説明

癌の診断、検出および治療におけるSEMA4D

本発明は、癌関連遺伝子の分野に属する。具体的には、本発明は、SEMA4D遺伝子、または、この遺伝子によってコードされるタンパクの有無に基づいて癌を検出、または、癌を発症する可能性を検出する方法に関する。本発明はさらに、SEMA4D遺伝子を上方または下方調整するための方法および分子も提供する。特定の実施態様では、この癌は、リンパ腫、メラノーマ、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、すい臓癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、膀胱癌、胃癌、または皮膚癌である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEMA4Dの発現産物のレベルを調節することを含む、患者の癌を治療する方法であって、該癌が、メラノーマ、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、すい臓癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、膀胱癌、胃癌、または皮膚癌から成る群より選択される、方法。
【請求項2】
前記患者に、前記SEMA4D発現産物のレベルを調節する抗体、核酸、またはポリペプチドを投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発現産物の発現レベルが、少なくとも2倍の変化だけ上方または下方調整される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記癌が腫瘍増殖の抑制または腫瘍容積の低下によって治療される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記癌が、癌細胞の侵襲性を緩和することによって治療される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記発現産物がタンパクまたはmRNAである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1時点における前記発現産物のレベルが、第2時点における同じ発現産物のレベルと比較され、該第1時点と比較した場合の、該第2時点における発現産物のレベルの増加が、癌の進行を示す、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ヌクレオチドが、配列番号7の配列を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
SEMA4D活性を調節することを含む、患者の癌を治療する方法であって、該SEMA4D活性が、細胞増殖、細胞成長、細胞の運動性、転移、細胞移動、細胞の生存、および腫瘍形成性から成るグループから選ばれ、かつ、該癌が、メラノーマ、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、すい臓癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、膀胱癌、胃癌、または皮膚癌から成る群より選択される、方法。
【請求項10】
前記患者に対し、前記SEMA4D活性を抑制する抗体、核酸、またはポリペプチドを投与することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記抗体が中和化抗体である、請求項2または10に記載の方法。
【請求項12】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項2または10に記載の方法。
【請求項13】
前記抗体が、少なくとも1×10Kaの親和性でSEMA4Dポリペプチドに結合するモノクローナル抗体である、請求項2または10に記載の方法。
【請求項14】
前記モノクローナル抗体が、癌細胞成長、腫瘍形成、細胞生存、および癌細胞増殖の内の一つ以上を抑制する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記抗体が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、1本鎖抗体、二重特異性抗体、多重特異性抗体、またはFab断片である、請求項2または10に記載の方法。
【請求項16】
コントロールに比べてSEMA4Dの過剰発現によって特徴づけられる患者の癌を治療する方法であって、該患者のSEMA4D活性を調節することを含む、方法。
【請求項17】
前記SEMA4D活性が、細胞増殖、細胞成長、細胞の運動性、転移、細胞移動、細胞の生存、遺伝子発現、および腫瘍形成性から成る群より選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記患者に対し、前記SEMA4D活性を抑制する抗体、核酸、またはポリペプチドを投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
患者サンプルにおいてSEMA4Dの差次的発現の証拠を検出することを含む癌の診断方法であって、SEMA4Dの差次的発現の証拠が、癌の診断を示し、該癌が、メラノーマ、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、すい臓癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、膀胱癌、胃癌、または皮膚癌から成る群より選択される、方法。
【請求項20】
差次的発現の証拠が、SEMA4Dの発現産物のレベルを測定することによって検出される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記発現産物がタンパクまたはmRNAである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
タンパクの発現レベルが、SEMA4Dポリペプチドに特異的に結合する抗体を用いて測定される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記抗体が画像化剤に連結される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記患者サンプルにおけるSEMA4D遺伝子の発現産物のレベルが、コントロールと比較される、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記コントロールが、前記患者サンプルにおけるものと同じ組織タイプの既知の正常組織である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記サンプルにおける発現産物のレベルが、前記コントロールと比べて増加している、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
