疾患に関連する遺伝的変更の整列に基く検出
【課題】種々の疾患に関連する染色体の異常性を同定するハイブリダイゼーション法の提供。
【解決手段】染色体20上のコピー数変化の領域からのDNA配列に関する。この配列は、種々の疾患に関連する染色体の異常性を同定するハイブリダイゼーション法において使用することができる。
【解決手段】染色体20上のコピー数変化の領域からのDNA配列に関する。この配列は、種々の疾患に関連する染色体の異常性を同定するハイブリダイゼーション法において使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌の遺伝学の分野に関する。さらに詳しくは、本発明は、癌および他の疾患に関連するコピー数の増加または減少の領域の同定に関する。
【背景技術】
【0002】
染色体の異常性は、しばしば遺伝疾患、変性(degenerative)疾患、および癌に関連する。特に、染色体の全体または染色体のセグメントのコピーの欠失または増加、およびゲノムの特定の領域のより高いレベルの増幅は癌において普通に起こる。
【0003】
例えば、下記の文献を参照のこと:Smith et al.、Brest Cancer Res.Treat.18:Suppl.1:5-14(1991 、vande Vijer & Nusse,Biochim.Biophys.Acta、1072:33-50(1991)、Sato et al. 、Cancer Res.50:7184-7189(1990) 。事実、それぞれ、プロトオンコジーンおよび腫瘍サプレッサー遺伝子を含んでなるDNA配列の増加および欠失は、しばしば腫瘍発生の特徴を示す。Dutrillaux et al. 、 Cancer Genet.Cytogenet.48:203-217(1990)。明らかなように、このような領域の同定および関係する遺伝子のクローニングは、腫瘍発生性の研究および癌の診断の開発の双方に対してきわめて重要である。
【0004】
コピー数の増加および減少の染色体領域の検出は、伝統的には、細胞遺伝学により実施されてきている。染色体の中へのDNAの複雑な詰り(pocking) のために、細胞遺伝学的技術の分解能は、ギームザ染色された染色体中のバンドの幅に近似する約10 Mbより大きい領域に制限されてきた。多重転位および他の遺伝的変化を有する複雑な核型において、核型の情報は欠如するか、あるいは解釈することができないので、伝統的細胞発生分析は実用性をほとんどもたない。Teyssier、JR. 、Cancer Genet.Cytogenet.37:103(1989) 。さらに、従来の細胞発生結合分析(cytogenetic banding analysis)は時間を消費し、労力を要し、そしてしばしば困難であるか、あるいは不可能である。
【0005】
より最近において、サザンブロッティングにより染色体中の所定のDNA配列の量を評価するために、クローニングされたプローブが使用されてきている。有用な核型(karyotype) の情報を排除するように、ゲノムが高度に再配列される(rearanged)場合でさえ、この方法は有効である。しかしながら、サザンブロッティングはDNA配列のコピー数の粗い推定を与えるばかりでなく、また染色体内のその配列の存在位置についての情報を与えない。
【0006】
比較的ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)は、増幅/欠失された配列の存在および局在化を同定する、より最近のアプローチである。Kallioniemi et al.、Science 、258:818(1992) 参照。CGHは、サザンブロッティングと同様に、ゲノムの再配列に無関係に、増幅および欠失を明らかにする。さらに、CGHはサザンブロッティングよりもいっそう定量的な推定を提供し、そのうえ、また、正常の染色体中の増幅または欠失された配列の存在位置の情報を提供する。
【発明の概要】
【0007】
発明の要約
本発明は、染色体20上のコピー数変化の新しい領域の同定に関する。これらの領域に対して特異的な核酸は、生物学的試料、例えば、腫瘍細胞から対応する相対的コピー数をモニターするためのプローブまたはプローブの標的として有用である。
【0008】
こうして、1つの態様において、本発明は、下記のFLpter位置についての染色体の変更(例えば、コピー数の増加または減少)を検出する方法を提供する:0.603 、0.646 、および0.675 (すべては減少)、0.694 および0.722 (双方は増加)、および0.867 (増加)。この方法は、核酸試料を、各々が前述の標的領域に選択的に結合する核酸プローブと、前記プローブが標的配列と安定なハイブリダイゼーション複合体を形成する条件下に接触させ、そしてハイブリダイゼーション複合体を検出する、ことを含んでなる。
【0009】
ハイブリダイゼーション複合体を検出する工程は、標的配列のコピー数を決定することを含んでなることができる。プローブは、好ましくは、ストリンジェント条件下に、本明細書において開示するプローブから選択される核酸に特異的ハイブリダイゼーションする核酸を含んでなる。プローブまたは試料の核酸を標識化することができ、より典型的には、蛍光標識化する。試料を標識化する場合、プローブを固体表面上に整列(array) として結合させることができる。
【0010】
本明細書において開示するプローブは、前述のヒト染色体20上の位置における異常な染色体を検出するキットにおいて使用することができる。このキットは、ヒト染色体20上の標的ポリヌクレオチド配列に特異的に結合する標識化核酸プローブを含有する隔室を含む。プローブは、好ましくは、ストリンジェント条件下に、本明細書において開示する核酸から選択される核酸に特異的ハイブリダイゼーションする、少なくとも1つの核酸を含んでなる。このキットは、さらに、染色体20のセントロメアまたは他の参照位置における配列に対して特異的な参照プローブを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aは、本明細書において開示するクローンの染色体20上の物理的地図の位置の分布を示す。
【図1B】図1Bは、乳癌細胞系統(BT474 )および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿ったクローンのコピー数の変動を示す。
【図1C】図1Cは、乳癌細胞系統(BT474 )および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿ったクローンのコピー数の変動を示す。
【0012】
【図1D】図1Dは、乳癌細胞系統(BT474 )および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿ったクローンのコピー数の変動を示す。
【図1E】図1Eは、乳癌細胞系統(BT474 )および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿ったクローンのコピー数の変動を示す。
【図2】図2は、本明細書において開示する領域におけるコピー数の増加および減少の測定値を要約する。
【図3A】図3Aは、本発明において研究したBT474 および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿った個々の軌跡を示す。
【0013】
【図3B】図3Bは、本発明において研究したBT474 および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿った個々の軌跡を示す。
【図3C】図3Cは、本発明において研究したBT474 および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿った個々の軌跡を示す。
【図3D】図3Dは、本発明において研究したBT474 および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿った個々の軌跡を示す。
【図3E】図3Eは、本発明において研究したBT474 および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿った個々の軌跡を示す。
【図3F】図3Fは、本発明において研究したBT474 および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿った個々の軌跡を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
「核酸試料」は、本明細書において使用するとき、本発明のプローブに対するハイブリダイゼーションに適当な形態のDNAを含んでなる試料を意味する。核酸は、特定の染色体、または本明細書において開示する特定のアンプリコンまたは欠失内の選択された配列(例えば、特定のプロモーター、遺伝子、増幅または制限フラグメント、cDNA、およびその他)からの全体のゲノムDNA、全体のmRNA、ゲノムDNAまたはmRNAであることができる。核酸試料は特定の細胞または組織から抽出することができる。核酸試料を調製する組織の試料は、典型的には、検出される増加または欠失に関連する疾患を有することが推測される患者から採取される。
【0015】
ある場合において、核酸は、ハイブリダイゼーションの前に、標準的技術、例えば、PCRにより増幅することができる。試料は、サザンまたはドットブロットハイブリダイゼーションおよびその他において使用するための固体表面(例えば、ニトロセルロース)上に固定化された、単離された核酸であることができる。試料はまた、個々の核酸が実質的に無傷のままでありかつ標準的技術に従い調製される間期核(interphase nuclei) を含んでなることができる。「核酸試料」は、また、実質的に無傷の凝縮された(condenced) 染色体(例えば、中期(metaphase) 染色体)を意味することができる。
【0016】
このような凝縮染色体は、in situ ハイブリダイゼーション技術(例えば、FISH)におけるハイブリダイゼーション標的として使用するために適当である。用語「核酸試料」(抽出された核酸または無傷の中期染色体であるかどうかにかかわらず)の特定の使用は、この用語を使用する関係から当業者にとって容易に明らかであろう。例えば、核酸試料は、後述する標準的in situ ハイブリダイゼーション法のために調製された組織または細胞の試料であることができる。試料は、個々の染色体が実質的に無傷のままであり、典型的には中期の広がり(metaphase spreads) または間期核(interphase nuclei) からなるように、標準的技術に従い調製される。
【0017】
「染色体試料」は、本明細書において使用するとき、後述する標準的in situ ハイブリダイゼーション法のために調製された組織または細胞の試料を意味する。試料は、個々の染色体が実質的に無傷のままであり、典型的には中期の広がりまたは間期核からなるように、標準的技術に従い調製される。
【0018】
本明細書において使用するとき、「核酸整列」(nucleic arid array)は、その各々が、プローブの核酸がハイブリダイズする固体表面上に固定化された、1または複数の核酸分子を含んでなる、複数の標的因子である。ある標的因子の標的核酸は、染色体20からのコピー数変化の領域からのものである。標的因子の標的核酸は、例えば、本明細書において開示する特定の遺伝子またはクローンからの配列を含有することができる。他の標的因子は、例えば、参照配列を含有するであろう。種々の寸法の標的因子を、本発明の整列において使用することができる。一般に、より小さい標的因子が好ましい。典型的には、標的因子は約1cmより小さい直径を有するであろう。一般に、因子の大きさは4μm〜約3mm、好ましくは約5μm〜約1mmである。
【0019】
列の標的因子は、固体表面上に異なる密度で配置することができる。標的因子の密度は、因子の数、標識の特質、固体表面、およびその他に依存するであろう。当業者は認識するように、標的因子は異なる長さまたは配列の標的核酸の混合物を含んでなることができる。こうして、例えば、標的因子はDNAのクローニングされた片の2以上のコピーを含有することができ、そして各コピーを異なる長さのフラグメントに破壊することができる。
【0020】
本発明の標的配列の長さおよび複雑性は、本発明にとって決定的ではない。当業者はこれらの因子を調節して、所定のハイブリダイゼーション手順のために最適なハイブリダイゼーションおよびシグナルの産生を提供し、そして異なる遺伝子のゲノムの位置の間の要求される分解能を提供することができる。典型的には、標的配列は約1 kb〜約1 Mb、時には10 kb〜約500 kb、通常約50 kb〜約150 kbの間の複雑性を有するであろう。
【0021】
用語「核酸」は、一本鎖または二本鎖の形態のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよびそれらのポリマーを意味する。特記しない限り、この用語は、参照配列と同様な結合性質を有しかつ天然に存在するヌクレオチドと同様な方法において代謝される、天然のヌクレオチドの既知のアナローグを含有する核酸を包含する。特記しない限り、特定の核酸配列はまた、保存的に修飾された、その変異型(例えば、縮重コドンの置換)および相補的配列ならびに明確に示した配列を暗示的に包含する。
【0022】
記載「に特異的にハイブリダイズする」または「特異的ハイブリダイゼーション」または「に対して特異的にハイブリダイズする」は、特定のヌクレオチド配列が複雑な混合物(例えば、全体の細胞の)DNAまたはRNAの中に存在するとき、ストリンジェント条件下に、特定のヌクレオチド配列に対して核酸分子が優先的に結合、二本鎖形成、またはハイブリダイゼーションすることを意味する。
【0023】
用語「ストリンジェント条件」は、プローブがその標的サブ配列に対して優先的にハイブリダイゼーションし、そして他の配列に対して低い程度にハイブリダイゼーションするか、あるいはまったくハイブリダイゼーションしない、条件を意味する。核酸のハイブリダイゼーション実験、例えば、サザンまたはノザンハイブリダイゼーションの関係において、「ストリンジェントハイブリダイゼーション」および「ストリンジェントハイブリダイゼーションの洗浄条件」は、配列依存的であり、そして異なる環境パラメーター下に異なる。
【0024】
核酸のハイブリダイゼーションに対する広範な指針は、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecuar Biology-Hybridization with Nucleic Acid Probes part I chapter2. Overview of principles of Hybridization and the strategy of nacleic acid probe assay,New York 、の中に見出される。一般に、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、定められたイオン強度およびpHにおいて特定の配列についての融点よりも約5℃だけ低いように(Tm)選択される。Tmは標的配列の50%が好ましく合致したプローブにハイブリダイズする温度(定められたイオン強度およびpH下に)である。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブについてのTmに等しいように選択される。
【0025】
サザンブロットまたはノザンブロットにおいてフィルター上に100より多い相補的残基を有する、相補的核酸のハイブリダイゼーションのためのストリンジェントハイブリダイゼーション条件の例は、標準的ハイブリダイゼーション溶液を使用して42℃であり、ハイブリダイゼーションは一夜実施される。高度にストリンジェントな洗浄条件の例は、0.15MのNaCl、72℃において約15分間である。ストリンジェント洗浄条件の例は、65℃において15分間の0.2×SSCの洗浄である(下記の文献を参照のこと:Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual( 第2 版)Vol.1〜3 、Cold Spring Harbor Laboratory 、Cold Spring Harbor Press、N.Y.、(Sambrook et al.)supra、SSC緩衝液の説明について)。
