説明

病状を検出して通知する装置

持ち運び可能な装置は、てんかん性発作のような病状を検出する。その装置は、リストバンド上に、おそらく時計と一緒に取り付けられ、或いは、ヘルメット内に組み入れられる。その装置は、てんかん性発作に関連する特徴的なパターンを識別するために心拍数検出を用いる場合がある。その装置は、任意的に、誤検出を排除するために二以上の測定を組み合わせる。てんかん性発作の場合、心拍数に関連する測定値は、より高い精度を確保するために、体の動きに関連する測定値と組み合わせられてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病状、特に、てんかんを検出するための装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
てんかんは、卒中後の最も一般的な神経疾患であり、また、世界中で約6000万の人々に影響を及ぼしている。薬剤は、それら影響を受けている人々の3分の2のみで発作を制御しており、また、他の7〜8%の人々は、手術によって治癒する可能性がある。このことは、25%、すなわち、利用できる何れの療法によっても発作を制御され得ない1500万の人々を全く放置していることとなる。過去10年に亘り、技術者及び定量的科学の研究者は、発作は以前考えられていたように不意に始まるということがなく、それらが臨床症状を引き起こす何時間も前に、長い時間をかけて進展するという証拠を収集した。
【0003】
調査は、心拍数の測定がてんかん性発作を予測できることを究明した。M.Zijlmans、D.Flanagan、及びJ.Gotmanによる“Heart rate changes and ECG abnormalities during epileptic seizures: prevalence and definition of an objective clinical sign”(Epilepsia, Vol.43, No.8, p.847-854, 2002)、並びに、M.J.P. van Busselによる“Detection of epileptic seizures based on heart rate patterns”(MSc. report TU/e, Kempenhaeghe, Student number 0462628, Graduate professor J. Bergmans, 2005年4月)を見ていただきたい。
【特許文献1】米国特許第5795300号明細書
【特許文献2】米国特許第6859657号明細書
【特許文献3】米国特許出願第09/718255号明細書
【非特許文献1】M.Zijlmans, D.Flanagan, J.Gotman, “Heart rate changes and ECG abnormalities during epileptic seizures: prevalence and definition of an objective clinical sign”(Epilepsia, Vol.43, No.8, p.847-854, 2002)
【非特許文献2】M.J.P. van Bussel, “Detection of epileptic seizures based on heart rate patterns”(MSc. report TU/e, Kempenhaeghe, Student number 0462628, Graduate professor J. Bergmans, 2005年4月)
【非特許文献3】L.B.Wood & H.H.Asada, ”Active Motion Artifact Reduction for Wearable Sensors Using Laguerre Expansion and Signal Separation”(2005 IEEE, Engineering in Medicine and Biology 27th Annual Conference, Shanghai, China Sept. 1-4, 2005の会報)
【非特許文献4】H.Witte, L.D.Iasemidis, B.Litt, “Special Issue on Epileptic Seizure Prediction”(IEEE Transactions on Biomedical Engineering, pp. 537-539, 50(5),2003年5月)
