説明

癌を処置または予防するための方法および組成物

【課題】癌を処置または予防するための方法および組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、種々の癌を処置するために有用な組成物および方法に関する。それらの治療組み合わせおよび使用方法もまた、本出願に包含される。本発明は、被験体において、神経芽腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、膵臓癌、および小児癌からなる群より選択される医学的状態を処置または予防するための方法を提供し、その方法は、治療有効量の一種以上のIGF1Rインヒビターまたはその薬学的組成物をその被験体に投与する工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本出願は、2005年4月15日に出願された米国仮特許出願第60/671,654号の利益を主張しており、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、癌を処置または予防するための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ソマトメジンとしても公知であるインスリン様成長因子としては、インスリン様成長因子−I(IGF−I)およびインスリン様成長因子−II(IGF−II)が挙げられる(非特許文献1および2)。これらの増殖因子は、インスリン様成長因子−1受容体(IGF1RまたはIGFR1)と命名される共通の受容体に結合する(非特許文献3)ことにより、腫瘍細胞を含む種々の細胞型にマイトジェン活性を与える(非特許文献4)。IGF1RとIGFとの相互作用は、チロシン残基上で受容体の自己リン酸化を誘発することにより、その受容体を活性化する(非特許文献5)。一度活性化されると、次にIGF1Rは細胞内標的をリン酸化して、細胞内シグナル伝達経路を活性化する。この受容体活性化は、腫瘍細胞の増殖および生存の刺激に不可欠である。したがって、IGF1R活性の阻害は、ヒトの癌および他の増殖性疾患の増殖を処置または予防するための役に立つ潜在的方法を表している。
【0004】
したがって、IGF1Rを阻害する療法は、特定の癌の処置または予防に対して有用である。抗IGF1R抗体は、その癌を処置または予防するために有用な療法である。当該分野で公知である数種の抗IGF1R抗体が存在する(例えば、特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;特許文献6;特許文献7;特許文献8または特許文献9を参照のこと)。他の小分子IGF1Rインヒビターもまた、当該分野で公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第03/100008号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2002/53596号パンフレット
【特許文献3】国際公開第04/71529号パンフレット
【特許文献4】国際公開第03/106621号パンフレット
【特許文献5】米国特許出願公開第2003/235582号明細書
【特許文献6】国際公開第04/83248号パンフレット
【特許文献7】国際公開第03/59951号パンフレット
【特許文献8】国際公開第04/87756号パンフレット
【特許文献9】国際公開第2005/16970号パンフレット
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Klapper,et al.,(1983)Endocrinol.112:2215
【非特許文献2】Rinderknecht,et al.,(1978)Febs.Lett.89:283
【非特許文献3】Sepp−Lorenzino,(1998)Breast Cancer Research and Treatment 47:235
【非特許文献4】Macaulay,(1992)Br.J.Cancer 65:311
【非特許文献5】Butler,et al.,(1998)Comparative Biochemistry and Physiology 121:19
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一部の癌を処置または予防するために使用され得る当該分野で公知のIGF1Rインヒビターが存在するものの、神経芽腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、および小児癌のような他の癌を処置または予防するための治療組成物ならびに治療方法に対する、当該分野における必要性が残されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、部分的に、IGF1Rインヒビターおよびそれらの組み合わせを提供することにより、この必要性に焦点を当てているが、それらは種々の癌の処置または予防に非常に効果的であり、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、および他の小児癌の処置または予防に特に効果的である。
【0009】
本発明は、被験体において、神経芽腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、膵臓癌、および小児癌からなる群より選択される医学的状態を処置または予防するための方法を提供し、その方法は、治療有効量の一種以上のIGF1Rインヒビターまたはその薬学的組成物をその被験体に投与する工程を包含する。一つの実施形態において、そのIGF1Rインヒビターは、
【0010】
【化6】

【0011】
およびヒトIGF1Rに特異的に結合する単離された抗体からなる群より選択される。一つの実施形態において、その抗体は:
(a)配列番号2のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10または12のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域;
(b)配列番号4のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10または12のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域;
(c)配列番号6のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10または12のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域;
(d)配列番号8のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10または12のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域;
あるいは、本明細書中で、例えば、以下の「IGF1Rインヒビター」の節で示される任意の他のIGF1Rインヒビターを含む。一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、一種以上のさらなる抗癌化学療法剤またはその薬学的組成物と組み合わせて投与される。一つの実施形態において、そのさらなる抗癌化学療法剤としては、
【0012】
【化7−1】

【0013】
それらの任意のリポソーム処方物(例えば、CaelyxまたはDoxil(登録商標))、シクロホスファミド
【0014】
【化7−2】

【0015】
13−シス−レチノイン酸
【0016】
【化8】

【0017】
【化9】

【0018】
および、本明細書中で、例えば、以下の「さらなる化学療法」の節で示される任意の他の化学療法剤からなる群より選択されるメンバーである。一つの実施形態において、本明細書中で示される任意の抗IGF1R抗体の投与量は、体重1kg当たり約1mg〜20mg、または約40mg/m〜1000mg/mの範囲である。一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターおよびさらなる抗癌療法剤は同時に投与される。一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターおよびさらなる抗癌療法剤は同時に投与されない。一つの実施形態において、上記抗体は、IgG定常領域を含む。一つの実施形態において、上記被験体はヒト(例えば、子供)である。一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、抗癌治療手順と組み合わせて投与される。一つの実施形態において、その抗癌治療手順は外科的腫瘍摘出および/または抗癌放射線処置である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態の説明
(発明の詳細な説明)
本発明は、神経芽腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、および小児癌を含む癌を処置または予防するための組成物ならびに方法を包含する。その癌は、抗IGF1R抗体のようなIGF1Rインヒビターを投与することにより、処置または予防され得る。その抗体は、抗癌化学療法剤(例えば、本明細書中で示される抗癌化学療法剤のいずれか)のようなさらなる化学療法剤と組み合わせられ得る。
【0020】
(IGF1Rインヒビター)
用語「IGF1Rインヒビター」あるいは「IGF1Rアンタゴニスト」などは、IGF1Rの発現、リガンド結合(例えば、IGF−1および/またはIGF−2への結合)、キナーゼ活性(例えば、自己リン酸化活性)、または任意の他の生物学的活性(例えば、足場非依存細胞増殖の媒介)、ならびに管理者(administartor)(例えば、研究者、医者もしくは獣医)により捜し求められている、組織、系、被験体または患者の生物学的反応もしくは医学的反応(癌(例えば、腫瘍増殖)の兆候(sign)、症状、および/または臨床上の兆候(indicia)の任意の測定可能な軽減、ならびに/あるいは癌(例えば、神経芽腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、および小児癌)の任意の程度までの進行もしくは転移の予防、減速、もしくは停止を含む)を引き出すホスホ−IRS−1レベルを低減させる任意の物質を含む。
【0021】
本発明の一つの実施形態において、本発明に従う方法において、患者に投与され得るIGF1Rインヒビターは、任意の単離された抗体またはその抗原結合フラグメントであり、それは、ヒトインスリン様成長因子−1受容体(IGF1R)(例えば、モノクローナル抗体(例えば、完全ヒトモノクローナル抗体)、ポリクローナル抗体、二重特異性抗体、Fab抗体フラグメント、F(ab)抗体フラグメント、Fv抗体フラグメント(例えば、VHまたはVL)、一本鎖Fv抗体フラグメント、dsFv抗体フラグメント、ヒト化抗体、キメラ抗体、または抗イディオタイプ抗体)(例えば、Burtrum et.al Cancer Research 63:8912−8921(2003);仏国特許出願公開第2834990号、同第2834991号、同第2834900号、およびPCT出願公開番号WO 03/100008;WO 03/59951;WO 04/71529;WO 03/106621;WO 04/83248;WO 04/87756;WO 05/16970;およびWO 02/53596のいずれかにおいて開示されるもののいずれか)に特異的に結合する。
【0022】
本発明の一つの実施形態において、本発明に従う方法において、患者に投与されるIGF1Rインヒビターは、成熟19D12/15H12軽鎖−C、D、EまたはFおよび成熟19D12/15H12重鎖−AまたはBを含む、単離された抗インスリン様成長因子−1受容体(IGF1R)抗体である。本発明の一つの実施形態において、本発明に従う方法において、患者に投与されるIGF1Rインヒビターは、19D12/15H12軽鎖−C、D、EまたはFおよび/または19D12/15H12重鎖−AまたはBの一つ以上の相補的決定領域(CDR)(例えば、3つの全ての軽鎖CDRおよび3つの全ての重鎖CDR)を含むIGF1Rに特異的に結合する単離された抗体である。
【0023】
本発明の一部の抗体鎖のアミノ酸およびヌクレオチド配列が、以下に示される。点線で下線を引いた活字(type)はシグナルペプチドを示す。実線で下線を引いた活字はCDRを示す。印のない(plain)活字はフレームワーク領域を示す。成熟フラグメントはシグナルペプチドを欠く。
【0024】
【化10】

【0025】
【化11】

【0026】
【化12】

【0027】
【化13】

【0028】
【化14】

【0029】
15H12/19D12軽鎖および重鎖に作動可能に連結したCMVプロモータを含むプラスミドは、2003年5月21日にAmerican Type Culture Collection(ATCC);10801 University Boulevard;Manassas,Virginia 20110−2209に寄託されている。そのプラスミドに対する寄託名およびATCC受託番号は以下に示される:
CMV プロモータ−15H12/19D12 LCC(κ)−
寄託名:「15H12/19D12 LCC(κ)」;
ATCC受託番号:PTA−5217
CMV プロモータ−15H12/19D12 LCD(κ)−
寄託名:「15H12/19D12 LCD(κ)」;
ATCC受託番号:PTA−5218
CMV プロモータ−15H12/19D12 LCE(κ)−
寄託名:「15H12/19D12 LCE(κ)」;
ATCC受託番号:PTA−5219
CMV プロモータ−15H12/19D12 LCF(κ)−
寄託名:「15H12/19D12 LCF(κ)」;
ATCC受託番号:PTA−5220
CMV プロモータ−15H12/19D12 HCA(λ4)−
寄託名:「15H12/19D12 HCA(λ4)」;
ATCC受託番号:PTA−5214
CMV プロモータ−15H12/19D12 HCB(λ4)−
寄託名:「15H12/19D12 HCB(λ4)」;
ATCC受託番号:PTA−5215
CMV プロモータ−15H12/19D12 HCA(λ1)−
寄託名:「15H12/19D12 HCA(λ1)」;
ATCC受託番号:PTA−5216。
【0030】
ATCCで寄託されたプラスミドへの入手制限はすべて、特許の付与により取り除かれる。本発明は、ATCCで寄託された前述のプラスミドのいずれかに位置する、免疫グロブンリン軽鎖および/または免疫グロブリン重鎖あるいはその成熟フラグメントのいずれかを含む、抗IGF1R抗体およびその抗原結合フラグメントを包含する方法ならびに組成物を含む(例えば、本明細書中に開示される任意のもの)。
【0031】
一つの実施形態において、「特異的に」ヒトIGF1Rに結合する抗体は、約10−8Mまたは約10−7Mまたはより低い数のKdで結合しているか;あるいは、本発明の一つの実施形態において、Biacore測定により、約1.28×10−10Mもしくはより低い数のKdで、または、KinExA測定により約2.05×10−12Mもしくはより低い数のKdで、結合している。別の実施形態において、ヒトIGF1Rに「特異的に」結合する抗体は、排他的にヒトIGF1Rに結合し、そして他のどのタンパク質にも結合しない。
【0032】
本発明の一つの実施形態において、本発明に従う方法において、患者に投与されるIGF1Rインヒビターは、公開された国際出願番号WO 2002/53596(その全体は、本明細書中に参考として援用される)で示される、任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。例えば、一つの実施形態において、上記抗体は、WO 2002/53596で示される、配列番号2、6、10、14、18、22、47、および51からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、ならびに/または、WO 2002/53596で示される、配列番号4、8、12、16、20、24、45、および49からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。一つの実施形態において、上記抗体は、WO 2002/53596における抗体2.12.1;2.13.2;2.14.3;3.1.1;4.9.2;および4.17.3の抗体から選択される重鎖および/または軽鎖を含む。
【0033】
本発明の一つの実施形態において、本発明に従う方法において、患者に投与され得る1Rインヒビターは、公開された国際出願番号WO 2003/59951(その全体は、本明細書中に参考として援用される)で示される、任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。例えば、一つの実施形態において、上記抗体は、WO 2003/59951で示される、配列番号54、61および65からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、ならびに/または、WO 2003/59951で示される、配列番号69、75、79、および83からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0034】
本発明の一つの実施形態において、本発明に従う方法において、患者に投与され得るIGF1Rインヒビターは、公開された国際出願番号WO 2004/83248(その全体は、本明細書中に参考として援用される)で示される、任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。例えば、一つの実施形態において、上記抗体は、WO 2004/83248で示される、配列番号109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、および143からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、ならびに/または、WO 2004/83248で示される、配列番号108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、および142からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。一つの実施形態において、上記抗体は、WO 2004/83248における
【0035】
【化15】

