説明

疾患の処置のためのスルホンアミド誘導体



本発明は、式(1)の化合物、これらの誘導体の製造方法、それらを含有する組成物、およびそれらの使用に関する。本発明化合物は、多くの疾患、障害および状態、特に炎症性、アレルギー性および呼吸器系の疾患、障害および状態に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記一般式のβ2アゴニスト:
【0002】
【化1】

【0003】
(式中、R1、R2、nおよびQ1は後記の意味をもつ)、
ならびにこれらの誘導体の製造方法、これらを含有する組成物、およびそれらの使用に関する。
【0004】
アドレナリン受容体(adrenoceptor)は、大きなGタンパク質共役型受容体スーパーファミリーのメンバーである。アドレナリン受容体サブファミリー自体はαとβのサブファミリーに分けられ、βサブファミリーは少なくとも3つの受容体サブタイプ:β1、β2およびβ3からなる。これらの受容体は、哺乳動物の種々の系および臓器の組織において特異な発現パターンを示す。β2アドレナリン作動性(adrenergic)(β2)受容体は主に平滑筋細胞(たとえば血管、気管支、子宮または腸の平滑筋)に発現し、一方、β3アドレナリン作動性受容体は主に脂肪組織に発現し(したがってβ3アゴニストは肥満症および糖尿病の処置に有用となる可能性がある)、β1アドレナリン作動性受容体は主に心臓組織に発現する(したがってβ1アゴニストは主に強心薬として用いられる)。
【0005】
気道疾患の病態生理および治療については文献中に広く概説されている(参考として、Barnes, P.J. Chest, 1997, 111:2, pp 17S-26S、およびBryan, S.A. et al, Expert Opinion on investigational drugs, 2000, 9:1, pp25-42を参照)ので、本明細書には若干の背景情報を提供するために簡単な概要のみを示す。
【0006】
グルココルチコステロイド、抗ロイコトリエン薬、テオフィリン、クロモン類、抗コリン作動薬およびβ2アゴニストは、アレルギー性および非アレルギー性の気道疾患、たとえば喘息および慢性閉塞性気道疾患(COPD)の治療に現在用いられている薬物クラスを構成する。これらの疾患の治療指針には、短時間作用型および長時間作用型の吸入用β2アゴニストが共に含まれる。短時間作用型の即効性β2アゴニストは”救急”気管支拡張に用いられ、一方、長時間作用型は持続的な軽減をもたらし、維持療法として用いられる。
【0007】
気管支拡張は、気道平滑筋細胞に発現するβ2アドレナリン受容体のアゴニズムにより仲介され、その結果、弛緩が生じ、したがって気管支が拡張する。たとえばβ2アゴニストは、機能アンタゴニストとして、ロイコトリエンD4(LTD4)、アセチルコリン、ブラジキニン、プロスタグランジン、ヒスタミンおよびエンドセリンを含めたあらゆる気管支収縮物質の作用を阻止および反転させることができる。β2受容体は気道に広く分布するので、β2アゴニストは喘息に関係する他のタイプの細胞にも作用する可能性がある。たとえばβ2アゴニストはマスト細胞を安定化しうると報告された。アレルゲン、運動および寒冷により誘発される気管支収縮をβ2アゴニストが遮断する様式は、気管支収縮物質の放出阻害である可能性がある。さらに、β2アゴニストはヒトの気道においてコリン作動性神経伝達を阻害し、その結果、コリン作動性反射性気管支収縮を低下させることができる。
【0008】
β2アドレナリン受容体は、気道のほか他の臓器および組織にも発現することが確認され、したがって本明細書に記載するβ2アゴニストなどは他の疾患の処置にも適用でき、これには神経系疾患、早産、うっ血性心不全、うつ病、炎症性およびアレルギー性の皮膚疾患、乾癬、増殖性皮膚疾患、緑内障、ならびに胃の酸性を低下させることが有利な状態、特に胃潰瘍および消化性潰瘍が含まれるが、これらに限定されない。
【0009】
しかし、多くのβ2アゴニストは選択性が低いため、またはそれらの高い全身曝露により誘発され、気道以外に発現するβ2アドレナリン受容体における作用により主に仲介される有害な副作用(筋振戦、頻脈、動悸、情動不安)のため、それらの使用は制限される。したがってこのクラスの改良された薬剤が求められている。
【0010】
したがって、たとえば力価、薬物動態または作用持続時間に関して適切な薬理学的プロフィールをもつ、新規なβ2アゴニストがなお求められている。この状況で、本発明は新規なβ2アゴニストに関する。
【0011】
多様なスルホンアミド誘導体が既に開示されている。たとえばWO 02066250には、β2よりβ3アゴニストとして有効な次式の化合物が開示されている:
【0012】
【化2】

【0013】
式中、mは2であってよく、R1はH、OHまたはNR5SO2R5(R5はHまたはC1-C6アルキル)であってよく、Zは結合であってよく、R2はHまたはC1-C6アルキルであってよく、R4はC1-C6アルキルであってよく、Bはフェニルであってよく、YはC1-C6アルキルであり、Aはフェニルであってよい。
【0014】
WO 02/000622には、次式のβ3アゴニストが記載されている:
【0015】
【化3】

【0016】
式中、R1はヒドロキシおよびアルキルスルホニルアミノで置換されたフェニルであってよく、X1は結合であってよく、R2は水素であってよく、R3は水素またはヒドロキシアルキルであり、X2はCH2であってよく、X3は結合、OまたはNHであり、R4は環式基である。
【0017】
他のスルホンアミド誘導体がβ3アゴニストとしてUS 5,776,983にも記載されている。それらはより具体的には次式のものである:
【0018】
【化4】

【0019】
式中、R1はCH3であってよく、R2はOHであってよく、R6はHであってよく、R3はHまたはアルキルであってよく、R4はH、アルキルであってよく、R5はHであってよく、R5’はC(O)NR6R6’であってよく、ここでR6およびR6’はHまたは低級アルキルであってよい。
【0020】
しかし、上記のスルホンアミド誘導体はいずれもβ2アゴニスト活性を示さず、β2仲介による疾患および/または状態、特にアレルギー性および非アレルギー性の気道疾患または前記のような他の疾患の処置に有効な薬物としてそれらを使用できる薬理学的プロフィールを示さない。
【0021】
本発明は、式(1)の化合物:
【0022】
【化5】

【0023】
あるいは、適切であればそれらの医薬的に許容できる塩類および/またはそれらの異性体、互変異性体、溶媒和物もしくは同位体変異型に関する;
式中、(CH2)n-C(=O)Q1基はメタまたはパラ位にあり、R1およびR2は独立してHおよびC1-C4アルキルから選択され、nは0、1または2であり、Q1
【0024】
【化6】

【0025】
および基-NR8-Q2-Aから選択される基であり;これらにおいてpは1または2であり、Q2はOHで置換されていてもよいC1-C4アルキレンであり、R8はHまたはC1-C4アルキルであり、Aは、OHで置換されていてもよいピリジル、OHで置換されていてもよいC3-C7シクロアルキル、または基
【0026】
【化7】

【0027】
であり、
これらにおいてR3、R4、R5、R6およびR7は、同一または異なり、H、C1-C4アルキル、OR9、SR9、ハロ、CN、CF3、OCF3、COOR9、SO2NR9R10、CONR9R10、NR9R10、NHCOR10およびフェニルから選択され、これはOR9、ハロおよびC1-C4アルキルから選択される1〜3個の基で置換されていてもよく、
R9およびR10は、同一または異なり、HまたはC1-C4アルキルから選択され、はカルボニル基への結合点を表わし;
基Q1は、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されている。
【0028】
式(1)の化合物はβ2受容体のアゴニストであり、特に吸入経路で投与した場合に卓越した力価を示すことにより、特にβ2仲介による疾患および/または状態の処置に有用である。
【0029】
前記の一般式(1)において、C1-C4アルキルおよびC1-C4アルキレンは、1、2、3または4個の炭素原子を含む直鎖基または分枝鎖基を表わす。これは、それらが置換基をもつ場合、または他の基の置換基として現われる場合、たとえばO-(C1-C4)アルキル基、S-(C1-C4)アルキル基などにも適用される。適切な(C1-C4)アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチルなどである。適切な(C1-C4)アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n-ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec-ブチルオキシおよびt-ブチルオキシなどである。
【0030】
C3-C7シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが含まれる。好ましいC3-C7シクロアルキルはOHで置換されている。
【0031】
さらにハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードよりなる群から選択されるハロゲン原子、特にフルオロまたはクロロを表わす。
以下において、たとえば下記の構造式
【0032】
【化8】

【0033】
中のようなフェニル基上の自由結合は、そのフェニルがメタまたはパラ位において置換されている可能性があることを意味する。
式(1)の化合物:
【0034】
【化9】

【0035】
は、常法により、たとえば下記に示す方法により製造でき、式中のR1、R2、Q1およびnは、別途記載しない限り、式(1)の化合物について前記に定めたものである。
式(1)のアミド誘導体は、式(2)の酸またはその塩:
【0036】
【化10】

【0037】
と式NHR8-Q2-A (3)、
【0038】
【化11】

【0039】
のアミンをカップリングさせることにより製造できる。このカップリングは一般に、酸受容体としての過剰の上記アミン中で、一般的なカップリング剤(たとえば1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩またはN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド)を用い、場合により触媒(たとえば1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物または1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール)の存在下に、場合により第三級アミン塩基(たとえばN-メチルモルホリン、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)の存在下で行われる。この反応は、適切な溶媒、たとえばピリジン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中、10〜40℃(室温)で1〜24時間、実施できる。
【0040】
前記のアミン(3)、(3')または(3")は、市販されているか、または当業者に周知の常法(たとえば還元、酸化、アルキル化、遷移金属仲介によるカップリング、保護、脱保護など)により市販の材料から製造できる。
【0041】
式(2)の酸は、対応する式(4)のエステル:
【0042】
【化12】

【0043】
(式中、Raは適切な酸保護基、好ましくは(C1-C4)アルキル基であり、これにはメチルおよびエチルが含まれるが、これらに限定されない)から、分子の残部を変化させずにエステルから酸を製造するための当業者に周知のいずれかの方法に従って製造できる。たとえば上記エステルは、酸または塩基(たとえば塩化水素、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化リチウム)水溶液により、場合により溶媒または溶媒混合物(たとえば水、プロピオニトリル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン/水)の存在下に、20〜100℃の温度で1〜40時間処理することにより、加水分解できる。
【0044】
式(4)のエステルは、式(5)のアミン:
【0045】
【化13】

【0046】
(式中、Raおよびnは前記に定めたものである)を式(6)のブロミド:
【0047】
【化14】

【0048】
と反応させることにより製造できる。
一般的な操作では、式(5)のアミンと式(6)のブロミドを、場合により溶媒または溶媒混合物(たとえばジメチルスルホキシド、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド、プロピオニトリル、アセトニトリル)の存在下で、場合により適切な塩基(たとえばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム)の存在下に、80〜120℃の温度で12〜48時間反応させる。
【0049】
式(6)のブロミドは、WO 02/06258 (p.36, 例14a)の方法に従って製造できる。
あるいは、n=1である式(4)のエステルは、式(7)のブロミド:
【0050】
【化15】

【0051】
から製造できる。
一般的な操作では、ブロミド(7)を適切なパラジウム触媒(たとえば[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II))により、一酸化炭素雰囲気下で、溶媒としてRaOH(たとえばMeOH、EtOH)を用い、高められた温度(100°C)および圧力(最高100psi)で処理して、式(4)のエステルを得る。
【0052】
R1がMeであり、R2がHである式(5)のアミンは、(R)または(S)鏡像異性体として、対応する式(8)の保護されたアミン:
【0053】
【化16】

【0054】
[式中、Raおよびnは前記に定めたものであり、RbおよびRcはHNRbRcがキラルアミンとなるのに適切な置換基を表わし(たとえば、Rbは水素であり、Rcはα-メチルベンジルであってよい)、ただしNとRb、およびNとRcの間の結合は、容易に開裂して式(5)の遊離アミンを生成することができる]から、窒素保護基を開裂するための標準法により製造できる;たとえばテキストT.W. GREENE, Protective Groups in Organic Synthesis , A. Wiley-Interscience Publication, 1981中にある。
【0055】
式(8)のアミンは、単一ジアステレオマーとして、式HNRbRcのアミンと式(9)のケトン:
【0056】
【化17】

【0057】
(式中、Ra、Rb、Rcおよびnは前記に定めたものである)の反応により製造できる。
一般的な操作では、式(9)のケトンと式HNRbRcのアミンの反応によりキラル中間体が得られ、次いでこれを適切な還元剤(たとえば、式NaCNBH3のナトリウムシアノボロヒドリドまたは式Na(OAc)3BH)のナトリウムトリアセトキシボロヒドリド)により、場合により乾燥剤(たとえばモレキュラーシーブ、硫酸マグネシウム)の存在下で、場合により酸触媒(たとえば酢酸)の存在下に還元して、式(8)のアミンをジアステレオマー混合物として得る。この反応は、一般に溶媒、たとえばテトラヒドロフランまたはジクロロメタン中、20〜80℃の温度で3〜72時間行われる。次いで得られた生成物を塩酸塩に変換し、適切な溶媒または溶媒混合物(たとえばイソプロパノール、エタノール、メタノール、ジイソプロピルエーテルまたはジイソプロピルエーテル/メタノール)から選択的に結晶化して、(8)を単一ジアステレオマーとして得る。
【0058】
n=1である式(9)のケトンは、式(10)のハロゲン化アリール:
【0059】
【化18】

【0060】
(式中、Raは前記に定めたものであり、Halはハロゲン原子を表わし、これにはブロモおよびヨードが含まれるが、これらに限定されない)とエノラートまたはエノラート均等物のパラジウム仲介カップリングにより製造できる。
【0061】
一般的な操作では、式(10)のハロゲン化アリールとスズエノラート(その場で、酢酸イソプレニルを式Bu3SnOMeのトリ-n-ブチルスズメトキシドで処理することにより生成)を、適切なパラジウム触媒(式Pd(OAc)2/P(o-Tol)3の酢酸パラジウム/トリ-o-トリルホスフィン)の存在下に、非極性溶媒(たとえばトルエン、ベンゼン、ヘキサン)中で反応させる。好ましくは、この反応は80〜110℃の温度で6〜16時間行われる。
【0062】
式(10)のハロゲン化アリールは、対応する式(11)の酸:
【0063】
【化19】

【0064】
(式中、Halは前記に定めたものである)を、分子の残部を変化させずに酸からエステルを製造するための当業者に周知のいずれかの方法に従ってエステル化することにより得られる。
【0065】
一般的な操作では、式(11)の酸と式RaOHのアルコール系溶媒(式中、Raは前記に定めたものである)を、酸、たとえば塩化水素の存在下に、10〜40℃の温度(室温)で8〜16時間反応させる。
【0066】
式(11)の酸は市販品である。
R1 = R2 = アルキルである式(5)のアミンは、下記の反応経路に従って製造できる:
【0067】
【化20】

【0068】
これらにおいて、R1、R2およびRaは前記に定めたものである。
一般的な操作では、式(12)のエステルと”活性化”アルキル(有機金属アルキル、たとえばR2MgBr、R2MgClまたはR2Li)を前記の方法により反応させて、対応する式(13)の第三級アルコールを得る。
【0069】
次いで式(13)の第三級アルコールをアルキルニトリル(たとえばアセトニトリル、クロロアセトニトリル)により酸(たとえば硫酸、酢酸)の存在下で処理すると、保護された中間体が得られ、次いでこれを窒素保護基開裂のための標準法、たとえばテキストに記載された方法により開裂させる。次いで得られたアミノ酸を本明細書に記載の方法によりエステル化して、式(5)のアミンを得る。
【0070】
あるいは、R1 = R2= C1-C4アルキルであり、かつn=0である式(5)のアミンは、下記の反応経路に従って製造できる:
【0071】
【化21】

【0072】
これらにおいて、R1、R2およびRaは前記に定めたものである。
一般的な操作では、式(14)のエステルと”活性化”アルキル(有機金属アルキル、たとえばR2MgBr、R2MgClまたはR2Li)を前記の方法により反応させて、対応する式(15)の第三級アルコールを得る。
【0073】
次いで式(15)の第三級アルコールをアルキルニトリル(たとえばアセトニトリル、クロロアセトニトリル)により酸(たとえば硫酸、酢酸)の存在下で処理すると、保護された中間体が得られ、次いでこれを窒素保護基開裂のための標準法、たとえばテキストに記載された方法により開裂させて、ブロモアミン(16)を得る。
【0074】
得られたブロモアミン(16)を適切なパラジウム触媒(たとえば[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II))により、一酸化炭素雰囲気下で、溶媒としてRaOH(たとえばMeOH、EtOH)を用い、高められた温度(100°C)および圧力(100psi)で処理して、式(5)のエステルを得る。
【0075】
n=2である式(9)のケトンは、式(17)のアルケン:
【0076】
【化22】

【0077】
の還元により製造できる。
一般的な操作では、適切な溶媒(たとえばメタノール、エタノール、酢酸エチル)中における式(17)のオレフィンの溶液をパラジウム触媒(たとえばカーボン上10%パラジウム)により、水素雰囲気下で撹拌して、場合により高められた圧力(たとえば60psi)において、室温と60℃の間の温度で8〜24時間処理する。
【0078】
式(17)のアルケンは、活性化オレフィンと式(18)のハロゲン化アリール:
【0079】
【化23】

【0080】
のパラジウム仲介カップリングにより製造できる。
一般的な操作では、ハロゲン化アリール(18)とビニルエステル(たとえばアクリル酸メチル)を、適切なパラジウム触媒(たとえば、式Pd(PPh3)4のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、式Pd(OAc)2/P(o-tol)3の酢酸パラジウム/トリ-o-トリルホスフィン、または式dppfPdCl2の(ジフェニルホスフィノ)フェロセニルパラジウムクロリド)の存在下で、適切な溶媒(たとえばアセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、トルエン)中、場合により塩基、たとえばトリエチルアミンの存在下に、40〜110℃の温度で8〜24時間カップリングさせる。
【0081】
式(18)のケトンは市販品である。
R1およびR2が両方ともHである式(5)のアミンは、下記の反応経路に従って製造できる:
【0082】
【化24】

【0083】
これらにおいて、R1、R2およびRaは前記に定めたものである。
一般的な操作では、式(19)の酸をエステルの存在下で選択的に還元して、対応するアルコール(20)にする。これは、アシルイミダゾールまたは混合酸無水物を形成し、続いて水素化ホウ素ナトリウムまたは他の適切な還元剤で還元することにより実施できる。
【0084】
次いで式(20)の第一級アルコールを脱離基、たとえばメシラート、トシラート、ブロミドまたはヨージドに変換し、適切なアミン求核体で置換する。好ましい求核体はアジドイオンであり、次いでこれを水素化またはトリフェニルホスフィンにより還元して第一級アミンにすることができる。他の求核体には、アンモニア、またはアルキルアミン、たとえばベンジルアミンもしくはアリルアミンを含めることができ、続いてアルキル基を開裂して上記アミンを得る。
【0085】
一般的な操作では、R1およびR2が両方ともメチルであり、かつnが1である式(1)の化合物は、式(21)の化合物:
【0086】
【化25】

