説明

癌の処置のための方法および組成物

セイタカナミキソウから単離された単離化合物および単離化合物の組合せは、癌細胞における反応性酸素種の生成、DNA損傷の誘導およびアポトーシスの誘導に有効である。化合物および組合せは、上皮癌などの充実性癌の処置のためにヒトなどの哺乳動物に対して投与するための医薬組成物として調製され得る。かかる上皮癌としては、乳癌および卵巣癌が挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
関連出願の参照
本出願は、2008年9月3日に出願された米国特許仮出願第61/094,012号、2009年3月24日に出願された同第61/162,988号、および2009年4月24日に出願された同第61/172,639号の利益を主張する。これらは、各々、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
乳癌の早期検出および補助的療法の進歩により、一般的には、患者の生存に対して良好な影響がもたらされているが、進行型の転移性乳癌を発症している患者は、一般的に、あまり好ましくない予後に向かう可能性が高い。一般的に使用されているホルモン療法剤および化学療法剤では、一過性の腫瘍退縮がもたらされ得、また、癌に関連する症状も軽減され得る。しかしながら、これらの処置は、多くの場合、毒性および耐え難い副作用を伴い、最終的に、進行段階の乳癌およびその症状の制御が無効となる。乳癌の生存率の改善は、より新規な標的化型の生物学的薬剤であっても穏やかである。さらに、ほとんどの転移性の癌では、利用可能な従来の処置剤に対して、最終的に抵抗性が発現されるか、または患者に過度の副作用が起こる。
【0004】
乳癌処置に使用されている全化学療法剤の60%より多くが天然物質に由来していることに注目することは興味深い(Newman 2003)。かなり最近の例は、太平洋イチイ(Pacific yew tree、Taxus brevifolia)からのタキサン類の開発である。世界中で、世界人口のほぼ80%がなお、一次治療剤源として野生植物系医薬に依存していると推定される。西洋では、野生植物系医薬は、癌と診断された患者の間では、相補医療および代替医療の一般的形態と考えられている。しかしながら、処置を野生植物系医薬のみに依存した女性における治療および臨床的有効性の事例報告にもかかわらず、乳癌の処置のための野生植物系薬剤の安全性と有効性をしっかり評価するための臨床試験はほとんど行なわれていない。以前に、半枝蓮(Scutellaria barbata)の水性抽出物によって、インビトロで乳癌細胞株の増殖阻害がもたらされ得ることが示された(“Antiproliferative activity of Chinese medicinal herbs on breast cancer cells in vitro,”Anticancer Res.、22(6C):3843−52(2002))。半枝蓮の水性濃縮抽出物であるBZL101が、抗増殖活性について5種類の乳癌細胞株(SK−BR−3、MCF7、MDA−MB−231、BT−474およびMCNeuA)において評価された。これらの細胞株は、ある範囲のエストロゲンおよびHER2受容体を発現している乳癌の重要な予後表現型を表す。BZL101(1:10希釈物(15μg/ml)で試験)は、この5種類の細胞株のうち4種類において50%より高い増殖阻害を示した(Campbell、2002)。BZL101は、肺、前立腺および膵癌細胞株の一群において50%より高い増殖阻害を示した。同じ用量のBZL101で、正常ヒト乳房細胞(HuMEC)に対しては25%より高い増殖阻害は引き起こされず、癌細胞に対する選択性が示された(表1)。さらにそうであることは、BZL101が有する正常ヒトリンパ球に対するマイトジェン効果は軽度であった。細胞周期の解析では、BZL101により、S期バーストおよびG1停止が引き起こされた。また、BZL101により、ミトコンドリア膜電位が減衰され、カスパーゼ非依存性高分子グレード(HMG)アポトーシスが引き起こされた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Newman 2003
【非特許文献2】“Antiproliferative activity of Chinese medicinal herbs on breast cancer cells in vitro,”Anticancer Res.、22(6C):3843−52(2002)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
転移性の癌を有する患者の処置のための治療剤の必要性が存在している。また、転移性の癌を有する患者に対する毒性が低減された、より明確に最小限である治療剤の必要性が存在している。特に、比較的毒性が低い、転移性充実性腫瘍(上皮腫瘍など)、より具体的には乳癌および卵巣癌の処置のための新規な治療剤の必要性が存在している。
【0007】
これらおよび他の必要性は、本発明の実施形態によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、セイタカナミキソウ(Scutellaria barbata D.Don)エキスが、既報のものよりずっと高い用量で耐容性が良好であることを見い出した。セイタカナミキソウエキスは、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質を少なくとも約20gの用量で耐容性が良好である。さらに、本発明者は、セイタカナミキソウエキスが、患者に対する投与に適した投薬単位にて簡便に提供され得ることを見い出した。したがって、一部の実施形態において、セイタカナミキソウから抽出された可溶分を少なくとも約20g含む投薬単位を提供する。一部の実施形態において、該単位用量形態は、さらに、少なくとも1種類の賦形剤、特に、水以外の少なくとも1種類の賦形剤、特に、少なくとも1種類の矯味剤、甘味料または両方を含む。特定の実施形態において、投薬単位は、経口投与に適した形態、例えば、水性(水系)組成物または水での再構成に適した乾燥粉末である。本発明者は、該投薬単位が、癌患者、特に、乳癌または婦人科癌(子宮癌など)に苦しんでいる癌患者に対する投与に適していることを見い出した。
【0009】
本発明者は、セイタカナミキソウから抽出された可溶分少なくとも約20g/日の用量は、耐容性が良好であり、癌、特に乳癌の処置に有効であると判定した。したがって、本発明は、セイタカナミキソウから抽出された可溶分を少なくとも約20g/日で癌患者に投与することを含む、癌の処置方法を提供する。一部の実施形態において、癌は、乳癌および1種類以上の婦人科癌から選択される。一部の実施形態において、方法は、セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20g/日〜約200g/日で患者に投与することを含む。
【0010】
また、本発明者は、矯味剤などの賦形剤を、高用量のセイタカナミキソウエキス含有医薬組成物に添加すると、該エキスの苦味が減弱されると判定した。本発明者は、高用量のセイタカナミキソウ(例えば、少なくとも約20gの可溶分/用量または/日)は耐容性が良好であるが、比較的口当たりがよくないことを見い出したため、本発明者は、癌の処置などのためのセイタカナミキソウエキスを高用量で摂取するための口当たりのよい組成物の作製には、矯味剤または他の薬剤の添加が望ましいことを見い出した。したがって、本明細書に記載の実施形態は、水以外の少なくとも1種類の賦形剤(少なくとも1種類の矯味剤、甘味料または両方など)と、本発明者がセイタカナミキソウエキスの抗癌活性に必要であると特定した抗癌活性分であるルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうち1つ以上を含む医薬組成物(例えば、癌、特に、乳癌または婦人科癌の処置のための)を提供する。また、本発明者は、高分子量化合物、例えば、高分子量(例えば、1,000〜10,000グラム/モルより大きい分子量)を有する化合物は、なんら実質的な活性を付与することなく該組成物の嵩を増し、胃の不調、ガス、鼓脹および/または下痢を引き起こす傾向にあることを見い出した。したがって、一部の実施形態において、医薬組成物は、高分子量化合物を枯渇させたものであり、一部の実施形態では、高分子量化合物を実質的に含まない。一部の実施形態において、該組成物は、約1部のルテオリン、約1.1部のアピゲニン、約4.8部のスクテラレインおよび約34部のスクテラリン(「部」はすべて、重量基準で測定)を含むルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを含む。一部の実施形態において、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリンを含む。一部の実施形態において、該組成物は約1g〜約200gの可溶分を含み、該可溶分のうち約1%〜約99%が活性可溶分であり、該活性可溶分のうち約1.7%〜約3.2%がルテオリンであり、約2%〜約3.4%がアピゲニンであり、約7.9%〜約15.8%がスクテラレインであり、活性可溶分の約49%から残部までがスクテラリンである。一部の実施形態において、該組成物は、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌の1種類以上から選択される乳癌を処置するために使用される。
【0011】
本明細書に記載の一部の実施形態は、水以外の少なくとも1種類の賦形剤(少なくとも1種類の矯味剤、甘味料または両方など)と、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうち1つ以上を含む組成物の有効量を患者に投与することを含む、癌、特に、1種類以上の乳癌および/または婦人科癌の処置方法を提供する。一部の実施形態において、該組成物は、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌の1種類以上から選択される乳癌を処置するために使用される。一部の実施形態において、該組成物の有効量は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも0.25g含む。一部の実施形態では、該組成物の有効量は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも0.27g含む。一部の実施形態では、該組成物は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.35g含む。一部の実施形態において、該組成物の有効量は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜2g、約0.35g〜1.1g、約0.35〜1g、約0.35g〜約0.8g含む。
【0012】
本発明者は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが癌、特に乳癌の処置剤として有効であることを見い出した。したがって、一部の実施形態では、本発明は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを含む投薬単位を提供する。一部の実施形態において、投薬単位は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.25g、少なくとも約0.27g、または少なくとも約0.35g含む。一部の実施形態において、投薬単位は、さらに、矯味剤、甘味料または両方などの水以外の少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の実施形態において、投薬単位は、セイタカナミキソウから抽出された高分子量化合物を実質的に含まない。一部の実施形態において、該組成物は、乳癌および/または1種類以上の婦人科癌などの癌の処置方法において使用される。一部の実施形態において、癌は、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌などの乳癌である。
【0013】
さらに、本発明者は、セイタカナミキソウの着生部分を出発材料として用いた医薬組成物の作製方法を見い出した。かかる方法は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンを含む組成物の作製に特に有用である。したがって、一部の実施形態において、本発明者は、(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成すること、(b)該セイタカナミキソウの着生部分を該混合物から分離し、粗製抽出物を得ること、(c)該粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成すること、(d)任意選択で、該精製エキス由来の水分の一部、実質的に全部もしくは全部を蒸発させること、または該精製エキスにさらなる水を添加すること、および(e)該精製エキスを、水以外の少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤と合わせ、医薬組成物を形成することを含む、医薬組成物の作製方法を記載する。一部の実施形態において、該精製エキスは、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンを含む。一部の実施形態において、水以外の少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤は矯味剤および甘味料から選択される。
【0014】
本発明者は、セイタカナミキソウから抽出された高分子量化合物の少なくとも一部を除去することにより、該医薬組成物の臨床的特性が改善されることを見い出した。セイタカナミキソウから抽出された可溶分量の多くは不活性であるため、所定の分画より上の分子量を有する分子の除去によって可溶分量を低減させることにより、セイタカナミキソウエキス由来の医薬組成物の嵩が大きく低減される。また、セイタカナミキソウから水中に抽出された可溶分の大部分は可溶性繊維であり、これは腸に吸収されず、胃腸の不快感、鼓脹、ガスおよび下痢を促す傾向にある。したがって、該組成物中のルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの混合物を維持したまま、セイタカナミキソウから抽出された可溶分の負荷量を低減させることにより、可溶性繊維の少なくとも一部を除去することによって、改善された抗癌薬がもたらされる。したがって、一部の実施形態において、本発明は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを1部、および所定の分画より大きい分子量を有する高分子量化合物を約50部未満含む医薬組成物であって、該所定の分画が1,000グラム/モル〜約20,000グラム/モルである医薬組成物を提供する。
【0015】
また、本発明者は、(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成すること、(b)該セイタカナミキソウの着生部分を該混合物から分離し、粗製抽出物を得ること、(c)該粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成すること、(d)任意選択で、該精製エキス由来の水分の一部、実質的に全部もしくは全部を蒸発させること、または該精製エキスにさらなる水を添加すること、および(e)該精製エキスを薬学的に許容され得る賦形剤と合わせ、医薬組成物を形成することを含む、医薬組成物の作製方法を見い出した。1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリン。
【0016】
また、一部の実施形態は、(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成すること、(b)該セイタカナミキソウの着生部分を該混合物から分離し、粗製抽出物を得ること、および(c)該粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、セイタカナミキソウの精製エキスを形成することを含む、セイタカナミキソウの精製エキスの作製方法を提供する。
【0017】
一部の実施形態は、さらに、水以外の少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤を、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの1つ以上と合わせ、医薬組成物を形成することを含む、医薬組成物の作製方法を提供する。一部の実施形態において、水以外の少なくとも1種類の医薬用賦形剤は矯味剤および甘味料から選択される。
【0018】
一部の実施形態は、(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成すること、(b)該セイタカナミキソウの着生部分を該混合物から分離し、粗製抽出物を得ること、および(c)該粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成すること、および(d)該精製エキスを、水以外の少なくとも1種類の賦形剤と合わせ、医薬投薬単位を形成することを含む、医薬投薬単位の作製方法を提供する。一部の実施形態において、水以外の少なくとも1種類の賦形剤は、矯味剤および甘味料から選択される。
【0019】
本発明の他の用途および利点は、図面および特許請求の範囲を含む本明細書における説明を考慮すると、当業者に自明となろう。
参照による組み込み
本明細書において挙げた刊行物および特許出願はすべて、参照により、個々の各刊行物および特許出願が、参照により組み込まれて、あたかも具体的に個々に示されているのと同程度に本明細書に組み込まれる。
【0020】
本発明の新規な特徴は、特に、添付の特許請求の範囲に示したものである。本発明の原理を用いた実例としての実施形態を示した以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することにより、本発明の特徴および利点のより良好な理解が得られよう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】DCFDA蛍光によって測定したときの、反応性酸素種(ROS)の生成に対するセイタカナミキソウから抽出した種々の活性化合物の効果を示す。
【図2】ジヒドロエチジウム(HE)蛍光によって測定したときの、反応性酸素種(ROS)の生成に対するセイタカナミキソウから抽出した種々の活性化合物の効果を示す。
【図3】MitoSOX蛍光によって測定したミトコンドリアでの反応性酸素種(ROS)の生成に対するセイタカナミキソウから抽出した種々の活性化合物の効果を示す。
【図4】処理細胞におけるコメットの生成に対するセイタカナミキソウから抽出した種々の活性化合物の効果を示す。
【図5】処理細胞におけるATP生成に対するセイタカナミキソウから抽出した種々の活性化合物の効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、半枝蓮エキスから単離された活性薬剤を含む医薬組成物および単位投薬形態、ならびに癌の処置のための該エキスの使用方法に関する。具体的な実施形態において、該活性化合物を単離させるハーブは、シソ科のセイタカナミキソウ種から選択される。
【0023】
また、本発明は、セイタカナミキソウエキスを患者に、これまで特性評価されていない投薬量で投与する、セイタカナミキソウエキスの使用方法に関する。
【0024】
さらに、本発明は、セイタカナミキソウエキス、活性薬剤およびセイタカナミキソウエキス由来、特に、セイタカナミキソウの水抽出物由来の活性薬剤の組合せの投与に関する。
【0025】
本発明者は、セイタカナミキソウエキスが、既報のものよりずっと高い用量で耐容性が良好であることを見い出し、例えば、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質は、少なくとも約20g/日が患者に、なんら用量制限毒性を誘発することなく投与され得る。本発明者は乳癌患者に、セイタカナミキソウから抽出された可溶分を20g/日、30g/日および40g/日で投与したが、最大耐用量に達しなかった。したがって、本発明者は、少なくとも約20g/日の用量、特に、約20g/日〜約200g/日が本発明の範囲に含まれると特定した。さらに、本発明者は、セイタカナミキソウエキスは、患者に対する投与に適した投薬単位にて簡便に提供され得ることを見い出した。したがって、一部の実施形態において、セイタカナミキソウから抽出された可溶分を少なくとも約20g含む投薬単位を提供する。一部の実施形態において、単位用量形態は、さらに、少なくとも1種類の賦形剤、特に、水以外の少なくとも1種類の賦形剤、特に、少なくとも1種類の矯味剤、甘味料または両方を含む。特定の実施形態において、投薬単位は、経口投与に適した形態、例えば、水性(水系)組成物または水での再構成に適した乾燥粉末である。本発明者は、該投薬単位が、癌患者、特に、乳癌または婦人科癌(子宮癌など)に苦しんでいる癌患者に対する投与に適していることを見い出した。特定の実施形態において、投薬単位は、セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20g〜約200g含む。一部の実施形態において、投薬単位は、セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20g〜100g、約20g〜60g、約20g〜50g、約20g〜40g、約20g、約30g、約40g、約50g、約60g、または約40g〜約100g含む。また、本発明者は、セイタカナミキソウの抗癌活性化合物(すなわち、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリン)、ならびにセイタカナミキソウから抽出された可溶分中のそれらの濃度を特定し、本発明はまた、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが少なくとも約0.25gである投薬単位を提供する。一部の実施形態は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが少なくとも約0.27g、少なくとも約0.35g、約0.35g〜4g、約0.35g〜2g、約0.35g〜1.1g、約0.35g〜約1g、または約0.35g〜約0.8gである投薬単位を提供する。
【0026】
本発明者は、セイタカナミキソウから抽出された可溶分少なくとも約20g/日の用量は耐容性が良好であり、癌の処置に有効であると判定し、本発明は、さらに、セイタカナミキソウから抽出された可溶分を少なくとも約20g/日で癌患者に投与することを含む、癌の処置方法を提供する。一部の実施形態において、癌は、乳癌および1種類以上の婦人科癌から選択される。一部の実施形態では、上記癌が乳癌である。一部の実施形態では、乳癌が、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌である。一部の実施形態において、該方法は、セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20g/日〜約200g/日で患者に投与することを含む。一部の実施形態では、患者に、セイタカナミキソウから抽出された可溶分が、約20g/日〜100g/日、約20g/日〜60g/日、約20g/日〜50g/日、約20g/日〜40g/日、または約40g/日〜100g/日で投与される。一部の実施形態において、セイタカナミキソウから抽出された可溶分は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.25g含む。一部の実施形態では、セイタカナミキソウから抽出された可溶分は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.27g含む。一部の実施形態では、セイタカナミキソウから抽出された可溶分は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.35g含む。一部の実施形態では、セイタカナミキソウから抽出された可溶分は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを、約0.35g〜4g、約0.35g〜2g、約0.35g〜1.1g、約0.35g〜1g、約0.35g〜0.8g、約0.35〜0.75g、または約0.7g〜2g含む。
