説明

疾患を治療するための植物浸出物の組成物および使用

本発明は概して、藻類を含む淡水混合物に由来する植物浸出物の調製方法に関する。この植物浸出物は、タンパク質分解活性を有する酵素を含有すると考えられる。さらに本発明は、種々の病状における植物浸出物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、淡水性藻類およびその他の微生物の複合混合物から単離される植物浸出物(phyto−percolate)の製剤を使用する、ヒトの疾患、障害、および健康状態を治療する方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
酵素は、人体の生化学的サイクルにおいて非常に重要な用途を有する。急性疾患および慢性疾患の大部分では炎症過程が生じ、その結果、周辺組織の破壊が生じる。この組織残屑は、有毒であり、さらに、フリーラジカル酸化を介した解毒、排泄、および防御の過程を妨害する。タンパク質分解酵素が、体内の解毒過程に関与している。ヒトの加齢及び慢性疾患過程の進行に伴って、体内の老廃物解毒過程を担うタンパク質分解酵素の欠乏が生じ得る。この酵素欠乏は、慢性的な過剰炎症状態の発生を助長し、疾患過程がより複雑になる。
【0003】
酵素は、あらゆる代謝過程を制御かつ誘導する触媒である。体内に十分な酵素が存在しないと、混乱が起き、免疫系および他の代謝過程の効率が低下し、そのため組織修復が遅くなり、複製が不十分になる。タンパク質分解酵素、すなわちプロテアーゼは、ペプチド結合を切断することによってタンパク質を分解することができる酵素である。これらは、地球上のあらゆる生物によって、防御、栄養物の分解および同化、ならびに老廃物の除去のために産生され使用されている。多くの変性疾患は、タンパク質分解酵素の欠乏によって生じ、その結果、体内からの発癌性老廃物の除去が不十分になる。
【0004】
癌、心臓血管疾患、ならびにその他の免疫不全障害または調節不全障害などの疾患から人々を保護する免疫系は、病状の進行または加齢のために、その効力が失われていく場合があると考えられている。症状または加齢によって生じる免疫不全のため、これらの種々の障害の治療のために投与され得る治療薬の使用によって得られる利点が減少する場合がある。欠陥がある免疫系では、代謝機能不全または不十分な治療薬の同化により病状が進行するため、治療薬の有効性が低下し得る。
【0005】
加齢に伴い、人体に対して有毒作用を有すると考えられる環境の影響がますます蓄積されていく。加齢に伴い観察される影響の1つとして、組織修復過程の精度の低下があるが、これは環境要因によって生じたDNA変異の発現であり得る。これらの変化のために、微生物の形の外来抗原、ならびに食物、水、および空気を介した放射線および化合物などの環境有害物質の人体への侵入が徐々に増加する。これらの環境有害物質は、主として、腸管、上気道、および肺の粘膜を介して入り込む。
【0006】
DNAの二本鎖で構成されるヒト遺伝子は、組織修復を指揮する。加齢、および周囲の破壊的要素への接触が起こると、このようなDNAの発現は、複製エラーおよび突然変異のため精度がだんだん低くなることがあり、そのため、若い個体と比較して、非常に異なる機能性修復最終産物が得られると考えられている。
【0007】
免疫防御および免疫調節が損なわれると、ヒトの細胞に侵入する有毒環境成分の量が増加すると考えられている。これらの有毒成分によって、フリーラジカル活性による酸化の破壊パターンが生じるため、重要な代謝過程の機能が不十分となる。生化学的に細胞が破壊されるため、死滅しかつ断片化した細胞成分が形成され、さらに毒性が発現される。免疫系の重要な役割を担う白血球は、このプロセスを遅らせるために組織の破壊部位に集まる。その部位で起こる化学反応によって炎症が発生し、そのため破壊パターンがさらに増加する。外来抗原の侵入およびそれに伴う白血球の作用に続く、この組織破壊パターンによって、自己免疫の機能亢進性炎症状態が進行し、毒性組織破壊および残屑の量が増加し得る。組織修復の非効率性が増大し、かつ周囲環境が常に影響するため、ヒトの代謝過程の効率は年齢とともにだんだん低くなる。
【0008】
血管、特に動脈の内層は、この破壊パターンの影響を受け得る。多くの環境汚染物質は腸管および肺を介してヒトの体内に入り込むので、これらは血管床を介して体全体に広がり、まず血管の内層と接触する。このように動脈の内層に毒性フリーラジカルが接触し続けると、破壊的酸化過程が生じる。このため、細胞破壊と硬化プラーク(sclerotic plaques)の形態の瘢痕組織形成とを含む持続性炎症状態が維持される。これらのプラークは、線維組織、コレステロール、カルシウム沈着物、および壊死組織(破壊された細胞成分)で構成されている。病的フィブリンによる血液の濃化および動脈の制限(arterial restriction)の増加によって、血流が減少し、生命維持に必要な(vital)臓器への酸素および栄養の分布が変化する。このような細胞飢餓が徐々に増加すると、脳、心臓、腎臓、筋肉、関節、およびその他の生命維持に必要な系の機能に影響が生じる。
【0009】
DNA変異の加速および複製エラー、酸化、炎症、白血球活性の調節異常の増加、ならびに組織破壊は、病原性微生物などの環境的影響力との接触が徐々に増加した結果生じると考えられている。この接触量は、生活様式および個々の健康管理に応じる。或る疾患は、身体の細胞レベルにおける過度のフリーラジカル酸化破壊に起因するか、または、フリーラジカル酸化破壊が大きく増加する。したがって、身体自体の代謝過程および治癒過程が過剰な有毒老廃物を処理できない場合には、持続性の炎症および疾患のサイクルが生じ、これによって身体の正常な免疫活性および組織修復が妨害される。組織の破壊は、身体の凝固機構、すなわち血液凝固の機構も活性化させ、それによって、血管内の血栓または血餅、及び血液を濃化させるフィブリンが増加し、脳卒中、心発作、肺動脈塞栓、腎障害、および静脈炎を引き起こすことがある。
【0010】
酸化的フリーラジカルの活性は、破壊の初期原因を制御しようとする関連白血球の作用によって激しくなる。この白血球活性の影響に続いて生じる病原性物質によって、局所的な周辺組織、血管床の内側を覆う内皮細胞、および腸管の内側を覆う上皮細胞に進行性の破壊パターンが生じる。上述の組織における破壊的活性だけではなく、凝固因子の酸化的破壊または病的活性化も起こる。これは、可溶性フィブリンを生成する病的活性化フィブリノゲンを含み、この可溶性フィブリンは、正常な血液凝固機構の重要成分である不溶性フィブリンとは異なり、架橋することができず、病的である、または身体に有害である。この可溶性フィブリンは、全身の毛細血管循環に悪影響を与えるだけでなく、腎臓の濾過、肺の肺胞内の酸素交換、および脳組織の酸化(oxygenation)にも悪影響を与える。これは、血液を濃化させるだけでなく、それ自体が酸化的フリーラジカルであるため、変性酸化過程の原因となる。
【0011】
可溶性フィブリンの産生によって発現される症候の多くは、過剰の老廃物およびフィブリンによって生じる免疫機能が低下した環境において繁殖することが可能なグラム陰性菌、マイコプラズマ、およびカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)によって生じ、細胞の破壊、および持続的なフリーラジカル活性の副生成物と関連する。線維素溶解活性、またはフィブリンの分解方法と、他の治療的介入による外来病原性物質の根絶とによって、免疫系および白血球活性の有効性を増加することができ、治癒過程が大きく加速されるであろう。
【0012】
