説明

病理画像診断システム、病理画像診断方法、病理画像診断プログラム

【課題】効率的な画像診断を可能とする病理組織画像の出力を行うこと。
【解決手段】撮像された病理画像を予め設定された区分領域に分け各区分領域に対して病理診断の基準にかかる計測指標値を設定する指標量計算装置20と、各区分領域の計測指標値と前記各区分領域に隣接する区分領域における計測指標値とに基づき病理計測にかかる重要度を前記各区分領域に設定する重要度計算手段30とを備え、重要度計算手段30が、前記区分領域のうち前記生体組織が撮像された領域が一定の割合をしめる区分領域を抽出し、この区分領域に対して前記計測指標値および前記区分重要度を対応付けて送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病理診断の対象となる病理組織画像の出力を行う病理画像診断システム、病理画像診断方法、病理画像診断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病理診断は、一般的に、スライドガラス上の標本を病理医が顕微鏡で見ることで行われている。しかしながら、顕微鏡の視野は限られているため、全体を診るために診る場所を変えて隅々まで診る必要がある。このため、顕微鏡の代わりにスライドを電子画像として取り込むタイプの画像スキャナが使われている。
この場合は、顕微鏡の視野に相当するのは最大でもPC(パーソナル・コンピュータ)のモニタ解像度になるが、組織が小さく画像表示時の倍率が小さくない限り、組織の全体の面積は、PCのモニタ解像度の数十倍、数百倍になる。
【0003】
ところで、病理診断では、組織全体によって診断結果が決まるとは限らず、組織画像の一部領域により診断結果が左右されることも多い。また、組織の離れた部分では異なった様相を示すこともある。そのため、組織を一定の区分領域に分け、診断のための処理を行うと、診断結果が決まった時点でこの処理を打ち切ることも可能であるため効率が良い。
【0004】
このため、生体組織が撮像された生体(病理)組織画像を矩形ブロックに分けて、ブロックごとに診断することは、例えば、特開平06−003601に開示された手法などに開示されている。
また、遠隔診断を行う場合など通信を介して電子画像の送信を行う場合は、伝送効率の関係からも病理組織画像の矩形分割が検討されることが多い。
【0005】
しかしながら、病理診断の診断対象である病理組織画像について単純に矩形分割を行い、矩形分割された各分割画像を機械的な手順、および順序(例えば左上から右下へ)により、診断を行った場合、処理の効率化が限定されてしまうという不都合がある。
【0006】
また、例えば、画像診断にあたって、病理組織画像内における診断対象の注目区分領域と、この注目区分領域に隣接する上下左右等の隣接領域との関係が重視されることもあるため、上述のように、詳細な診断を機械的な順序で行った場合、診断効率が悪いばかりでなく、異なるブロックにまたがる領域や画像全体から得られる情報が見落とされてしまうといった不都合が生じ得る。
【0007】
これに対する関連技術として、送信側および受信側の画像通信装置を備え、送信側の画像通信装置が、元の画像を分割した分割画像それぞれに優先度を設定すると共に、優先度の高い分割画像の画像データ量を大きく、優先度の低い分割画像の画像データ量を小さくして各分割画像の送受信を行うことにより伝送効率の高い画像通信を行う手法が開示されている(特許文献1)。
【0008】
また、この関連技術として、撮像された眼底画像を分割し各分割画像に優先度を設定すると共に、各分割画像を優先度に基づき表示する順番を設定し、診断時間を短縮する手法が開示されている(特許文献2)。
【0009】
さらに、この関連技術として、多数の画像データのそれぞれに重要度を示す指標を設定し、各画像データに対する処理作業が行われる度に指標の値を加算して、利用価値の高い画像データを容易に選択可能とする手法が開示されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−057494公報
【特許文献2】特開2006−102097公報
【特許文献3】特開2007−135065公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述のように、病理組織画像では、病理組織画像内における離れた部位の組織領域間で異なった様相を示すことがあるため、上記特許文献1、2および3に開示された関連情報では、画像全体から得られる情報を見落とされてしまうという不都合が生じ得る。
また、例えば、診断対象である病理組織画像の注目区分領域とこの注目区分領域に隣接する上下左右等の隣接領域との関係が重視されることもあるため、上記特許文献1、2および3に開示された関連技術のように、各分割画像に指標値を割当てる手法では、画像診断効率が悪くなってしまうという不都合がある。
【0012】
