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癌の処理のための新規オルト−アミノアニリド
説明

癌の処理のための新規オルト−アミノアニリド

本発明は、式(I)(ここで、R1〜R5は本明細書に与えられる有意性を有する)の化合物、前記化合物の製造方法、及び前記化合物を含む医薬に関する。本発明の化合物は、抗−増殖及び分化−誘発活性を示し、そして従って、ヒト又は動物における疾病、例えば癌の処理のために有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規抗腫瘍剤類及び医薬的に許容できるその塩類、及びそれらの新規化合物類の製造方法及びそれらを含む医薬に関する。本発明の化合物は、腫瘍細胞増殖の阻害、アポプトーシスの誘発及び侵入の阻害をもたらす、抗増殖及び分化−誘発活性を有する。従って、本発明はまた、疾病、例えば癌の処理及び対応する医薬の製造のためへのそのような化合物の使用にも関する。
【0002】
本発明の化合物は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)のインヒビターであり、そして従って、腫瘍細胞増殖の阻害、アポプトーシスの誘発及び侵入の阻害をもたらす、抗増殖及び分化−誘発活性を示す。
【背景技術】
【0003】
転写調節は、細胞分化、増殖及びアポプトーシスにおける主要現象である。1組の遺伝子の転写活性化が細胞目的を決定し、そしてこの理由のために、転写は種々の因子により調節される。その工程に包含されるその調節機構の1つは、転写因子のそれらの標的DNAセグメントへの接近性を調節することにより転写に影響を及ぼす、DNAの三次構造の変更である。低アセチル化された状態においては、ヌクレオソームは強く圧縮され、そして従って、転写のために許容されない。
【0004】
他方では、ヌクレオソームはコアーヒストンのアセチル化により弛緩し、その結果、転写を許容される。ヒストンのアセチル化状態は、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)及びヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の活性のバランスにより支配される。最近、HDACインヒビターが、いくつかのタイプの癌細胞、例えば結腸癌細胞、T−細胞リンパ腫細胞及び赤白血病細胞における増殖を阻止し、そしてアポプトーシスを誘発することが見出された。アポプトーシスが癌進行のための決定的因子であるとすれば、HDACインヒビターは、アポプトーシスの効果的インデューサーとしての癌療法のための有望な試薬である(Koyama, Y., et al, Blood 96 (2000) 1490-1495)。
【0005】
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)は、ヒストン及び非ヒストンタンパク質基質におけるリシン残基の脱アセチル化を担当する多タンパク質複合体の重要な酵素成分である。HDACは、酵母HDACへのそれらの配列相同性に従って3種の主要クラス、すなわちRpd3, Hda1及びSir2に細分され得る。Rpd3に対して相同のクラスI HDAC(HDAC1, 2, 3及び 8)は、主に核に局在し、そしてほとんどの組織において発現されると思われる。Hda1に対して相同のクラスII HDAC (HDAC4, 5, 6, 7, 9, 10)は、種々の調節シグナル及び細胞状態に依存して、核と細胞質との間を行き来することができ、そして組織−特異的発現パターンを有する。
【0006】
それらのHDACはさらに、クラスIIa(HDAC4, 5, 7, 9)及びクラスIIb(HDAC6, 10)に細分され得る。Sir2に相同のクラスIII HDACは、クラスI及びII HDACとは機構的に異なるNAD+−依存性デアセチラーゼであり、そして従来のHDACインヒビター、例えばトリコスタリンA、トラポキシンB又はSNDX-275により阻害されない。従って、HDACは、配列類似性、細胞局在傾向、組織発現パターン及び酵素機構に基づいて3種のクラスに分割され得る。
【0007】
特に、クラスI HDACは、腫瘍細胞に対する抗増殖効果に密接に関連している。例えば、HDAC1−3の薬理学的阻害は、サイクリン−依存性キナーゼインヒビターp21の誘発及び付随する細胞周期阻止を導く。クラスIIa HDACは、HDAC3/SMRT/N-CoR複合体及びMEF2と関連することが知られており、そしてそれ自体、筋肉細胞遺伝子発現(Oncogene 2007, 26, 5450-5467)及び免疫応答(Biochemical Pharmacology 2007, 74, 465-476)の調節において重要な役割を有することが知られている。それらの特異的抗増殖機能のために、クラスI HDACの選択的阻害が、低毒性を伴って、抗腫瘍効率を達成することが所望される。
【0008】
本発明の化合物は、クラスI HDACに対して増殖された能力、及びSNDX-275, すなわち臨床試験において構造的に関連するHDACインヒビターに比較して、癌細胞に対して増強された抗増殖効率を示す。クラスI HDAC阻害能力は、酵素活性アッセイにおいて典型的には不在である、細胞に存在する適切な多タンパク質複合体に関して、HDACサブタイプ活性を評価するレポーター遺伝子アッセイにより評価される。従って、本発明の化合物は、SNDX−275に比較してそれらの改良された抗癌効率に相互関係する、クラスI HDACに対する細胞内阻害能力を有する。
【0009】
WO2007/100657号は、細胞分化インデューサーの関連するが、しかし構造的に異なったo-フェニレンジアミン誘導体を記載する。同じタイプの化合物がまた、WO2007/087130号の主題でもある。それらの出願に記載される化合物は、独占的に、安息香産の誘導体によりモノアシル化されたo-フェニレン誘導体である。しかしながら、改良された治療性質、例えばほんのいくつかを言及すると、増強された活性、低められた毒性、良好な溶解性及び/又は改良された薬力学的プロフィールを有する新規化合物についての必要性がある。
【0010】
モノアシル化されたo−フェニレンジアミンは、その対応するベンズイミダゾールの調製するための前駆体として当業界において知られており、そのような調製方法は、例えばDE-A 2 062 265号; FR 2 167 954号; Rastogi, R., and Sharma, S., Indian J. Chem., Sect. B, 21B (5) (1982) 485-487; Moll, R., et al, Z. Chem. 17 (1977) 133-134; 及びHassan, H., et al., Indian J. Chem. 39B (2000) 764-768に記載されている。
【0011】
本発明の化合物は、腫瘍細胞増殖の阻害、アポプトーシスの誘発及び侵入の阻害をもたらす、抗−増殖及び分化−誘発活性を有するHDACインヒビターであることが見出された。従って、それらの化合物は、ヒト又は動物における疾病、例えば癌の処理のために有用である。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、下記一般式I:
【0013】
【化1】

[式中、R1は、水素;
ハロゲン;
置換されていないか、又はハロゲンにより1度又は数度置換される低級アルキル;
シクロアルキル;
シアノ;
低級アルコキシであり;
R2は、下記式:
【0014】
【化2】

【0015】
であり、ここで
R3は、置換されていないか、又はハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、-C(O)-低級アルキル、=O又はNR4R5により1度又は数度置換される、3〜10員のヘテロシクリル環;又は:
NR4R5であり;
R4/R5はお互い独立して、水素又は低級アルキルであり;
nは、0,1,2,3であり、そしてn=0の場合、R3は炭素を通して結合される3〜10員のヘテロシクリル環であり;
Xは、C又はNである]で表される化合物、及びその医薬的活性塩、ラセミ混合物、光学異性体、鏡像異性体又は互変異体形に向けられる。
【0016】
本発明はまた、式(I)の化合物の医薬的に許容できる塩及びプロドラッグ、及び医薬を製造するためへのそれらの化合物の使用も包含する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
用語“低級アルキル”とは、本明細書において使用される場合、1〜8個、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含む、飽和の線状又は枝分れ鎖のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1−ブチル、2−ブチル、tert−ブチル及び同様のものを表す。好ましい“C1-C8−アルキル”基は、1,2又は3個の炭素原子を有する。
【0018】
用語“低級アルコキシ”とは、本明細書において使用される場合、基−O−アルキル(ここで、“アルキル”とは上記に定義される通りである)、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、2−ブトキシ、t−ブトキシ及び同様のものを表す。好ましいアルコキシ基は、1〜4個の炭素原子を有する基である。
【0019】
用語“シクロアルキル”とは、本明細書において使用される場合、単結合を通して融合されるか又は結合され得る1又は2環から成り、そして3〜8個、好ましくは3〜6個の炭素原子を含む飽和環状炭化水素を意味する。そのような3〜8員のシクロアルキル環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、オクタヒドロ−インデン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロへキシル及び同様のものである。
【0020】
用語“ヘテロシクリル”とは、本明細書において使用される場合、上記に定義されるような3〜8員の単環式又はニ環式シクロアルキルを意味し、ここで4個までの炭素原子、好ましくは1,2又3個の炭素原子が酸素、窒素又は硫黄により置換される。例としては、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロ−ピラニル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、[1,4]オキサチアニル、アゼパニル[1,4]ジアゼパニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、「1,2,3」トリアゾリジニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、アゼチジニルを列挙することができるが、但しそれらだけには限定されない。
【0021】
用語“ハロゲン”とは、弗素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
用語“数度置換される”とは、本明細書において使用される場合、5度まで置換され、好ましくは4度まで、最も好ましくは2又は3度置換されることを意味する。
【0022】
1又は数個のキラル中心を含む一般式Iの化合物は、ラセミ体、ジアステレオマー混合物又は光学的活性の単一異性体のいずれかとして存在することができる。ラセミ体は、既知方法に従って、鏡像異性体に分離され得る。好ましくは、結晶化により分離され得るジアステレオマー塩は、光学的活性酸、例えばD-又はL−酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸又はカンファスルホン酸との反応によりラセミ混合物から形成される。
【0023】
本発明の化合物は、それらの医薬的に許容できる塩の形で存在することができる。用語“医薬的に許容できる塩”とは、式Iの化合物の生物学的有効性及び性質を保持し、そして適切な非毒性有機又は無機酸、又は有機又は無機塩基から形成される、従来の酸付加塩又は塩基付加塩を言及する。酸付加塩は、例えば無機酸、例えば塩酸、臭酸、ヨウ酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸及び硝酸から誘導されるそれら、及び有機酸、例えばp−トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、琥珀酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸及び同様のものから誘導されるそれらを包含する。
【0024】
塩基付加塩は、水酸化アンモニウム、カリウム、ナトリウム及び第四アンモニウム、例えば水酸化テトラメチルアンモニウムから誘導されるそれらを包含する。医薬化合物の塩への化学的修飾は、化合物の改良された物理的及び化学的安定性、吸湿性、流動性及び溶解性を得るために、医薬化学者に良く知られた技法である。例えば、それはBastin R.J., et. al, Organic Process Research & Development 2000, 4, 427-435; 又はAnsel, H., et. al., In: Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 6th ed. (1995), pp. 196 and 1456-1457に記載されている。
【0025】
本発明の1つの好ましい態様においては、
R1がハロゲン;
置換されていないか、又はハロゲンにより1度、又は数度置換される低級アルキル;
シクロアルキルであり;そして
すべての残る置換基は、前記に与えられる有意性を有する、上記に定義されるような一般式(I)の化合物が供給される。
【0026】
本発明のもう1つの好ましい態様においては、
XがCであり;そして
すべての残る置換基は、上記に与えられる有意性を有する、上記に定義されるような一般式(I)の化合物が供給される。
【0027】
本発明のもう1つの好ましい態様においては、
R2が、下記式:
【0028】
【化3】

