説明

疾患の治療に有効なインドール誘導体

本発明は、下記の式によるインドール誘導体、
【化1】



並びに、このような誘導体の製造方法、このような誘導体の製造に用いられる中間体、このような誘導体を含む組成物、及びこのような誘導体の使用に関する。本発明のインドール誘導体は、種々の疾患、障害や症状に対し、特に炎症性、アレルギー性及び呼吸器系疾患、障害や症状に対し有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次の一般式のインドール誘導体類であるβ2アゴニストに関するものであり、
【化1】

【0002】
式中、R、R’、R、R、Q及びAは以下に示す意味を有する。
【0003】
また、本発明は、このような誘導体の製造方法、このような誘導体の製造に用いられる中間体、このような誘導体を含む組成物、及びこのような誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
アドレナリン受容体は、G−タンパク質結合受容体の大スーパー・ファミリのメンバーである。アドレナリン受容体サブファミリそれ自体は、α及びβサブファミリに分類され、βサブファミリは、少なくとも3種類の受容体サブタイプ(β1、β2及びβ3)から構成される。これらの受容体は、ほ乳類の種々の系や臓器組織において、特異的な発現パターンを示す。β2アドレナリン作動性(β2)受容体は、主として平滑筋細胞(例えば、血管、気管支、子宮又は腸平滑筋)で発現するが、β3アドレナリン作動性受容体は、主として脂肪組織で発現し(それゆえ、β3アゴニストは肥満や糖尿病の治療に有効である可能性がある。)、β1アドレナリン作動性受容体は主として心臓組織で発現する(それゆえに、β1アゴニストは主として強心剤として用いられる)。
【0005】
気道疾患の病態生理学及び治療は、文献で十分なレビューが行われており(Barnes,P.J.Chest,1997,111:2, pp 17S-26S及びBryan, S.A.ら,Expert Opinion on investigational drugs, 2000,9:1,pp25-42を参照されたい)、それゆえに、本明細書においては簡単な要約を含めることによって、背景となる情報を若干提供することとする。
【0006】
糖質コルチコイド、抗ロイコトリエン、テオフィリン、クロモン、抗コリン作動性物質及びβ2アゴニストは、ぜん息や、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のようなアレルギー性及び非アレルギー性気道疾患の治療に現在用いられている薬物クラスを構成する。このような疾患に対する治療ガイドラインには、短時間作用型及び長時間作用型吸入用β2アゴニストが共に含まれる。速効作用のある短時間作用型β2アゴニストは、「救急治療」としての気管支拡張用に用いられる一方、長時間作用型の薬物は持続作用があり、維持療法に用いられる。
【0007】
気管支拡張は、気道平滑筋細胞で発現するβ2アドレナリン受容体のアゴニズムがによる調節を受け、その発現により弛緩作用が生じ、それゆえに気管支拡張が起こる。このように、β2アゴニストは、機能的アンタゴニストとして、あらゆる気管支収縮物質の作用を防止したり、打ち消したりすることができ、その気管支収縮物質には、ロイコトリエンD4(LTD4)、アセチルコリン、ブラジキニン、プロスタグランジン、ヒスタミン及びエンドセリンが含まれる。β2受容体は気道内の広範囲に分布しているので、β2アゴニストは、ぜん息に関係する他種類の細胞にも作用を及ぼす可能性がある。例えば、β2アゴニストにはマスト細胞を安定化する作用のあることが報告されている。β2アゴニストが、アレルゲン、運動および冷気によって引き起こされる気管支収縮をブロックするのは、気管支収縮物質の放出を阻害することによるものと考えられている。更に、β2アゴニストは、ヒトの気道におけるコリン作動性神経伝達を阻害し、その結果としてコリン作動性反射気管支収縮が起こる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
気道に加え、β2アドレナリン受容体は、その他の臓器や組織で発現することが判明しており、それゆえに本発明で開示したようなβ2アゴニストは、その他の疾患の治療にも応用することができ、その疾患としては、神経系疾患、早産、うっ血性心不全、うつ病、炎症性及びアレルギー性皮膚疾患、乾癬、増殖性皮膚疾患、緑内障並びに胃液酸度を下げることによる利点のある症状、特に、胃潰瘍や消化性潰瘍があるが、これらに限定するものではない。
【0009】
しかしながら、多くのβ2アゴニストは、選択性が低く、副作用があることから、利用法に制限があるが、それは、高い全身性ばく露と、気道外で発現するβ2アドレナリン受容体での作用(筋肉振戦、頻脈、心悸亢進、情動不安)を介して主として行われるためである。このため、このクラスにおける薬物を改善する必要がある。
【0010】
つまり、効力などの面で、適切な薬学的プロファイルを有する新規β2アゴニストは、今なお必要とされている。このような事情から、本発明は、次の一般式によるインドール誘導体類であるβ2アゴニストに関する。
【0011】
数多くのインドール誘導体がすでに合成されている。例えば、欧州特許出願801060号では、選択的β3アゴニスト活性を有する下記の式のジヒドロインドール誘導体を開示しており、
【化2】

式中、Rはフェニル基で、水酸基及びヒドロキシアルキル基から選ばれる1つから3つの置換基で置換されてもよく、Rは水素で、Rは水素又はアルキル基、Zは−CH−又は−CH−CH−、Yは−NR−(Rは水素又はアルキル基)、そして、R及びRは、独立して、水素、COOR、COONR、CHO、COR、CHOH、CHOCHCOOR又はCHOCHCHOR(Rは水素又はアルキル基)である。
【0012】
欧州特許出願822185号では、下式の選択的β3アゴニストを開示しており、
【化3】

式中、Rはフェニル基であって、水酸基及びヒドロキシアルキル基から選ばれる1つから3つの置換基によって置換されてもよく、Rは水素であり、Rは水素又は1つ以上のハロゲン原子によって独立して置換されてもよいアルキル基である。
【0013】
しかしながら、これまでに合成されたインドール誘導体のいずれも、高い効力を有するβ3アゴニスト活性を示し(これらは全て選択的β3アゴニストである。)、β2が介在する疾患及び/又は症状、特に先に引用したようなアレルギー性及び非アレルギー性気道疾患やその他の疾患の治療において、有効な薬物として利用できるものはない。
【0014】
下式(1)の新規インドール誘導体は、β2受容体のアゴニストであって、β2が介在する疾患及び/又は症状の治療において、特に吸入ルートにより投与した場合にはよい効力を示し、特に有効であることが現在判明している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、下記の一般式(1)のインドール誘導体類或いは、適当な場合には、その薬学的に許容できる塩及び/又はその異性体、互変異性体、溶媒和物や同位元素によるバリエーションに関するものであり、
【化4】

a)式中、
Qは(C−C)アルキル基で置換した、1つから4つの炭素を有する飽和炭素鎖;
及びR’は、同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ(但し、共にC−Cアルキル基である場合には、R及びR’は同一である。);
は、水素、(C−C)アルキル基、及びベンジル基から選ばれ、該ベンジル基は水酸基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロゲン基、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、トリフルオロメチル基及びNR10から選ばれる1つ、2つ又は3つの基によって置換されてもよく、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ;
は水素及び(C−C)アルキル基からなる群から選ばれ、該アルキル基は水酸基によって置換されてもよく;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基であって、水酸基及び(C−C)アルキル基から選ばれる基によって置換されてもよい基;
・ 5から10員の芳香族ヘテロ環状基であって、1つから3つのヘテロ原子を含み、それぞれは同一又は異なっており、O、S、Nから選ばれ、該ヘテロ環状基は(C−C)アルキル基及びNRNR10から選ばれる基によって置換されてもよく、R及びR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基である芳香族ヘテロ環状基、或いは、
・ 下記の基であって、
【化5】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、NR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基;或いは、
b)式中、
Qは単結合であるか、または、1つから4つの炭素を有する飽和炭素鎖であって、(C−C)アルキル基で置換されてもよい炭素鎖;
及びR’は、同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ、かつ、R及びR’が共にC−Cアルキル基である場合には、同一であり;
は、ベンジル基であって、該ベンジル基は水酸基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロゲン基、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、トリフルオロメチル基及びNR10から選ばれる1つ、2つ又は3つの基によって置換されてもよく、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる;
は水素及び(C−C)アルキル基からなる群から選ばれ、該アルキル基は水酸基によって置換されてもよい;かつ、
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基であって、水酸基及び(C−C)アルキル基から選ばれる基によって置換されてもよい基;
・ 5から6員の芳香族ヘテロ環状基であって、1つから3つのヘテロ原子を含み、それぞれは同一又は異なっており、O、S、Nから選ばれ、該ヘテロ環状基は(C−C)アルキル基及びNRNR10から選ばれる基によって置換されてもよく、R及びR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる芳香族ヘテロ環状基、或いは、
・ 下記の基であって、
【化6】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、NR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基;或いは、
c)式中、
Qは単結合であるか、または、1つから4つの炭素を有する飽和炭素鎖であって、(C−C)アルキル基で置換されてもよい炭素鎖;
及びR’は、同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ、かつ、R及びR’が共にC−Cアルキル基である場合には、同一であり;
は、水素、(C−C)アルキル基及びベンジル基から選ばれ、該ベンジル基は水酸基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロゲン基、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、トリフルオロメチル基及びNR10から選ばれる1つ、2つ又は3つの基によって置換されてもよく、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ;
は水素及び(C−C)アルキル基からなる群から選ばれ、該アルキル基は水酸基によって置換されてもよく;かつ、
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基であって、水酸基及び(C−C)アルキル基から選ばれる基によって置換されてもよい基;
・ 5から10員の芳香族ヘテロ環状基であって、1つから3つのヘテロ原子を含み、それぞれは同一又は異なっており、O、S、Nから選ばれ、該ヘテロ環状基は(C−C)アルキル基及びNR10から選ばれる基によって置換されてもよく、R及びR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる芳香族ヘテロ環状基、或いは、
・ 下記の基であって、
【化7】

式中、R、R、R、R及びRのうち1つは、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10及びNR10から選ばれ、その他は水素、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、NR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基である。
【0016】
本発明において、「効力を有する」とは、式(1)の化合物がβ2受容体に対してアゴニストとしての効力を示すことを意味し、それは、本明細書中に記載する細胞ベースのアッセイによる測定で10nM未満である。
【0017】
本明細書で上記に示した式(1)において、(C−C)アルキル基は、1つ、2つ、3つ又は4つの炭素原子を含む直鎖又は分岐基を、(C−C)アルキル基とは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つの炭素原子を含む直鎖又は分岐基をそれぞれ表す。このことは、例えば、(C−C)アルコシキ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、その他の場合のように、これらが置換基を有する場合や、他の基の置換基として存在する場合でも、適用する。適当な(C−C)アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、3−メチルペンチル基、その他がある。適当な(C−C)アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、iso−ヘキシルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、その他がある。ヒドロキシ(C−C)アルキル基は、水酸基(−OH)によって置換されたアルキル基である。該発明の好ましい実施態様によれば、このような基は、1つのヒドロキシ置換基を有する。適当なヒドロキシ(C−C)アルキル基の例としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基或いは2−ヒドロキシエチル基である。チオ(C−C)アルキル基は、−S−原子を介して結合したアルキル基であり、すなわち、チオ(C−C)アルキル基は、−S−アルキルを意味する。適当なチオ(C−C)アルキル基の例としては、チオメチル基、チオエチル基、チオプロピル基、その他がある。
【0018】
−Cシクロアルキル基という語には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が含まれる。
【0019】
O、S、Nから選ばれる1つから3つのヘテロ原子を含む適当な5から10員の芳香族ヘテロ環状基の例には、チエニル基、フラニル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、イミダゾピリジン基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ピリダジル基、トリアゾリル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、iso−インドリル基、インダゾリル基、イソキノリル基、キノリル基及びナフチリジニル基がある。
【0020】
O、S、Nから選ばれる1つから3つのヘテロ原子を含む、好ましい5又は6員の芳香族ヘテロ環基は、チアゾリル基、ピリジル基である。
【0021】
本発明による一般式(1)において、基が一置換又は多置換体である場合には、該置換基は望ましい任意の部位に位置してもよい。また、基が多置換体である場合には、該置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
【0022】
最後に、ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選ばれるハロゲン原子、特にフッ素または塩素を表す。
好ましくは、Rはメチル基及びエチル基から選ばれる。より好ましくは、Rはメチル基である。
好ましくは、R’は水素及びメチル基から選ばれる。より好ましくは、R’は水素である。
好ましくは、Rは水素、メチル基、エチル基及びベンジル基から選ばれる。
好ましくは、Rは水素及びメチル基から選ばれ、より好ましくは、Rは水素である。
好ましくは、Qは−CH−、CH−CH及び−CH(CH)−から選ばれる。
好ましくは、Aがフェニル基である場合、R、R、R、R及びRの内少なくとも2つは、水素である。
好ましくは、Aは、C−Cシクロアルキル基、O、S、Nから選ばれる1つ又は2つのヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基並びに下記の基であって、
【化8】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、SONR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基から選ばれる。
好ましくは、Aは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、チアゾリル基、ピリジル基並びに下記の基であって、
【化9】

式中、R、R、R、R及びRの内2つは水素であって、残りは塩素、フッ素、メチル基、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、チオメチル基及びSONR10であって、式中、RとR10は同一又は異なっており、水素または(C−C)アルキル基から選ばれる基からなる群から選ばれる。
【0023】
本発明による好ましい化合物は、式(1)の化合物或いは、適当な場合には、その薬学的に許容できる塩及び/又はその異性体、互変異性体、溶媒和物や同位元素によるバリエーションに関するものであって、
a)式中、
Qは(C−C)アルキル基で置換した、1つから4つの炭素を有する飽和炭素鎖;
は(C−C)アルキル基であり、R’は水素であり;
は水素、(C−C)アルキル基及びベンジル基から選ばれ;
は水素及び(C−C)アルキル基からなる群から選ばれ;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、
・ O、S、Nから選ばれる1つから3つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、或いは
・ 下記の基であって、
【化10】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、NR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基である;或いは、
b)式中、
Qは単結合であるか、または、1つから4つの炭素を有する飽和炭素鎖であって、(C−C)アルキル基で置換されてもよい炭素鎖;
は水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ、R’は水素であり;
はベンジル基であり;
は水素及び(C−C)アルキル基からなる群から選ばれ;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、
・ O、S、Nから選ばれる1つから3つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、或いは
・ 下記の基であって、
【化11】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、NR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基;或いは、
c)式中、
Qは単結合であるか、または、1つから4つの炭素を有する飽和炭素鎖であって、(C−C)アルキル基で置換されてもよい炭素鎖;
は水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ、R’は水素であり;
は水素、(C−C)アルキル基及びベンジル基から選ばれ;
は水素及び(C−C)アルキル基からなる群から選ばれ;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、
・ O、S、Nから選ばれる1つから3つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、或いは
・ 下記の基であって、
【化12】

式中、R、R、R、R及びRのうち1つは、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10及びNR10から選ばれ、その他は水素、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、NR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基である。
【0024】
本発明による更に好ましい化合物は、式(1)の化合物であって、
a)式中、
Qは−CH(CH)−であり;
はメチル基或いはエチル基から選ばれ、R’は水素であり;
は水素、メチル基、エチル基及びベンジル基から選ばれ;
は水素及びメチル基から選ばれ;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、或いはシクロヘキシル基;
・ S、Nから選ばれる1つ又は2つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、好ましくは、ピリジル基或いはチアゾリル基;および、
・ 下記の基であって、
【化13】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、SONR10、ベンジルオキシ基、水酸基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、チオメチル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれる基であり、RとR10は同一又は異なっており、水素及びメチル基から選ばれる基、或いは、
b)式中、
Qは−CH−、CH−CH及び−CH(CH)−から選ばれ;
はメチル基或いはエチル基から選ばれ、R’は水素であり;
はベンジル基であり;
は水素及びメチル基から選ばれ;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、或いはシクロヘキシル基;
・ S、Nから選ばれる1つ又は2つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、好ましくは、ピリジル基或いはチアゾリル基;および、
・ 下記の基であって、
【化14】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、SONR10、ベンジルオキシ基、水酸基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、チオメチル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれる基であり、RとR10は同一又は異なっており、水素及びメチル基から選ばれる基、或いは、
c)式中、
Qは−CH−、CH−CH及び−CH(CH)−から選ばれ;
はメチル基或いはエチル基から選ばれ、R’は水素であり;
は水素、メチル基、エチル基及びベンジル基から選ばれ;
は水素及びメチル基から選ばれ;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、或いはシクロヘキシル基;
・ S、Nから選ばれる1つ又は2つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、好ましくは、ピリジル基或いはチアゾリル基;或いは、
・ 下記の基であって、
【化15】