更に、遠隔地診断などで、病理組織画像を通信により送信することが必要な場合、診断のために重要な部分(画像領域)の送信が完了するまで診断を行うことができなかったり、一方で、詳細な診断を行う必要のない、つまり重要度が高くない画像領域が送信されるのを待たなければならなかったりするといった状況も生じ得るため、全体的な病理診断効率が悪くなってしまうという不都合がある。
【0013】
[発明の目的]
本発明は、上記関連技術の有する不都合を改善し、画像診断を効率的に行うことを可能とする病理組織画像の出力を行う病理画像処理システム、病理画像処理方法、および病理画像処理プログラムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明に係る病理画像診断システムは、生体組織が撮像された病理画像を予め設定された区分領域に分け各区分領域に対して病理診断の基準にかかる予め設定された計測指標値を設定する計測指標設定手段と、前記各区分領域の計測指標値と前記各区分領域に隣接する区分領域における計測指標値とに基づき病理計測にかかる重要度を前記各区分領域に設定する重要度設定手段と、前記区分領域のうち前記生体組織が撮像された領域が一定の割合をしめる区分領域を抽出すると共に当該区分領域に対して前記計測指標値および前記区分重要度を対応付けて送出する区分領域抽出手段と、前記送出された区分領域からなる病理画像を出力表示する区分領域出力表示手段とを備えたことを特徴としている。
【0015】
又、本発明にかかる病理画像診断方法は、生体組織が撮像された病理画像を予め設定された区分領域に分け各区分領域に対して病理診断の基準にかかる計測指標値を設定し、前記各区分領域の計測指標値と前記各区分領域に隣接する区分領域における計測指標値とに基づき病理計測にかかる重要度を前記各区分領域に設定し、前記区分領域のうち前記生体組織が撮像された領域が一定の割合をしめる区分領域を抽出すると共に当該区分領域に対して前記計測指標値および前記区分重要度を対応付けて送出し、前記区分領域からなる病理画像を出力表示することを特徴としている。
【0016】
更に、本発明にかかるコミュニティ管理プログラムは、生体組織が撮像された病理画像を予め設定された区分領域に分け各区分領域に対して病理診断の基準にかかる計測指標値を算出する機能と、前記各区分領域の計測指標値と前記各区分領域に隣接する区分領域における計測指標値とに基づき病理計測にかかる重要度を前記各区分領域に設定する機能と、前記区分領域のうち前記生体組織が撮像された領域が一定の割合をしめる区分領域を抽出する機能と、予め設定されたコンピュータに実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、画像診断を効率的に行うことを可能とする病理画像診断システム、病理画像診断方法、病理画像診断プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による病理画像診断システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明による病理画像診断システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図3】本発明による病理画像診断システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図4】図1に開示した病理画像診断システムにおける病理画像の一例を示す説明図である。
【図5】図1に開示した病理画像診断システムにおける病理画像中の対象ブロックと隣接するブロックとの位置関係を示す説明図である。
【図6】図1に開示した病理画像診断システムにおける病理画像が表示された表示画面およびインターフェースの一例を示す説明図である。
【図7】図1に開示した病理画像診断システムにおけるデータ処理装置の一実施形態を示す概略ブロック図である。
【図8】図1に開示した病理画像診断システムにおける画像表示装置の一実施形態を示す概略ブロック図である。
【図9】図2、3に開示した病理画像診断システムにおける画像送信装置(領域符号化装置)の一実施形態を示す概略ブロック図である。
【図10】図1に開示した病理画像診断システムにおける全体の動作処理ステップを示すフローチャートである。
【図11】図2に開示した病理画像診断システムにおける全体の動作処理ステップを示すフローチャートである。
【図12】図3に開示した病理画像診断システムにおける全体の動作処理ステップを示すフローチャートである。フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態1]
次に、本発明の実施形態について、その基本的構成内容を説明する。