【0026】
しばしば、高いストリンジェンシイの洗浄を低いストリンジェンシイの洗浄の前に実施して、バックグラウンドのプローブを除去する。例えば、100より多いヌクレオチドの二本鎖について、中程度のストリンジェンシイの洗浄の例は、45℃において15分間の1×SSCである。例えば、100より多いヌクレオチドの二本鎖について、低いストリンジェンシイの洗浄の例は、40℃において15分間の4〜6×SSCである。
【0027】
「単離されたポリヌクレオチド」は、自然にそれに付随する他の汚染物質、例えば、タンパク質、脂質、および他のポリヌクレオチド配列から実質的に分離されたポリヌクレオチドである。この用語は、それらの天然に存在する環境またはクローンのライブラリーから除去または精製されたポリヌクレオチド配列を包含し、そして組換えまたはクローニングされたDNA単離物、および化学的に合成されたアナローグまたは異種系により生物学的に合成されたアナローグを包含する。
【0028】
「サブ配列」は、核酸のより長い配列の一部分からなる核酸の配列を意味する。
「プローブ」または「核酸プローブ」は、本明細書において使用するとき、標的に対するハイブリダイゼーションを検出できる、1または複数の核酸の集合であると定義される。プローブは標識されていないか、あるいは後述するように、標的への結合を検出できるように標識することができる。プローブはゲノムの1または複数の特定の(前もって選択された)部分、例えば、1または複数のクローンからの核酸源、単離された全染色体または染色体フラグメント、あるいはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅産物の集合から産生される。
【0029】
本発明のプローブは、本明細書において記載する領域の中に見出される核酸から産生される。プローブはいくつかの方法において、例えば、反復核酸のブロッキングまたは除去またはユニーク核酸の濃縮によりプロセスすることができる。こうして、「プローブ」という語は、本明細書において、検出可能な核酸ばかりでなく、かつまた、例えば、ブロッキング核酸、およびその他とともに、標的に適用される形態の検出可能な核酸を意味するために使用することができる。ブロッキング核酸は、また、別々に言及することができる。「プローブ」を別々に言及することは、この用語を使用する関係から明らかである。
【0030】
プローブは、また、固体表面(例えば、ニトロセルロース)上に固定化された単離された核酸であることができる。ある態様において、プローブは、例えば、WO96/17958号に記載されているように、核酸整列のメンバーであることができる。高い密度整列を生成することができる技術をこの目的のために使用することもできる(例えば、Fordor et al. 、Science 767-773(1991) および米国特許第5,143,854 号参照)。
「ハイブリダイゼーション」は、相補的塩基対合を介する2つの単一の核酸の結合を意味する。
【0031】
当業者は認識するように、本明細書において記載する特定のプローブの正確な配列をある程度修飾して、開示されるプローブと「実質的に同一」であるが、標的配列に実質的に結合する能力を保持するプローブを産生することができる。このような修飾は、本発明における個々のプローブを参照することによって特別にカバーされる。ポリヌクレオチド配列の用語「実質的同一性」は、標準的パラメーターを使用して後述する方法に従い、参照配列に比較して、ポリヌクレオチドが、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の配列の同一性を有する配列からなることを意味する。
【0032】
2つの核酸試料は、2つの配列中のヌクレオチド配列が、後述するように最大の対応性について整列したとき、同一である場合、「同一」であると言われる。用語「に対して相補的」は、相補的配列が参照ポリヌクレオチド配列のすべてまたは一部分に対して同一であることを意味するために、本明細書において使用される。
【0033】
詳細な説明
本発明は、ヒト染色体20上のコピー数変化の新しい領域を提供する。本明細書において提供されるクローンおよび他の情報を使用して、生物学的試料中のコピー数変化を検出し、これにより疾患、例えば、乳癌の存在についてスクリーニングすることができる。一般に、これらの方法は、標的領域の1または複数の核酸配列と、生物学的試料の中に存在するか又は生物学的試料に由来する核酸とを特異的に結合させるプローブのハイブリダイゼーションを包含する。特定の染色体領域および/または特定のプローブの標的領域の位置は、典型的には、pテロメアからの平均小部分長さ(FLpter)として表される。
【0034】
本明細書において使用するとき、生物学的試料は、染色体の異常性(例えば、増加または欠失)についてスクリーニングしようとする細胞を含有する生物学的組織または流体の試料である。生物学的試料を単離する方法は当業者によく知られており、そして吸引、組織の切片、針のバイオプシー、およびその他を包含するが、これらに限定されない。しばしば、試料は患者から誘導される「臨床的試料」であろう。生物学的試料はまた、組織の切片、例えば、組織学的目的のために採取された凍結切片またはパラフィン切片を包含することができる。認識されるように、用語「試料」はまた、細胞培養からの上清(細胞を含有する)または細胞それら自体、組織培養からの細胞および染色体の異常性を検出しようとする他の培地を包含する。
【0035】
ある態様において、細胞を単細胞の懸濁液または組織調製物として固体の支持体、例えば、ガラススライド上に付着させ、そして細胞の最良の空間的分解能および最適なハイブリダイゼーション効率を提供する固定剤を選択することによって固定して、染色体の試料は調製される。他の態様において、試料を固体表面上に固定化されたプローブの列と接触させる。
【0036】
プローブの製造
コピー数が変更した領域にハイブリダイズするプローブは、対応する領域の検出において使用するために適当である。プローブの製造方法は当業者によく知られている(例えば、下記の文献を参照のこと:Sambrook et al. 、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2 版) 、Vol.1 〜3 、Cold Spring Harbor Laboratory 、(1989)またはCurrent Protocols in Molecular Biology、F.Ausubel et al.、編、Greene Publishing and Wiley-Interscience、New York(1987))。
【0037】
本発明の核酸を製造する戦略が与えられると、当業者は本明細書において開示する特定のプローブに機能的に同等の核酸を含有する種々のベクターおよび核酸のクローンを構築することができる。これらの目的を達成するためのクローニング法、および核酸配列を確認する配列決定法はこの分野においてよく知られている。適当なクローニングおよび配列決定の配列決定の技術の例、および多数のクローニングの学習を指導するために十分な説明は、下記の文献の中に見出される:
【0038】
Berer およびKimmel、Guide to Molecular Cloning Techniques 、Methods in Enzymology Vol.152 、Academic Press,Inc. 、カリフォルニア州サンディエゴ)(Berger);Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning-A Laboratory Manual(第2 版)Vol.1〜3 、Cold Spring Harbor Laboratory 、Cold Spring Harbor Press、N.Y.、(Sambrook); およびCurrent Protocols in Molecular Biology、F.M.Ausubel et al.、Current Protocols 、a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc. およびJohn Wiley & Sons,Inc.、(1994 Supplement)(Ausubel)。生物学的試薬の製造業者および実験装置からの産物の情報はまた、既知の生物学的方法において有用な情報を提供する。
【0039】
このような製造業者は、SIGMA ケミカル・カンパニー(ミゾリー州セントルイス)、R&D システムス(ミネソタ州ミネアポリス)、ファーマシアLKBバイオテクノロジー(Pharmacia LKB Biotechnology )(マリイランド州ガイサースバーグ)、CLONTECHラボラトリーズ・インコーポレーテッド(カリフォルニア州パロアルト)、ケム・ジーンズ・コーポレーション(Chem Genes Corp.)、アルドリッヒ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.)(ウイスコンシン州ミルウォーキー)、グレン・リサーチ・インコーポレーテッド(Geln Research,Inc.)、ギブコBRL ライフ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(GIBCO BRL Life Technologies,Inc.)、(マリイランド州ガイサースバーグ)、フルカ・ケミカ−バイケミカ・アナリティカ(Fluka Chemica-Biocemika Anlytika)(Fluka Chemie AG、スイス国ブヘス)、インビトロゲン(Invitrogen)(カリフォルニア州サンディエゴ)、およびアプライド・バイオシステムス(Applied Biosystems)(フォスターシティー、カリフォルニア州)、ならびにこの分野において知られている多数の他の商業的源を包含する。
【0040】
本発明により提供される核酸試料は、RNA、cDNA、ゲノムDNA、または種々の組合わせのハイブリッドであるかどうかにかかわらず、生物学的源から単離されるか、あるいはin vitroにおいて合成される。本発明の核酸およびベクターは、形質転換またはトランスフェクトされた全細胞、形質転換またはトランスフェクトされた細胞ライゼイト、または部分的に精製されたまたは実質的に純粋な形態で存在する。
【0041】
配列を増幅して核酸を提供するために、または引き続く分析、配列決定またはサブクローニングのための適当なin vitroの増幅技術は既知である。このような増幅法、例えば、ランダムプライミング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、Qβ−レプリカーゼ増幅および他のRNAポリメラーゼ仲介技術(例えば、NASBA )により当業者を方向づけるために十分な技術の例は、下記の文献の中に見出される:
【0042】
Berer 、Sambrook、およびAusubel 、ならびにMullis et al.(1987) 米国特許第4,683,202 号;PCR Protocols A Guide to Methods and Applications(Innis et al. 編)Academic Press,Inc.,カリフォルニア州サンディエゴ(1990)(Innis)(1990年10月1 日)C&EN 36-47;The Journal Of NIH Research(1991)3,81-94(Kwoh et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86,1173;Guatelli et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87,1974;Lomell et al.(1989)J.Clin.Chem.35,1826;Landegren et al.(1988)Science 241,1077-1080;Van Brunt(1990)Biotechnology 8,291-294;Wu およびWallace,(1989)Gene 4,560;Barringer et al.(1990)Gene 89,117, およびSooknanan およびMalck(1995)Biotechnology 13:263-564 。in vitroで増幅した核酸をクローニングする改良された方法は、Wallace et al.、米国特許第5,426,039 号に記載されている。大きい核酸を増幅する改良された方法は、Cheng et al.(1994)Nature 369:684-685およびその中の参考文献の中に要約されている。
【0043】
in vitroの増幅法または遺伝子プローブとして使用するための核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)は、典型的には、BeaucageおよびCaruthers(1981) 、Tetrahedron Letts.、22(20):1859-1862に記載されている固相ホスホルアミダイトトリエステル法に従い、例えば、Needham-VanDevanter et al.(1984)Nucleic Acids Res.12:6159-6168に記載されているように、自動化合成装置を使用して、化学的に合成される。
【0044】
オリゴヌクレオチドの精製は、必要な場合、典型的には、Pearson およびRegnier(1983)J.Chrom.255:137-149に記載されているように、自然アクリルアミドゲルの電気泳動またはアニオン交換HPLCにより実施される。合成オリゴヌクレオチドの技術は、Maxam およびGilbert(1980) 、GrossmanおよびModave (編)Academic Press 、New York、Methods in Enzymology 65:499-560の化学分解法を使用して確認することができる。
【0045】
プローブは、本明細書において開示する1または複数のクローンを組合わせ、標識することによって容易に製造される。使用前に、構築物をフラグメント化して、容易に細胞を貫通し、標的核酸にハイブリダイゼーションする、より小さい核酸フラグメントを提供する。フラグメント化はこの分野において知られている多数の方法の任意のものにより実施することができる。好ましい方法は、制限酵素で処理して分子を選択的に切断するか、あるいはMg+2の存在において核酸を短時間加熱することができる。プローブは好ましくは約50bp〜約2000bp、より好ましくは約100bp 〜約1000bp、最も好ましくは約150bp 〜約500bp の平均フラグメント長さにフラグメント化する。
【0046】
当業者は理解するように、本明細書において提供されるクローンを使用して、日常的方法(例えば、STS含量、サザンまたはノザンブロット)により他のヒトゲノムライブラリーから同一または同様のクローンを同定または単離することができる。
【0047】
核酸の標識化
核酸(プローブまたは試料の核酸)を標識化する方法はこの分野においてよく知られている。好ましい標識化されたプローブは、in situ ハイブリダイゼーションにおいて使用するために適当であるものである。本発明の核酸プローブまたは試料は、ハイブリダイゼーション反応の前に検出可能に標識化することができる。あるいは、ハイブリダイゼーション産物に結合する検出可能な標識を使用することができる。このような検出可能な標識化は、検出可能な物理的または化学的性質を有する任意の物質を包含し、そしてイムノアッセイ分野においてよく開発されてきている。
【0048】