【0027】
また、本発明者は、矯味剤などの賦形剤を、高用量のセイタカナミキソウエキス含有医薬組成物に添加すると、該エキスの苦味が減弱されると判定した。本発明者は、高用量のセイタカナミキソウ(例えば、少なくとも約1gの可溶分/用量または/日)は耐容性が良好であるが、比較的口当たりがよくないことを見い出したため、本発明者は、癌の処置などのために高用量のセイタカナミキソウエキスを摂取するための口当たりのよい組成物の作製には、矯味剤または他の薬剤の添加が望ましいことを見い出した。したがって、本明細書に記載の実施形態は、水以外の少なくとも1種類の賦形剤(少なくとも1種類の矯味剤、甘味料または両方など)と、本発明者がセイタカナミキソウエキスの抗癌活性に必要であると特定した抗癌活性分であるルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの1つ以上を含む医薬組成物(例えば、癌、特に、乳癌または婦人科癌の処置のための)を提供する。また、本発明者は、高分子量化合物、例えば、1000g/molより大きい分子量(であるが、1,000〜10,000g/molなどの他の分画も使用され得る)を有する化合物は、なんら実質的な活性を付与することなく該組成物の嵩を増し、胃の不調、鼓脹および/または下痢を引き起こす傾向にあることを見い出した。したがって、一部の実施形態において、医薬組成物は高分子量化合物を枯渇させたものであり、一部の実施形態では、高分子量化合物を実質的に含まない。一部の実施形態では、該組成物は、約1部のルテオリン、約1.1部のアピゲニン、約4.8部のスクテラレインおよび約34部のスクテラリンを含むルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを含む(「部」はすべて、重量基準で測定)。一部の実施形態では、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、約1部のルテオリン、約0.9〜約1.3部のアピゲニン、約3.9〜約6部のスクテラレイン、および約37〜約43部のスクテラリンを含む。一部の実施形態では、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、約1部のルテオリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリンを含む。一部の実施形態において、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリンを含む。一部の実施形態において、該組成物は約1g〜約200gの可溶分を含み、該可溶分のうち約1%〜約99%が活性可溶分であり、該活性可溶分のうち約1.7%〜約3.2%がルテオリンであり、約2%〜約3.4%がアピゲニンであり、約7.9%〜約15.8%がスクテラレインであり、約49%から該活性可溶分の残部までがスクテラリンである。一部の実施形態において、該組成物は約1g〜約200gの可溶分を含み、該可溶分のうち約1%〜約3%が活性可溶分であり、該活性可溶分のうち約1.7%〜約3.2%がルテオリンであり、約2%〜約3.4%がアピゲニンであり、約7.9%〜約15.8%がスクテラレインであり、約49%から該活性可溶分の残部までがスクテラリンである。一部の実施形態において、該組成物は約1g〜約200gの可溶分を含み、該可溶分のうち約1.5%〜約2.1%が活性可溶分であり、該活性可溶分のうち約1.7%〜約3.2%がルテオリンであり、約2%〜約3.4%がアピゲニンであり、約7.9%〜約15.8%がスクテラレインであり、約49%から該活性可溶分の残部までがスクテラリンである。一部の実施形態において、該組成物は約1g〜約200gの可溶分を含み、該可溶分のうち約1%〜約99%が活性可溶分であり、該活性可溶分のうち約1.9%〜約3%がルテオリンであり、約2.2%〜約3.2%がアピゲニンであり、約9.2%〜約14.5%がスクテラレインであり、約60%から該活性可溶分の残部までがスクテラリンである。一部の実施形態において、該組成物は約1g〜約200gの可溶分を含み、該可溶分のうち約1%〜約3%が活性可溶分であり、該活性可溶分のうち約1.9%〜約3%がルテオリンであり、約2.2%〜約3.2%がアピゲニンであり、約9.2%〜約14.5%がスクテラレインであり、約60%から該活性可溶分の残部までがスクテラリンである。一部の実施形態において、該組成物は約1g〜約200gの可溶分を含み、該可溶分のうち約1.5%〜約2.1%が活性可溶分であり、該活性可溶分のうち約1.9%〜約3%がルテオリンであり、約2.2%〜約3.2%がアピゲニンであり、約9.2%〜約14.5%がスクテラレインであり、約60%から該活性可溶分の残部までがスクテラリンである。一部の実施形態において、該組成物は約1g〜約200gの可溶分を含み、該可溶分のうち約1%〜約50%が活性可溶分であり、該活性可溶分のうち約2.2%〜約2.7%がルテオリンであり、約2.4%〜約2.9%がアピゲニンであり、約10.5%〜約13.2%がスクテラレインであり、約72%から該活性可溶分の残部までがスクテラリンである。一部の実施形態において、該組成物は約1g〜約200gの可溶分を含み、該可溶分のうち約1%〜約3%が活性可溶分であり、該活性可溶分のうち約2.2%〜約2.7%がルテオリンであり、約2.4%〜約2.9%がアピゲニンであり、約10.5%〜約13.2%がスクテラレインであり、約72%から該活性可溶分の残部までがスクテラリンである。一部の実施形態において、該組成物は約1g〜約200gの可溶分を含み、該可溶分のうち約1.5%〜約2.1%が活性可溶分であり、該活性可溶分のうち約2.2%〜約2.7%がルテオリンであり、約2.4%〜約2.9%がアピゲニンであり、約10.5%〜約13.2%がスクテラレインであり、約72%から該活性可溶分の残部までがスクテラリンである。一部の実施形態において、該組成物は、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌の1種類以上から選択される乳癌を処置するために使用される。
【0028】
本明細書に記載の一部の実施形態は、水以外の少なくとも1種類の賦形剤(少なくとも1種類の矯味剤、甘味料または両方など)と、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの1つ以上を含む組成物の有効量を患者に投与することを含む、癌、特に、1種類以上の乳癌および/または婦人科癌の処置方法を提供する。一部の実施形態において、該組成物は、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌の1種類以上から選択される乳癌を処置するために使用される。一部の実施形態において、該組成物の有効量は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも0.25g含む。一部の実施形態では、該組成物の有効量は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも0.27g含む。一部の実施形態では、該組成物は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.35g含む。一部の実施形態では、該組成物の有効量は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.27g〜約4g含む。一部の実施形態では、該組成物の有効量は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約4g含む。一部の実施形態において、該組成物の有効量は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜2g、約0.35g〜1.1g、約0.35〜1g、約0.35g〜約0.8g含む。一部の実施形態において、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、約1部のルテオリン、約1.1部のアピゲニン、約4.8部のスクテラレインおよび約34部のスクテラリン;約1部のルテオリン、約0.9〜約1.3部のアピゲニン、約3.9〜約6部のスクテラレイン、および約37〜約43部のスクテラリン;約1部のルテオリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリン;約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリン;約6.7mg〜約90mgのルテオリン、約8.9mg〜約90mgのルテオリン、約8.9mg〜約50mgのルテオリン、約8.9mg〜約30mgのルテオリン、約8.9mg〜約25mgのルテオリン、または約8.9mg〜約20mgのルテオリン、約7.3mg〜約100mgのアピゲニン、約9.7mg〜約100mgのアピゲニン、約9.7mg〜約50mgのアピゲニン、約9.7mg〜約30mgのアピゲニン、約9.7mg〜約25mgのアピゲニン、または約9.7mg〜約20mgのアピゲニン;約30mg〜約500mgのスクテラレイン、約40mg〜約500mgのスクテラレイン、約40mg〜約220mgのスクテラレイン、約40mg〜約130mgのスクテラレイン、約40mg〜約110mgのスクテラレイン、または約40mg〜約90mgのスクテラレイン;約0.25g〜約3gのスクテラリン;約0.3g〜約3gのスクテラリン;約0.3g〜約1.5gのスクテラリン;約0.3g〜約0.9gのスクテラリン;約0.3g〜約0.8gのスクテラリン、または約0.3g〜約0.65gのスクテラリンを含む。
【0029】
本発明者は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが癌、特に乳癌の処置剤として有効であることを見い出した。したがって、一部の実施形態では、本発明は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを含む投薬単位を提供する。一部の実施形態において、投薬単位は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.25g含む。一部の実施形態では、該投薬単位は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.27g、または少なくとも約0.35g含む。一部の実施形態では、該投薬単位は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約4g、約0.35g〜約2g、約0.35g〜約1.1g、約0.35g〜約1g、約0.35g〜約0.8g、または約0.7g〜約2g含む。一部の実施形態において、投薬単位は、さらに、矯味剤、甘味料または両方などの水以外の少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の実施形態において、投薬単位は、セイタカナミキソウから抽出された高分子量化合物を実質的に含まない。一部の実施形態において、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、約1部のルテオリン、約1.1部のアピゲニン、約4.8部のスクテラレインおよび約34部のスクテラリン;約1部のルテオリン、約0.9〜約1.3部のアピゲニン、約3.9〜約6部のスクテラレイン、および約37〜約43部のスクテラリン;約1部のルテオリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリン;約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリン;約6.7mg〜約90mgのルテオリン、約8.9mg〜約90mgのルテオリン、約8.9mg〜約50mgのルテオリン、約8.9mg〜約30mgのルテオリン、約8.9mg〜約25mgのルテオリン、または約8.9mg〜約20mgのルテオリン;約7.3mg〜約100mgのアピゲニン、約9.7mg〜約100mgのアピゲニン、約9.7mg〜約50mgのアピゲニン、約9.7mg〜約30mgのアピゲニン、約9.7mg〜約25mgのアピゲニン、または約9.7mg〜約20mgのアピゲニン;約30mg〜約500mgのスクテラレイン、約40mg〜約500mgのスクテラレイン、約40mg〜約220mgのスクテラレイン、約40mg〜約130mgのスクテラレイン、約40mg〜約110mgのスクテラレイン、または約40mg〜約90mgのスクテラレイン;約0.25g〜約3gのスクテラリン、約0.3g〜約3gのスクテラリン、約0.3g〜約1.5gのスクテラリン、約0.3g〜約0.9gのスクテラリン、約0.3g〜約0.8gのスクテラリン、または約0.3g〜約0.65gのスクテラリンを含む。一部の実施形態において、該組成物は、乳癌および/または1種類以上の婦人科癌などの癌の処置において使用される。一部の実施形態において、癌は、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌などの乳癌である。
【0030】
さらに、本発明者は、セイタカナミキソウの着生部分を出発材料として用いた医薬組成物の作製方法を見い出した。かかる方法は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンを含む組成物の作製に特に有用である。したがって、一部の実施形態において、本発明者は、(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成すること、(b)該セイタカナミキソウの着生部分を該混合物から分離し、粗製抽出物を得ること、(c)該粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成すること、(d)任意選択で、該精製エキス由来の水分の一部、実質的に全部もしくは全部を蒸発させること、または該精製エキスにさらなる水を添加すること、および(e)該精製エキスを、水以外の少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤と合わせ、医薬組成物を形成することを含む、医薬組成物の作製方法を記載する。一部の実施形態において、該精製エキスは、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンを含む。一部の実施形態において、水以外の少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤は矯味剤および甘味料から選択される。
【0031】
本発明者は、セイタカナミキソウから抽出された高分子量化合物の少なくとも一部を除去することにより、該医薬組成物の臨床的特性が改善されることを見い出した。セイタカナミキソウから抽出された可溶分量の多くは不活性であるため、所定の分画より上の分子量を有する分子の除去によって可溶分量を低減させることにより、セイタカナミキソウエキス由来の医薬組成物の嵩が大きく低減される。また、セイタカナミキソウから水中に抽出された可溶分の大部分は可溶性繊維であり、これは腸に吸収されず、胃腸の不快感、鼓脹、ガスおよび下痢を促す傾向にある。したがって、該組成物中のルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの混合物を維持したまま、セイタカナミキソウから抽出された可溶分の負荷量を低減させることにより、可溶性繊維の少なくとも一部を除去することによって、改善された抗癌薬がもたらされる。したがって、一部の実施形態において、本発明は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを1部、および所定の分画より大きい分子量を有する高分子量化合物を約50部未満含む医薬組成物であって、該所定の分画が1,000グラム/モル〜約20,000グラム/モルである医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、医薬組成物は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約1部、および該高分子量化合物を約40部未満、約30部未満、約20部未満、約10部未満、約5部未満、約2部未満、約1部未満、約0.5部未満、約0.01〜約40部、約0.01〜約20部、または約0.01〜約10部未満含む。一部の実施形態において、該高分子量化合物に対する分画は、10,000グラム/モル;5,000グラム/モル;2,000グラム/モル;1,000グラム/モル;または約1,000グラム/モル〜約10,000グラム/モル;約1,000グラム/モル〜約5,000グラム/モル;もしくは約1,000グラム/モル〜約2,000グラム/モルの範囲である。一部の実施形態において、医薬組成物は水以外の少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の実施形態において、水以外の少なくとも1種類の賦形剤は矯味剤、甘味料または両方である。本発明者は、本明細書に記載の医薬組成物が、本明細書に記載の医薬組成物を含む投薬単位として簡便に調製されることを見い出した。一部の実施形態において、投薬単位は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約18mg含む。一部の実施形態において、投薬単位は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.25g〜約4g;ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.27g〜約4g;ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35〜約4g;ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35〜約2g;ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35〜約1.1g;ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35〜約1g;ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35〜約0.8g;またはルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.7〜約2g含む。一部の実施形態において、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せに加え、該組成物は、さらに、水以外の少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の実施形態において、水以外の少なくとも1種類の賦形剤は矯味剤、甘味料または両方から選択される。一部の実施形態において、本発明は、有効量の本明細書に記載の医薬組成物または投薬形態を癌患者に投与することを含む、癌の処置方法を提供する。一部の実施形態において、癌は、1種類以上の乳癌および/または婦人科癌(乳癌または子宮癌など)である。一部の実施形態では、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌などの乳癌である。
【0032】
また、本発明者は、(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成すること、(b)該セイタカナミキソウの着生部分を該混合物から分離し、粗製抽出物を得ること、(c)該粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成すること、(d)任意選択で、該精製エキス由来の水分の一部、実質的に全部もしくは全部を蒸発させること、または該精製エキスにさらなる水を添加すること、および(e)該精製エキスを薬学的に許容され得る賦形剤と合わせ、医薬組成物を形成することを含む、医薬組成物の作製方法を見い出した。1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリン。
【0033】
また、一部の実施形態は、(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成すること、(b)該セイタカナミキソウの着生部分を該混合物から分離し、粗製抽出物を得ること、および(c)該粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、セイタカナミキソウの精製エキスを形成することを含む、セイタカナミキソウの精製エキスの作製方法を提供する。
【0034】
一部の実施形態は、さらに、水以外の少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤を、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの1つ以上と合わせ、医薬組成物を形成することを含む、医薬組成物の作製方法を提供する。一部の実施形態において、水以外の少なくとも1種類の医薬用賦形剤は矯味剤および甘味料から選択される。
【0035】
一部の実施形態は、(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成すること、(b)該セイタカナミキソウの着生部分を該混合物から分離し、粗製抽出物を得ること、および(c)該粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成すること、および(d)該精製エキスを、水以外の少なくとも1種類の賦形剤と合わせ、医薬投薬単位を形成することを含む、医薬投薬単位の作製方法を提供する。一部の実施形態において、水以外の少なくとも1種類の賦形剤は、矯味剤および甘味料から選択される。
【0036】
記載した値の前に用語「約」を伴うことは、該記載した値の実験誤差の範囲内(一般的には、1標準偏差以内)の値を示すことを意図する。実験誤差が特に測定されていない限り、記載した値「X」の前に用語「約」を伴うことは、X±0.1Xを意味すると解釈され得る。
【0037】
半枝蓮エキスを含む医薬組成物および単位投薬形態の製造プロセス
本明細書に記載の医薬組成物および単位投薬形態は、半枝蓮、特に、セイタカナミキソウの着生部分から抽出された可溶分(すなわち、水に溶解性である物質)を含む。シソ科のハーブであるセイタカナミキソウ(シソ科)−ハンシレン(Ban Zhi Lian)(BZL)は、主に(排他的ではないが)、黄河(Huang Po)の南東地域の四川省、江蘇省、江西省、福建省、広東省、広西自治区および陜西省に生育している。この植物は、開花(5月〜6月)後、晩夏から初秋に収穫される。着生部分が根から切り離される。着生部分(葉および茎)のみが、本明細書に記載の組成物および投薬単位の調製に使用される。
【0038】
表1に、本発明のエキスを採取した本発明のハーブであるセイタカナミキソウの学名を、科、属、種および伝統的な中国名を一覧にして示す。
【0039】
【表1】