【0087】
(式中、XはH、K、Na、Li、および可能な場合は(potentially)有機アミン塩基または他の金属塩である)
と式NHR8-Q2-A (3)、
【0088】
【化26】

【0089】
の適切なアミンを、式(1)の化合物:
【0090】
【化27】

【0091】
(式中、R1およびR2はメチルであり、nは1である)
を得るために、一般的なカップリング剤、たとえば1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩またはジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下に、適切な溶媒、たとえばピリジン、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミド中で、場合により有機塩基(たとえばヒューニッヒ塩基(Hunig's base))および添加剤(たとえば1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)の存在下に反応させることにより製造できる。
【0092】
式(21)の化合物は、式(22)の化合物:
【0093】
【化28】

【0094】
(式中、XはH、Na、LiまたはK、および可能な場合は有機アミンまたは他の金属塩である)を、適切な溶媒、たとえばメタノール、IPA、THFおよび水の存在下で、適切な触媒、たとえばカーボン上の水酸化パラジウムまたはカーボン上のパラジウムの存在下に水素化することにより得ることができる。
【0095】
式(22)の化合物は、式(23)の化合物:
【0096】
【化29】

【0097】
とM-OH(式中、MはNa、KまたはLiから選択される)を、場合により、適切な溶媒、たとえばプロピオニトリル、テトラヒドロフランまたはジオキサン、好ましくはプロピオニトリルの存在下で反応させることにより得ることができる。
【0098】
式(23)の化合物は、式(24)の化合物:
【0099】
【化30】

【0100】
を、脱保護剤、たとえばフッ化テトラブチルアンモニウム、HFまたはトリエチルアミン・トリフッ化水素酸塩により、適切な溶媒、たとえばプロピオニトリルの存在下で脱保護することにより得ることができる。
【0101】
式(24)の化合物は、次式の化合物:
【0102】
【化31】

【0103】
と次式の化合物:
【0104】
【化32】

【0105】
を、適切な溶媒、たとえばプロピオニトリル、THF、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジオキサン、DMF、DMSOの存在下で、場合により塩基、たとえば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ヒューニッヒ塩基またはトリエチルアミンの存在下に、50〜150℃の温度で12〜36時間反応させることにより得ることができる。
【0106】
以上に記載した式(1)の化合物の製造工程のうちあるものについては、反応させたくない潜在反応性官能基を保護し、最後にそれらの保護基を開裂させることが必要な場合がある。そのような場合、適合するいかなる保護基も使用できる。特に、保護および脱保護のための方法、たとえばT.W. GREENE (Protective Groups in Organic Synthesis, A. Wiley-Interscience Publication, 1981)またはP. J. Kocienski (Protecting groups, Georg Thieme Verlag, 1994)による方法を使用できる。
【0107】
前記の方法に用いた反応および新規な出発物質の製造方法はすべて一般的なものであり、それらの実施または製造に適切な試薬および反応条件ならびに目的生成物の単離方法は、前記の文献ならびに本明細書中の実施例および製造例からみて当業者に周知であろう。
【0108】
式(1)の化合物およびその製造のための中間体は、周知の方法、たとえば結晶化またはクロマトグラフィーにより精製できる。
好ましくは、Q2は-CH2-、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-(C(CH3)2)-、-(CH2)4-または-(CH(CH2OH))-である。
【0109】
好ましくは、Q1
【0110】
【化33】

【0111】
であり、ここでR3、R4、R5およびR6のうち1つはOHであり、他はHである。
好ましくは、Q1
【0112】
【化34】

【0113】
であり、ここでR3、R4、R5およびR6のうち1つはOHであり、他はHである。
好ましくは、Q1は基-NR8-Q2-Aであり、ここでR8はH、CH3またはCH2CH3であり、Q2はC1-C4アルキレンであり、Aは1個のヒドロキシで置換されたナフチルである。
【0114】
好ましくは、Q1は基-NR8-Q2-Aであり、ここでR8はH、CH3またはCH2CH3であり、Q2はC1-C4アルキレンであり、Aは基
【0115】
【化35】

【0116】
であり、
ここでR3、R4、R5、R6およびR7のうち1つはOHであり、他は同一または異なり、H、C1-C4アルキル、OR9、SR9、ハロ、CF3、OCF3、SO2NR9R10、CONR9R10、NR9R10、NHCOR10から選択され、ただしR3〜R7のうち少なくとも2つはHであり;
R9およびR10は、同一または異なり、HまたはC1-C4アルキルから選択される。
【0117】
より好ましくは、Q1は基-NH-Q2-Aであり、ここでQ2は-CH2-、-(CH2)2-、-(CH2)4-、-CH2-C(CH3)2)-、好ましくは-CH2-であり、Aは基
【0118】
【化36】

【0119】
であり、
ここでR3、R4、R5、R6およびR7のうち1つはOHであり、他は同一または異なり、H、OH、CH3、OCH2-CH3、SCH3、ハロ、CF3、OCF3から選択され、ただしR3〜R7のうち少なくとも2つはHである、
好ましくは、Q1は基-NR8-Q2-Aであり、ここでR8はH、CH3またはCH2CH3であり、Q2はC1-C4アルキレンであり、Aは基
【0120】
【化37】

【0121】
であり、
ここでR3、R4、R5、R6およびR7のうち1つはOHで置換されたフェニルであり、他はHである。
【0122】
前記の化合物群において、下記の置換基が特に好ましい:
R1はHまたはC1-C4アルキルであり、R2はC1-C4アルキルである。より好ましくは、R1はHまたはCH3であり、R2はCH3である。
nは0または1である。より好ましくはnは1である。
R1はHであり、R2はCH3であり、nは1である。
R1はCH3であり、R2はCH3であり、nは1である。
【0123】
特に好ましいものは、後記の実施例のセクションに記載する式(1)の化合物、すなわち下記のものである:
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アセトアミド;
N-[(4'-ヒドロキシビフェニル-4-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(4-クロロ-2-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)メチル]アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)メチル]アセトアミド;
N-[(4'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-[(3'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロピル]アセトアミド;
N-(3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシベンジル)-N-エチル-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(6-ヒドロキシ-1-ナフチル)メチル]-N-メチルアセトアミド;
N-[(2'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(2-ヒドロキシ-5-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[2-(6-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-2-オキソエチル]フェニル}-1,1-ジメチルエチル)アミノ]エチル}フェニル)メタンスルホンアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[4-(4-ヒドロキシフェニル)ブチル]アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]アセトアミド;
N-(2-クロロ-4-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(2,3-ジクロロ-4-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)メチル]アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[3-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)ベンジル]アセトアミド;
N-(2-クロロ-4-ヒドロキシベンジル)-N-エチル-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(2-クロロ-4-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-メチルアセトアミド;
N-(3-フルオロ-5-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-メチルアセトアミド;
N-[(2'-ヒドロキシビフェニル-2-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-[(3'-ヒドロキシビフェニル-2-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(2-ヒドロキシ-5-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[2-(7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-2-オキソエチル]フェニル}-1,1-ジメチルエチル)アミノ]エチル}フェニル)メタンスルホンアミド;
N-(2-ヒドロキシ-5-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[2-(5-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-2-オキソエチル]フェニル}-1,1-ジメチルエチル)アミノ]エチル}フェニル)メタンスルホンアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(1R)-2-ヒドロキシ-1-フェニルエチル]アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(1S)-2-ヒドロキシ-1-フェニルエチル]アセトアミド;
N-[(3'-ヒドロキシビフェニル-4-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-[(2'-ヒドロキシビフェニル-4-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-[(4'-ヒドロキシビフェニル-4-イル)メチル]-3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}ベンズアミド;
3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}-N-[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロピル]ベンズアミド;
N-[(4'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]-3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}ベンズアミド;
N-[2-(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフェニル)エチル]-3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}ベンズアミド;
N-[2-(4-ヒドロキシ-2,3-ジメチルフェニル)エチル]-3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}ベンズアミド;および
3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}-N-[2-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)エチル]ベンズアミド。
【0124】
本発明の1観点によれば、(CH2)n-C(=O)Q1基がメタ位にある式(1)の化合物が一般に好ましい。
式(1)の化合物の医薬的に許容できる塩類には、その酸付加塩および塩基塩が含まれる。
【0125】
適切な酸付加塩は、無毒性塩を形成する酸から形成される。例には、下記のものが含まれる:酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カムシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/クロリド、臭化水素酸塩/ブロミド、ヨウ化水素酸塩/ヨージド、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロット酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩およびキシナホ酸塩。
【0126】
適切な塩基塩は、無毒性塩を形成する塩基から形成される。例には、下記のものが含まれる:アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン(diolamine)、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オーラミン(olamine)、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛の塩。
【0127】
酸および塩基の半塩(hemisalt)、たとえばヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩を形成することもできる。
適切な塩類の概説については、”Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use”, Stahl and Wermuth (Wiley-VCH, ドイツ、ワインハイム, 2002)を参照されたい。
【0128】
式(1)の化合物の医薬的に許容できる塩類は、3つの方法のうち1以上により調製できる:
(i)式(1)の化合物を目的の酸または塩基と反応させる;
(ii)式(1)の化合物の適切な前駆物質から酸不安定もしくは塩基不安定な保護基を除去する、または適切な環状前駆物質(たとえばラクトンまたはラクタム)を目的の酸または塩基で開環する;あるいは
(iii)式(1)の化合物のある塩を、適切な酸もしくは塩基との反応により、または適切なイオン交換カラムにより、他の塩に変換する。
【0129】
3つの反応はすべて、一般に溶液中で実施される。生成した塩は、沈殿して濾過により採集でき、あるいは溶媒の蒸発により回収することができる。生成した塩のイオン化度は、完全イオン化からほぼ非イオン化まで異なる可能性がある。
【0130】
本発明化合物は、溶媒和形および非溶媒和形の両方で存在する可能性がある。本明細書中で用語’溶媒和物’は、本発明化合物と化学量論的量の1以上の医薬的に許容できる溶媒分子(たとえばエタノール)を含む分子複合体を記載するために用いられる。用語’水和物’は、溶媒が水である場合に用いられる。
【0131】
本発明の範囲には、包接化合物、薬物-ホスト封入複合体などの複合体が含まれ、これらの場合、前記の溶媒和物と異なり、薬物とホストが化学量論的量または非-化学量論的量で存在する。2以上の有機成分および/または無機成分を含有する薬物複合体も含まれ、これらの成分は化学量論的量または非-化学量論的量のいずれであってもよい。得られた複合体は、イオン化、部分イオン化、または非イオン化のいずれであってもよい。そのような複合体の概説については、J Pharm Sci, 64 (8), 1269-1288, Haleblian (1975年8月)を参照されたい。
【0132】
以下において式(1)の化合物という表現にはすべて、その塩類、溶媒和物および複合体、ならびにその塩類の溶媒和物および複合体が含まれる。
本発明化合物には、前記に定めた式(1)の化合物が含まれ、これにはそのすべての多形および晶癖、前記に定めたそのプロドラッグおよび異性体(光学異性体、幾何異性体および互変異性体を含む)、ならびに式(1)の同位体標識化合物が含まれる。
【0133】
前記のように、式(1)の化合物のいわゆる’プロドラッグ’も本発明の範囲に含まれる。たとえば式(1)の化合物の特定の誘導体(それ自体は、ほとんどまたは全く薬理活性をもたなくてもよい)は、体内または身体上に投与した場合に、たとえば加水分解開裂により目的活性をもつ式(1)の化合物に変換されることができる。そのような誘導体を’プロドラッグ’と呼ぶ。プロドラッグの使用に関する情報はさらに、’Pro-drugs as Novel Delivery Systems’, Vol. 14, ACS Symposium Series (T. Higuchi and W. Stella)、および’Bioreversible Carriers in Drug Design’, Pergamon Press, 1987 (編者E. B Roche, American Pharmaceutical Association)中にある。
【0134】
本発明によるプロドラッグは、たとえば式(1)の化合物中に存在する適切な官能基を、当業者に’プロ部分’として知られる特定の部分、たとえば”Design of Prodrugs”, H. Bundgaard (Elsevier, 1985)に記載のもので置換することにより製造できる。
【0135】
本発明によるプロドラッグの若干例には、下記のものが含まれる:
(i)式(1)の化合物がカルボン酸官能基(-COOH)を含む場合、そのエステル、たとえば式(1)の化合物のカルボン酸官能基の水素を(C1-C8)アルキルで置換した化合物;
(ii)式(1)の化合物がアルコール官能基(-OH)を含む場合、そのエーテル、たとえば式(1)の化合物のアルコール官能基の水素を(C1-C6)アルカノイルオキシメチルで置換した化合物;および
(iii)式(1)の化合物が第一級または第二級アミノ官能基(-NH2または-NHR、ここでR≠H)を含む場合、そのアミド、たとえば場合により式(1)の化合物のアミノ官能基の一方または両方の水素を(C1-C10)アルカノイルで置換した化合物。
【0136】
前記の例および他のプロドラッグタイプの例による置換基の例は、さらに前記の参考文献中にある。
さらに、特定の式(1)の化合物は、それ自体が式(1)の化合物のプロドラッグとして作用する場合がある。
【0137】
本発明の範囲には、式(1)の化合物の代謝産物、すなわちその薬物を投与した際にインビボで形成される化合物も含まれる。本発明による代謝産物の若干例には、下記のものが含まれる:
(i)式(1)の化合物がメチル基を含む場合、そのヒドロキシメチル誘導体(-CH3→-CH2OH);
(ii)式(1)の化合物がアルコキシ基を含む場合、そのヒドロキシ誘導体(-OR→-OH);
(iii)式(1)の化合物が第三級アミノ基を含む場合、その第二級アミノ誘導体(-NR1R2→-NHR1または-NHR2);
(iv)式(1)の化合物が第二級アミノ基を含む場合、その第一級誘導体(-NHR1→-NH2);
(v)式(1)の化合物がフェニル部分を含む場合、そのフェノール誘導体(-Ph→PhOH);および
(vi)式(1)の化合物がアミド基を含む場合、そのカルボン酸誘導体(-CONH2→COOH)。
【0138】
1個以上の不斉炭素原子を含む式(1)の化合物は、2種類以上の立体異性体として存在する可能性がある。式(1)の化合物がアルケニル基またはアルケニレン基を含む場合、幾何シス/トランス(またはZ/E)異性体の可能性がある。構造異性体が低いエネルギーバリヤーにより相互変換可能な場合、互変異性(tautomeric isomerism (’tautomerism’))の起きる可能性がある。これは、たとえばイミノ、ケトもしくはオキシム基を含む式(1)の化合物の場合はプロトン互変異性、または芳香族部分を含む化合物の場合はいわゆる原子価互変異性の形をとる可能性がある。その結果、単一化合物が1より多いタイプの異性を示す場合がある。
【0139】
本発明の範囲には、すべての立体異性体、幾何異性体および互変異性体の形の式(1)の化合物が含まれ、これには1より多いタイプの異性を示す化合物、およびその1種類以上の混合物が含まれる。対イオンが光学活性である酸付加塩または塩基塩、たとえばd-乳酸塩もしくはl-リシン(塩)、またはラセミ体、たとえばdl-酒石酸塩もしくはdl-アルギニン(塩)も含まれる。
【0140】
シス/トランス異性体は、当業者に周知の常法、たとえばクロマトグラフィーおよび分別結晶化により分離できる。
個々の鏡像異性体を製造/単離するための常法には、光学的に純粋な適切な前駆物質からのキラル合成、または、たとえばキラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)分割が含まれる。
【0141】
あるいは、ラセミ体(またはラセミ前駆物質)を適切な光学活性化合物、たとえばアルコール類と反応させ、または式(1)の化合物が酸性もしくは塩基性部分を含む場合は酸もしくは塩基、たとえば酒石酸もしくは1-フェニルエチルアミンと反応させることができる。得られたジアステレオマー混合物をクロマトグラフィーおよび/または分別結晶化により分離し、それらのジアステレオ異性体のうち一方または両方を当業者に周知の手段で対応する純粋な鏡像異性体に変換することができる。
【0142】
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆物質)は、不斉樹脂上でのクロマトグラフィー(一般にHPLC)により、0〜50容量%のイソプロパノール(一般に2〜20容量%)、および0〜5容量%のアルキルアミン(一般に0.1容量%のジエチルアミン)を含有する炭化水素(一般にヘプタンまたはヘキサン)からなる移動相を用いて、鏡像異性体を富化した形で得ることができる。溶出液を濃縮すると、富化した混合物が得られる。
【0143】
立体異性体の集合体は、当業者に周知の常法により分離できる−たとえば、”Stereochemistry of Organic Compounds”, E. L. Eliel (Wiley, ニューヨーク, 1994)を参照。
本発明の1観点によれば、次式の(R,R)-立体異性体(式中、R1は水素であり、R2はC1-C4アルキル、好ましくはメチルであり、nおよびQ1は前記に定めたものである)が一般に好ましい:
【0144】
【化38】

