説明

疾患のグルコセレブロシド処理

本発明は、哺乳類の対象における免疫介在性もしくは免疫関連性の疾患または障害、感染症、代謝障害および癌の治療方法を提供する。本方法は、自然発生的な哺乳類の中間代謝物またはT細胞受容体リガンド、好ましくはグルコシルセラミドの哺乳類の対象に対する投与を含む。好ましい実施形態では、かかる哺乳類の対象はヒトである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願に対する参照
本願明細書は「中間代謝物レベルの操作による免疫応答の調節(Regulation of Immune Responses by Manipulation of Intermediary Metabolite Levels)」という名称のもとで、2003年2月27日付けで出願された米国特許出願第10/375906号明細書の一部継続出願である。当該特許出願の内容は、参照により本明細書に全体にわたって援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、哺乳類の対象における免疫介在性もしくは免疫関連性の疾患または障害、感染症、代謝障害および癌の処理における自然発生的な哺乳類の中間代謝物またはT細胞受容体リガンド、好ましくはグルコセレブロシドの利用に関する。
【0003】
本発明に関連する最先端技術をより十分に記載するため、すべての特許、特許出願、特許公報、科学論文などが参照により本明細書に全体にわたって援用される。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
哺乳類の対象における免疫関連性もしくは免疫介在性の障害または疾患、感染症、代謝障害および種々のタイプの癌の処理において様々な方法が説明されている。これらの方法の1つは、対象における免疫応答の調節に関与する。これは選択的免疫ダウンレギュレーション(SIDR)と称される、新しく想定外の免疫調節をもたらしかつ適用するための手順または手順の組み合わせを用いた免疫応答系のダウンレギュレーションを含む。免疫学的な調節とは、試薬、手順および方法の導入に応答する対象の免疫系において人為的に誘発された変異である。これらの手順は、1997年2月28日付けで出願された米国特許出願第08/808629号明細書、2003年3月4日付けで出願された米国特許出願第10/377628号明細書、2003年3月4日付けで出願された米国特許出願第10/377603号明細書、1997年2月28日付けで出願された米国特許出願第09/447704号明細書、2001年5月9日付けで出願された米国特許出願第10/385440号明細書、ならびに1999年7月16日付けで出願された米国特許出願第09/356294号明細書において詳細に説明されている。上記特許のそれぞれは、本特許出願において参照により全体にわたって援用され、さらに本発明と関連して利用されうる。
【0005】
他の方法は、種々の疾患の治療において教育または処理された細胞の利用法を説明する。具体的には、同方法は抗炎症性もしくは前炎症性サイトカイン産生細胞に対してTh1/Th2バランスの調節をもたらす、対象におけるNKT細胞集団の操作を意図している。これらの発明の詳細な記載は、2003年6月25日付けで出願されたヤロン イアン(Yaron llan)らによる「教育されたNKT細胞および免疫関連性障害の処理におけるそれらの利用(Educated NKT Cells and Their Uses in the Treatment of Immune−Related Disorders)」という名称の米国特許出願(出願番号はまだ割り当てられていない)、2001年12月24日付けで出願された国際特許出願第PCT/IL01/01197号明細書、および2003年2月27日付けで出願された米国特許出願第10/375906号明細書において開示されている。上記特許のそれぞれは、本特許出願において参照により全体にわたって援用され、さらに本発明と関連して利用されうる。
【0006】
本発明は、哺乳類の対象、および好ましくはヒト対象における免疫関連性もしくは免疫介在性の障害または疾患、感染症、代謝障害および種々のタイプの癌の処理のための新たな方法を提供する。この方法は、中間代謝物またはT細胞受容体リガンドの対象に対する投与に関与する。本明細書において開示される他の方法は、本明細書において参照によって援用される先行する特許出願において記載される他の手順とともにこの投与工程を利用する。これらの方法は、さらに下記に詳細に説明される。
【0007】
中間代謝物またはT細胞受容体リガンドは、疾患の治療のために本発明において用いられる。中間代謝物またはT細胞受容体リガンドは、脂質または複合生体分子(conjugated biomolecule)を含む場合がある。ここで複合生体分子は、抗体、サイトカイン、またはホルモン以外の糖脂質、リポタンパク質、アポリポタンパク質、または糖タンパク質を順に含む場合がある。糖脂質は単糖類セラミドを含む場合がある。単糖類セラミドは、グルコシルセラミドまたはガラクトシルセラミドを含む場合がある。
【0008】
グルコシルセラミドは、グルコースが付着するセラミドからなる自然発生的な糖脂質である。スフィンゴシンおよび脂肪酸であるセラミドは、すべてのスフィンゴ脂質に共通の構造単位である。スフィンゴ脂質は種々の細胞機能を有する。これらは膜構造的役割および細胞シグナル伝達への関与を含む(スラード(Sullard)ら、2000 Journal of Mass Spectrometry 35:347−353頁)。グルコシルセラミドは、2つの分子に共に付着する酵素グルコシルセラミドシンターゼによって生成される(図1および図2参照)。グルコシルセラミドの例として、グルコセレブロシド、またはグルコセレブロシド類似体もしくは誘導体が挙げられる。
【0009】
遺伝的疾患であるゴーシェ病は、グルコシルセラミドの蓄積によって特徴づけられる。適切な酵素療法によるこの障害の処理において、余分のグルコシルセラミドが分解される。この処理では2つの副作用が注目されている。この処理の過程において、C型肝炎ウイルス感染症に付随する慢性活動性肝炎が悪化した。さらに、特定の患者(前糖尿病状態を有する)がII型糖尿病の発症を示唆する糖尿病状態の発生を経験した。これらの観察により、ヒト対象においてグルコシルセラミドの濃度が免疫介在性もしくは免疫調節性の障害または疾患の発症を調節することがさらに直接に確認される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
本発明は、哺乳類の対象における免疫介在性もしくは免疫関連性の疾患または障害、感染症、代謝障害および癌の処理における自然発生的な哺乳類の中間代謝物またはT細胞受容体リガンドの利用に関する。好ましい実施形態では、かかる哺乳類の対象はヒトである。
【0011】
本発明は、哺乳類の対象に有効量の哺乳類の中間代謝物を投与する工程を含む、該対象における疾患を治療するための方法を提供する。
【0012】
本発明は、哺乳類の対象に有効量のT細胞受容体リガンドを投与する工程を含む、該対象における疾患を治療するための方法をさらに提供する。
【0013】
本発明は、哺乳類の対象に有効量のグルコセレブロシドを投与する工程を含む、該対象における疾患を治療するための方法をさらに提供する。
【0014】
本発明の別の態様は、ex vivoにおける哺乳類の対象から得られる細胞の処理または教育を含む、哺乳類の対象における疾患の治療を提供する。該細胞は、有効量の中間代謝物によって処理または教育される。次いで処理または教育された細胞は、該対象に再投与される。
【0015】
本発明の別の態様は、ex vivoにおける哺乳類の対象から得られる細胞の処理または教育を含む、哺乳類の対象における疾患の治療を提供する。該細胞は、有効量のT細胞受容体リガンドで処理または教育される。次いで処理または教育された細胞は、該対象に再投与される。
【0016】
さらに本発明の別の態様は、ex vivoにおける哺乳類の対象から得られる細胞の処理または教育を含む、哺乳類の対象における疾患の治療を提供する。該細胞は、有効量のグルコセレブロシドで処理または教育される。次いで処理または教育された細胞は、該対象に再投与される。
【0017】
本発明は、処理または教育された細胞の哺乳類の対象への再投与および有効量の中間代謝物の該対象への直接投与を含む、該対象における疾患の治療にも関する。
【0018】
本発明は、処理または教育された細胞の哺乳類の対象への再投与および有効量のT細胞受容体リガンドの該対象への直接投与を含む、該対象における疾患の治療を提供する。
【0019】
本発明は、処理または教育された細胞の哺乳類の対象への再投与および有効量のグルコセレブロシドの該対象への直接投与を含む、該対象における疾患の治療にも関する。
【0020】
本発明の極めて多数の他の態様および実施態様が下記にさらに詳細に説明される。
【0021】
本発明は、有効量の中間代謝物の哺乳類の対象への投与によって該対象における疾患を治療するための方法を提供する。中間代謝物として、T細胞受容体リガンド、脂質、極性脂質、複合生体分子、糖脂質、リポタンパク質、アポリポタンパク質、糖タンパク質、単糖類もしくは多糖セラミド、グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミド、グルコセレブロシド、グルコセレブロシド類似体もしくは誘導体、スフィンゴシン、スフィンゴ脂質またはセラミドが挙げられるがこれらに限定されない。本発明の好ましい実施形態では、哺乳類の対象はヒトである。
【0022】
本発明は、調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞が処理される対象または別の対象から得られ、ex vivoにおいて教育または処理されるといった疾患を治療するための方法を記載する。該細胞は、中間代謝物、抗原もしくはエピトープ、および抗原提示細胞、またはこれらの任意の組み合わせの存在によって処理または教育される。次いで処理または教育された細胞は、該対象に再投与される。該細胞は養子免疫伝達によって該対象に投与される場合がある。
【0023】
上で説明したex vivoにおける細胞の処理または教育に関与する方法に加えて、本発明は、ex vivoにおける処理または教育に種々の方法、有効量の中間代謝物、抗原提示細胞、および抗原もしくはエピトープ、または上記の任意の組み合わせによって処理対象の該対象に直接投与する方法を伴う場合の方法も提供する。有効量の中間代謝物、抗原提示細胞、および抗原もしくはエピトープ、または上記の任意の組み合わせの直接投与のみによって疾患が処理される場合もある。