本明細書において使用するとき、「標識」は、分光学、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的手段により検出可能な、任意の組成物である。本発明において有用な標識は、放射線標識(例えば、32P、125I、14C、3H、および35S)、蛍光色素(例えば、フルオレセイン、ローダミン、テキサス(Texas)レッド、およびその他)、電子が密な試薬(例えば、金)、酵素(例えば、ELISAにおいて普通に使用されている)、比色標識(例えば、コロイド状金)、磁気標識(例えば、ダイナビーズ(Dynabeads TM))、およびその他を包含する。直接的に検出されないが、直接的に検出可能な標識を使用して検出されるを標識の例は、ビオチンおよびジオキシゲニンならびにハプテンおよびタンパク質を包含し、前記タンパク質のための標識化抗血清またはモノクローナル抗体が入手可能である。
【0049】
使用する特定の標識は、プローブのin situ ハイブリダイゼーションを妨害するしないかぎり、本発明にとって決定的ではない。しかしながら、蛍光標識で直接的に標識されたプローブ(例えば、フルオレセイン−12−dUTP、テキサス・レッド−5−dUTP、およびその他)は染色体のハイブリダイゼーションのために好ましい。
【0050】
直接的に標識されたプローブは、本明細書において使用するとき、検出可能な標識が結合されたプローブである。直接的標識が既にプローブに結合されているので、プローブを検出可能な標識とアソシエートするための引き続く工程が不必要である。対照的に、間接的標識化プローブは、典型的にはプローブが標的核酸とハイブリダイズした後、検出可能な標識が引き続いて結合される部分を有するものである。
【0051】
さらに、標識はできるだけ低いコピー数で検出可能であり、これによりアッセイの感度を最大に、しかもバックグラウンドより上において検出可能でなくてはならない。最後に、高度に局在化されたシグナルを提供し、これにより染色体に対して染色を物理的にマッピングするとき、高度の空間的分解能を提供する標識を選択しなくてはならない。特に好ましい蛍光標識は、フルオレセイン−12−dUTP、およびテキサス・レッド−5−dUTPを包含する。
【0052】
標識は、この分野において知られている種々の方法でプローブにカップリングすることができる。好ましい態様において、核酸プローブはニック翻訳、PCR、またはランダムプライマーエクステンションにより標識されるであろう(Rigby et al. 、J.Mol.Biol.113:237(1977)またはSambrook et al. 、Molecular Cloning-A Laboratory Manual 、Cold Spring Harbor Laboratory 、Cold Spring Harbor、N.Y.(1985)) 。
【0053】
本明細書において開示する領域の検出
上に説明したように、染色体20中のコピー数変化の検出は、多数の癌の存在および/または予後の指示である。これらは乳癌、前立腺癌、頸部癌、卵巣癌、頭部癌、頸部、および結腸癌を包含するが、これらに限定されない。
【0054】
好ましい態様において、増幅または欠失についてスクリーニングしようとする標的核酸(例えば、染色体試料)に対する本発明のプローブのハイブリダイゼーションにより、コピー数変化を検出する。適当なハイブリダイゼーションのフォーマットは当業者によく知られており、そしてサザンブロット、in situ ハイブリダイゼーションおよび定量的増幅法、例えば、定量的PCRを包含するが、これらに限定されない(例えば、下記の文献を参照のこと:Sambrook、supra 、alloniemi et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89、5321-5325(1992) 、およびPCR Protocols 、A Guide to Methods and Applications 、Innis et al.、Academic Press,Inc. 、N.Y.(1990))。
【0055】
あるいは、標的核酸に対する結合を「被験」核酸と「参照」核酸との間で比較することができる。「被験」核酸の好ましい源は、そのDNAにおいて染色体の異常性を同定しようとする、任意の生物、器官、組織、または細胞の型を包含する。「参照」核酸は典型的には正常細胞からの全ゲノムDNAであり、そして検出しようとする標的であるコピー数変化を含むべきではない。次いで、下記の実施例の節において記載するように、特定の標的配列に対するハイブリダイゼーションを比較する。
【0056】
in situ ハイブリダイゼーション
ある態様において、in situ ハイブリダイゼーションを使用して標的領域を同定する。一般に、in situ ハイブリダイゼーションは下記の主要な工程からなる:(1)分析すべき組織または生物学的構造物を固定する;(2)生物学的構造物をプレハイブリダイゼーション処理して、標的DNAのアクセス可能性を増加し、かつ非特異的結合を減少させる;(3)核酸混合物を生物学的構造物または組織中の核酸に対してハイブリダイゼーションさせる;(4)ハイブリダイゼーション後の洗浄を実施して、ハイブリダイゼーションにおいて結合しない核酸フラグメントを除去する、そして(5)ハイブリダイゼーションした核酸フラグメントを検出する。これらの工程の各々において使用する試薬および使用する条件を、特定の使用に依存して変化させる。
【0057】
ある態様において、反復配列のハイブリダイゼーション能力をブロックすることが必要である。この場合において、このようなハイブリダイゼーションをブロックするための因子として、ヒトゲノムDNAまたはCotI DNAを使用する。好ましい大きさの範囲は、二本鎖の、ニック翻訳された核酸について、約200 bp〜約1000塩基、より好ましくは約400〜約800 bpである。
【0058】
本明細書において開示する特定の用途のためのハイブリダイゼーションプロトコールは、Pinkel et al. 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85:9138-9142(1988)およびEPO 公開No.430,402に記載されている。このようなハイブリダイゼーションプロトコールは、また、Methods in Molecular Biology、Vol.33:In Situ Hybridization Protcols 、K.H.A.Choo編、 Humana Press 、ニュージャージイ州トトワ、(1994)の中に見出すことができる。特に好ましい態様において、Kallioniemi et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 、89:5321-5325(1992)のハイブリダイゼーションプロトコールを使用する。
【0059】
典型的には、2つのプローブを使用し、各々が異なる蛍光色素により標識されている、二重色のFISHを使用することが望ましい。問題の領域にハイブリダイゼーションする試験プローブを1つの色素で標識化し、そして異なる領域(例えば、セントロメア)にハイブリダイゼーションする対照プローブを第2色素で標識化する。問題の染色体の安定な部分にハイブリダイゼーションする核酸は、対照プローブとしてしばしば最も有用である。このようにして、試料各のハイブリダイゼーション効率の間の差を説明することができる。
【0060】
染色体の異常性を検出するFISH法は、ナノグラム量の主題の核酸について実施することができる。パラフィンの埋め込んだ腫瘍の切片、ならびに新鮮なまたは凍結した材料を使用することができる。FISHは制限された材料に適用することができるので、非培養の一次腫瘍から調製した触診調製物を使用することもできる(例えば、Kallioniemi 、A.et al.、Cytogenet.Cell Genet.60:190-193(1992) 参照)。
【0061】
例えば、腫瘍からの小さいバイオプシー組織の試料を触診調製物のために使用することができる(例えば、Kallioniemi 、A.et al.、Cytogenet.Cell Genet.60:190-193(1992) 参照)。吸引バイオプシーから得られた小さい数の細胞または体液(例えば、血液、尿、痰およびその他)中の細胞を分析することもできる。出産前の診断のために、適当な試料は羊水およびその他を包含するであろう。
【0062】
整列(Array)
他のフォーマットにおいて、後述するようにかつWO 96/17958号に記載されているように、核酸試料とハイブリダイズするプローブまたは標的の列を使用する。整列の核酸は、好ましくは、本明細書において開示するコピー数変化の特定の領域から選択された核酸を包含する。典型的には、整列の核酸は、問題の染色体領域に沿った代表的な位置、cDNAライブラリー、およびその他から誘導された核酸分子を包含するであろう。
【0063】
これらの標的核酸は、例えば、ゲノムのクローン、ゲノムのクローンのAlu間PCR生成物、ゲノムのクローンの制限消化物、cDNAクローンおよびその他の比較的長い(典型的には数千の塩基)のフラグメントであることができる。好ましい態様において、列の核酸は問題の特定の領域をスパンするクローンの前もってマッピングされたライブラリーである。列は、後述するように、試料の核酸の単一の集団とともに使用するか、あるいは2つの異なるように標識化された集合とともに使用することができる。
【0064】
種々の固体表面上に核酸を固定化する多数の方法はこの分野において知られている。例えば、固体表面は膜、ガラス、プラスチック、またはビーズであることができる。所望の成分を、非特異的結合を通して共有結合または非共有結合することができる。固体表面上の核酸の固定化をいっそう詳しく後述する。
【0065】
広範な種類の有機および無機のポリマー、ならびに天然および合成の他の物質を固体表面の材料として使用することができる。例示的固体表面は、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ジアゾ化膜(紙またはナイロン)、シリコーン、ポリホルムアルデヒド、セルロース、および酢酸セルロースを包含する。さらに、プラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、およびその他を使用することができる。使用できる他の材料は、紙、セラミック、金属、メタロイド、半導体材料、サーメットまたはその他を包含する。さらに、ゲルを形成する物質を使用することができる。このような材料は、タンパク質(例えば、ゼラチン)、リポ多糖、ケイ酸塩、アガロースおよびポリアクリルアミドを包含する。固体表面が多孔質である場合、種々の孔サイズを系の特質に依存して使用することができる。
【0066】
表面を調製するとき、複数の異なる材料を、特にラミネートとして、使用して、種々の性質を得ることができる。例えば、タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)または高分子の混合物(例えば、デンハルト溶液)を使用して、非特異的結合を回避し、共有結合の複合化を簡素化し、シグナルの検出を増強するなどすることができる。
【0067】
化合物と表面との間の共有結合を望む場合、表面は通常多機能的であるか、あるいは多機能化することができる。表面上に存在しかつ結合のために使用することができる官能基は、カルボン酸、アルデヒド、アミノ基、シアノ基、エチレン基、ヒドロキシル基、メルカプト基およびその他を包含することができる。種々の化合物を種々の表面に結合する方法はよく知られており、そして文献の中に詳細に例示されている。例えば、分子に種々の官能基に導入することによって核酸を固定化する方法は知られている(例えば、Bischoff et al.(1987)Anal.Biochem.164:336-344;Kremsky et al.(1987)Nucleic Acids Res.15:2891-2910)。修飾されたヌクレオチドを含有するPCRプライマーを使用するか、あるいは修飾されたヌクレオチドで酵素的に末端を標識化することによって、修飾されたヌクレオチドを標的上に配置することができる。
【0068】
本発明の核酸列のために膜の支持体(例えば、ニトロセルロース、ナイロン、ポリプロピレン)を使用することは、比較的高い因子密度で標的を配列するマニュアルおよびロボット化方法を使用する技術がよく開発されているので、好都合である。このような膜は一般に入手可能であり、そして膜にハイブリダイゼーションするプロトコールおよび装置はよく知られている。しかしながら、蛍光標識がハイブリダイゼーションに検出に使用される場合、多数の膜材料はかなりの蛍光を放射する。
【0069】
所定のアッセイのフォーマットを最適化するために、膜の型、蛍光色素、励起および放射のバンド、スポットの大きさおよびその他の異なる組合せについての蛍光の検出の感度を決定することができる。さらに、低い蛍光のバックグラウンドは記載されてきている(例えば、Chu et al.(1992)Electrophoresis 13:105-114参照)。
【0070】
候補の膜上の種々の直径のスポットの検出のための感度は、例えば、末端が蛍光的に標識化されたDNAフラグメントの希釈系列をスポットすることによって、容易に決定することができる。次いで、これらのスポットを慣用の蛍光顕微鏡検査により造影する。こうして、蛍光色素と膜との種々の組合せから達成可能な感度、線形性、および動力学的領域を決定することができる。また、既知の相対比における蛍光色素の対の系統的希釈物を分析することによって、検出器および膜の蛍光により許容される動力学的領域にわたり、実際の蛍光色素の比を蛍光の比の測定値が反映する正確度を決定することができる。
【0071】
膜、例えば、ガラス、石英、または小さいビーズよりも、非常に低い蛍光を有する支持体上の列は、非常にいっそうすぐれた感度を達成することができる。例えば、1mmの直径から1μmまでの範囲の種々の大きさの因子を、これらの材料とともに使用することができる。少量の濃縮された標的DNAを含有する、小さい列の膜は、高いコンプレキシティーの比較ハイブリダイゼーションについて使用することができる。
【0072】
なぜなら、各因子について利用可能なプローブの合計量は制限されるからである。こうして、得られるシグナルが高度に局在化されかつ鮮やかであるように、少量の濃縮された標的DNAを含有する小さい列の膜を使用することが好都合である。このような小さい列の膜は、典型的には、104/cm2 より大きい密度を有する列で使用される。1cm2 の領域の定量的蛍光の造影を可能とし、単一の像において多数の膜からデータを獲得することができる、比較的簡単なアプローチは記載された(例えば、Wittrup et al.(1994)Cytometry 16:206-213参照)。
【0073】
支持体、例えば、ガラスまたは溶融シリカは、非常に低い蛍光性の支持体、および高度に効率的なハイブリダイゼーション環境を提供することにおいて、好都合である。ガラスまたは合成溶融シリカに対する標的核酸の共有結合は、多数の既知の技術に従い達成することができる。商業的に入手可能な試薬を使用して、核酸をガラスに好都合にカップリングであることができる。例えば、多数の官能基を有するシラン化ガラスを製造するための材料は商業的に入手可能であるか、あるいは標準的技術に従い製造することができる(例えば、Gait et al.(1984)Oligonucleotide Synthesis::A Practical Approach、 IRL Press、 Washington、 D.C. 参照)。同様に、ガラスよりも少なくとも10倍低い自己蛍光を有する石英のカバーガラスをシラン化することもできる。
【0074】
標的は、また、商業的に入手可能な被覆されたビーズまたは他の表面上に固定化することができる。例えば、ビオチン末端標識化核酸を商業的に入手可能なアビジン被覆ビーズに結合させることができる。また、ストレプトアビジンまたは抗ジゴキシゲニン抗体を、標準的プロトコールに従い、例えば、プロテインAを使用するタンパク質仲介カップリングにより、シラン化ガラススライドに結合させることができる(例えば、Smith et al.(1992)Science 、258:1122-126参照)。標準的技術に従い、ビオチンまたはジゴキシゲニン末端標識化核酸を製造することができる。
【0075】
ビーズに結合された核酸をハイブリダイゼーション混合物の中に懸濁させ、次いでガラス支持体上にそれらを沈着させ、分析のために洗浄することによって、それらに対するハイブリダイゼーションは達成される。あるいは、アビジンのコーティングをもつか、またはもたない常磁性粒子、例えば、酸化第二鉄粒子を使用することができる。