【0145】
本発明は、同一の原子番号をもつが自然界で優勢な原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数をもつ原子により1個以上の原子が交換された、式(1)の医薬的に許容できるすべての同位体標識化合物を含む。
【0146】
本発明化合物に含有させるのに適切な同位体の例には、下記の同位体が含まれる:水素、たとえば2Hおよび3H、炭素、たとえば11C、13Cおよび14C、塩素、たとえば36Cl、フッ素、たとえば18F、ヨウ素、たとえば123Iおよび125I、窒素、たとえば13Nおよび15N、酸素、たとえば15O、17Oおよび18O、リン、たとえば32P、および硫黄、たとえば35S。
【0147】
式(1)の特定の同位体標識化合物、たとえば放射性同位体を含む化合物は、薬物および/または基質の組織分布試験に有用である。放射性同位体トリチウム、すなわち3H、および炭素-14、すなわち14Cは、それらの取込ませやすさおよび検出手段の容易さからみて、この目的に特に有用である。
【0148】
より重い同位体、たとえばジュウテリウム、すなわち2Hによる置換は、より大きな代謝安定性から生じる療法上の特定の利点、たとえばインビボ半減期の延長または投与必要量の減少をもたらす可能性があり、したがってある状況では好ましいであろう。
【0149】
陽電子放出同位体、たとえば11C、18F、15Oおよび13Nは、基質の受容体占有度を調べるための陽電子放射断層撮影(PET)試験に使用できる。
式(1)の特定の同位体標識化合物は、一般に当業者に既知の常法により、または本明細書の実施例および製造例に記載のものと同様な方法により、従来用いられている同位体標識していない試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて製造できる。
【0150】
本発明による医薬的に許容できる溶媒和物には、結晶化溶媒を同位体置換したもの、たとえばD2O、d6-アセトン、d6-DMSOが含まれる。
式(1)の化合物、それらの医薬的に許容できる塩類および/または誘導体形は、医薬として有効な有用化合物であり、これらはβ2受容体が関与する多数の障害、またはこの受容体のアゴニズムが有益性をもたらす障害、特にアレルギー性および非アレルギー性の気道疾患の治療および予防に適切である;また他の疾患、たとえば神経系疾患、早産、うっ血性心不全、うつ病、炎症性およびアレルギー性の皮膚疾患、乾癬、増殖性皮膚疾患、緑内障、ならびに胃の酸性を低下させることが有利な状態、特に胃潰瘍および消化性潰瘍の処置にも有用であるが、これらに限定されない。
【0151】
医薬として使用する本発明化合物は、結晶質または非晶質の生成物として投与できる。それらは、たとえば固体プラグ、粉末またはフィルムとして、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥または蒸発乾燥などの方法により得ることができる。マイクロ波乾燥または高周波乾燥をこの目的に使用できる。
【0152】
それらは単独で、または1種類以上の他の本発明化合物と組み合わせて、または1種類以上の他の薬物(またはそのいずれかの組合わせ)と組合わせて投与できる。一般にそれらは1種類以上の医薬的に許容できる賦形剤と共に配合物として投与されるであろう。用語”賦形剤”は、本明細書中で本発明化合物以外の他のいずれかの成分を記載するために用いられる。賦形剤の選択は、具体的な投与様式、その賦形剤が溶解度および安定性に及ぼす影響、ならびに剤形の性質などの要因に大幅に依存するであろう。
【0153】
本発明化合物の送達に適切な医薬組成物、およびそれらの調製方法は、当業者に自明であろう。そのような組成物およびそれらの調製方法は、たとえば’Remington's Pharmaceutical Sciences’, 第19版(Mack Publishing Company, 1995)中にある。
【0154】
本発明化合物は、血流、筋肉または内臓へ直接投与することもできる。非経口投与に適切な手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、クモ膜下、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下が含まれる。非経口投与に適切な器具には、針(マイクロニードルを含む)注射器、無針注射器および注入法が含まれる。
【0155】
非経口配合物は一般に、塩類、炭水化物および緩衝剤(好ましくはpH 3〜9にする)を含有しうる水性液剤であるが、ある用途にはそれらを無菌の非水性液剤として、または適切なビヒクル(たとえば発熱物質を含有しない無菌水)と共に使用するための乾燥剤形として配合する方が適切な場合がある。
【0156】
無菌条件下で、たとえば凍結乾燥による非経口配合物の調製は、当業者に周知の医薬標準法を用いて容易に行うことができる。
非経口液剤の調製に用いる式(1)の化合物の溶解度は、適切な配合法を用いて、たとえば溶解促進剤を含有させることによって、高めることができる。
【0157】
非経口投与用配合物は、即時放出型および/または改変放出型であるように配合できる。改変放出配合物には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、ターゲティングおよびプログラミングした放出が含まれる。たとえば本発明化合物は、埋込みデポー剤として投与して有効化合物を改変放出するための固体、半固体、またはチキソトロピー液として配合できる。そのような配合物の例には、薬物コーティングしたステントおよびポリ(dl-乳酸-co-グリコール酸) (PGLA)マイクロスフェアが含まれる。
【0158】
本発明化合物は、皮膚または粘膜に局所投与(すなわち皮膚投与または経皮投与)することもできる。この目的のための局所配合物には、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、散粉剤、包帯剤、発泡剤、フィルム、皮膚パッチ、カシェ剤、埋込み剤、スポンジ、繊維、包帯およびマイクロエマルションが含まれる。リポソームも使用できる。一般的なキャリヤーには、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが含まれる。透過促進剤も含有させることができる−たとえばJ Pharm Sci, 88 (10), 955-958, Finnin and Morgan (1999年10月)を参照。
【0159】
局所投与のための他の手段には、エレクトロポレーション、イオントフォレーゼ、フォノフォレーゼ、ソノフォレーゼおよびマイクロニードル注射または無針注射(たとえばPowderject(商標)、Bioject(商標)など)が含まれる。
【0160】
局所投与用配合物は、即時放出型および/または改変放出型であるように配合できる。改変放出配合物には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、ターゲティングおよびプログラミングした放出が含まれる。
【0161】
本発明化合物は、鼻腔内に、または吸入により、一般に乾燥粉末の形で(単独で、混合物として、たとえば乳糖との乾燥ブレンド中に、または混合成分粒子としてたとえばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合して)乾燥粉末吸入器から、あるいはエーロゾルスプレー剤として加圧容器、ポンプ、噴霧器、アトマイザー(好ましくは、微細ミストを発生させるために電気流体力学を利用したアトマイザー)またはネブライザーから、適切な噴射剤、たとえば1,1,1,2-テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンを用いて、または用いずに、投与することもできる。鼻腔内用として、散剤は生体接着剤、たとえばキトサンまたはシクロデキストリンを含有してもよい。
【0162】
加圧容器、ポンプ、噴霧器、アトマイザーまたはネブライザーは、たとえばエタノール、水性エタノール、または有効成分の分散、可溶化もしくは放出延長のために適切な他の物質、溶剤としての噴射剤(1種類以上)、および場合により界面活性剤、たとえばトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸またはオリゴ乳酸を含む、本発明化合物(1種類以上)の液剤または懸濁液剤を収容する。
【0163】
薬物を乾燥粉末または懸濁配合物中に用いる前に、吸入による送達に適切なサイズ(一般に5モクロン未満)に微細化する。これは、いずれか適切な粉砕法、たとえばスパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子形成のための超臨界流体加工、高圧ホモジナイゼーション、または噴霧乾燥により達成できる。
【0164】
吸入器または注入器内に用いるためのカプセル(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースから作製)、ブリスターおよびカートリッジは、本発明化合物、適切な粉末基剤、たとえば乳糖またはデンプン、および性能改善剤、たとえばl-ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムの粉末ミックスを収容するように作製できる。乳糖は無水物または1水和物の形であってよく、後者が好ましい。他の適切な賦形剤には、デキストラン、ブドウ糖、マルトース、ソルビトール、キシリトール、果糖、ショ糖およびトレハロースが含まれる。
【0165】
微細なミストを発生させるための電気流体力学を利用したアトマイザー内に用いるのに適切な液剤配合物は、1回の作動当たり1μg〜20mgの本発明化合物を含有することができ、作動容量は1〜100μlの範囲であってよい。一般的な配合物は、式(1)の化合物、プロピレングリコール、無菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含むことができる。プロピレングリコールの代わりに使用できる他の溶剤には、グリセロールおよびポリエチレングリコールが含まれる。
【0166】
適切な着香剤、たとえばメントールおよびレボメントール、または甘味剤、たとえばサッカリンもしくはサッカリンナトリウムを、吸入/鼻腔内投与のための本発明配合物に添加してもよい。
【0167】
吸入/鼻腔内投与のための配合物は、たとえばPGLAを用いて即時放出型および/または改変放出型であるように配合できる。改変放出配合物には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、ターゲティングおよびプログラミングした放出が含まれる。
【0168】
乾燥粉末吸入器およびエアゾル剤の場合、投与単位は計量された量を分配する弁によって決定される。本発明による単位は一般に、0.001〜10mgの式(1)の化合物を含有する計量された量、すなわち”一吹き”を投与するように調整される。全1日量は、一般に0.001〜40mgであり、これを1回量として、またはより普通はその日全体に分割された量として投与できる。
【0169】
式(1)の化合物は、吸入による投与に特に適切である。
本発明化合物は、直腸または膣に、たとえば坐剤、ペッサリーまたは浣腸剤の形で投与できる。カカオ脂は伝統的な坐剤基剤であるが、種々の代替品を適宜使用できる。
【0170】
直腸/膣投与のための配合物は、即時放出型および/または改変放出型であるように配合できる。改変放出配合物には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、ターゲティングおよびプログラミングした放出が含まれる。
【0171】
本発明化合物は、一般に等張のpH調整した無菌塩類溶液中における微細懸濁液または溶液の滴剤の形で、眼または耳に直接投与することもできる。眼および耳に投与するのに適切な他の配合物には、軟膏剤、生分解性(たとえば吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非-生分解性(たとえばシリコーン)の埋込み剤、カシェ剤、レンズ、および粒状または小胞状の系、たとえばニオソームまたはリポソームが含まれる。ポリマー、たとえば架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖類ポリマー、たとえばゲランゴムを、保存剤、たとえば塩化ベンザルコニウムと共に含有させてもよい。そのような配合物を、イオントフォレーゼにより送達することもできる。
【0172】
眼/耳投与のための配合物は、即時放出型および/または改変放出型であるように配合できる。改変放出配合物には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、ターゲティングまたはプログラミングした放出が含まれる。
【0173】
前記のいずれの投与様式における使用についても、本発明化合物は、それらの溶解度、溶解速度、味覚隠蔽、生物学的利用能および/または安定性を改善するために、可溶性高分子物質、たとえばシクロデキストリンおよびその適切な誘導体、またはポリエチレングリコール含有ポリマーと組み合わせることができる。
【0174】
たとえば薬物-シクロデキストリン複合体は大部分の剤形および投与経路に全般的に有用なことが認められた。封入型および非封入型の複合体を共に使用できる。薬物との直接複合体形成の代わりに、シクロデキストリンを補助添加剤として、すなわちキャリヤー、希釈剤または可溶化剤として用いてもよい。これらの目的に最も一般的に用いられるものは、α-、β-およびγ-シクロデキストリンであり、その例は国際特許出願番号WO 91/11172、WO 94/02518およびWO 98/55148中にある。
【0175】
たとえば特定の疾患または状態の処置のために有効化合物の組合わせを投与するのが望ましい場合、2以上の医薬組成物(それらのうち少なくとも1つは本発明化合物を含有する)を、それらの組成物の共投与に適切なキットの形で好都合に組み合わせることが本発明の範囲に含まれる。
【0176】
たとえば本発明のキットは、2以上の医薬組成物(それらのうち少なくとも1つは本発明による式(1)の化合物を含有する)、およびそれらの組成物を別個に収容するための手段、たとえば容器、分割したボトル、または分割したホイルパケットを含む。そのようなキットの一例は、錠剤、カプセル剤などの包装に慣用されるブリスターパックである。
【0177】
本発明のキットは、異なる剤形(たとえば非経口)を投与するために、別個の組成物を異なる投与間隔で投与するために、または別個の組成物を相互に力価判定するために、特に適切である。コンプライアンスを助成するために、キットは一般に投与の指示を含み、いわゆるメモリーエイドを備えていてもよい。
【0178】
ヒト患者への投与について、本発明化合物の全1日量は、もちろん投与様式に応じて、一般に0.001〜5000mgである。たとえば静脈内1日量は0.001mg〜40mgを必要とするにすぎない。全1日量は1回量または分割量として投与でき、医師の指示により、本明細書に示した一般的な範囲の外側にあってもよい。
【0179】
これらの投与量は約65〜70kgの体重をもつ平均的なヒト患者を基準とする。医師は、体重がこの範囲外にある対象、たとえば幼児および高齢者についての用量を容易に決定できるであろう。
【0180】
誤解を避けるために、本明細書中の”処置”という表現には治癒処置、姑息的処置および予防処置が含まれる。
本発明の他の態様によれば、式(1)の化合物、またはその医薬的に許容できる塩類、誘導体形もしくは組成物は、病態生理学的に関連する疾患プロセスの処置など特に希望する療法効果を得るために患者に共投与する1種類以上の追加の療法薬との組合わせとしても使用できる;これらの疾患には(i)気管支収縮、(ii)炎症、(iii)アレルギー、(iv)組織破壊、(v)息切れ、咳などの徴候や症状が含まれるが、これらに限定されない。第2およびさらに追加の療法薬は、同様に式(1)の化合物、またはその医薬的に許容できる塩類、誘導体形もしくは組成物であってもよく、あるいは当技術分野で既知の1種類以上のβ2アゴニストであってもよい。より一般的には、第2およびさらに他の療法薬は異なるクラスの療法薬から選択されるであろう。
【0181】
式(1)の化合物と1種類以上の他の療法薬のと組合わせについて本明細書中で用いる用語”共投与”、”共投与した”および”と組み合わせて”は、下記の意味をもつものとし、実際にそれらを表わし、それらを含む:
・式(1)の化合物(1種類以上)と療法薬(1種類以上)の組合わせを処置の必要な患者に同時に投与し、この場合、それらの成分は一緒に単一剤形中に配合され、この剤形はそれらの成分を実質的に同時に患者に放出する;
・式(1)の化合物(1種類以上)と療法薬(1種類以上)の組合わせを処置の必要な患者に実質的に同時に投与し、この場合、それらの成分は互いに別個の剤形中に分離して配合され、それらの剤形は実質的に同時に患者に摂取され、その際、それらの成分は実質的に同時に患者に放出される;
・式(1)の化合物(1種類以上)と療法薬(1種類以上)の組合わせを処置の必要な患者に逐次投与し、この場合、それらの成分は互いに別個の剤形中に分離して配合され、それらの剤形は各投与間に有意の時間間隔をおいて順次、患者に摂取され、その際、それらの成分は実質的に異なる時点で患者に放出される;および
・式(1)の化合物(1種類以上)と療法薬(1種類以上)の組合わせを処置の必要な患者に逐次投与し、この場合、それらの成分は成分を制御放出する単一剤形中に一緒に配合され、その際、成分は同時に、連続的に、および/またはオーバーラップして、同一および/または異なる時点で患者に投与される;
これらにおいて、各部分は同一または異なる経路で投与できる。
【0182】
式(1)の化合物、またはその医薬的に許容できる塩類、誘導体形もしくは組成物と併用できる療法薬の適切な例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:
(a)5-リポキシゲナーゼ(5-LO)阻害薬または5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、
(b)ロイコトリエンアンタゴニスト(LTRA):LTB4、LTC4、LTD4およびLTE4のアンタゴニストを含む、
(c)ヒスタミン受容体アンタゴニスト:H1およびH3アンタゴニストを含む、
(d)うっ血除去薬として使用するためのα1-およびα2-アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮性交感神経様作動薬
(e)ムスカリン性M3受容体アンタゴニストまたは抗コリン作動薬、
(f)PDE阻害薬、たとえばPDE3、PDE4およびPDE5阻害薬、
(g)テオフィリン、
(h)クロモグリク酸ナトリウム(Sodium cromoglycate)、
(i)COX阻害薬:非選択的および選択的COX-1またはCOX-2阻害薬(NSAID)の両方、
(j)経口用および吸入用グルココルチコステロイド、たとえばDAGR(解離型のコルチコイド受容体アゴニスト)、
(k)内因性催炎物質に対して活性なモノクローナル抗体、
(l)抗腫瘍壊死因子(抗TNF-α)薬、
(m)接着分子阻害薬:VLA-4アンタゴニストを含む、
(n)キニン-B1-およびB2-受容体アンタゴニスト、
(o)免疫抑制薬、
(p)マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害薬
(q)タキキニンNK1、NK2およびNK3受容体アンタゴニスト、
(r)エラスターゼ阻害薬、
(s)アデノシンA2a受容体アゴニスト、
(t)ウロキナーゼの阻害薬、
(u)ドーパミン受容体に作用する化合物、たとえばD2アゴニスト、
(v)NFκβ経路の調節薬、たとえばIKK阻害薬、
(w)サイトカインシグナル伝達経路の調節薬、たとえばp38 MAPキナーゼ、sykキナーゼまたはJAKキナーゼの阻害薬、
(x)粘液溶解薬または鎮咳薬として分類できる薬剤、ならびに
(y)抗生物質。
【0183】
本発明によれば、式(1)の化合物と下記のものとの組合わせがさらに好ましい:
-H3アンタゴニスト、
-ムスカリンM3受容体アンタゴニスト、
-PDE4阻害薬、
-グルココルチコステロイド、
-アデノシンA2a受容体アゴニスト、
-サイトカインシグナル伝達経路、たとえばp38 MAPキナーゼまたはsykキナーゼの調節薬、
-ロイコトリエンアンタゴニスト(LTRA):LTB4、LTC4、LTD4およびLTE4のアンタゴニストを含む。
【0184】
本発明によれば、式(1)の化合物と下記のものとの組合わせがさらに好ましい:
-グルココルチコステロイド、特に全身性副作用の少ない吸入型グルココルチコステロイド:プレドニゾン、プレドニゾロン、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド(budesonide)、プロピオン酸フルチカゾン(fluticasone propionate)、シクレゾニド(ciclesonide)およびモメタゾンフロエート(mometasone furoate);または
-ムスカリンM3受容体アンタゴニストもしくは抗コリン作動薬:特にイプラトロピウム塩類、すなわちブロミド、チオトロピウム(tiotropium)塩類、すなわちブロミド、オキシトロピウム(oxitropium)塩類、すなわちブロミド、ペレンゼピン(perenzepine)およびテレンゼピン(telenzepine)を含む。
【0185】
本明細書中の処置という表現はすべて、治癒処置、姑息的処置および予防処置を含むことを認識すべきである。以下の記載は、式(1)の化合物を投与できる療法用途に関する。
式(1)の化合物は、β2受容体との相互作用能をもち、すべての哺乳動物の生理においてβ2受容体が果たす本質的な役割のため、これによりさらに以下に記載する広範な療法用途をもつ。
【0186】
したがって本発明の他の観点は、β2受容体が関与する疾患、障害および状態の処置に使用するための、式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩類、誘導体形もしくは組成物に関する。より具体的には、本発明はまた、下記よりなる群から選択される疾患、障害および状態の処置に使用するための、式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、誘導体形もしくは組成物に関する:
・あらゆるタイプ、病因または病原の喘息、特に下記よりなる群から選択されるメンバーである喘息:アトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性喘息、アトピー性IgE仲介気管支喘息、気管支喘息、本態性喘息、真性喘息、病態生理学的障害により起きる内因性喘息、環境因子により起きる外因性喘息、原因が不明または不確実な本態性喘息、気管支炎性喘息、肺気腫性喘息、運動誘発喘息、アレルゲン誘発喘息、冷気誘発喘息、職業性喘息、細菌、真菌、原虫またはウイルスの感染により起きる感染性喘息、非アレルギー性喘息、初発喘息、幼児ぜん鳴症候群、および細気管支炎(bronchiolytis)、
・慢性または急性の気管支収縮、慢性気管支炎、末梢気道閉塞、および気腫、
・あらゆるタイプ、病因または病原の閉塞性または炎症性の気道疾患、特に下記よりなる群から選択されるメンバーである閉塞性または炎症性の気道疾患:慢性好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を誘発するCOPD、COPD関連または非関連の肺気腫または呼吸困難、不可逆性進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、他の薬物療法による気道反応亢進の増悪、および肺高血圧症関連の気道疾患、
・あらゆるタイプ、病因または病原の気管支炎、特に下記よりなる群から選択されるメンバーである気管支炎:急性気管支炎、急性喉頭気管支炎、アラキジン気管支炎(arachidic bronchitis)、カタル性気管支炎、クループ性気管支炎、乾性気管支炎、感染性喘息性気管支炎、増殖性気管支炎、ブドウ球菌気管支炎または連鎖球菌性気管支炎、および小胞性気管支炎、
・急性肺傷害、
・あらゆるタイプ、病因または病原の気管支拡張症、特に下記よりなる群から選択されるメンバーである気管支拡張症:円柱状気管支拡張症(cylindric bronchiectasis)、嚢胞状気管支拡張症、紡錘状気管支拡張症(fusiform bronchiectasis)、細気管支拡張症、嚢胞状気管支拡張症、乾性気管支拡張症、および濾胞性気管支拡張症。
【0187】
さらに他の観点において本発明はまた、β2アゴニスト活性を有する薬物の製造における、式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、誘導体形もしくは組成物の使用に関する。特に本発明は、β2仲介による疾患および/または状態、特に前記に挙げた疾患および/または状態の処置のための薬物の製造における、式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、誘導体形もしくは組成物の使用に関する。
【0188】
したがって本発明は、ヒトを含めた哺乳動物を有効量の式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、誘導体形もしくは組成物で処置するための、特に重要な方法を提供する。より詳細には本発明は、ヒトを含めた哺乳動物においてβ2仲介による疾患および/または状態、特に前記に挙げた疾患および/または状態を処置するための特に重要な方法であって、有効量の式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、誘導体形もしくは組成物を哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0189】
以下の例は、式(1)の化合物の製造を説明する。
製造例1:2,2'-(1,3-フェニレン)ジ酢酸ジエチル
【0190】
【化39】