本実施形態1の病理画像診断システム1は、図1に示すように、外部から送り込まれた病理組織画像(S10)における組織が撮像された画像領域(組織領域)を抽出する組織抽出手段10と、組織抽出手段10で抽出された画像領域である矩形ブロックS20を受け、各矩形ブロックS20について予め設定された病理組織にかかる指標量の計算を行う指標量計算装置20と、各矩形ブロックの指標量の重要度を算出し順序付けを行う重要度計算手段30と、重要度計算手段30から送り込まれる矩形ブロックS20を予め算出された指標値S40および重要度と対応づけて出力表示する画像表示手段40aを備えた構成をとっている。
【0020】
以下、これを詳説する。
【0021】
組織抽出手段10は、病理画像診断装置1の外部から入力された病理組織画像中における組織領域の抽出を行う。
ここで、組織抽出手段10は、組織が撮像された組織領域(画像領域)を、病理画像中における染色された領域として検知する。具体的には、組織抽出手段10は、上記病理組織画像から特定の色(または輝度)のモノクロ画像を作成し、このモノクロ画像に対して、予め設定された閾値による2値化画像作成アルゴリズム(例えば、判別分析法(大津の2値化))により2値化処理を行う。
【0022】
尚、この段階では組織画像の抽出は画素単位までの正確さは必要ないため、病理組織画像に対する画像処理は、矩形ブロック単位に行われるものとする。
また、ノイズにより少数の組織領域画素のみのブロックが抽出されるのを回避するために、上記2値化処理を行う前にガウシアンフィルタなどのぼかしフィルタを利用してノイズを抑制する処理を行うことが望ましい。
【0023】
また、組織抽出手段10は、図4に示すように、病理組織画像S10を矩形のメッシュで分割し、一定の画素数以上の組織領域(画素)を含むブロック(矩形ブロック)のみを処理対象矩形領域として抽出する。
尚、実際に病理組織画像中にメッシュを描く必要はなく、設定された各矩形ブロックの頂点一つと矩形ブロックの縦横サイズを記憶する設定としてもよい。
【0024】
指標量計算手段20は、上述のように、組織抽出手段10で抽出された矩形ブロックS20の指標量を計算する。
尚、指標量計算装置20は、同時並行、分散的に病理指標の計算を行う指標量計算部201、202、203、…を備えている。尚、本実施形態1では、指標量計算部201、202、203からなる指標量計算装置20を例示しているが、指標量計算装置20設定される指標利用の数はこれに限定されない。
【0025】
尚、病理医による病理組織の画像診断は、低倍率でまず組織全体を見て、細胞核、細胞質が濃く染色された部分、染色の濃さの変化が大きい部分を見つけ、その付近を高倍率に切り替えて詳しく細胞核一つ一つを詳しく診る粗密探索的な方法を良く行われる。
そこで、本実施形態では、病理組織診断にかかる指標量として、病理組織の画像をブロック単位に分け、大域的な染色の濃度を調べるための[a]ブロック内指標量、大域的な染色変化を調べるための[b]ブロック間指標量、染色濃度や変化が人工的な理由であるかを調べるための[c]全ブロック指標量を導入する。
【0026】
[a]ブロック内指標量は、矩形ブロックを構成する各画素の情報から計算できる指標量である。
この指標量は、炎症や癌などの病気により生じる異常細胞核、異常細胞核群に対応した領域の特定色の絶対的な濃度や特定色で抽出された画素の塊の形状に関する量、例えば、矩形ブロック内のモーメント、Huモーメント、判別分析閾値、特定色の画素数、特定色の画素数塊の個数、面積平均、分散、長さ平均、分散、円形度平均、分散などが用いられる。
【0027】
また、元の病理組織画像に対して、フーリエ変換などの信号処理やエッジ抽出フィルタのなどの画像処理を行うことにより処理済画像を生成し、当該処理済画像におけるモーメント、Huモーメント、判別分析閾値、特定色の画素数、特定色の画素数塊の個数、面積平均、分散、長さ平均、分散、円形度平均、分散などに基づき指標量を算出する設定としてもよい。
【0028】
次いで、上記の指標量のうち、直感的でないものについて説明する。上記モーメントは、画像処理の対象画像(ここでは、病理組織画像とする)における画像輝度値I(x, y)、およびx, y方向の次元としてm, nを設定し、以下に示す[数1]の計算式により求められる。
【数1】

また、1次元のHuモーメントはm2,0,m0,2を正規化された中心モーメントとする、
【数2】

でも求められる。
円形度は、Sを面積、Lを周囲長として
【数3】

により求められる。
【0029】
ここで、具体的に、病理組織画像としてのHE(ヘマトキシリン-エオジン)染色画像について考える。このHEにおける細胞核の部分は、ヘマトキシリンで青紫に、細胞質の部分は、エオジンで赤紫に染まる性質がある。この場合、赤、青やその補色のシアン(水色)、マゼンタ(紫)の色信号のHuモーメント、判別分析閾値、画素数塊の個数などの指標は、病理診断のための重要な指標となる。このため、本実施形態では、例えばHuモーメント、判別分析閾値、特定色の画素数を定量化した値から指標量(ブロック内指標量)の算出を行う。
【0030】
[b]ブロック間指標量は、(a)のブロック内指標量を元にその周辺ブロックとの変化度を計算することで得られる。
