説明

癌を治療するためのアンジオポエチン−2アンタゴニストとVEGF−A、KDR、及び/又はFlt1アンタゴニストの組合せ

【課題】抗血管新生活性を保有して、それ故に動物又はヒトの体内で血管新生と関連した疾患状態の治療の方法に有用である薬剤の提供。
【解決手段】アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストとVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストの組合せと、そのようなアンタゴニストの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、抗血管新生活性を保有して、それ故に動物又はヒトの体内で血管新生と関連した疾患状態の治療の方法に有用である組成物に関する。より具体的には、本発明は、アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストと、VEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストの組合せと、そのようなアンタゴニストの使用に関する。そのような組合せは、アンジオポエチン−2とVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の活性に関連した疾患の治療にも有用である。
【0002】
血管新生は、既存の脈管構造からの新たな血管の形成であり、ほとんどすべての臓器の形成及び生理学的機能に必要とされる複雑な生物学的プロセスである。それは、胚形成、正常な生理学的増殖、修復、及び腫瘍拡張のような病理学的プロセスに必須の要素である。通常、血管新生は、内皮細胞による血管出芽、分岐、及び細管形成が関与する多段階プロセス(内皮細胞(EC)の活性化、血管の脱安定化、破壊酵素の合成及び放出、EC遊走、EC増殖、EC組織化及び分化、及び血管成熟化のようなプロセスが関与する)において、血管新生因子と血管新生抑制因子の局所バランスにより緊密に調節されている。
【0003】
成体では、生理学的な血管新生は、創傷治癒と、雌の生殖機能と胚発生のいくつかの構成要素に主に限定される。異常な、望ましくない又は病理学的な血管新生が含まれる疾患関連性の血管新生では、血管新生因子と血管新生抑制因子の間の局所バランスが破綻して、不適切な、及び/又は構造的に異常な血管形成をもたらす。病理学的な血管新生は、糖尿病性網膜症、乾癬、癌、関節リウマチ、アテローマ、カポシ肉腫、及び血管腫が含まれる疾患状態と関連づけられてきた(Fan et al, 1995, Trends Pharmacology. Science 16: 57-66; Folkman, 1995, Nature Medicine 1: 27-31)。癌では、原発性及び続発性の腫瘍が1〜2mmを超えて増殖するのに血管新生が必要とされる(Folkman, J. New England Journal of Medicine 1995; 33, 1757-1763)。
【0004】
多くのシグナル伝達系が血管新生の調節に関わっており、いくつかの因子が in vitro のEC応答と in vivo の血管増殖の既知の調節因子である。受容体チロシンキナーゼ(
RTK)は、細胞の形質膜を横切る生化学シグナルの重要な伝達物質である。これらの膜貫通分子は、特徴的に、形質膜中のセグメントを介して細胞内チロシンキナーゼドメインへ連結する細胞外リガンド結合ドメインからなる。リガンドの受容体への結合は、受容体に関連したチロシンキナーゼ活性の刺激をもたらし、それが受容体と他の細胞内分子の両方のチロシン残基のリン酸化を導く。チロシンリン酸化におけるこれらの変化は、多様な細胞応答を導くシグナル伝達カスケードを始動させる。今日まで、アミノ酸配列相同性により定義される、少なくとも19種の別個のRTKサブファミリーが同定されている。
【0005】
VEGFは、正常と疾患関連性の両方の血管新生(Jakeman, et al. 1993 Endocrinology: 133, 848-859; Kolch, et al. 1995 Breast Cancer Research and Treatment: 36, 139-155)と血管透過性(Connolly, et al. 1989 J. Biol. Chem: 264, 20017-20024)の
重要な刺激因子であると信じられている。抗体によるVEGFの捕捉によるVEGF作用の拮抗は、腫瘍増殖の阻害をもたらすことができる(Kim, et al. 1993 Nature: 362,841-844)。VEGF遺伝子の異種接合性の破壊は、脈管形成における致命的な欠損症をもたらした(Carmeliet, et al. 1996 Nature 380:435-439; Ferrara, et al. 1996 Nature 380:439-442)。
【0006】
VEGFは、知られている中で最も強力で普遍的な血管増殖因子である。内皮細胞のた
めの分泌マイトジェンとしてのVEGFの役割の同定の前に、それは、血管透過性因子として同定されて、増殖、遊走、特殊化、及び生存が含まれる、内皮細胞の挙動の多くの別個の側面を制御するVEGFの能力が強調された(Ruhrberg, 2003 BioEssays 25:1052-1060)。VEGF−Aとしても知られているVEGFは、同定された血小板由来増殖因子
スーパーファミリーに属する、構造的に関連した二量体糖タンパク質のVEGFファミリーの最初のメンバーであった。この創始メンバー以外に、VEGFファミリーには、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、VEGF−E、胎盤増殖因子(PIGF)、及び内分泌腺由来VEGF(EG−VEGF)が含まれる。VEGFの活性型は、ホモ二量体又は他のVEGFファミリーメンバーとのヘテロ二量体のいずれかとして合成される。VEGF−Aは、選択的スプライシングにより産生される6つのアイソフォーム:VEGF121、VEGF145、VEGF165、VEGF183、VEGF189、及びVEGF206で存在する。これらのアイソフォームは本来的にそのバイオアベイラビリティにおいて異なり、VEGF165が優勢なアイソフォームである(Podar, et al. 2005 Blood 105(4):1383-1395)。様々なアイソフォームの段階及び組織特異的な比をもたらす胚形成の間のスプライシングの調節により、VEGFに対する応答における内皮細胞の特徴的及び状況(context)依存的な挙動への豊かな潜在能力が創出される。
【0007】
VEGFファミリーのメンバーは、異なるアフィニティーで、3つの関連した受容体チロシンキナーゼ;VEGFR1(fms様のチロシンキナーゼ受容体、Flt又はFlt1)、VEGFR2(キナーゼ挿入ドメイン含有受容体、KDR(Flk−1とも呼ばれる))、及びVEGFR3(別のfms様チロシンキナーゼ受容体、Flt4)へ結合することが知られている。これらの関連したRTKのうち2つ、Flt1とKDRは、VEGFへ高いアフィニティーで結合することが示されている(De Vries et al, 1992, Science 255: 989-991; Terman et al, 1992, Biochem. Biophys. Res. Comm. 1992, 187: 1579-1586)。異種細胞において発現されるこれらの受容体へのVEGFの結合は、細胞タ
ンパク質のチロシンリン酸化状態とカルシウム流出の変化と関連づけられてきた。
【0008】
ノックアウトマウスの研究は、Flt1又はKDRのいずれかの破壊が急性血管障害による妊娠中期の死を引き起こすことを示した。しかしながら、その表現型は異なっており、KDRの欠損は、ECと発生中の造血系の両方の不足をもたらし(Shalaby, et al. 1995 Nature 376:62-66)、Flt1の欠損は、造血前駆細胞やECには影響を及ぼさない
が、これらは、機能的な血管へ集合することができない(Fong, et al. 1995 Nature 376:66-70)。Flt4は、胚において広汎に発現されるが、後の成体ではリンパ管に制限される。Flt4ノックアウトマウスは、心臓血管系の初期発生での一次血管ネットワークのより大きな血管への再構築と成熟化におけるFlt4の必須な役割を示した(Dumont, et al. 1998 Science 282: 946-949)。
【0009】
VEGFファミリーに加えて、アンジオポエチンも、血管発生と生後の血管新生に関与すると考えられている。アンジオポエチンには、天然に存在するアゴニスト、アンジオポエチン−1、並びに天然に存在するアンタゴニスト、アンジオポエチン−2が含まれる。アンジオポエチン−1の役割は、成体において保存されていると考えられ、そこでそれは広く、そして構成的に発現されている(Hanahan, Science, 277:48-50 (1997); Zagzag, et al., Exp Neurology, 159:391-400 (1999))。対照的に、アンジオポエチン−2の発
現は、主に血管再構築の部位に限定されていて、そこでそれは、アンジオポエチン−1の構成的な安定化又は成熟化機能を妨害して、血管が発芽シグナルに対してより応答性であり得る塑性状態へ復帰し、そしてその状態に留まることを可能にすると考えられている(Hanahan, 1997; Holash et al., Oncogene 18:5356-62 (1999); Maisonpierre, 1997)。疾患関連性の血管新生におけるアンジオポエチン−2発現の研究により、多くの腫瘍型が血管のアンジオポエチン−2発現を示すことがわかった(Maisonpierre et al., Science
277:55-60 (1997))。機能研究は、アンジオポエチン−2が腫瘍の血管新生に関与して
いることを示唆し、そしてマウス異種移植モデルにおけるアンジオポエチン−2の過剰発現と腫瘍成長の増加を関連づけている(Ahmad, et al., Cancer Res., 61:1255-1259 (2001))。他の研究は、アンジオポエチン−2過剰発現と腫瘍の血管過剰増生を関連づけて
いる(Etoh, et al., Cancer Res. 61:2145-53 (2001); Tanaka et al., Cancer Res. 62:7124-29 (2002))。
【0010】
相同性をベースとするクローニングアプローチを使用して、Valenzuela et al.(1999) は、2種の新規アンジオポエチン:マウスでのアンジオポエチン−3とヒトでのアンジオポエチン−4を同定した。アンジオポエチン−3とアンジオポエチン−4は、マウス及びヒトのバージョンのアンジオポエチン−1及びアンジオポエチン−2よりも、互いに構造的には異なっているが、それらは、マウス及びヒトの同じ遺伝子座の相対物を表すようである。アンジオポエチンファミリーのこれらのメンバーの生物学についてはほとんど知られていない。例えば、アンジオポエチン−4は、肺でのみ高いレベルで発現されるが、アンジオポエチン−4により活性化される生物学的作用やシグナル伝達経路を文献に見出すことはできない(Tsigkos, et al., Expert Opin. Investig. Drugs 12(6): 933-941 (2003); Valenzuela, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 96:1904-1909 (1999))。アンジオ
ポエチン−4の発現レベルは、低酸素状態へ応答して増加することが知られていて、内皮細胞増殖因子は、膠芽腫細胞系と内皮細胞においてアンジオポエチン−4発現の増加レベルをもたらす。しかしながら、発現調節の機序と、生理学及び疾患に関連した血管新生において結果として生じる効果については不明である(Lee, et al., FASEB J. 18: 1200-1208 (2004))。
【0011】
アンジオポエチンは、血管内皮内で選択的に発現されるTie受容体チロシンキナーゼファミリーのリガンドとして最初に発見された(Yancopoulos et al., Nature 407:242-48 (2000))。アンジオポエチン−1、アンジオポエチン−2、アンジオポエチン−3、及びアンジオポエチン−4は、主にTie−2受容体へ結合するので、Tie−2リガンドとしても知られている。アンジオポエチン−1のTie−2への結合は、該受容体の自己リン酸化を介したチロシンリン酸化と、引き続き、シグナル伝達を介したシグナル伝達経路の活性化を誘導する(Maisonpierre, P. et al. 1997 Science: 277, 55-60)。アンジオポエチン−2は、アンジオポエチン−1の天然に存在するアンタゴニストであり、Tie−2受容体のアンジオポエチン−1誘発性キナーゼ活性化の競合阻害を通して作用する(Hanahan, 1997; Davis et al., Cell 87:1161-69 (1996); Maisonpierre et al., Science 277:55-60 (1997))。
【0012】
Tie−2及びアンジオポエチン−1のノックアウトマウスの研究は、類似の表現型を示し、アンジオポエチン−1刺激性のTie−2リン酸化が、発生中の血管の再構築及び安定化、血管新生の間の血管成熟化の促進、及び内皮細胞支持の細胞接着の維持を媒介することを示唆している(Dumont et al., Genes & Development, 8:1897-1909 (1994); Sato, Nature, 376:70-74 (1995); Thurston, G. et al., 2000 Nature Medicine: 6, 460-463)。
【0013】
近年、アンジオポエチン−1、アンジオポエチン−2及び/又はTie−2は、可能性のある抗癌療法の標的として提唱されている。例えば、US6166185、US5650490、及びUS5814464は、それぞれ抗Tie−2リガンドと受容体抗体を開示する。可溶性Tie−2を使用する研究は、齧歯動物における腫瘍の数及びサイズを減少させると報告された(Lin, 1997; Lin 1998)。Siemesterら (1999) は、Tie−2の細胞外ドメインを発現するヒトメラノーマ細胞系を産生して、これらをヌードマウスへ注射して、可溶性Tie−2が腫瘍増殖と腫瘍血管新生の有意な阻害をもたらすことを報告した。アンジオポエチン−1とアンジオポエチン−2の両方がTie−2へ結合するのならば、これらの研究からは、アンジオポエチン−1、アンジオポエチン−2、又はTie
−2が抗癌療法の魅力的な標的となるのかが不明である。しかしながら、有効な抗アンジオポエチン−2療法は、その進行が異常な血管新生に依存して、そのプロセスを遮断することが疾患進展の予防をもたらす可能性がある、癌のような疾患を治療するのに有益であると考えられている(Folkman, J., Nature Medicine. 1: 27-31 (1995)。さらに、アン
ジオポエチン−2へ結合する抗体の使用を報告したグループもある。例えば、米国特許第6,166,185号と米国特許出願公開公報番号2003/0124129 A1を参照のこと。アンジオポエチン−2の局所発現の効果に関する研究は、アンジオポエチン−1/Tie−2シグナルの拮抗が堅固な血管構造を弛緩させて、それにより血管新生誘導因子、例えばVEGFからの活性化シグナルへECを曝露することを示した(Hanahan, 1997)。アンジオポエチン−1の阻害により生じるこの血管新生促進効果は、抗アンジオ
ポエチン−1療法が有効な抗癌治療法ではないことを示す。
【0014】
国際特許公開公報番号WO200197850は、血管形成と腫瘍増殖の阻害へのVEGF/VEGF受容体系とアンジオポエチン/Tie受容体系を用いた機能的干渉の組合せを記載する。この広い範囲には、VEGF/VEGF受容体系とアンジオポエチン/Tie受容体系のあらゆる構成因子の機能的干渉の考え得るあらゆる組合せ、即ち、Flt1、KDR、Flt4、VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、VEGF−E、PIGF、又はEG−VEGFのいずれの1つとアンジオポエチン−1、アンジオポエチン−2、アンジオポエチン−3、アンジオポエチン−4、又はTie−2のいずれか1つとの機能的干渉の組合せ、が含まれる。
【0015】
本出願は、機能的干渉が以下により達成し得ることを示唆する:
i)受容体チロシンキナーゼ活性を阻害する化合物、
ii)受容体へのリガンド結合を阻害する化合物、
iii)受容体の細胞内経路の活性化を阻害する化合物、
iv)VEGF又はTie受容体系のリガンド又は受容体の発現を阻害するか又は活性化する化合物、
v)VEGF/VEGF受容体又はアンジオポエチン/Tie受容体系の認識を介して細胞傷害剤又は凝固誘導剤を内皮へ標的指向させる、抗体、リガンド、高アフィニティー結合オリゴヌクレオチド又はオリゴペプチド、又はリポソームのような送達系、あるいは、
vi)内皮へ標的指向されて、壊死又はアポトーシスを誘導する、抗体、リガンド、高アフィニティー結合オリゴヌクレオチド又はオリゴペプチド、又はリポソームのような送達系。
【0016】
特許請求の範囲をさらに広げると、本出願は、本発明の組合せにより含まれる化合物が、低分子量の物質、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、組換えタンパク質、抗体、又はこれらのコンジュゲート若しくは融合タンパク質であり得ることをさらに述べる。莫大な数の任意選択の組合せの包含は、特別な組合せの有用性/選択を教示するものではない。
【0017】
WO200197850は非常に広い範囲を特許請求するが、その発明の例示は、ヒトTie−2受容体チロシンキナーゼ(sTie−2)の細胞外リガンド中和ドメインとA又はBの組合せに限られる。後者は:
A.VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤:(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]アンモニウム ハイドロジェン スクシネート(Wood et al., Cancer Res. 60 2178-2189, 2000)、又は