大部分の発癌過程では、フリーラジカル酸化剤として機能する過酸化水素が発生する。過酸化水素に加えて、これらの異常かつ破壊的な過程に対する応答として、癌増殖および化学療法の影響により過剰の可溶性フィブリン産物が生成される。フィブリンは、組織の損傷に対する身体の自然な反応の一部として生成され、これは表在性創傷の部位においても通常発生する。しかし、癌増殖部位では、フィブリンが癌細胞を覆うため、悲惨なことに、身体の免疫系による破壊から癌細胞が隔離されている。慢性疾患に伴う酸化的損傷、化学療法による損傷作用、および異常な癌増殖によって刺激されるこれらの凝固機構のすべてが、さらなる損傷を引き起こす。癌などの慢性疾患は、播種性血管内凝固を生じ、可溶性フィブリンの蓄積だけでなく、微小な血管内血栓、または血管床の周囲を浮遊し、循環を妨害する塞栓として機能する血餅も蓄積する。線維素溶解剤を他の治療内容(regime)とともに使用することで、免疫調節および白血球活性の有効性が向上し、毛細血管循環および身体の器官への栄養素の流れが改善され、毒素の除去が促進され、他の治療薬の恩恵も増強されるであろう。さらに、線維素溶解剤は、分解的酸化を加速するフリーラジカル可溶性フィブリンの量を減少させ、さらに、癌増殖と闘うための身体の免疫有効性を増大させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
疾患過程のインビボでの実験室モニタリングによって、より低い酸化的フリーラジカル活性、細胞栄養の改善、免疫活性および白血球機能の増強、並びに酸化の改善により細胞の機能および効率が改善されるという観察結果が支持されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様においては、哺乳動物(例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウマなど)の障害を治療または予防する方法であって、その哺乳動物に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む方法を提供する。
【0015】
有用な実施形態において、本発明の植物浸出物誘導体は、分子量が約67.5kDaのタンパク質、分子量が約21.0kDaのタンパク質、または多糖である。別の一実施形態においては、本発明の植物浸出物誘導体は、線維素溶解酵素活性を有する。本発明の植物浸出物誘導体は、植物浸出物から単離することもできるし、当技術分野において周知の任意の適切な方法によって生成することもできる。植物浸出物誘導体の好適な生成方法としては、例えば、微生物による誘導体(例えば、タンパク質)の組み換え技術による発現、および合成による誘導体の生成(すなわち、化学(細胞を使用しない)合成)が挙げられる。この組み換え微生物は、ATCC受託番号PTA−5863の種の中の1種類以上であってよいし、他の任意の適切な種であってもよい。
【0016】
特定の実施形態においては、特定の投与量は、1日当たり約1〜約8オンスの植物浸出物である。特には、1日当たり約1〜約4オンスの投与量である。ヒトに投与される植物浸出物は、約10ppm〜約150ppmの植物浸出物誘導体を含有することが好ましい。別の有用な一実施形態においては、治療有効量の1種類以上の誘導体がヒトに投与される。哺乳動物には、1日当たり約1mg〜1000mgの誘導体が投与されるが投与されることが好ましい。本発明の植物浸出物の好適な投与方法としては経口投与が挙げられる。植物浸出物誘導体(例えば、単離された誘導体)の好適な投与方法としては、例えば、経口投与、局所投与、直腸投与、または経膣投与、ならびに静脈注射、筋肉注射、および皮下注射が挙げられる。
【0017】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、体重超過状態または肥満の治療方法に関する。
【0018】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、I型およびII型糖尿病の治療方法に関する。
【0019】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、炎症性疾患の治療方法に関する。本発明の植物浸出物および誘導体は、広範な抗炎症特性を有し、そのため広範な疾患および障害における炎症の軽減または予防に使用できると考えられる。
【0020】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、胃障害の治療方法に関する。植物浸出物および/またはその誘導体を使用した治療の対象となる胃障害としては、例えば、胃潰瘍および胃逆流疾患が挙げられる。
【0021】
本発明の別の一態様においては、本発明の植物浸出物または誘導体を、別の一次治療の副作用の緩和に使用することができる。例えば、本発明の植物浸出物は、抗AIDS療法および抗癌療法(例えば、化学療法および放射線療法)によって生じうる、酸化的ストレス、化学療法により引き起こされる悪心、化学療法により引き起こされる肝障害、食欲抑制、脱毛、指の爪および足指の爪の損失、ならびに脱色を軽減するために投与し得る。
【0022】
本発明の別の一態様においては、本発明の植物浸出物または誘導体を、哺乳動物(例えば、ヒトおよびウマ)のストレス期間(例えば、運動)の後の回復時間を短縮するために使用することができる。関連する一態様においては、本発明の植物浸出物または誘導体は、ストレス期間の後に体力および知力を回復させるために投与される。
【0023】
本発明の別の一態様においては、本発明の植物浸出物または誘導体は、角膜の損傷、ドライアイ、および類似の眼疾患を治療するために、目に(例えば、点眼薬の形態で)直接局所投与することもできる。
【0024】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、感染症(例えば、ウイルス感染)に伴う疾患または障害の治療方法に関する。感染症は、前述および後述の多くの疾患、例えば、肺炎、あらゆるウイルス、アカリンダニ病(acariosis)、ニキビ(acne)、アデノウイルス、AIDS、アメーバ症、炭疽病、アスリーツ・フード(athlete’s food)、バベシア症、バルトネラ症、ベル麻痺、ボツリヌス中毒、カンジダ症、カルブンケル、シャーガス病(Chaga’s disease)、水痘、クラミジア、コクシジウム症、コロナウイルス、クリプトコッカス症、サイトメガロウイルス、デング熱、エコーウイルス、丹毒、フルンケル、壊疽、ギラン・バレー症候群、肝炎、膿か疹(impetigo)、インフルエンザ、白血球減少症、ライム病、マラリア、martolditis、麻疹、おたふく風邪、マイコバクテリウム、真菌症、寄生生物、シラミ寄生症、P.I.D.(骨盤内炎症性疾患)、膿皮症、狂犬病、風疹、サルモネラ菌、卵管炎、敗血症、帯状疱疹、副鼻腔炎、梅毒、破傷風、Tindi Cruzi、およびイボなどの原因となりうる。
【0025】
本発明の別の一態様は、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、心臓、血管、腎臓、肝臓、および内分泌系に関する疾患の治療方法に関する。
【0026】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、血管痙攣(vasospasm)の治療方法に関する。
【0027】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、心不全の治療方法に関する。
【0028】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、心肥大の治療方法に関する。
【0029】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、調節異常の(dysregulated)血圧の治療方法に関する。
【0030】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、狭心症(angina)の治療方法に関する。
【0031】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、末梢血管障害の治療方法に関する。
【0032】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、脳疾患、および血管に起因する中枢神経系に関連する疾患の治療方法に関する。
【0033】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、神経変性の治療方法に関する。