式中、R、R、R、R及びRのうち1つは、O−CF及びSONR10から選ばれ、残りは水素、O−CF、SONR10、ベンジルオキシ基、水酸基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、チオメチル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれる基であり、RとR10は同一又は異なっており、水素及びメチル基から選ばれる基。
【0025】
本発明による、より好ましい化合物は、式(1)の化合物であって、
a)式中、
Qは−CH(CH)−であり;
はメチル基或いはエチル基から選ばれ、R’は水素であり;
は水素、メチル基、エチル基及びベンジル基から選ばれ;
は水素であり;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、或いはシクロヘキシル基;
・ S、Nから選ばれる1つ又は2つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、好ましくは、ピリジル基或いはチアゾリル基;或いは、
・ 下記の基であって、
【化16】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、SONR10、及びメトキシ基からなる群からそれぞれ独立して選ばれる基であり、RとR10は同一又は異なっており、水素及びメチル基から選ばれる基、或いは、
b)式中、
Qは−CH−及び−CH(CH)−から選ばれ;
はメチル基或いはエチル基から選ばれ、R’は水素であり;
はベンジル基であり;
は水素であり;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、或いはシクロヘキシル基;
・ S、Nから選ばれる1つ又は2つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、好ましくは、ピリジル基或いはチアゾリル基;或いは、
・ 下記の基であって、
【化17】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、SONR10及びメトキシ基からなる群からそれぞれ独立して選ばれる基であり、RとR10は同一又は異なっており、水素及びメチル基から選ばれる基、或いは、
c)式中、
Qは−CH−及び−CH(CH)−から選ばれ;
はメチル基或いはエチル基から選ばれ、R’は水素であり;
は水素、メチル基、エチル基及びベンジル基から選ばれ;
は水素であり;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、或いはシクロヘキシル基;
・ S、Nから選ばれる1つ又は2つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、好ましくは、ピリジル基或いはチアゾリル基;或いは、
・ 下記の基であって、
【化18】

式中、R、R、R、R及びRのうち1つは、O−CF及びSONR10から選ばれ、残りは水素、O−CF、SONR10及びメトキシ基からなる群からそれぞれ独立して選ばれる基であり、RとR10は同一又は異なっており、水素及びメチル基から選ばれる基。
【0026】
特に好ましいのは、以下の実施例の項に記載したような式(1)のインドール誘導体であり、すなわち:
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(2−トリフルオロメトキシベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1S)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(3−トリフルオロメトキシフェニルエチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(シクロプロピルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(チアゾール−2−イルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(シクロブチルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(シクロペンチルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(シクロヘキシルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(4−メチルスルファモイルベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(4−スルファモイルベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
1−ベンジル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(2−メトキシベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
1−ベンジル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド;
1−エチル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1R)−2−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキサミド;
1−ベンジル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(2,6−ジメトキシベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)ブチル}−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド;及び
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)ブチル}−N−[3−メチル−ピリジン−2−イルメチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド。
【0027】
式(1)のインドール誘導体は、以下の例示的方法によるなどの通常の方法を用いて製造することができ、R、R、R、Q及びAは、特段の指示がない限り、式(1)のインドール誘導体について既に定義したとおりである。
【0028】
式(1)のインドール誘導体は、式(2)
【化19】

の酸を式(3)
【化20】

のアミン(式中、R、Q及びAは、すでに定義したとおりである。)とカップリングすることによって製造できる。このカップリングは、酸受容体としての該アミンを過剰に加え、通常のカップリング剤(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩またはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)を用いて行われるのが通例であり、触媒(例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物や1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール)の存在下で行ってもよく、また、三級アミン塩基(例えば、N−メチルモルフォリン、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)の存在下で行ってもよい。この反応は、ピリジン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン或いは酢酸エチルのような適当な溶媒中、10℃から40℃の間に含まれる温度(室温)で行われる。目的の化合物を得るためには、置換基による保護のうちの1つを外す必要がある場合もある。これは、ベンジル保護基の場合には、通常、10,500−42,200kgf/m(15−60psi)で、メタノールまたはエタノールなどの溶媒中で、室温から50℃までの温度で水素添加を行うことにより達成することができる。
【0029】
該アミン(3)は、市販のものか、或いは、当業者には公知である通常の方法(例えば、還元、酸化、アルキル化、官能基の保護、脱保護その他)により、市販の物質から製造することができる。
【0030】
式(2)の酸は、対応する式(4)のエステルから、当技術分野に熟達した者には公知である、分子の他の部分には変化を及ぼさないでエステルから酸を製造するいかなる方法によっても製造でき、
【化21】

式中、Raは適当な酸保護基、好ましくは、(C−C)アルキル基であり、メチル基やエチル基を含むが、これに限定されるものではない。例えば、当エステルは、20℃から100℃までに含まれる温度で、1から40時間、酸或いは塩基水溶液(例えば、塩化水素、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムや水酸化リチウム)を用いた処理によって加水分解することができるが、溶媒や溶媒混合物(例えば、水、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン/水)の存在下で行ってもよい。
【0031】
式(4)のエステルは、式(5)のアミンと式(6)の臭化物から製造でき、

【化22】

【化23】

式中、Raはすでに定義したとおりである。
【0032】
通常の方法では、式(5)のアミンを式(6)の臭化物と80℃から120℃の間に含まれる温度において、12から48時間反応させることによって行われ、溶媒或いは溶媒混合物(例えば、ジメチルスルホキシド、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド)の存在下で行ってもよく、適当な塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で行ってもよい。
【0033】
式(6)の臭化物は、式(7)のエステルから製造できるが、
【化24】

それは、当業者には公知である、分子の他の部分には変化を及ぼさないでエステルからアルコールを製造する方法による。
【0034】
通常の方法では、式(7)のエステルは、テトラヒドロフラン中で2時間還流することにより、ボラン−メチルスルフィド錯体によって還元される。
【0035】
式(7)のアルコールは、文献(Tetrahedron
Letters 1994,35(50),9375)に明示された方法により、(R)又は(S)いずれかのエナンチオマーとして製造される。
【0036】
式中R及びR’が(C−C)アルキル基である式(5)のアミンは、式(13)の三級アルコールから製造できる。
【化25】

式(13)の該三級アルコールを酸(例えば、硫酸、酢酸)の存在下、アルキルニトリル(例えば、アセトニトリル、クロロアセトニトリル)で処理して、保護した中間体とすることができ、この中間体は、次に教科書に記載されているような方法などの標準的な手法を用いて窒素保護基を脱保護して、式(5)のアミンを得るが、式中、R及びR’は(C−C)アルキル基である。
【0037】
式(13)の三級アルコールは、式(14)のケトンから製造できる。
【化26】

通常の方法では、式(14)のケトンは、「活性化した」アルキル(RMgBr、RMgClやRLiなどの有機金属アルキル)と反応することにより、対応する式(13)の三級アルコールを得る。この有機金属付加反応は、テトラヒドロフラン、エーテル、シクロヘキサン、1,4−ジオキサンのような適当な溶媒中、10℃から40℃の間に含まれる温度(室温)で1から24時間行われるのが一般的である。
【0038】
式(5)のアミンであって、R’が水素であるアミンは、式(8)の対応する保護したインドールから(R)又は(S)いずれかのエナンチオマーとして製造され、
【化27】

式中、Raはすでに定義したとおりであり、Rb及びRcは、HNRbRcがキラルアミン(例えば、Rbが水素であって、Rcがα−メチルベンジル基である。)であって、教科書に見られる方法のような窒素保護基を切り離す標準的な手法(例えば、T.W.GREENE,Protective
Groups in Organic Synthesis, A.Wiley-Interscience Publication, 1981を参照されたい)を用いることによって、NとRb及びNとRcとの間の結合が容易に切断されて式(5)の遊離アミンとなることができる限り、いかなる適当な置換基であってもよい。
【0039】
(R)又は(S)いずれかのエナンチオマーである式(8)のアミンは、式(9)の化合物をアルキル化することによって製造され、
【化28】

式中、R、Ra、Rb及びRcは、既に定義したとおりである。
【0040】
通常の方法では、式(9)の化合物は、適当な塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下、適当なアルキル化剤(例えば、RBrやRI)によってアルキル化することができる。この反応は、テトラヒドロフランやジメチルホルムアミドのような溶媒中、−10℃から80℃の間に含まれる温度で1から16時間行われるのが通常である。その生成物は、その後塩酸塩に変換され、適当な溶媒又は溶媒混合物(例えば、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジイソプロピルエーテル或いは、ジイソプロピルエーテル/メタノール)中で選択的に結晶化することによって、式(8)のキラル生成物或いは、アミンNHRbRcの逆のエナンチオマーを用いた場合、そのエナンチオマーを得る。
【0041】
式(9)の化合物は、化学式HNRbRcのアミンと式(10)のケトンとを反応させることによって製造でき、
【化29】

式中、R、Ra、Rb及びRcは、すでに定義したとおりである。
【0042】
通常の方法では、式(10)のケトンと化学式HNRbRcのアミンとの反応によって、キラル中間体が生成し、この中間体を次に適当な還元剤(例えば、化学式NaCNBHの水素化シアノホウ素ナトリウムや化学式Na(OAc)BHのトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)によって還元し、式(9)のアミンを得るが、この反応は乾燥剤(例えば、モレキュラシーブ、硫酸マグネシウム)の存在下で行ってもよく、また、酸触媒(例えば、酢酸)の存在下で行ってもよい。この反応は、テトラヒドロフランやジクロロメタンのような溶媒中、20℃から80℃の間に含まれる温度で3から72時間行われるのが一般的である。
【0043】
式(10)のケトンは、式(11)のハロゲン化アリールを、パラジウム介在カップリングにより製造でき、
【化30】

式中、Raはすでに定義したとおりであり、Halはハロゲン原子を表し、臭素及びヨウ素を含むが、これに限定されない。
【0044】
通常の方法では、式(11)のハロゲン化アリールに、酢酸イソプレニルを化学式BuSnOMeのトリ−n−ブチルスズメトキシドで処理することによりin−situで生成したスズエノラートを、適当なパラジウム触媒(化学式Pd(OAc)/P(o−Tol)の酢酸パラジウム/トリ−オルト−トリルホスフィン)の存在下、非極性溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、ヘキサン)中で反応させる。好ましくは、この反応は、80℃から110℃の間に含まれる温度で6から16時間行われる。
【0045】
式(11)のハロゲン化アリールは、当技術分野に熟達した者には公知である、分子の他の部分には変化を及ぼさないで酸からエステルを製造する方法によって、式(12)の対応する酸のエステル化を行うことにより得られ、
【化31】

式中、Halはすでに定義したとおりである。
【0046】
通常の方法では、式(12)の酸を、化学式RaOH(式中、Raはすでに定義したとおり)のアルコール溶媒と、塩化水素のような酸の存在下、10℃から40℃の間に含まれる温度(室温)で8から16時間反応させる。
【0047】
式(12)の酸は、市販の製品である。
【0048】
本発明は、また、式(2)の中間体に関し、
【化32】

式中、R及びR’は、同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ、Rは、ベンジル基であって、水酸基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロゲン基、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、トリフルオロメチル基及びNR10から選ばれる1つ、2つ又は3つの基によって置換されてもよく、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる。
【0049】
本発明は、また、式(4)の中間体に関し、
【化33】