B.抗VEGF抗体;VEGF−A−中和モノクローナル抗体、4301−42−35(Schlaeppi et al., J. Cancer Res. Clin. Oncol. 125, 336-342, 1999)、又はヒトVEGF−A/VEGF受容体I複合体を特異的に認識する単鎖抗体(scFv)(WO9
919361)のいずれか1つ、
であり得る。
【0018】
この出願の広い範囲の残りについては例示がない。特に、アンジオポエチン/Tie受容体系での機能的干渉を達成するためのsTie−2の使用以外の例示はない。故に、このきわめて広範囲の可能な組合せから、どの他の組合せが療法的に有効であるかは、当業者にとって不明なのである。
【0019】
本発明は、アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストと、VEGF−A及び/又はKDR及び/又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストの組合せと、そのような組合せの使用に関する。
【0020】
本発明の1つの側面により、アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストと、
i.VEGF−A、及び/又は
ii.KDR、及び/又は
iii.Flt1
の生物学的活性のアンタゴニストの組合せが提供される。
【0021】
1つの態様では、アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストが抗体である、上記に記載の組合せが提供される。好ましくは、アンジオポエチン−2のアンタゴニストがモノクローナル抗体である。より好ましくは、アンジオポエチン−2のアンタゴニストが完全ヒトモノクローナル抗体である。より好ましくは、完全ヒトモノクローナル抗体が、完全ヒトモノクローナル抗体;3.31.2、5.16.3、5.86.1、5.88.3、3.3.2、5.103.1、5.101.1、3.19.3、5.28.1、5.78.3のいずれか1つと同じエピトープへ結合する。最も好ましくは、完全ヒトモノクローナル抗体が;3.31.2、又は5.16.3、又は5.86.1、又は5.88.3、又は3.3.2、又は5.103.1、又は5.101.1、又は3.19.3、又は5.28.1、又は5.78.3のいずれか1つより選択される。
【0022】
別の態様では、アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストがTie−2のATP結合部位へ結合し得ない、上記に記載の組合せが提供される。
別の態様では、アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストがsTie−2ではない、上記に記載の組合せが提供される。
【0023】
別の態様では、KDRの生物学的活性のアンタゴニストが抗体である、上記に記載の組合せが提供される。好ましくは、アンタゴニストがモノクローナル抗体である。より好ましくは、アンタゴニストが完全ヒトモノクローナル抗体である。
【0024】
別の態様では、Flt1の生物学的活性のアンタゴニストが抗体である、上記に記載の組合せが提供される。好ましくは、アンタゴニストがモノクローナル抗体である。より好ましくは、アンタゴニストが完全ヒトモノクローナル抗体である。
【0025】
別の態様では、VEGF−Aの生物学的活性のアンタゴニストが抗体である、上記に記載の組合せが提供される。好ましくは、アンタゴニストがモノクローナル抗体である。このモノクローナル抗体は、DC101(Imclone)であってよい。より好ましくは、アンタゴニストが完全ヒトモノクローナル抗体である。最も好ましくは、VEGF−Aの生物学的活性のアンタゴニストが、Avastin(ベバシズマブ)(Rosen LS., Cancer Control 9(suppl 2): 36-44, 2002)、CDP791(Celltech)、又はI
MC1121b(Imclone)である。
【0026】
別の態様では、KDRの生物学的活性のアンタゴニストが化合物である、上記に記載の組合せが提供される。代わりの態様では、Flt1の生物学的活性のアンタゴニストが化合物である、上記に記載の組合せが提供される。好ましくは、アンタゴニストがチロシンキナーゼ阻害剤である。より好ましくは、チロシンキナーゼ阻害剤が、ZactimaTM(ZD6474(Wedge SR et al.「ZD6474は、経口投与後にVEGFシグナル
伝達、血管新生、及び腫瘍増殖を阻害する(ZD6474 inhibits VEGF signaling, angiogenesis and tumour growth following oral administration)」Cancer Research 2002;62: 4645-4655))、AZD2171(Wedge SR et al.「AZD2171:癌の治療のためのきわめて強力で経口的に生体利用可能な血管内皮増殖因子受容体−2チロシンキナーゼ阻害剤(AZD2171: A highly potent, orally bioavailable, vascular endothelial growth factor receptor-2 tyrosine kinase inhibitor for the treatment of cancer)」Cancer Research 2005; 65: 4389-4400)、SU11248(Sutent,ファイザー)
、SU14813(ファイザー)、Vatalanib(ノバルティス)、BAY43−9006(ソラフェニブ、バイエル)、XL−647(Exelixis)、XL−999(Exelixis)、AG−013736(ファイザー)、AMG706(アムジェン)、BIBF1120(ベーリンガー)、TSU68(大鵬薬品)、GW786034、AEE788(ノバルティス)、CP−547632(ファイザー)、KRN951(キリン)、CHIR258(カイロン)、CEP−7055(Cephalon)、OSI−930(OSI Pharmaceuticals)、ABT−869(アボット)、E7080(エーザイ)、ZK−304709(シェーリング)、BAY57−9352(バイエル)、L−21649(メルク)、BMS582664(BMS)、XL−880(Exelixis)、XL−184(Exelixis)、又はXL−820(Exelixis)より選択される。より好ましくは、チロシンキナーゼ阻害剤が、ZactimaTM又はAZD2171より選択される。
【0027】
疑念の回避のために、KDRの生物学的活性のアンタゴニストは、KDRに加えて他のチロシンキナーゼ、例えば、Flt1、EGFR、又はPDGFRを阻害してよい。1つの態様では、KDRの生物学的活性のアンタゴニストがKDRシグナル伝達阻害剤である。別の態様では、KDR生物学的活性のアンタゴニストがKDRシグナル伝達の阻害剤であって、EGFRの阻害剤ではない。
【0028】
本発明の別の側面により、上記に記載の組合せを含んでなる医薬組成物が提供される。
本発明の別の側面により、疾患関連性の血管新生の治療用のための医薬品の製造のための上記に記載の組み合わせの使用が提供される。
【0029】
アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストと、VEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストの組合せは、単独で投与することができ、又は追加の抗体又は化学療法薬又は放射線療法と組み合わせて投与することができる。
【0030】
本発明の別の側面により、上記に記載の組合せを投与することを含んでなる、アンジオポエチン−2の生物学的活性とVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1のいずれか1つの生物学的活性に拮抗する方法が提供される。好ましくは、該方法は、疾患関連性の血管新生の治療を必要とする動物を選択することと、アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストとVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストの組合せの治療的に有効な量を前記動物へ投与することを含む。
【0031】
本発明の別の側面により、上記に記載の組合せの治療的に有効な量を投与することを含
んでなる、疾患関連性の血管新生を哺乳動物において治療する方法が提供される。好ましくは、該方法は、疾患関連性の血管新生の治療を必要とする動物を選択することと、アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストとVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストの組合せの治療的に有効な量を前記動物へ投与することを含む。
【0032】
本発明の別の側面により、上記に記載の組合せの治療的に有効な量を(投与することを)含んでなる、哺乳動物において癌を治療する方法が提供される。好ましくは、該方法は、疾患関連性の血管新生の治療を必要とする動物を選択することと、アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストとVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストの組合せの治療的に有効な量を前記哺乳動物へ投与することを含む。
【0033】
好ましい態様において、本発明は、アンジオポエチン−2とVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1にのみ、又はそれに一部依存している腫瘍のある患者において、アンジオポエチン−2の生物学的活性とVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の生物学的活性に拮抗することにおける使用に特に適している。
【0034】
本発明の別の側面により、医科腫瘍学において使用される、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、及びニトロソ尿素);代謝拮抗薬(例えば、5−フルオロウラシル及びテガフールのようなフルオロピリミジン類、ラルチトレキセド、ゲンシタビン、カペシタビン、メトトレキセート、ペメトレキセド、シトシンアラビノシド及びヒドロキシ尿素のような抗葉酸剤、又は、例えば、ヨーロッパ特許出願番号562734に開示される、(2S)−2−{o−フルオロ−p−[N−{2,7−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イルメチル)−N−(プロプ−2−イニル)アミノ]ベンズアミド}−4−(テトラゾール−5−イル)酪酸のような、好ましい代謝拮抗薬の1つ);アルキル化剤及び代謝拮抗薬を含む組合せ(例えば、Folfox[フルオロウラシル、ロイコボリン、及びオキサリプラチンを含む]);抗腫瘍抗生物質(例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、及びミトラマイシンのようなアントラサイクリン類);抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、及びビノレルビンのようなビンカアルカロイドとタキソール及びタキソテールのようなタキソイド類);並びに、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド及びテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、イリノテカン、アムサクリン、トポテカン、及びカンプトテシン)、のような抗増殖/抗腫瘍薬とその組合せを追加的に含んでなる本発明の組合せが提供される。好ましい態様において、Folfoxを追加的に含んでなる、本発明の組合せが提供される。
【0035】
好ましい態様において、本発明の組合せは、保護剤、例えば、貧血を防ぐか又は抗増殖/抗腫瘍薬からの副作用を抑えるように作用する薬剤をさらに含む。好ましくは、保護剤は、葉酸の還元型、好ましくは、ロイコボリンである。
【0036】
本発明の組合せは、疾患関連性の血管新生を阻害して、それにより様々な血管新生関連性の疾患への強力な療法として作用することが期待される。
抗体を含んでなる本発明の態様では、組合せを患者へ投与した後に、清浄剤を投与してもよい。好ましくは、清浄剤は、過剰な循環抗体を血液より取り除くことができる。
【0037】
本発明は、本発明の組合せの製造法をさらに含む。
本発明のさらなる側面により、アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニスト
とVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストの組合せを含んでなるキットが提供される。
【0038】
本発明のさらなる側面により:
a)第一の単位剤形中のアンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニスト;
b)第二の単位剤形中のVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニスト;および
c)前記第一及び第二の剤形を含有するための容器手段
を含んでなるキットが提供される。
【0039】
本発明のさらなる側面により:
a)第一の単位剤形中の、医薬的に許容される賦形剤又は担体を伴うアンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニスト;
b)第二の単位剤形中の、医薬的に許容される賦形剤又は担体を伴うVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニスト;および
c)前記第一及び第二の剤形を含有するための容器手段
を含んでなるキットが提供される。
【0040】
別の態様において、本発明は、容器が含まれる製造品が提供される。容器には、アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストとVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストの組合せと、アンジオポエチン−2とVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の活性及び/又は過剰発現と関連した血管新生関連性の疾患を治療するために本組合せを使用し得ることを示す添付文書又はラベルが含まれる。
【0041】
本発明のさらなる側面により、そのような療法的な治療を必要とするヒトのような温血動物への、所望により医薬的に受容可能な賦形剤又は担体を伴ってもよい、有効量のアンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニスト又はその医薬的に受容可能なその塩の投与、及び有効量のVEGF−A、及び/又はKDR、及び/又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニスト又は医薬的に受容可能なそれらの塩(医薬的に許容される賦形剤又は担体と一緒に投与してもよい)の同時、連続、又は分離投与、を含んでなる、療法的な組合せ治療が提供される。
【0042】
本明細書に定義される本発明の組合せ治療は、前記治療の個別成分の同時、連続、又は分離投与により達成してよい。本明細書に定義される組合せ治療は、単独療法として適用しても、本発明の組合せ治療に加えて、追加の外科又は放射線療法、又は追加の化学療法剤を伴ってもよい。
【0043】
所与の患者への組合せ製剤の投与量は、疾患の重症度及び種類、体重、性別、食事、投与の時間及び経路、他の医薬品と他の重要な臨床要因が含まれる、医薬品の作用を変化させることが知られている様々な要因を考慮にいれる担当医により決定されるであろう。治療的に有効な量は、in vitro 又は in vivo の方法のいずれにより決定してもよい。
【0044】
本明細書に記載する、療法的に利用される組合せの有効量は、例えば、治療の目的、投与の経路、及び患者の状態に依存するであろう。従って、セラピストは、最適の治療効果を得ることが求められるように、投与量を滴定すること、及び投与経路を変更することが好ましい。典型的な1日投与量は、上記に示した要因に依存して、約0.001mg/kg〜100mg/kgまで、又はそれ以上であってもよい。典型的には、臨床医は、望まれる効果を達成する投与量に達するまで治療抗体を投与するであろう。この療法の進展は、慣用のアッセイによるか又は本明細書に記載のように容易にモニタリングされる。
【0045】
抗体投与の経路は、既知の方法、例えば、静脈内、腹腔内、大脳内、筋肉内、眼内、動脈内、鞘内、吸入,又は病巣内の経路によるか又は以下に示すような持続放出系による注射又は注入に従う。抗体は、好ましくは、注入により又はボーラス注射により連続的に投与する。
【0046】
療法的に利用される抗体の有効量は、例えば、治療の目的、投与の経路、及び患者の状態に依存するであろう。従って、セラピストは、最適の治療効果を得ることが求められるように、投与量を滴定し、そして投与経路を変更することが好ましい。典型的には、臨床医は、望まれる効果を達成する投与量に達するまで抗体を投与するであろう。この療法の進展は、慣用のアッセイによるか又は本明細書に記載のアッセイによって容易にモニタリングされる。
【0047】
本明細書に記載の組合せは、経口投与に適した形態、例えば、錠剤又はカプセル剤として、経鼻投与又は吸入による投与に適した形態、例えば、散剤又は溶液剤として、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内、又は注入が含まれる)に適した形態、例えば、無菌溶液剤、懸濁液剤、又は乳化剤として、局所投与に適した形態、例えば、軟膏剤又はクリーム剤として、直腸投与に適した形態、例えば、坐剤として、であってもよく、あるいは、投与の経路は、腫瘍中への直接注射によるか、又は局部送達によるか、又は局所送達によってもよい。本発明の他の態様において、組合せ治療薬は、内視鏡により、胸郭内に、病巣内に、経皮的に、静脈内に、皮下に、腹腔内に、又は腫瘍内に投与してよい。好ましくは、本発明の組合せは、経口投与される。一般に、本明細書に記載の組合せは、慣用の賦形剤を使用する慣用法で製造してよい。本発明の組合せは、有利には、単位剤形で提示される。