この指標量は、病理診断の重視される細胞核の増殖過程に対応した特定の組織領域内の周辺とその周辺領域の変化を反映し、例えば、ブロック単位のラプラシアンや周辺ブロックとの分散などが用いられる。
【0031】
ここでは、ラプラシアンの値を、例えば、対象ブロック(図5(ア))に隣接する抽出ブロックのすべての指標量(指標値)の合計値から、対象ブロックの指標値に隣接する抽出ブロックの数を乗じた値を引いた値とする(数3)。
図5に示すように、対象ブロック(ア)は、隣接する8近傍ブロック(上下左右斜めの矩形ブロック)のうち7つの隣接ブロックをもつので、ラプラシアンは、以下に示す[数4]に基づき算出される。
【数4】

【0032】
[c]全ブロック指標量は、[a]ブロック内分散値に基づき算出される値であって、画像全体の矩形ブロックの指標(量)値から計算される統計量(平均、分散、ヒストグラムなど)である。
この全ブロック指標量は、上記の[a],[b]が病理的な理由で生じたのか病理に関係のない人為的な理由で生じたのかを検証するためのもので、各矩形ブロックの優先度の算出には関係しないが、スライド作成時や撮影時の失敗などによる異常な画像として警告を出すために補助的に用いられる。
尚、上記算出された上記単独または複数の指標量は、スカラー値、もしくはベクトル値として重要度計算手段30に送られる。
【0033】
重要度計算手段30は、各ブロックに付随するスカラー値もしくはベクトル値である指標量の順序付けを行う。重要度は病理診断的な理由に基づいて次のように設定できる。
ブロック内の色の均質性の場合、例えば細胞核の密集や濃さの場合は、画素の色値や密度が大きいほうが炎症やかんなどの病気の可能性があるので重要度は高くなる。
ブロック内の塊の均質性の場合は、例えば大きな円形度の高い画素塊(HE染色の場合は青い大きな円形塊)が多い場合は、癌細胞の可能性があるので重量度は高くなる。
ブロック間のラプラシアンのような周囲との変化の場合、変化量が大きい方が細胞増殖過程の異常として現れる病気の可能性があるので重要度は高くなる。
これらのような具体的な数値で計算される場合は、色値、密度などそのままの数値で使っても良いし、一定レンジで分けてランク化しても良い。
上記順序については、大小順位(全順序)の他、必ずしも順序づけがされていないグループとの対応づけであっても良い。指標量をx、順位もしくはグループをy、対応する写像をfとすると、
【数5】

という関係になり、順序が全順序の場合は、fは関数になり、グループyと写像(関数)fとは、以下の[数6]に示す関係となる。
【数6】

【0034】
指標量計算手段20が、単一の指標量計算部201で構成されている場合は、指標量はスカラー値になるので単純に値の大小により順位付けを行うことができる。
指標量計算手段20が、複数の指標量計算部(201、202、…)で構成されている場合は、写像(関数)を与える必要がある。
ここで、写像(関数)の与え方は、指標量の選択とどの指標を重視するかによって変わる。全指標の重要度が等価である場合は、全指標の総和による算出する。
【0035】
尚、上記関数fは、数式で表せる関数以外に、ある指標が特定数値に入る場合は、他の指標に関係なく、特定の順位やグループに属するような写像であってもよい。
【0036】
また、算出に先立ち指標値と順位(グループ)が対応づけられたデータが入手できる場合は、ニューラルネットワークやサポートベクターマシンのような機械学習によりfを設定してもよい。
【0037】
重要度計算手段30は、全ブロックの順位(グループ)が得られた後、順位(グループ)と指標の値をブロックに対応づけて画面表示手段40aに送る。
【0038】
画像表示手段40aは、重要度計算手段30から入力するブロックの順位と指標値S40を元の画像の矩形ブロックと対応づけて、予め設定されたディスプレイなどの出力装置に出力表示する。
【0039】
ここで、病理画像S10の表示画面およびインターフェースの一例を図6に示す。
ここでは、図6左図の濃灰色のブロックと図6右図の表の重要度列の上から3番目の重要度Cの行が対応づけられている。
【0040】
尚、重要度は、同じものがあっても良く、この例ではCとFが2つある。
また、複数の重要度を設定してもよく、その場合は、重要度のメニュで切り替えられるようにする。
【0041】
以上のように、本実施形態1では、病理組織画像に設定された各矩形ブロック(領域)で病理組織にかかる指標量(値)を設定し計算することにより、病理組織画像に対して局所的に定量化された値を割り当てることができ、元の病理組織画像を、病理組織の重要度に応じて定量的に表示することができる。
このため、利用者は病理組織画像全体の様子が定量的に把握できるので、効率的、且つ迅速に病理画像診断を行うことができ、更には、診断時間を短縮することができる。
【0042】
また、本実施形態では、設定された各矩形ブロックに指標値が与えられることで病理組織としての重要度が設定されるので、隣接ブロックを含む、複数ブロック間に跨り把握される病理的に重要な領域を発見容易に出力表示することができる。
