説明

病院経営情報分析システム、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラム

【課題】病院経営情報分析システムにおいて、当該病院にDPC毎に、DPC評価導入時における当該病院収支に影響を与える不採算医療を統計的に絞り込むこと。
【解決手段】病院経営情報分析システム10は、医事会計データ及び前記病歴データをそれぞれ取り込み、患者毎1入院当たりのデータとして統合された病院データを管理する病院データ管理システム11を備える。また、病院経営情報分析システム10は、DPCをDPCコードとして確定する一方、病院データから1患者のデータである患者データを確定して、この患者データにDPCコードをコーディングする手順と、前記DPCコードがコーディングされた患者データを用いて診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算し、この演算結果からDPC評価導入時の病院経営を分析及び表示する手順とを実行させるためのプログラムを有する端末12aを備える。病院データ管理システム11と端末12aとをLAN18を介して接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院が有する医事会計データ及び病歴データから、DPC評価導入時における当該病院の経営状況を分析する病院経営情報分析システム、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院内に存在する医事会計データ及び病歴データを統計処理して分析可能とする情報分析システムでは、医事会計データベース及び病歴データベースに記憶された情報のうち有用なものを抽出して、統合データベースで管理する。このように、統合データベースで情報を管理することで、業務系の情報システムに負荷を与えずに病院内の情報の分析を行なうことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、医療改革によって、国内の特定機能病院(国立大学病院、本院及びナショナルセンタ病院)で、医療費1日包括化支払い方式の基礎となっているDPC(診断群分類:Diagnosis Procedure Combination)による包括評価が試行された。今日、DPC評価はその枠を広げ、平成16年4月から、特定機能病院以外の一般病院にも試行されることとなった。
【0004】
DPCとは、診断と治療の組み合わせという意味であるが、従来使用されてきたDRG(Diagnosis Related Group)/PPS(Prospective Payment System)とは次の2つの点で異なる。
【0005】
まず、1点目の違いは、欧米型のDRGが疾病を外科的処置の有無によって第一に分類する一方、DPCは傷病名を基本として、次に手術・処置の選択、最後に重症度等の有無によって分類する点である。よって、臨床現場における診療の思考過程により近い分類である。
【0006】
次いで、2点目の違いは、従来のDRG/PPSが1入院当たりの定額払いを基本としている一方、DPCでは1日当たりの定額払い方式となっている点である。DRG/PPSでは、入院期間の長短に関わらず支払金額が同じことへの患者側の不満がなく、平均在院日数を超える入院でも病院が金額持出しとなることはない。ただし、DRG/PPSでは、1日当りの包括点数には従来の入院費と同じ短期加算・長期減算の仕組みが取り入れられ、在院日数短縮へのインセンティブが働くようになっている。
【0007】
図29は、DPC評価の診療報酬を構成するDPC包括部分及び出来高部分を説明する図である。
【0008】
図29には、主な診療行為分類として、診察料、投薬料、注射費、処置小計、手術小計、検査小計、画像診断小計、その他費用、入院費及び食事療養費を示す。DPC評価による診療報酬は、ホスピタリティ的な項目である包括部分と、ドクターフィー的な項目である出来高部分とから構成される。診療行為分類が例えば診察料の場合、診察料のうち在宅医療の費用や指導管理料については出来高部分に配されるが、その他の診察料については包括部分に配される。また、例えば処置小計の場合、処置小計のうち1000点以上の処置費用については出来高部分に配されるが、1000点を超えたものについては包括部分に配される。
【0009】
一般病院へのDPC評価制度の導入は、医療費削減を志向した改革の一つと位置付けられるが、当該病院経営にとって、医療の質及び診療報酬を維持しつつ、かつ不採算医療を明確にして医療コストを削減することが急務の課題である。
【0010】
一般病院にDPC評価制度が導入されると、DPC評価制度導入前と比較して、当該病院の経営状態がどのように変化するのかが不透明である。
【0011】
そこで、当該病院における現在の病院データで、DPC評価制度導入後の診療報酬をシミュレーションできれば、DPC評価制度導入後における当該病院の収支を予測できる。また、診療行為と当該病院の収支との関係を分析することで不採算診療行為が明確にすることができる。
【0012】
また、DPC評価制度が導入されている特定機能病院、DPC評価制度が導入された後の一般病院の経営収支においても、DPC評価制度導入後の診療報酬をシミュレーションできれば、当該病院の収支の現状を把握できる。
【特許文献1】特開2002−24479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、DPC評価制度導入後の診療報酬をシミュレーションするツールが存在しない。この理由の1つとして、コーディングポリシーが見えないということが挙げられる。DRGとICD(International Classification of Diseases)コーディングは不可分の関係にあるが、ICDコーディングが普及していない。そのため、例えば同一の傷病名でも異なったDPCコードが付与されることがあり、DPC単位で傷病名毎の診療報酬をシミュレーションすることができない。
【0014】
さらに、DPC評価制度導入後の診療報酬をシミュレーションするには、病院内に存在する医事会計データ及び病歴データを抽出した統合データベースをそのまま利用することができず、患者毎の1入院当たりの費用として管理されたデータベースを構築する必要がある。
【0015】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、当該病院のDPC毎に、DPC評価を導入した場合としない場合との診療報酬を比較でき、DPC評価導入時における病院収支に影響を与える不採算診療行為を統計的に絞り込むことができる病院経営情報分析システム、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明の第2の目的は、当該病院にDPC毎に、DPC評価導入時における当該病院収支に影響を与える不採算医療が施された患者を統計的に絞り込むことができる病院経営情報分析システム、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【0017】
さらに、本発明の第3の目的は、当該病院で転科した患者を1入院としてDPC評価した場合と、複数入院毎に確定するそれぞれのDPCコードでDPC評価した場合との診療報酬を比較できる病院経営情報分析システム、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る病院経営情報分析システムは、上述した課題を解決するために、病院内に存在する医事会計データ及び病歴データを統計処理して分析可能とする情報分析システムにおいて、前記医事会計データ及び前記病歴データをそれぞれ取り込み、患者毎1入院当たりのデータとして統合された病院データを管理する病院データ管理システムと、DPCをDPCコードとして確定する一方、前記病院データから1患者のデータである患者データを確定して、この患者データに前記DPCコードをコーディングする手順と、前記DPCコードがコーディングされた患者データを用いて診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算し、この演算結果からDPC評価導入時の病院経営を分析及び表示する手順とを実行させるためのプログラムを有する端末とをネットワークを介して接続した。
【0019】
また、本発明に係る病院経営情報分析システムは、病院内に存在する医事会計データ及び病歴データを統計処理して分析可能とする情報分析システムにおいて、前記医事会計データ及び前記病歴データをそれぞれ取り込み、患者毎1入院当たりのデータとして統合された病院データを管理する病院データ管理システムと、DPCをDPCコードとして確定する一方、前記病院データから1患者のデータである患者データを確定して、この患者データに前記DPCコードをコーディングする手順と、前記DPCコードがコーディングされた患者データを用いて診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算し、この演算結果からDPC評価導入時の病院経営を分析及び表示する手順とを実行させるためのプログラムを有するコンピュータと、前記病院経営の分析の際に使用される種々の画面を表示する表示装置、及び、この表示装置に表示される画面に従って選択操作できる操作装置を有する端末とをネットワークを介して接続した。
【0020】
本発明に係る病院経営情報分析方法は、上述した課題を解決するために、病院内に存在する医事会計データ及び病歴データを統計処理して分析可能とする情報分析方法において、前記医事会計データ及び前記病歴データがそれぞれ取り込まれ、患者毎1入院当たりのデータとして統合された病院データが管理される病院データ管理工程と、DPCがDPCコードとして確定され、前記病院データから1患者のデータである患者データが確定され、この患者データに前記DPCコードをコーディングするDPCコーディング工程と、前記DPCコードがコーディングされた患者データに含まれる診断行為分類毎の費用から診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算し、その演算結果からDPC評価導入時の病院経営の分析及び表示を行なうデータ分析・表示工程とを有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る病院経営情報分析システム、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムによると、DPC評価導入時における当該病院収支に影響を与える不採算診療行為を統計的に絞り込むことができる。