【0029】
[式中、R3は、ピロリジニル、モルホリニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(すべての前述の環は、置換されていないか、又はハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、-C(O)-低級アルキル、=O又はNR4R5により1度又は数度置換され得る);又は
NR4R5であり;
R4/R5はお互い独立して、水素又は低級アルキルである]であり;そして
すべての残る置換基は、上記に与えられる有意性を有する、上記に定義されるような一般式(I)の化合物が供給される。
【0030】
次の特定の化合物が、本発明に従って特に好ましい:
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-モルホリン-4-イル-ペンタン酸 (4- ブロモ-フェニル)-アミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-(lS,4S)-2-オキサ-5-アザ- ビシクロ[2.2. l]ヘプト-5-イル-ペンタン酸 (4-トリフルオロメチル-フェニル)-アミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-(lS,4S)-2-オキサ-5-アザ- ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-イル-ペンタン酸 (4-ブロモ-フェニル)-アミド;
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-モルホリン-4-イル-ペンタン酸 (4- イソプロピル-フェニル)-アミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-(lS,4S)-2-オキサ-5-アザ- ビシクロ[2.2. l]ヘプト-5-イル-ペンタン酸 (4-イソプロピル-フェニル)-アミド;
【0031】
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-(3-ヒドロキシ-ピペリジン- 1 -イル)- ペンタン酸 (4-イソプロピル-フェニル)-アミド;
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-(3-ヒドロキシ-ピペリジン- 1 -イル)- ペンタン酸 (4-ブロモ-フェニル)-アミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-N-(4-ブロモ-フェニル)-4-モルホリン-4- イル-ブチルアミド;
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-ピロリジン- 1 -イル-ペンタン酸 (4- トリフルオロメチル-フェニル)-アミド;
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-ピペリジン- 1 -イル-ペンタン酸 (4- ブロモ-フェニル)-アミド;
【0032】
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-ピロリジン- 1 -イル-ペンタン酸 (4- ブロモ-フェニル)-アミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-(2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-イル)-ペンタン酸 (4-クロロ-フェニル)-アミド;
(E)-N-(2-アミノ-フェニル)-3- {4-[ 1 -(4-クロロ-フェニルカルバモイル)-2-(3-ジエチルアミノ-ピロリジン- 1 - イル)-エチル] -フェニル} -アクリルアミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-N-(4-ブロモ-フェニル)-4-(3-ヒドロキシ- ピペリジン-l-イル)-ブチルアミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-N-(4-ブロモ-フェニル)-4-(lS,4S)-2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-イル-ブチルアミド;
【0033】
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-N-(4-ブロモ-フェニル)-4-(l -メチル ピロリジン-2-イル)-ブチルアミド; 及び
(E)-N-(2-アミノ-フェニル)-3-{4-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-2-(l-メチルピペリジン-4-イル)- エチル] -フェニル} -アクリルアミド。
【0034】
本発明の化合物は、特に抗−増殖又は抗−癌剤として、より特定には固形腫瘍及び血液学的腫瘍の処理のための剤として価値ある医薬性質を示す。
従って、本発明のもう1つの態様においては、少なくとも1つの前に定義されたような化合物及び医薬的に許容できるアジュバントを含んで成る医薬組成物が供給される。
本発明のもう1つの態様においては、医薬として使用するための上記に定義されるような化合物が供給される。
【0035】
本発明のさらなるもう1つの態様においては、癌、特に固形腫瘍及び血液学的腫瘍、より特定には、白血病、リンパ腫、結腸癌、肝臓癌又は胃癌の処理への使用のための上記に定義されるような化合物が供給される。
【0036】
本発明のさらにもう1つの態様においては、癌、特に固形腫瘍及び血液学的腫瘍の処理のための医薬の製造のためへの少なくとも1つの上記に定義されるような化合物の使用が提供される。例えば、医薬製剤の形での前記医薬は、錠剤、被覆された錠剤、糖剤、ハード及びソフトゼラチンカプセル、溶液、エマルジョン又は懸濁液の形で経口投与され得る。しかしながら、投与はまた、例えば坐薬の形で、又は注射溶液の形で、直腸からもたらされ得る。
【0037】
上記医薬製剤は、医薬的不活性の無機又は有機キャリヤーと共に本発明の化合物を加工することにより得られる。ラクトース、コーンスターチ又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩及び同様のものが、錠剤、被覆された錠剤、糖剤及びハードゼラチンカプセルのためのキャリヤーとして使用され得る。ソフトゼラチンカプセルのための適切なキャリヤーは例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体及び液体ポリオール及び同様のものである。しかしならが、活性物質の性質に依存して、キャリヤーは通常、ソフトゼラチンカプセルの場合、必要とされない。溶液及びシロップの製造のための適切なキャリヤーは、例えば水、ポリオール、グリセロール、植物油及び同様のものである。坐薬のための適切なキャリヤーは、例えば天然又は硬化された油、ワックス、脂肪、半液体又は液体ポリオール、及び同様のものである。
【0038】
さらに、医薬製剤は、保存剤、溶解剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、風味剤、浸透圧を変えるための塩、緩衝液、マスキング剤又は酸化防止剤を含むことができる。それらはまた、他の治療的に価値ある物質を含むことができる。
【0039】
投与量は、種々の因子、例えば投与の態様、種、年齢及び/又は個人の健康状態に依存する。毎日の投与される用量は、約5〜400mg/kg、好ましくは約10〜100mg/kgであり、そして1回で摂取され得るか、又は数回の投与にわたって分配され得る。
本発明のもう1つの好ましい態様においては、少なくとも1つの本発明の化合物を癌患者に投与することを含んで成る、癌の処理方法が提供される。
【0040】
本発明の化合物及びそれらの出発材料は、それぞれ次の一般反応スキーム1〜8に従って合成され得る。前記反応スキーム1〜8において、すべての置換基、特にR1-R5は、特にことわらない限り、前に与えられる意味を有する。さらに、及び特にことわらない限り、すべての反応、反応条件、略語及び記号は、当業者に良く知られている意味を有する。
【0041】
略語:
bp: 沸点
dba: ジベンジリデンアセトン
DIPEA: ジイソプロピルエチルアミン
DMEM: ダルベッコ変性イーグル培地
DMF: ジメチルホルムアミド
DMSO: ジメチルスルホキシド
DNA: デオキシリボ核酸
EDCI: l-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
ELISA: 酵素結合されたイムノソルベントアッセイ
【0042】
EtOAc: 酢酸エチル
FBS:ウシ胎児血清
g: グラム
GFP: 緑色蛍光タンパク質
GI50: 50%増殖阻害のために必要とされる濃度
GI90: 90%増殖阻害のために必要とされる濃度
h:時間
HATU: O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HDAC: ヒストンデアセチラーゼ
【0043】
HOAc: 酢酸
HOBt : 1 -ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC: 高性能液体クロマトグラフィー
Hz: ヘルツ
MeOD: 重水素マタノール
MeOH: メタノール
mg:ミリグラム
MHz: メガヘルツ
mL: ミリリッター
mmol: ミリモル
【0044】
MsCl: 塩化メタンスルホニル
MTS:3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H- テトラゾリウム)
MW: 分子量
nL: ナノリッター
NMR: 核磁気共鳴
O/N:一晩
PET: 石油エーテル
Pybrop: ブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
rt: 室温
TBS: tert-ブチルジメチルシリル
【0045】
t-BuOK: カリウムtert-ブトキシド
THF: テトラヒドロフラン
TLC: 薄層クロマトグラフィー
uL: マイクロリッター
WST: 4-[3-(4-ヨードフェニル)-2-(4-ニトロフェニル)-2H-5-テトラゾリオ]-l,3-ベンゼンジスルホネート。
【0046】
A. 2−炭素結合−シンナミドの合成のための一般合成路(スキーム1)
【化4】

【0047】
興味あるIaの化合物は、スキーム1に従って調製され得る。エステルII(IIの調製についてはスキーム6を参照のこと)から出発して、水酸化リチウムによる加水分解により、酸III を得る。III への種々のアニリンのカップリングにより、アニリドIVを得、これをフルオリドアニオンにより保護解除し、アルコールVを得る。塩化メタンスルホニルによるアルコールVのスルホニル化により、メシレートVIを得、次にこれを種々のアミンにより求核性置換し、化合物VII を得る。化合物VII を、酸性条件下で保護解除し、興味あるIaの化合物を得る。
【0048】
2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]−フェニル}−4−ヒドロキシ−酪酸エチルエステル(II)を、スキーム6に概略される合成路に従って調製することができる。
【0049】
2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]−フェニル}−4−ヒドロキシ−酪酸(III )を、IIの加水分解から調製することができる。反応は、適切な有機溶媒、例えばメタノール又はテトラヒドロフラン共に混合された水性水酸化リチウムと共に、典型的には室温で数時間、実施され得る。
【0050】
アニリド化合物IVを、2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]−フェニル}−4−ヒドロキシ−酪酸(III )による種々のアミンのカップリングから調製できる。反応は典型的には、適切な不活性溶媒、例えばジシクロメタン又はジメチルホルムアミド又はその混合物において、標準のペプチドカップリング試薬、例えばEDCI及びHOBt、Pybrop及びジイソプロピルエチルアミン、又はHATU及びトリエチルアミンにより、室温で数時間、実施される。
【0051】
アルコール化合物Vを、アニリド化合物IVのフルオリド−介在性保護解除から調製することができる。反応は典型的には、テトラヒドロフラン中、フルオリドアニオン源、例えばテトラブチルアンモニウムフルオリド又はテトラブチルアンモニウムニ水素トリフルオリドにより、室温で8〜12時間、実施される。
【0052】
メシレート化合物VIを、アルコール化合物Vと塩化メタンスルホニルとの反応により調製することができる。反応は典型的には、ジクロロメタン中、適切なアミン塩基、例えばジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンにより、0℃で30分〜数時間、実施される。
【0053】
化合物VII を、種々のアミンによるメシレート化合物VIの求核性置換により調製することができる。反応は典型的には、適切な不活性溶媒、例えばジクロロメタン又はアセトニトリル中、アミン塩基、例えばジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンにより、室温〜還流温度で数時間、実施される。
興味あるIaの化合物は、化合物VII の保護解除により得られる。反応は典型的には、メタノール性塩化水素において室温で数時間、実施される。
【0054】
B.3−炭素結合−シンナミドの合成についての一般的合成路(スキーム2,3)
【化5】