【0043】
[実施形態1の動作説明]
次に、上記実施形態1における病理画像診断システムの動作の概要を説明する。
生体組織が撮像された病理画像を予め設定された区分領域に分け各区分領域に対して、指標量計算部20が、病理診断の基準にかかる計測指標値を設定し(指標量設定工程)、次いで、重要度計算手段30が、前記各区分領域の計測指標値と前記各区分領域に隣接する区分領域における計測指標値とに基づき病理計測にかかる重要度を前記各区分領域に設定する(重要度設定工程)。
次いで、重要度計算手段30は、前記区分領域のうち前記生体組織が撮像された領域が一定の割合をしめる区分領域を抽出し(組織領域判定抽出工程)、この区分領域に対して前記計測指標値および前記区分重要度を対応付けて送出し、画像表示手段40aが、前記区分領域からなる病理画像の出力表示を行う。
【0044】
ここで、上記指標量設定工程、重要度設定工程、および組織領域判定抽出工程については、その実行内容をプログラム化し、コンピュータに実行させるように構成してもよい。
以下、上記実施形態1における病理画像診断システムの動作について、図10のフローチャートに基づいて詳説する。
【0045】
まず、撮像またはスキャンされた後、染色処理された病理画像(元の病理画像)が、組織抽出手段10に入力される(ステップS1)。組織抽出手段10は、この病理画像から当該病理画像の輝度成分のモノクロ画像を作成し(ステップS2)、生成されたモノクロ画像から、大津の2値化などのアルゴリズムを用いて、組織画像領域の抽出を行う(ステップS3:組織領域抽出機能)と共に、指標利用計算部20に送信する。
【0046】
指標利用計算部20は、元の病理画像とそれに対応する2値化画像を、それぞれブロック(矩形ブロック)で分割する(ステップS4)と共に、組織画像が含まれる各画像ブロックで指標量を算出し(ステップS5:指標量算出機能)、各ブロックを重要度計算手段30に送信する。
重要度計算手段30は、単一もしくは複数の指標量から指標量と重要度とを関連づける写像(関数)により各ブロックの重要度を算出する(ステップS6:重要度算出機能)。
【0047】
重要度計算手段30は、元の病理画像の各ブロックと重要度情報との関連づけ情報に基づいて、予め設定されたモニタなどの表示装置に病理画像を出力表示する(ステップS7)。
ここでは、各ブロックと重要度情報、指標量情報との対応づけが示された出力表示が行われるものとする。
【0048】
尚、組織領域抽出機能、指標量算出機能、重要度算出機能については、その実行内容をプログラム化し、病理画像診断装置1内に予め備えられたコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0049】
病理画像診断装置1内に設けられた組織抽出手段10、指標量計算部20、重要度計算手段30、および画像表示手段40aを、それぞれを装置化した、組織抽出装置100、指標量計算装置200、重要度計算装置300、および画像表示装置400aを、通信回線などで接続した構成としてもよい。
【0050】
また、本実施形態1における構成内容の変形例として、上記実施形態1の組織抽出装置100、指標量計算装置200を構成する指標量計算部2001,2002,…、および重要度計算装置300にからなる構成に代えて、図7に示すように、入力データとして入力された画像データ(ブロック)、指標量情報、および重要度情報を記憶するするメモリや記憶ディスクなどのストレージ装置251と、画像データ(ブロック)における組織領域の抽出、各ブロックの指標量、重要度の算出を行うCPUなどの演算部252とからなるデータ処理装置250を備えた構成としてもよい。
【0051】
また、画像表示装置400aは、図8に示すように、重要度計算手段30から送り込まれた、画像情報(ブロックデータ)、重要度情報、指標値情報を含む入力データを蓄積するメモリやディスクなどのストレージ装置351と、ユーザが入力指示を行うキーボードやポインティングデバイス等の入力機器352と、CPU352による処理結果を出力表示するモニタ353と、入力データと入力指示によりモニタに表示する結果の計算を行うCPUなどの演算装置352を備えた構成としてもよい。
【0052】
このように構成することにより、病理画像診断装置1に設定されたCPUによって処理された機能を、上記演算処理装置250、および画像表示装置400aそれぞれに分散して割当てることができるので、各装置におけるCPUの処理負荷を抑制することができる。
[実施形態2]
次に、本発明にかかる実施形態2の病理画像診断システムについて説明する。ここで、前述した実施形態1と同一の部分については、同一の符号を付するものとする。
この実施形態2は、システムの機器構成部分は前述した実施形態1(図1)とほぼ同一の構成を備えており、図2に示すように、実施形態1(図1)の画像表示手段40aに代えて、画像送信手段40bを備え、更に、この画像送信手段40bと通信回線を介して接続された受信側端末45cを備えた点が実施形態1の場合と相違する。