【0076】
1つの特に好ましい態様において、標的因子を表面(例えば、ガラスまたは石英の表面)上にスポッティングする。後述するように、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびニトロセルロースの混合物中に核酸を溶解し、小さい毛管を使用してアミノ−シラン被覆ガラス上に混合物をスポッティングすることによって、標的を作ることができる。
【0077】
他のフォーマット
本発明において、多数のハイブリダイゼーションフォーマットが有用である。例えば、サザンハイブリダイゼーションを使用することができる。サザンブロットにおいて、ゲノムまたはcDNA(典型的にはフラグメント化し、電気泳動ゲル上で分離した)を標的領域に対して特異的なプローブにハイブリダイゼーションさせる。標的領域のプローブからのハイブリダイゼーションシグナルの強度を対照(非増幅)領域に対して向けられたプローブからのシグナルと比較すると、標的核酸の比較コピー数を推定することができる。
【0078】
プローブを含有するキット
本発明は、また、染色体20上の染色体の異常性を検出する診断キットを提供する。好ましい態様において、キットは本明細書において開示する領域に対する1またはそれ以上のプローブを含む。さらに、キットは、ブロッキングプローブと、標的領域の検出においてキットの内容物を使用して方法を記載する取扱説明書とを含むことができる。また、キットは下記の1またはそれ以上を含むことができる:プローブの検出を促進する種々の標識または標識化剤、緩衝液、中期広がり、ウシ血清アルブミン(BSA)および他のブロッキング剤を包含するハイブリダイゼーション試薬、tRNA、SDSスプライシング装置、例えば、細い針、スワブ、アスピレーターおよびその他、陽性および陰性のハイブリダイゼーション対照およびその他。
【実施例】
【0079】
実施例
下記の実施例は本発明の例示であるが、本発明を限定しない。
この実施例において、ハイブリダイゼーション標的として中期染色体の代わりに、マッピングされたDNAクローンの微小列を使用するCGHの新規な実行を記載する。このアプローチは100倍より大きく分解能を改良し、そしてヒトゲノムプロジェクトにより産生された遺伝地図に対して結果を参照する。乳癌における染色体20上のコピー数変化の多位置分析により、このアプローチの力を我々は証明する。コピー数変化の3つの新しい独立の領域が、従来広範に研究されてきた染色体の部分において解明され、そして1つの領域の境界がクローンの長さ内にマッピングされた。
【0080】
方法
整列:標準的手順に従い、クローニングされたDNAを細菌培養物から単離した。10μgの各DNAをエタノール沈降させ、1μlの水中に溶解した。DMSO中に溶解したニトロセルロースフィルター材料の溶液(0.5μg/μl)の4μlを添加し、混合した。この溶液を軽く超音波処理してフラグメントの大きさを数kbに減少させ、こうしてそれが有効なスポッティングに対するストリンジェンシイが高過ぎないようにした。サブナノリットルの各標的溶液を酸清浄したアミノプロピルトリメトキシシランのガラスまたは石英の表面上にガラス毛管により付着させ、空気乾燥した。最終のスポットの直径は150〜250 μmであった。
【0081】
ハイブリダイゼーション:被験および参照のゲノムDNAを、それぞれ、蛍光dCTPおよびテキサス・レッドdCTPでニック翻訳により標識化した。200〜400 ngの各々を50μgのCot-I DNA と混合し、エタノール沈降させた。いくつかの商用調製物の吸収測定値はそれらが含有する有効DNAの濃度を過大評価するので、Cot-I DNA の量は蛍光測定的決定に基づいた。このDNAを10μlのハイブリダイゼーション混合物中に溶解して、50%のホルムアミド/10%のデキストラン硫酸/2 ×SSC/2 %のSDS および100μgのtRNAの最終組成を達成した。DNAを70℃において5分間変性し、37℃において数時間インキュベートして、反復配列をブロッキングした。
【0082】
列の周囲の回りの約1cm2 を包むウェルに再アソシエートしたハイブリダイゼーション混合物(10μl/cm2 の表面)を充填し、密閉した管(蒸発を防止するためにプローブを含まない100μlのハイブリダイゼーション溶液を含有する)の中に37℃において16〜60時間ゆっくり揺動しながら列を入れて、列の上にハイブリダイゼーション混合物を活性的に輸送させた。ハイブリダイゼーション後、スライドを50%のホルムアミド/2 ×SSC 中の45℃において10分間洗浄し、次いで0.05%のNP40を含有するリン酸塩緩衝液で洗浄し、列の標的を反対染色するために1μg/mlのDAPIを含有する退色防止溶液を適用し、そしてカバーガラスを所定位置に密閉した。
【0083】
蛍光造影および分析:12ビットのCCDカメラ(Photometrics KAF 1400 チップ)にカップリングした1×の倍率の造影システムを使用して、列の5mm×7mmの領域を蛍光造影した。コンピューター制御のフィルターを装備する水銀アーク灯から供給される励起光を、石英プリズムによりスライドの背面の中にカップリングさせた。列の因子を通過した後、それはカバーガラスの外側表面から全内部反射し、検体を通過し、鏡の中に入り、固定鏡により検体に反射された。多バンドのパスフィルター(P8100 、Chroma Technology 、バーモント州ブラットルボロ)を放射光通路の中に使用した。
【0084】
露出時間はDAPIについて1秒よりも非常に短く、フルオレセインおよびテキサス・レッドについて0.5〜2秒であった。像をカスタムのソフトウェアで分析した。このソフトウェアはDAPI像に基づく列の標的をセグメント化し、局所的バックグラウンドを減じ、そして各標的についてのシグナルのいくつかの特性を計算した。このような特性は、各蛍光色素の全体の強度、フルオレセイン/テキサス・レッドの強度比、および各絵素のためのフルオレセインおよびテキサス・レッドの強度の散乱プロットの勾配を包含する。
【0085】
結果
本明細書において記載する手順は、大部分の臨床検体から容易に入手可能な量の標識化ゲノムDNAを使用して、ゲノムの40 kb、ほぼ105 程度に小さい領域の正確な分析を可能とするために十分な感度を有する。反復配列の対照は十分な信頼性を有するので、ライブラリーから選択される本質的に任意のクローンを標的のために使用することができる。
【0086】
我々の実験において使用した標的DNA、それらが含有するSTS または遺伝子およびそれらの物理的(FISH)地図の位置を第1図に記載する。第1A図は染色体20に沿ったそれらの分布を図解する。P1クローンは番号により記載され、そして大部分は分子細胞遺伝学源(Resource for Cytogenetics )(http:www/rmc-www.lbl.gov)を通して入手可能である。RMC20P154 の場合において、クローン、RMC20P153 、は同一STSを含有し、RMCから入手可能である。コピー数の増加の3つの既知の領域を検出するために選択したクローン(ここでA1、A3、およびA4と呼ぶ)、ならびに全体の染色体のほぼ3Mbの分解の走査を提供するように設計された追加のクローンを列の中に含めた。
【0087】
少量のニトロセルロースおよび抽出を含有するDMSO中に各標的についてのDNAを溶解し、前述したように、ガラス毛管を使用してアミノ−シラン被覆石英または溶融シリカの顕微鏡スライド上に付着させた。溶液の中に少量のニトロセルロースを添加すると、スポットの中に保持されるハイブリダイゼーション可能な標的DNAの量が実質的に増加し、これによりシグナルの強度が増加し、こうして感度が増強された。
【0088】
各標的DNAから、四重反復実験の150〜300 μmの直径のスポットを作った。200〜400 ngの各参照ゲノムDNAを、それぞれ、フルオレセインおよびテキサス・レッドで、50 μgのCot-I DNAと一緒に標識して反復配列をブロックし、16〜72時間ハイブリダイゼーションさせた。1×の倍率の造影システムを使用して、蛍光色素の各々のCCDカメラの像を獲得した。各標的クローンについてのスポットのすべてについての比を平均した。
【0089】
【表1】
【0090】
変化する量のラムダDNA、長さ50 kbでスパイクされた全ヒトゲノムDNAの200 ngを含有する人工的被験および参照ゲノムを、ラムダ標的を含有する列にハイブリダイズさせることによって、我々の測定の定量能力を評価した。これはヒトコスミドクローンから作られた標的の挙動をほぼシミュレートする。比は単一のコピー同等物のレベル3pgから少なくとも2つの103 より高いファクターまでの動力学的範囲にわたってコピー数の比に正確に比例した。これらの結果が示すように、二本鎖プローブのフラグメントのアソシエーションおよび非特異的結合のようなプロセスはアッセイの線形性に有意に影響を与えない。
【0091】
2つの研究が示すように、定量的性能は、また、ヒトゲノムのクローンから作られた標的について得られるが、反復配列の抑制は追加のチャレンジを提示した。第1に、正常の雄および雌のヒトゲノムを比較した、第1B図。各比較ハイブリダイゼーションにおける比を正規化し、染色体20上の標的の平均が1.0であるようにした。ほとんどすべては平均の20%以内であることに注意すべきである。こうして、この範囲外の比は有意なコピー数の差を示すようである。この研究において、X染色体の標的は0.65±0.05の比を有し、二倍体ゲノムにおける単一のコピーの変化を検出する能力を証明した。0.5の期待した値からのこの結果の差は大部分が反復配列の不完全な抑制のためであると思われるが、前述のファクターもまた寄与することがある。
【0092】
第2の研究において、乳癌の細胞系統BT474 における染色体20上のコピー数の変動の整列CGH 測定値をFISHにより得られた以前に発表されたデータと比較した(第1C図)。2つの研究について異なる組のクローンを使用したので、同一位置における直接的比較を行うことができなかったが、2組の測定値はこれらの技術について期待された±20%の不確実性の範囲内で一般にきわめてよく一致する。例えば、pアームに関して画分長さ(FLpter)−0.8における最高のピークの比は列の測定値において約10.5であり、そしてFISHで−9であった。データ点を接続する線はアイガイド(eye guide )のみであり、そして測定を行った点の間の位置においてコピー数についての情報を含まない。こうして、コピー数変化の他の独立の領域を明らかにすることができるか、あるいはより高い分解能を使用すべき場合、ピークの位置は多少の変化することがある。
【0093】
USCF乳癌SPORE から得られた、5つの乳房腫瘍(S-50、S-6、S-21、S-59およびS-234)を、第1D図および第1E図および第2図に示す。比のすべてを正規化し、染色体20p上の平均の比1.0であるようにした。これらの検体の中に存在した、反復コピー数の増加の5領域の位置、A1〜A5、および減少の1つ、D1を示す。領域A1、A3およびA4は乳癌において以前に記載された。慣用のCGH、FISHおよび染色体の顕顕微解剖を使用する初期の広範な研究において、D1、A2およびA5は検出されていなかった。
【0094】
この研究における腫瘍をA4においてコピー数の増加を有するようにFISHにより選択したので、我々の結果は乳癌におけるこれらの異常性の頻度または振幅の偏りのない分析を表さない。第1D図は細胞系統BT474 からの以前に提示されたデータを腫瘍S-50と比較する。腫瘍はBT474 程度に高いレベルのコピー数の増加を含有し、そしてコピー数の増加の4つの別々の領域が明らかである。A5は乳癌において新しく発見されたコピー数変化の領域を表す。また、それは最近結腸癌においてFISHにより同定された。
【0095】
第1E図は、残りの5つの腫瘍を示し、これらはより低いレベルのコピー数の増加を有する。1つのS-21において、見出された唯一のコピー数変化は選択領域A4に存在した。あ1またはA2においてコピー数の増加は存在しなかったが、3つはA3における増加を有する。これらの2つ、S-59およびS-234は、A3がA4の非常に近くに位置する、別個の、別々に増幅可能な領域であることを証明する。S6は、腫瘍S-50においてまた見られる、最も遠位の増幅された領域A5を含有する。腫瘍の3つS6、S-59およびS-334は、BT474 の中に見出されるコピー数の減少S1を含有した。すべての測定の結果を第2図に要約されており、そして第3A図〜第3F図に示されている。
【0096】
上記実施例は本発明を説明するために提供されたが、本発明の範囲を限定しない。本発明の他の変動は当業者にとって容易に明らかであり、そして添付された請求の範囲の中に包含される。本明細書において引用する、すべての刊行物、特許、および特許出願は引用することによって本明細書の一部とされる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌の遺伝学の分野に関する。さらに詳しくは、本発明は、癌および他の疾患に関連するコピー数の増加または減少の領域の同定に関する。
【背景技術】
【0002】
染色体の異常性は、しばしば遺伝疾患、変性(degenerative)疾患、および癌に関連する。特に、染色体の全体または染色体のセグメントのコピーの欠失または増加、およびゲノムの特定の領域のより高いレベルの増幅は癌において普通に起こる。
【0003】
例えば、下記の文献を参照のこと:Smith et al.、Brest Cancer Res.Treat.18:Suppl.1:5-14(1991 、vande Vijer & Nusse,Biochim.Biophys.Acta、1072:33-50(1991)、Sato et al. 、Cancer Res.50:7184-7189(1990) 。事実、それぞれ、プロトオンコジーンおよび腫瘍サプレッサー遺伝子を含んでなるDNA配列の増加および欠失は、しばしば腫瘍発生の特徴を示す。Dutrillaux et al. 、 Cancer Genet.Cytogenet.48:203-217(1990)。明らかなように、このような領域の同定および関係する遺伝子のクローニングは、腫瘍発生性の研究および癌の診断の開発の双方に対してきわめて重要である。
【0004】
コピー数の増加および減少の染色体領域の検出は、伝統的には、細胞遺伝学により実施されてきている。染色体の中へのDNAの複雑な詰り(pocking) のために、細胞遺伝学的技術の分解能は、ギームザ染色された染色体中のバンドの幅に近似する約10 Mbより大きい領域に制限されてきた。多重転位および他の遺伝的変化を有する複雑な核型において、核型の情報は欠如するか、あるいは解釈することができないので、伝統的細胞発生分析は実用性をほとんどもたない。Teyssier、JR. 、Cancer Genet.Cytogenet.37:103(1989) 。さらに、従来の細胞発生結合分析(cytogenetic banding analysis)は時間を消費し、労力を要し、そしてしばしば困難であるか、あるいは不可能である。
【0005】
より最近において、サザンブロッティングにより染色体中の所定のDNA配列の量を評価するために、クローニングされたプローブが使用されてきている。有用な核型(karyotype) の情報を排除するように、ゲノムが高度に再配列される(rearanged)場合でさえ、この方法は有効である。しかしながら、サザンブロッティングはDNA配列のコピー数の粗い推定を与えるばかりでなく、また染色体内のその配列の存在位置についての情報を与えない。
【0006】
比較的ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)は、増幅/欠失された配列の存在および局在化を同定する、より最近のアプローチである。Kallioniemi et al.、Science 、258:818(1992) 参照。CGHは、サザンブロッティングと同様に、ゲノムの再配列に無関係に、増幅および欠失を明らかにする。さらに、CGHはサザンブロッティングよりもいっそう定量的な推定を提供し、そのうえ、また、正常の染色体中の増幅または欠失された配列の存在位置の情報を提供する。