【0036】
から選択される軽鎖ならびに/または重鎖を含む。
【0037】
本発明の一つの実施形態において、本発明に従う方法において、患者に投与され得るIGF1Rインヒビターは、公開された国際出願番号WO 2003/106621(その全体は、本明細書中に参考として援用される)で示される、任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。例えば、一つの実施形態において、上記抗体は、WO 2003/106621で示される、配列番号8〜12、58〜69、82〜86、90、94、98からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、ならびに/または、WO 2003/106621で示される、配列番号7、13、70〜81、87、88、92からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0038】
本発明の一つの実施形態において、本発明に従う方法において、患者に投与され得るIGF1Rインヒビターは、公開された国際出願番号WO 2004/87756(その全体は、本明細書中に参考として援用される)で示される、任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。例えば、一つの実施形態において、上記抗体は、WO 2004/87756で示される、配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、および/または、WO 2004/87756で示される、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0039】
本発明の一つの実施形態において、本発明に従う方法において、患者に投与され得るIGF1Rインヒビターは、公開された国際出願番号WO 2005/16970(その全体は、本明細書中に参考として援用される)で示される、任意の軽鎖免疫グロブリンおよび/または重鎖免疫グロブリンを含む。例えば、一つの実施形態において、上記抗体は、WO 2005/16970で示される、配列番号6または10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、および/または、WO 2005/16970で示される、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0040】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、
【0041】
【化16−1】

【0042】
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変領域を含む。
【0043】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、
【0044】
【化16−2】

【0045】
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
【0046】
本発明の一つの実施形態において、抗IGF1R抗体は、軽鎖免疫グロブリン、またはその成熟フラグメント(すなわち、シグナル配列を欠く)、あるいはその可変領域を含み、それらは
【0047】
【化17】

【0048】
のアミノ酸配列を含む。
【0049】
本発明の一つの実施形態において、シグナル配列は、配列番号25〜28のアミノ酸1〜22である。本発明の一つの実施形態において、成熟可変領域は下線が施される。本発明の一つの実施形態において、CDRは、ボールド体/イタリック体のフォントである。本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、上記で示されるように一つ以上のCDR(例えば、3つの軽鎖CDR)を含む。
【0050】
本発明の一つの実施形態において、上記抗IGF1R抗体は、重鎖免疫グロブリン、またはその成熟フラグメント(すなわち、シグナル配列を欠く)、あるいはその可変領域を含み、それらは
【0051】
【化18】

【0052】
のアミノ酸配列を含む。
【0053】
本発明の一つの実施形態において、シグナル配列は、配列番号29〜32のアミノ酸1〜19である。本発明の一つの実施形態において、成熟可変領域は下線が施される。本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、上記で示されるように一つ以上のCDR(例えば、3つの軽鎖CDR)を含む。
【0054】
本発明の一つの実施形態において、上記抗IGF1R抗体は、それぞれ配列番号13〜18のいずれかのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と対を形成した、配列番号19〜24のいずれかのアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。本発明の一つの実施形態において、その抗IGF1R抗体は、配列番号29または30のいずれかのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と対を形成した、配列番号25または26のいずれかのアミノ酸配列を含む成熟軽鎖可変領域を含む。本発明の一つの実施形態において、その抗IGF1R抗体は、配列番号31または32のいずれかのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と対を形成した、配列番号27または28のいずれかのアミノ酸配列を含む成熟軽鎖可変領域を含む。
【0055】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1 fxの免疫グロブリン重鎖(配列番号33)(本発明の一つの実施形態において、リーダー配列は下線が施される;本発明の一つの実施形態において、CDRはボールド体/イタリック体のフォントである):
【0056】
【化19−1】

【0057】
または成熟フラグメントまたは可変領域を含む。
【0058】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1 fx(配列番号33)のアミノ酸20〜470を含む。
【0059】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、成熟免疫グロブリン重鎖可変領域2.12.1 fx(配列番号33のアミノ酸20〜144;配列番号34):
【0060】
【化19−2】

【0061】
を含む。
【0062】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1 fxの免疫グロブリン軽鎖(配列番号35)(本発明の一つの実施形態において、先頭配列は下線が施される;本発明の一つの実施形態において、CDRはボールド体/イタリック体のフォントである):
【0063】
【化20】

【0064】
または成熟フラグメントまたは可変領域を含む。
【0065】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1 fx(配列番号35)のアミノ酸23〜236を含む。
【0066】
本発明の一つの実施形態において、本発明のIGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、成熟免疫グロブリン軽鎖可変領域2.12.1 fx(配列番号35のアミノ酸23〜130;配列番号36):
【0067】
【化21】

【0068】
を含む。
【0069】
本発明の一つの実施形態において、抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、2.12.1 fx(配列番号35)のアミノ酸23〜236を含むか、もしくはそれらからなる軽鎖免疫グロブリン鎖、および2.12.1 fx(配列番号33)のアミノ酸20〜470を含むか、もしくはそれらからなる重鎖免疫グロブリン鎖を含むか、またはそれらからなる。
【0070】
本発明の一つの実施形態において、上記抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、上記で示されるように一つ以上の2.12.1 fxのCDR(例えば、3つの軽鎖CDRおよび/または3つの重鎖CDR)を含む。
【0071】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントまたはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン軽鎖可変領域;バージョン(version)1(配列番号37):
【0072】
【化22】

【0073】
を含む。
【0074】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン軽鎖可変領域;バージョン2(配列番号38):
【0075】
【化23】

【0076】
を含む。
【0077】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン重鎖可変領域;バージョン1(配列番号39):
【0078】
【化24】

【0079】
を含む。
【0080】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン重鎖可変領域;バージョン2(配列番号40):
【0081】
【化25】

【0082】
を含む。
【0083】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化7C10免疫グロブリン重鎖可変領域;バージョン3(配列番号41):
【0084】
【化26】

【0085】
を含む。
【0086】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、A12免疫グロブリン重鎖可変領域(配列番号42):
【0087】
【化27】

【0088】
を含む。
【0089】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、A12免疫グロブリン軽鎖可変領域(配列番号43):
【0090】
【化28】

【0091】
を含む。
【0092】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、1A免疫グロブリン重鎖可変領域(配列番号44):
【0093】
【化29】

【0094】
を含み;一つ以上の以下の変異体:R30、S30、N31、S31、Y94、H94、D104、E104を必要に応じて含む。
【0095】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、1A免疫グロブリン軽鎖可変領域(配列番号45):
【0096】
【化30】

【0097】
を含み;一つ以上の以下の変異体:P96、I96、P100、Q100、R103、K103、V104、L104、D105、E105を必要に応じて含む。
【0098】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、一本鎖抗体(fv)8A1(配列番号46):
【0099】
【化31】

【0100】
を含む。
【0101】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、一本鎖抗体(fv)9A2(配列番号47):
【0102】
【化32】

【0103】
を含む。
【0104】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、一本鎖抗体(fv)11A4(配列番号48):
【0105】
【化33】

【0106】
を含む。
【0107】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、一本鎖抗体(fv)7A4(配列番号49):
【0108】
【化34】

【0109】
を含む。
【0110】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、一本鎖抗体(fv)11A1(配列番号50):
【0111】
【化35】

【0112】
を含む。
【0113】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、一本鎖抗体(fv)7A6(配列番号51):
【0114】
【化36】

【0115】
を含む。
【0116】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、重鎖または軽鎖免疫グロブリン)は、
【0117】
【化37】

【0118】
からなる群より選択される一つ以上の相補性決定領域(CDR)を含む。
【0119】
本発明の一つの実施形態において、本発明の抗IGF1R抗体またはその抗原結合フラグメントは、
【0120】
【化38】

【0121】
【化39】

【0122】
からなる群より選択される重鎖免疫グロブリン可変領域、および/または
【0123】
【化40】

【0124】
【化41】

【0125】
【化42】

【0126】
【化43】

【0127】
からなる群より選択される軽鎖免疫グロブリン可変領域を含む。
【0128】
本発明の範囲は、患者が抗インスリン様成長因子−1受容体(IGF1R)抗体を投与される方法を包含し、ここでその抗体の可変領域は、任意の免疫グロブリン定常領域に連結している。一つの実施形態において、軽鎖可変領域はκ鎖定常領域に連結している。一つの実施形態において、重鎖可変領域はγ1、γ2、γ3、またはγ4鎖定常領域に連結している。本明細書中で示される免疫グロブリン可変領域のいずれかは、本発明の実施形態において、前述の定常領域のいずれかに連結され得る。
【0129】
さらに、本発明の範囲は、Chothia et al.,J.Mol.Biol.186:651−663(1985);Novotny and Haber,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:4592:4596(1985)またはKabat,E.A.et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,(1987)で示される方法のいずれかにより同定される、本明細書中に示される軽鎖免疫グロブリンまたは重鎖免疫グロブリンのいずれかの、一つ以上のCDR(3つの軽鎖CDRおよび/または重鎖CDR)および/またはフレームワーク領域を含む、任意の抗体または抗体フラグメントを含む。
【0130】
本発明の範囲は、患者が抗インスリン様成長因子−1受容体(IGF1R)抗体を投与される方法を包含し、ここでその抗体の可変領域は、任意の免疫グロブリン定常領域に連結している。一つの実施形態において、軽鎖可変領域はκ鎖定常領域に連結している。一つの実施形態において、重鎖可変領域はγ1、γ2、γ3、またはγ4鎖定常領域(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)に連結している。
【0131】
本明細書で使用する用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体(すなわち、その集団を構成する個々の抗体は、より少ない量で存在し得る可能な自然発生的な変異を除いて同一である)をいう。モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、単一の抗原部位に向けられる。モノクローナル抗体は、本質的に他の免疫グロブリンが混入していないハイブリドーマ培養によって合成され得るという点で有利である。修飾語句「モノクローナル」とは、抗体の実質的に均質な集団の中にある抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されるべきではない。上述のように、本発明にしたがって用いられるモノクローナル抗体は、Kohler et al.,(1975)Nature 256:495によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製され得る。
【0132】
ポリクローナル抗体は、一種以上の他の非同一抗体の中で、またはその非同一抗体の存在下で産生された抗体である。一般に、ポリクローナル抗体は、非同一抗体を産生した数種の他のBリンパ球の存在下で、Bリンパ球から産生される。通常、ポリクローナル抗体は免疫化した動物から直接得られる。
【0133】
二重特異性抗体または二機能性抗体は、2つの異なる重鎖/軽鎖対および2つの異なる結合部位を有する人工的なハイブリッド抗体である。二重特異性抗体は、ハイブリドーマの融合またはFab’フラグメントの連結を含む種々の方法によって、産生され得る。例えば、Songsivilai et al.,(1990)Clin.Exp.Immunol.79:315−321,Kostelny et al.,(1992)J Immunol.148:1547−1553を参照のこと。さらに、二重特異性抗体は「ダイアボディ(diabody)」(Holligerら(1993)PNAS USA 90:6444−6448)として、または「Janusins」(Traunecker et al.,(1991)EMBO J.10:3655−3659、およびTraunecker et al.,(1992)Int.J.Cancer Suppl.7:51−52)として形成され得る。
【0134】
用語「完全ヒト抗体」は、ヒト免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体をいう。完全ヒト抗体は、マウス内、マウス細胞内、またはマウス細胞から誘導されるハイブリドーマ内で産生される場合は、マウス炭化水素鎖を含み得る。同様に、「マウス抗体」とは、マウス免疫グロブリン配列のみを含む抗体をいう。
【0135】
本発明は、別の非ヒト種(例えば、マウス、ウマ、ウサギ、イヌ、ウシ、ニワトリ)からの抗体領域(例えば、定常領域)と融合またはこれらでキメラ化された本発明の可変領域を含む抗体である「キメラ抗体」を含む。これらの抗体は、非ヒト種においてIGF1Rの発現または活性を調節するために用いられ得る。
【0136】
「一本鎖Fv」または「sFv」抗体フラグメントは、抗体のVおよびVドメインを有し、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖中に存在する。一般に、sFvポリペプチドは、VとVドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含み、そのポリペプチドリンカーは、sFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする。一本鎖抗体の産生について記載された技術(米国特許第5,476,786号、同第5,132,405号、および同第4,946,778号)は、抗IGF1R特異的一本鎖抗体を産生するために適合され得る。sFvの概説に関しては、Pluckthun、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore編、Springer−Verlag,N.Y.,pp.269−315(1994)を参照のこと。
【0137】
「ジスルフィド安定化Fvフラグメント」および「dsFv」とは、ジスルフィド架橋によって連結される可変重鎖(V)および可変軽鎖(V)を含む抗体分子をいう。
【0138】
本発明の範囲内にある抗体の抗原結合フラグメントはまた、例えばペプシンによるIgGの酵素的切断によって産生され得るF(ab)フラグメントを含む。Fabフラグメントは、例えば、ジチオトレイトールまたはメルカプトエチルアミンを用いるF(ab)の還元によって、産生され得る。Fabフラグメントは、ジスルフィド架橋によってV−CH1鎖に付加されるV−C鎖である。F(ab)フラグメントは、2個のFabフラグメントであり、同様に、2つのジスルフィド架橋によって付加される。F(ab)分子のFab部分は、ジスルフィド架橋が位置する間にF領域の一部分を含む。
【0139】
フラグメントは、V領域またはV領域である。
【0140】
その重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に依存して、免疫グロブリンは種々のクラスに割り当てられ得る。少なくとも5種の免疫グロブリンの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、そしてこれらのうちの数種は、サブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG−1、IgG−2、IgG−3、およびIgG−4;IgA−1およびIgA−2へとさらに分類され得る。
【0141】
本発明の抗IGF1R抗体はまた化学的部分に結合体化され得る。その化学的部分は、中でも、ポリマー、放射性核種、細胞障害性因子であり得る。好ましくは、その化学的部分は、被験体の体内で抗体分子の半減期を増加させるポリマーである。適切なポリマーとしては、ポリエチレングリコール(PEG)(例えば、2kDa、5kDa、10kDa、12kDa、20kDa、30kDa、または40kDaの分子量を有するPEG)、デキストラン、およびモノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)が挙げられるが、それらに限定されない。Lee,et al.,(1999)(Bioconj.Chem.10:973−981)は、PEG結合体化一本鎖抗体を開示している。Wen,et al.,(2001)(Bioconj.Chem.12:545−553)は、放射性金属キレート剤(ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)に結合するPEGとの結合体化抗体を開示している。
【0142】
本発明の抗体および抗体フラグメントはまた、
【0143】
【化44】