【非特許文献5】A.v.Oppenheim & R.W.Schaffer, “Discrete-Time Signal Processing”(Prentice Hall 1989, pp.444-462)
【非特許文献6】N.Paivinen, “Epileptic Seizure Detection: a Non-linear Viewpoint” (Computer Methods and Programs in Biomedicine (2005)79, 151-159)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、てんかん性発作のような病状の予測を、より正確かつより便利に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
利便性は、検出、処理、及び、アラーム機能を組み込んだリストウォッチやヘルメットのような持ち運び可能な装置を創出することによって実現され得る。
【0006】
正確性は、多重検出機能を実装し、かつ、結果を照合して誤検出を排除するためにそれらの出力をプロセッサで組み合わせることによって実現され得る。
【0007】
更なる目的及び有利点は、発明の詳細な説明及び特許請求の範囲で明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、これより、図1〜図10の図に関する非限定的な例を用いて説明される。
【実施例1】
【0009】
図1は、てんかん性発作のような病状を検出及び/又は予測するためのリストバンド取り付け型装置を示す。その装置は、リストバンド101、及び、オプションの時計102を含む。リストウォッチのようにその装置によって時刻が分かるのでその患者にとって便利であるが、そのような時計は、本発明の機能にとっては、必ずしも必要なものではない。そのリストバンドは、パッドP1及びP2を含み、それらは、電極のようなセンサデバイスを含む。より多くの、或いは、より少ないパッドP1、・・・Pnが使用されてもよい。そのリストバンドはまた、処理及び表示用のセクションCEを含む。
【0010】
ヘッドバンドやチェストバンドのような、他のタイプの運搬モーダリティが本発明に従った装置を運搬するために用いられてもよい。有利的には、てんかん性発作検出装置は、図4に示すようなてんかんヘルメット401に取り付けられてもよい。
【0011】
図2は、てんかん性発作を検出するための好適な実施例で使用されるサブデバイスの概略図である。プロセッサ201は、その他のユニットを制御するためのものであり、また、それらからのデータ信号を処理するためのものである。そのプロセッサは、データ及びプログラムコードを記憶するための少なくとも一つのメモリユニット208と相互に作用する。そのデータは、その他のデバイスで使用される、発作検出のしきい値、又は、パターン情報を含んでいてもよい。好適には、そのメモリは、発作の機能活動の監視を望むヘルスケアの専門家による定期的なレビュー(精査)のための履歴情報を保持することができる。履歴は、低頻度の医学的レビュー及び/又はダウンロードが予期される場合には、一ヶ月又は一年のような長期間に亘って保持されてもよい。或いは、履歴は、より頻繁なダウンロード及び/又はレビューが予期される場合には、一日のようなより短い期間だけ保持されてもよい。プロセッサ201は、その他のデバイスから分離されたものとして示されるが、いくつかの処理機能は、それらの検知デバイス内にあるローカルプロセッサに割り振られてもよい。
【0012】
心拍検出器204は、その着用者の心拍の特性を示す信号を供給するために用いられる。そのような心拍検出器は、この出願書類の初めのところで引用された論文で論じられている。この検出器は、米国特許第5795300号の装置と同じように、心拍数を検出でき、或いは、実際に心拍に関する波形を収集する、より洗練されたEKG(心電図)型デバイスであってもよい。その心拍数検出器の実施例は、同時係属の出願(シリアル番号___(ID690694))に示されている。
【0013】
心拍数検出は、単独で、発作を検出するために用いられてもよい。しかしながら、心拍の型や心拍数における変化は、てんかん性発作以外の条件によっても引き起こされ得るので、他の検知デバイスで誤検出を排除するのが望ましい。例えば、発作に関する心拍変化は、症例によっては、運動や他の身体動作に関連する心拍変化から区別するのが困難な場合がある。
【0014】