【0053】
画像送信手段40bは、重要度計算手段30から送り込まれるブロックの重要度順位と指標値S40に基づき、重要度順位が高い順にブロックデータS50bを、通信回線に対して出力(送信)する(ブロック出力送信機能)。
また、画像送信手段40bは、受信側で必要な重要度のブロックデータの受信が完了したとき、受信側端末から停止要求信号S60を受信すると共に、この停止要求信号S60に基づきブロックデータの送信を停止する(データ送信停止機能)。
【0054】
尚、実施形態2における組織抽出手段10、指標量計算手段20、重要度計算手段30は、前述した実施形態1(図1)の場合と同様に動作するものとする。
【0055】
[実施形態2の動作説明]
次に、上記実施形態3における病理画像診断システムの動作について、図11のフローチャートに基づいて説明する。
【0056】
まず、撮像、またはスキャンされた後、染色処理された病理画像が組織抽出手段10に入力される(ステップA1)。組織抽出手段10は、この病理画像から当該病理画像の輝度成分のモノクロ画像を作成し(ステップA2)、生成されたモノクロ画像から、大津の2値化などのアルゴリズムを用いて大まかな組織画像領域の抽出を行う(ステップA3:組織領域抽出機能)と共に、指標利用計算部20に送信する。
【0057】
尚、上記組織領域抽出機能に先立ち、組織領域外のノイズの影響を抑えるためにぼかしフィルタを入れるのもよい。
【0058】
指標利用計算部20は、元の病理画像とそれに対応する2値化画像を、それぞれブロック(矩形ブロック)で分割する(ステップA4)と共に、組織画像が含まれる各画像ブロックで指標量を算出し(ステップA5:指標量算出機能)、各ブロックを重要度計算手段30に送信する。
重要度計算手段30は、単一もしくは複数の指標量から指標量と重要度とを関連づける写像(関数)により各ブロックの重要度を算出する(ステップA6:重要度算出機能)。
【0059】
また、重要度計算手段30は、算出された重要度の高い順にブロックをソートし(ステップA7)、画像送信手段40bに送信する。
画像送信手段40bは、各ブロックデータに対して重要度情報を付加すると共に、重要度の高い順にブロックデータを受信側端末に送信する(ステップA8)。
【0060】
次いで、受信側は必要な重要度のブロックデータを受信後、ブロックデータの送信停止を要求する停止要求信号を、送信側である画像送信手段40bに送信する。
画像送信手段40bは、この停止信号を受信した(ステップA9:YES)場合に、符号化済みブロックデータの送信を停止する(ステップA10:送信終了)。
【0061】
尚、組織領域抽出機能、指標量算出機能、重要度算出機能については、その実行内容をプログラム化し、病理画像診断装置1内に予め備えられたコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0062】
また、本実施形態2における構成内容の変形例として、上記実施形態2の組織抽出装置100、指標量計算装置200を構成する指標量計算部2001,2002,…、および重要度計算装置300にからなる構成に代えて、図7に示すように、画像データ(ブロック)、指標量情報、および重要度情報を蓄積するメモリや記憶ディスクなどのストレージ装置251と、画像データ(ブロック)における組織領域の抽出、各ブロックの指標量、重要度の算出を行うCPUなどの演算部252とからなる演算処理装置250を備えた構成としてもよい。
【0063】
また、画像送信装置400bは、図9に示すように、重要度計算手段30から送り込まれた、画像情報(ブロックデータ)、重要度情報、指標値情報を含む入力データを読込み一時的に記憶するメモリやディスクなどのストレージ装置(ディスクメモリ411)と、このディスクメモリ411に読み込まれたブロックデータから重要度情報の値に基づき送信するブロックを決定すると共に、そのブロックを画像情報から切り出す処理を行うCPU412と、通信回線に接続されCPU412の制御により、切り出した画像(ブロック)をビットストリームとしてネットワークに送信し、受信装置から送り込まれる停止要求信号を受信するネットワークインタフェース413とを備えた構成を有するものとする。
尚、本実施形態2のCPU412、およびネットワークインタフェース413は、上述のように、重要度の高い順にブロックデータ(ブロック)の送信を行う。
【0064】
このように構成することにより、病理画像診断装置1に設定されたCPUによって処理された機能を、上記演算処理装置250、および画像送信装置400bそれぞれに分散して割当てることができるので、各装置におけるCPUの処理負荷を抑制することができる。
【0065】
[実施形態3]
次に、本発明にかかる実施形態3の病理画像診断システムについて説明する。ここで、前述した実施形態1と同一の部分については、同一の符号を付するものとする。