【0144】
のような標識と結合体化され得る。
【0145】
本発明の抗体および抗体フラグメントはまた、希土類キレートのような蛍光団、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、イソチオシアネート、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド、フルオレサミン、152Eu、ダンシル、ウンベリフェロン、ルシフェリン、ルミナール(lumuinal)標識、イソルミナール標識、芳香族アクリジニウムエステル標識、イミダゾール標識、アクリジニウム(acridinium)塩標識、シュウ酸エステル標識、イクオリン(aequorin)標識、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、ビオチン/アビジン、スピン標識、ならびに安定な遊離ラジカルを含む蛍光標識または化学発光標識と結合体化され得る。
【0146】
上記抗体および抗体フラグメントはまた、ジフテリア毒素、Pseudomonas aeruginosa外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシン(modeccin)A鎖、アルファ−サルシン、Aleurites fordiiタンパク質および化合物(例えば、脂肪酸)、ジアンチン(dianthin)タンパク質、Phytoiacca americanaタンパク質PAPI、PAPII、およびPAP−S、momordica charantiaインヒビター、クルシン(curcin)、クロチン、saponaria officinalisインヒビター、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、ならびにエノマイシン(enomycin)等の細胞傷害性因子に結合体化され得る。
【0147】
本発明の抗体分子を種々の部分に結合体化するための当該分野で公知の任意の方法が用いられ得、その方法としては、Hunterら(1962)Nature 144:945;Davidら(1974)Biochemistry 13:1014;Painら(1981)J.Immunol.Meth.40:219;およびNygren,J.(1982)Histochem.and Cytochem.30:407により記載される方法が挙げられる。抗体を結合体化するための方法は、慣例的であり、そして当該分野で極めて周知である。
【0148】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、
【0149】
【化45】

【0150】
【化46】

【0151】
である。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0152】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、WO 03/48133で示されるピリミジン誘導体のいずれかであり、例えば、核となる構造:
【0153】
【化47】

【0154】
を含む。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0155】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、WO 03/35614で示されるチロシンキナーゼインヒビターのいずれかであり、例えば、核となる構造:
【0156】
【化48】

【0157】
を含む。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0158】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、WO 03/35615で示されるチロシンキナーゼインヒビターのいずれかであり、例えば、核となる構造:
【0159】
【化49】

【0160】
を含む。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0161】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、WO 03/35616で示されるチロシンキナーゼインヒビターのいずれかであり、例えば、核となる構造:
【0162】
【化50】

【0163】
を含む。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0164】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、WO 03/35619で示されるチロシンキナーゼインヒビターのいずれかであり、例えば、核となる構造:
【0165】
【化51】

【0166】
を含む。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0167】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、複数標的(multitargeted)キナーゼインヒビターであり、それはまた、例えば、VEGF−2R、Kit、FLT3および/またはPDGFR(例えば、SU−11248(例えば、リンゴ酸スニチニブ(sunitinib))もしくはBay43−9006(ソラフェニブ(sorafenib)))を阻害する。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0168】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、WO 03/24967で示される化合物のいずれかであり、例えば、核となる構造:
【0169】
【化52】

【0170】
を含む。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、ウィルムス腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0171】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、WO 04/30625で示される化合物のいずれかであり、例えば、核となる構造:
【0172】
【化53】

【0173】
を含む。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0174】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、WO 04/30627で示される化合物のいずれかであり、例えば、核となる構造:
【0175】
【化54】

【0176】
を含む。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0177】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、WO 00/35455で示されるヘテロアリール−アリール尿素のいずれかであり、例えば、核となる構造:
【0178】
【化55】

【0179】
を含む。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0180】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、WO 03/27246で示されるペプチドのいずれかである。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0181】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、PCT出願公開第WO 02/92599に開示される
【0182】
【化56】

【0183】
または、任意の4−アミノ−5−フェニル−7−シクロブチル−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体である。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0184】
(抗体の生成)
任意の適切な方法が、IGF1Rを阻害するための所望の生物学的特性を有する抗体を導くために、用いられ得る。マウス、げっ歯類、霊長類、ヒトなどのような、種々の哺乳動物宿主からのモノクローナル抗体(mAb)を調製することが望ましい。そのようなモノクローナル抗体を調製するための技術の説明は、例えば、Stites,et al.(編)BASIC AND CLINICAL IMMUNOLOGY(第4版)Lange Medical Publications,Los Altos,CA、および本明細書中で引用される参考文献;Harlow and Lane(1988)ANTIBODIES:A LABORATORY MANUAL CSH Press;Goding(1986)MONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLES AND PRACTICE(第2版)Academic Press,New York,NYにおいて見出され得る。したがって、モノクローナル抗体は、当該分野の研究者によく知られた種々の技術により得られ得る。代表的に、所望の抗原で免疫化した動物からの脾臓細胞は、一般的に、骨髄腫細胞との融合により不死化される。Kohler
and Milstein(1976)Eur.J.Immunol.6.511−599を参照のこと。不死化の代替方法としては、エプスタイン−バーウイルス、オンコジーン、もしくはレトロウイルスによるトランスフォーメーション、または当該分野で公知の他の方法が挙げられる。例えば、Doyle,et al.(eds.1994 and periodic supplements)CELL AND TISSUE CULTURE:LABORATORY PROCEDURES,John Wiley and Sons,New York,NYを参照のこと。単一の不死化細胞から生じるコロニーは、抗原に対する所望の特異性および親和性を有する抗体の産生のために、スクリーニングされ、そしてそのような細胞により産生されるモノクローナル抗体の収率は、脊椎動物の宿主の腹膜腔への注射を含む、種々の技術により高められ得る。あるいは、例えば、Huse,et al.(1989)Science 246:1275−1281により概説される一般的なプロトコールに従い、DNAライブラリーをヒトB細胞からスクリーニングすることで、モノクローナル抗体またはその結合フラグメントをコードするDNA配列を単離し得る。
【0185】
他の適切な技術は、ファージ中または類似のベクター中の抗体のライブラリーの選択に関する。例えば、Huse et al.,Science 246:1275−1281(1989);およびWard et al.,Nature 341:544−546(1989)を参照のこと。本発明のポリペプチドおよび抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体を含めて、改変して、または改変せずに用いられ得る。そのポリペプチドおよび抗体は、しばしば、検出可能なシグナルを提供する物質で、共有結合または非共有結合のいずれかにより、標識される。幅広い種類の標識技術および結合体化技術が公知であり、それらは科学的文献および特許文献の双方において、広範囲に報告されている。適切な標識としては、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁性粒子などが挙げられる。そのような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号;および同第4,366,241号が挙げられる。また、組換え型免疫グロブリンがトランスジェニックマウス中で産生され得る(Cabilly 米国特許第4,816,567号;およびQueen et al.(1989)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029−10033参照のこと)か、または作製され得る(Mendez et al.(1997)Nature Genetics 15:146−156参照のこと)。キメラ抗体、ヒト化抗体、およびヒト抗体を産生するためのさらなる方法は、当該分野で周知である。例えば、Queenらへ発行された米国特許第5,530,101号、Winterらへ発行された米国特許第5,225,539号、Bossらへ発行された米国特許第4,816,397号を参照のこと(それらはすべて、その全体が本明細書中で参考として援用される)。
【0186】
本発明の抗体の発現のための、宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は当該分野で周知であり、それらはAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞株を含む。これらは、中でも、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、SP2細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、A549細胞、3T3細胞、HEK−293細胞、および多くの他の細胞株を含む。哺乳動物の宿主細胞としては、ヒト細胞、マウス細胞、ラット細胞、イヌ細胞、サル細胞、ブタ細胞、ヤギ細胞、ウシ細胞、ウマ細胞、およびハムスター細胞が挙げられる。特に好ましい細胞株は、どの細胞株が高い発現レベルを有しているかを測定することで選択される。用いられ得る他の細胞株は、Sf9細胞のような昆虫細胞株、両生類細胞、細菌細胞、植物細胞、および真菌類細胞である。重鎖またはその抗原結合部分、軽鎖および/またはその抗原結合部分をコードする組換え型発現ベクターが、哺乳動物の宿主細胞に導入される場合、宿主細胞中の抗体の発現、または、より好ましくは、宿主細胞が増殖する培養培地中の抗体の分泌を可能にするために十分な期間の間宿主細胞を培養することにより、抗体が産生される。
【0187】
抗体は、標準的なタンパク質精製方法を用いて、培養培地から回収され得る。さらに、産生細胞株からの本発明の抗体(またはそれらに由来する他の部分)の発現は、多くの公知の技術を用いて高められ得る。例えば、グルタミンシンテターゼ遺伝子発現系(GS系)は、特定の状況下で、発現を高めるための一般的な手法である。GS系は、欧州特許第0216846号、同第0256055号、および同0323997号、ならびに欧州特許出願第89303964.4号の全体において、またはそれらを組み合わせた部分において考察される。
【0188】
異なる細胞株により、またはトランスジェニック動物中で発現した抗体は、それぞれが異なる糖鎖付加を有する。しかしながら、本明細書中で提供される核酸分子によりコードされるか、または本明細書中で提供されるアミノ酸配列を含むすべての抗体は、抗体の糖鎖付加にかかわらず、本発明の一部分である。
【0189】
(さらなる化学療法)
本発明の範囲は、さらなる化学療法剤と組み合わせた本発明のIGF1Rインヒビターを含む組成物、およびさらなる化学療法剤(例えば、さらなる抗化学療法剤または制吐剤)と組み合わせたIGF1Rインヒビターを投与することによる、神経芽腫、骨肉腫、横紋筋腫、小児癌、または膵臓癌の処置のための方法を包含する。さらなる化学療法剤は、投与される個体において、有益な生理学的反応を導く任意の物質を含む;例えば、その物質は、投与される被験体内で、疾患の症状または原因を軽減または除去する。さらなる化学療法剤は、任意の抗癌化学療法剤を含む。抗癌療法剤は、例えば、投与される被験体内で、癌の症状または原因を軽減または除去する任意の物質である。
【0190】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、エトポシド(VP−16;
【0191】
【化57】