望ましいもう一つの検知デバイスは、203で表されるような動きアーチファクト検出器である。そのような検出器は、L.B.Wood & H.H.Asadaによる、2005 IEEE, Engineering in Medicine and Biology 27th Annual Conference, Shanghai, China Sept. 1-4, 2005の会報における”Active Motion Artifact Reduction for Wearable Sensors Using Laguerre Expansion and Signal Separation”に開示されている。このタイプの検出器は、そのデバイスの動きに由来する心拍数の測定誤差を補正することができる。
【0015】
一以上の加速度計206−1、206−2、206−3を含むこともまた有益となり得る。典型的には、複数方向の加速度を検出するために二以上の加速度計が必要とされる(例えば、三方向の動きを検出するために三つの加速度計が必要とされる。)。それらの加速度計は、適切なプロセッサ(201であってもよく、デバイス又はデバイス群206−1、206−2、206−3に付属のものであってもよい。)と協働して、動きアーチファクトの検出に影響を及ぼすようにし、その結果、別個のデバイス203を不要としてもよい。デバイス203は、オプションであることを示すために点線で示される。運動に起因する動きの検出に加えて、加速度計は、発作に関連する激しい体の動きを検出するために用いられてもよい。それらが心拍数検出と協働して、或いは、心拍数検出の代わりに、用いられるようにするためである。
【0016】
動き及び位置の検出は、GPSデバイスを用いて実現されてもよい。そのようなデバイスは、患者の動き及び位置を追跡できる。これは、診療所又は居住施設を自由に離れることができる患者に対して有用である。GPSや他の手段を用いて物体を追跡するための、十分に開発された技術が存在する。そのような追跡は、例えば、アニメーションをサポートするために、しばしば映画で用いられている。速度計又は位置センサのような他のタイプのデバイスが、動き又は位置データを収集するために用いられてもよい。
【0017】
任意的に、そのデバイスは、EEG(脳電図)ユニット207への接続を含んでいてもよい。心拍及び動き情報は、発作が現在起こっているか、或いは、今にも起ころうとしているかを判定するときに、脳活動に相互に関連付けられ得るからである。EEGデータは、てんかん性発作を検出するときの究極の判断基準と考えられており、発作検出のためにEEGデータを分析するための商用デバイス及びアルゴリズムが利用可能である。本発明に従ったデバイスがリストストラップ上で持ち運ばれる場合、そのEEGユニット207からの信号は、好適には、無線で、或いは、(例えば、参照により本明細書で援用される米国特許第6859657号(PHB34280)に記載されるような)皮膚伝導を通じて、その頭からプロセッサ201に伝えられなければならない。本発明に従った装置がヘッドバンド、帽子又はヘルメットに組み入れられる場合、そのEEGユニットは、そのデバイス内に組み入れられてもよい。
【0018】
発作のような病状が検出された場合、アラームが望まれ、アラームユニット202によって与えられ得る。このアラームユニットは、適切な何れの種類のものであってもよい。それは、可聴表示又は可視表示を与え得る。アラーム指示は、ローカルの又は遠隔地の監視ステーションに無線で送信されてもよく、そこから、救急隊員がその状況に対処するために派遣されてもよい。発作が発現している間に介護人がその患者のところにやってきて薬を投与したり、或いは、その患者をより安全な位置に置いたりすることができる。
【0019】
その装置は、入力、又は、入出力(I/O)設備205を更に含む。この設備は、電気ケーブル又は光ケーブルを受け入れるためのソケットのように、配線され、或いは、ラジオ周波数(RF)や赤外線(IR)のレシーバ又はトランシーバのように、ワイヤレスであってもよい。或いは、設備205は、新しいデータ及び/又はソフトウェアを提供するための何らかのメモリ媒体の挿入を可能としてもよい。この設備は、その病状を検出するための条件やアルゴリズムでその装置が再プログラムされるようにすることができる。これらのアップデートは、検出モーダリティ203、204、206−1、206−2、206−3及び/若しくは207の何れか、若しくは、全てに、或いは、プロセッサ201に適用可能であってもよい。そのアップデートは、進行中の医学研究に由来するものであってもよく、或いは、特定の患者に関連する特有の信号パターンの臨床的観察に由来するものであってもよい。