【0055】
興味あるIbの化合物を、スキーム2に従って調製することができる。エステル(VIII)(VIIIの調製についてはスキーム7を参照のこと)から出発して、水酸化リチウムによる加水分解により酸IXを得る。IXへの種々のアニリンのカップリングにより、アニリドXを得、次にこれを、種々のアミンにより求核置換し、化合物XIを得る。化合物XIを、酸性条件下で保護解除し、興味あるIbの化合物を得る。
【0056】
2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]−フェニル}−5−クロロ−ペンタン酸メチルエステル(VIII)を、スキーム6に概略される合成路に従って調製することができる。
【0057】
2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]−フェニル}−5−クロロ−ペンタン酸(IX)を、VIIIの加水分解から調製することができる。反応は、適切な有機溶媒、例えばメタノール又はテトラヒドロフラン共に混合された水性水酸化リチウムと共に、典型的には室温で数時間、実施され得る。
【0058】
アニリド化合物Xを、2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]−フェニル}−5−クロロ−ペンタン酸(IX)による種々のアニリンのカップリングから調製できる。反応は典型的には、適切な不活性溶媒、例えばジシクロメタン又はジメチルホルムアミド又はその混合物において、標準のペプチドカップリング試薬、例えばEDCI及びHOBt、Pybrop及びジイソプロピルエチルアミン、又はHATU及びトリエチルアミンにより、室温で数時間、実施される。
【0059】
化合物XIを、種々のアミンによるアニリド化合物Xの求核性置換により調製することができる。反応は典型的には、適切な不活性溶媒、例えばジメチルホルムアミド及び、過剰のアミンにおいて、70〜80℃で8〜16時間、実施される。
興味あるIbの化合物は、化合物XIの保護解除により得られる。反応は典型的には、メタノール性塩化水素において室温で数時間、実施される。
【0060】
【化6】

【0061】
興味あるIcの化合物を、スキーム3に従って調製することができる。酸XII(XIIの調製についてスキーム8を参照のこと)から出発して、XIIへの種々のアニリンのカップリングにより、アニリドXIII を得、次にこれを種々のアミンにより求核性置換し、化合物XVIを得る。(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルとの化合物XIVの続くHeck反応により、化合物XVを得、これを、酸性条件下で保護解除し、興味あるIcの化合物を得る。
【0062】
2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−クロロ−ペンタン酸(XII)を、スキーム8に概略される合成路に調製することができる。
【0063】
アニリド化合物XIIIを、2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−クロロ−ペンタン酸(XII)による種々のアニリンのカップリングから調製できる。反応は典型的には、適切な不活性溶媒、例えばジシクロメタン又はジメチルホルムアミド又はその混合物において、標準のペプチドカップリング試薬、例えばEDCI及びHOBt、Pybrop及びジイソプロピルエチルアミン、又はHATU及びトリエチルアミンにより、室温で数時間、実施される。
【0064】
化合物XIVを、種々のアミンによるアニリド化合物XIII の求核性置換により調製することができる。反応は典型的には、適切な不活性溶媒、例えばジメチルホルムアミド及び、過剰のアミンにおいて、70〜80℃で8〜16時間、実施される。
【0065】
化合物XVを、化合物XIV及び(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのHeck反応により調製することができる。反応は典型的には、脱酸素化されたジメチルホルムアミド中、トリエチルアミン、トリ−オルト−ホスフィン、Pd2(dba)3により、80〜100℃で約10〜15時間、不活性雰囲気下で実施される。
興味あるIcの化合物を、化合物XVの保護解除により得る。反応は典型的には、メタノール性塩化水素において室温で数時間、実施される。
【0066】
C.1又は2−炭素結合−シンナミドの合成(スキーム4及び5)
【化7】

【0067】
興味あるIdの化合物を、スキーム4に従って調製することができる。市販のニトリルXVIから出発して、塩基による脱プロトン化、種々の塩化アルキルによる続くアルキル化により、化合物XVIIを得る。化合物の酸加水分解により、酸XVIII を得、これを続いて、求核性アシル置換によりメチルエステルXIXに転換することができる。
【0068】
(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルと化合物XIXとのHeck反応により、メチルエステル化合物XXを得、これを塩基性条件下で、その対応する酸XXIに加水分解することができる。酸XXIへの種々のアニリンのカップリングにより、アニリドXXIIを得、これを続いて、酸性条件下で保護解除し、興味あるIdの化合物を得る。
【0069】
(4−ブロモ−フェニル)−アセトニトリル(XVI)は市販されている。
化合物XVIIを、種々の塩化アルキルによる、脱プロトン化されたXVIのアルキル化から調製することができる。反応は典型的には、不活性溶媒、例えばジメチルホルムアミド及びトルエンの混合物中、強塩基、例えば水素化ナトリウムによりXVIを、0℃で約1時間、脱プロトン化し、続いて塩化アルキルを添加し、そして約70〜80℃で2時間、加熱することにより実施される。
【0070】
化合物XVIIIを、化合物XVIIにおけるニトリル官能基の酸加水分解から調製することができる。反応は典型的には、濃硫酸及び水の混合物において還流温度で数時間、実施される。
【0071】
化合物XIXを、化合物XVIII の求核性アシル置換により調製することができる。反応は典型的には、メタノール中、化合物XVIII と塩化チオニルとを0℃で反応し、続いて数時間、加熱還流することにより実施される。
【0072】
化合物XXを、化合物XIX及び(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのHeck反応により調製することができる。反応は典型的には、脱酸素化されたジメチルホルムアミド中、トリエチルアミン、トリ−オルト−ホスフィン、Pd2(dba)3により、80〜100℃で約4〜10時間、不活性雰囲気下で実施される。
【0073】
化合物XXIを、化合物XXの塩基性加水分解から調製することができる。反応は、適切な有機溶媒、例えばメタノール又はテトラヒドロフランと共に混合される水性水酸化リチウムにより、典型的には室温で数時間、実施され得る。
【0074】
アニリド化合物XXIIを、化合物XXIによる種々のアニリンのカップリングから調製できる。反応は典型的には、適切な不活性溶媒、例えばジシクロメタン又はジメチルホルムアミド又はその混合物において、標準のペプチドカップリング試薬、例えばEDCI及びHOBt、Pybrop及びジイソプロピルエチルアミン、又はHATU及びトリエチルアミンにより、室温で数時間、実施される。
【0075】
興味あるIdの化合物を、化合物XXIIの酸保護解除により得る。反応は典型的には、メタノール性塩化水素において室温で数時間、実施される。
【0076】
【化8】

【0077】
興味あるIeの化合物を、スキーム5に従って調製することができる。市販の(4−ブロモ−フェニル)−酢酸エチルエステル(XXIII )から出発して、パラホルムアルデヒドによるアルドール縮合により、2−(4−ブロモ−フェニル)−アクリル酸エチルエステル(XXIV)を得る。XXIVによる種々のアミンのミカエル付加により、化合物XXVを得、続いてこれを塩基性条件下で酸XXVIに加水分解する。化合物XXVIへの種々のアニリンのカップリングにより、アニリドXXVIIを得る。(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルと化合物XXVIIとのHeck反応により、化合物XXVIII を得、次にこれを酸性条件下で保護解除し、興味あるIeの化合物を得る。
【0078】
(4−ブロモ−フェニル)−酢酸エチルエステル(XXIII )は市販されている。
2−(4−ブロモ−フェニル)−アクリル酸エチルエステル(XXIV)を、パラホルムアルデヒドによるXXIII のアルドール縮合から調製することができる。反応は典型的には、ジメチルホルムアミド中、パラホルムアルデヒド及び相トランスファー触媒、例えばテトラブチルアンモニウムクロリド、並びに適切な塩基、例えば炭酸カリウムと共にXXIVを混合することにより実施される。次に、反応は60〜70℃に数時間、加熱される。
【0079】
化合物XXVを、XXIVへの種々のアミンのミカエル付加から調製することができる。反応は典型的には、0℃で、テトラヒドロフラン中、XXVにアミンを添加し、そして次に、室温に1〜2時間にわたって暖めることにより実施される。
【0080】
化合物XXVIを、化合物XXVの塩基性加水分解により調製することができる。反応は典型的には、化合物XXVを、メタノール中、適切な塩基、例えば水性水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムと共に、40℃で数時間、加熱することにより実施される。
【0081】
アニリド化合物XXVIIを、化合物XXVIによる種々のアニリンのカップリングから調製できる。反応は典型的には、適切な不活性溶媒、例えばジシクロメタン又はジメチルホルムアミド又はその混合物において、標準のペプチドカップリング試薬、例えばEDCI及びHOBt、Pybrop及びジイソプロピルエチルアミン、又はHATU及びトリエチルアミンにより、室温で数時間、実施される。
【0082】
化合物XXVIIIを、化合物XXVI及び(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのHeck反応により調製することができる。反応は典型的には、脱酸素化されたジメチルホルムアミド中、トリエチルアミン、トリ−オルト−ホスフィン、Pd2(dba)3により、80〜100℃で約4〜10時間、不活性雰囲気下で実施される。
【0083】
興味あるIeの化合物を、化合物XXVIII の酸保護解除により得ることができる。反応は典型的には、室温で数時間、メタノール性塩化水素下で実施される。
前記に開示されるようなスキーム1〜5のいずれかに従っての個々の方法は、本発明の特に好ましい態様を形成する。
【0084】
D.主構築ブロックのための合成路
(E)−2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]−フェニル}−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−酪酸エチルエステルの合成(スキーム6)
【化9】

【0085】
主構築ブロック(E)−2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]−フェニル}−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−酪酸エチルエステル(II)を、スキーム6に従って調製することができる。市販の2−ブロモ−エタノール(XXIX)から出発して、tert−ブチルジメチルシリルクロリドによるシリル化により、(2−ブロモ−エトキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン(XXX)を得る。XXXによる(4−ブロモ−フェニル)−酢酸エチルエステルのカリウムエノレートのアルキル化により、2−(4−ブロモ−フェニル)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−酪酸エチルエステル(XXXI)を得る。(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルとXXXIとのHeck反応により、主構築ブロック2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]―フェニル}−4−ヒドロキシ−酪酸エチルエステル(II)を得る。
2−ブロモ−エタノール(XXIX)は市販されている。
【0086】
(2−ブロモ−エトキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン(XXX)を、tert−ブチルジメチルシリルクロリドによるXXIXのシリル化から調製することができる。反応は典型的には、ジメチルホルムアミド及びイミダゾール中、XXIXの溶液にtert−ブチルシリルクロリドを添加することにより、室温で12時間、実施する。
【0087】
2−(4−ブロモ−フェニル)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−酪酸エチルエステル(XXXI)を、XXXによるその対応するカリウムエノレートのアルキル化により調製することができる。反応は典型的には、ジメチルホルムアミド中、カリウムtert−ブトキシドにより(4−ブロモ−フェニル)−酢酸エチルエステルを室温で1時間、脱プロトン化し、次に反応を0℃に冷却し、そしてXXXをゆっくり添加し、続いて、室温で12時間、撹拌することにより実施される。
【0088】
主構築ブロック(E)−2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]―フェニル}−4−ヒドロキシ−酪酸エチルエステル(II)を、XXXI及び(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのHeck反応により調製することができる。反応は典型的には、トリエチルアミン、トリ−オルト−ホスフィン、Pd2(dba)3と共に脱酸素化されたジメチルホルムアミドにおいて、90〜110℃で約4〜10時間、不活性雰囲気下で実施される。
【0089】
(E)−2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]−フェニル}−5−クロロ−ペンタン酸メチルエステルの合成(スキーム7)
【化10】