式中、R及びR’は、同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ、Rは、ベンジル基であって、水酸基、メトキシ基、(C−C)アルキル基及びNR10から選ばれる1つ、2つ又は3つの基によって置換されてもよく、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ、Raは(C−C)アルキル基から選ばれる適当な酸保護基である。
【0050】
上記の反応や上述の方法で用いた新規出発物質の製造法は、全て従来型のものであり、適当な試薬、その性能を発揮するための反応条件や製造の反応条件の他、目的生成物を単離するための方法は、当業者には、先行文献や本明細書に記載された実施例や製造法を参照することによって、公知である。
【0051】
本明細書において先に記載した式(1)のインドール誘導体製造方法中、いくつかの段階については、反応を起こす可能性がある基であって反応することが望ましくないものを保護し、後になって該保護基を外すことが必要となる場合がある。そのような場合には、適合するいかなる保護基をも用いることができる。特に、T.W.GREENE(Protective
Groups in Organic Synthesis, A. Wiley-Interscience Publication,1981)やP.J.Kocienski(Protecting
groups, Georg Thieme Verlag,1994)に記載されたような保護及び脱保護方法を用いることができる。
【0052】
また、式(1)のインドール誘導体やその製造中間体は、公知の種々の方法によって精製することができ、例えば、結晶化やクロマトグラフィーがある。
【0053】
式(1)のインドール誘導体は、薬学的に許容できる塩に変換することができる。特に、このような式(1)のインドール誘導体の薬学的に許容できる塩には、その酸付加塩や塩基性塩が含まれる。
【0054】
適当な酸付加塩は、無毒性の塩を形成する無毒性の鉱酸又は有機酸から生成する。このような酸付加塩の適当な例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩及びキシナホ酸塩がある。
【0055】
適当な塩基性塩は、無毒性の塩を生成する塩基から作られ、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩の他、アンモニアや生理学的に許容できる有機アミンとの付加塩がある。このような塩基性塩の適当な例として、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩やアンモニウム塩の他、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、メチルアミン、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジフェニレンジアミン、キニーネ、コリン、アルギニン、リジン、ロイシン、ジベンジルアミン、トリス(2−ヒドロキシエチル)アミン又はα,α,α−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンとの付加塩がある。
【0056】
酸性基及び塩基性基を共に含む化合物は、分子内塩またはベタイン類の形態で存在することができ、これらも本発明に含む。適当な塩に関するレビューについては、Bergeら、J.
Pharm. Sci., 1977, 66, p.1-19を参照されたい。
【0057】
塩は、式(1)のインドール誘導体から、当業者には通例的である方法に従って得られるのが通常であり、この方法には、例えば、有機酸や無機酸或いは塩基性溶媒や分散剤と結合する方法がある他、他の塩から陰イオン交換や陽イオン交換によって得る方法がある。塩は、溶液から沈殿したものを濾過により収集したり、或いは、溶媒留去により回収することができる。
【0058】
式(1)のインドール誘導体は、立体異性体の形態で存在することができる。式(1)のインドール誘導体が、1つ以上の不斉中心を含む場合には、誘導体は、お互いに独立して、(S)配置又は(R)配置を取ることができる。本発明には、式(1)のインドール誘導体の可能な全ての立体異性体がいかなる比率であっても含まれ、その例として、エナンチオマー及びジアステレオマー並びに2つ以上の立体異性体の混合物、例えば、エナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物がある。よって、本発明は、エナンチオマーに関するものであって、そのエナンチオマーは、左旋体や右旋体としてエナンチオ異性に関し純粋な形態であってもよく、或いは、ラセミ体の形態であってもよく、又、いかなる比率の2つのエナンチオマーの混合物の形態であってもよい。同様にして、本発明は、ジアステレオマーに関するものであって、そのジアステレオマーはジアステレオ異性に関し純粋な形態であっても、いかなる比率の混合物の形態であってもよい。シス/トランス異性がある場合には、本発明は、シス体及びトランス体の両方、並びにこれらの異性体のいかなる比率での混合物に関する。個々の立体異性体は、必要があれば、合成する際に同じ立体異性の出発物質を用いることにより、或いは、立体選択的合成により、又は、クロマトグラフィー、結晶化やキラル相(chiral phase)のクロマトグラフィーのような通例的な方法に従い混合物を分離することにより製造できる。適当な場合には、誘導体化を行ってから、立体異性体の分離を行うことができる。立体異性体の混合物は、式(1)のインドール誘導体の段階で分離することも、開始物質の段階で分離することも又、合成途中の中間体の段階で分離することもできる。
【0059】
本発明の1つの態様によれば、(R,R)−立体異性体が一般的には好まれる。
【0060】
更に、本発明による式(1)の化合物は、移動性の水素原子を含むことができ、すなわち、種々の互変異性体の形態で存在することができる。本発明は、また、式(1)の化合物のあらゆる互変異性体に関するものである。
【0061】
更に、本発明は、式(1)のインドール誘導体のその他の種類、例えば、水和物のような溶媒和物や多型、すなわち、本発明によるインドール誘導体の種々の異なる結晶構造を含む。
【0062】
また、本発明は、式(1)のインドール誘導体の適当な同位元素によるバリエーションやその薬学的に許容できる塩を含む。式(1)のインドール誘導体の同位元素によるバリエーションまたはその薬学的に許容できる塩とは、その中の少なくとも1つの原子が、原子番号が同じであるが原子質量数が自然界で通常見られる原子質量とは異なる原子によって置き換わったものとして定義される。式(1)のインドール誘導体およびその薬学的に許容できる塩に組み込むことができる同位元素の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素及び塩素の同位体が含まれ、例えば、それぞれH、H、13C、14C、15N、17O、18O、35S、18F及び36Clがある。式(1)のインドール誘導体およびその薬学的に許容できる塩の同位元素による一定のバリエーション、例えば、Hや14Cのような放射性同位元素が組み込まれたものは、薬物及び/又は基質の組織内分布を調べる際に有益である。三重水素、すなわちHや炭素14、すなわち14Cのような同位元素は、調製が簡単で検出性が優れているので、特に好ましい。更に、重水素、すなわちHなどの同位元素で置換を行うことにより、代謝安定性が高くなり、それによって、例えば、in vivo半減期が長くなったり投与量を低くすることができるという一定の治療上の利点が得られ、ある状況の下では好ましい。本発明による式(1)のインドール誘導体やその薬学的に許容できる塩の同位元素によるバリエーションは、例示的な方法や以下に記す実施例及び調製例の項に記載する製造法のような従来の方法により、適当な試薬の適切な同位元素のバリエーションを用いて製造することができる。
【0063】
他の態様として、本発明は、式(1)のインドール誘導体の混合物に関する他、その薬学的に許容できる塩、溶媒和物、異性体及び/又は同位元素による形態との混合物や、これらの混合物に関するものである。
【0064】
本発明においては、本明細書中で上述した式(1)のインドール誘導体のあらゆる形態は、薬学的に許容できる塩(すなわち、該溶媒和物、異性体、互変異性体及び同位元素によるもの)を除き、以下において(特許請求の範囲を含め)、式(1)のインドール誘導体の「誘導形態」として定義される。
【0065】
式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩及び/又は誘導形態は、薬学活性のある貴重な化合物であり、β2受容体が関与する、或いは、この受容体のアゴニズムが益をもたらす種々の疾患、特に、アレルギー性及び非アレルギー性気道疾患の治療及び予防に適しているが、その他の疾患の治療にも応用することができ、その疾患としては、神経系疾患、早産、うっ血性心不全、うつ病、炎症性及びアレルギー性皮膚疾患、乾癬、増殖性皮膚疾患、緑内障並びに胃液酸度を下げることによる利点のある症状、特に、胃潰瘍や消化性潰瘍があるが、これらに限定するものではない。
【0066】
先に述べた、式(1)のインドール誘導体及びその薬学的に許容できる塩および誘導形態は、本発明に従って、動物、好ましくはほ乳類、特にヒトに対して、治療及び/又は予防用の医薬品として投与することができる。これらの物質は、それ自体で、相互の混合物として、或いは、通例の薬学的に無毒性の賦形剤及び/又は添加剤に加え、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩及び/又は誘導形態の内少なくとも1つのインドール誘導体の有効投与量を活性成分として含む医薬製剤としての形態によって投与することができる。
【0067】
このように、本発明は、式(1)のインドール誘導体及び/又はその薬学的に許容できる塩及び/又は誘導形態を、通例の薬学的に無毒性の賦形剤及び/又は添加剤と共に含む組成物に関するものである。このような組成物は、標準的な製剤法と適合する公知の方法に従って、調製できる。該組成物は、活性物質を重量で0.5%から60%含み、賦形剤及び/又は添加剤を重量で40%から99.5%含むのが一般的である。本発明に従って、該賦形剤及び/又は添加剤は、最終の医薬組成物に対して好ましい特性を与えることが技術者によく知られた物質である。通例の賦形剤及び/又は添加剤には、酸化剤やアルカリ化剤、エアロゾル噴射剤、抗菌剤(抗バクテリア剤、抗真菌剤及び抗原虫剤を含む。)、抗酸化剤、緩衝剤、キレート剤、分散剤、懸濁剤、皮膚軟化剤、乳化剤、保存料、金属イオン封鎖剤、溶媒、安定化剤、硬化剤、糖類、界面活性剤及び香味剤が含まれるが、決してこれらに限定されるものではない。更に、該組成物は、意図する投与経路に適合した形態で調製され、その形態は、どのような患者にも用いることができるもので、患者が治療を受けている疾患、障害や症状に適切なものである。考えうる適当な投与経路には、例えば、局所投与、経口投与、吸入投与、経直腸投与、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、クモ膜下投与、脳室内投与、尿道内投与、胸骨内投与、頭蓋内投与、筋肉内投与、皮下投与や点眼投与がある。本件においては、吸入投与が好ましい。
【0068】
経口投与が意図される場合、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩及び/又はその誘導形態は、錠剤、カプセル剤、多粒子系剤(multi−particulate)、ゲル、フィルム、オウビュール(ovule)、エリキシル剤、溶液や懸濁液の形態で投与することができ、これらは香味剤や着色剤を含むことができ、速放性薬剤、遅放性薬剤、放出調節薬剤、持続放出性薬剤、パルス放出および放出制御用途に用いられる。式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩及び/又はその誘導形態は、易分散性剤型や速溶性剤型、或いは、高分散エネルギー粒子(high energy dispersion)やコーティングした粒子の形態で投与することができる。式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩及び/又はその誘導形態の適切な製剤は、必要に応じ、コーティングを施した形状でも、施していない形状でもよい。
【0069】
例えば錠剤の場合のように、このような固形医薬組成物は、微結晶セルロース、乳糖、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、グリシンおよびデンプン(好ましくは、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン)のような賦形剤、グリコールデンプンナトリウム、クロスカルメロースナトリウムや一定のケイ酸塩複合体のような崩壊剤、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ショ糖、ゼラチンやアラビアゴムのような造粒用結合剤を含むことができる。更に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルやタルクのような滑沢剤を含むことができる。
【0070】
一般的な例として、錠剤による製剤では、通常、約0.001mgから5000mgの間の量の活性化合物を含み、錠剤の重さ(tablet fill weight)は50mgから5000mgの範囲にある。錠剤は、標準的な方法によって製造することができ、例えば、直接圧縮法や、湿式・乾式造粒法による方法がある。錠剤のコアには、適当なオーバーコート剤によってコーティングを施すことができる。
【0071】
類似の種類の固形組成物は、ゼラチン又はHPMCカプセルの充填剤としても用いることができる。この点で好ましい賦形剤には、乳糖、デンプン、セルロース、乳糖や高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。水性懸濁液及び/又はエリキシル剤では、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩及び/又はその誘導形態は、種々の甘味剤や香味剤、着色剤や色素、乳化剤及び/又は懸濁剤、および、水、エタノール、プロピレングリコールやグリセリンのような希釈剤、更にはこれらの組合せと合わせることができる。
【0072】
また、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩及び/又はその誘導形態は、注射により投与することができ、例えば、静脈内注射、動脈内注射、腹腔内注射、クモ膜下注射、脳室内注射、尿道内注射、胸骨内注射、頭蓋内注射、筋肉内注射、或いは皮下注射、若しくは、注入や無針注射法により投与することができる。そのような投与の場合には、殺菌済みの水溶液の形状で用いるのが最善であり、該水溶液には、例えば、血液と等調な溶液とするために十分な量の塩やブドウ糖のような他の物質を含むことができる。該水溶液は、必要に応じて、適当な緩衝剤を加える(好ましくは、3から9のpHに対して)ことが必要である。このような製剤を滅菌状態で調製することは、当業者には公知である標準的な製薬技術によって、容易に行うことができる。
【0073】
ヒトの患者に対して、経口投与や注射を行う場合には、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩及び/又はその誘導形態の1日当たりの投与量は、共に、0.001mg/kgから1000mg/kgが通常である(単回投与或いは分割投与による。)。
【0074】
また、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩及び/又はその誘導形態は、吸入によって投与することができ、便宜的に、ドライパウダー吸入剤(dry powder inhaler)の形態により、或いは、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザやネブライザからのエアロゾルスプレー噴射の形態により送達するが、適当な推進剤を用いる場合も、用いない場合もあり、その推進剤には、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンの他、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134A(登録商標))や1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA(登録商標))のようなヒドロフルオロアルカン、二酸化炭素やその他の適当なガスがある。加圧エアロゾルの場合には、投与単位量(dosage unit)の決定は、計量した分量を送達するためのバルブを備えることにより、行うことができる。加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザやネブライザは、活性化合物の溶液又は懸濁液を含むことができ、例えば、エタノールと推進剤の混合物を溶媒として用い、該溶液には更に、トリオレイン酸ソルビタンのような潤滑剤を含むことができる。吸入器や散布器で使用するカプセル剤やカートリッジ(例えば、ゼラチンから作られる。)は、式(1)のインドール誘導体と乳糖やデンプンのような適当な粉体べースとの粉体混合物を含むものとして調製することができる。
【0075】
エアロゾルまたは乾燥粉末製剤では、各計量された投与量、すなわち「1回分の分量(puff)」によって、式(1)のインドール誘導体を0.001mgから10mg患者に送達するように調整がなされていることが好ましい。エアロゾルによる1日当たりの総投与量は、0.001mgから40mgの範囲にあり、単回投与によって投与することができるが、通常の場合には1日を通して投与量を分割して行う。
【0076】
式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩及び/又はその誘導形態は、局所的に或いは経皮的に投与することができ、クリーム、ゲル、懸濁液、ローション、軟膏、散布剤、スプレー、泡、ムース、薬物含有ドレッシング剤、溶液、スポンジ、線維、マイクロエマルジョン、フィルム、スキン・パッチ、ワセリン剤のような軟膏や白色軟ワックス・ベースの軟膏の形状により、或いは、スキン・パッチその他の装具(device)を介して行う。透過促進剤を使用することができ、該化合物はシクロデキストリンと共に使用することができる。更に、該化合物は、イオントフォレーゼ、電気穿孔(Electroporation)法、フォノフォレシス(phonophresis)または超音波導入法(sonophresis)を用いて送達することができる。これらの組成物は、傷害部位に直接投与することができる。これらの組成物は、コーティングを施した縫合糸にコーティングすることができる。例えば、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、水、ポリエチレングリコール及び/又は流動パラフィンの水性又は油性エマルジョンからなるローションまたはクリームに入れたり、若しくは、以下に掲げるもののうち1つ以上からなる適当な軟膏に入れることができる。それらは、鉱物油、流動ペトロラタム、白色ペトロラタム、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス及び水である。または、これらの組成物は、セルロースやポリアクリル酸の誘導体やその他の粘液調製剤とともにヒドロゲルとして、或いは、ブタン/プロパン、HFA、CFC、COまたはその他の適当な推進剤と共にに用いる乾燥粉体、液体スプレーやエアロゾルとして含有することができ、トリオレイン酸ソルビタンのような滑沢剤を更に含んでもよく、または、これらの組成物は、織布(tulle)ドレッシング剤又はフィルムドレッシング剤として薬物含有ドレッシング剤として含有することができ、前者は、白色ワセリンやポリエチレングリコール含浸ガーゼドレッシング剤とともに、或いはヒドロゲル、ヒドロコロイド、アルギン酸塩とともに用いる。
【0077】
急性/外科的傷害や瘢痕を有するヒトの患者に対する局所的投与の場合、懸濁液その他の製剤では、該化合物の1日当たりの投与量は、0.001から50mg/mlであり、好ましくは、0.03から30mg/mlである。この投与量は、傷害の大きさによって変わり、その傷害が開放性であるか閉鎖性であるか、或いは部分的に閉鎖しているか、又、皮膚に傷があるかないかによっても変わる。
【0078】
替わりに、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩及び/又はその誘導形態は、例えば、ゲルの坐薬の形状による経直腸投与を行うことができるが、その他の形状も考慮しうる。
【0079】
これらの組成物は、点眼により投与することができ、特に眼の瘢痕に対して行われる。眼科用としては、該化合物は、pH調整を行った等調滅菌生理食塩水中のマイクロ化懸濁物質として、或いは、好ましくは、pH調整を行った等調滅菌生理食塩水溶液として調製することができ、所望により塩化ベンジルアルコニウムのような保存料と組み合わせてもよい。替わりに、ペトロラタムのような軟膏に調製することもできる。
【0080】
本明細書において上述した種々の医薬製剤は、A.Lehir出版による”Pharmacie
galenique”(Mason編、1992、第2版)にも詳細に記載されている。
【0081】
いかなる場合であっても、個々の患者に対して最適な投与量を実際に決定するのは、医師であり、投与量は、患者の年齢、体重、健康状態や性別の他、治療対象である疾患、障害や症状の重症度、他の治療法との組合せの可能性、個別の患者の反応、そして、対象となっている疾患、障害や症状や患者に特有のあらゆる因子全般によって変わる。よって、ヒトにおける1日の投与量は、活性化合物を通常0.001mgから5000mg含み、投与は適宜、単回で行ったり、2回以上に分けて行う。これよりも投与量が多い場合も、少ない場合も個々の状況においてはメリットがあるのは当然であり、そのような状況も本発明の範囲内である。
【0082】
本発明においては、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩及び/又はその誘導形態の適切な製剤は、シクロデキストリンと組み合わせて使用することができる。シクロデキストリンは、薬物分子と包摂錯体や非包摂錯体を形成することが知られている。薬物−シクロデキストリン錯体が形成することによって、薬物分子の溶解度、溶解速度、バイオアベイラビリティ及び/又は安定性を調節することができる。薬物−シクロデキストリン錯体は、一般的に、ほとんどの薬剤形状及び投与経路に関して有益である。薬物と直接に錯体形成を行う代わりに、シクロデキストリンは、担体、希釈剤や可溶化剤のような補助添加剤としても使用することができる。α−、β−及びγ−シクロデキストリンは、最も一般的に使用されており、適切な例は、国際公開番号WO−A−91/11172、国際公開番号WO−A−94/02518及び国際公開番号WO−A−98/55148に開示されている。
【0083】
本発明の他の実施形態においては、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩、その誘導形態や組成物は、また、特別に必要とする治療結果を得るために患者に併用投与する1つ以上の治療剤と組み合わせて使用することができる。その2番目或いはそれ以上に追加する薬剤は、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩、その誘導形態または組成物であってもよく、或いは、当技術分野において知られている1つ以上のβ2アゴニストであってもよい。その2番目或いはそれ以上に追加する薬剤は、異なる薬剤クラスから選ばれるのがより一般的である。
【0084】
本明細書において、式(1)のインドール誘導体及び1つ以上の他の治療剤に関して用いられる「併用投与」或いは「併用投与する」又「組み合せて」とは、以下の事項を意味することが意図されており、実際に以下の事項に言及し、かつ以下の事項を含むものである。
インドール誘導体と治療剤とによるこのような組合せを、治療を要する患者に対して同時に投与することであり、それらの成分が単一の剤型として調製されており、該成分を該患者に対してほぼ同時に放出する投与、
インドール誘導体と治療剤とによるこのような組合せを、治療を要する患者に対してほぼ同時に投与することであり、それらの成分は別々の剤型に調製されているものの、該患者がほぼ同時に服用することによって、該成分を該患者に対してほぼ同時に放出する投与、
インドール誘導体と治療剤とによるこのような組合せを、治療を要する患者に対して連続的に投与することであり、それらの成分は別々の剤型に調製されているものの、該患者が各投与の間に十分な時間の間隔を空けて連続的に服用することによって、該成分を該患者に対して十分な時間差をもって放出する投与、及び、
インドール誘導体と治療剤とによるこのような組合せを、治療を要する患者に対して連続的に投与することであり、それらの成分が単一の剤型として調製されており、該成分の放出を制御された方法で行い、該患者に対して同時および/または異なる時間に、連続的に及び/又は重複的に放出する投与であって、
それぞれの部分の投与は、同じ経路でも異なる経路でもよい。
【0085】
式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩、その誘導形態または組成物と組み合わせて使用するその他の治療剤の適当な例としては、以下のものが含まれるが、決してこれに限定されるものではない:
(a)5−リポオキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポオキシゲナーゼ活性化タンパク(FLAP)拮抗剤、
(b)LTB、LTC、LTD及びLTEを含むロイコトリエン拮抗剤(LTRA)、
(c)H1及びH3拮抗剤を含むヒスタミン受容体拮抗剤、
(d)うっ血除去剤として使用するα−及びα−アドレナリン受容体アゴニストである血管収縮性交感神経様作用薬、
(e)M3ムスカリン受容体拮抗剤或いは抗コリン作動薬、
(f)PDE阻害剤、例えば、PDE3、PDE4及びPDE5阻害剤、
(g)テオフィリン、
(h)クロモグリク酸ナトリウム、
(i)COX阻害剤(非選択的及び選択的COX−1やCOX−2阻害剤(NSAID)を含む。)、
(j)経口及び吸入用糖質ステロイド、
(k)内因性炎症因子に対して活性を有するモノクローン抗体、
(l)抗腫瘍壊死因子(抗TNF−α)剤、
(m)VLA−4拮抗剤を含む接着分子阻害剤
(n)キニン−B−及びB−受容体拮抗剤、
(o)免疫抑制剤、
(p)マトリックス金属プロテアーゼ(MMP)の阻害剤、
(q)タキキニンNK、NK及びNK受容体拮抗剤、
(r)エラスターゼ阻害剤、
(s)アデノシンA2a受容体アゴニスト、
(t)ウロキナーゼ阻害剤、
(u)ドーパミン受容体に作用する化合物、例えば、D2アゴニスト、
(v)NFκβ 経路の調節因子、例えば、IKK阻害剤、
(w)粘液溶解剤や抗咳剤として分類される薬剤、及び
(x)抗生物質。
【0086】
本発明においては、式(1)のインドール誘導体と以下のものとを組み合わせることが望ましい:
糖質ステロイド、特に全身性副作用が少ない吸入用糖質ステロイドであって、シクレソニド(ciclesonide)、プレドニゾン、プレドニゾロン、フルニソリド(flunisolide)、トリアムシノロンアセトニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン及びフランカルボン酸モメタゾンを含む糖質ステロイド、或いは、
M3ムスカリン受容体拮抗剤又は抗コリン作動薬であって、特に、イプラトロピウム塩、具体的には、臭化物、チオトロピウム塩、具体的には臭化物、オキシトロピウム塩、具体的には臭化物、ピレンゼピンやテレンゼピン。
【0087】
本明細書における治療に関する言及は全て、治療的、緩和的及び予防的治療を含む。以下の記載は、式(1)のインドール誘導体を用いる治療的応用に関する。
【0088】
式(1)のインドール誘導体には、β2受容体に作用する能力があり、それゆえに治療的応用は以下に記載するように広範囲に及ぶが、それはβ2受容体が全ほ乳類の生理において根本的な役割を有しているからである。
【0089】
従って、本発明による他の態様は、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩、その誘導形態および組成物をβ2受容体が関与する疾患、障害及び症状の治療に使用することに関する。より具体的には、本発明は、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩、その誘導形態や組成物を、以下からなる群から選ばれる疾患、障害及び症状の治療に使用することに関する:
あらゆる種類、病因或いは病原の喘息、特にアトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性喘息、IgEが関与するアトピー性気管支喘息、気管支喘息、体質性喘息(essential asthma)、真性喘息(true asthma)、病態生理学的障害により生じる内因性喘息、環境要因により生じる外因性喘息、未知或いは不明な原因による本態性喘息、非アトピー性喘息、気管支炎性喘息、気腫性喘息(emphysematous asthma)、運動誘発性喘息、アレルゲン誘発性喘息、冷気誘発性喘息、職業性喘息、感染性喘息(バクテリア感染、真菌感染、原虫感染或いはウイルス感染によるもの)、非アレルギー性喘息、発症初期喘息、小児喘鳴症候群及び細気管支炎(bronchiolitis)からなる群から選ばれる喘息、
慢性或いは急性気管支収縮、慢性気管支炎、小気道閉塞及び気腫、
あらゆる種類、病因或いは病原の閉塞性又は炎症性気道疾患、特に、慢性好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を含むCOPD、COPDと関連する或いは関連しない肺気腫或いは呼吸困難、不可逆性進行性気道閉塞によって特徴づけられるCOPD、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、他の薬物療法に続発する気道過敏症の増悪及び肺高血圧症に伴う気道疾患からなる群から選ばれる閉塞性又は炎症性気道疾患、
あらゆる種類、病因或いは病原のじん肺症、特に、アルミニウム肺症或いはボーキサイト線維症、炭症或いは炭鉱夫肺症、石綿肺症或いは配管工病(steam−fitters’ asthma)、石肺症或いは石灰肺、ダチョウ肺塵症(ptilosis)、鉄粒子吸入により発症する鉄じん肺症、ケイ肺症或いは研磨工病(grinders’ disease)、綿糸肺或いは綿粉じん症(cotton−dust asthma)及び滑石肺からなる群から選ばれるじん肺症、
あらゆる種類、病因或いは病原の気管支炎、特に、急性気管支炎、急性喉頭気管性気管支炎、アラキドン酸が関与する気管支炎(arachidic bronchitis)、カタル性気管支炎、クループ性気管支炎、乾性気管支炎、感染型喘息性気管支炎、増殖性気管支炎、ブドウ球菌性気管支炎又は連鎖球菌性気管支炎、及び小水疱性気管支炎からなる群から選ばれる気管支炎、
あらゆる種類、病因或いは病原の気管支拡張症、特に、円柱状気管支拡張症、嚢胞状気管支拡張症、紡錘状気管支拡張症、毛細血管性気管支拡張症(capillary bronchiectasis)、嚢状気管支拡張症、乾性気管支拡張症及び肺胞性気管支拡張症(follicular bronchiectasis)からなる群から選ばれる気管支拡張症、
あらゆる種類、病因或いは病原の中枢神経系障害、特に、うつ病、アルツハイマー病、パーキンソン病、学習障害や記憶障害、遅発性ジスキネジア、薬物依存症、動脈硬化性痴呆、及びハンチントン舞踏病、ウイルソン病、振戦麻痺や視床の萎縮を伴う痴呆からなる群から選ばれる中枢神経系障害、
早産、並びに、
その他、うっ血性心不全、うつ病、炎症性及びアレルギー性皮膚疾患、乾癬、増殖性皮膚疾患、緑内障並びに胃液酸度を下げることによる利点のある症状、特に、胃潰瘍や消化性潰瘍のような疾患や症状。
【0090】
本発明による更に他の態様は、式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩、その誘導形態や組成物をβ2アゴニスト活性を有する薬物の製造に使用することに関する。特に、本発明は、式(1)のインドール誘導体、或いはその薬学的に許容できる塩、その誘導形態や組成物を、β2が介在する疾患及び/又は症状、特に先に挙げた疾患及び/又は症状の治療に用いる薬物を製造するために使用することに関する。
【0091】
それゆえ、本発明は、特段に興味深いほ乳類(ヒトを含む)の治療法を提供し、該ほ乳類を式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩、その誘導形態や組成物の有効量によって治療することを含む。より正確には、本発明は、特段に興味深いほ乳類(ヒトを含む)の治療法であって、β2が介在する疾患及び/又は症状、特に先に挙げた疾患及び/又は症状に対する治療法を提供し、該治療法には、該ほ乳類を式(1)のインドール誘導体、その薬学的に許容できる塩、及び/又はその誘導形態の有効量によって治療することを含む。
【実施例】
【0092】
以下の実施例は、式(1)のインドール誘導体の製造法を示す。
(略語)
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
WSCDI 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
MeOH メタノール
THF テトラヒドロフラン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
EtOH エタノール
EtO ジエチルエーテル
(実施例1):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(2−トリフルオロメトキシベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化34】