【発明の概要】
【0007】
発明の要約
本発明は、染色体20上のコピー数変化の新しい領域の同定に関する。これらの領域に対して特異的な核酸は、生物学的試料、例えば、腫瘍細胞から対応する相対的コピー数をモニターするためのプローブまたはプローブの標的として有用である。
【0008】
こうして、1つの態様において、本発明は、下記のFLpter位置についての染色体の変更(例えば、コピー数の増加または減少)を検出する方法を提供する:0.603 、0.646 、および0.675 (すべては減少)、0.694 および0.722 (双方は増加)、および0.867 (増加)。この方法は、核酸試料を、各々が前述の標的領域に選択的に結合する核酸プローブと、前記プローブが標的配列と安定なハイブリダイゼーション複合体を形成する条件下に接触させ、そしてハイブリダイゼーション複合体を検出する、ことを含んでなる。
【0009】
ハイブリダイゼーション複合体を検出する工程は、標的配列のコピー数を決定することを含んでなることができる。プローブは、好ましくは、ストリンジェント条件下に、本明細書において開示するプローブから選択される核酸に特異的ハイブリダイゼーションする核酸を含んでなる。プローブまたは試料の核酸を標識化することができ、より典型的には、蛍光標識化する。試料を標識化する場合、プローブを固体表面上に整列(array) として結合させることができる。
【0010】
本明細書において開示するプローブは、前述のヒト染色体20上の位置における異常な染色体を検出するキットにおいて使用することができる。このキットは、ヒト染色体20上の標的ポリヌクレオチド配列に特異的に結合する標識化核酸プローブを含有する隔室を含む。プローブは、好ましくは、ストリンジェント条件下に、本明細書において開示する核酸から選択される核酸に特異的ハイブリダイゼーションする、少なくとも1つの核酸を含んでなる。このキットは、さらに、染色体20のセントロメアまたは他の参照位置における配列に対して特異的な参照プローブを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aは、本明細書において開示するクローンの染色体20上の物理的地図の位置の分布を示す。
【図1B】図1Bは、乳癌細胞系統(BT474 )および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿ったクローンのコピー数の変動を示す。
【図1C】図1Cは、乳癌細胞系統(BT474 )および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿ったクローンのコピー数の変動を示す。
【0012】
【図1D】図1Dは、乳癌細胞系統(BT474 )および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿ったクローンのコピー数の変動を示す。
【図1E】図1Eは、乳癌細胞系統(BT474 )および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿ったクローンのコピー数の変動を示す。
【図2】図2は、本明細書において開示する領域におけるコピー数の増加および減少の測定値を要約する。
【図3A】図3Aは、本発明において研究したBT474 および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿った個々の軌跡を示す。
【0013】
【図3B】図3Bは、本発明において研究したBT474 および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿った個々の軌跡を示す。
【図3C】図3Cは、本発明において研究したBT474 および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿った個々の軌跡を示す。
【図3D】図3Dは、本発明において研究したBT474 および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿った個々の軌跡を示す。
【図3E】図3Eは、本発明において研究したBT474 および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿った個々の軌跡を示す。
【図3F】図3Fは、本発明において研究したBT474 および5つの乳房腫瘍における染色体20に沿った個々の軌跡を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
「核酸試料」は、本明細書において使用するとき、本発明のプローブに対するハイブリダイゼーションに適当な形態のDNAを含んでなる試料を意味する。核酸は、特定の染色体、または本明細書において開示する特定のアンプリコンまたは欠失内の選択された配列(例えば、特定のプロモーター、遺伝子、増幅または制限フラグメント、cDNA、およびその他)からの全体のゲノムDNA、全体のmRNA、ゲノムDNAまたはmRNAであることができる。核酸試料は特定の細胞または組織から抽出することができる。核酸試料を調製する組織の試料は、典型的には、検出される増加または欠失に関連する疾患を有することが推測される患者から採取される。
【0015】
ある場合において、核酸は、ハイブリダイゼーションの前に、標準的技術、例えば、PCRにより増幅することができる。試料は、サザンまたはドットブロットハイブリダイゼーションおよびその他において使用するための固体表面(例えば、ニトロセルロース)上に固定化された、単離された核酸であることができる。試料はまた、個々の核酸が実質的に無傷のままでありかつ標準的技術に従い調製される間期核(interphase nuclei) を含んでなることができる。「核酸試料」は、また、実質的に無傷の凝縮された(condenced) 染色体(例えば、中期(metaphase) 染色体)を意味することができる。
【0016】
このような凝縮染色体は、in situ ハイブリダイゼーション技術(例えば、FISH)におけるハイブリダイゼーション標的として使用するために適当である。用語「核酸試料」(抽出された核酸または無傷の中期染色体であるかどうかにかかわらず)の特定の使用は、この用語を使用する関係から当業者にとって容易に明らかであろう。例えば、核酸試料は、後述する標準的in situ ハイブリダイゼーション法のために調製された組織または細胞の試料であることができる。試料は、個々の染色体が実質的に無傷のままであり、典型的には中期の広がり(metaphase spreads) または間期核(interphase nuclei) からなるように、標準的技術に従い調製される。
【0017】
「染色体試料」は、本明細書において使用するとき、後述する標準的in situ ハイブリダイゼーション法のために調製された組織または細胞の試料を意味する。試料は、個々の染色体が実質的に無傷のままであり、典型的には中期の広がりまたは間期核からなるように、標準的技術に従い調製される。
【0018】
本明細書において使用するとき、「核酸整列」(nucleic arid array)は、その各々が、プローブの核酸がハイブリダイズする固体表面上に固定化された、1または複数の核酸分子を含んでなる、複数の標的因子である。ある標的因子の標的核酸は、染色体20からのコピー数変化の領域からのものである。標的因子の標的核酸は、例えば、本明細書において開示する特定の遺伝子またはクローンからの配列を含有することができる。他の標的因子は、例えば、参照配列を含有するであろう。種々の寸法の標的因子を、本発明の整列において使用することができる。一般に、より小さい標的因子が好ましい。典型的には、標的因子は約1cmより小さい直径を有するであろう。一般に、因子の大きさは4μm〜約3mm、好ましくは約5μm〜約1mmである。
【0019】
列の標的因子は、固体表面上に異なる密度で配置することができる。標的因子の密度は、因子の数、標識の特質、固体表面、およびその他に依存するであろう。当業者は認識するように、標的因子は異なる長さまたは配列の標的核酸の混合物を含んでなることができる。こうして、例えば、標的因子はDNAのクローニングされた片の2以上のコピーを含有することができ、そして各コピーを異なる長さのフラグメントに破壊することができる。
【0020】
本発明の標的配列の長さおよび複雑性は、本発明にとって決定的ではない。当業者はこれらの因子を調節して、所定のハイブリダイゼーション手順のために最適なハイブリダイゼーションおよびシグナルの産生を提供し、そして異なる遺伝子のゲノムの位置の間の要求される分解能を提供することができる。典型的には、標的配列は約1 kb〜約1 Mb、時には10 kb〜約500 kb、通常約50 kb〜約150 kbの間の複雑性を有するであろう。
【0021】
用語「核酸」は、一本鎖または二本鎖の形態のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよびそれらのポリマーを意味する。特記しない限り、この用語は、参照配列と同様な結合性質を有しかつ天然に存在するヌクレオチドと同様な方法において代謝される、天然のヌクレオチドの既知のアナローグを含有する核酸を包含する。特記しない限り、特定の核酸配列はまた、保存的に修飾された、その変異型(例えば、縮重コドンの置換)および相補的配列ならびに明確に示した配列を暗示的に包含する。
【0022】
記載「に特異的にハイブリダイズする」または「特異的ハイブリダイゼーション」または「に対して特異的にハイブリダイズする」は、特定のヌクレオチド配列が複雑な混合物(例えば、全体の細胞の)DNAまたはRNAの中に存在するとき、ストリンジェント条件下に、特定のヌクレオチド配列に対して核酸分子が優先的に結合、二本鎖形成、またはハイブリダイゼーションすることを意味する。
【0023】
用語「ストリンジェント条件」は、プローブがその標的サブ配列に対して優先的にハイブリダイゼーションし、そして他の配列に対して低い程度にハイブリダイゼーションするか、あるいはまったくハイブリダイゼーションしない、条件を意味する。核酸のハイブリダイゼーション実験、例えば、サザンまたはノザンハイブリダイゼーションの関係において、「ストリンジェントハイブリダイゼーション」および「ストリンジェントハイブリダイゼーションの洗浄条件」は、配列依存的であり、そして異なる環境パラメーター下に異なる。
【0024】
核酸のハイブリダイゼーションに対する広範な指針は、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecuar Biology-Hybridization with Nucleic Acid Probes part I chapter2. Overview of principles of Hybridization and the strategy of nacleic acid probe assay,New York 、の中に見出される。一般に、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、定められたイオン強度およびpHにおいて特定の配列についての融点よりも約5℃だけ低いように(Tm)選択される。Tmは標的配列の50%が好ましく合致したプローブにハイブリダイズする温度(定められたイオン強度およびpH下に)である。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブについてのTmに等しいように選択される。
【0025】
サザンブロットまたはノザンブロットにおいてフィルター上に100より多い相補的残基を有する、相補的核酸のハイブリダイゼーションのためのストリンジェントハイブリダイゼーション条件の例は、標準的ハイブリダイゼーション溶液を使用して42℃であり、ハイブリダイゼーションは一夜実施される。高度にストリンジェントな洗浄条件の例は、0.15MのNaCl、72℃において約15分間である。ストリンジェント洗浄条件の例は、65℃において15分間の0.2×SSCの洗浄である(下記の文献を参照のこと:Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual( 第2 版)Vol.1〜3 、Cold Spring Harbor Laboratory 、Cold Spring Harbor Press、N.Y.、(Sambrook et al.)supra、SSC緩衝液の説明について)。
【0026】
しばしば、高いストリンジェンシイの洗浄を低いストリンジェンシイの洗浄の前に実施して、バックグラウンドのプローブを除去する。例えば、100より多いヌクレオチドの二本鎖について、中程度のストリンジェンシイの洗浄の例は、45℃において15分間の1×SSCである。例えば、100より多いヌクレオチドの二本鎖について、低いストリンジェンシイの洗浄の例は、40℃において15分間の4〜6×SSCである。
【0027】
「単離されたポリヌクレオチド」は、自然にそれに付随する他の汚染物質、例えば、タンパク質、脂質、および他のポリヌクレオチド配列から実質的に分離されたポリヌクレオチドである。この用語は、それらの天然に存在する環境またはクローンのライブラリーから除去または精製されたポリヌクレオチド配列を包含し、そして組換えまたはクローニングされたDNA単離物、および化学的に合成されたアナローグまたは異種系により生物学的に合成されたアナローグを包含する。
【0028】
「サブ配列」は、核酸のより長い配列の一部分からなる核酸の配列を意味する。
「プローブ」または「核酸プローブ」は、本明細書において使用するとき、標的に対するハイブリダイゼーションを検出できる、1または複数の核酸の集合であると定義される。プローブは標識されていないか、あるいは後述するように、標的への結合を検出できるように標識することができる。プローブはゲノムの1または複数の特定の(前もって選択された)部分、例えば、1または複数のクローンからの核酸源、単離された全染色体または染色体フラグメント、あるいはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅産物の集合から産生される。
【0029】
本発明のプローブは、本明細書において記載する領域の中に見出される核酸から産生される。プローブはいくつかの方法において、例えば、反復核酸のブロッキングまたは除去またはユニーク核酸の濃縮によりプロセスすることができる。こうして、「プローブ」という語は、本明細書において、検出可能な核酸ばかりでなく、かつまた、例えば、ブロッキング核酸、およびその他とともに、標的に適用される形態の検出可能な核酸を意味するために使用することができる。ブロッキング核酸は、また、別々に言及することができる。「プローブ」を別々に言及することは、この用語を使用する関係から明らかである。
【0030】
プローブは、また、固体表面(例えば、ニトロセルロース)上に固定化された単離された核酸であることができる。ある態様において、プローブは、例えば、WO96/17958号に記載されているように、核酸整列のメンバーであることができる。高い密度整列を生成することができる技術をこの目的のために使用することもできる(例えば、Fordor et al. 、Science 767-773(1991) および米国特許第5,143,854 号参照)。
「ハイブリダイゼーション」は、相補的塩基対合を介する2つの単一の核酸の結合を意味する。
【0031】
当業者は認識するように、本明細書において記載する特定のプローブの正確な配列をある程度修飾して、開示されるプローブと「実質的に同一」であるが、標的配列に実質的に結合する能力を保持するプローブを産生することができる。このような修飾は、本発明における個々のプローブを参照することによって特別にカバーされる。ポリヌクレオチド配列の用語「実質的同一性」は、標準的パラメーターを使用して後述する方法に従い、参照配列に比較して、ポリヌクレオチドが、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の配列の同一性を有する配列からなることを意味する。