【0040】
医薬組成物
本明細書に記載の一部の実施形態は、医薬組成物、特に、癌の処置のための医薬組成物を提供する。特に、本発明は、婦人科癌および乳癌の処置のための医薬組成物(「組成物」)を提供する。一部の好ましい実施形態において、該組成物は、乳癌の処置のため、特に、癌専門医によって処置が特に困難であるとみなされた乳癌(以下により詳細に記載するもの、進行乳癌、転移性乳癌、1種類以上のホルモン受容体について陰性である乳癌(例えば、ER陰性、PR陰性および/またはHER2陰性乳癌)が挙げられる)の処置のため、ならびに1種類以上の癌治療(放射線療法、陽子線治療および/または化学療法など)での先の処置の成績が不良であった乳癌の処置のためのものである。本発明者は、このような型の癌の1種類以上を有する患者を、セイタカナミキソウから抽出された可溶分少なくとも約20gで処置することが、耐容性が良好であり、このような癌の処置に有効であることを見い出した。
【0041】
一部の実施形態において、本発明は、水以外の少なくとも1種類の賦形剤と、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの1つ以上とを含む医薬組成物を提供する。ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンは各々、活性を有し、分子レベルで抗癌活性を示すが、これらの全4種類の化合物の組合せは、特に、癌に対して、特に乳癌、さらには、これまでの処置に対して抗療性であることが示された乳癌に対しても効力があることがわかった。したがって、一部の好ましい実施形態において、該組成物は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの各々を含む。
【0042】
また、特に、本明細書に記載の癌の処置方法において使用される高用量では、セイタカナミキソウエキスは、患者のコンプライアンスを低下させる程度にまで口当たりがよくないことがあり得ることがわかった。したがって、該組成物の口当たりをよりよくし、それにより、処置による患者の快適性を向上させるため、および場合によっては、患者のコンプライアンスを向上させるために、矯味剤(フレーバー剤もしくは他の矯味剤など)、甘味料または両方を使用することが望ましい。したがって、一部の実施形態において、水以外の少なくとも1種類の賦形剤は矯味剤および甘味料から選択される。本明細書で用いる場合、医薬組成物が「水以外の賦形剤」を含む(“contain“、“comprise”あるいは“include”)というのは、水が、医薬組成物を存在させる投薬単位の具体的な形態に適切な賦形剤である場合、該組成物が、水とは別のいくらかの賦形剤(これに、水分が含有されていてもよい)を含んでいなければならないことを意味する。一部の実施形態は、例えば、セイタカナミキソウから抽出された可溶分、矯味剤、および水を含むものである。他の実施形態は、矯味剤に加えて、さらに甘味料を含むものであり得るか、または矯味剤の代わりに甘味料が使用されたものであり得る。
【0043】
また、本発明者は、高用量のセイタカナミキソウエキス(例えば、セイタカナミキソウから抽出された可溶分少なくとも20gまたはそれ以上)が、少なくとも一部の患者において胃の不調、鼓脹、ガスおよび/または下痢を引き起こすことを見い出した。本発明者は、セイタカナミキソウから抽出された高分子量化合物は、乳癌および/または婦人科癌に対して不活性であり、特に、20g/日の用量またはこれを超える用量では、胃腸障害を誘発する傾向にあると判定した。本明細書に記載の用量では、かかる胃の不快感により、少なくとも一部の患者に対して、不良な患者のコンプライアンス、あるいは治療の中止すらもたらされることがあり得る。セイタカナミキソウから抽出された可溶分由来の高分子量化合物の少なくとも一部を除去することにより(例えば、ナノフィルトレーションにより)、患者に投与されるべき可溶分のバルク量が低減され、セイタカナミキソウから抽出された可溶分の高濃度に関連する胃腸の不快感が低減されることが想定される。したがって、本発明者は、本明細書において、高分子量化合物を枯渇させた、一部の場合では実質的に含まない組成物の教示を提供する。
【0044】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、本明細書において、他の箇所において「活性可溶分」と称していることもあり得、これは、「高分子量化合物」ならびに高分子量化合物ではないが、乳癌および/または婦人科癌の処置において活性ではない化合物を包含する「不活性可溶分」とは反対である。したがって、可溶分の質量は、活性可溶分(ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリン)と不活性可溶分の質量の和に等しい。不活性可溶分の質量は、高分子量化合物と他の不活性化合物の質量の和である。
【0045】
本明細書で用いる場合、「高分子量化合物」は、セイタカナミキソウの水抽出プロセス中に、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンとともに共抽出される化合物であって、所定の分画以上の分子量を有するものをいう。一部の実施形態において、分画は、1,000g/molから約10,000g/molまでのいずれかであり得る。一部の実施形態では、10,000グラム/モルの分画で、可溶性セイタカナミキソウエキスから可溶性繊維が高率で充分除去される。しかしながら、より低い分画も想定され、一部の場合では、医薬組成物および投薬単位中の、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの濃度をより高くすることが可能であり、治療効果を得るために患者に投与されるべき可溶分の嵩が低減されるため、低分画が好ましい。一部の実施形態において、分画は、750〜20,000g/molの範囲、好ましくは、750〜10,000g/molの範囲、より特別には750〜5,000g/molである。具体的な分画としては、750g/mol、1,000g/mol、2,000g/mol、5,000g/mol、および10,000g/molが挙げられる。
【0046】
したがって、本明細書において提供する組成物および投薬単位の一部の実施形態は、高分子量化合物を実質的に含まない。用語「実質的に含まない」は、本明細書で用いる場合、該組成物または投薬単位に含まれる高分子量化合物が、「粗製抽出物」中に含有されている場合よりも、いくらかの所定の割合少ないことを意味し、粗製抽出物とは、不溶分(例えば、茎、葉およびその不溶性部分)を除去するための処理はなされたが(例えば、濾過またはデカンテーション)、別の方法での高分子量化合物を除去するための処理はなされていないセイタカナミキソウの着生部分の水抽出物である。一部の実施形態において、該所定の割合は、1/10(0.1)、1/20(0.05)、1/50(0.02)、1/100(0.01)、1/200(0.005)、1/500(0.002)または1/1000(0.001)である。また、「高分子量化合物を実質的に含まない」に対する具体的な値は、医薬組成物に含まれたセイタカナミキソウから抽出された可溶分の総質量に対して相対的に表示され得る。一部の実施形態において、高分子量化合物を実質的に含まない組成物に含まれる高分子量化合物は、セイタカナミキソウから抽出された可溶分の総量に対して約10wt%未満、約5wt%未満、約1wt%未満、約0.5wt%未満または約0.lwt%未満である。さらに、「高分子量化合物を実質的に含まない」に対する具体的な値は、該組成物中に含まれるルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの量に対する質量割合で表示される。一部の実施形態では、医薬組成物中のセイタカナミキソウから抽出された可溶分の約1%〜約99%が活性可溶分であり、該活性可溶分のうち約1.7%〜約3.2%がルテオリンであり、約2%〜約3.4%がアピゲニンであり、約7.9%〜約15.8%がスクテラレインであり、約49%から該活性可溶分の残部までがスクテラリンである。
【0047】
一部の場合では、セイタカナミキソウから抽出された可溶分由来の高分子量化合物の一部を除去するだけで充分であり得る。したがって、本明細書において提供する組成物および投薬単位の一部の実施形態では、高分子量化合物を枯渇させたものである。用語「枯渇させた」は、本明細書で用いる場合、該組成物または投薬単位に含まれる高分子量化合物が、「粗製抽出物」(先の段落で説明)中に含有されている場合よりも、いくらか所定の割合少ないことを意味する。一部の実施形態において、該所定の割合は、9/10(0.9)、8/10(0.8)、7/10(0.7)、6/10(0.6)、1/2(0.5)、1/3(0.333)または1/4(0.25)である。また、「高分子量化合物を枯渇させた」に対する具体的な値は、医薬組成物に含まれたセイタカナミキソウから抽出された可溶分の総質量に対して相対的に表示され得る。一部の実施形態において、高分子量化合物を枯渇させた組成物に含まれる高分子量化合物は、セイタカナミキソウから抽出された可溶分の総量に対して約90wt%未満、約80wt%未満、約70wt%未満、約60wt%未満または約50wt%未満である。さらに、「高分子量化合物を枯渇させた」に対する具体的な値は、該組成物中に含まれるアピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンの量に対する質量割合で表示される。一部の実施形態では、医薬組成物中のセイタカナミキソウから抽出された可溶分の約1%〜約99%が活性可溶分であり、該活性可溶分のうち約1.7%〜約3.2%がルテオリンであり、約2%〜約3.4%がアピゲニンであり、約7.9%〜約15.8%がスクテラレインであり、約49%から該活性可溶分の残部までがスクテラリンである。
【0048】
セイタカナミキソウから抽出された活性化合物(ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリン)は、セイタカナミキソウの着生部分の水抽出物にて、これらの複合活性に不可欠であると思われる特定の特性割合で提示される傾向にあることがわかった。一部の実施形態において、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリンを含む。一部の実施形態では、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、約1部のルテオリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリンを含む。一部の実施形態では、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、約1部のルテオリン、約0.9〜約1.3部のアピゲニン、約3.9〜約6部のスクテラレイン、および約37〜約43部のスクテラリンを含む。一部の実施形態では、該組成物は、約1部のルテオリン、約1.1部のアピゲニン、約4.8部のスクテラレインおよび約34部のスクテラリンを含むルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを含む。
【0049】
医薬組成物の作製方法
本明細書において提供する医薬組成物は、セイタカナミキソウの着生部分(茎および/または葉)から活性化合物を、例えば、水で抽出することを含む方法によって作製され得る。抽出に関して本明細書に記載する場合、「水」は、純水(例えば、注射用水、蒸留水、二重脱イオン水、濾過蒸留水など)ならびに水と1種類以上の微量固形物または液状溶質からなる水溶液(抽出媒体の大部分が水であり、溶質(1種類または複数種)は水の抽出特性に実質的に影響しないものに限る)を包含する。また、一部の好ましい実施形態において、該方法は、セイタカナミキソウエキス由来の高分子量化合物の一部を除去することも含む(上記においてより詳細に記載)。
【0050】
したがって、一部の実施形態において、(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成すること、(b)該セイタカナミキソウの着生部分を該混合物から分離し、粗製抽出物を得ること、(c)該粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成すること、および(e)該精製エキスを、水以外の少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤と合わせ、医薬組成物を形成することを含む、医薬組成物の作製方法を提供する。また、一部の実施形態において、該方法は、(d)任意選択で、該精製エキス由来の水分の一部、実質的に全部もしくは全部を蒸発させること、または該精製エキスにさらなる水を添加することも含む。一部の実施形態において、水以外の少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤は矯味剤および甘味料から選択される。一部の実施形態では、医薬組成物を、さらに、適当なパッケージと合わせ、適当な投薬単位を形成してもよい。
【0051】
セイタカナミキソウの着生部分(葉および/または茎)を水と合わせ、室温より上の適当な温度、特に約40℃、より好ましくは約50℃〜約80℃まで、任意選択で高圧下で加熱する。この混合物の熱処理は、活性化合物が該混合物の水相中に抽出されるのに充分長時間であるが、エネルギーが不必要に消耗される、または活性化合物の分解が引き起こされるほど長時間であるべきではない。約10分間より長いが、約2日未満のある程度の期間が適当であるが、30分〜6時間の期間が、一般的に適当であると考えられる。より具体的な値は、本明細書の実施例に記載している。
【0052】
熱処理したら、セイタカナミキソウの着生部分を水相から、なんらかの適当な方法によって分離する。大きい部分は、該混合物を篩に通して漉すことにより除去され得、一方、小さい部分は濾過によって除去され得る。濾過は、段階的に行なわれ得、漸減孔径の1つ以上のフィルターに各段階で通過させることを伴う。
【0053】
高分子量化合物は、ナノフィルトレーションまたはサイズ排除クロマトグラフィーなどの適当な方法によって除去され得る。
【0054】
任意選択で、該溶液の容量を、例えば、水分の一部を蒸発除去することにより低減させてもよい。また、該溶液を凍結乾燥させてもよく、あるいは、デシケータに入れて乾燥残留物を形成させてもよく、これを粉砕して粉末を形成してもよい。いずれの場合も、得られた精製エキスは、次いで、少なくとも1種類の賦形剤、特に、水以外の賦形剤と合わされ、医薬組成物が形成され得る。一部の実施形態において、水以外の賦形剤は矯味剤または甘味料である。一部の好ましい実施形態では、水以外の賦形剤には矯味剤が含有される。
【0055】
他の実施形態は、(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成すること、(b)該セイタカナミキソウの着生部分を該混合物から分離し、粗製抽出物を得ること、(c)該粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成すること、および(e)該精製エキスを薬学的に許容され得る賦形剤と合わせ、医薬組成物を形成することを含む、医薬組成物の作製方法を提供する。また、一部の実施形態は、(d)任意選択で、該精製エキス由来の水分の一部、実質的に全部もしくは全部を蒸発させること、または該精製エキスにさらなる水を添加することも含む。一部の実施形態において、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリンを含む。一部の実施形態では、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、約1部のルテオリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリンを含む。一部の実施形態では、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せは、約1部のルテオリン、約0.9〜約1.3部のアピゲニン、約3.9〜約6部のスクテラレイン、および約37〜約43部のスクテラリンを含む。一部の実施形態では、該組成物は、約1部のルテオリン、約1.1部のアピゲニン、約4.8部のスクテラレインおよび約34部のスクテラリンを含むルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを含む。
【0056】
一部の実施形態において、(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成すること、(b)該セイタカナミキソウの着生部分を該混合物から分離し、粗製抽出物を得ること、および(c)該粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成することを含む、組成物の作製方法を提供する。精製エキスを、さらに処理し、本明細書に記載の投薬単位を作製してもよい。一部の実施形態において、精製エキスは高分子量化合物を枯渇させたものである。一部の実施形態では、精製エキスは高分子量化合物を実質的に含まない。
【0057】
上記のように、一部の特定の状況では、特に、投薬量が少なくとも約20g/日である場合、セイタカナミキソウエキスに含まれる活性化合物の味をマスキングすることが望ましいと考えられる。したがって、一部の実施形態では、医薬組成物の作製方法は、水以外の少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤(例えば、矯味剤および/または甘味料)を、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの1つ以上と合わせ、医薬組成物を形成することを含む。
【0058】
一部のかかる実施形態において、水以外の少なくとも1種類の医薬用賦形剤は矯味剤および甘味料から選択される。
【0059】
投薬単位
本発明者は、本明細書に記載の医薬組成物が、簡便な分布、保存および投与のための投薬単位に簡便に調製されると考える。本明細書に記載の「用量」と「投薬単位」は区別される。本明細書で用いる場合、用語「用量」は、1回に投与される医薬組成物の量をいう。日用量は、1日に投与される医薬組成物の量である。用量は、1日1回(Q.D.)、1日2回(b.i.d.)、1日3回(t.i.d.)、1日4回(q.i.d.)などで投与され得る。
【0060】
本明細書で用いる場合、用語「投薬単位」は、1回以上の用量の医薬組成物、または他の投薬単位と合わせて単回用量が形成され得る一部の用量の医薬組成物からなる医薬組成物の単一の製造前形態である。一部の実施形態において、投薬単位は、1日分の用量の医薬組成物からなる。投薬単位は、単回日用量(Q.D.)としての投与に適合させたものであってもよく、1日のうちの異なる時点で投与される2回、3回、4回またはそれ以上の用量(それぞれ、b.i.d.、t.i.d.、またはq.i.d.)に分けてもよく、単回用量(これは、特に、エリキシル剤(投薬単位を2回以上の用量に分けてもよい)、ならびに錠剤(1日のうちの異なる時点での投与のために2つ以上の投薬単位に分けてもよい)の場合、そうである)として投与してもよい。他の一部の実施形態では、投薬単位は、単回用量の一部の割合(例えば、半分、3分の1、4分の1、5分の1)を含むものであり得る。また、投薬単位は、点滴用ラインもしくは同様の静脈内投与方法による、またはさらには、経鼻咽道チューブによる投与のための、特定の用量(例えば、20mL〜1000mL)の注射用液剤であってもよい。
【0061】
投薬単位の一部の好ましい実施形態としては、錠剤、カプセル剤、粉剤および液剤(エリキシル剤)が挙げられる。
【0062】
錠剤としては、飲み込む錠剤、噛んで飲み込む錠剤、および舌の上で溶解させ、液状嚥下補助物(水など)とともに、またはなしで飲み込むように適合させた錠剤が挙げられる。錠剤用の好適な賦形剤としては、結合剤、増量剤、崩壊剤、分散剤、滑沢剤、固着防止剤および固結防止剤、ならびに矯味剤および甘味料が挙げられる。
【0063】
カプセル剤としては、そのまま飲み込むカプセル剤、ならびに液状賦形剤(水など)に溶解させるように適合させたカプセル剤が挙げられる。また、カプセル剤は、開封してその内容物を適当な賦形剤(水など)に溶解させるカプセル剤も包含する。カプセル剤用の好適な賦形剤としては、分散剤、増量剤、矯味剤および甘味料が挙げられる。
【0064】
粉剤としては、輸送および保存に適当な容器内(例えば、ホイルパウチ、密閉バイアルなど)にパッケージングされた粉剤が挙げられる。粉剤用の好適な賦形剤としては、分散剤、増量剤、矯味剤および甘味料が挙げられる。
【0065】
液剤としては、水、水以外の賦形剤ならびにセイタカナミキソウから抽出された活性可溶分(ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリン)を含有する水系液剤が挙げられる。好ましい実施形態において、液剤は、適当な密閉容器内にパッケージングされ、該液剤を患者に投与するための使用説明書とともにパッケージングされる。静脈内投与用では、水系液剤に水以外の賦形剤が含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。
【0066】
本発明者は、本明細書に記載の組成物を、これまでは想定されなかったレベルで患者に投与できるはずであり、重要なことに、患者に耐容性であり得ることを見い出した。驚くべきことに、例えば、本明細書に記載の組成物は、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質を、患者に高用量で、すなわち、10または12グラム/日より高い用量で投与できることがわかった。驚くべきことに、この投与では、高用量において、特に、20グラム/日〜約40グラム/日(特に、20、30および40グラム/日)の用量において、用量制限毒性が引き起こされない。このような臨床データに基づき、本発明者は、最大耐用量が40グラム/日より高く、実際には、1日あたり約200グラムまで、より確実には1日あたり約100グラムまでであり得ると推測する。したがって、本明細書に記載の一部の実施形態は、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの少なくとも1つを含む医薬活性成分を少なくとも約20グラム含む医薬投薬単位を提供する。一部の実施形態において、医薬活性成分は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの各々を含む。一部の好ましい実施形態において、投薬単位は経口投薬単位である。一部の好ましい実施形態において、投薬単位は、さらに、水以外の少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の好ましい実施形態において、投薬単位は、矯味剤および甘味料から選択される少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の実施形態において、投薬単位は、少なくとも約20グラムの医薬活性成分を含む。一部の実施形態において、投薬単位は、1日のうちの投与に対して2回以上の用量に分割され得るものである。
【0067】
一部の実施形態において、医薬投薬単位は、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質を少なくとも約20グラム含む医薬活性成分を含む。セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質は、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンの1種類以上を含み、好ましくは、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンの4種類全部を含む。特に好ましい実施形態において、該可溶性物質は、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンの各々を、約:約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリン、約0.9〜約1.3部のアピゲニン、約3.9〜約6部のスクテラレイン、および約37〜約43部のスクテラリン、または約1部のルテオリン、約1.1部のアピゲニン、約4.8部のスクテラレインおよび約34部のスクテラリンの割合で含む。一部の実施形態において、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質は、高分子量化合物を枯渇させたもの、または実質的に含まないものである。一部の実施形態において、投薬単位は、経口投薬単位(例えば、そのまま飲み込む、噛んで飲み込む、または舌の上で溶解させて飲み込む錠剤、そのまま飲み込むカプセル剤、開封してその内容物を適当な液状賦形剤に溶解させて飲み込むカプセル剤、全体を適当な賦形剤に溶解させるカプセル剤、適当な賦形剤に溶解させる粉剤、該賦形剤としては、矯味剤、甘味料など、および/または水が挙げられ得る)である。したがって、一部の実施形態において、投薬単位は、さらに、水以外の(例えば、水に加えて)少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の実施形態において、投薬単位は、矯味剤および甘味料から選択される少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の実施形態において、投薬単位は、医薬活性成分を少なくとも約20グラム(例えば、20〜200グラム/投薬単位、20〜100グラム/投薬単位または20〜60グラム/投薬単位)を含む。
【0068】
一部の実施形態において、医薬投薬単位は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.25g含む医薬活性成分を含む。一部の実施形態において、医薬投薬単位は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンを少なくとも約0.27g、またはルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンを少なくとも約0.35g含む。一部の実施形態において、医薬投薬単位は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンを約035g〜4g、0.35g〜2g、0.35g〜1.1g、0.35g〜1g、または0.35g〜0.8g含む。一部の実施形態において、医薬投薬単位は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンを、約0.25g、約0.27g、約0.3g、約0.35g、約0.4g、約0.45g、約0.5g、約0.6g、約0.7g、約0.8g、約0.9g、約1g、約1.1g、約1.2g、約1.3g、約1.4g、約1.5g、約1.6g、約1.7g、約1.8g、約1.9g、約2g、約2.1g、約2.2g、約2.3g、約2.4g、約2.5g、約2.6g、約2.7g、約2.8g、約2.9g、約3g、約3.1g、約3.2g、約3.3g、約3.4g、約3.5g、約3.6g、約3.7g、約3.8g、約3.9g、または約4g含む。セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質は、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンの1種類以上を含み、好ましくは、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンの4種類全部を含む。特に好ましい実施形態において、該可溶性物質は、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンの各々を、約:約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリン、約0.9〜約1.3部のアピゲニン、約3.9〜約6部のスクテラレイン、および約37〜約43部のスクテラリン、または約1部のルテオリン、約1.1部のアピゲニン、約4.8部のスクテラレインおよび約34部のスクテラリンの割合で含む。一部の実施形態において、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質は、高分子量化合物を枯渇させたもの、または実質的に含まないものである。一部の実施形態において、投薬単位は、経口投薬単位(例えば、そのまま飲み込む、噛んで飲み込む、または舌の上で溶解させて飲み込む錠剤、そのまま飲み込むカプセル剤、開封してその内容物を適当な液状賦形剤に溶解させて飲み込むカプセル剤、全体を適当な賦形剤に溶解させるカプセル剤、適当な賦形剤に溶解させる粉剤、該賦形剤としては、矯味剤、甘味料など、および/または水が挙げられ得る)である。したがって、一部の実施形態において、投薬単位は、さらに、水以外の(例えば、水に加えて)少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の実施形態において、投薬単位は、矯味剤および甘味料から選択される少なくとも1種類の賦形剤を含む。
【0069】
本明細書に記載の投薬単位は、本発明による方法によって作製され得る。一部の実施形態において、(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成すること、(b)該セイタカナミキソウの着生部分を該混合物から分離し、粗製抽出物を得ること、および(c)該粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成すること、および(d)該精製エキスを、水以外の少なくとも1種類の賦形剤と合わせ、医薬投薬単位を形成することを含む、医薬投薬単位の作製方法を提供する。一部の実施形態において、水以外の少なくとも1種類の賦形剤は、矯味剤および甘味料から選択される。かかる投薬単位は、癌、特に乳癌を処置するのに適当な量の精製エキスを含む。一部の実施形態において、投薬単位は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを、少なくとも0.25g、少なくとも0.27g、少なくとも0.3g、少なくとも0.35g、または0.35g〜4g含む。一部の実施形態において、投薬単位は、さらに、ホイル製パック、ボトル、サシェ、ブリスターパックなどのパッケージ、または他の密封パッケージを含む。したがって、一部の実施形態において、投薬単位の作製方法は、投薬単位をパッケージ内にパッケージングする工程を含む。
【0070】
本発明による各投薬単位または各用量における活性可溶分(ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリン)の実例としての量を以下の表2に示す。
【0071】
【表2】

