説明

痛風と尿酸による血流障害の予防又は治療効果のある組成物及び健康食品。

【課題】治療効果が高く、副作用が少ない痛風の治療薬の提供。
【解決手段】パイナップル酵素、またはキウイ酵素、あるいはこのなかから選ばれる任意の組み合わせの酵素混合物を含有する組成物または健康食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、痛風と尿酸による血流障害の予防又は治療効果のある組成物およびそれを配合した健康食品に関する。
【背景技術】
【0002】
痛風は西洋においては実に古い病気であり、エジプトから発掘されたミイラの関節の中に尿酸塩を見つけたという報告がある。紀元前には、医学の父と呼ばれたヒポクラテスが報告している。また、西洋史上の人物で痛風に苦しめられてきた者は多く、マケドニアのアレクサンダ−大王、神聖ロ−マ帝国皇帝のカルロス五世、プロシア国王フリ−ドリヒ大王、フランスのルイ十四世、宗教改革のルター、清教徒革命のクロンウェル、芸術家ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ビンチ、詩人ダンテ、ミルトン、文豪ゲ−テ、スタンダ−ルやモ−パッサン、天才物理学者ニュ−トン、生物学者ダ−ウィンと、枚挙に暇がない。一方、日本では痛風は明治以前にはないとされた病気であった。安土桃山時代に日本を訪れたポルトガル人宣教師のルイス・フロイスは日本人には痛風がないと記録し、明治のはじめにもドイツ人医師ベルツが「日本には痛風がいない」と記録している。 痛風が日本史に忽然と現れるのは明治になってからで、実際に増えたのは戦後、それも1960年代になってからである。現在では全国に数十万人の痛風患者がいると推定されている。この要因として日本人の食生活の変化が指摘されている。
【0003】
この病気の原因は、プリン類を含む食物を摂取すると体内のキサンチン酸化酵素によって尿酸に変換されるが、それが一定以上の濃度で血中に存在した場合、尿酸が結晶化して析出することがある。これが関節等に滞留した場合、異物による抗原抗体反応を引きおこし、炎症や痛みの原因となるものである。また、尿酸の結晶が血液中に存在した状態は当然血流の障害を引き起こし、痛風以外の種々の症状の要因となりうる。
【0004】
従来この病気の治療法としては、コルヒチン、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)、ステロイド剤の3種類が用いられてきた。しかしながら、治療効果が少なかったり、副作用が強かったり等の問題があり、新たな治療薬が求められていた。
【0005】
一方、パイナップル酵素、またはキウイ酵素、あるいはこのなかから選ばれる任意の組み合わせの酵素混合物によって痛風と尿酸による血流障害の予防又は治療効果を得ようとする方法は知られておらず、これに関する報告も無い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下なされたものであり、新規の痛風と尿酸による血流障害の予防又は治療剤及び健康食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、痛風と尿酸による血流障害の原因となる尿酸結晶の成長、凝集並びに体内組織への滞留において蛋白質、脂質、多糖類及びその他の結晶成長、凝集促進物質が関わっているとの予想のもとに、これらを溶解すること、又は結合力を減弱することによって尿酸結晶を微細化し、あるいは体内組織からの脱離を図り、体内からの排出あるいは特定組織部位への蓄積防止を期待することができると考え、鋭意研究をおこなった結果、今日までそれらの目的で使用されたことの無いパイナップル酵素、またはキウイ酵素、あるいはこのなかから選ばれる任意の組み合わせの酵素混合物によって、この効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、新規な痛風と尿酸による血流障害の予防又は治療効果のある組成物及び健康食品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の新規な痛風と尿酸による血流障害の予防又は治療効果のある組成物及び健康食品を得るために用いることができる酵素はパイナップル酵素、またはキウイ酵素、あるいはこのなかから選ばれる任意の組み合わせの酵素混合物またはこれに一般的な健康食品の成分として用いられる物質を添加したものである。
【0010】
これらの酵素は単離精製されたものだけではなく、酵素を含む抽出物、さらには酵素活性のある植物体をそのまま使用することができる。その場合は、単離精製された酵素の使用量に相当する酵素活性を有するだけの必要量を用いることが好適である。
【0011】