【0024】
疾患の治療において使用するための治療用組成物は、有効量の中間代謝物、抗原提示細胞、および抗原もしくはエピトープ、または上記の任意の組み合わせを含む場合がある。
【0025】
記載される方法のいずれかにおける疾患の治療により、調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞の数もしくは機能において変化がもたらされる。この変化は、細胞の数もしくは機能における減少、阻害、または低下を包含する。この阻害は、CD1d分子由来の活性化因子の競合置換によって引き起こされうる。変化は細胞の数もしくは機能における刺激または増大も含む場合がある。この刺激は、CD1d分子由来の活性化因子の結合の増強によって引き起こされうる。
【0026】
疾患の治療は、サイトカイン応答の変化をもたらす場合もある。免疫系における任意のサイトカインはこれらの応答に関与しうる。同変化は、前炎症性または抗炎症性応答をもたらすことが可能である。特定のサイトカインが上昇すると同時に他のサイトカインが低下することから前炎症性および抗炎症性応答もありうる。
【0027】
疾患の治療における別の結果は、対象における調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞分布の変化である。この変化には末梢/肝内のT細胞比における変化を伴う場合もある。更なる結果が肝内CD8+T細胞捕捉における変化も含む場合がある。肝内捕捉においては増大または低下がありうる。同結果は脾臓内T細胞捕捉における変化も含む場合があり、該変化は増大または低下であることが可能である。
【0028】
本発明では、疾患を治療するために対象に投与される中間代謝物の類似体もしくは誘導体に対する2つのin vitroにおけるスクリーニングアッセイも提供される。第1のアッセイは、in vitroにおいて処理される対象または別の対象由来の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞、抗原提示細胞、および中間代謝物の類似体もしくは誘導体を提供することに関与する。調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞増殖における低下が同定される場合の特異的な類似体もしくは誘導体は、疾患に対する処理である。
【0029】
第2のアッセイは、第1の試験管では調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞およびBSA;第2の試験管では調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞および中間代謝物の類似体もしくは誘導体;第3試験管では調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞、抗原提示細胞およびBSA;ならびに第4の試験管では調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞、抗原提示細胞および中間代謝物の類似体もしくは誘導体を提供することに関与する。最小量の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞増殖が第4の試験管内に認められる場合の特異的な類似体もしくは誘導体は、疾患に対する処理である。
【0030】
本発明を実施するための方法、および得られる結果を支持しさらに説明する実験結果は以下のとおりである。
【実施例】
【0031】
実施例
I.コンカナバリン−A肝炎のグルコセレブロシド処理
材料および方法
試薬
コンカナバリンAをウォーシングトン・バイオケミカル・コーポレーション(Worthington biochemical corporation)、米国から購入した。
【0032】
動物
5群の雄Balb/Cマウス(n=6匹/群)を試験した。
【0033】
血清トランスアミナーゼ測定
自動の市販キット(コダック SMA(Kodak SMA))によって血清ALTおよびAST血漿活性を測定した。
【0034】
肝組織学的検査
肝臓障害の程度を判定するためにすべてのマウス由来の肝臓の組織学的切片を検査した。各マウスにおいて単一の肝区域を10%緩衝化ホルムアルデヒドで固定し、組織学的分析のためにパラフィン包埋した。切片をヘマトキシリン/エオシンで染色し、組織学的評価を行った。
【0035】
サイトカインレベルの測定
すべての群におけるマウスから採血し、14,000rpmで遠心分離した。Genzyme Diagnosticsキット(ジェンザイム・ダイアグノスティックス(Genzyme Diagnostics)、マサチューセッツ州)を用いて「サンドイッチ」ELISAによって血清IFNγ、IL2、IL4、IL10およびIL−12レベルを測定した。
【0036】
脾臓および肝臓リンパ球の単離
上記のように脾細胞を単離し、赤血球を採取した[ビカリ、A.P.(Vicari、A.P.)ら、Immunology Today 17(2):71頁(1996年)]。上記のように試験の最終時点ですべてのマウス群から肝内リンパ球を単離し、一部修飾を加えた[ビカリ(Vicari)ら、(1996年)同上;Bleicher、P.A.ら、Science 250:679−682頁(1990年)]。下大静脈を横隔膜の上方で切断し、肝臓を蒼白色になるまで冷却PBS5mlで洗浄した。結合組織および胆嚢を摘出し、肝臓を冷却した滅菌PBS中の10mlのディッシュ内に置いた。肝臓および脾臓をステンレスメッシュ(サイズ60、シグマ・ケミカル(Sigma Chemical Co.)、セントルイス、ミズーリ州)を介して粉砕した。細胞懸濁液を50mlの試験管内に3分間置いて、冷却PBSで2回洗浄し(10分間、1,250rpm)、そして残渣を除去した。細胞をPBSに再懸濁し、PBSに予浸したナイロンメッシュを介して細胞懸濁液を置き、結合していない細胞を収集した。PBS45mlで細胞を2回洗浄した(室温で1,250rpm)。肝臓および脾臓のリンパ球単離において、histopague 1077(シグマ・ダイアグノスティクス(Sigma Diagnostics)、セントルイス、ミズーリ州)20mlを50mlの試験管内のPBS7mlに懸濁した細胞に下からゆっくりと加えた。試験管を室温で15分間1,640rpmで遠心分離した。界面にある細胞を収集し、50mlの試験管で希釈し、そして氷冷PBSで2回洗浄した(10分間、1,250rpm)。約1×10細胞/マウスの肝臓を回収した。トリパンブルー染色によると、生存率は95%を超えた。すべての実験群におけるすべての動物から脾細胞および肝臓に関連するリンパ球の両方を単離した。
【0037】
末梢血中のNKTリンパ球に対するフローサイトメトリー解析
肝内および脾臓内リンパ球の単離の直後、3通りの2〜5×10細胞/PBS500μlをFalcon2052試験管内に入れて1%BSA4mlとともに10分間インキュベートし、1400rpmで5分間遠心分離した。細胞を抗−NK1.1および抗−CD3抗体(ファーミンジェン(Pharmingen)、米国)とともにFCS10μlに再懸濁し、30分間10分ごとに混合した。細胞を1%BSAで2回洗浄し、読み取るまで4℃で保存した。対照群においては1%BSAを5μlだけ添加した。蛍光活性化セルソーター(FACSTAR plus、ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson))を用いて各群由来の1×10細胞に対して分析的細胞選別(Analytical cell sorting)を行った。生細胞数のみを測定し、非抗体で処理したリンパ球からのバックグラウンド蛍光を得られたレベルから差し引いた。前方および側方散乱に対してゲートを設定することで死細胞および赤血球を除去した。データをConsort30の二色コンタープロットプログラム(ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson)、オックスナード、カリフォルニア州)、またはCELLQuestプログラムで分析した。
【0038】
実施例1
NKT調節リンパ球の阻害によるコンカナバリン−A肝炎のグルコセレブロシドでの改善
コンカナバリン−A(Con−A)に誘発される肝炎に対するグルコセレブロシドの免疫調節効果を評価するため、1群あたりマウス6匹からなる5群のBalb/Cマウスを試験した。A群およびB群を、それぞれCon−A500μgの静脈内投与の2時間前および2時間後に腹腔内においてグルコセレブロシド1μgによって処理した。C群マウスは、Con−Aを500μgだけ受け、グルコセレブロシドを全く受けなかった。D群マウスをグルコセレブロシド1μgを用い、かつCon−Aを全く用いないで処理した。群Eマウスはnaive対照であった。これを表1に要約する。
【0039】
【表1】

【0040】
顕著に低下した血清ASTおよびALTレベルによって図3に示されるように、グルコセレブロシドによる処理はCon−Aに誘発される肝炎を大幅に改善した。A群のALTレベルは57IUであった。B群およびC群のALTレベルは、それぞれ420IUおよび801IUであった。A群のASTレベルは143IUであった。B群およびC群のASTレベルは、それぞれ559IUおよび600IUであった。D群へのグルコセレブロシドの単独投与は、群Eすなわちnaive対照と比べてASTまたはALTレベルにおける大幅な変化を示さなかった。
【0041】
表2に示すように、A群におけるCon−A投与2時間前のグルコセレブロシドによる処理は、ほぼすべての生検において正常な結果をもたらした。B群およびC群マウスは、虚血、壊死およびアポトーシスを呈した。図4に示すように、A群およびB群マウスから調製した肝臓の組織学的切片は、大規模な肝細胞障害および固有のアポトーシスに関連する変化を内在するC群の肝臓から調製した切片と比較すると、障害が顕著に減弱したことを示した。
【0042】
【表2】

【0043】
図5は、グルコセレブロシド処理によって血清IFNγレベルが顕著に低下したことを示す。A群では約3,725pg/mlであり、C群では5,620pg/mlであった。図6は、グルコセレブロシド処理によって血清IL2レベルが上昇したことを示す。ここでA群では約602pg/mlであり、C群では206pg/mlであった。図7に示すように、グルコセレブロシドによって血清IL12レベルも上昇した。ここでA群では約22,250pg/mlであり、C群では10,100pg/mlであった。図8および図9にそれぞれ示すように、グルコセレブロシド処理によって血清IL4およびIL10レベルは低下した。図8によると、A群の血清IL4レベルは約31pg/mlであり、C群では37pg/mlであった。図9によると、A群の血清IL10レベルは約8pg/mlであり、C群では26pg/mlであった。
