4−トリフルオロメトキシフェニル]ボロン酸から製造した。m/z(ES)382(M+H)。
【実施例85】
【0282】
N−{6−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸から製造した。m/z(ES)434(M+H)。
【実施例86】
【0283】
N−[6−(1−ナフチル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
1−ナフチルボロン酸から製造した。m/z(ES)348(M+H)。
【実施例87】
【0284】
N−[6−(4−tert−ブチルフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
(4−tert−ブチルフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)354(M+H)。
【実施例88】
【0285】
1−{4−[6−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]フェニル}エタノン
(4−アセチルフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)340(M+H)。
【実施例89】
【0286】
4−[6−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]ベンゾニトリル
(4−シアノフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)323(M+H)。
【実施例90】
【0287】
3−[6−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]安息香酸
3−(ジヒドロキシボリル)安息香酸から製造した。m/z(ES)342(M+H)。
【実施例91】
【0288】
N−{6−[3−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸から製造した。m/z(ES)366(M+H)。
【実施例92】
【0289】
N−[6−(3−メチルフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
(3−メチルフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)312(M+H)。
【実施例93】
【0290】
N−(6−メシチルピリミジン−4−イル)イソキノリン−5−アミン
メシチルボロン酸から製造した。m/z(ES)340(M+H)。
【実施例94】
【0291】
N−[6−(2−フルオロ−3−ピリジン−3−イルフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
(2−フルオロ−3−ピリジン−3−イルフェニル)ボロン酸(WO−A−2002074772)から製造した。m/z(ES)393(M+H)。
【実施例95】
【0292】
N−{6−[4−メチルスルホニルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
[4−メチルスルホニルフェニル]ボロン酸から製造した。m/z(ES)376(M+H)。
【実施例96】
【0293】
N−[6−(2−ナフチル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
2−ナフチルボロン酸から製造した。m/z(ES)348(M+H)。
【実施例97】
【0294】
N−[6−(4−エトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
(4−エトキシフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)342(M+H)。
【実施例98】
【0295】
N−[6−(3−ニトロフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
(3−ニトロフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)343(M+H
【実施例99】
【0296】
N−[6−(4−クロロフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
(4−クロロフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)332(M+H)。
【実施例100】
【0297】
N−(6−ビフェニル−4−イルピリミジン−4−イル)イソキノリン−5−アミン
ビフェニル−4−イルボロン酸から製造した。m/z(ES)374(M+H)。
【実施例101】
【0298】
N−[6−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
1,3−ベンゾジオキソール−5−イルボロン酸から製造した。m/z(ES)342(M+H)。
【実施例102】
【0299】
N−[6−(3−イソプロピルフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
(3−イソプロピルフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)340(M+H)。
【実施例103】
【0300】
N−{6−[4−メチルチオフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
[3−メチルチオフェニル]ボロン酸から製造した。m/z(ES)344(M+H)。
【実施例104】
【0301】
N−[6−(2,5−ジフルオロフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
(2,5−ジフルオロフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)334(M+H)。
【実施例105】
【0302】
4−[6−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル]フェノール