【0022】
また、本発明に係る病院経営情報分析システム、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムによると、当該病院にDPC毎に、DPC評価導入時における当該病院収支に影響を与える不採算医療が施された患者を統計的に絞り込むことができる。
【0023】
さらに、本発明に係る病院経営情報分析システム、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムによると、当該病院で転科した患者を1入院としてDPC評価した場合と、複数入院毎に確定するそれぞれのDPCコードでDPC評価した場合との診療報酬を比較できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明に係る病院経営情報分析システム、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る病院経営情報分析システム、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムの第1実施の形態を示すブロック図である。
【0026】
図1は、所定の病院における医事会計データ(月々の医事会計情報)を管理する医事会計データ管理システム8と、病歴データ(退院サマリ)を管理する病歴データ管理システム9と、患者1入院当たりのデータを管理して、そのデータからDPC評価導入時の病院経営を分析及び表示する病院経営情報分析システム10とを示す。
【0027】
病院経営情報分析システム10には、医事会計データ及び病歴データを月次で取り込み、1患者1入院当たりの患者データとして統合し、この患者データを複数患者毎に病院データとして管理する病院DB(Data Base)を構築する病院経営情報保管システム11と、この病院経営情報保管システム11で管理された病院データに含まれる患者データを基にして患者1入院当たりの診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算し、この演算結果からDPC評価導入時の病院経営の分析及び表示を実行するコンピュータ12、例えばPC(Personal Computer)等の端末12a、とが備えられる。
【0028】
医事会計データ管理システム8、病歴データ管理システム9、病院経営情報保管システム11及び端末12aは、データ通信可能なネットワーク、例えば病院内のLAN(Local Area Network)18、によってそれぞれ接続されている。
【0029】
医事会計データ管理システム8には、医事会計データを管理する医事会計DB(図示しない)が設けられ、この医事会計DBには、患者毎に、診療行為分類、例えば診察料、投薬料、注射費、処置小計、手術小計、検査小計、手術小計、検査小計、画像診断小計、その他費用、入院費及び食事療養費、毎の診療報酬の明細が管理されている。
【0030】
病歴データ管理システム9には、病歴データを管理する病歴DB(図示しない)が設けられ、この病歴DBには、患者毎に、例えば、入退院日、担当科、傷病名、手術名及び転帰等の病歴の明細が管理される。
【0031】
病院経営情報分析システム10の病院経営情報保管システム11には、医事会計データ管理システム8及び病歴データ管理システム9から月次で読み込まれた医事会計データ及び病歴データを、1患者1入院当たりの患者データとして統合し、この患者データを複数患者毎に病院データとして一元的に管理する病院DB27と、LAN18を介して外部の業務系の情報システムと通信するための制御部28とが設けられる。なお、病院経営情報保管システム11は、医事会計データ管理システム8及び病歴データ管理システム9以外の情報システムのデータ、例えば経理システムのコストデータ(損益データの中の診療コストと管理コスト)、を月次で読み込んで、患者毎の1入院当たりのデータとして病院DB27で管理することができる。
【0032】
図2は、病院DB27で管理される病院データを示す表である。
【0033】
図2に示された病院データは、医事会計データ管理システム8及び病歴データ管理システム9から月次で読み込まれた医事会計データ及び病歴データが、1患者1入院当たりの患者データとして統合され、複数患者毎の患者データから構成される。
【0034】
1入院当たりの患者データは、入院月毎かつ診療行為分類(診察料、投薬料、注射費、処置小計、手術小計、検査小計、画像診断小計、その他費用、入院費及び食事療養費等)毎の費用(収入)の医事会計データから得られる情報と、入退院日、担当科、傷病名及び手術名等の病歴データから得られる情報とをもっている。
【0035】
また、図1に示された病院経営情報分析システム10の端末12aには、ROM(Read Only Memory)31と、CPU(Central Processing Unit)32と、RAM(Random Access Memory)33と、外部記憶装置34と、操作装置35と、表示装置36と、記憶媒体駆動装置37と、通信装置38とが設けられ、ROM31、CPU32、RAM33、外部記憶装置34、操作装置35、表示装置36、記憶媒体駆動装置37及び通信装置38は、バス39によってそれぞれ接続されている。
【0036】
ROM31には、端末12aを動作させるための基本プログラム等が予め記憶されている。RAM33は、CPU32の作業領域等として用いられる。
【0037】
記憶媒体駆動装置37は、記録媒体40を動作させる。記録媒体40は、例えば、CD(Compact Disk)−ROMから構成される。このCD−ROMには、端末12aに、DPC(DPC:Diagnosis Procedure Combination)をDPCコードとして確定する一方、病院内に存在する医事会計データ及び病歴データが患者毎1入院当たりのデータとして統合された病院データから1患者のデータである患者データを確定して、この患者データにDPCコードをコーディングする手順と、この患者データを用いて診療報酬を出来高評価及び診断群分類評価でそれぞれ演算し、この演算結果からDPC評価導入時の病院経営を分析及び表示する手順とを実行させる病院経営情報分析実行プログラム等が記録されている。記憶媒体駆動装置37は、CD−ROMドライブ等から構成され、CPU32制御の下、記録媒体40から病院経営情報分析実行プログラム等を読み出し、必要に応じて病院経営情報分析実行プログラム等が外部記憶装置34にインストールされるように橋渡しする。
【0038】
なお、記憶媒体40は、CD−ROMに限定されるものではなく、記憶媒体駆動装置35としてDVD(Digital Versatile Disk)ドライブ及びFD(Floppy Disk)ドライブ等が設けられる場合、DVD及びFD等であってもよい。
【0039】
外部記憶装置34は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)から構成される。外部記憶装置34には、上記のように、病院経営情報分析実行プログラムがインストールされると共に、種々のコンピュータプログラムが一般的な方法にて予めインストールされている。
【0040】
CPU32は、ROM31から基本プログラム等を読み出すと共に、外部記憶装置34から病院経営情報分析実行プログラムを読み出し、病院経営情報分析を行なうためのデータ処理等を実行する。なお、ROM31に基本プログラム等に加えて病院経営情報分析実行プログラムを記録しておいてもよく、この場合には、CPU32が、ROM31から基本プログラム等と病院経営情報分析実行プログラムを読み出し、病院経営情報分析を行なうためのデータ処理等を実行する。
【0041】
操作装置35は、キーボードやマウス等から構成される。そして、操作者の操作に応じた種々の指令等が入力される。
【0042】
表示装置36は、CRT(Cathode Ray Tube)又は液晶表示装置等から構成される。表示装置36には、CPU32制御の下、病院経営情報分析の際に使用される種々の画面が表示される。
【0043】
続いて、病院経営情報分析システム10、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムを用いた病院経営情報分析方法について、図3に示されたフローチャートを用いて説明する。
【0044】
まず、病院経営情報分析システム10の病院経営情報保管システム11に、医事会計データ管理システム8及び病歴データ管理システム9から医事会計データ及び病歴データがそれぞれ月毎に取り込まれ、病院DB27で患者1入院当たりの患者データとして統合され、図2に示すように、患者データが複数患者毎の病院データとして管理される(ステップS1)。
【0045】
続いて、病院経営情報分析システム10の端末12aに設けたCPU32は、病院経営情報分析実行プログラム等を実行する。病院経営情報分析実行プログラムが実行されると、CPU32は、まず、DPCをDPCコードとして確定する一方、病院データから1患者のデータである患者データを確定して、この患者データにDPCコードをコーディングする(ステップS2)。例えば、まず、CPU32は、操作者がモード(手術名モード又は傷病名モード)を選択できるモード選択画面(図4に示す)を表示装置36に表示する(ステップS2a)。そして、CPU32は、モード選択画面上で、操作者によって操作装置35が用いられて「手術名モード」がクリックされたか、又は、「傷病名モード」がクリックされたかによって、手術名モード及び傷病名モードのうちどちらが選択されたかを判断する(ステップS2b)。
【0046】
ステップS2bの判断にて、CPU32が、手術名モードが選択されたと判断した場合、DPCコードを構成するMDC(Major Diagnosis Category)を確定するために、CPU32は、MDCの各要素(「MDC[疾患名]」)を表示装置36に表示する(ステップS2c)。