【0072】
使用方法
本明細書に記載の医薬組成物および投薬単位は、癌、特に、乳癌および婦人科癌を治療するために使用され得る。本発明者は、ヒトにおいて本発明による組成物の臨床試験を実施し、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質の20グラム/日、30グラム/日または40グラム/日での投与が、耐容性が良好であり、以前に少なくとも1回の癌治療、少なくとも1回の化学療法を受けた乳癌、特に、進行乳癌を伴う乳癌に対して有効性を示すことを見い出した。処置抗療性の乳癌は特に処置が困難であるため、本発明者は、ヒトの癌の治療方法を提供する。特に、本発明者は、1種類以上の亜型の癌(例えば、転移性乳癌)の治療方法を提供することに加え、ヒトの乳癌の治療方法を提供する。治療され得る他の癌としては、エストロゲン受容体を発現しない癌(ER陰性乳癌)、プロゲステロンを発現しない癌(PR陰性乳癌)、ヒト上皮増殖ホルモン受容体2を発現しない癌(HER2陰性乳癌)が挙げられる。これに関連して、これらの乳癌の分類は互いに排他的でないことに注意されたい。例えば、乳癌は、ER陰性およびPR陰性(いわゆる二重陰性乳癌)であってもよく、ER陰性、PR陰性およびHER2陰性(三重陰性乳癌)であってもよい。三重陰性乳癌は、進行型および/または転移性であり得る。転移性乳癌は、1種類以上のこれまでの治療アプローチに対して抗療性であることが示された癌であり得、多くの場合、そうである。したがって、本明細書で用いる場合、乳癌の特徴(例えば、ER陰性)の記載は、明記していない限り、他の特徴(例えば、PR陰性)を除外することを意図しない。
【0073】
したがって、本発明の一部の実施形態は、水以外の少なくとも1種類の賦形剤と、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの少なくとも1つとを含む医薬組成物の有効量を癌患者に投与することを含む、癌の治療方法を提供する。一部の実施形態において、該組成物は、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレイン、スクテラリンの各々を含み、水以外の少なくとも1種類の賦形剤は矯味剤および甘味料から選択される。一部の実施形態において、該組成物高分子量化合物を実質的に含まない。一部の実施形態において、癌は乳癌または婦人科癌である。一部の実施形態において、癌は、以下:進行乳癌、転移性乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌、ER陰性およびPR陰性乳癌、ER陰性、PR陰性およびHER2陰性乳癌の少なくとも1種類である乳癌、またはこれまでの少なくとも1回の癌処置クールに応答しなかった乳癌である。
【0074】
さらに、本発明の一部の実施形態は、癌に苦しんでいる患者に、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.25g、少なくとも約0.27g、少なくとも約0.3g、少なくとも約0.35g、または約0.35g〜約4g含む医薬組成物を投与することによる癌、例えば、乳癌または婦人科癌の治療方法を提供する。一部の実施形態において、該方法は、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを、約0.25g、約0.27g、約0.3g、約0.35g、約0.4g、約0.45g、約0.5g、約0.6g、約0.7g、約0.8g、約0.9g、約1g、約1.1g、約1.2g、約1.3g、約1.4g、約1.5g、約1.6g、約1.7g、約1.8g、約1.9g、約2g、約2.1g、約2.2g、約2.3g、約2.4g、約2.5g、約2.6g、約2.7g、約2.8g、約2.9g、約3g、約3.1g、約3.2g、約3.3g、約3.4g、約3.5g、約3.6g、約3.7g、約3.8g、約3.9g、または約4gの日用量で患者に投与することを含む。一部の実施形態において、癌は乳癌または婦人科癌である。一部の実施形態において、癌は、以下:進行乳癌、転移性乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌、ER陰性およびPR陰性乳癌、ER陰性、PR陰性およびHER2陰性乳癌の少なくとも1種類である乳癌、またはこれまでの少なくとも1回の癌処置クールに応答しなかった乳癌である。
【0075】
上記のように、本発明者は臨床試験を実施し、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質の1日あたり20グラムを超える投薬量は耐容性が良好であり、特に治療が困難な癌患者群に有効であることを見い出した。また、本発明者は、セイタカナミキソウエキスの可溶性物質中の活性化合物は、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンの1種類以上(好ましくは、4種類全部)ことを見い出した。したがって、一部の実施形態は、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの少なくとも1つを含む医薬活性成分を少なくとも20グラム含む医薬投薬単位を、患者に投与することを含む、癌の治療方法を提供する。一部の実施形態において、医薬活性成分は、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンの各々を含む。一部の実施形態において、該投薬単位は経口投薬単位である。一部の実施形態において、投薬単位は、さらに、水以外の少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の実施形態では、該投薬単位は、矯味剤および甘味料から選択される少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の実施形態において、該方法は、セイタカナミキソウから抽出された可溶分を、少なくとも約0.25g、約0.27g、約0.3g、約0.35g、約0.4g、約0.45g、約0.5g、約0.6g、約0.7g、約0.8g、約0.9g、約1g、約1.1g、約1.2g、約1.3g、約1.4g、約1.5g、約1.6g、約1.7g、約1.8g、約1.9g、約2g、約2.1g、約2.2g、約2.3g、約2.4g、約2.5g、約2.6g、約2.7g、約2.8g、約2.9g、約3g、約3.1g、約3.2g、約3.3g、約3.4g、約3.5g、約3.6g、約3.7g、約3.8g、約3.9g、または約4gのルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを含む日用量で患者に投与することを含む。一部の実施形態において、癌は、以下:進行乳癌、転移性乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌、ER陰性およびPR陰性乳癌、ER陰性、PR陰性およびHER2陰性乳癌の少なくとも1種類である乳癌、またはこれまでの少なくとも1回の癌処置クールに応答しなかった乳癌である。
【0076】
本明細書に記載の一部の実施形態は、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの少なくとも1つを含む医薬活性成分を、少なくとも20グラム/日で患者に投与することを含む、癌の治療方法を提供する。一部の実施形態において、医薬活性成分は1日1〜4回の用量で投与される。一部の実施形態において、癌は乳癌または婦人科癌である。一部の実施形態において、癌は、以下:進行乳癌、転移性乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌、ER陰性およびPR陰性乳癌、ER陰性、PR陰性およびHER2陰性乳癌の少なくとも1種類である乳癌、またはこれまでの少なくとも1回の癌処置クールに応答しなかった乳癌である。一部の実施形態において、該方法は、セイタカナミキソウから抽出された可溶分を、少なくとも約0.25g、約0.27g、約0.3g、約0.35g、約0.4g、約0.45g、約0.5g、約0.6g、約0.7g、約0.8g、約0.9g、約1g、約1.1g、約1.2g、約1.3g、約1.4g、約1.5g、約1.6g、約1.7g、約1.8g、約1.9g、約2g、約2.1g、約2.2g、約2.3g、約2.4g、約2.5g、約2.6g、約2.7g、約2.8g、約2.9g、約3g、約3.1g、約3.2g、約3.3g、約3.4g、約3.5g、約3.6g、約3.7g、約3.8g、約3.9g、または約4gのルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを含む日用量で患者に投与することを含む。
【0077】
本明細書に記載の一部の実施形態は、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質を少なくとも20g含む医薬活性成分を含む医薬投薬単位を患者に投与することを含む、癌の治療方法を提供する。一部の実施形態において、該投薬単位は経口投薬単位である。一部の実施形態において、投薬単位は、さらに、水以外の少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の実施形態では、該投薬単位は、矯味剤および甘味料から選択される少なくとも1種類の賦形剤を含む。一部の実施形態において、投薬単位は、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質を少なくとも約20グラム含む。
【0078】
一部の実施形態は、さらに、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質を少なくとも15グラム含む医薬活性成分を患者に毎日投与することを含む、癌の治療方法を提供する。一部の実施形態において、医薬活性成分は1日1〜4回の用量で投与される。一部の実施形態において、癌は乳癌または婦人科癌である。一部の実施形態において、癌は、以下:進行乳癌、転移性乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌、ER陰性およびPR陰性乳癌、ER陰性、PR陰性およびHER2陰性乳癌の少なくとも1種類である乳癌、またはこれまでの少なくとも1回の癌処置クールに応答しなかった乳癌である。
【0079】
本発明者は、一部の実施形態において、患者の治療に使用される具体的な投薬量が好結果の臨床転帰に重要であることを見い出した。したがって、一部の実施形態では、患者には、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質が少なくとも20g/日で投与されなければならない。一部の実施形態において、投薬単位は、少なくとも約20グラムの医薬活性成分を含む。一部の実施形態において、投薬単位は、約20グラム〜約200グラム、約20グラム〜約100グラム、約20グラム〜約60グラム、約20グラム、約30グラム、約40グラム、約50グラム、約60グラム、約70グラム、約80グラム、約90グラムまたは約100グラムの医薬活性成分を含む。好ましい投与様式は経口投与であり、この場合、好ましくは、セイタカナミキソウから抽出された可溶性物質を矯味剤、甘味料または両方などの水以外の少なくとも1種類の賦形剤と合わせる。
セイタカナミキソウエキスのインビトロでの活性
【0080】
表3は、本発明のエキスによる、いくつかのインビトロ充実性乳癌腫瘍細胞株の活性の阻害の程度を示す。
【0081】
【表3】