【0020】
例えば、この出願書類の最初のところで引用されたvan Busselの論文は、図3に示すような図を含む。この図は、心拍数(拍/分)を秒刻みでグラフ化している。そのようなデータは、直線加速度、起こり得る水平域及び指数関数的減速を含む発作関連の頻脈のためのモデルを生じさせる。指数関数的減速がアンダーシュートを表した場合、その事象は、頻脈に続く発作関連の徐脈と呼ばれる。プロセッサ201におけるパターン認識アルゴリズムは、このパターンを探すことができる。近い将来の更なる研究が更なる情報を明らかにした場合には、新たなパターン又はアルゴリズムがプロセッサ201に入力されてもよい。
【0021】
人工知能の分野は、複数の検知モーダリティからの結果を統合するいくつかの方法を特定した。H.Witte、L.D.Iasemidis及びB.Littによる論文“Special Issue on Epileptic Seizure Prediction”(IEEE Transactions on Biomedical Engineering, pp. 537-539, 50(5),2003年5月)は、発作を予測するために複数のEEG入力を組み合わせる遺伝的アルゴリズムの使用を説明する。参照により本明細書で援用される、2000年11月22日に出願された米国特許出願第09/718255号(US000293)は、マルチモーダル統合の一タイプを論じている。PCT文書WO0242242号は、この出願に対応するものである。プロセッサ201は、種々のモーダリティ203、204、206−1、206−2、206−3及び207からの結果を組み合わせるために、上記文書に記載されたもののような人工知能技術を用いることができる。相関分析が用いられてもよい。或いは、以下に論じられるように、正規化され、かつ、重み付けされた信号の単なる合計が用いられてもよい。
【0022】
複数のモーダリティからの結果の組み合わせは、誤検出の可能性を低減させる。例えば、発作検出の分野において、加速する心拍数のパターンは、潜在的に運動に由来する場合があり、そして、パターン認識アルゴリズムが発作と混同する場合がある。
【0023】
より大ざっぱには、誤検出を排除するために複数の検知モーダリティを持つリストバンド取り付け型装置のような、持ち運び可能な装置は、睡眠障害又は夢遊に関する脚動症候群(レッグムーブメントシンドローム)のような他の病状を検出するためにも用いられ得る。これらの状況において、動きと同時に発生した心拍数又は加速度表示はまた、その状態が起こっていることを表す場合もある。他のタイプの検知モーダリティは、他の状態を検出するために用いられてもよい。
【0024】
更に、そのユニット内の個々のデバイスは、他の目的のために別々に用いられてもよい。例えば、心拍数モニター又は加速度計の出力は、運動をする患者にとって有用となり得る。その装置が、患者による選択のために、これらの個々の出力の取り出しを選択する機会をその患者に提供することが望ましい。
【0025】
図5は、205で用いられ得るユーザインタフェースデバイスを示す。そのデバイス501は、スクリーン502、データを入力するためのケーブル又はワイヤの挿入のためのソケット503、コントロールボタン504及びカーソルコントロール505を含んでもよい。このデバイスは、リストバンド上の位置CEのところに、プロセッサ201と共に、位置付けられてもよい。そのようなインタフェースはまた、ヘルメット401上に、好適には、奥まった位置、或いは、詰め物がされた位置に取り付けられてもよい。スクリーン502は、その装置の使い方の指示をその患者に与えるために、或いは、今にも起ころうとしている発作を通知するアラーム表示を与えるために用いられてもよい。スクリーン502はまた、その装置を読み取り或いはアップデートするサービス関係者や医療関係者に対して指示又は他の情報を与えるようにしてもよい。コネクタ503は、キーボード又は他のデータ入力デバイスに接続されてもよく、或いは、データ又はコードを送るデータ処理デバイスに接続されてもよい。データはまた、コントロールボタン504及びカーソルコントロール505によって手動で入力されてもよい。他のボタン又はコントロールデバイスが、設計上の選択に従って、図5に示されたものの代わりに用いられてもよい。そのインタフェースデバイスは、ユーザとの間のコミュニケーションのために、そのスクリーンに加えて、或いは、その代わりに、ラウドスピーカを内蔵していてもよい。LED表示器が追加されてもよく、或いは、代わりになってもよい。