【0048】
本明細書に記載の抗体は、医薬的に許容される担体との混合物において調製することができる。この治療用組成物は、好ましくは液剤又は粉末エアゾール剤(凍結乾燥)として静脈内に、又は鼻若しくは肺を通して投与することができる。この組成物はまた、望まれるように、非経口的に、又は皮下的に投与してよい。全身的に投与される場合、療法的組成物は、無菌で発熱物質フリー、並びにpH、等張性、及び安定性について十分に考慮された非経口的に許容される溶液剤であるべきである。これらの条件は、当業者に知られている。簡潔に言えば、望ましい程度の純度を有する化合物を生理学的に許容される担体、賦形剤、又は安定化剤と混合することによって、本明細書に記載の化合物の投与製剤を保存又は投与用に調製する。そのような材料は、利用する投与量及び濃度でレシピエントに対して無毒であり、TRIS HCl、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、及び他の有機酸塩のような緩衝剤;アスコルビン酸のような抗酸化剤;ポリアルギニンのような低分子量(約10残基未満)ペプチド、血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリジノンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、又はアルギニンのようなアミノ酸;セルロース又はその誘導体、グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む、モノサッカライド、ジサッカライド、及び他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;マンニトール又はソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような対イオン、及び/又はTWEEN、PLURONICS、又はポリエチレングリコールのような非イオン性界面活性剤が含まれる。
【0049】
本発明の態様は、疾患への治療薬として有用である抗体の無菌医薬製剤を含む。そのような製剤は、抗原の生物学的活性を阻害して、それにより、例えば、血清又は組織の抗原が異常に上昇している疾患状態を有効に治療する。抗体は、好ましくは、抗原を強力に中和するのに十分なアフィニティーを保有して、そして好ましくは、ヒトにおける頻度の低い投薬を可能にするのに十分な作用の持続を有する。作用の持続の長期化は、皮下又は筋肉内の注射のような代わりの非経口経路による、より頻度の低い、そしてより簡便な投薬
スケジュールを可能にするだろう。
【0050】
無菌製剤は、例えば、抗体の凍結乾燥及び復元前、又は後に、無菌濾過膜を通す濾過によって創製することができる。抗体は、通常、凍結乾燥型又は溶液状態で保存されるであろう。治療用抗体組成物は、一般に、無菌のアクセス口のある容器、例えば、皮下注射針により穿刺可能なストッパーのような、製剤の回収を可能にするアダプターを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルに入れる。
【0051】
注射用の無菌組成物は、「レミントン:調剤の科学と実践(The Science and Practice
of Pharmacy)」(第20版、Lippincott Williams & Wilkens Publishers(2003))に記載のような慣用の製薬実践に従って製剤化することができる。例えば、水又は、ゴマ油、落花生油、もしくはは綿実油のような天然に存在する植物油のような媒体、あるいはオレイン酸エチル又はその他のような、合成脂肪媒体、における活性化合物の溶解又は懸濁が望ましい場合がある。緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、等は、受容されている製薬実践に従って取り込むことができる。
【0052】
本発明の組合せは、持続放出製剤として送達することができる。持続放出調製物の好適な例には、ポリペプチドを含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが含まれ、該マトリックスは、形状のある製品、フィルム、又はマイクロカプセルの形態である。持続放出マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、Langer et al., J. Biomed Mater. Res., (1981) 15:167-277 と Langer, Chem. Tech., (1982) 12:98-105
に記載のような、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、又はポリ(ビニル
アルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP58,481)、L−グルタミン酸及びγ−エチル−L−グルタメートの共重合体(Sidman et al., Biopolymers, (1983) 22:547-556)、非分解性エチレン−ビニルアセテート(Langer et al., 上記)、LUPRON DepotTM(乳酸−グリコール酸共重合体とロイプロリド
アセテートからなる注射可能なミクロスフェア)のような分解性乳酸−グリコール酸共重合体、及びポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が含まれる。
【0053】
エチレン−ビニルアセテートや乳酸−グリコール酸のようなポリマーが分子の放出を100日以上にわたり可能にする一方で、ある種のヒドロゲルは、タンパク質をより短い時間の間で放出する。被包化タンパク質が体内に長期間留まるとき、それらは、37℃での湿度への曝露の結果として変性するか又は凝集して、生物学的活性の損失と免疫原性のあり得る変化を生じる場合がある。関与する機序に依存して、タンパク質の安定化のために合理的な戦術を考案することができる。例えば、凝集機序がジスルフィド相互変換を介した分子間S−S結合の形成であることが判明すれば、安定化は、スルフヒドリル残基を修飾すること、酸性溶液から凍結乾燥させること、水分含量を制御すること、適正な添加剤を使用すること、及び特定のポリマーマトリックス組成物を開発すること、によって達成してよい。
【0054】
持続放出組成物には、結晶を懸濁状態に維持することが可能な好適な製剤に懸濁させた抗体の結晶の調製物も含まれる。これらの調製物は、皮下又は腹腔内に注射するときに、持続放出効果をもたらすことができる。他の組成物には、リポソームに捕捉した抗体も含まれる。そのような抗体を含有するリポソームは、それ自体、知られている方法によって調製される:米国特許第DE3,218,121号;Epstein et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, (1985) 82: 3688-3692; Hwang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, (1980) 77: 4030-4034;EP52,322;EP36,676;EP88,046;EP143,949;142,641;日本特許出願83−118008;米国特許第4,485,045号及び4,544,545号;及びEP102,324。
【0055】
本発明の組成物及び方法に準拠した治療実体の投与は、改善された移送、送達、耐性、等をもたらすために製剤へ取り込まれる、好適な担体、賦形剤、及び他の薬剤とともに投与されるであろう。これらの製剤には、例えば、散剤、ペースト剤、軟膏剤、ゼリー剤、ワックス剤、オイル剤、脂質、小胞を含有する(カチオン性又はアニオン性の)脂質(LipofectinTMのような)、DNAコンジュゲート、無水吸収ペースト剤、水中油型及び油中水型の乳化剤、乳化剤カルボワックス(様々な分子量のポリエチレングリコール)、半固形ゲル剤、及びカルボワックスを含有する半固形混合物が含まれる。上記の混合物のいずれも、製剤中の有効成分が製剤により不活性化されず、製剤が投与経路と生理学的に適合して慣容されれば、本発明による治療及び療法に適している可能性がある。Baldrick P., 「医薬賦形剤の開発:前臨床ガイダンスの必要性(Pharmaceutical excipient development: the need for preclinical guidance)」Regul. Toxicol. Pharmacol.
32(2):210-8 (2000)、Wang W.「固形タンパク医薬品の凍結乾燥及び開発(Lyophilization and development of solid protein pharmaceuticals)」Int. J. Pharm. 203(1-2):1-60 (2000)、Charman WN「脂質、親油性医薬、及び経口医薬の送達−斬新なコンセプト(Lipids, lipophilic drugs, and oral drug delivery-some emerging concepts)」J Pharm Sci .89(8):967-78 (2000)、Powell et al.「非経口製剤用賦形剤概論(Compendium of excipients for parenteral formulations)」PDA J Pharm Sci Technol. 52:238-311 (1998)、並びに、製薬化学者によく知られた製剤、賦形剤、及び担体に関する追加情報のために上記の引用文献も参照のこと。
【0056】
永続的組織培養細胞系による、予め決定された特異性のあるモノクローナル抗体の製造については、1975年に初めて記載された(Kohler, G., & Milstein, C., Nature 256, 495-497, 1975)。マウス骨髄腫と免疫化ドナー由来のマウス脾臓細胞の融合により、
抗ヒツジ赤血球(SRBC)抗体を分泌する細胞系が創出された。後続の開発は、ヒト抗体を in vitro の方法で導くことが今や可能であることを意味している。好適な例には、限定されないが、ファージディスプレイ(CAT、Morphosys、Dyax、Biosite/Medarex、Xoma、Symphogen、Alexion(以前はProliferon)、Affimed)、リボソームディスプレイ(CAT)、酵母ディスプレイ、等が含まれる。
【0057】
本明細書に記載の抗体は、以下に記載するようなXenoMouse(登録商標)技術の活用により製造した。従って、このようなマウスは、ヒト免疫グロブリンの分子及び抗体を産生することが可能であり、およびマウス免疫グロブリンの分子及び抗体の産生が欠損している。このことを達成するために利用される技術は、本明細書に開示する特許、特許出願、及び参考文献に開示される。しかしながら、特に、マウスとそれからの抗体のトランスジェニック産生の好ましい態様は、米国特許出願番号08/759,620(1996年12月3日出願)、並びに国際特許出願番号WO98/24893(1998年6月11日公開)及びWO00/76310(2000年12月21日公開)に開示されて、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Mendez et al. Nature Genetics 15:146-156 (1997) も参照のこと。
【0058】
そのような技術の使用により、多様な抗原に対する完全ヒトモノクローナル抗体が産生されている。本質的には、マウスのXenoMouse(登録商標)系を目的の抗原で免疫化し、リンパ細胞(B細胞のような)を過剰免疫化マウスより回収して、回収したリンパ球を骨髄型の細胞系と融合して不死のハイブリドーマ細胞系を調製する。これらのハイブリドーマ細胞系をスクリーニングおよび選択して、目的の抗原に特異的な抗体を産生したハイブリドーマ細胞系を同定する。本明細書に提供するのは、抗体を産生する多重ハイブリドーマ細胞系の産生の方法である。さらに、本明細書に提供するのは、そのような抗体の重鎖及び軽鎖のヌクレオチド及びアミノ酸分析が含まれる、そのような細胞系により産生される抗体の特性決定である。
【0059】
あるいは、骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマを産生するかわりに、B細胞を直接アッセイすることができる。例えば、CD19+B細胞を過剰免疫XenoMouse(登録商標)マウスより単離して、増殖させて、抗体分泌性の形質細胞へ分化させることができる。次いで、この細胞上清由来の抗体について、免疫原に対する反応性をELISAによりスクリーニングする。上清については、免疫原の断片に対する免疫反応性をスクリーニングして、機能的に興味深い免疫原のドメインへの結合について異なる抗体をさらにマッピングしてよい。抗体は、他の関連したヒトタンパク質に対して、そしてラット、マウス、及びカニクイザルのような非ヒト霊長動物の免疫原のオーソログに対してスクリーニングして、種交差反応性を決定してもよい。目的の抗体を含有するウェルからのB細胞は、個別ウェル又はプール化ウェルのいずれかに由来するハイブリドーマを作製する融合、エプスタイン・バーウイルスでの感染、又は既知の不死化遺伝子によるトランスフェクション、それに続く好適な培地でのプレート培養が含まれる、様々な方法によって不死化してよい。あるいは、抗原特異的な溶血プラークアッセイ(例えば、Babcook et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 7843-48 (1996) を参照のこと)を使用して、望ましい特異性を有する抗体を分泌する単一の形質細胞を単離する。細胞溶解の標的とする細胞は、好ましくは、抗原でコートされたヒツジ赤血球(SRBC)である。
【0060】
目的の免疫グロブリンと補体を分泌する形質細胞を含有するB細胞培養物の存在下で、プラークの形成は、目的の形質細胞の周囲にあるヒツジ赤血球細胞の特異抗原媒介性の溶解を示す。プラークの中央にある単一の抗原特異的な形質細胞を単離し得て、その抗体の特異性をコードする遺伝情報を単一の形質細胞より単離する。逆転写に続くポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用して、該抗体の重鎖及び軽鎖可変領域をコードするDNAをクローニングすることができる。次いで、そのようなクローン化DNAを好適な発現ベクター、好ましくはpcDNAのような、より好ましくは免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の定常領域を含有するpcDNAベクターのようなベクターカセットへさらに挿入することができる。次いで、この作製したベクターを宿主細胞、例えば、HEK293細胞、CHO細胞へトランスフェクトして、転写を誘導すること、形質転換体を選択すること、又は望みの配列をコードする遺伝子を増幅することのために適宜変更した慣用の栄養培地において培養することができる。
【0061】
一般に、融合ハイブリドーマにより産生される抗体は、完全ヒトκ又はλ軽鎖を有するヒトIgG2重鎖であった。本明細書に記載の抗体は、IgG2重鎖だけでなく、ヒトIgG4重鎖を保有する。抗体は、IgG1が含まれる、他のヒトアイソタイプであってもよい。抗体は、高アフィニティーを保有して、固相及び液相の技術により測定するとき、典型的には約10−6〜約10−12M以下のKdを保有する。
【0062】
染色体の大切片又は染色体の全体をマイクロ細胞融合により導入した、マウス由来のヒト抗体の産生が、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、ヨーロッパ特許出願番号773288及び843961に記載されている。追加的に、KirinのTcマウスとMedarexのミニローカス(Humab)マウスとの交配の結果であるKMTMマウスが作製されている。これらのマウスは、KirinマウスのヒトIgHトランス染色体(transchromosome)とGenpharmマウスのκ鎖トランス遺伝子を保有する(Ishida et al., Cloning Stem Cells, (2002) 4:91-102)。
【0063】
理解されるように、抗体は、ハイブリドーマ細胞系以外の細胞系において発現させることができる。特定の抗体をコードする配列を使用して、好適な哺乳動物の宿主細胞を形質転換させることができる。形質転換は、宿主細胞へポリヌクレオチドを導入することについて知られたどの方法によってでもよく、例えば、ポリヌクレオチドをウイルスに(又はウイルスベクターへ)パッケージングして、宿主細胞を該ウイルス(又はベクター)で、
又は米国特許第4,399,216号、4,912,040号、4,740,461号、及び4,959,455号(これらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる)に例示されるような、当該技術分野で知られたトランスフェクション法により形質導入することが含まれる。使用する形質転換法は、形質転換される宿主に依存する。異種ポリヌクレオチドを哺乳動物細胞へ導入するための方法が当該技術分野でよく知られていて、デキストラン媒介性トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン(polybrene)
媒介性トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、ポリヌクレオチド(複数)のリポソームにおける被包化、及びDNAの核への直接的なマイクロインジェクションが含まれる。
【0064】
宿主として発現に利用される哺乳動物細胞系が当該技術分野でよく知られていて、American Type Culture Collection(ATCC)より入手可能な多くの不死化細胞系が含まれ、限定されないが、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌腫細胞(例えば、HepG2)、ヒト上皮腎臓293細胞、及びいくつかの他の細胞系が含まれる。特に好ましい細胞系は、どの細胞系が高い発現レベルを有して、構成的な抗原結合特性のある抗体を産生するかを決定することにより選択される。
【0065】