【0090】
主構築ブロック(E)−2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]−フェニル}−5−クロロ−ペンタン酸メチルエステル(VIII )を、スキーム7に従って調製することができる。市販の4−(ブロモ−フェニル)−アセトニトリル(XVI)から出発して、強塩基による脱プロトン化、1−ブロモ−3−クロロプロパンを用いての続くアルキル化により、2−(4−ブロモ−フェニル)−5−クロロ−ペンタンニトリル(XXXII)を得る。
【0091】
酸性条件下でのXXXIIの加水分解により、2−(4−ブロモ−フェニル)−5−クロロ−ペンタン酸(XXXIII )を得る。求核性アシル置換により、XXXIII を、2−(4−ブロモ−フェニル)−5−クロロ−ペンタン酸メチルエステル(XXXIV)を得、これを、(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルと反応し、主構築ブロック(E)−2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]−フェニル}−5−クロロ−ペンタン酸メチルエステル(VIII )を得る。
【0092】
4−(ブロモ−フェニル)−アセトニトリル(XVI)は市販されている。
2−(4−ブロモ−フェニル)−5−クロロ−ペンタンニトリル(XXXII)を、強塩基によるXVIを脱プロトン化、続く1−ブロモ−3−クロロプロパンによるアルキル化により調製することができる。反応は典型的には、ジメチルホルムアミド及びトルエンの混合物にXVIを溶解し、水素化ナトリウムと0℃で1時間、反応し、そして次に、1−ブロモ−3−クロロプロパンを10℃で30分間、添加することにより実施される。
【0093】
2−(4−ブロモ−フェニル)−5−クロロ−ペンタン酸(XXXIII )を、XXXIIの酸加水分解により調製することができる。反応は、濃硫酸、氷酢酸及び水の混合物において12時間、還流することにより実施される。
【0094】
2−(4−ブロモ−フェニル)−5−クロロ−ペンタン酸メチルエステル(XXXIV)を、メタノール中、塩化チオニルによるXXXIII の求核性アシル置換により調製することができる。反応は典型的には、0℃でメタノールにXXXIII を溶解し、続いて塩化チオニルを添加し、そして5時間、還流することにより実施される。
【0095】
主構築ブロック(E)−2−{4−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニルカルバモイル)−ビニル]―フェニル}−5−クロロ−ペンタン酸メチルエステル(VIII)を、XXXIV及び(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルのHeck反応により調製することができる。反応は典型的には、トリエチルアミン、トリ−オルト−ホスフィン、Pd2(dba)3と共に脱酸素化されたジメチルホルムアミドにおいて、90〜110℃で約4〜8時間、不活性雰囲気下で実施される。
【0096】
2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−クロロ−ペンタン酸の合成(スキーム8):
【化11】

【0097】
主構築ブロック2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−クロロ−ペンタン酸(XII)を、スキーム8に従って調製することができる。市販の5−ブロモ−2−ヨード−ピリジン(XXXV)から出発して、マロン酸ジエチルエステルとの銅−触媒された反応により、2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−マロン酸ジエチルエステル(XXXVI)を得る。塩基性条件下での加水分解及び脱カルボキシル化により、(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−酢酸(XXXVII)を得、続いて、メタノール中、塩化チオニルにより求核性アシル置換し、(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−酢酸メチルエステル(XXXVIII )を得る。強塩基によるXXXVIII の脱プロトン化、続く1−ブロモ−3−クロロプロパンによるアルキル化により、2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−クロロ−ペンタン酸メチルエステル(XXXIX)を得、次にこれを水性塩基性条件下で加水分解し、主構築2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−クロロ−ペンタン酸(XII)を得る。
【0098】
5−ブロモ−2−ヨード−ピリジン(XXXV)は市販されている。
2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−マロン酸ジエチルエステル(XXXVI)を、マロン酸ジエチルエステルとの銅−触媒された反応により調製することができる。反応は典型的には、1,4−ジオキサン中、マロン酸ジエチルエステル、ヨウ化銅、炭酸セシウム及びピリジン−2−カルボン酸と共にXXXVを混合し、そして窒素雰囲気下で70℃で24時間、加熱することにより実施される。
【0099】
(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−酢酸(XXXVII)を、XXXVIの塩基加水分解及び脱カルボキシル化により調製する。反応は典型的には、XXXVIIをメタノールに溶解し、そして水性水酸化ナトリウムを添加し、続いて、3〜4時間、反応することにより実施される。
【0100】
(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−酢酸メチルエステル(XXXVIII )を、メタノール中、塩化チオニルによるXXXVII の求核性アシル置換により調製することができる。反応は典型的には、0℃でメタノールにXXXVII を溶解し、続いて塩化チオニルを添加し、そして3時間、室温で反応することにより実施される。
【0101】
2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−クロロ−ペンタン酸メチルエステル(XXXIX)を、強塩基によりXXXVIIIを脱プロトン化、続く1−ブロモ−3−クロロプロパンによるアルキル化により調製することができる。反応は典型的には、ジメチルホルムアミドにXXXVIIIを溶解し、水素化ナトリウムと0℃で1時間、反応し、そして次に、1−ブロモ−3−クロロプロパンを10℃で30分間、添加することにより実施される。
【0102】
主構築ブロック2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−クロロ−ペンタン酸(XII)を、XXXIXの塩基加水分解により調製することができる。反応は典型的には、テトラヒドロフラン、メタノール及び水性水酸化リチウムの混合物にXXXIXを溶解し、そして室温で16時間、反応することにより実施される。
前に言及されたようなスキーム6〜8に従って主構築ブロックを得るための個々の方法は、本発明のさらなる態様である。
【実施例】
【0103】
次の例は、上記スキームに概略される一般方法により調製された。それらは本発明の意味を例示するものであり、本発明の意味を制限するものではない。
例1
【化12】

【0104】
(E)-2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-4-(tert- ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-酪酸
メタノール/水(30ml/10ml)中、(E)-2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-4-(tert- ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-酪酸エチルエステルの溶液(2.63g、4.52mモル)に、LiOH・H2O(556mg、13.56mモル)を添加した。この混合物を室温で約5時間、撹拌し、そして次に、蒸発し、メタノールのほとんどを除去した。水性層を、濃HClによりpH5−6に酸性化した。酸性化された水性層を、酢酸エチル(3×30ml)により抽出した。組合された有機層をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして蒸発し、2.0g(80%)の黄色の固体生成物を得た。MS: 計算された 555 (MH+), 実験 555 (MH+)。
【0105】
例2
【化13】

【0106】
(E)-[2-(3-{4-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)- プロピル]-フェニル}-アクリロイルアミノ)-フェニル]-カルバミン酸 tert-ブチル エステル
CH2Cl2(50ml)中、(E)-2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-4-(tert- ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-酪酸(2.5g、4.52mモル)、EDCI(1.2g、4.97mモル)及びHOBt(671mg、4.97mモル)の溶液に、4−ブロモ−フェニルアミン(7.86mg、4.57mモル)を添加した。この混合物を室温で一晩、撹拌し、そして次に、CH2Cl2(50ml)により希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及びブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、そして蒸発し、黄色の残渣を得た。MS: 計算された 708 (MH+),実験708 (MH+)。
【0107】
例3
【化14】

【0108】
(E)-[2-(3-{4-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-3-ヒドロキシ-プロピル]-フェニル}- アクリロイルアミノ)-フェニル]-カルバミン酸 tert-ブチル エステル
THF(40ml)中、(E)-[2-(3-{4-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)- プロピル]-フェニル}-アクリロイルアミノ)-フェニル]-カルバミン酸 tert-ブチル エステル(1.6g、2.26mモル)の溶液に、テトラブチルアンモニウム二水素トリフルオリド(1.36g、4.52mモル)を添加した。この混合物を室温で一晩、撹拌し、そして次に蒸発し、THFを除去した。その混合物を水に溶解し、そして酢酸エチル(3×30ml)により抽出した。組合された有機層をブラインンにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして蒸発した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:Et0Ac=10:1)により精製し、黄色の固体生成物を得た。MS: 計算された 594 (MH+),実験594 (MH+)。
【0109】
例4
【化15】

【0110】
(E)-メタンスルホン酸 3-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-3-{4-[2-(2-tert- ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-プロピル エステル
0℃に冷却されたCH2Cl2(10ml)中、(E)-[2-(3-{4-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-3-ヒドロキシ-プロピル]-フェニル}- アクリロイルアミノ)-フェニル]-カルバミン酸 tert-ブチル エステル(200mg、0.337mモル)及びDIPEA(81.6mg、0.674mモル)の溶液に、N2雰囲気下で塩化メタンスルホニル(76.8mg、0.674mモル)を滴下した。反応を、TLCに従って、出発材料が消費されるまで、0℃で撹拌した(約1時間)。その混合物をCH2Cl2(10ml)により希釈し、そして水(10ml)及びブライン(10ml)により洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして真空下で蒸発し、226mg(定量的収量)の淡黄色固形物を得、これを、さらに精製しないで使用した。MS: 計算された 672 (MH+),実験672 (MH+)。
【0111】
例5
【化16】

【0112】
(E)-[2-(3-{4-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-3-({lS,4S}-2-オキサ-5-アザ- ビシクロ [2.2.1] ヘプト-5-イル)-プロピル] -フェニル}-アクリロイルアミノ)-フェニル] -カルバミン酸 tert-ブチル エステル
CH2Cl2(10ml)中、(E)-メタンスルホン酸 3-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-3-{4-[2-(2-tert- ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-プロピル エステル(226mg、0.337mモル)及びDIPEA(81.6mg、0.674mモル)の溶液に、(1S, 4S)−2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(430mg、1.685mモル)を添加した。反応を室温で一晩、撹拌し、そしてCH2Cl2(10ml)により希釈した。その混合物を水(10ml)及びブライン(10ml)により洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして真空蒸発し、淡黄色の固形物を得、これを、さらに精製しないで使用した。MS: 計算された 675 (MH+),実験675 (MH+)。
【0113】
例6
【化17】

【0114】
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-N-(4-ブロモ-フェニル)-4- (lS,4S)-2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-イル-ブチルアミド
メタンノール中、塩酸(1.25M, 5ml)を、(E)-[2-(3-{4-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-3-({lS,4S}-2-オキサ-5-アザ- ビシクロ [2.2.1] ヘプト-5-イル)-プロピル] -フェニル}-アクリロイルアミノ)-フェニル] -カルバミン酸 tert-ブチル エステル残渣に添加し、その混合物を約4時間、撹拌し、そして次に、炭酸水素ナトリウムを、反応システムに添加した。固形物の濾過の後、素混合物を分離用HPLCにより精製し、淡黄色の固形物を得た。
MS: 計算された 575 (MH+),実験575 (MH+)。 1H NMR (d6-DMSO, 400MHz), 10.25 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 9.40 (s, 1H), 7.59-7.45 (広い m, 9H), 7.39 (d, 1H, J =8.0 Hz), 6.94- 6.85 (m, 2H), 6.75 (d, 1H, J= 8.0 Hz), 6.58 (t, 1H, J= 8.0 Hz), 4.95 (s, 1H), 4.31 (s, 1H), 3.85- 3.78 (広い m, 2H), 3.47-3.42 (広い m, 2H), 2.78 (広い s, 1H), 2.43-2.20 (広い m, 3H), 1.78-1.54 (広い m, 3H)。
【0115】
次の表に記載される化合物は、上記の合成方法に類似する方法により、但し適切な出発材料を用いて調製された
【0116】
【表1】