この実施形態3は、システムの機器構成部分は前述した実施形態1(図1)とほぼ同一の構成を備えており、図3に示すように、実施形態1(図1)の画像表示手段40aに代えて、画像送信手段40cを備え、更に、この画像送信手段40bと通信回線を介して接続された受信側端末40cを備えた点が実施形態1の場合と相違する。
【0066】
領域符号化手段40cは、重要度計算手段30から送り込まれるブロック(データ)の順位と指標値S40に基づき、各ブロックデータに対してブロック毎に異なる符号化を行う(ブロック符号化機能)。
送り込まれたブロックの重要度がより高いブロックに対しては、元画像に完全に復元可能な、可逆符号化を行う。
また、領域符号化手段40cは、送り込まれたブロックの重要度が低くなるにつれて、その重要度に対応して圧縮率を高くしていき、より高い圧縮率となる符号化を行い(機能)、符号化されたブロックのデータ量(送信データ量)の軽減を行う。
【0067】
更に、領域符号化手段40cは、符号化済みブロックデータS50cを受信側に送り、受信側で重要度の高く送信が必要な符号化済みブロックデータの受信がすべて終了したとき、受信側(端末)から停止信号60を受け取り、符号化済みブロックデータの送信を停止する(データ送信停止機能)。
【0068】
[実施形態3の動作説明]
次に、上記実施形態3における病理画像診断システムの動作について、図12のフローチャートに基づいて説明する。
【0069】
まず、組織抽出手段10に、撮像され、スキャンされた後、染色処理された病理画像が入力される(ステップB1)。組織抽出手段10は、この病理画像から当該病理画像の輝度成分のモノクロ画像を作成し(ステップB2)、生成されたモノクロ画像から、大津の2値化などのアルゴリズムを用いて大まかな組織画像領域の抽出を行う(ステップB3:組織領域抽出機能)。指標利用計算部20に送信する。
【0070】
尚、上記組織領域抽出機能に先立ち、組織領域外のノイズの影響を抑えるためにぼかしフィルタを入れるのもよい。
【0071】
指標利用計算部20は、元の病理画像とそれに対応する2値化画像を、それぞれブロック(矩形ブロック)で分割する(ステップB4)と共に、組織画像が含まれる各画像ブロックで指標量を算出し(ステップB5:指標量算出機能)、各ブロックを重要度計算手段30に送信する。
重要度計算手段30は、単一もしくは複数の指標量から指標量と重要度とを関連づける写像(関数)により各ブロックの重要度を算出する(ステップB6:重要度算出機能)。
【0072】
また、重要度計算手段30は、算出された重要度の高い順にブロックをソートし(ステップB7)、領域符号化手段40cに送信する。
領域符号化手段40cは、ソートされた順に、各ブロックの重要度に応じて圧縮率を変えながら、各ブロックの符号化を行う(ステップB8)。
【0073】
次いで、領域符号化手段40cは、符号化されたブロックデータに重要度情報を付加して受信側に送信する(ステップB9)。
受信側は必要な重要度のブロックデータを受信後、ブロックデータの送信停止を要求する停止要求信号を、送信側である領域符号化手段40cに送信する。
領域符号化手段40cは、この停止信号を受信した(ステップB10:YES)場合に、符号化済みブロックデータの送信を停止する(ステップB11送信完了)。
【0074】
尚、組織領域抽出機能、指標量算出機能、重要度算出機能については、その実行内容をプログラム化し、病理画像診断装置1内に予め備えられたコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0075】
また、本実施形態3における構成内容の変形例として、上記実施形態3の組織抽出装置100、指標量計算装置200を構成する指標量計算部2001,2002,…、および重要度計算装置300にからなる構成に代えて、図7に示すように、画像データ(ブロック)、指標量情報、および重要度情報を蓄積するメモリや記憶ディスクなどのストレージ装置251と、画像データ(ブロック)における組織領域の抽出、各ブロックの指標量、重要度の算出を行うCPUなどの演算部252とからなる演算処理装置250を備えた構成としてもよい。
【0076】
また、領域符号化装置400cは、上記画像送信装置400bと同様に、図9に示すように、重要度計算手段30から送り込まれた、画像情報(ブロックデータ)、重要度情報、指標値情報を含む入力データを読込み一時的に記憶するメモリやディスクなどのストレージ装置(ディスクメモリ411)と、このディスクメモリ411に読み込まれたブロックデータから重要度情報の値に基づき送信するブロックを決定すると共に、そのブロックを画像情報から切り出す処理を行うCPU412と、通信回線に接続されCPU412の制御により、切り出した画像(ブロック)をビットストリームとしてネットワークに送信し、受信装置から送り込まれる停止要求信号を受信するネットワークインタフェース413とを備えた構成であってもよい。