【0093】
DMF(1ml)中の調製例6(145mg、292μmol)の酸を2−トリフルオロメトキシベンジルアミン(57mg、301μmol)、ピリジン(26mg、325μmol)、DMF(1ml)中のHOBt(43mg、320μmol)及びDMF(1ml)中のWSCDI(62mg、322μmol)により処理し、混合物を一晩撹拌した。溶媒をin vacuoで除去し、CHCl(2ml)及び水(0.5ml)に交換した。有機層をPTFEフリットカートリッジを用いて分離し、溶媒をin vacuoで除去した。MeOH(1.9ml)中のフッ化アンモニウム(108mg、292μmol)及び水(1.1ml)を粗製物に加え、混合物を40℃で一晩振とうした。溶媒をin vacuoで除去し、粗製物をDMSO(1ml)中に取り、濾過して、逆相HPLCにより精製した。
【0094】
H NMR(400MHz,CDOD):d 7.52−7.44(3H,m),7.40−7.31(4H,m),7.13(3H,m),6.77(1H,d),4.89(1H,溶媒のピークと重なる),4.68(2H,s),4.65(2H,s),3.60(1H,m),3.28−3.138(3H,m),2.86(1H,m),1.28(3H,d)。
HRMS(ESI):m/z[M+H]実測値558.2188;理論値558.2217。
【0095】
(実施例2):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1S)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化35】

【0096】
調製例6の酸と実施例1に記載の方法を用いて製造した。
【0097】
H NMR(400MHz,CDOD):(約23%のベンジルアミンを含む)δ7.52(1H,s),7.42(3H,t),7.34−7.29(4H,m),7.24(1H,m),7.13(2H,t),6.77(1H,d),5.26(1H,q),4.88(1H,溶媒のピークと重なる),4.65(2H,s),3.59(1H,m),3.27−3.12(3H,m),2.86(1H,m),1.58(3H,d),1.27(3H,d)。
HRMS(ESI):m/z[M+H]実測値488.2528;理論値488.2551。
【0098】
(実施例3):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(3−トリフルオロメトキシフェニルエチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化36】

【0099】
調製例6の酸と実施例1に記載の方法を用いて製造した。
【0100】
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.52(1H,s),7.46−7.41(2H,m),7.36(2H,m),7.28(1H,s),7.15(3H,m),7.09(1H,s),6.78(1H,d),4.88(1H,溶媒のピークと重なる),4.65(2H,s),4.62(2H,s),3.63−3.54(1H,m),3.28−3.13(3H,m),2.85(1H,m),1.27(3H,d)。
HRMS(ESI):m/z[M+H]実測値558.2189;理論値558.2217。
【0101】
(実施例4):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化37】

【0102】
調製例6の酸と実施例1に記載の方法を用いて製造した。
【0103】
H NMR(400MHz,CDOD):d 8.50(1H,d),7.80(1H,m),7.48(1H,d),7.36−7.29(3H,m),7.16(1H,m),7.06(1H,s),7.02−6.94(2H,m),6.59(1H,d),4.71(2H,s),4.60(1H,m),4.56(2H,s),2.79−2.68(3H,m),3.02−2.91(2H,m),1.12(3H,d)。
HRMS(ESI):m/z[M+H]実測値475.2324;理論値475.2347。
【0104】
(実施例5):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(シクロペンチルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化38】

【0105】
調製例6の酸と実施例1に記載の方法を用いて製造した。
【0106】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.51(1H,s),7.43(1H,d),7.34(1H,s),7.13(2H,m),7.06(1H,s),6.77(1H,d),4.89(1H,溶媒のピークに重なる),4.65(2H,s),3.62−3.55(1H,m),3.25−3.13(5H,m),2.85(1H,m),1.26(3H,d),1.10(1H,m),0.53(2H,m),0.30(2H,m)。
HRMS(ESI):m/z[M+H]実測値438.2327;理論値438.2394。
【0107】
(実施例6):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化39】

【0108】
調製例5(240mg、399μmol)をMeOH(14ml)と水(8ml)の混合溶液を、フッ化アンモニウム(148mg、3.99mmol)で処理し、生じた懸濁液を40℃で一晩加熱した。溶媒をin vacuoで除去し、残留物をフラッシュ・クロマトグラフィー[CHCl中に5(+0.5%NH)−10%(+1.5%NH)MeOH]により精製し、白色固体(82mg)を得た。
【0109】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.42(2H,m),7.33(4H,m),7.23(1H,t),7.17(1H,s),7.09(1H,s),7.00−6.94(2H,m),6.59(1H,d),5.25(1H,q),4.58(1H,m),4.55(2H,s),2.99−2.89(2H,m),2.77−2.67(3H,m),1.59(3H,d),1.10(3H,d)。
LRMS(APCI):m/z[M+H]488[M+H]
【0110】
(実施例7):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(チアゾール−2−イルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化40】

【0111】
調製例4のアミドと実施例6に記載の方法を用いて製造した。
【0112】
H NMR(400MHz,CDOD):d 7.72(1H,d),7.51(1H,d),7.36(2H,m),7.20(1H,s),6.98−7.05(3H,m),6.63(1H,d),4.88(2H,s),4.64(1H,m),4.57(2H,s),3.06−3.11(1H,m),2.95(1H,m),2.69−2.87(3H,m),1.13(3H,d)。
HRMS(ESI):m/z[M+H]実測値481.1901;理論値481.1911。
【0113】
(実施例8):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(シクロブチルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化41】

【0114】
調製例1のアミドと実施例6に記載の方法を用いて製造した。
【0115】
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.32(2H,d),7.18(1H,s),6.98(3H,m),6.60(1H,d),4.61(1H,m),4.56(2H,s),3.42(2H,d),3.02−2.89(2H,m),2.80−2.61(4H,m),2.15−2.07(2H,m),1.97−1.77(4H,m),1.11(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]452。
【0116】
(実施例9):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(シクロペンチルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化42】

【0117】
調製例2のアミドと実施例6に記載の方法を用いて製造した。
【0118】
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.33(2H,d),7.19(1H,s),6.99(3H,m),6.62(1H,d),4.67−4.59(1H,m),4.57(2H,s),3.33(2H,溶媒のピークと重なる),3.05(1H,m),2.95(1H,m),2.85−2.68(3H,m),2.28−2.20(1H,m),1.85−1.77(2H,m),1.70−1.58(4H,m),1.37−1.28(2H,m),1.13(3H,d)。
HRMS(ESI):m/z[M+H]実測値466.2694;理論値466.2707。
【0119】
(実施例10):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(シクロヘキシルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化43】

【0120】
調製例3のアミドと実施例6に記載の方法を用いて製造した。
【0121】
H NMR(400MHz,CDOD):d 7.32(2H,d),7.12(1H,s),6.97(3H,m),6.60(1H,d),4.60(1H,m),4.56(2H,s),3.23(2H,d),3.07−2.89(2H,m),2.79−2.63(3H,m),1.84−1.59(6H,m),1.34−1.18(3H,m),1.11(3H,d),1.08−0.97(2H,m)。
HRMS(ESI):m/z[M+H]実測値480.2839;理論値480.2864。
【0122】
(実施例11):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(4−メチルスルファモイルベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化44】