【0047】
以下ステップS2hまで、DPCコードを構成するMDC(DPCコード左端から1及び2桁目がもつ情報)をMDC<06>と確定し、DPCコードを構成する手術区分(DPCコード左端から9及び10桁目がもつ情報)を手術区分<04>と確定し、DPCコードを構成する傷病区分(DPCコード左端から3乃至6桁目がもつ情報)として傷病区分<0335>を選択することでDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>を確定する場合について以下に説明するが、DPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>を確定する場合に限定されるものではない。
【0048】
図5乃至7は、DPC分類定義選択(手術名モード)画面の一例を示す図である。
【0049】
図5は、MDCの「MDC[疾患名]」が、例えばプルダウンメニュー(ドロップダウンメニュー)方式で表示されるDPC分類選択(手術名モード)の画面である。
【0050】
ここで、「MDC[疾患名]」として、「MDC01[神経系疾患]」、「MDC02[眼科系疾患]」、「MDC03[耳鼻咽喉科系疾患]」、「MDC04[呼吸器系疾患]」、「MDC05[循環器系疾患]」、「MDC06[消化器系疾患、肝臓、胆道・膵臓疾患]」、「MDC07[筋骨格系疾患]」、「MDC08[皮膚・皮下組織の疾患]」、「MDC09[乳房の疾患]」、「MDC10[内分泌・栄養・代謝に関する疾患]」、「MDC11[腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患]」、「MDC12[女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常妊娠分娩]」、「MDC13[血液・造血器・免疫臓器の疾患]」、「MDC14[新生児疾患、先天性奇形]」、「MDC15[小児疾患]」及び「MDC16[外傷・火傷・中毒、異物、その他の疾患]」の16種が挙げられる。
【0051】
図5に示されたDPC分類定義選択(手術名モード)画面のように、操作者によってマウス等の操作装置35が用いられ、メニューに表示された複数の「MDC[疾患名]」の中から所要の「MDC[疾患名]」である「MDC06[消化器系疾患、肝臓、胆道・膵臓疾患]」が選択される。「MDC06[消化器系疾患、肝臓、胆道・膵臓疾患]」が選択されると、CPU32は、MDCをMDC<06>と確定する(ステップS2d)。
【0052】
続いて、DPCコードを構成する手術区分を確定するために、CPU32は、手術区分の各要素(「手術名」)を表示装置36に表示する(ステップS2e)。なお、表示画面36の表示では、ステップS2dで選択された「MDC06[消化器系疾患、肝臓、胆道・膵臓疾患]」に対応する「手術名」を表示するものとする。
【0053】
図6は、手術区分の「手術名」が、例えば、プルダウンメニュー(ドロップダウンメニュー)方式で表示されるDPC分類定義選択(手術名モード)画面である。
【0054】
図6に示されたDPC分類定義選択(手術名モード)画面のように、操作者によって操作装置35が用いられ、メニューに表示された複数の「手術名」の中から所要の「手術名」である「腹腔鏡下胆嚢摘出術(ラパコレ:Laparoscopic cholecystectomy)」が選択される。「腹腔鏡下胆嚢摘出術」が選択されると、CPU32は、手術区分を手術区分<04>と確定する(ステップS2f)。
【0055】
ステップS2fで手術区分が確定されると、CPU32は、DPCコードを構成する傷病区分を確定するために、傷病区分の各要素(「傷病名」)を表示装置36に表示する(ステップS2g)。なお、表示画面36の表示では、ステップS2dで選択された「MDC06[消化器系疾患、肝臓、胆道・膵臓疾患]」及びステップS2fで選択された「腹腔鏡下胆嚢摘出術」に対応する「傷病名」を表示するものとする。
【0056】
図7は、傷病区分の「傷病名」が、例えば、一覧で表示されるDPC分類定義選択(手術名モード)画面である。
【0057】
図7に示されたDPC分類定義選択(手術名モード)画面のように、操作者によって操作装置35が用いられ、一覧表示された複数の「DPCコード」の中から所要の「DPCコード」であるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>が選択される。DPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>が選択されると、CPU32は、所要DPCコードであるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>を確定する(ステップS2h)。ここで、DPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>を選択する際、操作者は、図7に示すDPC分類定義選択(手術名モード)画面上に示された複数の「傷病名」を見ながら所要の「傷病名」である「胆嚢水腫、胆嚢炎等」を選択することで行なわれる。
【0058】
図7に示すDPC分類定義選択(手術名モード)画面上に示された複数の「傷病名」を見ながら「胆嚢水腫、胆嚢炎等」を選択すると、CPU32は、「胆嚢水腫、胆嚢炎等」に相当し、DPCコードを構成する副傷病区分(DPCコード左端から13桁目がもつ情報)の要素(「あり/なし」)が「なし」の場合のDPCコード<0603353x04x00x>と、「あり」の場合のDPCコード<0603353x04x01x>とを確定することになる。
【0059】
なお、「手術名」として「腹腔鏡下胆嚢摘出術」を、「傷病名」として「胆嚢水腫、胆嚢炎等」を確定した場合には、副傷病区分の要素のみの違いで2種のDPCコードを確定する。しかし、他の「手術名」や「傷病名」の場合には、DPCコードを構成する処置等1区分(DPCコード左端から11桁目がもつ情報)、処置等2区分(DPCコード左端から12桁目がもつ情報)、副傷病区分及び重症度等区分(DPCコード左端から14桁目がもつ情報)の組み合わせによって、複数のDPCコードを確定することになる。
【0060】
一方、ステップ2bの判断にて、CPU32が、手術名モードが選択されたと判断した場合、病院経営情報保管システム11の病院DB27で管理する病院データに含まれる全ての「手術名」を表示装置36に表示する(ステップS2i)。
【0061】
以下ステップS2lまで、手術名を腹腔鏡下胆嚢摘出術と確定する場合について説明するが、腹腔鏡下胆嚢摘出術を確定する場合に限定されるものではない。
【0062】
図8乃至10は、入院分析用累積データ(手術名モード)画面の一例を示す図である。
【0063】
図8は、手術名の検索条件が、例えばプルダウンメニュー方式で表示される入院分析用累積データ(手術名モード)の初期画面を示す図である。
【0064】
ここで、同等の手術手法であっても医者等による手術の呼び方の違いで、病歴データ管理システム9及び病院経営情報保管システム11に保管された手術名に違いがある場合がある。よって、図8に示された入院分析用累積データ(手術名モード)画面は、多項検索条件によってOR検索できるようにする。また、図8に示された入院分析用累積データ(手術名モード)画面のように、手術名の「キーワード」を入力して、このキーワードをもつ患者データを検索できるようにしてもよい。
【0065】
図9は、手術名の検索条件が、例えばプルダウンメニュー方式で表示され、メニューから選択された「腹腔鏡下胆嚢摘出」をもつ患者データを検索する入院分析用累積データ(手術名モード)画面において、「腹腔鏡下胆嚢摘出」の選択操作の一例を説明する図である。
【0066】
図9に示された入院分析用累積データ(手術名モード)画面のように、操作者によって操作装置35が用いられ、第1の検索条件のメニューに表示された複数の「手術名」から所要の「手術名」である「腹腔鏡下胆嚢摘出」が選択される。
【0067】
検索条件が選択されると、CPU32は、手術名を腹腔鏡下胆嚢摘出と確定し(ステップS2j)、病院経営情報保管システム11の病院DB27から、入院分析用累積データ(手術名モード)画面上で選択された腹腔鏡下胆嚢摘出に該当する患者データを検索する。CPU32は、検索された腹腔鏡下胆嚢摘出をもつ患者データに含まれる「傷病名」を患者毎に表示装置36に表示する(ステップS2k)。
【0068】
図10は、手術名選択結果が、例えば一覧で表示される入院分析用累積データ(手術名モード)画面である。
【0069】
図10に示されたDPC分類定義選択(手術名モード)画面のように、手術名「腹腔鏡下胆嚢摘出」をもつ患者データが患者毎に表示されると共に、患者毎の「傷病名」が一覧表示される。操作者によって操作装置35が用いられ、一覧表示された複数の「傷病名」の中から所要の「傷病名」が選択されることで、CPU32は、病院データから、データ分析に使用する、手術名「腹腔鏡下胆嚢摘出」及び所要の「傷病名」をもつ患者データを確定する(ステップS2l)。
【0070】
続いて、CPU32は、ステップS2lで確定した患者データと、ステップS2hで確定したDPCコードとをマッチングする。そして、ステップS2lで確定した患者データに、ステップS2hで確定したDPCコードをコーディングする(ステップS2m)。
【0071】
なお、図3に示されたステップS2の動作にて、ステップS2hでDPCコードを確定した後、ステップS2lで患者データを確定して双方をマッチングする場合を説明したが、ステップS2i乃至2lで患者データを確定した後、ステップS2c乃至2hでDPCコードを確定して双方をマッチングする場合であってもよい。
【0072】
患者データは、患者1入院当たりの手術名及び傷病名の情報の他、コーディングに必要な処置等1の有無、処置等2の有無、副傷病の有無及び重症度等の有無の情報をもっている。よって、CPU32は、患者データ毎の処置等1の有無、処置等2の有無、副傷病の有無及び重症度等の有無にそれぞれ相当するDPCコードを自動的に割付ける。例えば、手術名「腹腔鏡下胆嚢摘出」及び傷病名「その他の胆のう<嚢>炎を伴う胆のう<嚢>結石」をもつ患者データは、処置等2の有無及び副傷病の有無の情報をもっているので、処置等2の有無及び副傷病の有無によってステップS2hで確定したDPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>が自動的に割付けられる。