【0032】
2つの核酸試料は、2つの配列中のヌクレオチド配列が、後述するように最大の対応性について整列したとき、同一である場合、「同一」であると言われる。用語「に対して相補的」は、相補的配列が参照ポリヌクレオチド配列のすべてまたは一部分に対して同一であることを意味するために、本明細書において使用される。
【0033】
詳細な説明
本発明は、ヒト染色体20上のコピー数変化の新しい領域を提供する。本明細書において提供されるクローンおよび他の情報を使用して、生物学的試料中のコピー数変化を検出し、これにより疾患、例えば、乳癌の存在についてスクリーニングすることができる。一般に、これらの方法は、標的領域の1または複数の核酸配列と、生物学的試料の中に存在するか又は生物学的試料に由来する核酸とを特異的に結合させるプローブのハイブリダイゼーションを包含する。特定の染色体領域および/または特定のプローブの標的領域の位置は、典型的には、pテロメアからの平均小部分長さ(FLpter)として表される。
【0034】
本明細書において使用するとき、生物学的試料は、染色体の異常性(例えば、増加または欠失)についてスクリーニングしようとする細胞を含有する生物学的組織または流体の試料である。生物学的試料を単離する方法は当業者によく知られており、そして吸引、組織の切片、針のバイオプシー、およびその他を包含するが、これらに限定されない。しばしば、試料は患者から誘導される「臨床的試料」であろう。生物学的試料はまた、組織の切片、例えば、組織学的目的のために採取された凍結切片またはパラフィン切片を包含することができる。認識されるように、用語「試料」はまた、細胞培養からの上清(細胞を含有する)または細胞それら自体、組織培養からの細胞および染色体の異常性を検出しようとする他の培地を包含する。
【0035】
ある態様において、細胞を単細胞の懸濁液または組織調製物として固体の支持体、例えば、ガラススライド上に付着させ、そして細胞の最良の空間的分解能および最適なハイブリダイゼーション効率を提供する固定剤を選択することによって固定して、染色体の試料は調製される。他の態様において、試料を固体表面上に固定化されたプローブの列と接触させる。
【0036】
プローブの製造
コピー数が変更した領域にハイブリダイズするプローブは、対応する領域の検出において使用するために適当である。プローブの製造方法は当業者によく知られている(例えば、下記の文献を参照のこと:Sambrook et al. 、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2 版) 、Vol.1 〜3 、Cold Spring Harbor Laboratory 、(1989)またはCurrent Protocols in Molecular Biology、F.Ausubel et al.、編、Greene Publishing and Wiley-Interscience、New York(1987))。
【0037】
本発明の核酸を製造する戦略が与えられると、当業者は本明細書において開示する特定のプローブに機能的に同等の核酸を含有する種々のベクターおよび核酸のクローンを構築することができる。これらの目的を達成するためのクローニング法、および核酸配列を確認する配列決定法はこの分野においてよく知られている。適当なクローニングおよび配列決定の配列決定の技術の例、および多数のクローニングの学習を指導するために十分な説明は、下記の文献の中に見出される:
【0038】
Berer およびKimmel、Guide to Molecular Cloning Techniques 、Methods in Enzymology Vol.152 、Academic Press,Inc. 、カリフォルニア州サンディエゴ)(Berger);Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning-A Laboratory Manual(第2 版)Vol.1〜3 、Cold Spring Harbor Laboratory 、Cold Spring Harbor Press、N.Y.、(Sambrook); およびCurrent Protocols in Molecular Biology、F.M.Ausubel et al.、Current Protocols 、a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc. およびJohn Wiley & Sons,Inc.、(1994 Supplement)(Ausubel)。生物学的試薬の製造業者および実験装置からの産物の情報はまた、既知の生物学的方法において有用な情報を提供する。
【0039】
このような製造業者は、SIGMA ケミカル・カンパニー(ミゾリー州セントルイス)、R&D システムス(ミネソタ州ミネアポリス)、ファーマシアLKBバイオテクノロジー(Pharmacia LKB Biotechnology )(マリイランド州ガイサースバーグ)、CLONTECHラボラトリーズ・インコーポレーテッド(カリフォルニア州パロアルト)、ケム・ジーンズ・コーポレーション(Chem Genes Corp.)、アルドリッヒ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.)(ウイスコンシン州ミルウォーキー)、グレン・リサーチ・インコーポレーテッド(Geln Research,Inc.)、ギブコBRL ライフ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(GIBCO BRL Life Technologies,Inc.)、(マリイランド州ガイサースバーグ)、フルカ・ケミカ−バイケミカ・アナリティカ(Fluka Chemica-Biocemika Anlytika)(Fluka Chemie AG、スイス国ブヘス)、インビトロゲン(Invitrogen)(カリフォルニア州サンディエゴ)、およびアプライド・バイオシステムス(Applied Biosystems)(フォスターシティー、カリフォルニア州)、ならびにこの分野において知られている多数の他の商業的源を包含する。
【0040】
本発明により提供される核酸試料は、RNA、cDNA、ゲノムDNA、または種々の組合わせのハイブリッドであるかどうかにかかわらず、生物学的源から単離されるか、あるいはin vitroにおいて合成される。本発明の核酸およびベクターは、形質転換またはトランスフェクトされた全細胞、形質転換またはトランスフェクトされた細胞ライゼイト、または部分的に精製されたまたは実質的に純粋な形態で存在する。
【0041】
配列を増幅して核酸を提供するために、または引き続く分析、配列決定またはサブクローニングのための適当なin vitroの増幅技術は既知である。このような増幅法、例えば、ランダムプライミング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、Qβ−レプリカーゼ増幅および他のRNAポリメラーゼ仲介技術(例えば、NASBA )により当業者を方向づけるために十分な技術の例は、下記の文献の中に見出される:
【0042】
Berer 、Sambrook、およびAusubel 、ならびにMullis et al.(1987) 米国特許第4,683,202 号;PCR Protocols A Guide to Methods and Applications(Innis et al. 編)Academic Press,Inc.,カリフォルニア州サンディエゴ(1990)(Innis)(1990年10月1 日)C&EN 36-47;The Journal Of NIH Research(1991)3,81-94(Kwoh et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86,1173;Guatelli et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87,1974;Lomell et al.(1989)J.Clin.Chem.35,1826;Landegren et al.(1988)Science 241,1077-1080;Van Brunt(1990)Biotechnology 8,291-294;Wu およびWallace,(1989)Gene 4,560;Barringer et al.(1990)Gene 89,117, およびSooknanan およびMalck(1995)Biotechnology 13:263-564 。in vitroで増幅した核酸をクローニングする改良された方法は、Wallace et al.、米国特許第5,426,039 号に記載されている。大きい核酸を増幅する改良された方法は、Cheng et al.(1994)Nature 369:684-685およびその中の参考文献の中に要約されている。
【0043】
in vitroの増幅法または遺伝子プローブとして使用するための核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)は、典型的には、BeaucageおよびCaruthers(1981) 、Tetrahedron Letts.、22(20):1859-1862に記載されている固相ホスホルアミダイトトリエステル法に従い、例えば、Needham-VanDevanter et al.(1984)Nucleic Acids Res.12:6159-6168に記載されているように、自動化合成装置を使用して、化学的に合成される。
【0044】
オリゴヌクレオチドの精製は、必要な場合、典型的には、Pearson およびRegnier(1983)J.Chrom.255:137-149に記載されているように、自然アクリルアミドゲルの電気泳動またはアニオン交換HPLCにより実施される。合成オリゴヌクレオチドの技術は、Maxam およびGilbert(1980) 、GrossmanおよびModave (編)Academic Press 、New York、Methods in Enzymology 65:499-560の化学分解法を使用して確認することができる。
【0045】
プローブは、本明細書において開示する1または複数のクローンを組合わせ、標識することによって容易に製造される。使用前に、構築物をフラグメント化して、容易に細胞を貫通し、標的核酸にハイブリダイゼーションする、より小さい核酸フラグメントを提供する。フラグメント化はこの分野において知られている多数の方法の任意のものにより実施することができる。好ましい方法は、制限酵素で処理して分子を選択的に切断するか、あるいはMg+2の存在において核酸を短時間加熱することができる。プローブは好ましくは約50bp〜約2000bp、より好ましくは約100bp 〜約1000bp、最も好ましくは約150bp 〜約500bp の平均フラグメント長さにフラグメント化する。
【0046】
当業者は理解するように、本明細書において提供されるクローンを使用して、日常的方法(例えば、STS含量、サザンまたはノザンブロット)により他のヒトゲノムライブラリーから同一または同様のクローンを同定または単離することができる。
【0047】
核酸の標識化
核酸(プローブまたは試料の核酸)を標識化する方法はこの分野においてよく知られている。好ましい標識化されたプローブは、in situ ハイブリダイゼーションにおいて使用するために適当であるものである。本発明の核酸プローブまたは試料は、ハイブリダイゼーション反応の前に検出可能に標識化することができる。あるいは、ハイブリダイゼーション産物に結合する検出可能な標識を使用することができる。このような検出可能な標識化は、検出可能な物理的または化学的性質を有する任意の物質を包含し、そしてイムノアッセイ分野においてよく開発されてきている。
【0048】
本明細書において使用するとき、「標識」は、分光学、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的手段により検出可能な、任意の組成物である。本発明において有用な標識は、放射線標識(例えば、32P、125I、14C、3H、および35S)、蛍光色素(例えば、フルオレセイン、ローダミン、テキサス(Texas)レッド、およびその他)、電子が密な試薬(例えば、金)、酵素(例えば、ELISAにおいて普通に使用されている)、比色標識(例えば、コロイド状金)、磁気標識(例えば、ダイナビーズ(Dynabeads TM))、およびその他を包含する。直接的に検出されないが、直接的に検出可能な標識を使用して検出されるを標識の例は、ビオチンおよびジオキシゲニンならびにハプテンおよびタンパク質を包含し、前記タンパク質のための標識化抗血清またはモノクローナル抗体が入手可能である。
【0049】
使用する特定の標識は、プローブのin situ ハイブリダイゼーションを妨害するしないかぎり、本発明にとって決定的ではない。しかしながら、蛍光標識で直接的に標識されたプローブ(例えば、フルオレセイン−12−dUTP、テキサス・レッド−5−dUTP、およびその他)は染色体のハイブリダイゼーションのために好ましい。
【0050】
直接的に標識されたプローブは、本明細書において使用するとき、検出可能な標識が結合されたプローブである。直接的標識が既にプローブに結合されているので、プローブを検出可能な標識とアソシエートするための引き続く工程が不必要である。対照的に、間接的標識化プローブは、典型的にはプローブが標的核酸とハイブリダイズした後、検出可能な標識が引き続いて結合される部分を有するものである。
【0051】
さらに、標識はできるだけ低いコピー数で検出可能であり、これによりアッセイの感度を最大に、しかもバックグラウンドより上において検出可能でなくてはならない。最後に、高度に局在化されたシグナルを提供し、これにより染色体に対して染色を物理的にマッピングするとき、高度の空間的分解能を提供する標識を選択しなくてはならない。特に好ましい蛍光標識は、フルオレセイン−12−dUTP、およびテキサス・レッド−5−dUTPを包含する。
【0052】
標識は、この分野において知られている種々の方法でプローブにカップリングすることができる。好ましい態様において、核酸プローブはニック翻訳、PCR、またはランダムプライマーエクステンションにより標識されるであろう(Rigby et al. 、J.Mol.Biol.113:237(1977)またはSambrook et al. 、Molecular Cloning-A Laboratory Manual 、Cold Spring Harbor Laboratory 、Cold Spring Harbor、N.Y.(1985)) 。
【0053】
本明細書において開示する領域の検出
上に説明したように、染色体20中のコピー数変化の検出は、多数の癌の存在および/または予後の指示である。これらは乳癌、前立腺癌、頸部癌、卵巣癌、頭部癌、頸部、および結腸癌を包含するが、これらに限定されない。
【0054】
好ましい態様において、増幅または欠失についてスクリーニングしようとする標的核酸(例えば、染色体試料)に対する本発明のプローブのハイブリダイゼーションにより、コピー数変化を検出する。適当なハイブリダイゼーションのフォーマットは当業者によく知られており、そしてサザンブロット、in situ ハイブリダイゼーションおよび定量的増幅法、例えば、定量的PCRを包含するが、これらに限定されない(例えば、下記の文献を参照のこと:Sambrook、supra 、alloniemi et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89、5321-5325(1992) 、およびPCR Protocols 、A Guide to Methods and Applications 、Innis et al.、Academic Press,Inc. 、N.Y.(1990))。
【0055】