【0044】
図10に示すように、グルコセレブロシドの免疫介在性肝炎に対する効果は、肝内NKTリンパ球における顕著な低下に関連した。かかる低下は脾臓内NKTリンパ球では生じなかった(図11参照)。
【0045】
図12では、in vitroにおいて様々な成分を含むNKT細胞の増殖を試験した。A群はNKT細胞およびBSAを含んだ;B群はNKT細胞およびグルコセレブロシドを含んだ;C群はNKT細胞、樹状細胞およびBSAを含んだ;ならびにD群はNKT細胞、樹状細胞およびグルコセレブロシドを含んだ。A群からD群にかけて刺激指数は低下した。これはNKT細胞の増殖が全体的に低下したことを示す。グルコセレブロシドおよび樹状細胞の存在は、このNKT細胞における低下にとって必要である。
【0046】
グルコセレブロシドの投与は、Con−A肝炎の大幅な改善をもたらした。この効果はIFNγ応答における顕著な低下を伴った。これらの結果は、グルコセレブロシド効果がCD1d分子由来の活性化因子の競合置換による肝内NKT細胞の阻害に関連する場合があることを示唆している。
【0047】
II.大腸炎のグルコセレブロシド処理
材料および方法
動物
正常な近交系2〜4週齢Balb/c雄マウスをジャクソン・ラボラトリーズ(Jackson Laboratories)、米国から入手し、The Animal Core of the Hadassah−Hebrew University Medical Schoolにおいて維持した。マウスを標準飼料によって維持し、12時間の明/暗サイクルで保存した。
【0048】
大腸炎の誘発
2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)−TNBS1mg/マウスの直腸点滴注入によって大腸炎を誘発し、[コリンズ、C(Collins、C.)ら、Eur.J.Immunol.26:3114−3118頁(1996年)]に記載のように50%エタノール100ml中に溶解した。
【0049】
グルコセレブロシドの実験的大腸炎に対する効果の評価
大腸炎に対する以下のパラメータの監視によってグルコセレブロシドの効果を評価した。
【0050】
大腸炎の臨床評価
試験を通じて毎日下痢を伴った。
【0051】
大腸炎の肉眼的スコア
標準パラメータを用いて大腸炎の誘発後14日目に大腸炎の評価を行った[マセン、K.L.(Madsen、K.L.)ら、Gastroenterology 113:151−159頁(1997年);トロップ、S.(Trop、S.)ら、Hepatology 27:746−755頁(1999年)]。
【0052】
4つの巨視的パラメータを決定した。すなわち、下痢、結腸潰瘍形成;腸および腹膜への接着;および壁肥厚の程度である。
【0053】
2名の熟練した盲検化した試験者によって各パラメータが0(完全に正常)から3(最も重症)までのスケールに基づいて類別された。
【0054】
組織学的病変の類別
炎症の組織学的評価用に、遠位結腸組織(最後の10cm)を摘出し、10%ホルムアルデヒドで固定した。次いで、標準技術を用いることによって各マウス由来の5つのパラフィン切片をヘマトキシリン−エオシンで染色した。腸の顕微鏡的断面上の炎症の程度について半定量的に0から4まで類別した[マセン(Madsen)ら、(1997年)同上;トロップ(Trop)ら、Hepatology 27:746−755頁(1999年)]。グレード0:正常で炎症の兆候を全く伴わない;グレード1:極めて低レベルの白血球浸潤;グレード2:低レベルの白血球浸潤;およびグレード3:高い血管密度を伴う高レベルの浸潤、および腸管壁肥厚;グレード4:杯細胞の欠損、高い血管密度、壁肥厚、および正常な腸管構造の破裂を伴う貫壁性浸潤。2名の熟練した盲検化した試験者によって類別が行われた。
【0055】
脾臓および肝臓リンパ球の単離
上記のように脾細胞を単離し、赤血球を採取した[ビカリ、A.P.(Vicari、A.P.)ら、Immunology Today 17(2):71頁(1996年)]。上記のように試験の最終時点ですべてのマウス群から肝内リンパ球を単離し、一部修飾を加えた[ビカリ(Vicari)ら、(1996年)同上;Bleicher、P.A.ら、Science 250:679−682頁(1990年)]。下大静脈を横隔膜の上方で切断し、肝臓を蒼白色になるまで冷却PBS5mlで洗浄した。結合組織および胆嚢を摘出し、肝臓を冷却した滅菌PBS中の10mlのディッシュ内に置いた。肝臓および脾臓をステンレスメッシュ(サイズ60、シグマ・ケミカル(Sigma Chemical Co.)、セントルイス、ミズーリ州)を介して粉砕した。細胞懸濁液を50mlの試験管内に3分間置いて、冷却PBSで2回洗浄し(10分間、1,250rpm)、そして残渣を除去した。細胞をPBSに再懸濁し、PBSに予浸したナイロンメッシュを介して細胞懸濁液を置き、結合していない細胞を収集した。PBS45mlで細胞を2回洗浄した(室温で1,250rpm)。肝臓および脾臓のリンパ球単離において、histopague 1077(シグマ・ダイアグノスティクス(Sigma Diagnostics)、セントルイス、ミズーリ州)20mlを50mlの試験管内のPBS7mlに懸濁した細胞に下からゆっくりと加えた。試験管を室温で15分間1,640rpmで遠心分離した。界面にある細胞を収集し、50mlの試験管で希釈し、そして氷冷PBSで2回洗浄した(10分間、1,250rpm)。約1×10細胞/マウスの肝臓を回収した。トリパンブルー染色によると、生存率は95%を超えた。すべての実験群におけるすべての動物から脾細胞および肝臓に関連するリンパ球の両方を単離した。
【0056】
NKT、CD4およびCD8マーカーに対する肝内および脾臓内リンパ球のFACS
リンパ球の単離の直後、3通りの2〜5×10細胞/PBS500μlをFalcon2052試験管内に入れて1%BSA4mlとともに10分間インキュベートし、1400rpmで5分間遠心分離した。抗−NK1.1、抗−CD3、抗−CD4および抗−CD−8抗体を用いてリンパ球亜群の分析を行った。細胞を1%BSAで2回洗浄し、読み取るまで4℃で保存した。対照群においては1%BSAを5μlだけ添加した。蛍光活性化セルソーター(FACSTAR plus、ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson))を用いて各群由来の1×10細胞に対して分析的細胞選別を行った。生細胞数のみを測定し、非抗体で処理したリンパ球からのバックグラウンド蛍光を得られたレベルから差し引いた。前方および側方散乱に対してゲートを設定することで死細胞および赤血球を除去した。データをConsort30の二色コンタープロットプログラム(ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson)、オックスナード、カリフォルニア州)、またはCELLQuestプログラムで分析した。
【0057】
サイトカインレベルの測定
すべての群におけるマウスから採血し、14,000rpmで遠心分離した。Genzyme Diagnosticsキット(ジェンザイム・ダイアグノスティックス(Genzyme Diagnostics)、マサチューセッツ州)を用いて「サンドイッチ」ELISAによって血清IFNγ、IL2、IL4、IL10およびIL−12レベルを測定した。
【0058】
実施例1
グルコセレブロシドによる実験的大腸炎の改善
実験的大腸炎のマウスモデルにおけるグルコセレブロシドの免疫調節効果を評価するため、1群あたりマウス10匹からなる4群のBalb/cマウスを試験した。A群およびB群マウスに直腸TNBSを負荷し、C群およびD群に正常生理食塩水を与えた。B群およびD群マウスに1日にグルコセレブロシド1.5μgを9日間にわたって腹腔内に投与した。これを表3にまとめる。
【0059】
【表3】

【0060】
図14に示すように、グルコセレブロシドによる処理は、下痢に対する肉眼的大腸炎スコアにおいて改善を示した。A群のスコアは約0.22であり、B群のスコアは約0.5であった。結腸潰瘍の程度に対するスコアもまた、A群のスコアが約0.11であり、B群のスコアが約0.2であったことから改善した。壁肥厚に対する肉眼的スコアにおいても、A群とB群の両方のスコアがそれぞれ約2.44と約2.56であったことからわずかな改善があった。しかしながら、B群に対し、A群において腸および腹膜への接着が増大し、近似スコアがそれぞれ2.56および1.4であった。
【0061】
図13および図15に示すように、グルコセレブロシドを受けなかったA群は約3.6の最高の顕微鏡的大腸炎スコアを有し、高度の炎症があることを証明した。B、CおよびD群は、事実上生検は正常であった(顕微鏡的スコアの低下)。
【0062】
グルコセレブロシドの投与は、大腸炎の顕著な緩和をもたらした。これはB群マウスと比べてA群マウスでは肉眼的および顕微鏡的大腸炎スコアが大幅に改善したことによって明らかとなった。
【0063】
グルコセレブロシドのC群およびD群マウスに対する効果は、脾臓のCD4/CD8比がそれぞれ3.0および1.89であることを示した。グルコセレブロシドのC群およびD群マウスに対する効果は、肝臓のCD4/CD8比がそれぞれ8.8および3.4であることを示した。C群マウス(naive動物)とD群マウス(グルコセレブロシドで処理した動物)との比率は、それぞれ0.34および0.65であった。これらの結果は、末梢および肝臓におけるNKT細胞の低下および末梢および肝臓におけるCD4/CD8比の低下を示す。したがって、グルコセレブロシドの効果は、肝内CD8の一層の捕捉であった。これらの結果を図16および図17に示す。
【0064】
グルコセレブロシドのA群およびB群マウスに対する効果は、脾臓のCD4/CD8比がそれぞれ1.89および3.33であることを示した。グルコセレブロシドのA群およびB群マウスに対する効果は、肝臓のCD4/CD8比がそれぞれ5.0および5.24であることを示した。A群マウス(グルコセレブロシドで処理していない大腸炎を有する動物)とB群マウス(グルコセレブロシドで処理した大腸炎を有する動物)との比率は、それぞれ0.34および0.65であった。これらの結果は、末梢においてNKT細胞が増加し、かつ肝臓においてNKT細胞が全く変化しなかったことを示す。末梢においてCD4/CD8比の上昇、肝臓においてCD4/CD8比の軽度の上昇があった。これらの結果を図16および図17にも示す。グルコセレブロシド処理は、肝内CD8の一層の捕捉をもたらした。