【0034】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体の化合物を投与することを含む、アルツハイマー病の治療方法に関する。
【0035】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、うつ病の治療方法に関する。
【0036】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、薬物解毒ならびに/またはニコチン、コカイン、およびアルコールの中毒などの薬物中毒などの依存症の治療方法に関する。
【0037】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体の化合物を投与することを含む、注意欠陥障害および注意欠陥過活動性障害の治療方法に関する。
【0038】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、睡眠障害の治療方法に関する。
【0039】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、季節性情動障害の治療方法に関する。
【0040】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、環境アレルギーおよび食物アレルギーの治療方法に関する。
【0041】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、痛みまたは痛覚に関連する疾患の治療方法に関する。
【0042】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体の化合物を投与することを含む、片頭痛の治療方法に関する。
【0043】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、時差ぼけなどの日周期の乱れに関連する障害の治療方法に関する。
【0044】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、胃腸の運動、分泌、および/または機能の異常に関連する疾患の治療方法に関する。
【0045】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、下痢および/または失禁の治療方法に関する
【0046】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、胃潰瘍の治療方法に関する。
【0047】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、過敏性腸症候群の治療方法に関する。
【0048】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、炎症性腸疾患の治療方法に関する。
【0049】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、悪心の治療方法に関する。
【0050】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、性機能障害の治療方法に関する。
【0051】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む、妊孕性(fertility)を改変する方法に関する。
【0052】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物を投与することを含む、免疫系に関連する疾患または障害の治療方法に関する。免疫系不全は、前述および後述の多くの疾患、例えば、癌、気腫(emphysema)、脳炎、環境感受性、丹毒、食中毒、およびレイノー病(Reynaud’s disease)などの原因となりうる。
【0053】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物を投与することを含む、ホルモンの不均衡に関連する疾患または障害の治療方法に関する。ホルモンの不均衡は、前述および後述の多くの疾患、例えば、ニキビ、アジソン病、子宮内膜症、グレーブス病(Grave’s disease)、骨粗鬆症、月経および閉経の調節、グルコースならびにその他の代謝調節などの原因となりうる。これに関して、本発明の植物浸出物および誘導体は、全体的な健康、ならびに腎臓、肝臓、および膵臓などの代謝臓器の全体的な機能を改善するために使用され得る。本発明の植物浸出物および誘導体は、これらの臓器の効率を改善し、これらの代謝および内分泌の機能を向上させると考えられる。
【0054】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物を投与することを含む、神経学的欠損症(neurological deficiencies)に伴う疾患または障害の治療方法に関する。神経学的欠損症は、前述および後述の多くの疾患、例えば、ルー・ゲーリック病、慢性疼痛、ハンチンドン舞踏病(Huntingdon’s Chorea)、糖尿病性ニューロパシー、多発性硬化症、重症筋無力症、パーキンソン病、ポリオ(poliomyelitis)、老年痴呆、黒質線条体変性、脳卒中、遅発性ジスキネジアおよび耳鳴などの原因となりうる。
【0055】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物を投与することを含む、呼吸器疾患の治療方法に関する。
【0056】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物を投与することを含む、喘息の治療方法に関する。
【0057】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物を投与することを含む、ホルモンの放出および利用の異常に関連する疾患の治療方法に関する。
【0058】
本発明の別の一態様は、哺乳動物(例えば、ヒト)に、治療有効量の植物浸出物の化合物を投与することを含む、インスリンの放出および利用の異常に関連する疾患の治療方法に関する。
【0059】
本発明の別の一態様は、皮膚の損傷および障害の治療方法に関する。
【0060】
本発明の植物浸出物の「直接的な」効果に加えて、植物浸出物を使用することにより体重減少、ならびに代謝および免疫系の調整等の利点を患者が得られるような疾患/状態、例えば、耐糖能異常を伴うインスリン抵抗性、II型糖尿病、高血圧、高脂血症、心臓血管疾患、胆石、ある種の癌、睡眠時無呼吸などの疾患/状態が存在する。
【0061】
さらに別の例示的な一実施形態において、本発明の植物浸出物の製造方法を開示する。本発明の植物浸出物は、線維素溶解性の酵素、タンパク質、およびその他の分子の産生に関連する栄養混合物によって増強された(augmented)淡水藻類と細菌との混合物を培養し、強化された(fortified)藻類培養物を形成することとによって調製される。この藻類と細菌との強化培養物に、逆浸透、蒸留および/または脱イオンによって精製された淡水を加える。この培養物を、上記精製淡水および栄養混合物とともに所定の時間浸出することで、線維溶解性であり、かつタンパク質である植物浸出物が形成される。この植物浸出物を、藻類と細菌との強化培養物からデカンテーションし、さらに処理を行う。植物浸出物の好適な処理方法としては、濾過、遠心分離、凍結乾燥、精製、希釈、およびその他の方法が挙げられる。或る一実施形態においては、デカンテーションした植物浸出物の濾過は、精密濾過によって行われ、この精密濾過では、約0.22μmよりも大きい粒子が除去される。
【0062】
別の一態様においては、本発明は、植物浸出物から単離された実質的に純粋な化合物を提供する。好ましい一実施形態においては、この化合物は、ATCC受託番号PTA−5863または本明細書に記載される他の適切な種の微生物を培養することによって産生される浸出物から単離される。別の一実施形態においては、この化合物は、約67.5kDaの分子量を有するタンパク質である。