【0123】
調製例6(100mg、201μmol)、WSCDI(42mg、221μmol)、HOBt(30mg、221μmol)、ピリジン(17mg、221μmol)、及び4−アミノメチル−N−メチルベンゼンスルホンアミド(40mg、201μmol)をDMF(5ml)中で一晩撹拌した。溶媒を除去し、生成物をCHClに取り、水で洗った。溶媒を除去し、粗製物をMeOH(5.7ml)及び水(10ml)に取り、フッ化アンモニウム(43mg、115μmol)で処理し、40℃で一晩撹拌した。溶媒を除去し、粗製物をクロマトグラフィー(CHCl中10−20%MeOH+1%アンモニア)で2度精製した(18mg)。
【0124】
H NMR(400MHz,CDOD):d 7.79(2H,d)7.58(3H,d),7.43(1H,d),7.45(1H,s),7.15(3H,t),6.78(1H,d),4.62(5H,d),3.59(1H,m),3.19(1H,m),3.18(2H,m),2.85(1H,t),2.50(3H,s),1.25(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]567。
【0125】
(実施例12):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(4−スルファモイルベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化45】

【0126】
調製例6の酸と実施例11に記載の方法を用いて製造した。
【0127】
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.82(2H,d),7.50(3H,d),7.42(1H,d),7.30(1H,s),7.12(2H,d),7.09(1H,s),6.78(1H,d),4.62(5H,d),3.60(1H,m),3.22(1H,m),3.18(2H,m),2.82(1H,m),1.22(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]553。
【0128】
(実施例13):1−ベンジル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(2−メトキシベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化46】

【0129】
DMF(2ml)中の調製例31(100mg、170μmol)、WSCDI(42mg、219μmol)、HOBt(34mg、255μmol)及びピリジン(33mg、340μmol)を2−メトキシベンジルアミン(23mg、170μmol)で処理し、該混合物を窒素雰囲気下室温で18時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物をCHCl(6ml)及び水(6ml)とで分配した。有機層をin vacuoで減らし、粗製物をMeOH(8ml)に取り、水(4ml)中のフッ化アンモニウム(72mg、1.95μmol)で処理し、40℃で一晩撹拌した。溶媒を除去し、生成物をクロマトグラフィー(CHCl中2%MeOH+0.2%アンモニア)で精製した(20mg)。
【0130】
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.33(1H,s),7.28−7.11(7H,m),7.01−6.92(6H,m),6.83(1H,t),6.60(1H,d),5.77(2H,s),4.61−4.57(1H,m),4.55(2H,s),5.42(2H,s),3.83(3H,s),2.98−2.88(2H,m),2.76−2.65(3H,m),1.09(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]594。
【0131】
(実施例14):1−ベンジル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化47】

【0132】
調製例31の酸と実施例13に記載の方法を用いて製造した。
【0133】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.39−6.99(16H,m),6.65(1H,d),5.75(2H,s),5.21(1H,q),4.66−4.60(3H,m),2.93−3.02(2H,m),2.80−2.70(3H,m),1.57(3H,d),1.14(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]578。
【0134】
(実施例15):1−エチル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1R)−2−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化48】

【0135】
調製例26の酸と実施例13に記載の方法を用いて製造した。
【0136】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.45(2H,m),7.39−7.32(4H,m),7.26(1H,m),7.21(1H,bs),7.06−6.98(3H,m),6.64(1H,d),5.26(1H,q),4.63(1H,m),4.57(2H,m),4.52(2H,q),3.01−2.93(2H,m),2.75−2.68(3H,m),1.61(3H,d),1.32(3H,t),1.14(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]516。
【0137】
(実施例16):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化49】

【0138】
調製例21の酸と実施例13に記載の方法を用いて製造した。
【0139】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.43(2H,d),7.33(2H,t),7.27−7.23(3H,m),7.13(1H,bs),7.00−6.89(3H,m),6.54(1H,d),5.23(1H,q),4.57−4.54(1H,m),4.54−4.46(2H,m),3.91(3H,m),2.95−2.87(2H,m),2.74−2.59(3H,m),1.58(3H,d),1.10(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]502。
【0140】
(実施例17):1−ベンジル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(2,6−ジメトキシベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化50】

【0141】
調製例31の酸と実施例13に記載の方法を用いて製造した。
【0142】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.33−7.89(12H,m),6.70(2H,s),6.62(1H,d),5.81(2H,s),4.66−4.58(5H,m),3.86(6H,s),2.99−2.90(2H,m),2.76−2.67(3H,m),1.13(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]624。
【0143】
(実施例18):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)ブチル}−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化51】

【0144】
調製例39(153mg、220μmol)のエタノール溶液(10ml)をギ酸アンモニウム(70mg、1.1mmol)及び炭素担持水酸化パラジウム(20%、10mg)で処理し、2時間還流加熱した。次に、フッ化アンモニウム(40mg、1.1mmol)の水溶液(1ml)を加えて、生じる混合物を40℃で24時間撹拌した。その後、溶媒を除去し、粗製物を酢酸エチルに取り、水(1%0.88アンモニアを含む)で洗い、乾燥した(NaSO)。生成物は、クロマトグラフィー(CHCl中に2−5%MeOH及び0.3%NH)により精製し、黄色の半固体を得た。これをTHF(3ml)及び水(0.5ml)に取り、LiOH(1N、100μmol)で処理し、室温で一晩放置した。溶媒を除去し、生成物をクロマトグラフィー(CHCl中5%MeOH+0.3%アンモニア)で精製した(60mg)。
【0145】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.43−7.41(2H,m),7.34−7.27(4H,m),7.22(1H,t),7.15(1H,m),7.09(1H,s),7.00−6.90(2H,d),6.57(1H,d),5.26(1H,q),4.55(3H,m,s),2.87−2.60(5H,m),1.58(3H,d),1.55(1H,m),1.44(1H,m),0.96(3H,t)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]502。
【0146】
(実施例19):5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)ブチル}−N−[3−メチル−ピリジン−2−イルメチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化52】

【0147】
調製例41の酸と実施例6に記載の方法を用いて製造した。
【0148】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 8.40(1H,d),7.65(1H,d),6.90−7.35(7H,m),6.60(1H,d),4.70(2H,s),4.60(1H,m),4.50(2H,s),2.60−3.00(5H,m),2.40(3H,s),1.05(3H,d)。
【0149】
HRMS:C2832Si:理論値489.2503、実測値489.2492[M+H]
【0150】
以下の調製例は、上記実施例で用いた中間体の一部の製造法を示す。
(調製例1):5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−N−[シクロブチルメチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化53】

【0151】
調製例6(150mg、300μmol)、WSCDI(63mg、330μmol)、HOBt(45mg、330μmol)及びピリジン(54mg、661μmol)のDMF(2ml)溶液を調製例40(40mg、330μmol)で処理し、該混合物を窒素雰囲気下室温で18時間撹拌した。溶媒を除去し、粗製物をCHCl:MeOH(9:1)(10ml)に取り、飽和塩化アンモニウム水溶液(2×5ml)で洗った。沈殿物をCHCl:MeOH(9:1)(10ml)に再溶解し、合わせた有機層を乾燥した(NaSO)。 溶媒除去の後、物質をEtOH及びEtO中で摩砕し、固体を濾過除去した。濾過液から薄茶色の泡状物質(144mg)を得た。
【0152】
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.50(2H,m),7.32(1H,s),7.10(3H,m),6.80(1H,d),5.03(1H,m),4.65(2H,dd),3.40(2H,m),3.05−3.12(3H,m),2.95(1H,m),2.65(2H,m),2.10(2H,m),1.90(2H,m),1.80(2H,m),1.33(3H,d),0.78(9H,s),0.00(3H,s),−0.20(3H,s)。
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M+H]566。
【0153】
(調製例2):5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−N−(シクロペンチルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化54】

【0154】
調製例6の酸と調製例1に記載の方法を用いて製造した。
【0155】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.48(2H,m),7.30(1H,s),7.10(3H,m),6.78(1H,d),5.01(1H,m),4.70−4.61(2H,m),3.60(1H,m),3.36(2H,溶媒のピークと重なる),3.18−3.08(3H,m),2.94(1H,m),2.24(1H,m),1.84−1.76(2H,m),1.68−1.58(4H,m),1.36−1.29(5H,m),0.76(9H,s),0.00(3H,s),−0.19(3H,s)。
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M+H]580。
【0156】
(調製例3):5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−N−(シクロヘキシルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化55】

【0157】
調製例6の酸と調製例1に記載の方法を用いて製造した。
【0158】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.42(2H,m),7.24(1H,s),7.04(3H,m),6.71(1H,d),4.88(1H,溶媒のピークと重なる),4.63(2H,m),3.35(1H,溶媒のピークと重なる),3.23(2H,d),3.15(1H,m),2.96−2.82(3H,m),1.83−1.60(6H,m),1.33−1.17(3H,m),1.22(3H,d),0.98(2H,q),0.74(9H,s),−0.05(3H,s),−0.23(3H,s)。
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M+H]594。
【0159】
(調製例4):5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−N−(チアゾール−2−イルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化56】

【0160】
調製例6の酸と調製例1に記載の方法を用いて製造した。
【0161】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.71(1H,d),7.50(1H,d),7.34(2H,m),7.16(1H,s),7.06(1H,s),7.01(1H,d),6.93(1H,d),6.61(1H,d),4.89(2H,s),4.68(1H,m),4.54−4.62(2H,m),2.99(1H,m),2.90(1H,m),2.71(2H,d),2.64(1H,m),1.09(3H,d),0.71(9H,s),−0.09(3H,s),−0.26(3H,s)。
LRMS(APCI):m/z [M+H]595。
【0162】
(調製例5):5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−N−[(1R)−1フェニルエチルアミン)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化57】

【0163】
調製例6の酸と調製例1に記載の方法を用いて製造した。
【0164】
H NMR(400MHz,CDOD):粗製物
LRMS(APCI):m/z [M+H]602。
【0165】
(調製例6):5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−1H−インドール−2−カルボン酸
【化58】

【0166】
調製例7(0.30g、0.59mmol)の1,4−ジオキサン溶液(10ml)を水酸化ナトリウム(59mg、1.46mmol)の水溶液(1ml)で処理し、生じた混合物を室温で30分間撹拌した。この後、反応混合物を90℃で30分間加熱してから、室温にまで冷却した。溶媒をin vacuoで除去し、残留物を水(20ml)に再溶解し、2N塩酸を加えて、pHを7に調整した。生じた固体を濾過し、ジクロロメタンとメタノール混合液(20ml、体積比90:10)に溶解し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、溶媒をin vacuoで除去して、表題化合物を薄橙色(pale orange)の泡状物質として得た。
【0167】
H NMR(400MHz,CDOD):δ =7.47−7.42(2H,m),7.27(1H,s),7.11−7.03(3H,m),6.76−6.74(1H,d),4.99−4.97(1H,m),4.67−4.58(2H,m);3.60−3.55(1H,m),3.28−3.26(1H,m),3.16−3.12(1H,m),3.09−3.04(1H,m),2.94−2.88(1H,m),1.28−1.26(3H,d),0.74(9H,s),−0.03(3H,s),−0.22(3H,s)。
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M+H]499。
【0168】
(調製例7):5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−1H−インドール−2−カルボン酸メチル
【化59】

【0169】
調製例8(0.38g、0.63mmol)及び炭素担持10%パラジウム(78mg)のエタノール懸濁液(20ml)を水素圧(42000kgf/m(60psi))下室温で16時間撹拌した。触媒をarbocelで濾過し、溶媒をin vacuoで除去して表題化合物を薄ピンク色の泡状物質(316mg)として得たが、これは更に精製を行うことなく用いた。
【0170】
H NMR(400MHz,CDOD):δ =7.36−7.32(2H,m),7.15(1H,bs),7.09(1H,bs),7.05−7.04(1H,m),6.95−6.93(1H,m),6.62(1H,d),4.69−4.66(1H,m),4.57(2H,s),3.92(3H,s),2.98−2.85(2H,m),2.70(2H,d),2.63−2.59(1H,m),1.08(3H,d),0.71(9H,s),−0.09(3H,s),−0.26(3H,s)。
【0171】
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M+H]513,[M+Na]535。
【0172】
元素分析:実測値C64.89;H7.93;N5.08;C2840Si.0.25HO理論値C65.02;H7.89;N5.42。
【0173】
旋光度[α]25=−84.02°0.4mg/ml MeOH 635nm
(調製例8):5−{(2R)−2−[((2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]プロピル}−1H−インドール−2−カルボン酸メチル
【化60】

【0174】
調製例9(4.55g、19.6mmol)、調製例15(8.55g、19.6mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(2.53g,19.6mmol)を撹拌下、一晩中100℃で加熱した。酢酸エチル(300ml)を加え、有機層を水(2×500ml)で洗った。水溶液層を酢酸エチル(200ml)で洗い、合わせた有機層をブライン(500ml)で洗い、乾燥した(NaSO)。粗製物をクロマトグラフィー(CHCl中に0−3%MeOH及び0.5%NH)により精製し、表題化合物を薄黄色油状物質(5.72g)として得た。
【0175】
H NMR(400MHz,CDOD):δ =7.44−7.27(8H,m),7.08−7.04(2H,m),6.96−6.93(1H,m),6.67(1H,d),4.98(2H,s),4.72−4.67(1H,m),4.60(2H,s),3.82(3H,s),2.99−2.89(2H,m),2.77−2.72(1H,m),2.65−2.59(2H,m),1.11(3H,d),0.74(9H,s),−0.07(3H,s),−0.24(3H,s)。
【0176】
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M+H]603,[M+Na]625。
元素分析:実測値C69.26;H7.72;N4.61;C3546Si.0.2HO、理論値C69.32;H7.71;N4.62。
【0177】
(調製例9):5−[(2R)−2−アミノプロピル]−1H−インドール−2−カルボン酸メチル
【化61】

【0178】
調製例10(9.34g、25.0mmol)のエタノール(125ml)溶液をギ酸アンモニウム(7.90g、125mmol)及び炭素担持水酸化パラジウム(2.81g、20%b/wパラジウム)で処理した。生じた懸濁液を窒素ガスでパージした後、1時間還流加熱した。反応混合物を室温にまで冷却し、ARBOCELで濾過して、残留触媒を除いた。濾過液をin vacuoで減量し、残留物を0.88アンモニア(100ml)とジクロロメタン(100ml)とで分配した。有機層を分離して、水溶液層を更にジクロロメタン(100ml)で抽出した。合わせた抽出有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、溶媒をin vacuoで除去して、表題化合物を無色の油状物質(6.25g、H NMRからは若干の溶媒の残留が認められた)として得た。
【0179】
H NMR(400MHz,CDOD):δ =7.44(1H,bs),7.36(1H,d),7.13(1H,d),7.11(1H,s),3.90(3H,s),3.17−3.07(1H,m),2.77−2.61(2H,m),1.10(3H,d)。
【0180】
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M+H] 233,[M+Na]255。
旋光度 [α]25 = −22.58°6.76mg/ml MeOH 589nm。
【0181】
(調製例10):5−((2R)−2−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}プロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸メチル塩酸塩
【化62】

【0182】
調製例11(20.48g、46.9mmol)の溶液をメタノール中の4M塩化水素で処理し、生じた溶液を室温で16時間撹拌し、その後50℃で更に2時間加熱した。溶媒をin vacuoで除去して固体を得、この固体をメタノール(125ml)及びジイソプロピルエーテル(50ml)の混合物で結晶化し、表題化合物を無色の固体結晶(9.34g,H NMRからはd.e.>98%)として得た。
【0183】
H NMR(400MHz,CDOD):δ =7.53−7.49(5H,m),7.40−7.38(2H,m),7.10(1H,bs),6.97(1H,bd),4.61(1H,q),3.91(3H,s),3.42−3.37(1H,m),3.26−3.19(1H,m),2.72−2.66(1H,m),1.69(3H,d),1.19(3H,d)。
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M+H]337。
【0184】
(調製例11):5−((2R)−2−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}プロピル)−1H−インドール−1,2−ジカルボン酸1−tertブチル2−メチル
【化63】