【0026】
一般的に、本発明の電子機器の全ては、発作に起因する激しい四肢の動作の間、それらを保護するような方法で、強化され、或いは、パッド当てされなければならない。
【0027】
図6〜10の回路は、センサ203、204、206−1、206−2、206−3及び207、又は、プロセッサ201内に置かれてもよく、それらセンサとそのプロセッサとの間で分散されてもよい。更に、これらの図で示される機能は、ハードウェア又はソフトウェアの何れかで実施され得る。
【0028】
図6は、心拍数正規化ユニット601の概略図である。このユニットは、心拍数検出器204内に内蔵されていてもよい。或いは、それは、プロセッサ201の一部であってもよい。正規化は、ハードウェア又はソフトウェアの何れかで実施され得る。心拍数HRは、205からの入力I/Oによって、正規化心拍数HRをもたらすために、図8の信号分析ブロックから来る活動レベルA、及び、医師によって与えられたしきい値で正規化される。正規化は、様々なモーダリティの出力が加算されることができるように為される。例えば、心拍数が、例えば、50と220との間で変化する場合、医師は、220のような心拍数を入出力デバイス205に入力することができる。その範囲が0から1までとなるようにするためである。以下で“正規化”とマークされた他のデバイスは、同様に、それらの出力の範囲が0と1との間になるようにする。
【0029】
図7は、EEG分析ユニットの概略図である。そのEEG電極e、・・・、eから届く信号は、増幅され、かつ、ブロック信号調節ユニット701によって処理される。この調節は、フィルタリング及びノイズリダクションを含む。その調節ユニットの出力は、
(外1)

である。これらは、三つの出力を有するウィンドウイングブロック702に供給される。ウィンドウイングは、使用されるデータの長さを選ぶために用いられる。ウィンドウイングについての詳細は、A.v.Oppenheim & R.W.Schafferによる“Discrete-Time Signal Processing”(Prentice Hall 1989)の本の、例えば、444から462ページに見出され得る。ボックス702の第一出力は、出力fをもたらす非線形処理ブロック703に行く。ウィンドウイングブロック702の別の出力は、出力ωをもたらすフーリエ変換ブロック707に行く。ウィンドウイングブロック702の第三出力は、出力tをもたらす平均化ユニット706に行く。それらの三つの出力f、ω、tは、その後、fなる特性を出力するブロック特性検出ユニット704に供給され、fは、同様に、ブロック判別分析器705に供給される。判別分析器705は、図6のブロック601における正規化と同様に、708で正規化される出力dを供給する。ユニット703−705のそれぞれにおけるブロック特性検出及び判別分析は、N.Paivinenによる“Epileptic Seizure Detection: a Non-linear Viewpoint”(Computer Methods and Programs in Biomedicine (2005)79, 151-159)で更に説明される。
【0030】
図8は、加速度計と共に用いられる分析ユニットの概略図である。加速度計からの入力a、・・・、aは、動き分析ユニット801に供給される。このユニットにおいて、それら入力は、受け取った何れかの入力に支配されて、人間の動きに合わない信号を排除するためにフィルタリングされる。ユニット801からの出力Aは、正規化ユニット802に供給され、入出力デバイス205からの入力を考慮して正規化される。これらの入力は、医師又は他の装置オペレータからのものであり、また、性別、体重及び年齢のような、個々の患者に関するデータを含み、その人の動きの正常な範囲を決定するのに役立つ。
【0031】
図9は、アラーム生成器の概略図である。正規化入力HR、E、Aは、図6、7及び8のユニットからそれぞれ受け取られる。これらの入力に対し、それぞれの重みW、W及びWが適用される。最初に、それらの重みは、1に設定され得るが、後に、それらは、パラメータを強調するために、或いは、重きを置かないようにするために、入力に応じて変化され得る。そのラインI/Oからそれらライン群W、W及びWへの接続は、図の簡略化のために表示されていない。それらの重み付けられた入力はその後、901で合計され、最終信号Sをもたらし、それは、ブザー又はラウドスピーカ903によって可聴的なものとされ、或いは、LED904又はスクリーン502のようなデバイスによって可視的なものとされる。或いは、出力は、無線905とされ、介護人に送られ得る。