【0063】
関連する一態様においては、本発明は、植物浸出物から単離された実質的に純粋な化合物と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬製剤を提供する。
【0064】
「炎症性疾患」なる用語には、過剰活性(hyperactive)免疫系、慢性炎症、および自己免疫疾患に関連する疾患などの種々の疾患が含まれる。炎症性疾患としては、例えば、尋常性ざ瘡;急性熱性好中球性皮膚症;急性呼吸促迫症候群;アジソン病;副腎皮質不全;副腎性器症候群(adrenogenital ayndrome);アレルギー性結膜炎;アレルギー性鼻炎;アレルギー性眼内炎症性疾患、ANCAが関連する小血管脈管炎;血管性浮腫;強直性脊椎炎;アフタ性口内炎;関節炎、喘息;アテローム性動脈硬化症;アトピー性皮膚炎;自己免疫疾患;自己免疫性溶血性貧血;自己免疫性肝炎;ベーチェット病;ベル麻痺;ベリリウム症;形質細胞亀頭炎;亀頭包皮炎;気管支喘息;水疱性ヘルペス状皮膚炎;水疱性類天疱瘡;心臓炎;セリアック病;脳虚血;慢性閉塞性肺疾患;硬変;コーガン症候群;接触皮膚炎;COPD;クローン病;クッシング症候群;皮膚筋炎;真性糖尿病;円板状エリテマトーデス;湿疹(例えば、乾皮性湿疹、異汗性湿疹、水疱性掌蹠湿疹);好酸球性筋膜炎;上顆炎;遠心性環状紅斑;色素異常性固定性紅斑;多形性紅斑;結節性紅斑;剥脱性皮膚炎;線維筋痛症;巣状糸球体硬化症;巨細胞性動脈炎;痛風;痛風性関節炎;対宿主性移植片病;環状肉芽種;手湿疹;ヘノッホ−シェーンライン紫斑病;妊娠性ヘルペス;多毛症;薬物過敏反応;突発性角膜強膜炎;突発性肺線維症;特発性血小板減少性紫斑病;炎症性前立腺;炎症性腸疾患または消化器疾患、炎症性皮膚疾患;若年性関節リウマチ;喉頭水腫;光沢苔癬;扁平苔癬;硬化性萎縮性苔癬;限局性神経皮膚炎;棘状苔癬;レフラー症候群;ループス腎炎;尋常性狼瘡;リンパ腫性気管気管支炎;黄斑浮腫;多発性硬化症;筋骨格および結合組織障害;重症筋無力症;筋炎;貨幣状皮膚炎;閉塞性肺疾患;眼炎症;臓器移植拒絶反応;変形性関節症;膵炎;妊娠性類天疱瘡;尋常性天疱瘡;結節性多発動脈炎;リウマチ性多発性筋痛;一次性副腎皮質不全;原発性胆汁性肝硬変;陰嚢そう痒症;そう痒症/炎症、乾癬;乾癬性関節炎;ライター病;再発性多発性軟骨炎;壊疽性膿皮症;リウマチ性心炎;リウマチ熱;関節リウマチ;サルコイドーシスにより引き起こされる酒さ;強皮症により引き起こされる酒さ;スイート症候群により引き起こされる酒さ;全身性エリテマトーデスにより引き起こされる酒さ;じんま疹により引き起こされる酒さ;帯状疱疹関連の痛みにより引き起こされる酒さ;サルコイドーシス;強皮症;分節性糸球体硬化症;敗血症性ショック症候群;血清病;肩腱炎または滑液包炎;シェーグレン症候群;スティル病;脳卒中により引き起こされる脳細胞死;スイート病;全身性皮膚筋炎;全身性エリテマトーデス;全身性硬化;高安動脈炎;側頭動脈炎;甲状腺炎;中毒性表皮壊死症;結核;1型糖尿病;潰瘍性大腸炎;ブドウ膜炎;脈管炎;ならびにヴェーゲナー肉芽腫症が挙げられる。
【0065】
植物浸出物のタンパク質またはその他の誘導体に言及する場合、「実質的に純粋な」なる用語は、植物浸出物のその他の成分から分離されている物質の状態を意味する。典型的には、実質的に純粋な誘導体はその少なくとも80重量%については、植物浸出物のタンパク質および他の有機分子が存在しない。好ましくは、実質的に純粋な誘導体の少なくとも90重量%、95重量%、または99重量%には、これらの有機分子が存在しない。実質的に純粋なタンパク質誘導体は、例えば、植物浸出物以外の供給源から抽出することによって得ることができる。タンパク質誘導体は、例えば、別の微生物中、または無細胞翻訳系において、組み換えによって発現されてもよい。
【0066】
本発明の以上およびその他の特徴および利点は、添付の図面と関連する説明的な実施形態の以下の詳細な説明によって、より十分に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
本発明は、ヒトおよび他の動物に投与した場合に、治療およびその他の有益な性質が得られる植物浸出物を提供する。なんらかの理論によって束縛しようとするものではないが、本発明の植物浸出物中の治療効果のある物質の少なくとも1つは酵素であると考えられる。本発明の植物浸出物の調製方法も提供する。本発明の詳細な実施形態を本明細書において開示するが、開示される実施形態は本発明の例にすぎず、種々の形態で実施可能であることを理解されたい。したがって、本明細書において開示される具体的な機能の詳細は限定的に解釈されるべきではなく、特許請求の範囲の基礎にすぎず、さらに、実質的にあらゆる適切な具体的な実施形態においてさまざまに本発明を使用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈すべきである。
【0068】
植物浸出物の生成
本発明によると、植物浸出物は、淡水藻類、コケ、細菌、放線菌類、および真菌類を含む培養物から得られる。この培養物は、以下の少なくとも1種類以上の属を含むと考えられる。
【0069】
【表1】

【0070】
Aquaspirillum属、Bacillus属、Pseudomonas属、Ralstonia属、Stenotrophomonas属、Stichococcus属、およびUlothrix属が特に注目される。なんらかの理論によって束縛しようとするものではないが、これらの属は、各培養において最も豊富であり、植物浸出物誘導体の主要産生者となり得ると考えられる。本発明の植物浸出物が得られる培養物は、バージニア州マナッサス(Manassas,VA)のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)に受託番号:PTA−5863で寄託されている。
【0071】
特定の実施形態においては、ワムシの従属栄養性の種、さらに、Stenotrophomonas maltophilia、Ralstonia pickettii、Ralstonia paucula、Acinetobacter genospecies 11、Acinetobacter junii、Leifsonia aquatica、Riemerella anatipestifer、Variovorax paradoxus、およびStreptomyces griseorubensとして同定されている細菌が培養物中に存在する。なんらかの特定の理論によって束縛しようとするものではないが、これらの細菌が、植物浸出物の有効性に寄与するタンパク質分解酵素を産生し得ると考えられる。
【0072】
植物浸出物の生成方法を図1に示す。約2.5ガロン(約10リットル)の逆浸透精製した滅菌水中に約100〜約200mlの濃縮藻類細胞を含む植物浸出物培養物に、約37℃〜約43℃の50mlの温水に1.0gの乾燥活性酵母を加えることで調製した生きた活性酵母またはパン酵母(Saccharomyces cerevisiae)の液体抽出物を1週間当たり約1ミリリットル(ml)加える。この混合物を10〜30分間、またはわずかに泡立つまでインキュベートする。この培養物は、毎週1.0mlの投与量、または0.5mlを週2回の投与量で給餌される。他の酵母培養物を使用できることも本発明の範囲内であると考えられる。グルコースまたはプロテオースなどの当技術分野において周知の他の有機栄養物または基質を使用できること、または、無機栄養物、栄養剤、および/またはビタミンから調製した他の藻類増殖培地を使用できることもさらに考えられる。
【0073】