【0185】
調製例12(18.0g、54.32mmol)、(R)−α−メチルベンジルアミン(6.4ml、49.65mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(15.80g、74.55mmol)及び酢酸(3.0ml、52.38mmol)のジクロロメタン溶液(500ml)を室温で16時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム(200ml)を加えて、反応をクエンチングし、発泡が終了するまで、撹拌を続けた。有機層を分離して、水溶液層を更にジクロロメタン(100ml)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(硫酸マグネシウム)、溶媒をin vacuoで除去した。残留物をシリカ・ゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーで、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(容量比で99:1:0.1から98:2:0.2に変化)を溶出液として精製し、 ジアステレオマー((R,R)体中心)の4:1混合物を薄黄色油状物質(20.48g)として得た。
【0186】
H NMR(400MHz,CDOD):δ =7.97−7.92(1H,m),7.41−7.02(8H,m),4.04−3.99(1H,m),3.96−3.94(3H,m),3.15−3.10(1H,m),2.80−2.70(1H,m),2.53−2.48(1H,m),1.66(9H,s),1.39−1.31(3H,2d),1.10−0.95(3H,2d)。
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M+H]437。
【0187】
(調製例12):5−(2−オキソプロピル)−1H−インドール−1,2−ジカルボン酸1−tertブチル2−メチル
【化64】

【0188】
調製例13(12.5g、最大で32.04mmol)溶液、トリブチルスズメトキシド(11.0ml、38.2mmol)、酢酸イソプレニル(5.3ml、48.1mmol)、酢酸パラジウム(0.36g、5mol%)、トリ−o−トリルホスフィン(0.97g、10mol%)のトルエン(40ml)溶液を脱気後、100℃で8時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(50ml)、4Mフッ化カリウム(水溶液、100ml)で希釈し、室温で一晩撹拌した。生じた反応混合物をarbocelで濾過し、沈殿物を酢酸エチル(100ml)でよく洗い、濾過液の有機層を分離し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、溶媒をin vacuoで除去した。残留物をペンタン:酢酸エチル(容量比で95:5から90:10に変化)の溶出液により、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(8.2g)を黄色油状物質として得た。
【0189】
H NMR(400MHz,CDCl):δ =8.05(1H,d),7.44(1H,s),7.25(1H,d),7.05(1H,s),3.92(3H,s),3.78(2H,s),2.16(3H,s),1.61(9H,s)。
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M−H]330,[M+Na]354。
【0190】
(調製例13):5−ブロモ−1H−インドール−1,2−ジカルボン酸1−tertブチル2−メチル
【化65】

【0191】
調製例14(8.14g、32.04mmol)のテトラヒドロフラン(300ml)溶液を、水素化ナトリウム(鉱物油中の40%懸濁物として1.35g、33.7mmol)に窒素下0℃で加えた。生じた混合物を、発泡が終了するまで(50分間)撹拌した。更にテトラヒドロフラン(30ml)に溶解したジ−tert−ブチルカルボナートを反応液に加えて、生じる混合物を激しく撹拌し、一晩かけて次第に室温にまでもどした。溶媒をin vacuoで除去し、残留物を酢酸エチル(200ml)及び水(200ml)とで分配した。有機層を分離して、水溶液層を更に酢酸エチル(2回,200ml)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(硫酸マグネシウム)、溶媒をin vacuoで除去して、表題化合物を薄黄色の油状物質(12.5g、若干の溶媒が残留)として得た。
【0192】
H NMR(400MHz,CDCl):δ =7.98(1H,d),7.74(1H,s),7.50(1H,dd),7.00(1H,s),3.92(3H,s),1.61(9H,s)。
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M+H]352/354,[M+Na]376/378。
【0193】
(調製例14):5−ブロモ−1H−インドール−2−カルボン酸メチル
【化66】

【0194】
5−ブロモ−1H−インドール−2−カルボン酸(市販品、10.0g、41.6mmol)のメタノール溶液(200ml)を0℃に冷却し、HCl(g)で飽和した。生じた溶液を一晩かけて室温にまで次第にもどした。溶媒をin vacuoで除去し、残留物を0.88アンモニア(500ml)で処理した。生じた溶液をジクロロメタン(3回,150ml)で抽出し、合わせた有機層を乾燥し(硫酸マグネシウム)、溶媒をin vacuoで除去して、目的化合物を無色の油状物質(8.35g)として得た。
【0195】
H NMR(400MHz,CDCl3):δ =8.96(1H,bs),7.83(1H,s),7.40(1H,d),7.30(1H,d),7.14(1H,s),3.95(3H,s)。
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M−H]252/254。
【0196】
(調製例15):[2−(ベンジルオキシ)−5−((1R)−2−ブロモ−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)フェニル]メタノール
【化67】

【0197】
ボランメチルスルフィド錯体(およそ10M溶液を42.4ml、424mmol)を調製例16(91.0g)のテトラヒドロフラン溶液(1600ml)に滴下した。この後、生じた混合物を2時間還流加熱してから0℃に冷却し、メタノール(270ml)を加えて、反応をクエンチングした。混合物を室温で16時間撹拌した後、溶媒をin vacuoで除去した。残留物をジクロロメタン(500ml)及び水(500ml)とで分配した。水溶液層を分離し、更にジクロロメタン(500ml)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(500ml)で洗い、乾燥し(硫酸マグネシウム)、溶媒をin vacuoで除去した。残留物をシクロヘキサン:酢酸エチル(容量比で100:0から80:20に変化)の溶出液により、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(68.7g)を無色の油状物質として得た。
【0198】
H NMR(400MHz,CDCl):δ =7.42−7.36(5H,m),7.29−7.25(3H,m),6.94(1H,d),5.12(2H,s),4.84−4.81(1H,m),4.74(2H,s),3.48−3.40(2H,m),0.90(9H,s),0.11(3H,s),−0.07(3H,s)。
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M+Na]473/475。
【0199】
(調製例16):2−(ベンジルオキシ)−5−((1R)−2−ブロモ−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)安息香酸メチル
【化68】

【0200】
2−(ベンジルオキシ)−5−[(1R)−2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル]安息香酸メチル(71.05g,195mmol)、イミダゾール(18.52g,272mmol)、塩化tert−ブチルジメチルシリル(32.23g,214mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.44g,3.6mmol)のDMF溶液(270ml)を窒素雰囲気下室温で24時間撹拌した。溶媒をin vacuoで除去し、残留物を酢酸エチル(500ml)及び水(500ml)に分配した。有機層を分離し、2N塩酸(2回,500ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×500ml)、飽和塩化ナトリウム(500ml)で洗い、乾燥し(硫酸マグネシウム)、溶媒をin vacuoで除去して、表題化合物を無色の油状物質(91.0g)として得た。
【0201】
H NMR(400MHz,CDCl):δ =7.81(1H,bs),7.51−7.30(6H,m),7.01(1H,d),5.19(2H,s),4.85−4.82(1H,m),3.91(3H,s),3.48−3.39(2H,m),0.90(9H,s),0.11(3H,s),−0.08(3H,s)。
LRMS(エレクトロスプレー):m/z [M+Na]501/503。
【0202】
(調製例17):1−メチル−5−((2R)−2−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}プロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸エチル塩酸塩
【化69】

【0203】
調製例11の方法を用いて、表題化合物を4:1のジアステレオマー混合物((R,R)体中心)として製造した。粗製物を、MeOH中に過剰に加えたHClで処理した後に、DIPE/MeOHにより結晶化し、R,R異性体(H NMRからは、d.e.>98%)を得た。
【0204】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.56−7.48(5H,m),7.43−7.40(2H,m),7.19(1H,s),7.04(1H,d),4.62(1H,q),4.35(2H,q),4.03(3H,s),3.45−3.40(1H,m),3.28−3.21(1H,m),2.74−2.69(1H,m),1.70(3H,d),1.39(3H,t),1.19(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]635,[M+Na]387。
【0205】
(調製例18):1−メチル−5−[(2R)−2−アミノプロピル]−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化70】

【0206】
調製例17のアミンと調製例9に記載の方法を用いて製造した。
【0207】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.46−7.40(2H,m),7.22−7.19(2H,m),4.35(2H,q),4.04(3H,s),3.18−3.10(1H,m),2.77−2.65(2H,m),1.39(3H,t),1.10(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]261,[M+Na]283。
【0208】
(調製例19):1−メチル−5−{(2R)−2−[((2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]プロピル}−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化71】

【0209】
調製例18のアミン、調製例15の臭化物と調製例8に記載の方法を用いて製造した。
【0210】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.43−7.26(8H,m),7.18(1H,bs),7.10(1H,d),6.98(1H,d),6.72(1H,d),4.99(2H,s),4.71−4.68(1H,m),4.58(2H,s),4.29(2H,q),4.01(3H,s),2.98−2.90(2H,m),2.78−2.73(1H,m),2.65−2.58(2H,m),1.36(3H,t),1.11(3H,d),0.73(9H,s),−0.07(3H,s),−0.24(3H,s)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]631,[M+Na]653。
【0211】
(調製例20):1−メチル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化72】

【0212】
調製例19のエステルと調製例7に記載の方法を用いて製造した。
【0213】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.35−7.31(2H,m),7.18(1H,s),7.11−7.06(2H,m),6.92(1H,d),6.58(1H,d),4.66−4.63(1H,m),4.53(2H,s),4.37(2H,q),4.05(3H,s),2.96−2.87(2H,m),2.76−2.56(3H,m),1.40(3H,t),1.10(3H,d),0.72(9H,s),−0.08(3H,s),−0.26(3H,s)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]541,[M+Na]563。
【0214】
(調製例21):1−メチル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−1H−インドール−2−カルボン酸
【化73】

【0215】
調製例20のエステルと調製例6に記載の方法を用いて製造した。
【0216】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.44−7.39(2H,m),7.25(1H,s),7.16−7.00(3H,m),6.72(1H,d),4.99−4.96(1H,m),4.64−4.56(2H,m),4.02(3H,s),3.60−3.54(1H,m),3.13−2.89(4H,m),1.27−1.26(3H,m),0.72(9H,s),−0.04(3H,s),−0.24(3H,s)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]513,[M+Na]535。
【0217】
(調製例22):1−エチル−5−((2R)−2−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}プロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸エチル塩酸塩
【化74】

【0218】
調製例11に記載の方法を用いて、表題化合物を4:1のジアステレオマー混合物((R,R)体中心)として製造した。粗製物を、MeOH中に過剰に加えたHClで処理した後に、DIPE/MeOHにより結晶化し、R,R異性体(H NMRからは、d.e.>98%)を得た。
【0219】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.57−7.45(7H,m),7.24(1H,s),7.07(1H,d),4.68−4.63(3H,m),4.40(2H,q),3.52−3.44(1H,m),3.29−3.25(1H,m),2.78−2.72(1H,m),1.74(3H,d),1.44(3H,t),1.37(3H,t),1.24(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]379,[M+Na]401。
【0220】
(調製例23):1−エチル−5−[(2R)−2−アミノプロピル]−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化75】

【0221】
調製例22のアミンと調製例9に記載の方法を用いて製造した。
【0222】
H NMR(400MHz,CDOD):δ=7.46−7.41(2H,m),7.20−7.18(2H,m),4.61(2H,q),4.35(2H,q),3.17−3.09(1H,m),2.77−2.64(2H,m),1.39(3H,t),1.34(3H,t),1.10(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]275,[M+Na]297。
【0223】
(調製例24):1−エチル−5−{(2R)−2−[((2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]プロピル}−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化76】

【0224】
調製例23のアミン、調製例15の臭化物と調製例8に記載の方法を用いて製造した。
【0225】
H NMR(400MHz,CDOD):δ=7.43−7.29(8H,m),7.19(1H,s),7.11(1H,d),6.99(1H,d),6.74(1H,d),5.00(2H,s),4.73−4.70(1H,m),4.61−4.56(4H,m),4.30(2H,q),3.00−2.88(2H,m),2.78−2.61(3H,m),1.37−1.31(6H,m),1.11(3H,d),0.73(9H,s),−0.08(3H,s),−0.24(3H,s)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]645,[M+Na]667。
【0226】
(調製例25):1−エチル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化77】

【0227】
調製例24のアミンと調製例7に記載の方法を用いて製造した。
【0228】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.38−7.35(2H,m),7.19−7.09(3H,m),6.96(1H,d),6.64(1H,d),4.68−4.58(5H,m),4.37(2H,q),2.98−2.60(5H,m),1.41(3H,t),1.36(3H,t),1.10(3H,d),0.72(9H,s),−0.09(3H,s),−0.25(3H,s)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]555,[M+Na]577。
【0229】
(調製例26):1−エチル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−1H−インドール−2−カルボン酸
【化78】

【0230】
調製例25のアミンと調製例6に記載の方法を用いて製造した。
【0231】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.41−7.35(2H,m),7.21(1H,bs),7.07−6.95(3H,m),6.67(1H,d),4.94−4.91(1H,m),4.60−4.55(4H,m),3.54−3.49(1H,m),3.09−2.84(4H,m),1.27−1.21(6H,m),0.67(9H,s),−0.09(3H,s),−0.29(3H,s)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]527,[M+Na]549。
【0232】
(調製例27):1−ベンジル−5−((2R)−2−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}プロピル)−1H−インドール−2−カルボン酸エチル塩酸塩
【化79】

【0233】
調製例11に記載の方法を用いて、表題化合物を4:1のジアステレオマー混合物((R,R)体中心)として製造した。粗製物を、MeOH中に過剰に加えたHClで処理した後に、DIPE/MeOHにより結晶化し、R,R異性体(H NMRからは、d.e.>98%)を得た。
【0234】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.51−7.45(6H,m),7.37(1H,d),7.30(1H,s),7.22−7.16(3H,m),7.01−6.97(3H,m),5.84(2H,s),4.59(1H,q),4.31(2H,q),3.42−3.38(1H,m),3.28−3.19(1H,m),2.75−2.70(1H,m),1.69(3H,d),1.33(3H,t),1.20(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]441。
【0235】
(調製例28):1−ベンジル−5−[(2R)−2−アミノプロピル]−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化80】

【0236】
調製例27のアミンと調製例9に記載の方法を用いて製造した。
【0237】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.55(1H,s),7.41(1H,d),7.36(1H,s),7.28−7.20(4H,m),7.05(2H,d),5.89(2H,s),4.35(2H,q),3.20−3.14(1H,m),2.82−2.69(2H,m),1.38(3H,t),1.15(3H,d)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]337。
【0238】
(調製例29):1−ベンジル−5−{(2R)−2−[((2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]プロピル}−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化81】

【0239】
調製例26のアミン、調製例15の臭化物と調製例8に記載の方法を用いて製造した。
【0240】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.47−7.34(10H,m),7.27−7.19(3H,m),7.13−7.00(3H,m),6.75(1H,d),5.86(2H,s),5.02(2H,s),4.78−4.75(1H,m),4.71−4.69(2H,m),4.33−4.24(2H,m),3.05−2.91(2H,m),2.83−2.78(1H,m),2.71−2.66(2H,m),1.33(3H,t),1.16(3H,d),0.79(9H,s),−0.03(3H,s),−0.19(3H,s)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]707。
【0241】
(調製例30):1−ベンジル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−1H−インドール−2−カルボン酸エチル
【化82】

【0242】
調製例29のエステルと調製例7に記載の方法を用いて製造した。
【0243】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.41(1H,bs),7.29−6.95(10H,m),6.65(1H,d),5.82(2H,s),4.69−4.66(1H,m),4.62−4.55(2H,m),4.31(2H,q),2.98−2.85(2H,m),2.71−2.60(3H,m),1.34(3H,t),1.08(3H,d),0.72(9H,s),−0.10(3H,s),−0.25(3H,s)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]617。
【0244】
(調製例31):1−ベンジル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−1H−インドール−2−カルボン酸
【化83】

【0245】
調製例30のエステルと調製例6に記載の方法を用いて製造した。
【0246】
H NMR(400MHz,CDOD):δ=7.56(1H,bs),7.43−703(10H,m),6.80(1H,m),5.95(2H,s),5.07−5.04(1H,m),4.73−4.64(2H,m),3.68−3.61(1H,m),3.23−2.95(4H,m),1.33(3H,d),0.81(9H,s),0.04(3H,s),−0.15(3H,s)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]589。
【0247】
(調製例32):酢酸1−メチレン−プロピルエステル
【化84】