【0117】
【表2】

【0118】
例7
【化18】

【0119】
(E)-2-{4-[-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-クロロ- ペンタン酸
メタノール/水(4:1)(2ml)中、(E)-2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-クロロ- ペンタン酸メチルエステル(48.7mg、10mモル)の溶液に、LiOH(24mg、100mgモル)を添加した。その溶液を室温で5時間、撹拌した後、その溶液を2NのHClによりpH5-6に中和した。その混合物を減圧下で蒸発乾燥し、次に、EtOAc(10ml)を添加した。有機層をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして蒸発し、黄色の固体生成物を得、これをさらに精製しないで使用した。MS: 計算された 473 (MH+),実験473 (MH+)。 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) 12.50 (s, 1H), 9.73 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 6.89-7.64 (m, 10H), 3.61 (m, 3H), 1.55-2.10 (m, 4H), 1.46 (s, 9H)。
【0120】
例8
【化19】

【0121】
(E)-[2-(3-{4-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-4-クロロ-ブチル]-フェニル}-アクリロイルアミノ)- フェニル]-カルバミン酸 tert-ブチル エステル
CH2Cl2(30ml)中、(E)-2-{4-[2-(-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-クロロ- ペンタン酸(2.37g、5mモル)、DIPEA(1.21g、10mモル)及びpybrop(4.66g, 10mモル)の溶液に、4−ブロモ−フェニルアミン(1.29g、7.5mモル)を添加した。この混合物を室温で一晩、撹拌し、そして次に蒸発した。その混合物を40mlのEtOAcに再溶解し、そして2NのHCl(20ml×3)、ブライン、5%NaHCO3(20ml×3)、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして蒸発した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを用いて、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物を得た。MS: 計算された 626 (MH+),実験626 (MH+)。
【0122】
例9
【化20】

【0123】
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-モルホリン-4-イル-ペンタン酸 (4-ブロモ-フェニル)-アミド
DMF(3ml)中、(E)-[2-(3-{4-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-4-クロロ-ブチル]-フェニル}-アクリロイルアミノ)- フェニル]-カルバミン酸 tert-ブチル エステル(187.5mg, 0.3mモル)の溶液に、モルホリン(261mg、3mモル)を添加した。次に、その溶液を80℃で一晩、撹拌した。1.25MのHCl/メタノールの溶液(4ml)を残渣に添加し、その溶液を周囲温度で4時間、撹拌した。反応の後、溶液を固体NaHCO3により中和した。最終生成物を、分離用HPLCにより得た。MS: 計算された 577 (MH+),実験577 (MH+)。
【0124】
1H NMR (d6-DMSO, 400MHz), 10.33 (s, 1H), 9.57 (広い s, 2H), 7.61 (d, 1H, J=15.6 Hz), 7.59-7.54 (m, 4H), 7.49-7.46 (m, 4H), 7.36 (d, 1H, J=7.6 Hz), 6.99 (t, 1H, J=7.6 Hz), 6.91-6.84 (m, 2H), 6.71 (広い s, 1H), 3.96 (d, 2H, J=12.0 Hz,), 3.75 (t, 1H, J=7.2 Hz,), 3.62 (t, 2H, J=12.0 Hz), 3.40 (広い s, 2H), 3.14 (t, 2H, J=7.6 Hz), 3.03 (広い s, 2H), 2.09-2.04 (m, 1H), 1.78-1.71 (m, 1H), 1.67-1.57 (m, 2H)。
次の表に記載される化合物は、上記合成方法に類似する方法により、但し適切な出発材料を用いて調製した。
【0125】
【表3】

【0126】
【表4】

【0127】
【表5】

【0128】
【表6】

【0129】
【表7】

【0130】
【表8】

【0131】
例10
【化21】

【0132】
2-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-5-クロロ-ペンタン酸 (4-ブロモ-フェニル)-アミド
CH2Cl2(30ml)中、2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−クロロペンタン酸(1.9g、6.5mモル)、Et3N(3.6ml、26mモル)及びPybrop(6g、13mモル)の溶液に、4−ブロモ−フェニルアミン(1.45g、8.45mモル)を添加した。この混合物を室温で一晩、撹拌し、そして次に蒸発した。その混合物をEtOAc(40ml)に再溶解し、そして2NのHCl(20ml×3)、ブライン、5%NaHCO3(20ml×3)、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして蒸発した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを用いて、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物を得た(1.63g、2段階について56%)。
MS: 計算された 444 (MH+),実験444 (MH+)。1H NMR (400 MHz, CDCl3- d) 9.65 (広い s, 1H), 8.72 (d, 1H, J=2.0 Hz), 8.06 (d, 1H, J=8.4 Hz), 7.53-7.41 (m, 4H), 4.18- 4.08 (m, 1H), 3.66-3.54 (m, 2H), 2.45-2.35 (m, 1H), 2.21-2.11 (m, 1H), 1.98-1.87 (m, 1H), 1.83- 1.72 (m, 1H)。
【0133】
例11
【化22】

【0134】
2-(5-ブロモ-ピリジ-2-イル)-5-({lS,4S}-2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-イル)-ペンタン酸 (4-ブロモ-フェニル)-アミド
DMF(20ml)中、2-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-5-クロロ-ペンタン酸 (4-ブロモ-フェニル)-アミド(1.62g、3.63mモル)及びEt3N(2ml、14.52mモル)の混合物に、(1S, 4S)−2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(1.08g、10.89mモル)を添加した。次に、その溶液を80℃で8時間、撹拌した。その混合物をEtOAc(60ml)に再溶解し、そして水(20ml×3)、ブラインにより洗浄し、Na2SO4により乾燥し、濾過し、そして蒸発した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(1.28g、69%)を得た。MS: 計算された 508 (MH+),実験508 (MH+)。
【0135】
例12
【化23】

【0136】
(E)-[2-(3-{6-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-4-({lS,4S}-2-オキサ-5-アザ- ビシクロ [2.2.1] ヘプト-5-イル)-ブチル] -ピリジン-3-イル}-アクリロイルアミノ)-フェニル] -カルバミン酸 tert- ブチル エステル
DMF(20ml)中、2-(5-ブロモ-ピリジ-2-イル)-5-(2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-イル)-ペンタン酸 (4-ブロモ-フェニル)-アミド(1.07g、2.1mモル)、(2−アクリロイルアミン−フェニル)−カルバミン酸ブチルエステル(578mg、2.205mモル)、Pd2(dba)3(385mg, 0.42mモル)、トリ−O−トリルホスフィン(256mg、0.84mモル)及びトリエチルアミン(636mg、6.3mモル)の混合物を、N2下で80℃で15時間、撹拌した。その反応混合物を、EtOAc(80ml)により希釈し、次に水(20ml×2)、ブライン(20ml)により洗浄し、そして硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を蒸発した。残留生成物を、さらに精製しないで、直接使用した。MS: c計算された 690 (MH+),実験690 (MH+)。
【0137】
例13
【化24】

【0138】
(E)-2-{5-[2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-ピリジン-2-イル}-5-({lS,4S}-2-オキサ-5-アザ- ビシクロ [2.2.1] ヘプト-5-イル)-ペンタン酸 (4-ブロモ-フェニル)-アミド
メタノール中、塩酸(1.25M, 5ml)を、(E)-[2-(3-{6-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-4-({lS,4S}-2-オキサ-5-アザ- ビシクロ [2.2.1] ヘプト-5-イル)-ブチル] -ピリジン-3-イル}-アクリロイルアミノ)-フェニル] -カルバミン酸 tert- ブチル エステル残渣に添加し、その混合物を室温で約12時間、撹拌し、そして次にNaHCO3をその反応システムに添加した。固形物の濾過の後、粗混合物を分離用HPLCにより精製し、白色固形物を得た。
【0139】
MS: 計算された 590 (MH+),実験590 (MH+)。1H NMR (d4-MeOD, 400MHz), 8.76 (d, 1H, J=1.6 Hz), 8.09 (dd, 1H, J=2.0, 8.0 Hz), 7.70 (d, 1H, J=15.6 Hz), 7.61 (d, 1H, J=8.0 Hz), 7.57-7.52 (m, 2H), 7.48-7.43 (m, 2H), 7.21 (d, 1H, J=1.6 Hz), 7.10-7.04 (m, 1H), 6.97 (d, 1H, J=15.6 Hz), 6.90 (d, 1H, J=8.0 Hz), 6.77 (t, 1H, J=8.0 Hz), 4.46 (s, 1H), 4.02 (d, 1H, J=8.4 Hz), 3.95 (t, 1H, J=7.6 Hz), 3.76 (広い s, 1H), 3.66 (d, 1H, J=7.3 Hz), 2.95 (d, 1H, J=10.6 Hz), 2.87 (広い s, 1H), 2.77 (広い s, 2H), 2.24 (広い s, 1H), 2.03 (広い s, 1H), 1.95 (d, 1H, J=10.8 Hz), 1.85 (d, 1H, J=10.8 Hz), 1.63 (広い s, 2H)。
【0140】
例14
【化25】

【0141】
2-(4-ブロモ-フェニル)-3-(l-メチル-ピペリジン-4-イル)-プロピオニトリル
DMF(6ml)−トルエン(12ml)の混合物中、NaH(60%、0.44g、11mモル)分散体の懸濁液に、4−ブロモベンゼンアセトニトリル(1.96g、10mモル)をN2下で添加した。氷上で1時間、撹拌し、そして冷却した後、4−クロロメチル−1−ピペリジン(1.48g、10mモル)を滴下した。その混合物を70℃で2時間、撹拌し、次に水を添加し、そしてその混合物をEtOAcにより抽出し、有機層を乾燥し(硫酸マグネシウム)、そして真空下で蒸発し、油状残渣を得、これをさらに精製しないで使用した。MS: 計算された 307 (MH+),実験307 (MH+)。
【0142】
例15
【化26】

【0143】
2-(4-ブロモ-フェニル)-3-(l-メチル-ピペリジン-4-イル)-プロピオン酸
2-(4-ブロモ-フェニル)-3-(l-メチル-ピペリジン-4-イル)-プロピオニトリルの油状残渣を、4mlの濃硫酸及び水(38:28)により2時間、還流することにより加水分解した。その混合物をNa2CO3により中和し、次にメタノール(20ml)を添加した。固形物を濾過し、そしてメタノール(3×10ml)により洗浄した。組合されたメタノール溶液を蒸発し、油状物を得た。MS: 計算された 326 (MH+),実験326 (MH+)。
【0144】
例16
【化27】

【0145】
2-(4-ブロモ-フェニル)-3-(l-メチル-ピペリジン-4-イル)-プロピオン酸 メチル エステル
メタノール(60ml)中、2-(4-ブロモ-フェニル)-3-(l-メチル-ピペリジン-4-イル)-プロピオン酸の溶液に、SOCl2(2ml)を0℃で添加し、次にその混合物を5時間、還流した。冷却の後、その溶液を減圧下で蒸発乾燥し、次にEtOAcを添加し、有機層を水性炭酸水素ナトリウムにより洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、そして蒸発し、油状物を得る。MS: 計算された 340(MH+),実験340 (MH+)。
【0146】
例17
【化28】

【0147】
(E)-2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-3-(l- メチル-ピペリジン-4-イル)-プロピオン酸 メチル エステル
DMF(12ml)中、2-(4-ブロモ-フェニル)-3-(l-メチル-ピペリジン-4-イル)-プロピオン酸 メチル エステル(2.27g、6.67mモル)、(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2g、7.2mモル)、Pd2(dba)3(160mg, 0.175mモル)、トリ−O−トリルホスフィン(160mg、0.526mモル)及びトリエチルアミン(1.6g、15.8mモル)の混合物を、N2下で100℃で4時間、撹拌した。室温に冷却した後、その混合物を、NH4Clの飽和水溶液中に注ぎ、そして酢酸エチル(80ml)により抽出した。有機層をブラインにより洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、そしてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色の固形物(1.74g、50%)を得た。MS: 計算された 522 (MH+),実験522 (MH+)。
【0148】
例18
【化29】