【0192】
と組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0193】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、ゲムシタビン
【0194】
【化58】

【0195】
と組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0196】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、公開された米国特許出願番号第U.S.2004/0209878A1で開示される化合物のいずれか(例えば、
【0197】
【化59】

【0198】
で表される核となる構造を有する化合物)、またはドキソルビシン(
【0199】
【化60】

【0200】
)(CaelyxもしくはDoxil(登録商標)(ドキソルビシンHClリポソーム注射剤;Ortho Biotech Products L.P;Raritan,NJ)を含む)と組み合わせて提供される。Doxil(登録商標)は、STEALTH(登録商標)リポソームキャリア中のドキソルビシンを含み、それは、N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール2000)−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンナトリウム塩(MPEG−DSPE);完全に水素化されたダイズホスファチジルコリン(HSPC)、およびコレステロールからなる。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0201】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、5’−デオキシ−5−フルオロウリジン(
【0202】
【化61】

【0203】
)と組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0204】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、ビンクリスチン(
【0205】
【化62】

【0206】
)と組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0207】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、テモゾロミド
【0208】
【化63】

【0209】
;ZK−304709、セリシクリブ(Seliciclib)(R−ロスコビチン(R−roscovitine))
【0210】
【化64】

【0211】
のような任意のCDKインヒビター;PD0325901
【0212】
【化65】

【0213】
、AZD−6244のような任意のMEKインヒビター;カペシタビン(5’−デオキシ−5−フルオロ−N−[(ペンチルオキシ)カルボニル]−シチジン);または、Lグルタミン酸、N−[4−[2−(2−アミノ−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ベンゾイル]−二ナトリウム七水和物(
【0214】
【化66】

【0215】
;ペメトレクセド(Pemetrexed)二ナトリウム七水和物)と組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0216】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、カンプトテシン(camptothecin)(
【0217】
【化67】

【0218】
)、またはイリノテカン(irinotecan)(
【0219】
【化68】

【0220】
;Camptosar(登録商標)として販売される;Pharmacia&Upjohn Co.;Kalamazoo,MI)。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0221】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、FOLFOX養生法(注入投与のフルオロウラシル
【0222】
【化69】

【0223】
およびフォリン酸(
【0224】
【化70】

【0225】
)とともに、オキサリプラチン
【0226】
【化71】

【0227】
)(Chaouche et al.,Am.J.Clin.Oncol.23(3):288−289(2000);:de Gramont et al.,J.Clin.Oncol.18(16):2938−2947(2000))と組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0228】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、
【0229】
【化72】

【0230】
(タモキシフェン、AstraZeneca Pharmaceuticals LP;Wilmington,DEによりNolvadex(登録商標)として販売される)または
【0231】
【化73】

【0232】
(クエン酸トレミフェン、Shire US,Inc.;Florence,KYよりFareston(登録商標)として販売される)のような抗エストロゲンと組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0233】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、
【0234】
【化74】

【0235】
(アナストロゾール(anastrazole);AstraZeneca Pharmaceuticals LP;Wilmington,DEによりArimidex(登録商標)として販売される)、
【0236】
【化75】

【0237】
(エキセメスタン;Pharmacia Corporation;Kalamazoo,MIによりAromasin(登録商標)として販売される)、または
【0238】
【化76】

【0239】
(レトロゾール(letrozole);Novartis Pharmaceuticals Corporation;East Hanover,NJによりFemara(登録商標)として販売される)のようなアロマターゼインヒビターと組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0240】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、DES(ジエチルスチルベストロール)、
【0241】
【化77】

【0242】
(エストラジオール:Warner Chilcott,Inc.;Rockway,NJよりEstrol(登録商標)として販売される)、または抱合卵胞ホルモン(Wyeth Pharmaceuticals Inc.;Philadelphia,PAよりPremarin(登録商標)として販売される)のようなエストロゲンと組み合わせて提供される。
【0243】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、ベバシズマブ(bevacizumab)(AvastinTM;Genentech;SanFrancisco,CA)、抗VEGFR−2抗体IMC−1C11、CHIR−258(
【0244】
【化78】

【0245】
)のような他のVEGFRインヒビター、WO2004/13145で示されるインヒビターのいずれか(例えば、核となる構造式:
【0246】
【化79】

【0247】
を含む)、WO2004/09542で示されるインヒビターのいずれか(例えば、核となる構造式:
【0248】
【化80】

【0249】
を含む)、WO00/71129で示されるインヒビターのいずれか(例えば、核となる構造式:
【0250】
【化81】

【0251】
を含む)、WO2004/09601で示されるインヒビターのいずれか(例えば、核となる構造式:
【0252】
【化82】

【0253】
を含む)、WO2004/01059で示されるインヒビターのいずれか(例えば、核となる構造式:
【0254】
【化83】

【0255】
を含む)、WO01/29025で示されるインヒビターのいずれか(例えば、核となる構造式:
【0256】
【化84】

【0257】
を含む)、WO02/32861で示されるインヒビターのいずれか(例えば、核となる構造式:
【0258】
【化85】

【0259】
を含む)、またはWO03/88900で示されるインヒビターのいずれか(例えば、核となる構造式:
【0260】
【化86】

【0261】
を含む);3−[5−(メチルスルホニルピペラジンメチル)−インドリル]−キノロン;バタラニブ(Vatalanib)(
【0262】
【化87】

【0263】
;PTK/ZK、CPG−79787;ZK−222584)、AG−013736(
【0264】
【化88】

【0265】
);ならびにVEGFトラップ(trap)(AVE−0005)、VEGF受容体1および2の一部を含む可溶性のデュイ受容体、を含む抗血管新生物質と組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0266】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、[D−Ser(But)6,Azgly10](pyro−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−Ser(But)−Leu−Arg−Pro−Azgly−NHアセテート[C59841814・(C ここで、x=1〜2.4]の酢酸塩;
【0267】
【化89】

【0268】
(酢酸ゴセレリン;AstraZeneca UK Limited;Macclesfield,Englandにより、Zoladex(登録商標)として販売される)、
【0269】
【化90】

【0270】
(酢酸ロイプロリド;Sanofi−Synthelabo Inc.;New York,NYにより、Eligard(登録商標)として販売される)、または
【0271】
【化91】

【0272】
(トリプトレリンパモエート;Pharmacia Company,Kalamazooにより、Trelstar(登録商標)として販売される)のようなLHRH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニストと組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0273】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、
【0274】
【化92】

【0275】
(酢酸メドロキシプロゲステロン;Pharmacia&Upjohn Co.;Kalamazoo,MIにより、Provera(登録商標)として販売される)、
【0276】
【化93】

【0277】
(カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン;17−((1−オキソヘキシル)オキシ)プレグナ−4−エン−3,20−ジオン;)、酢酸メゲストロールまたはプロゲスチンのようなプロゲステロン物質と組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0278】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、
【0279】
【化94】

【0280】
(ラロキシフェン;Eli Lilly and Company;Indianapolis,INにより、Evista(登録商標)として販売される)のような選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)と組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0281】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、
【0282】
【化95】

【0283】
(ビカルタミド;AstraZeneca Pharmaceuticals LP;Wilmington,DEにより、CASODEX(登録商標)として販売される)、
【0284】
【化96】

【0285】
(フルタミド;2−メチル−N−[4−ニトロ−3(トリフルオロメチル)]プロパンア
ミド;Schering Corporation;Kenilworth,NJにより、Eulexin(登録商標)として販売される)、
【0286】
【化97】

【0287】
(ニルタミド;Aventis Pharmaceuticals Inc.;Kansas City,MOにより、Nilandron(登録商標)として販売される)、および
【0288】
【化98】

【0289】
(酢酸メゲストロール;Bristol−Myers Squibbにより、Megace(登録商標)として販売される)を含む(しかし、それらに限定されない)抗アンドロゲンと組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0290】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、
【0291】
【化99】

【0292】
;エルロチニブ(erlotinib;Hidalgo et al.,J.Clin.Oncol.19(13):3267−3279(2001))、ラパタニブ(Lapatanib)(
【0293】
【化100】

【0294】
;GW2016;Rusnak et al,Molecular Cancer Therapeutics 1:85−94(2001);N−{3−クロロ−4−[(3−フルオロベンジル)オキシ]フェニル}−6−[5−({[2−(メチルスルホニル)エチル]アミノ}メチル)−2−フリル]−4−キナゾリンアミン;PCT出願番号WO99/35146)、カネルチニブ(Canertinib)(CI−1033
【0295】
【化101】

【0296】
;Erlichman et al.,Cancer Res.61(2):739−48(2001);Smaill et al., J.Med.Chem.43(7):1380−97(2000))、ABX−EGF抗体(Abgenix,Inc.;Freemont,CA;Yang et al.,Cancer Res.59(6):1236−43(1999);Yang et al.,Crit Rev Oncol Hematol.38(1):17−23(2001))、エルビツクス(erbitux)(米国特許第6,217,866号;IMC−C225,セツキシマブ(cetuximab);Imclone;New York,NY)、EKB−569(
【0297】
【化102】

【0298】
;Wissner et al.,J.Med.Chem.46(1):49−63(2003))、PKI−166(
【0299】
【化103】

【0300】
;CGP−75166)、GW−572016、任意の抗EGFR抗体、および任意の抗HER2抗体を含む(しかし、それらに限定されない)、EGF受容体またはHER2の作用を拮抗する一種以上のインヒビターと組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0301】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、
【0302】
【化104】

【0303】
(ロナファルニブ(lonafarnib);SarasarTM;Schering−Plough;Kenilworth,NJ)と組み合わせて提供される。別の実施形態において、以下のFPTインヒビター:
【0304】
【化105】

【0305】
のうちの一種は、IGF1Rインヒビターと組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0306】
IGF1Rインヒビターと組み合わせて提供され得る他のFPTインヒビターとしては、
BMS−214662(
【0307】
【化106】

【0308】
;Hunt et al.,J.Med.Chem.43(20):3587−95(2000);Dancey et al.,Curr.Pharm.Des.8:2259−2267(2002);(R)−7−シアノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−3−(フェニルメチル)−4−(2−チエニルスルホニル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン)、およびR155777(チピファルニブ(tipifarnib);Garner et al,,Drug Metab.Dispos.30(7):823−30(2002);Dancey et al.,Curr.Pharm.Des.8:2259−2267(2002);(B)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン];ZarnestraTMとして販売される
【0309】
【化107】

【0310】
;Johnson&Johnson;New Brunswick,NJ)が挙げられる。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0311】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、
【0312】
【化108−1】

【0313】
【化108−2】

【0314】
(スベロイルアニリド(analide)ヒドロキサム酸)、
【0315】
【化109】

【0316】
【化110−1】

【0317】
【化110−2】

【0318】
(アナストロゾール;AstraZeneca Pharmaceuticals LP;Wilmington,DEにより、Arimidexとして販売される);アスパラギナーゼ;カルメット−ゲラン杆菌(BCG)ワクチン(Garrido et al.,Cytobios.90(360):47−65(1997));
【0319】
【化111−1】

【0320】
【化111−2】

【0321】
(ブスルファン;1,4−ブタンジオール、ジメタンスルホネート;ESP Pharma,Inc.;Edison,New Jerseyより、Busulfex(登録商標)として販売される);
【0322】
【化112】

【0323】
(カルボプラチン、Bristol−Myers Squibb;Princeton,NJより、Paraplatin(登録商標)として販売される);
【0324】
【化113】