一実施形態においては、培養物を、約25℃においてフルスペクトルの育成用照明下で増殖させ、約6.2〜約7の間で変動する未調整の最終pHが得られる。この培養物を、半透明プラスチック製蓋(蓋は、ガス交換のための直径約3mmの孔を有する)を有する約2.5ガロン容積の透明ガラス製金魚鉢型容器中で増殖させる。植物浸出物誘導体が発現されるように細胞を増殖させることができる、当技術分野において周知の他の培養容器、成分、条件、および方法を使用できることも、本発明の範囲内であると考えられる。このような方法としては、より大きなバッチ、半連続または連続の培養システム、あるいはバイリアクター(bireactor)またはフォトリアクターなどのその他の種類の培養システムを含むことができ、通気または撹拌を含む場合も含まない場合もあり、固体、液体、半固体、またはその他の形態の増殖培地または基質を含む場合も含まない場合もあり、温度、接触時間または面積、あるいは光の強度の上記の特定の条件を含む場合も含まない場合もある。
【0074】
この特定の実施形態において、添加後、毎週または2週間ごと(5日〜10日後の間)に1回、各2.5ガロンの培養物から上部の1.25ガロンの植物浸出物を取り出すことによって培養物を回収する。これを「未加工植物浸出物」と呼ぶ。培養容器底部に残存する、植物浸出物培養物を形成する藻類または他の細胞と、餌の酵母(yeast food)とは、植物浸出物のデカンテーションを行う間に実質的に邪魔されることはない。デカンテーションした材料は、所望により処理される。所望により容器内の体積を元の体積に戻す。これは、約室温(約25℃)の逆浸透精製水を使用して行うことが好ましい。植物浸出物誘導体が得られる、他の培養および回収システム、タイムテーブル、容積、ならびに方法を使用できることも、本発明の範囲内であると考えられる。
【0075】
なんらかの特定の理論によって束縛しようとするものではないが、回収および給餌のパターンが酵素産生に影響を与えると考えられる。2mlを2週間に1回などの1回に多量の給餌を行うよりも、0.5mlを1週間に2回など、より少ない量でより頻繁な給餌を行なうことによって、酵素産生が刺激されると同時に、望ましくない細菌およびワムシのコロニー形成による汚染を防止できると考えられる。酵素系は非常に動的であり、そのすく周りの影響を直接受けるため、活性パン酵母の液体抽出物などの餌混合物が、他の餌または栄養混合物よりも、植物浸出物培養におけるタンパク質分解酵素の活性を増加させるという考えが支持される。
【0076】
数週間にわたる浸出物中の酵素濃度のピークを、種々の給餌計画においてマッピングし、回収に最適な日を決定する。本発明によると、藻類培養物に対する定期的な回収の悪影響を経時的に調べるために、培養物中および処理された植物浸出物中の酵素濃度を分析し、酵素産生を刺激又は抑制し得る、暗/明、飢餓、および/または温度もしくはpHの変化などの環境およびストレス要因の影響に関するデータと組み合わせる。これらのパラメーターの分析方法は、試験されるもの以外のすべての変数(Variables)をなくすための選択された培養の単離および均質化を含み、さらに、分光光度法を利用したクロロフィル、全タンパク質および酵素活性のモニタリングによる、単離変数実験の過程における培養物の健康および酵素活性の測定を含む。
【0077】
この特定の実施形態におけるタンパク質分解活性の分析方法は、プラスミンおよびストレプトキナーゼで活性化されたプラスミノーゲンの発色基質であるダイアファーマ(DiaPharma)のクロモゲニクス(Chromogenix)基質S−2251を使用した典型的な発色アッセイである。発色基質は、タンパク質分解酵素と反応し、基質が酵素によって溶解する時に比例的に色が変化するペプチドである。色の変化は、経時的に分光光度的に測定することができ、タンパク質分解活性に比例する。この合成発色アッセイ基質は、酵素の天然基質と類似の酵素結合選択性を有するように設計されている。植物浸出物中に存在する酵素は、断片化されたタンパク質およびフィブリンなどの基質に対して選択的であると考えられる。タンパク質分解活性および植物浸出物誘導体を分析するために他の方法を使用できることも、本発明の範囲内であると考えられる。
【0078】
記載のように植物浸出物を調製した場合、記載される植物浸出物のサンプルの酵素活性は、一般に(currently)プラスミン様活性で15〜50mU/mLの範囲となる。これらの値は、植物浸出物を経口で消費したときに、ヒトの病的フィブリンの減少が臨床観察されることと相関することが見いだされた。植物浸出物のインビボ効果の評価方法としては、湿式および乾式血液塗抹における末梢血観察、診断的および/または分析的血液検査、ならびに体重などの種々の臨床観察および測定が挙げられる。炎症および組織の破壊に続いて起こる、過剰の病的フィブリンおよび血小板凝集の減少が観察された。白血球の運動能および数の変化も観察された。慢性炎症活性および過凝固状態に焦点を当てた独立した血液のラボ研究で、インビボでの植物浸出物の抗炎症効果も観察された。
【0079】
別の一実施形態においては、本発明の植物浸出物は、培養物から植物浸出物を実質的に連続に取り出し、減少した体積を新しい培地および/または栄養物で置き換える連続培養方式を使用して製造することができる。さらに、本発明の植物浸出物は、前述のバッチ式培養方法よりも大規模な製造に適したバイオリアクターを使用して製造することもできる。
【0080】
植物浸出物の濾過
培養物から植物浸出物を回収した後、デカンテーションした液体を、低タンパク質結合材料でできた一連のデプスプレフィルター(depth prefilters)および滅菌メンブレンフィルターで濾過する。好適な最終滅菌フィルターの例としては、ミリポア・コーポレーション(Millipore Corp.)から得られるPVDF材料製のデュラポア(Durapore)ブランドフィルターが挙げられる。これらは、酵素濃度を維持し、約0.22ミクロンの最終滅菌濾過レベルが得られ、オゾン処理水に対して化学的に不活性であることが示されている。オゾン処理水は、塩素のような有害残留物が残留しないので、フィルターシステムの滅菌に使用される。
【0081】
すべてのフィルターは、種々の化学的不活性な材料の10インチカートリッジメンブレンフィルターまたはデプスフィルターである。プレフィルターは、スチレン−アクリロニトリル(SAN)製のカートリッジフィルターハウジング中に収容されている。最終フィルターは、カイナー(Kynar)取付具を有するポリプロピレン(PP)ハウジング内に収容されている。オゾン処理水であらかじめ滅菌されたタイゴン(Tygon)管材料、蠕動ポンプ、ならびに55ガロン容器または他の容器を使用して、材料の回収および濾過が行われる。
【0082】
SANハウジング中のひだ付き(pleated)セルロース/ポリエステル製の孔径1μm(公称直径)を有する2つのプレフィルターで構成される濾過方法で、植物浸出物を濾過する。これらのフィルターの例としては、米国イリノイ州バーノンヒルズのコール−パーマー(Cole−Parmer,Vernon Hills,Illinois)製造のカタログ番号EW−29830−20が挙げられる。当技術分野において周知の他のフィルターを、化学的に不活性なプレフィルターとしてこの工程に使用できることは、本発明の範囲内であると考えられる。
【0083】
植物浸出物を、公称孔径が約0.5μmであるポリプロピレンハウジング中のポリプロピレン製の第2段階プレフィルターを使用して再び濾過する。例示的な一実施形態においては、この最終フィルターは、マサチューセッツ州ベッドフォード(Bedford,MA)のミリポア・コーポレーション製造のデュラポア(DURAPORA;登録商標)ブランドのカタログ番号D00501S01である。当技術分野において周知である他のフィルターを、化学的に不活性である第2プレフィルターとしてこの工程に使用できることは、本発明の範囲内であると考えられる。
【0084】
次に、あらかじめ滅菌した最終フィルターに植物浸出物を通して、植物浸出物を滅菌濾過し、すべての微量の細菌、酵母、カビ、藻類、および他の粒子汚染物質を除去する。本発明によると、最終フィルターセットの1つは、孔径が0.45μmおよび0.22μm(絶対値)と段階的に小さくなるPPハウジング中の滅菌メンブレンフィルターからなる。これらの最終フィルターのメンブレンは、親水性の超低タンパク質結合性のPVDF製である。例示的な一実施形態においては、これらの最終フィルターは、ミリポア・コーポレーション製造のデュラポア(登録商標)ブランドのカタログ番号CVHI01TPEおよびCVDI01TPEである。植物浸出物誘導体、ならびにオゾン処理水などの処理および衛生化用材料に対して不活性である、当技術分野において周知である他のフィルターを使用できることは、本発明の範囲内であると考えられる。他の処理方法を使用できることも、本発明の範囲内であると考えられる。