【0065】
図18は、グルコセレブロシドの血清サイトカインレベルに対する効果を示す。血清IFNγレベルがグルコセレブロシド処理によって上昇した。A群では約8.3pg/mlであり、B群では約27.1pg/mlであった。血清TNFaレベルもグルコセレブロシド処理によって上昇し、A群では約75pg/mlであり、B群では約103.6pg/mlであった。血清IL4レベルもグルコセレブロシドによって上昇し、A群では約5.7pg/mlであり、B群では約9.1pg/mlであった。しかしながら、血清IL10レベルはグルコセレブロシド処理によって低下した。A群の血清IL10レベルは約42.1pg/mlであり、B群では約21.4pg/mlであった。
【0066】
グルコセレブロシド処理による大腸炎の緩和は、肝内CD8T細胞捕捉における顕著な増大に関連した。末梢/肝内のCD4/CD8は、無処理のB群マウスに対するグルコセレブロシドで処理したA群マウスでは85%上昇した。グルコセレブロシドをnaive動物に投与した際に同様の効果を観察した。すなわち、末梢/肝内のCD4/CD8比は、無処理の動物に対するC群のグルコセレブロシドで処理したマウスでは61%上昇した。グルコセレブロシド処理によってnaiveマウスにおける末梢/肝内のNKT細胞比が108%上昇するに至ったのに対し、グルコセレブロシドのTNBS大腸炎に対する有益な効果は同比の相対的低下と関連した。
【0067】
グルコセレブロシド15μgの経口投与によって同一の実験を行った際、同様な結果を得た。表4に示すように、無処理のB群マウスと比べ、A群のグルコセレブロシドで処理したマウスでは、肉眼的および顕微鏡的大腸炎スコアの大幅な改善によって大腸炎の顕著な緩和を呈した。
【0068】
【表4】

【0069】
III.非アルコール性脂肪肝炎のグルコセレブロシド処理
材料および方法
動物
10週齢の雄でレプチンが不足したC57BL/6Jマウスおよび脂肪のないC57BL/6マウスをハーラン・ラボラトリーズ(Harlan laboratories)から購入し、The Animal Core of the Hadassah−Hebrew University Medical Schoolにおいて維持した。マウスに標準飼料を給餌し、12時間明/暗サイクルで保存した。
【0070】
ブドウ糖負荷試験
グルコースの経口投与によって耐糖能を評価した(1g/kg体重)。尾部から採血した血液に対して0'、15'、30'、60'、90'、120'および180'でのグルコースを測定した。Eliteグルコース・テストストリップ(glucose test strip)および血糖計を用いて血糖値を測定した。
【0071】
肝臓における脂肪含量のMRI測定
マウス肝臓内の脂肪の評価/定量において一回の処理で同相および逆相の画像を提供する二重エコー化学シフト傾斜−エコー磁気共鳴イメージング(MRI)シーケンスを用いて肝脂肪含量を測定した。T1で重み付けした逆相MRイメージング技術は、比較的少量の組織脂肪の検出において感度が良い。1.5−Tシステム(シグナ LX;GE(Signa LX;GE)、ミルウォーキー州、米国)を用いてMRIイメージングを実施した。125msecの繰返し時間(TR)、4と6.5msecの二重エコー時間(TE)、および80°のフリップ角で二重エコーMRイメージングを実施した。イメージングパラメータは、3mmの切片厚、13cmの視野、256160マトリックス、およびニーコイル(knee coil)の使用によって得られる1つのシグナルを含んだ。3mmの切片厚があり交差ギャップを全く含まない肝臓レベルで横断像(軸方向)および冠状断像(coronal image)を取得した。前報に記載のように同相および逆相画像の間のSI変化のシグナル強度(SI)測定値の定量評価をコンピュータで算出した(ミッチェル DG(Mitchell DG)ら、Invest.Radiol 26:1041−1052頁(1991年);トモヒロ N(Tomohiro N)ら、Radiology 218:642−646頁(2001年))。SI指数を以下のように算出した。すなわち、SI指数=(SIip−SIop)/SIipで、式中Slipは同相画像上のSIであり、かつSIopは逆相画像上のSIである。SI指数は、同相画像上のSIと比較した場合の逆相画像上のSI欠損部を示す。
【0072】
実施例1
グルコセレブロシドの糖尿病に対する効果
NASHモデルの様々な代謝および免疫成分に対するグルコセレブロシドの効果を評価するために、1群あたりマウス12匹からなる4群のC57blマウスを試験した。表5に示すように、A群およびB群マウスがob/obマウスである一方、C群およびD群マウスは同マウスではなかった。14日間1日おきにA群およびC群マウスの腹腔内にPBS100μl中の1.5μgを注射した。B群およびD群におけるnaive ob/obマウスおよびnaive C57blマウスをそれぞれ無処理のまま放置した。
【0073】
【表5】

【0074】
14日目に、各群からのマウス6匹ずつについてブドウ糖負荷試験を実施した。図19に示すように、グルコセレブロシドで処理したA群マウスは、処理していないnaieve ob/obマウスよりも高い耐糖能を有した。これはグルコセレブロシドの注射がob/obマウスの代謝特性を変化させ、それらの耐糖能結果を改善し、同マウスが糖尿病に罹りにくくなることを示唆する。
【0075】
実施例2
経口投与したグルコセレブロシドのNASHに対する効果
NASHモデルの様々な代謝および免疫成分に対するグルコセレブロシドの効果を評価するため、1群あたりマウス12匹からなる4群のC57blマウスを試験した。表6に示すように、A群およびB群マウスがob/obマウスである一方、C群およびD群マウスは同マウスではなかった。14日間1日おきにA群およびC群マウスの腹腔内にPBS100μl中の1.5μgを注射した。B群およびD群におけるnaieve ob/obマウスおよびnaieve C57blマウスをそれぞれ無処理のまま放置した。
【0076】
【表6】

【0077】
14日目に、各群からのマウス6匹ずつについてブドウ糖負荷試験を実施した。図20に示すように、グルコセレブロシドによって処理したA群マウスは、処理していないnaieve ob/obマウスよりも高い耐糖能を有した。これは経口での免疫調節の誘発を介する免疫調節がob/obマウスの代謝特性を変化させ、それらの耐糖能結果を改善し、同マウスが糖尿病に罹りにくくなることを示唆する。
【0078】
実施例3
グルコセレブロシドの肝脂肪含量に対する効果
NASHモデルの様々な代謝および免疫成分に対するグルコセレブロシドの効果を評価するため、1群あたりマウス12匹からなる4群のC57blマウスを試験した。表7に示すように、A群およびB群マウスがob/obマウスである一方、C群およびD群マウスは同マウスではなかった。14日間1日おきにA群およびC群マウスの腹腔内にPBS100μl中の1.5μgを注射した。B群およびD群におけるnaieve ob/obマウスおよびnaieve C57blマウスをそれぞれ無処理のまま放置した。
【0079】
【表7】

【0080】
肝脂肪含量を測定するため、実験の14日目に4群すべてのマウスに腹部MRIを施した(表8)。肝脂肪含量を測定し、SI指数(IP−OP/IP)として記載した。肝臓の面積によるサイズも測定した。同結果は、グルコセレブロシド処理による肝脂肪含量の減少を示した。グルコセレブロシドで処理したA群マウスのSI指数は、B群のSI指数が0.54であったのに対して0.46であった。グルコセレブロシド処理から肝臓サイズの減少も生じた。グルコセレブロシドで処理したA群マウスの肝臓面積は、B群の肝臓面積が24.2であったのに対して20.14であった。
【0081】
【表8】

【0082】
【表9】

【0083】
これはグルコセレブロシドが感受性哺乳類の肝臓における脂肪蓄積およびNASHの程度において減少をもたらす方法において代謝特性を変化させることを示唆する。
【0084】
IV.メラノーマのグルコセレブロシド処理
材料および方法
動物
4群のC57blマウスを試験した。
【0085】
組織学的検査
肺障害の程度を判定するために、マウス由来の肺の組織学的切片を検査した。組織学的分析のために各マウスにおける単一の肺区域を10%緩衝化ホルムアルデヒドで固定し、パラフィン包埋した。切片をヘマトキシリン/エオシンで染色し組織学的評価を行った。
【0086】
実施例1
グルコセレブロシド処理のメラノーマに対する効果
グルコセレブロシドのメラノーマに対する効果を評価するため、1群あたりマウス8匹からなる4群のC57blマウスを試験した。A群およびB群に1×10細胞のB16メラノーマ細胞系統を皮下投与し、C群およびD群を1×10細胞のB16メラノーマ細胞系統で静脈内に処理することで、メラノーマを誘発した。A群およびC群を毎日グルコセレブロシド1μgで腹腔内に処理し、毎週の最後の2日を省略し、第1週の2日目に開始した。B群およびD群マウスに生理食塩水のみを与えた。これを表9に要約する。
【0087】
【表10】

【0088】
グルコセレブロシドによる処理は、腫瘍サイズを大幅に改善した。腫瘍を除去に引き続き測定した。A群における平均腫瘍重量は1.63+/−0.82gであり、B群における平均腫瘍重量は2.89+/−0.01gであった。図21に腫瘍サイズにおける差異を認めることができる。
【0089】
グルコセレブロシドによる処理は、肺転移における低下も示した。C群およびD群の肺細胞を組織学的分析のために固定した。C群における肺転移の平均数は肺あたり3+/−1で、D群における肺転移の平均数は肺あたり8+/−3であった。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】グルコセレブロシドの化学物質構造を示す。
【図2】グルコシルセラミド合成に対する経路を示す。
【図3】グルコセレブロシドの肝酵素に対する効果を示す。
【図4】マウスから調製された肝臓の組織学的切片を示す。
【図5】グルコセレブロシドの血清IFNγに対する効果を示す。
【図6】グルコセレブロシドの血清IL2に対する効果を示す。
【図7】グルコセレブロシドの血清IL12に対する効果を示す。
【図8】グルコセレブロシドの血清IL−4に対する効果を示す。
【図9】グルコセレブロシドの血清IL10に対する効果を示す。
【図10】肝臓のNKT細胞に対するグルコセレブロシドの効果を示す。
【図11】脾臓のNKT細胞に対するグルコセレブロシドの効果を示す。
【図12】in vitroにおけるNKT細胞増殖に対するグルコセレブロシドの効果を示す。