SEMA4Dの発現産物の証拠を検出することを含む、患者サンプルにおける癌性細胞の検出法であって、該サンプルにおけるSEMA4Dの発現の証拠が、該サンプルにおける細胞が癌性であることを示す、方法。
【請求項28】
前記細胞が、乳房細胞、結腸細胞、腎臓細胞、肝細胞、肺細胞、リンパ球、卵巣細胞、すい臓細胞、前立腺細胞、子宮細胞、子宮頸細胞、膀胱細胞、胃細胞、または皮膚細胞である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記発現産物の証拠が、画像化剤に連結する抗体を用いて検出される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
患者における癌の進行を評価する方法であって、第1時点における生物サンプルのSEMA4Dの発現産物のレベルを、第2時点における同じ発現産物のレベルと比較することを含み、該第1時点に対して、該第2時点における該発現産物のレベルの変化は該癌の進行を示し、該癌が、メラノーマ、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、すい臓癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、膀胱癌、胃癌、または皮膚癌から成る群より選択される、方法。
【請求項31】
子宮頸癌、腎臓癌、卵巣癌、すい臓癌、および皮膚癌から成る群から選ばれる癌を診断する方法であって、
(a)第1個体の第1組織タイプを含む第1サンプルにおけるSEMA4DのmRNAレベルを測定すること;
(b)(a)のmRNAレベルを、
(1)該第1個体の正常組織タイプを含む第2サンプルにおけるmRNAレベル、または、
(2)罹患していない個体から得られた正常組織タイプを含む第3サンプルにおけるmRNAレベルと比較することを含み、
(a)のmRNAレベルと、該第2サンプルまたは該第3サンプル中のmRNAレベルとの間での少なくとも2倍の差は、該第1個体が、癌を有するか、または癌に罹り易いことを示す、方法。
【請求項32】
前記(a)のmRNAレベルと、前記第2サンプルまたは前記第3サンプル中のmRNAレベルとの間での少なくとも3倍の差は、前記第1個体が、癌を有するか、または癌に罹り易いことを示す、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
抗癌活性に対するスクリーニング法であって、
(a)SEMA4Dを発現する細胞を、候補抗癌剤と接触させること;および、
(b)該候補抗癌剤の存在下と不在下との間で該細胞中のSEMA4D発現レベルに少なくとも2倍の差を検出することを含み、
該候補抗癌剤の存在下と不在下との間での該細胞中のSEMA4D発現レベルにおける少なくとも2倍の差は、該候補抗癌剤が抗癌活性を持つことを示し、該癌が、メラノーマ、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、すい臓癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、膀胱癌、胃癌、または皮膚癌から成る群より選択される、方法。
【請求項34】
前記候補抗癌剤の存在下と不在下との間での、前記細胞中のSEMA4D発現レベルにおける少なくとも3倍の差は、該候補抗癌剤が抗癌活性を持つことを示す、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記候補抗癌剤が、抗体、小型有機化合物、小型無機化合物、またはポリヌクレオチドである、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記ポリヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
SEMA4Dの発現産物に結合する抗体による治療に感受性である患者を同定するための方法であって、該患者からの生物サンプルにおける該遺伝子の発現産物レベルを測定することを含む、方法。
【請求項38】
哺乳動物における癌を診断または検出するためのキットであって、該キットは、
SEMA4D腫瘍細胞抗原に特異的に結合する、上記の実施態様の内のいずれか一つによる抗体またはその断片、または免疫結合体またはその断片;
該抗体と、該SEMA4D腫瘍細胞抗原の間の結合反応を検出するための一つ以上の試薬;および、
任意に該キットを使用するための説明書を含み、
該癌が、メラノーマ、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、すい臓癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、膀胱癌、胃癌、または皮膚癌から成る群より選択される、キット。
【請求項39】
癌を診断するためのキットであって、該キットは、ストリンジェントな条件の下でSEMA4D遺伝子にハイブリダイズする核酸プローブ;該SEMA4D遺伝子を増幅するためのプライマー;および、任意に該キットを使用するための説明書を含み、該癌が、メラノーマ、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、すい臓癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、膀胱癌、胃癌、または皮膚癌から成る群より選択される、キット。
【請求項40】
SEMA4Dの発現産物に対して特異的な1種以上の抗体またはオリゴヌクレオチドを含む組成物。
【請求項41】
従来の癌薬剤をさらに含む、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
薬学的に受容可能な賦形剤をさらに含む、請求項40に記載の組成物。
【請求項43】
前記1種以上のオリゴヌクレオチドが、配列番号7の配列を持つ、請求項40に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−535856(P2008−535856A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505608(P2008−505608)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/013174
【国際公開番号】WO2006/110594
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(507251918)ノバルティス ヴァクシンズ アンド ダイアグノスティクス インコーポレイテッド (17)
【出願人】(506099937)サグレス ディスカバリー, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】