【0191】
塩化アセチル(12.5ml, 175mmol)を、2,2'-(1,3-フェニレン)ジ酢酸(50.0g, 260mmol)の、エタノール(500ml)中における懸濁液に添加し、得られた溶液を16時間、加熱還流した。反応物を室温に冷却し、溶媒を真空中で除去した。残留物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300ml)と酢酸エチル(500ml)の間で分配した。有機相を水(200ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(300ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去して、表題化合物を淡黄色の油(63.5g)として得た;
1H NMR (CDCl3,400MHz) δ: 1.31 (t, 6H), 3.65 (s, 4H), 4.20 (q, 4H), 7.24-7.36 (m, 4H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) : m/z 251 [M+H]+
【0192】
製造例2:[3-(2-オキソ-プロピル)-フェニル]-酢酸エチルエステル
【0193】
【化40】

【0194】
製造例1からのジエステル(44.3g, 177mmol)および2,2'-(1,3-フェニレン)ジ酢酸エチル(59.2, 308mmol)の、エタノール(24ml)およびジオキサン(290ml)中における溶液を、12M塩酸(4.9ml, 58.8mmol)で滴加処理した。反応混合物を18時間、還流撹拌した後、放冷し、濃縮して小体積にした。反応混合物をトルエン(125ml)で希釈し、得られたスラリーを濾過した。濾液を真空濃縮し、残留物を水に装入し、中性pHになるまで炭酸水素ナトリウムで塩基処理した。混合物を酢酸エチル(200ml)で希釈し、有機相を分離し、炭酸水素ナトリウム溶液(5回,30ml)および飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄した。水性抽出液を合わせて6M塩酸でpH 3の酸性にし、エーテル(3回,30ml)で抽出した。有機相を合わせて乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空濃縮した。残留物をペンタンで摩砕処理して、表題化合物を無色固体10.8gとして得た;
1H NMR (CD3OD, 400MHz) δ: 1.25 (t, 3H), 3.60 (m, 2H), 3.63 (m, 2H), 4.15 (q, 2H), 7.18-7.32 (m, 4H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) : m/z 245 [MNa]+
【0195】
製造例3:[3-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-フェニル]-酢酸
【0196】
【化41】

【0197】
メチルマグネシウムクロリド(テトラヒドロフラン中の3M溶液51ml, 153mmol)を、製造例2(11.6g, 51mmol) (International Journal of Peptide and Protein Research, 1987, 29(3), 331)の、テトラヒドロフラン(300ml)中における撹拌溶液に、0℃で窒素下に滴加した。反応物を一夜放置して室温にまで昇温させると濃厚な白色沈殿が生成し、次いで水(50ml)および2N塩酸(80ml)を慎重に添加した。この水溶液を酢酸エチル(2回,300ml)で抽出し、有機相を合わせてブライン(50ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去して、表題化合物を金色の油(11.2g)として得た;
1H NMR (CDCl3,400 MHz) δ: 1.22 (6H, s), 2.75 (2H, s), 3.63 (2H, s), 7.12-7.30 (4H, m);
MS (ESI) : m/z 209 [M+H]+
【0198】
製造例4:{3-[2-(2-クロロ-アセチルアミノ)-2-メチル-プロピル]-フェニル}-酢酸
【0199】
【化42】

【0200】
2-クロロアセトニトリル(8.8ml, 140mmol)を、製造例3からのアルコール(16.0g, 70mmol)の、酢酸(33ml)中における溶液に添加した。得られた溶液を0℃に冷却し、濃硫酸(33ml)で処理し、反応混合物を徐々に室温にまで昇温させた。4時間後、反応混合物を氷に注ぎ、固体炭酸ナトリウムで塩基性にした。この溶液を酢酸エチル(2回,500ml)で抽出し、有機抽出液を合わせて乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空濃縮して、表題生成物を無色固体(19.0g)として得た;
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 1.36 (s, 6H), 3.02 (s, 2H), 3.62 (s, 2H), 3.95 (s, 2H), 6.19 (m, 1H), 7.06-7.31 (m, 4H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) : m/z 282 [M-H]-
【0201】
製造例5:[3-(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-フェニル]-酢酸メチルエステル
【0202】
【化43】

【0203】
製造例4からのアミン(5.1g, 18mmol)、チオ尿素(1.6g, 21mmol)および酢酸(18ml)の、エタノール(80ml)中における溶液を、窒素雰囲気下で16時間、加熱還流した。反応混合物を室温になるまで放冷し、濾過した。濾液を真空濃縮し、残留物をメタノール(150ml)に溶解し、塩化水素ガスを飽和し、得られた溶液を16時間、加熱還流した。混合物を真空濃縮し、残留物を酢酸エチル(200ml)と5%炭酸水素ナトリウム水溶液(200ml)の間で分配した。有機相をブライン(100ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空濃縮した。残留物を強カチオン交換樹脂により、メタノール、次いでメタノール中2Mアンモニア溶液で溶離して精製し、生成物を溶出させた。溶出液を真空濃縮して、表題化合物を黄色の油2.68gとして得た;
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 1.14 (s, 6H), 2.68 (s, 2H), 3.62 (s, 2H), 3.69 (s, 3H), 7.08-7.16 (m, 3H), 7.23-7.27 (m, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) : m/z 222 [M+H]+
【0204】
製造例6:N-{2-(ベンジルオキシ)-5-[(1R)-2-ブロモ-1-ヒドロキシエチル]フェニル}メタンスルホンアミド
【0205】
【化44】

【0206】
(1R)-1-[3-アミノ-4-(ベンジルオキシ)フェニル]-2-ブロモエタノール(Org. Process Research and Development, 1998, 2, 96) (30.8g, 95.6mmol)の、ジクロロメタン(300ml)中における溶液を、ピリジン(9.3ml, 115mmol)で処理した。得られた溶液を5℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド(7.8ml, 100.7mmol)の、ジクロロメタン(10ml)中における溶液を滴加した。混合物を5℃でさらに30分間撹拌し、次いで16時間かけて徐々に室温にまで昇温させた。反応混合物を2N塩酸(110ml)で洗浄し、有機相を分離し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空中で除去すると橙色の油が得られた。残留物を熱トルエン(100ml)から結晶化して、表題化合物を淡桃色固体(33.7g)として得た;
1H NMR (DMSOd6, 400MHz) δ: 2.93 (s, 3H), 3.52-3.66 (m, 2H), 4.74 (m, 1H), 5.19 (s, 2H), 7.11 (d, 1H), 7.19-7.22 (m, 1H), 7.33-7.36 (m, 2H), 7.40-7.43 (m, 2H), 7.56 (d, 2H), 8.95 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) : m/z 398 / 400 [M-H]-
【0207】
製造例7:N-[2-(ベンジルオキシ)-5-((1R)-2-ブロモ-1-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)フェニル]メタンスルホンアミド
【0208】
【化45】

【0209】
製造例6のブロミド(21.5g, 53.7mmol)の、N,N-ジメチルホルムアミド(125ml)中における溶液を、イミダゾール(4.16g, 75.2mmol)およびt-ブチル(ジメチル)シリルクロリド(9.73g, 64.5mmol)で処理し、得られた溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(200ml)で希釈し、水(2回,100ml)で洗浄した。水相を合わせて酢酸エチル(100ml)で抽出した。有機抽出液を合わせて2N塩酸(100ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空中で濃縮した。残留物をペンタン:酢酸エチル(200ml, 体積比1:1)に懸濁し、溶媒を蒸発させた。残留物をさらにペンタン:酢酸エチル(200ml, 体積比1:1)で摩砕処理し、生成した固体を濾別し、真空乾燥させて、表題化合物を無色固体(23.7g)として得た;
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: -0.07 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.89 (s, 9H), 2.91 (s, 3H0, 4.80-4.83 (m, 1H), 6.80 (bs, 1H), 6.98 (d, 1H), 7.12 (d, 1H), 7.36-7.44 (m, 5H), 7.52-7.54 (m, 1H) ppm。
【0210】
製造例7の製造のための別法:
製造例6のブロミド(10g, 24.98mmol)の溶液をDCM (20ml, 2ml/g)に溶解し、次いでイミダゾール(4.58g, 37.47mmol, 1.5当量)、続いてTBDMSiCl (5.27g, 34.97mmol, 1.4当量)を添加した。反応混合物を1時間、加熱還流し、次いで30℃になるまで放冷した。混合物を酢酸イソプロピル(80ml, 8ml/g)で希釈し、次いで2M HCl (50, 5ml/g)で反応停止し、10分間、激しく撹拌した。相を分離し、有機相を水(50ml, 5ml/g)で洗浄した。次いで減圧下に45℃で有機相の体積を25〜30mlにまで減らした。次いでこの溶液を室温に冷却すると直ちに懸濁液が生成し、これを室温で30分間撹拌した。次いでヘプタン(20ml, 2ml/g)を10分間かけて添加し、懸濁液を5〜10℃に冷却し、1時間撹拌した。次いで懸濁液を濾過し、濾紙上でヘプタン(2回,10ml)により洗浄した。得られたフィルターケークを50℃の真空オーブンで12時間乾燥させて、表題化合物を白色固体(11.05g, 収率86%)として得た;
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: -0.07 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.89 (s, 9H), 2.91 (s, 3H0, 4.80-4.83 (m, 1H), 6.80 (bs, 1H), 6.98 (d, 1H), 7.12 (d, 1H), 7.36-7.44 (m, 5H), 7.52-7.54 (m, 1H) ppm。
【0211】
製造例8:(3-{2-[((2R)-2-{4-(ベンジルオキシ)-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}-2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)酢酸メチル
【0212】
【化46】

【0213】
製造例7のブロミド(36.0g, 70.8mmol)および製造例5のアミン(36.0g, 153mmol)を、85℃に72時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、シリカゲル上、ペンタン:酢酸エチル(体積比50:50)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物を淡黄色の油(37.2g)として得た;
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: -0.15 (s, 3H), 0.00 (s, 3H), 0.83 (s, 9H), 1.01 (s, 3H), 1.04 (s, 3H), 2.57-2.97 (m, 7H), 3.59 (s, 2H), 3.68 (s, 3H), 4.68-4.72 (m, 1H), 5.09 (s, 2H), 6.79 (bs,1H), 6.95 (d, 1H), 7.04-7.21 (m, 7H), 7.37-7.44 (m, 5H), 7.56 (d, 1H) ppm;
MS (APCI) : m/z 655 [M+H]+
【0214】
製造例9:(3-{2-[((2R)-2-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)酢酸メチル
【0215】
【化47】

【0216】
製造例8のベンジル保護アルコール(36.8g, 56mmol)の、エタノール(550ml)中における溶液を、ギ酸アンモニウム(16.0g, 254mmol)およびカーボン上20%水酸化パラジウム(1.5g)で処理した。得られた懸濁液を85℃に2時間加熱した。2時間後、さらにカーボン上20%水酸化パラジウム(1.0g)を添加し、1時間加熱を続けた。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、溶媒を真空中で除去した。残留物を酢酸エチル(500ml)と2Nアンモニウム水溶液(100ml)の間で分配した。有機相を分離し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空中で除去した。残留物をシリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(体積比95:5:0.5)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物を淡黄色の油(20.6g)として得た;
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ: -0.17 (s, 3H), -0.05 (s, 3H), 0.80 (s, 9H), 1.07 (s, 3H), 1.09 (s, 3H), 2.66-2.91 (m, 7H), 3.62 (d, 2H), 3.69 (s, 3H), 4.71-4.74 (m, 1H), 6.58 (d, 1H), 6.88 (dd, 1H), 7.05-7.14 (m, 3H), 7.21-7.25 (m, 1H), 7.30 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) : m/z 565 [M+H]+
【0217】
製造例10:(3-{2-[(2R)-2-(t-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-(4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニルアミノ-フェニル)-エチルアミノ]-2-メチル-プロピル}-フェニル)-酢酸
【0218】
【化48】

【0219】
製造例9のエステル(20.6, 36mmol)をテトラヒドロフラン(150ml)に溶解し、この溶液を1M水酸化リチウム水溶液(72ml, 72mmol)で滴加処理した。反応混合物を室温で72時間撹拌した。反応混合物を1M塩酸(72ml, 72mmol)の添加により中和し、濃縮して小体積にした。水相をデカントし、残留物を水(2回,50ml)で洗浄した。残留物をテトラヒドロフラン(50ml)およびトルエン(50ml)に再溶解し、溶媒を真空中で除去して、表題化合物を淡褐色泡状物(20.17g)として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD): -0.14 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.83 (s, 9H), 1.32 (m, 6H), 2.93 (m, 5H), 3.23 (m, 2H), 3.54 (m, 2H), 4.94 (m, 1H), 6.91 (d, 1H), 7.03-7.16 (m, 3H), 7.26 (m, 2H), 7.60 (m, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) : m/z 236 [M+H]+
【0220】
製造例5a:[3-(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-フェニル]-酢酸エチルエステル
【0221】
【化49】

【0222】
製造例4からのアミド(151.4g, 534mmol)、チオ尿素(48.7g, 640mmol)および酢酸(303ml)の、エタノール(1.5L)中における混合物を、窒素雰囲気下で5時間、加熱還流した。反応混合物を室温になるまで放冷し、この懸濁液を真空濃縮した。残留物をトルエン(2回,900mL)と共沸し、次いでエタノール(1.5L)で処理し、1時間撹拌した。固体沈殿を濾去し、濾液を氷浴で冷却し、98%硫酸(227mL)で処理し、周囲温度で1時間撹拌した。この溶液を真空濃縮して大部分のエタノールを除去し、炭酸水素ナトリウム水溶液によりpH 9に調整した。固体沈殿を濾別し、水(300mL)、次いで酢酸エチル(1.0L)で洗浄した。二相の濾液と洗液を合わせて層分離し、水層を酢酸エチル(1.0L + 500mL)で再抽出した。酢酸エチル抽出液を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、表題化合物を褐色の油(89.5g)として得た;
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz) δ: 0.99 (s, 6H), 1.16 (t, 3H), 2.59 (s, 2H), 3.61 (s, 2H), 4.06 (q, 2H), 7.06 (m, 3H), 7.21 (m, 1H)。
【0223】
製造例5b:ジ-p-トルオイル-L-酒石酸[3-(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-フェニル]-酢酸エチルエステル
【0224】
【化50】

【0225】
製造例5aからのアミン(124.9g, 531mmol)の、アセトニトリル(1.0L)中における溶液を、ジ-p-トルオイル-L-酒石酸(194.8g, 504mmol)の、アセトニトリル(750mL)中における溶液で処理した。得られたスラリーを3時間撹拌し、固体沈殿を濾過により単離し、アセトニトリル(2回,250mL)で洗浄して、表題化合物を灰白色固体(210g)として得た;
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz) δ: 1.13 (s, 6H), 1.17 (t, 3H), 2.34 (s, 6H), 2.78 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 4.06 (q, 2H), 5.61 (s, 2H), 7.02 (d, 2H), 7.15 (d, 1H), 7.25 (m, 5H), 7.80 (d, 4H)。
【0226】
製造例5c:[3-(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-フェニル]-酢酸エチルエステル
【0227】
【化51】

【0228】
炭酸カリウム(37.90g, 274.22mmol)の、水(213ml)中における溶液を、製造例5b(42.62g, 68.56mmol)の、プロピオニトリル(213ml)中における懸濁液に添加し、すべての固体が溶解するまで撹拌した。次いで相を分離し、プロピオニトリル相を水(107ml)で洗浄した。減圧下でこの溶液の体積を約30mlになるまで減らして、表題化合物をプロピオニトリル溶液として得た。試料を取り出し、濃縮乾固して、重量重量検定を行い、収率は81%であることが示された。
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz) δ: 0.99 (s, 6H), 1.16 (t, 3H), 2.59 (s, 2H), 3.61 (s, 2H), 4.06 (q, 2H), 7.06 (m, 3H), 7.21 (m, 1H)。
【0229】
製造例8a:(3-{2-[((2R)-2-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-{4-ベンジルオキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)酢酸エチル
【0230】
【化52】

【0231】
N-[2-(ベンジルオキシ)-5-((1R)-2-ブロモ-1-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)フェニル]メタンスルホンアミド(14.34g, 27.88mmol)を、製造例5c(13.12g, 55.75mmol)の、プロピオニトリル(15ml)中における溶液に添加した。次いで混合物を3日間、加熱還流した。この溶液をプロピオニトリル(55ml)で希釈し、20〜25℃に冷却した。溶液を1M HCl水溶液(70ml)、次いで水(35ml)で洗浄し、収率100%と推定してこの溶液をそのまま次の工程に使用した。
【0232】
製造例9a:(R)-2-(3-{2-[2-ヒドロキシ-2-(4-ベンジルオキシ-3-メタンスルホンアミドフェニル)エチルアミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)酢酸エチル
【0233】
【化53】