【0082】
表4は、本発明のエキスによる、いくつかのインビトロ充実性癌腫瘍細胞株の活性の阻害の程度を示す。
【0083】
【表4】

【0084】
セイタカナミキソウ(「BZL」)のエキス中の活性化合物を単離し、特性評価することは本発明の一態様である。乾燥後にもどした場合、ならびに該エキスを物理的および化学的手段によって分離した場合、該エキスの活性は低下する。
【0085】
本明細書で用いる場合、用語「治療する」、「治療すること」および「治療」は、疾患状態の1つ以上の症状が改善されることをいう。治療の好成績は、疾患安定状態、一部もしくは完全寛解、または疾患進行の一部もしくは完全遅滞の達成によって判断され得る。治療の好成績に対する適当なエンドポイントの一例は、平均余命の長期化である。
【0086】
本明細書で用いる場合、「投与する」、「投与すること」または「投与」は、対処すべき具体的な癌の治療に適した様式での患者への本発明のエキス(1種類もしくは複数種)、または本発明のエキス(1種類もしくは複数種)を含む医薬組成物の送達をいう。
【0087】
「患者」は、腫瘍を有する哺乳動物、特に、ヒト、より特別には、1種類以上の婦人科癌または乳癌に苦しんでいるヒト女性をいう。
【0088】
本明細書で用いる場合、用語「有効量」および「治療有効量」は、同義的に、患者集団が、(1)腫瘍サイズが縮小する、(2)腫瘍の転移が抑止される(すなわち、ある程度遅くなる、好ましくは止まる)、(3)腫瘍の増殖がある程度抑止される(すなわち、ある程度遅くなる、好ましくは止まる)、および/または、(4)癌に関連する1つ以上の症状が、ある程度軽減(もしくは好ましくは解消)する、(5)腫瘍の増殖が安定化する、(6)疾患進行までの期間が延びる、(7)全生存率が改善されるという効果を有する組成物または投薬単位の量をいう。
【0089】
本明細書で用いる場合、「医薬組成物」は、本明細書に記載の1種類以上の化合物または組合せと、生理学的に許容され得る担体および賦形剤などの他の化学成分との混合物をいう。薬理学的組成物の目的は、患者への本発明のエキス(1種類または複数種)の投与を容易にすることである。
【0090】
本明細書で用いる場合、用語「薬学的に許容され得る」は、薬剤または賦形剤が、医薬組成物における使用に、概ね許容され得るとみなされることを意味する。
【0091】
本明細書で用いる場合、「生理学的に許容され得る担体」は、生物体に対して有意な刺激を引き起こさず、投与された組成物の生物学的活性および諸特性を消去しない担体または希釈剤をいう。例示的な薬学的に許容され得る担体としては、固形および液状の希釈剤が挙げられる。水、エタノール、プロピレングリコール、およびグリセロールが薬学的に許容され得る液状希釈剤の実例であり、これらのうち、一部の実施形態では水が好ましい。
【0092】
本明細書で用いる場合、「賦形剤」は、本発明の医薬組成物の投与をさらに容易にするために医薬組成物に添加される薬学的に不活性な物質をいう。賦形剤の例としては、限定されないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類およびデンプン類、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油ならびにポリエチレングリコールが挙げられる。賦形剤の群と医薬活性成分の群は、製薬技術分野において互いに排他的とみなされる。一部の好ましい実施形態では、賦形剤は矯味剤、甘味料または両方である。
【0093】
用語「水以外の賦形剤」は、賦形剤が、矯味剤または甘味料などの水以外のなんらかの賦形剤であるか、または該なんらかの賦形剤を含むものであることを意味する。したがって、用語「水以外の賦形剤」には、水と甘味料または水と矯味剤を含む賦形剤は包含され得るが、水のみを含む賦形剤は除外され得る。水以外の賦形剤と医薬活性成分を含む医薬組成物は、例えば、医薬活性成分と、水と、矯味剤および/または甘味料などのなんらかの他の賦形剤とを含むものであり得る。
【0094】
本明細書で用いる場合、用語「含む(“comprising”、“comprises”、“comprise”)」およびその文法的語尾変化形は、包含的またはオープンエンドであり、記載していないさらなる要素または方法工程を排除しない。用語「含む(“include”、“includes”、“contain”、“contains”、“containing”)およびその文法的語尾変化形も、同様に包含的である。
【0095】
本明細書で用いる場合、語句「〜からなる」は、その文中に記載していない要素、工程または成分をいずれも排除する。
【0096】
本明細書で用いる場合、語句「本質的に、〜からなる」は、文中に記載した範囲を、指定の材料または工程および特許請求の範囲に記載の発明の基本的かつ新規な特徴に実質的な影響を及ぼさないものに限定する。
【0097】
本明細書で用いる場合、「BZL」は「セイタカナミキソウ」と同義的である。用語「BZL101」は、癌細胞に対する活性が示されたBZL特定の抽出物をいう。特に、セイタカナミキソウの着生部分を意図する。
【0098】
実施例
本発明のエキスを得るハーブは、Shen Nong Herbs、Berkeley、Californiaから購入した。その実体は、従来の医薬文献を参照することにより確認した。
【0099】
調製例1
調製例1−半枝蓮(BZL)からの活性化合物の単離
乾燥半枝蓮を、8:2のMeOH−HOで、6時間および12時間抽出した。合わせた 抽出物を濾過し、真空濃縮し、続いて、ヘキサンと酢酸エチル(等容量、1回反復)に分配した。合わせた酢酸エチル分配液を真空濃縮し、Sephadex親油性LH−20媒体(〜160g、カラム内径1800×25mm)でクロマトグラフィー処理した(重力下での流下、MeOH−アセトン−HOまたは100%MeOHの定組成9:0.5:0.5を使用)。画分(40ml)を収集し、分析用HPLC(表3、4)および/またはRF−TLC(1:1の10mMの酢酸アンモニウム−MeCN)解析に基づいて合わせた。
【0100】
スクテラレイン(1)、イソスクテラレイン(2)、ルテオリン(3)、およびアピゲニン(4)を、一部重複する画分にてSephadex LH−20カラムから溶出した。分取用HPLC法A(表3、4)を使用し、個々の化合物を精製した。
【0101】
フラバノンであるカルタミジン(5)およびイソカルタミジン(6)を一緒に、Sephadex LH−20カラムから種々の画分で、上記のフラボンから溶出した。分取用HPLC法B(表3、4)を使用し、カルタミジン(5)およびイソカルタミジン(6)を精製した。
【0102】
イソスクテラレインは、LC/MSならびに1Dおよび2D NMR解析に基づいて確認した。他の化合物(1,3〜6)はすべて、市販の参照標準または合成した認証済標準とのLC/MSおよびNMRによる比較に基づいて確認した。NMRスペクトルは、Varian Mercury Plus 400MHzを用いて記録した。HPLCおよびUVスペクトルは、DAD検出器を取り付け、Phenomenex Luna C18(150×2.1mm、3μm)カラムを使用したAgilent Technologies 1200 Series HPLCシステムを用いて記録した。分子量は、Applied Agilent Technologies 6210 TOF LC/MSをネガティブモードで用いて測定した。使用した機器の諸特性のまとめを表5に示す。
【0103】
【表5】

【0104】
表5 HPLC法。以下に示すカラムを化合物1〜6の単離に使用した。HPLC操作ではすべて、クロマトグラフィーに対して同じ溶媒勾配を使用したが、流速のみ、表示のとおりに変えた。勾配:溶媒A 0.1%TFA。溶媒B MeCN;10%Bから60%Bまで30分での線形勾配、最上部保持なし
化合物1〜6の確認に使用したNMRデータを以下に示す。
【0105】
スクテラレイン(1)CAS#529−53−3;LC/MS[M−H]−m/z 285.0425。式1は、化合物(1)の重要なHMBC相関を示す。化合物1のNMRデータを表6に示す。
【0106】
【化1】

【0107】
【表6】

【0108】
イソスクテラレイン(2):CAS#41440−05−5;LC/MS[M−H]−m/z 285。式(2)は、化合物(2)の重要なHMBC相関を示す。化合物2のNMRデータを表7に示す。
【0109】
【化2】

【0110】
【表7】

【0111】
ルテオリン(3):CAS#491−70−3;LC/MS[M−H]−m/z 285.0403。式3は、化合物(3)の重要なHMBC相関を示す。化合物3のNMRデータを表8に示す。
【0112】
【化3】

【0113】
【表8】

【0114】
アピゲニン(4):CAS#520−36−5;LC/MS[M−H]−m/z 269.04479。式(4)は、アピゲニン(4)の構造を示す。
【0115】
【化4】

【0116】
カルタミジン(5):CAS#479−54−9;LC/MS[M−H]−m/z 287。式(5)は、化合物(5)の重要なHMBC相関を示す。化合物5のNMRデータを表9に示す。
【0117】
【化5】

【0118】
【表9】

【0119】
イソカルタミジン(6):CAS#2569−76−8;LC/MS[M−H]−m/z 287。式(6)は、化合物(6)の重要なHMBC相関を示す。化合物6のNMRデータを表10に示す。
【0120】
【化6】