【0085】
サイズ排除による濾過で、細菌、酵母、およびカビ胞子、ならびに藻類細胞などの汚染物質のほぼ99.9%より多く(>99.9%)が除去される。フィルター材料が低タンパク質結合性で、かつ化学的に不活性な材料でできている場合には、酵素活性も保存されると考えられる。この結果得られる液体である植物浸出物は実質的に、水、活性酵素、タンパク質、および糖から成る。次に、最終フィルターに通した後の植物浸出物を、瓶詰めするまで、21〜27℃の滅菌され封止された55ガロンのHDPE製ドラム中に保管される。濾過直後に、各バッチからサンプルを採取して、酵素の有効性および汚染の試験、ならびに標準化の試験を行う。他のサンプリング方法および試験方法を使用できることは、本発明の範囲内であると考えられる。経口投与される場合の線維素溶解酵素の有効性の許容値は、植物浸出物中で、0〜50ミリ単位のプラスミン様活性として観察されるが、より高い値であればより高い治療効果が得られる場合もある。この濾過した植物浸出物は、67.5kDaのタンパク質を約50ppm含有すると考えられる(後述)。
【0086】
オゾン滅菌を使用した当技術分野において周知の衛生条件下で、本発明の植物浸出物の処理および瓶詰めを行なう。この工程は、消散できる状態の場合、または後で滅菌水で洗浄した場合にオゾンの残留物が残らないため、塩素または加熱滅菌の使用に伴う酵素の分解が回避されると考えられる。酵素活性およびその他の活性を過度に低下させない、当技術分野において周知の他の濾過および衛生化方法を使用できることは、本発明の範囲内であると考えられる。この植物浸出物は、生成物の劣化を軽減するために、不透明なUV保護された瓶中に包装され、保冷剤(cool pack)を使用して輸送されると有用である。他の包装、瓶詰め、保管、および輸送の方法を使用できることは、本発明の範囲内であると考えられる。
【実施例】
【0087】
植物浸出物の特性決定
濾過前の未処理植物浸出物は、高分子の複合混合物であると考えられる。前述の濾過プロセスによって、植物浸出物濾液の分子の複雑性が低下したと推測した。本発明者らは、濾液の組成を調べるためにいくつかの物理化学的試験を行った。それぞれの場合で、植物浸出物濾液を凍結乾燥し、ddH2O中に再溶解させ、再度濾過することによって、あらゆる未溶解の粒子状物質を除去した。
【0088】
凍結乾燥した植物浸出物のサンプルについて、サイズ排除クロマトグラフィーカラム(TSK−ゲル・スーパーSWシリーズ(TSK−GEL Super SW Series);ペンシルバニア州モンゴメリービルのトーソー・バイオサイエンシズ製(Tosoh Biosciences,Montgomeryville,PA))を用いて、非変性条件下で、アイソクラティック逆相HPLCを行った。マイクロフローセルUV検出器を280nmで使用して、タンパク質を同定した。図2に示されるように、67.5kDaの主要タンパク質種を同定した(保持時間18.747分)。67.5kDaのピークは、280nmで測定された全シグナルの約90%であった。また、21.544分(21.0kDa)および23.957分の保持時間においてもピークが検出された。変性条件およびその他の条件下での分析から、21.0kDaの化学種はタンパク質分子であり、23.957分のピークは主として多糖であることが分かった。植物浸出物の主要成分(67.5kDaのタンパク質、21.0kDaのタンパク質、および23.957分で同定された多糖)を、本明細書において植物浸出物誘導体と呼び、これらは植物浸出物の生物学的および治療的有効性に寄与し得る。
【0089】
凍結乾燥した植物浸出物の別のサンプルについて、フーリエ変換赤外(FTIR)分光を行った。結果を図3に示す。図3は、溶解したタンパク質サンプルの特徴的なスペクトルを示している。
【0090】
凍結乾燥した植物浸出物の第3サンプルを[1H]−NMRに使用した。そのNMRスペクトルを図4に示す。この場合も、これらの結果は1種類のタンパク質種と一致している。
【0091】
植物浸出物を使用した体重管理
過剰な体重は、顕著で増大する健康問題となってきている。20歳を超える米国人の61%を超える人が体重超過であり、その25%が肥満である。潜在的に予防可能な第1位の死因の喫煙に次いで第2位である過剰な体重は、糖尿病、心疾患、高血圧、胆嚢疾患、関節炎、肺疾患、および或る種の癌を発症させる主要危険因子である。
【0092】
実施例1:体重減少の齧歯類モデル
12匹の成熟(12月齢)スプレーグ−ドーリー(Sprague−Dawley)ラットを使用して、21日間の体重減少試験を行った。各動物に、10ml/kgの未希釈かつ未濾過植物浸出物(すなわち、未処理植物浸出物)を14日間経口投与した後、7日間投与しなかった。各動物の体重を毎日測定し、毒性の兆候を観察した。表1中により詳細に示されるように、最初の14日の投与期間で、ラットは平均33グラム(6.3%)体重が減少した。植物浸出物投与を中止した後、すぐに減少した体重が元に戻り始めた。21日目の時点(非投与の7日目)で、ラットは最初の体重から平均で25グラム(4.7%)減少した(すなわち、植物浸出物中止からは平均で8グラム増加した)。
【0093】
これらの試験動物について、それぞれの投与直後、ならびに4時間後および24時間後に有害反応を観察した。有害反応の毎日の観察は、7日の非投与期間の間も続けられた。具体的には、有害反応の臨床観察は、呼吸、運動活動、痙攣、反射、眼の兆候、唾液分泌、立毛、無痛覚、筋緊張、胃腸影響、および皮膚/真皮の変化について行った。胃腸影響が、唯一観察された有害反応であった。軟便(soft to loose stool)がすべての試験動物で観察された。他の有害反応は観察されなかった。
【0094】
【表2】

【0095】
実施例2:ヒトの体重減少およびグルコース調節の試験
本発明の植物浸出物の、単一施設で行なわれ、前向きで、無作為化された、三重盲検の、プラセボ対照並列群設計のパイロット臨床試験を、2つの異なるバッチの植物浸出物を使用して行った。この試験は、FDA規則に準拠し、施設内倫理委員会(Institutional Review Board)(IRB)に承認されたプロトコールに基づいて行った。
【0096】
被験者:主要対象者基準は、肥満指数(BMI)が25〜40m/kg2である、18〜70歳(端点の値を含む)で減量を望む男性および女性とした。主要除外基準は、中程度から重度の合併疾患(例えば、癌);脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、または類似の疾患の病歴;管理不良高血圧、インスリン依存性糖尿病、腎疾患、中程度の心臓疾患、狼蒼、アルコール依存症、ならびに体重減少、グルコース管理、または関節炎のための薬物および/またはサプリメントなどの特定の薬物の現在または過去における使用とした。女性の場合、妊娠中、授乳中、または妊娠しようと積極的に行動している者は除外した。
【0097】
プロトコール:食事の少なくとも30分前の空腹時に、1オンスの濾過済み植物浸出物またはプラセボを、毎日3回(t.i.d.)自己投与するように患者に指示した。臨床試験中、炭水化物を減らした食事、および軽い運動プログラムの実施と、1週間当たり1日の食事記録および毎日の運動記録の作成とを被験者に依頼した。ベースライン調査中、2週目、4週目、および6週目における訪問時に患者の検査を行った。検査は、体重、腕周りおよび腰周りの測定、ならびに体脂肪測定を行った。
【0098】
グルコース対照試験:ベースライン調査時、ならびに4週目、および6週目における訪問時に、患者の空腹時(12時間)血中グルコースを測定し、次に、グルコースチャレンジ(glucose challenge)(25グラムのゼリービーンズ;90.4%炭水化物)から1時間後に血中グルコースを測定した。1回の訪問におけるグルコースチャレンジの読取値とベースライン読取値の間の差が、患者の血清グルコース量調節能力の指標となる。