【0234】
トリフッ化水素酸トリエチルアミン(9.1ml, 8.99g, 55.76mmol)を、製造例8a(18.64g, 27.88mmol)の、プロピオニトリル(72ml)中における溶液に添加した。溶液を20〜25℃で3時間撹拌した。次いで溶液を5M NH3水溶液(72ml)で反応停止し、10分間撹拌し、相を分離した。次いでプロピオニトリル溶液を水(72ml)で洗浄し、収率100%と推定してこの溶液をそのまま次の工程に使用した。
【0235】
製造例10a:(R)-2-(3-{2-[2-ヒドロキシ-2-(4-ベンジルオキシ-3-メタンスルホンアミドフェニル)エチルアミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)酢酸
【0236】
【化54】

【0237】
水酸化ナトリウム(6.69g, 167.28mmol)の、水(72ml)中における溶液を、製造例9a(15.47g, 27.88mmol)の、プロピオニトリル(72ml)中における溶液に添加した。次いでこの二相混合物を3時間、激しく撹拌した。相を分離させ、水相を新鮮なプロピオニトリル(72ml)で洗浄し、次いで1,4-ジオキサン(72ml)で希釈した。次いで37% w/w HCl水溶液の添加により溶液のpHをpH 6〜7に調整し、得られた懸濁液を1時間撹拌した。次いで懸濁液を濾過し、濾紙上で洗浄し、次いで乾燥させて、表題化合物を灰白色固体(13.55g, 3工程で92%)として得た;
1H NMR(400MHz, CD3OD) δ: 1.33 (s, 3H), 1.35 (s, 3H), 2.89 (s, 3H), 2.96 (s, 2H), 3.06-3.19 (m, 2H), 3.50 (s, 2H), 4.50 (m, 1H), 5.22 (s, 2H), 7.08 (d, 1H), 7.13 (d, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.24 (t, 2H), 7.27 (d, 1H), 7.31 (d, 1H), 7.38 (t, 2H), 7.48 (d, 2H), 7.49 (s, 1H) ppm。
【0238】
製造例10b:(R)-2-(3-{2-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-メタンスルホンアミドフェニル)エチルアミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)酢酸ナトリウム塩
【0239】
【化55】

【0240】
水酸化ナトリウム(1.40g, 35.05mmol)の、水(100ml)中における溶液を、製造例10a(18.46g, 35.05mmol)の、メタノール(600ml)中における懸濁液に添加した。混合物をカーボン上20重量%水酸化パラジウムにより150psiおよび60℃で5時間、水素化した。混合物を濾過して残留触媒を除去し、次いで減圧下で体積を100mlに減らした。混合物を蒸留し、減圧下で一定体積のアセトニトリルに置換した。得られた懸濁液を濾過し、濾紙上でアセトニトリルにより洗浄し、次いで乾燥させて、表題化合物を灰白色固体(15.34g, 95%)として得た;
1H NMR(400MHz, CD3OD) δ: 1.07 (s, 3H), 1.09 (s, 3H), 2.70 (s, 2H), 2.73-2.81 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 3.44 (s, 2H), 4.60-4.63 (m, 1H), 6.84 (d, 1H), 6.92 (d, 1H), 7.04 (d, 1H), 7.11 (s, 1H), 7.14 (d, 1H), 7.15 (t, 1H), 7.34 (s, 1H) ppm。
【0241】
次いで式10bの化合物と式NHR8-Q2-A (3)、
【0242】
【化56】

【0243】
の適切なアミンを、一般的なカップリング剤、たとえば1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩またはジシクロヘクシルカルボジイミドの存在下に、適切な溶媒、たとえばピリジン、ジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド中で反応させる;
式(1)の化合物を得るために:
【0244】
【化57】

【0245】
式中のR1およびR2はメチルであり、nは1である。
製造例11:1-(3-ブロモフェニル)-2-メチルプロパン-2-オール
【0246】
【化58】

【0247】
臭化メチルマグネシウム(ジエチルエーテル中の3M溶液, 51.6ml, 155mmol)を、1-(3-ブロモ-フェニル)プロパン-2-オン(15.0g, 70mmol)の、乾燥ジエチルエーテル(200ml)中における溶液に、0℃で徐々に添加した。得られた混合物を3時間放置し、次いで0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液で徐々に反応停止した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させた(硫酸ナトリウム)。次いで黄色の油をシリカゲル上、ジクロロメタン:プロパン:メタノール(体積比90:5:5)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色の油(13.26g)を得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) :δ 1.22 (s, 6H), 1.42 (bs, 1H), 2.74 (s, 2H), 7.15 (m, 2H), 7.40 (m, 2H) ppm。
【0248】
製造例12:N-[2-(3-ブロモフェニル)-1,1-ジメチルエチル]-2-クロロアセトアミド
【0249】
【化59】

【0250】
クロロアセトニトリル(6.63ml, 105mmol)を、製造例11(12.0g, 52.0mmol)の、酢酸(25ml)中における撹拌溶液に、室温で添加した。得られた溶液を0℃に冷却し、温度を<10℃に維持しながら濃硫酸(25ml)を添加した。得られた溶液を1時間撹拌し、次いで氷に注ぎ、固体炭酸カリウムの添加により塩基性にした。生成物を酢酸エチル(2回,500ml)で抽出し、有機相を合わせて水(50ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去して、表題化合物を橙色固体(16.08 g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) :δ 1.37 (s, 6H), 3.02 (s, 2H), 3.94 (s, 2H), 6.17 (bs, 1H), 7.03-7.08 (d, 1H), 7.11-7.13 (t, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.32-7.39 (d, 1H) ppm;
LRMS (エレクトロスプレー) m/z 306 [M+H]+
【0251】
製造例13:[2-(3-ブロモフェニル)-1,1-ジメチルエチル]アミン
【0252】
【化60】

【0253】
製造例12からのアミド(32.0g, 105mmol)、チオ尿素(9.60g, 126mmol)および酢酸(50ml)の、エタノール(250ml)中における溶液を、一夜、加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、濾液を真空濃縮し、水酸化ナトリウム水溶液(1M, 450ml)により塩基性にした。生成物をジクロロメタン(2回,500ml)で抽出し、有機相を合わせてブライン(50ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去して、表題化合物を黒色の油(23g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) :δ 1.12 (s, 6H), 1.84 (bs, 2H), 2.62 (s, 2H), 7.08-7.16 (m, 2H), 7.32-7.36 (m, 2H)) ppm;
LRMS (エレクトロスプレー) m/z 228 [M+H]+
【0254】
製造例14:N-[2-(ベンジルオキシ)-5-((1R)-2-{[2-(3-ブロモフェニル)-1,1-ジメチルエチル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)フェニル]メタンスルホンアミド
【0255】
【化61】

【0256】
製造例13からのアミン(5.04g, 22.3mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶解し、N-[2-(ベンジルオキシ)-5-((1S)-2-ブロモ-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-フェニル]メタンスルホンアミド(WO 02/06258, p.36, 例14a) (11.90g, 45.0mmol)で処理した。得られた溶液を、溶媒が蒸発するまで90℃に加熱し、次いで90℃でさらに16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、残留物をシリカゲル上、ペンタン:酢酸エチル(90:10)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物を褐色の油(8.36g)として得た;
1H NMR (CD3OD, 400MHz) δ: -0.14 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.84 (s, 9H), 1.10 (s, 3H), 1.13 (s, 3H), 2.87 (s, 3H), 2.67-2.90 (m, 4H), 4.73-4.77 (m, 1H), 5.25 (s, 2H), 7.12-7.23 (m, 4H), 7.36-7.48 (m, 6H), 7.53-7.55 (m, 2H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) : m/z 661/663 [M+H]+, 683/685 [M+H]+
【0257】
製造例15:3-{2-[((2R)-2-{4-(ベンジルオキシ)-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}-2-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}安息香酸メチル
【0258】
【化62】

【0259】
製造例14のブロミド(8.36g, 12.6mmol)、(1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II) (1.03g, 1.26mmol)およびトリエチルアミン(3.5ml, 25.1mmol)の、メタノール中における溶液を、100psiの一酸化炭素下で100℃に16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、溶媒を真空中で除去した。シリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.880アンモニア(90:10:1)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物を橙色の油7.79g(痕跡量の残留触媒が混入)として得た;
1H NMR(400MHz, CD3OD) δ: -0.17 (s, 3H), 0.00 (s, 3H), 0.80 (s, 9H), 1.12 (s, 3H), 1.15 (s, 3H), 2.67-2.92 (m, 3H), 3.96 (s, 3H), 4.73-4.77 (m, 1H), 5.24 (s, 2H), 7.11 (d, 1H), 7.19 (dd, 1H), 7.36-7.48 (m, 6H), 7.54 (d, 2H), 7.91-7.93 (m, 2H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 641 [M+H]+, 663 [M+Na]+
【0260】
製造例16:3-{2-[((2R)-2-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}安息香酸メチル
【0261】
【化63】

【0262】
製造例15のエステルから製造例7の方法により製造し、表題化合物を無色の油として得た;
1H NMR(400MHz, CD3OD) δ: -0.21 (s, 3H), -0.05 (s, 3H), 0.75 (s, 9H), 1.08 (s, 3H), 1.12 (s, 3H), 2.62-2.88 (m, 7H), 3.92 (s, 3H), 4.64-4.69 (m, 1H), 6.84 (d, 1H), 7.03 (dd, 1H), 7.35-7.36 (m, 1H), 7.39-7.42 (m, 2H), 7.87-7.89 (m, 2H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 551 [M+H]+, 573 [M+Na]+
【0263】
製造例17:3-{2-[((2R)-2-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}安息香酸
【0264】
【化64】

【0265】
製造例16のエステルから製造例8の方法により製造し、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR(400MHz, CD3OD) δ: -0.14 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.82 (s, 9H), 1.23 (s, 3H), 1.24 (s, 3H), 2.88-2.96 (m, 5H), 3.00-3.14 (m, 2H), 4.83-4.87 (m, 1H), 6.89 (d, 1H), 7.07 (dd, 1H), 7.24-7.26 (m, 1H), 7.32 (t, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.86 (d, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 537 [M+H]+, 559 [M+Na]+
【0266】
製造例18〜53
適切なカルボン酸(製造例10または17)(0.15mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(22mg, 0.16mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(34mg, 0.18mmol)およびN-エチルジイソプロピルアミン(130μL, 0.73mmol)の、N,N-ジメチルホルムアミド(2ml)中における溶液を、適切なアミン(0.23mmol)で処理し、反応混合物を室温で18時間、振とうした。反応混合物を真空濃縮し、残留物をジクロロメタン(3ml)と水(1ml)の間で分配した。相を分離し、有機層をブライン(1ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空濃縮した。残留物をシリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(体積比98:2:0から94:6:0.5に変化)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的生成物を得た。
【0267】
あるいは、製造例18〜53の合成に下記の方法を使用できる:
製造例10または17の適切なカルボン酸(5.08mmol)の、N,N-ジメチルホルムアミド(60ml)中における溶液を、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.755g, 5.59mmol)、適切なアミン(5.08mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.07g, 5.59mmol)およびトリエチルアミン(1.49ml, 10.67mmol)で処理する。得られた懸濁液を室温で18時間撹拌する。溶媒を真空中で除去し、残留物をジクロロメタン(100ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)の間で分配する。有機相を分離し、水相をジクロロメタン:メタノール(体積比95:5, 2回,20ml)で抽出する。有機抽出液を合わせて分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去する。残留物をシリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(体積比95:5:0.5)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的化合物を得る。
【0268】
【表1−1】

【0269】
【表1−2】

【0270】
【表1−3】

【0271】
【表1−4】

【0272】
【表1−5】

【0273】
【表1−6】

【0274】
【表1−7】

【0275】
【表1−8】

【0276】
【表1−9】

【0277】
【表1−10】

【0278】
【表1−11】

【0279】
【表1−12】

【0280】
【表1−13】

【0281】
製造例54:N-(4-ブロモベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド
【0282】
【化65】

【0283】
製造例18の方法により製造例10からの酸および(4-ブロモベンジル)アミンを用いて製造し、表題化合物を黄色のガムとして得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ -0.18 (s, 3H), 0.00 (s, 3H), 0.81 (s, 9H), 1.02 (s, 3H), 1.04 (s, 3H), 2.61-2.72 (m, 4H), 2.83 (s, 3H), 3.53 (s, 2H), 4.33 (s, 2H), 4.65-4.70 (m, 1H), 6.83-6.86 (d, 1H), 7.00-7.44 (m, 10H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 720 [M+H]+, 742 [M+H]+
【0284】
製造例55:2-(3-{2-[((2R)-2-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(3'-ヒドロキシビフェニル-4-イル)メチル]アセトアミド
【0285】
【化66】

【0286】
製造例56からのブロミド(0.50g, 0.70mmol)、(3-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(0.19g, 1.4mmol)、(1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II) (36mg, 0.04mmol)の、N,N-ジメチルホルムアミド(8ml)中における溶液を、2M炭酸ナトリウム水溶液(2ml)で処理し、得られた懸濁液を80℃に16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を真空中で除去した。残留物をトルエン(50ml)と共沸させ、酢酸エチル(50ml)に再溶解し、1N塩酸水溶液で中和した(pH7に)。有機層を分離し、水層をさらに酢酸エチル(2回,50ml)で抽出した。有機抽出液を合わせて水(100ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去して、橙色のガム(515mg)を得た。これをさらに精製せずに使用した;
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ -0.13 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.84 (s, 9H), 1.11 (s, 3H), 1.13 (s, 3H), 2.74-2.97 (m, 7H), 3.55-3.63 (m, 2H), 4.42-4.45 (m, 2H), 4.73-4.76 (m, 1H), 6.89-6.94 (m, 3H), 7.15-7.30 (m, 9H), 7.41 (d, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.53 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 732 [M+H]+, 754 [M+H]+
【0287】
製造例56:2-(3-{2-[((2R)-2-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(2'-ヒドロキシビフェニル-4-イル)メチル]アセトアミド
【0288】
【化67】

【0289】
(2-ヒドロキシフェニル)ボロン酸から製造例55の方法により製造し、表題化合物を褐色の油として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD): δ -0.13 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.84 (s, 9H), 1.12 (s, 3H), 1.14 (s, 3H), 2.72-2.99 (m, 7H), 3.58-3.61 (m, 2H), 4.43-4.45 (m, 2H), 4.74-4.78 (m, 1H), 6.78-6.81 (m, 1H), 6.90-6.92 (m, 1H), 7.02-7.10 (m, 2H), 7.15-7.39 (m, 8H), 7.41 (d, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.55 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 755 [M+H]+
【0290】
製造例57:2-ヒドロキシ-1-ナフタミド
【0291】
【化68】

【0292】
2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸(5.0g, 26.6mmmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(5.6g, 29.2mmol)、および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.95g, 29.2mmol)の、テトラヒドロフラン(70ml)中における溶液を、室温で30分間撹拌した後、0.880 NH3 (6ml)を添加した。得られた懸濁液を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を水(80ml)で希釈し、酢酸エチル(4回,80ml)で抽出した。有機抽出液を合わせて水(50ml,2回)、飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去すると橙色の油が得られた。シリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.880アンモニア 95:5:0.5で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を桃色固体(1.83g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 6.11-6.35 (bs, 2H), 7.17 (d, 1H), 7.36 (dd, 1H), 7.54 (dd, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.84 (d, 1H), 8.22 (d, 1H), 11.70-11.88 (bs, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 186 [M-H]-
【0293】
製造例58:6-ヒドロキシ-1-ナフタミド
【0294】
【化69】

【0295】
6-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸(1.88g, 9.99mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(2.11g, 10.98mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.48g, 10.98mmol)および炭酸アンモニウム(4.80g, 49.95mmol)の、N,N-ジメチルホルムアミド(70ml)中における溶液を、室温で窒素雰囲気下に3日間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残留物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)と酢酸エチル(6回,50ml)の間で分配した。有機抽出液を合わせて水(25ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(25ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去した。この固体をシリカゲルに吸着させ、シリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.880アンモニア(体積比95:5:0.5から90:10:1に変化)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を淡黄色固体(1.1g)として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 7.14 (d, 1H), 7.15 (s, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.83 (d, 2H), 8.32 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 186 [M-H]-
【0296】
製造例59:1-(アミノメチル)-2-ナフトール
【0297】
【化70】

【0298】
テトラヒドロフラン中のボラン溶液(1M 溶液19.23ml, 19.23mmol)を、製造例57からのアミド(0.90g, 4.81mmol)の、テトラヒドロフラン(10ml)中における溶液に、窒素雰囲気下で滴加した。次いで反応物を2時間、加熱還流した。溶液を冷却し、6M塩酸(10ml)で処理し、さらに2時間還流した。得られた懸濁液を冷却し、0.880 NH3の添加によりpHをpH9に調整し、酢酸エチル(50ml,3回)で抽出した。有機抽出液を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(20ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を減圧下で除去した。シリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.880アンモニア(体積比95:5:0.5から90:10:1に変化)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を桃色固体(0.19g)として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 4.41 (s, 2H), 7.07 (d, 1H), 7.23 (1H, dd), 7.43 (dd, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.87 (d, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 174 [M+H]+, 172 [M-H]-
【0299】
製造例60:6-(アミノメチル)-2-ナフトール
【0300】
【化71】

【0301】
製造例59の方法に従って製造例58からのアミドを用いて製造した;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 3.91 (s, 2H), 7.03-7.08 (m, 2H), 7.36 (dd, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.69 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 172 [M-H]-
【0302】
製造例61:(3-ヨードベンジル)カルバミン酸t-ブチル
【0303】
【化72】

【0304】
3-ヨードベンジルアミン塩酸塩(4.95g, 18.4mmol)の、ジクロロメタン(100ml)中における懸濁液を、トリエチルアミン(3.1ml, 22mmol)およびジ炭酸ジ-t-ブチル(4.40g, 20mmol)で処理し、得られた溶液を室温で窒素雰囲気下に1.5時間撹拌した。反応混合物を2M塩酸(30ml)、水(30ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去して、表題化合物を無色固体(6.43g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.46 (s, 9H), 4.21-4.30 (m, 2H), 4.79-4.89 (bs, 1H), 7.06 (dd, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.63 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 332 [M-H]-, 356 [M+Na]+
【0305】
製造例62:(2-ブロモベンジル)カルバミン酸t-ブチル
【0306】
【化73】

【0307】
2-ブロモベンジルアミンから製造例61の方法により製造し、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 1.50 (s, 9H), 4.33 (s, 2H), 7.18-7.22 (m, 1H), 7.35-7.38 (m, 2H), 7.59 (d, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 308/310 [M+Na]+
【0308】
製造例63:[(4'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]カルバミン酸t-ブチル
【0309】
【化74】

【0310】
製造例61からのヨージド(0.75g, 2.25mmol)、4-ヒドロキシフェニルボロン酸(0.62g, 4.50mmol)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニルパラジウム(II)クロリド(0.11g, 0.14mmol)の、N,N-ジメチルホルムアミド(14ml)中における溶液を、2M炭酸ナトリウム水溶液(4ml)で処理し、得られた混合物を窒素雰囲気下で80℃に16時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、残留物をシリカゲル上、酢酸エチル:ペンタン(1:3)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を淡桃色固体(0.73g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.47 (s, 9H), 4.33-4.41 (m, 2H), 4.87-4.94 (bs, 1H), 6.89 (d, 2H), 7.21 (d, 1H), 7.37 (dd, 1H), 7.43-7.45 (m, 4H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 298 [M-H]- , 322 [M+Na]+
【0311】
製造例64:[(2'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]カルバミン酸t-ブチル
【0312】
【化75】