【0121】
【表10】

【0122】
調製例2
調製例2−ヒトでのインビボ実験用のBZL101の調製
BZL101は、シソ科のセイタカナミキソウの着生部分の水性抽出物である。ハーブセイタカナミキソウ(中国語ピンイン翻字(Chinese pin yin transliteration)−ハンシレン(BZL))は、主に、黄河(Huang Po)の南東地域の四川省、江蘇省、江西省、福建省、広東省、広西自治区および陜西省に生育している。この植物は、開花後、晩夏から初秋に収穫される。着生部分(葉および茎)が根から切り離され、出発材料として(BZL)使用される。このハーブの着生部分は天日干され、植物全体がパッケージングされる。このハーブを植物学的、形態学的および化学的特性によって確認および実証し、純度を確かめる。
【0123】
単回用量のBZL101を以下の手順によって作製し、BZL101(Bionovo、Inc.、Emeryville、CA)と称する。
・ 180グラムの生ハーブを摩砕して微粉末にする(25メッシュ)
・ この粉末を1800mlの蒸留水と混合し、スラリーを形成する
・ 次いで、スラリーを70〜72℃で60分間煮沸する。
・ 抽出物をデカンテーションし、22μmフィルターに通して濾過する
・ 抽出後の上清みの重量は168gである
・ この溶液の容量は1750mlである
・ 抽出物を真空エバポレータで濃縮し、水分容量を350ml(これは、元の溶液の5:1濃度で構成)に減少させる
・ 抽出物中の可溶性物質の乾燥重量は12gである
・ これを、滅菌真空密閉容器内にパッケージングする
・ 細菌、酵母および重金属に関する試験を認定研究所で行なう
【0124】
高用量(例えば、20、30および40グラム/日)では、生ハーブ(セイタカナミキソウの着生部分と水の量を比例したスケールとし、可溶性物質の乾燥重量は比例した量となる。
【0125】
実施例1
実施例1−セイタカナミキソウ由来の活性分の特性評価
【0126】
理論的説明
BZL101は、乳癌細胞において細胞死を誘発するが、非形質転換乳腺上皮細胞では誘発しない。この選択的細胞傷害性は、腫瘍細胞において、BZL101により反応性酸素種(ROS)が強く誘導されることに基づく。その結果、BZL101処理癌細胞では、広範な酸化的DNA損傷が生じ、壊死性の死より多くなる。BZL101で処理した細胞の発現プロファイリングのデータは、酸化的ストレス、DNA損傷および死滅促進遺伝子の活性化を伴う死滅経路を強く裏付ける。乳癌細胞では、BZL101によって誘発される酸化的損傷により、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の過剰活性化、続いて、NADレベルの持続的減少およびATPの枯渇(非形質転換細胞ではいずれも観察されない)がもたらされる。PARPの阻害によって壊死の抑制およびアポトーシス死プログラムの活性化がもたらされるため、PARPの過剰活性化は、BZL101によって誘発される壊死性の死のプログラムのきっかけである。BZL101処理により、腫瘍細胞において解糖の選択的阻害がもたらされるが、これは、解糖経路における酵素活性の低下および乳酸塩生成の阻害から明白である。腫瘍細胞は、多くの場合、エネルギー生成を解糖に依存しているため、観察された解糖の阻害は、エネルギー崩壊および乳癌細胞において選択的に起こる壊死性の死の重要な因子である可能性がある。癌細胞に対するBZL101のこの有望な選択性は、解糖が高度である腫瘍細胞と正常細胞間の代謝の違いに基づく。
【0127】
いくつかの型の実験を、BZL101から単離した個々の化合物を用いて行なった。
【0128】
合計7種類のBZL101由来精製化合物を、水性BZL101抽出物全体に存在するいくつかの生物学的活性:ROS、DNA損傷および細胞死の誘導について試験した。以下のパラメータを調べた。
1.ミトコンドリア膜内外電位差(MTP)の減少の誘導。試験したすべての化合物で、MTPの低下が誘導された。
2.反応性酸素種(ROS)の誘導。ROSの細胞透過性インジケータ、例えば、ジヒドロエチジウム(スーパーオキシドに特異的)(図2)、CM−H2DCFDA(ほとんどの型のROS)(図1)およびMitoSOX(ミトコンドリア由来スーパーオキシド)(図3)からの誘導蛍光を、蛍光プレートリーダーおよびFACSを用いて試験した。
3.また、化合物を、ミトコンドリア起源のROSの特異的インジケータ、および/または既知起源(ミトコンドリア、ユビキノンオキシドレダクターゼNQO(ミトコンドリア複合体I)およびNADPHオキシダーゼなど)によるROS生成の特異的インヒビタのいずれかを用いて誘導されたROSの潜在的細胞源について試験した。
4.化合物を、DNA損傷の誘導について、コメットアッセイ(個々の細胞におけるDNA損傷検出を可能にする)として知られる試験を用いて試験した(図4)
5.該化合物で処理した細胞の死滅の誘導を、細胞透過性に関するヨウ化プロピジウム試験、続いてFACSでの解析を用いて調べた。
6.細胞死の様式(すなわち、アポトーシスと壊死)を、いくつかの基準:アネキシンV結合陽性への細胞の変換;DNA断片化(アポトーシス死に特徴的)および細胞内ATPレベルの低下(壊死性の死の際に一般的に観察される)を用いて試験した(図5)。
1.ミトコンドリア膜内外電位差(MTP)の減少の誘導。試験したすべての化合物で、MTPの低下が誘導された。
2.反応性酸素種(ROS)の誘導。ROSの細胞透過性インジケータ、例えば、ジヒドロエチジウム(スーパーオキシドに特異的)(図2)、CM−H2DCFDA(ほとんどの型のROS)(図1)およびMitoSOX(ミトコンドリア由来スーパーオキシド)(図3)からの誘導蛍光を、蛍光プレートリーダーおよびFACSを用いて試験した。
3.また、化合物を、ミトコンドリア起源のROSの特異的インジケータ、および/または既知起源(ミトコンドリア、ユビキノンオキシドレダクターゼNQO(ミトコンドリア複合体I)およびNADPHオキシダーゼなど)によるROS生成の特異的インヒビタのいずれかを用いて誘導されたROSの潜在的細胞源について試験した。
4.化合物を、DNA損傷の誘導について、コメットアッセイ(個々の細胞におけるDNA損傷検出を可能にする)として知られる試験を用いて試験した(図4)
5.該化合物で処理した細胞の死滅の誘導を、細胞透過性に関するヨウ化プロピジウム試験、続いてFACSでの解析を用いて調べた。
6.細胞死の様式(すなわち、アポトーシスと壊死)を、いくつかの基準:アネキシンV結合陽性への細胞の変換;DNA断片化(アポトーシス死に特徴的)および細胞内ATPレベルの低下(壊死性の死の際に一般的に観察される)を用いて試験した(図5)。
【0129】
図1〜図5に示したデータを、以下の表11にまとめる。
【0130】
【表11】

【0131】
表11にまとめた実験では、2種類の乳癌細胞株MDA MB 231およびSKBr3を使用し、同様の結果であった。
【0132】
結果
すべての試験化合物で、ミトコンドリア膜内外電位差の減少が誘導された(モック処理細胞(表示せず)と比べて25〜90%の範囲のMTP低下)。
【0133】
ほとんどの化合物は細胞傷害活性を有するが、各々の細胞傷害性の程度は異なる(表11)。これらの化合物は、反応性酸素種(ROS)、DNA損傷および細胞エネルギー状態の誘導に対して識別的効果を有する(図1〜5)。したがって、BZL101抽出物は、いくつかの化合物を含み、場合によっては、異なる細胞死誘導様式を有する。
【0134】
種々の化合物による死滅誘導機構の解析により、少なくとも2つの異なる細胞傷害性様式が明らかである。
【0135】
試験した化合物ではすべて、細胞に、酸化体感受性蛍光プローブ5−(および−6)−クロロメチル−2’,7’−ジクロロジヒドロフルオレセインジアセテートアセチルエステル(CM−HDCFDAまたはDCFDA)を負荷することにより測定した場合、処理の数分以内に細胞内ROSが誘導される。DCFDAは、環元形態では非蛍光性であり、易膜透過性である。その酢酸基が、細胞内エステラーゼにより切断される。次いで、チオール反応性クロロメチル基が細胞内チオールに結合し、該色素を細胞内部に取り込み、そこで、酸化によって蛍光性形態に変換される。CM−HDCFDAは、細胞内過酸化水素、ヒドロキシルラジカル、および過酸化水素の下流に存在する種々のフリーラジカル生成物によって酸化される。これは、スーパーオキシドによる酸化に対して比較的非感受性である。しかしながら、過酸化水素は、スーパーオキシドの不均化によって生成されるため、CM−HDCFDAは、スーパーオキシド生成の間接的インジケータとしての機能を果たす。図1からわかるように、CM−HDCFDAは、細胞内で、試験したすべてのBZL101化合物によって酸化されるが、誘導されたROSの総レベルは異なる。
【0136】
また、スーパーオキシドによって選択的に酸化される細胞透過性インジケータであるジヒドロエチジウムでの細胞の染色によって測定したとき、すべての試験化合物で、スーパーオキシドが誘導された。サイトゾル内でのジヒドロエチジウムは青色蛍光を示すが、このプローブは、スーパーオキシドによってエチジウムに酸化されると、細胞のDNA内にインターカレートされ、核を明るい蛍光性の赤色に染色し、これは、フローサイトメトリー法によって容易に検出される(図2)。
【0137】
2つのフラボノイド、アピゲニンとルテオリンは、起源がミトコンドリアであると特定されたスーパーオキシドの生成を誘導する。ミトコンドリア由来スーパーオキシドMitoSOXの特異的検出体は、アピゲニンおよびルテオリンによって蛍光性形態に変換されたが、他の化合物では変換されなかった。また、ミトコンドリア呼吸インヒビタ(アジ化ナトリウム,NaN)およびミトコンドリア複合体Iインヒビタ(ジクマロール、表示せず)により、アピゲニンおよびルテオリンによるスーパーオキシドの生成が抑制された(図3)。
【0138】
アピゲニンおよびルテオリンは他の化合物と、DNA損傷を誘発しないという点で相違する(図4)。しかしながら、両者は細胞傷害性であり、処理の最初の時間中に観察されるアネキシンV結合、DNA断片化、およびわずかであるが一貫性のATPレベルの上昇に基づいてアポトーシス性であると特性評価される有意な細胞死を誘発する(図5)。このような特徴はすべて、アポトーシス死の証明である。
【0139】
テトラヒドロキシフラボン(スクテラレイン、イソスクテラレイン、カルタミジンおよびイソカルタミジン)またはペンタヒドロキシフラボン(名称なし)のいずれかであると特定された5種類の化合物は、相違する機構によって細胞死を誘発する。これらはROSを誘導するが、ミトコンドリア外起源のものではない(その起源は測定の余地がある)。また、これらの化合物はDNA損傷を誘発し、その程度は、ROSの誘導レベルと相関しているようである。スクテラレインなどの化合物によって誘導されるROSの型は、DNA損傷の誘導において特に活性であることが考えられ得る(一重項酸素など)。スーパーオキシドは膜透過性でなく、直接的な酸化的DNA損傷を誘発することができないため、これらの化合物によって誘導されるROSのほとんどはスーパーオキシドではないと仮定することが妥当である。しかしながら、スーパーオキシドが細胞内で速やかに過酸化物に変換され、直接DNAを損傷させることがあり得る。
【0140】
全BZL101抽出物と同様、上記の5種類の化合物は、細胞内ATPレベルの低下を誘導する。ATPの低下は、アネキシンVに対する染色欠如または低染色とともに、さらに壊死性様式の細胞死と整合する。
【0141】
図の説明
図1 CM−HDCFDAでの染色によって調べたときのSKBr3細胞におけるROSの誘導。表示した化合物を、細胞に20μg/ml増殖培地で添加した後、10μMのCM−HDCFDAを添加した。ミトコンドリア呼吸インヒビタNaN3を10mMで添加した。30分間のインキュベーション後、細胞をPBS中で洗浄し、FACScanで蛍光について解析した。化合物名は、この図および他の図において、以下のとおり、A−アピゲニン、C−カルタミジン、L−ルテオリン、S−スクテラレイン、IC−イソカルタミジン、IS−イソスクテラレイン、P−分子量320を有する種(ペンタヒドロキシルフラボンと思われる)と略記する。
【0142】
図2 ジヒドロエチジウムでの染色によって調べたときのSKBr3細胞におけるスーパーオキシドの誘導。表示した化合物を細胞に添加した後、5μMのジヒドロエチジウムを添加した。20分間のインキュベーション後、細胞をPBS中で洗浄し、FACScanで蛍光について解析した。
【0143】
図3 細胞を、ミトコンドリア由来スーパーオキシドのインジケータであるMitoSOXで染色した。処理は、図2の説明に記載のとおりとした。
【0144】
図4 BZL101から単離した化合物によるSKBr3細胞におけるDNA損傷の誘導を、コメットアッセイを用いて解析した。細胞を、20μg/mlの表示した化合物で15分間処理し、DNA損傷について、Cometアッセイキット(Trevigen製)を製造業者の使用説明書に従って解析した。簡単には、細胞を収集し、洗浄し、PBSで再懸濁させた。この細胞を、37℃の融解低融点アガロースと合わせ、コメットスライド上にピペッティングした。アガロースを4℃で30〜40分間固化させ、冷溶解溶液(Trevigen,Inc.)中に4℃で30分間浸漬させた。このスライドを、新たに調製したアルカリ溶液(300mM NaClおよび1mM EDTA)中に20分間浸漬させ、同じアルカリ性バッファー中、300mAでの電気泳動に30〜40分間供した。スライドを水中ですすぎ処理し、次いで、70%エタノール中で5分間固定した。風乾後、核をSybr green(Trevigen,Inc.)で染色し、蛍光顕微鏡下で観察した。コメットを有する細胞の割合を、スライドの実体について知らされていない観察者が定量した。
【0145】
図5 SKBr3細胞を96ウェルプレート上で平板培養し、表示した化合物で4時間処理した。細胞をインサイチュで溶解させ、ATP含有量を、ATP Biolumiescence Assay Kit HSII(Roche製)を使用し、96ウェルプレートに対する照度計にて解析した。
結論
BZL101抽出物は、細胞傷害活性を有する化合物を含有する。このような化合物は、ミトコンドリアおよび細胞DNAに対して異なる効果を示すが、すべて、ヒト癌細胞に対して細胞傷害活性を有する。特定された2種類の化合物アピゲニンおよびルテオリンは、ミトコンドリアスーパーオキシド、およびミトコンドリア経路または固有の経路によって実行されるアポトーシス死を誘導する。
【0146】
その他の5種類の化合物、特に、スクテラレインとイソスクテラレインは、ROSを誘導した後、DNA損傷、およびプログラムされた壊死の証明を有する細胞死を誘導する。
実施例2−セイタカナミキソウから抽出された活性分の分離および相乗活性
実施例2に示したように、セイタカナミキソウから抽出されたいくつかの化合物は、反応性酸素種(ROS)の生成、DNA損傷および細胞死を誘導することが示された。単離された種の複合活性を、より良好に理解するため、半枝蓮から単離されたいくつかのフラバノンおよびフラボンを、個々に、および組合せで試験した。試験したフラバノンおよびフラボンを図8に示す。これらの化合物1〜8を、ROSの誘導、DNA損傷および細胞死について、実施例2に記載のようにして試験した。この試験の結果を、以下の表12および13に示す。
【0147】
【表12】

【0148】
【表13】

【0149】
表12および表13においてわかるように、ルテオリンとイソスクテラレインの組合せは、反応性酸素種(ROS)の生成および細胞死の誘導において、同じ濃度のルテオリン単独よりもはるかに有効である。同様に、このルテオリンとイソスクテラレインの組合せは、反応性酸素種(ROS)の生成および細胞死の誘導において、同じ濃度のイソスクテラレイン単独よりもはるかに有効である。この意味において、イソスクテラレインとルテオリンの組合せは、ROSの誘導生成および細胞死に対して相乗効果を有すると考えられる。
【0150】
また、表12および13から自明のことは、ルテオリンとアピゲニンの組合せは、反応性酸素種(ROS)の生成および細胞死の誘導において、同じ濃度のルテオリン単独よりもはるかに有効であるということである。同様に、ルテオリンとアピゲニンの組合せは、反応性酸素種(ROS)の生成および細胞死の誘導において、同じ濃度のアピゲニン単独よりもはるかに有効である。この意味において、アピゲニンとルテオリンの組合せは、ROSの誘導生成および細胞死に対して相乗効果を有すると考えられる。
【0151】
表12および13においてわかるように、アピゲニンとイソスクテラレインの組合せは、反応性酸素種(ROS)の生成および細胞死の誘導において、同じ濃度のアピゲニン単独よりもはるかに有効である。同様に、このアピゲニンとイソスクテラレインの組合せは、反応性酸素種(ROS)の生成および細胞死の誘導において、同じ濃度のイソスクテラレイン単独よりもはるかに有効である。この意味において、イソスクテラレインとアピゲニンの組合せは、ROSの誘導生成および細胞死に対して相乗効果を有すると考えられる。
【0152】
表12および13に示した結果を、2種類の異なる乳癌細胞株で実験を行なうことによって確認した。
【0153】
実施例4−ヒトにおけるBZL101由来活性分のインビボ有効性
経口BZL101の安全性と臨床的活性を示すため、セイタカナミキソウから単離された活性化合物の組合せを、進行乳癌を患うヒト患者において試験する。
【0154】
適格患者は、組織学的に確認された転移性乳癌および測定可能な疾患を有する。患者は、治験中、なんら他の化学療法、ホルモン療法または漢方薬を受けない。患者は、350ml(アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの1、2、3、4、5または全種類の0.00001〜1グラムに相当)の薬物/日を、疾患進行、毒性または個人の選択によって中止されるまで受ける。主要エンドポイントは、安全性、毒性および腫瘍の応答である。
【0155】
患者は、登録を行ない、薬物を受ける。平均年齢およびこれまでの平均処置回数を記録する。血液学的およびグレードIIIまたはIVの非血液学的有害事象(AE)を、あれば追跡し、記録する。悪心、下痢、頭痛、膨満感、嘔吐、便秘および疲労感などのグレードIおよびIIの有害事象を報告する患者がいれば、留意し、記録する。応答について評価可能な患者を評価し、また、疾患安定状態(SD)を90日間より長く有する患者、およびSDを180日間より長く有する患者に留意し、記録する。また、軽微な客観的腫瘍退縮を有する患者にも留意し、記録する。
【0156】
患者を1ヶ所以上の適当な研究センターに登録させ、治験審査委員会によって承認されたインフォームドコンセントの同意を得る。以下の場合:広範な肝臓浸潤(肝臓実質の50%より多い)、治療によって3ヶ月より長い間安定しないリンパ管炎性肺浸潤、中枢神経系浸潤または脊髄圧迫、多数回または重度の食物または薬アレルギー歴および器官または骨髄機能不全(クレアチニン2.0g/dlを超える、総ビリルビン1.7g/dlを超える、白血球数2,500細胞/μL未満、および血小板数75,000mm未満(「dl」=デシリットル)によって規定)患者を試験から除外する。
【0157】
安全性のモニタリングを継続的に行ない、医師が患者をベースライン検査についてY週毎に診察する。有害事象を、Common Toxicity Criteriaバージョン2を用いて等級分類し、器官系によって分類し、試験薬物に関して関連性が薄い、関連している可能性あり、おそらく関連している、または明白に関連しているとコード化する。ベースライン腫瘍評価は、試験薬物開始の14日以内および3ヶ月毎に行なう。応答はRECIST基準を用いて評価する。試験薬物は来院のたびに投与し、この来院時に、コンプライアンスと摂取投薬量の検討を行なった。試験薬物は、液状物として、1日2回の分割用量で投与する全日用量を入れたラベル表示密封アルミニウムパックにて提供する。1日分の試験薬物は、腫瘍進行または用量制限毒性の判定が見られるまで、あるいは、被検体が自主的に中止を決定するまで(この場合、中止の理由を得る)投与する。
【0158】
結果
上記の試験の結果に留意し、試験のエンドポイントの達成に基づいて評価する。
実施例4−セイタカナミキソウから抽出された可溶分中の活性分の濃度
BZL101は、本明細書に記載のようにして調製する。活性化合物ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンを特定し、1mgのBZL101に対して定量する。BZL101の1mgの可溶分中のルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの各々の質量を表14に示す。
【0159】
【表14】