【0032】
図10は、図8のユニットからの入力A、及び、ユニット205からのI/Oを受け、それらからW、W及びWを生成する重み付け制御ユニット1001を示す。ユニット1001は、ルックアップテーブルであってもよい。
【0033】
本明細書の開示を読むことで、他の変形例が当業者にとって明らかとなる。そのような変形例は、医療機器の設計、製造及び使用において既知である他の特性を含んでいる場合があり、また、それらは、本明細書で既に説明された特性に代えて、或いは、加えて用いられる場合がある。請求項は、この出願書類において特徴の特定の組み合わせに対して策定されたが、当然のことながら、本出願書類の開示の範囲はまた、いずれにせよ本発明と同じ技術的問題の何れかを或いは全てを和らげる、本明細書で明示的に或いは黙示的に開示された何れの新規な特徴、若しくは、特徴の新規な組み合わせ、又は、それらの一般化をも含む。本出願人は、本明細書において、本出願書類又はそこから派生する更なる出願書類の何れかの出願手続中に、そのような特徴に対して、新たな請求項が策定され得ることを通知する。
【0034】
本明細書で用いられる語“含む”、“有する”又は“持つ”は、追加的な要素を排除するものと見なされることはない。本明細書で用いられる単数形の冠詞は、複数の要素を排除するものと見なされることはない。語“又は”は、包括的なものとして解釈され、言い換えれば、“及び/又は”として解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】てんかん性発作を検出し、且つ/或いは、予測するためのリストバンド取り付け型装置を示す。
【図2】図1の装置の概略図である。
【図3】てんかん性発作のパターン特性を表す、心拍数対経過時間のグラフである。
【図4】本発明に従った装置が位置付けられ得るてんかんヘルメットを示す。
【図5】ユーザインタフェースデバイスを示す。
【図6】心拍数正規化ユニットの概略図である。
【図7】EEG分析ユニットの概略図である。
【図8】加速度計用分析ユニットの概略図である。
【図9】アラーム生成器の概略図である。
【図10】重み付け制御ユニットの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
てんかん性発作を予測するための持ち運び可能な装置であって:
てんかん性発作を予測できるものとして知られる、患者の体の物理現象を検知するため、かつ、その現象を特徴付ける信号を供給するための少なくとも一つのセンサ;
作業を実行するために前記センサに結合される少なくとも一つのプロセッサであり、該作業は、それらがてんかん性発作を特徴付ける少なくとも一つの基準を満たすかを判定するための前記信号の処理を含むところの少なくとも一つのプロセッサ;
前記基準が満たされた場合に、アラーム指示を供給するよう構成される少なくとも一つの出力デバイス;及び
当該装置を患者の体に取り付けるための少なくとも一つの取り付け器具;
を含む装置。
【請求項2】
前記取り付け器具は、少なくとも前記プロセッサ及び前記出力デバイスを持っているリストバンドを含む、
請求項1の装置。
【請求項3】
前記取り付けるための手段は、前記センサ、前記プロセッサ及び前記出力デバイスを持っているヘッドギアを含む、
請求項1の装置。
【請求項4】
前記現象は、心拍パターンを含み、
前記少なくとも一つの基準は、てんかん性発作を予測するものとして知られる、少なくとも一つの、記憶された心拍パターンを含み、かつ、
前記処理手段は、前記信号が前記記憶されたパターンに合うかを判定するために人工知能アルゴリズムを用いる、
請求項1の装置。
【請求項5】
前記センサは、動きアーチファクト、加速度又はそれらの双方を検出するのに適した、少なくとも一つの動き検出デバイスを更に含み、
前記センサによって供給される前記信号は、心拍パターン、一以上の動きアーチファクト、及び、少なくとも一方向における加速度に関連する信号を含み、
前記処理手段は、組み合わせた分析結果を創出するために、前記センサによって供給される信号のタイプのそれぞれに対する一つのうち、少なくとも二つの基準に従って前記信号を分析し、かつ、
前記アラーム指示は、前記組み合わせた結果に応じて供給され、或いは、供給されない、
請求項4の装置。
【請求項6】
前記センサは、心拍検出器、三方向の動きを検出するための少なくとも三つの加速度計、及び、EEGデバイスを含む複数のセンサを含み、