【図13】マウスから調製された結腸の組織学的切片を示す。
【図14】グルコセレブロシドの肉眼的大腸炎スコアに対する効果を示す。
【図15】グルコセレブロシドの顕微鏡的大腸炎スコアに対する効果を示す。
【図16】グルコセレブロシドの脾臓CD4/CD8比に対する効果を示す。
【図17】グルコセレブロシドの肝臓CD4/CD8比に対する効果を示す。
【図18】グルコセレブロシドの血清サイトカインレベルに対する効果を示す。
【図19】グルコセレブロシド処理におけるブドウ糖負荷試験を示す。
【図20】グルコセレブロシド処理におけるブドウ糖負荷試験を示す。
【図21】グルコセレブロシドの腫瘍サイズに対する効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類の対象に有効量の中間代謝物を投与する工程を含む、前記対象における疾患の治療方法。
【請求項2】
哺乳類の対象に有効量のT細胞リガンドを投与する工程を含む、前記対象における疾患の治療方法。
【請求項3】
その結果が、前記対象の代謝特性の変化を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
その結果が、耐糖能の増大を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
その結果が、肝脂肪含量の低下を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
その結果が、サイトカイン応答の変化を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
疾患を治療するために哺乳類の対象に投与される中間代謝物の類似体または誘導体のin vitroのスクリーニングアッセイであって、
a)in vitroにおいて、
(i)前記対象または別の対象由来の調節性、免疫調節性またはNKT細胞と;
(ii)抗原提示細胞と;
(iii)前記中間代謝物の類似体または誘導体と、を供給する工程と、
b)前記調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞の増殖の低下を同定する工程と、を含むスクリーニングアッセイ。
【請求項8】
疾患を治療するために哺乳類の対象に投与される中間代謝物の類似体または誘導体のin vitroのスクリーニングアッセイであって、
a)in vitroにおいて、
i)第1試験管内の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞と、BSAと;
ii)第2試験管内の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞と、前記中間代謝物の類似体もしくは誘導体と;
iii)第3試験管内の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞と、抗原提示細胞と、BSAと;
iv)調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞と、抗原提示細胞と、前記中間代謝物の類似体もしくは誘導体と、を供給する工程と;
b)前記試験管のそれぞれにおいて調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞増殖量を判定する工程と;
c)前記第4試験管において、調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞増殖の最小量を同定する工程と、を含むスクリーニングアッセイ。
【請求項9】
哺乳類の対象における疾患を治療するための方法であって、
a)調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞を含む細胞を前記対象または別の対象から得る工程と;
b)i)中間代謝物;
ii)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;および
iii)抗原提示細胞;または
iv)上記の任意の組み合わせ、の存在下でex vivoで前記細胞を処理または教育する工程と;
c)前記対象に前記処理または教育を受けた細胞を再投与する工程と、を含む方法。
【請求項10】
哺乳類の対象における疾患を治療するための方法であって、
a)調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞を含む細胞を前記対象または別の対象から得る工程と;
b)i)中間代謝物;
ii)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;および
iii)抗原提示細胞;または
iv)上記の任意の組み合わせ、の存在下でex vivoで前記細胞を処理または教育する工程と;
c)前記対象に前記処理または教育を受けた細胞を再投与する工程と;
d)i)有効量の中間代謝物;
ii)抗原提示細胞;
iii)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;または
iv)上記の任意の組み合わせ
を前記対象に投与する工程と、を含む方法。
【請求項11】
哺乳類の対象における疾患の治療方法であって、
a)有効量の中間代謝物;
b)抗原提示細胞;
c)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;または
d)上記の任意の組み合わせ
を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項12】
哺乳類の対象における疾患の治療のための治療用組成物であって、
a)中間代謝物;
b)抗原提示細胞;
c)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;または
d)上記の任意の組み合わせ、を含む治療用組成物。
【請求項13】
前記中間代謝物が脂質または複合生体分子を含む、請求項1または3〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記中間代謝物が任意の極性脂質を含む、請求項1または3〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記複合生体分子が抗体、サイトカイン、またはホルモン以外の糖脂質、リポタンパク質、アポリポタンパク質、または糖タンパク質を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記糖脂質が単糖類セラミドを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記単糖類セラミドがグルコシルセラミドまたはガラクトシルセラミドを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記グルコシルセラミドがグルコセレブロシドを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記グルコシルセラミドがグルコセレブロシド類似体または誘導体を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記抗原が前記免疫関連性もしくは免疫介在性の障害または疾患を患うドナーから得られる同種抗原、異種抗原、同系抗原、自家抗原、非自家抗原、組換えによって調製された抗原、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項9〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記抗原提示細胞が樹状細胞またはCD1d受容体提示樹状細胞を含む、請求項7〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
T細胞受容体リガンドの類似体または誘導体のin vitroのスクリーニングアッセイであって、
a)in vitroにおいて、
(i)前記対象もしくは別の対象由来の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞と;
(ii)抗原提示細胞と;
(iv)前記T細胞受容体リガンドの類似体または誘導体と、を供給し;
b)前記調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞増殖の低下を同定することを含む、スクリーニングアッセイ。
【請求項23】
疾患を治療するために哺乳類の対象に投与されるT細胞受容体リガンドの類似体もしくは誘導体のin vitroのスクリーニングアッセイであって、
a)in vitroにおいて、
i)第1試験管内の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞およびBSAと;
ii)第2試験管内の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞およびT細胞受容体リガンドの前記類似体もしくは誘導体と;
iii)第3試験管内の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞、抗原提示細胞およびBSAと;
iv)調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞、抗原提示細胞および前記T細胞受容体リガンドの類似体もしくは誘導体と、を供給し;
b)前記試験管のそれぞれにおいて調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞増殖量を判定し;
c)前記第4試験管において調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞増殖の最小量を同定することを含む、スクリーニングアッセイ。
【請求項24】
哺乳類の対象における疾患を治療するための方法であって、
a)調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞を含む細胞を前記対象もしくは別の対象から得る工程と;
b)i)T細胞受容体リガンド;
ii)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;および
iii)抗原提示細胞;または
iv)上記の任意の組み合わせ、の存在下でex vivoで前記細胞を処理または教育する工程と;
c)前記対象に前記処理または教育を受けた細胞を再投与する工程と、を含む方法。
【請求項25】