【0073】
よって、ステップS2hでDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>を確定し、ステップS2jで手術名「腹腔鏡下胆嚢摘出」が、ステップS2lで傷病名「その他の胆のう<嚢>炎を伴う胆のう<嚢>結石」が選択された場合、手術名「腹腔鏡下胆嚢摘出」及び傷病名「その他の胆のう<嚢>炎を伴う胆のう<嚢>結石」で、副傷病「なし」の患者データには、DPCコード<0603353x04x00x>がコーディングされる。同様に、手術名「腹腔鏡下胆嚢摘出」及び傷病名「その他の胆のう<嚢>炎を伴う胆のう<嚢>結石」で、副傷病「あり」の患者データには、DPCコード<0603353x04x01x>がコーディングされる。
【0074】
CPU32は、ステップS2でDPCコードがコーディングされた患者データを用いて、診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算する。その演算結果のデータを用いて、データ分析及び表示を行なう(ステップS3)。
【0075】
まず、CPU32は、ステップS2hで確定したDPCをDPCコードとして、DPC確認表示画面として表示装置36に表示する(ステップS3a)。
【0076】
操作者は、ステップS3aで表示されたDPC確認表示画面上で、DPCコードを確認し、分析対象のDPCコードであるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>を選択する。以下、DPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>が選択された場合について説明する。
【0077】
DPC確認表示画面上で、操作者によってDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>が選択されると、CPU32は、DPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>を確定する(ステップS3b)。
【0078】
続いて、CPU32は、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データに含まれる患者1入院当たりの診療行為分類毎の費用から、患者1入院当たりの診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算する。そして、それら出来高評価及びDPC評価のデータを用いて、DPC評価導入時の病院経営のデータ分析を行なう(ステップS3c)。なお、DPC評価の出来高部分に含まれる診療行為分類は、例えば、処置小計、手術小計及び食事療養費とする。
【0079】
次いで、CPU32は、ステップS3cでデータ分析されたデータ分析結果を表示装置36に表示する(ステップS3d)。
【0080】
図11は、ステップS3dで表示装置36に表示されるデータ分析結果を示すグラフである。
【0081】
ステップS3bで分析対象のDPCコードであるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>が確定する。DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>とマッチングされDPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>を代表する複数の患者データを用いて、DPC評価導入時の、DPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>における病院経営を分析する。
【0082】
すなわち、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>を代表する患者データに含まれる患者1入院当たりの診療行為分類毎の費用から、患者1入院当たりの診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算する。図11は、ステップS3dで表示装置36に表示される、患者データ毎の出来高評価の診療報酬を平均する一方、患者データ毎のDPC評価の診療報酬をそれぞれ平均して、双方を比較するグラフである。
【0083】
ここで、出来高評価の診療報酬は、患者1入院当たりの診療行為分類としての診察料、投薬料、注射費、処置小計、手術小計、検査小計、画像診断小計、その他費用、入院費及び食事療養費から構成される。一方、DPC評価の診療報酬は、患者1入院当たりの診療行為分類としての処置小計、手術小計及び食事療養費を配したDPC包括部分及び出来高部分から構成される。
【0084】
図12乃至22は、ステップS3dで表示装置36に表示されるデータ分析結果の第1変形例を示すグラフである。
【0085】
ステップS3bで分析対象のDPCコードであるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>が確定する。DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>とマッチングされDPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>を代表する複数の患者データを用いて、DPC評価導入時の、DPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>における病院経営を分析する。
【0086】
すなわち、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>を代表する患者データに含まれる患者1入院当たりの診療行為分類毎の費用から、患者1入院当たりの診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算する。そして、それら出来高評価とDPC評価の差(DPC評価−出来高評価、以下、「DPC差」という。)を算出する。図12乃至20は、ステップS3dで表示装置36に表示される、DPC差と主な診療行為分類毎の費用との関係をそれぞれ示すグラフである。なお、主な診療行為分類として、図12乃至20のそれぞれのグラフのx軸項に示された診察料、投薬料、注射費、処置小計、手術小計、検査小計、画像診断小計、その他費用及び入院費の9種を挙げるが、これら9種に限定されるものではない。
【0087】
具体的には、図12は、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データから算出するDPC差(y円)と診察料(x円)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0088】
図13は、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データから算出するDPC差(y円)と投薬料(x円)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0089】
図14は、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データから算出するDPC差(y円)と注射費(x円)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0090】
図15は、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データから算出するDPC差(y円)と処置小計(x円)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0091】
図16は、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データから算出するDPC差(y円)と手術小計(x円)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0092】
図17は、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーデングされた患者データから算出するDPC差(y円)と検査小計(x円)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0093】
図18は、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データから算出するDPC差(y円)と画像診断小計(x円)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0094】
図19は、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データから算出するDPC差(y円)とその他費用(x円)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0095】
図20は、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データから算出するDPC差(y円)と入院費(x円)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0096】
また、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データに含まれる患者1入院当たりの診療行為分類毎の費用から、患者1入院当たりの診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算し、患者1入院当たりのDPC差を算出する。図21は、ステップS3dで表示装置36に表示される、DPC差と入院日数との関係を示すグラフである。
【0097】