【0325】
【化114】

【0326】
【化115】

【0327】
【化116】

【0328】
オクトレオチド(L−システインアミド、D−フェニルアラニル−L−システイニル−L−フェニルアラニル−D−トリプトフィル−L−リシル−L−トレオニル−N−[2−ヒ
ドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)プロピル]−、環式(2_7)−ジスルフィド;[RR、R)];
【0329】
【化117】

【0330】
;Katz et al.,Clin Pharm.8(4):255−73(1989);(Depot;Novartis Pharm.Corp;E.Hanover,NJより、Sandostatin LAR(登録商標)として販売される));オキサリプラチン(
【0331】
【化118】

【0332】
;Sanofi−Synthelabo Inc.;New York,NYより、EloxatinTMとして販売される);
【0333】
【化119】

【0334】
(パミドロネート;Novartis Pharmaceuticals Corporation;East Hanover,NJより、Aredia(登録商標)として販売される);
【0335】
【化120】

【0336】
(ペントスタチン;Supergen;Dublin,CAより、Nipent(登録商標)として販売される);
【0337】
【化121】

【0338】
(プリカマイシン);
【0339】
【化122】

【0340】
(ポルフィマー;Axcan Scandipharm Inc.;Birmingham,ALより、Photofrin(登録商標)として販売される);
【0341】
【化123】

【0342】
(プロカルバジン);
【0343】
【化124】

【0344】
(ラルチトレクセド(Raltitrexed);リタキシマブ(Genentech,Inc.;South San Francisco,CAより、Rituxan(登録商標)として販売される);
【0345】
【化125】