哺乳類の対象における疾患を治療するための方法であって、
a)調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞を含む細胞を前記対象または別の対象から得る工程と;
b)i)T細胞受容体リガンド;
ii)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;および
iii)抗原提示細胞;または
iv)上記の任意の組み合わせ、の存在下でex vivoで前記細胞を処理または教育する工程と;
c)前記対象に前記処理または教育された細胞を再投与する工程と;
d)i)有効量のT細胞受容体リガンド;
ii)抗原提示細胞;
iii)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;または
iv)上記の任意の組み合わせ、を前記対象に投与する工程と、を含む方法。
【請求項26】
哺乳類の対象における疾患を治療するための方法であって、
a)有効量のT細胞受容体リガンド;
b)抗原提示細胞;
c)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;または
d)上記の任意の組み合わせ、を前記対象に投与する工程を含む方法。
【請求項27】
哺乳類の対象における疾患の治療のための治療用組成物であって、
a)T細胞受容体リガンド;
b)抗原提示細胞;
c)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;あるいは
d)上記の任意の組み合わせ
を含む、治療用組成物。
【請求項28】
前記T細胞受容体リガンドが脂質または複合生体分子を含む、請求項2〜6または22〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記T細胞受容体リガンドが任意の極性脂質を含む、請求項2〜6または22〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記複合生体分子が抗体、サイトカイン、またはホルモン以外の糖脂質、リポタンパク質、アポリポタンパク質、または糖タンパク質を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記糖脂質が単糖類セラミドを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記単糖類セラミドがグルコシルセラミドまたはガラクトシルセラミドを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記グルコシルセラミドがグルコセレブロシドを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記グルコシルセラミドがグルコセレブロシド類似体または誘導体を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記抗原が前記免疫関連性もしくは免疫介在性の障害または疾患を患うドナーから得られる同種抗原、異種抗原、同系抗原、自家抗原、非自家抗原、組換えによって調製された抗原、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項24〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記抗原提示細胞が樹状細胞、またはCD1d受容体を提示する樹状細胞を含む、請求項24〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記投与工程が経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記疾患がCon−A肝炎、任意のタイプのウイルス介在性もしくは免疫薬介在性の肝炎、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、または寄生虫感染症を含む、請求項1〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記ウイルス感染症がHBV、HCVまたはHIVを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記疾患が大腸炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、全身性ループス、骨粗鬆症、非アルコール性脂肪肝炎、糖尿病、耐糖能異常、肥満、代謝症候群、移植片対宿主疾患、多発性硬化症、関節リウマチ、JRA、眼疾患、ブドウ膜炎、皮膚疾患、腎臓疾患、血液疾患、ITP、PA、自己免疫肝疾患、他のリウマチ性疾患、内分泌疾患、脈管炎、強皮症、クレスト、神経疾患、肺疾患、筋炎、耳疾患、重症筋無力症、非HIV AIDS、(全身性)ループスエリテマトーデス、若年性関節リウマチ、特発性血小板減少性紫斑病、レイノー現象、混合性結合組織病、セリアック病、クレスト症候群(皮膚石灰沈着症、レイノー現象、食道機能障害、手指硬化症および毛細血管拡張)あるいは任意の他の免疫関連性もしくは免疫介在性の障害または疾患を含む、請求項1〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記疾患が高脂血症、アテローム性動脈硬化症、原発性肺高血圧症およびすべての他のタイプの高血圧、任意のタイプの虚血性心疾患、喘息、サルコイドーシス、慢性肺疾患、アルツハイマー病、任意のタイプの神経変性疾患、脳血管疾患、または任意の他の代謝障害を含む、請求項1〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記疾患がメラノーマ、任意のタイプの腫瘍性障害、任意の腫瘍成長、悪性もしくは非悪性の、固形腫瘍、非固形腫瘍、肝細胞癌、白血病、リンパ腫、または任意の他のタイプの癌を含む請求項1〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
哺乳類の対象における疾患の治療方法であって、前記対象に有効量の中間代謝物を投与する工程を含み、前記投与の結果が調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞の数または機能の変化を含む、方法。
【請求項44】
哺乳類の対象における疾患の治療方法であって、前記対象に有効量の中間代謝物を投与する工程を含み、前記投与の結果が調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞の数または機能の減少、阻害、あるいは低下を含む、方法。
【請求項45】
哺乳類の対象に有効量の中間代謝物を投与する工程を含む前記対象における疾患の治療方法であって、前記投与の結果が調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞の数または機能の刺激あるいは増大を含む、方法。
【請求項46】
前記調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞が肝内NKT細胞である請求項44または45に記載の方法。
【請求項47】
前記阻害が、前記CD1d分子からの活性化因子の競合置換を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記刺激が、前記CD1d分子からの活性化因子の増強された結合を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記結果が、サイトカイン応答における変化をさらに含む、請求項43、44または45に記載の方法。
【請求項50】
前記サイトカインが、IFNγ、IL2、IL4、IL10、またはIL12を含む請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記サイトカイン応答が、前炎症性、抗炎症性または前炎症性および抗炎症性応答の両方を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記結果が、前記対象の免疫系におけるTh1/Th2バランスの変化をさらに含む、請求項43、44または45に記載の方法。
【請求項53】
哺乳類の対象に有効量の中間代謝物および抗原提示細胞を投与する工程を含む前記対象における疾患の治療方法であって、前記投与の結果が調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞増殖における低下を含む、方法。
【請求項54】
哺乳類の対象に有効量の中間代謝物および抗原提示細胞を投与する工程を含む前記対象における疾患の治療方法であって、前記投与の結果が調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞増殖の増大を含む、方法。
【請求項55】
調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞における変化をもたらす疾患を治療するために哺乳類の対象に投与される中間代謝物の類似体もしくは誘導体に対するin vitroにおけるスクリーニングアッセイであって、
a)in vitroにおいて、
(i)前記対象または別の対象由来の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞と;
(ii)抗原提示細胞と;
(iii)前記中間代謝物の類似体もしくは誘導体と、を提供し;
b)前記調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞増殖における低下を同定することを含む、スクリーニングアッセイ。
【請求項56】
調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞における変化をもたらす疾患を治療するために哺乳類の対象に投与される中間代謝物の類似体もしくは誘導体に対するin vitroにおけるスクリーニングアッセイであって、
a)in vitroにおいて、
i)第1試験管内の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞およびBSAと;
ii)第2試験管内の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞および中間代謝物の前記類似体もしくは誘導体と;
iii)第3試験管内の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞、抗原提示細胞およびBSAと;