他に定義しなければ、本明細書に使用する科学及び技術の用語は、当業者により通常理解される意味を有する。さらに、文脈により他に求められなければ、単数の用語には複数のものが含まれ、複数の用語には単数のものが含まれる。一般に、本明細書に記載の細胞及び組織培養、分子生物学、及びタンパク質およびオリゴ若しくはポリヌクレオチド化学とハイブリダイゼーションに関連して利用される命名法とその技術は、当該技術分野でよく知られて一般に使用されているものである。
【0066】
組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、及び組織培養と形質転換(例、エレクトロポレーション、リポフェクション)には、標準技術を使用する。酵素反応と精製技術は、製造業者の仕様書に従って、又は当該技術分野で一般に実施されているか又は本明細書に記載のように実施する。上記の技術及び手法は、当該技術分野でよく知られている慣用法に従って、そして本明細書を通して引用されて考察される様々な全般的な参考文献とより具体的な参考文献に記載のように実施する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook et al.「分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第3版、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版局、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(2001))を参照のこと。本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、及び医学及び製薬化学に関連して利用される命名法とその実験手法及び技術は、当該技術分野でよく知られて一般に使用されているものである。化学合成、化学分析、医薬品製造、製剤化、及び送達と患者の治療には、標準技術を使用する。
【0067】
以下の用語は、他に示さなければ、以下の意味を有すると解釈されるべきである。
アンタゴニストは、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、低分子量化合物、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、RNA干渉(RNAi)、アンチセンス、組換えタンパク質、抗体、又はそのコンジュゲート若しくはそれらの融合タンパク質であってよい。RNAiの概説については、Milhavet O, Gary DS, Mattson MP.(Pharmacol Rev. 2003 Dec; 55(4):629-48. Review.) を アンチセンスの概説については、Opalinska JB, Gewirtz AM. (Sci STKE. 2003 Oct 28;2003(206):pe47.) を参照のこと。
【0068】
アンジオポエチン−2のアンタゴニストは、アンジオポエチン−2の生物学的活性のどのアンタゴニストでもよく、アンジオポエチン−2並びにアンジオポエチン−1、アンジオポエチン−3及び/又はアンジオポエチン−4が含まれる他のアンジオポエチンの生物学的活性に拮抗するアンタゴニストが含まれる。アンジオポエチン−2アンタゴニストは
、単独のリガンドへ、又はリガンドがその受容体へ結合しているときのリガンドへ結合してよい。
【0069】
VEGF−Aのアンタゴニストは、VEGF−Aの生物学的活性のどのアンタゴニストでもよく、ここでアンタゴニストは、単独のリガンドへ、又はリガンドがその受容体へ結合しているときのリガンドへ結合してよい。このアンタゴニストは、VEGF−A媒介性のFlt1又はKDRシグナル伝達を妨げて、それにより血管新生を阻害してよい。この阻害の作用の機序には、アンタゴニストのVEGF−Aへの結合と、VEGF−Aのその受容体、Flt1又はKDRのいずれかへの結合を阻害すること含めてよい。あるいは、アンタゴニストは、VEGF−Aが受容体、Flt1又はKDRのいずれかと会合しているときにVEGF−Aへ結合して、それによりVEGF−A媒介性のFlt1又はKDRシグナル伝達を妨げてよい。あるいは、アンタゴニストは、そこでのVEGF−Aのクリアランスを高めて、Flt1又はKDRへ結合するためのVEGF−Aの有効濃度を低下させてよい。
【0070】
組成物は、好ましくは、1以上のアンタゴニストを含んでなる医薬組成物である。組成物のアンタゴニストは、別々に、連続的に、又は同時に投与してよい。
疾患関連性の血管新生は、どの異常な、望まれないか又は病理学的な血管新生であってもよく、例えば、腫瘍関連性の血管新生である。血管新生関連性の疾患には、限定されないが、白血病、多発性骨髄腫、血液の悪性腫瘍、又はリンパ腫のような非固形腫瘍と、黒色腫、非小細胞肺癌、神経膠腫、肝細胞(肝臓)癌、膠芽腫、甲状腺、胆管、骨、胃、脳/CNS、頭頸部、肝臓、胃、前立腺、乳房、腎、精巣、卵巣、皮膚、頸部、肺、筋肉、
神経細胞、食道、膀胱、肺、子宮、外陰、子宮内膜、腎臓、結直腸、膵臓、胸膜/腹膜、唾液腺の癌腫と類表皮腫瘍のような固形腫瘍とその転移が含まれる。
【0071】
過剰な血管増殖は、多数の非腫瘍性疾患へ寄与する。これらの血管新生関連性の疾患には:アテローム性動脈硬化症、血管腫、血管内皮腫、血管線維腫、血管奇形(例えば、遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)、又はオスラー・ウェバー症候群)、いぼ、化膿性肉芽腫、過剰な毛髪成長、カポシ肉腫、瘢痕ケロイド、アレルギー浮腫、乾癬、機能不全性の子宮出血、卵胞嚢胞、卵巣の過剰刺激、子宮内膜症、呼吸窮迫、腹水、透析患者の腹膜硬化症、腹部手術より生じる癒着形成、肥満、関節リウマチ、滑膜炎、骨髄炎、パンヌス増殖、骨増殖体、血友病関節症、炎症及び感染プロセス(例えば、肝炎、肺炎、糸球体腎炎)、喘息、鼻ポリープ、肝臓再生、肺高血圧症、未熟児網膜症、糖尿病性網膜症、加齢関連黄斑変性、白質軟化症、血管新生性緑内障、角膜移植新血管形成、トラコーマ、甲状腺炎、甲状腺肥大、及びリンパ増殖性障害が含まれる。
【0072】
化合物は、2000ダルトン未満の分子量のあらゆる低分子量化合物を意味する。
用語「抗体」は、抗原の抗原決定基の特性に相補的な内部の表面形状及び荷電分布を有する三次元の結合空間を有するポリペプチド鎖のフォールディングより形成される少なくとも1つの結合ドメインからなる、ポリペプチド又はポリペプチドの群を意味する。抗体は、典型的には、ポリペプチド鎖の2つの同一対を含んでなる四量体の形態を有し、各対は、1つの「軽」鎖と1つの「重」鎖を有する。各軽鎖/重鎖対の可変領域は、抗体結合部位を形成する。抗体は、オリゴクローナル、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、多重特異性抗体、二重特異性抗体、触媒抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、抗イディオタイプ抗体、及び、可溶型又は結合型で標識し得る抗体、並びにそれらの断片、変異体、又は誘導体であってよく、単独であっても、既知の技術により提供される他のアミノ酸配列との組合せであってもよい。抗体は、どの種に由来してもよい。用語「抗体」には、本発明の抗体の結合断片も含まれ、例示の断片には、Fv、Fab、Fab’、一本鎖抗体(svFC)、二量体の可変領域(ダイアボディ)と、ジスルフィド安定化可変領域(dsFv)が含まれる。
【0073】
抗体に関連するときの用語「中和」は、標的抗原の活性を消失させるか又は有意に低下させる抗体の能力に関する。従って、「中和」抗アンジオポエチン−2抗体は、アンジオポエチン−2の活性を消失させるか又は有意に低下させることが可能である。中和アンジオポエチン−2抗体は、例えば、アンジオポエチン−2のその受容体、Tie−2への結合を妨げることによって作用する場合がある。この結合を妨げることによって、Tie−2媒介性のシグナル伝達は、有意に、又は完全に消失される。理想的には、アンジオポエチン−2に対する中和抗体は、血管新生を阻害する。
【0074】
用語「ポリペプチド」は、本明細書において、ポリペプチド配列のネイティブタンパク質、断片、又は類似体を意味する一般用語として使用する。従って、ネイティブタンパク質、断片、及び類似体は、ポリペプチド属の種である。本発明による好ましいポリペプチドは、ヒト重鎖免疫グロブリン分子とヒトκ軽鎖免疫グロブリン分子、並びに、重鎖免疫グロブリン分子をκ若しくはλ軽鎖免疫グロブリン分子のような軽鎖免疫グロブリン分子とともに含んでなる組合せにより形成される抗体分子、及びその逆の組合せの抗体、並びにこれらの断片及び類似体を含む。本発明による好ましいポリペプチドは、ヒト重鎖免疫グロブリン分子又はその断片を単独で含んでもよい。
【0075】
本明細書において使用される、ある対象へ適用される用語「天然に存在する」は、対象が天然に見出し得ることを意味する。例えば、天然の供給源より単離することができて、実験室において、又は他で人間により意図的に修飾されていない、生物体(ウイルスが含まれる)に存在するポリペプチド又はポリヌクレオチド配列は、天然に存在する。
【0076】
本明細書に言及する用語「ポリヌクレオチド」は、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドのいずれかで、少なくとも10塩基の長さのヌクレオチドのポリマー型、又はいずれかのヌクレオチド種の修飾型、又はRNA−DNAヘテロ二重鎖を意味する。この用語には、DNAの一本鎖及び二本鎖の形態が含まれる。
【0077】
本明細書に言及する用語「オリゴヌクレオチド」には、天然に存在するヌクレオチドと、天然に存在する連結と天然に存在しない連結により一緒に連結される修飾ヌクレオチドが含まれる。オリゴヌクレオチドは、200塩基以下の長さを概して含んでなるポリヌクレオチドのサブセットである。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、10〜60塩基の長さであり、最も好ましくは、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20〜40塩基の長さである。オリゴヌクレオチドは、通常、例えばプローブ用には一本鎖であるが、例えば遺伝子突然変異体の構築における使用には、二本鎖であってよい。オリゴヌクレオチドは、センス又はアンチセンスいずれのオリゴヌクレオチドでもよい。
【0078】
2つのアミノ酸配列は、その配列の間に部分的又は完全な同一性があれば、「相同」である。例えば、85%の相同性は、2つの配列を最大適合で並置するときに、85%のアミノ酸が同一であることを意味する。最大適合においてギャップ(適合する2つの配列の一方における)が許容され、5以下のギャップ長さが好ましく、2以下がより好ましい。あるいは、及び好ましくは、この用語が本明細書に使用されるように、2つのタンパク質配列(又は、それに由来する少なくとも約30アミノ酸の長さのポリペプチド配列)が相同であるのは、それらが、突然変異データマトリックス及び6以上のギャップペナルティを有するALIGNプログラムを使用して5より大きい(標準偏差単位において)アライメントスコアを有する場合である。Dayhoff, M. O.,「タンパク質配列及び構造の図説(Atlas of Protein Sequence and Structure)」101-110頁(第5巻、国立生物医学研究財
団[National Biomedical Research Foundation](1972))を参照のこと。2つの配列
又はその部分がより好ましい相同であるとは、そのアミノ酸が、ALIGNプログラムを使用して最適に並置するときに、50%以上同一である場合である。2つのオーソロガス
配列内で相同性が異なる領域があり得ると理解されるべきである。例えば、マウス及びヒトのオーソログの機能部位は、非機能領域よりも高い程度の相同性を有する場合がある。
【0079】
本明細書に使用するように、20種の慣用アミノ酸とその略語は、慣用の使用法に従う。参照により本明細書に組み込まれる、「免疫学−合成(Immunology−A Synthesis)」
(第2版、E. S. Golub and D. R. Gren, 監修、Sinauer Associates,マサチューセッツ州サンダーランド(1991))を参照のこと。20種の慣用アミノ酸の立体異性体(例、D−アミノ酸)、α,α−二置換アミノ酸のような非天然アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸、及び他の非慣用アミノ酸も、本発明のポリペプチドに適した成分であってよい。非慣用アミノ酸の例には、4−ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート、ε−N,N,N−トリメチルリジン、ε−N−アセチルリジン、O−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジン、5−ヒドロキシリジン、σ−N−メチルアルギニン、並びに、他の類似アミノ酸及びイミノ酸(例、4−ヒドロキシプロリン)が含まれる。本明細書に使用するポリペプチドの表記では、標準の使用法と慣例に従って、左手方向がアミノ末端の方向であり、右手方向がカルボキシ末端の方向である。
【0080】
同様に、他に特定しなければ、一本鎖ポリヌクレオチド配列の左手末端は5’末端であり;二本鎖ポリヌクレオチド配列の左手方向は、5’方向と呼ばれる。新生RNA転写物の5’から3’方向の付加は、転写方向と呼ばれ、RNAと同じ配列を有してRNA転写物の5’末端に対して5’であるDNA鎖上の配列領域は「上流配列」と呼ばれ、RNAと同じ配列を有してRNA転写物の3’末端に対して3’であるDNA鎖上の配列領域は「下流配列」と呼ばれる。
【0081】
本明細書に考察するように、抗体又は免疫グロブリン分子のアミノ酸配列におけるわずかな変異は、アミノ酸配列中のその変異が、本明細書に記載する抗体又は免疫グロブリン分子に対して少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、90%、95%、そして最も好ましくは99%の配列同一性を維持するのであれば、本発明により含まれるものと考慮される。特に、保存的アミノ酸置換が考慮される。保存的置換は、関連した側鎖を有するアミノ酸のファミリー内で起こるものである。遺伝的にコードされるアミノ酸は、一般に以下のファミリーへ分割される:(1)酸性=アスパルテート、グルタメート;(2)塩基性=リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;及び(4)非電荷極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシン。より好ましいファミリーは、以下のものである:セリンとスレオニンは、脂肪族−ヒドロキシファミリーであり;アスパラギンとグルタミンは、アミド含有ファミリーであり;アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンは、脂肪族ファミリーであり;そしてフェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンは、芳香族ファミリーである。例えば、ロイシンをイソロイシン又はバリンで、アスパルテートをグルタメートで、スレオニンをセリンで単離置換すること、又はアミノ酸を構造的に関連したアミノ酸で類似置換することは、特にその置換が骨格部位内のアミノ酸に関連しなければ、生じる分子の結合機能又は特性に大きな影響を及ぼさないと予期することは、合理的である。アミノ酸の変化が機能的なペプチドをもたらすかどうかは、ポリペプチド誘導体の比活性をアッセイすることによって容易に判定することができる。アッセイについては、本明細書において詳しく記載する。抗体又は免疫グロブリン分子の断片又は類似体は、当業者により容易に製造することができる。断片又は類似体の好ましいアミノ及びカルボキシ末端は、機能ドメインの境界近くで生じる。構造及び機能ドメインは、ヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列データの公の又は私有の配列データベースとの比較によって同定することができる。好ましくは、コンピュータ処理による比較法は、既知の構造及び/又は機能の他のタンパク質において生じる配列モチーフ又は予測タンパク質コンホメーションドメイン
を同定するために使用される。既知の三次元構造へ折り畳まれるタンパク配列を同定する方法が知られている。Bowie et al. Science 253: 164 (1991)。このように、先述の例は、当業者が、本明細書に記載の抗体に一致した構造及び機能ドメインを定義するために使用し得る配列モチーフ及び構造コンホメーションを認知することができることを示す。
【0082】
好ましいアミノ酸置換は:(1)タンパク分解への感受性を低下させる、(2)酸化への感受性を低下させる、(3)タンパク複合体を形成するための結合アフィニティーを改変させる、(4)結合アフィニティーを改変させる、及び(4)そのような類似体の他の物理化学特性又は機能特性を与えるか又は修飾する、である。類似体には、天然に存在するペプチド配列以外の配列の様々な変成タンパク質を含めることができる。例えば、単一又は多数のアミノ酸置換(好ましくは、保存的アミノ酸置換)を天然に存在する配列において(好ましくは、分子間接触を形成するドメイン(複数)の外側のポリペプチドの部分において)行ってよい。保存的アミノ酸置換は、元の配列の構造特性を実質的に変化させてはならない(例えば、置換アミノ酸は、元の配列において生じるらせんを破壊する傾向があってはならないし、元の配列を特徴づける他の種類の二次構造を壊してはならない)。当該技術分野で認知されているポリペプチドの二次及び三次構造の例は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、「タンパク質、構造及び分子の原理(Proteins, Structures and Molecular Principles)」(Creighton 監修、W. H. Freeman and Company, ニ
ューヨーク (1984));「タンパク構造入門(Introduction to Protein Structure)」(C.