(4−ヒドロキシフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)314(M+H)。
【実施例106】
【0303】
N−[6−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]イソキノリン−5−アミン
(4−メトキシフェニル)ボロン酸から製造した。m/z(ES)329(M+H)。
【実施例107】
【0304】
N−(6−フェニルピリミジン−4−イル)イソキノリン−5−アミン
ベンゼンボロン酸から製造した。m/z(ES)299(M+H)。
【実施例108】
【0305】
6−フルオロ−3−メチル−N−{2−メチル−6−[4−トリフルオロメチルフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例70の手順に従って製造例16と製造例68から製造した(0.21g,23%)。m/z(ES)413(M+H)。
【実施例109】
【0306】
N−[6−(4−クロロフェニル)ピリミジン−4−イル]−6−フルオロ−3−メチルイソキノリン−5−アミン
製造例82に従って製造例80と(4−クロロフェニル)ボロン酸から製造した(42mg,42%)。m/z(ES)365(M+H)。
【実施例110】
【0307】
6−フルオロ−3−メチル−N−{6−[4−トリフルオロメトキシフェニル]ピリミジン−4−イル}イソキノリン−5−アミン
製造例82に従って製造例80と[4−トリフルオロメトキシフェニル]ボロン酸から製造した(57mg,50%)。m/z(ES)415(M+H)。
【0308】
上記に例示した本発明の化合物を以下のアッセイで試験した処、一般にIC50<1μMであり、殆どの場合に<200μMであった。
【0309】
生物学的方法
インビトロ活性の測定
側面を黒に着色した384ウェルプレートに組換えヒトVR1受容体を安定的に発現するCHO細胞をプレーティングし、アッセイ緩衝液(Hepes緩衝食塩水)で2回洗浄した後、1μM Fluo−3−AMを加えて60分間暗所でインキュベートした。細胞を更に2回洗浄して過剰の色素を除去した後、カプサイシンと試験化合物を加えたプレートと共にMolecular Device FLIPRに入れた。FLIPRは自動薬剤添加を実施すると同時にFluo−3からの蛍光発光を記録した。全実験で基線蛍光を記録した後に試験化合物を加え、その後、最大応答の80%を誘導する予め決定した濃度のカプサイシンを添加した。試験化合物の不在下でカプサイシンを添加した同一プレートのウェルに比較してカプサイシンの阻害により生じた細胞内[Ca2+]の増加を表した。試験化合物の添加後でカプサイシンの添加前に生じる細胞内[Ca2+]の増加から固有アゴニスト又は部分アゴニスト活性を測定することができる。
【0310】
カプサイシン足フリンチモデルにおけるインビボ効力の測定(Taniguchiら,1997,Br J Pharmacol.122(5):809−12の応用方法)
VR1受容体のインビボ機能的占有率を測定するために、カプサイシン(2Tgをエタノールに溶解)の足裏注射よりも一般に1時間前に化合物をSprague Dawleyラットに経口投与し、注射した足のフリンチ数を直後から5分間記録する。一元配置ANOVA後にダネット検定を使用して統計分析を実施し、カプサイシン/ビークル処理ラットに対してp値<0.05を有意とみなす。
【0311】
炎症性疼痛モデルにおけるインビボ効力の測定(Hargreavesら,1988 Pain,32(1):77−88の応用方法)。
【0312】
ラットにカラゲナンにより誘導した熱痛覚過敏アッセイを使用して抗侵害受容活性を測定する。カラゲナン(食塩水中1%λ−カラゲナン溶液0.1ml)の足裏注射により片方の後足に炎症性痛覚過敏を誘導する。カラゲナンよりも一般に2時間後に化合物を経口投与し、1時間後に足を縮めるまでの逃避反射潜時を測定する。後足裏表面への有害熱刺激に対する足の逃避反射潜時はHargreaves装置を使用して測定する。熱痛覚過敏は食塩水/ビークル処理ラットとカラゲナン/ビークル処理ラットの足の逃避反射潜時の差として定義される。薬剤を投与したラットの足の逃避反射潜時をこの応答の百分率として表す。一元配置ANOVA後にダネット検定を使用して統計分析を実施し、カラゲナン/ビークル処理ラットに対してp値<0.05を有意とみなす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、VはNR、O、S、SO又はS(O)を表し;
W及びXは各々独立してCH又はNを表し;
YはN、CH又はC−Arを表し、但し、W、X及びYの1種以上2種以下はNであり;
ZはCH又はC−Arを表し、但し、YがN又はCHである場合にはZはC−Arであり、更にYがC−Arである場合にはZはCHであり;
Arは窒素、酸素及び硫黄から選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む融合9又は10員複素環系を表し、前記環系における環の少なくとも1個は芳香族であり;
Arはフェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル及びピラジニルから選択される芳香族環を表し;前記芳香族環は場合によりフェニル環、O、N及びSから選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を含み、最大1個のヘテロ原子がOもしくはSである5員芳香族複素環、又は1、2もしくは3個のN原子を含む6員芳香族複素環に融合しており;前記芳香族環は置換されていないか、あるいはハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、フェニルC1−2アルコキシ、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルコキシ、C3−5シクロアルキルC1−4アルキル、シアノ、ニトロ、SR、SOR、SO、COR、NRCOR、CONR、NRSO、SONR、−(CHカルボキシ、エステル化−(CHカルボキシ、−(CHNR、フェニル、ナフチル、O、N及びSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含み、最大1個のヘテロ原子がO又はSである5員芳香族複素環、並びに1、2又は3個のN原子を含む6員芳香族複素環から選択される1、2又は3個の基で置換されており;2個のC1−6アルコキシ基が隣接原子上にある場合には、それらが結合している原子と共に5又は6員部分飽和環を形成してもよく;
はハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルコキシ、C3−5シクロアルキルC1−4アルキル、シアノ、ニトロ、SR、SOR、SO、COR、NRCOR、CONR、NRSO、SONR、−(CHカルボキシ、エステル化−(CHカルボキシ又は−(CHNRを表し;
は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、非置換フェニル、又は(ハロゲン、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシもしくはハロC1−6アルコキシから選択される1もしくは2個の基で置換された)フェニルを表し;
及びRは各々独立して水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル又はフルオロC1−6アルキルであるか;
あるいはRとRはそれらが結合している窒素原子と共に場合によりヒドロキシ又はC1−4アルコキシから選択される1又は2個の基で置換された環原子数4〜7の脂肪族複素環を形成し、前記環は場合により前記環原子の1個として酸素原子、硫黄原子、S(O)、S(O)、又はNRを含んでいてもよく;
は水素、C1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル又はC1−4アルコキシC1−4アルキルを表し;
は水素、C1−6アルキル、フルオロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、非置換フェニル、又はハロゲン、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシもしくはハロC1−6アルコキシから選択される1もしくは2個の基で置換されたフェニルを表し;
mは0又は1〜4の整数であり;
nは0又は1〜3の整数である]の化合物又は医薬的に許容可能なその塩、N−オキシドもしくはプロドラッグ。
【請求項2】
がハロゲン、C1−4アルキル又はフルオロC1−4アルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが1又は2である請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
が水素、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、又はC1−4アルキルもしくはフルオロC1−4アルキルで置換されたフェニルである請求項1、2又は3に記載の化合物。
【請求項5】
=W−X=Y−が=N−CH=CH−、=N−N=CH−、=N−CH=N−又は=N−N=C(Ar)−を表す請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Arがイソキノリン、インダゾール、トリアゾロピリジン、シンノリン、ベンゾチアゾール、イミダゾピリジン、キノリン、テトラヒドロイソキノリン又はジヒドロイソキノリノンから選択される二環複素環系を表す請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Arが、場合によりフェニル、イミダゾリル又はチエニル環に融合したフェニル又はピリジルであり、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、フルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、フルオロC1−4アルコキシ、フェニルC1−2アルコキシ、場合により酸素で置換されたピペリジン、COR(式中、Rは水素又はC1−4アルキルである)、ピラゾール、C1−4アルキルカルボニル、カルボキシ、C1−6アルキルスルホニル、ニトロ、フェニル、C1−4アルキルチオ、ヒドロキシ及び−O−CH−O−から独立して選択される1〜3個の基で置換されている請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又は医薬的に許容可能なその塩もしくはN−オキシドと、医薬的に許容可能な賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項9】
人体又は動物体の治療方法で使用するための請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又は医薬的に許容可能なその塩もしくはN−オキシド。
【請求項10】
疼痛及び/又は炎症を主症状とする疾患又は症状の治療又は予防用医薬の製造における請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又は医薬的に許容可能なその塩もしくはN−オキシドの使用。
【請求項11】
必要とする患者に有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物又は医薬的に許容可能なその塩もしくはN−オキシド式を投与することを含む、疼痛及び/又は炎症を主症状とする疾患又は症状の治療又は予防方法。

【公表番号】特表2006−512323(P2006−512323A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552870(P2004−552870)
【出願日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際出願番号】PCT/GB2003/004969
【国際公開番号】WO2004/046133
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(390035482)メルク シャープ エンド ドーム リミテッド (81)
【Fターム(参考)】