iv)調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞、抗原提示細胞および前記中間代謝物の類似体もしくは誘導体と、を提供し;
b)前記試験管のそれぞれにおいて調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞の増殖量を判定し;
c)前記第4試験管において調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞増殖の最小量を同定することを含む、スクリーニングアッセイ。
【請求項57】
哺乳類の対象における疾患を治療するための方法であって、
a)調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞を含む細胞を前記対象もしくは別の対象から得る工程と;
b)i)中間代謝物;
ii)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;および
iii)抗原提示細胞;または
iv)上記の任意の組み合わせ
の存在下でex vivoにおいて前記細胞を処理または教育する工程と;
c)前記対象に前記処理または教育された細胞を再投与する工程と、を含み、前記投与の結果が前記細胞の数における変化を含む、方法。
【請求項58】
哺乳類の対象における疾患を治療するための方法であって、
a)調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞を含む細胞を前記対象もしくは別の対象から得る工程と;
b)i)中間代謝物;
ii)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;および
iii)抗原提示細胞;または
iv)上記の任意の組み合わせ
の存在下でex vivoにおいて前記細胞を処理または教育する工程と;
c)前記対象に前記処理または教育された細胞を再投与する工程と;
d)i)有効量のT細胞受容体リガンド;
ii)抗原提示細胞;
iii)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;あるいは
iv)上記の任意の組み合わせ
を前記対象に投与する工程と、を含み、
e)前記投与の結果が調節性細胞、免疫調節性細胞もしくはNKT細胞の数における変化を含む、方法。
【請求項59】
哺乳類の対象における疾患の治療方法であって、
a)有効量の中間代謝物;
b)抗原提示細胞;
c)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;あるいは
d)上記の任意の組み合わせ
を前記対象に投与する工程を含み、
e)前記投与の結果が調節性細胞、免疫調節性細胞もしくはNKT細胞の数における変化を含む、方法。
【請求項60】
哺乳類の対象の免疫系において少なくとも1つの成分を調節するかまたは変化させるように前記対象に有効量の中間代謝物を投与する工程を含む、前記対象における疾患を治療するための方法。
【請求項61】
哺乳類の対象における疾患の治療のための治療用組成物であって、
a)中間代謝物と;
b)抗原提示細胞と;
c)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ;または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープと;
d)上記の任意の組み合わせと、を含む前記組成物の投与が調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞の数における変化をもたらす、治療用組成物。
【請求項62】
前記結果が前記細胞の数もしくは機能における減少、阻害、または低下を含む請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
前記結果が前記細胞の数もしくは機能における刺激または増大を含む請求項61に記載の組成物。
【請求項64】
疾患を患う哺乳類の対象において調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞を操作するための組成物の製造における中間代謝物の利用。
【請求項65】
前記操作が、前記細胞の数もしくは機能における変化を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記変化が、前記細胞の数もしくは機能における減少、阻害、または低下を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記変化が、前記細胞の数もしくは機能における刺激または増大を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記中間代謝物が、脂質または複合生体分子を含む、請求項43〜67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記中間代謝物が任意の極性脂質を含む、請求項43〜67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記複合生体分子が、抗体、サイトカイン、またはホルモン以外の糖脂質、リポタンパク質、アポリポタンパク質、または糖タンパク質を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記糖脂質が単糖類セラミドを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記単糖類セラミドがグルコシルセラミドまたはガラクトシルセラミドを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記グルコシルセラミドがグルコセレブロシドを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記グルコシルセラミドがグルコセレブロシド類似体もしくは誘導体を含む、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記抗原が前記免疫関連性もしくは免疫介在性の障害または疾患を患うドナーから得られる同種抗原、異種抗原、同系抗原、自家抗原、非自家抗原、組換えによって調製された抗原、あるいはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項57、58、59、61あるいは62に記載の方法。
【請求項76】
前記抗原提示細胞が樹状細胞またはCD1受容体を提示する樹状細胞を含む、請求項55〜62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記疾患がCon−A肝炎である、請求項43〜76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記疾患がウイルス介在性もしくは免疫薬介在性の肝炎、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、または寄生虫感染症の任意のタイプを含む請求項43〜76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記ウイルス感染症がHBV、HCVまたはHIVを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記投与工程が経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項43〜76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
哺乳類の対象に有効量の中間代謝物を投与する工程を含む、前記対象における免疫介在性もしくは免疫関連性の障害または疾患の治療方法であって、前記投与の結果が前記対象における調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞分布の変化を含む、方法。
【請求項82】
哺乳類の対象に有効量の中間代謝物を投与する工程を含む、前記対象における免疫介在性もしくは免疫関連性の障害または疾患の治療方法であって、前記投与の結果が前記対象における調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞分布の変化および/または末梢/肝内のT細胞比における変化を含む、方法。
【請求項83】
前記末梢/肝内のT細胞比における前記変化が前記比における上昇を含む請求項82に記載の方法。
【請求項84】
哺乳類の対象に有効量の中間代謝物を投与する工程を含む、前記対象における免疫介在性もしくは免疫関連性の障害または疾患の治療方法であって、前記投与の結果が前記対象における調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞分布の変化および/または肝内CD8+T細胞捕捉における変化を含む、方法。
【請求項85】
肝内CD8+T細胞捕捉における前記変化が前記捕捉の増大を含む請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞が肝内または脾臓内NKT細胞を含む請求項81〜85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記結果がサイトカイン応答における変化をさらに含む請求項81〜85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記サイトカインがIFNγ、TNFa、IL4、またはIL10を含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記サイトカイン応答が前炎症性、抗炎症性または前炎症性および抗炎症応答の両方を含む、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記結果が前記対象の免疫系におけるTh1/Th2バランスの変化をさらに含む、請求項81〜85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
哺乳類の対象に有効量の中間代謝物および/または抗原提示細胞を投与する工程を含む、前記対象における免疫介在性もしくは免疫調節性の障害または疾患の治療方法であって、前記投与の結果が調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞分布の変化を含む、方法。
【請求項92】