Branden and J. Tooze 監修、Garland Publishing, ニューヨーク州ニューヨーク (1991)); 及び Thornton et al. Nature 354:105 (1991) に記載されている。
【0083】
本明細書に使用する用語「ポリペプチド断片」は、アミノ末端及び/又はカルボキシ末端の欠失を有するが、残るアミノ酸配列は、例えば全長cDNA配列より推定される天然に存在する配列における対応位置と同一であるポリペプチドを意味する。断片は、典型的には、少なくとも5、6、8、又は10のアミノ酸の長さ、好ましくは少なくとも14アミノ酸の長さ、より好ましくは少なくとも20アミノ酸の長さ、通常は少なくとも50アミノ酸の長さ、そしてなおより好ましくは少なくとも70アミノ酸の長さである。本明細書に使用する用語「類似体」は、推定アミノ酸配列の一部に対して実質的な同一性を有して、以下の特性の少なくとも1つを有する、少なくとも25アミノ酸のセグメントが含まれるポリペプチドを意味する:(1)好適な結合条件でアンジオポエチン−2へ特異的に結合すること、(2)適正なアンジオポエチン−2結合を妨げる能力、又は(3)アンジオポエチン−2活性を阻害する能力。典型的には、ポリペプチド類似体は、天然に存在する配列に対する保存的アミノ酸置換(又は付加又は欠失)を含む。類似体は、典型的には、少なくとも20アミノ酸の長さ、好ましくは少なくとも50アミノ酸の長さであるか又はそれより長く、しばしば、全長の天然に存在するポリペプチドと同じ長さであり得る。
【0084】
通常、ペプチド類似体は、製薬業界において、鋳型ペプチドと類似の特性のある非ペプチド医薬として使用されている。これらの種類の非ペプチド化合物は、「ペプチド模倣体」又は「ペプチド模擬体」と呼ばれる。Fauchere, J. Adv. Drug Res. 15:29 (1986); Veber and Freidinger TINS p.392 (1985); 及び Evans et al. J. Med. Chem. 30:1229 (1987)、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。このような化合物は、しばしば、コンピュータ処理される分子モデリングの助けを借りて開発されている。治療上有用なペプチドに構造的に類似しているペプチドミメティクスを使用して、同等の治療又は予防効果をもたらすことができる。一般に、ペプチドミメティクスは、ヒト抗体のようなパラダイム・ポリペプチド(即ち、生化学特性又は薬理活性を有するポリペプチド)に構造的に類似しているが、−−CHNH−−、−−CHS−−、−−CH−CH−−、−−CH=CH−−(cis及びtrans)、−−COCH−−、−−CH(OH)CH−−、及び−−CHSO−−からなる群より選択される結合に、当該技術分野でよく知られた方法によって置き換えられてもよい1以上の1以上のペプチド結合を有する。
コンセンサス配列の1以上のアミノ酸を同じ種類のD−アミノ酸で体系的に置換すること(例えば、L−リジンの代わりにD−リジン)を使用して、より安定なペプチドを産生することができる。さらに、コンセンサス配列又は実質的に同一なコンセンサス配列の変異を含んでなる不自然な(constrained)ペプチドを、当該技術分野で知られた方法(Rizo and Gierasch Ann. Rev. Biochem. 61:387 (1992)、参照により本明細書に組み込まれる
)によって;例えば、ペプチドを環化させる分子内ジスルフィド架橋を形成することが可能な内部システイン残基を付加することによって、産生することができる。
【0085】
抗体の「結合断片」は、組換えDNA技術によるか、又はインタクト抗体の酵素的又は化学的切断によって産生される。結合断片には、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、及び単鎖抗体が含まれる。「二重特異性」又は「二重機能性」抗体以外の抗体は、それぞれ同一の結合部位を有すると理解される。過剰の抗体がカウンターレセプター(counterreceptor)へ結合する受容体の量を少なくとも約20%、40%、60%、又は80
%、そしてより通常は約85%より大きく低下させる(in vitro 競合結合アッセイにお
いて測定されるように)とき、抗体は、受容体のカウンターレセプターへの接着を実質的に阻害する。
【0086】
用語「エピトープ」には、免疫グロブリン又はT細胞受容体への特異的な結合が可能なあらゆるタンパク質決定基が含まれる。エピトープの決定基は、通常、アミノ酸又は糖側鎖のような分子の化学的に活性な表面群からなり、そして、特定の電荷特性に加えて、特定の三次元構造特性を、必ずではないが、有する場合がある。抗体は、解離定数が≦1μM、好ましくは≦100nM、そして最も好ましくは≦10nMであるときに、エピトープへ特異的に結合すると言われる。
【0087】
用語「薬剤」は、本明細書において、化合物、化合物の混合物、生物学的高分子、又は生物学的材料より作製される抽出物を示すために使用する。
アンジオポエチン−1又はアンジオポエチン−2ポリペプチドに関して、「活性な」又は「活性」は、ネイティブなポリペプチドそのものとして生物学的又は免疫学的な活性を有するポリペプチドの部分を意味する。「生物学的」は、本明細書において使用するとき、ネイティブポリペプチドの活性により生じる生物学的機能を意味する。例えば、好ましいアンジオポエチン−2生物学的活性には、アンジオポエチン−2誘導性の血管新生が含まれる。
【0088】
「哺乳動物」は、すべての哺乳動物を意味するが、好ましくは、哺乳動物はヒトである。
酵素、パパインでの抗体の消化は、「Fab」断片としても知られる2つの同一の抗原結合断片と、抗原結合活性を有さないが、結晶化する能力は有する「Fc」断片をもたらす。酵素、ペプシンでの抗体の消化は、抗体分子の2つのアームが連結したままであり、2つの抗原結合部位を含むF(ab’)断片をもたらす。F(ab’)断片は、抗原を架橋連結する能力を有する。
【0089】
「Fv」は、本明細書に使用するとき、抗原認識部位と抗原結合部位の両方を保持する抗体の最小断片を意味する。
「Fab」は、本明細書に使用するとき、軽鎖の定常ドメインと重鎖のCH1ドメインを含む抗体の断片を意味する。
【0090】
用語「mAb」は、モノクローナル抗体を意味する。
「リポソーム」は、本明細書に使用するとき、本発明のアンジオポエチン−2ポリペプチド、又はそのようなアンジオポエチン−2ポリペプチドに対する抗体が含まれ得る薬物の哺乳動物への送達に有用であり得る小さな小胞を意味する。
【0091】
本明細書に使用する「標識」又は「標識化」は、検出可能な部分のポリペプチドへの付加を意味する(例えば、放射標識、蛍光標識、酵素標識、化学発光標識化、又はビオチニル基)。放射性同位体又は放射性核種には、H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131Iを含めてよく、蛍光標識には、ローダミン、ランタノイドホスホール(phosphors)、又はFITCを含めてよく、そして酵素標識には
、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼを含めてよい。
【0092】
本明細書に使用する用語「薬剤又は薬物」は、患者へ適切に投与するときに望ましい治療効果を引き起こすことが可能な化合物、組合せ、又は組成物を意味する。本明細書の他の化学用語は、「マクグローヒル化学用語辞典(The McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms)」(Parker, S. 監修、マクグローヒル、サンフランシスコ(1985))(参照
により本明細書に組み込まれる)に例示されるように、当該技術分野での慣用の使用法に従って使用する。
【0093】
用語「患者」には、ヒトと獣医学の被検者が含まれる。
これから本発明を以下の非限定的な実施例により例示するが、これらは、例示目的のためにのみ提供されて、本明細書の教示を限定するものと解釈してはならない。
【0094】
実施例1:抗体作製
免疫化
R&D Systems社(ミネソタ州ミネアポリス、カタログ番号623−AM/CF)より入手した組換えヒトアンジオポエチン−2を抗原として使用した。アンジオポエチン−2に対するモノクローナル抗体は、XenoMouse(登録商標)マウス(XenoMouse系XMG2及びXMG4(3C−1系)、Abgenix社、カリフォルニア州フレモント)を連続的に免疫化することによって発生させた。すべての注射でフットパッド経路によりXenoMouse動物を免疫化した。各注射の全容量は、マウスあたり50μl、フットパッドあたり25μlであった。初回の注射は、マウスあたり、発熱物質フリーのダルベッコPBS(DPBS)中に10μg CpG(15μlのImmunEasy Mouse Adjuvant,カタログ番号303101;ロット番号11553042;キアジェン)と1:1(v/v)混合した2.35μg組換えヒトアンジオポエチン−2(rhアンジオポエチン−2,カタログ番号623−AM/CF;ロット番号BN023202A)で行った。次の6回の追加免疫は、マウスあたり、25μgのAdju−Phos(リン酸アルミニウムゲル、カタログ番号1452−250,バッチ番号8937,HCI Biosector)と10μg CpGと混合した、発熱物質フリーのDPBS中2.35μgのrhアンジオポエチン−2で行って、その後、アジュバントを含まない発熱物質フリーのDPBS中2.35μgのrhアンジオポエチン−2による最後の追加免疫を行った。XenoMouseマウスは、このプロトコールの0、3、6、10、13、17、20、及び24日目に免疫化して、融合を29日目に実施した。
【0095】
採取用動物の力価による選択
免疫化XenoMouseマウスからの血清中の抗アンジオポエチン−2抗体力価をELISAにより測定した。簡潔に言えば、抗原コーティング緩衝液(0.1M炭酸塩緩衝液、pH9.6,NaHCO 8.4g/L)中、4℃で一晩、組換えアンジオポエチン−2(1μg/ml)を Costar Labcoat Universal Binding Polystyrene 96ウェルプレート(コーニング、マサチューセッツ州アクトン)上へコートした。翌日、Biotekプレート洗浄器を使用して、プレートを洗浄緩衝液(1×PBS中0.05% Tween20)で3回洗浄した。次いで、プレートを200μl/ウェルのブロッキング緩
衝液(1×PBS中0.5% BSA,0.1% Tween20,0.01%チメロサール)でブロックして、室温で1時間インキュベートした。1時間のブロッキングの後で、Biotekプレート洗浄器を使用して、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。アンジオポエチン−2免疫化XenoMouseマウス又は未処置XenoMouse動物のいずれか由来の血清を0.5% BSA/PBS緩衝液中で、1:100開始希釈液からデュプリケートで1:3希釈で滴定した。最後のウェルは、ブランクのままとした。これらのプレートを室温で2時間インキュベートしてから、Biotekプレート洗浄器を使用して、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。ヤギ抗ヒトIgG Fc特異的西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP,ピアス、イリノイ州ロックフォード)コンジュゲート抗体を1μg/mlの最終濃度で加えて、室温で1時間インキュベートした。次いで、Biotekプレート洗浄器を使用して、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。
【0096】
洗浄後、TMB発色基質(BioFx BSTP−0100−01)を加えて、10〜20分間、又は陰性対照ウェルが色を示しはじめるまで、プレートを発色させた。次いで、停止溶液(650nMのTMB用停止試薬(BioFx BSTP−0100−01)、ボトルあたり100ml HOで復元する)の添加によりELISAを止めた。それぞれのXenoMouse動物の特異的力価を650nmでの光学密度より測定した。
【0097】
リンパ球の回収、B細胞の単離、ハイブリドーマの融合及び作製
免疫化マウスを頸部脱臼により犠牲にし、各コホートより漏出するリンパ節を採取して、プールした。リンパ様細胞をDMEM中で粉砕することにより解離させて細胞を組織より遊離させて、その細胞をDMEMに懸濁させた。この細胞を計数し、1億個のリンパ球あたり0.9ml DMEMを細胞ペレットへ加えて、細胞を穏やかに、しかし完全に再懸濁させた。1億個の細胞につき100μlのCD90+磁気ビーズを使用して、細胞を磁気ビーズとともに4℃で15分間インキュベートすることによって、細胞を標識した。10個までの陽性細胞(又は、2×10個までの全細胞)を含有する磁気的に標識した細胞懸濁液をLS+カラム上へロードして、このカラムをDMEMで洗浄した。全ての溶出液をCD90陰性画分(これらの細胞のほとんどがB細胞であると予測された)として採取した。
【0098】
上記の洗浄済みの高濃度のB細胞とATCCより購入した非分泌性骨髄腫P3X63Ag8.653細胞、カタログ番号CRL1580(Kearney et al, J. Immunol. 123, 1979, 1548-1550)を1:1の比で混合することによって、融合を実施した。この細胞混合
物を800×gでの遠心分離により穏やかにペレット化した。上清の完全な除去の後で、この細胞を2〜4mLのプロナーゼ溶液(CalBiochem,カタログ番号53702;PBS中0.5mg/ml)により2分以下で間処理した。次いで、3〜5mlのFBSを加えて酵素活性を止めて、電気(electro)細胞融合溶液(ECFS,0.3Mス
クロース、シグマ、カタログ番号S7903,0.1mM酢酸マグネシウム、シグマ、カタログ番号M2545,0.1mM酢酸カルシウム、シグマ、カタログ番号C4705)を使用して懸濁液を全量40mlに調整した。遠心分離後、上清を除去して、細胞を40ml ECFSに再懸濁させた。この洗浄工程を繰り返して、細胞を再びECFSに再懸濁させて、2×10個の細胞/mlの濃度とした。
【0099】
電気−細胞融合は、融合装置(モデルECM2001,Genetronic社、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して実施した。使用する融合チャンバのサイズは2.0mlであり、以下の機器設定を使用した:
【0100】
アライメント条件:電圧:50V,時間:50秒。
膜破壊電圧:3000V,時間:30μ秒。
融合後の保持時間:3秒。
ECFの後で、細胞上清を無菌条件下に融合チャンバより慎重に取り出して、L−グルタミン、ペニシリン/ストレプトマイシン、OPI(オキサロ酢酸塩、ピルビン酸塩、ウシインスリン)(いずれもシグマより)とIL−6(ベーリンガーマンハイム)を補充した、同容量のハイブリドーマ培養メディウム(DMEM,JRH Biosciences)、15% FBS(Hyclone)を含有する滅菌管へ移した。この細胞を37℃で15〜30分間インキュベートしてから、400×g(1000rpm)で5分間遠心分離した。この細胞を少量のハイブリドーマ選択培メディウム(0.5×HA(シグマ、カタログ番号A9666)を補充したハイブリドーマ培養メディウム)に穏やかに再懸濁させて、96ウェルプレートあたり全部で5×10個のB細胞とウェルにつき200μlの最終プレーティングに基づいて、追加のハイブリドーマ選択培メディウムで適宜容量を調整した。この細胞を穏やかに混合してピペットで96ウェルプレートへ移し、そのまま増殖させた。7又は10日目にメディウムの半分を除去し、細胞にハイブリドーマ選択メディウムを再供給した。
【0101】
Elisaによる候補抗体の選択
14日間の培養後、ハイブリドーマ上清をアンジオポエチン−2特異的モノクローナル抗体のスクリーニングにかけた。ELISAプレート(Fisher,カタログ番号12−565−136)をコーティング緩衝液(0.1M炭酸緩衝液、pH9.6,NaHCO 8.4g/L)中50μl/ウェルのヒトアンジオポエチン−2(2μg/ml)でコートしてから、4℃で一晩インキュベートした。インキュベーション後、プレートを洗浄緩衝液(PBS中0.05% Tween20)で3回洗浄した。200μl/ウェルのブロッキング緩衝液(1×PBS中0.5% BSA,0.1% Tween20,0.01%チメロサール)を加えて、プレートを室温で1時間インキュベートした。インキュベーション後、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。50μl/ウェルのハイブリドーマ上清と陽性及び陰性の対照を加えて、プレートを室温で2時間インキュベートした。全体を通して使用する陽性対照は、アンジオポエチン−2免疫化XenoMouseマウス、XMG2アンジオポエチン−2 1群、フットパッド(fp)N160−7由来の血清であり、陰性対照は、KLH免疫化XenoMouseマウス、XMG2 KLH 1群、フットパッド(fp)L627−6由来の血清であった。
【0102】
インキュベーション後、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。100μl/ウェルの検出抗体である、ヤギ抗huIgGFc−HRP(Caltag,カタログ番号H10507)を加えて、プレートを室温で1時間インキュベートした。二次スクリーニングでは、一次スクリーニングで陽性であったものについて、IgGとIgκの両方について完全にヒトの組成であることを実証するために、2つのセット、一方はhIgG検出用、他方はヒトIgκ軽鎖検出用(ヤギ抗hIgκ−HRP(Southern Biotechnology,カタログ番号2060−05))でスクリーニングした。インキュベーション後、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。100μl/ウェルのTMB(BioFX Lab.カタログ番号TMSK−0100−01)を加えて、プレートを約10分間(陰性対照ウェルがかろうじて色を示しはじめるまで)発色させた。次いで、50μl/ウェルの停止溶液(TMB停止溶液,(BioFX Lab.カタログ番号STPR−0100−01)を加えて、プレートをELISAプレートリーダーで、450nmで読み取った。アンジオポエチン−2に対する185の完全ヒトIgGκ抗体があった。
【0103】
ELISAアッセイにおいて結合したすべての抗体について、アンジオポエチン−1と交差反応するものを同定するために、アンジオポエチン−1への結合をELISAによりカウンタースクリーニングすることができる。ELISAプレート(Fisher,カタログ番号12−565−136)をコーティング緩衝液(0.1M炭酸緩衝液、pH9.6,NaHCO 8.4g/L)中50μl/ウェルの組換えアンジオポエチン−1(2μg/ml,R&D Systemsより入手、カタログ番号293−AN−025/
CF)でコートしてから、4℃で一晩インキュベートした。
【0104】
抗体同定番号と配列ID番号
以下の表1は、抗アンジオポエチン−2抗体の同定番号を対応する重鎖及び軽鎖の遺伝子の配列番号とともに報告する。
【0105】
表1
【0106】
【表1】

【0107】
Tie−2へのアンジオポエチン−2結合の阻害