【0346】
【化126】

【0347】
または、13−シス−レチノイン酸
【0348】
【化127】

【0349】
と組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0350】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、一種以上の以下のいずれか:フェニルアラニンマスタード、ウラシルマスタード、エストラムスチン、アルトレタミン、フロクスウリジン、5−デオキシウリジン(deooxyuridine)、シトシンアラビノシド、6−メカプトプリン、デオキシコホルマイシン、カルシトリオール、バルルビシン(valrubicin)、ミトラマイシン、ビンスブラスチン、ビノレルビン、トポテカン、ラゾキシン(razoxin)、マリマスタット(marimastat)、COL−3、ネオバスタット(neovastat)、BMS−275291、スクアラミン、エンドスタチン(endostatin)、SU5416、SU6668、EMD121974、インターロイキン−12、IM862、アンギオスタチン、ビタキシン(vitaxin)、ドロキシフェン、イドキシフェン(idoxyfene)、スピロノラクトン、フィナステリド、シミチジン(cimitidine)、トラスツズマブ、デニロイキン(denileukin)、ジフチトクス(diftitox)、ゲフィチニブ(gefitinib)、ボルテジマブ(bortezimib)、パクリタキセル、ドセタキセル、エピチロン(epithilone)B、BMS−247550(例えば、Lee et al.,Clin.Cancer Res.7:1429−1437(2001)を参照のこと)、BMS−310705、ドロキシフェン(3−ヒドロキシタモキシフェン)、4−ヒドロキシタモキシフェン、ピペンドキシフェン(pipendoxifene)、ERA−923、アルゾキシフェン(arzoxifene)、フルベストラント(fulvestrant)、アコルビフェン(acolbifene)、ラソフォキシフェン(lasofoxifene)(CP−336156)、イドキシフェン(idoxifene)、TSE−424、HMR−3339、ZK186619、トポテカン(topotecan)、PTK787/ZK 222584(Thomas et al.,Semin Oncol.30(3 Suppl 6):32−8(2003))、ヒト化抗VEGF抗体ベバシズマブ、VX−745(Haddad,Curr Opin.Investig.Drugs 2(8):1070−6(2001))、PD 184352(Sebolt−Leopold,et al.Nature Med.5:810−816(1999))、ラパマイシン、CCI−779(Sehgal et al.,Med.Res.Rev.,14:1−22(1994);Elit,Curr.Opin.Investig.Drugs 3(8):1249−53(2002))、LY294002、LY292223、LY292696、LY293684、LY293646(Vlahos et al.,J.Biol.Chem.269(7):5241−5248(1994))、ヴォルトマニン(wortmannin)、BAY−43−9006(Wilhelm et al.,Curr.Pharm.Des.8:2255−2257(2002))、ZM336372、L−779,450、Lowinger et al.,Curr.Pharm Des.8:2269−2278(2002)で開示される任意のRafインヒビター;フラボピリドール(flavopiridol)(L86−8275/HMR 1275;Senderowicz,Oncogene 19(56):6600−6606(2000))、またはUCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン(staurosporine);Senderowicz,Oncogene19(56):6600−6606(2000))と組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0351】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、米国特許第5,656,655号(スチリル置換ヘテロアリールEGFRインヒビターを開示している);米国特許第5,646,153号(ビス単環式および/または二環式アリール、ヘテロアリール炭素環式および複素炭素環式EGFRおよびPDGFRインヒビター);米国特許第5,679,683号(EGFRを阻害する三環式ピリピジン化合物を開示している);米国特許第5,616,582号(受容体チロシンキナーゼ阻害活性を有するキナゾリン誘導体を開示している);Fry et al.,Science 265 1093−1095(1994)(EGFRを阻害する構造を有する化合物を開示している、Fry et alの図1を参照のこと);米国特許第5,196,446号(EGFRを阻害するヘテロアリールエテンジイル化合物またはヘテロアリールエテンジイルアリール化合物を開示している);Panek,et al.,Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 283:1433−1444(1997)(EGFR、PDGFRを阻害するPD166285として同定される化合物を開示しており、受容体PD166285のFGFRファミリーは、6−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(4−(2−ジエチルアミノエトキシ)フェニルアミノ)−8−メチル−8H−ピリド(2,3−d)ピリミジン−7−オン)として同定される)で示される一種以上のいずれかの化合物と組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0352】
本発明の一つの実施形態において、IGF1Rインヒビターは、一種以上の以下のいずれか:ペグ化または非ペグ化インターフェロンα−2a、ペグ化または非ペグ化インターフェロンα−2b、ペグ化または非ペグ化インターフェロンα−2c、ペグ化または非ペグ化インターフェロンα n−1、ペグ化または非ペグ化インターフェロンα n−3、およびペグ化、非ペグ化コンセンサスインターフェロンまたはアルブミンインターフェロンαと組み合わせて提供される。これらの物質を投与することによる、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌の処置または予防の方法は、本発明の範囲内にある。
【0353】
本明細書中で用いられる用語「インターフェロンα」は、細胞増殖を阻害し、そして免疫応答を調節する、非常に均質な種特異的タンパク質のファミリーを意味する。代表的な適切なインターフェロンαとしては、組換え型インターフェロンα−2b、組換え型インターフェロンα−2a、組換え型インターフェロンα−2c、α2インターフェロン、インターフェロンα−n1(INS)、天然のαインターフェロンの精製混合物、コンセンサスαインターフェロン(例えば、米国特許第4,897,471号および同第4,695,623号(特に、それらの実施例7、8、または9)に記載されるコンセンサスαインターフェロン)、またはインターフェロンα−n3、天然のαインターフェロンの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0354】
インターフェロンα−2aは、Hoffman−La Roche(Nutley、N.J)より、ROFERON−A(登録商標)として、販売される。
【0355】
インターフェロンα−2bは、Schering Corporation (Kenilworth,NJ)より、INTRON−A(登録商標)として、販売される。インターフェロンα−2bの製造方法は、例えば、米国特許第4,530,901号に記載される。
【0356】
インターフェロンα−n3は、Hemispherx Biopharma,Inc.(Philadelphia,PA)より、ALFERON N INJECTION(登録商標)として販売される天然のインターフェロンの混合物である。
【0357】
インターフェロンα−n1(INS)は、Glaxo−Smith−Kline(Research Triangle Park,NC)より、WELLFERON(登録商標)として販売される天然のインターフェロンの混合物である。
【0358】
コンセンサスインターフェロンは、Intermune,Inc.(Brisbane,CA)より、INFERGEN(登録商標)として販売される。
【0359】
インターフェロンα−2cは、Boehringer Ingelheim Pharmaceutical,Inc.(Ridgefield,CT)より、BEROFOR(登録商標)として販売される。
【0360】
天然のインターフェロンの精製混合物は、Sumitomo;Tokyo,Japanより、SUMIFERON(登録商標)として販売される。
【0361】
本明細書中で用いられる用語「インターフェロンα」は、ポリエチレングリコールで改変されたインターフェロンαの結合体(好ましくはインターフェロンα−2aおよびインターフェロンα−2bである)を意味する。好ましいポリエチレン−グリコール−インターフェロンα−2b結合体は、PEG−12000−インターフェロンα−2bである。本明細書中で用いられる用語「12000の分子量のポリエチレングリコール結合体化インターフェロンα」および「PEG12000−IFNα」としては、国際出願番号WO 95/13090の方法に従って調製される結合体、およびインターフェロンα−2aまたはインターフェロンα−2bアミノ基と12000の平均分子量を有するポリエチレングリコールとの間にウレタン結合を含む結合体が挙げられる。ペグ化インターフェロンα、PEG 12000−IFN−α−2bは、Schering−Plough Research Institute,Kenilworth,NJから入手可能である。
【0362】
好ましいPEG 12000−インターフェロンα−2bは、PEGポリマーを、インターフェロンα−2b分子のリシン残基のεアミノ基に結合させることにより、調製され得る。単一のPEG12000分子は、ウレタン結合を通してIFN α−2b分子上の遊離アミノ基に結合され得る。この結合体は、結合したPEG12000の分子量により、特徴付けられる。PEG12000−IFN α−2b結合体は、注入のための凍結乾燥された粉末として処方され得る。
【0363】
ペグ化インターフェロンα−2bは、Schering Corporation(Kenilworth,NJ)より、PEG−INTRON(登録商標)として販売される。
【0364】
ペグ化インターフェロンα−2aは、Hoffmann−La Roche(Nutley,NJ)より、PEGASYS(登録商標)として販売される。
【0365】
他のインターフェロンα結合体は、インターフェロンαを、水溶性のポリマーに結合させることにより調製され得る。そのようなポリマーの非限定的な列挙としては、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオル、そのコポリマー、およびそのブロックコポリマーのような他のポリアルキレンオキシドヒモポリマーが挙げられる。ポリアルキレンオキシドベースのポリマーへの代替として、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、炭化水素ベースのポリマーなどのような有効な非抗原物質が用いられ得る。そのようなインターフェロンα−ポリマーの結合体は、例えば、米国特許第4,766,106号、米国特許第4,917,888号、欧州特許出願番号第0236897号もしくは同第0593868号、または国際公開番号WO 95/13090に記載される。
【0366】
非経口投与のために適切なペグ化インターフェロンαの薬学的組成物は、適切な緩衝液(例えば、Tris−HCl、アセテート、または第二リン酸ナトリウム緩衝液/第一リン酸ナトリウム緩衝液のようなリン酸塩)、ならびに、注射用の滅菌水中の薬学的に受容可能な賦形剤(例えば、スクロース)、キャリア(例えば、ヒト血漿アルブミン)、等張化剤(toxicity agent)(例えば、NaCl)、保存剤(例えば、チメロサール(thimerosol)、クレゾール、またはベンジルアルコール)、および界面活性剤(例えば、tweenまたはポリソルベート)で処方され得る。ペグ化インターフェロンαは、2℃〜8℃の冷凍下で、凍結乾燥された粉末として保存され得る。再構成された水溶液は、2℃と8℃との間で保存さ、再構成の24時間以内に使用される場合安定である。例えば、米国特許第4,492,537号;同第5,762,923号、同第5,766,582号参照のこと。再構成された水溶液はまた、予め充填した複数用量のシリンジ(例えば、インスリンのような薬物の送達のために有用なシリンジ)中で保存され得る。代表的な適切なシリンジとしては、ペン型のシリンジに取り付けた予め充填したバイアルを含むシステム(例えば、Novo Nordiskから入手可能なNOVOLET(登録商標)Novo Pen、またはSchering Corporation,Kenilworth,NJから入手可能なREDIPEN(登録商標))が挙げられる。他のシリンジシステムとしては、希釈剤および凍結乾燥されたペグ化インターフェロンα粉末を別々の区画に含む、ガラスカートリッジを含むペン型シリンジが挙げられる。
【0367】
本発明の範囲はまた、一種以上の他の抗癌化学療法剤(例えば、本明細書中に記載される抗癌化学療法剤)と組み合わせた、そして、必要に応じて(すなわち、含むかまたは含まない)一種以上の制吐剤と組み合わせたIGF1Rインヒビターを含む組成物を包含する。この制吐剤としては、パロノセトロン(palonosetron)(MGI PharmaよりAloxiとして販売される)、アプレピタント(aprepitant)(Merck and Co.;Rahway,NJよりEmendとして販売される)、ジフェンヒドラミン(Pfizer;New York,NYより、Benadryl(登録商標)として販売される)、ヒドロキシジン(Pfizer;New York,NYより、Atarax(登録商標)として販売される)、メトクロプラミド(AH Robins Co,;Richmond,VAより、Reglan(登録商標)として販売される)、ロラゼパム(Wyeth;Madison,NJより、Ativan(登録商標)として販売される)、アルプラゾラム(Pfizer;New York,NYより、Xanax(登録商標)として販売される)、ハロペリドール(Ortho−McNeil;Raritan,NJより、Haldol(登録商標)として販売される)、ドロペリドール(Inapsine(登録商標))、ドロナビノール(Solvay Pharmaceuticals,Inc.;Marietta,GAより、Marinol(登録商標)として販売される)、デキサメタゾン(Merck and Co.;Rahway,NJより、Decadron(登録商標)として販売される)、メチルプレドニゾロン(Pfizer;New York,NYより、Medrol(登録商標)として販売される)、プロクロルペラジン(Glaxosmithkline;Research Triangle Park,NCより、Compazine(登録商標)として販売される)、グラニセトロン(Hoffmann−La Roche Inc.;Nutley,NJより、Kytril(登録商標)として販売される),オンダンセトロン(Glaxosmithkline;Research Triangle Park,NCより、Zofran(登録商標)として販売される)、ドラセトロン(dolasetron)(Sanofi−Aventis;New York,NYより、Anzemet(登録商標)として販売される)、トロピセトロン(Novartis;East Hanover,NJより、Navoban(登録商標)として販売される)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0368】
制吐剤を含む組成物は、吐き気(抗癌化学療法の一般的な副作用)を予防または処置するために有用である。したがって、本発明はまた、必要に応じて一種以上の他の化学療法剤(例えば、本明細書中に記載される抗癌化学療法剤)と組み合わせた、そして必要に応じて一種以上の制吐剤と組み合わせたIGF1Rインヒビターを投与することにより、被験体における癌を処置または予防するための方法を包含する。
【0369】
本発明はさらに、外科的腫瘍摘出または抗癌放射線処置のような治療手順と組み合わせた;必要に応じて、例えば、上で示されるような、さらなる化学療法剤および/または制吐剤と組み合わせた、IGFR阻害物質を投与することにより、任意の段階もしくは型の神経芽腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、膵臓癌、または任意の小児癌を処置あるいは予防するための方法を包含する。
【0370】
(治療方法および投与)
本発明は、横紋筋肉腫、骨肉腫、神経芽腫、もしくは任意の小児癌を処置または予防するために、必要に応じてさらなる化学療法剤と組み合わせたIGF1Rインヒビターおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を使用するための方法を包含する。さらなる化学療法剤と組み合わせたIGF1Rインヒビターおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物はまた、本発明の範囲内にある。その薬学的組成物は、薬学の分野で周知の任意の方法により調製され得る;例えば、Gilman,et al.,(eds.)(1990),The Pharmacological Bases of Therapeutics,8th Ed.,Pergamon Press;A.Gennaro(ed.),Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,(1990),Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania.;Avis,et al.,(eds.)(1993)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications Dekker,New York;Lieberman,et al.,(eds.)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets Dekker,New York;およびLieberman,et al.,(eds.)(1990),Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems Dekker,New Yorkを参照のこと。
【0371】
用語「神経芽腫」は、全ての型および段階の神経芽腫を含む。神経芽腫は、神経堤細胞と呼ばれる特殊な神経細胞の癌である。神経芽腫は、身体のいずれの部分においても発生し得るが、しばしば副腎において発生する。したがって、本発明は、被験体において全ての型および段階の神経芽腫を処置または予防する方法を包含し、その方法は、必要に応じてさらなる化学療法剤と組み合わせて、治療有効量のIGF1Rインヒビターを被験体に投与する工程を包含する。神経芽腫の一つの型はTRK−Aニューロトロフィン受容体を発現し、それは高二倍体で、そして同時に後退する傾向がある。神経芽腫の別の型は、TRK−Bニューロトロフィン受容体を発現し;付加染色体(17q)を獲得し;14qのヘテロ接合性を損失し;そして、ゲノム的に不安定である。神経芽腫の第三の型において、染色体1pが失われ、そしてN−MYC遺伝子は増幅する(Maris et al.,J Clin Oncol 17(7):2246−79(1999);Lastowska et al.,J.Clin. Oncol.19(12):3080−90(2001))。
【0372】
用語「横紋筋肉腫」は、全ての型および段階の横紋筋肉腫を含む。したがって、本発明は、被験体において全ての型および段階の横紋筋肉腫を処置または予防する方法を包含し、その方法は、必要に応じてさらなる化学療法剤と組み合わせて、治療有効量のIGF1Rインヒビターを被験体に投与する工程を包含する。例えば、横紋筋肉腫のサブタイプとしては:胎児性横紋筋肉腫、胞巣状横紋筋肉腫、未分化横紋筋肉腫、ブドウ状横紋筋肉腫、および多形性横紋筋肉腫が挙げられる。一般的に、胎児性横紋筋肉腫(ERMS)は、頭部および頚部、膀胱、膣、ならびに前立腺および精巣内またはそれらの周辺で発生する。これらは、通常幼児および低年齢の小児に作用する。一般的に、胞巣状横紋筋肉腫(ARMS)は、胴体、腕および脚の大きな筋肉でより多く発生し、代表的に年長の小児または十代の若者に作用する。この型は、悪性細胞が小さな空胞、すなわち腺胞(alveoli)を形成するので、胞巣状(alveolar)と呼ばれる。一般的に、胎児性横紋筋肉腫のサブセットであるブドウ状横紋筋肉腫は、身体開合部の粘膜面の下で発生し、そして膣、膀胱、および鼻孔のような領域で一般的に観察される。代表的に、それは、ポリープ状のブドウのような腫瘤の形成により識別され、そして豊富な粘液状基質中の悪性細胞を組織学的に示す。一般的に、多形性横紋筋肉腫は、30歳〜50歳の患者においてよく発生する。その細胞は不規則に並べられ、そして大きさが異なり、したがってその多形性機能の特徴が異なる。横紋は稀である。
【0373】
用語「骨肉腫」は、全ての型および段階の骨肉腫を包含する。したがって、本発明は、被験体において全ての型および段階の骨肉腫を処置または予防する方法を包含し、その方法は、必要に応じてさらなる化学療法剤と組み合わせて、治療有効量のIGF1Rインヒビターを被験体に投与する工程を包含する。例えば、骨肉腫の三つの型としては、高悪性度の骨肉腫(例えば、骨造性骨肉腫、軟骨形成性骨肉腫、繊維芽細胞性骨肉腫(osteosarcoma fibroblastic)、混合骨肉腫、小細胞骨肉腫、血管拡張性骨肉腫、および高悪性度表面骨肉腫);中悪性度の骨肉腫(例えば、骨膜性骨肉腫);および低悪性度の骨肉腫(例えば、傍骨性骨肉腫および髄内低悪性度骨肉腫)が挙げられる。
【0374】
用語「膵臓癌(pancreatic cancer)」または「小児癌(pancreas cancer)」は、全ての型および段階の膵臓癌を包含する。したがって、本発明は、被験体において、全ての型および段階の膵臓癌を処置または予防する方法を包含し、その方法は、必要に応じてさらなる化学療法剤と組み合わせて、治療有効量のIGF1Rインヒビターを被験体に投与する工程を包含する。例えば、膵臓癌の三つの型としては、膵臓の腺癌、嚢胞腺癌、および腺房細胞腫瘍が挙げられる。
【0375】
用語「被験体」または「患者」は、任意の生体(好ましくは哺乳動物(例えば、霊長類、イヌ、ウマ、ラット、マウス、ネコ、ウサギ)、そしてもっとも好ましくはヒト)を含む。一つの実施形態において、「被験体」または「患者」は、小児(例えば、18歳以下、例えば、1歳未満、1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳、7歳、8歳、9歳、もしくは10歳)である。一つの実施形態において、その「被験体」または「患者」は、成人である。
【0376】
「小児癌」としては、子供に発生する任意の癌(例えば、本明細書中に述べられた任意の癌、および脳腫瘍、頭蓋咽頭腫、ユーイング肉腫、肝癌、リンパ腫(ホジキンリンパ腫または非ホジキンリンパ腫)、髄芽腫、網膜芽腫、黒色腫、膀胱癌、ウィルムス腫、卵巣癌、膵臓癌、良性前立腺増殖症状、乳癌、前立腺癌、骨癌(bone cancer)、肺癌、結腸直腸癌、頸部癌(cervical cancer)、滑膜肉腫、転移性のカルチノイド、腫瘍を分泌する血管作動性腸管ペプチドに関連する下痢)が挙げられる。