哺乳類の対象に有効量の中間代謝物および/または抗原提示細胞を投与する工程を含む、前記対象における免疫介在性もしくは免疫調節性の障害または疾患の治療方法であって、前記投与の結果が調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞分布の機能の変化を含む、方法。
【請求項93】
調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞分布の変化をもたらす疾患を治療するために哺乳類の対象に投与される中間代謝物の類似体もしくは誘導体に対するin vitroにおけるスクリーニングアッセイであって、
a)in vitroにおいて、
(i)前記対象または別の対象由来の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞と;
(ii)抗原提示細胞と;
(iii)前記中間代謝物の類似体もしくは誘導体と、を提供し;
b)前記調節性、免疫調節性およびNKT細胞増殖における低下を同定することを含む、スクリーニングアッセイ。
【請求項94】
調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞分布の変化をもたらす疾患を治療するために哺乳類の対象に投与される中間代謝物の類似体もしくは誘導体に対するin vitroにおけるスクリーニングアッセイであって、
a)in vitroにおいて、
i)第1試験管内の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞およびBSAと;
ii)第2試験管内の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞および中間代謝物の前記類似体もしくは誘導体と;
iii)第3試験管内の調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞、抗原提示細胞およびBSAと;
iv)調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞、抗原提示細胞および前記中間代謝物の類似体もしくは誘導体と、を提供し;
b)前記試験管のそれぞれにおいて調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞の増殖量を判定し;
c)前記第4試験管において調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞増殖の最小量を同定することを含む、スクリーニングアッセイ。
【請求項95】
哺乳類の対象における疾患を治療するための方法であって、
a)調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞を含む細胞を前記対象もしくは別の対象から得る工程と;
b)i)中間代謝物;
ii)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;および
iii)抗原提示細胞;または
iv)上記の任意の組み合わせ
の存在下でex vivoにおいて前記細胞を処理または教育する工程と;
c)前記対象に前記処理または教育された細胞を再投与する工程と、を含み、前記投与の結果が前記細胞分布における変化を含む、方法。
【請求項96】
哺乳類の対象における疾患を治療するための方法であって、
a)調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞を含む細胞を前記対象もしくは別の対象から得る工程と;
b)i)中間代謝物;
ii)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;および
iii)抗原提示細胞;または
iv)上記の任意の組み合わせ
の存在下でex vivoにおいて前記細胞を処理または教育する工程と;
c)前記対象に前記処理または教育された細胞を再投与する工程と;
d)i)有効量の中間代謝物;
ii)抗原提示細胞;
iii)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;あるいは
iv)上記の任意の組み合わせ
を前記対象に投与する工程と、を含み、
e)前記投与の結果が調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞分布の変化を含む、方法。
【請求項97】
哺乳類の対象における疾患の治療方法であって、前記対象に
a)有効量の中間代謝物;
b)抗原提示細胞;
c)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ、または免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;あるいは
d)上記の任意の組み合わせ
を投与する工程を含み、
e)前記投与の結果が調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞分布の変化を含む、方法。
【請求項98】
哺乳類の対象の免疫系における少なくとも1つの成分を調節するかまたは変化させるように前記対象に有効量の中間代謝物を投与する工程を含む、前記対象における疾患を治療するための方法。
【請求項99】
哺乳類の対象における疾患の治療のための治療用組成物であって、前記組成物の投与が調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞分布の変化をもたらし、前記組成物が
a)中間代謝物;
b)抗原提示細胞;
c)前記疾患に関連する抗原もしくはエピトープ;または前記免疫介在性の炎症応答に関連する抗原もしくはエピトープ;あるいは
d)上記の任意の組み合わせ
を含む、組成物。
【請求項100】
免疫関連性もしくは免疫介在性の障害または疾患を患う哺乳類の対象における調節性細胞、免疫調節性細胞またはNKT細胞の操作のための組成物の製造における中間代謝物の利用。
【請求項101】
前記操作が前記対象における前記細胞の分布の変化を含む請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記中間代謝物が脂質または複合生体分子を含む請求項81〜101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記中間代謝物が極性脂質を含む請求項81〜101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記複合生体分子が抗体、サイトカイン、またはホルモン以外の糖脂質、リポタンパク質、アポリポタンパク質、または糖タンパク質を含む請求項102に記載の方法。
【請求項105】
前記糖脂質が単糖類セラミドを含む請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記単糖類セラミドがグルコシルセラミドまたはガラクトシルセラミドを含む請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記グルコシルセラミドがグルコセレブロシドを含む請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記グルコシルセラミドがグルコセレブロシド類似体もしくは誘導体を含む請求項106に記載の方法。
【請求項109】
前記抗原が前記免疫関連性もしくは免疫介在性の障害または疾患を患うドナーから得られる同種抗原、異種抗原、同系抗原、自家抗原、非自家抗原、組換えによって調製された抗原、あるいはこれらの任意の組み合わせを含む請求項95、96、97または99に記載の方法。
【請求項110】
前記抗原提示細胞が樹状細胞またはCD1d受容体を提示する樹状細胞を含む請求項93、94、95、96、97または99に記載の方法。
【請求項111】
前記免疫介在性または免疫関連性の疾患または障害が大腸炎を含む請求項81〜110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記疾患が炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、全身性ループス、骨粗鬆症、非アルコール性脂肪肝炎、糖尿病、耐糖能異常、肥満、代謝症候群、移植片対宿主疾患、多発性硬化症、関節リウマチ、JRA、眼疾患、ブドウ膜炎、皮膚疾患、腎臓疾患、血液疾患、ITP、PA、自己免疫肝疾患、他のリウマチ性疾患、内分泌疾患、脈管炎、強皮症、クレスト、神経疾患、肺疾患、筋炎、耳疾患、重症筋無力症、非HIV AIDS、(全身性)ループスエリテマトーデス、若年性関節リウマチ、特発性血小板減少性紫斑病、レイノー現象、混合性結合組織病、セリアック病、クレスト症候群(皮膚石灰沈着症、レイノー現象、食道機能障害、手指硬化症および毛細血管拡張)あるいは任意の他の免疫関連性もしくは免疫介在性の障害または疾患を含む請求項81〜110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記投与工程が経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、非経口、経皮、膣内、鼻腔内、粘膜、舌下、局所、直腸もしくは皮下投与、またはこれらの任意の組み合わせを含む請求項81〜110のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公表番号】特表2007−533632(P2007−533632A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533944(P2006−533944)
【出願日】平成16年9月20日(2004.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/030841
【国際公開番号】WO2005/032462
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(500334070)エンゾー セラピューティクス, インコーポレイテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】Enzo Therapeutics, Inc.
【住所又は居所原語表記】C/O Enzo Biochem, Inc., 527 Madison Avenue, 9th Floor, New York, New York 10022, United States of America
【Fターム(参考)】