あるいは、標的核酸に対する結合を「被験」核酸と「参照」核酸との間で比較することができる。「被験」核酸の好ましい源は、そのDNAにおいて染色体の異常性を同定しようとする、任意の生物、器官、組織、または細胞の型を包含する。「参照」核酸は典型的には正常細胞からの全ゲノムDNAであり、そして検出しようとする標的であるコピー数変化を含むべきではない。次いで、下記の実施例の節において記載するように、特定の標的配列に対するハイブリダイゼーションを比較する。
【0056】
in situ ハイブリダイゼーション
ある態様において、in situ ハイブリダイゼーションを使用して標的領域を同定する。一般に、in situ ハイブリダイゼーションは下記の主要な工程からなる:(1)分析すべき組織または生物学的構造物を固定する;(2)生物学的構造物をプレハイブリダイゼーション処理して、標的DNAのアクセス可能性を増加し、かつ非特異的結合を減少させる;(3)核酸混合物を生物学的構造物または組織中の核酸に対してハイブリダイゼーションさせる;(4)ハイブリダイゼーション後の洗浄を実施して、ハイブリダイゼーションにおいて結合しない核酸フラグメントを除去する、そして(5)ハイブリダイゼーションした核酸フラグメントを検出する。これらの工程の各々において使用する試薬および使用する条件を、特定の使用に依存して変化させる。
【0057】
ある態様において、反復配列のハイブリダイゼーション能力をブロックすることが必要である。この場合において、このようなハイブリダイゼーションをブロックするための因子として、ヒトゲノムDNAまたはCotI DNAを使用する。好ましい大きさの範囲は、二本鎖の、ニック翻訳された核酸について、約200 bp〜約1000塩基、より好ましくは約400〜約800 bpである。
【0058】
本明細書において開示する特定の用途のためのハイブリダイゼーションプロトコールは、Pinkel et al. 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85:9138-9142(1988)およびEPO 公開No.430,402に記載されている。このようなハイブリダイゼーションプロトコールは、また、Methods in Molecular Biology、Vol.33:In Situ Hybridization Protcols 、K.H.A.Choo編、 Humana Press 、ニュージャージイ州トトワ、(1994)の中に見出すことができる。特に好ましい態様において、Kallioniemi et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 、89:5321-5325(1992)のハイブリダイゼーションプロトコールを使用する。
【0059】
典型的には、2つのプローブを使用し、各々が異なる蛍光色素により標識されている、二重色のFISHを使用することが望ましい。問題の領域にハイブリダイゼーションする試験プローブを1つの色素で標識化し、そして異なる領域(例えば、セントロメア)にハイブリダイゼーションする対照プローブを第2色素で標識化する。問題の染色体の安定な部分にハイブリダイゼーションする核酸は、対照プローブとしてしばしば最も有用である。このようにして、試料各のハイブリダイゼーション効率の間の差を説明することができる。
【0060】
染色体の異常性を検出するFISH法は、ナノグラム量の主題の核酸について実施することができる。パラフィンの埋め込んだ腫瘍の切片、ならびに新鮮なまたは凍結した材料を使用することができる。FISHは制限された材料に適用することができるので、非培養の一次腫瘍から調製した触診調製物を使用することもできる(例えば、Kallioniemi 、A.et al.、Cytogenet.Cell Genet.60:190-193(1992) 参照)。
【0061】
例えば、腫瘍からの小さいバイオプシー組織の試料を触診調製物のために使用することができる(例えば、Kallioniemi 、A.et al.、Cytogenet.Cell Genet.60:190-193(1992) 参照)。吸引バイオプシーから得られた小さい数の細胞または体液(例えば、血液、尿、痰およびその他)中の細胞を分析することもできる。出産前の診断のために、適当な試料は羊水およびその他を包含するであろう。
【0062】
整列(Array)
他のフォーマットにおいて、後述するようにかつWO 96/17958号に記載されているように、核酸試料とハイブリダイズするプローブまたは標的の列を使用する。整列の核酸は、好ましくは、本明細書において開示するコピー数変化の特定の領域から選択された核酸を包含する。典型的には、整列の核酸は、問題の染色体領域に沿った代表的な位置、cDNAライブラリー、およびその他から誘導された核酸分子を包含するであろう。
【0063】
これらの標的核酸は、例えば、ゲノムのクローン、ゲノムのクローンのAlu間PCR生成物、ゲノムのクローンの制限消化物、cDNAクローンおよびその他の比較的長い(典型的には数千の塩基)のフラグメントであることができる。好ましい態様において、列の核酸は問題の特定の領域をスパンするクローンの前もってマッピングされたライブラリーである。列は、後述するように、試料の核酸の単一の集団とともに使用するか、あるいは2つの異なるように標識化された集合とともに使用することができる。
【0064】
種々の固体表面上に核酸を固定化する多数の方法はこの分野において知られている。例えば、固体表面は膜、ガラス、プラスチック、またはビーズであることができる。所望の成分を、非特異的結合を通して共有結合または非共有結合することができる。固体表面上の核酸の固定化をいっそう詳しく後述する。
【0065】
広範な種類の有機および無機のポリマー、ならびに天然および合成の他の物質を固体表面の材料として使用することができる。例示的固体表面は、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ジアゾ化膜(紙またはナイロン)、シリコーン、ポリホルムアルデヒド、セルロース、および酢酸セルロースを包含する。さらに、プラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、およびその他を使用することができる。使用できる他の材料は、紙、セラミック、金属、メタロイド、半導体材料、サーメットまたはその他を包含する。さらに、ゲルを形成する物質を使用することができる。このような材料は、タンパク質(例えば、ゼラチン)、リポ多糖、ケイ酸塩、アガロースおよびポリアクリルアミドを包含する。固体表面が多孔質である場合、種々の孔サイズを系の特質に依存して使用することができる。
【0066】
表面を調製するとき、複数の異なる材料を、特にラミネートとして、使用して、種々の性質を得ることができる。例えば、タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)または高分子の混合物(例えば、デンハルト溶液)を使用して、非特異的結合を回避し、共有結合の複合化を簡素化し、シグナルの検出を増強するなどすることができる。
【0067】
化合物と表面との間の共有結合を望む場合、表面は通常多機能的であるか、あるいは多機能化することができる。表面上に存在しかつ結合のために使用することができる官能基は、カルボン酸、アルデヒド、アミノ基、シアノ基、エチレン基、ヒドロキシル基、メルカプト基およびその他を包含することができる。種々の化合物を種々の表面に結合する方法はよく知られており、そして文献の中に詳細に例示されている。例えば、分子に種々の官能基に導入することによって核酸を固定化する方法は知られている(例えば、Bischoff et al.(1987)Anal.Biochem.164:336-344;Kremsky et al.(1987)Nucleic Acids Res.15:2891-2910)。修飾されたヌクレオチドを含有するPCRプライマーを使用するか、あるいは修飾されたヌクレオチドで酵素的に末端を標識化することによって、修飾されたヌクレオチドを標的上に配置することができる。
【0068】
本発明の核酸列のために膜の支持体(例えば、ニトロセルロース、ナイロン、ポリプロピレン)を使用することは、比較的高い因子密度で標的を配列するマニュアルおよびロボット化方法を使用する技術がよく開発されているので、好都合である。このような膜は一般に入手可能であり、そして膜にハイブリダイゼーションするプロトコールおよび装置はよく知られている。しかしながら、蛍光標識がハイブリダイゼーションに検出に使用される場合、多数の膜材料はかなりの蛍光を放射する。
【0069】
所定のアッセイのフォーマットを最適化するために、膜の型、蛍光色素、励起および放射のバンド、スポットの大きさおよびその他の異なる組合せについての蛍光の検出の感度を決定することができる。さらに、低い蛍光のバックグラウンドは記載されてきている(例えば、Chu et al.(1992)Electrophoresis 13:105-114参照)。
【0070】
候補の膜上の種々の直径のスポットの検出のための感度は、例えば、末端が蛍光的に標識化されたDNAフラグメントの希釈系列をスポットすることによって、容易に決定することができる。次いで、これらのスポットを慣用の蛍光顕微鏡検査により造影する。こうして、蛍光色素と膜との種々の組合せから達成可能な感度、線形性、および動力学的領域を決定することができる。また、既知の相対比における蛍光色素の対の系統的希釈物を分析することによって、検出器および膜の蛍光により許容される動力学的領域にわたり、実際の蛍光色素の比を蛍光の比の測定値が反映する正確度を決定することができる。
【0071】
膜、例えば、ガラス、石英、または小さいビーズよりも、非常に低い蛍光を有する支持体上の列は、非常にいっそうすぐれた感度を達成することができる。例えば、1mmの直径から1μmまでの範囲の種々の大きさの因子を、これらの材料とともに使用することができる。少量の濃縮された標的DNAを含有する、小さい列の膜は、高いコンプレキシティーの比較ハイブリダイゼーションについて使用することができる。
【0072】
なぜなら、各因子について利用可能なプローブの合計量は制限されるからである。こうして、得られるシグナルが高度に局在化されかつ鮮やかであるように、少量の濃縮された標的DNAを含有する小さい列の膜を使用することが好都合である。このような小さい列の膜は、典型的には、104/cm2 より大きい密度を有する列で使用される。1cm2 の領域の定量的蛍光の造影を可能とし、単一の像において多数の膜からデータを獲得することができる、比較的簡単なアプローチは記載された(例えば、Wittrup et al.(1994)Cytometry 16:206-213参照)。
【0073】
支持体、例えば、ガラスまたは溶融シリカは、非常に低い蛍光性の支持体、および高度に効率的なハイブリダイゼーション環境を提供することにおいて、好都合である。ガラスまたは合成溶融シリカに対する標的核酸の共有結合は、多数の既知の技術に従い達成することができる。商業的に入手可能な試薬を使用して、核酸をガラスに好都合にカップリングであることができる。例えば、多数の官能基を有するシラン化ガラスを製造するための材料は商業的に入手可能であるか、あるいは標準的技術に従い製造することができる(例えば、Gait et al.(1984)Oligonucleotide Synthesis::A Practical Approach、 IRL Press、 Washington、 D.C. 参照)。同様に、ガラスよりも少なくとも10倍低い自己蛍光を有する石英のカバーガラスをシラン化することもできる。
【0074】
標的は、また、商業的に入手可能な被覆されたビーズまたは他の表面上に固定化することができる。例えば、ビオチン末端標識化核酸を商業的に入手可能なアビジン被覆ビーズに結合させることができる。また、ストレプトアビジンまたは抗ジゴキシゲニン抗体を、標準的プロトコールに従い、例えば、プロテインAを使用するタンパク質仲介カップリングにより、シラン化ガラススライドに結合させることができる(例えば、Smith et al.(1992)Science 、258:1122-126参照)。標準的技術に従い、ビオチンまたはジゴキシゲニン末端標識化核酸を製造することができる。
【0075】
ビーズに結合された核酸をハイブリダイゼーション混合物の中に懸濁させ、次いでガラス支持体上にそれらを沈着させ、分析のために洗浄することによって、それらに対するハイブリダイゼーションは達成される。あるいは、アビジンのコーティングをもつか、またはもたない常磁性粒子、例えば、酸化第二鉄粒子を使用することができる。
【0076】
1つの特に好ましい態様において、標的因子を表面(例えば、ガラスまたは石英の表面)上にスポッティングする。後述するように、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびニトロセルロースの混合物中に核酸を溶解し、小さい毛管を使用してアミノ−シラン被覆ガラス上に混合物をスポッティングすることによって、標的を作ることができる。
【0077】
他のフォーマット
本発明において、多数のハイブリダイゼーションフォーマットが有用である。例えば、サザンハイブリダイゼーションを使用することができる。サザンブロットにおいて、ゲノムまたはcDNA(典型的にはフラグメント化し、電気泳動ゲル上で分離した)を標的領域に対して特異的なプローブにハイブリダイゼーションさせる。標的領域のプローブからのハイブリダイゼーションシグナルの強度を対照(非増幅)領域に対して向けられたプローブからのシグナルと比較すると、標的核酸の比較コピー数を推定することができる。
【0078】
プローブを含有するキット
本発明は、また、染色体20上の染色体の異常性を検出する診断キットを提供する。好ましい態様において、キットは本明細書において開示する領域に対する1またはそれ以上のプローブを含む。さらに、キットは、ブロッキングプローブと、標的領域の検出においてキットの内容物を使用して方法を記載する取扱説明書とを含むことができる。また、キットは下記の1またはそれ以上を含むことができる:プローブの検出を促進する種々の標識または標識化剤、緩衝液、中期広がり、ウシ血清アルブミン(BSA)および他のブロッキング剤を包含するハイブリダイゼーション試薬、tRNA、SDSスプライシング装置、例えば、細い針、スワブ、アスピレーターおよびその他、陽性および陰性のハイブリダイゼーション対照およびその他。
【実施例】
【0079】
実施例
下記の実施例は本発明の例示であるが、本発明を限定しない。
この実施例において、ハイブリダイゼーション標的として中期染色体の代わりに、マッピングされたDNAクローンの微小列を使用するCGHの新規な実行を記載する。このアプローチは100倍より大きく分解能を改良し、そしてヒトゲノムプロジェクトにより産生された遺伝地図に対して結果を参照する。乳癌における染色体20上のコピー数変化の多位置分析により、このアプローチの力を我々は証明する。コピー数変化の3つの新しい独立の領域が、従来広範に研究されてきた染色体の部分において解明され、そして1つの領域の境界がクローンの長さ内にマッピングされた。
【0080】
方法
整列:標準的手順に従い、クローニングされたDNAを細菌培養物から単離した。10μgの各DNAをエタノール沈降させ、1μlの水中に溶解した。DMSO中に溶解したニトロセルロースフィルター材料の溶液(0.5μg/μl)の4μlを添加し、混合した。この溶液を軽く超音波処理してフラグメントの大きさを数kbに減少させ、こうしてそれが有効なスポッティングに対するストリンジェンシイが高過ぎないようにした。サブナノリットルの各標的溶液を酸清浄したアミノプロピルトリメトキシシランのガラスまたは石英の表面上にガラス毛管により付着させ、空気乾燥した。最終のスポットの直径は150〜250 μmであった。
【0081】
ハイブリダイゼーション:被験および参照のゲノムDNAを、それぞれ、蛍光dCTPおよびテキサス・レッドdCTPでニック翻訳により標識化した。200〜400 ngの各々を50μgのCot-I DNA と混合し、エタノール沈降させた。いくつかの商用調製物の吸収測定値はそれらが含有する有効DNAの濃度を過大評価するので、Cot-I DNA の量は蛍光測定的決定に基づいた。このDNAを10μlのハイブリダイゼーション混合物中に溶解して、50%のホルムアミド/10%のデキストラン硫酸/2 ×SSC/2 %のSDS および100μgのtRNAの最終組成を達成した。DNAを70℃において5分間変性し、37℃において数時間インキュベートして、反復配列をブロッキングした。