上記に考察したように、アンジオポエチン−2は、Tie−2受容体へ結合することによってその生物学的効果を発揮する。改変ELISAを使用する競合結合アッセイによって、アンジオポエチン−2/Tie−2結合を阻害したモノクローナル抗体を同定した。使用するmAbは、アンジオポエチン−2に特異的であったハイブリドーマプール(上記
参照)の50mlの消耗上清からのミクロ精製の産物であった。4℃で一晩インキュベートすることによって、96ウェルNunc ImmplatesTMを100μlの組換えヒトTie−2/Fc融合タンパク質(R&DSystems社、カタログ番号313−TI−100)、4μg/mlでコートした。SkanTMWasher 300ステーション(SKATRON)を使用して、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)でこのプレートを4回洗浄した。ウェルを、100μlのABXブロッキング緩衝液(PBS中0.5% BSA,0.1% Tween,0.01%チメロサール)で1時間ブロックした。
【0108】
ビオチニル化組換えヒトアンジオポエチン−2(R&D Systems社、カタログ番号BT623)を100ng/mlで、100μg/ml抗アンジオポエチン−2mAbを有する又は有しない各ウェルに加えた。このプレートを室温で2時間インキュベートした後で、非結合分子を洗い落とした。次いで、100μl/ウェルのストレプトアビジン−HRPコンジュゲートを1:200で使用し、室温で0.5時間インキュベートすることによって、結合したビオチニル化アンジオポエチン−2を検出した。2回洗浄後、結合したストレプトアビジンをHRP基質(R&D Systems,カタログ番号DY998)により検出した。プレートを30分間インキュベートした後で、450停止溶液(100μl/ウェル、BioFX,カタログ番号BSTP−0100−01)を加えて、この反応を止めた。450nmでの吸光度をSpectramax Plusリーダーにより測定した。
【0109】
アンジオポエチン−2に対して10倍モル濃度過剰の可溶性組換えTie−2/Fc融合タンパク質を陽性対照として使用した。この濃度で、Tie−2/Fcは、アンジオポエチン−2の固定化Tie−2に対する結合を80%阻害した。これを任意の判定基準とすると、175のアンジオポエチン−2結合mAbのうち74が阻害活性を示した。
【0110】
以下の標準手順に従うことにより、限界希釈法を使用して、各ハイブリドーマをクローニングした。各ハイブリドーマより3つの姉妹クローンを採取した。各クローンにつき、各抗体がアンジオポエチン−2にのみ特異的であることを確認するために、上記に記載のように、ヒトアンジオポエチン−2へ結合ELISAとアンジオポエチン−1へカウンター結合するELISAを使用して上清を試験した。この消耗上清中のIgGの濃度を測定して、各ハイブリドーマ由来の3つの姉妹クローンの中で最高収率の1つのクローンをIgG精製用に選択した。さらなる特性決定のために、0.5〜1mgのIgGを各上清より精製した。
【0111】
アンジオポエチン−2のTie−2への結合に対するmAbの阻害活性を定量するために、競合結合アッセイを使用して、最良の候補より精製したmAbについて力価を測定した。このmAbの各濃度をデュプリケートで試験した。Graphpad PrismTMグラフィックソフトウェア(非線形、S字状曲線)を使用する曲線適合によって、濃度−応答の関係を見出した。このソフトウェアにより、最大阻害(有効性)とIC50(力価)を計算した。高い有効性と力価をともに明示した10種のモノクローナル抗体を選択した。これらmAbの有効性及び力価を表2に示す。
【0112】
表2.抗アンジオポエチン−1/アンジオポエチン−2mAbの有効性及び力価
【0113】
【表2】

【0114】
次いで、mAbのアンジオポエチン−1へのアフィニティーを測定することによって、mAb3.19.3のアンジオポエチン−1に対する交差反応性を検討した。
Biacore分析を使用する抗アンジオポエチン−1抗体アフィニティーの定量
mAbのアンジオポエチン−1に対するアフィニティーを測定することによって、この抗体のアンジオポエチン−1への交差反応性をさらに検討した。ELISAベースのカウンター結合で記載のように、アンジオポエチン−1を固定する代わりに、mAbをCM5
Biacoreチップへ固定して、溶液中のアンジオポエチン−1をオン速度及びオフ速度の測定用に注入した。6種のmAb;3.3.2、3.31.2、5.16.3、5.86.1、5.88.3、及び3.19.3について試験した。
【0115】
ミディアム・レゾリューション・スクリーン(Medium Resolution Screen)
ラベルフリーの表面プラズモン共鳴(SPR)、又はBiacore2000装置を利用して、抗体のアンジオポエチン−1へのアフィニティーを測定した。この目的のために、定型的なアミンカップリングを使用して、CM5 Biacoreチップ上に高密度ヤギα−ヒト抗体表面を調製した。発色実験用に、精製mAb(クローン3.3.2、3.31.2、5.16.3、5.86.1、5.88.3、及び3.19.3)を、100μg/ml BSAを含有するHBS−Pランニング緩衝液中ほぼ2.5〜3.5μg/mlへ希釈した。各mAbの捕捉レベルは、ほぼ150RUであった。mAbベースラインを安定化させるために、各捕捉サイクルに5分の洗浄を続けた。
【0116】
ランニング緩衝液中87.4nMへ希釈した単一のアンジオポエチン−1試料をすべての捕捉表面にわたり1分間注入した。アンジオポエチン−1がmAb3.19.3へ結合することを見出した。mAb捕捉レベルを500〜600RUより十分高く増加させて、380nMアンジオポエチン−1を1分間注入することによって、この実験を繰り返した。アンジオポエチン−1がmAb3.19.3へ結合することを再び見出した。
【0117】
実施例2:組合せ試験
低分子VEGFチロシンキナーゼ阻害剤と組み合わせたmAb3.19.3の活性について評価した。
【0118】
A431及びColo205異種移植片モデルにおける、4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリンと組み合わせたmAb3.19.3の治療効力の測定
A431及びColo205細胞系をそれぞれ使用するヒト皮膚類表皮癌の異種移植片モデル(試験A)と結直腸癌のモデル(試験B)において、VTKI:4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリンと組み合わせたモノクローナル抗体3.19.3の抗腫瘍活性について評価した。
【0119】
A431細胞とColo205細胞を、細胞がサブコンフルエントに達するまで、定常通りにフラスコで培養した。免疫不全である6〜8週齢の雌性マウス(Ncr/nu/nu)を使用した。細胞を採取して、Matrigelに懸濁させた。1〜5×10個の細胞を含有する細胞懸濁液をマウスの脇腹へ皮下注射した。このマウスを、それぞれが10〜15匹のマウスを含有する異なる群に無作為に分けた。腫瘍体積が200mmに達したとき、マウスを無作為に各群に分け、処置を開始した。生理食塩水中のmAb3.19.3 10mg/kgを週2回、2週間、腹腔内注射した。4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリンを、1% Tween80を含有する水中1.5〜6mg/kgに及ぶ用量で毎日経口処置した。それぞれの腫瘍の寸法を週2回測定した。腫瘍の体積は:体積=長さ×(幅)×0.5(cm)として計算した。
【0120】
試験A:A431ヒト腫瘍異種移植片における、4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリンと組み合わせたmAb3.19.3の治療有効性の測定
A431組合せ異種移植片有効性試験の結果を図1aに示す。これは、この組合せがそれぞれの単剤単独より有意に高い活性を生じることを例示する。達成された腫瘍増殖阻害(%)は、以下の通りである:
3.19.3(10mg/kg 2×週)=46%;(p<0.01)
4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリン(3mg/kg/日)=69%;(p<0.001)
組合せ:3.19.3 + 4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリン=89%阻害(組合せ対単剤について、p<0.001)。
【0121】
体重の変化により測定されるように、単剤処置単独に比較して、組合せでは追加の毒性を観察しなかった(図1b)。これらの結果は、前臨床モデルにおいて抗Ang2 mAb3.19.3とVTKI:4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリンでの組合せ処置が追加毒性を伴わない効力の改善をもたらすことを実証して、この組合せのさらなる臨床調査への基礎が提供される。
【0122】
試験B:ヒトColo205結腸腫瘍異種移植片における、4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリンと組み合わせたmAb3.19.3の治療有効性の測定
Colo205組合せ異種移植片有効性試験の結果を図2aに示す。これは、この組合せがそれぞれの単剤単独より有意に高い活性を生じることを例示する。達成された阻害(%)は、以下の通りである:
3.19.3(10mg/kg 2×週)=35%;(p<0.05)
4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリン(6mg/kg/日)=57%;(p<0.001)
組合せ:3.19.3 + 4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリン=87%阻害(組合せ対単剤について、p<0.001)。
【0123】
体重の変化により測定されるように、単剤処置単独に比較して、組合せでは追加の毒性を観察しなかった(図2b)。これらの結果は、前臨床モデルにおいて抗Ang2 mAb3.19.3とVTKI:4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリンでの組合せ処置が追加毒性を伴わない有効性の改善をもたらすことを実証して、この組合せのさらなる臨床調査への基礎が提供される。
【0124】
ヒトHT29結腸腫瘍異種移植片における、AZD2171と組み合わせたmAb3.19.3の治療有効性の測定 ヒトHT29異種移植片において、AZD2171と組み合わせたmAb3.19.3の効力を評価した。簡潔に言えば、0.1mlの無血清ロズウェルパーク記念研究所(Roswell Park Memorial Institute:RPMI)−1640培
地中5×10個のHT29腫瘍細胞を60匹の無胸腺(nu/nu遺伝子型)マウスの脇腹へ皮下注射した。腫瘍が200〜400mmの体積に達したとき(9〜10日目)、マウスを無作為に数群(各群8匹)に分けて、処置を開始した(0日目)。
【0125】
対照群(第1群)は、媒体のみの連日経口(p.o.)投与を28日連続(0〜27日目)で受けた。第2群の処置は、1.5mg/kg/投与でのAZD2171単独の連日p.o.投与、28日連続(0〜27日目)からなった。AZD2171は、1%ポリソルベート80(即ち、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートの1%(v/v)脱イオン溶液)中の懸濁液として調製した。第3群は、0、3、7、10、14、17、21、及び24日目における、10mg/kg/注射でのmAb3.19.3の8回の腹腔内(i.p)注射を受けた。第4群は、0、3、7、10、14、17、21、及び24日目における、10mg/kg/注射でのmAb3.19.3の8回のi.p.注射と組み合わせた、AZD2171の連日p.o.投与を1.5mg/kg/投与で28日連続(0〜27日目)受けた。AZD2171の投与量は、10.0ml/kg(即ち、20gのマウスにつき200μl)であった。mAb3.19.3の注射量は、10.0ml/kg(即ち、20gのマウスにつき200μl)であった。
【0126】
表3.投薬スケジュール
【0127】
【表3】

【0128】
腫瘍体積(mm)について、週に少なくとも2回、両側ノギス測定により評価し、長さを腫瘍を横切る最長直径、幅を対応する垂線として、式:(π/6)×(長さ×幅)×√(長さ×幅)を使用して計算した。対照及び処置群間の腫瘍体積の差の比較により、処置の開始からの増殖阻害を評価した。すべてのマウスで、試験を28日後に止めた。すべてのマウスについて、腫瘍を切除して、試験終了時の体重を記録した。
【0129】
表4.腫瘍増殖に対する処置の効果
【0130】
【表4】

【0131】
図3aと表4に例示されるように、AZD2171とmAb3.19.3の組合せは、3.19.3単独より有意に大きな腫瘍増殖の阻害(P<0.0001、単剤対組合せ:P値は、等分散を仮定する片側2標本t検定により導いた)をもたらした。体重の変化により測定されるように、単剤処置単独に比較して、組合せでは追加の毒性を観察しなかった(図3b)。これらの結果は、前臨床モデルにおいて抗Ang2 mAb3.19.3とVEGF阻害剤、AZD2171での組合せ処置が追加毒性を伴わずに有効性の改善をもたらすことを実証して、この組合せのさらなる臨床調査への基礎が提供される。
【0132】
ヒトLoVo結腸腫瘍異種移植片における、ZactimaTMと組み合わせたmAb3.19.3の治療有効性の測定
結腸直腸癌のLovo異種移植片モデルにおいて、モノクローナル抗体、3.19.3の抗腫瘍活性を評価した。簡潔に言えば、Lovo細胞を、細胞がサブコンフルエントに達するまで、定常通りにフラスコで培養した。免疫不全である8週齢の雄性NCrヌードマウスを使用した。3×10個の細胞を含有する細胞懸濁液をマウスの右脇腹へ皮下注射し、腫瘍体積が200mmに達したとき、マウスを数群に無作為にグループ分けして、処置を開始した。生理食塩水中のmAb3.19.3 10mg/kgを週2回、2週間、腹腔内注射した。ZactimaTMを、1% Tween80を含有する水中25〜50mg/kgの用量で連日経口処置した。それぞれの腫瘍の寸法を週2回測定した。腫瘍の体積は:体積=長さ×(幅)×0.5(cm)として計算した。図4aに例示されるように、mAb3.19.3とZactimaTMは、単剤として、Lovo腫瘍の増殖を有意に遅らせた。しかしながら、mAb3.19.3とZD6474の組合せは、以下の腫瘍阻害の数値により例示されるように、単剤単独より有意に大きな効果を及ぼした:
3.19.3(10mg/kg 2×週)=48%;(p<0.001)
ZactimaTM(50mg/kg/日)=46%;(p<0.001)
組合せ:3.19.3+ZactimaTM=83%阻害(組合せ対単剤について、p<0.001)。
【0133】
体重の変化により測定されるように、単剤処置単独に比較して、組合せでは追加の毒性を観察しなかった(図4b)。これらの結果は、前臨床モデルにおいて抗Ang2 mAb3.19.3とVEGF阻害剤、ZactimaTMでの組合せ処置が追加毒性を伴わない有効性の改善をもたらすことを実証して、この組合せのさらなる臨床調査への基礎が提供される。
【0134】
ヒトSW620結腸腫瘍異種移植片における、mAb DC101と組み合わせたmAb3.19.3の治療有効性の測定
SW620結腸直腸癌異種移植片モデルにおいて、VEGFR−2/KDRに対して向けられるモノクローナル抗体、DC101と組み合わせたmAb3.19.3の抗腫瘍活性を評価した。簡潔に言えば、SW620細胞を、細胞がサブコンフルエントに達するまで、フラスコにおいて定常の組織培養条件下で培養した。免疫不全である8〜10週齢のNCrヌードマウスを使用して、ほぼ1×10個の細胞を含有する細胞懸濁液をマウスの右脇腹へ皮下注射した。腫瘍体積が100mmに達した後で、マウスを無作為に群に分け、処置を開始した。生理食塩水中のmAb3.19.3 10mg/kgを週2回、3週間、腹腔内注射した。生理食塩水中のmAb DC101 15mg/kgも、週2回、3週間の同じスケジュールに従って、腹腔内注射した。それぞれの腫瘍の寸法を週2回測定した。腫瘍の体積は:体積=長さ×(幅)×0.5(cm)として計算した。図5aに例示されるように、mAb3.19.3とDC101の組合せは、どちらかの単剤単独よりも有意に高い活性を示す。このことは、以下の腫瘍阻害の数値によっても例示される:
3.19.3(10mg/kg 2×週)=48%;(p<0.03)
DC101(15mg/kg 2×週)=66%;(p<0.01)
組合せ:3.19.3+DC101=93%阻害(組合せ対単剤について、p<0.001)。
【0135】
体重の変化により測定されるように、単剤処置単独に比較して、組合せでは追加の毒性を観察しなかった(図5b)。これらの結果は、前臨床モデルにおいて抗Ang2 mAb3.19.3と抗VEGFR−2抗体、DC101での組合せ処置が追加毒性を伴わな
い有効性の有意な改善をもたらすことを実証する。このデータは、AVASTINTMが含まれる他の抗血管新生抗体の組合せを伴う抗Ang2 mAb3.19.3処置のさらなる臨床調査への基礎が提供される。
【0136】
ヒト腫瘍異種移植片における、AVASTINTMと組み合わせたmAb3.19.3の治療効力の判定
ヒト腫瘍の異種移植片モデルにおいて、AVASTINTMと組み合わせたモノクローナル抗体3.19.3の抗腫瘍活性を評価することができる。A431、Colo205、LoVo、又は他の細胞を、細胞がサブコンフルエントに達するまで、定常通りにフラスコで培養することができる。免疫不全である7〜10週齢の雄性又は雌性NCRヌードマウスをモデル開発に利用することができる。細胞は採取し、Matrigelに懸濁させ、各マウスへ皮下注射することができる。次いで、このマウスを、無作為に8〜10匹のマウスを含有するコホートへ分けることができる。AVASTINTMとmAb3.19.3は、腹腔内又は静脈内の注射により投与することができる。それぞれの腫瘍の寸法は、週2回測定することができる。腫瘍の体積は:体積=長さ×(幅)×0.5(cm)として、又は両側ノギス測定、長さを腫瘍を横切る最長直径であり、幅を対応する垂線であるとし、式:(π/6)×(長さ×幅)×√(長さ×幅)を使用して計算することができる。処置の開始からの増殖阻害について、対照群と処置群間の腫瘍体積の差の比較により測定することができる。
【0137】
AVASTINTM処置と組み合わせるmAb3.19.3の組合せは、いずれかの単剤単独よりも有意に高い腫瘍増殖の阻害をもたらすと予測される(単剤対組合せについて、P<0.01、:P値は、等分散を仮定する片側2標本t検定により導く)。
【0138】
ヒト腫瘍異種移植片における、SU11248(Sutent)又はBAY43−9006(Sorafinib)と組み合わせたmAb3.19.3の治療有効性の測定
ヒト腫瘍の異種移植片モデルにおいて、Sutent又はSorafinibと組み合わせたモノクローナル抗体3.19.3の抗腫瘍活性を評価することができる。HT29、A431、Colo205、LoVo、又は他のヒト腫瘍細胞を、細胞がサブコンフルエントに達するまで、定常通りにフラスコで培養することができる。免疫不全である7〜10週齢の雄性又は雌性NCRヌードマウスをモデル開発に利用することができる。細胞は採取し、Matrigelに懸濁させてから、各マウスへ皮下注射することができる。次いで、このマウスを、無作為に8〜10匹のマウスを含有するコホートへ分けることができる。SutentとmAb3.19.3は、以下の表に従って、腹腔内又は静脈内の注射により投与することができる。