【0377】
本発明のIGF1Rインヒビターはまた、IGF1Rにより媒介される非癌性の状態(例えば、末端肥大症、巨人症、乾癬、アテローム性動脈硬化症、血管の平滑筋再狭窄、不適切な微小血管増殖、慢性関節リウマチ、グレーヴス病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、自己免疫性甲状腺炎、またはBechet’s病を処置または予防するために小児患者に投与され得る。
【0378】
必要に応じてさらなる化学療法剤と組み合わせた、IGF1Rを含む薬学的組成物は、従来の薬学的に受容可能な賦形剤および添加剤、ならびに従来の技術を用いて調製され得る。そのような薬学的に受容可能な賦形剤および添加剤としては、無毒の適合性充填剤、結合剤、崩壊剤、緩衝液、保存剤、抗酸化剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、増粘剤、着色剤、乳化剤などが挙げられる。全投与経路が意図され、非経口経路(皮下経路、静脈内経路、腹腔内経路、筋肉内経路)および非経口的ではない(non−parenteral)経路(経口経路、経皮的経路、鼻内経路、眼内経路、舌下経路、吸入経路、直腸経路、および局所的経路)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0379】
注射可能物は、従来の形態(液体の溶液もしくは懸濁液、注射の前の液体中の溶液もしくは懸濁液のために適切な固体の形態として、またはエマルジョンとしてのいずれか)で調製され得る。注射可能物、溶液、およびエマルジョンはまた、一種以上の賦形剤を含み得る。賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖、グリセロール、またはエタノールである。さらに、望ましくは、投与される薬学的組成物はまた、少量の湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質、安定剤、溶解度エンハンサーのような無毒性の補助的物質、ならびに他のそのような物質(例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、およびシクロデキストリン)を含む。
【0380】
一つの実施形態において、非経口調製物において用いられる薬学的に受容可能なキャリアとしては、水性のビヒクル、非水性のビヒクル、抗菌物質、等張物質、緩衝液、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤および分散剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤、ならびに他の薬学的に受容可能な物質が挙げられる。
【0381】
水性のビヒクルの例としては、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張性ブドウ糖注射液、滅菌水注射液、ブドウ糖および乳酸加リンゲル注射液が挙げられる。非水性の非経口のビヒクルとしては、植物由来の固定油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、および落花生油が挙げられる。抗菌化剤は静菌性または静真菌性の濃度で、フェノールもしくはクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p−ヒドロキシ安息香酸メチルエステルおよびp−ヒドロキシ安息香酸プロピルエステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウムおよび塩化ベンゼトニウムを含む複数用量の容器に詰められた非経口調製物に加えられなければならない。等張物質としては、塩化ナトリウムおよびブドウ糖が挙げられる。緩衝液としては、リン酸塩およびクエン酸塩が挙げられる。抗酸化剤としては、重硫酸ナトリウムが挙げられる。局所麻酔薬としては、塩酸プロカインが挙げられる。懸濁剤および分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。乳化剤としては、ポリソルベート80(TWEEN−80)が挙げられる。金属イオンの金属イオン封鎖剤またはキレート剤としては、EDTAが挙げられる。薬学的キャリアとしては、水混和性のビヒクルのためのエチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコール;ならびにpH調整のための水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、または乳酸が挙げられる。
【0382】
一つの実施形態において、非経口投与のための調製物は、注射の準備ができた滅菌溶液、皮下注射用錠剤を含む、使用の直前に溶媒と組み合わされる準備ができた、凍結乾燥された粉末のような滅菌乾燥可溶性生成物、注射の準備ができた滅菌懸濁液、使用の直前にビヒクルと組み合わされる準備ができた滅菌乾燥不溶性生成物、ならびに滅菌エマルジョンが挙げられる。その溶液は、水性または非水性のいずれかであり得る。
【0383】
一定の投与レベルが維持されるような遅延放出(slow−release)系または持続放出(sustained−release)系の移植もまた、本明細書中で意図される。簡潔には、活性物質(例えば、必要に応じてさらなる化学療法剤と組み合わせたIGF1Rインヒビター)は、体液に不溶である外部の高分子膜(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化されたポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルを有する塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、およびエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー)に囲まれた、固体の内部マトリックス(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然のゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、シリコンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコンカーボネートコポリマー、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲルのような親水性ポリマー、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコールおよび部分的に加水分解された架橋ポリ酢酸ビニル)中で分散する。その化合物は、放出速度調節工程において外部の高分子膜を通して拡散する。そのような非経口組成物中に含まれる活性化合物の割合は、その化合物の特定の性質、ならびに必要に応じてさらなる化学療法剤と組み合わせたIGF1Rインヒビターの活性、および被験体のニーズに強く依存している。
【0384】
さらなる化学療法剤と必要に応じて組み合わせたIGF1Rインヒビターの濃度は、注射が所望の薬理学的効果をもたらすための有効量を提供するように、調整され得る。以下で考察されるように、正確な用量は、当該分野で公知のように、患者または動物の年齢、体重、および状態に依存する。
【0385】
一つの実施形態において、単位用量の非経口調製物は、注射針とともにアンプル、バイアル、またはシリンジ中に詰められる。非経口投与のためのすべての調製物は、当該分野で公知であり、そして実施されるように、無菌でなければならない。
【0386】
一つの実施形態において、さらなる化学療法剤と必要に応じて組み合わせたIGF1Rインヒビターは、凍結乾燥された粉末に処方され、それは溶液、エマルジョン、および他の混合物として、投与のために再構成され得る。粉末もまた、固体またはゲルとして再構成され処方され得る。
【0387】
一つの実施形態において、無菌の凍結乾燥された粉末は、さらなる化学療法剤と必要に応じて組み合わせたIGF1Rインヒビター、またはその薬学的に受容可能な誘導体を、適切な溶媒中に溶解させることにより、調製される。その溶媒は、粉末もしくは再構成された溶液(粉末から調製される)の安定性または他の薬理学的要素を改善する賦形剤を含む。用いられ得る賦形剤としては、ブドウ糖、ソルビトール、フラクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロース、または他の適切な物質が挙げられるが、それらに限定されない。溶媒は、クエン酸塩、リン酸ナトリウム、もしくはリン酸カリウム、または当業者に公知であるような他の緩衝液を含み得、一つの実施形態において、pHはおよそ中性であり得る。当業者に公知の標準的な条件下での、続く溶液の滅菌濾過(続いて、凍結乾燥される)は、望ましい処方物を提供する。一つの実施形態において、生じた溶液は凍結乾燥のためバイアルに分配される。各バイアルは、さらなる化学療法剤と必要に応じて組み合わせたIGF1Rインヒビターの単一の用量または複数の用量を含み得る。凍結乾燥された粉末は、適切な条件下で(例えば、約4℃〜室温で)保存され得る。
【0388】
注射のための、このような凍結乾燥された粉末と水との再構成は、非経口投与における使用のための処方物を提供する。一つの実施形態において、再構成のために、凍結乾燥された粉末は、滅菌水または他の適切なキャリア中に加えられる。その正確な量は、施される選択された療法に依存する。そのような量は経験的に決定され得る。
【0389】
吸入による投与は、例えば、ソルビタントリオレエートまたはオレイン酸を含むエアロゾルを、例えば、トリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、もしくは任意の他の生物学的に適合性の高圧ガスとともに使用することにより提供され得る;必要に応じてさらなる化学療法剤と組み合わせたIGF1Rインヒビターを、粉末の形態で、単独または賦形剤と組み合わせて含む系を使用することも可能である。
【0390】
一つの実施形態において、必要に応じてさらなる化学療法剤と組み合わせたIGF1Rインヒビターは、経口投与のための固体の投薬形態に(一つの実施形態において、カプセル剤または錠剤に)処方される。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチなどは、一種以上の以下の成分;結合剤;滑沢剤;希釈剤;流動促進剤(glidant);崩壊剤;着色剤;甘味剤;矯味矯臭剤;湿潤剤;催吐性コーティング剤(emetic coating);およびフィルムコ−ティング剤(film coating)、または類似の性質の化合物を含む。結合剤の例としては、微結晶性セルロース、トラガカントゴム、グルコース溶液、アカシア粘液、ゼラチン溶液、糖蜜、ポリビニルピロリジン、ポビドン、クロスポビドン、スクロース、およびデンプンのりが挙げられる。滑沢剤としては、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、セキショウシ、およびステアリン酸が挙げられる。希釈剤としては、ラクトース、スクロース、デンプン、カオリン、塩、マンニトール、および第二リン酸カルシウムが挙げられる。流動促進剤としては、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられるが、それらに限定されない。崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、ナトリウムデンプングリコレート、アルギン酸、トウモロコシデンプン、ポテトデンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天およびカルボキシメチルセルロースが挙げられる。着色剤としては、例えば、認可、保証された水溶性のFD色素およびC色素のいずれか、それらの混合物;およびアルミナ水和物に懸濁している不水溶性のFD色素およびC色素が挙げられる。甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニト−ルおよび人工甘味剤(例えば、サッカリンおよび任意の数の噴射乾燥香味料)が挙げられる。矯味矯臭剤としては、植物(例えば、果物および好ましい感覚をもたらす化合物(例えば、ペパーミントおよびサリチル酸メチル(しかし、それらに限定されない))の合成混合物)から抽出される天然の香味料が挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート、およびポリオキシエチレンラウリル(laural)エーテルが挙げられる.催吐性コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、ろう、シェラック、アンモニア化シェラック、およびセルロースアセテートフタレートが挙げられる。フィルムコ−ティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、およびセルロースアセテートフタレートが挙げられる。
【0391】
(投薬および投与)
本発明の方法は、必要に応じてさらなる化学療法剤と組み合わせたIGF1Rインヒビター、またはその薬学的組成物を投与することを包含する。代表的に、そのような物質の投与および投薬は、可能である場合、Physicians’ Desk Reference 2003(Physicians’ Desk Reference,第57版);Medical Economics Company;ISBN:1563634457;第57版(2002年11月)において、認可された物質の生成物情報シートで列挙された一覧表、ならびに当該分野で周知の治療プロトコールにしたがって行われる。
【0392】
用語「治療有効量」または「治療有効投薬量」は、管理者(例えば、研究者、医者もしくは獣医)により捜し求められている、組織、系、被験体または宿主の生物学的反応もしくは医学的反応(癌(例えば、神経芽腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、膵臓癌、もしくは任意の小児癌)の兆候(sign)、症状、および/または臨床上の兆候(indicia)(例えば、腫瘍増殖)の任意の測定可能な軽減、ならびに/あるいは癌の任意の程度までの進行もしくは転移の予防、減速、もしくは停止を含む)を引き出す、本発明の化合物(例えば、IGF1Rインヒビター(例えば、抗IGF1R抗体))の投薬量を意味する。例えば、一つの実施形態において、任意の抗IGF1R抗体(例えば、
(a)配列番号2のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10または12のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域;
(b)配列番号4のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10または12のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域;
(c)配列番号6のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10または12のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域;あるいは
(d)配列番号8のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10または12のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域;
を含む抗体またはその抗原結合フラグメント、あるいは本明細書中で述べられる任意の他の抗IGF1R抗体)の「治療有効投薬量」は、一週間に一度、約40mg/mと約1000mg/mとの間(例えば、約50mg/m、約60mg/m、約70mg/m、約80mg/m、約90mg/m、約100mg/m、約200mg/m、約300mg/m、約400mg/m、約500mg/m、約600mg/m、または約700mg/m)、または体重1kg当たり1mg〜20mg(例えば、体重1kg当たり約1mg、体重1kg当たり約2mg、体重1kg当たり約3mg、体重1kg当たり約4mg、体重1kg当たり約5mg、体重1kg当たり約6mg、体重1kg当たり約7mg、体重1kg当たり約8mg、体重1kg当たり約9mg、体重1kg当たり約10mg、体重11kg当たり約1mg、体重1kg当たり約12mg、体重1kg当たり約13mg、体重1kg当たり約14mg、体重1kg当たり約15mg、体重1kg当たり約16mg、体重1kg当たり約17mg、体重1kg当たり約18mg、体重1kg当たり約19mg、または体重1kg当たり約20mg)である。
【0393】
投与養生法は、最適の所望の反応(例えば、治療反応)を提供するために調整され得る。例えば、単一の用量が投与され得るか、またはいくつかの分割された用量が、何回かにわたって投与され得るか、または治療状態の急場に示されるように、その用量は部分的に減少もしくは増加され得る。例えば、投与量は、当業者である開業医(例えば、医者または獣医)により、患者の年齢、体重、身長、既応歴、現在の薬物治療、ならびに交差反応、アレルギー、感受性、および有害な副作用の可能性にしたがって、決定または調整され得る。投与の容易さおよび投薬量の一様性のために、投薬単位形態の非経口組成物を処方することは特に都合がよい。
【0394】
当該分野における通常の技術を通する医師または獣医は、求められる有効量の薬学的組成物を容易に決定および処方し得る。例えば、医師または獣医は、薬学的組成物中で用いられる本発明の抗体または抗原結合フラグメントの用量を、所望の治療効果を達成するために必要とされるレベルより低いレベルで始め、そして所望の効果が達成されるまで投薬量を徐々に増加させ得る。本発明の抗体もしくはその組み合わせの所定の用量または処置の養生法の有効性は、例えば、被験体における処置される腫瘍が収縮するか、または増殖を停止するかを決定することにより、決定され得る。腫瘍の大きさは、例えば、X線、磁気共鳴画像法(MRI)または外科的手順において視覚的に測定され得る。腫瘍の大きさおよび増殖はまた、チミジンPETスキャンの使用により、測定され得る(Wells et al.,Clin.Oncol.8:7−14(1996))。一般的に、チミジンPETスキャンは、放射線トレーサ(例えば、[2−11C]−チミジン)の注射、続いて患者の身体のPETスキャンを含む(Vander Borght et al.,Gastroenterology 101:794−799,1991;Vander Borght et al,J.Radiat.Appl.Instrum.PartA,42:103−104(1991))。使用され得る他のトレーサとしては、[18F]−FDG(18−フルオロデオキシグルコース)、[124I]IUdR(5−[124I]ヨード−2’−デオキシウリジン)、[76Br]BrdUrd(ブロモデオキシウリジン)、[18F]FLT(3’−デオキシ−3’フルオロチミジン)、または[11C]FMAU(2’−フルオロ−5−メチル−1−β−D−アラビノフラノシルウラシル)が挙げられる。
【0395】
例えば、神経芽腫の進行は、医師または獣医により、種々の方法によりモニターされ得、投与養生法は、それに応じて変更され得る。神経芽腫をモニターするための方法としては、例えば、CTスキャン(例えば、腫瘍の大きさをモニターすること)、MRIスキャン(例えば、腫瘍の大きさをモニターすること)、胸部X線(例えば、腫瘍の大きさをモニターすること)、骨のスキャン、骨髄バイオプシー(例えば、骨髄への転移に対して検査すること)、ホルモン検査(ホルモン様エピネフリンのレベル)、全血球算定(CBC)(例えば、貧血または他の異常に対して検査すること)、尿中または血液中のカテコールアミン(神経芽腫腫瘍マーカ)に対する検査、ホモバリニン酸(HMA)またはバニリルマンデル酸(VMA)(神経芽腫マーカ)のレベルに対する検査のための24時間の尿検査、ならびにMIBGスキャン(注射されたI123−標識化メタヨードベータグアニンのための検査;例えば、副腎腫瘍をモニターすること)が挙げられる。
【0396】
例えば、横紋筋肉腫の進行は、医師または獣医により、種々の方法によりモニターされ得、投与養生法は、それに応じて変更され得る。横紋筋肉腫をモニターするための方法としては、例えば、腫瘍バイオプシー、CTスキャン(例えば、腫瘍の大きさをモニターすること)、MRIスキャン(例えば、腫瘍の大きさをモニターすること)、胸部のCTスキャン(例えば、転移をモニターすること)、骨のスキャン(例えば、転移をモニターすること)、骨髄バイオプシー(例えば、転移をモニターすること)、脊椎穿刺(例えば、脳への転移を検査すること)および身体的試験を通した方法が挙げられる。
【0397】
例えば、骨肉腫の進行は、医師または獣医により、種々の方法によりモニターされ得、投与養生法は、それに応じて変更され得る。骨肉腫をモニターするための方法としては、例えば、作用部分または胸部のX線(例えば、肺への広がりを検査すること)、作用部分のCTスキャン、血液検査(例えば、アルカリ性ホスフェートレベルを測定すること)、癌が肺へ拡大しているかどうかを調べるための胸部のCTスキャン、直視下生検、または癌が他の骨に拡大しているかどうかを調べる骨のスキャンが挙げられる。
【0398】
例えば、膵臓癌の進行は、医師または獣医により、種々の方法によりモニターされ得、投与養生法は、それに応じて変更され得る。膵臓癌をモニターするための方法としては、例えば、腫瘍マーカCA19−9および/または癌胎児抗原(CEA)を検査するための血液検査、上部消化管造影(例えば、食道造影)、内視鏡超音波検査;内視鏡的逆行性胆道膵管造影法(膵管および胆管のX線);経皮経肝胆管造影法(胆管のX線)、腹部の超音波画像化、腹部のCTスキャンが挙げられる。
【0399】
本発明の組成物および方法は、一種以上の化学療法剤と必要に応じて「組み合わせた」IGF1Rインヒビターを含む。用語「組み合わせた」は、本発明の組成物の組み合わせの要素は、同時送達のため単一の組成物に処方され得るか、または二種以上の組成物(例えば、キット)に別々に処方され得ることを示す。さらに、本発明の組み合わせの各要素は、他方の要素が投与される時間と別の時間に被験体に投与され得る;例えば、各投与は、所定の期間にわたって、数回の間隔で非同時に(例えば、別々に、または連続して)行われ得る。さらに、別々の要素は、同一の経路、または異なる経路(例えば、経口経路、静脈内経路、皮下経路)で被験体に投与され得る。
【実施例】
【0400】
本発明は、本発明を説明することを意図し、それを制限することを意図しない。
【0401】
(実施例1:インビボでの抗体19D12の腫瘍増殖への効果)
胸腺欠損ヌードマウスの右側腹部に、マトリゲル(1:1 細胞:ゲル)とともに腫瘍細胞を皮下接種した。これらの実験において、通常のマトリゲルを含む1:1混合物中の5×10細胞/マウスを、皮下接種した。腫瘍の大きさをカリパスで測定し、データをlabcatプログラムに入れた。マウスを100mmの平均サイズでグループ化した。腫瘍の大きさおよび体重を週に2回測定した。
【0402】
本明細書中に示されたデータは、試験された癌細胞が、アッセイされた19D12抗IGF1R抗体(配列番号8のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域を含む)に対して異常に高いレベルの感度を示すことを実証している。特に、その抗体は、比較的低いレベルの投薬量で、試験される癌における腫瘍増殖の阻害に非常に効果的である。
【0403】
その詳細、および抗体処置が始められる時間を、以下の表1にまとめる。
【0404】
【表1】