【0099】
試験材料:治療群の患者に、前述のように調製した植物浸出物の2つの異なるロット(バッチ1およびバッチ2)の一方を割り当てた。プラセボ生成物は、希釈植物浸出物と類似の外観(色、粘度、および臭い)を有するものであった。すべての試験材料は、ラベルのない青色瓶に入れて分配し、開封後要冷蔵の指示を与えた。
【0100】
登録:この試験のために、合計44名の被験者が登録され、無作為化された。10名の被験者が、バッチ1(コホート1)の植物浸出物の試験を完了し、12名の被験者がバッチ2(コホート2)を完了した。7名の被験者がプラセボ相の試験を完了した。
【0101】
結果:顕著な有害事象の報告はなかった。この試験の治療集団中の患者は、プラセボ群よりも活動的で空腹感が少ないとの報告があった。残りの結果は以下の通りである。
【0102】
濾過し希釈した植物浸出物で2、4、および6週間治療した後、すべての治療施行患者(コホート1および2;n=22)の平均パーセント全体重減少(プラセボを上回る)は、それぞれ77.7%、48.5%、および68.1%であった。6週間の植物浸出物治療後、コホート1で平均106%(9.03ポンド)、コホート2で平均37%(6.01ポンド)であり、プラセボ群で測定された体重減少(4.39ポンド)よりも多く体重が減少した。
【0103】
【表3】

【0104】
【表4】

【0105】
【表5】

【0106】
【表6】

【0107】
【表7】

【0108】
【表8】

【0109】
【表9】

【0110】
結論:植物浸出物を使用したこの6週間にわたる試験で、体重減少、体脂肪の改善、グルコース調節の改善、ならびに活動性および空腹感の分類は、特にプラセボ群と比較した場合に増加していた。コホート1では、プラセボ群(0.78ポンド/週)の約2倍(1.5ポンド/週)体重が減少した。コホート1の10名の被験者の中の7名は、7ポンド以上体重が減少したが、プラセボ群の7名でこのように大きな体重減少は見られかなった。これに対応して、コホート1では腰周りのサイズの大きな減少が測定された。
【0111】
耐糖能試験においても顕著な改善が測定された。プラセボ群と比較した場合、被験者は、それぞれ4週目および6週目で平均2.6倍(156%)および1.7倍(69%)に改善されたグルコース調節を示した。さらに、22名の被験者の中の6名が、臨床的に重要な基準である、ベースラインに対し50%を上回る(>50%)調整を満たした。これら6名の中の3名は、ベースラインに対し85%を上回る(>85%)グルコース調節として定義される、グルコースチャレンジの完全な調整を示した。
【0112】
インビトロ抗炎症効果:COX−2阻害
シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)は、炎症カスケードの重要な調節因子の1つである。COX−2阻害剤は、プロスタグランジン産生を妨害することによって炎症を軽減すると考えられている。混合COX阻害剤(アスピリン、イブプロフェン、およびナプロキセン)、および現在利用可能なCOX−2特異的阻害剤(バルデコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ)に伴う副作用を考慮すると、副作用がより少ない改善された抗炎症治療が必要とされている。
【0113】
インビトロアッセイを使用して、COX−2阻害に関して植物浸出物の3つの異なる製剤のスクリーニングを行った。リーンドー(Riendeau)他,Can.J.Physiol.Pharmacol.75:1088−1095,1997;ワーナー(Warner)他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:7563−7568.1999。簡潔に述べると、このアッセイで、ヒトCOX−2を発現するヒト組み換え昆虫Sf21細胞による、0.3μMのアラキドン酸のPGE2への変換を測定した。インキュベーションバッファーは、100mMのTris−HCl(pH7.7)、1mMのグルタチオン、1μMのヘマチン、および500μMのフェノールを含有していた。酵素結合免疫測定法(EIA)を使用してPGE2の定量を行った。
【0114】
サンプル1は、N2下で乾燥させることによって約100倍に濃縮した希釈植物浸出物のサンプルであった。サンプル2は、N2下で4800μlの希釈植物浸出物サンプルを乾燥させ、アッセイの直前に96μlのddH2O中でもどすことによって調製した。サンプル3は、4800μlの希釈植物浸出物サンプルを凍結乾燥させ、アッセイの直前に96μlのddH2O中でもどすことによって調製した。使用した植物浸出物の濃度は、100倍、10倍、および1倍であり、それぞれ最終アッセイ体積100μl中、10μl、1μl、および0.1μlのサンプルに対応する。COX−2阻害のポジティブコントロールとしてロフェコキシブを使用した。各サンプルは、少なくとも3つの濃度でアッセイを行い、それぞれのアッセイを2回ずつ行った。
【0115】
【表10】

【0116】
インビボ抗炎症効果:カラギーナン誘発足浮腫
カラギーナン誘発足浮腫アッセイを、植物浸出物の抗炎症効果のインビボ指標として使用した。カラギーナンをラットの足の裏に注射すると、局所炎症および浮腫を誘発する(ジ・ローザ(Di Rosa)他,1971)。足浮腫の発症は二相性であると考えられている(ビネガー(Vinegar)他,1969)。最初の相は、ヒスタミンおよびセロトニンの局所放出に起因し(クランクホン(Crunkhon)他,1971)、第2の相は、COXの活性化によるプロスタグランジン放出によって生じる。この第2の相は、足体積の増加として測定され、ステロイド系および非ステロイド系抗炎症剤に応答することが示されている。
【0117】
カラギーナンの足底内投与(0.1mlの1%溶液)を行う30分前に、被験者群(n=6)に、賦形剤対照(水;5ml/kg)、インドメタシン(30mg/kg)、アスピリン(100mg/kg)、未濾過植物浸出物(10ml/kg)、または濾過済み植物浸出物(10ml/kg)のいずれかを経口投与した。治療から0、2、4、6、8、および20時間後に、プレスティスモメーター(plesthysmometer)を使用して足体積を測定して、体積変化を求めた。各治療群を対照と比較した。
【0118】
表10に示されるように、対照の動物およびすべての治療群の足体積は、2時間でほぼ2倍になり、4時間の時点までの間、その状態が維持された。6時間で、足体積は、濾過済みおよび未濾過の植物浸出物を投与した群でそれぞれ30%および50%減少した。この浮腫の減少は、この時点でインドメタシン群およびアスピリン群のいずれで観察されたものよりもはるかに大きかった。さらに、2つの植物浸出物群で測定された浮腫の減少は、8時間および20時間の時点でインドメタシン群およびアスピリン群の療法と同等であった。
【0119】
【表11】

【0120】
免疫学的効果:HIV感染の齧歯類モデル
本発明の植物浸出物を使用した治療効果について、HIV感染のラットモデルを使用して調べた。使用したHIVモデルは、9個のHIV遺伝子の中の7個をラットに接種すると、接種から9か月後にHIVの完全な症状が見られ、平均余命が12か月となる非伝染性モデルが得られる。
【0121】
HIVの最も破壊的な症状の一部は、肝臓および免疫系に現れる。肝臓障害は、HIV感染した人々の疾患および死亡の原因となることが多い。この試験を通して、AST、ALT、GGTP、ビリルビン、およびアルブミンなどの肝機能検査を、治療群および対照群でモニタリングした。炎症マーカーとしてC反応性タンパク質のアッセイを行った。免疫応答は、AIDSの進行中に減少することが知られているIgG、IgA、およびIgMの量を使用してモニタリングした。
【0122】
試験のために、ベースライン(接種前)値用に、心穿刺によって血清を抜き取った。治療群には、自由に飲むことができる飲用水として希釈植物浸出物を与え、対照群には、濾過した水を与えた。試験終了まで、30日ごとに、前述のように心穿刺によって血清を抜き取った。