【0160】
表14においてわかるように、この実例としての非限定的な実施例では、セイタカナミキソウから抽出された可溶分は1mg中、約0.44μg±0.05μgのルテオリン、0.49μg±0.04μgのアピゲニン、2.1μg±0.2μgのスクテラレインおよび15μg±2μgのスクテラリンを含む。したがって、セイタカナミキソウから抽出された乾燥可溶分は1mgあたり、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約18μg±5μg、約1:1.1:4.8:34の割合で含む。
【0161】
実施例5
実施例5−処置抗療性の転移性乳癌の処置におけるセイタカナミキソウエキス
転移性乳癌患者での処置を、セイタカナミキソウエキス(「BZL101」)を用いて行なった。抽出物BZL101は、本質的に本明細書において上記のようにして調製し、1回以上の転移性乳癌処置クールを受けた患者に投与した。BZL101は、1日1回(q.d.)または1日2回(b.i.d.)のいずれかで、後述するとおりに投与した。投与した20グラム、30グラムおよび40グラムの用量は、半枝蓮に関する文献でこれまでに報告された用量よりもずっと高いにもかかわらず、耐容性が良好であった。また、数名の患者では、後述するように有効性が示された。
【0162】
BZL101は、新規な作用機序を示す半枝蓮エキスである。正常細胞は、エネルギー生成をクエン酸回路(>85%)と解糖(<7%)に依存する。癌細胞は、エネルギー生成を解糖(>85%)に依存する。BZL101は、解糖を阻害することによりエネルギー生成を抑止する。BZL101はDNA損傷および癌細胞死を引き起こす。BZL101正常細胞では細胞死を引き起こさない。
【0163】
癌細胞におけるBZL101の選択的細胞傷害活性に対して、以下の根拠が提唱されている。腫瘍細胞は、エネルギー生成を解糖に依存する。これは、反応性酸素種(ROS)の内因性レベルの上昇と関連している。正常細胞は、エネルギー需要を酸化的リン酸化に依存する。さらに、BZL101処理により、腫瘍細胞内のROSレベルが増大し、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)の過剰活性化および大量の酸化的DNA損傷がもたらされる。正常細胞では、BZL101処理により、軽度のROSレベルの増大および中等度のDNA損傷がもたらされるにすぎず、PARP活性化はない。
【0164】
PARPの活性化により、NAD+/NADH(ポリADP−リボース合成の基質)が枯渇し、ATPが貯蔵される。解糖は、サイトゾル内NAD+がATP生成のための基質として使用され、NAD+の減少によって抑止される(酸化的リン酸化では、ミトコンドリアNAD+がATPの生成に使用されるが、一般的に、PARP活性化によって影響されない)。BZL101誘導性PARP活性化によるNAD+およびATPの枯渇によって解糖の阻害がもたらされ、さらに、ATPレベルの低下および細胞死がもたらされる。Breast Cancer Res Treat 2007 Sep、105(l)17−28。電子公開2006年11月l7日。PMID:17111207;Cancer Biol Ther 2008年1月7日;7(4)[出版前に電子公開]PMID 18305410。
【0165】
実施例3に概要を示した治験およびこのフェーズ1B治験(実施例5)の主な特徴を、以下の表15において比較する。
【0166】
【表15】

BZL101フェーズ1B癌治験の主な特徴は、以下のとおりにまとめられる。
BZL101フェーズ1Bの設計
【0167】
一次
・ BZL101の最大耐用量を調べるため
・ BZL101の安全性と有効性に関する予備データを得るため
二次
・ RECIST(Response Evaluation Criteria In Solid Tumors)によって規定される腫瘍の応答
・ 進行なしの全生存率
・ 応答持続期間
・ 参加者によって報告されたQOL(EORTC QLQ−C30)の変化
【0168】
主な適格性基準
・ 組織学的に確認された乳癌を有していなければならない
・ 測定可能な病期IVの疾患を有していなければならない
・ 転移性疾患に対するこれまでの化学療法は3回以下である(最初は制限なしの回数、試験途中で最大3回に補正した)
【0169】
用量漸増の要旨を以下の表16に示す。
【0170】
【表16】

【0171】
試験にエントリーした患者のベースライン特徴は、以下の表17に示すとおりである。
【0172】
【表17】

【0173】
試験参加者の個体群統計の内訳を以下の表18にまとめる。
【0174】
【表18】

【0175】
試験参加者に起こった有害事象の数および型を以下の表19に示す。
【0176】
【表19】

【0177】
フェーズ1B 用量制限毒性の定義
(a)試験薬物投与に関連している可能性あり、おそらく関連している、または明白に関連しているNCI CTCAE V 3.0に基づくグレード3、4または5の毒性
(b)試験薬物投与に関連している可能性あり、おそらく関連している、または明白に関連している3週間より長く持続しているグレード2の胃腸への毒性
(c)試験薬物投与に関連している可能性あり、おそらく関連している、または明白に関連しているグレード3以上に悪化するベースライン検査値状態または病状
試験参加者に起こった用量制限毒性(DLT)を以下の表20に示す。
【0178】
【表20】

【0179】
フェーズ1B 有害事象のまとめ
a)BZL101は耐容性が良好である。最もよく見られる関連有害事象は下痢(48%)、悪心(40%)、嘔吐(26%)および疲労感(22%)である。
b)この試験では12例の重篤な有害事象がみとめられ、1例のみが試験薬物投与に関連していると思われた。40g/日の用量で嘔吐によるグレード3の肋骨痛で入院
c)DLTを伴う患者が3例みられた。
(i)グレード4のAST上昇、
(ii)同じ患者でのグレード3の下痢およびグレード3の疲労感、および
(iii)嘔吐によるグレード3の肋骨痛
【0180】
試験薬物投与のコンプライアンスを以下の表21に示す。
【0181】
【表21】

【0182】
フェーズ1B 予備有効性
a)27名中21名は28日間以上の治験を受けた
b)8/21(38%)は90日間より長く安定
c)4/21(19%)は180日間より長く安定
d)27名中18名は、RECISTによって評価可能である(少なくとも1つの測定可能な病変および追跡スキャンを終了または保留中)
e)6/18(33%)は90日間より長く安定
f)3/18(17%)は180日間より長く安定
これらの結果を以下の表22にまとめる。
【0183】
【表22】