【0248】
ブタ−1−イン(13.5g、0.25mol)を酢酸第二水銀(1.2g、4.6mmol)及び三フッ化ホウ素ジエーテラート(1.68g、11.8mmol)の無水酢酸溶液(40ml)に−10℃で加えた。3時間撹拌の後、溶液を−20℃で一晩放置した。反応混合物を、冷却した(0℃)6.6M水酸化ナトリウム水溶液(150ml)に加えた。次にジエチルエーテル(150ml)を加え、混合物を1時間撹拌した。エーテル層を分離し、ブラインで洗い、乾燥した(NaSO)。生成物は、蒸留精製(120℃)して、透明な油状物質(4.5g)を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ 4.75(2H,2xs),2.20(2H,q),2.18(3H,s),1.05(3H,t)。
【0249】
(調製例33):5−(2−オキソブチル)−1H−インドール−1,2−ジカルボン酸1−tertブチル2−メチル
【化85】

【0250】
調製例13の臭化物、調製例32のエステルと調製例12に記載の方法を用いて製造した。
【0251】
H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.03(1H,d),7.44(1H,s),7.25(1H,d、溶媒により部分的に不明瞭),7.05(1H,s),3.92(3H,s),3.77(2H,s),2.48(2H,q),1.62(9H,s),1.03(3H,t)。
LRMS(ESI):m/z [M+Na]368。
【0252】
(調製例34):5−((2R)−2−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}ブチル)−1H−インドール−2−カルボン酸メチル
【化86】

【0253】
調製例33のケトンと調製例11に記載の方法を用いて製造した。
【0254】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.90(1H,m),7.29−7.23(4h,m),7.20−6.82(4H,m),3.92(3H,2xs),3.90(1H,m),2.89−2.53(3H,m),1.62(9H,s),1.27(3h,2xd),0.95−0.81(3H,2xt)。
LRMS(APCI):m/z [M+H]451。
【0255】
(調製例35):5−((2R)−2−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}ブチル)−1H−インドール−2−カルボン酸メチル塩酸塩
【化87】

【0256】
調製例34のアミンと調製例10に記載の方法を用いて製造した。
【0257】
H NMR(400MHz,CDOD):δ=7.50−7.41(7H,m),7.12(1H,s),7.03(1H,d),4.43(1H,q),3.91(3H,s),3.31−3.24(2H,m),3.15−3.08(1H,m),2.98−2.92(1H,m),1.67(3H,d),1.66−1.51(1H,m),0.9(3H,t)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]351。
【0258】
(調製例36):5−[(2R)−2−アミノブチル]−1H−インドール−2−カルボン酸メチル
【化88】

【0259】
調製例35のアミンと調製例9に記載の方法を用いて製造した。
【0260】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.39(1H,bs),7.49(1H,s),7.34(1H,d),7.13−7.15(2H,m),3.93(3H,s),2.99−2.88(2H,m),2.55−2.50(1H,m),1.51−1.20(4H,m),0.99(3H,t)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]247。
【0261】
(調製例37):5−{(2R)−2−[((2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]ブチル}−1H−インドール−2−カルボン酸メチル
【化89】

【0262】
調製例15の臭化物、調製例36のアミンと調製例8に記載の方法を用いて製造した。
【0263】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.83(1H,bs),7.60−7.50(6H,m),7.44(1H,s),7.41−7.26(4H,m),6.98(1H,d),5.25(2H,s),4.95−4.85(3H,m),4.08(3H,s),3.03−2.80(5H,m),1.95−1.55(4H,m),1.10(3H,t),1.01(9H,s),0.18(3H,s),0.00(3H,s)。
LRMS(ESI):m/z [M+H]617。
【0264】
(調製例38):5−{(2R)−2−[((2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]ブチル}−1H−インドール−2−カルボン酸
【化90】

【0265】
THF(40ml)及び水(6ml)中で調製例37(790mg、1.28mmol)及びLiOH(1M水溶液、2.56ml)を室温で一晩撹拌した。溶媒をin vacuoで除去して、黄色の泡状物質(870mg)を得た。
LRMS(APCI):m/z [M+H]603。
【0266】
(調製例39):5−[(2R)−2−({(2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−エチル}アミノ)ブチル]−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化91】

【0267】
調製例38(154mg、256μmol)、(1R)−1−フェニルエチルアミン(38mg、310μmol)、WSCDI(59mg、210μmol)、HOBt(38mg、280μmol)及びDIPEA(129mg、1.0mmol)の混合物をDMF中で室温にて一晩撹拌した。溶媒をin vacuoで除去し、物質をEtOAcに取り、水、ブラインで洗った。生成物は、クロマトグラフィー(CHCl中2−4%MeOH+0.3%NH)により精製し、無色の泡状物質(153mg)を得た。
【0268】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 7.27−7.41(12H,m),7.20(1H,m),7.14(1H,s),6.92−7.00(2H,d),6.65(1H,d),5.24(1H,q),5.01(2H,s),4.60−4.70(3H,m),2.56−2.89(5H,m),1.62−1.52(4H,m),1.43(1H,m),0.97(3H,t),0.74(9H,s),−0.08(3H,s),−0.26(3H,s)。
LRMS(ESI):m/z [M]706。
【0269】
(調製例40):シクロブチルメチルアミン
【化92】

【0270】
ボラン(THF中に1M、68ml、67.8mmol)を冷却した(0℃)シクロブチルニトリル(5.0g、61.6mmol)のTHF溶液(7ml)に窒素下で滴下した。混合物を室温に戻し、17時間還流加熱した。次に、混合物を0℃に冷却し、MeOH(81ml)を加えて、反応をクエンチングした。混合物を室温にもどし、溶媒を除去した。物質をMeOH(50ml)に再溶解し、濃HCl(50ml)で酸性とし、2時間還流加熱した。溶媒を除去し、残留物をEtO中で摩砕し、白色粉体(4.51g)を濾過した。
【0271】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 2.95(2H,d),2.76(1H,m),2.15(2H,m),2.05−1.75(4H,m)。
元素分析:実測値:C 47.17;H 9.84;N 11.05;C11.HCl 0.3 2HOの理論値:C 47.28;H 10.00;N 11.03。
【0272】
(調製例41):5−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]−N−(3−メチル−ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド
【化93】

【0273】
調製例6(200mg、400μmol)のDMF溶液(3ml)をO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラウロニウムヘキサフルオロホスフェート(94mg、400μmol)、DIPEA(0.14ml、800μmol)で処理し、室温で30分間撹拌した。DMF(1ml)中の調製例42(49mg、400mmol)を加えて、溶液を50℃で18時間撹拌した。溶媒をin vacuoで除去し、粗製物を酢酸エチル(30ml)に溶解し、水(20ml)で洗い、乾燥した(NaSO)。生成物は、クロマトグラフィー(CHCl中0−6%MeOH+0.3%NH)により精製すると、緑色の油状物質が得られ、該物質をジエチルエーテルに懸濁し、溶媒を除去して、白緑色の固体(54mg)を得た。
【0274】
H NMR(400MHz,CDOD):δ 9.18(1H,s),8.42(1H,d),8.10(1H,m),7.50(1H,d),7.15(2H,m),6.80−7.00(3H,m),6.80(1H,s),6.60(1H,d),4.70−4.90(5H,m),2.50−3.10(5H,m),2.30(3H,s),1.20(3H,d),0.80(9H,s),−0.10(3H,s),−0.30(3H,s)。
HRMS:C3447Si:理論値603.3368、実測値 603.3365[M+H]
【0275】
(調製例42):(3−メチル−ピリジン−2−イル)メチルアミン
【化94】

【0276】
3−メチルピリジン−2−カルボニトリル(2.0g、16.95mmol)のTHF(50ml)溶液を0℃で水素化リチウムアルミニウム(16.95ml、1MのTHF溶液)に加え、混合物を一晩かけて、室温にもどした。反応液を0℃に冷却し、酢酸エチル(2.5ml)を加えて、反応をクエンチングした。水酸化ナトリウム水溶液(2.5ml、1M)を加えて、混合物を室温で1時間撹拌した後、セライト(登録商標)により濾過した。濾過液を酢酸エチル(2×20ml)で抽出し、合わせた有機層をブライン(50ml)で洗い、乾燥した(MgSO)。粗製物を、クロマトグラフィー(CHCl中0−5%MeOH+1%NH)により精製し、黄色の油状物質(282mg)を得た。
【0277】
H NMR(400MHz,CDCl):δ 8.39(1H,d),7.45(1H,d),7.12(1H,dd),3.50−4.50(2H,bs),4.07(2H,s),2.29(3H,s)。
LRMS(ESI):m/z [MH]123,145[M+Na]
【0278】
式(1)のインドール誘導体によるin vitro活性
【0279】
式(1)のインドール誘導体がβ2アゴニストとして作用することによって平滑筋弛緩を調節する能力は、モルモット気管片の電気フィールド刺激による収縮に対するアドレナリンβ2受容体刺激作用を測定することにより決定することができる。
【0280】
(モルモット気管)
Dunkin−Hartley系オスのモルモット(475−525g)をCOによって窒息させるとともに大腿動脈からの放血により屠殺し、気管を摘出する。喉頭直下から切開し、長さ2.5cmの気管を取り出し、各動物から4つの標本を得る。気管筋の反対側にある軟骨を切開して気管を開いた後に、3つから4つの軟骨輪の幅で横断面を切開する。得られたストリップ標本は、上下の軟骨靱帯を木綿糸で結んで、5ml器官槽に吊した。該ストリップは、37℃で保温し、95%O/5%COで入気体を行った3μMインドメタシン(Sigma I7378)、10μMグアネチジン(Sigma G8520)及び10μMアテノロール(Sigma A7655)を含む改良クレブス−リンゲル緩衝液(Sigma K0507)に20分間浸けて平衡化し、張力を緩和した後、1gの初期張力をかける。標本は、さらに30−45分間かけて平衡化させ、この間に15分間隔で2度張力調整(1g)を行う。張力の変化は、データ収集装置(ファイザー社における特別仕様)に連結した標準的なアイソメトリック・トランスデューサを経由して、記録及びモニタリングを行う。張力平衡が得られた後、該組織に以下のパラメータによる電気フィールド刺激(EFS)をかける。すなわち、2分毎に、パルス幅0.1ms、10Hzと最大電圧(just−maximal voltage)(25ボルト)によるトレーンを10秒、連続的に、実験の間中かける。気管における節後コリン作動性神経のEFSによって、平滑筋の単相性収縮が生じ、収縮高(twitch height)の記録を行う。器官槽には、上述のクレブス−リンゲル緩衝液を蠕動ポンプ装置(ポンプ流量:7.5ml/分)によって実験の間中潅流させた。例外は、本発明のβ2アゴニストを加える時であり、器官槽に累積投与を行う際には、ポンプをクエンチングし、洗い出し時間中に最大の反応が得られるようになった後に稼働を再開する。
【0281】
(効力及び有効性の評価に関する実験プロトコール)
EFSによる平衡化が得られた後蠕動ポンプをクエンチングし、標本には、300nMイソプレナリン(Sigma I5627)を単回投与してプライミングし、収縮性EFS反応の阻害に関して、最大の反応を調べた。その後、イソプレナリンは40分間かけてウオッシュアウトを行った。プライミングとウオッシュアウトリカバリを行った後、器官槽に、累積的に濃度を対数表示で半分ずつ増分しながら、ボーラス(bolus)投与を行うことによって、全組織に関するイソプレナリンに対する標準曲線(イソプレナリン曲線1)を得た。使用した濃度範囲は、1e−9から1/3e−6Mである。イソプレナリン曲線に関する実験を終了した後に、標本の洗い出しを40分間行ってから、次の曲線としてイソプレナリン(内部対照として)或いは本発明によるβ2アゴニストによる実験を行った。β2アゴニストによる反応は、EFS反応に対する阻害率として表す。β2アゴニストに関するデータは、阻害効果を曲線1のイソプレナリンによって誘発される最大阻害効果に対する割合として正規化を行う。本発明によるβ2アゴニストのEC50値とは、最大効果の50%が生じるために必要とされる化合物の濃度を意味する。本発明によるβ2アゴニストのデータは、(β2アゴニストEC50)/(イソプレナリンEC50)の比率として定義されるイソプレナリンに対する相対的効力として表される。
【0282】
(β2介在調節機能活性の確認)
被験化合物によるβ2アゴニスト活性は、上述のプロトコールを用い、かつ、標本を300nMのICI 118551(選択的β2拮抗剤)でプレインキュベーション(最小で45分間)した後に、本発明によるβ2アゴニストによる曲線を作成することによって、確認される。ICI 118551は、β2調節作用の場合には、被験化合物の用量反応曲線を右側にシフトする。
【0283】
他の方法としては、式(1)のインドール誘導体のβ2受容体に対するアゴニスト効力は、β2受容体に対して50%最大作用(EC50)が生じるのに必要な本発明の化合物濃度を測定することによって、決定される。
【0284】
(化合物の調製)
化合物の10mM/100%DMSO(ジメチルスルホキシド)ストックを希釈して、4%DMSO中に必要とする最大投与量を含むようにする。この最大投与量を用いて、10ポイントからなる片対数希釈曲線を全て4%のDMSO中で作成する。イソプレナリン(Sigma I−5627)を各実験及び各プレートのコントロールウェル用の標準として用いた。データは、イソプレナリンの作用に対する割合(%)として表した。
【0285】
(細胞培養)
遺伝子組み換えによりヒトβ2アドレナリン作動性受容体を発現するチャイニーズ・ハムスタ卵巣(CHO)細胞(Kobilkaら,PNAS
84:46-50,1987及びBouvierら, Mol Pharmacol 33;133-139,1988によるCHOhβ2)を、10%ウシ胎仔血清(Sigma,F4135,Lot 90K8404,有効期限2004年9月)、2mMグルタミン(Sigma,G7513)、500μg/mlジェネティシン(geneticin)(Sigma,G7034)及び10μg/mlピューロマイシン(puromycin)(Sigma,P8833)を補ったDulbeccoのMEM/NUT MIX F12(Gibco,21331−020)中で培養した。細胞は、実験の際に90%培養飽和密度となるように播種した。
【0286】
(定量法)
ウェル当たりの投与量25μlの各化合物をcAMP−フラッシュプレート(登録商標)(NEN,SMP004B)に移し、1%DMSOを含むものを基底コントロールとし、100nMイソプレナリンを含むものを最大コントロールとした。これにウェル当たり25μlのPBSを加えて、1:2に希釈した。細胞はトリプシン処理(0.25% Sigma,T4049)を行い、PBS(Gibco,14040−174)で洗い、刺激バッファ(NEN,SMP004B)に再度懸濁して、CHOhB2細胞が1×10個/mlとなるようにした。化合物は、ウェル細胞当たり50μlで1時間インキューべートした。その後、ウェル当たり0.18μCi/mlの125I−cAMP(NEN,NEX−130)を含む100μlの細胞検出バッファ(NEN,SMP004B)を加えて細胞を溶解し、プレートを室温で更に2時間インキューべートした。フラッシュプレート(登録商標)に結合した125I−cAMP量を、トップカウントNXT(Packard)を用い、通常の計数効率にて1分間測定した。用量反応データは、イソプレナリン活性に対する割合(%)で表し、4つのパラメータによるシグモイド関数を用いて近似した。
【0287】
上記実施例1から18までに例示した本発明による式(1)のインドール誘導体は、0.03nMから0.75nMの間のβ2cAMP EC50を示すことが判明した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の化合物であって、
【化1】