【0313】
製造例61のヨージドおよび2-ヒドロキシボロン酸から製造例63の方法により製造し、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.46 (s, 9H), 4.38 (d, 2H), 4.90 (bs, 1H), 5.24 (bs, 1H), 6.97-7.01 (m, 2H), 7.22-7.47 (m, 6H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 322 [M+Na]+
【0314】
製造例65:[(2'-ヒドロキシビフェニル-2-イル)メチル]カルバミン酸t-ブチル
【0315】
【化76】

【0316】
製造例62のブロミドおよび2-ヒドロキシボロン酸から製造例63の方法により製造し、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 1.46 (s, 9H), 4.15 (d, 2H), 6.91-6.96 (m, 2H), 7.10 (dd, 1H), 7.17-7.41 (m, 5H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 298 [M-H]-
【0317】
製造例66:[(3'-ヒドロキシビフェニル-2-イル)メチル]カルバミン酸t-ブチル
【0318】
【化77】

【0319】
製造例62のブロミドおよび3-ヒドロキシボロン酸から製造例63の方法により製造し、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 1.48 (s, 9H), 4.21 (s, 2H), 6.76-6.83 (m, 3H), 7.21-7.43 (m, 5H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 298 [M-H]-
【0320】
製造例67:[(3'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]カルバミン酸t-ブチル
【0321】
【化78】

【0322】
製造例61のヨージドおよび3-ヒドロキシフェニルボロン酸から製造例63の方法により製造し、表題化合物を褐色のガムとして得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.48 (s, 9H), 4.37 (d, 2H), 4.86-4.91 (bs, 1H), 6.82 (dd, 1H), 7.04 (t, 1H), 7.11 (d, 1H), 7.24-7.30 (m, 2H), 7.36 (t, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.45 (d, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 298 [M-H]-, 597 [2M-H]-
【0323】
製造例68:3'-(アミノメチル)ビフェニル-4-オール
【0324】
【化79】

【0325】
製造例63からのフェノール(0.73g, 2.43mmol)をジオキサン中の4M HCl (6ml, 24.3mmol)で処理し、得られた溶液を室温で3時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 4.17 (s, 2H), 6.87 (d, 2H), 7.34 (d, 1H), 7.45-7.50 (m, 3H), 7.61 (d, 1H), 7.65 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 198 [M-H]-, 200 [M+H]+
【0326】
製造例69:3'-(アミノメチル)ビフェニル-3-オール
【0327】
【化80】

【0328】
製造例67のフェノールから製造例68の方法により製造し、表題化合物を褐色のガムとして得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 4.17 (s, 2H), 6.80 (dd, 1H), 7.04 (t, 1H), 7.08-7.11 (m, 1H), 7.26 (t, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.50 (t, 1H), 7.63 (d, 1H), 7.69 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 198 [M-H]-, 200 [M+H]+
【0329】
製造例70:3'-(アミノメチル)ビフェニル-2-オール
【0330】
【化81】

【0331】
製造例63のフェノールから製造例68の方法により製造し、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 4.19 (s, 2H), 6.93-6.97 (m, 2H), 7.19-7.23 (m, 1H), 7.31 (d, 1H), 7.41 (dd, 1H), 7.50-7.53 (m, 1H), 7.65-7.69 (m, 2H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 200 [M+H]+
【0332】
製造例71:2'-(アミノメチル)ビフェニル-2-オール
【0333】
【化82】

【0334】
製造例65から製造例68の方法により製造し、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 4.03 (s, 2H), 6.99-7.04 (m, 2H), 7.19 (dd, 1H), 7.30-7.34 (m, 2H), 7.50-7.58 (m, 3H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 200 [M+H]+
【0335】
製造例72:2'-(アミノメチル)ビフェニル-3-オール
【0336】
【化83】

【0337】
製造例66から製造例68の方法により製造し、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 4.15 (s, 2H), 6.79-6.84 (m, 2H), 6.88-6.91 (m, 1H), 7.31-7.35 (m, 1H), 7.37-7.40 (m, 1H), 7.48-7.54 (m, 2H), 7.56-7.60 (m, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 200 [M+H]+
【0338】
製造例73:(4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アセトニトリル
【0339】
【化84】

【0340】
(4-ヒドロキシフェニル)アセトニトリル(6.01g, 45.1mmol)の、N,N-ジメチルホルムアミド(60ml)中における溶液を、イミダゾール(3.81g, 58.6mmol)、t-ブチルジメチルシリルクロリド(7.49g, 49.6mmol)および N,N-ジメチルアミノピリジン(20mg)で処理し、得られた溶液を室温で窒素雰囲気下に16時間撹拌した。反応混合物を水(200ml)で希釈し、酢酸エチル(200ml,2回)で抽出した。有機抽出液を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(200ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去した。シリカゲル上、酢酸エチル:ペンタン(0:100から10:90に変化)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を淡黄色の油(9.44g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.19 (s, 6H), 0.97 (s, 9H), 3.66 (s, 2H), 6.82 (d, 2H), 7.17 (d, 2H) ppm;
MS (APCI) m/z 265 [M+NH4]+
【0341】
製造例74:2-(4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-2-メチルプロパンニトリル
【0342】
【化85】

【0343】
製造例73からのニトリル(5.62g, 22.7mmol)、ヨウ化メチル(3.11ml, 50mmol)、および18-クラウン-6 (1.5g, 5.6mmol)の、乾燥テトラヒドロフラン(300ml)中における溶液を、窒素雰囲気下で-78℃に冷却した。カリウムt-ブトキシド(テトラヒドロフラン中の1M溶液50ml, 50 mmol)を20分間かけて滴加し、次いで反応混合物を徐々に室温にまで昇温させた。2時間後、反応物を-78℃に再冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(200ml)の添加により反応停止し、室温にまで昇温させた。得られた溶液を酢酸エチル(300ml,2回)で抽出し、有機相を合わせて乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去した。シリカゲル上、酢酸エチル:ペンタン(0:100から10:90に変化)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を無色の油(4.75 g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.19 (s, 6H), 0.97 (s, 9H), 1.68 (s, 6H), 6.82 (d, 2H), 7.30 (d, 2H) ppm;
MS (APCI) m/z 293 [M+NH4]+
【0344】
製造例75:[2-(4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-2-メチルプロピル]アミン
【0345】
【化86】

【0346】
製造例74からのニトリル(0.75g, 2.7mmol)の、ジエチルエーテル(5ml)中における溶液を、冷却した(0℃)ジエチルエーテル中の水素化アルミニウムリチウム溶液(1M溶液2.98ml)に滴加した。得られた溶液を0℃で3時間撹拌し、次いで水(0.1ml)、2N塩化ナトリウム水溶液(0.1ml)、さらに水(0.3ml)の添加により反応停止した。得られた懸濁液を濾過し、濾液を真空濃縮した。シリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.880アンモニア(体積比97:3:0.5から93:7:0.5に変化)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を無色の油(0.52g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.18 (s, 6H), 0.97 (s, 9H), 1.00 (bs, 2H), 1.25 (s, 6H), 2.73 (s, 2H), 6.78 (d, 2H), 7.16 (d, 2H) ppm;
MS (APCI) m/z 280 [M+H]+
【0347】
製造例76:4-(アミノメチル)-2,6-ジメチルフェノール塩酸塩
【0348】
【化87】

【0349】
テトラヒドロフラン中のボラン溶液(1M溶液27.1ml, 27.1mmol)を、3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンゾニトリル(1.0g, 6.79mmol)の、テトラヒドロフラン(70ml)中における溶液に滴加し、得られた溶液を窒素雰囲気下で16時間、加熱還流した。反応物を室温に冷却し、6N塩酸(20ml)で処理し、さらに30分間還流した。反応混合物を室温にまで冷却し、溶媒を真空中で除去した。強カチオン交換樹脂により、メタノールで副生物を溶離した後、メタノール中2Mアンモニアで生成物を溶離させて精製し、表題化合物を橙色の油として得た。この油をメタノール中の1M塩化水素(20ml)で処理し、溶媒を真空中で除去して、表題化合物を淡黄色固体(1.12g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.22 (s, 6H), 3.75 (s, 2H), 6.90 (s, 2H)。
【0350】
製造例77:2-(アミノメチル)-4-クロロフェノール塩酸塩
【0351】
【化88】

【0352】
5-クロロ-2-ヒドロキシベンゾニトリルから製造例76に記載の方法により製造した;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 4.08 (s, 2H), 6.87 (d, 1H), 7.27 (d, 1H), 7.35 (s, 1H);
MS (APCI) m/z 156 [M-H]- , 158 [M+H]+
【0353】
製造例77:4'-(アミノメチル)ビフェニル-4-オール塩酸塩
【0354】
【化89】

【0355】
4'-ヒドロキシビフェニル-4-カルボニトリルから製造例76に記載の方法により製造した;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 4.10 (s, 2H), 6.83 (d, 2H), 7.44-7.46 (m, 4H), 7.60 (d, 2H) ppm。
【0356】
製造例79:3,5-ジクロロ-N-エチル-2-ヒドロキシベンズアミド
【0357】
【化90】

【0358】
3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシ安息香酸およびエチルアミンから製造例57の方法により製造し、表題化合物を淡黄色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.28 (t, 3H), 3.47-3.54 (m, 2H), 6.29-6.36 (bs, 1H), 7.27 (d, 1H), 7.48 (d, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 232 [M-H]-
【0359】
製造例80:2,4-ジクロロ-6-[(エチルアミノ)メチル]フェノール
【0360】
【化91】

【0361】
製造例79からのアミド(0.77g, 3.29mmol)の、テトラヒドロフラン(10ml)中における溶液を、0℃に冷却し、ボラン・テトラヒドロフラン複合体(テトラヒドロフラン中の1M溶液9.9ml, 9.9mmol)で処理した。得られた溶液を20分間かけて室温にまで昇温させ、次いで16時間、加熱還流した。反応混合物を0℃に冷却し、メタノール(起泡が止むまで)の添加により反応停止した。得られた溶液を2時間かけて室温にまで昇温させ、次いで溶媒を真空中で除去した。残留物をジクロロメタン(40ml)に溶解し、水(10ml,2回)、飽和塩化ナトリウム水溶液(10ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、減圧濃縮すると無色の油が得られた。シリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール(98:2から95:5に変化)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を無色固体(0.53g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.17 (t, 3H), 2.72 (q, 2H), 3.98 (s, 2H), 6.86 (d, 1H), 7.23 (d, 1H) ppm。
【0362】
製造例81:6-ヒドロキシ-N-メチル-1-ナフタミド
【0363】
【化92】

【0364】
6-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸およびメチルアミンから製造例57の方法により製造し、表題化合物を淡橙色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 2.97 (s, 3H), 7.10-7.14 (m, 2H), 7.34-7.40 (m, 2H), 7.73 (dd, 1H), 8.04 (d, 1H) ppm。
【0365】
製造例82:5-[(メチルアミノ)メチル]-2-ナフトール
【0366】
【化93】

【0367】
製造例81のアミドから製造例80の方法により製造し、表題化合物を淡桃色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 2.48 (s, 3H), 4.14 (s, 2H), 7.11-7.14 (m, 2H), 7.25 (d, 1H), 7.33 (t, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.94 (d, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 186 [M-H]- , 188 [M+H]+
【0368】
製造例83:3-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0369】
【化94】

【0370】
3-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸から製造例58の方法により製造し、表題化合物を淡黄色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 7.18 (t, 1H), 7.50 (t, 1H), 7.60-7.61 (m, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 204 [M-H]-
【0371】
製造例84:3-(アミノメチル)-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0372】
【化95】

【0373】
製造例83のアミドから製造例80の方法により製造し、表題化合物を淡黄色の油として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 3.81 (s, 2H), 6.91 (s, 1H), 6.98 (s, 1H), 7.09 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 192 [M+H]+
【0374】
製造例85:3-(アミノメチル)-5-クロロフェノール
【0375】
【化96】

【0376】
3-クロロ-5-ヒドロキシベンゾニトリルから製造例76の方法により製造し、表題化合物を淡黄色固体として得た;
1H NMR(400MHz, CD3OD) δ: 3.69 (s, 2H), 6.65 (d, 2H), 6.79 (t, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 158 [M+H]+
【0377】
製造例86:酢酸3-[(アセチルアミノ)メチル]-5-クロロフェニル
【0378】
【化97】

【0379】
製造例85のアミン(700mg, 4.46mmol)の、テトラヒドロフラン(20ml)中における溶液を、トリエチルアミン(1.3ml, 8.9mmol)および塩化アセチル(0.64ml, 8.9mmol)で処理した。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空濃縮して、表題化合物を無色固体(1.07g)として得た;
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ: 2.15 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 3.71-3.75 (m, 1H), 4.38-4.41 (m, 2H), 6.92 (s, 1H), 7.02 (s, 1H), 7.13 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 264 [M+Na]+
【0380】
製造例87:N-(3-クロロ-5-ヒドロキシベンジル)アセトアミド
【0381】
【化98】

【0382】
製造例86のジアセテート(1.07g, 4.44mmol)の、メタノール(10ml)中における溶液を、ナトリウムメトキシド(30mg, 0.55mmol)で処理し、得られた混合物を室温で6時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残留物をシリカゲル上、酢酸エチル:ペンタン(1:1から1:0に変化)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を黄色固体(0.78 g)として得た;
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ: 2.05 (s, 3H), 4.33 (d, 2H), 6.08-6.14 (m, 1H), 6.73 (d, 2H), 6.79 (t, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 200 [M+H]+
【0383】
製造例88:3-クロロ-5-[(エチルアミノ)メチル]フェノール
【0384】
【化99】

【0385】
製造例87のアミド(0.75g, 3.76mmol)から製造例59の方法により製造し、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR(400MHz, CD3OD) δ: 1.14 (t, 3H), 2.71 (q, 2H), 3.25-3.27 (m, 1H), 3.72 (s, 2H), 6.66-6.68 (m, 2H), 6.79 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z [M-H]-
【0386】
製造例89:4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-クロロベンズアルデヒド
【0387】
【化100】

【0388】
2-クロロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g, 32mmol)、t-ブチル(ジメチル)シリルクロリド(5.3g, 35mmol)、イミダゾール(2.9g, 45mmol)およびN,N-ジメチルアミノピリジン(10mg)の、N,N-ジメチルホルムアミド(40ml)中における溶液を、室温で窒素雰囲気下に16時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残留物を酢酸エチル(100ml)と水(100ml)の間で分配した。有機相を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空濃縮した。さらにシリカゲル上、ペンタン:酢酸エチル(3:1から2:1に変化)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を無色の油(6.50g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.25 (s, 6H), 0.97 (s, 9H), 6.80 (dd, 1H), 6.87 (d, 1H), 7.84 (d, 1H), 10.32 (s, 1H) ppm。
【0389】
製造例90:N-(4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-クロロベンジル)プロパ-2-エン-1-アミン
【0390】
【化101】

【0391】
製造例89からのアルデヒド(6.50g, 24.0mmol)およびアリルアミン(1.51g, 26.4mmol)の、ジクロロメタン(60ml)中における溶液を、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(7.6g, 35.6mmol)で処理し、得られた懸濁液を室温で16時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を添加し、有機相を分離した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去すると、黄色の油が得られた。シリカゲル上、ペンタン:酢酸エチル(3:1から2:1に変化)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を無色の油(2.80g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.19 (s, 6H), 0.97 (s, 9H), 1.84 (bs, 1H), 3.26 (d, 2H), 3.81 (s, 2H), 5.12 (dd, 1H), 5.20 (dd, 1H), 5.88-5.98 (m, 1H), 6.71 (dd, 1H), 6.85-6.86 (d, 1H), 7.24 (d, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 312 [M+H]+
【0392】
製造例91:4-[(アリルアミノ)メチル]-2,6-ジクロロフェノール
【0393】
【化102】

【0394】
3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒドおよびアリルアミンから製造例90の方法により製造し、表題化合物を無色の油として得た;
1H NMR (400MHz, DMSOd6) δ: 3.11 (d, 2H), 3.50 (s, 2H), 5.06 (d, 1H), 5.16 (d, 1H), 5.77-5.90 (m, 1H), 7.10 (s, 2H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 232/234 [M+H]+
【0395】
製造例92:(4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-クロロベンジル)アミン
【0396】
【化103】

【0397】
製造例91からのアミン(2.8g, 9.0mmol)、バルビツル酸ジメチル(7.0g, 45mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) (0.10g, 0.08mmol)の、ジクロロメタン(80ml)中における溶液を、4時間、加熱還流した。冷却した溶液を真空濃縮し、残留物を酢酸エチル(50ml)と1N水酸化ナトリウム水溶液(50ml)の間で分配した。有機相を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空濃縮した。さらにシリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.880アンモニア(98:2:0から95:5:0.5に変化)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を無色の油(1.70g)として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.19 (s, 6H), 0.97 (s, 9H), 1.89 (s, 2H), 3.85 (s, 2H), 6.70 (dd, 1H), 6.85-6.86 (dd, 1H), 7.21 (d, 1H) ppm。
【0398】
製造例93:(4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ベンジル)メチルアミン
【0399】
【化104】

【0400】
製造例89のアルデヒドおよびメチルアミンから製造例90の方法により製造し、表題化合物を黄色の油として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.23 (s, 6H), 1.00 (s, 9H), 2.50 (s, 3H), 3.93 (s, 2H), 6.70-6.73 (m, 1H), 6.76 (d, 1H), 7.20 (d, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 286/288 [M+H]+
【0401】
製造例94:バルビツル酸4-(アミノメチル)-2,6-ジクロロフェノール
【0402】
【化105】

【0403】
製造例91のアミンから製造例92の方法により製造し、表題化合物をバルビツル酸塩として得た;
1H NMR (400MHz, DMSOd6) δ: 2.60-4.40 (broad multiplet, 2H), 3.03 (s, 6H), 3.93 (s, 2H), 7.49 (s, 2H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 192/194[M+H]+
【0404】
製造例95:4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2,3-ジクロロベンズアルデヒド
【0405】
【化106】

【0406】
2,3-ジクロロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒドから製造例89の方法に従って製造し、表題化合物を黄色の油として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.29 (s, 6H), 1.04 (s, 9H), 6.88 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 10.32 (s, 1H) ppm。
【0407】
製造例96:N-(4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2,3-ジクロロベンジル)プロパ-2-エン-1-アミン
【0408】
【化107】