【0077】
尚、本実施形態3のCPUなどの演算装置412は、ブロックの切り取りとビットストリーム化の間で画像データの符号化を行い、その時の圧縮率はブロックの重要度に応じて変更を行うものとする。
【0078】
これにより、病理画像診断装置1に設定されたCPUによって処理された機能を、上記演算処理装置250、および領域符号化装置400cそれぞれに分散して割当てることができるので、各装置におけるCPUの処理負荷を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、遠隔地間で行われる病理画像診断や、遠隔医療にかかる画像診断を支援するシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 病理画像診断装置(病理画像診断システム)
10 組織抽出手段
20 指標量計算部
30 重要度計算手段
201、202、203、… 指標計算部
250 データ処理装置
251、351、411 ディスクメモリ
252、353、412 CPU(中央処理装置)
354 モニタ
400a 画像表示装置
400b 画像送信装置
400c 領域符号化装置
413 ネットワークインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織が撮像された病理画像を予め設定された区分領域に分け各区分領域に対して病理診断の基準にかかる予め設定された計測指標値を設定する計測指標設定手段と、
前記各区分領域の計測指標値と前記各区分領域に隣接する区分領域における計測指標値とに基づき病理計測にかかる重要度を前記各区分領域に設定する重要度設定手段と、
前記区分領域のうち前記生体組織が撮像された領域が一定の割合をしめる区分領域を抽出すると共に当該区分領域に対して前記計測指標値および前記区分重要度を対応付けて送出する区分領域抽出手段と、
前記送出された区分領域からなる病理画像を出力表示する区分領域出力表示手段とを備えたことを特徴とする病理画像診断システム。
【請求項2】
前記請求項1に記載の病理画像診断システムにおいて、
前記病理画像中の生体組織が予め設定された特定色により染色処理されている場合に、前記計測指標設定手段は、前記特定色の予め設定された濃度の量に基づき病理診断にかかる計測指標値を設定する色濃度指標値設定機能を備えたことを特徴とする病理画像診断システム。
【請求項3】
前記請求項1に記載の病理画像診断システムにおいて、
前記組織抽出手段は、前記区分領域間のラプラシアンを計算することにより前記区分領域における画像特徴の抽出を行い、当該抽出結果に基き前記生物組織が含まれたブロックの抽出を行うラプラシアン抽出機能を備えたことを特徴とする病理画像診断システム。
【請求項4】
前記請求項1に記載の病理画像診断システムにおいて、
前記組織抽出手段は、隣接区分領域のモーメントに基づき画像特徴の抽出を行うことにより生物組織が含まれたブロックを抽出するモーメント抽出機能を備えたことを特徴とする病理画像診断システム。
【請求項5】
前記請求項1に記載の病理画像診断システムにおいて、
区分領域抽出手段は、
前記区分領域を前記設定された重要度の値が高い順に送信する重要度順送信機能を備えたことを特徴とする病理画像診断システム。
【請求項6】
前記請求項1、2に記載の病理画像診断システムにおいて、
区分領域抽出手段は、
前記設定された重要度の値がより高い区分領域をより低い圧縮率で符号化すると共に、前記重要度の値がより低い区分領域をより高い圧縮率で符号化する区分領域圧縮機能を備えたことを特徴とする病理画像診断システム。
【請求項7】
生体組織が撮像された病理画像を予め設定された区分領域に分け各区分領域に対して病理診断の基準にかかる計測指標値を設定し、前記各区分領域の計測指標値と前記各区分領域に隣接する区分領域における計測指標値とに基づき病理計測にかかる重要度を前記各区分領域に設定し、前記区分領域のうち前記生体組織が撮像された領域が一定の割合をしめる区分領域を抽出すると共に当該区分領域に対して前記計測指標値および前記区分重要度を対応付けて送出し、前記区分領域からなる病理画像を出力表示することを特徴とする病理画像診断方法。
【請求項8】
生体組織が撮像された病理画像を予め設定された区分領域に分け各区分領域に対して病理診断の基準にかかる計測指標値を算出する機能と、前記各区分領域の計測指標値と前記各区分領域に隣接する区分領域における計測指標値とに基づき病理計測にかかる重要度を前記各区分領域に設定する機能と、前記区分領域のうち前記生体組織が撮像された領域が一定の割合をしめる区分領域を抽出する機能と、予め設定されたコンピュータに実行させることを特徴とする病理画像診断プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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