具体的には、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データから算出するDPC差(y円)と入院日数(x日)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0098】
さらに、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>コーディングされた患者データに含まれる患者1入院当たりの診療行為分類毎の費用から、患者1入院当たりの診療報酬を出来高評価で演算する。図22は、ステップS3dで表示装置36に表示される、出来高評価と入院日数との関係を示すグラフである。
【0099】
具体的には、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データから算出する出来高評価(y円)と入院日数(x日)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0100】
当該病院における「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>の場合、図14,17,18,20及び21に示したグラフから、DPC差と、主な診療行為分類の費用との関係に強い負の相関があることがわかる。
【0101】
具体的には、図14に示したグラフでは、DPC差と注射費との関係に強い負の相関(r=-0.844)がある。よって、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、患者に対する注射費が増大する程、出来高評価(診療コスト)に対するDPC評価が減少して、DPC評価導入後は減益することを示す。
【0102】
図17に示されたグラフでは、DPC差と検査小計との関係に強い負の相関(r=-0.737)がある。よって、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、患者に対する検査小計が増大する程、出来高評価に対するDPC評価が減少して、DPC評価導入後は減益することを示す。
【0103】
図18に示されたグラフでは、DPC差と画像診断小計との関係に強い負の相関(r=-0.799)がある。よって、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、患者に対する画像診断小計が増大する程、出来高評価に対するDPC評価が減少して、DPC評価導入後は減益することを示す。
【0104】
図20に示されたグラフでは、DPC差と入院費との関係に強い負の相関(r=-0.708)がある。よって、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、患者に対する入院費が増大する程、出来高評価に対するDPC評価が減少して、DPC評価導入後は減益することを示す。
【0105】
図21に示されたグラフでは、DPC差と入院日数との関係に強い負の相関(r=-0.665)がある。よって、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、患者に対する入院日数が増大する程、出来高評価に対するDPC評価が減少して、DPC評価導入後は減益することを示す。
【0106】
また、図14,17,18,20及び21に示されたグラフを比較すると、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、回帰直線の傾斜の絶対値が最大である検査小計の診療コストを削減することが、DPC評価導入後の収支改善に効果的であると推測できる。
【0107】
さらに、図22に示されたグラフでは、診療報酬と入院日数との関係に強い正の相関(r=0.877)がある。よって、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、患者に対する入院日数が増大する程、出来高評価が増大することを示す。
【0108】
なお、図12乃至22に示されたグラフのうち、2種以上のグラフを表示装置36に表示する場合、同一画面上への並列表示、スクロール表示、スタック表示又はページ切替表示等によって表示してもよい。
【0109】
また、図12乃至22に示されたグラフのうち、相関係数r又は回帰直線の傾斜が所定値を超えたグラフについては、グラフの表示形態、例えばグラフ背景色、マーカー色又は回帰直線色、の変更を行ない、相関係数r及び回帰直線の傾斜が所定値以下のグラフと視覚的に区別できるようにしてもよい。
【0110】
図23は、ステップS3dで表示装置36に表示されるデータ分析結果の第2変形例を示すグラフである。
【0111】
ステップS3bで分析対象のDPCコードであるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>が確定する。DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>とマッチングされDPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>を代表する複数の患者データを用いて、DPC評価導入時の、DPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>における病院経営を分析する。
【0112】
すなわち、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>を代表する患者データに含まれる患者1入院当たりの診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算し、患者毎にDPC差を算出する。図23は、ステップS3dで表示装置36に表示される、DPC差と主な診療行為分類毎の費用との関係を一覧として示すグラフである。なお、主な診療行為分類として、図23のグラフのx軸項に示された診察料、投薬料、注射費、処置小計、手術小計、検査小計、画像診断小計、その他費用、入院費及び食事療養費の10種を挙げるが、これら10種に限定されるものではない。
【0113】
具体的には、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データから算出するDPC差と主な診療行為分類の費用との関係(図12乃至20)を演算し、図23は、その関係から求められる回帰直線の傾斜(y)及び相関係数r(y)と、主な診療行為分類(x)との関係を示すグラフである。
【0114】
図23に示されたグラフから、当該病院における「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>の場合、DPC差と、注射費との関係に強い負の相関(r=-0.844)がある。よって、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、患者に対する注射費が増大する程、出来高評価に対するDPC評価が減少して、DPC評価導入後は減益することを示す。
【0115】
また、図23に示されたグラフから、DPC差と検査小計との関係に強い負の相関(r=-0.737)がある。よって、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、患者に対する検査小計が増大する程、出来高評価に対するDPC評価が減少して、DPC評価導入後は減益することを示す。
【0116】
さらに、図23に示されたグラフから、DPC差と画像診断小計との関係に強い負の相関(r=-0.799)がある。よって、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、患者に対する画像診断小計が増大する程、出来高評価に対するDPC評価が減少して、DPC評価導入後は減益することを示す。
【0117】
加えて、図23に示されたグラフから、DPC差と入院費との関係に強い負の相関(r=-0.708)がある。よって、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、患者に対する入院費が増大する程、出来高評価に対するDPC評価が減少して、DPC評価導入後は減益することを示す。
【0118】
また、図23に示されたグラフから診療行為分類を比較すると、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、回帰直線の傾斜の絶対値が最大である検査小計の診療コストを削減することが、DPC評価導入後の収支改善に効果的であると推測できる。
【0119】
なお、図23に示されたグラフで、相関係数r又は回帰直線の傾斜が所定値を超えた診療行為分類の領域については、表示形態を変更して表示して、相関係数r及び回帰直線の傾斜が所定値以下の診療行為分類と視覚的に区別できるようにしてもよい。
【0120】
図24は、ステップS3dで表示装置36に表示されるデータ分析結果の第3変形例を示すグラフである。
【0121】
ステップS3bで分析対象のDPCコードであるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>が確定する。DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>とマッチングされDPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>を代表する複数の患者データを用いて、DPC評価導入時の、DPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>における病院経営を分析する。
【0122】
すなわち、DPCコード<0603353x04x00x>又は<0603353x04x01x>代表する患者データに含まれる患者1入院当たりの診療報酬を出来高評価で演算する。図24は、ステップS3dで表示装置36に表示される、出来高評価(y円)と入院日数(x日)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0123】