【0409】
製造例90に従ってアリルアミンおよび製造例95からのアルデヒドを用いて製造し、表題化合物を無色の油として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.20 (s, 6H), 1.01 (s, 9H), 3.25 (d, 2H), 3.82 (s, 2H), 5.10 (dd, 1H), 5.18 (dd, 1H), 5.85-5.93 (m, 1H), 6.76 (d, 1H), 7.13 (d, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 346/348 [M+H]+
【0410】
製造例97:(4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2,3-ジクロロベンジル)アミン
【0411】
【化108】

【0412】
製造例92に従って製造例96からのアミンを用いて製造し、表題化合物を無色の油として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 0.23 (s, 6H), 1.03 (s, 9H), 3.92 (s, 2H), 6.77 (d, 1H), 7.12 (d, 1H) ppm。
【0413】
製造例98:4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-1-ナフトアルデヒド
【0414】
【化109】

【0415】
2,3-ジクロロ-4-ヒドロキシベンズアルデヒドから製造例89の方法に従って製造し、表題化合物を褐色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.36 (s, 6H), 1.10 (s, 9H), 6.94 (d, 1H), 7.56 (dd, 1H), 7.68 (dd, 1H), 7.86 (d, 1H), 8.27 (dd, 1H), 9.30 (dd, 1H), 10.21 (s, 1H) ppm。
【0416】
製造例99:N-[(4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-1-ナフチル)メチル]プロパ-2-エン-1-アミン
【0417】
【化110】

【0418】
製造例90に従ってアリルアミンおよび製造例98からのアルデヒドを用いて製造し、表題化合物を黄色の油として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.30 (s, 6H), 1.11 (s, 9H), 1.97 (bs, 1H), 3.39 (d, 2H), 4.17 (s, 2H), 5.16 (dd, 1H), 5.25 (dd, 1H), 5.95-6.05 (m, 1H), 6.82 (d, 1H), 7.32 (d, 1H), 7.47-7.57 (m, 2H), 8.07 (d, 1H), 8.25 (d, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 328 [M+H]+, 655 [2M+H]+
【0419】
製造例100:[(4-{[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-1-ナフチル)メチル]アミン
【0420】
【化111】

【0421】
製造例92に従って製造例99からのアミンを用いて製造し、表題化合物を無色の油として得た;
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.28 (s, 6H), 1.09 (s, 9H), 2.31 (bs, 2H), 4.24 (s, 2H), 6.80 (d, 1H), 7.27 (t, 1H), 7.46-7.55 (m, 4H), 8.00 (d, 1H), 8.25 (d, 1H)。
【0422】
製造例101:3-ヒドロキシ-N-メチル-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0423】
【化112】

【0424】
3-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)安息香酸およびメチルアミンから製造例58の方法により製造し、表題化合物を淡橙色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 2.99 (s, 3H), 7.14 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.52 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 218 [M-H]-
【0425】
製造例102:3-[(メチルアミノ)メチル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0426】
【化113】

【0427】
製造例101のアミドから製造例59の方法により製造し、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 2.41 (s, 3H), 3.75 (s, 2H), 6.93 (s, 1H), 6.98 (s, 1H), 7.09 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 206 [M+H]+
【0428】
製造例103:4-(アミノメチル)-3,5-ジメチルフェノール
【0429】
【化114】

【0430】
4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンゾニトリルから製造例76の方法により製造し、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, D2O) δ: 2.09 (s, 6H), 3.90 (s, 2H), 6.95 (s, 2H) ppm。
【0431】
製造例104:(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフェニル)アセトニトリル
【0432】
【化115】

【0433】
(4-メトキシ-2,5-ジメチルフェニル)アセトニトリル(0.5g, 2.9mmol)の、ジクロロメタン(10ml)中における溶液を、-80℃に冷却し、ジクロロメタン中の三臭化ホウ素溶液(1M溶液14.3ml, 14.3mmol)で処理した。反応混合物を-80℃でさらに30分間撹拌し、次いで2時間かけて徐々に室温にまで昇温させた。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)で反応停止し、有機相を分離した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(20ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空中で除去すると、淡褐色固体が得られた。シリカゲル上、酢酸エチル:ペンタン(1:4から1:2に変化)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を無色固体(0.28 g)として得た;
1H NMR(400MHz, CD3OD) δ: 2.13 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 3.66 (s, 2H), 6.60 (s, 1H), 6.98 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 160 [M-H]-
【0434】
製造例105:(4-ヒドロキシ-2,3-ジメチルフェニル)アセトニトリル
【0435】
【化116】

【0436】
(4-メトキシ-2,3-ジメチルフェニル)アセトニトリルから製造例104の方法により製造し、表題化合物を淡黄色固体として得た;
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ: 2.20 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 3.62 (s, 2H), 4.91 (bs, 1H), 6.64 (d, 1H), 7.03 (d, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 160 [M-H]-
【0437】
製造例106:(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)アセトニトリル
【0438】
【化117】

【0439】
(4-メトキシ-3-メチルフェニル)アセトニトリルから製造例104の方法により製造し、表題化合物を淡黄色固体として得た;
1H NMR(400MHz, CDCl3) δ: 2.25 (s, 3H), 3.65 (s, 2H), 4.98 (bs, 1H), 6.76 (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 7.07 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 146 [M-H]-
【0440】
製造例107:4-(2-アミノエチル)-2,5-ジメチルフェノール
【0441】
【化118】

【0442】
製造例104からのニトリル(0.28g, 1.74mmol)の、エタノール(15ml)中における溶液を、60psiでラネーニッケル(0.1g, 50% w/w)上、16時間水素化した。反応混合物を濾過し、溶媒を真空中で除去した。残留物を強カチオン交換樹脂により、メタノールで非塩基性不純物を溶離し、次いでメタノール中1Mアンモニアで溶離して精製し、表題化合物を無色の油として得た;
1H NMR(400MHz, CD3OD) δ: 2.11 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 2.63-2.67 (m, 2H), 2.72-2.76 (m, 2H), 6.54 (s, 1H), 6.81 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 166 [M+H]+
【0443】
製造例108:4-(2-アミノエチル)-2,3-ジメチルフェノール
【0444】
【化119】

【0445】
製造例105のニトリルから製造例107の方法により製造し、表題化合物を無色の油として得た;
1H NMR(400MHz, CD3OD) δ: 2.12 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 2.68-2.75 (m, 4H), 6.55 (d, 1H), 6.78 (d, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 166 [M+H]+
【0446】
製造例109:4-(2-アミノエチル)-2-メチルフェノール
【0447】
【化120】

【0448】
製造例106のニトリルから製造例107の方法により製造し、表題化合物を無色の油として得た;
1H NMR(400MHz, CD3OD) δ: 2.15 (s, 3H), 2.60-2.64 (m, 2H), 2.79-2.83 (m, 2H), 6.66 (d, 1H), 6.82 (d, 1H), 6.90 (s, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 152 [M+H]+
【0449】
実施例1〜38
適切な保護されたアルコール類(0.075mmol)をエタノール(4ml)に溶解し、この溶液をフッ化アンモニウム(16mg, 0.43mmol)の、水(300μL)中における溶液で処理した。次いで反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、室温になるまで放冷した。固体生成物が沈殿した場合、反応混合物を濾過し、メタノール:水(2ml, 体積比1:1)で洗浄して表題化合物を得た。生成物が沈殿しない場合、反応混合物を真空濃縮し、残留物をシリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(98:2:0→95:5:0.5→90:10:1)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。
【0450】
あるいは、実施例1〜38の合成に下記の方法を使用できる:
適切な保護されたアルコール類(2.87mmol)の、メタノール(80ml)中における溶液を、フッ化アンモニウム(1.06g, 28.7mmol)の、水(53ml)中における溶液で処理し、得られた混合物を40℃に16時間加熱する。反応物を室温に冷却し、濾過し、水とメタノールの混合物(体積比1:1, 3回,10ml)、メタノール(2回,10ml)で洗浄する。この固体を真空乾燥させて、目的化合物を得る。
【0451】
実施例1:2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アセトアミド
【0452】
【化121】

【0453】
製造例18(0.075mmol)をエタノール(4ml)に溶解し、この溶液をフッ化アンモニウム(16mg, 0.43mmol)の、水(300μL)中における溶液で処理した。次いで反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、室温になるまで放冷した。反応混合物を真空濃縮し、残留物をシリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(98:2:0→95:5:0.5→90:10:1)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物を無色固体として得た;
1H NMR (CD3OD, 400MHz) δ: 1.04 (s, 3H), 1.06 (s, 3H), 2.68-2.90 (m, 7H), 3.53 (s, 2H), 3.74 (s, 3H), 4.23 (m, 2H), 4.62 (m, 1H), 6.67 (m, 2H), 6.77 (m, 1H), 6.85 (d, 1H), 7.01-7.22 (m, 6H), 7.37 (m, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 572 [M+H]+
【0454】
実施例2:N-[(4'-ヒドロキシビフェニル-4-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド
【0455】
【化122】

【0456】
製造例19(0.075mmol)をエタノール(4ml)に溶解し、この溶液をフッ化アンモニウム(16mg, 0.43mmol)の、水(300μL)中における溶液で処理した。次いで反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、室温になるまで放冷した。反応混合物を濾過し、固体をメタノール:水(2ml, 体積比1:1)で洗浄して、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR(400MHz, DMSOd6) δ: 0.90 (s, 3H), 0.92 (s, 3H), 2.56 (s, 2H), 2.62-2.65 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 3.43 (s, 2H), 4.25 (2H, d), 4.40-4.43 (m, 1H), 6.80-6.82 (m, 3H), 6.96-7.01 (m, 2H), 7.07-7.10 (m, 2H), 7.14-7.18 (m, 2H), 7.23 (d, 2H), 7.42-7.48 (m, 4H), 8.47 (t, 1H);
MS (エレクトロスプレー) m/z 618 [M+H]+
【0457】
実施例3:N-(4-クロロ-2-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド
【0458】
【化123】

【0459】
製造例20(0.075mmol)をエタノール(4ml)に溶解し、この溶液をフッ化アンモニウム(16mg, 0.43mmol)の、水(300μL)中における溶液で処理した。次いで反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、室温になるまで放冷した。反応混合物を濾過し、メタノール:水(2ml, 体積比1:1)で洗浄して、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR(400MHz, DMSOd6) δ: 0.90 (s, 3H), 0.91 (s, 3H), 2.56 (s, 2H), 2.59-2.67 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 3.44 (s, 2H), 4.16 (s, 2H), 4.40-4.43 (m, 1H), 6.76-6.81 (m, 2H), 6.96-7.18 (m, 8H), 8.42 (s, 1H);
MS (エレクトロスプレー) m/z 574 [M-H]-, 576 [M+H]+
【0460】
実施例4:N-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド
【0461】
【化124】

【0462】
製造例21(0.075mmol)をエタノール(4ml)に溶解し、この溶液をフッ化アンモニウム(16mg, 0.43mmol)の、水(300μL)中における溶液で処理した。次いで反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、室温になるまで放冷した。反応混合物を濾過し、メタノール:水(2ml, 体積比1:1)で洗浄して、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR(400MHz, DMSOd6) δ: 0.90 (s, 3H), 0.91 (s, 3H), 2.08 (s, 6H), 2.55 (s, 2H), 2.62-2.65 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 3.38 (s, 2H partially obscured by H2O), 4.05 (d, 2H), 4.40-4.43 (m, 1H), 6.71 (s, 2H), 6.81 (d, 1H), 6.95-7.01 (m, 2H), 7.05-7.09 (m, 2H), 7.13-7.18 (m, 2H), 8.28-8.31 (t, 1H)。
【0463】
実施例5:2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)メチル]アセトアミド
【0464】
【化125】

【0465】
製造例22(0.075mmol)をエタノール(4ml)に溶解し、この溶液をフッ化アンモニウム(16mg, 0.43mmol)の、水(300μL)中における溶液で処理した。次いで反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、室温になるまで放冷した。反応混合物を真空濃縮し、残留物をシリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(98:2:0→95:5:0.5→90:10:1)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, DMSOd6) δ: 0.86 (s, 3H), 0.87 (s, 3H), 2.46-2.68 (m, 4H), 2.90 (s, 3H), 3.40 (s, 2H), 4.41-4.47 (m, 1H), 4.63 (d, 2H), 6.83 (d, 1H), 6.94-7.05 (m, 4H), 7.11-7.16 (m, 2H), 7.19 (s, 1H), 7.27 (t, 1H), 7.40 (t, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.88 (d, 1H), 8.48-8.52 (bs, 1H);
MS (エレクトロスプレー) m/z 590 [M- H]-
【0466】
実施例6:2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)メチル]アセトアミド
【0467】
【化126】

【0468】
製造例23(0.075mmol)をエタノール(4ml)に溶解し、この溶液をフッ化アンモニウム(16mg, 0.43mmol)の、水(300μL)中における溶液で処理した。次いで反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、室温になるまで放冷した。反応混合物を濾過し、メタノール:水(2ml, 体積比1:1)で洗浄して、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, DMSOd6) δ: 0.90 (s, 3H), 0.92 (s, 3H), 2.49-2.68 (m, 4H), 2.89 (s, 3H), 3.44 (s, 2H), 4.34 (d, 2H), 4.40-4.43 (m, 1H), 6.80 (d, 1H), 6.96-7.17 (m, 7H), 7.23 (d, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.61 (d, 1H), 8.50 (dd, 1H)
MS (エレクトロスプレー) m/z 590 [M-H]-, 592 [M+H]+, 614 [M+Na]+
【0469】
実施例7:N-[(4'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド
【0470】
【化127】

【0471】
製造例24(0.075mmol)をエタノール(4ml)に溶解し、この溶液をフッ化アンモニウム(16mg, 0.43mmol)の、水(300μL)中における溶液で処理した。次いで反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、室温になるまで放冷した。反応混合物を濾過し、メタノール:水(2ml, 体積比1:1)で洗浄して、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, DMSOd6) δ: 0.88 (s, 3H), 0.90 (s, 3H), 2.66-2.54 (m, 4H), 2.88 (s, 3H), 3.43 (s, 2H), 4.29 (d, 2H), 4.39-4.43 (m, 1H), 6.79-6.82 (m, 3H), 6.96-7.01 (dd, 2H), 7.07-7.17 (m, 5H), 7.27-7.31 (dd, 1H), 7.36-7.41 (m, 4H), 8.52 (dd, 1H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 618 [M+H]+
【0472】
実施例8:N-[(3'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド
【0473】
【化128】

【0474】
製造例25(0.075mmol)をエタノール(4ml)に溶解し、この溶液をフッ化アンモニウム(16mg, 0.43mmol)の、水(300μL)中における溶液で処理した。次いで反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、室温になるまで放冷した。反応混合物を濾過し、メタノール:水(2ml, 体積比1:1)で洗浄して、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, DMSOd6) δ: 1.16 (s, 6H), 2.85 (s, 2H), 2.92 (s, 3H), 2.96-3.03 (m, 2H),3.57 (s, 2H), 4.42 (s, 2H), 4.77-4.79 (m, 1H), 6.74 (d, 1H), 6.90 (d, 1H), 6.95-6.97 (m, 2H), 7.09-7.27 (m, 7H), 7.32 (t, 1H), 7.41-7.42 (m, 3H) ppm;
MS (エレクトロスプレー) m/z 618 [M+H]+ , 6401[M+Na]+, 616 [M-H]-
【0475】
実施例9:2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(2-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロピル]アセトアミド
【0476】
【化129】

【0477】
製造例26(0.075mmol)をエタノール(4ml)に溶解し、この溶液をフッ化アンモニウム(16mg, 0.43mmol)の、水(300μL)中における溶液で処理した。次いで反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、室温になるまで放冷した。反応混合物を真空濃縮し、残留物をシリカゲル上、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(98:2:0→95:5:0.5→90:10:1)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, DMSOd6) δ: 0.91 (s, 3H), 0.92 (s, 3H), 1.11 (s, 6H), 2.56 (s, 2H), 2.64-2.66 (m, 2H), 2.89 (s, 3H), 3.15 (s, 2H), 3.35 (s, 2H), 4.42-4.45 (m, 1H), 6.65 (d, 2H), 6.81 (d, 1H), 6.94-7.03 (m, 4H), 7.07-7.14 (m, 3H), 7.18 (s, 1H), 7.60 (t, 1H);
MS (APCI) m/z 582 [M-H]-, 584 [M+H]+
【0478】
実施例10:N-(3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシベンジル)-N-エチル-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド
【0479】
【化130】

【0480】
製造例27(0.075mmol)をエタノール(4ml)に溶解し、この溶液をフッ化アンモニウム(16mg, 0.43mmol)の、水(300μL)中における溶液で処理した。次いで反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、室温になるまで放冷した。反応混合物を濾過し、メタノール:水(2ml, 体積比1:1)で洗浄して、表題化合物を無色固体として得た;
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ: 1.05-1.16 (m, 9H), 2.70-2.96 (m, 7H), 3.32 and 3.34 (2t, 2H), 3.74 and 3.83 (2s, 2H), 4.56 and 4.58 (2s, 2H), 4.64-4.66 (m, 1H), 6.85 (dd, 1H), 7.01-7.26 (m, 7H), 7.36 (dd, 1H);
MS (エレクトロスプレー) m/z 637 [M-H]-
【0481】
【表2−1】