【0149】
(E)-2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-3-(l- メチル-ピペリジン-4-イル)-プロピオン酸
メタノール/水(4:1)(2ml)中、(E)-2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-3-(l- メチル-ピペリジン-4-イル)-プロピオン酸 メチル エステル(52.1mg、10mモル)の溶液に、LiOH(24mg、100mgモル)を添加した。その溶液を室温で5時間、撹拌した後、その溶液を2NのHClによりpH5-6に中和した。その混合物を減圧下で蒸発乾燥し、次に、EtOAc(10ml)を添加した。有機層をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして蒸発し、黄色の固体生成物を得、これをさらに精製しないで使用した。MS: 計算された 508 (MH+),実験508 (MH+)。
【0150】
例19
【化30】

【0151】
(E)-N-(2-アミノ-フェニル)-3-{4-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-2-(l-メチル-ピペリジン- 4-イル)-エチル]-フェニル}-アクリルアミド
CH2Cl2(30ml)中、(E)-2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-3-(l- メチル-ピペリジン-4-イル)-プロピオン(2.54g、5mモル)、Et3N(1.21g、10mモル)及びHATU(3.80g、10mモル)の溶液に、4−ブロモ−フェニルアミン(1.29g、7.5mモル)を添加した。この混合物を室温で一晩、撹拌し、そして次に蒸発した。その混合物をEtOAc(20ml)に再溶解し、そして2NのHCl(20ml×3)、ブライン、5%NaHCO3(20ml×3)、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして蒸発した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを用いて、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物を得た。1.25MのHCl/メタノール(4ml)を、生成物に添加した。その溶液を周囲温度で4時間、撹拌した。反応の後、その溶液を固体炭酸水素ナトリウムにより中和した。最終生成物を分離用HPLCにより得た。
【0152】
MS: 計算された 561 (MH+),実験561 (MH+). 1H NMR (d6-DMSO, 400MHz) 10.29 (s, 1H), 9.40 (s, 1H), 7.60-7.51 (m, 5H), 7.49-7.45 (m, 4H), 7.34 (d, 1H, J=7.6 Hz), 6.94-6.85 (m, 2H), 6.75 (d, 1H, J=7.6 Hz), 6.58 (t, 1H, J=7.6 Hz), 4.94 (広い s, 2H), 3.84 (t, 1H, J=7.6 Hz), 2.97 (広い s, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.22 (広い s, 2H), 2.07- 1.63 (m, 3H), 1.30-1.24 (m, 3H)。
次の表9〜10に記載される化合物は、上記例19に記載される合成方法に類似する方法により、但し適切な出発材料を用いることにより調製された。
【0153】
【表9】

【0154】
【表10】

【0155】
例20
【化31】

【0156】
2-(4-ブロモ-フェニル)-4-(l-メチル-ピロリジン-2-イル)-ブチロニトリル
DMF(6ml)−トルエン(12ml)の混合物中、NaH(60%、0.44g、11mモル)分散体の懸濁液に、4−ブロモベンゼンアセトニトリル(1.96g、10mモル)をN2下で添加した。氷上で1時間、撹拌し、そして冷却した後、2−(2−クロロ−エチル)−1−メチル−ピロリジン(1.48g、10mモル)を滴下した。その混合物を70℃で2時間、撹拌し、次に水を添加し、そしてその混合物をEtOAcにより抽出した。有機層を乾燥し(硫酸マグネシウム)、そして真空下で蒸発し、油状残渣を得、これをさらに精製しないで使用した。MS: 計算された 307 (MH+),実験307 (MH+)。
【0157】
例21
【化32】

【0158】
2-(4-ブロモ-フェニル)-4-(l-メチル-ピロリジン-2-イル)-酪酸
2-(4-ブロモ-フェニル)-4-(l-メチル-ピロリジン-2-イル)-ブチロニトリルの油状残渣を、4mlの濃硫酸及び水(38:28)により2時間、還流することにより加水分解した。その混合物をNa2CO3により中和し、次にメタノール(20ml)を添加した。固形物を濾過し、そしてメタノール(3×10ml)により洗浄した。組合されたメタノール溶液を蒸発し、油状物を得た。MS: 計算された 326 (MH+),実験326 (MH+)。
【0159】
例22
【化33】

【0160】
2-(4-ブロモ-フェニル)-4-(l-メチル-ピロリジン-2-イル)-酪酸 メチル エステル
メタノール(60ml)中、2-(4-ブロモ-フェニル)-4-(l-メチル-ピロリジン-2-イル)-酪酸の溶液に、SOCl2(2ml)を0℃で添加し、次にその混合物を5時間、還流した。冷却の後、その溶液を減圧下で蒸発乾燥し、次にEtOAcを添加し、有機層を水性炭酸水素ナトリウムにより洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、そして蒸発し、油状物を得る。MS: 計算された 340(MH+),実験340 (MH+)。
【0161】
例23
【化34】

【0162】
(E)-2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-4-(l- メチル-ピロリジン-2-イル)-酪酸 メチル エステル
DMF(12ml)中、2-(4-ブロモ-フェニル)-4-(l-メチル-ピロリジン-2-イル)-酪酸 メチル エステル(2.27g、6.67mモル)、(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2g、7.2mモル)、Pd2(dba)3(160mg, 0.175mモル)、トリ−o−トリルホスフィン(160mg、0.526mモル)及びトリエチルアミン(1.6g、15.8mモル)の混合物を、N2下で100℃で4時間、撹拌した。室温に冷却した後、その混合物を、NH4Clの飽和水溶液中に注ぎ、そして酢酸エチル(80ml)により抽出した。有機層をブラインにより洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、そしてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色の固形物(1.74g、50%)を得た。MS: 計算された 522 (MH+),実験522 (MH+)。
【0163】
例24
【化35】

【0164】
(E)-2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-4-(l- メチル-ピロリジン-2-イル)-酪酸
メタノール/水(4:1)(2ml)中、(E)-2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-4-(l- メチル-ピロリジン-2-イル)-酪酸 メチル エステル(52.1mg、10mモル)の溶液に、LiOH(24mg、100mgモル)を添加した。その溶液を室温で5時間、撹拌した後、その溶液を2NのHClによりpH5-6に中和した。その混合物を減圧下で蒸発乾燥し、次に、EtOAc(10ml)を添加した。有機層をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして蒸発し、黄色の固体生成物を得、これをさらに精製しないで使用した。MS: 計算された 508 (MH+),実験508 (MH+)。
【0165】
例25
【化36】

【0166】
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-N-(4-ブロモ-フェニル)-4-(l- メチル-ピロリジン-2-イル)-ブチルアミド
CH2Cl2(30ml)中、(E)-2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-4-(l- メチル-ピロリジン-2-イル)-酪酸(2.54g、5mモル)、Et3N(1.21g、10mモル)及びHATU(3.80g、10mモル)の溶液に、4−ブロモ−フェニルアミン(1.29g、7.5mモル)を添加した。この混合物を室温で一晩、撹拌し、そして次に蒸発した。その混合物をEtOAc(20ml)に再溶解し、そして2NのHCl(20ml×3)、ブライン、5%NaHCO3(20ml×3)、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして蒸発した。残渣を、ヘキサン/EtOAcを用いて、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物を得た。1.25MのHCl/メタノール(4ml)を、生成物に添加した。その溶液を周囲温度で4時間、撹拌した。反応の後、その溶液を固体炭酸水素ナトリウムにより中和した。最終生成物を分離用HPLCにより得た。
【0167】
MS: 計算された 561 (MH+),実験561 (MH+). 1H NMR (d6-DMSO, 400MHz) 10.25 (d, 1H, J= 8.8 Hz), 9.40 (s, 1H), 7.60-7.56 (m, 4H), 7.53 (d, 1H, J=15.6 Hz), 7.49-7.45 (m, 4H), 7.34 (d, 1H, J =8.0 Hz), 6.93 (d, 1H, J =7.6Hz), 6.88 (d, 1H, J=15.6 Hz), 6.75 (d, 1H, J=7.6 Hz), 6.58 (t, 1H, J= 8.0 Hz), 4.95 (s, 2H), 3.71 (広い s, 1H), 3.07 (広い s, 1H), 2.31 (広い s, 4H), 1.99 (広い s, 2H), 1.69-1.46 広い m, 5H)。
【0168】
例26
【化37】

【0169】
2-(4-ブロモ-フェニル)-アクリル酸 エチル エステル
DMF(10ml)中、(4−ブロモ−フェニル)−酢酸エチルエステル(972.4mg、4mモル)、パラホルムアルデヒド(240mg、8mモル)及びBu4NCl(22mg、0.08mモル)の溶液に、K2CO3(1.32g、9.6mモル)を添加した。この混合物を60℃で2時間、加熱した。次に、この混合物を冷却し、そしてEtOAc(30ml)により希釈し、そして水(20ml×3)、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして蒸発した。残渣を、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物(0.74g、73%)を得た。MS: 計算された 255 (MH+),実験255 (MH+)。
【0170】
例27
【化38】

【0171】
2-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3-ジエチルアミノピロリジン-l-イル)-プロピオン酸 エチル エステル
THF(10ml)中、ジエチル−ピロリジン−3−イル−アミン(0.685g、6mモル)の溶液に、0℃でTHF中、2-(4-ブロモ-フェニル)-アクリル酸 エチル エステル(1.27g、5mモル)を滴下した。次に、その混合物を室温で1時間、撹拌し、そして真空下で濃縮した。残渣をEtOAc(30ml)に溶解し、水(20ml×2)、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして蒸発した。得られる油状物を、さらに精製しないで、直接使用した。MS: 計算された 397 (MH+),実験397 (MH+)。
【0172】
例28
【化39】

【0173】
2-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3-ジエチルアミノピロリジン-l-イル)-プロピオン酸
メタノール(4ml)中、2-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3-ジエチルアミノピロリジン-l-イル)-プロピオン酸 エチル エステル(639mg、1.6mモル)の溶液に、水性NaOH(2N、8mモル)を添加した。この溶液を40℃で2時間、撹拌し、次に真空下で濃縮した。残渣を水に溶解し、そして0℃で2NのHClによりpH5−6に中和した。次に、その混合物を減圧下で蒸発乾燥し、さらに精製しないで、白色固体生成物を得た。MS: 計算された369 (MH+),実験369 (MH+)。
【0174】
例29
【化40】

【0175】
2-(4-ブロモ-フェニル)-N-(4-クロロ-フェニル)-3-(ジエチルアミノピロリジン-l-イル)- プロピオンアミド
CH2Cl2(10ml)中、2-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3-ジエチルアミノピロリジン-l-イル)-プロピオン酸(590mg、1.6mモル)、DIPEA(1.03g、8mモル)及びPybrop(1.12g、2.4mモル)の溶液に、4−クロロ−フェニルアミン(306mg、2.4mモル)を添加した。この混合物を室温で一晩、撹拌し、そして次に蒸発した。その混合物をEtOAc(20ml)に再溶解し、そして水、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、真空下で濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固形物を得た。MS: 計算された478 (MH+),実験478 (MH+)。
【0176】
例30
【化41】