本発明の組成物及び健康食品における必須成分である酵素及び酵素混合物の含有量は0.1%〜100%であり、剤形や投与状況によって任意に調整できる。
【0012】
また、本発明のパイナップル酵素、またはキウイ酵素、あるいはこのなかから選ばれる任意の組み合わせの酵素混合物の有効量は、痛風と尿酸による血流障害の予防又は治療の目的のためには成人1日当たり1mg〜10gであり、1日に1回〜数回に分けて摂取する。但し、ここに示す1日あたりの摂取量は単なる目安として示すものであり、具体的摂取量は、摂取者の年齢、体重、性別、症状、その他の状況に応じて決定すべきものである。
【0013】
また、医薬品や食品の製造において薬効を増強する目的で、あるいは同時に栄養成分を補給する目的で通常使用される任意成分を含有することができる。かかる任意の成分としては、例えば、乳酸菌、オリゴ糖、各種ビタミン、オキシカイン、ワイルドヤム、リポ酸、GMT(発酵抽出物)、松樹皮エキス、エリスリトール、アマルティー、キトサン、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、セサミン、プロポリス、ローヤルゼリー、グルコサミン、コンドロイチン、フコイダン、マカ、冬虫夏草、霊芝、田七人参、コラゲーン、クロレラ、ブルーベリー、イチョウ葉、アガリスク、ガニアシ、クルクミン、アスタキサンチン、プエラリア、MSM(メチル・サルフォニル・メタン)、ギムネマシルベスタ、コエンザイムQ10、その他の動植物体及びこれらの抽出成分等、食品、健康食品の分野で通常使用されている成分、抽出物を任意の割合で含有することができる。
【0014】
また、医薬品や食品の製造において製剤用材料として通常使用される任意の成分を含有することができる。かかる任意の成分としては、例えば、賦形剤、結合剤、矯味剤、矯臭剤、滑沢剤、被覆剤、増粘剤、乳化剤、分散剤、着色剤、油脂等が好ましく例示できる。これら必須成分と任意成分とを常法に従って処理することにより、粉剤、顆粒、錠剤、ハードカプセル剤、ソフトカプセル剤、水性液剤、油性液剤、座剤等の形態で本発明の新規な痛風と尿酸による血流障害の予防又は治療効果のある組成物及び健康食品を製造することができる。以下に実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
下記処方で原料を混合し、目的の組成物を得た。
パイナップル酵素 500mg
キウイ酵素 9mg
合計 509mg
【実施例2】
【0016】
下記処方で原料を混合し、目的の食品を得た。
パイナップル酵素 500mg
キウイ酵素 9mg
パイナップル果汁末 150mg
乳酸菌FK23 9mg
オリゴ糖 300mg
ビタミンC 35mg
ビタミンB1 12mg
ビタミンB2 1.2mg
ビタミンB6 1.2mg
ビタミンB12 2μg
ナイアシン 4mg
パントテン酸 4mg
葉酸 70μg
ビタミンP 8mg
オキシカイン 9mg
ワイルドヤム 30mg
リポ酸 3mg
GMT《発酵抽出物》 30mg
松樹皮エキス 3mg
エリスリトール 678mg
アマルティー 665mg
パイナップルフレーバー 60mg
合計(約) 2512mg
【実施例3】
【0017】
実施例2の組成物を用いて、摂取試験をおこなった。すなわち痛風の症状のあるパネラー1群10名に実施例2の組成物及びプラセボを1日3回食後に摂取あるいは食事時に摂取してもらい、痛風の発作の頻度、程度を報告してもらった。その結果を表1に示す。
【実施例4】
【0018】
実施例2の食品を用いて、摂取試験をおこなった。すなわち痛風の症状のあるパネラー1群10名に実施例2の食品及びプラセボを1日3回食後に摂取あるいは食事時に摂取してもらい、痛風の発作の頻度、程度を報告してもらった。結果を表2に示す。
【0019】
【表1】

【0020】
【表2】





【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイナップル酵素、またはキウイ酵素、あるいはこのなかから選ばれる任意の組み合わせの酵素混合物からなる経口投与組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の経口投与組成物に一般に食品に使用が許された各種栄養素を添加した健康食品。

【公開番号】特開2006−104080(P2006−104080A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289565(P2004−289565)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(399059131)株式会社クロス (1)
【Fターム(参考)】