さらに、グラフ上に、副傷病区分が「なし」であるDPCコード<0603353x04x00x>がコーディングされた患者データから演算したDPC評価(y円)と、入院日数(x日)との関係L1を示す。さらに、グラフ上に、副傷病区分が「あり」であるDPCコード<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データから演算したDPC評価(y円)と、入院日数(x日)との関係L2を示す。
【0124】
加えて、DPCコード毎に定まる入院期間I及びII並びに特定入院期間Tとして、グラフ上に、DPCコード<0603353x04x00x>で定まる入院期間I(7日)及びII(13日)並びに特定入院期間T(23日)を、また、DPCコード<0603353x04x01x>で定まる入院期間I(9日)及びII(17日)並びに特定入院期間T(32日)をそれぞれ示す。
【0125】
図24に示されたグラフから、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、ある患者1入院にかかる診療コストと、その患者と同一の入院日数で関係L1や関係L2から定まるDPC評価とを比較できる。
【0126】
また、図24に示されたグラフから、当該病院において、「腹腔鏡下胆嚢摘出術」及び「胆嚢水腫、胆嚢炎等」で定まるDPCコード<0603353x04x00x>及び<0603353x04x01x>の場合は、ある患者1入院にかかる入院日数と、その他の患者の入院日数とを比較できる。
【0127】
なお、図24に示されたグラフで、多変量分析等で所定値を超える特異点については、マーカーの表示形態、例えばマーカー形又は色、の変更を行ない、特異点ではないマーカーと視覚的に区別できるようにしてもよい。
【0128】
さらに、図24では、副傷病区分「なし」であるDPCコード<0603353x04x00x>がコーディングされた患者データのプロットと、副傷病区分「あり」であるDPCコード<0603353x04x01x>がコーディングされた患者データのプロットとを同一グラフ上に示した。しかし、DPCコード<0603353x04x00x>がコーディングされた患者のプロットを一方のグラフに、DPCコード<0603353x04x01x>がコーディングされた患者のプロットを他方のグラフにそれぞれ分けて示してもよい。
【0129】
図25は、表示装置36に表示されるデータ分析結果の第4変形例を示すグラフである。
【0130】
ステップS3bで分析対象のDPCコードである<0603353x04x01x>が確定する。DPCコード<0603353x04x01x>とマッチングされDPCコード<0603353x04x01x>がコーディングされた特定患者の特定患者データを用いて、特定患者データに含まれる特定患者1入院当たりの診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算する。図25は、表示装置36に表示される、特定患者の診療行為分類毎の出来高評価(y円)と、入院経過日数(x日目)との関係を示したグラフの一例である。
【0131】
また、グラフ上に、DPCコード<0603353x04x01x>がコーディングされた特定患者データに含まれる特定患者データから演算される出来高評価の累計(y円)及びDPC評価の累計(y円)と、入院経過日数(x日目)との関係を示す。
【0132】
なお、図25に示された特定患者は、例えば、胆嚢水腫で内科にかかった後、入院22日目から高血圧症で外科に転科(2入院)している。特定患者は、入院4日目に入院中外来としてMR(Magnetic Resonance)による検査を受け、入院12日目に入院中外来としてSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)による検査を受けている。
【0133】
さらに、内科入院の期間の特定患者データには、ステップS2fで所要の「手術名」である「なし」が選択されて手術区分が手術区分<99>と確定され、ステップS2hでDPCコードが<0603353x99x00x>と確定され、ステップS2mで確定されたDPCコード<0603353x99x00x>がコーディングされる。一方、外科入院の期間の特定患者データには、DPCコード<0603353x04x00x>がコーディングされる。すなわち、入院途中で転科した特定患者データを転科日を境として2入院に分けてDPCコードをコーディングし、内科入院の期間はDPCコード<0603353x99x01x>を、外科入院の期間はDPCコード<0603353x04x01x>を用いてDPC評価を演算する。グラフ上に、そのDPC評価の累計(y円)と、入院経過日数(x日目)との関係とを示す。
【0134】
図25に示されたグラフから、当該病院において、手術名「腹腔鏡下胆嚢摘出術」、傷病名「胆嚢水腫、胆嚢炎等」及び副傷病「あり」で定まるDPCコード<0603353x04x01x>の場合は、入院経過日数が大きくなる程、出来高評価の累計と、1入院換算のDPC評価の累計との差が大きくなる。よって、入院経過日数が長くなる程、出来高評価に対するDPC評価が減少して、DPC評価導入後は減益する。特に、入院中外来として検査を受けた入院4及び12日目では、出来高評価と、1入院のDPC評価との差が大きくなる。
【0135】
また、図25に示されたグラフから、当該病院において、手術名「腹腔鏡下胆嚢摘出術」、傷病名「胆嚢水腫、胆嚢炎等」及び副傷病「あり」で定まるDPCコード<0603353x04x01x>の場合、患者が内科から外科に転科したときは、入院経過日数が長くなる程、1入院換算のDPC評価より2入院換算のDPC評価が大きくなり、2入院換算の方がDPC評価導入時の減益が少なくなることがわかる。
【0136】
図26及び27は、表示装置36に表示されるデータ分析結果の第5変形例を示すグラフである。
【0137】
ステップS3bで分析対象のDPCコードが確定する。DPCコードを代表する複数の患者データを用いて、DPC評価導入時の、DPCコード毎の病院経営を分析する。
【0138】
すなわち、分析対象のDPCコードを代表する患者データに含まれる患者1入院当たりの診療報酬を出来高評価で演算する。図26は、ステップS3dで表示装置36に表示される、副傷病区分が「なし」及び「あり」の場合の出来高評価(y円)と入院日数(x日)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0139】
さらに、図26のグラフ上に、副傷病区分が「なし」であるDPCコードがコーディングされた患者データから演算したDPC評価(y円)と入院日数(x日)との関係L3を示す。さらに、グラフ上に、副傷病区分が「あり」であるDPCコードがコーディングされた患者データから演算したDPC評価(y円)と入院日数(x日)との関係L4を示す。
【0140】
加えて、DPCコード毎に定まる入院期間I及びII並びに特定入院期間Tとして、図26のグラフ上に、副傷病区分が「なし」であるDPCコードで定まる入院期間I及びII並びに特定入院期間Tを、また、副傷病区分が「あり」であるDPCコードで定まる入院期間I及びII並びに特定入院期間Tをそれぞれ示す。
【0141】
一方、ステップS3bで分析対象のDPCコードが確定する。DPCコードを代表する複数の患者データを用いて、DPC評価導入時の、DPCコード毎の病院経営を分析する。
【0142】
すなわち、分析対象のDPCコードを代表する患者データに含まれる患者1入院当たりの診療報酬を、所要の診療行為分類の費用、例えば処置小計、手術小計及び食事療養費、を除いた出来高評価で演算する。図27は、ステップS3dで表示装置36に表示される、所要の診療行為分類の費用を除いた副傷病区分が「なし」及び「あり」の場合の出来高評価(y円)と入院日数(x日)との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたものである。また、グラフ上に回帰直線及び相関係数rをそれぞれ表示する。
【0143】
さらに、図27のグラフ上に、副傷病区分が「なし」であるDPCコードがコーディングされた患者データから演算した所要の診療行為分類の費用を除いたDPC評価(y円)と入院日数(x日)との関係L5を示す。さらに、グラフ上に、副傷病区分が「あり」であるDPCコードがコーディングされた患者データから所要の診療行為分類の費用を除いた演算したDPC評価(y円)と入院日数(x日)との関係L6を示す。
【0144】
加えて、DPCコード毎に定まる入院期間I及びII並びに特定入院期間Tとして、図27のグラフ上に、副傷病区分が「なし」であるDPCコードで定まる入院期間I及びII並びに特定入院期間Tを、また、副傷病区分が「あり」であるDPCコードで定まる入院期間I及びII並びに特定入院期間Tをそれぞれ示す。
【0145】
図26及び27に示されたグラフから、当該病院において、ある患者1入院にかかる診療コストと、その患者と同一の入院日数で関係L1や関係L2から定まるDPC評価とを比較できる。
【0146】
また、図26及び27に示されたグラフから、当該病院において、ある患者1入院にかかる入院日数と、その他の患者の入院日数とを比較できる。
【0147】
ステップS3dで、データ分析されたデータ分析結果が表示装置36に表示されると、DPC確認画面上で、操作者によって、分析対象のDPCコードを代表する複数の患者データから任意にデータが除去されることで、CPU32は、診療報酬の再演算を行なう必要があるか否かを判断する(ステップS3e)。
【0148】
ステップ3eの判断にてYes、すなわち、操作者によって、分析対象のDPCコードを代表する複数の患者データから任意にデータが除去され、CPU32が診療報酬の再演算を行なう必要があると判断した場合、ステップS3cに戻る。一方、ステップ3eの判断にてNo、すなわち、操作者によって、分析対象のDPCコードを代表する複数の患者データから任意にデータが除去されず、CPU32が診療報酬の再演算を行なう必要がないと判断した場合、動作を終了する。
【0149】
他方、ステップS2bの判断にて、CPU32が、傷病名モードが選択されたと判断した場合、CPU32は、MDCの各要素を表示装置36に表示する(ステップS2c)。DPC分類定義選択(傷病名モード)画面上で所要の「MDC[疾患名]」が選択されると、CPU32は、MDCを確定する(ステップS2d)。