【0177】
(E)-[2-(3-{4-[l-(4-クロロ-フェニルカルバモイル)-2-(3-ジエチルアミノピロリジン-l-イル)- エチル]-フェニル}-アクリロイルアミノ)-フェニル]-カルバミン酸 tert-ブチル エステル
DMF(10ml)中、2-(4-ブロモ-フェニル)-N-(4-クロロ-フェニル)-3-(ジエチルアミノピロリジン-l-イル)- プロピオンアミド(826mg、1.72mモル)、(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(452mg、1.72mモル)、Pd2(dba)3(47.3mg, 0.051mモル)、トリ−o−トリルホスフィン(62.8mg、0.017mモル)及びトリエチルアミン(694mg、6.88mモル)の混合物を、N2下で100℃で4時間、撹拌した。室温に冷却した後、その混合物を、NH4Clの飽和水溶液中に注ぎ、そして酢酸エチル(80ml)により抽出した。有機層をブラインにより洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、そしてさらに精製しないで、直接使用した。MS: 計算された 660 (MH+),実験660 (MH+)。
【0178】
例31
【化42】

【0179】
(E)-N-(2-アミノ-フェニル)-3-{4-[l-(4-クロロ-フェニルカルバモイル)-2-(3-ジエチルアミノ ピロリジン-l-イル)-エチル]-フェニル}-アクリルアミド
CH2Cl2(10ml)中、(E)-[2-(3-{4-[l-(4-クロロ-フェニルカルバモイル)-2-(3-ジエチルアミノピロリジン-l-イル)- エチル]-フェニル}-アクリロイルアミノ)-フェニル]-カルバミン酸 tert-ブチル エステル(528mg、0.8mモル)の溶液に、CF3COOH(612μl、8mモル)を添加した。その混合物を約4時間、撹拌し、そして次に、NaHCO3を反応システムに添加した。固形物の濾過の後、粗混合物を分離用HPLCにより精製し、淡黄色の固形物を得た。
【0180】
MS: 計算された 560 (MH+),実験560 (MH+)。1H NMR (d4-MeOD, 400MHz), 7.66 (d, 1H, J=15.6 Hz), 7.60-7.57 (m, 4H), 7.49 (d, 2H, J=8.0 Hz), 7.29 (d, 2H, J=8.8 Hz), 7.22 (d, 1H, J=7.6 Hz), 7.06 (t, 1H, J=7.6 Hz), 6.89 (d, 1H, J=8.8 Hz), 6.84 (d, 1H, J=15.6 Hz), 6.76 (t, 1H, J=7.6 Hz), 3.94 (m, 1H), 3.48-3.35 (m, 2H), 2.82-2.53 (広い m, 9H), 2.01-1.95 (m, 1H), 1.74-1.71 (m, 1H), 1.00 (q, 6H, J=7.0 Hz)。
次の表11に記載される化合物は、上記例31に記載される合成方法に類似する方法により、但し適切な出発材料を用いて調製した。
【0181】
【表11】

例32
【化43】

【0182】
(2-ブロモ-エトキシ)-tert-ブチル-ジメチル-シラン
2−ブロモエタノール(10.0ml、141mモル)を、無水DMF(25ml)中、イミダゾール(12.5g、184mモル)及びtert−ブチルジメチルシリルクロリド(21.1g、140mモル)の混合物に添加した。反応混合物を室温で12時間、撹拌し、水及びジエチルエーテルを添加した。相を分離した。水性相をジエチルエーテルにより抽出した。有機相を水及びブラインにより洗浄した。その溶液をNa2SO4により乾燥した。溶媒の蒸発により、無色の液体を得た。MS: 計算された 239 (MH+),実験239 (MH+)。
【0183】
例33
【化44】

【0184】
2-(4-ブロモ-フェニル)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-酪酸 エチル エステル
DMF(50ml)中、(4−ブロモ−フェニル)−酢酸エチル(15g、61.7mモル)及びt−BuOK(10.3g、92.6mモル)の溶液を、室温で1時間、撹拌した。次に、(2−ブロモ−エトキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン(26.6g、111mモル)を、0℃でこの溶液にゆっくり添加した。その混合物を室温で一晩、撹拌し、そして水(200ml)中に注いだ。水性相を、EtOAc(200ml×3)により抽出し、そして有機層を、飽和NH4Cl(200ml)、水(100ml×3)、ブライン(100ml)により洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、そして蒸発し、粗生成物を得た。それをフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン〜CH2Cl2/メタノール)により精製し、所望する生成物(12.1g、50%)を得た。MS: 計算された 401 (MH+),実験401 (MH+)。
【0185】
例34
【化45】

【0186】
2-{4-[2-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-4-(tert-ブチル- ジメチル-シラニルオキシ)-酪酸 エチル エステル
DMF(50ml)中、2-(4-ブロモ-フェニル)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-酪酸 エチル エステル(4.5g、11.22mモル)、(2−アクリロイルアミン−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.1g、11.78mモル)、Pd2(dba)3(839mg, 0.92mモル)、トリ−o−トリルホスフィン(546mg、1.79mモル)及びトリエチルアミン(4.53g、44.88mモル)の混合物を、N2下で110℃で4時間、撹拌した。室温に冷却した後、その混合物を、NH4Clの飽和水溶液中に注ぎ、そして酢酸エチル(200ml)により抽出した。有機層をブラインにより洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、そしてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色の固形物を得た(2.63g、42%)。MS: 計算された 583 (MH+),実験583 (MH+)。
【0187】
例35
【化46】

【0188】
2-(4-ブロモ-フェニル)-5-クロロ-ペンタンニトリル
DMF(30ml)−トルエン(60ml)の混合物中、NaH(60%、2.2g、55mモル)分散体の懸濁液に、4−ブロモベンゼンアセトニトリル(9.8g、50mモル)をN2下で添加した。氷上で1時間、撹拌し、そして冷却した後、3−クロロ−1−プロピルブロミド(7.87g、50mモル)を滴下し、そして撹拌を10℃で30分間続け、次に水を添加し、そしてその混合物をEtOAcにより抽出した。有機層を乾燥し(硫酸マグネシウム)、そして真空下で蒸発した。油状残渣を真空下で蒸留し、油状物を得た(5.4g、40%)。bp 155-160 ℃ (7.5*10 -5 トル)MS: 計算された 271 (MH+),実験271 (MH+)。1H NMR (400MHz, CDCl3), 7.54-7.56 (2H), 7.24-7.26 (2H), 3.84 (1H), 3.59 (2H), 1.92- 2.12 (4H)。
【0189】
例36
【化47】

【0190】
2-(4-ブロモフェニル)-5-クロロ-ペンタン酸
2−(4−ブロモフェニル)−5−クロロペンタンニトリル(4g、14.7mモル)を、濃硫酸:氷酢酸:水の3:5:3混合物(33ml)による12時間の還流により加水分解した。反応混合物を室温に冷却し、水により希釈し、そしてCHCl3により抽出した。有機層をブラインにより洗浄し(3度)、次に硫酸マグネシウムにより乾燥し、溶液を減圧下で蒸発乾燥し、油状物(3.8g、90%)を得た。MS: 計算された 290 (MH+),実験290 (MH+)。1H NMR (400MHz, CDCl3), 7.46-7.56 (2H), 7.10-7.20(2H), 3.84 (1H), 3.52(3H), 1.60-2.20 (4H)。
【0191】
例37
【化48】

【0192】
2-(4-ブロモ-フェニル)-5-クロロペンタン酸 メチル エステル
メタノール(60ml)中、2-(4-ブロモフェニル)-5-クロロ-ペンタン酸(3g、10.38mモル)の溶液に、SOCl2(2ml)を0℃で添加し、次にその混合物を5時間、還流した。冷却の後、溶液を減圧下で蒸発乾燥し、次にEtOAcを添加し、そしてその混合物を水性炭酸水素ナトリウムにより洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥し、そして蒸発し、化合物を油状物(2.85g、90%)として得た。MS: 計算された 304 (MH+),実験304 (MH+)。
【0193】
例38
【化49】

【0194】
2-{4-[2-(-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-クロロ- ペンタン酸 メチル エステル
DMF(12ml)中、2-(4-ブロモ-フェニル)-5-クロロペンタン酸 メチル エステル(2g、6.67mモル)、(2−アクリロイルアミノ−フェニル)−カルバミン酸ブチルエステル(2g、7.2mモル)、Pd2(dba)3(160mg, 0.17mモル)、トリ−o−トリルホスフィン(160mg、0.53mモル)及びトリエチルアミン(1.6g、15.8mモル)の混合物を、N2下で100℃で4時間、撹拌した。反応混合物をEtOAc(80ml)により希釈し、次に水(20ml×2)により洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。その溶液を蒸発した。残留生成物を最終的に、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、生成物(1.6g、50%の収率)を得た。MS: 計算された 487 (MH+),実験487 (MH+)。
【0195】
例39
【化50】

【0196】
2-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-マロン酸 ジエチル エステル
1,4−ジオキサン(400ml)中、5−ブロモ−2−ヨード−ピリジン(56.8g、0.2モル)、マロン酸ジエチルエステル(64g、0.4モル)、CuI(3.8g, 0.02モル)、Cs2CO3(195.5g、0.6モル)及びピリジン−2−カルボン酸(2.46g、0.04モル)の混合物を、N2下で70℃で24時間、撹拌した。室温への冷却の後、固形物を濾過し、そして溶媒を蒸発した。残渣を酢酸エチル(400ml)に溶解し、そして水、ブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=20:1)により精製し、油状物(31.6g、50%)を得た。MS: 計算された 316 (MH+),実験316 (MH+)。 1H NMR (d6-DMSO, 400MHz), 8.68 (d, 1H, J=2.4 Hz), 8.11 (dd, 1H, J=2.4, 8.4 Hz), 7.45 (d, 1H, J=8.4 Hz), 5.16 (s, 1H), 4.20- 4.07 (m, 4H), 1.18 (t, J=8.4 Hz, 6H)。
【0197】
例40
【化51】

【0198】
5−(ブロモ−ピリジン−2−イル)−酢酸
メタノール(200ml)中、2-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-マロン酸 ジエチル エステル(16.6g、52.5mモル)の溶液に、水性NaOH(2N、105ml、210mモル)を添加した。この溶液を室温で3時間、撹拌し、次に真空下で濃縮した。残渣を水に溶解し、そして2NのHClによりpH3−4に中和した。次に、その固形物を濾過し、そして水、エーテルにより洗浄し、乾燥し、さらに精製しないで、白色固体生成物(9.0g、80%)を得た。MS: 計算された215 (MH+),実験215 (MH+)。
【0199】
例41
【化52】

【0200】
(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-酢酸 メチル エステル
メタノール(80ml)中、5−(ブロモ−ピリジン−2−イル)−酢酸の溶液に、SOCl2(10g、83.4mモル)を0℃で添加し、次にその混合物を室温で3時間、撹拌した。冷却の後、その溶液を減圧下で蒸発乾燥し、次にEtOAcを添加し、その混合物を水性炭酸水素ナトリウムにより洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥し、そして蒸発し、油状物として化合物(8.6g、90%)を得る。MS: 計算された 229(MH+),実験229 (MH+)。
【0201】
例42
【化53】