【0184】
フェーズ2 転帰の測定
主要転帰
【0185】
RECIST基準を使用し、腫瘍の応答速度に基づいた有効性の予備推定値を得る
【0186】
有害事象を、クリニックへの来院のたびに、自己報告、身体検査および検査結果によって評価する
【0187】
副次的転帰
a.腫瘍の応答:臨床的有益性の割合、完全応答、一部応答、疾患の進行
b.応答持続期間および生存期間:全応答、完全応答および一部応答の持続期間、全生存率、ならびに進行なしの生存
c.EORTC QLQ−C30を用いた生活の質の変化
まとめ
得られたMFDは40g/日であった。フェーズ2は、20g/日で進め、80名の患者(40名のHR+および40名のHR−)を登録する。
【0188】
半枝蓮エキスは、乳癌細胞の増殖をインビトロで抑止する。
【0189】
BZL101処理により、解糖経路における酵素活性の低下および乳酸塩生成の阻害から明白なように、解糖の阻害がもたらされる
【0190】
BZL101は、癌細胞において選択的細胞死を誘起するが、健常細胞では誘起しない
【0191】
BZL101の経口投与は耐容性が良好である。最もよく見られる有害事象は下痢(48%)、悪心(40%)、嘔吐(26%)および疲労感(22%)である
【0192】
DLTを伴う患者が3例みられた。グレード4のAST上昇、同じ患者でのグレード3の下痢およびグレード3の疲労感、ならびに嘔吐によるグレード3の肋骨痛
【0193】
1例のSAEはBZL101に起因するものであった。40g/日で嘔吐によるグレード3の肋骨痛で入院
【0194】
平均すると、試験薬物投与のコンプライアンスは、服用した処方用量の90%であった
この重度前処置集団では、7/18(39%)が90日間より長く安定しており、4/18(22%)が180日間より長く安定していた。
【0195】
登録された27名の女性のうち、18名は進行のため、3名は患者による選択のため、2名はAEのため、2名はSAEのため、および1名は試験手順不適合のため中止した。
【0196】
前述のことから、20グラム、30グラムまたは40グラム(乾燥重量)の用量で投与されたセイタカナミキソウエキスは、転移性乳癌、特に、処置に対して抗療性であることが示された転移性乳癌の処置に有効であり、耐容性が良好であるであることがわかる。
【0197】
前述のことから、15グラム(乾燥重量)〜60グラム(乾燥重量)の日用量のセイタカナミキソウエキスが、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、Her2/neu陰性乳癌および/または三重陰性乳癌(他の組織に転移したものを含む)の治療に有効であると考えられる。また、このような用量は、他のER陰性、PR陰性、Her2/neu陰性および三重陰性癌の治療にも有用であると考えられる。20、30および40グラム(乾燥重量)/日の用量は、前述の癌、特に、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、Her2/neu陰性乳癌および/または三重陰性乳癌(他の組織に転移した乳癌を含む)の治療に特に有用であると考えられる。
【0198】
BZL101のさらなる臨床試験は、実施例4に示した方法論に従って行なわれ得る。癌と診断された患者を、20グラム(乾燥重量)、30グラム(乾燥重量)または40グラム(乾燥重量)(あるいは、一例として15グラム(乾燥重量)より多くの他の量、例えば、約15〜60グラム(乾燥重量))のBZL101で処置し、実施例4に示したようにして評価する(処置対象の病状に応じた適切な修正を伴う)。処置対象の例示的な癌としては、副腎皮質細胞癌、肛門癌、再生不良性貧血、胆管癌、膀胱癌、骨の癌、骨転移、成人CNS脳腫瘍、小児CNS脳腫瘍、乳癌、キャッスルマン病、頚部癌、小児非ホジキンリンパ腫、結腸および直腸の(結腸直腸)癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング家族性腫瘍、目の癌、胆嚢癌、胃腸の類癌腫、胃腸の間質腫瘍、妊娠性絨毛疾患、ホジキン病、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭および下咽頭の癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、小児白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、肝臓癌、肺癌、肺カルチノイド腫、非ホジキンリンパ腫、男性の乳癌、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔および鼻傍の癌、鼻咽頭癌、神経芽腫、口腔および口腔咽頭の癌、骨肉腫、卵巣癌、膵癌、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫(成人の柔軟性組織の癌)、黒色腫皮膚癌、非黒色腫皮膚癌、胃癌、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンストローム型マクログロブリン血症、ウイルス起源の癌およびウイルス関連の癌が挙げられる。
【0199】
全体の結び
本明細書において、本発明の好ましい実施形態を図示および記載したが、かかる実施形態は例示の目的で示したにすぎないことは当業者に自明であろう。本明細書において、数多くの変形、変更および置き換えが、当業者に、本発明から逸脱することなく想起されよう。本明細書に記載した本発明の実施形態に対する種々の択一例が、本発明の実施において使用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲によって本発明の範囲が規定されること、ならびにこの特許請求の範囲およびその均等の範囲に含まれる方法および構造が当該特許請求の範囲に包含されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分を少なくとも約20g含む投薬単位。
【請求項2】
さらに、少なくとも1種類の賦形剤を含む、請求項1に記載の投薬単位。
【請求項3】
少なくとも1種類の矯味剤、少なくとも1種類の甘味料、または両方を含む、請求項2に記載の投薬単位。
【請求項4】
経口投与に適した形態の、請求項1〜3のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項5】
さらに水を含む、請求項4に記載の投薬単位。
【請求項6】
癌患者に対する投与のための請求項1〜5のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項7】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20g〜約200g含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項8】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20〜約100g含む、請求項7に記載の投薬単位。
【請求項9】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20〜約60g含む、請求項8に記載の投薬単位。
【請求項10】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20〜約50g含む、請求項9に記載の投薬単位。
【請求項11】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20〜約40g含む、請求項10に記載の投薬単位。
【請求項12】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.25g含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項13】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.27g含む、請求項12に記載の投薬単位。
【請求項14】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.35g含む、請求項12に記載の投薬単位。
【請求項15】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約4g含む、請求項12に記載の投薬単位。
【請求項16】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約2g含む、請求項12に記載の投薬単位。
【請求項17】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約1.1g含む、請求項12に記載の投薬単位。
【請求項18】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約1g含む、請求項12に記載の投薬単位。
【請求項19】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約0.8g含む、請求項12に記載の投薬単位。
【請求項20】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分を少なくとも約20g/日で癌患者に投与することを含む、癌の治療方法。
【請求項21】
前記癌が乳癌および1種類以上の婦人科癌から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記癌が乳癌である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記乳癌が、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20g/日〜約200g/日で患者に投与することを含む、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20g/日〜約100g/日で患者に投与することを含む、請求項20〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20g/日〜約60g/日で患者に投与することを含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20g/日〜約50g/日で患者に投与することを含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分を約20g/日〜約40g/日で患者に投与することを含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.25g含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.27g含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.35g含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約4g含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約2g含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約1.1g含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約1g含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
セイタカナミキソウから抽出された可溶分が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約0.8g含む、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
水以外の少なくとも1種類の賦形剤と、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの1つ以上とを含む医薬組成物。
【請求項38】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの各々を含み、水以外の少なくとも1種類の賦形剤が矯味剤および甘味料から選択される、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項39】
高分子量化合物を実質的に含まない、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項40】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを含み、約1部のルテオリン、約1.1部のアピゲニン、約4.8部のスクテラレインおよび約34部のスクテラリンを含む、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項41】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.9〜約1.3部のアピゲニン、約3.9〜約6部のスクテラレイン、および約37〜約43部のスクテラリンを含む、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項42】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリンを含む、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項43】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリンを含む、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項44】
約1g〜約200gの可溶分を含み、可溶分のうち約1%〜約99%が活性可溶分であり、活性可溶分のうち約1.7%〜約3.2%がルテオリンであり、約2%〜約3.4%がアピゲニンであり、約7.9%〜約15.8%がスクテラレインであり、約49%から活性可溶分の残部までがスクテラリンである、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項45】
約1g〜約200gの可溶分を含み、可溶分のうち約1%〜約3%が活性可溶分であり、活性可溶分のうち約1.7%〜約3.2%がルテオリンであり、約2%〜約3.4%がアピゲニンであり、約7.9%〜約15.8%がスクテラレインであり、約49%から活性可溶分の残部までがスクテラリンである、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項46】
約1g〜約200gの可溶分を含み、可溶分のうち約1.5%〜約2.1%が活性可溶分であり、活性可溶分のうち約1.7%〜約3.2%がルテオリンであり、約2%〜約3.4%がアピゲニンであり、約7.9%〜約15.8%がスクテラレインであり、約49%から活性可溶分の残部までがスクテラリンである、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項47】
約1g〜約200gの可溶分を含み、可溶分のうち約1%〜約99%が活性可溶分であり、活性可溶分のうち約1.9%〜約3%がルテオリンであり、約2.2%〜約3.2%がアピゲニンであり、約9.2%〜約14.5%がスクテラレインであり、約60%から活性可溶分の残部までがスクテラリンである、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項48】
約1g〜約200gの可溶分を含み、可溶分のうち約1%〜約3%が活性可溶分であり、活性可溶分のうち約1.9%〜約3%がルテオリンであり、約2.2%〜約3.2%がアピゲニンであり、約9.2%〜約14.5%がスクテラレインであり、約60%から活性可溶分の残部までがスクテラリンである、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項49】
約1g〜約200gの可溶分を含み、可溶分のうち約1.5%〜約2.1%が活性可溶分であり、活性可溶分のうち約1.9%〜約3%がルテオリンであり、約2.2%〜約3.2%がアピゲニンであり、約9.2%〜約14.5%がスクテラレインであり、約60%から活性可溶分の残部までがスクテラリンである、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項50】
約1g〜約200gの可溶分を含み、可溶分のうち約1%〜約50%が活性可溶分であり、活性可溶分のうち約2.2%〜約2.7%がルテオリンであり、約2.4%〜約2.9%がアピゲニンであり、約10.5%〜約13.2%がスクテラレインであり、約72%から活性可溶分の残部までがスクテラリンである、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項51】
約1g〜約200gの可溶分を含み、可溶分のうち約1%〜約3%が活性可溶分であり、活性可溶分のうち約2.2%〜約2.7%がルテオリンであり、約2.4%〜約2.9%がアピゲニンであり、約10.5%〜約13.2%がスクテラレインであり、約72%から活性可溶分の残部までがスクテラリンである、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項52】
約1g〜約200gの可溶分を含み、可溶分のうち約1.5%〜約2.1%が活性可溶分であり、活性可溶分のうち約2.2%〜約2.7%がルテオリンであり、約2.4%〜約2.9%がアピゲニンであり、約10.5%〜約13.2%がスクテラレインであり、約72%から活性可溶分の残部までがスクテラリンである、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項53】
有効量の請求項37〜52のいずれか一項に記載の組成物を癌患者に投与することを含む、癌の治療方法。
【請求項54】
前記癌が乳癌および1種類以上の婦人科癌から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記癌が乳癌である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
乳癌が、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
組成物の有効量が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも0.27g含む、請求項53〜56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
組成物の有効量が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.27g〜約4g含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
組成物の有効量が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約4g含む、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
組成物の有効量が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約2g含む、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
組成物の有効量が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約1.1g含む、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
組成物の有効量が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約1g含む、請求項57に記載の方法。
【請求項63】
組成物の有効量が、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約0.8g含む、請求項57に記載の方法。
【請求項64】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約1.1部のアピゲニン、約4.8部のスクテラレインおよび約34部のスクテラリンを含む、請求項57〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.9〜約1.3部のアピゲニン、約3.9〜約6部のスクテラレイン、および約37〜約43部のスクテラリンを含む、請求項57〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリンを含む、請求項57〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリンを含む、請求項57〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約6.7mg〜約90mgのルテオリン、約8.9mg〜約90mgのルテオリン、約8.9mg〜約50mgのルテオリン、約8.9mg〜約30mgのルテオリン、約8.9mg〜約25mgのルテオリン、または約8.9mg〜約20mgのルテオリンを含む、請求項57〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約7.3mg〜約100mgのアピゲニン、約9.7mg〜約100mgのアピゲニン、約9.7mg〜約50mgのアピゲニン、約9.7mg〜約30mgのアピゲニン、約9.7mg〜約25mgのアピゲニン、または約9.7mg〜約20mgのアピゲニンを含む、請求項57〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約30mg〜約500mgのスクテラレイン、約40mg〜約500mgのスクテラレイン、約40mg〜約220mgのスクテラレイン、約40mg〜約130mgのスクテラレイン、約40mg〜約110mgのスクテラレイン、または約40mg〜約90mgのスクテラレインを含む、請求項57〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約0.25g〜約3gのスクテラリン、約0.3g〜約3gのスクテラリン、約0.3g〜約1.5gのスクテラリン、約0.3g〜約0.9gのスクテラリン、約0.3g〜約0.8gのスクテラリン、または約0.3g〜約0.65gのスクテラリンを含む、請求項57〜64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.25g含む投薬単位。
【請求項73】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.35g含む、請求項72に記載の投薬単位。
【請求項74】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約4g含む、請求項73に記載の投薬単位。
【請求項75】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約2g含む、請求項74に記載の投薬単位。
【請求項76】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約1.1g含む、請求項75に記載の投薬単位。
【請求項77】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約1g含む、請求項76に記載の投薬単位。
【請求項78】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約0.8g含む、請求項77に記載の投薬単位。
【請求項79】
さらに、水以外の少なくとも1種類の賦形剤を含む、請求項72〜78のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項80】
水以外の少なくとも1種類の賦形剤が矯味剤、甘味料または両方である、請求項79に記載の投薬単位。
【請求項81】
セイタカナミキソウから抽出された高分子量化合物を実質的に含まない、請求項72〜80のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項82】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約1.1部のアピゲニン、約4.8部のスクテラレインおよび約34部のスクテラリンを含む、請求項72〜81のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項83】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.9〜約1.3部のアピゲニン、約3.9〜約6部のスクテラレイン、および約37〜約43部のスクテラリンを含む、請求項72〜81のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項84】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリンを含む、請求項72〜81のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項85】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリンを含む、請求項72〜81のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項86】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約6.7mg〜約90mgのルテオリン、約8.9mg〜約90mgのルテオリン、約8.9mg〜約50mgのルテオリン、約8.9mg〜約30mgのルテオリン、約8.9mg〜約25mgのルテオリン、または約8.9mg〜約20mgのルテオリンを含む、請求項72〜81のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項87】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約7.3mg〜約100mgのアピゲニン、約9.7mg〜約100mgのアピゲニン、約9.7mg〜約50mgのアピゲニン、約9.7mg〜約30mgのアピゲニン、約9.7mg〜約25mgのアピゲニン、または約9.7mg〜約20mgのアピゲニンを含む、請求項72〜81のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項88】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約30mg〜約500mgのスクテラレイン、約40mg〜約500mgのスクテラレイン、約40mg〜約220mgのスクテラレイン、約40mg〜約130mgのスクテラレイン、約40mg〜約110mgのスクテラレイン、または約40mg〜約90mgのスクテラレインを含む、請求項72〜81のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項89】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約0.25g〜約3gのスクテラリン、約0.3g〜約3gのスクテラリン、約0.3g〜約1.5gのスクテラリン、約0.3g〜約0.9gのスクテラリン、約0.3g〜約0.8gのスクテラリン、または約0.3g〜約0.65gのスクテラリンを含む、請求項72〜81のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項90】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.25g/日で、癌患者に投与することを含む、癌の治療方法。
【請求項91】
前記癌が乳癌および1種類以上の婦人科癌から選択される、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記癌が乳癌である、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記乳癌が、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌である、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約0.35g/日で患者に投与することを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約4g/日で患者に投与することを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約2g/日で患者に投与することを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約1.1g/日で患者に投与することを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約1g/日で患者に投与することを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35g〜約0.8gで患者に投与することを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約1.1部のアピゲニン、約4.8部のスクテラレインおよび約34部のスクテラリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.9〜約1.3部のアピゲニン、約3.9〜約6部のスクテラレイン、および約37〜約43部のスクテラリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.75〜約1.64部のアピゲニン、約3.1〜約7.5部のスクテラレイン、および約20.4〜約54.7部のスクテラリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約6.7mg〜約90mgのルテオリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約8.9mg〜約90mgのルテオリンを含む 、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約8.9mg〜約50mgのルテオリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約8.9mg〜約30mgのルテオリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約8.9mg〜約25mgのルテオリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約8.9mg〜約20mgのルテオリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約7.3mg〜約100mgのアピゲニンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約9.7mg〜約100mgのアピゲニンを含む 、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約9.7mg〜約50mgのアピゲニンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約9.7mg〜約30mgのアピゲニンを含む 、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約9.7mg〜約25mgのアピゲニンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約9.7mg〜約20mgのアピゲニンを含む 、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約30mg〜約500mgのスクテラレインを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約40mg〜約500mgのスクテラレインを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約40mg〜約220mgのスクテラレインを含む 、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約40mg〜約130mgのスクテラレインを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約40mg〜約110mgのスクテラレインを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約40mg〜約90mgのスクテラレインを含む 、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約0.25g〜約3gのスクテラリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約0.3g〜約3gのスクテラリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約0.3g〜約1.5gのスクテラリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約0.3g〜約0.9gのスクテラリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約0.3g〜約0.8gのスクテラリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約0.3g〜約0.65gのスクテラリンを含む、請求項90〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを1部、並びに所定の分画より大きい分子量を有する高分子量化合物を約50部未満含む医薬組成物であって、所定の分画が1,000グラム/モル〜約20,000グラム/モルである医薬組成物。
【請求項129】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを1部、並びに約40部未満の高分子量化合物を含む、請求項128に記載の医薬組成物。
【請求項130】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを1部、並びに約30部未満の高分子量化合物を含む、請求項128に記載の医薬組成物。
【請求項131】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを1部、および約20部未満の高分子量化合物を含む、請求項128に記載の医薬組成物。
【請求項132】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを1部、および約10部未満の高分子量化合物を含む、請求項128に記載の医薬組成物。
【請求項133】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを1部、および約5部未満の高分子量化合物を含む、請求項128に記載の医薬組成物。
【請求項134】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを1部、および約2部未満の高分子量化合物を含む、請求項128に記載の医薬組成物。
【請求項135】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを1部、および約1部未満の高分子量化合物を含む、請求項128に記載の医薬組成物。
【請求項136】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを1部、および約0.5部未満の高分子量化合物を含む、請求項128に記載の医薬組成物。
【請求項137】
高分子量化合物に対する前記分画が10,000グラム/モルである、請求項128〜136のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項138】
高分子量化合物に対する前記分画が5,000グラム/モルである、請求項128〜136のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項139】
高分子量化合物に対する前記分画が2,000グラム/モルである、請求項128〜136のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項140】
高分子量化合物に対する前記分画が1,000グラム/モルである、請求項128〜136のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項141】
さらに、水以外の少なくとも1種類の賦形剤を含む、請求項128〜140のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項142】
水以外の少なくとも1種類の賦形剤が矯味剤、甘味料または両方である、請求項141に記載の医薬組成物。
【請求項143】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを少なくとも約18mg含む、請求項128〜142のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む投薬単位。
【請求項144】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.25g〜約4g含む、請求項143に記載の投薬単位。
【請求項145】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.27g〜約4g含む、請求項143に記載の投薬単位。
【請求項146】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35〜約4g含む、請求項143に記載の投薬単位。
【請求項147】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35〜約2g含む、請求項143に記載の投薬単位。
【請求項148】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35〜約1.1g含む、請求項143に記載の投薬単位。
【請求項149】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35〜約1g含む、請求項143に記載の投薬単位。
【請求項150】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.35〜約0.8g含む、請求項143に記載の投薬単位。
【請求項151】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せを約0.7〜約2g含む、請求項143に記載の投薬単位。
【請求項152】
さらに、水以外の少なくとも1種類の賦形剤を含む、請求項142〜151のいずれか一項に記載の投薬単位。
【請求項153】
水以外の少なくとも1種類の賦形剤が矯味剤、甘味料または両方から選択される、請求項152に記載の投薬単位。
【請求項154】
有効量の請求項128〜142のいずれか一項に記載の医薬組成物を癌患者に投与することを含む、癌の治療方法。
【請求項155】
癌が、1種類以上の乳癌および/または婦人科癌である、請求項154に記載の方法。
【請求項156】
癌が乳癌である、請求項155に記載の方法。
【請求項157】
乳癌が、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌である、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
有効量の請求項143〜153のいずれか一項に記載の投薬単位を癌患者に投与することを含む、癌の治療方法。
【請求項159】
癌が、1種類以上の乳癌および/または婦人科癌である、請求項152に記載の方法。
【請求項160】
癌が乳癌である、請求項153に記載の方法。
【請求項161】
乳癌が、進行乳癌、転移性乳癌、処置抗療性の乳癌、ER陰性乳癌、PR陰性乳癌、HER2陰性乳癌および/または三重陰性乳癌の1種類以上である、請求項154に記載の方法。
【請求項162】
(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成する工程、
(b)セイタカナミキソウの着生部分を混合物から分離し、粗製抽出物を得る工程、
(c)粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成する工程、
(d)任意選択で、精製エキス由来の水分の一部、実質的に全部もしくは全部を蒸発させる工程、または精製エキスにさらなる水を添加する工程、および
(e)精製エキスを、水以外の少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤と合わせ、医薬組成物を形成する工程
を含む、医薬組成物の作製方法。
【請求項163】
精製エキスが、アピゲニン、ルテオリン、スクテラレインおよびスクテラリンを含む、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
水以外の少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤が矯味剤および甘味料から選択される、請求項162に記載の方法。
【請求項165】
(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成する工程、
(b)セイタカナミキソウの着生部分を混合物から分離し、粗製抽出物を得る工程、
(c)粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成する工程、
(d)任意選択で、精製エキス由来の水分の一部、実質的に全部もしくは全部を蒸発させる工程、または精製エキスにさらなる水を添加する工程、および
(e)精製エキスを薬学的に許容され得る賦形剤と合わせ、医薬組成物を形成する工程
を含む、医薬組成物の作製方法。
【請求項166】
ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンの組合せが、約1部のルテオリン、約0.61〜約2部のアピゲニン、約2.5〜約9.4部のスクテラレイン、および約15〜約70部のスクテラリンを含む、請求項164に記載の方法。
【請求項167】
(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成する工程、
(b)セイタカナミキソウの着生部分を混合物から分離し、粗製抽出物を得る工程、および
(c)粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、セイタカナミキソウの精製エキスを形成する工程
を含む、セイタカナミキソウの精製エキスの作製方法。
【請求項168】
水以外の少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤を、ルテオリン、アピゲニン、スクテラレインおよびスクテラリンからなる群のうちの1つ以上と合わせ、医薬組成物を形成することを含む、医薬組成物の作製方法。
【請求項169】
水以外の少なくとも1種類の医薬用賦形剤が矯味剤および甘味料から選択される、請求項168に記載の方法。
【請求項170】
(a)セイタカナミキソウの着生部分を、40℃より高い温度まで加熱した水と、少なくとも約10分間接触させて混合物を形成する工程、
(b)セイタカナミキソウの着生部分を混合物から分離し、粗製抽出物を得る工程、および
(c)粗製抽出物から高分子量化合物を分離し、精製エキスを形成する工程、および
(d)精製エキスを、水以外の少なくとも1種類の賦形剤と合わせ、医薬投薬単位を形成する工程
を含む、医薬投薬単位の作製方法。
【請求項171】
水以外の少なくとも1種類の賦形剤が矯味剤および甘味料から選択される、請求項170に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−501974(P2012−501974A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525302(P2011−525302)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/055945
【国際公開番号】WO2010/028187
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(507200569)バイオノボ・インコーポレーテッド (24)
【Fターム(参考)】