【0123】
希釈植物浸出物による治療の60日後、未治療群と比較して、治療群は、平均でIgA量が30%増加し、IgG量が50%増加し、C反応性タンパク質(C−RP)量が40%減少した(表11)。体重、平均1日摂食量、および平均1日液体消費量については、群の間で有意差は検出されなかった。
【0124】
【表12】

【0125】
植物浸出物の投与
本発明の植物浸出物の投与量は、疾患の重篤度、疾患の生化学的活性、ならびに被験体の年齢および体重により変動する。本発明の植物浸出物の使用の効果は、任意のこのような病状の技術分野において周知である標準パラメーターを使用して測定される。
【0126】
一実施形態においては、本発明の植物浸出物は液体として経口投与される。前述のいくつかの実施例で説明したように、本発明の植物浸出物は、HPLCおよびUV検出で測定される67.5kDaのピークのタンパク質種(前述)が約50ppmとなるまで、濾過した水で希釈される。しかし、疾患の重篤度または希望する臨床転帰に応じて、植物浸出物の濃度(したがって、上記タンパク質種の投与量)を変更してもよい。例えば、上記タンパク質種は、約100ppm、250ppm、500ppm、750ppm、1000ppm、1500ppm、またはそれを超える濃度などの濃度で経口投与液体中に存在してよい。タンパク質分画を植物浸出物より単離して、非経口投与(例えば、静脈内投与、筋肉内投与、および皮下注射、局所投与、直腸投与、または経膣投与など)用に製剤することも考慮される。
【0127】
成人被験者では、希釈植物浸出物の投与量は、一般に空腹時に、メンテナンスおよび加齢の遅延などのためには1日当たり約1オンスから、病院に収容されるようなやけどまたは事故の場合、または化学療法の輸液中においては、1時間ごとに約1オンス、最大1日当たり約12オンスまで変動する。管理下におかれた糖尿病または心臓血管の被験者は、一般に1日当たり約2〜3オンスの植物浸出物で治療される。食事刺激による胃腸活動が植物浸出物の機能を妨害する可能性があるため、空腹時の投与を留意されたい。急性感染中の50〜70ポンドの小児には、一般に空腹時に1日当たり約3〜4オンスが投与される。年齢または病状によって生じるフリーラジカル酸化性組織破壊活性が高くなるほど、本発明の植物浸出物の推奨投与量が増加する。なんらかの特定の理論によって束縛しようとするものではないが、1日当たりに摂取する植物浸出物は、被験者の体重よりも、酸化的組織破壊の重篤度により直接的に関連していると考えられる。
【0128】
本開示の実施形態に対する種々の修正が実施可能であることを理解されたい。したがって、以上の説明は、限定として解釈すべきはなく、種々の実施形態の例示にすぎないと解釈すべきである。当業者によって、本明細書に添付される特許請求の範囲および意図の範囲内にある他の修正が想定されるであろう。同様に、本発明の植物浸出物は、動物の健康および能力(performance)を向上させるために使用できることを理解されたい。
【0129】
以上に本発明の例示的な実施形態を説明してきた。いくつかの説明的な詳細を記載してきたが、これらは本発明の説明のみを目的としている。本発明の意図および範囲から逸脱せずに、形態およびそれらの詳細の種々の変更、省略、および追加を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】植物浸出物の調製方法を示すフローチャートである。
【図2】希釈植物浸出物のHPLCクロマトグラムである。
【図3】希釈植物浸出物のFTIRスペクトルである。
【図4】希釈植物浸出物の[1H]−NMRスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の障害を治療または予防する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の植物浸出物またはその誘導体を投与することを含む方法。
【請求項2】
前記誘導体が、約67.5kDaの分子量を有するタンパク質である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記誘導体が、約21.0kDaの分子量を有するタンパク質である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記誘導体が多糖である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記誘導体が線維素溶解酵素活性を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記植物浸出物が約10ppm〜約150ppmの前記誘導体を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記治療有効量が、1日当たり約1オンス〜約12オンスの間の前記植物浸出物である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記障害が、肥満、糖尿病、炎症性疾患、ウイルス感染、心臓血管疾患、脳血管疾患、免疫不全障害、および代謝障害からなる群より選択される請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記障害が肥満である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記障害が糖尿病である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記障害が、関節炎、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、および炎症性腸疾患からなる群より選択される炎症である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記障害がHIV感染である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記障害が胃逆流疾患である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記哺乳動物が、ヒト、イヌ、ネコ、およびウマからなる群より選択される請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記化合物が広範な抗炎症剤として機能する請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
植物浸出物から単離される化合物であって、前記植物浸出物がATCC受託番号PTA−5863の微生物の培養によって産生される化合物。
【請求項17】
前記化合物がATCC受託番号PTA−5863の微生物のうちの1種類以上の培養物から単離される請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
前記化合物がタンパク質である請求項16に記載の化合物。
【請求項19】
前記タンパク質が約67.5kDaの分子量を有する請求項16に記載の化合物。
【請求項20】
前記タンパク質が約21.0kDaの分子量を有する請求項16に記載の化合物。
【請求項21】
前記化合物が多糖である請求項16に記載の化合物。
【請求項22】
請求項15〜20のいずれか1項に記載の化合物と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−518312(P2009−518312A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543545(P2008−543545)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/046320
【国際公開番号】WO2007/065024
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(508086841)ヘルス エンハンスメント プロダクツ インク (1)
【Fターム(参考)】