a)式中、
Qは(C−C)アルキル基で置換した、1つから4つの炭素を有する飽和炭素鎖;
及びR’は、同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ(但し、共にC−Cアルキル基である場合には、R及びR’は同一である);
は、水素、(C−C)アルキル基及びベンジル基から選ばれ、該ベンジル基は水酸基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロゲン基、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、トリフルオロメチル基及びNR10から選ばれる1つ、2つ又は3つの基によって置換されてもよく、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ;
は水素及び(C−C)アルキル基からなる群から選ばれ、該アルキル基は水酸基によって置換されてもよく;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基であって、水酸基及び(C−C)アルキル基から選ばれる基によって置換されてもよい基;
・ 5から10員の芳香族ヘテロ環状基であって、1つから3つのヘテロ原子を含み、それぞれは同一又は異なっており、O、S、Nから選ばれ、該ヘテロ環状基は(C−C)アルキル基及びNRNR10から選ばれる基によって置換されてもよく、R及びR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる芳香族ヘテロ環状基、或いは、
・ 下記の基であって、
【化2】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、NR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基;或いは、
b)式中、
Qは単結合であるか、または、1つから4つの炭素を有する飽和炭素鎖であって、(C−C)アルキル基で置換されてもよい炭素鎖:であって、R及びR’が共にC−Cアルキル基である場合には、同一であり);
及びR’は、同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ;
は、ベンジル基であって、該ベンジル基は水酸基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロゲン基、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、トリフルオロメチル基及びNR10から選ばれる1つ、2つ又は3つの基によって置換されてもよく、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ;
は水素及び(C−C)アルキル基からなる群から選ばれ、該アルキル基は水酸基によって置換されてもよい;かつ、
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基であって、水酸基及び(C−C)アルキル基から選ばれる基によって置換されてもよい基;
・ 5から10員の芳香族ヘテロ環状基であって、1つから3つのヘテロ原子を含み、それぞれは同一又は異なっており、O、S、Nから選ばれ、該ヘテロ環状基は(C−C)アルキル基及びNR10から選ばれる基によって置換されてもよく、R及びR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる芳香族ヘテロ環状基、或いは、
・ 下記の基であって、
【化3】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、NR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基;或いは、
c)式中、
Qは単結合であるか、または、1つから4つの炭素を有する飽和炭素鎖であって、(C−C)アルキル基で置換されてもよい炭素鎖;
及びR’は、同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ(但し共にC−Cアルキル基である場合には、R及びR’は同一である);
は、水素、(C−C)アルキル基及びベンジル基から選ばれ、該ベンジル基は水酸基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロゲン基、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、トリフルオロメチル基及びNR10から選ばれる1つ、2つ又は3つの基によって置換されてもよく、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ;
は水素及び(C−C)アルキル基からなる群から選ばれ、該アルキル基は水酸基によって置換されてもよく;かつ、
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基であって、水酸基及び(C−C)アルキル基から選ばれる基によって置換されてもよい基;
・ 5から10員の芳香族ヘテロ環状基であって、1つから3つのヘテロ原子を含み、それぞれは同一又は異なっており、O、S、Nから選ばれ、該ヘテロ環状基は(C−C)アルキル基及びNRNR10から選ばれる基によって置換されてもよく、R及びR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる芳香族ヘテロ環状基、或いは、
・ 下記の基であって、
【化4】

式中、R、R、R、R及びRのうち1つは、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10及びNR10から選ばれ、その他は水素、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、NR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基である、
化合物或いは、適当な場合には、その薬学的に許容できる塩及び/又はその異性体、互変異性体、溶媒和物または同位元素によるバリエーション。
【請求項2】
がメチル基及びエチル基から選ばれる、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
’が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
がメチル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が水素、メチル基、エチル基及びベンジル基から選ばれる、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
が水素及びメチル基から選ばれる、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Qが−CH−、CH−CH及び−CH(CH)−から選ばれる、請求項1から6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
Aが、C−Cシクロアルキル基、O、S、Nから選ばれる1つ又は2つのヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、並びに、下記の基、
【化5】

(式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、SONR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれる基であり、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基である。)
から選ばれる基である、請求項1から7に記載のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物であって、
a)式中、
Qは(C−C)アルキル基で置換した、1つから4つの炭素を有する飽和炭素鎖;
は(C−C)アルキル基であり、R’は水素であり;
は水素、(C−C)アルキル基及びベンジル基から選ばれ;
は水素及び(C−C)アルキル基からなる群から選ばれ;
Aは以下から選ばれる:
−Cシクロアルキル基、
O、S、Nから選ばれる1つから3つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、及び、
下記の基であって、
【化6】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、NR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基;或いは、
b)式中、
Qは単結合であるか、または、1つから4つの炭素を有する飽和炭素鎖であって、(C−C)アルキル基で置換されてもよい炭素鎖;
は水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ、R’は水素であり;
はベンジル基であり;
は水素及び(C−C)アルキル基からなる群から選ばれ;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、
・ O、S、Nから選ばれる1つから3つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、及び、
・ 下記の基であって、
【化7】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、NR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基;或いは、
c)式中、
Qは単結合であるか、または、1つから4つの炭素を有する飽和炭素鎖であって、(C−C)アルキル基で置換されてもよい炭素鎖;
は水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ、R’は水素であり;
は水素、(C−C)アルキル基及びベンジル基から選ばれ;
は水素及び(C−C)アルキル基からなる群から選ばれ;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、
・ O、S、Nから選ばれる1つから3つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、或いは、
・ 下記の基であって、
【化8】

式中、R、R、R、R及びRのうち1つは、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10及びNR10から選ばれ、その他は水素、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、NR10、ベンジルオキシ基、水酸基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、チオ(C−C)アルキル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれる基である、
化合物或いは、適当な場合には、その薬学的に許容できる塩及び/又はその異性体、互変異性体、溶媒和物や同位元素によるバリエーション。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物であって、
a)式中、
Qは−CH(CH)−であり;
はメチル基或いはエチル基から選ばれ、R’は水素であり;
は水素、メチル基、エチル基及びベンジル基から選ばれ;
は水素及びメチル基から選ばれ;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、或いはシクロヘキシル基;
・ S、Nから選ばれる1つ又は2つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、好ましくは、ピリジル基或いはチアゾリル基;及び、
・ 下記の基であって、
【化9】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、SONR10、ベンジルオキシ基、水酸基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、チオメチル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれる基であり、RとR10は同一又は異なっており、水素及びメチル基から選ばれる基、或いは、
b)式中、
Qは−CH−、CH−CH及び−CH(CH)−から選ばれ;
はメチル基或いはエチル基から選ばれ、R’は水素であり;
はベンジル基であり;
は水素及びメチル基から選ばれ;
Aは以下から選ばれる:
−Cシクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、或いはシクロヘキシル基;
S、Nから選ばれる1つ又は2つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、好ましくは、ピリジル基或いはチアゾリル基;及び、
下記の基であって、
【化10】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、SONR10、ベンジルオキシ基、水酸基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、チオメチル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及びメチル基から選ばれる基、或いは、
c)式中、
Qは−CH−、CH−CH−及び−CH(CH)−から選ばれ;
はメチル基或いはエチル基から選ばれ、R’は水素であり;
は水素、メチル基、エチル基及びベンジル基から選ばれ;
は水素及びメチル基から選ばれ;
Aは以下から選ばれる:
−Cシクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、或いはシクロヘキシル基;
S、Nから選ばれる1つ又は2つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、好ましくは、ピリジル基或いはチアゾリル基;及び、
下記の基であって、
【化11】

式中、R、R、R、R及びRの内の1つは、O−CF及びSONR10から選ばれ、残りは水素、O−CF、SONR10、ベンジルオキシ基、水酸基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、チオメチル基、ハロゲン基及びトリフルオロメチル基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及びメチル基から選ばれる基である、化合物。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物であって、
a)式中、
Qは−CH(CH)−であり;
はメチル基或いはエチル基から選ばれ、R’は水素であり;
は水素、メチル基、エチル基及びベンジル基から選ばれ;
は水素であり;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、或いはシクロヘキシル基;
・ S、Nから選ばれる1つ又は2つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、好ましくは、ピリジル基或いはチアゾリル基;及び、
・ 下記の基であって、
【化12】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、SONR10、及びメトキシ基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及びメチル基から選ばれる基、或いは、
b)式中、
Qは−CH−及び−CH(CH)−から選ばれ;
はメチル基或いはエチル基から選ばれ、R’は水素であり;
はベンジル基であり;
は水素であり;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、或いはシクロヘキシル基;
・ S、Nから選ばれる1つ又は2つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、好ましくは、ピリジル基或いはチアゾリル基;及び、
・ 下記の基であって、
【化13】

式中、R、R、R、R及びRは、水素、O−CF、SONR10、及びメトキシ基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及びメチル基から選ばれる基、或いは、
c)式中、
Qは−CH−及び−CH(CH)−から選ばれ;
はメチル基或いはエチル基から選ばれ、R’は水素であり;
は水素、メチル基、エチル基及びベンジル基から選ばれ;
は水素であり;
Aは以下から選ばれる:
・ C−Cシクロアルキル基、好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、或いはシクロヘキシル基;
・ S、Nから選ばれる1つ又は2つの同一又は異なるヘテロ原子を含む5又は6員の芳香族ヘテロ環基、好ましくは、ピリジル基或いはチアゾリル基;及び、
・ 下記の基であって、
【化14】

式中、R、R、R、R及びRの内1つは、O−CF及びSONR10から選ばれ、残りは水素、O−CF、SONR10及びメトキシ基からなる群からそれぞれ独立して選ばれ、RとR10は同一又は異なっており、水素及びメチル基から選ばれる基である、化合物。
【請求項12】
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(2−トリフルオロメトキシベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1S)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(3−トリフルオロメトキシフェニルエチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(ピリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(シクロプロピルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(チアゾール−2−イルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(シクロブチルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(シクロペンチルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(シクロヘキシルメチル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(4−メチルスルファモイルベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(4−スルファモイルベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
1−ベンジル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(2−メトキシベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
1−ベンジル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド;
1−エチル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1R)−2−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキサミド;
1−ベンジル−5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)プロピル}−N−(2,6−ジメトキシベンジル)−1H−インドール−2−カルボキサミド;
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)ブチル}−N−[(1R)−1−フェニルエチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド;及び、
5−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルフェニル)エチル}アミノ)ブチル}−N−[3−メチル−ピリジン−2−イルメチル]−1H−インドール−2−カルボキサミド
からなる群から選ばれる化合物或いは、その薬学的に許容できる塩及び/又は異性体、互変異性体、溶媒和物または同位元素によるバリエーション。
【請求項13】
請求項1に記載の式(1)の化合物或いは、その薬学的に許容できる塩またはその誘導形態を製造する方法であって、式(2)
【化15】

の酸と式(3)
【化16】

(式中R、Q及びAは請求項1で定義したとおり)のアミンとのカップリングを行う段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
通例の薬学的に無毒性の賦形剤及び/又は添加剤と共に、請求項1に記載の式(1)の化合物或いは、その薬学的に許容できる塩またはその誘導形態を含む医薬組成物。
【請求項15】
医薬品として使用する、請求項1に記載の式(1)の化合物若しくは、その薬学的に許容できる塩、その誘導形態又は組成物。
【請求項16】
β2受容体が関与する疾患、障害や症状の治療に使用する、請求項1に記載の式(1)の化合物若しくは、その薬学的に許容できる塩、その誘導形態又は組成物。
【請求項17】
以下からなる群から選ばれる疾患、障害および症状の治療に使用する、請求項1に記載の式(1)の化合物若しくは、その薬学的に許容できる塩、誘導形態又は組成物:
あらゆる種類、病因或いは病原の喘息、特にアトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性喘息、IgEが関与するアトピー性気管支喘息、気管支喘息、本態性喘息、真性喘息(true asthma)、病態生理学的障害により生じる内因性喘息、環境要因により生じる外因性喘息、未知或いは不明な原因による本態性喘息、非アトピー性喘息、気管支炎性喘息、気腫性喘息(emphysematous asthma)、運動誘発性喘息、アレルゲン誘発性喘息、冷気誘発性喘息、職業性喘息、感染性喘息(バクテリア感染、真菌感染、原虫感染或いはウイルス感染によるもの)、非アレルギー性喘息、発症初期喘息、小児喘鳴症候群及び細気管支炎(bronchiolytis)からなる群から選ばれる喘息、
慢性或いは急性気管支収縮、慢性気管支炎、末梢気道閉塞及び気腫、
あらゆる種類、病因或いは病原の閉塞性又は炎症性気道疾患、特に、慢性好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を含むCOPD、COPDと関連する或いは関連しない肺気腫或いは呼吸困難、不可逆性進行性気道閉塞によって特徴づけられるCOPD、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、他の薬物療法に続発する気道過敏症の増悪及び肺高血圧症に伴う気道疾患からなる群から選ばれる閉塞性又は炎症性気道疾患、
あらゆる種類、病因或いは病原のじん肺症、特に、アルミニウム肺症或いはボーキサイト線維症、炭症或いは炭鉱夫肺症、石綿肺症或いは配管工病(steam−fitters’ asthma)、石肺症或いは石粉症、ダチョウの羽からの粉じんを吸入して発症する肺炎(ptilosis)、鉄粒子吸入により発症する鉄じん肺症、ケイ肺症或いは研磨工病(grinders’ disease)、綿糸肺或いは綿粉じん症(cotton−dust asthma)及び滑石肺からなる群から選ばれるじん肺症、
あらゆる種類、病因或いは病原の気管支炎、特に、急性気管支炎、急性喉頭気管性気管支炎、アラキドン酸が関与する気管支炎(arachidic bronchitis)、カタル性気管支炎、クループ性気管支炎、乾性気管支炎、感染型喘息性気管支炎、増殖性気管支炎、ブドウ球菌性気管支炎又は連鎖球菌性気管支炎、及び小水疱性気管支炎からなる群から選ばれる気管支炎、
あらゆる種類、病因或いは病原の気管支拡張症、特に、円柱状気管支拡張症、嚢胞状気管支拡張症、紡錘状気管支拡張症、毛細血管性気管支拡張症(capillary bronchiectasis)、嚢状気管支拡張症、乾性気管支拡張症及び肺胞性気管支拡張症(follicular bronchiectasis)からなる群から選ばれる気管支拡張症、
あらゆる種類、病因或いは病原の中枢神経系障害、特に、うつ病、アルツハイマー病、パーキンソン病、学習障害や記憶障害、遅発性ジスキネジア、薬物依存症、動脈硬化性痴呆、及びハンチントン舞踏病、ウイルソン病、振戦麻痺や視床の萎縮を伴う痴呆からなる群から選ばれる中枢神経系障害、
早産、並びに、
その他、うっ血性心不全、うつ病、炎症性及びアレルギー性皮膚疾患、乾癬、増殖性皮膚疾患、緑内障並びに胃液酸度を下げることによる利点のある症状、特に、胃潰瘍や消化性潰瘍のような疾患や症状。
【請求項18】
β2アゴニスト活性を有する薬物の製造における、請求項1に記載の式(1)の化合物若しくは、その薬学的に起用できる塩、誘導形態又は組成物の使用。
【請求項19】
請求項17に記載の群から選ばれる疾患、障害や症状の治療に用いる薬物の製造における、請求項1に記載の式(1)の化合物若しくは、その薬学的に起用できる塩、誘導形態又は組成物の使用。
【請求項20】
β2アゴニストによるほ乳類(ヒトを含む)の治療法であって、該ほ乳類を請求項1に記載の式(1)の化合物の有効量により、若しくは、その薬学的に許容できる塩、その誘導形態や組成物によって治療することを特徴とする治療法。
【請求項21】
疾患、障害や症状が請求項17に記載の群から選ばれる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
式(2)の中間体であって、
【化17】

式中、R及びR’は、同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ、Rは、ベンジル基であって、水酸基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロゲン基、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、トリフルオロメチル基及びNR10から選ばれる1つ、2つ又は3つの基によって置換されてもよく、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれることを特徴とする、中間体。
【請求項23】
式(4)の中間体であって、
【化18】

式中、R及びR’は、同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれ、Rは、ベンジル基であって、水酸基、ヒドロキシ(C−C)アルキル基、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロゲン基、O−CF、NRSO(C−C)アルキル基、SONR10、トリフルオロメチル基及びNR10から選ばれる1つ、2つ又は3つの基によって置換されてもよく、RとR10は同一又は異なっており、水素及び(C−C)アルキル基から選ばれることを特徴とする、中間体。
【請求項24】
がベンジル基である、請求項21又は22に記載の中間体。

【公表番号】特表2006−520376(P2006−520376A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506291(P2006−506291)
【出願日】平成16年3月1日(2004.3.1)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000591
【国際公開番号】WO2004/080964
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】