前記基準は、
・てんかん性発作に関連する少なくとも一つの心拍パターン
・発作の動きから正常な動きを区別するように設計された少なくとも一つの第一動き基準
・動きアーチファクトに対して心拍測定値を補正するように設計された少なくとも一つの第二動き基準
・てんかん性発作に関連する少なくとも一つのEEG基準、を含む複数の基準を含み、
前記作業は、てんかん性発作が起こっているか起こっていないかを判定するために、前記複数の基準を考慮しながら、前記複数のセンサからの信号を扱うことを含む、
請求項1の装置。
【請求項7】
前記処理デバイスは、発作の検出とは別の第二の目的のために前記センサからの前記信号を用いるように構成される、
請求項1の装置。
【請求項8】
処理は、重み付け、及び、前記センサからの正規化信号の加算を含む、
請求項6の装置。
【請求項9】
前記センサは、少なくとも一つの動きアーチファクト検出器を含み、
前記作業は、少なくとも一つの動きアーチファクトに応じて少なくとも一つの他の検出器からの信号を補正することを含む、
請求項1の装置。
【請求項10】
前記センサは、少なくとも一つの加速度計を含む、
請求項1の装置。
【請求項11】
データ及び/又はプログラムアップデートを受信するための入力を更に含む、
請求項1の装置。
【請求項12】
前記アラーム指示は、当該装置に対して、局所的に供給される、
請求項1の装置。
【請求項13】
前記アラーム指示は、監視局に対して、無線送信される、
請求項1の装置。
【請求項14】
患者の体に取り付けられた少なくとも一つの持ち運び可能な電子装置における以下の動作:
前記患者の体の物理現象を検知する動作であり、該現象は、てんかん性発作を予測できるものとして知られ、また、その現象を特徴付ける信号を供給するための動作;
少なくとも一つのプロセッサにおける作業を実行する動作であり、該作業は、それらがてんかん性発作を特徴付ける少なくとも一つの基準を満たすかを判定するために前記信号を処理することを含むところの動作;及び
前記基準が満たされた場合にアラーム指示を供給する動作;
を実行することを含む発作検出方法。
【請求項15】
前記現象は、心拍を含み、
前記基準は、既知の心拍パターンを含む、
請求項14の方法。
【請求項16】
前記現象は、運動を含み、
前記基準は、既知の運動パターンを含む、
請求項14の方法。
【請求項17】
前記現象は、心拍及び運動を含む複数の現象を含み、
前記基準は:
・発作に関連する既知の心拍パターン;及び
・発作に関連する既知の運動パターンを含む複数の基準を含み、かつ、
前記処理は、動きアーチファクトに対して前記信号を補正すること、及び、前記信号を前記基準と比較することを含む、
請求項14の方法。
【請求項18】
少なくとも一つのデータ処理デバイスによって読み取り可能であり、かつ、該デバイスに請求項14の方法を実行させるためのコードを含む媒体。
【請求項19】
病状を検出するための装置であり:
患者の体に取り付け、かつ、装着するのに適した持ち運び可能な器具;
前記器具に結合され、かつ、前記患者の体における少なくとも第一及び第二の物理的特性を測定し、それらの特性を示す信号を供給するよう構成される少なくとも一つのセンサ;及び
前記器具内に配置され、かつ、作業を実行するよう構成される少なくとも一つのプロセッサであり、該作業は:
・一緒に得られた前記第一及び第二の特性の双方が前記病状を示すかを判定するために、少なくとも前記第一及び第二の特性にそれぞれ関連する第一及び第二の基準を用いて信号を分析する作業、及び
・前記病状が示された場合に、アラーム指示を供給する作業
を含むところの少なくとも一つのプロセッサ;
を含む装置。
【請求項20】
前記少なくとも一つのセンサは、前記患者の体の少なくとも二つの物理的特性を判定する際に用いられる単一の測定を行う少なくとも一つの単一のセンサを含む、
請求項19の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−519803(P2009−519803A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546800(P2008−546800)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054952
【国際公開番号】WO2007/072425
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】