【0150】
CPU32は、傷病区分の各要素を表示装置36に表示する(ステップS2p)。なお、表示画面36の表示では、ステップS2dで選択された所要の「MDC[疾患名]」に対応する「傷病名」を表示する。DPC分類定義選択(傷病名モード)画面上で所要の「傷病名」が選択されると、CPU32は、傷病区分を確定する(ステップS2q)。
【0151】
CPU32は、手術区分の各要素を表示装置36に表示する(ステップS2r)。なお、表示画面36の表示では、ステップS2dで選択された所要の「MDC[疾患名]」及びステップS2qで選択された所要の「傷病名」に対応する「手術名」を表示するものとする。
【0152】
DPC分類定義選択(傷病名モード)画面に一覧表示された複数の「DPCコード」の中から所要の「DPCコード」が選択される。所要の「DPCコード」が選択されると、CPU32は、所要DPCコードを確定する(ステップS1h)。ここで、所要DPCコードを選択する際、操作者は、DPC分類定義選択(傷病名モード)画面上に示された複数の「手術名」を見ながら所要の「手術名」を選択することで行なわれる。
【0153】
一方、ステップ2bの判断にて、CPU32が、傷病名モードが選択されたと判断した場合、病院経営情報保管システム11の病院DB27で管理する病院データに含まれる全ての「傷病名」を表示装置36に表示する(ステップS2t)。入院分析用累積データ(傷病名モード)画面上で複数の「傷病名」から所要の「傷病名」が選択されると、CPU32は、傷病名を確定する(ステップS2u)。病院経営情報保管システム11の病院DB27から、入院分析用累積データ(傷病名モード)画面上で選択された所要の「傷病名」に該当する患者データを検索する。CPU32は、検索された所要の「傷病名」をもつ患者データに含まれる「手術名」を患者毎に表示装置36に表示する(ステップS2v)。
【0154】
DPC分類定義選択(傷病名モード)画面に、患者毎の「手術名」が一覧表示される。操作者によって操作装置35が用いられ、一覧表示された複数の「手術名」の中から所要の「手術名」が選択されることで、CPU32は、病院データから、データ分析に使用する、所要の「傷病名」及び所要の「手術名」をもつ患者データを確定する(ステップS2l)。
【0155】
続いて、CPU32は、ステップS2lで確定した患者データに、ステップS2hで確定したDPCコードをコーディングする(ステップS2m)。
【0156】
本発明に係る病院経営情報分析システム10、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムによると、ステップS1で所定の病院の医事会計データ及び病歴データを患者1入院当たりで管理し、ステップS2で患者データをコーディングし、コーディングされたDPCを代表する患者データからステップS3で図11乃至23に示されたグラフを分析結果として表示する。よって、当該病院にDPC毎に、DPC評価導入時における当該病院収支に影響を与える不採算医療を統計的に絞り込むことができる。
【0157】
また、本発明に係る病院経営情報分析システム10、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムによると、ステップS1で所定の病院の医事会計データ及び病歴データを患者1入院当たりで管理し、ステップS2で患者データをコーディングし、コーディングされたDPCを代表する患者データからステップS3で図24,26及び27に示されたグラフを分析結果として表示する。よって、当該病院にDPC毎に、DPC評価導入時における当該病院収支に影響を与える不採算医療が施された患者を統計的に絞り込むことができる。
【0158】
さらに、本発明に係る病院経営情報分析システム10、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムによると、ステップS1で所定の病院の医事会計データ及び病歴データを患者1入院当たりで管理し、ステップS2で患者データをコーディングし、当該病院で転科した特定患者の場合、ステップS3で特定患者データを、担当科毎に確定されるそれぞれのDPCコードを用いてDPC評価で演算し、このDPC評価の累計と入院経過日数との関係を図25に示されたグラフとして表示する。よって、当該病院で転科した患者を1入院としてDPC評価した場合と、複数入院毎に確定するそれぞれのDPCコードでDPC評価した場合との診療報酬を比較できる。
【0159】
図28は、本発明に係る病院経営情報分析システム、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムの第2実施の形態を示すブロック図である。
【0160】
図28は、病院経営情報分析システム10Aを示し、この病院経営情報分析システム10Aには、病院経営情報保管システム11と、DPCをDPCコードとして確定する一方、病院データから1患者のデータである患者データを確定して、この患者データにDPCコードをコーディングする手順と、DPCコードがコーディングされた患者データを用いて診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算し、この演算結果からDPC評価導入時の病院経営を分析及び表示する手順とを実行させるためのプログラムを有するコンピュータ12と、病院経営の分析の際に使用される種々の画面を表示する表示装置(図示しない)及び表示装置に表示される画面に従って選択操作できる操作装置(図示しない)を有する端末50とを備える。
【0161】
医事会計データ管理システム8、病歴データ管理システム9、病院経営情報保管システム11、コンピュータ12及び端末50は、データ通信可能なネットワーク、例えば病院内のLAN18、によってそれぞれ接続されている。
【0162】
病院経営情報分析システム10A、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムを用いた病院経営情報分析方法では、操作者が端末50を操作することによって、図3に示されたフローチャートと同様の動作が行なわれる。
【0163】
本発明に係る病院経営情報分析システム10A、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムによると、ステップS1で所定の病院の医事会計データ及び病歴データを患者1入院当たりで管理し、ステップS2で患者データをコーディングし、コーディングされたDPCを代表する患者データからステップS3で図11乃至23に示されたグラフを分析結果として表示する。よって、当該病院にDPC毎に、DPC評価導入時における当該病院収支に影響を与える不採算医療を統計的に絞り込むことができる。
【0164】
また、本発明に係る病院経営情報分析システム10A、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムによると、ステップS1で所定の病院の医事会計データ及び病歴データを患者1入院当たりで管理し、ステップS2で患者データをコーディングし、コーディングされたDPCを代表する患者データからステップS3で図24,26及び27に示されたグラフを分析結果として表示する。よって、当該病院にDPC毎に、DPC評価導入時における当該病院収支に影響を与える不採算医療が施された患者を統計的に絞り込むことができる。
【0165】
さらに、本発明に係る病院経営情報分析システム10A、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムによると、ステップS1で所定の病院の医事会計データ及び病歴データを患者1入院当たりで管理し、ステップS2で患者データをコーディングし、当該病院で転科した特定患者の場合、ステップS3で特定患者データを、担当科毎に確定されるそれぞれのDPCコードを用いてDPC評価で演算し、このDPC評価の累計と入院経過日数との関係を図25に示されたグラフとして表示する。よって、当該病院で転科した患者を1入院としてDPC評価した場合と、複数入院毎に確定するそれぞれのDPCコードでDPC評価した場合との診療報酬を比較できる。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明に係る病院経営情報分析システム、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムの第1実施の形態を示すブロック図。
【図2】病院DBで管理される病院データを示す表。
【図3】本発明に係る病院経営情報分析方法を示すフローチャート。
【図4】モード選択画面を示す図。
【図5】DPC分類定義選択(手術名モード)画面の一例を示す図。
【図6】DPC分類定義選択(手術名モード)画面の一例を示す図。
【図7】DPC分類定義選択(手術名モード)画面の一例を示す図。
【図8】入院分析用累積データ(手術名モード)画面の一例を示す図。
【図9】入院分析用累積データ(手術名モード)画面の一例を示す図。
【図10】入院分析用累積データ(手術名モード)画面の一例を示す図。
【図11】データ分析結果を示すグラフ。
【図12】データ分析結果の第1変形例であり、DPC差と診察料との関係を示すグラフ。
【図13】データ分析結果の第1変形例であり、DPC差と投薬料との関係を示すグラフ。
【図14】データ分析結果の第1変形例であり、DPC差と注射費との関係を示すグラフ。
【図15】データ分析結果の第1変形例であり、DPC差と処置小計との関係を示すグラフ。
【図16】データ分析結果の第1変形例であり、DPC差と手術小計との関係を示すグラフ。
【図17】データ分析結果の第1変形例であり、DPC差と検査小計との関係を示すグラフ。
【図18】データ分析結果の第1変形例であり、DPC差と画像診断小計との関係を示すグラフ。
【図19】データ分析結果の第1変形例であり、DPC差とその他小計との関係を示すグラフ。
【図20】データ分析結果の第1変形例であり、DPC差と入院費との関係を示すグラフ。
【図21】データ分析結果の第1変形例であり、DPC差と入院日数との関係を示すグラフ。
【図22】データ分析結果の第1変形例であり、出来高評価と入院日数との関係を示すグラフ。
【図23】データ分析結果の第2変形例を示すグラフ。