【0139】
【表5】

【0140】
それぞれの腫瘍の寸法は、週2回測定することができる。腫瘍の体積は:体積=長さ×
(幅)×0.5(cm)として、又は両側ノギス測定により、長さを腫瘍を横切る最長直径であり、幅を対応する垂線であるとし、式:(π/6)×(長さ×幅)×√(長さ×幅)を使用して計算することができる。処置の開始からの増殖阻害について、対照群と処置群間の腫瘍体積の差の比較により評価することができる。
【0141】
Sutent又はSorafinibと組み合わせるmAb3.19.3の組合せは、いずれかの単剤単独よりも有意に高い腫瘍増殖の阻害をもたらすと予測される(単剤対組合せについて、P<0.01、:P値は、等分散を仮定する片側2標本t検定により導く)。
【0142】
表1に収載するモノクローナル抗体の可変領域のヌクレオチド及びポリペプチド配列を以下に示す。
抗Ang−2モノクローナル抗体3.3.2
重鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTCCAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGTCTCTGGATTCACCTTTAGTAGCTATTGGATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGAGAAATACTATGTGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCACTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGAGATCAAGGTATAGCAGTGGCTGGGCCCTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCC(配列番号1)
重鎖可変領域のアミノ酸配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAVSGFTFSSYWMSWVRQAPGKGLEWVANIKQDGSEKYYVDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDQGIAVAGPFDYWGQGTLVTVSSA(配列番号2)
軽鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GAAATAGTGATGACGCAGTCTCCAGCCACCCTGTCTGTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGACTGTTAGCAGCGACTTAGCCTGGTACCAGCAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGAGCATCCATTAGGGCCACTGGTATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGAGTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGTCTGAAGATTTTGCAGTTTATTCCTGTCAGCAGTATTATAACTGGTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGAA(配列番号3)
軽鎖可変領域のアミノ酸配列:
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCRASQTVSSDLAWYQQKPGQAPRLLIYGASIRATGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYSCQQYYNWWTFGQGTKVEIKR(配列番号4)
抗アンジオポエチン−2モノクローナル抗体3.19.3
重鎖可変領域のヌクレオチド配列:
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCGTGGTCCAGCCTGGGAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCACTAACTATGGCATGCACTGGGGCCGCCAGGCTCCAGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCAGTTATATCACATGATGGAAATAATAAGTATTATGTAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCTGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGAGAGGGAATCGATTTTTGGAGTGGCCTCAACTGGTTCGACCCCTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCC(配列番号:5)
重鎖可変領域のアミノ酸配列:
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFTNYGMHWGRQAPGKGLEWVAVISHDGNNKYYVDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGIDFWSGLNWFDPWGQGTLVTVSSA(配列番号6)
軽鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GAAATTGTGTTGACGCAGTCTCCAGGCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACTCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTATTACCGGCAGCTACTTAGCCTGGTACCAGCAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGACTCCTCATCTGTGGTGCATCCAGCTGGGCCACTGGCATCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGTAGACTGGAGCCTGAAGATTTTGCAGTGTATTACTGTCAGCAGTATAGTAGTTCACCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGATTAAACGA(配列番号7)
軽鎖可変領域のアミノ酸配列:
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSITGSYLAWYQQKPGQAPRLLICGASSWATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYSSSPITFGQGTRLEIKR(配列番号8)
抗Ang−2モノクローナル抗体3.31.2
重鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTCCAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTAGTAGCTATTGGATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGACAAATACTATGTGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCACTGTATCTGCGAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTGTTTTACTGTGCGAGAGATATGGGCAGTGGCTGGTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCC(配列番号9)
重鎖可変領域のアミノ酸配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYWMSWVRQAPGKGLEWVANIKQDGSDKYYVDSVKGRFTISRDNAKNSLYLRMNSLRAEDTAVFYCARDMGSGWFDYWGQGTLVTVSSA(配列番号10)
軽鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GAAGTAGTGATGACGCAGTCTCCAGCCACCCTGTCTGTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTGTTGGCAGCAACTTAGCCTGGTACCAGCAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATCCACCAGGGCCACTGGTATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGAGTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGTCTGAAGATTTTGCAGTTTATTGCTGTCAGCAGTATAATCACTGGTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGA(配列番号11)
軽鎖可変領域のアミノ酸配列:
EVVMTQSPATLSVSPGERATLSCRASQSVGSNLAWYQQKPGQAPRLLIYGASTRATGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYCCQQYNHWWTFGQGTKVEIKR(配列番号12)
抗Ang−2モノクローナル抗体5.16.3
重鎖可変領域のヌクレオチド配列:
CAGGTACAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCGGCTTCTATATGTACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATGGATCAACCCTAACAGTAGTGGCACAAACCATGCACAGAAGTTTCAGGGCAGGGTCACCATGACCAGGGACACGTCCATCAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGGCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGATCAGGATATAGCAACAGCTGGTCCCTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGC(配列番号13)
重鎖可変領域のアミノ酸配列:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGFYMYWVRQAPGQGLEWMGWINPNSSGTNHAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDQDIATAGPFDYWGQGTLVTVSS(配列番号14)
軽鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GAAATAGTGATGACGCAGTCTCCAGCCACCCTGTCTGTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTGTTAGCAGCAACTTAGCCTGGTACCAGCAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTTTGGTGCATCCACCCGGGCCACTGGTATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGAGTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGTCTGAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAGCAGTATAATAACTGGTGGACGTTCGGCCGAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGAA(配列番号15)
軽鎖可変領域のアミノ酸配列:
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCRASQSVSSNLAWYQQKPGQAPRLLIFGASTRATGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYYCQQYNNWWTFGRGTKVEIKR(配列番号16)
抗Ang−2モノクローナル抗体5.28.1
重鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GAAGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAATCGTGGTACAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTGATGATTATACCATGCACTGGGTCCGTCAAACTCCGGGGAAGGGTCTGGAGTGGGTCTCTCTTATTAGTTGGGATGGTGGTAGCACATACTATGCAGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACAGCAAAAACTCCCTGTATCTGCAAATGAACAGTCTGAGAACTGAGGACACCGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGATATAGATATAGCAGTGGCTGGTACAGGATTTGACCACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCT(配列番号17)
重鎖可変領域のアミノ酸配列:
EVQLVESGGIVVQPGGSLRLSCAASGFTFDDYTMHWVRQTPGKGLEWVSLISWDGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNSLYLQMNSLRTEDTALYYCAKDIDIAVAGTGFDHWGQGTLVTVSSA(配列番号18)
軽鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GAAATAGTGATGACGCAGTCTCCAGCCACCCTGTCTGTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGT
CAGAGTGTTACCAGCAACCTAGCCTGGTACCAGCAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATTAATTAGGGCCACTGGTATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGAGTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGTCTGAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAGCAATATAATAACTGGCCATTCACTTTCGGCCCTGGGACCAAAGTGGATATCAAACGA(配列番号19)
軽鎖可変領域のアミノ酸配列:
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCRASQSVTSNLAWYQQKPGQAPRLLIYGALIRATGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYYCQQYNNWPFTFGPGTKVDIKR(配列番号20)
抗Ang−2モノクローナル抗体5.78.3
重鎖可変領域のヌクレオチド配列:
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCGGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATGGATCAACCCTAACAGTGGTGGCACAAACTATGCACAGAAGTTTCAGGGCAGGGTCACCATGACCAGGGACACGTCCATCAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGGCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGATAGGGGCTGGAACTACGCAGACTACTACTACTACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCT(配列番号21)
重鎖可変領域のアミノ酸配列:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPNSGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDRGWNYADYYYYGMDVWGQGTTVTVSSA(配列番号22)
軽鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GACATCGTGATGACCCAGTCTCCAGACTCCCTGGCTGTGTCTCTGGGCGAGAGGGCCACCATCAACTGCAAGTCCAGCCAGAGTGTTTTATACAGTTCCAACAATCAGAACTTCTTAGCTTGGTATCAGCAGAAACCAGGACAGCCTCCTAAACTGCTCATTTACTGGGCATCTACCCGGGAATCCGGGGTCCCTGACCGATTCAGTGGCAGCGGGTCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGGCTGAAGATGTGGCAGTTTATTACTGTCACCAATATTATAGTACTCCGATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGATTAAACGA(配列番号23)
軽鎖可変領域のアミノ酸配列:
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSVLYSSNNQNFLAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCHQYYSTPITFGQGTRLEIKR(配列番号24)
抗Ang−2モノクローナル抗体5.86.1
重鎖可変領域のヌクレオチド配列:
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCGGCTACCATATGTACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGCTGGGATGGATCAACCCTAACAGTGGTGGCACAAACTATGCACAGAAGTTTCAGGGCAGGGTCACCATGACCAGGGACACGTCCATCAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGGCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGTGAGAGATCAGGGTATAGCAGCAGCTGGTCCCTTTGACTACTGGTGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCT(配列番号25)