【0482】
【表2−2】

【0483】
【表2−3】

【0484】
【表2−4】

【0485】
【表2−5】

【0486】
【表2−6】

【0487】
【表2−7】

【0488】
【表2−8】

【0489】
【表2−9】

【0490】
別途記載しない限り、すべての反応を窒素雰囲気下で実施した。
略号
TBDMS = t-ブチル(ジメチル)シリル
IPA : イソプロピルアルコール
THF : テトラヒドロフラン
s = 一重線
d = 二重線
dd = 二重の二重線
t = 三重線
q = 四重線
m = 多重線
bs = 幅広い一重線、たとえばNHまたはOH。
【0491】
式(1)の化合物が有効なβ2アゴニストとして作用し、したがって平滑筋弛緩を仲介する能力は、β-2アドレナリン作動性受容体刺激がモルモット気管片の電界刺激収縮に及ぼす影響を測定することにより判定できる。
【0492】
モルモット気管
雄Dunkin-Hartleyモルモット(475〜525g)をCO2窒息および大腿動脈からの瀉血により殺し、気管を摘出する。喉頭直下から切開し始めて長さ2.5cmの気管を切除し、各動物から4つの標本を採取する。気管筋の反対側の軟骨を切断することにより気管片を切開し、次いで軟骨環3〜4個幅の横切片を切り取る。得られた切片標本を、上下軟骨帯を通して結んだ綿糸により5mlの臓器浴内に吊るす。3μMのインドメタシン(Sigma I7378)、10μMのグアネチジン(Sigma G8520)および10μMのアテノロール(Sigma A7655)を含有する改変クレブス-リンガー緩衝液(Sigma K0507)[37℃に加熱し、95% O2/5% CO2を吹き込んだもの]の中で20分間、切片を平衡化して張力解除した後、1gの初期張力を付加する。標本をさらに30〜45分間、平衡化させ、その間に標本に15分間隔で2回、再張力付加する(1gに)。データ収集システム(Pfizerで特注設計)に接続した標準的な等長トランスデューサーにより、張力の変化を記録およびモニターする。この張力付加平衡化の後、組織を下記のパラメーターにより電界刺激(EFS)する:2分毎に10秒間連続(10s trains)、0.1msのパルス幅、10Hzおよび最大値電圧(just-maximal voltage)(25V)を実験期間全体を通して継続。気管の節後(post-ganglionic)コリン作動性神経のEFSにより平滑筋を単相性収縮させ、単収縮高(twitch hight)を記録する。実験期間全体を通して、蠕動ポンプシステム(ポンプ流速7.5ml/分)により、臓器浴に前記のクレブス-リンガー緩衝液を連続的に潅流させる。ただし、本発明によるβ-2アゴニストを添加する際には、浴への累積投与時間の間、ポンプを停止し、最大応答に達した後、再び始動させ、ウォッシュアウト期間を置く。
【0493】
力価および有効性の評価のための実験プロトコル
EFSに対して平衡化した後、蠕動ポンプを停止し、標本を1回量300 nMのイソプレナリン(isoprenaline)(Sigma I5627)で’初回刺激’して、収縮性EFS応答の阻害に関する最大応答を確定する。次いで40分間かけてイソプレナリンをウォッシュアウトする。初回刺激およびウォッシュアウト回復の後、濃度を半対数ずつ上昇させて、浴中へ累積ボーラス投与することにより、すべての組織につきイソプレナリンに対する標準曲線(イソプレナリン曲線1)を作成する。用いる濃度範囲は1e-9〜1e/3e-6Mである。イソプレナリン曲線の終了時点で、標本を再び40分間ウォッシュアウトした後、イソプレナリン(内部対照として)または本発明によるβ-2アゴニストに対する第2曲線の作成を開始する。β-2アゴニスト応答をEFS応答の阻害率%として表わす。曲線1においてイソプレナリンにより誘発された最大阻害に対する%として阻害を表わすことにより、β-2アゴニストについてのデータを正規化する。本発明によるβ-2アゴニストについてのEC50値は、最大の半分の効果を生じるのに必要な化合物濃度を表わす。次いで本発明によるβ-2アゴニストについてのデータを、比率(EC50β-2アゴニスト)/(EC50 イソプレナリン)により定められる、対イソプレナリン相対力価として表わす。
【0494】
β-2仲介による機能活性の確認
被験化合物のβ-2アゴニスト活性を前記のプロトコルにより確認する。ただし、本発明によるβ-2アゴニストに対する曲線を作成する前に、標本を300 nMのICI 118551 (選択的β2アンタゴニスト)と共にプレインキュベートする(最低45分間)。これにより、β-2仲介効果の場合は被験化合物の用量応答曲線が右方向シフトする。
【0495】
他の別法によれば、β2受容体に対する式(1)の化合物のアゴニスト力価は、β2受容体に対する最大効果の半分を生じるのに必要な本発明化合物の濃度(EC50)によっても判定できる。
【0496】
化合物の調製
化合物の10 mM/100% DMSO (ジメチルスルホキシド)原液を4 % DMSO中に希釈して、必要な最高用量にする。この最高用量を用い、すべて4 % DMSO中において、10点半対数希釈曲線を作成する。各実験において各プレートの対照ウェルにイソプレナリン(Sigma, I-5627)を標準品として用いた。データをイソプレナリン応答に対する%として表わした。
【0497】
細胞培養
ヒトβ2アドレナリン作動性受容体を組換え発現するCHO (チャイニーズハムスター卵巣)細胞(Kobilka et al., PNAS 84: 46-50, 1987、およびBouvier et al., Mol Pharmacol 33: 133-139 1988から、CHOhβ2)を、10 %のウシ胎仔血清(Sigma, F4135, Lot 90K8404 Exp 09/04)、2 mMのグルタミン(Sigma, G7513)、500μg/mlのゲネチシン(geneticin)(Sigma, G7034)および10μg/mlのピューロマイシン(Sigma, P8833)を補充したダルベッコMEM/NUT MIX F12 (Gibco, 21331-020)中で増殖させた。細胞を接種し、試験のために約90 %の周密度にした。
【0498】
アッセイ法
それぞれ25μl/ウェルの量の化合物をcAMP-Flashplate(登録商標)(NEN, SMP004B)に移し、1% DMSOを基礎対照とし、100 nMイソプレナリンを最大対照とした。これを25μl/ウェルのPBSの添加により1:2希釈した。細胞をトリプシン処理し(0.25% Sigma, T4049)、PBS (Gibco, 14040-174)で洗浄し、刺激用緩衝液(NEN, SMP004B)に再懸濁して、CHOhB2細胞1×106個/mlにした。化合物を50μl/ウェルの細胞と共に1時間インキュベートした。次いで、0.18μCi/mlの125I-cAMP (NEN, NEX-130)を含有する100μl/ウェルの検出用緩衝液(NEN, SMP004B)を添加し、プレートを室温でさらに2時間インキュベートすることにより、細胞を溶解した。Topcount NXT (Packard)を用い、1分間の標準計数効率で、Flashplate(登録商標)に結合した125I-cAMPの量を定量した。用量応答データをイソプレナリン活性に対する%として表わし、4パラメーターS状フィットを用いてフィッティングした。
【0499】
こうして、実施例1〜38に示した本発明による式(1)の化合物は0.02〜3.03 nMのβ2 cAMP EC50を示すことが認められた。次表は本発明化合物の活性を示す。
【0500】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の化合物:
【化1】

[式中、(CH2)n-C(=O)Q1基はメタまたはパラ位にあり、R1およびR2は独立してHおよびC1-C4アルキルから選択され、nは0、1または2であり、Q1
【化2】

および基-NR8-Q2-Aから選択される基であり;これらにおいてpは1または2であり、Q2は1個のヒドロキシ基で置換されていてもよいC1-C4アルキレンであり、R8はHまたはC1-C4アルキルであり、Aは、OHで置換されていてもよいピリジル、OHで置換されていてもよいC3-C7シクロアルキル、または基
【化3】

であり、
これらにおいてR3、R4、R5、R6およびR7は、同一または異なり、H、C1-C4アルキル、OR9、SR9、ハロ、CN、CF3、OCF3、COOR9、SO2NR9R10、CONR9R10、NR9R10、NHCOR10およびフェニルから選択され、これはOR9、ハロおよびC1-C4アルキルから選択される1〜3個の基で置換されていてもよく、
R9およびR10は、同一または異なり、HまたはC1-C4アルキルから選択され、はカルボニル基への結合点を表わし;
基Q1は、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されている]
あるいは、適切であればそれらの医薬的に許容できる塩類および/またはそれらの異性体、互変異性体、溶媒和物もしくは同位体変異型。
【請求項2】
Q1は基-NR8-Q2-Aであり、ここでR8はH、CH3またはCH2CH3であり、Aは1個のヒドロキシ基で置換されたナフチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Q1は基-NR8-Q2-Aであり、ここでR8はH、CH3またはCH2CH3であり、Aは基
【化4】

であり、
ここでR3、R4、R5、R6およびR7のうち1つはOHであり、他は同一または異なり、H、C1-C4アルキル、OR9、SR9、ハロ、CF3、OCF3、SO2NR9R10、CONR9R10、NR9R10、NHCOR10から選択され、ただしR3〜R7のうち少なくとも2つはHであり;
R9およびR10は、同一または異なり、HまたはC1-C4アルキルから選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Q1は基-NH-Q2-Aであり、Aは基
【化5】

であり、
ここでR3、R4、R5、R6およびR7のうち1つはOHであり、他は同一または異なり、H、OH、CH3、OCH2-CH3、SCH3、ハロ、CF3、OCF3から選択され、ただしR3〜R7のうち少なくとも2つはHである、
請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Q1は基-NR8-Q2-Aであり、ここでR8はH、CH3またはCH2CH3であり、Aは基
【化6】

であり、
ここでR3、R4、R5、R6およびR7のうち1つはOHで置換されたフェニルであり、他はHである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Q2は、-CH2-、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-(C(CH3)2)-、-(CH2)4-または-(CH(CH2OH))-である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Q2は-CH2-である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Q1
【化7】

であり、
ここでR3、R4、R5およびR6のうち1つはOHであり、他はHである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Q1
【化8】

であり、
ここでR3、R4、R5およびR6のうち1つはOHであり、他はHである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R1はHまたはC1-C4アルキルであり、R2はC1-C4アルキルである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
R1はHまたはCH3であり、R2はCH3である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
nは1である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物の(R,R)-立体異性体。
【請求項14】
(CH2)n-C(=O)Q1基はメタ位にある、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
下記よりなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アセトアミド;
N-[(4'-ヒドロキシビフェニル-4-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(4-クロロ-2-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)メチル]アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)メチル]アセトアミド;
N-[(4'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-[(3'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロピル]アセトアミド;
N-(3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシベンジル)-N-エチル-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(6-ヒドロキシ-1-ナフチル)メチル]-N-メチルアセトアミド;
N-[(2'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(2-ヒドロキシ-5-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[2-(6-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-2-オキソエチル]フェニル}-1,1-ジメチルエチル)アミノ]エチル}フェニル)メタンスルホンアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[4-(4-ヒドロキシフェニル)ブチル]アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]アセトアミド;
N-(2-クロロ-4-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(2,3-ジクロロ-4-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(4-ヒドロキシ-1-ナフチル)メチル]アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[3-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)ベンジル]アセトアミド;
N-(2-クロロ-4-ヒドロキシベンジル)-N-エチル-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(2-クロロ-4-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-メチルアセトアミド;
N-(3-フルオロ-5-ヒドロキシベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-メチルアセトアミド;
N-[(2'-ヒドロキシビフェニル-2-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-[(3'-ヒドロキシビフェニル-2-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-(2-ヒドロキシ-5-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[2-(7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-2-オキソエチル]フェニル}-1,1-ジメチルエチル)アミノ]エチル}フェニル)メタンスルホンアミド;
N-(2-ヒドロキシ-5-{(1R)-1-ヒドロキシ-2-[(2-{3-[2-(5-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-2-オキソエチル]フェニル}-1,1-ジメチルエチル)アミノ]エチル}フェニル)メタンスルホンアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(1R)-2-ヒドロキシ-1-フェニルエチル]アセトアミド;
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[(1S)-2-ヒドロキシ-1-フェニルエチル]アセトアミド;
N-[(3'-ヒドロキシビフェニル-4-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-[(2'-ヒドロキシビフェニル-4-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N-[(4'-ヒドロキシビフェニル-4-イル)メチル]-3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}ベンズアミド;
3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}-N-[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロピル]ベンズアミド;
N-[(4'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]-3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}ベンズアミド;
N-[2-(4-ヒドロキシ-2,5-ジメチルフェニル)エチル]-3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}ベンズアミド;
N-[2-(4-ヒドロキシ-2,3-ジメチルフェニル)エチル]-3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}ベンズアミド;および
3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}-N-[2-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)エチル]ベンズアミド。
【請求項16】
N-[(4'-ヒドロキシビフェニル-4-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド。
【請求項17】
N-[(4'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド。
【請求項18】
2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)-N-[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロピル]アセトアミド。
【請求項19】
N-[(3'-ヒドロキシビフェニル-3-イル)メチル]-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド。
【請求項20】
N-(3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシベンジル)-N-エチル-2-(3-{2-[((2R)-2-ヒドロキシ-2-{4-ヒドロキシ-3-[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]-2-メチルプロピル}フェニル)アセトアミド。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体形を、医薬として無害な一般的賦形剤および/または添加剤と共に含有する、医薬組成物。
【請求項22】
医薬として使用するための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、誘導体形もしくは組成物。
【請求項23】
β2受容体が関与する疾患、障害および状態の処置に使用するための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、誘導体形もしくは組成物。
【請求項24】
下記よりなる群から選択される疾患、障害および状態の処置に使用するための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、誘導体形もしくは組成物:
・あらゆるタイプ、病因または病原の喘息、特に下記よりなる群から選択されるメンバーである喘息:アトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性喘息、アトピー性IgE仲介気管支喘息、気管支喘息、本態性喘息、真性喘息、病態生理学的障害により起きる内因性喘息、環境因子により起きる外因性喘息、原因が不明または不確実な本態性喘息、非アトピー性喘息、気管支炎性喘息、肺気腫性喘息、運動誘発喘息、アレルゲン誘発喘息、冷気誘発喘息、職業性喘息、細菌、真菌、原虫またはウイルスの感染により起きる感染性喘息、非アレルギー性喘息、初発喘息、幼児ぜん鳴症候群、および細気管支炎、
・慢性または急性の気管支収縮、慢性気管支炎、末梢気道閉塞、および気腫、
・あらゆるタイプ、病因または病原の閉塞性または炎症性の気道疾患、特に下記よりなる群から選択されるメンバーである閉塞性または炎症性の気道疾患:慢性好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を誘発するCOPD、COPD関連または非関連の肺気腫または呼吸困難、不可逆性進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、他の薬物療法による気道反応亢進の増悪、および肺高血圧症関連の気道疾患、
・あらゆるタイプ、病因または病原の気管支炎、特に下記よりなる群から選択されるメンバーである気管支炎:急性気管支炎、急性喉頭気管支炎、アラキジン気管支炎、カタル性気管支炎、クループ性気管支炎、乾性気管支炎、感染性喘息性気管支炎、増殖性気管支炎、ブドウ球菌気管支炎または連鎖球菌性気管支炎、および小胞性気管支炎、
・急性肺傷害、
・あらゆるタイプ、病因または病原の気管支拡張症、特に下記よりなる群から選択されるメンバーである気管支拡張症:円柱状気管支拡張症、嚢胞状気管支拡張症、紡錘状気管支拡張症、細気管支拡張症、嚢胞状気管支拡張症、乾性気管支拡張症、および濾胞性気管支拡張症。
【請求項25】
β2アゴニスト活性を有する薬物の製造のための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、誘導体形もしくは組成物の使用。
【請求項26】
請求項24に記載の群から選択される疾患、障害および状態の処置に用いる薬物の製造のための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、誘導体形もしくは組成物の使用。
【請求項27】
ヒトを含めた哺乳動物をβ2アゴニストで処置する方法であって、有効量の請求項1〜20のいずれか1項に記載の式(1)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、誘導体形もしくは組成物で哺乳動物を処置することを含む方法。
【請求項28】
疾患、障害および状態が請求項24に記載の群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の式(1)の化合物の製造方法であって、下記の工程:
(a)式(2)の酸:
【化9】

(式中、R1、R2およびnは、請求項1に定めたものである)
と式NR8-Q2-A (3)、
【化10】

のアミン(式中、R3〜R6、R8、Q2およびAは、請求項1に定めたものである)
をカップリングする工程、
(b)式(1)の化合物を単離する工程
を含む、前記方法。
【請求項30】
請求項1に記載の式(1)において、R1およびR2がメチルであり、かつnが1である化合物の製造方法であって、下記の工程:
(a)式(21)の化合物:
【化11】

(式中、XはH、K、Na、Li、および可能な場合は有機アミン塩基または他の金属塩である)
と式NHR8-Q2-A (3)、
【化12】

の適切なアミンを、式(1)の化合物を得るために、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩またはジシクロヘキシルカルボジイミドなど一般的なカップリング剤の存在下に、ピリジン、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドなど適切な溶媒中で、場合により有機塩基および添加剤の存在下に反応させる工程、
(b)式(1)の化合物を単離する工程、
を含む、前記方法。
【請求項31】
式(21)の化合物が、式(22)の化合物:
【化13】

(式中、XはH、Na、LiまたはK、および可能な場合は有機アミンまたは他の金属塩である)
を、メタノール、IPA、THFおよび水など適切な溶媒の存在下で、カーボン上の水酸化パラジウムまたはカーボン上のパラジウムなど適切な触媒の存在下に水素化することにより得られる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
式(22)の化合物が、式(23)の化合物:
【化14】

とM-OH(式中、MはNaLiまたはKから選択される)を、場合によりプロピオニトリル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなど適切な溶媒の存在下で反応させることにより得られる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
式(23)の化合物が、式(24)の化合物:
【化15】

を、フッ化テトラブチルアンモニウム、HFまたはトリエチルアミン・トリフッ化水素酸塩など脱保護剤を用いて、プロピオニトリルなど適切な溶媒の存在下に脱保護することにより得られる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
式(24)の化合物が、次式の化合物:
【化16】

と次式の化合物:
【化17】

を、プロピオニトリル、THF、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジオキサン、DMF、DMSOなど適切な溶媒の存在下で、場合により炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ヒューニッヒ塩基またはトリエチルアミンなど塩基の存在下に、50〜150℃の温度で12〜36時間反応させることにより得られる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物と、下記のものから選択される他の療法薬(1種類以上)の組合わせ:
(a)5-リポキシゲナーゼ(5-LO)阻害薬または5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、
(b)ロイコトリエンアンタゴニスト(LTRA):LTB4、LTC4、LTD4およびLTE4のアンタゴニストを含む、
(c)ヒスタミン受容体アンタゴニスト:H1およびH3アンタゴニストを含む、
(d)うっ血除去薬として使用するためのα1-およびα2-アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮性交感神経様作動薬
(e)ムスカリン性M3受容体アンタゴニストまたは抗コリン作動薬、
(f)PDE阻害薬、たとえばPDE3、PDE4およびPDE5阻害薬、
(g)テオフィリン、
(h)クロモグリク酸ナトリウム、
(i)COX阻害薬:非選択的および選択的COX-1またはCOX-2阻害薬(NSAID)の両方、
(j)経口用および吸入用グルココルチコステロイド、たとえばDAGR(解離型のコルチコイド受容体アゴニスト)、
(k)内因性催炎物質に対して活性なモノクローナル抗体、
(l)抗腫瘍壊死因子(抗TNF-α)薬、
(m)接着分子阻害薬:VLA-4アンタゴニストを含む、
(n)キニン-B1-およびB2-受容体アンタゴニスト、
(o)免疫抑制薬、
(p)マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害薬
(q)タキキニンNK1、NK2およびNK3受容体アンタゴニスト、
(r)エラスターゼ阻害薬、
(s)アデノシンA2a受容体アゴニスト、
(t)ウロキナーゼの阻害薬、
(u)ドーパミン受容体に作用する化合物、たとえばD2アゴニスト、
(v)NFκβ経路の調節薬、たとえばIKK阻害薬、
(w)サイトカインシグナル伝達経路の調節薬、たとえばp38 MAPキナーゼ、sykキナーゼまたはJAKキナーゼの阻害薬、
(x)粘液溶解薬または鎮咳薬として分類できる薬剤、ならびに
(y)抗生物質。

【公表番号】特表2007−518789(P2007−518789A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550327(P2006−550327)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000086
【国際公開番号】WO2005/080313
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】