【図24】データ分析結果の第3変形例を示すグラフ。
【図25】データ分析結果の第4変形例を示すグラフ。
【図26】データ分析結果の第5変形例であり、副傷病区分が「なし」及び「あり」の場合の出来高評価と入院日数との関係を示すグラフ。
【図27】データ分析結果の第5変形例であり、副傷病区分が「なし」及び「あり」の場合の所要の診療行為分類の費用を除いた出来高評価と入院日数との関係を示すグラフ。
【図28】本発明に係る病院経営情報分析システム、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラムの第2実施の形態を示すブロック図。
【図29】DPC評価の診療報酬を構成するDPC包括部分及び出来高部分を説明する図。
【符号の説明】
【0167】
10,10A 病院経営情報分析システム
11 病院経営情報管理システム
12 コンピュータ
12a,50 端末
18 LAN
35 操作装置
36 表示装置
40 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院内に存在する医事会計データ及び病歴データを統計処理して分析可能とする情報分析システムにおいて、
前記医事会計データ及び前記病歴データをそれぞれ取り込み、患者毎1入院当たりのデータとして統合された病院データを管理する病院データ管理システムと、
DPCをDPCコードとして確定する一方、前記病院データから1患者のデータである患者データを確定して、この患者データに前記DPCコードをコーディングする手順と、前記DPCコードがコーディングされた患者データを用いて診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算し、この演算結果からDPC評価導入時の病院経営を分析及び表示する手順とを実行させるためのプログラムを有する端末とをネットワークを介して接続したことを特徴とする病院経営情報分析システム。
【請求項2】
病院内に存在する医事会計データ及び病歴データを統計処理して分析可能とする情報分析システムにおいて、
前記医事会計データ及び前記病歴データをそれぞれ取り込み、患者毎1入院当たりのデータとして統合された病院データを管理する病院データ管理システムと、
DPCをDPCコードとして確定する一方、前記病院データから1患者のデータである患者データを確定して、この患者データに前記DPCコードをコーディングする手順と、前記DPCコードがコーディングされた患者データを用いて診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算し、この演算結果からDPC評価導入時の病院経営を分析及び表示する手順とを実行させるためのプログラムを有するコンピュータと、
前記病院経営の分析の際に使用される種々の画面を表示する表示装置、及び、この表示装置に表示される画面に従って選択操作できる操作装置を有する端末とをネットワークを介して接続したことを特徴とする病院経営情報分析システム。
【請求項3】
病院内に存在する医事会計データ及び病歴データを統計処理して分析可能とする情報分析方法において、
前記医事会計データ及び前記病歴データがそれぞれ取り込まれ、患者毎1入院当たりのデータとして統合された病院データが管理される病院データ管理工程と、
DPCがDPCコードとして確定され、前記病院データから1患者のデータである患者データが確定され、この患者データに前記DPCコードをコーディングするDPCコーディング工程と、
前記DPCコードがコーディングされた患者データに含まれる診断行為分類毎の費用から診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算し、その演算結果からDPC評価導入時の病院経営の分析及び表示を行なうデータ分析・表示工程とを有することを特徴とする病院経営情報分析方法。
【請求項4】
前記DPCコーィング工程では、前記DPCコードを構成するMDCの各要素、手術名の各要素及び傷病名の各要素が選択可能に表示され、前記MDCの各要素、手術名の各要素及び傷病名の各要素からMDC、手術名及び傷病名が選択されることで、前記DPCコードが確定されることを特徴とする請求項3に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項5】
前記DPCコーィング工程では、前記病院データに含まれる複数の「手術名」及び「傷病名」が選択可能に画面表示され、前記複数の「手術名」及び「傷病名」から所要の「手術名」及び「傷病名」が選択されることで、前記患者データが確定されることを特徴とする請求項3に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項6】
前記出来高評価は、前記患者データに含まれる診療行為分類の費用としての診察料、投薬料、注射費、処置小計、手術小計、検査小計、画像診断小計、その他費用、入院費及び食事療養費から演算され、前記DPC評価は、前記患者データに含まれる診療行為分類の費用としての処置小計、手術小計及び食事療養費から演算されることを特徴とする請求項3に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項7】
前記データ分析・表示工程では、前記患者データ毎の出来高評価が平均される一方、前記患者データ毎のDPC評価が平均されて双方を比較するグラフが表示されることを特徴とする請求項3に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項8】
前記データ分析・表示工程では、前記出来高評価と前記DPC評価との差であるDPC差が算出され、このDPC差と前記診療行為分類毎の費用との関係を、前記患者データ毎に散布図の形でプロットしたグラフが表示されることを特徴とする請求項3に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項9】
前記診療行為分類として2種以上が選択され、前記DPC差と前記診療行為分類毎の費用との関係が2種以上のグラフとして表示される場合、前記2種以上のグラフが、同一画面上に並列表示、スクロール表示、スタック表示又はページ切替表示されることを特徴とする請求項8に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項10】
前記グラフ上に、前記散布図の回帰直線及び相関係数がそれぞれ表示されることを特徴とする請求項8に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項11】
前記相関係数又は前記回帰曲線の傾斜が所定値を超えたグラフについては、表示形態が変更されて表示されることを特徴とする請求項10に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項12】
前記グラフから前記散布図の相関係数及び回帰直線の傾斜が演算され、前記相関係数及び前記回帰直線の傾斜と前記診療行為分類との関係を示すグラフを表示することを特徴とする請求項8に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項13】
前記回帰曲線の傾斜又は前記相関係数が所定値を超えた診療行為分類の領域については、表示形態が変更されて表示されることを特徴とする請求項12に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項14】
前記データ分析・表示工程では、前記出来高評価と入院日数との関係を、患者データ毎に散布図の形でプロットしたグラフを表示し、このグラフ上に、前記DPC評価と入院日数との関係が表示されることを特徴とする請求項3に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項15】
前記データ分析・表示工程では、前記出来高評価と入院日数との関係を、患者毎に散布図の形でプロットしたグラフを表示し、このグラフ上に、前記DPC評価のうち包括部分と入院日数との関係が表示されることを特徴とする請求項3に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項16】
前記グラフ上に、前記散布図の回帰直線及び相関係数がそれぞれ表示されることを特徴とする請求項14又は15に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項17】
前記グラフ上に、前記散布図の回帰直線及び相関係数がそれぞれ表示され、前記回帰曲線の傾斜又は前記相関係数が所定値を超えた診療行為分類の領域については、表示形態が変更されて表示されることを特徴とする請求項14又は15に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項18】
入院途中で転科した特定患者の特定患者データに含まれる診療行為分類毎の費用から、診療報酬を出来高評価及びDPC評価でそれぞれ演算し、その出来高評価と入院経過日数との関係をグラフとして表示し、そのグラフ上に、前記出来高評価の累計及び前記DPC評価の累計と入院経過日数との関係を表示し、また、前記特定患者データを、担当科毎に確定されるDPCコードを用いて診療報酬をDPC評価で演算し、このDPC評価の累計と入院経過日数との関係を表示することを特徴とする請求項3に記載の病院経営情報分析方法。
【請求項19】
上記請求項3乃至18のうちいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項20】
上記請求項3乃至18のうちいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−18532(P2006−18532A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194958(P2004−194958)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLOPPY
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)