【0405】
これらの実験において、マウスに、週に2回、示される頻度で抗体19D12および化学療法剤を腹腔内(i.p.)投与した。腫瘍の大きさおよびマウスの体重を処置後、週2回測定した。
【0406】
これらの実験において、シトキサン、シスプラチンまたはゲムシタビン(gemzar)を用いる処置を、以下の表2にまとめる。
【0407】
【表2】

【0408】
mpk=体重1kg当たりのミリグラム
wk=週
以下の表3は、示された抗体またはシトキサン投薬量で、SK−N−AS神経芽腫細胞を接種したマウスにおける、観察される腫瘍の大きさを示す。
【0409】
【表3】

【0410】
以下の表4は、示された抗体またはシスプラチン投薬量で、SK−N−MC神経芽腫細胞を接種したマウスにおける、観察される腫瘍の大きさを示す。
【0411】
【表4】

【0412】
以下の表5は、示された抗体の投薬量で、SK−N−FI神経芽腫細胞を接種したマウスにおける、観察される腫瘍の大きさを示す。
【0413】
【表5】

【0414】
以下の表6は、示された抗体および/またはシトキサン投薬量で、SJCRH30横紋筋肉腫細胞を接種したマウスにおける、観察される腫瘍の大きさを示す。
【0415】
【表6】

【0416】
以下の表7は、示された抗体および/または化学療法剤の投薬量で、Hs700T悪性膵臓細胞を接種したマウスにおける、観察される腫瘍の大きさを示す。
【0417】
【表7】

【0418】
(実施例2:SJSA−1異種移植モデルにおける、抗IGF1Rの骨肉腫に対する有効性)
これらのデータは、本発明のIGF1Rインヒビター(例えば、抗IGF1R抗体)が、患者において骨肉腫を処置するために有用であることを実証する。
【0419】
約700万のSJSA−1骨肉腫細胞を、各雌のヌードマウス(年齢約6週齢、平均体重約20グラム)の側腹部に皮下接種した。表8で示される実験について、投与を接種後の18日目(異種移植腫瘍が、約100mmの平均サイズに達したとき)に始めた。抗IGF1R抗体(19D12軽鎖F/重鎖A(上で示される))を、マウス一匹当たり0.02mg、0.1mg、および0.5mgのいずれかの用量で一週間に2回、腹腔内に与えた。一方、細胞毒性シトキサン(シクロホスファミド)を、一連の研究の間、1週間に2回、合計3回の注射に対して100mpkの投与量で、腹腔内に与えた。異種移植腫瘍の大きさをカリパスを用いて一週間に2回測定し、LabCatプログラムで電子的にキャプチャーした。表8のデータは、このモデルにおいて、骨肉腫腫瘍の増殖阻害が、抗IGF1Rに著しく依存していることを示す。
【0420】
表9で示される実験に対して、投与を接種後の15日目に始めた。抗IGF1R抗体(LCF/HCA)を、マウス一匹当たり0.04mgまたは0.1mgの用量で、1週間に2回腹腔内に与えた。一方、細胞毒性シトキサン(シクロホスファミド)を、1週間に1回、50mpkまたは100mpkのいずれかの投与量で、腹腔内に与えた。異種移植腫瘍の大きさをカリパスを用いて一週間に2回測定し、LabCatプログラムで電子的にキャプチャーした。表9のデータは、数回にわたって観察された腫瘍容積を含み、そして腫瘍容積の退縮が抗IGF1Rに依存していることを示す。
【0421】
【表8】

【0422】
【表9】

【0423】
本発明は、本明細書中に記載される特定の実施形態により、その範囲を制限されるべきではない。実際、本明細書中に記載されたものに加えて、本発明の種々の改変は、当業者に対して前述の説明から明らかである。そのような改変は、添付の特許請求の範囲の範囲内にあるものと意図される。
【0424】
特許、特許出願、刊行物、生成物の詳細、およびプロトコールは、本出願にわたって引用され、それらの開示は、あらゆる目的のために、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0425】
例えば、本発明は以下を提供する:
(項目1)
被験体において、神経芽腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、膵臓癌、および小児癌からなる群より選択される医学的状態を処置または予防するための方法であって、該方法が、治療有効量の一種以上のIGF1Rインヒビターまたはその薬学的組成物を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目2)
項目1に記載の方法であって、前記IGF1Rインヒビターが、
【0426】
【化1】

【0427】
およびヒトIGF1Rに特異的に結合する単離された抗体からなる群より選択される、方法。
(項目3)
項目2に記載の方法であって、前記抗体が、
(a)配列番号2のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10または12のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域;
(b)配列番号4のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10または12のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域;
(c)配列番号6のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10または12のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域;あるいは
(d)配列番号8のアミノ酸20〜128を含む軽鎖可変領域、および配列番号10または12のアミノ酸20〜137を含む重鎖可変領域
を含む、方法。
(項目4)
項目1に記載の方法であって、前記IGF1Rインヒビターが、一種以上のさらなる化学療法剤またはその薬学的組成物と組み合わせて投与される、方法。
(項目5)
項目4に記載の方法であって、前記さらなる化学療法剤が、
【0428】
【化2】

【0429】
それらの任意のリポソーム処方物、シクロホスファミド
【0430】
【化3−1】

【0431】
13−シス−レチノイン酸
【0432】
【化3−2】

【0433】
【化4】

【0434】
【化5】

【0435】
からなる群より選択される一種以上のメンバーである、方法。
(項目6)
前記IGF1Rインヒビターおよびさらなる抗癌療法剤が、同時に投与される、項目4に記載の方法。
(項目7)
前記IGF1Rインヒビターおよびさらなる抗癌療法剤が、同時に投与されない、項目4に記載の方法。
(項目8)
前記抗体が、IgG定常領域を含む、項目2に記載の方法。
(項目9)
前記被験体が、ヒトである、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記被験体が、小児である、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記IGF1Rインヒビターが、抗癌療法手順と組み合わせて投与される、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記抗癌療法手順が、外科的腫瘍摘出および/または抗癌放射線処置である、項目11に記載の方法。
【0436】
【表10−1】

【0437】
【表10−2】

【0438】
【表10−3】

【0439】
【表10−4】

【0440】
【表10−5】

【0441】
【表10−6】

【0442】
【表10−7】

【0443】
【表10−8】

【0444】
【表10−9】

【0445】
【表10−10】

【0446】
【表10−11】

【0447】
【表10−12】

【0448】
【表10−13】

【0449】
【表10−14】

【0450】
【表10−15】

【0451】
【表10−16】

【0452】
【表10−17】

【0453】
【表10−18】

【0454】
【表10−19】

【0455】
【表10−20】

【0456】
【表10−21】

【0457】
【表10−22】

【0458】
【表10−23】

【0459】
【表10−24】

【0460】
【表10−25】

【0461】
【表10−26】

【0462】
【表10−27】

【0463】
【表10−28】

【0464】
【表10−29】

【0465】
【表10−30】

【0466】
【表10−31】

【0467】
【表10−32】

【0468】
【表10−33】

【0469】
【表10−34】

【0470】
【表10−35】

【0471】
【表10−36】

【0472】
【表10−37】

【0473】
【表10−38】

【0474】
【表10−39】

【0475】
【表10−40】

【0476】
【表10−41】

【0477】
【表10−42】

【0478】
【表10−43】

【0479】
【表10−44】

【0480】
【表10−45】

【0481】
【表10−46】

【0482】
【表10−47】

【0483】
【表10−48】

【0484】
【表10−49】

【0485】
【表10−50】

【0486】
【表10−51】

【0487】
【表10−52】

【0488】
【表10−53】

【0489】
【表10−54】

【0490】
【表10−55】

【0491】
【表10−56】

【0492】
【表10−57】

【0493】
【表10−58】

【0494】
【表10−59】

【0495】
【表10−60】

【0496】
【表10−61】

【0497】
【表10−62】

【0498】
【表10−63】

【0499】
【表10−64】

【0500】
【表10−65】

【0501】
【表10−66】

【0502】
【表10−67】

【0503】
【表10−68】

【0504】
【表10−69】

【0505】
【表10−70】

【0506】
【表10−71】

【0507】
【表10−72】

【0508】
【表10−73】

【0509】
【表10−74】

【0510】
【表10−75】

【0511】
【表10−76】

【0512】
【表10−77】

【0513】
【表10−78】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載の発明。

【公開番号】特開2011−140518(P2011−140518A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−86820(P2011−86820)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【分割の表示】特願2008−506767(P2008−506767)の分割
【原出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】