重鎖可変領域のアミノ酸配列:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYHMYWVRQAPGQGLEWLGWINPNSGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCVRDQGIAAAGPFDYWCQGTLVTVSSA(配列番号26)
軽鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GACATCCGGATGACCCAGTCTCCATCCTCCCTGTCTGCATCTGTTGGAGACAGAGTCACCATCACTTGCCGGGCAAGTCAGCGCATTAGCACCTATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGGGAAAGCCCCTAAGTTCCTGATCTATGCTGCATCTAGTTTGCAAAGTGGGGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGTCTGCAACCTGAAGATTTTGCAACTTACTACTGTCAACAGAGTTACACTACCCCATTCACTTTCGGCCCTGGGACCAAAGTGGATATCAAACGA(配列番号27)
軽鎖可変領域のアミノ酸配列:
DIRMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQRISTYLNWYQQKPGKAPKFLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYTTPFTFGPGTKVDIKR(配列番号28)
抗Ang−2モノクローナル抗体5.88.3
重鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GAGGTGCAGATGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTCCAGCCGGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTAAGAAGCTACTGGATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTGGCCAACATAAAGGAAGACGGAAGTGAGAAATACCATGTGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCGAGAACTCACTGT
TTCTGCAAATGAGCAGCCTGCGAGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGAGATATGGAAGCATCAGCTGGCCTCTTTGACTACTGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCT(配列番号29)
重鎖可変領域のアミノ酸配列:
EVQMVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTLRSYWMSWVRQAPGKGLEWVANIKEDGSEKYHVDSVKGRFTISRDNAENSLFLQMSSLRAEDTAVYYCARDMEASAGLFDYWGQGTLVTVSSA(配列番号30)
軽鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GAAATAGTGATGACGCAGTCCCCAGCCACCCTGTCTGTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCATCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTATTAGCAGCAACTTAGCCTGGTACCAGCAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATCCACCAGGGCCACTGGTATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGAGTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGTCTGAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAGCAGTATAATTACTGGTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGA(配列番号31)
軽鎖可変領域のアミノ酸配列:
EIVMTQSPATLSVSPGERAILSCRASQSISSNLAWYQQKPGQAPRLLIYGASTRATGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYYCQQYNYWWTFGQGTKVEIKR(配列番号32)
抗Ang−2モノクローナル抗体5.101.1
重鎖可変領域のヌクレオチド配列:
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCGGCTACTATATGCACTGGGTGCCACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATGGATCAACCCTAACAGTGGTGGCACAAACTATGCACAGAAGTTTCAGGGCAGGGTCACCATGACCAGGGACACGTCCATCAGCACAGCTTACATGGAGCTGAGGAGGCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGATGGGGGTAGTATACCAGTGTCTGGTCACTTTGACTACTGGGGGCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCT(配列番号33)
重鎖可変領域のアミノ酸配列:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVPQAPGQGLEWMGWINPNSGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELRRLRSDDTAVYYCARDGGSIPVSGHFDYWGQGTLVTVSSA(配列番号34)
軽鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GAAATAGTGATGACGCAGTCTCCAGCCACCCTGTCTGTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTCTTATCAGCAACTTAGCCTGGTACCAGCAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTTTGGTGCATCCACCAGGGCCACTGGTATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGAGTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGTCTGAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCATCAGTATAATAACTGGTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGA(配列番号35)
軽鎖可変領域のアミノ酸配列:
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCRASQSLISNLAWYQQKPGQAPRLLIFGASTRATGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYYCHQYNNWWTFGQGTKVEIKR(配列番号36)
抗Ang−2モノクローナル抗体5.103.1
重鎖可変領域のヌクレオチド配列:
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGGGCTGAGGTGAAAAAGCCTGGGGCCTCAGTCAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCGGCTACTATTTGTACTGGGTGCCACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATGGATCAGCCCTAACAGTGGTGGCACAAACTATGCACAGAAGTTTCAGGGCAGGGTCACCATGACCAGGGACACGTCCATCAGCACAGCCTACATGGAGCTGAGCAGGCTGAGATCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGAGATCAGGTCATAGCAGTAGCTGGTCCCTTTGACTACTGGGCCCAAGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCT(配列番号37)
重鎖可変領域のアミノ酸配列:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYLYWVPQAPGQGLEWMGWISPNSGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARDQVIAVAGPFDYWAQGTLVTVSSA(配列番号38)
軽鎖可変領域のヌクレオチド配列:
GAAACAGTGATGACGCAGTCTCCAGCCACCCTGTCTGTGTCTCCAGGGGAAAGAGTCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGTCAGAGTGTTATCAGCAGCTTAGCCTGGTACCAGCAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTATGGTGCATCCACCAGGGCCACTGGTATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGAGTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTGCAGTCTGAAGATTTTGCAGTTTATTACTGTCAGCAGTATAATAATTGGTGGACGTTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAACGA(配列番号39)
軽鎖可変領域のアミノ酸配列:
ETVMTQSPATLSVSPGERVTLSCRASQSVISSLAWYQQKPGQAPRLLIYGASTRATGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYYCQQYNNWWTFGQGTKVEIKR(配列番号40)
特許、特許出願、論文、教科書、等が含まれる、本明細書に引用するすべての参考文献と、そこに引用された参考文献は、それらがまだ引用されていない限りにおいて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0143】
上記に記載の明細書は、当業者が本発明を実施することを可能にするのに十分であると考えられる。上述の記載及び実施例は、本発明のある好ましい態様を詳解して、本発明者により考慮される最良の形式について記載する。しかしながら、上述のことが本文にどんなに詳しく見えるとしても、本発明は多くのやり方で実施してよく、本発明は、付帯の特許請求項とその均等物に従って解釈されるべきであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1a】図1aは、A431異種移植片腫瘍を持つマウスにおける、mAb3.19.3及びVTKI(VEGFチロシンキナーゼ阻害剤(−4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリン))による処置後の組合せの有効性を示す。
【図1b】図1bは、A431異種移植片腫瘍を持つマウスにおける、mAb3.19.3及びVTKI(VEGFチロシンキナーゼ阻害剤(−4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリン))による組合せ処置後の、宿主の体重変化に及ぼす効果を示す。
【図2a】図2aは、Colo205異種移植片腫瘍を持つマウスにおける、mAb3.19.3及びVTKI(VEGFチロシンキナーゼ阻害剤(−4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリン))による処置後の組合せの有効性を示す。
【図2b】図2bは、Colo205異種移植片腫瘍を持つマウスにおける、mAb3.19.3及びVTKI(VEGFチロシンキナーゼ阻害剤(−4−(4−フルオロ−2−メチルインドール−5−イルオキシ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリン))による組合せ処置後の、宿主の体重変化に及ぼす効果を示す。
【図3a】図3aは、HT29異種移植片腫瘍を持つマウスにおける、mAb3.19.3及びAZD2171による処置後の組合せの有効性を示す。
【図3b】図3bは、HT29異種移植片腫瘍を有するマウスにおける、mAb3.19.3及びAZD2171による組合せ処置後の、宿主の体重変化に及ぼす効果を示す。
【図4a】図4aは、Lovo異種移植片腫瘍を持つマウスにおける、mAb3.19.3及びZactimaTMによる処置後の組合せの有効性を示す。
【図4b】図4bは、Lovo異種移植片腫瘍を持つマウスにおける、mAb3.19.3及びZactimaTMによる組合せ処置後の、宿主の体重変化に及ぼす効果を示す。
【図5a】図5aは、SW620結腸異種移植片腫瘍を持つマウスにおける、mAb3.19.3及びmAb DC101による処置後の組合せの有効性を示す。
【図5b】図5bは、SW620結腸異種移植片腫瘍を持つマウスにおける、mAb3.19.3及びmAb DC101による組合せ処置後の、宿主の体重変化に及ぼす効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンジオポエチン−2の生物学的活性のアンタゴニストと、
i.VEGF−A、及び/又は
ii.KDR、及び/又は
iii.Flt1
の生物学的活性のアンタゴニストの組合せ。
【請求項2】
アンジオポエチン−2のアンタゴニストが抗体である、請求項1に記載の組合せ。
【請求項3】
アンジオポエチン−2のアンタゴニストが完全ヒトモノクローナル抗体である、請求項2に記載の組合せ。
【請求項4】
抗体が、完全ヒトモノクローナル抗体;
i.3.31.2、又は
ii.5.16.3、又は
iii.5.86.1、又は
iv.5.88.3、又は
v.3.3.2、又は
vi.5.103.1、又は
vii.5.101.1、又は
viii.3.19.3、又は
ix.5.28.1、又は
x.5.78.3
のいずれか1つと同じエピトープへ結合する、請求項2又は3のいずれか1項に記載の組合せ。
【請求項5】
抗体が、
i.3.31.2、又は
ii.5.16.3、又は
iii.5.86.1、又は
iv.5.88.3、又は
v.3.3.2、又は
vi.5.103.1、又は
vii.5.101.1、又は
viii.3.19.3、又は
ix.5.28.1、又は
x.5.78.3
のいずれか1つより選択される完全ヒトモノクローナル抗体である、請求項4に記載の組合せ。
【請求項6】
KDR又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストが抗体である、請求項1に記載の組合せ。
【請求項7】
VEGF−Aの生物学的活性のアンタゴニストが抗体である、請求項1に記載の組合せ。
【請求項8】
VEGF−Aの生物学的活性のアンタゴニストがAvastin又はDC101である、請求項7に記載の組合せ。
【請求項9】
KDR又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストが化合物である、請求項1に記載の組合せ。
【請求項10】
KDR又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストがチロシンキナーゼ阻害剤である、請求項9に記載の組合せ。
【請求項11】
KDR又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストが、
ZactimaTM、AZD2171、SU11248、SU14813、Vatalanib、BAY43−9006、XL−647、XL−999、AG−013736、AMG706、BIBF1120、TSU68、GW786034、AEE788、CP−547632、KRN951、CHIR258、CEP−7055、OSI−930、ABT−869、E7080、ZK−304709、BAY57−9352、L−21649、BMS582664、XL−880、XL−184、又はXL−820
より選択される、請求項10に記載の組合せ。
【請求項12】
KDR又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストが、
ZactimaTM、AZD2171、SU11248、又はBAY43−9006
より選択される、請求項11に記載の組合せ。
【請求項13】
KDR又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストがZactimaTMである、請求項11に記載の組合せ。
【請求項14】
KDR又はFlt1の生物学的活性のアンタゴニストがAZD2171である、請求項11に記載の組合せ。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項の組合せを含んでなる医薬組成物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の組合せを投与することを含んでなる、アンジオポエチン−2と
i.VEGF−A、及び/又は
ii.KDR、及び/又は
iii.Flt1
のいずれか1つの生物学的活性を拮抗させる方法。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれか1項の組合せの治療的に有効な量を投与することを含んでなる、哺乳動物において疾患関連性の血管新生を処置する方法。
【請求項18】
請求項1〜15のいずれか1項の組合せの治療的に有効な量を含んでなる、哺乳動物において癌を処置する方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【公開番号】特開2012−211155(P2012−211155A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−131988(P2012−131988)
【出願日】平成24年6月11日(2012.6.11)
【分割の表示】特願2008−545075(P2008−545075)の分割
【原出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】