【0202】
2-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-5-クロロ-ペンタン酸 メチル エステル
DMF(60ml)の混合物中、NaH(60%、1.8g、44.9mモル)分散体の懸濁液に、(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-酢酸 メチル エステル(8.6g、37.4mモル)をN2下で添加した。氷上で1時間、撹拌し、そして冷却した後、3−クロロ−1−プロピルブロミド(7.07g、44.9mモル)を滴下し、そして撹拌を10℃で30分間続け、次に水を添加し、そしてその混合物をEtOAcにより抽出した。有機層を乾燥し(硫酸マグネシウム)、そして真空下で蒸発した。油状残渣をクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=15:1)により精製し、油状物(6.87g、60%)を得た。MS: 計算された 305 (MH+),実験305 (MH+)。1H NMR (400 MHz, CDCl3-d) 8.64 (d, 1H, J=2.4 Hz), 7.84 (dd, 1H, J=2.4, 8.4 Hz), 7.28 (s,1H), 3.90-3.84 (m, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.55 (t, 2H, J=6.4 Hz), 2.32-2.20 (m, 1H), 2.14-2.05 (m, 1H), 1.88-1.67 (m, 2H)。
【0203】
例43
【化54】

【0204】
2-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-5-クロロ-ペンタン酸
THF/メタノール(5/1)30ml中、2-(5-ブロモ-ピリジン-2-イル)-5-クロロ-ペンタン酸 メチル エステル(2.0g、6.5mモル)の溶液に、LiOH・H2O(1.092g、26mモル)を添加した。その溶液を室温で16時間、撹拌した後、溶液を2NのHClによりpH5−6に中和した。その混合物を減圧下で蒸発乾燥し、次にEtOAc(50ml)を添加した。有機層をブラインにより洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして蒸発し、さらに精製しないで、油状生成物を得た。MS: 計算された 291 (MH+),実験291 (MH+)。
【0205】
例44
新規化合物によるHDAC阻害:HeLa抽出物HDAC蛍光定量アッセイ
新規化合物を、インビトロ脱アセチル化アッセイを用いて、ヒストンデアセチラーゼを阻害するそれらの能力について試験した。このアッセイのための酵素源は、HeLa核抽出物であった。基質は、アセチル化されたリシン側鎖を含む市販の製品から成った(HeLa抽出物及び基質の両者は、BIOMOL Research Laboratories, Inc., Plymouth Meeting, PAから市販されている)。
【0206】
HeLa核抽出物とのインキュベーションによる基質の脱アセチル化の後、展開する試薬への続く暴露は、脱アセチル化のレベルに直接比例する蛍光発色団を生成する。HeLa核抽出物についてのKmでの基質濃度を用いて、脱アセチル化アッセイを、30μMでの新規化合物の存在下で実施し、そして既知の対照HDACインヒビター(SNDX-275)に対する%酵素阻害率を決定した。上記例及び表に記載される本発明の化合物は、既知対照化合物に対して約75%〜190%の範囲で、ヒストンデアセチラーゼ阻害活性を示す。特定の代表的化合物についての阻害活性が、表12に見出され得る。
【0207】
例45
新規化合物によるp21レポーター遺伝子誘発
本発明の新規化合物を、p21プロモーター−ルシフェラーゼ構造体によりトランスフェクトされたHeLa細胞を包含するレポーター遺伝子アッセイを用いて、p21遺伝子発現を誘発するそれらの能力について試験した。p21プロモーターは、上流のp53結合部位ではない、HDACについてのSp1/Sp3結合部位を含んだ。手短に言及すれば、トランスフェクションの前日、HeLa細胞を、96−ウェル培養プレートに11,000個の細胞/ウェルで接種し、そして37℃で5%CO2下で一晩インキュベートした。トランスフェクションのために、培地を除き、そして次の通りにして前もって調製された100μl/ウェルのトランスフェクション培地により交換した:5μlの血清フリーDMEM、0.15μlのFugene 6試薬、40ngのp21−luc, 10ngのGFPを軽く混合し、そして室温で30分間インキュベートし;次に98μlのDMEM(10%FBS, 1%ペニシリン及びストレプトマイシンを含む)を、DNA:Fugene 6試薬複合体に添加し、そして軽く混合した。
【0208】
5%CO2下で37℃での24時間の細胞のインキュベーションの後、新鮮な培地及び試験化合物をウェルに添加し、そして細胞をさらに、5%CO2下で37℃で15時間インキュベートした。細胞を、80μl/ウェルの細胞培養溶解試薬(Promega)を添加することにより溶解した。50μlの個々の溶解物を、486nmの励起波長及び527nmでの検出を用いてのGFP検出のために採取した。次に、100μlのルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega)をルミノメーター検出のために、あらゆる20μlの細胞溶解物に添加した。上記例及び表に記載される本発明の化合物は、3μMの濃度での既知HDACインヒビター(SNDX-275)に対して約25%〜300%の範囲でp21誘発活性を示す。特定の代表化合物についての誘発活性が、表12に見出され得る。
【0209】
例46
新規化合物による癌細胞系に対する抗増殖活性
本発明の新規化合物を、下記に記載されるインビトロ増殖阻害アッセイを用いて種々の癌細胞系の増殖を阻害するそれらの能力について試験した。
MTSアッセイ
細胞を96−ウェル培養プレートに接種し(細胞型に依存して異なった接種濃度でウェル当たり200μl)、そして5%CO2下で37℃で一晩インキュベートした。細胞への化合物希釈溶液の添加の後(0.5%以下に維持されるDMSO濃度)、細胞を5%CO2下で37℃で72時間インキュベートした。増殖に対する効果を、MTS試薬(Promega)の添加により、その製造業者の説明書に対して決定し、続いて5%CO2下で37℃で2時間インキュベートし、そして最終的に、ELISAプレートリーダーを用いて490nmで吸光度を記録した。
【0210】
WSTアッセイ
MTSアッセイに類似するが、但しデベロッパーはCCK−8試薬(Dojindo)であり、そしてプレートリーダーは450nmの吸光度に設定される。
上記例及び表に記載される本発明の化合物は、約400nM〜6μMの範囲で72時間のGI50を伴って、癌細胞系の増殖を阻害した。特定の代表化合物についてのSMMC−7721肝臓癌細胞に対するGI50及びGI90が表12に見出され得る。
【0211】
【表12】

【0212】
表12.本発明からの選択された例についての生物学的活性。HDAC(RP30)は、30μMでのSNDX-275に比較しての相対的阻害能力であり;p21(RP3)は、3μMでのSNDX-275に比較しての相対的誘発能力である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式I:
【化1】

[式中、R1は、水素;
ハロゲン;
置換されていないか、又はハロゲンにより1度又は数度置換される低級アルキル;
シクロアルキル;
シアノ;
低級アルコキシであり;
R2は、下記式:
【化2】

であり、ここで
R3は、置換されていないか、又はハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、-C(O)-低級アルキル、=O又はNR4R5により1度又は数度置換される、3〜10員のヘテロシクリル環;又は:
NR4R5であり;
R4/R5はお互い独立して、水素又は低級アルキルであり;
nは、0,1,2,3であり、そしてn=0の場合、R3は炭素を通して結合される3〜10員のヘテロシクリル環であり;
Xは、C又はNである]で表される化合物、及びその医薬的活性塩、ラセミ混合物、光学異性体、鏡像異性体又は互変異体形。
【請求項2】
R1がハロゲン;
置換されていないか、又はハロゲンにより1度、又は数度置換される低級アルキル;
シクロアルキルであり;そして
すべての残る置換基は、請求項1に与えられる有意性を有する、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
XがCであり;そして
すべての残る置換基は、請求項1又は2に与えられる有意性を有する、請求項1又は2記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
R2が、下記式:
【化3】

[式中、R3は、ピロリジニル、モルホリニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(すべての前述の環は、置換されていないか、又はハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、-C(O)-低級アルキル、=O又はNR4R5により1度又は数度置換され得る);又は
NR4R5であり;
R4/R5はお互い独立して、水素又は低級アルキルである]であり;そして
すべての残る置換基は、請求項1、2又は3に与えられる有意性を有する、請求項1、2又は3記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
前記化合物が、
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-モルホリン-4-イル-ペンタン酸 (4- ブロモ-フェニル)-アミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-(lS,4S)-2-オキサ-5-アザ- ビシクロ[2.2. l]ヘプト-5-イル-ペンタン酸 (4-トリフルオロメチル-フェニル)-アミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-(lS,4S)-2-オキサ-5-アザ- ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-イル-ペンタン酸 (4-ブロモ-フェニル)-アミド;
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-モルホリン-4-イル-ペンタン酸 (4- イソプロピル-フェニル)-アミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-(lS,4S)-2-オキサ-5-アザ- ビシクロ[2.2. l]ヘプト-5-イル-ペンタン酸 (4-イソプロピル-フェニル)-アミド;
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-(3-ヒドロキシ-ピペリジン- 1 -イル)- ペンタン酸 (4-イソプロピル-フェニル)-アミド;
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-(3-ヒドロキシ-ピペリジン- 1 -イル)- ペンタン酸 (4-ブロモ-フェニル)-アミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-N-(4-ブロモ-フェニル)-4-モルホリン-4- イル-ブチルアミド;
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-ピロリジン- 1 -イル-ペンタン酸 (4- トリフルオロメチル-フェニル)-アミド;
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-ピペリジン- 1 -イル-ペンタン酸 (4- ブロモ-フェニル)-アミド;
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル} -5-ピロリジン- 1 -イル-ペンタン酸 (4- ブロモ-フェニル)-アミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-5-(2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-イル)-ペンタン酸 (4-クロロ-フェニル)-アミド;
(E)-N-(2-アミノ-フェニル)-3- {4-[ 1 -(4-クロロ-フェニルカルバモイル)-2-(3-ジエチルアミノ-ピロリジン- 1 - イル)-エチル] -フェニル} -アクリルアミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-N-(4-ブロモ-フェニル)-4-(3-ヒドロキシ- ピペリジン-l-イル)-ブチルアミド;
2-{4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-N-(4-ブロモ-フェニル)-4-(lS,4S)-2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-イル-ブチルアミド;
2- {4-[(E)-2-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ビニル]-フェニル}-N-(4-ブロモ-フェニル)-4-(l -メチル ピロリジン-2-イル)-ブチルアミド; 及び
(E)-N-(2-アミノ-フェニル)-3-{4-[l-(4-ブロモ-フェニルカルバモイル)-2-(l-メチルピペリジン-4-イル)- エチル] -フェニル} -アクリルアミドである、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
医薬として使用するためへの請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
少なくとも1つの請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物、及び医薬的に許容できるアジュバントを含んで成る医薬組成物。
【請求項8】
癌、特に固形腫瘍及び血液学的腫瘍の処理のための請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
癌、特に固形腫瘍及び血液学的腫瘍の処理のための医薬の製造のためへの請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項10】
実質的に前述のような新規化合物、工程、方法及び使用。

【公表番号】特表2011−526936(P2011−526936A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517178(P2011−517178)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061533
【国際公開番号】WO2010/031708
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】