【0082】
列の周囲の回りの約1cm2 を包むウェルに再アソシエートしたハイブリダイゼーション混合物(10μl/cm2 の表面)を充填し、密閉した管(蒸発を防止するためにプローブを含まない100μlのハイブリダイゼーション溶液を含有する)の中に37℃において16〜60時間ゆっくり揺動しながら列を入れて、列の上にハイブリダイゼーション混合物を活性的に輸送させた。ハイブリダイゼーション後、スライドを50%のホルムアミド/2 ×SSC 中の45℃において10分間洗浄し、次いで0.05%のNP40を含有するリン酸塩緩衝液で洗浄し、列の標的を反対染色するために1μg/mlのDAPIを含有する退色防止溶液を適用し、そしてカバーガラスを所定位置に密閉した。
【0083】
蛍光造影および分析:12ビットのCCDカメラ(Photometrics KAF 1400 チップ)にカップリングした1×の倍率の造影システムを使用して、列の5mm×7mmの領域を蛍光造影した。コンピューター制御のフィルターを装備する水銀アーク灯から供給される励起光を、石英プリズムによりスライドの背面の中にカップリングさせた。列の因子を通過した後、それはカバーガラスの外側表面から全内部反射し、検体を通過し、鏡の中に入り、固定鏡により検体に反射された。多バンドのパスフィルター(P8100 、Chroma Technology 、バーモント州ブラットルボロ)を放射光通路の中に使用した。
【0084】
露出時間はDAPIについて1秒よりも非常に短く、フルオレセインおよびテキサス・レッドについて0.5〜2秒であった。像をカスタムのソフトウェアで分析した。このソフトウェアはDAPI像に基づく列の標的をセグメント化し、局所的バックグラウンドを減じ、そして各標的についてのシグナルのいくつかの特性を計算した。このような特性は、各蛍光色素の全体の強度、フルオレセイン/テキサス・レッドの強度比、および各絵素のためのフルオレセインおよびテキサス・レッドの強度の散乱プロットの勾配を包含する。
【0085】
結果
本明細書において記載する手順は、大部分の臨床検体から容易に入手可能な量の標識化ゲノムDNAを使用して、ゲノムの40 kb、ほぼ105 程度に小さい領域の正確な分析を可能とするために十分な感度を有する。反復配列の対照は十分な信頼性を有するので、ライブラリーから選択される本質的に任意のクローンを標的のために使用することができる。
【0086】
我々の実験において使用した標的DNA、それらが含有するSTS または遺伝子およびそれらの物理的(FISH)地図の位置を第1図に記載する。第1A図は染色体20に沿ったそれらの分布を図解する。P1クローンは番号により記載され、そして大部分は分子細胞遺伝学源(Resource for Cytogenetics )(http:www/rmc-www.lbl.gov)を通して入手可能である。RMC20P154 の場合において、クローン、RMC20P153 、は同一STSを含有し、RMCから入手可能である。コピー数の増加の3つの既知の領域を検出するために選択したクローン(ここでA1、A3、およびA4と呼ぶ)、ならびに全体の染色体のほぼ3Mbの分解の走査を提供するように設計された追加のクローンを列の中に含めた。
【0087】
少量のニトロセルロースおよび抽出を含有するDMSO中に各標的についてのDNAを溶解し、前述したように、ガラス毛管を使用してアミノ−シラン被覆石英または溶融シリカの顕微鏡スライド上に付着させた。溶液の中に少量のニトロセルロースを添加すると、スポットの中に保持されるハイブリダイゼーション可能な標的DNAの量が実質的に増加し、これによりシグナルの強度が増加し、こうして感度が増強された。
【0088】
各標的DNAから、四重反復実験の150〜300 μmの直径のスポットを作った。200〜400 ngの各参照ゲノムDNAを、それぞれ、フルオレセインおよびテキサス・レッドで、50 μgのCot-I DNAと一緒に標識して反復配列をブロックし、16〜72時間ハイブリダイゼーションさせた。1×の倍率の造影システムを使用して、蛍光色素の各々のCCDカメラの像を獲得した。各標的クローンについてのスポットのすべてについての比を平均した。
【0089】
【表1】
【0090】
変化する量のラムダDNA、長さ50 kbでスパイクされた全ヒトゲノムDNAの200 ngを含有する人工的被験および参照ゲノムを、ラムダ標的を含有する列にハイブリダイズさせることによって、我々の測定の定量能力を評価した。これはヒトコスミドクローンから作られた標的の挙動をほぼシミュレートする。比は単一のコピー同等物のレベル3pgから少なくとも2つの103 より高いファクターまでの動力学的範囲にわたってコピー数の比に正確に比例した。これらの結果が示すように、二本鎖プローブのフラグメントのアソシエーションおよび非特異的結合のようなプロセスはアッセイの線形性に有意に影響を与えない。
【0091】
2つの研究が示すように、定量的性能は、また、ヒトゲノムのクローンから作られた標的について得られるが、反復配列の抑制は追加のチャレンジを提示した。第1に、正常の雄および雌のヒトゲノムを比較した、第1B図。各比較ハイブリダイゼーションにおける比を正規化し、染色体20上の標的の平均が1.0であるようにした。ほとんどすべては平均の20%以内であることに注意すべきである。こうして、この範囲外の比は有意なコピー数の差を示すようである。この研究において、X染色体の標的は0.65±0.05の比を有し、二倍体ゲノムにおける単一のコピーの変化を検出する能力を証明した。0.5の期待した値からのこの結果の差は大部分が反復配列の不完全な抑制のためであると思われるが、前述のファクターもまた寄与することがある。
【0092】
第2の研究において、乳癌の細胞系統BT474 における染色体20上のコピー数の変動の整列CGH 測定値をFISHにより得られた以前に発表されたデータと比較した(第1C図)。2つの研究について異なる組のクローンを使用したので、同一位置における直接的比較を行うことができなかったが、2組の測定値はこれらの技術について期待された±20%の不確実性の範囲内で一般にきわめてよく一致する。例えば、pアームに関して画分長さ(FLpter)−0.8における最高のピークの比は列の測定値において約10.5であり、そしてFISHで−9であった。データ点を接続する線はアイガイド(eye guide )のみであり、そして測定を行った点の間の位置においてコピー数についての情報を含まない。こうして、コピー数変化の他の独立の領域を明らかにすることができるか、あるいはより高い分解能を使用すべき場合、ピークの位置は多少の変化することがある。
【0093】
USCF乳癌SPORE から得られた、5つの乳房腫瘍(S-50、S-6、S-21、S-59およびS-234)を、第1D図および第1E図および第2図に示す。比のすべてを正規化し、染色体20p上の平均の比1.0であるようにした。これらの検体の中に存在した、反復コピー数の増加の5領域の位置、A1〜A5、および減少の1つ、D1を示す。領域A1、A3およびA4は乳癌において以前に記載された。慣用のCGH、FISHおよび染色体の顕顕微解剖を使用する初期の広範な研究において、D1、A2およびA5は検出されていなかった。
【0094】
この研究における腫瘍をA4においてコピー数の増加を有するようにFISHにより選択したので、我々の結果は乳癌におけるこれらの異常性の頻度または振幅の偏りのない分析を表さない。第1D図は細胞系統BT474 からの以前に提示されたデータを腫瘍S-50と比較する。腫瘍はBT474 程度に高いレベルのコピー数の増加を含有し、そしてコピー数の増加の4つの別々の領域が明らかである。A5は乳癌において新しく発見されたコピー数変化の領域を表す。また、それは最近結腸癌においてFISHにより同定された。
【0095】
第1E図は、残りの5つの腫瘍を示し、これらはより低いレベルのコピー数の増加を有する。1つのS-21において、見出された唯一のコピー数変化は選択領域A4に存在した。あ1またはA2においてコピー数の増加は存在しなかったが、3つはA3における増加を有する。これらの2つ、S-59およびS-234は、A3がA4の非常に近くに位置する、別個の、別々に増幅可能な領域であることを証明する。S6は、腫瘍S-50においてまた見られる、最も遠位の増幅された領域A5を含有する。腫瘍の3つS6、S-59およびS-334は、BT474 の中に見出されるコピー数の減少S1を含有した。すべての測定の結果を第2図に要約されており、そして第3A図〜第3F図に示されている。
【0096】
上記実施例は本発明を説明するために提供されたが、本発明の範囲を限定しない。本発明の他の変動は当業者にとって容易に明らかであり、そして添付された請求の範囲の中に包含される。本明細書において引用する、すべての刊行物、特許、および特許出願は引用することによって本明細書の一部とされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中のコピー数が乳癌細胞中で変更される領域であって染色体20上のFlpter0.646 、0.675 、0.694 、0.772 または0.867 から成る群より選択される領域上の標的ポリヌクレオチド配列に選択的に結合するプローブと、ヒト患者からの核酸試料とを、前記プローブが標的ポリヌクレオチド配列と選択的に結合して安定なハイブリダイゼーション複合体を形成する条件下に接触させ;そして
ハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する;
ことを含んでなる、試料中の乳癌の存在をスクリーニングする方法。
【請求項2】
ハイブリダイゼーション複合体を検出する工程が標的配列のコピー数を決定することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プローブがジゴキシゲニンまたはビオチンで標識化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
蛍光標識を検出することによって、ハイブリダイゼーション複合体を検出する工程を実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
蛍光標識がFICTまたはテキサス(Texas)レッドである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
試料が組織の切片である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
試料が中期細胞を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
試料が間期細胞を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
試料の核酸が被験細胞および参照細胞からの試料である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
プローブが核酸整列のメンバーである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
プローブが、RMC20P153 、RMC20P058 、RMC20P131 、RMC20P100 、およびRMC20P073 から成る群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前立腺癌と相関する染色体の領域中の標的ポリヌクレオチド配列に選択的に結合する核酸プローブを含有する隔室を有し、前記プローブが染色体20上のFlpter0.603 、0.646 、0.675 、0.694 、0.722 または0.867 から成る群より選択される標的ポリヌクレオチド配列に選択的に結合する、乳癌と相関する染色体の異常を検出するキット。
【請求項1】
その中のコピー数が乳癌細胞中で変更される領域であって染色体20上のFlpter0.646 、0.675 、0.694 、0.772 または0.867 から成る群より選択される領域上の標的ポリヌクレオチド配列に選択的に結合するプローブと、ヒト患者からの核酸試料とを、前記プローブが標的ポリヌクレオチド配列と選択的に結合して安定なハイブリダイゼーション複合体を形成する条件下に接触させ;そして
ハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する;
ことを含んでなる、試料中の乳癌の存在をスクリーニングする方法。
【請求項2】
ハイブリダイゼーション複合体を検出する工程が標的配列のコピー数を決定することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プローブがジゴキシゲニンまたはビオチンで標識化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
蛍光標識を検出することによって、ハイブリダイゼーション複合体を検出する工程を実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
蛍光標識がFICTまたはテキサス(Texas)レッドである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
試料が組織の切片である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
試料が中期細胞を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
試料が間期細胞を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
試料の核酸が被験細胞および参照細胞からの試料である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
プローブが核酸整列のメンバーである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
プローブが、RMC20P153 、RMC20P058 、RMC20P131 、RMC20P100 、およびRMC20P073 から成る群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前立腺癌と相関する染色体の領域中の標的ポリヌクレオチド配列に選択的に結合する核酸プローブを含有する隔室を有し、前記プローブが染色体20上のFlpter0.603 、0.646 、0.675 、0.694 、0.722 または0.867 から成る群より選択される標的ポリヌクレオチド配列に選択的に結合する、乳癌と相関する染色体の異常を検出するキット。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【公開番号】特開2010−200758(P2010−200758A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−110458(P2010−110458)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【分割の表示】特願2008−270731(P2008−270731)の分割
【原出願日】平成10年8月5日(1998.8.5)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110458(P2010−110458)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【分割の表示】特願2008−270731(P2008−270731)の分割
【原出願日】平成10年8月5日(1998.8.5)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】
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